JP6188596B2 - バルブタイミング調整装置および製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施の形態1に係る吸気側のバルブタイミング調整装置100の構成を示す平面図であり、カバー4を取り外した状態である。図2は、吸気側のバルブタイミング調整装置100の断面図である。この吸気側のバルブタイミング調整装置100は、主に、ロータ1、ケース2、ハウジング3、カバー4から構成されており、エンジンの吸気側のカムシャフト10にセンタボルト11にて締結されている。
また、ロータ1の各ベーン102の先端部には、凹形状が形成されており、それぞれの凹形状に、油圧室間のオイル漏れを防止するシール8が板バネ9によって付勢された状態で装着されている。
エンジン始動時は、予めロックピン6がロックピン先端勘合穴110に勘合して、吸気側のロータ1を最遅角位置でロックしている(図1)。このときOCVは無通電状態であり、オイルは、吸気側のカムジャーナル13を介して遅角油路122、遅角油圧通路106、遅角油圧室104に供給される。
進角油圧室103の油圧を高めると、吸気側のロータ1は図1に示す位置から時計回り方向(進角方向)に回転して、吸気側のカムシャフト10のクランクシャフトに対する位相を進角側にずらし、吸気バルブの開閉タイミングを進角側にする。一方、遅角油圧室104の油圧を高めると、吸気側のロータ1は反時計回り方向(遅角方向)に回転して、吸気側のカムシャフト10のクランクシャフトに対する位相を遅角側にずらし、吸気バルブの開閉タイミングを遅角側にする。
図3は、ロータ1を成す積層鋼板の断面図と、各鋼板の分解図を示す。ロータ1の機能は、軸方向に、出力調整部210(鋼板A)、センタボルト座面部211(鋼板B)、油圧通路構成部212(鋼板C〜G)の3つに分けられ、油圧通路構成部212側の鋼板Gを最下層として、鋼板Gの上に、鋼板F、E、D、C、B、Aの順序で積み上げて構成される。これにより、鋼板A〜Gに形成された開口部が積層して、ロータ1の進角油圧通路105、遅角油圧通路106、ロックピン解除通路107、ロックピン後端ドレン通路108、ロックピン本体摺動穴109、位置決めピン勘合穴111、センタボルト取付座面113等を成す。よって、ロータ1の内部を径方向に走る進角油圧通路105および遅角油圧通路106等を、機械加工にて形成する必要がない。なお、図示例では1枚の鋼板を用いて鋼板Aを構成しているが、実際は、同一形状の鋼板を複数枚重ねて鋼板Aを構成することが多い。同様に、鋼板B〜Gのそれぞれも、同一形状の鋼板を複数枚重ねて構成することが多い。
なお、図示したパンチ311〜314とダイ321〜324は代表例であり、実際には、鋼板A〜Gの所定形状を形成するための多数のパンチとダイ(金型構成部品)が母型301,302にセットされている。
以下に具体例を示す。
図1で説明したように、動作角度201は、ロータ1とケース2の最進角と最遅角のそれぞれの当接面(即ち、進角側ストッパ面131、遅角側ストッパ面132)の位置によって定まる。ここで、図1のロータ1とケース2の形状により最大限の動作角度201を確保していると考えると、ロータ1またはケース2の少なくとも一方の進角側ストッパ面131、または、ロータ1とケース2の少なくとも一方の遅角側ストッパ面132に肉盛りすることで、動作角度201が縮小される。図5(a)は、ロータ1側の進角側ストッパ面131に肉盛り部133を設ける例、図5(b)は、ケース2側の進角側ストッパ面131に肉盛り部133を設ける例である。
図6は、図1に示したバルブタイミング調整装置100の変形例を示す断面図である。
図1では、ロータ1のカムシャフト取付座面112に対してカムシャフト10の端面が当接しているが、図6では、カムシャフト取付座面112にカムシャフト勘合溝116が凹設され、カムシャフト10の端部が勘合している。このような取り付けインタフェースの変更に対しては、カムシャフト勘合溝116を打ち抜く金型構成部品を母型301,302にセットすることで対応できる。
図7は、図1に示したバルブタイミング調整装置100の変形例を示す平面図である。また、図8(a)は、図1に示したロータ1に固定するカムシャフト10の端面、図8(b)は、図7に示したロータ1に固定するカムシャフト10の端面を示す。図1および図8(a)と、図7および図8(b)とを比べると、ロータ1の進角油圧通路105および遅角油圧通路106の配置が異なっている。なお、ロータ1の進角油圧通路105および遅角油圧通路106は、それぞれ、カムシャフト10の進角油路121および遅角油路122に連通する。
このような、油圧通路の配置位置、本数等の変更に対しては、進角油圧通路105および遅角油圧通路106を打ち抜く金型構成部品の入れ替えによって対応可能である。
図1および図8(a)と、図7および図8(b)とを比べると、位置決めピン12を勘合する、ロータ1側の位置決めピン勘合穴111と、カムシャフト10側の位置決めピン勘合穴123の配置が異なっている。
このような、位置決めピン12の配置位置、嵌合形状等の変更に対しては、位置決めピン勘合穴111を打ち抜く金型構成部品の入れ替えによって対応可能である。
図2と図6とを比べると、図6のセンタボルト11のほうが細い径のものを使用しているので、センタボルト11に合せてセンタボルト取付座面113とセンタボルト穴115の径も小さくなっている。
このような取り付けインタフェースの変更に対しては、センタボルト取付座面113とセンタボルト穴115を打ち抜く金型構成部品の取り替えによって対応可能である。また、センタボルト取付座面113の軸方向の深さの変更に対しては、センタボルト取付座面113を打ち抜く回数の変更によって対応可能である。
Claims (8)
- 内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動されるケースと、
前記内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを開閉するカムシャフトに固定されて、前記ケースとの間に形成された油圧室の油圧により前記ケースに対して相対回転駆動されるロータとを備え、前記吸気バルブまたは前記排気バルブの開閉タイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置の製造方法において、
プレス金型に交換可能に設置された金型構成部品で複数枚の金属板を打ち抜き、当該複数枚の金属板を積層して、前記ロータを構成する積層体または前記ケースを構成する積層体を製作する場合に、前記バルブタイミング調整装置の仕様の種類ごとに設けられた前記金型構成部品の一部を交換して打ち抜く形状を変更することにより当該積層体の一部形状を変更することを特徴とするバルブタイミング調整装置の製造方法。 - 前記金型構成部品を交換して、前記相対回転時に前記ロータと前記ケースが当接して動作角度を規制する当接面に形成する肉盛り形状を変更し、当該動作角度を変更することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置の製造方法。
- 前記金型構成部品を交換して、前記カムシャフトを勘合する前記ロータの勘合溝の径を変更することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置の製造方法。
- 前記金型構成部品による前記金属板の打ち数を変更して、前記ロータの勘合溝の深さを変更することを特徴とする請求項3記載のバルブタイミング調整装置の製造方法。
- 前記金型構成部品を交換して、前記ロータ内に形成されて前記油圧室に連通する油圧通路の本数および配置位置を変更することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置の製造方法。
- 前記金型構成部品を交換して、前記ロータと前記カムシャフトの位置決めピンを勘合する勘合穴の径と配置位置を変更することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置の製造方法。
- 前記金型構成部品を交換して、前記ロータと前記カムシャフトを固定するセンタボルトの座面外径とボルト穴径を変更することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置の製造方法。
- 内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動されるケースと、
前記内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを開閉するカムシャフトに固定されて、前記ケースとの間に形成された油圧室の油圧により前記ケースに対して相対回転駆動されるロータとを備え、前記吸気バルブまたは前記排気バルブの開閉タイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置において、
前記ケースおよび前記ロータは、プレス金型に交換可能に設置された金型構成部品で打ち抜いた複数枚の金属板を軸方向に積層した積層体であって、
前記バルブタイミング調整装置の仕様の種類ごとに設けられた前記金型構成部品の一部を交換して打ち抜く形状を変更することにより当該積層体の一部形状が変更されていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
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