JP6189327B2 - 再生燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、通常、再生燃料電池(RFC)技術の分野に関する。
再生燃料電池、および再生燃料電池が電気を貯蔵・供給できる方法は、長年、知られている。再生燃料電池は、エネルギー貯蔵および電力供給のための電気化学的装置である。電力供給段階では、電気化学的活性種は電極に供給されて、電気化学的に反応して電気化学的電力を生成する。貯蔵段階では、電力を用いて、電気化学的活性種を再生して、貯蔵する。
電気化学的活性種は電極コンパートメントとは分離して貯蔵でき、必要とされる際に供給できるため、この設備の再生能力は非常に大きい。
電気化学反応はイオン輸送システム(膜等)のいずれかの側で起こり、この際、選択的な電荷キャリアが膜によって輸送されるまたは交換される。
これらの再生燃料電池(RFC)システムの基本的な化学プロセスは、作用が、システムのエネルギー貯蔵方式では一方の方向でおよびシステムによる電力供給方式中は他方の方向で進行する化学式によって特徴付けられる。この化学プロセスは、下記レドックス化学式によって例示でき、ここで、「レドックス」ということばは、還元および対応する酸化が一緒に起こる反応と定義される。
しかしながら、簡単な直接的な化学プロセスであるように見えるにもかかわらず、実際の用途でのこれらのシステムの実現には大きな限定がある。実際の問題としては、有害材料の使用、効率の低さ、システムの大きさ、閉塞(plugging)および電解質の流れの目詰まり、ガス形成および特に材料のコストや設備のコストがある。これらは、RFCを工業的に広く使用することを妨げている。
エネルギー貯蔵技術には広範な用途の可能性がある。殆どの再生可能なエネルギー技術は、変動する要求を満足させるように出力を容易に調節することができず、ゆえに、エネルギー貯蔵が低カーボン/再生エネルギー源を実際に実施するにあたって重要である。また、エネルギー貯蔵技術は、一定の電力供給及び特性を確保できるように遠隔電源として使用されてもよく、また、電気が安価な時にエネルギーを貯蔵し、ピーク時に貯蔵したエネルギーを供給することによって電気料を削減するのに使用されてもよい。
様々な開発状態の再生燃料電池が数多く存在するが、ほとんどの開発中のRFCは、式1のレドックス反応を利用する全バナジウムレドックスフロー電池(all-vanadium redox flow battery)(VRB)である。全バナジウムレドックスフロー電池の最初の研究は、1985年にニューサウスウェールズ大学で行われた(Sum, E and Skyllas-Kazacos, M., Journal of Power Sources, 1985, vol. 15 (2-3), 179-190; Sum, E., Rychcik , M. and Skyllas-Kazacos, M., Journal of Power Sources, 1985, vol. 16 (2), 85-95 )。Skyllas-Kazacos et alによって開発されたシステムは、半電池の一方に硫酸中に溶解した硫酸バナジルを用いる。VRBは、各半電池で同様の素子を使用することによって2個の電解質コンパートメント間のクロスオーバーに関連するコンタミネーションの問題を解決するなどの、他の再生燃料電池に対して格別な利点がある。しかしながら、このシステムは比エネルギーが低いため、大量のエネルギーを貯蔵するためには大容積の電解質が必要である。大容積の電解質により、貯蔵コストが高くなり、高価なバナジウムを多量に使用する必要がある。このシステムはまた、出力電力密度が低いという性質がある。ゆえに、電力の要求に応えるためにはより多量のより多数の電池部品が必要であり、これによりコストが上昇する。これらの問題を減らすまたはこれらの問題の少なくとも一部を解決するレドックスシステムを提供することが有益であり、このようなシステムが現存する設備を使用する場合には特に有益であろう。
さらに、金属レドックス対を有するすべての再生燃料電池が直面する問題の一つに、金属カチオンが電気化学的に還元する際に水素が同時発生する(hydrogen co-evolution)ということがある。
現在開発中のほとんどの再生燃料電池は液体/液体RFCであり、すなわち、アノード及びカソードの電気化学的活性種が液状のアノード電解質およびカソード電界質中に存在する。水素ガス及び液状臭素電解質を用いる液体/気体燃料電池がLivshits, V et alによって研究された(Electrochemistry Communications, 2006, vol. 8(8), 1358-62)。その後、水素−臭素燃料電池がEnStorageによってRFCに採用された。このシステムは高い放電出力を示したものの、低い触媒安定性や作動中の臭素ガスの発生などのこのシステムを使用することによる欠点が数多く存在する。より最近では、WO 2011/089518で水素−臭素再生燃料電池が報告され、また、水素−鉄レドックスシステムを使用することが記載される。しかしながら、鉄II/IIIレドックス対の標準電気化学ポテンシャルが低い(0.77V vs SHE)ため、放電時のこのような水素−鉄システムの平均作動電圧はより低くなると予想され(実際に、既知の再生燃料電池の中で最も低い)、これは実際のレドックス電池用途では重大な欠点である。研究されている他の液体/気体RFCとしてバナジウム/空気RFCがある(Hosseiny, S. S., et al, Electrochemistry Communications, 2011, vol. 13, 751-754);しかしながら、このシステムは効率が低く、電力密度が低く、再充電能(rechargeability)に劣る。
再生燃料電池が標準的な燃料電池とは異なることを実感することが重要である。標準的な燃料電池は、燃料を消費し、通常、電力供給方式で作動するのみである;(電力を貯蔵する)エネルギー貯蔵方式で作動することはできず、または、できるとしても、非常に非効率的な形式で作動できるのみである。さらに、燃料電池での電気化学反応を逆転させると、触媒が永久的にダメージを受けてしまう。標準的な燃料電池はエネルギー生成形式で作動するのに最適化されているのみであるのに対して、再生燃料電池は電力供給方式及びエネルギー貯蔵方式双方で最適化される。ゆえに、容易に可逆可能である電気化学反応のみが再生燃料電池で使用できるが、特定の燃料電池(ダイレクトアルコール、もしくはダイレクトホウ化水素燃料電池、または水素/酸素燃料電池等)では、反応が可逆的である必要はなく、実際、一般的に可逆的ではない。これらを考慮するため、燃料電池が明らかに容易に可逆的であるレドックス反応を使用する半電池である、例えば、“Advancements in the Direct Hydrogen Redox Fuel”, Electrochemical and Solid-State Letters, 11 (2) B11-B15 (2008)に開示される水素−Iシステム(hydrogen-I system)場合には、このようなシステムは燃料電池及び再生燃料電池双方に使用できるものの、再生燃料電池は、通常、標準的な燃料電池はとは異なり、少なくとも一つの電気化学反応を使用するであろう。
加えて、放電中の平均作動電圧が重要である。低電圧システムは、電圧を上げるためにより多くの電池を直列(electrical series)にする、または低電圧−高電流システムに対処するために特注電力変換装置を設計する必要があるであろうが、これらはシステムを複雑にしかつコストがかさむ。
したがって、可逆的であり、実際の濃度(約1Mまたはそれ以上)で可溶であり、対の標準電極電位(E/V)間で適切な電位差があり、当該分野における問題を解決する再生燃料電池に使用される2つのレドックス対を見つけることは、難題である。
本発明は、金属がバナジウム、セリウム、マンガンまたはこれらの安定した電気化学的に可逆的である水性錯体(aqueous complex)から選択される水素ガス/溶解性金属イオン再生燃料電池を提供することによって、上記課題を解決するものである。バナジウム、セリウムおよびマンガンは、比較的高い電気化学酸化還元電位を有する:
特に好ましい実施形態では、本発明は、水素ガス/溶解性バナジウムイオン再生燃料電池を提供する。本発明の再生燃料電池、および特に水素/バナジウムイオンシステムは、高価なバナジウムの必要量を半分にすることによってコストを有意に低減するという点で現在使用される全バナジウムRFC(VRB)の課題を少なくとも部分的に解決する。さらに、大きな液状電解質貯蔵タンクの代わりに水素用の圧縮ガス貯蔵容器を使用することによって、再生燃料電池が占める空間量を劇的に減らし、これによりコストをさらに下げる。他の利点としては、水素酸化反応の過電圧がより低いことによるシステムの出力を増加できることがある。好ましい水素/バナジウムRFCは、現存するバナジウム/バナジウムRFCシステムについてバナジウムアノードを水素アノードに換えるのを容易に採用でき、これにより全システムを設置する必要を防ぐことによって本発明の再生燃料電池を設置する資本コストを減少できるというさらなる利点がある。したがって、このような改造形態(retro-fitting aspect)により、現在の技術でかなりの資本を既に投資している人々にとって新たなシステムを使用しなければならないというかなりの欠点が解消され、本発明の重要な形態である。
再生燃料電池は、通常、「配管(plumbing)」によって、燃料電池と区別されうる。再生燃料電池は、燃料を電力供給段階用の電極に供給するための配管(conduits)、および再生できるように消費した燃料を貯蔵所に導くための配管双方を有する。しばしば、燃料は、電力供給段階後に排出される電解質の形態を有し、この場合、配管は、排出された(または消費された)電解質を貯蔵所に導き、また、これを、例えば、適当なポンプを用いてエネルギー貯蔵方式中に半電池に戻すように配置されるであろう。これに対して、燃料電池は、排出された電解質を電気化学的に補充する(replenish)ようにエネルギー貯蔵方式で作動するような準備が整っていない。ガス電極を有する半電池を有する再生燃料電池の場合には、エネルギー貯蔵方式中に生成するガスを圧縮して将来の電力供給段階用に圧縮ガス貯蔵タンクに集めることが可能になるように、コンプレッサーが通常設置される(酸素は大気から自由に利用できるため、電極が酸素電極である場合には、コンプレッサーも貯蔵タンクも必要とされないが)。これに対して、燃料電池は、通常、このようなコンプレッサーを持たないであろう。
発明の開示
本発明は、添付の特許請求の範囲で規定される。
本発明は、再生燃料電池(RFC)、すなわち、エネルギー貯蔵及び電力供給双方をできるような構造を有し、また、プロトンを選択的に通すことができる膜、即ち、例えば、プロトンに対して選択的に透過性であることによってプロトンを移動できる、またはプトロン交換膜である膜によって分離されてなるアノード電界質コンパートメント及びカソード電界質コンパートメントを有する電気化学装置に関する。
再生燃料電池の分野において標準的な専門用語にしたがって、「アノード」および「カソード」ということばは、電力供給方式での電極の機能によって規定される。混乱を防ぐために、同じ言葉は、RFCの2つの作動形式(電力供給およびエネルギー貯蔵)を通じて同じ電極を示す。「アノード電解質(anolyte)」および「カソード電界質(catholyte)」ということばは、「アノード」および「カソード」に接触する電解質を示すように使用される。
電力供給方式では、電気化学的活性種はアノードで酸化され、電気化学的活性種はカソードで還元されて、反応(または「消費」)された種を形成する。エネルギー貯蔵方式では、電気化学システムが逆転して、「消費された」カソード種がカソードで電気化学的に酸化されて、対応する電気化学的活性種を再生する。電気化学的活性種(水素ガス)は電解質中に溶解するプロトンに変換するため、水素ガスアノードでのレドックス反応は電力供給方式では「消費」種(“spent” species)を生成しないであろうと考えられる。プロトンは、膜のアノード側から膜のカソード側にアノード及びカソードコンパートメントを分離する膜によって選択的に通過する。電力供給方式でアノードで水素ガスの酸化中に生成する電子は、電流コレクターによって集められる。しかしながら、未反応の水素ガスは、1以上の導管(conduit)によってアノードコンパートメントから離れるように移動し、ガス源容器(加圧されてもまたは加圧されなくともよい)に戻されでもよい。エネルギー貯蔵方式では、プロトンは、膜のカソード側から膜のアノード側にアノード及びカソードコンパートメントを分離する膜によって選択的に通過し、プロトンはアノードで還元されて水素ガスを再生し、この水素ガスがアノードの電気化学的活性種を形成する。
したがって、本発明によると、アノードでの電気化学的活性種の反応およびカソードでの異なる電気化学的活性種の反応によって発電する電力供給方式で作動でき、また、電力を消費して上記電気化学的活性種 を生成するエネルギー貯蔵方式で作用できる再生燃料電池であって、前記電池は、
・アノードコンパートメントでの、可逆水素ガスアノード;
・カソードコンパートメントでの可逆カソード;
・選択的にプロトンを通過できる、アノードコンパートメントをカソードコンパートメントと分離する膜;
・前記電力供給方式で電気化学的活性種をアノードにおよびカソードに供給するための、ならびに前記エネルギー貯蔵方式で生成した電気化学的活性種をアノードからおよびカソードから運ぶための構造を有する導管
を有し、
アノードでのレドックス反応は、下記:
であり、
カソードでのレドックス反応は、下記:
から選択される、再生燃料電池が提供される。
再生燃料電池のカソード側では、電気化学的活性種は、カソード電界質電極コンパートメントに供給される液状カソード電解質中に存在する。アノードに関しては、電気化学的活性種は水素であり、アノード電解質電極はガス透過性電極である。
カソード電界質中に存在する電気化学的活性種は、電力供給方式でカソードコンパートメントに通す準備ができている第一の容器に貯蔵してもよい。アノードでは、電気化学的活性種は水素ガスであり、通常、加圧ガス源の形態を有するであろう。
電力供給方式中、消費されたカソード電界質は容器に集められるが、この際、容器は第一の容器であってもまたは別の第二の容器であってもよい。エネルギー貯蔵方式中、消費された電解質は上記容器からカソードコンパートメントに供給されてもよく、ここで、電気化学的活性種は再生される。上記第一および第二(準備される場合には)の容器は、単一の容器の異なるコンパートメントであってもよい。
再生燃料電池は、液状カソード電界質を貯蔵容器及びカソードコンパートメント間の導管をとおって循環させるポンプをさらに有していてもよい。上記したように、再生燃料電池は、水素ガスを電気化学電池の外部の源容器(source vessel)中に加圧して貯蔵させるコンプレッサーを有していてもよい。ガス貯蔵タンクが生成したガスを収容するのに十分大きければ、このシステムはコンプレッサーを用いずに作動できる。例えば、100mの1Mのバナジウム電解質は、1、10及び100barの圧力で、それぞれ、約1200、120及び12mの貯蔵タンクを必要とする。再生燃料電池は、貯蔵容器及びアノードコンパートメント間の導管を介して水素ガスを循環させるための手段、例えば、ポンプまたはファンを有していてもよい。再生燃料電池はまた、水素ガスを源容器中に貯蔵する前に乾燥する乾燥機をさらに備えていてもよい。再生燃料電池はまた、圧縮ガス膨脹の結果電気を供給する水素膨脹−発生器(hydrogen expander-generator)を備えていてもよい。
電気化学反応は、離間したアノード及びカソードで行われても、または特に、ガスアノードの場合には、ガス分離膜/触媒多孔ガス電極(catalysed porous gas electrode)界面で行われてもよいが、離間したアノード及びカソードを同定するのは必ずしも容易ではなく、アノード及びカソードの主要な顕在(manifestation)は、単にアノード及びカソードの電流コレクターであってもよく、これらは、外部回路から電極への電子の供給および電極から外部回路への電子の取り出しを容易にする(電力供給方式では、アノードの電流コレクターはアノードから外部回路に電子を移動し、カソードの電流コレクターは外部回路からカソードに電子を供給するであろう。エネルギー貯蔵方式では、上記が逆であろう)。
アノードは多孔性のガス電極であり、カソードは、多孔性の電極が好ましいものの、多孔性または非多孔性の電極であってもよい。適当な電極の例は当該分野においてよく知られている。特にカソード半電池に存在する電気化学的活性種がV5+である(及び各「消費」種がV4+である)際には、触媒多孔性カーボン電極(catalysed porous carbon electrode)が本発明では特に好ましい。触媒多孔性カーボン電極の例としては、触媒カーボンペーパー(catalysed carbon paper)、クロス、フェルトおよびコンポジット(composite)がある。特定の実施形態では、カソードは、1以上の触媒カーボンペーパーを有する。カーボンは、黒鉛であっても、非晶質であっても、またはガラス状構造を有していてもよい。本発明の特に好ましい実施形態では、アノードは触媒電極(catalysed electrode)であり、カソードは非触媒電極(non-catalysed electrode)である。他の適当な電極の例としては、メッシュ、フェルトまたはフォーム形態の、チタンまたはチタン合金等の、耐食金属(または金属合金)がある。カソードでのレドックス反応は一般的に触媒反応を必要としないので、一方の電極のみが触媒作用を受けるような再生燃料電池を有することにより、再生燃料電池の製造コストを有意に低減できる可能性がある;必須要件ではないが、特定の非貴金属触媒を使用することが可能であり、これによっても貴金属触媒を使用する場合に比してコストを低減できる。アノードで使用される触媒は、例えば、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウム、ロジウム、オスミウムまたは例えば、白金/ルテニウム合金若しくはPtCo、PtNi、PtMo等の2元触媒若しくはPtRuMo、PtRuSn、PtRuW等の3元触媒もしくはRuSe、Pt−MoOx等のカルコゲナイド/酸化物などの、これらの組み合わせからなってもよい。2元/3元または他の純粋な貴金属以外の触媒は、カソード電界質種のクロスオーバーの結果として生じうる触媒被毒(catalytic poisoning)に対してより耐性がありうる。RFCは公知の燃料電池と同じ高電力モードで作動する必要がないので、貴金属量を一般的な触媒燃料電池ガス電極(catalysed fuel cell gas electrode)に比べて有意に低減できる。
アノード半電池に存在する電気化学的活性種は水素ガスである。したがって、アノードで行われるレドックス反応は下記のとおりである:
水素ガスは、容器内のアノードコンパートメントより外部に貯蔵され、この際、容器は加圧ガス源容器であってもよい。水素ガスは、電力供給方式で1以上の導管によってアノードコンパートメントに供給されてもよく、また、エネルギー貯蔵方式で1以上の導管によってアノードコンパートメントから運ばれてもよい。
カソード半電池に存在する電気化学的活性種は、V5+、Ce4+またはMn3+の一つであってもよく、それぞれの「消費された」種はV4+、Ce3+またはMn2+である。したがって、カソードで行われるレドックス反応は以下より選択される:
好ましい実施形態においては、カソードで行われるレドックス反応は、下記である:
本発明の再生燃料電池は、上記利点があり/上記課題を解決し、最も顕著には、(a)高価な金属イオン、特にバナジウムの必要量を半減することによって現在使用されている全バナジウムRFC(VRB)に比べてコストを低減する、(b)VRBの大きな液状電解質貯蔵タンクの代わりに水素の加圧ガス貯蔵容器を使用することによる再生燃料電池が占める空間容積を減少する、(c)水素酸化反応の過電圧を低くすることによるシステムの出力を増加する、および(d)好ましい水素/バナジウムRFCの場合には、現存のVRBの改造(retro-fit)が可能であるため、VRBに置き換えるために必要となる設備投資を低減する、ことがある。
カソード半電池に存在する電気化学的活性種は遊離カチオン、例えばMn+と称されるものの、安定した正電荷を持つ錯体、例えば、VO 及びVO2+等の酸化物錯体としてカソード電界質溶液中に存在してもよいことは理解されるであろう。正電荷を有する錯体の性質は、カソード電界質溶液を製造するのに使用される材料によって異なるであろう。例えば、カソード半電池に存在する電気化学的活性種がバナジウムである場合には、液状カソード電界質は、4価のバナジウム酸化物(VO)、硫酸バナジル(VOSO)または5価のバナジウム酸化物(V)、CeIII (SO/CeIV(SO;MnSOを用いて調製されてもよい。電解質は通常水性であろう。
カソード半電池に存在する電気化学的活性種は液状電解質中に存在する。酸性電解質は当該分野においてよく知られており、標準的な酸性電解質を本発明に従って使用してもよい。好ましい電解質としては、濃硫酸水溶液であってもよい、硫酸、メタンスルホン酸(MSA)もしくはトリフルオロメタンスルホン酸(TFSA)、またはこれらの混合物があり、最も好ましくは硫酸である。Ce及びMn等のレドックス対の高い電気化学ポテンシャルのため、エネルギー貯蔵方式(充電)中の酸素の生成を最小限にするためには、有機酸電解質の使用が好ましいであろう。酸が可溶性金属カチオンを形成できるがカソード電界質を完全または酸化しない場合には、他の強酸の使用が妨げられない。カソード電界質における電気化学的活性種の濃度によって、再生燃料電池の出力およびエネルギー密度が決定される。したがって、カソード電界質における電気化学的活性種の濃度は好ましくは少なくとも0.2M、より好ましくは0.5M超、例えば、1M超である。電解質からの沈殿が濃度が高くなるにつれて問題を深刻にするため、電気化学的活性種の実際の最大濃度は、通常、電解質における溶解性によって支配され、また、電池における沈殿物質の存在は、電解質の流れや本再生燃料電池の機能を妨げるため、防止することが好ましい。
アノードコンパートメントをカソードコンパートメントから分離する膜は、プロトン(水素イオン)を選択的に通すことができる膜であり、これは、当該膜がプロトン交換膜またはプロトンに透過性である膜であってもよいことを意味する。当該膜は、微多孔性膜等の、多孔性セパレータであってもよい。または、当該膜は、カチオン及びアニオン伝導体双方のハイブリッドであってもよい。好ましくは、当該膜はプトロン交換膜である。プトロン交換膜は、当該分野において周知であり、例えば、DuPont製のナフィオン(商標)イオン交換膜がある。ナフィオン(商標)膜はプロトン導電性が良好で化学的安定性も良好であるが、バナジウムカチオンに対する透過性が高いことやコストが高い等の欠点が数多くある。したがって、他の好ましい実施形態においては、当該膜は、金属カチオン、例えば、バナジウム、セリウム及びマンガンカチオンに対して実質的に不透過である。
図1は、本発明の液体/ガス再生燃料電池の概略断面図である(「液体」および「ガス」ということばは、2つの電極に供給される電気化学活性材料の状態を示す)。 図2は、0.23M バナジウムを用いた、バナジウム/水素再生燃料電池の充電/放電曲線である。 図3Aは、可変電流密度で0.23M バナジウムを用いた、バナジウム/水素再生燃料電池の充電/放電曲線を示す。 図3Bは、可変流速で0.23M バナジウムを用いた、バナジウム/水素再生燃料電池の充電/放電曲線を示す。 図4Aは、50ml/分の流速で0.23M バナジウムを用いた、バナジウム/水素再生燃料電池の電力密度曲線を示す。 図4Bは、100ml/分の流速で0.23M バナジウムを用いた、バナジウム/水素再生燃料電池の電力密度曲線を示す。 図5は、100ml/分の流速で1.0M バナジウムを用いた、バナジウム/水素再生燃料電池の電力密度曲線を示す;グラフは、I−V曲線(左)および電力曲線(右)を併せて示す。 図6は、100%SOCでおよび可変流速で1MのV(IV)/V(V)溶液で未処理のカーボンペーパーを用いたバナジウム/水素再生燃料電池の性能を示す。 図7は、50ml/分の水素流速、100ml/分のバナジウム流速および40mA/cmの電流密度で1MのV(IV)/V(V)で未処理のカーボンペーパーを用いた、バナジウム/水素再生燃料電池の充電/放電曲線を示す。
実施形態および実施例の説明
図1は、発電に使用される電気化学活性材料が(a)水素ガス(アノードに供給)および(b)液状カソード電界質に溶解した金属イオン(カソードに供給)である再生燃料電池の概略図である。
電力供給方式では、電気化学的活性種Mn+1を含む液状カソード電界質が、カソード電界質貯蔵容器(12A)のコンパートメントから導管(12B)を介してカソード電界質コンパートメント(9)にポンプで送液され、以下の半反応に従ってカソード(2)で還元される:
次に、消費された電解質種Mを含むカソード電界質は、カソード電界質コンパートメントから第二の導管(1)を介してカソード電界質貯蔵容器(12A)に運ばれて、新鮮なカソード電界質コンパートメントとは別のコンパートメントに貯蔵される。
アノード及びアノード電解質コンパートメント(8)の少なくとも一部は多孔性ガスフロー電極(porous gas flow electrode)によって形成され、水素が加圧ガス源容器(7)から導管(13)を介してアノード/アノードコンパートメント(8)に供給され、水素が下記反応に従ってプロトン(H)に酸化され:
電流が電流コレクター(4)で集められる。プロトン交換膜(3)はアノード及びカソード電解質コンパートメント(8及び9)を分離し、膜(3)のアノード電解質側からカソード電解質側にプロトンを選択的に通過させて荷電を平衡させて、これにより電気回路を閉じる。未反応の水素は、第二の導管(5)によってアノード電解質コンパートメント(8)から運ばれて、加圧ガス源容器(7)に戻される。
エネルギー貯蔵方式では、上記システムは逆になり、電気化学的活性種Mがカソード電界質貯蔵容器(12A)から導管(1)を介してカソード電界質コンパートメント(9)にポンプで送液されて、消費された電解質種Mがカソード(2)で酸化されて電気化学的活性種Mn+1を形成する。このようにして得られた再生電解質は、ポンプ(11)によってカソード電界質容器(9)から第二の導管(12B)を介してカソード電界質貯蔵容器(12A)に運ばれる。一方、プトロン交換膜(3)のアノード電解質側のプロトンは、多孔質ガスアノード(4)で触媒により水素ガスに還元される;水素は多孔質アノード(4)から導管(5)を介して運ばれて、コンプレッサー(6)によって圧縮された後、加圧ガス源容器(7)に貯蔵される。
種Mn+1/Mは、V5+/V4+、Ce4+/Ce3+、Mn3+/Mn2+であってもよく、好ましくはV5+/V4+であると考えられるであろう。
実施例
実施例1
以下のようにして、活性面積が25cmである再生バナジウム燃料電池(RVFC)を製造、試験した。上記電池に使用される特定の部材の詳細は下記のとおりである:サーペンタイン流路プレート(Serpentine flow channel plate)は、燃料電池バイポーラ板用途に意図的に製造された高電導性ポリマーコンポジットエレクトロフェン(Electrophen)(Bac2製)からCNC加工した(CNC-machine)。プラスチックエンドプレートをPTFEシートから切り出し、電池に対して均一な圧力分布が得られるようにアルミニウム板間に挟んだ。触媒活性面積が25cmである市販のHiSPECTM M-200 Class MEA(Johnson Matthey Fuel Cells)をすべての実験で使用した[Johnson Matthey http://www.jmfuelcells.com/products/meas]。iR損失を最小限にし、かつ良好な電気伝導性を得るために、銅台鍍金電流コレクター(gold plated copper current collector)を、エンド及び流路プレート間に挿入した。最後に、作動中システムを適切にシールできるように、バイトンゴムガスケット(Viton rubber gasket)を異なる電池部材間に配置した。
硫酸バナジウム溶液の調製
相当する量の硫酸バナジウム(Sigma-Aldrich)を5M 濃硫酸に溶解することによって、0.23M及び1Mのバナジウムカソード電界質溶液を調製した。Masterflex easy-load peristaltic pump及びMasterflex Chem-Durance tubingを用いて、電池にバナジウムカソード電界質をポンプで送液した。
一般的に、VRBは、1.5M〜2.0Mのオーダーのバナジウム濃度で使用する。しかしながら、初期の電池性能を表示させるのに十分であるため、0.23M溶液を選択した。また、より低濃度を用いると、低電流密度での充放電時間がより短くできる。特記しない限り、すべての実験でこの溶液を使用した。
充放電サイクル
標準サイクル
下記方法では、充電/放電サイクルを行う際に採用される標準的な工程の詳細を述べる。バナジウム及び水素の流速は当該方法中一定に維持した。
1.サイクルを行うべき電流密度を用いて0.45Vのターゲット電圧までシステムを放電した。システムの充電状態(state of charge)(SOC)が上記ターゲット未満である場合には、システムを上記ターゲットSOCを超えるまで充電した後、0.45Vにまで放電した。
2.システムの回路電圧(OCV)を5分間測定した。
3.上限電圧カットオフ(upper voltage cut-off limit)に到達するまで、システムを所望の電流密度で充電した。
4.システムの回路電圧(OCV)を5分間測定した。
5.下限電圧カットオフ(lower voltage cut-off limit)に到達するまで、システムを所望の電流密度で放電した。
設定キャパシティ(set capacity)間のサイクル
1.サイクルを行うべき電流密度を用いて0.45Vのターゲット電圧までシステムを放電した。システムのSOCがこのターゲット未満である場合には、システムを上記ターゲットSOCを超えるまで充電した後、0.45Vにまで放電した。
2.特定の電流について所望のキャパシティーに到達するのに必要な時間t(秒)を下記式1.1を用いて算出する。
ただし、nは電子の数であり、Fはファラデー数(Faraday number)であり、Cは種の濃度[モル/L]であり、Vは全溶液容積[L]であり、Iは電流[I]であり、Qはキャパシティー[mAh]である。
3.システムのOCVを5分間測定した。
4.システムを、工程2で算出した時間または上限電圧カットオフ(upper voltage cut-off limit)に到達するまで、システムを所望の電流密度で充電した。
5.システムのOCVを5分間測定した。
6.システムを、工程2で算出した時間または下限電圧カットオフ(lower voltage cut-off limit)に到達するまで、システムを所望の電流密度で放電した。
7.システムのOCVを5分間測定した。
1.9Vを超える電圧ではカーボンペーパーが腐食し(Joerissen et al, Journal of Power Sciences, 2004, vol. 127(1-2), 98-104)、また、水の酸化により過剰な酸素が発生する危険性があるため、1.7Vの上限電圧カットオフ(upper voltage cut-off limit)を選択した。0.35V未満の電圧ではV(IV)イオンがV(III)イオンに還元する(pH 0でのプールベダイアグラム(Pourbaix Diagram))ため、0.45Vの下限電圧カットオフ(lower voltage cut-off limit)を選択した。
システムの試験
0.23M V(V)/V(IV)での充電/放電サイクル
多数の充電/放電サイクルを行い、RVFCの挙動を分析した。
図2は、8mA/cmの電流密度での充放電挙動を示す。システムは滑らかな充放電曲線を示す。バナジウム/水素システムの回路電圧(OCV)は下記ネルンストの式(式1.2)から算出できる。
電力供給方式での反応は下記のとおりである:
図2のサイクルでの充電状態でのOCVは、1.099Vである。ネルンストの式を用いると、V(IV)種に対するV(V)種の割合(%)は99%と算出された。充電状態ではV(V)種の濃度がより高くなると予想され、高いOCVは非常に高いSOCを示すであろう。放電後のOCVは0.9213Vであり、これは7%のV(V)濃度に相当する。溶液を放電するとV(V)濃度が減少すると予想され、低濃度は重放電を示すであろう。
様々な電流密度での0.23M V(V)/V(IV)での充電/放電サイクル
740mAhの最大理論容量の36%利用を表すため、264mAhのターゲットキャパシティーになるように、システムを充填した。水素及びバナジウムの流速を各サイクルを通じて50mL/分に維持した(図3A)。この結果から、充電及び放電工程双方の過電圧が電流密度の増加に伴い増加することが観察された。過電圧は、オーム抵抗、電荷移動及び物質輸送(mass transport)現象に関連したロスによるものである。各充電/放電工程の開始時には、電荷移動工程がロスの主要な原因を占める可能性が最も高いが、その一方、終了時には、過電圧に寄与するのはほとんど物質輸送の制限(mass transport limitations)である。
様々な流速での0.23M V(V)/V(IV)での充電/放電サイクル
レドックス種の利用率に影響を及ぼすシステムパラメーターは、電流密度、電位窓及び電解質の流速である。電流密度が増加すると、電解質の利用率は減少することが観察された。また、電流密度はシステムの作動電力を決定する。電解質の利用率と出力とはトレードオフの関係がある。キャパシティーの利用率へのバナジウムの流速の効果を14mA/cmの電流密度で研究した(図3B)。システムの良好な代表的な点であると考えられるので、75%SOCでの最大電力点を選択した。
50mL/分のバナジウムの流速では、システムは16.2%のキャパシティー利用率であった(表1参照)。
流速が30mL/分に減少すると、キャパシティー利用率は9.5%に減少した。しかしながら、流速を70mL/分に増加させると、キャパシティー利用率は31.6%に増加した。流速が40%減少すると、利用率は41%減少したが、流速が40%増加すると利用率は95%増加した。これから、物質輸送及びシステムへの濃度分極損失(concentration polarisation loss)が重要であることが示される。さらに、流速を100mL/分にまで上げると、キャパシティーの利用率が32.7%にわずかに増加し、効率がより高くなった。
流速50ml/分での0.23M V(V)/V(IV)の電力密度
50ml/分のバナジウムの流速でかつ3種の充填状態(SOC)で、システムの電力曲線を測定した(図4A)。75%のSOCでは、システムは14mA/cmの電流密度で7.7mW/cmの最大電力点に到達した。
流速100ml/分での0.23M V(V)/V(IV)の電力密度
100ml/分のバナジウムの流速でかつ3種の異なるSOCで電力曲線を測定した(図4B)。100%のSOCでは、24mA/cmの電流密度で13.3mW/cmの最大電力点に到達した。75%のSOCでは、21mA/cmの電流密度で10.7mW/cmの最大電力点に到達した。これは、50mL/分の流速で到達した電力に比べると、最大電力が39%増加したことになる。より高いバナジウムの流速で作動させると、物質輸送の制限が減少し、キャパシティーの利用率が増加することによってシステムの性能が向上する。
流速100ml/分での1.0M V(V)/V(IV)の電力密度
大量生産システムに関する重要な判断材料である、バナジウム濃度の増加効果を調べるために、バナジウムの濃度を0.23Mから1.0Mに上げた。一般的な大量生産VRBのバナジウム濃度は1.5〜2.0Mであろう、V5+の溶解性および沈殿が2.0Mを超える濃度では問題になる。元のシステムに対して実質的な濃度の増加であり、大量生産時に使用されるであろう1.5Mの濃度により近いため、1.0M溶液を選択した。
100mL/分のバナジウム流速で及び100%、75%及び50%のSOCで、1.0Mシステムの電力曲線を測定した(図5)。100% SOCで到達した最大電力は84mA/cmの電流密度で54.3mW/cmであった。また、75% SOCで到達した最大電力点は、48.4mW/cmの比出力で84mA/cmの電流密度で認められた。0.23Mのシステムで75% SOCで測定された最大電力点を1.0Mにまで直線的にスケールアップすると、91mA/cmの電流密度で46.5mW/cmの出力になるであろう。これから、最大出力およびバナジウムの濃度間にかなりの直線的な関係があることが示される。本研究で、我々は、我々の非最適化RVFCが現在の工業用のVRB技術に比して驚くべきほど高い電力密度を示すことを見出した。例えば、2Mのバナジウム溶液および1.3Vの平均作動電圧の一般的なVRBの放電電力密度(discharge power density)は約65mW/cm(Rychcik , M. and Skyllas-Kazacos, M., Journal of Power Sources, 1988, vol. 22, 56-67)であるまたは1Mバナジウム溶液では32mW/cmであり、我々の非最適化RVFCの40%未満である。この結果は、現在の最新式の全バナジウムシステムに比して出力の点で最適化RVFCの可能性をさらに強化する。
72mA/cmの電流密度(最大電力点のやや下)および100mL/分のバナジウム流速で運転した場合、1.0Mのシステムでは30.9%のエネルギー効率が達成された。これを、同様の条件下での0.23Mのシステムでの33.5%のエネルギー効率に匹敵する(表2)。1.0M溶液は、主に電圧効率がより低いため全体のエネルギー効率がより低い;しかしながら、より高いクーロン効率が達成される。
実施例2
実施例1に記載した水素/バナジウム再生燃料電池の性能を向上しようとして、HiSPEC M-200 Class MEAを、市販のGDL(Johnson Matthey製、http://www.alfa.com/en/GP100w.pgm?DSSTK=045357を参照)の代わりに、使用し、この際、水素側の0.5mg/cmのPtローディング、NAFION 117膜、およびバナジウム側の2枚の購入したままの(as-received)(未処理の)東レ製カーボンペーパー(Toray carbon paper)(Johnson Matthey製、http://www.alfa.com/en/GP100w.pgm?DSSTK=045356を参照)を使用した。2枚の未処理のカーボンペーパーをシステムの性能を図6に示す。
100ml/分の流速で、再生燃料電池は、従来のバージョンのピーク電力密度(54.3mW/cm)のほぼ2倍の、106.7mW/cmのピーク電力密度を達成した。流速を150及び200ml/分に上げると、性能はさらに若干しか向上しなかった(それぞれ、113及び114mW/cm)ことから、物質輸送がこれらの条件下では電圧ロスに対する主要な原因ではなかったことが示される。
図7は、実施例2の水素/バナジウム再生燃料電池の充電/放電特性を示すものである。市販のMEA構造(実施例1)を有する電池の性能に比べて、効率が向上し、1Mのバナジウム溶液の利用率がより高かった。電圧効率は69%であった。クーロン効率は87%であった。エネルギーまたは全体効率は60%であった。キャパシティーの利用率は70%であった(1M溶液の初期のキャパシティーは3127mAhであり、放電キャパシティーは2190mAhであった)。
下記2つの主要な因子によって向上が達成されたと考えられる:PTFEで処理したカーボンペーパーを使用しなかったため、カーボン電極の濡れ性(wettability)が向上した。さらに、1枚ではなく2枚のカーボンペーパーを使用したことにより、バナジウムのバルク電気化学的レドックス反応(bulk electrochemical redox reaction)の全容積が増加した。

Claims (14)

  1. アノードおよびカソードでの電気化学的活性種の反応によって発電する電力供給モードでならびに電力を消費して電気化学的活性種を生成するエネルギー貯蔵モードで作動できる再生燃料電池であって、前記電池は、
    ・アノードコンパートメントでの、可逆水素ガスアノード;
    ・カソードコンパートメントでの可逆カソード;
    ・選択的にプロトンを通過できる、アノードコンパートメントをカソードコンパートメントと分離する膜;
    ・前記電力供給モードで電気化学的活性種をアノードにおよびカソードに供給するための、ならびに前記エネルギー貯蔵モードで生成した電気化学的活性種をアノードからおよびカソードから運ぶための構造を有する導管
    を有し、
    アノードでのレドックス反応は、下記:
    であり、
    カソードでのレドックス反応は、下記:
    から選択される、再生燃料電池。
  2. カソードでのレドックス反応は、下記:
    である、請求項1に記載の再生燃料電池。
  3. カソードの電気化学的活性種を含む液状カソード電質を含むような構造を有する少なくとも1個の容器を有し、第一の容器が、電力供給モードで、電気化学的活性種を含む液状カソード電質をカソード電質コンパートメントに供給するためにカソード電質コンパートメントに連結する、請求項1または2に記載の再生燃料電池。
  4. 少なくとも1個の容器が、エネルギー貯蔵モードで、生成した電気化学的活性種を含むカソード電質をカソード電質コンパートメントから受け取るためにカソード電質コンパートメントに連結する、請求項3に記載の再生燃料電池。
  5. 消費した電気化学的活性種を含む液状カソード電質を含むような構造を有する少なくとも1個の容器を有し、第二の容器が、電力供給モードで、カソード電質コンパートメントから消費した電気化学的活性種を含むカソード電質を受け取るために導管に連結される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の再生燃料電池。
  6. 少なくとも1個の容器が、エネルギー貯蔵モードで、消費した電気化学的活性種を含むカソード電質をカソード電質コンパートメントに供給すために導管に連結される、請求項5に記載の再生燃料電池。
  7. 水素を含むような構造を有する加圧ガス源容器を有し、前記ガス源が、電力供給モードで、アノードに連結可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の再生燃料電池。
  8. 加圧ガス源容器が、エネルギー貯蔵モードで生成した水素を受け取るためにアノードに連結可能である、請求項7に記載の再生燃料電池。
  9. 加圧ガス源容器に貯蔵するためにエネルギー貯蔵モードでアノードで生成した水素を加圧できるような構造を有する少なくとも1個のコンプレッサー、または、前記コンプレッサーおよび圧縮ガスの膨張の結果電気を供給する水素膨脹−発生器(hydrogen expander-generator)を有する、請求項8に記載の再生燃料電池。
  10. 前記膜はプロトン交換膜である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生燃料電池。
  11. 前記膜は、水素イオンおよび溶媒和水素イオン(solvated hydrogen ion)を浸透する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の再生燃料電池。
  12. a)アノードおよびカソードでの電気化学的活性種の反応によって発電する電力供給モードでならびにb)電力を消費して前記電気化学的活性種を生成するエネルギー貯蔵モードで再生燃料電池を動作する方法であって、前記電池は、
    ・アノードコンパートメントでの、可逆水素ガスアノード;
    ・カソードコンパートメントでの可逆カソード;
    ・選択的にプロトンを通過できる、アノードコンパートメントをカソードコンパートメントと分離する膜;
    を有し、
    前記方法は、前記電力供給モードで、電気化学的活性種をアノードにおよびカソードに運び、ならびに前記エネルギー貯蔵モードで、生成した電気化学的活性種をアノードからおよびカソードから運ぶことを有し、
    アノードでのレドックス反応は、下記:
    であり、
    カソードでのレドックス反応は、下記:
    から選択される、方法。
  13. カソードでのレドックス反応は、下記:
    である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記再生燃料電池が請求項1〜11のいずれか1項に記載されたものである、請求項12または13に記載の方法。
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