JP6189064B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制御装置に関し、特に、車両の制御対象に対して適応フィードバック制御を実行する制御装置に関する。
近年、自動二輪車等の車両の内燃機関用の制御装置、例えば電子制御スロットル装置においては、スロットル弁を駆動することにより、その制御量を所望の目標量にフィードバック制御する構成が採用されるようになっている。
かかるフィードバック制御の処理では、PID(Proportional−Integral−Derivative)制御を用いることが一般的である。しかしながら、PID制御においては、外乱等の影響に対し制御の安定性を確保することが困難であったり、制御入力値に関するゲイン設定が困難であったりする等の傾向が見られる。このため、近年、フィードバック制御の処理に対して、逐次同定処理を用いた適応スライディングモード制御を用いることが提案されている。
かかる適応スライディングモード制御をフィードバック制御の処理に用いる制御装置は、同定器を備えている。このような同定器は、実際の制御対象を数式モデルで記述したプラントモデル式に実際の制御入力値を入力したときの実際の制御対象に与えられる制御出力値に対するプラントモデル式の出力値の誤差が収束するように、同定アルゴリズムを用いてプラントモデル式のモデルパラメータを同定する構成を有する。そして、かかる制御装置は、同定器によって算出されたモデルパラメータを用いてスライディングモード制御のゲインを設定し、設定した制御ゲインでもって制御対象をフィードバック制御することになる。
かかる状況下で、特許文献1は、内燃機関の制御装置に関し、プラントモデル式のモデルパラメータを同定するための同定アルゴリズムとして、逐次最小二乗法を利用する同定アルゴリズムを用いる構成を開示する。
特許第3316955号公報
ここで、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成においては、逐次最小二乗法を利用する同定アルゴリズムを用いて、モデルパラメータをオンボードで同定できるので、制御対象の個体差や経年変化等の要因に起因してプラントモデル式の動特性が実際の制御対象の動特性と一致しない状態となって、制御対象のモデル化誤差が発生した場合であっても、そのモデル化誤差を補償することができる有意性を有するものである。
しかしながら、本発明者の検討によれば、逐次最小二乗法を利用する同定アルゴリズムを用いた場合には、同定器は、モデルパラメータとモデルパラメータの更新量を決定する共分散ゲインとの双方を演算する必要があるために、同定アルゴリズムが複雑になり、同定器の演算負荷が高くなる傾向がある。
また、本発明者の検討によれば、このような同定器の演算負荷を軽減するために、固定
ゲイン法によって共分散ゲインを固定値とする処理を用いることが考えられる。しかしながら、このように共分散ゲインを固定値にした場合には、制御対象の動特性が急峻に変化した際には、モデルパラメータの同定精度が悪化したり、プラントモデル式の出力値が実際の制御対象の制御出力値に収束するまでの時間が長くなるような傾向がある。
また、本発明者の検討によれば、特に自動二輪車の内燃機関用の制御装置は、廉価であることが期待されるため、演算能力が高い高価な演算処理装置を採用することをできるだけ避けた方が好ましい。一方で、内燃機関の応答性に影響する電子制御スロットル装置は、応答性が高く、かつ、制御精度が高い特性を有することが望まれている状況にもある。
つまり、現状では、同定器の演算負荷を軽減可能であると共に、制御対象の動特性の変化に応じてモデルパラメータの共分散ゲインを設定可能な制御装置の提供が期待されている。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、同定器の演算負荷を軽減可能であると共に、制御対象の動特性の変化に応じてモデルパラメータの共分散ゲインを設定可能な制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、制御対象の制御入力値及び制御出力値に基づき、かつ、逐次最小二乗法による同定アルゴリズムを用た同定処理により、前記制御対象を数式モデルで記述したプラントモデル式のモデルパラメータを同定する同定器と、前記同定器により同定された前記モデルパラメータを用いて制御ゲインを設定し、前記制御ゲインで前記制御対象をフィードバック制御するフィードバック制御部と、メモリと、を備える制御装置であって、前記同定器が、前記同定処理において、前記制御対象の動特性を示すパラメータにより決定されて前記メモリに予め記憶された対角成分を有する対角行列を用いて共分散ゲインを決定することを第1の局面とする。
また、本発明は、かかる第1の特徴に加えて、前記制御対象の動特性を示すパラメータは、前記制御対象の制御出力値であることを第2の局面特徴とする。
また、本発明は、かかる第2の特徴に加えて、前記制御対象の動特性を示すパラメータは、更に前記制御対象の制御入力値を含むことを第3の局面とする。
以上の本発明の第1の局面における制御装置によれば、同定器が、同定処理において、制御対象の動特性を示すパラメータにより決定されてメモリに予め記憶された対角成分を有する対角行列を用いて共分散ゲインを決定するので、逐次最小二乗法における共分散行列の逆行列演算を行う必要が無くなり、共分散ゲインの演算負荷を軽減することができると共に、制御対象の動特性の変化に応じて共分散ゲインを設定でき、制御対象の動特性が急峻に変化した場合であっても、モデルパラメータの同定誤差を収束させることができる。
また、本発明の第2の局面における制御装置によれば、同定器が、制御対象の制御出力値を利用して逐次最小二乗法における共分散ゲインを決定するので、モデルパラメータの同定誤差が増加することを抑制することができる。
また、本発明にかかる制御装置によれば、同定器が、制御対象の制御出力値に加え、制御対象の制御入力値を利用して逐次最小二乗法における共分散ゲインを決定するので、制御対象が応答する前に共分散ゲインを決定することができ、制御対象の動特性が変動してもモデルパラメータの同定誤差を収束させることができる。
図1は、本発明の実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本実施形態における制御装置の内部構成を詳細に示すブロック図である。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における制御装置につき、詳細に説明する。
〔制御装置の構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態における制御装置の構成につき、詳細に説明する。
図1は、本実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態における制御装置の内部構成を詳細に示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における制御装置1は、図示を省略する車両、典型的には、自動二輪車に搭載され、車両に搭載されたバッテリ2から供給される電力を利用して、スロットル装置3を制御対象として制御する。更に、制御装置1には、車両の図示を省略するアクセル操作部材の操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ4が電気的に接続されている。
スロットル装置3は、吸気通路33に設けられたスロットル弁31を、バッテリ2から供給される電力で駆動する電動モータMと、スロットル弁31の開度を検出するスロットル開度センサ32と、を備えている。スロットル弁31は、吸気通路33の内部に配設されており、スロットル弁31に接続されたスロットルシャフト34が全開位置35と全閉位置36との間の角度範囲θ内でその軸周りに回動することにより、吸気通路33の内壁面とスロットル弁31との間に形成される空隙を変化させて空気流量を調節する。スロットルシャフト34は、ギヤG1、G2等を有するギヤ系を介して電動モータMに接続され、電動モータMによって駆動されるようになっている。また、スロットル弁31には、スロットル弁31を全閉位置36に向かって回動するように付勢するリターンスプリング37が配設されている。
更に図2に示すように、制御装置1は、図示を省略するメモリを有するECU(Electronic Control Unit)等の演算処理装置によって構成され、目標開度設定部11、モデルパラメータ同定器12、及び適応コントローラ13を備えている。かかる目標開度設定部11、モデルパラメータ同定器12、及び適応コントローラ13は、制御装置1が、予めそのメモリに格納された制御プログラムを実行する際の機能ブロックとして示されている。また、本実施形態では、プラントモデル式の制御入力値として、電動モータMの操作量であるデューティ比を用い、プラントモデル式の制御出力値として、スロットル弁31の開度を用いている。
目標開度設定部11は、アクセル開度センサ4から入力された車両のアクセル操作部材の操作量(アクセル開度)に基づいて、スロットル弁31の目標開度(目標スロットル開度)を設定するものである。
モデルパラメータ同定器12は、スロットル開度センサ32から出力されてモデルパラメータ同定器12に入力されたスロットル弁31の開度(制御出力値)と、適応コントローラ13からスロットル装置3に入力された電動モータMのデューティ比(制御入力値)
と、に基づきながら、逐次最小二乗法による同定アルゴリズムを用いて、スロットル装置3を数式モデルで記述したプラントモデル式のモデルパラメータベクトルを同定するものである。かかるモデルパラメータベクトルの同定処理の詳細については、後述する。モデルパラメータ同定器12は、本発明に係る同定器として機能する。
適応コントローラ13は、モデルパラメータ同定器12によって同定されたモデルパラメータベクトルを用いて制御ゲインを設定し、設定した制御ゲインを適用しながら、プラントモデル式に従って、スロットル弁31の開度が目標スロットル開度に合致するように、電動モータMのデューティ比を適応フィードバック制御するものである。かかる適応フィードバック制御には、スライディングモード制御の他に適応PID制御等が含まれる。適応コントローラ13は、本発明に係るフィードバック制御部として機能する。
以上のような構成を有する制御装置1では、モデルパラメータ同定器12が、以下に示すパラメータ同定処理を実行することによって、プラントモデル式のモデルパラメータベクトルを同定する。以下、パラメータ同定処理を実行する際のモデルパラメータ同定器12の動作について、詳細に説明する。
〔パラメータ同定処理〕
スロットル装置3のプラントモデル式は、今回のパラメータ同定処理をk回目(kは正の整数)とすれば、前回である(k−1)回目のパラメータ同定処理における制御出力(実出力)の値に相当するスロットル弁31の実開度TH(k−1)、前々回である(k−2)回目のパラメータ同定処理における制御出力(実出力)の値に相当するスロットル弁31の実開度TH(k−2)、及び前回(k−1)回目のパラメータ同定処理における制御入力値に相当して電動モータMを駆動するためにそれに与えるデューティ比DUTY(k−1)を用いて、今回であるk回目のパラメータ同定処理におけるスロットル装置3の制御出力値(モデル出力値)TH’(k)を規定することにより、以下に示す数式(数1)のように記述することができる。ここで、数式(数1)中のパラメータa、a、b及びcは、各々、数式(数1)により記述されるスロットル装置3のプラントモデル式におけるモデルパラメータである。なお、本実施形態では、このようにスロットル装置3の制御出力値(実出力値であるスロットル弁31の実開度)TH(k−1)及びTH(k−2)、並びにスロットル装置3の制御入力値DUTY(k−1)を用いて、スロットル装置3の制御出力値(モデル出力値)TH’(k)を規定するスロットル装置3のプラントモデル式を規定したが、スロットル装置3の制御入力値にバッテリ2の電圧値をも含めて、スロットル装置3のプラントモデル式を作成してもよい。
Figure 0006189064
ここで、以下の数式(数2)及び数式(数3)に基づいて、モデルパラメータベクトルθ(k)及び信号ベクトルζ(k)を各々規定すると、数式(数1)に示すスロットル装置3のプラントモデル式は、以下に示す数式(数4)のようにコンパクトに表すことができる。また、数式(数2)を含むそれ以降の対応する数式中で示す添え字Tは、転置行列であることを意味する。つまり、数式(数2)は、モデルパラメータa、a、b及びcから成るベクトルを転置行列として表記したもので、具体的には、かかるベクトルを1行4列の行列と見たときのその4行1列の転置行列として表記したものである。また、数式(数3)は、スロットル装置3の制御出力値(実出力値であるスロットル弁31の実開度)TH(k−1)及びTH(k−2)、スロットル装置3の制御入力値DUTY(k−1)、並びに数値である1.0から成るベクトルを転置行列として表記したもので、具体的には、かかるベクトルを1行4列の行列と見たときのその4行1列の転置行列とし
て表記したものである。よって、スロットル装置3のプラントモデル式である数式(数4)は、モデルパラメータベクトルθ(k)を数式(数2)に示す転置行列形式で示すθ(k)と信号ベクトルζ(k)とを乗算して、スロットル装置3の制御出力値(モデル出力値)TH’(k)を規定することにより得られることになる。
Figure 0006189064
Figure 0006189064
Figure 0006189064
さて、逐次最小二乗法を利用したパラメータ同定処理により、今回であるk回目のパラメータ同定処理におけるモデルパラメータベクトルθ(k)を求める際においては、かかるモデルパラメータベクトルθ(k)は、以下に示す数式(数5)のように記述することができる。
Figure 0006189064
ここで、数式(数5)中で、ε(k)は、今回であるk回目のパラメータ同定処理におけるモデルパラメータの同定誤差を示す。つまり、かかる同定誤差ε(k)は、今回のパラメータ同定処理におけるスロットル装置3のスロットル弁31の目標制御量である目標開度TH(k)から、今回のパラメータ同定処理におけるスロットル装置3の数式(数2)により表されるモデルパラメータベクトルθ(k)の転置行列θと今回のパラメータ同定処理における信号ベクトルζ(k)とを乗算した値を減算した値であり、以下に示す数式(数6)のように表される。
Figure 0006189064
また、数式(数5)中で、P(k)は、今回であるk回目のパラメータ同定処理における共分散ゲインであり、以下に示す数式(数7)のように記述される。
Figure 0006189064
また、モデルパラメータベクトルθ(k)及び共分散ゲインP(k)の初期値θ(0)及びP(0)は、各々以下に示す数式(数8)における数式8a及び数式8bのように表される。なお、数式8a中におけるθ及び数式8b中におけるγは、各々正の定数であ
り、数式8b中におけるIは、単位行列である。
Figure 0006189064
ここで、モデルパラメータ同定器12がモデルパラメータベクトルθ(k)を一連のパラメータ同定処理により同定する際には、モデルパラメータ同定器12は、逐次最小二乗法を利用した同定アルゴリズムを用いることにより、数式(数6)により表されるモデルパラメータの同定誤差ε(k)が0に近い所定値に収束するように、数式(数3)により表される信号ベクトルζ(k)の転置行列ζ(k)、及び信号ベクトルζ(k)、並びに数式(数7)により表される共分散ゲインP(k)を共に算出しながら、数式(数5)により表されるモデルパラメータベクトルθ(k)を算出していくことになる。
ところが、逐次最小二乗法を利用しモデルパラメータベクトルθ(k)を求めるパラメータ同定処理において共分散ゲインP(k)を算出する際には、一般的には、以下に示す数式(数9)のように式を変形して共分散ゲインP(k)を算出することになるが、かかる場合には、共分散行列の逆行列を演算する必要がある。このために、共分散ゲインP(k)を算出する際に、モデルパラメータ同定器12の演算負荷が非常に大きくなる。なお、数式(数9)中におけるζ(k)P(k−1)ζ(k)は、以下に示す数式(数10)のように表される。
Figure 0006189064

Figure 0006189064
また、逐次最小二乗法を利用しモデルパラメータベクトルθ(k)を求めるパラメータ同定処理において共分散ゲインP(k)を算出する際に、モデルパラメータ同定器12の演算負荷を軽減するために、固定ゲイン法によって共分散ゲインを数式(数8)における数式8aで示すP(0)という固定値に設定することも考えられる。しかし、かかる場合には、スロットル装置3の動特性が急峻に変化するようなときに、数式(数5)により表されるモデルパラメータベクトルθ(k)において、数式(数6)により表されるモデルパラメータの同定誤差ε(k)が0に近い所定値に収束するまでに要する時間が、非常に長くなるような事態が発生する。一方で、数式(数6)により表されるモデルパラメータの同定誤差ε(k)が収束すべき所定値を大きな値に設定すれば、その収束時間は短縮できるが、同定誤差ε(k)の値自体が増大し、モデルパラメータベクトルθ(k)を求めるパラメータ同定処理の同定精度が悪化してしまう。
そこで、本実施形態では、モデルパラメータ同定器12は、数式(数4)により表されるスロットル装置3のプラントモデル式に関し、逐次最小二乗法を利用しモデルパラメー
タベクトルθ(k)を求めるパラメータ同定処理において共分散ゲインP(k)を算出する際に、以下の数式(数11)で規定される行列によって共分散ゲインP(k)を算出する。かかる 数式(数11)で規定される行列は、対角行列であり、その対角成分は、n
を正の整数とすればP(k)で示される。
Figure 0006189064
ここで、かかる対角成分P(k)は、スロットル装置3の動特性を示すパラメータにより決定される値Tableであり、これらの値Tableは、かかるパラメータで規定されるマップやテーブルの態様で制御装置1のメモリに予め記憶される。また、かかるスロットル装置3の動特性を示すパラメータとしては、スロットル装置3の動特性が急峻に変化した場合であっても、モデルパラメータの同定誤差を0に近い小さな値に収束させるべく、スロットル装置3の動特性の変化に応じて共分散ゲインP(k)を調整自在とする観点から、スロットル装置3の制御出力値が含まれることが好ましく、更にこれに加えて、スロットル装置3の制御入力値が含まれることが好ましい。なお、スロットル装置3の動特性としては、その個体差や経年変化等の要因に起因して変化するモータMの駆動トルク等の特性、並びにスロットル弁31及びスロットルシャフト34の寸法や重量の特性等が挙げられる。
具体的には、まず、かかるスロットル装置3の動特性を示すパラメータとしては、スロットル装置3の制御出力値であることが好ましい。というのは、かかるパラメータが、スロットル装置3の制御出力値であることにより、モデルパラメータ同定器12の演算負荷を抑制することができると共に、スロットル装置3の動特性が急峻に変化するようなときであっても、数式(数5)により表されるモデルパラメータベクトルθ(k)において、数式(数6)により表されるモデルパラメータの同定誤差ε(k)が0に近い所定値に収束するまでに要する時間を短縮しながら、モデルパラメータベクトルθ(k)を求めるパラメータ同定処理の同定精度を高めることができるからである。かかるスロットル装置3の制御出力値としては、今回のパラメータ同定処理をk回目(kは正の整数)とすれば、前回である(k−1)回目のパラメータ同定処理における制御出力(実出力)の値に相当するスロットル弁31の実開度TH(k−1)、及び前々回である(k−2)回目のパラメータ同定処理における制御出力(実出力)の値に相当するスロットル弁31の実開度TH(k−2)が挙げられる。
更に、かかるスロットル装置3の動特性を示すパラメータとしては、スロットル装置3の制御入力値が含まれることが好ましい。というのは、かかるパラメータとして、スロットル装置3の制御出力値に加えスロットル装置3の制御入力値が含まれることにより、モデルパラメータ同定器12の演算負荷を抑制することができると共に、今回のパラメータ同定処理でスロットル装置3のモータMが応答する前に共分散ゲインP(k)を決定することができ、スロットル装置3の動特性が急峻に変化するようなときであっても、数式(数5)により表されるモデルパラメータベクトルθ(k)において、数式(数6)により表されるモデルパラメータの同定誤差ε(k)が0に近い所定値に収束するまでに要する時間をより短縮しながら、モデルパラメータベクトルθ(k)を求めるパラメータ同定処理の同定精度をより高めることができるからである。かかるスロットル装置3の制御入力値としては、今回のパラメータ同定処理をk回目(kは正の整数)とすれば、前回(k−1)回目のパラメータ同定処理における制御入力値に相当して電動モータMを駆動するた
めにそれに与えるデューティ比DUTY(k−1)が挙げられる。
よって、逐次最小二乗法を利用しモデルパラメータベクトルθ(k)を求める今回のパラメータ同定処理において、モデルパラメータ同定器12は、以上のように制御装置1のメモリに記憶されたマップやテーブルの態様のデータを検索することにより、数式(数10)で規定されるP(k)における行列対角成分P(k)であるTable値を求め、共分散ゲインP(k)を算出することになる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態における制御装置1では、モデルパラメータ同定器12が、スロットル装置3の動特性を示すパラメータを利用して逐次最小二乗法における共分散ゲインP(k)を算出するので、逐次最小二乗法における共分散行列の逆行列演算を行う必要が無くなり、共分散ゲインP(k)の演算負荷を軽減することができると共に、スロットル装置3の動特性の変化に応じて共分散ゲインP(k)を設定でき、スロットル装置3の動特性が急峻に変化した場合であってもモデルパラメータベクトルθ(k)の同定誤差を収束させることができる。
また、本発明の実施形態における制御装置1では、モデルパラメータ同定器12が、スロットル装置3の制御出力値を利用して逐次最小二乗法における共分散ゲインP(k)を決定するので、モデルパラメータベクトルθ(k)の同定誤差が増加することを抑制することができる。
また、本発明の実施形態における制御装置1では、モデルパラメータ同定器12が、スロットル装置3の制御入力値を利用して逐次最小二乗法における共分散ゲインP(k)を決定するので、スロットル装置3が応答する前に共分散ゲインP(k)を決定することができ、スロットル装置3の動特性が変動してもモデルパラメータベクトルθ(k)の同定誤差を収束させることができる。
なお、本発明は、構成要素の形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、かかる構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、同定器の演算負荷を軽減可能であると共に、制御対象の動特性の変化に応じてモデルパラメータの共分散ゲインを設定可能な制御装置を提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に車両の制御装置の分野に適用され得るものと期待される。
1…制御装置
2…バッテリ
3…スロットル装置
4…アクセル開度センサ
11…目標開度設定部
12…モデルパラメータ同定器
13…適応コントローラ
31…スロットル弁
32…スロットル開度センサ
33…吸気通路
34…スロットルシャフト
35…全開位置
36…全閉位置
37…リターンスプリング
G1、G2…ギヤ
M…電動モータ
θ…角度範囲

Claims (3)

  1. 制御対象の制御入力値及び制御出力値に基づき、かつ、逐次最小二乗法による同定アルゴリズムを用いた同定処理により、前記制御対象を数式モデルで記述したプラントモデル式のモデルパラメータを同定する同定器と、
    前記同定器により同定された前記モデルパラメータを用いて制御ゲインを設定し、前記制御ゲインで前記制御対象をフィードバック制御するフィードバック制御部と、
    メモリと、
    を備える制御装置であって、
    前記同定器は、前記同定処理において、前記制御対象の動特性を示すパラメータにより決定されて前記メモリに予め記憶された対角成分を有する対角行列を用いて共分散ゲインを決定することを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御対象の動特性を示す前記パラメータは、前記制御対象の制御出力値であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御対象の動特性を示す前記パラメータは、更に前記制御対象の制御入力値を含むことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
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