以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、第1スルーゲート67、第2スルーゲート670、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検出されと、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、第2スルーゲート670は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aaを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
また、第2入球口640の下方には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、いずれも所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650は、具体的には、特定入賞口65a又は特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65a,650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65a,650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図32を参照して、ハンドル装置51の詳細構成について説明する。
図5(a)はハンドル装置51の上面図であり、図5(b)はハンドル装置51の正面図である。また、図6は、図5(a)の矢印VI方向視におけるハンドル装置51の側面図である。なお、図5(a)及び図6では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示される。
図5及び図6に示すように、ハンドル装置51は、ハンドル取付台520と、ハンドルベース530と、ハンドルリング540と、前カバー550と、ボタン部材570と、を主に備え、パチンコ機10(図1参照)の前面から水平姿勢で突出される。
ハンドル取付台520は、その背面(図5(a)左側)が下皿ユニット15の前面に固着され、ハンドルベース530は、ハンドル取付台520の前面(図5(a)右側)に配設される。これら両部材520,530は、一方が他方に軸支された状態で連結され、その軸支された部分を中心として、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530がハンドルリング540と一体となって、上下方向に変位可能とされる(図23及び図24(21)参照)。
ハンドルベース530には、発射停止スイッチ操作部440が配設される。発射停止スイッチ操作部440は、ハンドルベース530の内部に設けられた発射停止スイッチ51b(図7参照)のオン・オフを切り換えるためのレバーであり、ハンドルベース530の左側面(図5(b)左側)から突出した状態で配設される。遊技者は、発射停止スイッチ操作部440を押下している間、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にかかわらず、遊技球の発射を停止することができる。
ハンドルリング540は、ハンドルベース530の前面(図5(a)右側)に回動可能に取り付けられ、ハンドルリング540の外周側には、遊技者が指を掛けるための3つの指掛け部540a,540b,540cが突出して形成される。
遊技者は、ハンドルリング540を、ハンドル装置51の正面視(図5(b)参照)において、右回り(時計回り)方向(即ち、初期位置から操作終点(最大位置)へ向かう方向)へ回動操作することにより、遊技球の発射強度を増大させることが可能である。即ち、ハンドルリング540は、初期位置から操作終点までの区間で回動操作可能とされ、その回動操作の操作量(回動位置)に応じて遊技球の発射強度が調整される。
この場合、ハンドル装置51は、ハンドルリング540の操作終点の位置が変更可能に形成される。具体的には、本実施形態では、初期位置から最大位置までの中心角(ハンドルリング540の回動操作角度)が120度とされ、この中心角120度の範囲内で操作終点の位置が変更(設定)可能とされる。
例えば、操作終点の位置が、初期位置との間の中心角が90度となる位置(即ち、最大位置との間の中心角が30度となる位置)に変更(設定)された場合には、ハンドルリング540が初期位置から操作終点へ向かう方向へ回動操作されると、初期位置から中心角90度までの区間では通常通りに回動操作が可能とされる一方、初期位置との間の中心角が90度となる位置(即ち、操作終点)に達すると、ハンドルリング540の回動操作が規制される(即ち、ハンドルリング540のそれ以上の回動操作ができなくなる)。
なお、遊技球の発射強度は、上述したように、可変抵抗器の抵抗値(即ち、ハンドルリング540の回動操作量)に応じて、設定される。即ち、遊技球の発射強度は、操作終点の位置が変更(設定)されているかに関わらず、ハンドルリング540が初期位置から回動操作された操作量(操作位置)に基づいて決定される。よって、操作終点の位置が変更されておらず、初期位置との間の中心角が120度となる位置(即ち、最大位置)までハンドルリング540の回動操作が可能な場合に、かかるハンドルリング540が初期位置から中心角90度の位置まで回動操作されたときの遊技球の発射強度は、操作終点の位置が、上述のように、初期位置との間の中心角が90度となる位置に変更(設定)された場合に、ハンドルリング540が初期位置から中心角90度の位置(即ち、操作終点)まで回動操作されたときの遊技球の発射強度と同一の発射強度となる。
ハンドルリング540は、遊技者の回動操作が解除されると、ハンドル付勢ばね537(図7参照)の付勢力により、その回動位置が初期位置へ復帰される。この場合、ハンドルリング540によれば、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を、軸支された部分を中心として変位させることで(図23参照)、ハンドルリング540の回動位置を任意の回動位置で固定可能に構成される。即ち、球の発射強度を任意の強度で固定できる。かかるハンドルリング540の固定構造については、後述する。
前カバー550は、前方(図5(a)及び図6右方向)へ凸となる半球状に形成され、ハンドルリング540の前面に取り付けられる。前カバー550の頂部には、正面視円形の開口550aが形成され、その開口550aからボタン部材570が突出(露出)される。
また、前カバー550には、確認窓550bが開口形成される。確認窓550bは、ハンドルリング540の操作終点の位置が変更されているか否かを遊技者が確認するための開口であり(図32参照)、ハンドル装置51の上面側(図5(a)紙面手前側)となる前カバー550の外周面において複数個(本実施形態では3個)が所定間隔を隔てつつ周方向に沿って配設される。
遊技者は、かかる確認窓550bを介して視認される状態(本実施形態では後述するように視認される色の相違)に基づいて、ハンドルリング540の操作終点の位置が変更されているか否か(本実施形態では後述するように黒色が視認される場合には操作終点の位置が変更されておらず、白色が視認される場合には操作終点の位置が変更されている)を識別することができる。なお、かかる確認窓550bを利用した識別構造については、後述する。
ボタン部材570は、前カバー550と同心の半球状に形成され、図5及び図6に示す初期位置(押し込み操作される前の状態)では、前カバー550と一体となって1の半球体を形成する一方、押し込み操作されると、前カバー550の内部へ向けて没入される(図26参照)。ここで、ボタン部材570は、操作終点の位置の変更(設定)及び解除を行うための操作部材である。
具体的には、ボタン部材570が初期位置から押し込み操作されると、そのボタン部材570の押し込み操作が行われた時点でのハンドルリング540の操作位置に操作終点の位置が変更(設定)される。例えば、初期位置から最大位置までの中心角120度の区間でハンドルリング540の回動操作が可能とされた状態(即ち、操作終点の位置が変更されていない状態)において、ハンドルリング540が回動操作され、その回動操作の操作量が初期位置から中心角90度となる位置に達した時点で、ボタン部材570が初期位置から押し込み操作されると、初期位置との間の中心角が90度となる位置に操作終点の位置が変更(設定)される。
よって、遊技者は、遊技球の発射強度が所望の発射強度となる回動位置(例えば、第1入球口64へ遊技球を入球させるのに適した左打ち時の回動位置)にハンドルリング540の回動位置が調整できた際に、ボタン部材570の押し込み操作を行い、ハンドルリング540の回動位置に対応する位置に操作終点の位置を変更(設定)しておくことで、例えば、休憩を取るために、ハンドルリング540の回動位置を初期位置へ復帰させ遊技を中断した場合であっても、ハンドルリング540の回動位置を元の回動位置(即ち、遊技を中断する前の回動位置であって、上述した左打ちに適した回動位置)に調整する場合には、ハンドルリング540を操作終点まで回動操作すれば(即ち、操作終点により回動操作が規制されて、それ以上の回動操作ができなくなる位置までハンドルリング540を回動操作すれば)、かかるハンドルリング540の回動操作の操作量(回動位置)を元の操作量(回動位置)に正確かつ迅速に調整する(元の回動位置を正確かつ迅速に再現する)ことができる。
例えば、ハンドルリング540の回動操作の方向に沿って目盛り線を設ける構造の場合のように、ハンドルリング540の操作位置が目標位置(所定の目盛り線)に一致したか否かを、目視により判別しつつ微調整する必要がないので、元の操作位置に正確かつ迅速に調整する(元の操作位置を再現する)ことができる。また、操作終点によりそれ以上の回動操作が規制されることから、目標位置を通り過ぎてハンドルリング540を回動操作してしまうこともないため、かかるハンドルリング540の操作速度を高めることができ、この点からも元の操作位置に迅速に調整する(元の操作位置を再現する)ことができる。
なお、ハンドル装置51によれば、このように、ハンドルリング540の前面側には、半球状の前カバー550が配設されると共に、その前カバーの頂部側の開口550aからボタン部材570が突出されることで、1の半球体を形成するので、ハンドルリング540を手指で把持した状態を維持しつつ、手首を返す動作を利用して、ボタン部材570を手のひらで容易に押し込み操作することができる。よって、遊技球の発射強度が所望の発射強度となるようにハンドルリング540の回動位置(操作量)を調整できた際には、そのハンドルリング540の回動位置(操作量)を維持しつつ(即ち、ハンドルリング540の回動位置がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、ボタン部材570を押し込み操作できる。その結果、操作終点の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
操作終点の変更(設定)の解除は、押し込み操作されたボタン部材570を、図5及び図6に示すように、初期位置へ復帰させることで実行でき、これにより、ハンドルリング540を最大位置まで回動操作することが可能となる。かかるボタン部材570の初期位置への復帰構造および操作終点の解除構造については後述する。
次いで、図7を参照して、ハンドルベース530について説明する。図7はハンドル取付台520及びハンドルベース530の正面斜視図であり、ハンドルリング540及び前カバー550(いずれも図5及び図6参照)が取り外された状態におけるハンドル装置51の正面斜視図に対応する。
図7に示すように、ハンドルベース530は、正面視が円形の筒状に形成される外周壁531と、その外周壁531の一方(背面、図7左奥側)の開口を塞ぐ底壁532とを備え、これら両部材531,532によって、内部が背面側に窪んだ(即ち、前面側が開放された)容器形状に形成される。底壁532には、ガイド支柱533a,533b,533cと、内周壁534と、軸受部535とがその底壁532の前面から前方(前カバー550側)へ向けて立設される。
ガイド支柱533a〜533cは、その立設先端に前カバー550(図5及び図6参照)が締結固定される部位であり、締結ねじが挿通可能な(即ち、底壁532側および立設先端の両端に開口を有する貫通孔が貫通形成された)中空の筒形状に形成される。ガイド支柱533a〜533cの貫通孔に底壁532側から挿通された締結ねじが、前カバー550のねじ台座552a〜552c(図9(a)参照)にそれぞれ締結されることで、ハンドルベース530の前面に前カバー550が固着される。
内周壁534は、正面視円形の筒状に形成され、外周壁531との間に一定の間隔を隔てつつ、その外周壁531の内周側に同心に配設される。内周壁534は、周方向の2ヶ所で分断されており、それら2ヶ所の分断された部位(切り欠き部534a,534b)には、一方に発射停止スイッチ操作部440が、他方にハンドル規制部材700が、それぞれ配設される。
軸受部535は、前方側(底壁532と反対側)に開口を有する筒状に形成され、その内周側に切り替え装置600が回動可能に挿入される(図25参照)。切り替え装置600は、ハンドルリング540の操作終点の位置を変更(設定)するための部材であり、軸受部535に対する切り替え装置600の相対回動が可能な回動可能状態と相対回動が不可能な係合固定状態との2つの状態に切り替え可能とされる。なお、軸受部535の開口側の端面は、軸方向に対して垂直な平坦面として形成される。
切り替え装置600には、規制突起部630が形成される。規制突起部630は、径方向外方へ向けて突出される棒状体であり、ハンドルリング540が回動操作される際のハンドル側突起部546(図8参照)の移動軌跡上に位置する。よって、ハンドルリング540が遊技球の発射強度を増加させる回動方向(正面視右回り(時計方向)であり、以下「増加方向」と称す)へ回動操作されると、ハンドル突起部546が規制突起部630に当接される。
この場合、切り替え装置600の状態が、回動可能状態にある場合には、ハンドル側突起部546によって規制突起部630が増加方向へ押されることで、切り替え装置600も軸受部535内で増加方向へ回動される。一方、切り替え装置600の状態が係合固定状態に切り替えられると、切り替え装置600の軸受部535に対する相対回動が不可能とされる(軸受部535に固定される)ことで、ハンドル側突起部546の増加方向への移動が規制突起部630により規制される。これにより、ハンドルリング540の増加方向への回動操作が規制される。即ち、切り替え装置600の状態が回動可能状態から係合固定状態に切り替えられた位置(回動位置)が、ハンドルリング540の操作終点の位置とされる。
なお、ハンドルリング540の回動方向であって、遊技球の発射強度を減少させる回動方向を以下「減少方向」と称す。
切り替え装置600には、ねじりばねとして形成される切り替え装置付勢ばね539から、正面視左回り(反時計回り)方向への付勢力が付与され、その付勢力により初期位置(規制突起部630が、初期位置にあるハンドルリング540のハンドル側突起部546に当接され、切り替え装置600の回動が規制される位置)に復帰される。
なお、切り替え装置600の詳細構成および軸受部535に対する係合固定構造については、後述する。また、切り替え装置600の回動可能状態および規制固定状態の切り替えは、後述するように、ボタン部材570の押し込み操作により行われる。
軸受部535の側方には、従動ギヤ536が配設される。従動ギヤ536は、ハンドルリング540の主動ギヤ544(図8参照)が歯合されるギヤであり、可変抵抗器(図示せず)の抵抗軸VRaに固着される。よって、従動ギヤ536が回動されると、その回動量(回動位置)に応じて、可変抵抗器VRの抵抗値が変化される。
従動ギヤ536には、ねじりばねとして形成されるハンドル付勢ばね537から、正面視右回り(時計回り)方向への付勢力が付与され、その付勢力により初期位置(ストッパ部536aが軸受部535の外周突起535bに当接され回動が規制される位置)に復帰される。なお、可変抵抗器は底壁532に固着される。
軸受部535の側方であって、従動ギヤ536の反対側には、発射停止スイッチ51bが固着される。発射停止スイッチ51bの側方には、揺動可能な揺動片51b1が突出され、その揺動片51b1が、発射停止スイッチ操作部440により押下されることで、発射停止スイッチ51bがオン・オフされる。
次いで、図8を参照して、ハンドルリング540について説明する。図8は、ハンドルリング540の背面斜視図である。
図8に示すように、ハンドルリング540は、ハンドルベース530の前面を覆う正面視円形の円板状に形成される円板部541と、その円板部541の外周縁部から背面側へ向けて立設され正面視が円形の筒状に形成される外周壁542と、円板部541の中央に背面へ向けて突設する姿勢で固着される主動ギヤ544と、その主動ギヤ544及び円板部541の中央部を板厚方向に貫通して形成される中央孔544aと、その中央孔544aの周囲に沿って円板部541を板厚方向に貫通して形成されるガイド孔545a,545bと、円板部542から背面側へ向けて立設されるハンドル側突起部546と、を備える。
ハンドルリング540は、そのハンドルリング540の中央孔544aにボタン部材570のハンドル軸支体574(図11(a)参照)が挿通されることで、ハンドルベース530に対して回動可能に保持(軸支)され(図25参照)、この場合、主動ギヤ544が、ハンドルベース530の従動ギヤ536(図7参照)に歯合される。よって、ハンドルリング540が回動操作されると、主動ギヤ544を介して従動ギヤ536が回動され、その従動ギヤ536の回動による抵抗軸VRaの回動が可変抵抗器の抵抗を変化させるので、可変抵抗器の抵抗値(即ち、ハンドルリング540の回動操作量)に応じて、球の発射強度を調整できる。
なお、本実施形態では、軸受部535と抵抗軸VRaとの軸方向が互いに平行とされると共にその軸方向に対し従動ギヤ536の歯(歯溝)が平行に延設される(図7参照)。また、ハンドルリング540の中央孔544aの軸方向に対し主動ギヤ544の歯(歯溝)が平行に延設される。
ガイド孔545a,545bは、ガイド支柱533a〜533c(図7参照)を挿通させるために開口された孔であり、それぞれハンドルリング540の外縁に沿って湾曲する長穴形状(即ち、中央孔544aの軸を中心とする円環形状を位相が180°異なる2ヶ所で分断した形状)に形成される。ガイド孔545aにはガイド支柱533aが挿通され、ガイド孔545bにはガイド支柱533b,533cが挿通される。
よって、ガイド支柱533a及びガイド支柱533b,533cは、ハンドルリング540の回動に伴って、ガイド孔545a及びガイド孔545bの中をそれぞれ案内される。そのため、ハンドルリング540の回動可能な範囲は、ガイド孔545a,545bの中をガイド支柱533a〜533cが相対的に移動可能な範囲に制限される。詳細には、2本の支柱(ガイド支柱533b,533c)が挿通されるガイド孔545bによりハンドルリング540の回動範囲が規定され、その回動範囲は、本実施形態では、略90度(1/4周)となる。
ハンドル側突起部546は、ハンドルリング540の回動を切り替え装置600へ伝達するための部位であり、断面矩形の棒状体として形成される。ハンドルリング540が回動操作される際には、ハンドル側突起部546の側面が切り替え装置600の規制突起部630の側面に当接され、これら両突起部546,630を介して、ハンドルリング540の回動が切り替え装置600へ伝達される。
次いで、図9(a)を参照して、前カバー550について説明する。図9(a)は、前カバー550の背面斜視図である。
図9(a)に示すように、前カバー550は、内部が前面側に窪んだ(即ち、背面側が開放された)半球の容器形状に形成され、その頂部には、正面視円形の穴である開口550aが開口形成されると共に、内壁面には、ねじ台座552a〜552cが背面へ向けて立設される。ねじ台座552a〜552cには、ガイド支柱533a〜533c(図7参照)がそれぞれ締結固定される。また、前カバー550の内壁面には、開口550aと同じ内径を有する筒状の筒状案内部554が回動軸方向に沿って延設される。筒状案内部554は、その内周面によりボタン部材570の内嵌壁部577を回動軸方向へ沿って案内する。
前カバー550および筒状案内部554には、確認窓550b,554bがそれぞれ開口形成される。ここで、これら確認窓550b,554bについて、図10を参照して、説明する。図10(a)は、図9(a)の矢印Xa方向視における前カバー550の上面図であり、図10(b)は、図10(a)のXa−Xa線における前カバー550の部分拡大断面図である。
図10(a)及び図10(b)に示すように、前カバー550に形成される確認窓550bは、正面視矩形状の複数(本実施形態では3個)の開口からなり、それら各開口は、前カバー550の周方向(図10(a)上下方向)に長手方向を沿わせて一直線上に配設される。筒状案内部554に配設される確認窓554bは、前カバー550に形成される確認窓550bと同一形状に形成される開口であり、図10(b)に示すように、確認窓550bに対面する位置に配設される。よって、遊技者は、前カバー550の確認窓550bから内部を視認することで、筒状案内部554の確認窓554bを介して、ボタン部材570の外壁面を視認することができる(図32参照)。
なお、確認窓550b,554bは、上述したように、確認窓550bを介して視認される状態に基づいて、ハンドルリング540の操作終点の位置が変更されているか否かを確認するための開口である。この場合、確認窓550b,554bは、ハンドル装置51の組み立て状態において、前カバー550の上面側に配設されるので(図5(a)参照)、遊技するパチンコ機10に対面した遊技者が、遊技を開始する際には、かかる確認窓550b,554bを遊技者に容易に視認させることができる。また、確認窓550b,554bは、複数が周方向に沿って配設されるので、遊技者がハンドル装置51の正面から左右にずれた位置にいる場合でも、かかる確認窓550b,554bを遊技者に確実に視認させることができる。
図9(a)に戻って説明する。前カバー550とハンドルリング540との間には、ねじりばねとして形成されるハンドル付勢ばね(図示せず)が配設される。このハンドル付勢ばねは、ハンドルリング540を正面視において左回り(反時計回り)へ付勢する。この付勢方向は、上述した従動ギヤ536を付勢するハンドル付勢ばね537が(図7参照)、従動ギヤ536及び主動ギヤ544を介して、ハンドルリング540を付勢する付勢方向と一致する。よって、遊技者がハンドルリング540から手を離すと、ハンドルリング540は、前カバー550とハンドルリング540との間に配設される図示しないハンドル付勢ばねと、従動ギヤ536を付勢するハンドル付勢ばね536との二つのばねの付勢力によって、初期位置へ復帰される。
前カバー550の内壁面には、べース部551が配設され、そのベース部551の平坦面に案内溝553が凹設される。案内溝553は、ボタン部材570を、第1位置または第2位置の2位置で保持可能な押しボタンスイッチとして機能させるための公知の「ハートカム方式」における溝である。なお、案内溝553については、後述する(図9(b)参照)。
次いで、ボタン部材570について説明する。図11は、ボタン部材570の背面斜視図であり、図12は、ハンドル軸支体574と軸体573との連結構造を図示するボタン部材570の分解斜視図である。
図11及び図12に示すように、ボタン部材570は、ボタン部材570の前面を形成する操作部571と、その操作部571の背面中央から突設される背面ベース572と、その背面ベース572から延設される軸体573と、その軸体573の延設先端に回動可能に取着されると共に円柱状に形成されるハンドル軸支体574と、そのハンドル軸支体574の端面に配設される連結軸575及び押し込み片576と、操作部571の背面から突設される筒状の内嵌壁部577と、背面ベース572の外面に配設される案内ピン片578とを備え、操作部571、背面ベース572、軸体573、ハンドル軸支体574、連結軸575及び内嵌壁部577が同心に配設される。
操作部571は、球体の一部を切断した形状に形成され、前カバー550の開口550a(図9(a)参照)から突出されることで、遊技者によって押し込み操作可能な球状の被操作部分を形成する(図25から図27参照)。
背面ベース572は、ボタン付勢ばね590(図25から図27参照)の座面を形成する部位である。即ち、ボタン付勢ばね590は、コイルスプリングとして形成され、その内周側に軸体573やハンドル軸支体574を挿通させつつ、ハンドルリング540の前面側と背面ベース572の背面側との間に軸方向に弾性的に圧縮された状態で配設される。これにより、ボタン部材570は、ボタン付勢ばね590の弾性回復力により、ハンドルリング540から離間する方向へ常に付勢される。
軸体573は、断面円形の軸状の軸状部573aと、その軸状部573aの先端に配設されると共に軸状部573aよりも大径の球状に形成される球状部573bとを備える。なお、操作部571は、ベース部572、軸体573及び内嵌壁部577と樹脂材料から一体に形成される。
ハンドル軸支体574は、ハンドルリング540を回動可能に軸支するための円柱形状の部位であり、ハンドルリング540の中央孔544aに挿通される(図25から図27参照)。即ち、ハンドル軸支体574の外径寸法は、ハンドルリング540の中央孔544aの内径寸法よりも若干小さな寸法に設定されており、ハンドル軸支体574が中央孔544aに挿通されることで、ハンドルリング540がハンドル軸支体574に回動可能に軸支される。
なお、ハンドル軸支体574は、軸を含む平面で円柱形状を2分割してなる2つの部材を貼り合わせて形成される。これら2つの部材には、軸体573の球状部573bを受け入れる空間となる球受入部574bと、軸体573の軸状部573aを受け入れると共に球状部573bが通過不可能な空間となる軸受入部574aとが形成される。これにより、ハンドル軸支体574は、軸体573に対して、軸まわりに回動可能、かつ、軸方向に移動不能な状態で装着される。
これにより、後述するように、ハンドルリング540の回動操作に伴って、切り替え装置600が回動される際には、ハンドル軸支体574のみを軸体573から独立して回動させることができ、被操作部分となる操作部571が回動されることを抑制できる。即ち、遊技者がハンドルリング540を回動操作する際に、その遊技者の手の平の中で操作部571が回動して遊技者に違和感を与えることを抑制できる。
連結軸575は、切り替え装置600の連結孔620に挿通される断面台形状の軸体として形成される部位であり(図25から図27参照)、ハンドル軸支体574の軸上で延設される(即ち、ハンドル軸支体574と同心に形成される)。切り替え装置600の連結孔620は、連結軸575の外形形状に対応した断面台形状の孔として形成され、これにより、連結軸575は、切り替え装置600の連結孔620に対して、軸方向へ相対移動可能かつ周方向へ相対回動不能に結合される。
また、連結軸575が断面台形状の軸体として形成されることで、連結軸575と連結孔620とを相対回動不能に結合できることに加え、両者の回動方向位置(位相)の位置決めを行う(両者が結合可能な位相を1ヶ所のみに規制する)ことができる。即ち、ハンドル装置51の組み立て工程においては、押し込み片576の回動方向位置を、切り替え装置600の逃げ空間661に一致させた上で、連結軸575と連結孔620とを結合させる必要があるところ(図25から図27参照)、本実施形態では、連結軸575と連結孔620との回動方向位置(位相)が1ヶ所に位置決めされるので、回動方向位置を間違えて(押し込み片576の回動方向位置が切り替え装置600の逃げ空間661に一致しない状態で)結合することを回避できる。その結果、組み立て作業の効率化と組み立て不良の抑制とを図ることができる。
押し込み片576は、切り替え装置600の噛み込み球体670a,670bを噛み込み空間651内へ押し込むための部位であり(図15及び図26参照)、連結軸575の側方においてハンドル軸支体574の軸に沿って延設されると共に、切り替え装置600の噛み込み空間651に対応する断面形状(即ち、噛み込み空間651内に挿通可能な形状)を有する板状に形成される。これにより、ボタン部材570が押し込み操作されると、押し込み片576の延設先端面により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内へ押し込まれる。
なお、連結軸575及び押し込み片576は、ハンドル軸支体574に一体に形成される。また、上述したように、ボタン部材570は、その連結軸575が切り替え装置600の連結孔620に相対回動不能に結合される。よって、ハンドル軸支体574と切り替え装置600とは、連結軸575及び連結孔620の結合を介して、一体的に回動されるので、押し込み片576と逃げ空間661との位相を常に一致させた状態を維持できる。即ち、切り替え装置600がハンドルベース530(軸受部535)に対してどのような回動位置(位相)に回動されている場合であっても、ボタン部材570を押し込み操作した場合には、押し込み片576により切替え装置600の噛み込み球体670a,670bを噛み込み空間651内へ押し込むことができる。
内嵌壁部577は、ボタン部材570を前カバー550に対して軸方向へ相対移動可能に保持させるための筒状の部位であり、前カバー550の筒状案内部554に挿通される(図25から図27参照)。即ち、内嵌壁部577の外径寸法は、前カバー550の筒状案内部554の内径寸法よりも若干小さな寸法に設定されており、内嵌壁部577が筒状案内部554に挿通されることで、ボタン部材570が前カバー550に回動可能かつ軸方向に移動可能に保持(軸支)される。
よって、ボタン部材570は、上述したように、連結軸575が、切り替え装置600(即ち、連結軸575及び連結孔620の結合)を介して、ハンドルベース530の軸受部535に保持されると共に、内嵌壁部577が前カバー550の筒状案内部554に保持される。即ち、ボタン部材570は、固定系となるハンドルベース530及び前カバー550に対し、軸方向に離間した2ヶ所で保持されるので、かかるボタン部材570をがたつかせることなく安定した状態で保持でき、その結果、スムーズな押し込み操作を達成できる。
ここで、内嵌壁部577の外周面は、操作部571の外周面と異なる色により形成される。具体的には、本実施形態では、内嵌壁部577の外周面が黒色に形成される一方、操作部571の外周面が白色に形成される。そのため、ボタン部材570が第1位置(初期位置)にある状態では、前カバー550の確認窓550bを介して内嵌壁部577の外周面(黒色)を遊技者に視認させる一方(図32(a)参照)、ボタン部材570が第2位置(押し込み操作された位置)にある状態では、前カバー550の確認窓550bを介して操作部571の外周面(白色)を遊技者に視認させることができる(図32(b)参照)。これにより、遊技者は、かかる確認窓550bを介して視認される色の相違に基づいて、ボタン部材570が第1位置または第2位置のいずれの位置に配置されているか(即ち、ハンドルリング540の操作終点の位置が変更されているか否か)を容易に識別することができる。
案内ピン片578は、前カバー550のベース部551に形成される案内溝553(図9(a)及び図9(b)参照)に案内される部材であり、金属材料からなる断面円形の棒状体を折り曲げて形成される。案内ピン片578は、背面ベース572に回動可能に埋設される基端部分と、その基端部分からボタン部材570の軸方向(即ち、押し込み操作の方向)へ延設される本体部分と、その本体部分の先端側をボタン部材570の径方向外方へ向けて90度折り曲げて形成される先端部分とからなり、その先端部分が案内溝553に90度の角度で接する。
ボタン部材570が押し込み操作されると、上述したように、案内ピン片578が案内溝553(図9(a)及び図9(b)参照)を移動することで、ボタン部材570の押し込み位置が第1位置または第2位置に切り替えられる。ここで、図9(b)に戻って、案内ピン片578が案内溝553に案内されることで、ボタン部材570が第1位置または第2位置に保持される構造を説明する。
図9(b)は、案内溝553の正面図である。なお、図9(b)では、図9(b)右側がボタン部材570の操作部571側に、図9(b)左側がハンドルリング540側に、それぞれ対応する。
図9(b)に示すように、案内溝553は、ボタン部材570の案内ピン片578(図11参照)を案内するための凹溝であり、正面視ハート形状をなす周回経路として形成されると共に、その経路中には複数の段差が方向性を有して形成される。
この案内溝553に沿って案内ピン片578が移動する(案内される)ことで、ボタン部材570が第1位置または第2位置のいずれかで保持される(図25及び図26参照)。また、第2位置から第1位置へ復帰する過程では、遊技者により押し込まれた状態に維持されている間のみボタン部材570が第3位置に保持される(図27参照)。
具体的には、案内ピン片578が位置P1に位置する状態では、ボタン部材570は第1位置に位置する。この状態では、案内ピン片578は、ボタン付勢ばね590(図25から図27参照)の付勢力(上述したように、ボタン部材570をハンドルリング540から離間する方向(図9(b)右方向)へ付勢する力)により、案内溝553の壁部553aに押し付けられ、位置P1に維持される。
第1位置にあるボタン部材570が押し込み操作されると、案内ピン片578が案内溝553の形状に沿って案内され(経路L1)、第1の段差の終端553bを乗り越えた後、壁部553cに突き当たる。これにより、ボタン部材570の押し込み操作が不能となる。よって、遊技者がボタン部材570から手を離し、押し込み方向への操作力が解除される。
これにより、案内ピン片578は、ボタン付勢ばね590の付勢力により、案内溝553の形状に沿って案内され(経路L2)、第2の段差の終端553dを乗り越えた後、壁部553eに突き当たることで、位置P2に位置される。この場合、案内ピン片578は、ボタン付勢ばね590の付勢力により、案内溝553の壁部553eに押し付けられることで、位置P2に維持される。その結果、ボタン部材570が第2位置に設定(保持)される。
第2位置にあるボタン部材570が押し込み操作されると、案内ピン片578が案内溝553の形状に沿って案内され(経路L3)、第3の段差の終端553fを乗り越えた後、壁部553gに突き当たる(位置P3)。これにより、ボタン部材570の押し込み操作が不能となる。よって、遊技者がボタン部材570から手を離し、押し込み方向への操作力が解除される。
これにより、案内ピン片578は、ボタン付勢ばね590の付勢力により、案内溝553の形状に沿って案内され(経路L4)、第4の段差の終端553hを乗り越えた後、壁部553aに突き当たることで、位置P1に位置される。この場合、案内ピン片578は、ボタン付勢ばね590の付勢力により、案内溝553の壁部553aに押し付けられることで、位置P1に維持される。その結果、ボタン部材570が第1位置に設定(保持)される。即ち、案内ピン片578が案内溝553(ハート形状の周回経路)を1周することで、ボタン部材570が第1位置に復帰される。
なお、第2位置にあるボタン部材570が押し込み操作され、案内ピン片578が壁部553gに突き当てられ、位置P3にある状態が、ボタン部材570の第3位置とされる。即ち、第3位置は、第2位置にあるボタン部材570が、ボタン付勢ばね590の付勢力に抗しつつ、押し込み可能な位置(位置P3)まで遊技者により押し込まれている間(即ち、案内ピン片578が壁部553gに突き当てられている状態が維持されている間)だけ形成される。
この場合、ボタン部材570の押し込み片576は、第1位置では、切り替え装置600の噛み込み球体670a,670bを噛み込み空間651から逃げ面空間761へ退避させる位置に、第2位置および第3位置では、切り替え装置600の噛み込み球体670a,670bを噛み込み空間651に押し込む位置に、それぞれ配置される(図25から図27参照)。
次いで、図13から図15を参照して、切り替え装置600について説明する。まず、図13及び図14を参照して、切替え装置600の基本構成について説明する。
図13(a)は、切り替え装置600の正面図であり、図13(b)は、図13(a)の矢印XIIIb方向視における切り替え装置600の側面図である。図14(a)は、図13(a)のXIVa−XIVa線における切り替え装置600の断面図であり、図14(b)は、図13(a)の矢印XIVb方向視における切り替え装置600の側面図である。なお、図13及び図14では、噛み込み球体670a,670b、押し込み側付勢ばね680及び噛み込み側付勢ばね690の図示が省略される。
図13及び図14に示すように、切り替え装置600は、本体部610と、その本体部610に貫通形成される連結孔620と、本体部610の外周面から径方向外方へ向けて突出される規制突起部630及びばね受け部640と、本体部610の外周面を凹設して形成される噛み込み面650及び逃げ面660とを備える。
本体部610は、切り替え装置600の骨格をなす部位であり、円柱状に形成される。本体部610の外径寸法は、ハンドルベース530の軸受部535(図7参照)の内径寸法よりも若干小さな寸法に設定される。よって、本体部610は、ハンドルベース530の軸受部535へ挿通されることで、その軸受部535内に回動可能に保持される(図25参照)。
連結孔620は、ボタン部材570の連結軸575(図11参照)が結合される貫通孔であり、本体部610の軸上に(即ち、本体部610と同心の孔として)貫通形成される。連結孔620の断面形状は、ボタン部材570の連結軸575に対応する形状(台形状)に形成され、これにより、連結軸575が、上述したように、軸方向へ相対移動可能かつ周方向へ相対回動不能に結合される。
また、上述したように、連結孔620と連結軸575との断面形状が台形状とされることで、両者の回動方向位置(位相)の位置決めを行う(両者が結合可能な位相を1ヶ所のみに規制する)ことができる。即ち、ハンドル装置51の組み立て工程において、押し込み片576の回動方向位置を、切り替え装置600の逃げ空間661に一致させた上で、連結軸575と連結孔620とを結合させる必要があるところ(図25から図27参照)、本実施形態では、連結軸575と連結孔620との回動方向位置(位相)が1ヶ所に位置決めされるので、回動方向位置を間違えて(ボタン部材570の押し込み片576の回動方向位置が逃げ空間661に一致しない状態で)結合することを回避できる。その結果、組み立て作業の効率化と組み立て不良の抑制とを図ることができる。
規制突起部630は、ハンドルリング540のハンドル側突起部546に当接される部位であり、断面矩形の棒状体として形成される。ばね受け部640は、切り替え装置付勢ばね539(図7参照)から作用する付勢力を受けるための座面となる部位である。
これら規制突起部630及びばね受け部640は、本体部610の軸方向(図13(b)上下方向)において、正面側(前面側、図13(b)上側)に位置すると共に、それら規制突起部630及びばね受け部640の背面(図13(b)下側の面)は、互いに面一な(即ち、本体部610の軸方向における位置が同一の)平坦面として形成される。これにより、切り替え装置600がハンドルベース530の軸受部535に挿通された状態では、規制突起部630及びばね受け部640の背面が軸受部535の開口側の端面に当接することで、切替え装置600(本体部610)の軸方向の位置決めを行うことができる(図15参照)。また、これら規制突起部630及びばね受け部640は、周方向に間隔を隔てて配設されるので、軸受部535の開口側の端面に対して、切り替え装置600(本体部610)を2ヶ所で支持させることができ、その分、切り替え装置600を軸受部535内で安定して回動させることができる。
噛み込み面650は、ハンドルベース530の軸受部530の内周面との間で噛み込み球体670a,670bを噛み込ませることで、軸受部535に対して切り替え装置600(本体部610)を相対回動不能な状態(係合固定状態)とするための部位であり(図15(b)及び図15(d)参照)、逃げ面660は、ハンドルベース530における軸受部530の内周面との間で噛み込み球体670a,670bを噛み込み不能として、軸受部535に対して切り替え装置600(本体部610)を相対回動可能な状態(回動可能状態)とするための部位である(図15(a)及び図15(c)参照)。
噛み込み面650及び逃げ面660は、図13(a)に示すように、本体部610の外周面を正面視コ字状に凹設することで形成される凹部の一部(凹部の底面)をなす面であり、噛み込み面650は、本体部610の軸(図14(a)上下方向)に平行な平坦面として形成され、逃げ面660は、噛み込み面650の上端(図14(a)上側)に連設されると共にその連設部分から離間するに従って本体部610の軸に近接する方向へ傾斜する平坦面として形成される。
よって、噛み込み面650に対応して形成される噛み込み空間651(即ち、噛み込み面650とハンドルベース530における軸受部535の内周面との対向間に形成される空間)は、本体部610の軸方向に沿って同一の断面形状を有する空間として形成される。この場合、噛み込み空間651では、図13(a)に示す正面視において、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間には、周方向に漸減する隙間が両端に形成される(図15(c)又は図15(d)参照)。
また、逃げ面660に対応して形成される逃げ空間661(即ち、逃げ面660とハンドルベース530における軸受部535の内周面との対向間に形成される空間)は、噛み込み空間651から離間するに従って断面積が大きくなる空間として形成される。即ち、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間の間隔が、噛み込み空間651から離間するに従って増加される。(図15(c)又は図15(d)参照)
次いで、図15を参照して、切り替え装置600の回動可能状態および規制固定状態とそれら両状態の切り替え構造とについて説明する。
図15(a)及び図15(b)は、切り替え装置600の断面図であり、図13(a)のXIVa−XIVa線における断面に対応する。図15(c)は、図15(a)の矢印XVc方向視における切り替え装置600の正面図であり、図15(d)は、図15(b)の矢印XVd方向視における切り替え装置600の正面図である。
なお、図15では、切り替え装置600がハンドルベース530の軸受部535に装着(挿通)された状態が図示される。また、図15(a)及び図15(c)では、噛み込み球体670a,670bが逃げ空間661に配置された状態が、図15(b)及び図15(d)では、噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651に配置された状態が、それぞれ図示される。
図15に示すように、切り替え装置600は、噛み込み球体670a,670b、押し込み側付勢ばね680及び噛み込み側付勢ばね690を備え、これらが噛み込み空間651又は逃げ空間661に配設される。噛み込み球体670a,670bは、球状に形成される部材であり、その球体の直径寸法は、噛み込み空間651内に配置された場合には、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向に漸減する両端の隙間に噛み込み可能な直径寸法に設定される。なお、球体は、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向中央側の隙間に移動した場合には、その隙間との間に噛み込み状態が形成されず、転動可能な直径寸法に設定される。
押し込み側付勢ばね680は、噛み込み空間651の終端(逃げ空間661と反対側の壁部)と噛み込み球体670a,670bとの間に弾性的に圧縮された状態で介在され、その弾性回復力により、噛み込み球体670a,670bを本体部610の軸方向へ押し上げる。これにより、噛み込み球体670a,670bは、ボタン部材570の押し込み片576により押し込まれていない状態では(図25参照)、図15(a)及び図15(c)に示すように、逃げ空間661に配置される一方、ボタン部材570の押し込み片576により押し込まれている状態では(図26参照)、図15(b)及び図15(d)に示すように、噛み込み空間651に配置される。
噛み込み側付勢ばね690は、噛み込み球体670a,670bの間に弾性的に圧縮された状態で介在され、その弾性回復力により、噛み込み球体670a,670bを相互に離間する方向へ向けて付勢する。これにより、噛み込み球体670a,670bは、図15(b)及び図15(d)に示すように、噛み込み空間651に配置される場合には、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向に漸減する隙間に噛み込まれる。
このように構成される切り替え装置600の作用を説明する。図15(a)及び図15(c)に示すように、噛み込み球体670a,670bが逃げ空間661に配置された状態(即ち、ボタン部材570の押し込み片576により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれていない状態(図25参照))では、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間の隙間と噛み込み球体670a,670bとの噛み込みが形成されないので、切り替え装置600(本体部610)は、回動可能状態に設定され、図15(c)に示す矢印A,Bのいずれの方向へも軸受部535に対して相対的に回動可能とされる。
一方、図15(b)及び図15(d)に示すように、噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651に配置された状態(即ち、ボタン部材570の押し込み片576により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれている状態(図26参照))では、噛み込み側付勢ばね690の付勢力により、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向に漸減する隙間に噛み込み球体670a,670bが噛み込まれているので、切り替え装置600が係合固定状態に設定され、軸受部535に対する切り替え装置600(本体部610)の回動が、次のようにして、阻止(固定)される。
即ち、切替え装置600(本体部610)が図15(d)に示す矢印A方向へ回動しようとする場合には、本体部610の回動方向後方側(回動方向遅れ側)となる噛み込み面650の周方向端部(図15(d)下側)が、軸受部535の内周面との対向間に噛み込み球体670bを更に噛み込ませるように作用し、これにより、軸受部535に対する切り替え装置600(本体部610)の矢印A方向への相対的な回動が阻止される。
同様に、切替え装置600(本体部610)が図15(d)に示す矢印B方向へ回動しようとする場合には、本体部610の回動方向後方側(回動方向遅れ側)となる噛み込み面650の周方向端部(図15(d)上側)が、軸受部535の内周面との対向間に噛み込み球体670aを更に噛み込ませるように作用し、これにより、軸受部535に対する切り替え装置600(本体部610)の矢印B方向への相対的な回動が阻止される。
次いで、図16を参照して、ボス部材560について説明する。図16は、ハンドルベース530の背面斜視図である。なお、図16では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示されると共に、軸563と軸受523との位置関係が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図16に示すように、ボス部材560は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を、軸支された部分を中心として、変位可能に連結するための部材であり、ハンドルベース530の背面から突設される。即ち、後述するように、ハンドル取付台520には軸受523が形成されると共に、ボス部材560には軸563が形成され、軸受523に軸563が回動可能に軸支されることで、その軸支された部分を中心(支点)として、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が変位可能とされる。なお、軸支された部分を中心(支点)とするハンドルベース530のハンドル取付台520に対する変位を「揺動」または「回動」と表現しても良い。
ボス部材560は、ハンドルベース530の背面(底壁532)に締結固定される平板状の基部561と、その基部561から背面へ向けて突出され断面円形の棒状に形成される突出部562と、その突出部562の外側面から左右へ向けて一対が張り出される軸状の軸563と、突出部562の突出先端における下面に配設されるハーネスガイド564とを主に備えて構成される。
突出部562の上面には、基部561(軸563)から離間する(即ち、ハーネスガイド564側へ向かう)に従って下降傾斜される傾斜面562aが形成される。ここで、ボス部材560の突出部562は、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い、軸563よりも突出先端側(ハーネスガイド564側)の部位が上方へ向けて変位される部位であるため(図23及び図24参照)、上方に位置する他の部材(即ち、ハンドル取付台520内に配設されるスイッチ、IC装置、ハーネス、或いは、ハンドル取付台520に一体に形成される補強リブ526など)との干渉を避ける必要がある。
この場合、他の部材の配設位置を上方へ移動させるのでは、その分、ハンドル取付台520の大型化を招くところ、突出部562の上面に傾斜面562aを形成することで、ハンドル取付台520の小型化を図りつつ、他の部材と突出部562との干渉を回避できる。特に、傾斜面562aが上述のように軸563から離間するに従って下降傾斜する傾斜面として形成されることで、変位量が大きい突出先端側ほど逃げ量を大きくして、他の部材との干渉を効果的に回避しつつ、変位量が小さい軸563側では突出部562の切除量を最小として、突出部562の剛性を確保することができる。
突出部562の突出先端には、ベース付勢ばねSP(図19参照)を保持するための一対のガイド壁562bが立設される。このように、一対のガイド壁562aの間でベース付勢ばねSPを保持する構造とすることで、構造を簡素化して、部品コストの削減を図ることができると共に、ベース付勢ばねSPを組み付ける際の組み付け性の向上を図ることができる。なお、ガイド壁562bの対向間に位置する突出部562の上面は、背面視において円弧状に湾曲して形成され、ベース付勢ばねSPをスムーズに弾性変形させることができる。
ハーネスガイド564は、電気的な配線をガイドするための部材であり、背面視において枠状に形成される。ハンドルベース530内から底壁532の開口を介してハンドル取付台520内に入り込む配線(発射停止スイッチ51bの配線など)やハンドル取付台520内に存在する配線(可変抵抗器の配線など)を、ハーネスガイド564の枠内に収容する(枠内を通過させる)ことで、ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される際に、突出部562の上面、或いは、ハーネスガイド564の下面と、他の部材やハンドル取付台520の内壁面との間に配線を挟み込んで、断線させてしまうことを回避することができる。
なお、突出部562の上面からガイド壁562bを突出させることは、他の部材やハンドル取付台520との間で配線を挟み込む可能性を高める。本実施形態では、ハーネスガイド564を設け、このハーネスガイド564の枠内を通過させることで、配線の挟み込み(断線)を抑制することが可能となっている。これにより、突出部562の上面にガイド壁562bを突出させることが可能となり、ベース付勢ばねSPを保持する構造の簡素化とその組み付け性の向上とを図ることができる。
ハンドルベース530の背面(底壁532)には、合わせ面部532aが形成される。合わせ面部532aは、ハンドル取付台520の上合わせ面部527(及び下合わせ面部528)が当接される部位であり、ボス部材560の基部561の周囲を取り囲む縦長の円環状の領域に、全体が面一の平坦面として形成される。
次いで、図17及び図18を参照して、ハンドル取付台520について説明する。図17はハンドル取付台520の分解状態における斜視図である。図18(a)はハンドル取付台520の組み立て状態における斜視図であり、図18(b)は第1本体520aの内側面図である。
図17及び図18に示すように、ハンドル取付台520は、縦長の筒状体として形成され、第1本体520aと第2本体520bとに縦に2分割される。これら第1本体520a及び第2本体520bの合わせ面には、位置決め突起521aが一方から突設されると共に、その位置決め突起521aを受け入れて位置決めを行うための位置決め孔521bが他方の対応する位置に凹設される。同様に、締結ねじを挿通させるための挿通孔522aが一方に貫通形成されると共に、その挿通孔522aを挿通された締結ねじが締結されることで第1本体520a及び第2本体520bを締結固定するための締結孔522bが他方の対応する位置に凹設される。
第1本体520a及び第2本体520bの内壁面には、軸受523と、係止爪部524と、収容凹部525と、補強リブ526とがそれぞれ形成される。軸受523は、ボス部材560の軸563を回動可能に軸支するための軸受部(凹部)であり、一対が対向して配設される。係止爪部524は、ベース付勢ばねSPの端部を係止するための部位であり(図12参照)、背面へ向けて張り出しつつ下方に折れ曲がるフック状に形成される。
収納凹部525及び補強リブ526は、第1本体520a及び第2本体520bの一方および他方の対向する位置に配設される部位である。即ち、収納凹部525は、IC装置などの部品を収容して保持するための凹部であり、その収容する部品の外形に対応する形状に形成され、補強リブ526は、内壁面から収納凹部525へ向けて突設され、その突設先端により、収納凹部525に収納された部品を押圧することで、ハンドル取付台520全体としての剛性を高める。
第1本体520a及び第2本体520bの前面(図18(a)右側面)には、ハンドルベース530の合わせ面部532a(図16参照)に当接される上合わせ面部527及び下合わせ面部528が形成される。これら上合わせ面部527及び下合わせ面部528は、ハンドル取付台520の前面側の端面(正面視において縦長の円環状の面)に形成されると共に、それぞれが面一の平坦面として形成される。なお、下合わせ面部528は、上合わせ面部527から離間するに従って背面へ向けて傾斜される。これにより、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位可能となる(図23及び図24参照)。
第1本体520aの下合わせ面部528は、その一部が拡大されて(即ち、第1本体520aの内壁面から径方向内方へ板状体が張り出され)、その拡大部分(張り出し部分)が、ハンドル規制部材700の被押圧面部702aを押圧するための押圧面部528aとされる。押圧面部528aの背面側には補強部528bが連設される。補強部528bは、板状に形成され、押圧面部528aの上端側のみが、第1本体520aの内壁面および段差面520a1に連結される。これにより、第1本体520aの内壁面と補強部528bとの間に空間を形成できる分、樹脂材料を抑制して、部品コストの削減を図りつつ、押圧面部528aの剛性を効果的に高めて、耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図19を参照して、ベース付勢ばねSPについて説明する。図19は、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の背面斜視図である。なお、図19では、可変抵抗器などが取り外された状態が図示されると共に、その他の部品の配線の図示が省略される。
図19に示すように、ベース付勢ばねSPは、コイルスプリングとして形成され、弾性的に引張変形(伸張)された状態で、両端の円環状の部分が係止爪部524に係止されると共に、コイルスプリングの略中間部分がボス部材560の突出部562における突出先端(一対のガイド壁562bの対向間)に架け渡される。
これにより、ボス部材560は、ベース付勢部材SPの弾性回復力により、軸563を中心として、突出部562における突出先端が係止爪部524へ近接する方向(下方)へ付勢される。その結果、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が上方へ変位される(図23参照)。
ハンドル取付台520は、背面が開放して形成されるので、かかる背面の開放部分からハンドル取付台520の内部空間を露出させることができる。これにより、ベース付勢ばねSPの両端を係止爪部524に係止させると共に、その中間部分を一対のガイド壁562bの対向間に架設する作業を、ハンドル取付台520の背面の開放部分から行うことができるので、その取付作業の作業性の向上を図ることができる。
なお、ハンドルベース530が上方へ変位された(跳ね上げられた)状態では、ハンドルベース530の合わせ面部532aに、ハンドル取付台520の上合わせ面部527が当接された状態となる。即ち、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の対向面(合わせ面)には、平坦面状に形成された合わせ面部(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)が形成され、これら合わせ面部が、ハンドルベース530の変位位置が初期位置(第1位置)に配設された状態で、ベース付勢ばねSPの付勢力により密着される。この密着により、初期位置において、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530をがたつかせることなく、安定した状態に維持することができる。その結果、例えば、ハンドルリング540を回動操作する際の操作性の向上を図ることができる。
また、ハンドルベース530の変位位置が初期位置に配設された状態では、互いに密着される合わせ面(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)がハンドル取付台520及びハンドルベース530の上方(上面)に位置するので、合わせ面が開放された場合に(図20参照)、遊技者が不用意に落下させた異物や埃、ゴミなどの異物がハンドル取付台520の内部に入り込むことを抑制できる。特に、ハンドルベース530は、ベース付勢ばねSPの付勢力によって初期位置(第1位置)に復帰され、その初期位置にある期間が長いため、合わせ面(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)を上方に配設する構成が有効となる。
次いで、図20から図22を参照して、ハンドル規制部材700について説明する。図20はハンドル規制部材700が装着された状態におけるハンドルベース530の正面斜視図であり、図21は、ハンドル規制部材700が取り外された状態におけるハンドルベース530の正面斜視図である。なお、図20及び図21では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440、切換え装置600などが取り外された状態が図示される。
図20及び図21に示すように、ハンドルベース530には、内周壁534に形成された切り欠き部534bにハンドル規制部材700が装着される。なお、ハンドルベース530の底壁532には、前面から背面(詳細には合わせ面部532a)に貫通する正面視円形の貫通孔532bが形成される。なお、貫通孔532b及び切り欠き部534bは、ハンドルリング540の回動軸と平行とされる。
ハンドル規制部材700は、ハンドルリング540が初期位置へ復帰することを規制する(即ち、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を固定する)ための樹脂材料製の部材であり、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位された場合に、ハンドル取付台520(押圧面部528a)により前面へ向けて押し出され、ハンドルリング540の円板部541を押圧することで、ハンドルリング540の回動を規制するように構成される(図24参照)。ここで、図22を参照して、ハンドル規制部材700について説明する。
図22(a)及び図22(b)は、ハンドル規制部材700の斜視図である。ハンドル規制部材700は、本体部701と、その本体部701の背面から突出されるロッド部702と、本体部701の両側から突出される一対の腕部703とを主に備えて構成される。
本体部701は、板状に形成される部位であり、少なくとも上面(図22(b)上側面)が凹状に湾曲して形成される。これにより、ハンドルベース530に装着された場合には、ハンドルベース530の内部空間を確保して、他の部品の取り付けの自由度を高めることができると共に、取り付け作業時の作業性の向上を図ることができる。
本体部701の左右両側の側面には、スライド案内溝701aが凹設される。スライド案内溝701aは、断面コ字状の直線状の凹溝であり、ロッド部702の突設方向に平行に延設される。このスライド案内溝701aには、ハンドル規制部材700がハンドルベース530に装着された状態において、ハンドルベース530の内周壁534(切り欠き部534bの両側部分)が内嵌される。即ち、本体部701の底面側から突出する部分と腕部703の基部との対向間に、ハンドルベース530の内周壁534が挟み込まれる。これにより、本体部701(ハンドル規制部材700)は、ロッド部702の延設方向への移動(スライド)のみが許容され、ハンドルベース530における周方向への移動が規制される。
本体部701の前面には、平坦面状の当接面部701bが形成される。当接面部701bは、ハンドルリング540の円板部541の背面に当接される部位であり(図24参照)、ハンドルリング540の回動軸に垂直(即ち、本体部701の移動(スライド)方向に平行)に形成される。
ロッド部702は、本体部701の背面から突設される断面円形の棒状体であり、ハンドルベース530の底壁532における貫通孔532bに挿通可能に形成される。ロッド部702の突設先端には、半球状の被押圧面部702aが形成される。なお、ロッド部702の本体部701の背面からの突設長さは、底壁532の厚みよりも大きくされ、ハンドル規制部材700がハンドルベース530に装着された状態では、ロッド部702の被押圧面部702aが、底壁532の背面(合わせ面部532a)から突出される(図23参照)。
なお、ロッド部702の被押圧面部702aが半球状に形成されるので、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位され、ハンドル取付台520の押圧面部528aにより被押圧面部702aが押圧される場合には(図23及び図24参照)、ハンドル規制部材700を、安定して移動(スライド)させることができる。即ち、本実施形態では、ハンドル取付台520の押圧面部528aが軸563を中心として移動する一方、ハンドル規制部材700がスライド(直線移動)する構造であり、両者の相対的な位置関係が不定であるところ、ハンドル取付台520の押圧面部528aが平面として形成され、ハンドル規制部材700の被押圧面部702aが押圧面部528aへ向けて膨出する球面として形成されることで、両者の接触位置を、軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い移動させ、ハンドル規制部材700をハンドルリング540へ向かう方向へスライドさせるための力成分を連続的に発生させることができる。これにより、ハンドル規制部材700を詰まらせる(即ち、スライド案内溝701aにハンドルベース530の内周壁534が噛み込む、或いは、ロッド部702が貫通孔532bに噛み込む)ことを抑制して、安定してスライドさせることができる。
腕部703は、本体部701の両側の側面から突設される断面略矩形の棒状体であり、その腕部703の底面は、ハンドルベース530の内周壁534の内周面に対応する曲率で湾曲して形成される。これにより、ハンドル規制部材700がハンドルベース530に装着された(本体部701のスライド案内溝701aに内周壁534が内嵌された)状態では、かかる腕部703の底面を内周壁534の内周面に沿って湾曲させた状態とでき、腕部703が受止突起538から脱落することを抑制できる。また、腕部703が、ハンドルベース530の周方向に沿って延設されることで、他の部品の配設スペースに影響を与えることを抑制しつつ、腕部703をより長くすることができると共に腕部703の弾性変形に必要なスペースを確保することができる。
図20及び図21に戻って説明する。ハンドルベース530の内周壁534には、その内周面から径方向内方へ向けて一対の受止突起538が突設される。受止突起538は、ハンドル規制部材700の腕部702を拘束して、その移動を規制することで、弾性変形させるための部位であり、ハンドル規制部材700の腕部703の先端部分に対応する位置に配設される。
ハンドルベース530の内周壁534における切り欠き部534b(ハンドル規制部材700をハンドルリング540へ向けてスライド移動可能に保持するスライド保持部)は、前面(ハンドルリング540に対面する側)が開放されて形成される。よって、その開放部分を利用して、ハンドル規制部材700を切り欠き部534bに容易に装着することができるので、そのハンドル規制部材700を装着する作業に関する組み立てコストの削減を図ることができる。
なお、切り欠き部534bの開放部分は、ハンドルリング540に対面する側であるから(図23参照)、ハンドルベース530にハンドルリング540が配設されることで、ハンドル規制部材700が切り欠き部534bの開放部分から脱落することはない。
また、ハンドルベース530の内周壁534には、ハンドル規制部材700の腕部703を受け止める受止突起538が突設されるので、ハンドルベース530の切り欠き部534bにその開放部分からハンドル規制部材700を装着した後、ハンドルベース530にハンドルリング540が装着されるまでの間に(即ち、図20に示す状態にある時に)、ハンドル規制部材700が切り欠き部534bの開放部分から脱落することを防止することができるる。よって、組み立て工程での作業性の向上を図ることができる。
一方、ハンドル規制部材700の腕部703は、樹脂材料からなり、弾性変形可能に形成されるので、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位され、ハンドル規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けて押圧される場合には、先端部分が受止突起538に拘束される腕部702を弾性変形させることで、ハンドル規制部材700を移動(スライド)させることができる。これにより、ハンドル規制部材700の当接面部701bをハンドルリング540の背面(被当接面部)に当接させることができる(図24参照)。
また、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位が解除された場合には、弾性変形された腕部702の弾性回復力により、ハンドル規制部材700を、ハンドルリング540から離間する方向へ移動させ、初期位置へ復帰させることができる(図23参照)。これにより、ハンドル規制部材700の当接面部701bとハンドルリング540の背面(被当接面部)との間に隙間を形成できる。その結果、両者の当接による抵抗に起因してハンドルリング540の回動操作が阻害されることを回避できる。
ここで、受止突起538は、ハンドルベース530の内周壁534の内周面から径方向内方へ向けて突設されるので、組み立て時における視認性を確保できる。その結果、腕部703と受止突起738との位置関係(即ち、腕部703が受止突起738に適正に係合されているか否か)の確認作業を容易として、作業性の向上を図ることができる。
また、受止突起738には、その突設上面に、前面から背面へ向かうに従って(即ち、ハンドル規制部材700の装着方向に沿って)ハンドルベース530の内周壁534の内周面から上昇傾斜する傾斜面が形成されるので、切り欠き部534bにその開放部分からハンドル規制部材700を装着する際には、受止突起538の突設上面に形成される傾斜面に沿ってハンドル規制部材700の腕部703が移動することで、かかる受止突起538を腕部703に容易に乗り越えさせることができる。即ち、切り欠き部738の開放部分からハンドル規制部材700を押し込むだけでよく、腕部703を持ち上げて受止突起738を乗り越えさせる作業を別途行う必要がないので、その組み立て作業の作業性の向上を図ることができる。
次いで、図23及び図24を参照して、ハンドル装置51の動作について説明する。
図23は、変位操作される前の状態におけるハンドル装置51の部分断面側面図であり、図24は、変位操作された後の状態におけるハンドル装置51の部分断面側面図である。なお、図23及び図24では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示されると共に、ハンドル取付台520の第2本体520bが取り外された状態が図示され、また、各部品の配線の図示が省略される。
図23に示すように、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される前の状態(即ち、遊技者によりハンドルベース530が下方へ向けて変位操作されていない状態)では、ハンドルベース530が水平位置にあり、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の合わせ面は、上合わせ面部527が合わせ面部532aに当接される一方、下合わせ面部528が合わせ面部532aから離間される。
図23に示す状態から、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ変位されると、ハンドル規制部材700のロッド部702における被押圧面部702aが、ハンドル取付台520の押圧面部528aに押圧され、ハンドル規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けてスライド移動される。ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ更に変位されると、下合わせ面部528が合わせ面部532aに当接され、図24に示すように、ハンドル規制部材700の本体部701における当接面部701bがハンドルリング540の円板部541における背面に当接される。
その結果、ハンドルリング540は、その回動操作量(回動位置)にかかわらず、初期位置への復帰が規制され、回動操作量が固定される。よって、球の発射強度を、現在のハンドルリング540の回動操作量に応じた球の発射強度に固定することができる。
この場合、ハンドルリング540の回動操作量を固定する従来技術として、次のものがある。例えば、特開2012−5759号には、本実施形態における前カバー550に相当する前カバーベースの頂部(遊技者から見て手前側)に、前方(遊技者側)へ向けて凸な半球状となるボタンを設け、このボタンを遊技者が手の平で奥側へ押し込むことで、ハンドルリングの回動操作量を固定する技術が開示される。
しかし、かかる従来技術では、ハンドルリングの回動操作を行いながら、かつ、ボタンの押し込み操作を行う必要がある。詳細には、手指で握ったハンドルリングを周方向へ動作させる操作(回動操作)と、手の平をボタン表面に回りこませつつ奥側へ向けて押し込む操作とを並行して行う必要がある。そのため、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、ボタンを押し込むには、遊技者に高度な技術が要求される。また、この状態(ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、ボタンを押し込んだ状態)は、遊技者にとって無理な姿勢となるため、かかる状態を継続する(即ち、球の発射強度を所望の発射強度に固定する)ことが遊技者の負担になる。その結果、ボタンを押し込む際だけでなく、押し込みを維持する際にも、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれ易く、所望の回動操作量に維持することが困難となる。
なお、このような無理な姿勢であるが故に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、ボタンの押し込みを解除する操作にも高度な技術が要求される。
これに対し、本実施形態によれば、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行った後は、その操作状態(ハンドルリング540の回動操作量が所望の回動操作量に固定された状態)を維持することも容易となる。よって、ハンドルベース530の操作時およびその操作状態を維持する際に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
また、このように、軸支部分(軸563及び軸受523)を中心としてハンドルベース530を変位させる構造であれば、遊技者は、ハンドルベース530(前カバー550)に手のひらを添えると共に、そのまま手の重みを作用させる動作のみで、ハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ変位させることができる。即ち、遊技者は、手の重みを作用させるという簡易な動作を行うのみで、球の発射強度を所望の発射強度に固定することができる。
また、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行った後は、その操作状態(ハンドルリング540の回動操作量が所望の回動操作量に固定された状態)を維持することも容易となる。よって、ハンドルベース530の操作時およびその操作状態を維持する際に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
また、ハンドル規制部材700の本体部701における当接面部701bと、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とが互いに平滑面として形成されるので、ハンドルリング540の回動位置を、任意の回動位置で固定可能とすることができる。
例えば、ハンドル規制部材700の本体部701における当接面部701bと、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とにそれぞれ鋸歯状の凹凸を設け、それら鋸歯状の凹凸同士を係合させることで、ハンドルリング540の回動位置を固定する構造では、ハンドルリング540の回動位置の固定を強固に行うことができる一方で、鋸歯状の凹凸のピッチ(間隔)が調整幅の最小値となる。そのため、固定可能な回動位置が断続的となり、所望の回動位置に固定できないおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、ハンドル規制部材700の本体部701における当接面部701bとハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とが平滑面とされることで、固定可能な回動位置が連続的となるので、任意の回動位置で固定可能として、その調整幅を確保することができる。
また、当接面部701bが円板部541の背面(被当接面部)に当接された状態とされ、ハンドルリング540の回動操作量が固定されたとしても、これら当接面部701b及び被当接面部が平滑面とされていることで、互いの当接面を相対的に滑動させることができるので、ハンドルリング540の回動操作量の固定後であっても、かかるハンドルリング540の回動操作量を微調整することができる。
ここで、前カバー550は、ハンドルリング540の前面側(図23右側)に配設されるので、遊技者は、ハンドルリング540を手指で把持する際に、前カバー550の外面に手の平を添えることができ、かかる前カバー550を、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させる際に力を加える部分(力点)として利用することができる。
この場合、図24に示すように、本実施形態では、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530を変位可能に軸支するボス部材560の軸563(支点)から押圧面部528a(被押圧面部702aの突出先端(作用点))までの距離Aが、少なくとも、ボス部材560の軸563からハンドルリング540の背面までの距離Bよりも小さくされる。よって、ボス部材560の軸563(支点)から前カバー550の外面(力点)までの距離は、距離Aよりも大きくされる。
即ち、力点から支点までの距離を、支点から作用点までの距離よりも大きくすることができるので、力点となる前カバー550の外面に加えられる力が小さくても、その力を増幅させて、作用点となる押圧面部528aによってハンドル規制部材700(被押圧面部702a)をより大きな力で押圧することができる。これにより、ハンドル規制部材700をハンドルリング540に強固に当接させ、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を確実に固定することができる。
次いで、図25から図27を参照して、ボタン部材570の押し込み操作により、切り替え装置600を回動可能状態または係合固定状態に切り替えるための切り替え構造について説明する。なお、この切り替え構造の説明においては、図28及び図29を適宜参照する。
図25から図27は、ハンドル装置51の部分断面側面図である。なお、図25ではボタン部材570が第1位置にある状態が、図26ではボタン部材570が第2位置にある状態が、図27ではボタン部材570が第3位置にある状態が、それぞれ図示される。
また、図28及び図29は、ハンドルリング540及び切り替え装置600を模式的に図示したハンドル装置51の正面模式図である。なお、図28(a)は、ハンドルリング540が初期位置θ0にあり、かつ、切り替え装置600が回動可能状態にある状態を、図28(b)は、ハンドルリング540が操作位置θ1まで回動操作され、かつ、切り替え装置600が回動可能状態にある状態を、図28(c)は、ハンドルリング540が操作位置θ1まで回動操作され、かつ、切り替え装置600が係合固定状態に変更されている状態を、図29(a)は、ハンドルリング540が操作位置θ0〜θ1の範囲内にあり、かつ、切り替え装置600が係合固定状態に変更されている状態を、図29(b)は、ハンドルリング540が初期位置θ0にあり、かつ、切り替え装置600が係合固定状態に変更されている状態を、それぞれ図示している。
図25から図27に示すように、切り替え装置600は、上述した通り、ハンドルベース530の軸受部535内に挿通され、その切り替え装置600の連結孔620には、ボタン部材570の連結軸575が軸方向へ相対移動可能かつ周方向へ相対回動不能に挿通される。
本実施形態では、ボタン部材570は、そのハンドル軸支体574が軸体573に対して回動可能に連結されているので、切替え装置600(本体部610)が軸受部575に対して回動される場合には、その切替え装置600に連動して、ハンドル軸支体574側の部材(ハンドル軸支体574、連結軸575及び押し込み片576)のみを回動させ、軸体573側の部材(軸体573、背面ベース572及び操作部571)は回動させないようにできる。よって、遊技者の手の平の中で操作部571が回動して遊技者に違和感を与えることを抑制できる。
また、本実施形態では、切り替え装置600の連結孔620に、ボタン部材570の連結軸575が、周方向へ相対回動不能に挿通されるので、切替え装置600が軸受部535に対して回動されても、切り替え装置600の逃げ空間661に対するボタン部材570における押し込み片576の回動位置(位相)を常に一致させておくことができる。
これにより、切り替え装置600がどのような回動位置(位相)に配置される場合であっても、ボタン部材570(操作部571)の押し込み操作に伴って、ボタン部材570の押し込み片576を噛み込み空間651内へ確実に移動させることができる。即ち、ハンドルリング540がどのような回動位置に回動操作されている状態においても、切り替え装置600を係合固定状態とすることができるので、遊技球の発射強度が所望の発射強度となった場合には、ハンドルリング540の回動位置(操作量)を維持したままで、操作終点の変更(設定)を行うことできる。その結果、操作終点の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
ハンドルリング540は、その中央孔544aにボタン部材570のハンドル軸支体574が挿通され、かかるハンドル軸支体574に回動可能に軸支される。即ち、切り替え装置600が軸受部535に対して相対回動不能となる係合固定状態に切り替えられた場合であっても、ハンドルリング540は、そのハンドル側突起部546が切替え装置600の規制突起部630に当接して規制される回動方向とは逆の回動方向(初期位置へ復帰される方向)へは、回動可能とされる。
ハンドルリング540とボタン部材570との間には、コイルスプリングとして形成されるボタン付勢ばね590が弾性的に圧縮変形された状態で配設され、その付勢力(弾性回復力)によって、ボタン部材570がハンドルリング540から離間する方向へ付勢される。
図25に示すように、ボタン部材570が第1位置にある状態(ボタン部材570が押し込み操作されていない初期位置にある状態)では、ボタン部材570の押し込み片576は、切り替え装置600の逃げ空間661に配置される。よって、切り替え装置600は、噛み込み球体670a,670bが押し込み側付勢ばね680の付勢力により逃げ空間661に配置されており、これにより、軸受部535に対して相対的に回動可能な回動可能状態(図15(a)及び図15(c)参照)に設定される。
このように切り替え装置600が回動可能状態に設定された状態(ボタン部材570が第1位置にある状態)では、切り替え装置600が軸受部535に対して回動可能とされているので、図28(a)及び図28(b)に示すように、ハンドルリング540が初期位置θ0から操作位置θ1まで増加方向へ回動操作されると、ハンドルリング540のハンドル側突起部546が切り替え装置600の規制突起部630を増加方向へ押すことで、切り替え装置600をハンドルリング540に連動させて増加方向へ回動させる。なお、操作位置θ1は、ハンドルリング540の回動操作範囲の最大位置θmaxには達していない回動角であるものとする。以下においても同様である。
一方、ハンドルリング540が減少方向へ回動操作されると、切り替え装置600は、切り替え装置付勢ばね539(図7参照)の付勢力により、ハンドルリング540に追従して、減少方向へ回動される。例えば、図28(a)及び図28(b)に示すように、ハンドルリング540が操作位置θ1から初期位置θ0まで減少方向へ回動操作されると、切り替え装置600も、切り替え装置付勢ばね539の付勢力により、減少方向へ回動され、規制突起部630がハンドル側突起部546に当接される回動位置に配置される。
即ち、図25に示すように、切り替え装置600が回動可能状態に設定された状態(ボタン部材570が第1位置にある状態)では、ハンドルリング540が増加方向または減少方向のいずれの方向へ回動操作される場合であっても、切り替え装置600が連動(同期)して回動され、それらハンドルリング540と切り替え装置600の回動位置(位相)が一致される(図28(a)及び図28(b)参照)。
図26に示すように、ボタン部材570が第2位置にある状態(第1位置にあるボタン部材570が押し込み操作された状態)では、切り替え装置600は、その噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651に配置され(即ち、ボタン部材570の押し込み片576により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれ)、係合固定状態に設定される。
切り替え装置600が係合固定状態に設定された状態では、噛み込み球体670a,670bが、噛み込み側付勢ばね690の付勢力により、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向に漸減する隙間に噛み込まれた状態とされるので、切替え装置600(本体部610)がいずれの回動方向(図15(d)に示す矢印A方向および矢印B方向)へ回動しようとしても、噛み込み面650の周方向端部が、軸受部535の内周面との対向間に噛み込み球体670a,670bを更に噛み込ませるように作用することで(図15(b)及び図15(d)参照)、軸受部535に対する切り替え装置600(本体部610)の回動が規制(阻止)される。
よって、図28(b)に示すように、ハンドルリング540が操作位置θ1に回動操作された状態において、ボタン部材570を押し込み操作して第1位置から第2位置に変更することで、切り替え装置600を係合固定状態に設定して、図28(c)に示すように、切り替え装置600を操作位置θ1に対応する回動位置(即ち、第1位置にあるボタン部材570が第2位置に変更された時点における回動位置)に固定することができる。
このように、切り替え装置600が係合固定状態に設定され、その回動位置が固定された状態では、図29(a)及び図29(b)に示すように、ハンドルリング540を減少方向へ回動させても、切り替え装置600は、ハンドルリング540の回動に連動(同期)せず、操作位置θ1に対応する回動位置に保持される。即ち、ハンドルリング540は、中央孔544aがハンドル軸支体574に回動可能に軸支されているので(図26参照)、図29(a)に示すように、切り替え装置600とは独立して、減少方向および操作方向へ回動操作可能とされる。
この場合、例えば、図29(b)に示すように、切り替え装置600が操作位置θ1に対応する回動位置に保持(固定)された状態において、初期位置θ0に復帰されているハンドルリング540を増加方向へ回動操作する場合には、その回動操作は、操作位置θ1が操作終点とされる。即ち、ハンドルリング540は、図28(c)に示すように、その増加方向への回動操作が操作位置θ1に達すると、ハンドル側突起部546が規制突起部630に当接され、それ以上の増加方向への回動操作が規制される。
ここで、第2位置にあるボタン部材570の第1位置への設定は、次のように行われる。即ち、図26に示す第2位置にあるボタン部材570を、図27に示すように、押し込み可能な位置(第3位置)まで押し込み操作した後、その押し込み操作を解除する(押し込み力を弱める又は手を離す)。これにより、ボタン部材570は、ボタン付勢ばね590の付勢力により、第3位置から図25に示す第1位置へ復帰される。
この場合、例えば、図29(b)に示すように、切り替え装置600が操作位置θ1に対応する回動位置に保持(固定)された状態において、上述した操作(第2位置から第3位置を通過させて第1位置に復帰させる操作)が行われると、切り替え装置600は、係合固定状態から回転可能状態に切り替えられ、軸受部535に対して回動可能とされるので、切り替え装置付勢ばね539の付勢力を受けて、図28(a)に示すように、初期位置(規制突起630がハンドル側突起部546に当接される回動位置)へ復帰される。
ここで、切り替え装置600は、その連結孔620と連結軸575との結合を介して、ハンドル軸支体574及び押し込み片576と常に連動(同期)して回動されるため、ハンドルリング540が回動操作されている状態であっても、ボタン部材570の押し込み操作により、係合固定状態から回転可能状態への切り替え(即ち、切り替え装置600の初期位置への復帰であって、操作終点の変更の解除)が可能とされる。
これにより、ハンドルリング540が回動操作されている状態でも、操作終点の変更(設定)を解除するために、かかるハンドルリング540を初期位置へ一旦復帰させる必要がない。よって、例えば、操作終点の位置を別の位置へ再設定(例えば、微調整)する必要が生じた場合には、ハンドルリング540の回動操作を維持しつつ(即ち、遊技を継続しつつ)、その再設定動作を迅速に行うことができる。或いは、例えば、右打ちの必要が生じた場合には、ハンドルリング540の回動操作を維持しつつ、そのハンドルリング540の増加方向への回動操作を規制していた操作終点を解除できるので、ハンドルリング540の増加方向への回動操作が可能な状態を迅速に形成できる。即ち、遊技球の発射強度を最大とする操作方向へのハンドルリング540の回動操作へ迅速に切り替えることができる。
また、切り替え装置600を、係合固定状態から回転可能状態へ切り替える操作(操作終点を解除する、即ち、切り替え装置600を初期位置へ復帰させる復帰動作)と、回転可能状態から係合固定状態へ切り替える操作(操作終点を変更(設定)する変更動作)との両者が、ボタン部材570の押し込み操作により達成される。即ち、同一の部材を同一の方向へ操作することで達成できる。これにより、変更動作および復帰動作の操作を行いやすくできる。特に、変更動作による状態と復帰動作による状態とは交互に切り替えられるものであるので、これら2つの状態が同一の操作を繰り返すことで切り替え可能となることが操作性の向上に有効となる。また、同一の部材を同一の方向へ操作する構造であることから、ボタン部材570の操作可能な方向を一方向のみに限定することができるので、その分、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
ここで、ボタン部材570が第2位置および第3位置にある状態では、図26及び図27に示すように、ボタン部材570の操作部571の一部(前方へ突出する頂部側)が、前カバー550の開口550aの縁部よりも前方(図26及び図27右側)へ突出される。よって、第1位置(又は第2位置)にあるボタン部材570(操作部571)を第2位置(又は第3位置)へ押し込み操作する際には、かかるボタン部材570を、前カバー550の開口550aの縁部を越える位置(即ち、前カバー550内にボタン部材570の操作部571全体が入り込む位置)まで押し込む必要がない。これにより、ボタン部材570を押し込む際に、前カバー550の開口550aの縁部が遊技者の手の動きの妨げとなることを抑制して、その操作性の向上を図ることができる。
但し、ボタン部材570が第3位置にある状態では、ボタン部材570の操作部571全体が、前カバー550の内部に没入されるように構成しても良い。即ち、第3位置では、ボタン部材570の操作部571の頂部(最も前方へ突出する部分)が、前カバー550の開口550aの縁部よりも軸方向内方(図27左方向)に位置するように形成しても良い。
この場合には、ボタン部材570を第2位置から第3位置まで押し込み、切り替え装置600を初期位置へ復帰可能な状態とする(即ち、係合固定状態にある切り替え装置600を回転可能状態に変更して、操作終点の変更(設定)を解除する)ためには、かかるボタン部材570(操作部571)を、前カバー550の開口550aの縁部を軸方向に越える位置(前カバー550内にボタン部材570の操作部571全体が入り込む位置)まで押し込む必要が生じる。そのため、ボタン部材570を第3位置まで押し込む際に、前カバー550の開口550aの縁部を押し込み操作の妨げとする(即ち、遊技者の手に開口550aの縁部を当接させる)ことができる。これにより、第2位置にあるボタン部材570が第3位置まで不用意に押し込み操作されることを抑制できる。その結果、不用意なボタン部材570の押し込み操作により、所望の回動位置に操作終点の位置を変更(設定した状態が解除されてしまう(或いは、解除可能な状態となる)ことを抑制できる。
次いで、図30及び図31を参照して、切り替え装置600を利用して、ハンドルリング540の操作終点を変更(設定)すると共に、その操作終点の位置を基準としてハンドルリング540の回動位置を調整する(元の回動位置へ復帰させる)調整方法について説明する。
図30及び図31は、ハンドル装置51の回動操作の状態を模式的に図示する模式図であり、各図において、左側の図はハンドル装置51の正面模式図であり、右側の図はハンドルリング540の回動位置と操作終点との関係を模式的に示す模式図である。なお、図30及び図31において、墨付き三角(「▲」)の表示は、ハンドルリング540の回動位置を意味し、「[第1位置]又は[第2位置]」の表示は、ボタン部材570の位置を意味する。また、「初期位置θ0」はハンドルリング540の初期位置であり、「最大位置θmax」は操作終点が変更(設定)されていない状態におけるハンドルリング540の回動操作可能な最大位置である。「操作終点」は切り替え装置600が係合固定状態に設定されることで形成されるハンドルリング540の回動操作の終点である。
図30(a)及び図30(b)に示すように、ボタン部材570が第1位置にある状態では、切り替え装置600が回動可能状態にあるため(図25、図15(a)及び図15(c)参照)、ハンドルリング540は、初期位置θ0から最大位置θmaxまでの範囲で回動操作可能とされる。
この図30(a)及び図30(b)に示す状態において、遊技状態に応じて、ハンドルリング540の回動位置を調整した結果、図30(b)に示すように、ハンドルリング540を操作位置θ1とすることで、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整できると判断した場合には、図30(b)に示す状態を維持しつつ、遊技者は、図30(c)に示すように、ボタン部材570の押し込み操作により、かかるボタン部材570を第2位置に設定する。これにより、切り替え装置600が係合固定状態に設定されることで(図26、図15(b)及び図15(d)参照)、ハンドルリング540の操作位置θ1に対応する位置に操作終点が変更(設定)される。
このように、ハンドル装置51によれば、操作終点を設定できるので、図31(a)に示すように、例えば、休憩を取るために、ハンドルリング540の回動位置を初期位置θ0へ復帰させ、遊技を中断したとしても、元のスライド操作の位置(すなわち、遊技球の発射強度が所望の発射強度に調整された回動位置であって、遊技機を中断する前の操作位置θ1)を「操作終点」として記憶させておくことができる。
よって、ハンドルリング540の回動位置を元の回動位置(即ち、遊技を中断する前の操作位置θ1)に調整する場合(図30(b)及び図30(c)の状態を再現する場合)には、遊技者は、図31(b)に示すように、ハンドルリング540を操作終点まで回動操作すれば(即ち、ハンドルリング540の回動操作が操作終点により規制されて、それ以上の回動操作ができなくなるまで回動操作を行えば)、かかるハンドルリング540の回動位置を元の回動位置(操作位置θ1)に迅速かつ容易に調整することができる。
例えば、ハンドルリング540の移動軌跡に沿って目盛り線を設けておき、その目盛り線を目標位置としてハンドルリング540を回動操作する方法も考えられるが、かかる方法の場合と比較して、ハンドルリング540の回動位置が目標位置(目盛り線)に一致したか否かを、目視により判別しつつ微調整する必要がなく、所望の回動位置に正確に調整することができる。また、本実施形態によれば、回動操作ができなくなる位置まで回動操作を行えば良く、目標位置を通り過ぎてしまうことがないため、ハンドルリング540の操作速度を高めることができ、その分、所望の回動位置に迅速に調整する(元の回動位置に迅速に復帰させる)ことができる。
なお、操作終点の位置を最大位置θmaxへ復帰させる場合には、図31(a)又は図31(b)に示す状態において、ボタン部材570を押し込み可能な位置(第3位置)まで押し込む押し込み操作を行った後に、かかる押し込み操作を解除することで、ボタン部材570が第1位置に復帰され、図30(a)に示すように、操作終点の位置を最大位置θmaxに復帰させることができる。
ここで、操作終点を変更(設定)した遊技者が遊技を終了し、図31(a)に示すように、操作終点が変更された状態のままで、第2の遊技者が遊技を開始する場合には、かかる第2の遊技者が不利益を被るおそれがある。即ち、操作終点が変更されているということは、図31(b)に示すように、ハンドルリング540を最大位置θmaxまで回動操作することができないということであり、操作終点の変更がなされていることに第2の遊技者が気づかないと、最大位置θmax(最大の発射強度)での遊技機球の発射ができない状態で遊技を行うことなり、不利益を被る。よって、このような場合であっても、第2の遊技者が、遊技を開始する際に、操作終点の位置が変更されていることを容易に認識できることが望ましい。
これに対し、本実施形態のハンドル装置51によれば、上述したように、前カバー550に設けた確認窓550bを利用して、操作終点の位置が変更(設定)されているか否かを遊技者が容易に確認できるように形成される。ここで、図32を参照して、確認窓550bを利用した確認構造について説明する。
図32(a)及び図32(b)は、ハンドル装置51の部分拡大断面図であり、図32(a)では、ボタン部材570が第1位置にある状態が、図32(b)では、ボタン部材570が第2位置にある状態が、それぞれ図示される。
図32(a)及び図32(b)に示すように、ハンドル装置51によれば、操作終点の位置が変更されていない状態(即ち、操作終点の位置が最大位置に一致する状態であって、ボタン部材570が第1位置にある図32(a)に示す状態)と、操作終点の位置が変更された状態(即ち、ボタン部材570が第2位置にある図32(b)に示す状態)とでは、ボタン部材570の押し込み位置が異なるように形成される。よって、遊技者は、ボタン部材570の押し込み位置の差に基づいて、操作終点の位置が変更されているか否かを識別することができる。操作終点の位置が変更されていることに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
但し、本実施形態におけるハンドル装置51では、前カバー550と、その前カバー550の開口550aから突出されるボタン部材570とが一体となって1の半球体を形成する形状であるため(図5及び図6参照)、ボタン部材570が第2位置に押し込まれたとしても、全体的には1の半球体が形成されるため、ボタン部材570の押し込み量の差を遊技者が明確に認識できないおそれがある。
これに対し、本実施形態では、操作終点の位置が変更されているか否か(即ち、ボタン部材570が第1位置にあるか第2位置にあるか)に応じて、確認窓550b,554bを介して視認される対象の形態を異ならせたので、判断基準を2値化することができ、2つの状態を明確に区別することをしやすくできる。これにより、操作終点の位置が変更されているか否かを遊技者に容易かつ確実に識別させることができる。
具体的には、上述したように、ボタン部材570は、内嵌壁部577の外周面が黒色に形成される一方、操作部571の外周面が白色に形成される。そのため、図32(a)に示すように、ボタン部材570が第1位置にある状態では、前カバー550の確認窓550b,554bを介して遊技者に視認させる形態を、内嵌壁部577の外周面(黒色)とする一方、図32(b)に示すように、ボタン部材570が第2位置にある状態では、前カバー550の確認窓550bを介して遊技者に視認させる形態を、操作部571の外周面(白色)とすることができる。
これにより、遊技者は、かかる確認窓550b,554bを介して視認される色の相違に基づいて、ボタン部材570が第1位置または第2位置のいずれの位置に配置されているか(即ち、ハンドルリング540の操作終点の位置が変更されているか否か)を容易に識別することができる。
この場合、前カバー550の筒状案内部554には、その内周側にボタン部材570の内嵌壁部577が挿通され、図32(a)に示すように、ボタン部材570が第1位置にある状態では、内嵌壁部577の外周面が筒状案内部554の内周面に対面されるため、かかる内嵌壁部577によって確認窓554bを遮蔽することができる。即ち、ハンドル装置51内部から確認窓554bを介して外部へ光が導出され難くできる。また、確認窓554bから確認窓550bへの経路においても、かかる経路は前カバー550の外壁面やハンドルリング540によって形成される閉じた空間内に配置されるので、ハンドル装置51内部から確認窓550bを介して外部へ光が導出され難くできる。よって、ボタン部材570が第1位置にある状態において、確認窓550b,554bを介して遊技者に視認させる形態(内嵌壁部577の外周面の黒色)をより暗くすることができる。
一方、ボタン部材570の操作部571は、半球状に形成され、図32(b)に示すように、ボタン部材570が第2位置にある状態では、操作部571の外周面が筒状案内部554の内周面に対面されるため、確認窓554bの下方(操作部571の外周面側)に外方(図32(b)右側)へ開放される空間を形成することができる。即ち、確認窓554bの下方の空間から確認窓554b及び確認窓550b間の空間内へ外部から光を導入することができる。また、操作部571の外周面自体も光に照射された状態とすることができる。よって、ボタン部材570が第2位置にある状態において、確認窓550b,554bを介して遊技者に視認させる形態(操作部571の外周面の白色)をより明るくすることができる。
その結果、図32(a)に示すように、ボタン部材570が第1位置にある状態において遊技者に視認させる形態と、図32(b)に示すように、ボタン部材570が第2位置にある状態において遊技者に視認させる形態との間のコントラストの差をより大きくすることができる。これにより、2つの状態をより明確に区別することをしやすくできるので、操作終点の位置が変更されているか否かを遊技者に容易かつ確実に識別させることができる。
次いで、図33から図57を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、操作終点の変更およびその解除が、ボタン部材570の押し込み操作により行われる場合を説明したが、第2実施形態における操作終点の変更およびその解除は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530(ハンドルリング540)を変位させることで行われる。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図33(a)は第2実施形態におけるハンドル装置2051の上面図であり、図33(b)はハンドル装置2051の正面図である。また、図34は、図33(a)の矢印XXXII方向視におけるハンドル装置2051の側面図である。なお、図33(a)及び図34では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示される。
図33及び図34に示すように、ハンドル装置2051は、ハンドル取付台2520と、ハンドルベース530と、ハンドルリング2540と、前カバー2550と、操作兼用表示片2570と、切り替え装置2600(図38から図40参照)と、を主に備え、パチンコ機10(図1参照)の前面から水平姿勢で突出される。
ハンドル取付台2520及びハンドルベース530は、第1実施形態と同様に、ハンドル取付台2520の背面(図33(a)左側)が下皿ユニット15の前面に固着されると共に、一方が他方に軸支された状態で連結され、その軸支された部分を中心として、ハンドル取付台2520に対し、ハンドルベース530がハンドルリング2540と一体となって、上下方向に変位可能とされる(図53から図55参照)。
本実施形態のハンドル装置2051は、ハンドルベース530をハンドル取付台2520に対して上下方向に変位させることで、ハンドル規制部材700の押圧によるハンドルリング540の回動規制(初期位置への復帰の規制)が実行可能であることに加え、切り替え装置2600の状態(回動可能状態または係合固定状態)の切り替え(即ち、操作終点の変更(設定)およびその解除)も実行可能に形成される。
ハンドル取付台2520には、操作兼用表示片2570が配設される。操作兼用表示片2570は、操作終点の位置が変更(設定)されているか否かを表示するための部材であり、L字状に屈曲される棒状体として形成され、ハンドル取付台2520の側方から上面にわたって延設される。
ハンドル取付台2520の側方には、切り替え装置2600の状態(回動可能状態または係合可能状態)に応じて回動される直動変換部材2800の軸2802が突出されており、その突出された軸2802(連結四角部2802a)に操作兼用表示片2570の基端が固着される。よって、切替え装置2600の状態が切り替えられ、軸2802が回動されると、操作兼用表示片2570の延設先端がハンドル取付台2520の上面に沿って前後方向(図33(a)左右方向)に変位され、切り替え装置2600の状態に応じて第1位置または第2位置に保持される。
ハンドル取付台2520の上面には、上面視三角形状の第1目盛り部S1及び第2目盛り部S2が表示される。第1目盛り部S1は、切り替え装置2600が回動可能状態にある(即ち、操作終点の変更が解除されている)ことを示す表示であり、スイッチ部材2590(図42参照)が第1位置に配置された状態における操作兼用表示片2570の延設先端に一致される。第2目盛り部S2は、切り替え装置2600が係合固定状態にある(即ち、操作終点の位置が変更(設定)されている)ことを示す表示であり、スイッチ部材2590が第2位置に配置された状態における操作兼用表示片2570の延設先端に一致される。
よって、遊技者は、操作兼用表示片2570の延設先端と表示との関係に基づいて、操作終点の位置が変更されているか否か(延設先端が第1目盛り部S1に一致される場合には操作終点が解除されており、延設先端が第2目盛り部S2に一致される場合には操作終点の位置が変更されている)を容易に認識できる。
この場合、第1目盛り部S1及び第2目盛り部S2は、ハンドル装置2051の組み立て状態において、ハンドル取付台2520の上面側に配設されるので、遊技するパチンコ機10に対面した遊技者が、例えば、遊技を開始する際には、操作兼用表示片2570と第1目盛り部S1及び第2目盛り部S2との位置関係を遊技者に容易に視認させることができる。
ここで、操作兼用表示片2570は、切り替え装置2600を回動可能状態または係合固定状態に切り替えるために遊技者により操作される操作部を兼用する。即ち、本実施形態では、ハンドルベース530をハンドル取付台2520に対して下方へ押し下げ操作することに加え、操作兼用表示片2570を軸2802(連結四角部2802a)を中心として回動させることによっても、切り替え装置2600の状態(回動可能状態または係合固定状態)の切り替えが実行可能とされる。
この場合、操作兼用表示片2570は、ハンドル装置2051の組み立て状態において、ハンドル取付台2520の左側(図33(a)下側)の側面から上面(図33(a)紙面手前側)にわたって延設されるので、遊技者は、遊技中においても(即ち、ハンドルリング2540を右手で回動操作している状態であっても)、逆の手(即ち、左手)により操作兼用表示片2570を容易に回動操作することができる。なお、切り替え装置2600の状態の切り替え構造については、後述する。
前カバー2550は、前方(図33(a)及び図34右方向)へ凸となる半球状に形成され、ハンドルリング540の前面に取り付けられる。
次いで、図35を参照して、ハンドルベース530について説明する。図35はハンドル取付台2520及びハンドルベース530の正面斜視図であり、ハンドルリング2540及び前カバー2550(いずれも図33及び図34参照)が取り外された状態におけるハンドル装置2051の正面斜視図に対応する。
図35に示すように、ハンドルベース530は、第1実施形態と同一に形成される。軸受部535には、その内周側に切り替え装置2600が回動可能に挿入される(図53参照)。切り替え装置2600は、第1実施形態における切り替え装置600と同様に、ハンドルリング2540の操作終点の位置を変更(設定)するための部材であり、軸受部535に対する切り替え装置2600の相対回動が可能な回動可能状態と相対回動が不可能な係合固定状態との2つの状態に切り替え可能とされる。
なお、切り替え装置2600は、第1実施形態における切り替え装置600に対し、噛み込み面250及び逃げ面260(噛み込み空間251及び逃げ空間261)の形成位置が異なる(第1実施形態では前面側に開放して形成されたが(図7参照)、第2実施形態では背面側に開放して形成される)点を除き、他の構成は同一に形成される。
よって、切り替え装置2600の状態が、回動可能状態にある場合には、ハンドル側突起部546によって規制突起部630が増加方向へ押されることで、切り替え装置2600も軸受部535内で増加方向へ回動される。一方、切り替え装置2600の状態が係合固定状態に切り替えられると、切り替え装置2600の軸受部535に対する相対回動が不可能とされる(軸受部535に固定される)ことで、ハンドル側突起部546の増加方向への移動が規制突起部630により規制される。これにより、ハンドルリング2540の増加方向への回動操作が規制される。即ち、切り替え装置2600の状態が回動可能状態から係合固定状態に切り替えられた位置(回動位置)が、ハンドルリング2540の操作終点の位置とされる。
次いで、図36を参照して、ハンドルリング2540について説明する。図36は、ハンドルリング2540の背面斜視図である。
図36に示すように、ハンドルリング2540は、中央孔2544aの内径寸法が異なる(第1実施形態における中央孔544aの内径寸法よりも小径とされる)点を除き、第1実施形態のハンドルリング540と同一に形成される。
このように、中央孔2544aの内径寸法を小径とすることで、主動ギヤ544の背面に平坦面が確保される。第2実施形態では、この主動ギヤ544の背面の平坦面上を摺動させることで、切り替え装置600の回動を許容しつつ、主動ギヤ544の背面の平坦面で軸方向への移動を規制することで、切り替え装置600が軸受部535内から正面側へ抜け出ることを規制する(図53参照)。
なお、中央孔2544aには、前カバー2550のハンドル軸支体2551a(図37参照)が挿通され、これにより、ハンドルリング2540は、前カバー2550を介して、ハンドルベース530に回動可能に保持(軸支)される(図53参照)。
次いで、図37を参照して、前カバー2550について説明する。図37は、前カバー550の背面斜視図である。
図37に示すように、前カバー2550は、内部が前面側に窪んだ(即ち、背面側が開放された)半球の容器形状に形成され、その頂部に対応する内壁面には、円柱状の軸支ベース2551が背面側へ向けて立設される。軸支ベース2551の立設先端には、ハンドルリング2540を軸支するためのハンドル軸支体2551aが背面側へ向けて立設される。
ハンドル軸支体2551aは、その外径寸法がハンドルリング2540の中央孔2544aの内径寸法よりも若干小さな寸法に設定され、これにより、ハンドルリング2540を回動可能に軸支する。また、ハンドル軸支体2551aは、その外径寸法が軸支ベース2551の外径寸法よりも小さくされ、両者の接続部分に段差面が形成される。この段差面により、ハンドルリング2540(主動ギヤ544及び円板部541)を切り替え装置2600との間に挟み込み、ハンドルリング2540の回動を許容しつつ軸方向への移動を規制する(図53参照)。
次いで、図38から図40を参照して、切り替え装置2600について説明する。図38(a)は、切り替え装置2600の正面図であり、図38(b)は、図38(a)の矢印XXXVIIIb方向視における切り替え装置2600の側面図であり、図38(c)は、図38(b)の矢印XXXVIIIc方向視における切り替え装置2600の背面図である。図39(a)は、図38(a)のXXXIXa−XXXIXa線における切り替え装置2600の断面図であり、図39(b)は、図38(a)の矢印XXXIXb方向視における切り替え装置2600の側面図である。なお、図38及び図39では、噛み込み球体670a,670b、押し込み側付勢ばね680及び噛み込み側付勢ばね690の図示が省略される。
図38及び図39に示すように、切り替え装置2600は、本体部610の外周面を凹設して形成される噛み込み面650及び逃げ面660の形成位置が異なるを除き、第1実施形態の切り替え装置600と同一に形成される。
具体的には、第1実施形態では、逃げ面660が本体部610の前面に連設されると共に、その逃げ面660の奥側(本体部610の背面側)に噛み込み面650が配設され、逃げ空間661及び噛み込み空間651が本体部610の前面側に開放される空間として形成されたが(図13及び図14参照)、第2実施形態では、逃げ面660が本体部610の背面(図39(a)下側面)に連設されると共に、その逃げ面660の奥側(本体部610の正面(前面)側)に噛み込み面650が配設され、逃げ空間661及び噛み込み空間651が本体部610の背面側(図39(a)下側)に開放される空間として形成される。よって、噛み込み球体670a,670bを押し込むための押し込み片2583は、本体部610の背面側に配設される(図53参照)。
次いで、図40を参照して、切り替え装置2600の回動可能状態および規制固定状態とこれら両状態の切り替え構造とについて説明する。
図40(a)及び図40(b)は、切り替え装置2600の断面図であり、図38(a)のXXXIXa−XXXVIXa線における断面に対応する。図40(c)は、図40(a)の矢印XLc方向視における切り替え装置2600の背面図であり、図40(d)は、図40(b)の矢印XLd方向視における切り替え装置2600の背面図である。
なお、図40では、切り替え装置2600がハンドルベース530の軸受部535に装着(挿通)された状態が図示される。また、図40(a)及び図40(c)では、噛み込み球体670a,670bが逃げ空間661に配置された状態が、図40(b)及び図40(d)では、噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651に配置された状態が、それぞれ図示される。
図40に示すように、切り替え装置2600は、第1実施形態における切り替え装置600と同様に作用する。即ち、図40(a)及び図40(c)に示すように、噛み込み球体670a,670bが逃げ空間661に配置された状態(即ち、押し込み部材2580の押し込み片2583により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれていない状態(図53参照))では、第1実施形態の場合と同様に、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間の隙間と噛み込み球体670a,670bとの噛み込みが形成されないので、切り替え装置2600(本体部610)は、回動可能状態に設定され、図40(c)に示す矢印A,Bのいずれの方向へも軸受部535に対して相対的に回動可能とされる。
一方、図40(b)及び図40(d)に示すように、噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651に配置された状態(即ち、押し込み部材2580の押し込み片2583により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれている状態(図54参照))では、第1実施形態の場合と同様に、噛み込み側付勢ばね690の付勢力により、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向に漸減する隙間に噛み込み球体670a,670bが噛み込まれており、切替え装置2600(本体部610)が図40(d)に示す矢印A方向(又はB方向)へ回動しようとする場合には、本体部610の回動方向後方側(回動方向遅れ側)となる噛み込み面650の周方向端部(図15(d)下側(又は上側))が、軸受部535の内周面との対向間に噛み込み球体670b(又は噛み込み球体670a)を更に噛み込ませるように作用し、これにより、軸受部535に対する切り替え装置2600(本体部610)の矢印A方向(又はB方向)への相対的な回動が阻止される。
次いで、図41を参照して、押し込み部材2580について説明する。図41(a)は、押し込み部材2580の正面図であり、図41(b)は、図41(a)の矢印XLIb方向視における押し込み部材2580の側面図であり、図41(c)は、図41(a)のXLIc−XLIc線における押し込み部材2580の断面図である。
図41に示すように、押し込み部材2580は、円板状のベース体2581と、そのベース体2581の正面に配設される連結軸2582及び押し込み片2583と、を備え、ハンドルベース530の軸受部535内に挿通され、切り替え装置2600の背面側とスイッチ部材2590の正面側との間に配設される(図53参照)。なお、連結軸2582及び押し込み片2583は、ベース体2581に一体に形成される。
ベース体2581の外径寸法は、ハンドルベース530の軸受部535の内径寸法よりも若干小さな寸法に設定されており、背面側からスイッチ部材2590に押し込まれることで、正面側(切り替え装置600)へ向けて軸受部535内を軸方向へ摺動可能とされる(図53から図55参照)。
連結軸2582は、切り替え装置2600の連結孔620に挿通される断面台形状の軸体として形成される部位であり(図53から図55参照)、ベース体2581の軸上で延設される(即ち、ベース体2581と同心に形成される)。連結軸2582は、切り替え装置2600の連結孔620に対応した断面台形状の孔として形成される。よって、連結軸2582は、切り替え装置2600の連結孔620に対して、軸方向へ相対移動可能かつ周方向へ相対回動不能に結合される。
また、連結軸2582が断面台形状の軸体として形成されることで、連結軸2582と連結孔620とを相対回動不能に結合できることに加え、両者の回動方向位置(位相)の位置決めを行う(両者が結合可能な位相を1ヶ所のみに規制する)ことができる。即ち、ハンドル装置2051の組み立て工程においては、押し込み片2583の回動方向位置を、切り替え装置2600の逃げ空間661に一致させた上で、連結軸2582と連結孔620とを結合させる必要があるところ(図53から図55参照)、本実施形態では、連結軸2582と連結孔620との回動方向位置(位相)が1ヶ所に位置決めされるので、回動方向位置を間違えて(押し込み片2583の回動方向位置が切り替え装置2600の逃げ空間661に一致しない状態で)結合することを回避できる。その結果、組み立て作業の効率化と組み立て不良の抑制とを図ることができる。
押し込み片2583は、切り替え装置2600の噛み込み球体670a,670bを噛み込み空間651内へ押し込むための部位であり(図53から図55参照)、連結軸2582の側方においてベース体2581の軸に沿って延設されると共に、切り替え装置2600の噛み込み空間651に対応する断面形状(即ち、噛み込み空間651内に挿通可能な形状)を有する板状に形成される。これにより、スイッチ部材2590によりベース体2581が背面側から切り替え装置2600側へ向けて押し込まれると、押し込み片2583の延設先端面により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内へ押し込まれる。
なお、押し込み部材2580は、上述したように、その連結軸2582が切り替え装置2600の連結孔620に相対回動不能に結合される。よって、押し込み部材2580と切り替え装置2600とは、連結軸2582及び連結孔620の結合を介して、一体的に回動されるので、押し込み片2583と逃げ空間661との位相を常に一致させた状態を維持できる。即ち、切り替え装置2600がハンドルベース530(軸受部535)に対してどのような回動位置(位相)に回動されている場合であっても、スイッチ部材2590により押し込まれた場合には、押し込み片2583により切替え装置2600の噛み込み球体670a,670bを噛み込み空間651内へ押し込むことができる。
次いで、図42から図47を参照して、スイッチ部材2590について説明する。図42(a)は、スイッチ部材2590の正面図であり、図42(b)は、図42(a)の矢印XLIIb方向視におけるスイッチ部材2590の側面図であり、図42(c)は、図42(a)のXLIIc−XLIIc線におけるスイッチ部材2590の断面図である。
図42に示すように、スイッチ部材2590は、円筒状のベース体2591と、そのベース体2591の内周側に挿通される円柱状の伝達棒2592と、その伝達棒2592及びベース体2591の間に弾性的に圧縮された状態で介設されその伸長方向への弾性回復力を伝達棒2592に付与する伝達棒付勢ばね2593と、を主に備え、伝達棒2592を第1位置および第2位置の2位置で保持可能に形成される(図47参照)。
図43(a)は、ベース体2591の正面図であり、図43(b)は、図43(a)のXLIIIb−XLIIIb線におけるベース体2591の断面図である。
図43に示すように、ベース部材2591は、ハンドルベース530の軸受部535に内嵌されて固着される部位であり、中央に挿通孔2591aが貫通形成される。挿通孔2591aの内周面には、伝達棒2592を第1位置又は第2位置の2位置で保持するための溝である案内溝2591bが凹設される。なお、案内溝2591bを利用した伝達棒2592の保持構造については、後述する。
図44(a)は、伝達棒2592の側面図であり、図44(b)は、図44(a)のXLIVb−XLIVb線における伝達棒2592の断面図である。
図44に示すように、伝達棒2592は、ベース体2591の挿通孔2591a(図43参照)に挿通される部材であり、断面円形の円柱状に形成される。かかる円柱状体の外周面には、その複数箇所(本実施形態では3箇所)から案内突起2592aが突設される。各案内突起2592aは、ベース体2591の案内溝2591bに沿って移動するための部位であり、それぞれ同形状に形成されると共に、周方向等間隔(本実施形態では120度間隔)に配置される。
伝達棒2592の軸方向一側(図44(a)下側)には、その外周面からフランジ状のフランジ部2591bが径方向外方へ張り出して形成される。かかるフランジ部2591bは、ベース体2591と伝達棒2592との間に介設される伝達棒付勢ばね2593(図42参照)の付勢力を受けるための座面として機能する。即ち、伝達棒2592は、伝達棒付勢ばね2593の伸張方向への弾性回復力により、フランジ部2592bがベース体2591から離間する方向(図42(b)下方向)へ向けて常に付勢されている。
伝達棒2592の軸方向(図44(a)上側および下側)の両端部は、半球状の球面として形成される。特に、伝達棒2592のフランジ部2591bが形成される側の端部(図44(a)下側)が半球状の球面として形成されることで、伝達棒2592を安定して移動(スライド)させることができる。即ち、本実施形態では、伝達棒2592がベース体2591の挿通孔2591aに沿って直線方向に移動(スライド)される一方で、かかる伝達棒2592を押圧する直動変換部材2800は、軸支部分(軸2802及び軸受2529)を中心として変位される構造であり、両者の相対的な位置関係が不定であるところ、直動変換部材2800の押圧面部2804が平面として形成され、伝達棒2592の端部が押圧面部2804へ向けて膨出する球面として形成されることで、両者の接触位置を直動変換部材2800の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い移動させ、伝達棒2592をベース体2591の挿通孔2591aに沿って直線方向へ移動(スライド)させるための力成分を連続的に発生させることができる。これにより、伝達棒2592を挿通孔2591a内で詰まらせることを抑制して、安定して移動させることができる。
また、伝達棒2592のフランジ部2592bが形成される側とは反対側の端部(図44(a)上側)が半球状の球面として形成されることで、ハンドルリング2540を回動操作する際の操作感の向上と切替え装置2600の耐久性の向上とを図ることができる。即ち、押し込み部材2580のベース体2581は、ハンドルリング2540の回動操作に伴い回動される部材である一方、かかるベース体2581の背面には、伝達棒2592の端部が常に当接されている。よって、伝達棒2592の端部を半球状とすることで、かかる伝達棒2592の剛性は確保しつつ、ベース体2581の背面との間の接触面積を小さくできるので、伝達棒2592の端部とベース体2581の背面との間で生じる回動抵抗を小さくでき、その結果、ハンドルリング540を回動操作する際の操作感の向上を図ることができる。また、ベース体2581が回動される際に伝達棒2592に作用する反力を小さくできるので、かかる反力により伝達棒2592が回動されて、その案内突起2592a又は案内溝2591b(図44及び図45参照)の破損が生じることを抑制できる。
図45は、ベース体2591の挿通孔2591aの内周面を平面に展開して図示した平面展開図である。なお、図45では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、案内溝2591bの各部位への符号の図示を省略している。
図45に示すように、ベース体2591の案内溝2591bは、挿通孔2591aの周方向(図45左右方向)に沿って周期性を有して形成される。具体的には、案内溝2591bは、中心角120度の範囲に対応する範囲XLVIを周方向に繰り返す形状(範囲XLVIの形状を周方向に3つ並べた形状)とされる。よって、伝達棒2592の3つの案内突起2592aは、それぞれ別の範囲XLVIにおける案内溝2591bによって案内される。
次いで、図46を参照して、伝達棒2592の案内突起2592aがベース体2591の案内溝2591bに案内されることで、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置または第2位置に保持される構造について説明する。なお、この説明においては、図47及び図53から図55を適宜参照する。
図46は、図45における範囲XLVIを部分的に拡大して図示した案内溝2591bの部分拡大展開図である。図47(a)から図47(c)は、スイッチ部材2590の側面図である。なお、図47(a)は、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置に配置され、押し込み部材2580の押し込みが行われていない状態に対応し(図53参照)、図47(c)は、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第2位置に配置され、押込み部材2580を押し込んだ状態に対応する。また、図47(b)は、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置から第2位置(又は第2位置から第1位置)に遷移する際に通過する第3位置に配置された状態に対応する。
図46に示すように、案内突起2592aが案内溝2591bの位置P1に位置する状態では、スイッチ部材2590は、伝達棒2592が第1位置に配置される(図47(a)参照)。この状態では、伝達棒付勢ばね2593の付勢力により、案内突起2592aが案内溝2591bの第1壁部Waに押し付けられ、位置P1に保持されことで、伝達棒2592が第1位置に保持される。
なお、この状態では、伝達棒2592がベース体2591の正面から突出されておらず、押し込み部材2580が切替え装置2600側へ押し込まれていないので(図53参照)、切り替え装置2600は、噛み込み球体670a,670bが逃げ空間661に配置され、回動可能状態に設定される。
案内突起2592aが案内溝2591bの位置P1に位置する状態(即ち、伝達棒2592が第1位置に配置された状態(図47(a)及び図53参照))から、ハンドルリング540(ハンドルベース530)が下方へ変位され、伝達棒2592が直動変換部材2800により背面側から押し込み部材2580側(即ち、図47(a)矢印G方向)へ向けて押し込まれると、案内突起2592aが案内溝2591bの形状に沿って案内され(経路L1)、上昇傾斜壁部Wbに突き当たる。ハンドルリング540が下方へ更に変位され、伝達棒2592が直動変換部材2800により背面側から押し込み部材2580へ向けて更に押し込まれると、案内突起2592aが案内溝2591bの上昇傾斜壁部Wbに沿って案内され(経路L2)、位置Paにおいて案内規制壁部Wcに突き当たる。なお、この状態が、伝達棒2592が第3位置に配置された状態(図47(b)及び図55参照)に対応する。
案内突起2592aが案内溝2591bの位置Paにおいて、案内規制壁部Wcに突き当たった後(図47(b)及び図55参照)、遊技者が操作力を緩めることで、ハンドルリング540(ハンドルベース530)の下方への変位が解除され、直動変換部材2800が後退されると(図55参照)、伝達棒2592が伝達棒付勢ばね2593の付勢力により引き戻される(図47(b)矢印H方向)。その結果、案内突起2592aが案内溝2591bの形状に沿って案内され(経路L3)、下降傾斜壁部Wdに突き当たると共に、その下降傾斜壁部Wdに沿って案内され、位置P2に到達する(経路L4)。
案内突起2592aが案内溝2591bの位置P2に位置する状態では、伝達棒2592が第2位置に配置される(図47(c)及び図55参照)。この状態では、伝達棒付勢ばね2593の付勢力により、案内突起2592aが第2壁部Weに押し付けられ、位置P2に保持されることで、伝達棒2592が第2位置に保持される。
また、この状態では、伝達棒2592がベース体2591の正面から突出されることで、押し込み部材2580が切替え装置2600側へ向けて押し込まれているので(図55参照)、切り替え装置2600は、噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれ、係合固定状態に設定される。
案内突起2592aが案内溝2591bの位置P2に位置する状態(即ち、伝達棒2592が第2位置に配置された状態(図47(c)及び図55参照)から、ハンドルリング540(ハンドルベース530)が下方へ変位され、伝達棒2592が直動変換部材2800により背面側から押し込み部材2580側(即ち、図47(c)矢印G方向)へ向けて押し込まれると、案内突起2592aが案内溝2591bの形状に沿って案内され(経路L5)、上昇傾斜壁部Wfに突き当たる。ハンドルリング540が下方へ更に変位され、伝達棒2592が直動変換部材2800により背面側から押し込み部材2580へ向けて更に押し込まれると、案内突起2592aが上昇傾斜壁部Wfに沿って案内され(経路L6)、位置Pbにおいて案内規制壁部Wgに突き当たる。即ち、伝達棒2592が第3位置に配置される(図47(b)及び図54参照)。
案内突起2592aが案内溝2591bの位置Pbにおいて、案内規制壁部Wgに突き当たった後(図47(b)及び図54参照)、遊技者が操作力を緩めることで、ハンドルリング540(ハンドルベース530)の下方への変位が解除され、直動変換部材2800が後退されると(図55参照)、伝達棒2592が伝達棒付勢ばね2593の付勢力により引き戻される(図47(b)矢印H方向)。その結果、案内突起2592aが案内溝2591bの形状に沿って案内され(経路L7)、下降傾斜壁部Whに突き当たると共に、その下降傾斜壁部Whに沿って案内され、位置P1に到達する(経路L8)。即ち、伝達棒2592が第1位置に配置(復帰)される(図47(a)及び図53参照)。
次いで、図48から図52を参照して、ハンドル取付台2520及び直動変換部材2800について説明する。図48は、ハンドルベース530、ハンドル取付台2520及び直動変換部材2800の分解状態における背面斜視図であり、図49は、ハンドルベース530、ハンドル取付台2520及び直動変換部材2800の組み立て状態における背面斜視図である。
なお、図48及び図49では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示され、また、図48では、軸563及び軸受523と軸2802及び軸受2529との位置関係がそれぞれ二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図48及び図49に示すように、ハンドル取付台2520には、ハンドルベース530の背面側に対面して、直動変換部材2800が配設される。直動変換部材2800は、ハンドル取付台2520に対するハンドルベース530の変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする下方への変位)に伴い、スイッチ部材2590の伝達棒2592を背面側から押し込み部材2580へ向けて押し込むための部材であり(図53から図55参照)、ハンドル取付台2520に軸支部分(軸2802及び軸受2529)を中心とする変位が可能な状態に配設される。ここで、図50及び図51を参照して、ハンドル取付台2520について説明する。
図50は、ハンドル取付台2520の分解状態における斜視図である。図51(a)は、ハンドル取付台2520の組み立て状態における斜視図であり、図51(b)は、第1本体2520aの内側面図である。
図50及び図51に示すように、ハンドル取付台2520(第1本体2520a及び第2本体2520b)は、第1実施形態におけるハンドル取付台520(第1本体520a及び第2本体520b)に対し、軸受部2529が更に設けられている(追加されている)点を除き、他の構成は同一に形成される。
軸受部2529は、直動変換部材2800の軸2802を回動可能に軸支するための軸受部(凹部)であり、第1本体2520a及び第2本体2520bの内壁面にそれぞれ設けられることで、一対が対向して配設される。この軸受2529に直動変換部材2800の軸2802が軸支されることで、その軸支された部分を中心(支点)として、直動変換部材2800がハンドル取付台2520に対して変位(揺動、回動)可能とされる(図53から図55参照)。
なお、一対の軸受部2529のうちの一方(第1本体2520a側)の軸受部2529には、係止爪部2529aが外周面から突設される。係止爪部2529aには、直動変換部材2800に付勢力を付与するための直動変換部材付勢ばね2890の端部が係止される(図48参照)。また、一対の軸受部2529の軸受部2529のうちの他方(第2本体2520b側)の軸受部2529は、図51(a)に示すように、その軸支孔がハンドル取付台2520(第2本体2520b)の壁面を貫通して形成される。これにより、直動変換部材2800の軸部2802の端部がハンドル取付台2520の壁面から外部に突出される(図49参照)。
図48及び図49に戻って説明する。直動変換部材2800は、ハンドル取付台2520に対してハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴って、スイッチ部材2590を押し込み部材2580へ向けて押し込むための部材であり(図53から図55参照)、ハンドルベース530の背面側に対面しつつ、ボス部材560の下方において互いの軸563,2802を平行とする姿勢で配設される。
ボス部材560は、その突出部562が下方に開口を有する中空状に形成され、直動変換部材2800は、ボス部材560の下方に配設されることで、ボス部材560の突出部562内に形成される空間を、押圧面部2804を変位させる空間として利用する(図53参照)。これにより、ハンドル取付台2520内の限られたスペース内であっても、直動変換部材2800を大型化することができる。ここで、図52を参照して、直動変換部材2800の詳細構成について説明する。
図52(a)は、図48の矢印LIIa方向視における直動変換部材2800の側面図であり、図52(b)は、図52(a)の矢印LIIb方向視における直動変換部材2800の正面図であり、図52(c)は、図52(b)の矢印LIIc方向視における直動変換部材2800の側面図である。
図52に示すように、直動変換部材2800は、円柱状の本体部2801と、その本体部2801の両端からそれぞれ同心に延設される軸2802と、本体部2802の外周面から突設される連動面部2803、押圧面部2804及び係止爪部2805と、を備え、これらが一体に形成される。
軸2802は、ハンドル取付台2520の軸受2529に回動可能に軸支される部位であり、本体部2801よりも小径に形成される。よって、本体部2801と軸2802との接続部分に段差面が形成され、かかる段差面がハンドル取付台2520の軸受2529における端面に当接されることで(図48参照)、直動変換部材2800がハンドル取付台2520に対して左右(本体部2801の軸方向)に位置決めされる。
一対の軸2802のうちの一方(第2本体2520b側であって、図52(b)左側)の軸2802は、他方(第1本体2520a側であって、図52(b)右側)の軸2802に対して、軸方向の長さ寸法が長くされる。ハンドル装置2051の組み立て状態では、一方の軸2802の端部が第2本体2520bの壁面から外部に突出される(図49参照)。この突出される一方の軸2802の端部には、断面四角形状の連結四角部2802aが形成され、この連結四角部2802aには、操作兼用表示片2570の基部が相対回動不能に固着される(図34参照)。
連動面部2803及び押圧面部2804は、本体部2801の外周面から径方向外方へ向けて延設される平板状の部位であり、その板面を軸2802の延設方向に対して平行とする姿勢で配設されると共に、図52(a)及び図52(c)に示すように、互いに位相を異ならせて配設される。
なお、これら両者の位相は、次の通り設定される。即ち、ハンドル装置2051の組み立て状態において、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置にある場合には、そのスイッチ部材2590の伝達棒2592の端部が押圧面部2804の正面(前面、図52(b)紙面手前側の面)に当接され、かつ、連動面部2803の延設先端(図52(b)下側の端部)が可変抵抗器(図示せず)の背面に当接されると共に(図53参照)、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第2位置にある場合には、そのスイッチ部材2590の伝達棒2592の端部が押圧面部2804の正面に当接され、かつ、連動面部2803の延設先端がハンドル取付部2520の下合わせ面部528からハンドルベース530側へ突出される(図55参照)。
よって、後述するように、ハンドル取付台2520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ押し下げ操作されると、連動面部2803の延設先端が、可変抵抗器(図示せず)の背面によって後方(背面側、例えば、図53左方向)へ押し戻される。このように、本実施形態では、可変抵抗器の背面を連動面部2803の延設先端を押し戻すための部位として利用する。これにより、連動面部2803の延設先端を押し戻すための平坦面をハンドルベース530の背面側に更に確保する必要がないので、ハンドルベース530(ハンドル装置2051)の小型化を図ることができる。
また、可変抵抗器の背面は、ハンドルベース530の背面側に突出されており、軸2802により近い位置で連動面部2803の延設先端を後方へ押し戻すことができるので、押圧面部2804の移動量をより大きくすることができる。この場合、連動面部2803の延設先端を押し戻すための平坦面をハンドルベース530の背面側に更に設ける構造では、かかる平坦面を可変抵抗器の背面と同等となる位置(背面側に突出される位置)に設けようとすると、その平坦面を設ける部分のみが厚肉となるため、ハンドルベース530の肉厚が部分的に不均一となり、射出成形時の歩留まりの悪化を招く。これに対し、可変抵抗器の背面を利用する構造であれば、ハンドルベース530の肉厚を全体に均一化できるので、射出成形時の歩留まりの向上を図ることができる。
係止爪部2805は、直動変換部材付勢ばね2890の端部を係止するための部位であり(図53参照)、屈曲されたフック状に形成される。なお、直動変換部材付勢ばね2890は、ねじりばねとして形成され、図52(a)における側面視において、直動変換部材2801に右回り(時計回り)方向への付勢力を付与する。これにより、直動変換部材2801は、押圧面部2804の正面をスイッチ部材2590の伝達棒2592の端部に当接させた状態に維持される。
次いで、図53から図55を参照して、ハンドル取付台2520に対するハンドルベース530の軸支部分を中心とする下方への変位(押し下げ操作)により、切り替え装置2600を回動可能状態または係合固定状態に切り替えるための切り替え構造について説明する。なお、この切り替え構造の説明においては、図56を適宜参照する。
図53から図55は、ハンドル装置2051の部分断面側面図であり、図53及び図55では、ハンドルベース530がハンドル取付台2520に対して下方へ押し下げ操作される前の状態が図示されると共に、図54では、ハンドルベース530がハンドル取付台2520に対して下方へ押し下げ操作された状態が図示される。
なお、図53、図54及び図55は、スイッチ部材2590の伝達棒2592が、第1位置、第3位置および第2位置に配置された状態にそれぞれ対応する。また、図53から図55では、ハンドル取付台2520の第2本体2520bが取り外された状態が図示されると共に、各部品の配線の図示が省略される。
また、図56(a)及び図57(a)は、ハンドル装置2051の部分拡大側面図であり、図56(b)及び図57(b)は、ハンドル装置2051の部分拡大上面図である。なお、図56(a)及び図56(b)は、スイッチ部材2590の伝達棒2592が、第1位置に配置された状態であって、図53に示す状態にに対応し、図57(a)及び図57(b)は、スイッチ部材2590の伝達棒2592が、第2位置に配置された状態であって、図55に示す状態に対応する
図53に示すように、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置にある状態では、伝達棒2592の先端がベース体2591の正面(前面、図53右側面)から突出されていないので(図47(a)参照)、押し込み部材2580は、伝達棒2592により押し込まれておらず、背面側(図53左側)へ後退した位置に配置されるので、その押し込み部材2580の押し込み片2583は、切り替え装置2600の逃げ空間661に配置される。よって、切り替え装置2600は、噛み込み球体670a,670bが押し込み側付勢ばね680の付勢力により逃げ空間661に配置され、これにより、軸受部535に対して相対的に回動可能な回動可能状態(図40(a)及び図40(c)参照)に設定される。
このように切り替え装置2600が回動可能状態に設定された状態(図53に示すように、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置にある状態)では、切り替え装置2600が軸受部535に対して回動可能とされているので(即ち、操作終点が変更(設定)されていない)、第1実施形態の場合と同様に、ハンドルリング2540が初期位置θ0から操作位置θ1まで増加方向へ回動操作されると、ハンドルリング2540のハンドル側突起部546が切り替え装置2600の規制突起部630を増加方向へ押すことで、切り替え装置2600をハンドルリング2540に連動させて増加方向へ回動させる(図28(a)及び図28(b)参照)。
一方、ハンドルリング540が減少方向へ回動操作されると、第1実施形態の場合と同様に、切り替え装置2600は、切り替え装置付勢ばね539(図35参照)の付勢力により、ハンドルリング2540に追従して、減少方向へ回動される。即ち、ハンドルリング2540が操作位置θ1から初期位置θ0まで減少方向へ回動操作されると、切り替え装置2600も、切り替え装置付勢ばね539の付勢力により、減少方向へ回動され、規制突起部630がハンドル側突起部546に当接される回動位置に配置される(図28(a)及び図28(b)参照)。
よって、図53に示すように、切り替え装置2600が回動可能状態に設定された状態(スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置にある状態)では、ハンドルリング2540が増加方向または減少方向のいずれの方向へ回動操作される場合であっても、切り替え装置2600が連動(同期)して回動され、それらハンドルリング2540と切り替え装置2600の回動位置(位相)が一致される(図28(a)及び図28(b)参照)。
なお、図53に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が第1位置にある状態では、その伝達棒2592が背面側(図53左側)に突出され、その分、直動変換部材2800の押圧面部2804も背面側に後退されるので、直動変換部材2800は、軸2802を中心として図53左回り(反時計回り)に回動された状態とされる。これにより、図56(a)に示すように、操作兼用表示片2570も、その基端(即ち、直動変換部材2800の軸2802における連結四角部2802a)を中心として図56(a)左回り(反時計回り)に回動された状態とされ、その結果、図56(b)に示すように、操作兼用表示片2570は、その延設先端が、第1目盛り部S1及び第2目盛り部S2のうちの第1目盛り部S1に一致される(第1目盛り部S1を指し示す)。
よって、遊技者は、操作兼用表示片2570と両目盛り部S1,S2との関係に基づいて、スイッチ部材2590が第1位置に配置されている(即ち、ハンドルリング2540の操作終点の位置は変更されていない)ことを容易に識別することができる。
図53に示す状態から、ハンドルベース530がハンドル取付台520に対して軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ押し下げ操作されると、直動変換部材2800の連動面部2803の延設先端が、ハンドルベース530の可変抵抗器(図示せず)の背面に沿って摺動されることで、背面側(図53左側)へ向けて後退され、直動変換部材2800が軸2802を中心として図53右回り(時計回り)に回動される。
これにより、直動変換部材2800の押圧面部2804が正面側(図53右側)へ向けて前進され、かかる押圧面部2804によりスイッチ部材2590の伝達棒2592が押し込み部材2580へ向けて押し込まれることで、図54に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が第3位置に配置される。
図54に示す状態から、遊技者がハンドルベース530を下方へ押し下げ操作する操作力を緩め、ハンドルベース530の下方への変位が解除される(即ち、ハンドルベース530が上方へ変位して、水平状態に復帰される)と、図55に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が、伝達棒付勢ばね2593の付勢力により引き戻され(図47(b)及び図47(c)参照)、第2位置に配置される(図55参照)。
図55に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が第2位置にある状態(第1位置から第3位置を通過して第2位置に配置された状態)では、伝達棒2592の先端がベース体2591の正面(前面、図55右側面)から突出され(図47(c)参照)、その突出の分、押し込み部材2580が前面側(図55右側)へ前進した(押し込まれた)位置に配置されるので、切り替え装置2600は、その噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651に配置され(即ち、押し込み部材2580の押し込み片2583により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれ)、これにより、軸受部535に対して相対的に回動不能な係合固定状態(図40(b)及び図40(d)参照)に設定される。
切り替え装置2600が係合固定状態に設定された状態では、上述した通り、噛み込み球体670a,670bが、軸受部535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向に漸減する隙間に噛み込まれることで、軸受部535に対する切り替え装置2600(本体部610)の回動が規制(阻止)される。
よって、ハンドルリング2540が操作位置θ1に回動操作された状態において(図28(b)参照)、ハンドル取付台2520に対しハンドルベース530を下方へ押し下げ操作して、スイッチ部材2590の伝達棒2592を第1位置から第2位置へ遷移させることで、切り替え装置2600を係合固定状態に設定して、切り替え装置2600を操作位置θ1に対応する回動位置(即ち、ハンドルベース530がハンドル取付台2520に対して押し下げ操作された結果、伝達棒2592が第2位置に配置された時点における回動位置)に固定することができる(図28(c)参照)。
このように、切り替え装置2600が係合固定状態に設定され、その回動位置が固定された状態では、ハンドルリング2540を減少方向へ回動させても、切り替え装置2600は、ハンドルリング2540の回動に連動(同期)せず、操作位置θ1に対応する回動位置に保持される(図29(a)及び図21(b)参照)。即ち、ハンドルリング2540は、切り替え装置2600とは独立して、減少方向および操作方向へ回動操作可能とされる(図29(a)参照)。
この場合、例えば、切り替え装置2600が操作位置θ1に対応する回動位置に保持(固定)された状態において(図29(b)参照)、初期位置θ0に復帰されているハンドルリング2540を増加方向へ回動操作する場合には、その回動操作は、操作位置θ1が操作終点とされる。即ち、ハンドルリング2540は、その増加方向への回動操作が操作位置θ1に達すると、ハンドル側突起部546が規制突起部630に当接され、それ以上の増加方向への回動操作が規制される(図28(c)参照)。
なお、図55に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が第2位置にある状態では、その伝達棒2592が正面側(図55右側)に押し込まれ、その分、直動変換部材2800の押圧面部2804も前面側へ前進されるので、直動変換部材2800は、軸2802を中心として図55右回り(時計回り)に回動された状態とされる。これにより、図57(a)に示すように、操作兼用表示片2570も、その基端(即ち、直動変換部材2800の軸2802における連結四角部2802a)を中心として図57(a)右回り(時計回り)に回動された状態とされ、その結果、図57(b)に示すように、操作兼用表示片2570は、その延設先端が、第1目盛り部S1及び第2目盛り部S2のうちの第2目盛り部S2に一致される(第2目盛り部S2を指し示す)。
よって、遊技者は、操作兼用表示片2570と両目盛り部S1,S2との関係に基づいて、スイッチ部材2590が第2位置に配置されている(即ち、ハンドルリング2540の操作終点の位置が変更されている)ことを容易に識別することができる。
ここで、図55に示す状態(スイッチ部材2590の伝達棒2592が第2位置に配置された状態)から、図53に示す状態(スイッチ部材2590の伝達棒2592が第1位置に配置された状態)への変更(復帰)は、ハンドルベース530をハンドル取付台2520に対して軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ押し下げ操作して、図54に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592を第3位置に配置した後、ハンドルベース530の下方への押し下げ操作を解除する(即ち、ハンドルベース530を上方へ変位させて、水平状態に復帰させる)ことで行うことができる。即ち、かかる操作により、図53に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が、伝達棒付勢ばね2593の付勢力により引き戻され(図47(a)及び図47(b)参照)、第2位置から第1位置に配置(復帰)される(図46参照)。
この場合、例えば、切り替え装置2600が操作位置θ1に対応する回動位置に保持(固定)された状態において(図29(b)参照)、上述した操作(伝達棒2592を、第2位置から第3位置を通過させて第1位置に復帰させる操作)が行われると、切り替え装置2600は、係合固定状態から回転可能状態に切り替えられ、軸受部535に対して回動可能とされるので、切り替え装置付勢ばね2539の付勢力を受けて、初期位置(規制突起630がハンドル側突起部546に当接される回動位置)へ復帰される(図28(a)参照)。
切り替え装置2600は、その連結孔620と押し込み部材2580の連結軸2582との結合を介して、押し込み部材2580の押し込み片2583と常に連動(同期)して回動されるため、第1実施形態の場合と同様に、ハンドルリング2540が回動操作されている状態であっても、ハンドル取付台2520に対するハンドルベース530の下方への押し下げ操作により、係合固定状態から回転可能状態への切り替え(即ち、切り替え装置2600の初期位置への復帰であって、操作終点の変更の解除)が可能とされる。これにより、ハンドルリング2540が回動操作されている状態でも、操作終点の変更(設定)を解除するために、かかるハンドルリング2540を初期位置へ一旦復帰させる必要がない。よって、例えば、操作終点の位置を別の位置へ再設定する必要が生じた場合には、ハンドルリング2540の回動操作を維持しつつ(即ち、遊技を継続しつつ)、その再設定動作を迅速に行うことができる。
また、切り替え装置2600を、係合固定状態から回転可能状態へ切り替える操作(操作終点の変更を解除する、即ち、切り替え装置2600を初期位置へ復帰させる復帰動作)と、回転可能状態から係合固定状態へ切り替える操作(操作終点を変更(設定)する変更動作)との両者が、ハンドル取付台2520に対するハンドルベース530の下方への押し下げ操作により達成される。即ち、同一の部材を同一の方向へ操作することで達成できる。これにより、第1実施形態の場合と同様に、変更動作および復帰動作の操作を行いやすくできる。特に、変更動作による状態と復帰動作による状態とは交互に切り替えられるものであるので、これら2つの状態が同一の操作を繰り返すことで切り替え可能となることが操作性の向上に有効となる。また、同一の部材を同一の方向へ操作する構造であることから、ハンドル取付台2520に対するハンドルベース530の操作可能な方向を一方向のみに限定することができるので、その分、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
上述したように、操作兼用表示片2570は、切り替え装置2600を回動可能状態または係合固定状態に切り替えるために遊技者に操作される操作部を兼用する。即ち、ハンドルベース530をハンドル取付台2520に対して下方へ押し下げ操作することに代えて、操作兼用表示片2570を、軸2802(連結四角部2802a)を中心として回動させることによっても、切り替え装置2600の状態(回動可能状態または係合固定状態)の切り替えが実行可能とされる。
例えば、図53及び図56に示すように、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第1位置にある状態では、操作兼用表示片2570は、その延設先端が第1目盛り部S1を指し示す位置に配置されている。この図53及び図56に示す状態から、操作兼用表示片2570が軸2802(連結四角部2802a)を中心として第2目盛り部S2へ向けて回動操作されると、直動変換部材2800が軸2802を中心として図53右回り(時計回り)に回動され、直動変換部材2800の押圧面部2804が正面側(図53右側)へ向けて前進される。その結果、押圧面部2804によりスイッチ部材2590の伝達棒2592が押し込み部材2580へ向けて押し込まれ、かかるスイッチ部材2590の伝達棒2592が第3位置に配置される(図47(a)及び図47(b)参照)。なお、この状態では、操作兼用表示片2570は、その延設先端が第2目盛り部S2を越える位置まで回動操作されている。
このスイッチ部材2590(伝達棒2592)が第3状態に配置された状態から、遊技者が操作兼用表示片2570を回動操作する操作力を緩めると、図55及び図57に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が、伝達棒付勢ばね2593の付勢力により引き戻され(図47(b)及び図47(c)参照)、第2位置に配置される(図46参照)。このスイッチ部材2590(伝達棒2592)の第2位置への配置に伴い、操作兼用表示片2570は、その延設先端が第2目盛り部S2を指し示す。
一方、図55及び図57に示すように、スイッチ部材2590(伝達棒2592)が第2位置にある状態では、操作兼用表示片2570は、その延設先端が第2目盛り部S2を指し示す位置に配置されている。この図55及び図57に示す状態から、操作兼用表示片2570が軸2802(連結四角部2802a)を中心として第1目盛り部S1と反対側(即ち、図55及び図57右方向)へ向けて回動操作されると、直動変換部材2800が軸2802を中心として図55右回り(時計回り)に回動され、直動変換部材2800の押圧面部2804が正面側(図53右側)へ向けて前進される。その結果、押圧面部2804によりスイッチ部材2590の伝達棒2592が押し込み部材2580へ向けて押し込まれ、かかるスイッチ部材2590の伝達棒2592が第3位置に配置される(図47(b)及び図47(c)参照)。
即ち、この状態では、上述したスイッチ部材2590(伝達棒2529)を第1位置から第2位置へ配置する場合と同様に、操作兼用表示片2570は、その延設先端が第2目盛り部S2を越える位置(即ち、第2目盛り部S2よりもハンドルリング2540側の位置)に回動操作されている。
このスイッチ部材2590(伝達棒2592)が第3状態に配置された状態から、遊技者が操作兼用表示片2570を回動操作する操作力を緩めると、図53及び図56に示すように、スイッチ部材2590の伝達棒2592が、伝達棒付勢ばね2593の付勢力により引き戻され(図47(a)及び図47(b)参照)、第1位置に配置される(図46参照)。このスイッチ部材2590(伝達棒2592)の第1位置への配置に伴い、操作兼用表示片2570は、その延設先端が第1目盛り部S1を指し示す。
このように、操作終点の位置が変更(設定)されているか解除されているかを表示して遊技者に識別させるための識別部材(操作兼用表示片2570)を、操作終点の位置の変更(設定)及びその解除を行うために遊技者により操作される操作部材としても兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
この場合、操作終点の位置を変更(設定)するための変更動作(即ち、図53及び図56に示す第1位置に配置されたスイッチ部材2590(伝達棒2592)を図55及び図57に示す第2位置に配置する動作)は、操作兼用表示片2570を、操作終点の位置の変更(設定)が解除されている(即ち、伝達棒2592が第1位置に配置されている)ことを意味する第1目盛り部S1を指し示す位置から、操作終点の位置が変更(設定)されている(即ち、伝達棒2592が第2位置に配置されている)ことを意味する第2目盛り部S2を指し示す位置へ配置させる操作により達成されるので、かかる操作が変更動作であることを遊技者に対して直感的に認識させつつ操作させることができる。その結果、不用意な誤操作を抑制できる。
同様に、操作終点の位置の変更(設定)を解除するための解除動作(即ち、図55及び図57に示す第2位置に配置されたスイッチ部材2590(伝達棒2592)を図53及び図56に示す第1位置に配置する動作)は、操作兼用表示片2570を、操作終点の位置が変更(設定)されている(即ち、伝達棒2592が第2位置に配置されている)ことを意味する第2目盛り部S2を指し示す位置から、操作終点の位置の変更(設定)が解除されている(即ち、伝達棒2592が第1位置に配置されている)ことを意味する第1目盛り部S1を指し示す位置へ配置させる操作により達成されるので、かかる操作が解除動作であることを遊技者に対して直感的に認識させつつ操作させることができる。その結果、不用意な誤操作を抑制できる。
この場合、操作終点の位置の変更(設定)を解除するための解除動作は、操作兼用表示片2570を、第2目盛り部S2を指し示す位置から、第1目盛り部S1を指し示す位置へ直接向かわせるのではなく、上述したように、一旦、第1目盛り部S1と反対側(即ち、図55及び図57右方向)へ向けて操作した後、第1目盛り部S1を指し示す位置へ向かわせる必要がある。即ち、かかる反対方向への1の動作(操作)を別途行う必要があるので、遊技者が変更(設定)した操作終点の位置(即ち、遊技球の発射強度を所望の発射強度で発射可能なハンドルリング540の回動操作位置)が、遊技者の不用意な操作によって、解除されてしまうことを未然に防止できる。
なお、切り替え装置2600を利用して、ハンドルリング2540の操作終点を変更(設定)すると共に、その操作終点の位置を基準としてハンドルリング2540の回動位置を調整する(元の回動位置へ復帰させる)調整方法については、切替え装置600,2600の状態を切り替えるための操作が異なる(即ち、第1実施形態ではボタン部材570の押し込み操作であり、第2実施形態ではハンドルベース530の押し下げ操作である)点を除き、第1実施形態において図30及び図31を参照して説明した内容と同一であるので、その説明は省略する。
以上のように、第2実施形態におけるハンドル装置2051によれば、切り替え装置2600の回動可能状態または係合固定状態の切り替え(即ち、操作終点の位置の変更(設定)とその解除)を行うための操作を、ハンドル取付台2510に対してハンドルベース530を変位させることで実行できるので、この操作終点の位置の変更(設定)と解除を行うための操作を、ハンドルリング2540の回動操作の操作量を維持しつつ(即ち、回動操作の操作量がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、容易に行うことができる。
具体的には、遊技者は、ハンドルリング2540の回動操作により、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した後は、その状態を維持したままで、ハンドルベース530をハンドル取付台2520に対して変位させる操作を行うことができ、操作終点の変更(設定)及びその解除を行うために、ハンドルリング2540を持ち替える動作や、ハンドルリング2540を操作する手とは逆の手で別の操作手段(操作子)を操作する動作を行う必要がない。これにより、操作終点の位置の変更(設定)及びその解除を迅速に行うことができると共に、操作終点の位置を所望の回動操作位置(即ち、遊技球の発射強度が所望の発射強度に調整されているハンドルリング2540の回動操作位置)に正確に変更(設定)することができる。
特に、本実施形態では、ハンドル取付台2520に対してハンドルベース530を下方へ押し下げ操作する構造なので、かかる押し下げ操作を、ハンドルリング2540を把持する手指や腕の自重を利用して行うことができ、操作性の向上を図ることができる。この場合、ハンドルリング2540は、パチンコ機10の比較的低い位置に配設され、遊技者にとって、操作位置が比較的低いため、本実施形態のように、下方へ押し下げ操作する構造は、遊技者が力を作用させ易い。よって、この点からも操作性の向上を図ることができる。
また、ハンドルベース530には、ベース付勢部材SPにより、水平位置へ復帰する(上方へ変位する)ための付勢力が付与されているので、ハンドルベース530の下方への押し下げ操作を行った後は、その下方への操作力を緩める又は手を離すことで、ベース付勢部材SPの付勢力を利用して、水平位置へ復帰させることができる。その結果、遊技者の操作負担の軽減を図ることができる。
次いで、図58から図80を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、ハンドルリング540を回動操作することで、遊技球の発射強度を調整する場合を説明したが、第3実施形態における遊技球の発射強度の調整は、操作子3800をスライド操作することで行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図58(a)は、第3実施形態におけるハンドル装置3051の上面図であり、図58(b)は、図58(a)の矢印LVIIIb方向視におけるハンドル装置3051の側面図である。図59は、図58(a)のLIX−LIX線におけるハンドル装置3051の断面図である。
なお、図58(a)及び図58(b)では、下皿ユニット15の前面(即ち、ハンドル装置3051の取付面)が二点鎖線により模式的に図示されると共に、操作子3800が可動範囲における略中央までスライド操作された状態が便宜的に図示される。また、図59では、ハンドル取付台3500のみを断面視し、他の各構成の断面視を省略する。
図58及び図59に示すように、ハンドル装置3051は、ハンドル取付台3500と、そのハンドル取付台3500に回転可能に軸支される回転軸部3700と、その回転軸部3700に連結される操作子3800と、を主に備えて構成され、パチンコ機10(図1参照)の前面へ操作子3800の本体部3810が水平に突出された姿勢で配設される。
ハンドル取付台3500は、下側ベース3510と、中間ベース3520と、上側ベース3530とを備え、中間ベース3520が下側ベース3510及び上側ベース3530の間に介設された状態で重ね合わされることで、上下両端(図58(b)上側および下側)が閉封されると共に側面(図58(b)右側面)に開口が形成された円筒状に形成される。
なお、ハンドル取付台3500(下側ベース3510)の下面には、収納部3540が配設される。収納部3540には、回転軸部3700の回転量(回転位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)が収納される。遊技球は、この可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で発射される。また、下側ベース3510及び中間ベース3520の間には、閉封部材3550が配設され、この閉封部材3550によりハンドル取付台3500の側面の開口が閉封される。
回転軸部3700は、その軸心方向を鉛直方向(図59上下方向)に沿わせた縦姿勢で、ハンドル取付台3500の内部に回転可能に配設される。回転軸部3700の下側端面からは、連結片3780が突設され、その連結片3780は、収納部3540に収納される可変抵抗器に連結される。よって、回転軸部3700が回転されると、その回転軸部3700の回転量(回転位置)に対応して可変抵抗器の抵抗値が変化される。
操作子3800は、ハンドル取付台3500に対して、回転軸部3700を介して、スライド変位可能に取り付けられる。即ち、操作子3800は、回転軸部3700がその軸心を回転中心として回転されることで、図58(a)に示すように、回転軸部3700の軸心に垂直な仮想平面内を、初期位置θ0から最大位置θmaxまでの区間で、矢印I,D方向へ向けてスライド変位可能とされる。即ち、矢印I方向が遊技球の発射強度を増加させる増加方向に、矢印D方向が遊技球の発射強度を減少させる減少方向に、それぞれ対応する。
操作子3800が遊技者により矢印I方向または矢印D方向へスライド変位(スライド操作)されると、回転軸部3700が軸まわりに回転され、その回転量(回転位置)に応じて、収納部3540内の可変抵抗器の抵抗値が変化される。これにより、遊技球の発射強度が増大または減少される。また、遊技者によるスライド操作が解除されると、操作子3800は、スライド方向付勢ばね3581の付勢力により、矢印D方向へスライド変位され、初期位置θ0へ復帰される。
なお、上述したように、回転軸部3700が鉛直方向(重力方向)に沿って配設されるので、操作子3800(本体部3810)のスライド変位は、重力方向に垂直な水平面(重力方向に垂直な平面)に沿って行われる。
操作子3800は、回転軸部3700に軸支される部分(連結軸3990)を中心として、ハンドル取付台3500に対して上下方向(図59上下方向)に変位可能とされる。即ち、操作子3800は、連結軸3990を回転中心として、被保持部3830を下方(図58(b)の矢印G方向)へ押し下げ操作可能に形成とされる(図64参照)。なお、本実施形態では、操作子3800(被保持部3830)の押し下げ操作が、重力方向下方へ向けて行われる。よって、操作子3800(被保持部3830)の押し下げ操作は、遊技者の手の重みを操作子3800の被保持部3830に作用させる、或いは、被保持部3830を把持する手首を下方へ返す動作のみで、容易に行うことができる。
回転軸部3700の上方には、切り替え装置3600が配設される。切り替え装置3600は、上記各実施形態における切り替え装置600,2600と同様に、操作子3800の操作終点の位置を変更(設定)するための部材であり、軸受部3535に挿通され、その軸受部3535に対して相対回動が可能な回動可能状態と相対回動が不可能な係合固定状態との2つの状態に切り替え可能とされる。
切り替え装置3600は、操作子3800(被保持部3830)が押し下げ操作されることで、回動可能状態または係合固定状態に切り替えられ、これにより、操作終点の位置の変更(設定)又はその解除が行われる。操作子3800を押し下げ操作して、操作終点の位置の変更(設定)又はその解除を行うための構造については、後述する。
なお、操作子3800は、被保持部3830が下方(矢印G方向)へ押し下げられると、跳ね上げ方向付勢ばね3880が弾性的に伸長変形され、遊技者による押し下げ方向への操作力が緩められると、跳ね上げ方向付勢ばね3880の弾性回復力により、操作子3800(被保持部3830)が上方(矢印Gの反対方向)へ変位され、図58(b)に示す初期位置(本体部3810が水平姿勢となる位置)へ復帰される。
操作子3800には、発射停止スイッチ3891及び右打ちスイッチ3892が配設される。遊技者は、操作子3800のスライド位置(操作量)とは無関係に、発射停止スイッチ3891を押下することで、その押下の間、遊技球の発射を停止することができると共に、右打ちスイッチ3892を押下することで、その押下の間、遊技球を最大の発射強度で発射することができる。
次いで、図60から図63を参照して、ハンドル取付台3500について説明する。図60(a)は、下側ベース3510の側面図であり、図60(b)は、図60(a)の矢印LXb方向視における下側ベース3510の上面図であり、図60(c)は、図60(b)のLXc−LXc線における下側ベース3510の断面図である。
図60に示すように、下側ベース3510は、円筒状に形成される胴部3511と、その胴部3511の下側開口を閉封する底面壁3512と、胴部3511の外周面から外方へ張り出す締結フランジ3513及び締結座部3514と、底面壁3512の上面から上方へ向けて立設される軸受部3515と、その軸受部3515の側方において上方へ向けて立設される支持軸部3516と、胴部3511の内周面との間に所定間隔を隔てつつ底面壁3512の上面から上方へ向けて立設される案内壁部3517と、を備えて形成される。
胴部3511には、その一部が切り欠かれることで、正面(前面)側に開口3511aが形成される。開口3511aは、操作子3800のスライド方向(矢印I,D方向)及び押し下げ方向(矢印G方向)への変位空間を確保するための切り欠き部分であり(図58及び図59参照)、図60(b)に示す上面視において、中心角略170度の範囲にわたって形成される。
なお、下側ベース3510は、開口3511aが、胴部3511の上側(図60(c)上側)開口に連なる(連続する)開口として形成されるので、全体としての開口面積を確保できる。その結果、回転軸部3700や操作子3800、或いは、回転軸部連結ギヤ3571やスライド方向付勢ばね3581などを下側ベース3510内に装着して組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
締結フランジ3513は、胴部3511の上側(図60(a)上側)端部においてその胴部3511の外周面から外方へ張り出す板状体であり、位相を180度異ならせて一対が配設されると共に、一対の締結フランジ3513には、それぞれ挿通孔3513aが穿設される。中間ベース3520及び上側ベース3530にも同様の締結フランジ3523,3533が配設されており、これら各締結フランジ3513,3523,3533どうしが重ね合わされ、それらの挿通孔3513a,3523a,3533aに挿通された締結ボルトBにより締結固定されることで、各ベース3510,3520,3530が連結固定され、ハンドル取付台3500が形成される(図58参照)。
締結座部3514は、胴部3511の下側(図60(a)下側)端部においてその胴部3511の外周面から外方へ張り出す部位であり、胴部3511の背面側(開口3511aに対して位相を180度異ならせた側)に配設される。締結座部3514の外側面(背面、図60(a)及び図60(b)の左側の面)は、胴部3511の軸心に平行な平坦面(以下「座面3514a」と称す)として形成され、かかる座面3514aが、ハンドル装置3051を下皿ユニット15(図58参照)の前面に締結固定する際の取付面(座面)となる。
底面壁3512の中央部には、正面視円形の挿通孔3512aが穿設される。この挿通孔3512aを介して、回転軸部3700の連結片3780が収納部3540内の可変抵抗器に連結される(図59参照)。軸受部3515は、底面壁3512の挿通孔3512aと同心の円筒形状に形成され、その軸受部3515の内周面により回転軸部3700の下端側が回転可能に軸支される(図6参照)。
支持軸部3516は、平歯車として形成される回転軸部連結ギヤ3571を回転可能に軸支するための部位であり(図59参照)、断面円形の軸状に形成される。具体的には、支持軸部3516は、先端側に位置する小径部と、その小径部よりも大径に形成される大径部とを備え、小径部に回転軸部連結ギヤ3571が回転可能に軸支される。回転軸部連結ギヤ3571は、支持軸部3516の小径部および大径部の間の段差面と、支持軸部3516の小径部の先端に嵌め込まれるEリングなどの止め輪(図示せず)との間に配置されることで、軸方向への移動が規制(抜き取り不能に保持)される。
なお、支持軸部3516には、回転軸部連結ギヤ3571の下面側に、ねじりばねとして形成されるスライド方向付勢ばね3581が弾性的にねじり変形された状態で保持される(図59参照)。回転軸部連結ギヤ3571には、スライド方向付勢ばね3581から付勢力(弾性回復力)が付与されており、その付勢力は、回転軸部3700の連結ギヤ部3770を介して、回転軸部3700(即ち、操作子3800)を初期位置θ0へ復帰させる方向へ作用される。
よって、操作子3800を増加方向(図58矢印I方向)へスライド操作する際には、スライド方向付勢ばね3581の付勢力により、スライド操作に対して抵抗感が付与される一方、スライド操作が解除されると、スライド方向付勢ばね3581の付勢力により、操作子3800が減少方向(図58矢印D方向)へスライド変位され、初期位置θ0に復帰される。
案内壁部3517は、中間ベース3520の案内壁部3527(図61参照)と共に、閉封部材3550(図63参照)を周方向に案内するための部材であり、上面視円形の円筒状に形成され胴部3511と同心となる位置において底面壁3512の上面から立設される。よって、案内壁部3517の外周面と胴部3511の内周面との間には、一定寸法の隙間(上面視円環状の空間)が形成され、この隙間に閉封部材3550の下端が挿通される(図59参照)。閉封部材3550は、操作子3800がスライド操作されると、案内壁部3517及び胴部3511の間の隙間に下端が案内されて、周方向に移動される。
図61(a)は、中間ベース3520の側面図であり、図61(b)は、図61(a)の矢印LXIb方向視における中間ベース3520の上面図であり、図61(c)は、図61(b)のLXIc−LXIc線における中間ベース3520の断面図である。
図61に示すように、中間ベース3520は、円板状に形成される円板部3521と、その円板部3521の下面における外縁に沿って配設される外壁部3522と、円板部3521の外周面から外方へ張り出す締結フランジ3523と、円板部3521の中央に穿設される挿通孔3524と、外壁部3522の内周面との間に所定間隔を隔てつつ円板部3521の下面から下方へ向けて立設される案内壁部3527と、を備えて構成される。
円板部3521の外径は、下側ベース3510の胴部3511及び上側ベース3530の胴部3531の外径と同一とされ、ハンドル取付台3500の組立状態では、中間ベース3520の円板部3521が、下側ベース3510の胴部3511及び上側ベース3530の胴部3531の軸方向端面の間に挟持される(図58及び図59参照)。
外壁部3522は、下側ベース3510の内部空間を外部から遮蔽するための部位であり(図58(b)及び図59参照)、円板部3521と同心の円筒状体を中心角略170度で分断した形状に形成され、下側ベース3510の胴部3511における開口3511aに内嵌される(開口3511a内に嵌り込む)。この開口3511aに対する外壁部3522の内嵌構造により、ハンドル取付台3500全体としての剛性を高めることができる。
また、外壁部3522に相当する部位を、下側ベース3510に形成するのではなく、中間ベース3520に形成することで、ハンドル取付台3500全体としての剛性を確保しつつ、上述したように、下側ベース3510全体としての開口面積を確保することができるので、その分、回転軸部3700や操作子3800、或いは、回転軸部連結ギヤ3571やスライド方向付勢ばね3581を下側ベース3510内に装着して組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
締結フランジ3523は、円板部3521の外周面から外方へ張り出すと共に円板部3521と同一の板厚寸法に設定される板状体であり、位相を180度異ならせて一対が配設され、これら一対の締結フランジ3523には、挿通孔3523aがそれぞれ穿設される。上述したように、締結フランジ3523は、下側ベース3510及び上側ベース3530の締結フランジ3513,3533に重ね合わされて締結ボルトBにより締結固定される(図58参照)。
挿通孔3524は、その内周面により回転軸部3700を回転可能に軸支する(図59参照)。なお、円板部3521の下面には、挿通孔3524と同心となる位置に円筒形状の軸受部3521aが配設され、軸受部3521aの内周面によっても回転軸部3700が回転可能に軸支される。即ち、軸受部3521aによって、挿通孔3524が軸方向(図61(c)上下方向)に延長され、その分、軸受面積を確保できるので、回転軸部3700の軸受強度および軸受精度の向上と耐久性の向上とを図ることができる。
案内壁部3527は、下側ベース3510の案内壁部3517(図60参照)と共に、閉封部材3550(図63参照)を周方向に案内するための部材であり、上面視円形の円筒状に形成され外壁部3522と同心となる位置において円板部3521の下面から立設される。よって、案内壁部3527の外周面と外壁部3522の内周面との間には、一定寸法の隙間(下面視円環状の空間)が形成され、この隙間に閉封部材3550の上端が挿通される(図59参照)。閉封部材3550は、操作子3800がスライド操作されると、案内壁部3527及び外壁部3522の間の隙間に上端が案内されて、周方向に移動される。
図62(a)は、上側ベース3530の側面図であり、図62(b)は、図62(a)の矢印LXIIb方向視における上側ベース3530の下面図であり、図62(c)は、図62(b)のLXIIc−LXIIc線における上側ベース3530の断面図である。
図62に示すように、上側ベース3530は、円筒状に形成される胴部3531と、その胴部3531の上側開口を閉封する上面壁3532と、胴部3531の外周面から外方へ張り出す締結フランジ3533及び締結座部3534と、上面壁3532の下面から下方へ向けて立設される軸受部3535と、その軸受部3535の側方において下方へ向けて立設される支持軸部3536とを備えて形成される。
締結フランジ3533は、胴部3531の下側(図62(a)下側)端部においてその胴部3531の外周面から外方へ張り出す板状体であり、位相を180度異ならせて一対が配設され、これら一対の締結フランジ3533には、それぞれ挿通孔3533aが穿設される。上述したように、締結フランジ3533は、下側ベース3510及び上側ベース3530の締結フランジ3513,3533に重ね合わされ、締結ボルトBにより締結固定される(図58参照)。
締結座部3534は、胴部3531の上側(図62(a)上側)端部においてその胴部3531の外周面から外方へ張り出す部位であり、胴部3531の背面側に配設される。締結座部3534の外側面(図62(a)及び図62(b)の左側の面)は、胴部3531の軸心に平行な平坦面(以下「座面3534a」と称す)として形成され、かかる座面3534aが、ハンドル装置3051を下皿ユニット15(図5参照)の前面に締結固定する際の取付面(座面)となる。
軸受部3535は、外壁部3531と同心の円筒形状に形成され、その内周側に切り替え装置3600が回動可能に挿入される(図59参照)。支持軸部3536は、平歯車として形成される切り替え装置連結ギヤ3572回転可能に軸支するための部位であり(図59参照)、断面円形の軸状に形成される。
具体的には、支持軸部3536は、先端側に位置する小径部と、その小径部よりも大径に形成される大径部とを備え、小径部に切り替え装置連結ギヤ3572が回転可能に軸支される。切り替え装置連結ギヤ3572は、支持軸部3536の小径部および大径部の間の段差面と、支持軸部3536の小径部の先端に嵌め込まれるEリングなどの止め輪(図示せず)との間に配置されることで、軸方向への移動が規制(抜き取り不能に保持)される。
なお、支持軸部3536には、切り替え装置連結ギヤ3572の上面側に、ねじりばねとして形成される切り替え装置付勢ばね3582が弾性的にねじり変形された状態で保持される(図59参照)。切り替え装置連結ギヤ3572には、切り替え装置付勢ばね3582から付勢力(弾性回復力)が付与されており、その付勢力は、切り替え装置3600を初期位置(係合突起部3630が回転軸部3700の段差面3711cに係合される位置)へ復帰させる(図77(a)参照)。
図63(a)は、閉封部材3550の正面図であり、図63(b)は、図63(a)の矢印LXIIIb方向視における閉封部材3550の下面図であり、図63(c)は、図63(a)のLXIIIc−LXIIIc線における閉封部材3550の断面図である。
図63に示すように、閉封部材3550は、下側ベース3510の正面(前面)側に形成される開口3511aを遮蔽して、ハンドル取付台3500の内部が外部から視認されることを防止するための部材であり(図58(b)参照)、円筒形状に形成される。
閉封部材3550は、その外径寸法が下側ベース3510の胴部3511及び中間ベース3520の外壁部3522の内径寸法よりも若干小さくされると共に、内径寸法が下側ベース3510の案内壁部3517及び中間ベース3520の案内壁部3527の外径寸法よりも若干大きくされる。よって、閉封部材3550は、その下端および上端(図63(a)下側および上側)が、案内壁部3517,3527の外周側に形成される上述した隙間に挿通可能とされ、これにより、上述した隙間に沿って(即ち、周方向に)移動可能とされる。
閉封部材3550には、その周方向の一部に切り欠き部3551が切り欠き形成される。切り欠き部3551は、操作子3800の本体部3810を挿通させると共に押し下げ方向への変位空間を確保するための切り欠き部分であり(図58及び図59参照)、閉封部材3550の下端(図63(a)下側)から延設される正面視矩形の切り欠きとして形成される。
切り欠き部3551の幅寸法(図63(a)左右方向寸法)は、操作子3800の本体部3810の幅寸法(図58(a)上下方向寸法)よりも若干大きな寸法に設定される。よって、操作子3800の押し下げ操作(図58(b)矢印G方向)を可能としつつ、操作子3800が増加方向または減少方向(図58(a)矢印I方向または矢印D方向)へスライド操作される際には、そのスライド操作に連動して、閉封部材3550が周方向に移動される。
次いで、図64から図68を参照して、回転軸部3700及び操作子3800について説明する。図64(a)及び図64(b)は、回転軸部3700及び操作子3800の部分断面側面図であり、図64(a)は、操作子3800が押し下げ方向における初期位置にある状態に、図64(b)は、操作子3800が下方へ押し下げ操作された状態に、それぞれ対応する。
図64(a)及び図64(b)に示すように、操作子3800と回転軸部3700とは、連結軸3990を介して、連結される。これにより、操作子3800を2方向へ変位させる(操作する)ことができる。即ち、第1に、操作子3800を、連結軸3990を回転中心として、回転させることで、その被保持部3830を下方(矢印G方向、図58(b)参照)へ変位させる(押し下げ操作を行う)ことが可能とされる。第2に、操作子3800を、回転軸部3700と一体的に、かかる回転軸部3700の軸心を中心として回転させることで、その被保持部3830をスライド方向(矢印I及び矢印D方向、図58(a)参照)へ変位させる(スライド操作を行う)ことが可能とされる。
図65(a)は、回転軸部3700の側面図であり、図65(b)は、図65(a)の矢印LXVb方向視における回転軸部3700の背面図であり、図65(c)は、押上部材3410の部分断面背面図である。図66(a)は、図65(a)の矢印LXVIa方向視における回転軸部3700の上面図であり、図66(b)は、図66(a)のLXVIb−LXVIb線における回転軸部3700の断面図である。なお、図65(b)及び図65(c)では、理解を容易とするために、押上部材3410が取り外された状態が図示される。
図65及び図66に示すように、回転軸部3700は、棒状の軸本体部3710と、その軸本体部3710に穿設される挿通孔3720と、軸本体部3710の背面側に開口形成される開口3730と、軸本体部3710の外周面に配設されるフック部3740、操作子規制部3750、案内軸3760及び連結ギヤ部3770と、軸本体部3710の下端面から突設される連結片3780と、を備えて構成される。
軸本体部3710は、円筒形状に形成される円筒部分3711と、その円筒部分3711の下端(図66(b)下側)に同軸に接続され断面円形の中実の棒状体として形成される中実部分3712とを備え、これらが樹脂材料から一体に形成される。
円筒部分3711の上端面(図66(b)上側面)には、基準面3711aと、その基準面3711aよりも軸本体部3710の軸方向(図66(b)上下方向)における高さ位置が上方へ向けて嵩上げされた嵩上げ面3711bとが形成され、これにより、円筒部材3711の上端側には、基準面3711aと嵩上げ面3711bとを接続する一対の段差面3711cが形成される。
後述するように、回転軸部3700は、段差面3711cを切り替え装置3600の規制突起部3630に係合可能に形成される。切り替え装置3600が回転可能状態に設定されている状態では、段差面3711cが規制突起部3630に係合されることで、回転軸部3700の回転(操作子3800の増加方向へのスライド操作)に連動して切り替え装置3600が回転される一方、切り替え装置3600が係合固定状態に設定されると、段差面3711cが規制突起部3630に係合されることで、回転軸部3700の回転(操作子3800の増加方向へのスライド操作)が規制される(図77(c)参照)。その結果、操作終点が形成される。
なお、基準面3711a及び嵩上げ面3711bは、軸本体部3710の軸方向に垂直な平坦面とされ、一対の段差面3711cは、互いに平行であって、かつ、軸本体部3710の軸方向に平行な平坦面とされる。また、一対の段差面3711cは、位相を180度異ならせて配置される。但し、本実施形態では、一対の段差面3711cのうちの一方の段差面3711cが切り替え装置3600の規制突起3630に係合される。
円筒部分3711の内周面には、案内溝3715が凹設される。案内溝3715は、伝達棒3420(図73参照)を第1位置または第2位置の2位置で保持するための溝である。なお、案内溝3715の詳細構成については、後述する。
挿通孔3720は、連結軸3990が挿通される断面円形の孔であり、軸本体部3710の円筒部分3711に一対が一直線上に穿設される。なお、連結軸3990は、真鋳材料から断面円形の軸形状に形成される。開口3730は、押上部材3410の配設空間を確保するための開口であり、図65(b)に示すように、軸本体部3710の円筒部分3711に背面視矩形の開口として形成される。開口3730の対向する一対の内側面には、押上部材3410を回転可能に軸支するための突起3731がそれぞれ突設される。
ここで、押上部材3410は、図65(c)に示すように、背面視矩形に形成されると共に、図66(b)に示すように、下端側が屈曲された断面L字状の板状体であり、対向する一対の外側面の上端側に、凹部3411がそれぞれ凹設される。かかる凹部3411に開口3730の突起3731が内嵌されることで、これら突起3731及び凹部3411を回転中心として、押上部材3410が開口3730内で回転可能に軸支される(図64参照)。なお、押上部材3410は、下端側の屈曲部分を軸本体部3710の円筒部分3711の軸心側へ向けた姿勢で配設される。
フック部3740は、コイルスプリングとして形成される跳ね上げ方向付勢ばね3880の一端を係合保持するための部位であり(図64参照)、上方へ向けて屈曲される断面L字形状の部位が所定間隔を隔てて一対配設される。操作子規制部3750は、連結軸3990を回転中心とする操作子3800の変位を規制するための棒状の部位であり、軸本体部3710の背面側であって開口3730の下方に配設される。
即ち、跳ね上げ方向付勢ばね3880は、弾性的に伸張された状態で、回転軸部3700のフック部3740と操作子3800のフック部3840との間に架設されており、遊技者により操作子3800が下方(矢印G方向、図58(b)参照)へ押し下げられた後(図64(b)参照)、その押し下げ操作が解除されると、操作子3800が、跳ね上げ方向付勢ばね3880の付勢力(弾性回復力)により、上方(矢印Gと反対方向、図58(b)参照)へ跳ね上げられる。この場合、操作子規制部3750が操作子3800の本体部3810の下面を受け止めることで、操作子3800の跳ね上げ方向への変位が規制される。これにより、操作子3800が、押し下げ操作における初期位置に保持される(図64(a)参照)。
なお、このように、操作子規制部3750は、跳ね上げ方向付勢ばね3880の付勢力により跳ね上げられた操作子3800(本体部3810の下面)を受け止める部位であるため、大きな荷重が作用されるところ、本実施形態では、かかる操作子規制部3750が、薄肉の円筒部分3711ではなく、中実の中実部分3712に配設される。これにより、その剛性を確保して、跳ね上げられた操作子3800(本体部3810の下面)を強固に受け止めることができる。その結果、耐久性の向上を図ることができる。
案内軸3760は、操作子3800が押し下げ方向またはその逆方向へ変位される際に、その変位方向を案内して、被保持部3830の変位を円滑に行わせるための部位であり、操作子規制部3750に対し中実部分3712を挟んで反対側となる中実部分3712の正面側に配設される。操作子3800が押し下げ操作される際には、案内軸3760が操作子3800の案内溝3870内を移動することで(図64(b)参照)、操作子3800の変位を案内溝3870に沿って案内することができる。その結果、操作子3800のがたつきを抑制して、かかる操作子3800を押し下げ操作する際の動作を安定化することができる。また、これに伴い、連結軸3990の負担を軽減して、連結軸3990の損傷を抑制できる。
連結ギヤ部3770は、平歯車として形成される部位であり、回転軸部連結ギヤ3571に歯合されている(図59参照)。上述したように、スライド方向付勢ばね3581からの付勢力が、回転軸部連結ギヤ3571から連結ギヤ部3770へ伝達されることで、回転軸部3700が回転され、操作子3800が初期位置θ0(図58(a)参照)に復帰される。
連結片3780は、軸本体部3710の下端面に固設される軸状体であり、上述したように、下側ベース3510の挿通孔3512aを介して、可変抵抗器(図示せず)に連結される。これにより、操作子3800のスライド操作の操作量が、回転軸部3700の回転量に変換されて、可変抵抗器へ伝達される。
図67(a)は、操作子3800の側面図であり、図67(b)は、図67(a)の矢印LXVIIb方向視における操作子3800の上面図である。図68(a)は、図67(b)のLXVIIIa−LXVIIIa線における操作子3800の部分拡大断面図であり、図68(b)は、図67(b)のLXVIIIb−LXVIIIb線における操作子3800の部分拡大断面図である。
図67及び図68に示すように、操作子3800は、基部3811及び脚部3812からなる本体部3810と、その本体部3810の脚部3812に穿設される挿通孔3820と、本体部3810の基部3811から立設される被保持部3830と、本体部3810の基部3811の外側面に配設されるフック部3840及び支持壁3850と、本体部3810の脚部3812間に架設されるカム部材3860と、本体部3810の脚部3812の内側面に配設される案内溝3870と、を備えて構成される。
本体部3810は、長尺箱状の基部3811と、その基部3811の基部側(図67(a)及び図67(b)左側)から長手方向に沿って延設される一対の脚部3812とを備える。基部3811の先端側(図67(a)及び図67(b)右側)には、被保持部3830が略垂直に立設される。一対の脚部3812は、互いに所定間隔を隔ててつつ略平行に対向配置され、それら一対の脚部3812の対向間に回転軸部3700が配設される(図64参照)。
また、一対の脚部3812には、その対向方向(図67(b)上下方向)に沿って挿通孔3820がそれぞれ穿設される。一対の脚部3812の対向間に回転軸部3700を配設し、一対の脚部3812のうちの一方の挿通孔3820から挿入した連結軸3990を、回転軸部3700の挿通孔3720を通過させると共に、一対の脚部3812のうちの他方の挿通孔3820に挿通させることで、操作子3800が回転軸部3700に対して連結軸3990を介して連結され、被保持部3830の下方(矢印G方向、図58(b)参照)への押し下げ操作が可能とされる(図64参照)。
一対の脚部3812の延設先端側(図67(a)左側)は、図67(a)に示す側面視において、円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲する部分の外周面には、弾性膜部材3893がそれぞれ貼着される。弾性膜部材3893は、ゴム素材などの弾性材料から膜状に形成される部材である。操作子3800の被保持部3830が押し下げ操作され、脚部3812が上方へ押し上げられると、弾性膜部材3893を中間ベース3520の円板部3521の下面に密着される(図76参照)。
これにより、弾性膜部材3893の密着力(摩擦力)を利用して、操作子3800のスライド操作方向への変位を規制できる。よって、後述するように、操作終点の位置を変更(設定)する際には、操作子3800のスライド操作の操作量が不用意に変化することを抑制できる。即ち、スライド操作の操作位置が位置ずれして、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制できる。これにより、操作終点の位置を、所望の位置(即ち、遊技球の発射強度が所望の発射強度に調整された際の操作子3800のスライド操作位置)に正確に変更(設定)することができる。
被保持部3830は、操作子3800をスライド操作または押し下げ操作する際に、遊技者の手指や手の平で把持される部位であり、角部が円弧状に面取りされた断面略矩形の棒状体として形成される。このように、被保持部3830が棒状体として形成されることで、かかる被保持部3830を保持(把持)しやすくすることができ、その結果、操作子3800をスライド操作および押し下げ操作する際の操作性の向上を図ることができる。
また、被保持部3830は、本体部3810から鉛直方向に沿って立設されるので、かかる被保持部3830を遊技者に自然な姿勢で保持(把持)させることができる。特に、被保持部3830は本体部3810から上方へ向けて立設されるので、被保持部3830を把持する際には、手の平の外縁部分を本体部3810の上面(図67(a)上側の面)に載置しておくことができる。これにより、遊技者の疲労の低減を図ることができると共に、操作子3800を下方へ押し下げ操作する際には、例えば、被保持部3830を把持していなくても、本体部3810の上面に手の重みを作用させることができ、その結果、押し下げ操作を容易に行うことができる。
上述した発射停止スイッチ3891及び右打ちスイッチ3892は、被保持部3830の立設先端および被保持部3830の背面側(連結軸3990(図64参照)に対面する側)にそれぞれ配設される。これにより、遊技者は、被保持部820を自然に把持した状態で、発射停止スイッチ3891を親指または人差し指により、右打ちスイッチ3892を人差し指または中指により、それぞれ容易に操作することができる。
フック部3840は、回転軸部3700のフック部3740(図65参照)に一端が係合保持された跳ね上げ方向付勢ばね3880の他端を係合保持するための部位であり(図64参照)、下方へ向けて屈曲される断面L字形状に形成される。
支持壁3850は、跳ね上げ方向付勢ばね3880を下方から支えるための壁部であり、図67(a)に示す側面視において、上方へ向けて凸の円弧状に湾曲して形成される。このように、支持壁3850が円弧状に湾曲されることで、跳ね上げ方向付勢ばね3880の取り回し距離(両フック3740,3840間の跳ね上げ方向付勢ばね3880に沿って計測される距離)をより長くすることができる(図64(a)参照)。よって、限られたスペースの中で、全長がより長い跳ね上げ方向付勢ばね3880を使用することができ、その結果、付勢力を大きくできると共に、跳ね上げ方向付勢ばね3880の耐久性の向上を図ることができる。
カム部材3860は、回転軸部3700に変位可能に配設される押上部材3410を上方へ向けて押し上げるための部材であり(図64参照)、一対の脚部3812の対向間に架設される棒状の架設部3861と、その架設部3861の長手方向(図67(b)上下方向)中央から基部3811側(即ち、回転軸部3700が配設される側、図67(b)右側)へ向けて延設される押上カム3862と備え、これらが一体に形成される。なお、カム部材3860は、本体部3810とは別体に形成され、架設部3861の両端が本体部3810の脚部3812に締結ボルト(図示せず)により締結固定される。
押上カム3862は、断面視三角形状に形成され、図68に示すように、三角形状の頂部を上方へ向けた姿勢で配設される。本体部3810(一対の脚部3812の対向間)に回転軸部3700が連結軸3990を介して連結された状態では、押上カム3862は、その三角形状の頂部が押上部材3410の回転軸(突起3731及び凹部3411、図65(b)及び図65(c)参照)の鉛直方向下方となる位置に配設されると共に、三角形状の一側(図68(a)右側)の斜面が押上部材3410の下端を支持する位置に配設される(図64(a)参照)。
カム部材3860は、操作子3800が下方(矢印G方向、図58(b)参照)へ押し下げ操作される際に、押上カム3862の三角形状における一側(図68(a)右側)の斜面および頂部(図68(a)上側)を利用して、回転軸部3700に配設された押上部材3410を上方へ押し上げる(図64(a)及び図64(b)参照)。
このように、押上カム3862を断面視三角形状に形成し、その斜面および頂部を利用して押上部材3410を上方へ押し上げる構造とすることで、操作子3800が押し下げ操作されていない通常の状態では(図64(a)参照)、押上部材3410をより下方に配置可能として、全体としての高さ寸法(軸方向寸法、図64(a)上下方向の寸法)の小型化を図りつつ、操作子3800を押し下げ操作する際には(図64(b)参照)、押上部材3410の上方への押し上げ量を確保できるので、操作子3800の押し下げ操作に必要なストローク量を小さくして、その操作性の向上を図ることができると共に、伝達棒3420(図73参照)の昇降ストロークを大きくして、切り替え装置3600の状態の切り替えを確実に行うことができる(図74から図76参照)。
案内溝3870は、回転軸部3700の案内軸3760(図65参照)を案内するための凹溝であり、一対の脚部3812の対向面にそれぞれ断面矩形の溝として凹設され、挿通孔3820を中心とする円弧状に湾曲して延設される。よって、操作子3800が下方(矢印G方向、図58(b)参照)へ押し下げ操作される際には(図64(a)及び図64(b)参照)、回転軸部3700の案内軸3760が、案内溝3870に沿って案内されることで、操作子3800のがたつきを抑制して、かかる操作子3800の押し下げ操作を円滑に行わせることができる。また、これに伴い、連結軸3990の負担を軽減して、連結軸3990の損傷を抑制できる。
なお、本体部3810及び被保持部3830は、幅方向(図67(b)上下方向)中央を分割面(合わせ面)とする2分割構造とされる。即ち、本体部3810及び被保持部3830は、本体部3810及び被保持部3830の片側をなす第1の部品とその第1の部品に対して分割面を対称面として面対称に形成され本体部3810及び被保持部3830の片側をなす第2の部品とからなり、これら第1の部品と第2の部品とを互いの分割面どうしで接合することで、その内部に発射停止スイッチ3891等の電気的接続線を配線するための空間を有する中空形状に形成される。
次いで、図69から図73を参照して、切り替え部材3600、押し込み部材3430及び伝達棒3420について説明する。図69は、ハンドル装置3051の部分拡大断面図である。
図69に示すように、ハンドル取付台3500には、上から順に切り替え装置3600、押し込み部材3430及び伝達棒3420が同軸上に直列に配設される。切り替え装置3600は、上側ベース3530の軸受部3535内に挿通され、押し込み部材3430及び伝達棒3420は、回転軸部3700(軸本体3710)の円筒部分3711内に挿通される。
まず、切り替え装置3600及び押込み部材3420について、図70から図72を参照して説明する。
図70(a)は、切り替え装置3600の上面図であり、図70(b)は、図70(a)の矢印LXXb方向視における切り替え装置3600の側面図であり、図70(c)は、図70(b)の矢印LXXc方向視における切り替え装置3600の下面図である。図71(a)は、図70(a)のLXXIa−LXXIa線における切り替え装置3600の断面図であり、図71(b)は、図70(b)の矢印LXXIb方向視における切り替え装置3600の側面図である。
また、図72(a)は、押し込み部材3430の正面図であり、図72(b)は、図72(a)の矢印LXXIIb方向視における押し込み部材3430の側面図であり、図72(c)は、図72(a)のLXXIIc−LXXIIc線における押し込み部材3430の断面図である。
なお、図70及び図71では、噛み込み球体670a,670b、押し込み側付勢ばね680及び噛み込み側付勢ばね690の図示が省略される。
ここで、切り替え装置3600は、規制突起部3630の形状が第1及び第2実施形態における規制突起部630の形状と異なる点と、第1及び第2実施形態におけるばね受け部640に代えて連結ギヤ部3640が設けられている点とを除き、第1実施形態及び第2実施形態における切り替え装置600,2600と技術的には実質同一に形成される。また、押し込み部材3430は、第2実施形態における押し込み部材2580と技術的には実質同一に形成される。よって、実質同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図70及び図71に示すように、切り替え装置3600は、本体部610と、その本体部610に貫通形成される連結孔620と、本体部610の外周面から径方向外方へ向けて突出される規制突起部3630及び連結ギヤ部3640と、本体部610の外周面を凹設して形成される噛み込み面650及び逃げ面660とを備える。
本体部610の外径寸法は、上側ベース3530の軸受部3535(図69参照)の内径寸法よりも若干小さな寸法に設定される。よって、本体部610は、上側ベース3530の軸受部3535へ挿通されることで、その軸受部3535内に回動可能に保持される(図74参照)。
規制突起部3630は、回転軸部3700(軸本体部3710)の円筒部分3711における段差面3711c(図77及び図78参照)に当接される部位であり、断面円形の棒状体として形成され、本体部610の外周面よりも径方向外方に配設されると共に本体部610の下面(図71(b)下側の面)よりも下方へ突出される。
連結ギヤ部3640は、本体部610の外周面から径方向外方へ張り出して形成される板状体であり、その板状体の外周面には、切り替え装置連結ギヤ3572(図69参照)に歯合可能な平歯車が刻設される。なお、連結ギヤ部3640の下面(図70(c)紙面手前側の面)は、本体部610の下面(図70(c)紙面手前側の面)に面一な(即ち、本体部610の軸方向における位置が一致し且つ軸に対して垂直な)平坦面として形成される。
図72に示すように、押し込み部材3430は、ベース体2581と、そのベース体2581の上面に配設される連結軸2582及び押し込み片2583とを備える。ベース体2581の外径寸法は、回転軸部3700(軸本体部3710)の円筒部分3711における内径寸法よりも若干小さな寸法に設定されており、切り替え装置3600が軸受部3535内を回動される場合には、回転軸部3700の円筒部分3711内を回動可能とされると共に、下面側から伝達棒3420によりに上方へ押し込まれた場合には、回転軸部3700の円筒部分3711内を切り替え装置3600へ向けて摺動可能とされる(図74から図76参照)。
切り替え装置3600は、その噛み込み球体670a,670bが、押し込み部材3430の押し込み片2583によって噛み込み空間651内へ押し込まれることで、係合固定状態とされ、上側ベース3530の軸受部3535に対して相対回動不能とされる一方、押し込み部材3430の押込み片2583が後退して、噛み込み球体670a,670bが逃げ空間661に配置されることで、回動可能状態に切り替えられ、上側ベース3530の軸受部3535に対して相対回動可能とされる。この切り替え装置3600の切り替え構造については、第1及び第2実施形態における場合と同様であるので(図15及び図40参照)、その説明は省略する。
次いで、図73を参照して、伝達棒3420について説明する。図73(a)は、伝達棒3420の側面図であり、図73(b)は、図73(a)の矢印LXXIIIb方向視における伝達棒3420の上面図である。
図73に示すように、伝達棒3420は、回転軸部3700の軸本体部3710における円筒部分3711の内周側に配設される部材であり(図69参照)、断面円形の円柱状に形成される。かかる円柱状体の外周面には、その複数箇所(本実施形態では3箇所)から案内突起3421が突設される。各案内突起421は、回転軸部3700における円筒部分3711の内周面に形成された案内溝3715(図66(b)参照)に沿って移動するための部位であり、それぞれ同形状に形成されると共に、周方向等間隔(本実施形態では120度間隔)に配置される。
伝達棒3420の下端(図73(a)下側の部分)は、円柱状の部分と同軸の円錐形状に形成される。これにより、回転軸部3700の円筒部分3711の内周側において、伝達棒3420を押上部材3410へより近接させることができるので(図69参照)、円筒部分3711の内周側における限られたスペースを有効に活用することができ、全体としての小型化を図ることができる。
伝達棒3420は、その案内突起3421が、円筒部分3711の内周面に形成された案内溝3715に沿って案内されることで、第1位置または第2位置に保持される。具体的には、押上部材3410によって上方へ押し上げられる毎に、第1位置から第2位置または第2位置から第1位置に転換される(図74から図76参照)。なお、この案内突起3421が案内溝3715に案内され、伝達棒3420が第1位置または第2位置に保持される構造は、第2実施形態における構造と同一であるので(図41から図47参照)、その説明は省略する。即ち、伝達棒3420及び案内溝3715は、第2実施形態における伝達棒2592及び案内溝2591bと技術的には実質同一に形成される。
次いで、図74から図76を参照して、操作子3800の押し下げ操作により、切り替え装置3600を回動可能状態または係合固定状態に切り替えるための切り替え構造について説明する。なお、この切り替え構造の説明においては、図77及び図78を適宜参照する。
図74及び図75は、ハンドル装置3051の部分断面側面図であり、図74では伝達棒3420が第1位置にある状態が、図75では伝達棒3420が第2位置にある状態が、それぞれ図示される。図76は、ハンドル装置3051の部分断面側面図であり、操作子3800が下方へ押し下げ操作され、伝達棒3420が中間位置に配置された状態が図示される。
また、図77及び図78は、回転軸部3700及び切り替え装置3600の部分拡大斜視図である。なお、図77(a)は、回転軸部3700(操作子3800)が初期位置θ0にあり、かつ、切り替え装置3600が回動可能状態にある状態を、図77(b)は、回転軸部3700(操作子3800)が操作位置θ1まで回動(スライド操作)され、かつ、切り替え装置3600が回動可能状態にある状態を、図77(c)は、回転軸部3700(操作子3800)が操作位置θ1まで回動(スライド操作)され、かつ、切り替え装置3600が係合固定状態に変更されている状態を、図78(a)は、回転軸部3700(操作子3800)が操作位置θ0〜θ1の範囲内にあり、かつ、切り替え装置3600が係合固定状態に変更されている状態を、図78(b)は、回転軸部3700(操作子3800)が初期位置θ0にあり、かつ、切り替え装置3600が係合固定状態に変更されている状態を、それぞれ図示している。
図74から図76に示すように、切り替え装置3600は、上述した通り、上側ベース3530の軸受部3535内に挿通され、その切り替え装置3600の連結孔620には、押し込み部材3430の連結軸2582が軸方向へ相対移動可能かつ周方向へ相対回動不能に挿通される。
本実施形態では、伝達棒3420が第1位置または第2位置のいずれの位置に配置された場合であっても、切り替え装置3600の連通孔620に対し、押し込み部材3430の連結軸2582が挿通された状態(即ち、連通孔620及び連結軸2582が相対回動不能に結合された状態)が維持される。よって、切替え装置3600が軸受部3535に対して回動されても、切り替え装置3600の逃げ空間661に対する押し込み部材3430の押し込み片2583の回動位置(位相)を常に一致させておくことができる。
これにより、切り替え装置3600がどのような回動位置(位相)に配置される場合であっても、操作子3800の押し下げ操作に伴う伝達棒3420の上方への移動(即ち、伝達棒3420により押し込み部材3430の上方への押し上げ)により、押し込み部材3430の押し込み片2583を切り替え装置3600の噛み込み空間651内へ確実に移動させることができる。
即ち、操作子3800がどのようなスライド位置にスライド操作されている状態においても、かかる操作子3800を押し下げ操作することで、切り替え装置3600を係合固定状態とすることができる。よって、操作子3800のスライド操作により、遊技球の発射強度が所望の発射強度となった場合には、そのスライド操作の操作位置(操作量)を維持したままで、操作終点の変更(設定)を行うことできる。その結果、操作終点の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
図74に示すように、伝達棒3420が第1位置にある状態では、押し込み部材3430の押し込み片2583が切り替え装置3600の逃げ空間661に配置される。よって、切り替え装置3600は、噛み込み球体670a,670bが押し込み側付勢ばね680の付勢力により逃げ空間661に配置されており、これにより、軸受部3535に対して相対的に回動可能な回動可能状態(図15(a)及び図15(c)又は図40(a)及び図40(c)参照)に設定される。
このように切り替え装置3600が回動可能状態に設定された状態(伝達棒3420が第1位置にある状態)では、切り替え装置3600が軸受部3535に対して回動可能とされているので、図77(a)及び図77(b)に示すように、操作子3800(回転軸部3700)が初期位置θ0から操作位置θ1まで増加方向へ回動操作されると、回転軸部3700の段差面3711cが切り替え装置3600の規制突起部3630を増加方向(図77(b)の矢印方向)へ押しつつ回動されることで、切り替え装置3600が回転軸部3700に連動して増加方向へ回動させる。なお、操作位置θ1は、操作子3800のスライド操作範囲の最大位置θmaxには達していない操作位置であるものとする。以下においても同様である。
一方、操作子3800(回転軸部3700)が減少方向へ回動操作されると、切り替え装置3600は、切り替え装置付勢ばね3582(図69参照)の付勢力により、回動軸部3700に追従して、減少方向へ回動される。例えば、図78(a)及び図78(b)に示すように、操作子3800(回転軸部3700)が操作位置θ1から初期位置θ0まで減少方向(図78(b)の矢印と反対方向)へスライド操作(回動)されると、切り替え装置3600も、切り替え装置付勢ばね3582の付勢力により、減少方向へ回動され、規制突起部3630が回転軸部3700の段差面3711cに当接される回動位置に配置される。
即ち、図74に示すように、切り替え装置3600が回動可能状態に設定された状態(伝達棒3420が第1位置にある状態)では、操作子3800が増加方向または減少方向のいずれの方向へスライド操作される場合であっても、切り替え装置3600が連動(同期)して回動され、それら操作子3800(回転軸部3700)と切り替え装置3600の回動位置(位相)が一致される(図77(a)及び図77(b)参照)。
図75に示すように、伝達棒3420が第2位置にある状態では、切り替え装置3600は、その噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651に配置され(即ち、伝達棒3420の押し込み片2583により噛み込み球体670a,670bが噛み込み空間651内に押し込まれ)、係合固定状態(図15(b)及び図15(d)又は図40(b)及び図40(d)参照)に設定される。
切り替え装置3600が係合固定状態に設定された状態では、噛み込み球体670a,670bが、噛み込み側付勢ばね690の付勢力により、軸受部3535の内周面と噛み込み面650との対向間であって周方向に漸減する隙間に噛み込まれた状態とされるので、切替え装置3600(本体部610)がいずれの回動方向(例えば、図15(d)に示す矢印A方向および矢印B方向)へ回動しようとしても、噛み込み面650の周方向端部が、軸受部3535の内周面との対向間に噛み込み球体670a,670bを更に噛み込ませるように作用することで(図15(b)及び図15(d)又は図40(b)及び図40(d)参照)、軸受部3535に対する切り替え装置3600(本体部610)の回動が規制(阻止)される。
よって、図77(b)に示すように、操作子3800(回転軸部3700)が操作位置θ1に回動操作された状態において、操作子3800の押し下げ操作により、伝達棒3420の位置を第1位置から第2位置に変更することで、切り替え装置3600を係合固定状態に設定して、図77(c)に示すように、切り替え装置3600を操作位置θ1に対応する回動位置(即ち、第1位置にある伝達棒3420が第2位置に変更された時点における回動位置)に固定することができる。
このように、切り替え装置3600が係合固定状態に設定され、その回動位置が固定された状態では、図78(a)及び図78(b)に示すように、操作子3800(回転軸部3700)を減少方向へスライド操作(回動)させても、切り替え装置3600は、回転軸部3700の回動に連動(同期)せず、操作位置θ1に対応する回動位置に保持される。即ち、操作位置θ1に操作終点の位置が変更(設定)される。
よって、この場合、例えば、図78(b)に示すように、切り替え装置3600が操作位置θ1に対応する回動位置に保持(固定)された状態において、初期位置θ0に復帰されている操作子3800(回転軸部3700)を増加方向へスライド操作する(回動させる)場合には、その回転軸部3700の回動は、操作位置θ1が操作終点とされる。即ち、操作子3800は、図77(c)に示すように、その増加方向へのスライド操作が操作位置θ1に達すると、回転軸部3700の段差面3711cが規制突起部3630に当接され、それ以上の増加方向へのスライド操作(回転軸部3700の図77(c)における矢印方向への回動)が規制される。
ここで、第1位置にある伝達棒3420の第2位置への変更(設定)は、次のように行われる。即ち、図74に示すように、伝達棒3420が第1位置にある状態から、操作子3800が下方(図58(b)の矢印G方向)へ押し下げ操作されると、図76に示すように、押上部材3410により伝達棒3420が上方へ押し上げられる。伝達棒3420は、その案内突起3421が案内溝3715の形状に沿って案内され、その案内溝3715の所定の壁部(案内規制壁部Wc、図46参照)に突き当たる。これにより、操作子3800の下方への押し下げ操作が不能となるので、遊技者が操作力を緩め、操作子3800の下方への押し下げ操作が解除されると、伝達棒3420が、押し込み側付勢ばね680の付勢力(弾性回復力)により、下方へ押し戻される。その結果、案内突起3421が案内溝3715の形状に沿って案内され、案内溝3715の所定位置(位置P2、図46参照)に到達する。即ち、図75に示すように、伝達部材3420が第2位置に配置される。
同様に、第2位置にある伝達棒3420の第1位置への変更(設定)は、次のように行われる。即ち、図75に示すように、伝達棒3420が第2位置にある状態から、操作子3800が下方(図58(b)の矢印G方向)へ押し下げ操作されると、図76に示すように、押上部材3410により伝達棒3420が上方へ押し上げられる。伝達棒3420は、その案内突起3421が案内溝3715の形状に沿って案内され、その案内溝3715の所定の壁部(案内規制壁部Wg、図46参照)に突き当たる。これにより、操作子3800の下方への押し下げ操作が不能となるので、遊技者が操作力を緩め、操作子3800の下方への押し下げ操作が解除されると、伝達棒3420が、押し込み側付勢ばね680の付勢力(弾性回復力)により、下方へ押し戻される。その結果、案内突起3421が案内溝3715の形状に沿って案内され、案内溝3715の所定位置(位置P1、図46参照)に到達する。即ち、図74に示すように、伝達部材3420が第1位置に配置される。
この場合、例えば、図78(b)に示すように、切り替え装置3600が操作位置θ1に対応する回動位置に保持(固定)された状態において、上述した伝達棒3420を第2位置から第1位置に配置する操作が行われると、切り替え装置3600は、係合固定状態から回転可能状態に切り替えられ、軸受部3535に対して回動可能とされるので、切り替え装置付勢ばね3582の付勢力を受けて、図77(a)に示すように、初期位置(規制突起3630が回転軸部3700の段差面3711cに当接される回動位置)へ復帰される。
或いは、例えば、図78(a)に示すように、切り替え装置3600が操作位置θ1に対応する回動位置に保持(固定)された状態であって、操作子3800(回転軸部3700)が操作位置θ1までスライド操作(回動)されている状態において、上述した伝達棒3420を第2位置から第1位置に配置する操作が行われると、切り替え装置3600が、係合固定状態から回転可能状態に切り替えられ、軸受部3535に対して回動可能とされることで、切り替え装置付勢ばね3582の付勢力を受けて、図77(b)に示すように、操作位置θ1(規制突起3630が、操作子3800のスライド操作に伴い回動中の回転軸部3700の段差面3711cに当接される回動位置)へ復帰される。
よって、この状態から、操作子3800(回転軸部3700)が増加方向または減少方向へスライド操作(回動)されると、その回動に対して切り替え装置3600も連動(同期)して回動される。
このように、ハンドル装置3051によれば、操作子3800のスライド操作中(遊技球を発射する遊技中)であっても、操作終点を解除することができ、例えば、操作終点を解除するために、操作子3800を初期位置へ一旦復帰させる必要がない。よって、一旦設定した操作終点の位置を別の位置へ再設定(例えば、微調整)する必要が生じた場合には、操作子3800のスライド操作を維持しつつ(即ち、遊技を継続しつつ)、その再設定動作を迅速に行うことができる。或いは、例えば、右打ちの必要が生じた場合には、操作子3800のスライド操作を維持しつつ、その操作子3800の増加方向へのスライド操作を規制していた操作終点を解除できるので、操作子3800の増加方向へのスライド操作が可能な状態を迅速に形成できる。即ち、遊技球の発射強度を最大とする操作方向への操作子3800のスライド操作動作に迅速に切り替えることができる。
また、切り替え装置3600を、係合固定状態から回転可能状態へ切り替える操作(操作終点を解除する、即ち、切り替え装置3600を初期位置へ復帰させる復帰動作)と、回転可能状態から係合固定状態へ切り替える操作(操作終点を変更(設定)する変更動作)との両者が、操作子3800の押し下げ操作により達成される。即ち、同一の部材を同一の方向へ操作することで達成できる。これにより、変更動作および復帰動作の操作を行いやすくできる。特に、変更動作による状態と復帰動作による状態とは交互に切り替えられるものであるので、これら2つの状態が同一の操作を繰り返すことで切り替え可能となることが操作性の向上に有効となる。また、同一の部材を同一の方向へ操作する構造であることから、変更動作および復帰動作のために必要となる操作子3800の操作方向を一方向のみに限定することができるので、その分、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図79及び図80を参照して、切り替え装置3600を利用して、操作終点の位置を変更(設定)すると共に、その操作終点の位置を基準として操作子3800のスライド操作の位置を調整する(元のスライド操作の位置へ復帰させる)調整方法について説明する。
図79及び図80は、ハンドル装置3051のスライド操作の状態を模式的に図示する模式図であり、各図において、左側の図はハンドル装置3051の正面模式図であり、右側の図は操作子3800のスライド操作の位置と操作終点との関係を模式的に示す模式図である。なお、図79及び図80において、「[第1位置]又は[第2位置]」の表示は、伝達棒3420の位置を意味する。また、「初期位置θ0」は操作子3800のスライド操作の方向における初期位置であり、「最大位置θmax」は操作終点が変更(設定)されていない状態における操作子3800のスライド操作可能な最大位置である。「操作終点」は切り替え装置3600が係合固定状態に設定されることで形成される操作子3800のスライド操作の終点である。
図79(a)及び図79(b)に示すように、伝達棒3420が第1位置にある状態では、切り替え装置3600が回動可能状態にあるため(図74、図15(a)及び図15(c)参照)、操作子3800は、初期位置θ0から最大位置θmaxまでの範囲でスライド操作可能とされる。
この図79(a)及び図79(b)に示す状態において、遊技状態に応じて、操作子3800のスライド操作の位置を調整した結果、図79(b)に示すように、操作子3800を操作位置θ1とすることで、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整できると判断した場合には、図79(b)に示す状態を維持しつつ、遊技者は、図79(c)に示すように、操作子3800の下方への押し下げ操作により、伝達棒3420を第2位置に設定する。これにより、切り替え装置3600が係合固定状態に設定されることで(図75、図15(b)及び図15(d)参照)、操作子3800の操作位置θ1に対応する位置に操作終点が変更(設定)される。
このように、ハンドル装置3051によれば、操作終点を設定できるので、図80(a)に示すように、例えば、休憩を取るために、操作子3800のスライド操作の位置を初期位置θ0へ復帰させ、遊技を中断したとしても、元の回動位置(すなわち、遊技球の発射強度が所望の発射強度に調整された回動位置であって、遊技機を中断する前の操作位置θ1)を「操作終点」として記憶させておくことができる。
よって、操作子3800のスライド操作の位置を元のスライド操作の位置(即ち、遊技を中断する前の操作位置θ1)に調整する場合(図79(b)及び図79(c)の状態を再現する場合)には、遊技者は、図80(b)に示すように、操作子3800を操作終点までスライド操作すれば(即ち、操作子3800のスライド操作が操作終点により規制されて、それ以上のスライド操作ができなくなるまでスライド操作を行えば)、かかる操作子3800のスライド操作の位置を元のスライド操作の位置(操作位置θ1)に迅速かつ容易に調整することができる。
例えば、操作子3800の移動軌跡に沿ってハンドル取付台3500に目盛り線を設けておき、その目盛り線を目標位置として操作子3800をスライド操作する方法も考えられるが、かかる方法の場合と比較して、操作子3800のスライド操作の位置が目標位置(目盛り線)に一致したか否かを、目視により判別しつつ微調整する必要がなく、所望のスライド操作の位置に正確に調整することができる。また、本実施形態によれば、スライド操作ができなくなる位置までスライド操作を行えば良く、目標位置を通り過ぎてしまうことがないため、操作子3800の操作速度を高めることができ、その分、所望のスライド操作の位置に迅速に調整する(元のスライド操作の位置に迅速に復帰させる)ことができる。
なお、操作終点の位置を最大位置θmaxへ復帰させる場合には、上述したように、図80(a)又は図80(b)に示す状態において、操作子3800を下方に押し下げ可能な位置まで押し下げる押し下げ操作を行った後に、かかる押し下げ操作を解除することで、伝達棒3420が第1位置に復帰され、図79(a)に示すように、操作終点の位置を最大位置θmaxに復帰させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態のうちの一の実施形態における一部または全部の構成を、他の実施形態における一部または全部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機10を構成しても良い。
上記各実施形態では、切り替え装置600〜3600の連結孔620及びその連結孔620に挿通される連結軸575,2582が断面台形形状とされることで、その回転方向の位置決めが可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連結孔620及び連結軸575,2582の断面形状は他の形状であっても良い。他の形状として、例えば、不等形状の多角形や、キー及びキー溝が形成された形状などが例示される。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技者によって操作される操作子を備え、その操作子の操作量に応じて遊技球の発射強度が調整される遊技機において、前記操作子が初期位置から操作終点までの区間で操作可能とされると共に、前記操作終点の位置が変更可能とされることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、操作子の操作量を所望の操作量に正確かつ迅速に調整できる。
ここで、操作子の操作量を所望の操作量に調整する方法としては、例えば、操作子の移動軌跡に沿って目盛り線を設ける方法や、操作子の移動軌跡に沿った任意の位置に基準片を固定可能とする方法が考えられる。これらの方法によれば、目盛り線や基準片を目標位置として、操作子を操作する(即ち、目盛り線や基準片に操作子の操作位置を一致させる)ことで、かかる操作子の操作量を所望の操作量に調整しやすくすることができる。
しかし、上述した方法では、操作子の調整の精度が、遊技者の技量に依存する。即ち、操作子の操作位置が目標位置(目盛り線や基準片)に一致しているか否かを目視により判別しつつ、目標位置に対する操作子の操作位置を微調整する必要があるため、正確な調整が困難である。また、例えば、操作子の操作速度を速くすると、目標位置を通り過ぎてしまうおそれがあることから、目標位置の近傍では操作子の操作速度を遅くする必要があり、迅速な調整が困難である。
これに対し、遊技機A1によれば、操作子が初期位置から操作終点までの区間で操作可能とされるところ、その操作終点の位置が変更可能とされるので、所望の操作量(目標位置)に対応する位置に操作終点の位置を変更(設定)しておくことで、遊技者は、操作終点まで操作子を操作すれば(即ち、操作終点により操作が規制されて、それ以上の操作ができなくなる位置まで操作子を操作すれば)、かかる操作子の操作量を所望の操作量に容易に調整することができる。
これにより、例えば、操作子の操作位置が目標位置に一致したか否かを、目視により判別しつつ微調整する必要がなく、所望の操作量に正確に調整することができる。また、目標位置を通り過ぎてしまうこともないため、操作子の操作速度を高めることができ、所望の操作量に迅速に調整することができる。
より具体的には、操作子の操作量を調整した結果、遊技球の発射強度が所望の発射強度となった際に、その状態に対応する位置(所望の発射強度が得られている操作子の操作量に対応する位置)に操作終点の位置を変更(設定)する。これにより、例えば、休憩のために遊技を中断し、操作子が初期位置へ復帰された後であっても、遊技者は、上述したように、操作終点まで操作子を操作するだけで、操作子の操作量を元の操作量(即ち、遊技を中断する前の操作量)に復帰させる(調整する)ことができ、かかる復帰動作を正確かつ迅速に行うことができる。
遊技機A1において、前記操作子が操作されている状態において、その操作子の操作量に対応する位置に前記操作終点の位置を変更する操作終点変更手段を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、操作子が操作されている状態において、その操作子の操作量に対応する位置に操作終点の位置を変更(設定)する操作終点変更手段を備えるので、遊技球の発射強度が所望の発射強度となった場合には、操作子の操作量を維持したままで、操作終点の位置の変更(設定)を行うことできる。これにより、操作終点の位置の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
遊技機A2において、前記操作子は、前記遊技球の発射強度を調整するための操作方向とは異なる第2の方向へ変位可能に形成され、前記操作終点変更手段は、前記操作子が前記第2の方向へ操作されることで、前記操作子の操作量に対応する位置に前記操作終点の位置を変更することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、遊技球の発射強度を調整するための操作方向とは異なる第2の方向へ操作子が変位されることで、操作終点変更手段による操作終点の位置の変更(設定)が行われるので、かかる変更動作を容易に行うことができる。即ち、遊技者は、操作子を操作して、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した後は、その状態から次いで操作子を第2の方向へ操作すれば良く、操作終点変更手段による変更を行うために、例えば、操作子を持ち替える動作や、操作子を操作する手とは逆の手で別の操作手段を操作する動作などを行う必要がない。その結果、操作終点変更手段による操作終点の位置の変更を行うための動作(変更動作)を容易に行うことができる。
遊技機A3において、遊技機本体に配設される取付部材と、その取付部材に対して変位可能に配設されるベース部材とを備え、前記操作子は、前記ベース部材に回動操作可能に配設され、その操作子の回動操作の操作量に応じて遊技球の発射強度が調整されると共に、前記ベース部材が取付部材に対して変位されることにより、前記第2の方向へ変位可能とされることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、取付部材に対して変位可能とされるベース部材に操作子が回動操作可能に配設され、操作子の第2の方向への変位(即ち、操作子の操作量に対応する位置に操作終点の位置を変更(設定)するための操作)は、ベース部材が取付部材に対して変位されることにより行われるので、操作終点の位置を変更(設定)するための操作(第2の方向への変位)を、操作子の回動操作の操作量を維持しつつ(即ち、回動操作の操作量がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、容易に行うことができる。
即ち、遊技者は、操作子の回動操作により、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した後は、その状態から次いで操作子を第2の方向へ変位させる操作を行えば良く、操作終点の変更(設定)を行うために、操作子を持ち替える動作や、操作子を操作する手とは逆の手で別の操作手段を操作する動作を行う必要がない。その結果、操作終点の位置の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
遊技機A4において、前記ベース部材は、前記取付部材に軸支され、その軸支された部分を中心として第1位置およびその第1位置よりも上方となる第2位置の間で変位可能とされると共に、付勢手段から付与される付勢力により第2位置に復帰される方向へ付勢されており、前記操作子の前記第2の方向への変位が、前記ベース部材が前記取付部材に対して前記付勢手段の付勢力に抗して前記第2位置から第1位置へ向かう方向とされることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、第2位置から第1位置へ向けての変位は、ベース部材が取付部材に軸支された部分を中心として行われるので、操作子の第2の方向(遊技球の発射強度を調整するための操作方向とは異なる操作方向)への操作を、例えば、手首を曲げる動作によって、容易に行うことができる。その結果、操作終点の位置を変更(設定)するための操作(第2の方向への変位)を、操作子の回動操作の操作量を維持しつつ(即ち、回動操作の操作量がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、より容易に行うことができる。その結果、操作終点の位置の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
特に、ベース部材には、その変位位置を第2位置へ復帰させる付勢力が付勢手段から付与されているので、操作子を第2の方向へ変位させた(即ち、ベース部材を取付部材に軸支された部分を中心として第1位置へ向かう方向へ変位させた(押し下げた))後は、下方への押し下げ力を抜くことで、付勢手段の付勢力を利用して、第2位置へ復帰させることができる。その結果、遊技者の操作負担の軽減を図ることができる。
一方、操作子を第2の方向へ変位させる(ベース部材を付勢手段の付勢力に抗して変位させる(押し下げる))操作は、操作子を把持する手指や腕の自重を利用して行うことができるので、その操作性の向上を図ることができる。また、操作子は、遊技機本体の比較的低い位置に配設され、遊技者にとって、操作位置が比較的低いため、下方へ向けて変位させる操作の方が力を作用させ易い。よって、この点からも操作性の向上を図ることができる。
遊技機A3において、遊技機本体に配設される取付部材を備え、前記操作子は、前記取付部材に対し、スライド操作可能に配設され、その操作子のスライド操作の操作量に応じて遊技球の発射強度が調整されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、操作子は、取付部材にスライド操作可能に配設されるので、操作子の操作性、即ち、遊技球の発射強度を調整する際の操作性の向上を図ることができる。なお、操作子は、遊技者が手指で把持可能な形状に限られず、他の形状であっても良い。他の形状としては、例えば、遊技者が手の平や手の甲を載置可能な皿状の形状が例示される。
この場合、上述したように、操作子が、遊技球の発射強度を調整するためのスライド操作の操作方向とは異なる第2の方向へ変位されることで、操作終点の位置の変更(設定)が行われるので、かかる設定動作を容易に行うことができる。即ち、遊技者は、操作子をスライド操作の操作方向へ操作して、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した後は、その状態から次いで操作子を第2の方向へ変位させる操作を行えば良く、操作終点の位置の変更(設定)を行うために、操作子を持ち替える動作や、操作子を操作する手とは逆の手で別の操作手段を操作する動作を行う必要がない。よって、操作終点の位置を変更(設定)するための操作(第2の方向への変位)を、操作子のスライド操作の操作量を維持しつつ(即ち、スライド操作の操作量がずれて、発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、容易に行うことができる。その結果、操作終点の位置の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
遊技機A6において、前記操作子は、前記取付部材に軸支され、その軸支された部分を中心として第1位置およびその第1位置よりも上方となる第2位置の間で変位可能とされると共に、付勢手段から付与される付勢力により第2位置に復帰される方向へ付勢されており、前記操作子の前記第2の方向への変位が、前記操作子が前記取付部材に対して前記付勢手段の付勢力に抗して前記第2位置から第1位置へ向かう方向とされることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第2位置から第1位置へ向けての変位は、操作子が取付部材に軸支された部分を中心として行われるので、操作子の第2の方向(遊技球の発射強度を調整するための操作方向とは異なる操作方向)への操作を、例えば、手首を曲げる動作によって、容易に行うことができる。その結果、操作終点の位置を変更(設定)するための操作(第2の方向への変位)を、操作子のスライド操作の操作量を維持しつつ(即ち、スライド操作の操作量がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、より容易に行うことができる。その結果、操作終点の位置の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
特に、操作子には、その変位位置を第2位置へ復帰させる付勢力が付勢手段から付与されているので、操作子を第2の方向へ変位させた(即ち、操作子を取付部材に軸支された部分を中心として第1位置へ向かう方向へ変位させた(押し下げた))後は、下方への押し下げ力を抜くことで、付勢手段の付勢力を利用して、第2位置へ復帰させることができる。その結果、遊技者の操作負担の軽減を図ることができる。
一方、操作子を第2の方向へ変位させる(操作子を付勢手段の付勢力に抗して変位させる(押し下げる))操作は、操作子を把持する手指や腕の自重を利用して行うことができるので、その操作性の向上を図ることができる。また、操作子は、遊技機本体の比較的低い位置に配設され、遊技者にとって、操作位置が比較的低いため、下方へ向けて変位させる操作の方が力を作用させ易い。よって、この点からも操作性の向上を図ることができる。
遊技機A2からA7のいずれかにおいて、遊技者により押し込み操作されるボタン部材を備え、前記操作終点変更手段は、前記ボタン部材が押し込み操作されることで、前記操作子の操作量に対応する位置に前記操作終点の位置を変更することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A2からA7のいずれかの奏する効果に加え、ボタン部材が押し込み操作されることで、操作子の操作量に対応する位置に操作終点の位置を変更する変更動作が操作終点変更手段により行われるので、かかる変更動作を操作子の操作とは別に行うことができる。即ち、かかる変更動作を、操作子の操作量を維持しつつ(即ち、操作子の操作量がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、行うことができる。なお、ボタン部材は、操作子、操作子が配設されるベース部材、或いは、ベース部材が配設される取付部材のいずれに配設されていても良い。操作子に配設される場合には、操作子の操作とボタン部材の操作とを片手だけでより容易に行うことができる。ベース部材または取付部材に配設される場合には、ボタン部材の操作に起因する操作子の操作量への影響を抑制できる。
遊技機A8において、半球状の前カバーを備え、前記操作子が回動操作可能に形成され、前記操作子の前面側に前記前カバーが配設されると共に、前記前カバーの頂部にボタン部材が配設されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、操作子の前面側に半球状の前カバーが配設され、その前カバーの頂部にボタン部材が配設されるので、操作子を手指で把持した状態を維持しつつ、手首を返す動作を利用して、ボタン部材を手のひらで容易に押し込み操作することができる。よって、遊技球の発射強度が所望の発射強度となる操作量に操作子の回動操作の操作量が調整された際には、その操作子の回動操作の操作量を維持しつつ(即ち、回動操作の操作量がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、ボタン部材を押し込み操作できる。その結果、操作終点の位置の変更(設定)を迅速に行うことができると共に正確な位置に行うことができる。
遊技機A9において、前記前カバーは、前記ボタン部材を露出させるために頂部に形成される開口を備えると共に、前記ボタン部材が遊技者により押し込み操作され、前記操作子の操作量に対応する位置に前記操作終点の位置が変更された状態では、前記前カバーの開口の縁部から前記ボタン部材の少なくとも一部が突出されていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、操作子の操作量に対応する位置に操作終点の位置を変更するためにボタン部材を押し込み操作する場合には、かかるボタン部材を、前カバーの開口の縁部を越える位置(前カバー内にボタン部材全体が入り込む位置)まで押し込む必要がない。即ち、ボタン部材を押し込む際に、前カバーの開口の縁部が妨げとなることを抑制して、操作性の向上を図ることができる。
遊技機A9又はA10において、前記前カバーは、前記ボタン部材を露出させるために頂部に形成される開口を備え、前記ボタン部材は、前記操作子の操作量に対応する位置に前記操作終点の位置を変更する第2の押し込み位置から第3の押し込み位置へ更に押し込み可能に形成され、前記ボタン部材が第3の押し込み位置まで押し込まれることで、少なくとも前記操作終点の位置が最大位置へ復帰可能とされると共に、前記第3の押し込み位置では、前記前カバーの開口の縁部よりも前記ボタン部材が前記前カバー内に没入されることを特徴とする遊技機A11。 遊技機A11によれば、遊技機8又は9の奏する効果に加え、ボタン部材を第2の押し込み位置から第3の押し込み位置まで押し込み、操作終点の位置を最大位置へ復帰可能な状態とするためには、かかるボタン部材を、前カバーの開口の縁部を越えて没入される位置(前カバー内にボタン部材全体が入り込む位置)まで押し込む必要がある。よって、ボタン部材を第3の押し込み位置まで押し込む際に、前カバーの開口の縁部を妨げとすることができるので、第2の押し込み位置にあるボタン部材が第3の押し込み位置まで不用意に押し込み操作されることを抑制できる。その結果、不用意なボタン部材の押し込み操作により、操作子の操作量に対応する位置に変更(設定)されていた終点位置が不用意に初期位置へ復帰してしまう(或いは、復帰可能な状態となる)ことを抑制できる。
遊技機A2からA11において、前記操作終点変更手段によって前記操作子の操作量に対応する位置に変更された前記操作終点の位置を最大位置へ復帰させる操作終点復帰手段を備えることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A2からA11のいずれかの奏する効果に加え、操作終点変更手段により操作子の操作量に対応する位置に変更された操作終点の位置を最大位置へ復帰させる操作終点復帰手段を備えるので、かかる操作終点復帰手段を利用して、操作終点の位置を最大位置へ復帰させることができる。即ち、予め定められている最大の発射強度で遊技球を発射可能な操作位置まで操作子を操作可能とできる。
遊技機A12において、前記操作終点復帰手段は、前記操作子が操作されている状態において、前記操作終点の位置の最大位置への復帰が可能とされることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A12の奏する効果に加え、操作終点復帰手段は、操作子が操作されている状態において、操作終点の位置の最大位置への復帰が可能とされるので、操作終点の位置を最大位置へ復帰させるために、所定の操作量に操作されている操作子を初期位置へ一旦復帰させる必要がない。よって、例えば、操作終点の位置を別の位置へ再設定する必要が生じた場合には、その再設定動作を迅速に行うことができる。或いは、例えば、右打ちの必要が生じた場合には、操作終点の位置を解除して(即ち、最大位置へ復帰させ)、遊技球の発射強度を最大とする操作方向への操作子の操作を迅速に行うことができる。
遊技機A13において、前記操作子は、前記遊技球の発射強度を調整するための操作方向とは異なる第3の方向へ変位可能に形成され、前記操作終点復帰手段は、前記操作子が前記第3の方向へ操作されることで、前記操作終点の位置を最大位置へ復帰させることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、遊技球の発射強度を調整するための操作方向とは異なる第2の方向へ操作子が変位されることで、操作終点復帰手段による操作終点の位置の最大位置への復帰が行われるので、遊技を継続しつつ(即ち、遊技球を所望の発射強度で発射させつつ)、かかる復帰動作を容易に行うことができる。即ち、遊技者は、操作子を操作して、遊技球の発射強度を所望の発射強度に調整した状態において、その状態から操作子を第3の方向へ操作すれば良く、操作終点復帰手段による最大位置への復帰を行うために、例えば、操作子を持ち替える動作や、操作子を操作する手とは逆の手で別の操作手段を操作する動作などを行う必要がない。その結果、操作終点復帰手段による操作終点の位置の最大位置への復帰を行うための動作(復帰動作)を、遊技を継続しつつ、容易に行うことができる。
遊技機A14において、前記操作子は、前記遊技球の発射強度を調整するための操作方向とは異なる第2の方向へ変位可能に形成され、前記操作終点変更手段は、前記操作子が前記第2の方向へ操作されることで、前記操作子の操作量に対応する位置に前記操作終点の位置を変更するものであり、前記第2の方向と第3の方向とが同一の方向であることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A14の奏する効果に加え、第2の方向と第3の方向とが同一の方向とされ、操作子の操作量に対応する位置に操作終点の位置を変更する変更動作と、その変更動作により変更された操作終点の位置を最大位置へ復帰させる復帰動作とを同一の操作により行うことができるので、これら変更動作および復帰動作の操作を行いやすくできる。即ち、変更動作による状態と復帰動作による状態とは交互に切り替えられるものであるので、これら2つの状態が同一の操作を繰り返すことで切り替え可能となることが操作性の向上に有効となる。また、第2の方向と第3の方向とが同一の方向とされることで、操作子の操作可能な方向を少なくすることができるので、その分、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機A12又はA13において、遊技者により押し込み操作されるボタン部材を備え、前記操作終点復帰手段は、前記ボタン部材が押し込み操作されることで、前記操作終点の位置を最大位置へ復帰させることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A12又はA13の奏する効果に加え、ボタン部材が押し込み操作されることで、操作終点の位置を最大位置へ復帰させる復帰動作が操作終点復帰手段により行われるので、かかる復帰動作を操作子の操作とは別に行うことができる。即ち、かかる復帰動作を、操作子の操作量を維持しつつ(即ち、操作子の操作量がずれて、遊技球の発射強度が不用意に変化することを抑制しつつ)、行うことができる。
遊技機A16において、前記操作終点変更手段による前記操作終点の位置の変更と、前記操作終点復帰手段による前記操作終点の位置の最大位置への復帰とが、前記ボタン部材の押し込み操作により、交互に実行可能とされることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、遊技機A16の奏する効果に加え、操作終点変更手段による操作終点の位置の変更と、操作終点復帰手段による操作終点の位置の最大位置への復帰とが、ボタン部材の押し込み操作により、交互に実行可能とされるので、これら変更動作および復帰動作の操作を行いやすくできる。即ち、変更動作による状態と復帰動作による状態とは交互に切り替えられるものであるので、これら2つの状態が1のボタン部材を繰り返し操作することで切り替え可能となることが操作性の向上に有効となる。また、このように、1のボタン部材が兼用できることで、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者が識別可能に形成されることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A1からA17のいずれかの奏する効果に加え、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者が識別可能に形成されるので、遊技球の発射強度の調整範囲が規制されていることを知らずに遊技を行うという事態を抑制でき、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
即ち、操作子が初期位置から操作終点までの区間で操作可能とされる場合に、操作終点の位置が変更可能とされる構成においては、操作終点の位置が変更されていることに遊技者が気づかずに遊技を行っていると、遊技球の発射強度の調整範囲が規制されている状態で、即ち、予め定められている最大の発射強度での遊技球の発射ができない状態で遊技を行うこととなり、遊技者が不利益を被る可能性がある。
これに対し、遊技機A18によれば、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者が識別可能に形成されるので、操作終点の位置が最大位置から変更されている(即ち、遊技球の発射強度の調整範囲が規制されている)ことに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
遊技機A18において、遊技者により押し込み操作されるボタン部材を備えると共に、前記ボタン部材が押し込み操作されることで、前記操作終点の位置が最大位置から変更可能とされ、前記操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、前記操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、前記ボタン部材の押し込み位置が異なることを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、遊技機A18の奏する効果に加え、ボタン部材の押し込み操作により、操作終点の位置が最大位置から変更可能とされ、操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、ボタン部材の押し込み位置が異なるので、かかるボタン部材の押し込み位置の差に基づいて、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者に識別させることができる。これにより、操作終点の位置が最大位置から変更されていることに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
この場合、遊技機A19によれば、操作終点の位置を最大位置から変更するために操作される操作部材(ボタン部材)を、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを識別するための識別部材としても兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機A19において、前記ボタン部材の外周面側に配設される壁部と、その壁部に開口形成され前記ボタン部材の外周面の少なくとも一部が視認可能とされる開口とを備え、前記操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、前記操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、前記開口を介して視認される対象の形態が異なることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遊技機A19の奏する効果に加え、操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、開口を介して視認される対象の形態が異なるので、かかる視認される対象の形態の差に基づいて、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者に容易かつ確実に識別させることができる。
即ち、操作終点の位置が最大位置から変更されているかの識別を、ボタン部材の押し込み位置の差に基づいて行う構成では、判断基準が押し込み量の程度の差となるため、2つの状態を明確に区別することが困難である。
これに対し、遊技機A20によれば、開口を介して視認される対象の形態が異なるので、判断基準を2値化することができ、2つの状態を明確に区別することをしやすくできる。これにより、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者に容易かつ確実に識別させることができ、その結果、操作終点の位置が最大位置から変更されていることに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
なお、開口を介して視認される対象の形態が異なるとは、例えば、操作終点の位置が最大位置にある状態と最大位置から変更された状態との2つ状態において、第1に、一方の状態では、開口を介してボタン部材の外周面のみが視認され、他方の状態では、開口を介してボタン部材の外周面以外の部材のみが視認される構成(即ち、開口を介してボタン部材の外周面が視認されるか否かに2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第2に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認されるが、その視認されるボタン部材の外周面の色が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、開口を介して視認されるボタン部材の色(例えば、白色と黒色)により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第3に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認されるが、その視認されるボタン部材の外周面の面積(開口内に占める割合)が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、開口を介して視認されるボタン部材の面積(ボタン部材の外周面が開口内に占める面積)により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第4に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認されるが、その視認されるボタン部材の外周面が開口内で描く形状が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、ボタン部材の外周面が開口内に描く形状により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第5に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認され、視認されるボタン部材の外周面の面積もボタン部材の外周面が描く形状も同一であるが、ボタン部材の外周面の視認される開口内における位置が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、開口内におけるボタン部材の外周面の位置により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
遊技機A18において、前記操作終点の位置が最大位置にある状態では第1の位置に配置されると共に、前記操作終点の位置が最大位置から変更された状態では第2の位置に配置される連動部材を備えることを特徴とする遊技機A21。
遊技機A21によれば、遊技機A18の奏する効果に加え、連動部材は、操作終点の位置が最大位置にある状態では第1の位置に配置されると共に、操作終点の位置が最大位置から変更された状態では第2の位置に配置されるので、かかる連動部材の配置の差に基づいて、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者に容易かつ確実に識別させることができる。その結果、操作終点の位置が最大位置から変更されていることに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
遊技機A21において、前記連動部材は、遊技者により操作可能に形成され、前記第2の位置に配置された連動部材が操作され前記第1の位置に配置されることで、前記操作終点の位置が最大位置へ復帰されることを特徴とする遊技機A22。
遊技機A21又はA22において、前記連動部材は、遊技者により操作可能に形成され、前記第1の位置に配置された連動部材が操作され前記第2の位置に配置されることで、前記操作子の操作量に対応する位置に前記操作終点の位置が変更されることを特徴とする遊技機A23。
遊技機A22によれば、遊技機A21の奏する効果に加え、連動部材が操作可能に形成され、第2の位置に配置された連動部材を操作して第1の位置に配置することで、操作終点の位置を最大位置へ復帰させることができる。即ち、予め定められている最大の発射強度で遊技球を発射可能な操作位置まで操作子を操作可能とできる。また、遊技機A23によれば、遊技機A21又はA22の奏する効果に加え、連動部材が操作可能に形成され、第1の位置に配置された連動部材を操作して第2の位置に配置することで、操作子の操作量に対応する位置に操作終点の位置を変更することができる。
この場合、遊技機A22又は遊技機A23によれば、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを識別するための識別部材(連動部材)を、操作終点の位置を最大位置へ復帰させる或いは操作終点の位置を変更するために操作される操作部材としても兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
また、このように、遊技機A22によれば、操作終点の位置を最大値に復帰させる復帰動作は、操作終点の位置が最大位置から変更された状態を示す第2の位置に配置された連動部材を、操作終点の位置が最大位置にある状態を示す第1の位置へ配置させる操作を行うことで達成されるので、遊技者に対し復帰動作であることを直感的に認識させつつ操作させることができ、その結果、不用意な誤操作を抑制できる。
同様に、遊技機A23によれば、操作子の操作量に対応する位置に操作終点の位置を変更する変更動作は、操作終点の位置が最大位置にある状態を示す第1の位置へ配置された連動部材を、操作終点の位置が最大位置から変更された状態を示す第2の位置に配置させる操作を行うことで達成されるので、遊技者に対し変更動作であることを直感的に認識させつつ操作させることができ、その結果、不用意な誤操作を抑制できる。
遊技機A6又はA7において、前記操作子が前記第2の方向へ変位されることで、前記操作終点変更手段による操作終点の位置の変更が行われると共に、前記操作子のスライド操作を規制可能に形成されることを特徴とする遊技機A24。
遊技機A24によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、操作子が第2の方向へ変位されることで、操作終点変更手段による変更が行われると共に、操作子のスライド操作を規制可能に形成されるので、操作終点変更手段による操作終点の位置の変更(設定)を行う際に、操作子のスライド操作の位置が変化する(位置ずれする)ことの規制も併せて行うことができる。よって、操作子のスライド操作の位置が意図する所定の位置から変化する(位置ずれする)ことを抑制して、操作終点の位置を意図した位置に正確に変更(設定)することができる。
遊技機A6又はA7において、前記操作子は、遊技者が把持可能な棒状に形成されることを特徴とする遊技機A25。
遊技機A25によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、操作子は、遊技者が把持可能な棒状に形成されるので、かかる操作子を保持し易くすることができ、その結果、操作子を所定の方向(例えば、スライド操作の方向、或いは、第2の方向など)へ操作する際の操作性の向上を図ることができる。
遊技機A25において、前記操作子は、前記取付部材に一側がスライド変位可能に支持される本体部と、その本体部の他側から上方へ向けて立設され遊技者に把持される被保持部とを備えることを特徴とする遊技機A26。
遊技機A26によれば、遊技機A25の奏する効果に加え、操作子は、遊技者に把持される被保持部が本体部の他側から上方へ向けて立設されるので、かかる被保持部を、遊技者に自然な姿勢で保持(把持)させることができると共に、スライド操作および第2の方向への操作をそれぞれ操作し易くすることができる。特に、被保持部は本体部の他側から立設されるので、被保持部を把持する際には、手の平の外縁部分を本体部に載置しておくことができ、疲労の低減を図ることができると共に、第2の方向への操作(押し下げる操作)を行う際には、本体部に手の重みを作用させることができ、操作の容易化を図ることができる。
遊技機A6又はA7において、前記操作子は、遊技者が手の一部を載置可能な形状に形成される載置面を備えることを特徴とする遊技機A27。
遊技機A27によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、操作子は、遊技者が手の一部を載置可能な形状に形成される載置面を備えるので、例えば、操作部分を把持することができない遊技者であっても、操作子の載置面を利用して、操作子をスライド操作することができる。即ち、回転ハンドルを回転させることで遊技球の発射強度を調整する従来の遊技機では、操作部分を把持できない遊技者が遊技を行うことは困難であり、本発明のように、操作子をスライド操作可能に形成し、その操作子のスライド操作の操作量に応じて遊技球の発射強度を調整する構造を採用し、かつ、操作子に載置面を形成することで、操作部分を把持できない遊技者にとって、遊技が初めて可能となったものである。
遊技機A6又はA7において、前記操作子は、前記初期位置から操作終点へ向けて下降傾斜される方向へスライド操作されることを特徴とする遊技機A28。
遊技機A28によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、操作子は、初期位置から操作終点へ向けて下降傾斜される方向へスライド操作されるので、かかるスライド操作の操作量を増加させる方向への操作(即ち、遊技球の発射強度を増加させる操作)を、手の重みを利用して、容易に行うことができる。また、操作終点まで操作子をスライド操作して、遊技球の発射強度を一定に維持する際には、手の重みを利用して、操作子を初期位置へ復帰させようとする付勢力に対抗できるので、遊技者の疲労を低減できる。なお、当該構成は、遊技機A27のように、遊技者が操作子の載置面を利用してスライド操作を行う場合(即ち、遊技者が被保持部を把持できない場合)に特に有効となる。
遊技機A6又はA7において、前記操作子は、前記初期位置から操作終点へ向けて上昇傾斜される方向へスライド操作されることを特徴とする遊技機A29。
遊技機A29によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、操作子は、初期位置から操作終点へ向けて上昇傾斜される方向へスライド操作されるので、操作子に例えば買い物袋などをぶら下げて、遊技球の発射強度を一定に維持しようとする行為を排除できる。
即ち、操作子をスライド操作可能に形成し、その操作子のスライド操作の操作量に応じて遊技球の発射強度を調整する構造では、スライド操作の方向が水平あるいは下降傾斜されていると、操作子に例えば買い物袋などをぶら下げることで、遊技者が操作子から手を離していても、買い物袋の重みを利用して、操作子を操作終点に維持することが可能となり、公平な遊技が妨げられる。
これに対し、遊技機A29によれば、操作子のスライド操作の方向が上昇傾斜されているので、操作子に例えば買い物袋をぶら下げた場合には、遊技者が操作子を手で保持していない限り、買い物袋の重みによって、操作子を初期位置へ復帰させることができる。その結果、遊技者が手を離した状態で操作子が操作終点に維持されることを抑制し、公平な遊技を確保できる。
遊技機A1からA29のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA29のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA29のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
<手段>
技術的思想1記載の遊技機は、遊技者によって操作される操作子を備え、その操作子の操作量に応じて遊技球の発射強度が調整されるものであり、前記操作子が初期位置から操作終点までの区間で操作可能とされると共に、前記操作終点の位置が変更可能とされると共に、前記操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者が識別可能に形成される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、遊技者により押し込み操作されるボタン部材を備えると共に、前記ボタン部材が押し込み操作されることで、前記操作終点の位置が最大位置から変更可能とされ、前記操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、前記操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、前記ボタン部材の押し込み位置が異なる。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記ボタン部材の外周面側に配設される壁部と、その壁部に開口形成され前記ボタン部材の外周面の少なくとも一部が視認可能とされる開口とを備え、前記操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、前記操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、前記開口を介して視認される対象の形態が異なる。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、操作子の操作量を元の操作量に調整しやすくできる。
ここで、操作子の操作量を所望の操作量に調整する方法としては、例えば、操作子の移動軌跡に沿って目盛り線を設ける方法や、操作子の移動軌跡に沿った任意の位置に基準片を固定可能とする方法が考えられる。これらの方法によれば、目盛り線や基準片を目標位置として、操作子を操作する(即ち、目盛り線や基準片に操作子の操作位置を一致させる)ことで、かかる操作子の操作量を所望の操作量に調整しやすくすることができる。
しかし、上述した方法では、操作子の調整の精度が、遊技者の技量に依存する。即ち、操作子の操作位置が目標位置(目盛り線や基準片)に一致しているか否かを目視により判別しつつ、目標位置に対する操作子の操作位置を微調整する必要があるため、正確な調整が困難である。また、例えば、操作子の操作速度を速くすると、目標位置を通り過ぎてしまうおそれがあることから、目標位置の近傍では操作子の操作速度を遅くする必要があり、迅速な調整が困難である。
これに対し、技術的思想1によれば、操作子が初期位置から操作終点までの区間で操作可能とされるところ、その操作終点の位置が変更可能とされるので、所望の操作量(目標位置)に対応する位置に操作終点の位置を変更(設定)しておくことで、遊技者は、操作終点まで操作子を操作すれば(即ち、操作終点により操作が規制されて、それ以上の操作ができなくなる位置まで操作子を操作すれば)、かかる操作子の操作量を所望の操作量に容易に調整することができる。
これにより、例えば、操作子の操作位置が目標位置に一致したか否かを、目視により判別しつつ微調整する必要がなく、所望の操作量に正確に調整することができる。また、目標位置を通り過ぎてしまうこともないため、操作子の操作速度を高めることができ、所望の操作量に迅速に調整することができる。
より具体的には、操作子の操作量を調整した結果、遊技球の発射強度が所望の発射強度となった際に、その状態に対応する位置(所望の発射強度が得られている操作子の操作量に対応する位置)に操作終点の位置を変更(設定)する。これにより、例えば、休憩のために遊技を中断し、操作子が初期位置へ復帰された後であっても、遊技者は、上述したように、操作終点まで操作子を操作するだけで、操作子の操作量を元の操作量(即ち、遊技を中断する前の操作量)に復帰させる(調整する)ことができ、かかる復帰動作を正確かつ迅速に行うことができる。
更に、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者が識別可能に形成されるので、遊技球の発射強度の調整範囲が規制されていることを知らずに遊技を行うという事態を抑制でき、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
即ち、操作子が初期位置から操作終点までの区間で操作可能とされる場合に、操作終点の位置が変更可能とされる構成においては、操作終点の位置が変更されていることに遊技者が気づかずに遊技を行っていると、遊技球の発射強度の調整範囲が規制されている状態で、即ち、予め定められている最大の発射強度での遊技球の発射ができない状態で遊技を行うこととなり、遊技者が不利益を被る可能性がある。
これに対し、技術的思想1によれば、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者が識別可能に形成されるので、操作終点の位置が最大位置から変更されている(即ち、遊技球の発射強度の調整範囲が規制されている)ことに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、ボタン部材の押し込み操作により、操作終点の位置が最大位置から変更可能とされ、操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、ボタン部材の押し込み位置が異なるので、かかるボタン部材の押し込み位置の差に基づいて、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者に識別させることができる。これにより、操作終点の位置が最大位置から変更されていることに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
この場合、技術的思想2によれば、操作終点の位置を最大位置から変更するために操作される操作部材(ボタン部材)を、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを識別するための識別部材としても兼用するので、その分、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、操作終点の位置が最大位置から変更された状態では、操作終点の位置が最大位置にある状態と比較して、開口を介して視認される対象の形態が異なるので、かかる視認される対象の形態の差に基づいて、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者に容易かつ確実に識別させることができる。
即ち、操作終点の位置が最大位置から変更されているかの識別を、ボタン部材の押し込み位置の差に基づいて行う構成では、判断基準が押し込み量の程度の差となるため、2つの状態を明確に区別することが困難である。
これに対し、技術的思想3によれば、開口を介して視認される対象の形態が異なるので、判断基準を2値化することができ、2つの状態を明確に区別することをしやすくできる。これにより、操作終点の位置が最大位置から変更されているかを遊技者に容易かつ確実に識別させることができ、その結果、操作終点の位置が最大位置から変更されていることに気づかずに遊技者が遊技を行うことを抑制して、遊技者が不利益を被る状態を発生し難くできる。
なお、開口を介して視認される対象の形態が異なるとは、例えば、操作終点の位置が最大位置にある状態と最大位置から変更された状態との2つ状態において、第1に、一方の状態では、開口を介してボタン部材の外周面のみが視認され、他方の状態では、開口を介してボタン部材の外周面以外の部材のみが視認される構成(即ち、開口を介してボタン部材の外周面が視認されるか否かに2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第2に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認されるが、その視認されるボタン部材の外周面の色が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、開口を介して視認されるボタン部材の色(例えば、白色と黒色)により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第3に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認されるが、その視認されるボタン部材の外周面の面積(開口内に占める割合)が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、開口を介して視認されるボタン部材の面積(ボタン部材の外周面が開口内に占める面積)により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第4に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認されるが、その視認されるボタン部材の外周面が開口内で描く形状が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、ボタン部材の外周面が開口内に描く形状により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。
第5に、一方の状態および他方の状態では、共にボタン部材の外周面が視認され、視認されるボタン部材の外周面の面積もボタン部材の外周面が描く形状も同一であるが、ボタン部材の外周面の視認される開口内における位置が一方の状態と他方の状態とで異なる構成(即ち、開口内におけるボタン部材の外周面の位置により2値化され、それら2値に基づいて区別する構成)が例示される。