JP6194559B2 - 誘電体磁器組成物、それを用いた電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、誘電体磁器組成物に関するものであり、特に大容量の蓄電器などを得るために誘電特性を向上させた誘電体磁器組成物に関する。また、その誘電体磁器組成物を用いた電子部品に関する。およびそれらの製造方法に関する。
従来、誘電体磁器組成物としてチタン酸ジルコン酸鉛が用いられていたが、鉛を含むため、環境汚染を引き起こすという問題がある。
鉛を含まない誘電体磁器組成物としてはチタン酸バリウムが主に用いられ、誘電素子、コンデンサ、積層コンデンサなどに応用されている。
一方、特許文献1には、(K1−xNa)NbOで表されるニオブ酸化合物とBaTiOで表されるチタン酸バリウムのコンポジット構造を有する誘電体磁器組成物が、温度変化に対する比誘電率の変動が少ないことが開示されている。
特開2013−28478
しかしながら、上述した(K1−xNa)NbOで表されるニオブ酸化合物とBaTiOで表されるチタン酸バリウムのコンポジット構造を有する誘電体磁器組成物であっても十分な比誘電率を有するとは言えないという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、高い比誘電率を有する誘電体磁器組成物を提供すること、またその誘電体磁器組成物を用いた電子部品を提供する。
本発明の誘電体磁器組成物は、複数の基板粒子が接合した3次元ネットワークと、前記3次元ネットワークの表面を被覆し、前記基板粒子との界面は結晶格子が連続しているヘテロエピタキシャル界面である表面層とを備え、前記へテロエピタキシャル界面がマトリクス状であることを特徴とする。
本発明の誘電体磁器組成物は、複数の基板粒子が接合した3次元ネットワークと、前記3次元ネットワークの表面を被覆し、前記基板粒子との界面が結晶格子が連続しているヘテロエピタキシャル界面である表面層とを備え、前記3次元ネットワークが、その周辺において前記複数の基板粒子の表面のなす角度の平均が鈍角となるような接合を備えたことを特徴とする。
また、本発明による電子部品は、上述の前記誘電体磁器組成物を備え、前記誘電材料に印加された電界により前記誘電材料の表面に電荷が誘起されることを特徴とする。
また、本発明による誘電体磁器組成物の製造方法は、基板粒子である圧粉体を作製する工程と、前記圧粉体を接合するネッキング処理を行う工程と、外部からNb源を添加する工程と、ソルボサーマル法により表面層をエピタキシャルに形成する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、高い比誘電率を有した誘電体磁器組成物を提供することができる。またその誘電材料を用いることにより、多量の電荷を誘起できる電子部品を提供することができる。
は、MPBを示す模式図である。 は、分極回転機構の模式図である。 は、リートベルト解析から構造傾斜領域(SGR)の変化を解析した結果である。 は、本発明の実施例1による誘電体磁器組成物のKN/BTと比誘電率、構造傾斜領域(SGR)の厚さの関係を示す図である。 は、セラミックスの体積密度と比誘電率の関係を示すグラフである。 は、本発明の実施例1による誘電体磁器組成物のパラレル構造を説明する模式図である。 は、本発明の実施例1による誘電体磁器組成物の、パラレル構造の導入による誘電特性の結果を示すグラフである。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の製法のフローの模式図である。 は、ソルボサーマル法を用いたKN/BTナノ複合セラミックスのKN積層量と比誘電率の結果を示すグラフである。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の製法の、秤量からネッキングまでのフローチャートである。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の、ネッキング後の試料の走査型電子顕微鏡(SEM)の測定結果である。 本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の製法の、Nb添加から加熱処理までのフローの模式図である。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の加水分解から加熱処理まで行ったもののXRD測定結果である。 本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の製法の、ソルボサーマル合成から乾燥までのフローチャートである。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の、Nb添加5回の試料のネッキング処理後、Nb添加後、ソルボサーマル合成後の粉末のX線解析(XRD)による定性分析結果である。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の、電気特性を図るための加工の模式図である。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の、比誘電率の周波数依存性と温度依存性の測定結果である。 は、本発明の実施例2による誘電体磁器組成物の、KN/BT比から求めたKN積層量と1MHz、RTの比誘電率の結果を、図9に重ねた結果である。 は、本発明の実施例2と実施例3によるによる誘電体磁器組成物の模式図である。 は、本発明の実施例3による誘電体磁器組成物の製法の、フローチャートである。 は、本発明の実施例3による誘電体磁器組成物の、ネッキング後のBTのSEMの画像である。 は、本発明の実施例3による誘電体磁器組成物の、ネッキング処理後、ソルボサーマル合成前、ソルボサーマル合成後の粉末XRD測定結果である。 は、本発明の実施例3による誘電体磁器組成物の、周波数依存性と温度依存性を示すグラフである。 は、本発明の実施例3による誘電体磁器組成物の、ヒステリシス測定により得られた歪測定結果と歪の傾きから求めた見かけのd33*定数と、P-Eヒステリシス曲線を示すグラフである。 は、本発明の実施例4による誘電体磁器組成物の構造を示す図である。 は、本発明の実施例5による、実施例1から4による誘電体磁器組成物を用いたキャパシタの構造を示す図である。 は、本発明の実施例5による、実施例1から4による誘電体磁器組成物を用いた積層コンデンサの構造を示す図である。
以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例として、基板粒子にチタン酸バリウム(BaTiO3、以下BTという)、表面層にニオブ酸カリウム(KNbO3、以下KNという)を用いた例について説明する。
従来誘電体磁器組成物として用いられてきた材料の多くは、組成相境界(Morphotropic phase boundary、以下MPBという)を持つ。MPBとは一つのグレインの中に異なる2つの結晶相が共存している状態である。この異なる結晶相の界面では自発分極方向が歪んでいる構造傾斜領域(Structure-gradient region、以下SGRともいう)と呼ばれている部分が存在している。MPBの模式図を図1に示す。
界面において、2相は共存し、エピタキシャルな界面を持っている。エピタキシャルとは、2つの相の格子が連続して成長している状態である。MPBにおいて高い誘電特性が発現される要因として、SGR内での分極回転機構と呼ばれる現象と考えられている。分極回転機構の模式図を図2に示す。本来、相により自発分極方向は決まった方向を向いているが、SGRでは自発分極方向が外場によってある範囲内で自由に外場に沿った向きに揃うことが可能になるため、高い特性を持つ。
KNは常温において斜方晶で存在し、高いキュリー温度を持つ。BTは常温において正方晶で存在し、高い誘電特性を持つ。さらにKNとBTの格子定数は立方晶時に近い数値であり、エピタキシャルな界面ができやすい。KN/BTナノ複合セラミックスはKNをソルボサーマル法などの方法で、エピタキシャル成長させることで得られる。BTとKNの界面付近の結晶格子が歪み、エピタキシャルな界面ができる。
ソルボサーマル法とは、有機溶媒を用いて高圧下で反応させる合成法である。ソルボサーマル法を用いることで、300℃以下という低温で合成を行うことが可能である。また、ソルボサーマル法ではヘテロエピタキシャル成長という結晶成長が起こる。ヘテロエピタキシャル成長とは、一つの相の周りに格子が連続して別種の相が結晶成長することである。
KNとBTの比率を変えて比誘電率を測定し、リートベルト解析からSGRの変化を解析した結果を図3に示す。またKN/BTと比誘電率、SGRの厚さの関係を図4に示す。図4からはSGRの増加に伴い比誘電率が向上していることがわかる。
セラミックスは体積密度が最密充填構造を超えるとき粒子が点接触から面接触に変わることで比誘電率が大幅に向上する。また、粒子をネッキングさせることで粒子を面接触させ、低密度でも比誘電率を向上させることができる。セラミックスの体積密度と比誘電率のグラフを図5に示す。
本実施例では、ネッキングしたBTにKNをエピタキシャル成長させることでSGRを連続した状態にしたパラレル構造とした。パラレル構造とは、粒子にネッキング構造を持たせて界面がマトリックス構造を持たせることである。パラレル構造の模式図を図6に示す。
BTと酸化ニオブ(Nb2O5)でペレットを作製し、加熱によるネッキング処理後ソルボサーマル法によりKNの合成を行った場合、ネッキングをすることで比誘電率を約1.5倍に増加させることができた。パラレル構造の導入による誘電特性の結果を図7に示す。
前述の実施例1では、BTと酸化ニオブ(Nb2O5)でペレットを作製し、加熱によるネッキング処理後ソルボサーマル法によりKNの合成を行ったが、不純物が生じる可能性があり、本実施例2では、BTのみで圧粉体を作製しネッキング処理を行った後、外部からNb源を添加、Nb2O5を導入しソルボサーマル法によりKNを合成することで不純物を生成させずにパラレル構造を持ったKN/BT複合セラミックスの合成を行う例を説明する。
本実施例の誘電体磁器組成物の製法のフローの模式図を図8に示す。
ソルボサーマル法を用いたKN/BTナノ複合セラミックスのBTに対するKNの積層量には最適な量があり、最適なKN/BT比は0.5で積層量は22nmである。KN積層量と比誘電率の結果を図9に示す。
KN/BT=0.5となるようにNbを後で添加するためには、BTのみの圧粉体では密度が高いので、本実施例では圧粉体作製時にBTと共にカーボンブラック(以下CBという)を混ぜ、脱バインダー処理でCBを一緒にとばすことで、多孔体のBTペレットを作製し、Nbを多量に添加できる。
出発原料としてBT(堺化学、300nm)に対しCBを体積比で30%(30vol%)加えこの原料とジルコニアボール200g、エタノールを樹脂容器に入れ300rpmで17時間混合させる。
混合させた原料と溶液をフッ素樹脂シートに移し80℃の乾燥機で3時間乾燥させてエタノールを蒸発させる。
乾燥後、乳鉢と乳棒を用いて粉砕し、バインダーを質量の2%(2wt%)加える。バインダーにはポリビニルブチラール(PVB)を用いる。原料とバインダーをエタノール加えて乳鉢で混合し、ふるい(250μm)にかけ粉末の粒子のサイズを揃える。
粉末を約0.15gずつ秤量し金型に詰め込み、油圧プレスを用いて約2tの圧力をかけ、直径10mmのディスク状に成形した。この試料をアルミナ板に乗せ、電気炉で600℃10時間熱処理によってバインダーの除去を行った。脱バインダー処理終了後、電気炉で1000℃2時間のネッキング処理を行い、BT多孔体ペレットを作製した。秤量からネッキングまでの手順のフローチャートを図10に示す。ネッキング後の試料の走査型電子顕微鏡(SEM)の測定結果を図11に示す。
次にアルコキシドを添加する。アルコキシドは空気中の水分と反応して加水分解を起こすので作業はグローブボックス内で行う。金属アルコキシドのペンタエトキシニオブ(Nb(OC2H5)5)をエタノールに3:10のモル比で溶解させ、溶液内にBT多孔体ペレットを入れて真空脱気させることでペレット内部にアルコキシドを含浸させる。
アルコキシドが含浸したペレットを水中に放置させてペレット内のアルコキシドを加水分解させることでペレット内に水酸化ニオブ(Nb(OH)5)を生成させる。これにより、Nb源をペレット内に留まらせる。
このペレットを電気炉によって600℃で5時間加熱することで酸化ニオブ(Nb2O5)を生成させる。Nb添加から加熱処理までの模式図を図12に示す。
加水分解から加熱処理までした試料のXRD測定結果を図13に示す。この手法を用いることでペレット内部にNbを添加させることに成功した。この含浸から加熱処理までの操作を1回から5回まで行うことでNb2O5添加量を制御する。
次にソルボサーマル合成を行う。ソルボサーマル合成の原料には水酸化カリウム(KOH)、炭酸カリウム(K2CO3)、溶媒にはエタノールを用いた。容器には25mLフッ素樹脂容器とオートクレーブを用いた。フッ素樹脂製の容器を用いたのはK源となるKOHが溶媒に溶解することで高いアルカリ性を示すため、アルカリに強いフッ素樹脂容器を用いる。
まずNb2O5/BT圧粉体の質量からNb濃度0.1Mとなるようエタノールをフッ素樹脂容器内に入れ、K/Nb=10(KOH/K2CO3=0.22)となるようし秤量し添加した後、10分間スターラーで撹拌する。10分後、Nb2O5/BT圧粉体を台座の上に載せ、フッ素樹脂容器の中に入れ、フッ素樹脂容器をオートクレーブ内に入れ、230℃、20時間保持で反応させKN/BTセラミックスを合成した。このとき台座の上で反応させるのは過飽和状態の原料と圧粉体が接触し、圧粉体の表と裏で反応濃度に差が出てしまうのを防ぐためである。
反応後、室温まで冷却し、取り出した試料はエタノールによる洗浄を行い、200℃で5時間乾燥させた。ソルボサーマル合成から乾燥までのフローチャートを図14に示す。以上説明したフローにより、誘電体磁器組成物を製造することができる。
作製した誘電体磁器組成物の、ネッキング処理後、Nb添加後、合成後のアルキメデス法による密度測定結果を表1に示す。また、Nb添加5回の試料のネッキング処理後、Nb添加後、ソルボサーマル合成後の粉末のX線解析(XRD)による定性分析結果を図15に示す。表1、図15
の結果からNb添加によりNb2O5の生成が確認され、合成後にはNb2O5のピークがなくなっているため、KNの合成も確認できる。また合成後のBTの格子の200面と002面の間にブリッジ構造というピ−クのふくらみが確認できる。これは常温において正方晶で存在するBTにKNがエピタキシャルに成長することで界面付近の格子が歪んでいるからである。KNの積層量が増すことでブリッジ構造が増大していることがわかる。
得られた誘電体磁器組成物を0.4mmの厚さまで研磨し、金電極をスパッタし300℃で熱処理後、2mm×2mmに切断後、200℃で24時間真空乾燥してから電気特性を測定した。加工の模式図を図16に示す。
比誘電率の周波数依存性と温度依存性の測定結果を図17に示す。ネッキング処理を行ったBTでは常温、1MHzにおいて比誘電率が約200でNbを5回添加させたKN/BT=0.42の誘電体磁器組成物では約350まで向上している。KN/BT比から求めたKN積層量と1MHz、RTの比誘電率の結果を、図9に重ねた結果を図18に示す。この結果からパラレル構造のないKN/BTナノ複合セラミックスと同様な挙動を示している。
上述の実施例2では、CBを用いて多孔体BTペレットを作製したため、ネッキングが弱く、SGRが連続せず、点在していると思われる。ネッキングをしないKN/BTナノ複合セラミックスと構造的に大きな変化がないと考えられる。
本実施例3では、CBを使わない製造方法を説明する。実施例2と、実施例3による誘電体磁器組成物の模式図を図19に示す。
本実施例のフローチャートを図20に示す。実施例2と異なり、CBを用いていない。Nb添加は5回まで行い、加水分解、加熱処理をした後、ソルボサーマル合成を行った。
ネッキング後のBTのSEMの画像を図21に、アルキメデス法による密度測定の結果を表2に、ネッキング処理後、ソルボサーマル合成前、ソルボサーマル合成後の粉末XRD測定結果を図24に示す。
図21からCBを用いないBTペレットではCBを30vol%添加したペレットに比べネッキングが非常に強いことがわかる。表2、図22の結果から、KN/BT比が0.25であり、KNの積層量は11nmである。BTの200面のピークからブリッジ構造も確認できる。
比誘電率の周波数依存性と温度特性について測定した。周波数依存性と温度依存性を図23に示す。図23から1MHz、RTでの比誘電率はネッキング処理を行ったBTの約800に対し、KN/BTナノ複合セラミックスでは約1600と2倍も増大させることができた。温度依存性についてもKNを積層させることで非常に高い比誘電率を出すことができる。
ヒステリシス測定により得られた歪測定結果と歪の傾きから求めた見かけのd33*定数と、P-Eヒステリシス曲線を図24に示す。図24からネッキング処理を行ったBTのd33*が161.9pC/Nに対しKN/BTナノ複合セラミックスは318.4pC/Nであり約2倍のd33*を持つことがわかる。圧電特性においてもKNをエピタキシャル成長させることで大きく向上することがわかる。
図25に実施例4として、基板粒子を格子状に配置し、隣りあう基板粒子の間をSGRで連結し、隙間に表面層を形成した誘電体磁器組成物を示す。本実施例4では、均一な組成を得ることができ、基板粒子の間隔や表面層を形成する隙間の大きさを制御することにより、誘電特性の制御が可能となる。
図26に、上述した本発明による実施例1〜3に記載の誘電体磁器組成物を用いた電子部品としてのキャパシタの例を示す。本発明による誘電体磁器組成物1を平板状に成形し、両面に第1の電極2、第2の電極3を設けたものである。ここでは、銀電極を用いている。誘電体磁器組成物の形状は問わないが、蓄えうる電荷量を考慮すれば平板状であることがのぞましい。また電極の材料も導電性を示す材料であればよく、金属であるかドープされた半導体であるかなどは問わないため、電子部品としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のキャパシタセルのようなものでもよい。さらに、キャパシタ構造や印加バイアスを変化させることにより容量を変えることができる可変容量素子のようなものでもよい。
電極2,3間に電圧を印加すると、誘電材料中に生じる電界に応じて誘電体磁器組成物のSGRの分極が変化し、電極との界面における誘電体磁器組成物の表面にそれぞれ正負の電荷が誘起される。本発明による誘電体磁器組成物は前述したように高い誘電特性を示すため、容量が大きいコンデンサが得られる。
図27に本発明による誘電体磁器組成物を用いた積層コンデンサの断面図を示す。本発明による誘電体磁器組成物1を多層シート状に形成し、それぞれの層間に第1の電極2と第2の電極3を交互に設けている。第1の電極と第2の電極はそれぞれ、外部の回路と接続が可能なように、外部電極4、5を備えている。電極間に印加された電圧に応じて電荷が蓄えられるが、高い比誘電率を持つ誘電体磁器組成物であるため、面積の削減、積層数の削減が可能となり、装置の小型化に寄与する。
本発明によれば、高い比誘電率を有する誘電体磁器組成物を提供すること、またその誘電体磁器組成物を用いた電子部品を提供することができる。
1・・・誘電体磁器組成物
2・・・第1の電極
3・・・第2の電極
4・・・外部電極
5・・・外部電極

Claims (4)

  1. 複数の基板粒子がネッキングされ互いに接合した3次元ネットワークと、前記3次元ネットワークの表面を被覆し、前記基板粒子との界面は結晶格子が連続しているヘテロエピタキシャル界面である表面層とを備え、前記へテロエピタキシャル界面がマトリクス状であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 複数の基板粒子がネッキングされ互いに接合した3次元ネットワークと、前記3次元ネットワークの表面を被覆し、前記基板粒子との界面が結晶格子が連続しているヘテロエピタキシャル界面である表面層とを備え、前記3次元ネットワークが、その周辺において前記複数の基板粒子の表面のなす角度の平均が鈍角となるような接合を備えたことを特徴とする誘電体磁器組成物。
  3. 請求項または2に記載の、前記誘電体磁器組成物を備え、前記誘電材料に印加された電界により前記誘電材料の表面に電荷が誘起されることを特徴とする電子部品。
  4. 基板粒子である圧粉体を作製する工程と、前記圧粉体を接合するネッキング処理を行う工程と、Nb源を添加する工程と、ソルボサーマル法により前記ネッキング処理を行った前記圧粉体の表面層をエピタキシャルに形成する工程とを備えたことを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
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