JP6194866B2 - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、HEVやEVの駆動モータなど、比較的高速で回転するモータの鉄心材料に好適な無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
無方向性電磁鋼板は、モータやトランスの鉄心として使用される材料であり、これら電気機器の効率向上の観点から低鉄損が要求される。鉄損を低減するには固有抵抗の増加や薄板化が有効であるが、固有抵抗の増加には合金コストが、薄板化には圧延や焼鈍のコストが増加するという課題があり、新たな鉄損低減手法の確立が望まれている。
固有抵抗の増加や薄板化以外の鉄損低減手法として、方向性電磁鋼板においては、フォルステライト被膜を除去し、表面を平滑化することで、ヒステリシス損が低減することが知られている。これは、表面の凹凸が減少して磁壁が動きやすくなることに起因する。特許文献1では最終仕上げ焼鈍前の鋼板の表面粗さを算術平均粗さRaで0.3μm以下とし、焼鈍分離剤としてアルミナ系の分離剤を用いる技術が提案されている。
これに対して、無方向性電磁鋼板では表面粗さが鉄損に及ぼす影響は小さいと考えられている。無方向性電磁鋼板の表面粗さを低減する技術として、特許文献2,3が提案されている。特許文献2には、鋼板表面のRaを0.5μm以下とすることで、占積率の低下を抑制した無方向性電磁鋼板が記載されている。特許文献3には、Crを1.5質量%以上20質量%以下含み、鋼板表面のRaを0.5μm以下とすることで、高周波での鉄損を低減した無方向性電磁鋼板が記載されている。
特開2009-228117号公報 特開2001-192788号公報 特開2001-279403号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術は、方向性電磁鋼板に関するものであり、無方向性電磁鋼板の鉄損を低減することに対して何らの示唆も与えない。また、特許文献2に記載された技術は、無方向性電磁鋼板に関するものであるが、占積率の改善を目的としたものであり、鉄損を低減することを意図していない。特許文献3で提案された技術は、無方向性電磁鋼板の高周波鉄損を低減することを意図するものであるが、より鉄損を低減することが求められている。
本発明は、上記課題に鑑み、従来よりもさらに鉄損を低減した無方向性電磁鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、表面凹凸の影響について次のような考察を行い、表面粗さの制御について新たな着想を得た。すなわち、表面に凹凸がある鋼板に外部磁場を印加して磁壁を動かす場合、磁壁の移動に応じて表面の静磁エネルギーが増加するため、磁壁は復元力を受ける。この復元力は凹凸の深さだけでなく、凹凸の波長の影響も受けるはずである。すなわち、磁壁の移動距離よりも大きな波長で変化する凹凸がある場合、磁壁が動いても静磁エネルギーの変化が小さいので磁壁が受ける復元力が小さい。逆に、磁壁の移動距離よりも小さな波長で変化する凹凸(すなわち細かい凹凸)がある場合は、磁壁には大きな復元力が働くと考えられる。
方向性電磁鋼板の結晶粒径は10mm程度、磁区幅は1mm程度であるから、磁壁の移動距離は1mm程度である。これに対し、無方向性電磁鋼板の結晶粒径は100μm程度であり、磁区幅も磁壁の移動距離も10μm程度と非常に小さい。したがって、無方向性電磁鋼板の鉄損を低減するためには、数十μm程度のカットオフ波長で長波長側のうねりを除去した微小凹凸を評価し、この微小凹凸を低減する必要があると、本発明者らは考えた。以下、この微小凹凸を「ミクロな粗さ」とも呼ぶ。
特許文献1では方向性電磁鋼板について、特許文献2,3では無方向性電磁鋼板について、鋼板表面のRaを小さくすることが記載されている。しかし、カットオフ波長が不明であり、上記のようなミクロな粗さに着目したものではない。本発明らが注目したのは、磁壁の移動距離よりも小さな波長のミクロな粗さであり、従来技術とは根本的に技術思想が異なる。
上記着想に基づき、本発明者らが鋭意検討を行った結果、通常の製法で無方向性電磁鋼板の板厚を0.30mm未満とするとヒステリシス損が増加すること、ミクロな粗さを低減するとこのヒステリシス損の増加が抑制されること、また、Al含有量が少ない成分組成がこの効果が大きいことがわかり、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)質量%で、
C:0.05%以下、
Si:0.1%以上7.0%以下、
Al:0.01%以下、
Mn:0.03%以上3.0%以下、
P:0.2%以下、
S:0.005%以下、
N:0.005%以下、および
O:0.01%以下、
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
板厚が0.30mm未満であって、
カットオフ波長λc=20μmでの、地鉄表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以下であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(2)前記成分組成が、質量%で、SnおよびSbの1種または2種を合計で0.01%以上0.2%以下含むことを特徴とする、上記(1)に記載の無方向性電磁鋼板。
(3)前記成分組成が、質量%で、Ca、MgおよびREMの1種または2種以上を合計で0.0005%以上0.010%以下含むことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の無方向性電磁鋼板。
(4)前記成分組成が、質量%で、Cr:0.1%以上20%以下を含むことを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
(5)前記成分組成が、質量%で、Ti、Nb、VおよびZrの1種または2種以上を合計で0.01%以上1.0%以下含むことを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の成分組成を有する鋼スラブを加熱し、
該鋼スラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、
該熱延鋼板に熱延板焼鈍を施すか施さず、
前記熱延鋼板に、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して、板厚0.30mm未満の冷延鋼板とし、
該冷延鋼板に仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法であって、
最後の冷間圧延の最終パスの圧延ロール表面の、カットオフ波長λc=20μmでの算術平均粗さRaを0.2μm以下とすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明の無方向性電磁鋼板によれば、地鉄表面のミクロな粗さを低減したことによって、鋼成分に大きな制限を加えることなく、鉄損を低減できる。また、本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法によれば、地鉄表面のミクロな粗さを低減して、鉄損を低減した無方向性電磁鋼板を有利に製造できる。
種々の板厚における、地鉄表面の算術平均粗さRa(カットオフ波長λc=20μm)と、ヒステリシス損Wh10/50との関係を示すグラフである。
(無方向性電磁鋼板)
以下、本発明の一実施形態による無方向性電磁鋼板について説明する。まず、鋼の成分組成の限定理由について述べる。なお、本明細書において、各成分元素の含有量を表す「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.05%以下
Cは鋼の強度アップに利用することができる。C含有量が0.05%を超えると、加工が困難になるため、C含有量の上限は0.05%とする。強度アップに利用しない場合は、磁気時効を抑制するために0.005%以下に低減することが好ましい。
Si:0.1%以上7.0%以下
Siは0.1%以上添加することで鋼の比抵抗を増加させ、鉄損を低減する効果がある。しかし、7.0%を超えて添加するとかえって鉄損が悪くなる。したがって、Si含有量の範囲は0.1%以上7.0%以下とする。鉄損と加工性のバランスの観点から、より好ましい範囲は1.0%以上5.0%以下である。
Al:0.01%以下
Alは窒化物を作りやすい元素であり、0.01%を超えて添加すると、仕上げ焼鈍の際、鋼板表面近傍に微細AlNが形成される。微細AlNが形成されると磁壁の動きが阻害されるので、本発明において、磁壁の移動距離よりも小さな波長の微小な凹凸を低減することにより鉄損の低減効果が小さくなってしまう。そこで、Al含有量の上限は0.01%以下とする。粒成長性改善の観点から、より好ましいAl含有量は0.003%以下である。
Mn:0.03%以上3.0%以下
Mnは0.03%以上添加することで鋼の熱間脆性を防止できる。また、比抵抗を増加させて鉄損を低減する効果もある。3.0%を超えて添加するとかえって鉄損が増加するため、Mn含有量の範囲は0.03%以上3.0%以下とする。より好ましい範囲は0.1%以上2.0%以下である。
P:0.2%以下
Pは鋼の強化に利用することができる。しかし、0.2%を超えて添加すると鋼が脆化して加工が困難になる。したがって、P含有量は0.2%以下とする。さらに好ましい範囲は0.01%以上0.1%以下である。
S:0.005%以下
S含有量が0.005%を超えると、MnS等の析出物が増加し、粒成長性が劣化する。したがって、S含有量の上限は0.005%とする。さらに好ましい範囲は0.003%以下である。
N:0.005%以下
N含有量が0.005%を超えると、AlN等の析出物が増加し、粒成長性が劣化する。したがって、N含有量の上限は0.005%とする。さらに好ましい範囲は0.003%以下である。
O:0.01%以下
O含有量が0.01%を超えると、酸化物が増加し、粒成長性が劣化する。したがって、O含有量の上限は0.01%とする。さらに好ましい範囲は0.005%以下である。
上記成分に加えて、以下の成分を添加してもよい。
Sn, Sb:合計で0.01%以上0.2%以下
Sn, Sbは0.01%以上添加することで再結晶集合組織の[111]結晶粒を低減し、磁束密度を向上させる効果がある。また、仕上げ焼鈍や歪取り焼鈍で窒化・酸化を防ぎ、鉄損の増加を抑制する効果もある。0.2%を超えて添加しても効果が飽和するため、Sn, Sb含有量の範囲は0.01%以上0.2%以下とする。さらに好ましい範囲は0.02%以上0.1%以下である。
Ca, Mg, REM:合計で0.0005%以上0.010%以下
Ca, Mg, REMは0.0005%以上添加することで硫化物を粗大化させ、粒成長性を改善させる効果がある。0.010%を超えて添加するとかえって粒成長性が悪くなるため、Ca, Mg, REM含有量の範囲は0.0005%以上0.010%以下とする。さらに好ましい範囲は0.001%以上0.005%以下である。
Cr:0.1%以上20%以下
Crは0.1%以上添加することで鋼の比抵抗を増加させ、鉄損を低減する効果がある。鋼の硬度が小さいため多量に添加することができるが、20%を超えて添加すると脱炭が困難になり、炭化物が析出して鉄損を劣化させる。したがって、Cr含有量は0.1%以上20%以下とする。さらに好ましい範囲は1.0%以上10%以下である。
Ti, Nb, V, Zr:合計で0.01%以上1.0%以下
Ti, Nb, V, Zrは炭化物・窒化物形成元素であり、0.01%以上添加することで鋼の強度を上昇させることができる。1.0%を超えて添加しても効果が飽和するため、Ti, Nb, V, Zr含有量は0.01%以上1.0%以下とする。さらに好ましい範囲は0.1%以上0.5%以下である。強度上昇に利用しない場合は、粒成長性を改善するため0.005%以下に低減することが好ましい。
上記した元素以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
本実施形態の無方向性電磁鋼板は、カットオフ波長λc=20μmでの、地鉄表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以下であることが重要である。このように磁壁の移動距離よりも小さな波長の微小な凹凸を低減することにより、ヒステリシス損を低減できる。より好ましい範囲は0.1μm以下である。
本発明において、表面粗さの測定は、JIS B 0601、JIS B 0632、JIS B 0633、JIS B 0651に記載の内容に準じて行う。測定は地鉄表面で行うため、コーティングが塗布されている場合は煮沸アルカリ等で除去する。表面粗さの測定に用いる測定機は、波長数μm以下のミクロな粗さを正確に検出できるものを選択する。一般的な触針式表面粗さ計は、触針先端の半径が数μmであるため、ミクロな粗さを検出するには不適当である。そこで、本発明では、3次元走査電子顕微鏡を用いて、算術平均粗さRaを測定する。ミクロな粗さを検出するため、基準長さおよびカットオフ波長(カットオフ値)λcは20μmとする。カットオフ比λc/λsは特に指定されないが、100以上とすることが望ましく、本発明においては100として測定するものとする。測定方向は圧延方向および圧延直角方向とし、それぞれ3回測定を行い、その平均値を用いる。
これに対して、例えば一般的な触針式表面粗さ計で得られるマクロな粗さは、磁気特性に影響を与えないため、特に限定しない。占積率向上の観点からは、カットオフ波長λc=0.8mm、カットオフ比λc/λs=300で得られる、地鉄表面の算術平均粗さRaを0.5μm以下とすることが望ましい。
本実施形態において、板厚は0.30mm未満とする。板厚が0.30mm未満の場合に、カットオフ波長λc=20μmでの、地鉄表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以下であることによる鉄損の低減効果を得ることができるからである。板厚は、好ましくは0.25mm以下、より好ましくは0.15mm以下とする。また、板厚が0.05mm未満になると製造コストが高くなるため、0.05mm以上とすることが好ましい。
(無方向性電磁鋼板の製造方法)
次に、本発明の一実施形態による無方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。上記の成分組成に調整した溶鋼から、通常の造塊−分塊法や連続鋳造法によって鋼スラブを製造してもよいし、100mm以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造してもよい。
ついで、鋼スラブは通常の方法で加熱して、熱間圧延に供し、熱延鋼板とする。
ついで、必要に応じて熱延鋼板に熱延板焼鈍を施す。熱延板焼鈍の目的はリジング防止や磁束密度向上であり、必要ない場合には省略することもできる。連続焼鈍設備を用いる場合は900〜1100℃×1〜300sec、バッチ焼鈍設備を用いる場合は700〜900℃×10〜600minの条件とすることが好ましい。
その後、熱延鋼板に酸洗を施してから、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して、最終板厚の冷延鋼板に仕上げる。最終板厚は0.30mm未満とする。
地鉄表面のカットオフ波長λc=20μmでの算術平均粗さRaを0.2μm以下とする好適な方法は、最後の冷間圧延の最終パスの圧延ロールの表面粗さを調整することである。本実施形態では、最後の冷間圧延の最終パスの圧延ロール表面の算術平均粗さRaを、カットオフ波長λc=20μmで0.2μm以下とする。ロール表面を効率良く鋼に転写させるため、少なくとも最終パスはドライ圧延であることが好ましい。これにより、冷延鋼板の表面を平滑化することができる。なお、冷間圧延で地鉄表面を平滑化しない場合は、冷間圧延後または仕上げ焼鈍後に、化学研磨や電解研磨などの工程を追加して、地鉄表面のカットオフ波長λc=20μmでの算術平均粗さRaを0.2μm以下とすることでもよい。ただし、製造コストの観点から、冷間圧延時に地鉄表面を平滑化することが好ましい。
最終冷間圧延の後、冷延鋼板に仕上げ焼鈍を施す。仕上げ焼鈍で鋼板表面が酸化・窒化すると磁気特性が大幅に劣化する。そこで、酸化を防止するために、焼鈍雰囲気を還元性とすることが好ましい。例えば、H2濃度を5%以上含有するN2-H2混合雰囲気を用い、露点を下げてPH2O/PH2を0.05以下に制御することが好ましい。窒化を防止するためには、炉内雰囲気のN2分圧を95%以下とすることが好ましく、より好ましい範囲は85%以下である。また、Sn, Sbの1種または2種を鋼に合計で0.01%以上0.2%以下添加することは、酸化・窒化の抑制に特に効果的である。焼鈍条件は700〜1100℃×1〜300secが好適である。鉄損を重視する場合は焼鈍温度を上げ、強度を重視する場合は焼鈍温度を下げればよい。
仕上げ焼鈍後、必要に応じて鋼板表面に絶縁コーティングを施し、製品板(無方向性電磁鋼板)とする。絶縁コーティングは公知のものを用いることができ、無機コーティング、有機コーティング、無機−有機混合コーティングなどを目的に応じて使い分けることができる。
その他の製造条件は、無方向性電磁鋼板の一般的な製造方法に従えばよい。
(実施例1)
C:0.0022%, Si:3.25%, Al:0.001%, Mn:0.27%, P:0.02%, S:0.0018%, N:0.0021%, O:0.0024%, Sn:0.06%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを溶し、1130℃で30分間加熱したのち、熱間圧延を行い、熱延鋼板を得た。この熱延鋼板に、1000℃×30secの熱延板焼鈍を行い、さらに冷間圧延を行い、板厚0.15〜0.30mmの冷延鋼板に仕上げた。得られた冷延鋼板にH2:N2=30:70、露点-50℃の雰囲気中で1000℃×10secの仕上げ焼鈍を行い、絶縁コーティングを塗布して製品板とした。
ここで、冷間圧延の最終パスの圧延ロールの表面粗さを調整することで、製品板の地鉄表面のミクロな粗さを変更した。得られた製品板から280mm×30mmの試験片を採取し、エプスタイン試験で直流磁気測定を行いBm=1.0T、f=50Hzのヒステリシス損Wh10/50を測定した。また、煮沸アルカリで製品板の絶縁コーティングを除去したのち、エリオニクス製 3D-SEM(ERA-8800FE)を用い、加速電圧5kVで100μm×100μmの表面形状測定を行い、既述の条件で、カットオフ波長λc=20μmでの地鉄表面の算術平均粗さRaを測定した。結果を図1に示す。本発明を満たす範囲では、ヒステリシス損が低いという結果が得られた。なお、冷間圧延の最終パスの圧延ロール表面のRa0.2μm以下とした場合に、地鉄表面の算術平均粗さRaが0.2μm以下となった。
(実施例2)
表1に示す成分を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを溶し、1100℃で30分間加熱したのち、熱間圧延を行い、熱延鋼板を得た。この熱延鋼板に、980℃×30secの熱延板焼鈍を行い、さらに冷間圧延を行い、板厚0.15mmの冷延鋼板に仕上げた。得られた冷延鋼板にH2:N2=20:80、露点-40℃の雰囲気中で980℃×10secの仕上げ焼鈍を行い、絶縁コーティングを塗布して製品板とした。
ここで、冷間圧延の最終パスの圧延ロールの表面粗さを調整し、ドライ圧延とすることで、製品板の地鉄表面のミクロな粗さを変更した。得られた製品板から280mm×30mmの試験片を採取し、エプスタイン試験で直流磁気測定を行いBm=1.0T、f=400Hzのヒステリシス損Wh10/400を測定した。また、煮沸アルカリで製品板の絶縁コーティングを除去したのち、エリオニクス製 3D-SEM(ERA-8800FE)を用い、加速電圧5kVで100μm×100μmの表面形状測定を行い、既述の条件で、カットオフ波長λc=20μmでの地鉄表面の算術平均粗さRaを測定した。また、冷間圧延の最終パスの圧延ロールの表面の算平均粗さRaも同様の方法で測定した。さらに、触針の先端半径:2μmの触針式粗度計(東京精密(株)製)を用い、走査速度:0.5mm/s、カットオフ波長:0.8mmで、地鉄表面の算平均粗さRaを測定した。
結果を表1に示す。本発明を満たす範囲では、ヒステリシス損が低いという結果が得られた。特に、カットオフ波長λc=0.8mmとした従来の一般的な測定手法により測定した、地鉄表面のRaが0.2μm以下の場合であっても、本発明が規定するカットオフ波長λc=20μmでのRaが0.2μm超えの場合には、ヒステリシス損が高いという結果であった。
Figure 0006194866
本発明の無方向性電磁鋼板によれば、地鉄表面のミクロな粗さを低減したことによって、鋼成分に大きな制限を加えることなく、鉄損を低減できる。この効果は、固有抵抗の増加および薄板化とは異なる原理で得られるものであるため、これらの手法と併用することで、さらなる鉄損の低減が可能である。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.05%以下、
    Si:0.1%以上7.0%以下、
    Al:0.01%以下、
    Mn:0.03%以上3.0%以下、
    P:0.2%以下、
    S:0.005%以下、
    N:0.005%以下、および
    O:0.01%以下、
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    板厚が0.30mm未満であって、
    カットオフ波長λc=20μmでの、地鉄表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以下であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  2. 前記成分組成が、質量%で、SnおよびSbの1種または2種を合計で0.01%以上0.2%以下含むことを特徴とする、請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
  3. 前記成分組成が、質量%で、Ca、MgおよびREMの1種または2種以上を合計で0.0005%以上0.010%以下含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の無方向性電磁鋼板。
  4. 前記成分組成が、質量%で、Cr:0.1%以上20%以下を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
  5. 前記成分組成が、質量%で、Ti、Nb、VおよびZrの1種または2種以上を合計で0.01%以上1.0%以下含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分組成を有する鋼スラブを加熱し、
    該鋼スラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、
    該熱延鋼板に熱延板焼鈍を施すか施さず、
    前記熱延鋼板に、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して、板厚0.30mm未満の冷延鋼板とし、
    該冷延鋼板に仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法であって、
    最後の冷間圧延の最終パスの圧延ロール表面の、カットオフ波長λc=20μmでの算術平均粗さRaを0.2μm以下として、カットオフ波長λc=20μmでの地鉄表面の算術平均粗さRaを0.2μm以下とすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
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