<実施の形態1>
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる電源装置1を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる電源装置1は、複数のアンテナ11_1〜11_n、複数のAC/DC変換部12_1〜12_n、複数の集約部13_1〜13_i、及び電源部15を備える。各々のアンテナ11_1〜11_nと各々のAC/DC変換部12_1〜12_nは各々の電力源10を構成している。つまり、図1では、n個の電力源10を備える場合を示している。電源装置1の出力Voutは、負荷回路18に供給される。
アンテナ11_1〜11_nは、所定の周波数帯域の電波を受信し、受信した信号(つまり、交流信号)をAC/DC変換部12_1〜12_nに出力する。アンテナ11_1〜11_nは、電源装置1が置かれている環境において多く用いられている周波数帯域(つまりエネルギーの高い周波数帯域)の電波を受信することができるように構成されている。例えば、アンテナ11_1〜11_nは、携帯電話の周波数帯域の電波、無線LANの周波数帯域の電波、地上デジタル放送の周波数帯域の電波を受信することができるように構成されている。
アンテナ11_1〜11_nは、単一の周波数帯域の電波を受信するように構成してもよく、また複数の周波数帯域の電波を受信するように構成してもよい。複数の周波数帯域の電波を受信するように構成する場合は、例えば1つの集約部13_1に対応する複数のアンテナ11_1〜11_mが、複数の周波数帯域の電波を受信するように構成してもよい。換言すると、1つの集約部13_1に複数の周波数帯域の電波に基づく信号が供給されるようにしてもよい。
また、例えば1つの集約部13_1に対応するアンテナ11_1〜11_mが、単一の周波数帯域の電波を受信するように構成し、他の集約部13_2に対応する複数のアンテナが、単一の周波数帯域(アンテナ11_1〜11_mとは異なる周波数帯域)の電波を受信するように構成してもよい。
なお、図1において、mは集約部13_1に対応するアンテナ数を示しており、nは電源装置1が備えるアンテナの総数を示している。各々の集約部13_1〜13_iに対応するアンテナの数は同一でもよく、また異なっていてもよい。以下では説明を簡単にするために、各々の集約部13_1〜13_iに対応するアンテナの数が同一(m個)である場合について説明する。つまり、この場合は、アンテナの総数n=m×iとなる(iは集約部13_1〜13_iの数である)。
AC/DC変換部12_1〜12_nは、アンテナ11_1〜11_nと対応するように設けられており、アンテナ11_1〜11_nで受信した交流信号を直流信号に変換し、変換後の直流信号21_1〜21_nを集約部13_1〜13_iに出力する。
複数の集約部13_1〜13_iは、複数の電力源10(AC/DC変換部12_1〜12_n)から供給された複数の直流信号21_1〜21_nを入力し、当該入力した複数の直流信号21_1〜21_nを選択的に集約する。各々の集約部13_1〜13_iは、集約回路14_1〜14_i(第1の集約回路)を備えている。集約回路14_1は、AC/DC変換部12_1〜12_mと対応するように設けられたスイッチSWa_1〜SWa_mを備える。各々のスイッチSWa_1〜SWa_mは、各々のAC/DC変換部12_1〜12_mと集約部13_1の出力ノード22_1との接続を切り替え可能に構成されている。
つまり、スイッチSWa_1の一端はAC/DC変換部12_1の出力側と接続されており、スイッチSWa_1の他端は集約部13_1の出力ノード22_1と接続されている。スイッチSWa_1がオン状態である場合、AC/DC変換部12_1の出力側と集約部13_1の出力ノード22_1とが接続され、出力ノード22_1に直流信号21_1が供給される。一方、スイッチSWa_1がオフ状態である場合、AC/DC変換部12_1の出力側と集約部13_1の出力ノード22_1とが切り離される。この場合、集約部13_1の出力ノード22_1に直流信号21_1は供給されない。他のスイッチSWa_2〜SWa_mについてもスイッチSWa_1と同様である。
例えば、集約回路14_1は、AC/DC変換部12_1から供給された直流信号21_1の電圧が所定の閾値以上である場合、スイッチSWa_1をオン状態として、AC/DC変換部12_1の出力側と集約部13_1の出力ノード22_1とを接続し、出力ノード22_1に直流信号21_1が供給されるようにする。一方、集約回路14_1は、AC/DC変換部12_1から供給された直流信号21_1の電圧が所定の閾値よりも小さい場合、スイッチSWa_1をオフ状態として、AC/DC変換部12_1の出力側と集約部13_1の出力ノード22_1とを切り離す。
集約回路14_1は、このようにスイッチSWa_1〜SWa_mを制御することで、AC/DC変換部12_1〜12_mから供給された複数の直流信号21_1〜21_mを選択的に集約して、集約後の直流信号を出力ノード22_1に出力することができる。換言すると、集約回路14_1は、所定の閾値以上の電圧を備えた直流信号21_1〜21_mのみを出力ノード22_1に出力することができる。
例えば、全てのAC/DC変換部12_1〜12_mの出力側を出力ノード22_1に接続した場合は、強い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部と、弱い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部とが出力ノード22_1において接続される。言い換えると、強い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部の高い出力電圧信号と、弱い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部の低い出力電圧信号が、出力ノード22で接続される。
このとき、一般的に、AC/DC変換部にはAC/DC変換部の出力電圧に比例した接地電位へのリーク電流が流れる。そのため、弱い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部の出力を高い電圧に接続すると、アンテナから得られる電力よりも大きなリーク電流がAC/DC変換部に流れ、結果として電力を損失する。
よって、それぞれのAC/DC変換部から出力される電力の総和が得られることが理想であるが、実際は上記のリーク電流の問題により、強い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部単体から得られる電力よりも小さい電力しか得ることができない。
一方で、システム全体の使い勝手を考慮すると、弱い電波でも高い変換効率で動作するAC/DC変換部を用いることが好ましい。しかしながら、弱い電波でも高い変換効率で動作するAC/DC変換部ほど、AC/DC変換部を構成する素子のしきい値が低くなり、リーク電流も多くなる。このため、微弱な電波の回収を目的とするAC/DC変換部ほど上記のリーク電流の問題が深刻になる。
具体的には、例えば、アンテナ11_1で受信した電波が強く、アンテナ11_2で受信した電波が弱い場合(または電波を受信していない場合)は、AC/DC変換部12_1から出力される直流信号21_1の電圧は大きく、AC/DC変換部12_2から出力される直流信号21_2の電圧は小さい(もしくはゼロとなる)。このとき、AC/DC変換部12_1とAC/DC変換部12_2とが出力ノード22_1と接続されていると、AC/DC変換部12_1からAC/DC変換部12_2にリーク電流が流れ、出力ノード22_1から得られる電力が低下する。
そこで本実施の形態では、アンテナ11_1〜11_mのうち、受信した電波が弱いアンテナ11_1〜11_mに対応したAC/DC変換部12_1〜12_mを出力ノード22_1から切り離すようにしている。したがって、出力ノード22_1から得られる電力が低下することを抑制することができる。
他の集約部13_2〜13_i(集約回路14_2〜14_i)の構成についても、集約部13_1(集約回路14_1)と同様である。
電源部15は、集約回路16(第2の集約回路)と電圧変換回路17(第1の電圧変換回路)とを備える。集約回路16は、各々の集約部13_1〜13_iの出力ノード22_1〜22_iから出力された直流信号(以下、直流信号22_1〜22_iとも記載する)を入力し、当該入力した複数の直流信号22_1〜22_iを選択的に集約する。集約回路16は、出力ノード22_1〜22_iと対応するように設けられたスイッチSWb_1〜SWb_iを備える。各々のスイッチSWb_1〜SWb_iは、各々の出力ノード22_1〜22_iと集約回路16の出力ノード23との接続を切り替え可能に構成されている。なお、集約回路16の構成は、上記で説明した集約部13_1が備える集約回路14_1と基本的に同様である。
例えば、集約回路16は、集約部13_1から供給された直流信号22_1の電圧が所定の閾値以上である場合、スイッチSWb_1をオン状態として、出力ノード23に直流信号22_1が供給されるようにする。一方、集約回路16は、集約部13_1から供給された直流信号22_1の電圧が所定の閾値よりも小さい場合、スイッチSWb_1をオフ状態として、出力ノード23に直流信号22_1が供給されないようにする。なお、集約回路16に供給される直流信号22_1〜22_iは、集約回路14_1〜14_iで集約された後の直流信号である。よって、集約回路16のスイッチのオン・オフの判断基準となる所定の閾値は、集約回路14_1〜14_iのスイッチのオン・オフの判断基準となる所定の閾値よりも高い値となる。
集約回路16は、このようにスイッチSWb_1〜SWb_mを制御することで、集約部13_1〜13_iから供給された直流信号22_1〜22_iを選択的に集約して、集約後の直流信号を出力ノード23に出力することができる。換言すると、集約回路16は、所定の閾値以上の電圧を備えた直流信号22_1〜22_iのみを出力ノード23に出力することができる。
例えば、集約部13_1から供給された直流信号22_1が10個のアンテナで受信した電波が集約された信号であり、集約部13_2から供給された直流信号22_2が2個のアンテナで受信した電波が集約された信号である場合、直流信号22_1の電圧は直流信号22_2の電圧よりも大幅に大きくなる。このとき、集約部13_1と集約部13_2とが出力ノード23と接続されていると、集約部13_1から集約部13_2にリーク電流が流れ、出力ノード23から得られる電力が低下する。
そこで本実施の形態では、集約部13_1〜13_iから供給された直流信号22_1〜22_iのうち、電圧が低い直流信号を出力ノード23から切り離すことで、出力ノード23から得られる電力が低下することを抑制している。
電圧変換回路17は、集約回路16で集約された直流信号(出力ノード23の直流信号であり、以下、直流信号23とも記載する)の電圧を変換する。例えば、電圧変換回路17は、直流信号23を所定の電圧に昇圧し、昇圧後の出力電圧Voutを負荷回路18に出力する。
図2は、本実施の形態にかかる電源装置1の構成例を示す上面図である。図2では、基板20上に16個のアンテナと16個のAC/DC変換部と4個の集約部13_1〜13_4とを備える電源装置1を例として示している。
集約部13_1は、4個の電力源(アンテナ及びAC/DC変換部)から出力された直流信号を集約し、集約後の直流信号22_1を配線27_1を介して電源部15の集約回路16に出力している。集約部13_2は、4個の電力源から出力された直流信号を集約し、集約後の直流信号22_2を配線27_2を介して電源部15の集約回路16に出力している。集約部13_3は、4個の電力源から出力された直流信号を集約し、集約後の直流信号22_3を配線27_3を介して電源部15の集約回路16に出力している。集約部13_4は、4個の電力源から出力された直流信号を集約し、集約後の直流信号22_4を配線27_4を介して電源部15の集約回路16に出力している。
このように、本実施の形態にかかる電源装置1では、所定数の電力源から出力された直流信号を集約部13_1〜13_4で集約し、集約後の直流信号22_1〜22_4を電源部15に供給している。よって、電源装置における配線長が長くなることを抑制することができる。
図3は、比較例にかかる電源装置101を示すブロック図である。図3に示すように、比較例にかかる電源装置101は、複数のアンテナ111_1〜111_n、複数のAC/DC変換部112_1〜112_n、及び電源部115を備える。アンテナ111_1〜111_nおよびAC/DC変換部112_1〜112_nのそれぞれは電力源110を構成している。電源装置101の出力Voutは、負荷回路118に供給される。電源部115は、集約回路116と電圧変換回路117とを備える。
図3に示す比較例にかかる電源装置101では、図1に示した電源装置1と比べて集約部13_1〜13_iを備えていない点が異なる。これ以外は、図1に示した電源装置1と同様であるので、重複した説明は省略する。なお、図3に示す比較例にかかる電源装置101では、図1に示した電源装置1と対応する構成要素に100番台の符号を付している。
図4は、比較例にかかる電源装置101を示す上面図である。図4では、基板120上に16個のアンテナと16個のAC/DC変換部とを備える電源装置101を例として示している。比較例にかかる電源装置101では、各々の電力源(アンテナ及びAC/DC変換部)から出力された直流信号は、配線127_1〜127_16を介して電源部115の集約回路116に直接出力されている。このように、比較例にかかる電源装置101では、各々のAC/DC変換部と電源部115の集約回路116とを配線127_1〜127_16を用いて直接接続する必要があるため、配線の長さが長くなる。
つまり、複数のAC/DC変換部と電源部115の集約回路116とを配線127_1〜127_16を用いて接続すると、各々の電力源と電源部とを接続する配線が電源装置全体に配置されることになり、電源装置における配線長が長くなる。このように電源装置における配線長が長くなればなるほど、配線自体がアンテナとして働く可能性が高くなり、各々の電力源が備えるアンテナの特性に影響を及ぼす。これにより、アンテナ特性が劣化し、各々のアンテナから得られる電力が減少し、結果として電源装置全体として得られる電力が減少してしまうという問題があった。
そこで本実施の形態にかかる電源装置1では、所定の数(図2の場合は16個)の電力源から出力された直流信号を集約部13_1〜13_4で集約し、集約後の直流信号22_1〜22_4を電源部15に供給している。よって、電源装置における配線長が長くなることを抑制することができるので、電源装置全体として得られる電力が減少することを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、各々の集約部13_1〜13_4および電源部15は半導体チップを用いて構成してもよい。例えば、図2に示すように、複数の電力源(アンテナ及びAC/DC変換部)、複数の集約チップ(集約部)13_1〜13_4、及び電源チップ(電源部)15を基板上に配置してもよい。
次に、本実施の形態にかかる電源装置1の効果について具体例を用いて説明する。
例えば、図3に示す構成(比較例)において、アンテナの総数をn、AC/DC変換部112_1〜112_nと電源部115との配線距離(配線距離の平均値)をL1とすると、図3に示す構成における総配線長はn×L1となる。
一方、図1に示す構成(実施の形態)において、アンテナの総数をn、1個の集約部13_1〜13_iに接続されるアンテナ数をm、集約部13_1〜13_iと電源部15との間の配線距離(配線距離の平均値)をL1、AC/DC変換部12_1〜12_nと集約部13_1〜13_iとの配線距離(配線距離の平均値)をL2とする。図1に示す構成では、AC/DC変換部12_1〜12_nの近くに集約部13_1〜13_iを配置している。ここで、集約部13_1〜13_iが配置される位置は、基板上の任意の位置であることを前提としているため、図3に示す構成(比較例)のL1と図1に示す構成(実施の形態)のL1は同程度の配線長となると想定される。
よって、図1に示す構成では、AC/DC変換部12_1〜12_nと集約部13_1〜13_iとの間の総配線長はn×L2、集約部13_1〜13_iと電源部15との間の総配線長は(n/m)×L1となる(ここで、n/m=iである)。したがって、図1に示す構成では、総配線長は、n×L2+(n/m)×L1となる。
次に、基板20、120のサイズを50cm角とした場合を例として説明する。図3に示す構成(比較例)では、n=16、L1=25cm(全てのアンテナの配線の平均配線長)となり、総配線長は、400cmとなる。
一方、図1に示す構成(実施の形態)の場合は、n=16、L1=25cm、m=4、L2=2cmとなり、AC/DC変換部12_1〜12_16と集約部13_1〜13_4との間の総配線長は28cm、集約部13_1〜13_4と電源部15との間の総配線長は100cmとなる。したがって、図1に示す構成では、総配線長は、128cmとなる。
よって、図1に示す構成(実施の形態)の場合は、図3に示す構成(比較例)の場合と比べて、総配線長を68%削減することができる。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2にかかる電源装置2を示すブロック図である。本実施の形態では、実施の形態1で説明した電源装置のより具体的な構成例を示している。なお、図5に示す電源装置2において、図1に示した実施の形態1にかかる電源装置1と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略している。
図5に示すように、本実施の形態にかかる電源装置2は、複数のアンテナ11_1〜11_n、複数のAC/DC変換部12_1〜12_n、複数の集約部31_1〜31_i、及び電源部35を備える。アンテナ11_1〜11_nについては、実施の形態1で説明した場合と同一である。
図6は、AC/DC変換部12の一例を示す回路図である(なお、以下ではAC/DC変換部12_1〜12_nを総称してAC/DC変換部12と記載する。他の構成要素についても同様である)。図6に示すように、AC/DC変換部12は、キャパシタC1、インダクタL1、L2、ダイオードD1を備える。キャパシタC1の一端はアンテナ11に接続されており、他端はインダクタL1の一端およびインダクタL2の一端に接続されている。インダクタL1の他端は接地電位に接続されている。インダクタL2の他端はダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードは集約回路32と接続されている。つまり、ダイオードD1のカソードから直流信号21が出力される。このように、AC/DC変換部12は、T型整合回路と半波整流回路で構成され、入力された交流信号を直流信号に変換する。
なお、図6に示したAC/DC変換部12は一例であり、本実施の形態ではAC/DC変換部12はこれ以外の構成であってもよい。
図5に示す集約部31_1〜31_iは、集約回路32_1〜32_i、電圧変換回路33_1〜33_i(第2の電圧変換回路)、制御回路34_1〜34_i(第1の制御回路)を備える。集約回路32_1〜32_iは、AC/DC変換部12_1〜12_nから供給された直流信号21_1〜21_nを入力し、当該入力した直流信号21_1〜21_nを選択的に集約する。集約回路32_1〜32_iは、図1に示した集約回路14_1〜14_iと同様の構成である。各々の電圧変換回路33_1〜33_iは、各々の集約回路32_1〜32_iで集約された直流信号22_1〜22_iを電圧変換する。各々の制御回路34_1〜34_iは、各々の集約回路32_1〜32_iを制御する。各々の制御回路34_1〜34_iには、各々の電圧変換回路33_1〜33_iから電源が供給される。
図7は、本実施の形態にかかる電源装置2が備える集約部31_1の一例を示す回路図である。図7に示すように、集約回路32_1は、スイッチSWa_1〜SWa_mを備える。各々のスイッチSWa_1〜SWa_mは、各々のAC/DC変換部12_1〜12_mと出力ノード22_1との接続を切り替え可能に構成されている。スイッチSWa_1〜SWa_mは、制御回路34_1から出力された制御信号CTRa_1〜CTRa_mを用いて制御される。
例えば、制御回路34_1は、AC/DC変換部12_1から供給された直流信号21_1の電圧が所定の閾値以上である場合、スイッチSWa_1をオン状態として、直流信号21_1を出力ノード22_1に出力する。一方、制御回路34_1は、AC/DC変換部12_1から供給された直流信号21_1の電圧が所定の閾値よりも小さい場合、スイッチSWa_1をオフ状態として、AC/DC変換部12_1の出力側と出力ノード22_1とを切り離す。他のスイッチSWa_2〜SWa_mについても同様である。
電圧変換回路33_1は、集約回路32_1〜32_iで集約された直流信号22_1を所定の電圧に変換する。図7に示す例では、電圧変換回路33_1をスイッチトキャパシタで構成した場合を示している。
図7に示すように、電圧変換回路33_1は、スイッチSW11〜SW13、キャパシタC11、C12、及び発振回路OSC11を備える。スイッチSW11は、出力ノード22_1とキャパシタC11の一端との接続・非接続を切り替える。キャパシタC11の他端は接地電位に接続されている。スイッチSW12は、キャパシタC11の一端とスイッチSW13との接続(“0”)、及びキャパシタC11の一端とキャパシタC12の一端との接続(“1”)を切り替える。スイッチSW13は、スイッチSW12とキャパシタC12の他端との接続(“0”)、及びキャパシタC12の他端と接地電位との接続(“1”)を切り替える。発振回路OSC11は、各々のスイッチSW11〜SW13に制御用のクロック信号を供給する。
発振回路OSC11から出力されたクロック信号がハイレベル(“1”)になると、スイッチSW11がオン状態(接続状態)となる。また、スイッチSW12によってキャパシタC11の一端とキャパシタC12の一端とが接続され、また、スイッチSW13によってキャパシタC12の他端が接地電位に接続される。よって、キャパシタC11とキャパシタC12とが並列に接続された状態となり、キャパシタC11とキャパシタC12が直流信号22_1によって充電される。
その後、発振回路OSC11から出力されたクロック信号がロウレベル(“0”)になると、スイッチSW11がオフ状態(非接続状態)となる。また、スイッチSW12とスイッチSW13によって、キャパシタC11の一端とキャパシタC12の他端とが接続される。よって、キャパシタC11とキャパシタC12とが直列に接続された状態となり、電圧変換回路33_1の出力ノードC_outから昇圧された電圧が出力される。電圧変換回路33_1は、このような動作を繰り返すことで、直流信号22_1を所定の電圧に変換する。電圧変換回路33_1の出力(所定の電源電圧)は、制御回路34_1に供給される。
図5に示す電源部35は、集約回路36、電圧変換回路37(第1の電圧変換回路)、及び制御回路38(第2の制御回路)を備える。集約回路36は、各々の集約部31_1〜31_iから出力された直流信号22_1〜22_iを入力し、当該入力した直流信号22_1〜22_iを選択的に集約する。集約回路36は、図1に示した集約回路16と同様の構成である。電圧変換回路37は、集約回路36で集約された直流信号23の電圧を変換する。制御回路38は集約回路36を制御する。制御回路38には、電圧変換回路38から電源が供給される。
図8は、本実施の形態にかかる電源装置2が備える電源部35の一例を示す回路図である。図8に示すように、集約回路36は、スイッチSWb_1〜SWb_iを備える。各々のスイッチSWb_1〜SWb_iは、各々の集約部31_1〜31_iの出力ノード22_1〜22_iと集約回路36の出力ノード23との接続を切り替え可能に構成されている。スイッチSWb_1〜SWb_iは、制御回路38から出力された制御信号CTRb_1〜CTRb_iを用いて制御される。
例えば、制御回路38は、集約部13_1から供給された直流信号22_1の電圧が所定の閾値以上である場合、スイッチSWb_1をオン状態として、出力ノード23に直流信号22_1が供給されるようにする。一方、制御回路38は、集約部13_1から供給された直流信号22_1の電圧が所定の閾値よりも小さい場合、スイッチSWb_1をオフ状態として、出力ノード23に直流信号22_1が供給されないようにする。他のスイッチSWb_2〜SWb_iについても同様である。
電圧変換回路37は、集約回路36で集約された直流信号23を所定の電圧に変換する。図8に示す例では、電圧変換回路37をバックコンバータで構成した場合を示している。
図8に示すように、電圧変換回路37は、インダクタL11、スイッチSW14、発振回路OSC12、及び制御回路41を備える。インダクタL11の一端には集約回路36から出力された直流信号23が供給される。インダクタL11の他端はスイッチSW14と接続されている。スイッチSW14は、インダクタL11の他端を接地電位または出力ノードVoutに接続する。
発振回路OSC12は制御回路41にクロック信号を供給する。制御回路41は、発振回路OSC12から供給されたクロック信号を用いて、スイッチSW14を制御するための制御信号CTR_swを生成する。例えば、制御回路41は、制御信号CTR_swのパルス幅やタイミングを調整して、スイッチSW14がインダクタL11の他端を接地電位に接続するタイミングと、スイッチSW14がインダクタL11の他端を出力ノードVoutに接続するタイミングを制御する。
制御信号CTR_swがハイレベルの場合、スイッチSW14はインダクタL11の他端を接地電位に接続する。このとき、インダクタL11には直流信号23が供給されているので、インダクタL11には電流が流れる。これによりインダクタL11にはエネルギーが蓄えられる。その後、制御信号CTR_swがロウレベルになると、スイッチSW14はインダクタL11の他端を出力ノードVoutに接続する。これにより、インダクタL11に蓄えられたエネルギーが、出力ノードVoutに出力される。出力電圧Voutは、制御信号CTR_swのパルス幅(デューティー比)に応じて決定される。ここで制御信号CTR_swのパルス幅(デューティー比)は、ハイレベルの時間/(ハイレベルの時間+ロウレベルの時間)を計算することで求めることができる。電圧変換回路37の出力電圧Voutは、制御信号CTR_swのパルス幅(デューティー比)が大きいほど高くなる。電圧変換回路37の出力Voutは、制御回路38に供給される。
なお、上記では、集約部31_1〜31_iが備える電圧変換回路33_1〜33_iをスイッチトキャパシタで構成し、電源部35が備える電圧変換回路37をバックコンバータで構成した場合を一例として示したが、電圧変換回路33_1〜33_iおよび電圧変換回路37を構成する回路はこれらに限定されることはない。
また、本実施の形態では、各々の集約部31_1〜31_iが備える電圧変換回路33_1〜33_iの自己消費電力が、電源部35が備える電圧変換回路37の自己消費電力よりも低くなるように構成してもよい。また、電源部35が備える電圧変換回路37の変換効率が、各々の集約部31_1〜31_iが備える電圧変換回路33_1〜33_iの変換効率よりも高くなるように構成してもよい。
本実施の形態にかかる電源装置2において、各々の集約部31_1〜31_iが備える電圧変換回路33_1〜33_iは、制御回路34_1〜34_i(負荷が小さい)に電源を供給している。一方、電源部35が備える電圧変換回路37は、負荷回路18(負荷が大きい)に電源を供給している。よって、電圧変換回路33_1〜33_iに搭載される発振回路OSC11は、電圧変換回路37に搭載される発振回路OSC12と比べて低速にすることができる。このため、電圧変換回路33_1〜33_iの自己消費電力は、電圧変換回路37の自己消費電力よりも小さくすることができる。
また、電圧変換回路37では、変換効率を向上させるために、発振回路OSC12の出力パルス(クロック信号)のパルス幅やタイミングを細かく調整しているため、その分、消費電力が高くなる。つまり、変換効率を向上させるためには、PFM制御、PWM制御、ゼロ電流制御など複雑なタイミング制御が必要となる。一方、各々の集約部31_1〜31_iが備える電圧変換回路33_1〜33_iはシンプルなクロック信号を用いているので、自己消費電力は低いが、変換効率は電圧変換回路37よりも低くなる。
本実施の形態にかかる電源装置2においても、所定の数の電力源から出力された直流信号を集約部31_1〜31_iで集約し、集約後の直流信号22_1〜22_iを電源部35に供給している。よって、電源装置における配線長が長くなることを抑制することができるので、電源装置全体として得られる電力が減少することを抑制することができる。
また、集約部31_1〜31_iに電力を供給する際、電源部35が備える電圧変換回路37から集約部31_1〜31_iに電力を供給する構成も考えられる。しかし、電源部35が備える電圧変換回路37から集約部31_1〜31_iに電力を供給する場合は、電圧変換回路37と各々の集約部31_1〜31_iとをつなぐ配線が必要となり、電源装置の配線が長くなるという問題がある。
そこで、本実施の形態にかかる電源装置2では、集約部31_1〜31_iに電圧変換回路33_1〜33_iを設けている。よって、電圧変換回路37と各々の集約部31_1〜31_iとをつなぐ電源用の配線が不要となり、電源装置の配線が長くなることを抑制することができる。
なお、この場合、集約部31_1〜31_iに電圧変換回路33_1〜33_iを設けることで、余分な電力消費が発生し、結果として電源装置2で生成される電力が減る可能性が考えられる。しかし、本実施の形態にかかる電源装置2では、上記で説明したように、集約部31_1〜31_iの電圧変換回路33_1〜33_iによる消費電力を非常に小さく抑えることができるので、電源装置2で生成される電力にはほとんど影響がない。
つまり、電源部35が備える電圧変換回路37には、消費電力が大きい様々な電子回路が負荷として接続される。このため、電源部35が備える電圧変換回路37には、変換効率を重視した複雑な回路が用いられるため、自己消費電力が大きくなる。
一方、集約部31_1〜31_iが備える電圧変換回路33_1〜33_iには、消費電力が小さい制御回路34_1〜34_iが負荷として接続される。このため、集約部31_1〜31_iが備える電圧変換回路33_1〜33_iには、変換効率ではなく自己消費電力の低減に特化した回路を用いることができるので、電圧変換回路33_1〜33_iの自己消費電力を小さくすることができる。よって、電源装置2で生成される電力が低減することを回避することができる。
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。図9は、実施の形態3にかかる電源装置3を示すブロック図である。本実施の形態にかかる電源装置3は、実施の形態2で説明した電源装置2と比べて、集約部31_1〜31_iがモニタ回路45_1〜45_iを備えている点、電源部35がモニタ回路46を備えている点が異なる。これ以外の構成は、実施の形態1、2で説明した電源装置1、2と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図9に示すように、本実施の形態にかかる電源装置3が備える集約部31_1〜31_iは、集約回路32_1〜32_i、電圧変換回路33_1〜33_i(第2の電圧変換回路)、制御回路34_1〜34_i(第1の制御回路)、及びモニタ回路45_1〜45_i(第1のモニタ回路)を備える。集約回路32_1〜32_iは、AC/DC変換部12_1〜12_nから供給された直流信号21_1〜21_nを入力し、当該入力した直流信号21_1〜21_nを選択的に集約する。集約回路32_1〜32_iは、図1に示した集約回路14_1〜14_iと同様の構成である。各々の電圧変換回路33_1〜33_iは、各々の集約回路32_1〜32_iで集約された直流信号22_1〜22_iを電圧変換する。各々のモニタ回路45_1〜45_iは、AC/DC変換部12_1〜12_nから供給された直流信号21_1〜21_nをそれぞれモニタする。各々の制御回路34_1〜34_iは、各々のモニタ回路45_1〜45_iでのモニタ結果に応じて各々の集約回路32_1〜32_iを制御する。各々の電圧変換回路33_1〜33_iは、各々の制御回路34_1〜34_iおよび各々のモニタ回路45_1〜45_iに電源を供給している。
図10は、本実施の形態にかかる電源装置3が備える集約部31_1の一例を示す回路図である。図10に示すように、集約回路32_1は、スイッチSWa_1〜SWa_mを備える。各々のスイッチSWa_1〜SWa_mは、各々のAC/DC変換部12_1〜12_mと出力ノード22_1との接続を切り替え可能に構成されている。スイッチSWa_1〜SWa_mは、制御回路34から出力された制御信号CTRa_1〜CTRa_mを用いて制御される。
電圧変換回路33_1は、集約回路32_1〜32_iで集約された直流信号22_1を所定の電圧に変換する。図10に示す例では、電圧変換回路33_1をスイッチトキャパシタで構成した場合を示している。なお、電圧変換回路33_1については実施の形態2で説明した電圧変換回路33_1(図7参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。
モニタ回路45_1は、マルチプレクサMUX11、基準電圧回路BGR、及び比較器CMP11を備える。マルチプレクサMUX11は、制御回路34_1から出力された制御信号D1に応じて、直流信号21_1〜21_mのいずれかを選択し、選択された直流信号を比較器CMP11の一方の入力に出力する。基準電圧回路BGRは、所定の基準電圧Vref(所定の閾値)を生成し、生成した基準電圧Vrefを比較器CMP11の他方の入力に出力する。比較器CMP11は、基準電圧VrefとマルチプレクサMUX11で選択された直流信号の電圧とを比較し、比較結果を制御回路34_1に出力する。
制御回路34_1は、発振回路OSC13、カウンタCNT11、マルチプレクサMUX12、及びフリップフロップFF1〜FFmを備える。発振回路OSC13は、クロック信号を生成し、生成したクロック信号をカウンタCNT11およびフリップフロップFF1〜FFmに出力する。カウンタCNT11は、クロック信号と同期してカウンタ値を生成し、生成したカウンタ値(制御信号D1)をマルチプレクサMUX11、12に出力する。マルチプレクサMUX12は、制御信号D1に応じて、比較器CMP11の出力をフリップフロップFF1〜FFmのいずれかに出力する。フリップフロップFF1〜FFmは、クロック信号に応じて、保持されている値(D入力の値)を制御信号CTRa_1〜CTRa_mとして出力する。
次に、モニタ回路45_1および制御回路34_1の動作について詳細に説明する。モニタ回路45_1が備えるマルチプレクサMUX11は、制御信号D1に応じて、直流信号21_1〜21_mのいずれかを選択し、選択された直流信号を比較器CMP11の一方の入力に出力する。比較器CMP11は、基準電圧VrefとマルチプレクサMUX11で選択された直流信号の電圧とを比較し、比較結果をマルチプレクサMUX12に出力する。マルチプレクサMUX12は、制御信号D1に応じて、比較器CMP11の出力をフリップフロップFF1〜FFmのいずれかに出力する。
例えば、比較器CMP11は、マルチプレクサMUX11で選択された直流信号が基準電圧Vref以上である場合、比較結果としてハイレベルの信号(“1”)をマルチプレクサMUX12に出力する。一方、比較器CMP11は、マルチプレクサMUX11で選択された直流信号が基準電圧Vrefよりも小さい場合、比較結果としてロウレベルの信号(“0”)をマルチプレクサMUX12に出力する。
ここで、制御信号D1は、カウンタCNT11で生成されたカウンタ値であり、各々の直流信号21_1〜21_mおよび各々のフリップフロップFF1〜FFmに応じた値である。例えば、カウンタ値が“1”である場合、マルチプレクサMUX11は直流信号21_1を選択し、マルチプレクサMUX12はフリップフロップFF1に比較器CMP11の出力を出力する。カウンタ値が“2”である場合、マルチプレクサMUX11は直流信号21_2を選択し、マルチプレクサMUX12はフリップフロップFF2に比較器CMP11の出力を出力する。同様に、カウンタ値が“m”である場合、マルチプレクサMUX11は直流信号21_mを選択し、マルチプレクサMUX12はフリップフロップFFmに比較器CMP11の出力を出力する。カウンタは、このように発振回路OSC13で生成されたクロック信号に応じてカウント値をインクリメントし、カウンタ値が一巡すると(つまり、“m”までカウントされると)、カウンタ値をリセットする。
よって、制御信号D1が“1”である場合、比較器CMP11は直流信号21_1の電圧と基準電圧Vrefとを比較する。そして、直流信号21_1の電圧が基準電圧Vref以上である場合、比較器CMP11はハイレベルの信号(“1”)を出力するので、フリップフロップFF1には“1”が保持される。この場合は、フリップフロップFF1は制御信号CTRa_1としてハイレベルの信号(“1”)を出力するので、集約回路32_1のSWa_1はオン状態(接続状態)となる。一方、直流信号21_1の電圧が基準電圧Vrefよりも小さい場合、比較器CMP11はロウレベルの信号(“0”)を出力するので、フリップフロップFF1には“0”が保持される。この場合は、フリップフロップFF1は制御信号CTRa_1としてロウレベルの信号(“0”)を出力するので、集約回路32_1のSWa_1はオフ状態(非接続状態)となる。
なお、フリップフロップFF1〜FFmに比較器CMP11の出力が格納されるタイミングは、発振回路OSC13のクロックエッジのタイミングとなる。また、基準電圧Vrefの値は、直流信号21_1〜21_mのうち、十分に電圧が高い直流信号のみが出力ノード22_1に供給されるような値に設定することができる。
図9に示す電源部35は、集約回路36、電圧変換回路37(第1の電圧変換回路)、制御回路38(第2の制御回路)、及びモニタ回路46(第2のモニタ回路)を備える。集約回路36は、各々の集約部31_1〜31_iから出力された直流信号22_1〜22_iを入力し、当該入力した直流信号22_1〜22_iを選択的に集約する。集約回路36は、図1に示した集約回路16と同様の構成である。電圧変換回路37は、集約回路36で集約された直流信号23の電圧を変換する。モニタ回路46は、各々の集約部31_1〜31_iから出力された直流信号22_1〜22_iをモニタする。制御回路38は、モニタ回路46でのモニタ結果に応じて集約回路36を制御する。電圧変換回路37は、制御回路38およびモニタ回路46に電源を供給している。
図11は、本実施の形態にかかる電源装置3が備える電源部35の一例を示す回路図である。図11に示すように、集約回路36は、スイッチSWb_1〜SWb_iを備える。各々のスイッチSWb_1〜SWb_iは、各々の集約部31_1〜31_iの出力ノード22_1〜22_iと集約回路36の出力ノード23との接続を切り替え可能に構成されている。スイッチSWb_1〜SWb_iは、制御回路38から出力された制御信号CTRb_1〜CTRb_iを用いて制御される。
電圧変換回路37は、集約回路36で集約された直流信号23を所定の電圧に変換する。図11に示す例では、電圧変換回路37をバックコンバータで構成した場合を示している。なお、電圧変換回路37については実施の形態2で説明した電圧変換回路37(図8参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。
また、電源部35が備える制御回路38の構成及び動作は、図10に示した集約部31_1が備える制御回路34_1の構成及び動作と同様であるので重複した説明は省略する。また、電源部35が備えるモニタ回路46の構成及び動作についても、図10に示した集約部31_1が備えるモニタ回路45_1の構成及び動作と同様であるので重複した説明は省略する。
なお、電源部35に供給される直流信号22_1〜22_iは、集約部31_1〜31_iで集約された後の信号である。このため、直流信号22_1〜22_iの電圧は、集約部31_1〜31_iに供給される直流信号21_1〜21_nの電圧よりも高い。よって、電源部35のモニタ回路46が備える比較器の基準電圧Vrefは、集約部31_1のモニタ回路45_1が備える比較器の基準電圧Vrefよりも高い値に設定される。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる電源装置3では、集約部31_1〜31_iにモニタ回路45_1〜45_iを設けて直流信号21_1〜21_nの電圧をモニタし、そのモニタ結果に応じて集約回路32_1〜32_iを制御している。また、電源部35にモニタ回路46を設けて直流信号22_1〜22_iの電圧をモニタし、そのモニタ結果に応じて集約回路36を制御している。よって、アンテナで受信する電波の状態が変化した場合であっても、自動的に集約回路32_1〜32_i、36のスイッチの接続状態を制御することができるので、効率的に電力を生成することができる。
なお、上記では、集約部31_1〜31_iおよび電源部35がそれぞれモニタ回路45_1〜45_iおよびモニタ回路46を備える構成について説明した。しかし、本実施の形態では、集約部31_1〜31_iのみにモニタ回路45_1〜45_iを設けてもよく、また電源部35のみにモニタ回路46を設けてもよい。
<実施の形態4>
次に、実施の形態4について説明する。図12は、実施の形態4にかかる電源装置4を示すブロック図である。本実施の形態にかかる電源装置4は、実施の形態1で説明した電源装置1と比べて、各々の集約回路52_1〜52_iが2つの出力ノード61H、61Lを備える点、電源部53の集約回路54が2つの出力ノード62H、62Lを備える点、電源部53が2つの電圧変換回路55、56を備える点が異なる。これ以外の構成は、実施の形態1で説明した電源装置1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図12に示すように、本実施の形態にかかる電源装置4は、複数のアンテナ11_1〜11_n、複数のAC/DC変換部12_1〜12_n、複数の集約部51_1〜51_i、及び電源部53を備える。アンテナ11_1〜11_nおよびAC/DC変換部12_1〜12_nについては、実施の形態1で説明した場合と同一であるので重複した説明は省略する。
各々の集約部51_1〜51_iは、各々のAC/DC変換部12_1〜12_nから供給された直流信号21_1〜21_nを入力し、当該入力した直流信号21_1〜21_nを選択的に集約する。各々の集約部51_1〜51_iは、集約回路52_1〜52_iを備えている。集約回路52_1は、AC/DC変換部12_1〜12_mと対応するように設けられたスイッチSWc_1〜SWc_mを備える。各々のスイッチSWc_1〜SWc_mは、各々のAC/DC変換部12_1〜12_mの出力側と出力ノード61H_1(第1の出力ノード)とが接続された状態、各々のAC/DC変換部12_1〜12_mの出力側と出力ノード61L_1(第2の出力ノード)とが接続された状態、及び各々のAC/DC変換部12_1〜12_mの出力側が開放された状態(つまり、出力ノード61H_1及び出力ノード61L_1のいずれにも接続されていない状態)の3つの状態を切り替え可能に構成されている。
例えば、集約回路52_1は、AC/DC変換部12_1から供給された直流信号21_1の電圧が閾値Vt1(第1の閾値)以上である場合、AC/DC変換部12_1の出力側と出力ノード61H_1とを接続し、出力ノード61H_1に直流信号21_1が供給されるようにする。また、集約回路52_1は、AC/DC変換部12_1から供給された直流信号21_1の電圧が閾値Vt2以上閾値Vt1未満である場合、AC/DC変換部12_1の出力側と出力ノード61L_1とを接続し、出力ノード61L_1に直流信号21_1が供給されるようにする。また、集約回路52_1は、AC/DC変換部12_1から供給された直流信号21_1の電圧が閾値Vt2未満である場合、AC/DC変換部12_1の出力側が開放された状態とする。ここで、閾値Vt1、Vt2は、0<Vt2<Vt1の関係にある。
集約回路52_1は、このようにスイッチSWc_1〜SWc_mを制御することで、AC/DC変換部12_1〜12_mから供給された複数の直流信号21_1〜21_mを2つの出力ノード61H_1、61L_1のいずれかに選択的に集約する。他の集約部51_2〜51_i(集約回路51_2〜51_i)についても同様である。
複数のアンテナ11_1〜11_nの中に、強い電波を受信しているアンテナと弱い電波(ゼロではないが非常に弱い電波)を受信しているアンテナとが混在している場合、実施の形態1にかかる電源装置1では、弱い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部を切り離していた。このようにすることで、弱い電波を受信しているアンテナに接続されているAC/DC変換部にリーク電流が流れることを抑制することができ、電源装置1で生成される電力が低減することを抑制することができた。
しかしながら、この場合は、弱い電波を受信しているアンテナで回収した電力を捨てている状態となっていた。そこで本実施の形態では、集約回路52_1の出力ノードとして、高電圧側の出力ノード61H_1と低電圧側の出力ノード61L_1の2つのノードを設け、AC/DC変換部12_1〜12_nから供給された直流信号21_1〜21_nの電圧に応じて、直流信号21_1〜21_nの供給先を切り替えている。
例えば、直流信号21_1〜21_nの電圧が高い場合(閾値Vt1以上)は、高電圧側の出力ノード61H_1に直流信号21_1〜21_nを供給する。直流信号21_1〜21_nの電圧が低い場合(閾値Vt2以上閾値Vt1未満)は、低電圧側の出力ノード61L_1に直流信号21_1〜21_nを供給する。直流信号21_1〜21_nの電圧がほぼゼロに等しい場合(閾値Vt2未満)は、直流信号21_1〜21_nが出力ノード61H_1及び出力ノード61L_1のいずれにも供給されないようにする。このようにすることで、AC/DC変換部にリーク電流が流れることを抑制しつつ、弱い電波を受信しているアンテナで回収した電力を有効に活用することができる。
電源部53は、集約回路54と電圧変換回路55、56とを備える。集約回路54は、集約部51_1〜51_iの高電位側の出力ノード61H_1〜61H_iと対応するように設けられたスイッチSWH_1〜SWH_iと、集約部51_1〜51_iの低電位側の出力ノード61L_1〜61L_iと対応するように設けられたスイッチSWL_1〜SWL_iと、を備える。
各々のスイッチSWH_1〜SWH_iは、出力ノード61H_1〜61H_iと出力ノード62H(第3の出力ノード)とが接続された状態、出力ノード61H_1〜61H_iと出力ノード62L(第4の出力ノード)とが接続された状態、及び各々の出力ノード61H_1〜61H_iが開放された状態(つまり、出力ノード62Hおよび出力ノード62Lのいずれにも接続されていない状態)の3つの状態を切り替え可能に構成されている。
同様に、各々のスイッチSWL_1〜SWL_iは、出力ノード61L_1〜61L_iと出力ノード62H(第3の出力ノード)とが接続された状態、出力ノード61L_1〜61L_iと出力ノード62L(第4の出力ノード)とが接続された状態、及び各々の出力ノード61L_1〜61L_iが開放された状態(つまり、出力ノード62Hおよび出力ノード62Lのいずれにも接続されていない状態)の3つの状態を切り替え可能に構成されている。
例えば、集約回路54のスイッチSWH_1は、集約部51_1から供給された直流信号61H_1の電圧が閾値Vt3(第2の閾値)以上である場合、出力ノード62Hに直流信号61H_1を供給する。また、スイッチSWH_1は、集約部51_1から供給された直流信号61H_1の電圧が閾値Vt4以上閾値Vt3未満である場合、出力ノード62Lに直流信号61H_1を供給する。また、スイッチSWH_1は、集約部51_1から供給された直流信号61H_1の電圧が閾値Vt4未満である場合、直流信号61H_1が出力ノード62Hおよび出力ノード62Lのいずれにも供給されないようにする。閾値Vt3、Vt4は、0<Vt4<Vt3である。他のスイッチSWH_2〜SWH_iについても同様である。
また、例えば、集約回路54のスイッチSWL_1は、集約部51_1から供給された直流信号61L_1の電圧が閾値Vt3以上である場合、出力ノード62Hに直流信号61L_1を供給する。また、スイッチSWL_1は、集約部51_1から供給された直流信号61L_1の電圧が閾値Vt4以上閾値Vt3未満である場合、出力ノード62Lに直流信号61L_1を供給する。また、スイッチSWL_1は、集約部51_1から供給された直流信号61L_1の電圧が閾値Vt4未満である場合、直流信号61L_1が出力ノード62Hおよび出力ノード62Lのいずれにも供給されないようにする。他のスイッチSWL_2〜SWL_iについても同様である。
電圧変換回路55は、集約回路54で集約された直流信号(出力ノード62Hの直流信号であり、以下、直流信号62Hとも記載する)の電圧を変換する。つまり、電圧変換回路55は、直流信号62Hを所定の電圧に昇圧し、昇圧後の出力電圧Voutを負荷回路18に出力する。
電圧変換回路56は、集約回路54で集約された直流信号(出力ノード62Lの直流信号であり、以下、直流信号62Lとも記載する)の電圧を変換する。つまり、電圧変換回路56は、直流信号62Lを所定の電圧に昇圧し、昇圧後の出力電圧Voutを負荷回路18に出力する。このとき、電圧変換回路56は、電圧変換回路55の出力電圧Voutと同程度の電圧に昇圧する。つまり、直流信号62Lの電圧は直流信号62Hの電圧よりも低いので、電圧変換回路56の昇圧幅は、電圧変換回路55の昇圧幅よりも大きくなる。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる電源装置4では、各々の集約回路52_1〜52_iに2つの出力ノード61H、61Lを設け、電源部53の集約回路54に2つの出力ノード62H、62Lを設け、電源部53に2つの電圧変換回路55、56を設けている。よって、AC/DC変換部にリーク電流が流れることを抑制しつつ、弱い電波を受信しているアンテナで回収した電力を有効に活用することができる。
また、本実施の形態にかかる電源装置4についても、上記で説明した実施の形態2、3にかかる技術を適用してもよい。
<実施の形態5>
次に、実施の形態5について説明する。図13は、実施の形態5にかかる電源装置5を示すブロック図である。本実施の形態にかかる電源装置5は、実施の形態1で説明した電源装置1と比べて、集約部13と電源部15との間に更に集約部65を備える点が異なる。これ以外の構成は、実施の形態1で説明した電源装置1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図13に示すように、本実施の形態にかかる電源装置5は、複数のアンテナ11、複数のAC/DC変換部12、1段目の集約部13(第1の集約回路)、2段目の集約部65(第3の集約回路)、及び電源部15を備える。アンテナ11およびAC/DC変換部12については、実施の形態1で説明した場合と同一であるので重複した説明は省略する。
各々の集約部13は、AC/DC変換部12から供給された複数の直流信号を入力し、当該入力した複数の直流信号を選択的に集約する。各々の集約部13は、集約回路(図1、図5参照)を備えている。
各々の集約部65は、集約部13で集約された各々の直流信号を入力し、当該入力した複数の直流信号を選択的に集約する。各々の集約部65は、集約回路、電圧変換回路、及び制御回路を備える。なお、集約部65の構成は、集約部13の構成(例えば、図5の集約部31_1〜31_i参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。例えば、電源回路5は、M個の集約部(集約回路)13とN個(N<M)の集約部(集約回路)65とを備える。
電源部15は、集約回路16と電圧変換回路17とを備える。集約回路16は、各々の集約部65から出力された直流信号を入力し、当該入力した複数の直流信号を選択的に集約する。なお、電源部15の構成は、実施の形態1にかかる電源装置1が備える電源部15と同様であるので重複した説明は省略する。
本実施の形態にかかる電源装置5では、集約部13と電源部15との間に集約部65を設けている。よって、例えばアンテナ11の数が多い場合であっても、電源装置5の配線長が長くなることを効果的に抑制することができる。
なお、上記では集約部(集約回路)を2段構成(集約部13、集約部65)にした場合を示したが、集約部は3段以上の構成としてもよい。また、本実施の形態にかかる電源装置4についても、上記で説明した実施の形態2〜4にかかる技術を適用してもよい。
<実施の形態6>
次に、実施の形態6について説明する。実施の形態6では、実施の形態1乃至5で説明した電源装置1〜5を、基板上に配置した場合の構成例を示す。
図14は、実施の形態6にかかる電源装置6_1の一例を示す上面図である。図14に示す電源装置6_1は、基板70上に、48個のアンテナと、48個のAD/DC変換部と、4個の集約部73_1〜73_4と、1個の電源部75とを備える。電源装置6_1は3種類のアンテナ71_1〜71_3を備えるので、3種類の周波数帯域の電波を受信することができる。各々のアンテナで受信した交流信号はAC/DC変換部で直流信号に変換され、変換後の直流信号は集約部73_1〜73_4に供給される。図14に示す電源装置6_1では、各々の集約部73_1〜73_4に12個の直流信号(AC/DC変換部の出力)が供給される。各々の集約部73_1〜73_4から出力された直流信号は、電源部75に供給される。
図15は、実施の形態6にかかる電源装置6_2の一例を示す上面図である。図15に示す電源装置6_2は、基板80上に、48個のアンテナと、48個のAD/DC変換部と、8個の集約部81_1〜81_8と、1個の電源部82とを備える。電源装置6_2は3種類のアンテナを備えるので、3種類の周波数帯域の電波を受信することができる。各々のアンテナで受信した交流信号はAC/DC変換部で直流信号に変換され、変換後の直流信号は集約部81_1〜81_8に供給される。図15に示す電源装置6_2では、各々の集約部81_1〜81_8に6個の直流信号(AC/DC変換部の出力)が供給される。各々の集約部81_1〜81_8から出力された直流信号は、電源部82に供給される。図15に示す電源装置6_2では8個の集約部81_1〜81_8を設けているので、図14に示す電源装置6_1と比べて総配線長を短くすることができる。
図16は、実施の形態6にかかる電源装置6_3の一例を示す上面図である。図16に示す電源装置6_3は、基板85上に、18個のアンテナと、18個のAD/DC変換部と、2個の集約部86_1〜86_2と、1個の電源部87とを備える。電源装置6_3は3種類のアンテナを備えるので、3種類の周波数帯域の電波を受信することができる。各々のアンテナで受信した交流信号はAC/DC変換部で直流信号に変換され、変換後の直流信号は集約部86_1〜86_2に供給される。図16に示す電源装置6_3では、各々の集約部86_1〜86_2に9個の直流信号(AC/DC変換部の出力)が供給される。各々の集約部86_1〜86_2から出力された直流信号は、電源部87に供給される。
図17は、実施の形態6にかかる電源装置6_4の一例を示す上面図である。図17に示す電源装置6_4は、基板90上に、18個のアンテナと、18個のAD/DC変換部と、4個の集約部91_1〜91_4と、1個の電源部92とを備える。電源装置6_4は3種類のアンテナを備えるので、3種類の周波数帯域の電波を受信することができる。各々のアンテナで受信した交流信号はAC/DC変換部で直流信号に変換され、変換後の直流信号は集約部91_1〜91_4に供給される。図17に示す電源装置6_4では、各々の集約部91_1〜91_4に4〜5個の直流信号(AC/DC変換部の出力)が供給される。各々の集約部91_1〜91_4から出力された直流信号は、電源部92に供給される。
図18は、実施の形態6にかかる電源装置6_5の一例を示す上面図であり、集約部が2段構成である電源装置(実施の形態5参照)の一例を示している。図18に示す電源装置6_5は、基板95上に、96個のアンテナと、96個のAD/DC変換部と、8個の集約部(1段目の集約部)96_1〜96_8と、2個の集約部(2段目の集約部)97_1〜97_2とを備える。
電源装置6_5は3種類のアンテナを備えるので、3種類の周波数帯域の電波を受信することができる。基板95上の各々のアンテナで受信した交流信号はAC/DC変換部で直流信号に変換され、変換後の直流信号は集約部96_1〜96_8に供給される。基板95上の各々の集約部96_1〜96_8には12個の直流信号(AC/DC変換部の出力)が供給される。各々の集約部96_1〜96_4から出力された直流信号は、2段目の集約部97_1に供給される。また、各々の集約部96_5〜96_8から出力された直流信号は、2段目の集約部97_2に供給される。集約部97_1から出力された直流信号および集約部97_2から出力された直流信号は、電源部98に供給される。
図18に示した電源装置6_5では、集約部を2段構成としているので、アンテナの数が多い場合であっても、電源装置6_5の配線を短くすることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。