JP6188625B2 - 塗膜耐候性予測方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、建築部材の表面を被覆して形成される、有機系塗料からなる塗膜の耐候性を予測する塗膜耐候性予測方法に関する。
従来から、上記のような塗膜の耐候性を予測する方法としては、屋外暴露試験(JIS K 5600−7−6:塗膜の長期耐久性−屋外暴露耐候性)や促進耐候性試験(JIS K 5600−7−7:塗膜の長期耐久性−促進耐候性)が用いられ、塗膜の光沢度の低下や変退色等の物理量で耐候性を予測して評価している。
上記予測方法のうち、屋外暴露試験は、地域差の影響はあるものの実際の劣化状態を評価できるが、長期の試験期間を必要とする問題がある。
又、例えば、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験等の促進耐候性試験(非特許文献1参照)は、上記の屋外暴露試験よりも短時間で耐候性を予測することができ、屋外暴露試験とのデータも豊富にあるが、塗膜劣化に至るまでには、尚、2500時間以上の長い試験時間が必要である。
そこで、耐候性の予測を短時間で行うために、被試験体に酸化剤の水溶液と光を実質的に同時に作用させる第1の工程と、被試験体に水、酸素及び光の1又は複数を作用させ、これらの複数を作用させる場合には実質的に同時に作用させる第2の工程とを順次実施して、迅速に屋外での劣化状態を再現する方法(特許文献1参照)も提案されている。しかしながら、この方法では、耐候性の予測について定量的な評価の指標が示されていない。
又、紫外線を照射し、発生するラジカル量から耐候性を予測して比較評価する方法(特許文献2参照)も提案されている。しかしながら、この方法は、評価対象がアクリル樹脂に限定される。加えて、塗膜を評価する場合、ラジカルを測定する装置に組み込む目的で特別な塗膜過程を与えた場合、実製品との性能に差異が生じ、測定精度が低くなる可能性があることが指摘されており、検体が限定される。
又、紫外線照射エネルギーの強度を更に高めて劣化の促進速度を高めることにより、試験時間を短縮することが可能なメタルハライドランプ式耐候性試験機等(非特許文献2参照)も実施されている。しかしながら、これについては、屋外暴露試験に対する十分なデータの蓄積がなく、実際の暴露との相関性に関してはバラツキが大きく評価結果の精度が現状では必ずしも十分ではない。
特許第3351747号公報 特開2005−337783号公報
飯田、高柳、矢部、塗料の研究No.145 Mar.2006pp26促進耐候性試験(その1) 飯田、高柳、塗料の研究No.146 Oct.2006pp26促進耐候性試験(その2)
本発明は、上記状況に鑑み、有機系塗料からなる塗膜の耐候性の評価に際して、従来の試験方法では、長時間の試験を経ないと実際には到達しえなかった塗膜劣化を、短時間で、且つ、定量的に予測することができる耐候性予測方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、有機系塗膜の検体について、劣化開始後の化学発光量のデータから、各検体の見かけ上の活性化エネルギーが算出できること、及び、この見かけ上の活性化エネルギーと各有機系塗膜が劣化限界に至るまでの標準的な劣化時間との相関から、有機系塗料からなる塗膜全般の耐候性予測処理に汎用的に用いることができる検量線を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 有機系塗料からなる塗膜の耐候性を予測する塗膜耐候性予測方法であって、検量線作成処理と、耐候性予測処理と、からなり、前記検量線作成処理は、複数の検量線作成用検体の光沢保持率が、所定の劣化促進条件の下で所定値以下となるまでの時間である標準劣化時間を測定する手順と、前記複数の検量線作成用検体を所定の劣化促進条件の下で劣化処理してなる複数の劣化処理済検体を作成する手順と、前記複数の劣化処理済検体それぞれについて、互いに異なる3つ以上の温度条件の下での化学発光量を測定する手順と、前記異なる温度条件の下での化学発光量から、アレニウス則に基づいて、前記複数の検量線作成用検体のそれぞれの見かけ上の活性化エネルギーを算出する手順と、前記複数の検量線作成用検体の前記標準劣化時間と前記見かけ上の活性化エネルギーとの相関から、評価対象検体の耐候性予測処理に用いる検量線を回帰的に得る手順と、からなり、前記耐候性予測処理は、前記評価対象検体の見かけ上の活性化エネルギーを算出する手順と、前記検量線を用いて、前記評価対象検体の見かけ上の活性化エネルギーから、該評価対象検体の耐候性を予測する処理と、からなる塗膜耐候性予測方法。
(1)の発明によれば、促進耐候性試験に供した塗膜の劣化程度を人間の目視や光沢度計による光沢度変化が観測できる以前の初期段階で測定することにより、長時間試験しないと実際には到達しない塗膜劣化を短時間で、且つ、定量的に、予測することができる。
(2) 前記標準劣化時間が、評価対象検体の光沢保持率が50%以下となるまでの時間である(1)に記載の塗膜耐候性予測方法。
(2)の発明によれば、(1)の発明の効果をより高い精度で安定的に享受することができる。
本発明によれば、有機系塗料からなる塗膜の耐候性の評価に際して、促進耐候性試験に供した塗膜の劣化程度を人間の目視や光沢度計による光沢度変化が観測できる以前の初期段階で測定することにより、長時間試験しないと実際には到達しない塗膜劣化を短時間で、且つ、定量的に予測することができる。
本発明の塗膜耐候性予測方法の実施の手順を示すフロー図である。 標準劣化時間と見かけ上の活性化エネルギーとの相関から回帰的に得た検量線を示すグラフ図である。
以下、本発明の好ましい実施態様について説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明の塗膜耐候性予測方法は、有機系の塗料からなる塗膜全般についての耐候性評価の方法として好ましく用いることができる。有機系の塗料とは、例えば、アクリル系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、アクリルシリコン系塗料、及びフッ素系塗料等を例示することができる。
<塗膜耐候性予測方法>
本発明の塗膜耐候性予測方法は、図1に示す通り、検量線作成処理S1と、検量線作成処理S1において作成した検量線を用いて、評価対象検体の耐候性を定量的に予測する耐候性予測処理S2とからなるプロセスである。以下、本発明の塗膜耐候性予測方法を構成する各処理、各手順の詳細について説明する。
[検量線作成処理(S1)]
検量線作成処理S1は、標準劣化時間測定st11、劣化処理済検体作成st12、化学発光量測定st13、活性化エネルギー算出st14、検量線作成st15の各手順を行うことによって、耐候性予測処理S2において用いる検量線を作成する処理である。
検量線作成処理S1における、各手順の順序について、劣化処理済検体作成st12、化学発光量測定st13及び活性化エネルギー算出st14の各手順はこの順序で順次行う。標準劣化時間測定st11は、st12〜14の上記手順と独立して行う。st12〜14とst11を行う順序は実施条件に応じて任意に決定すればよい。st11及びst12〜14の手順の後、これらの各手順の成果を用いて、検量線作成st15を行う。
(標準劣化時間測定(st11))
標準劣化時間測定st11は、複数の検量線作成用検体の標準劣化時間を求める手順である。標準劣化時間測定st11は、複数の、好ましくは5種類上の検量線作成用検体を用意し、これらの各検体に対して全て同一条件の促進耐候試験を行い、各検体の光沢保持率が、所定値以下となるまでの時間を測定し、その時間をもって各検体の標準劣化時間とする。
促進耐候試験は、屋外暴露のデータと関連付けを行い、短時間で耐候性を予測することができる公知の各試験方法を用いることができる。具体的な試験方法として「JIS K 5600−7−7:塗膜の長期耐久性−促進耐候性(キセノンランプ法)」による方法を好ましい具体例として挙げることができる。
検量線作成用検体としては、各種の有機系塗料からなる検体を適宜用いることができる。各種の有機系塗料は、見かけ上の活性化エネルギーがそれぞれ異なる複数の、好ましくは5種類以上の塗料を選択する。「見かけ上の活性化エネルギー」とは、後に詳しく説明するっ通り、本発明の方法における活性化エネルギー算出st14手順によって得ることができる値のことを言うものとする。
又、検量線作成用検体の光沢保持率とは、以下の通りに求めた値の事を言うものとする。先ず、各検体60度の鏡面光沢度(JIS K 5600−4−7)を求め、光沢保持率(G)は、促進耐候性試験照射前の鏡面光沢度(G)及び照射後の鏡面光沢度(G)を測定し、次の数式(数1)によって求める。
Figure 0006188625
上記の各検量線作成用検体について上記の促進耐候試験を行い、その試験結果から、各検量線作成用検体の光沢保持率(G)が、所定の割合いに到達した時間を求め、これを各検量線作成用検体の標準劣化時間とする。光沢保持率(G)の所定の割合いは、20%〜90%程度の間で任意に定めることが可能であるが、20%〜70%の間に設定することで、実際の使用態様に即した耐候性の予想の精度をより高めることができる。
(劣化処理済検体作成(st12))
劣化処理済検体作成st12は、標準劣化時間測定st11で採用したものと同一の検量線作成用検体について、標準劣化時間測定st11と、劣化処理を行う時間を全ての検体について同一の一定時間とすることの他は、全て同一の条件で促進耐候劣化処理を行うことによって、検量線作成用の劣化処理済検体を作成する。この処理における各検体の劣化処理を行う所定の一定の時間については、例えば、上記の促進耐候性試験(JIS K 5600−7−7)による場合であれば、キセノンランプによる紫外線照射時間を200時間程度とする例を好ましい実施態様の一例として挙げることができる。
(化学発光量測定(st13))
化学発光量測定st13は、劣化処理済検体作成st12で得た各劣化処理済検体を所定の温度で加熱した時に生じる化学発光を極微弱発光検出装置で検出する手順である。この測定は劣化反応を適度に促進して測定精度をより高めるために酸素雰囲気下で行うことが好ましい。この測定は、同一検体につき、温度条件のみを変えて、複数回、化学発光量を測定する。温度条件については、測定温度を温度範囲が60〜150℃の間で3点以上とし、例えば、90、110、130℃の3点とすることが好ましい。又、上記の促進耐候試験による劣化処理を行っていない各検量線作成用検体についても、上記と同一の試験条件、各温度条件で化学発光量を測定する。
(活性化エネルギー算出(st14))
各検量線作成用検体について、測定温度毎の劣化処理済の検体と未処理の同一検体との化学発光量の差を求め、その差の値の自然対数値Ln(△CL)を縦軸に、測定温度の絶対温度の逆数(1/K)を横軸とした片対数グラフに作成する。そして、各検体の見かけ上の活性化エネルギーを、グラフ上に作成した回帰式の傾きより求める。尚、上記の回帰式は、所定温度での化学反応の速度を予測可能とするアレニウス則をその根拠として設定することができる。
ここで、塗膜の劣化は、実際の屋外環境条件においては、紫外線等の劣化因子の攻撃を受けて進行する。塗膜の表面では、劣化因子の刺激を受けて化学反応が起こり、高活性のラジカルや過酸化物が生成し、塗膜の化学的分解が開始されてゆくと考えられている。化学発光は、化学反応の際に光が放射される現象のことであり、前述の化学的分解が開始され、酸化反応で劣化が進行する時に生成する活性な中間体が発光種となるものである。塗膜の劣化は一次の化学反応として捉えることができると考えると、活性な中間体が生成される量は劣化反応の速度を示す指標となる。反応速度は温度に依存することから、促進耐候性試験機で短時間の紫外線照射で劣化させた塗膜片からなる検体を酸素雰囲気下で温度の異なる条件で塗膜劣化後の化学発光量を求め、絶対温度の逆数と化学発光量の関係から反応速度に関連する見かけ上の活性化エネルギーを、上記の通り、求めることができる。尚、活性化エネルギーは、化学反応が基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーである。即ち、活性化エネルギーは化学反応を進めるために必要な最低エネルギーに相当し、活性化エネルギーの大小は、反応速度(劣化速度)と関連する。ここでは、見かけ上の活性化エネルギーが大きいほど反応が遅くなり、塗膜の劣化が進行しにくいこととなる。見かけ上の活性化エネルギーが大きい方が塗膜の耐候性が高いことが示される。
(検量線作成(st15))
活性化エネルギー算出st14手順で得た「見かけ上の活性化エネルギー」と、標準劣化時間測定st11で得た「標準劣化時間」と、から、最小二乗法により、評価対象検体の耐候性を予測するために用いる検量線を作成する。図2は、本発明の方法によって作成した検量線の一例である。
[耐候性予測処理(S2)]
耐候性予測処理S2は、評価対象検体の見かけ上の活性化エネルギー測定・算出st21、評価対象検体の促進耐候性予測時間算出st22の各手順を順次行うことにより、評価対象検体の耐候性を定量的に予測する処理である。
(評価対象検体の活性化エネルギー測定・算出(st21))
耐候性の予測を行う未知検体について、前記同様の方法(st12〜14)によって、見かけ上の活性化エネルギーを算出する。
(対象塗膜の促進耐候性予測時間算出(st22))
st21手順で得た未知検体の見かけ上の活性化エネルギーの値を、検量線作成処理S1で得た検量線に代入することによって、未知検体の光沢保持率が所定値(例えば50%)に到達する時間を求める。このようにして未知検体の耐候性を定量的に予測することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。
[検量線作成用検体]
表1に示す市販の上塗り塗料を検量線作成用検体1〜15用の塗料としてそれぞれ用いた。検量線作成用検体は標準劣化時間測定用得るための光沢保持率測定用として、70×150×1mmのアルミ板に、又、化学発光量測定用として、30×30×1mmのアルミ板に、各塗料を、それぞれ標準塗布量で塗装し、養生室で7日間静置したものを検量線作成用検体1〜15とした。
<検量線作成処理>
検量線作成用検体1〜15を用いて、以下の手順により検量線作成処理を実施した。
[標準劣化時間測定]
実施例の各検体の標準劣化時間を得るための促進耐候性試験を、上記の光沢保持率測定用の各検体を用いて、JIS K 5600−7−7に規定するキセノンランプ法の方法I、サイクルA、ブラックパネル温度は63℃の条件で実施した。光沢保持率測定用の各検体の塗膜の光沢度は、60度の鏡面光沢度(JIS K 5600−4−7)に基づいて実施し、光沢保持率Gは促進耐候性試験照射前の鏡面光沢度G及び照射後の鏡面光沢度Gを測定し、上記の数式(数1)によって求めた。
G=G/G×100(数1)
上記の促進耐候性試験の結果から、実施例の各検体の塗膜の光沢保持率が50%に到達するまでの時間である標準劣化時間を求めた。結果を表1に記す。
[劣化処理済検体作成]
上記の化学発光量測定用の各検体を、上記標準劣化時間測定において行った試験と同一の促進耐候性試験によって、劣化促進済検体とした。キセノンランプによる照射時間はいずれも200時間とした。
[化学発光量の測定]
上記処理で得た劣化処理済検体及び上記処理を行っていない未処理検体を、東北電子産業株式会社製化学発光アナライザーCLA−FS3で試料室の温度を110℃、測定雰囲気を酸素ガスフロー200cc/minの条件で化学発光量を10分間測定した。更に、試料室の温度を130℃、150℃と温度条件を変更した他は同一条件で、繰返し化学発光量を測定した。
[活性化エネルギー算出]
上記測定で得た劣化処理済検体と未処理検体との10分後の化学発光量の差を求め,各温度の絶対温度の逆数と10分後の化学発光量の差からグラフ(図示せず)を作成し、指数関数の近似線の傾きを求め、これを見かけ上の活性化エネルギーとした。結果を表1に記す。
Figure 0006188625
[検量線の作成]
実施例の各検体の見かけ上の活性化エネルギーと、光沢保持率が50%に到達した標準劣化時間から最小二乗法により検量線を求めたところ、以下の結果となった。
y=1.2213x−5079.4
図2は、この結果に基づく検量線を示すグラフ図である。
<耐候性予測処理>
上記処理で得た検量線(図2)を用いて、以下の手順で耐候性予測処理を実施した。
[検体の活性化エネルギー測定・算出]
市販の上塗り塗料3種類を実施例1〜3の検体とし、上記と同一手順で、見かけ上の活性化エネルギーを求めた。結果を表2に記す。
[促進耐候性予測時間算出]
上記の見かけ上の活性化エネルギーを図2の検量線に代入することによって、実施例1〜3の検体の光沢保持率が50%に到達する時間(予測値)を推定した。この結果を促進耐候性予測時間として、表2及び図2中に記す。
上記の市販の上塗り塗料3種類(実施例1〜3)について、上記と同一条件の促進耐候性試験機で光沢保持率が実際に50%に到達するまでの実際の時間を測定した。結果を促進耐候性実時間(試験データ)として、表2及び図2中に記す。
Figure 0006188625
以上より、本発明によれば、有機系塗料からなる塗膜の耐候性の評価に際して、促進耐候性試験に供した塗膜の劣化程度を人間の目視や光沢度計による光沢度変化が観測できる以前の初期段階で測定することにより、長時間試験しないと実際には到達しない塗膜劣化を短時間で、且つ、定量的に、又、実用上十分に好ましい精度で、推測することができることが分る。
S1 検量線作成処理
st11 標準劣化時間測定
st12 劣化処理済検体作成
st13 化学発光量測定
st14 活性化エネルギー算出
st15 検量線作成
S2 耐候性予測処理
st21 評価対象検体の活性化エネルギー測定・算出
st22 評価対象検体の促進耐候性予測時間算出

Claims (2)

  1. 有機系塗料からなる塗膜の耐候性を予測する塗膜耐候性予測方法であって、
    検量線作成処理と、耐候性予測処理と、からなり、
    前記検量線作成処理は、
    複数の検量線作成用検体の光沢保持率が、所定の劣化促進条件の下で所定値以下となるまでの時間である標準劣化時間を測定する手順と、
    前記複数の検量線作成用検体を所定の劣化促進条件の下で劣化処理してなる複数の劣化処理済検体を作成する手順と、
    前記複数の劣化処理済検体それぞれについて、互いに異なる3つ以上の温度条件の下での化学発光量を測定する手順と、
    前記異なる温度条件の下での化学発光量から、アレニウス則に基づいて、前記複数の検量線作成用検体のそれぞれの見かけ上の活性化エネルギーを算出する手順と、
    前記複数の検量線作成用検体の前記標準劣化時間と前記見かけ上の活性化エネルギーとの相関から、評価対象検体の耐候性予測処理に用いる検量線を回帰的に得る手順と、
    からなり、
    前記耐候性予測処理は、
    前記評価対象検体の見かけ上の活性化エネルギーを算出する手順と、
    前記検量線を用いて、前記評価対象検体の見かけ上の活性化エネルギーから、該評価対象検体の耐候性を予測する処理と、からなる塗膜耐候性予測方法。
  2. 前記標準劣化時間が、評価対象検体の光沢保持率が50%以下となるまでの時間である請求項1に記載の塗膜耐候性予測方法。
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