JP6187761B2 - 顕微分光システム - Google Patents

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Description

本発明は、顕微分光システムに関する。
蛍光顕微鏡では、蛍光を励起光から分離検出する必要がある原理上、何らかの形での分光機能が必須となっている。多重染色した標本の多重励起光、多重蛍光像を高いS/Nで取得する装置として、分光された蛍光を微小鏡からなるミラーアレイを介して複数の受光器にそれぞれ導く構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−011546号公報
しかしながら、前述の分光器では、反射鏡アレイ(ミラーアレイ部)の微小鏡(可動ミラー)以外の構成部材の少なくとも一部で反射された光の一部が受光器(ディテクター)に迷光として入射してしまいS/Nを低下させてしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、反射鏡アレイ等の偏向部材の偏向素子(例えば、微小鏡)以外の構成部材の少なくとも一部で偏向された(反射された)光の一部が受光器に迷光として入射しない分光器を有する顕微分光システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る顕微分光システムは、光源からの励起光を走査して対物レンズにより標本に集光し、この標本から射出した信号光を対物レンズを介して集光する顕微鏡と、顕微鏡からの信号光を分光する分光素子と、分光素子で分光された分光光を受光する集光光学系と、複数の偏向素子が、少なくとも分光素子による分光方向に配列され、複数の偏向素子の各々が、分光光を少なくとも所定の1次元方向に偏向可能な偏向部材と、この偏向部材で偏向された分光光を受光する投影光学系と、複数の受光素子が、少なくとも投影光学系の光軸と略直交する面内における偏向部材により偏向可能な1次元方向に配列された受光器と、を有し、偏向部材を構成する複数の偏向素子のうち分光光に含まれる励起光が入射する偏向素子を除く偏向素子による分光光の偏向方向と、偏向部材を構成する、偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部による分光光の偏向方向とが異なるように、励起光を除く分光光に対する偏向素子と、分光光に対する、偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部とが設定されることを特徴とする。
このような顕微分光システムは、励起光が入射する偏向素子による励起光の偏向方向と、偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部による分光光の偏光方向とがほぼ同じであることが好ましい。
また、このような顕微分光システムは、偏向部材の偏向素子の面が、偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面と略平行になったときに、偏向素子、及び偏向素子以外の少なくとも一部で偏向された分光光が入射する遮光部を有することが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、遮光部は、反射部材であり、該反射部材で反射した分光光が入射する位置に、当該分光光を除去する迷光除去光学部を有することが好ましい。
また、このような顕微分光システムは、分光光のうち、コリメート光学系の光軸上を通って分光素子に入射した光線に相当する分光光が、偏向部材の偏向素子で偏向されて受光器の所定の位置に集光するときの、当該偏向素子で偏向された光線が進む方向を基準軸とし、当該基準軸に対して遮光部に入射するときの光線がなす角度をθとし、投影光学系の焦点距離をfとし、前記光線が受光器の最も端の受光素子に入射するときの基準軸とのなす角度をβとし、受光器の受光素子のピッチをCとしたとき、次式
θ ≧ β+C/f
の条件を満足することが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、遮光部は、遮光膜であり、偏向部材の偏向素子の面が偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面と略平行になったときに、偏向素子、及び偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部で偏向された分光光が入射する位置であって、投影光学系の少なくとも一つのレンズ面に遮光膜が形成されていることが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、遮光部は、遮光板であり、偏向部材の偏向素子の面が偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面と略平行になったときに、偏向素子、及び偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部で偏向された分光光が入射する位置であって、投影光学系の分光光が入射する側に遮光板を有することが好ましい。
また、このような顕微分光システムは、遮光膜又は遮光板で反射した分光光が入射する位置に、当該分光光を除去する迷光除去光学部を有することが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、集光光学系は、この集光光学系の光軸と略直交する面内における偏向部材の偏向可能な1次元方向と略直交する方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズであることが好ましい。
また、このような顕微分光システムは、分光光のうち、コリメート光学系の光軸上を通って分光素子に入射した光線が、偏向部材の偏向素子で偏向されて受光器の所定に位置に集光するときの、当該偏向素子で偏向された光線が進む方向を基準軸とし、当該基準軸に対して遮光膜又は遮光板に入射するときの前記光線がなす角度をθとし、前記光線が受光器の最も端の受光素子に入射するときの基準軸とのなす角度をβとし、偏向部材に入射する分光光の直径をAとし、偏向素子の面と偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面とが略平行になったときの間隔をBとし、偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部への分光光の入射角をαとし、偏向素子と投影光学系の最も光源側の面と基準軸上で接する面との基準軸方向の距離をLとしたとき、次式
θ ≧ β+A/L+(2Bsinα)/L
の条件を満足することが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、集光光学系は、この集光光学系の光軸に回転対称な屈折力を有することが好ましい。
また、このような顕微分光システムは、分光光のうち、コリメート光学系の光軸上を通って分光素子に入射した光線である主光線が、偏向部材の偏向素子で偏向されて受光器の所定に位置に集光するときの、当該偏向素子で偏向された主光線が進む方向を基準軸とし、当該基準軸に対して遮光膜又は遮光板に入射するときの主光線がなす角度をθとし、主光線が受光器の最も端の受光素子に入射するときの基準軸とのなす角度をβとし、偏向部材に入射する分光光の直径をAとし、偏向素子の面と偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面とが略平行になったときの間隔をBとし、偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部への分光光の主光線の入射角をαとし、偏向素子に入射する分光光の広がり角をδとし、偏向素子と投影光学系の最も光源側の面と基準軸上で接する面との基準軸方向の距離をLとしたとき、次式
θ ≧ β+2δ+(2Bsin(α+δ))/L
の条件を満足することが好ましい。
また、このような顕微分光システムは、偏向部材の偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部がモスアイ構成を有することが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、受光器の配置位置は、投影光学系の光軸と略直交する面内における偏向部材の偏向可能な1次元方向に関して投影光学系の後側焦点位置であることが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、投影光学系は、この投影光学系の光軸に直交する面内における偏向部材の偏向可能な1次元方向の屈折力と1次元方向に略直交する方向の屈折力とが異なり、偏向部材及び受光器は、投影光学系を介して、偏向部材の偏向可能な1次元方向と略直交する方向に関して共役関係であることが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、投影光学系は、この投影光学系の光軸と略直交する面内における偏向部材の偏向可能な1次元方向と略直交する方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズを有することが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、投影光学系は、光軸に回転対称な屈折力を有し、受光器の配置位置は、投影光学系の光軸と略直交する面内における偏向部材の偏向可能な1次元方向に関して投影光学系の後側焦点位置であることが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、受光器は、投影光学系の光軸と直交する面内に複数の受光素子が2次元に配列され、偏向部材の複数の偏向素子の各々は、投影光学系の光軸と直交する面内における偏向部材の偏向可能な1次元方向と直交する方向に偏向可能であることが好ましい。
また、このような顕微分光システムにおいて、信号光は、光ファイバの端面から射出されてコリメート光学系に入射するように構成されることが好ましい。
本発明を以上のように構成すると、偏向部材(例えば、反射鏡アレイ)の偏向素子(微小鏡)以外の構成部材で偏向された(反射された)光の一部が受光器に迷光として入射しない分光器を有する顕微分光システムを提供することができる。
顕微分光システムの構成を示すブロック図である。 分光器の第1の構成を説明するための説明図である。 反射鏡アレイの構成説明するための説明図であって、(a)は微小鏡を1次元方向に回転させることができる構成を示し、(b)は微小鏡を2次元方向に回転させることができる構成を示す。 第1の実施形態に係る分光器の構成を示す説明図である。 上記分光器における主光線と反射鏡アレイの微小鏡による結像位置との関係を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係る分光器の変形例を示す説明図である。 第1の実施形態に係る分光器の別の変形例を示す説明図である。 第1の構成に係る分光器において、受光器の受光面の最も端に入射する主光線を説明するための説明図である。 第1の構成に係る分光器において、反射鏡アレイの微小鏡及び駆動基盤部と主光線との関係を説明するための説明図である。 第2の実施形態に係る分光器の構成を示す説明図である。 分光器の第2の構成を説明するための説明図である。 分光器の第3の構成を説明するための説明図である。 第2及び第3の構成に係る分光器において、受光器の受光面の最も端に入射する主光線を説明するための説明図である。 第2及び第3の構成に係る分光器において、反射鏡アレイの微小鏡及び駆動基盤部と主光線との関係を説明するための説明図である。
[分光器の第1の構成]
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を用いて本実施形態に係る分光器を有する顕微分光システムの構成について説明する。図1に示すように、この顕微分光システム1は、光源系10、共焦点ユニット20及び顕微鏡30を有する共焦点顕微鏡と、分光器40と、制御部50と、を有する。この顕微分光システム1において、共焦点ユニット20と分光器40とは、ファイバカプラ29a,29bを介して光ファイバ28により光学的に接続されている。また、制御部50は、共焦点顕微鏡と分光器40(例えば、反射鏡アレイ44の微小鏡44aの傾き)を制御する。
光源系10は、レーザ装置11と、光ファイバ13と、ファイバカプラ12,14と、を有する。レーザ装置11は、例えば、レーザーダイオードを備え、目的の波長特性を有する照明光を射出する。この照明光は、光ファイバ13を介して共焦点ユニット20に導かれる。なお、図1の例では、照明光として、標本33を励起して蛍光を発光させるための励起光を射出する。
共焦点ユニット20は、光源系10からの照明光を略平行光束とするコリメートレンズ21と、ダイクロイックミラー22と、走査ユニット23と、スキャナレンズ24と、集光レンズ25と、ピンホール26aを有するピンホール板26と、リレーレンズ27と、を有する。また、顕微鏡30は、第2対物レンズ31及び対物レンズ32と、標本33が載置されるステージ34と、を有する。これらの共焦点ユニット20と顕微鏡30とを組み合わせて走査型共焦点顕微鏡が構成される。なお、ダイクロイックミラー22は、光源系10から射出されたレーザ光を顕微鏡30側に反射し、このレーザ光により励起した標本33から放射される蛍光を透過するように構成されている。また、集光レンズ25の像側焦点は、ピンホール板26のピンホール26aと略一致するように配置されている。
光源である光源系10のレーザ装置11から射出されたレーザ光(励起光)はファイバカプラ12を介して光ファイバ13に導入される。さらにこの光ファイバ13を通ったレーザ光はファイバカプラ14から共焦点ユニット20のコリメートレンズ21に入射する。そして、このレーザ光はコリメートレンズ21で略平行光に変換された後、ダイクロイックミラー22で顕微鏡30側の光路に反射され、直交配置された2つのガルバノミラーからなる走査ユニット23及びスキャナレンズ24に導入されて、二次元的に走査される。走査されたレーザ光は、第2対物レンズ31で略平行光にされた後、対物レンズ32により標本33上の1点に集光される。なお、走査ユニット23により二次元的に走査される標本33上の位置は、制御部50により走査ユニット23におけるガルバノミラーの動作を制御することにより制御される。そして、このレーザ光により励起された標本33から放射された蛍光(信号光)は、対物レンズ32で略平行光に変換され、レーザ光(励起光)と逆の経路を辿ってダイクロイックミラー22に入射する。さらに、ダイクロイックミラー22に入射した蛍光はこのダイクロイックミラー22を透過し、集光レンズ25によりピンホール板26のピンホール26a上に集光される。
ピンホール26aを通過した光は、リレーレンズ27を経て、ファイバカプラ29aから光ファイバ28に導かれる。リレーレンズ27を介すると、図1に示すように、ピンホール26aを通過した光が、そのままであると発散光束となるところを、再び、集光され、光ファイバ28の開口端において、見かけ上、小さな開口径でも、有効に(ロスが少なく)入射できるようになる。
ここで、ピンホール26aに形成される集光点は標本33上での光スポットの像となっているため、標本33上の他の点から発した光がたとえあったとしても、ピンホール26aでは像を結ばずピンホール板26により遮られ、ファイバカプラ29aにほとんど到達できない。そのため、このピンホール26aを通過できた光のみが、リレーレンズ27を介してファイバカプラ29aに到達できる。この結果、走査型共焦点顕微鏡では高い横分解能だけでなく、高い縦分解能を持って標本を観察できる顕微鏡となっている。
ファイバカプラ29aに入射した蛍光は、光ファイバ28を通り、ファイバカプラ29bを介して分光器40に導入される。
図2に示すように、分光器40は、光ファイバ28から入射する信号光(図1の例では蛍光)を略平行光束とするコリメート光学系41と、分光特性を有する波長分散素子(以下「分光素子」と呼ぶ)である回折格子42と、2次元に微小反射鏡(微小鏡)が配列されて反射面を形成する反射鏡アレイ44と、回折格子42で波長分散を受けた信号光(分光光)を反射鏡アレイ44の反射面上に2次元に集光する集光光学系43と、複数の受光素子46aがアレイ状に並べられた受光素子アレイにより受光面を形成する受光器46と、反射鏡アレイ44で反射された信号光(分光光)を受光器46の受光面に結像させる投影光学系45と、を有する。以下、この分光器40の光軸方向(光ファイバ28から出射した信号光が進む中心方向)をZ軸とし、この光軸に直交する面内において水平方向をX軸とし、垂直方向をY軸として説明する。なお、反射鏡アレイは、アナログ制御であり、各微小鏡は、任意の角度に設定可能であり、例えば、アダマンド工業株式会社(登録商標)製が用いられるが、これに限らない。また、反射鏡アレイは、公知のMEMS技術を用いて製造できる。反射鏡アレイ44は、後述するように制御部50によって制御される。
この分光器40では、光ファイバ28により導入された信号光を、コリメート光学系41により略平行光とし、回折格子42に照射する。この回折格子42は、X軸方向に延びる回折格子溝が微小間隔でY軸方向に複数並んで刻まれている。そのため、この回折格子42に入射した信号光は、Y軸方向に回折される。このとき回折角はその波長によって決まるため、この信号光はY軸方向に波長に応じて分散され、分光される。すなわち、光軸に直交する面内において、回折格子42による分光方向がY軸方向に相当し、この分光方向に直交する方向がX軸方向に相当する。また、図2(a)において、回折格子42は反射型で構成されている場合を示しているが、透過型で構成することも可能である。また、回折格子42は、レリーフ型でもVPHG(Volume Phase Holographic Grating)でも構成可能である(以降の実施形態においても同様である)。
そして、このようにして分光された信号光(分光光)は集光光学系43に入射する。この集光光学系43は、X軸方向とY軸方向の屈折力が異なるように構成されており、この図2においてはY軸方向の屈折力がX軸方向の屈折力より大きくなるように構成されている。例えば、この2次元集光光学系43としては、Y軸方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズを用いることができる。そのため、この集光光学系43に入射した分光光は、X軸方向には同一の長さであるがY軸方向に並ぶライン毎に異なる光波長からなる光パターンが生成され、反射鏡アレイ44上に投影される。例えば、図2の構成の場合、回折格子42でY軸方向上側に回折された分光光LI1は、集光光学系43により反射鏡アレイ44のY軸方向上側に光パターンIM11として集光される。また、回折格子42でY軸方向下側に回折された分光光LI2は、集光光学系43により反射鏡アレイ44のY軸方向下側に光パターンIM12として集光される。
ここで、反射鏡アレイ44は、図3(a)に示すような構造をした微小鏡44aが1次元、若しくは2次元に配列しているものである。微小鏡44aは、フレーム44bから内側に突出した2つのヒンジ44cによって支持されている。また、微小鏡44aの下には、上面に2つの矩形電極44dが所定間隔離れて平行に形成された駆動基盤部44eが配置されている。そして、フレーム44bと駆動基盤部44eとの間には、不図示のスペーサーが配置され、微小鏡44aと電極44dとの間に所定の空間を形成している。各微小鏡44aは、制御部50からの信号に基づいて2つの電極44dに加えられた電圧によって、フレーム44bで支えられたヒンジ44cの周りの、所定の1次元方向(本実施形態では分光方向と略直交する方向であるX軸方向)に傾斜させる(回転させる)ことができるように構成されている。一般に極端に縦横の長さの異なる微小鏡44aは製造が困難であることから、縦横の反射鏡アレイ44として十分な横幅が得られない場合には2次元配列したものを利用し、X軸方向に並ぶ微小鏡44aのX軸方向の各ラインに同一の制御を行うことで、あたかもY軸方向の幅が狭くX軸方向に長い鏡があるようにすることもできる。なお、複数の微小鏡44aからなる反射鏡アレイ44に限られず、分光光を偏向する微小偏向素子からなる微小偏向素子部材(偏向部材(アレイ))であればよい。
再び、図2に戻り、反射鏡アレイ44において反射された信号光(分光光)は、投影光学系45によって受光器46に導かれる。なお、受光器46の複数の受光素子46aは、X軸方向にアレイ状に並んで配置されている。すなわち、受光器46の受光素子46aは、反射鏡アレイ44の微小鏡44aの回転可能な1次元方向(X軸方向)に配列されている。この受光素子46aは、光電変換素子(PMT)である。また、投影光学系45は、光軸に対して回転対称な屈折力を有する第1集光レンズ45aと、Y軸方向の屈折力の方がX軸方向の屈折力より大きい第2集光レンズ45bとからなり、合成焦点距離がY軸方向とX軸方向とで異なるように設計されている。このとき、受光器46は、投影光学系45の光軸と略直交する面内における分光方向と略直交する方向、すなわち、反射鏡アレイ44の微小鏡44aの回転可能な1次元方向(X軸方向)に関して、投影光学系45の後側焦点位置に配置されている。また、反射鏡アレイ44及び受光器46は、投影光学系45を介して、この投影光学系45の分光方向、すなわち、反射鏡アレイ44の微小鏡44aの回転可能な1次元方向と略直交する方向(Y軸方向)に関して、共役関係に配置されている。そのため、この反射鏡アレイ44の各微小鏡44aを回転させることにより、各々の微小鏡44aで反射された分光光の受光器46の受光面(受光素子46aが並ぶ面)における集光位置を変化させることができる。換言すると、微小鏡44aの回転角度により、分光光の波長毎に、入射する受光素子46aを選択することができる。例えば、図2に示すように、反射鏡アレイ44のY軸方向上側に集光された光パターンIM11は、最も左側の受光素子46a上に集光され(IM21)、反射鏡アレイ44のY軸方向下側に集光された光パターンIM12は、右から2つ目の受光素子45a上に集光される(IM22)。なお、この投影光学系45の第2集光レンズ45bも、Y軸方向(分光方向)にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズを用いることができる。
それでは、以上のような構成の顕微分光システム1において、励起光が受光器46の受光面に迷光として入射しない方法について説明する。微小鏡44aの角度を変化させることにより蛍光のみ受光器46の受光面に入射させ、励起光は受光器46に到達しない方向に微小鏡44aの角度を振ることが考えられる。しかし、ピンホールも有限の大きさであり、またファイバ入射型分光器においてはファイバ端がある程度の大きさを持っているため、10nm以下の波長分解能を求める場合には励起光を一つの微小鏡44aに収めることができない。そのため、励起光の一部が反射鏡アレイ44に配置された、ヒンジ44cやフレーム44bの一部で反射したり、励起光の一部が、微小鏡44aとフレーム44bとの隙間(ギャップ部分)に入り込み、駆動基盤部44eの表面で反射して受光器46まで到達してしまう可能性がある。そこで本実施形態では、反射鏡アレイ44の微小鏡44a以外の構成部材(例えば、前述したヒンジ44c、フレーム44b、駆動基盤部44eであるが、これらに限定されない)の少なくとも一部において反射した励起光も受光器46に入射しないようにしたことが特徴である。
[第1の実施形態]
まず、図4を用いて反射鏡アレイ44の微小鏡44a以外の構成部材、例えば、フレーム44bの上面、ヒンジ44c、駆動基盤部44eの上面等で正反射した分光光が、受光器46の受光面に入射しない構成について説明する。なお、図4は、図2におけるXZ断面において、分光器40の光学系のうち、回折格子42から受光器46までを示している。そのため、回折格子42で分光された光(分光光)は波長に応じて紙面に垂直方向(Y軸方向)に広がり、また、受光器46の受光素子46aは紙面に沿って右上がりの方向に並んでいるものとする。また、微小鏡44aは、紙面に垂直に延びる軸(ヒンジ44c)を中心に左右方向に回転する(揺動する)ように構成されている。ここで説明を簡単にするために、反射鏡アレイ44において、電極44dが配置された駆動基盤部44eの上面、駆動基盤部44eの上方に配置される、ヒンジ44cを介して微小鏡44aを支持するフレーム44bの上面は、互いに略平行に配置された平面であるとして説明する。また、以降の説明において、微小鏡44aの反射面が駆動基盤部44eの上面、及びフレーム44bの上面と略平行である状態を「初期状態S0」と呼び、回折格子42で分光された光の主光線Rが微小鏡44aで反射されて投影光学系45の光軸上を進むときの微小鏡44aの状態を「基準状態S1」と呼ぶ。ここで、微小鏡44aが基準状態S1にあるときの、この微小鏡44aで反射された主光線が進む方向をこの光学系の基準軸Z0としたとき、この基準軸Z0は光軸と一致する。なお、ここでは光ファイバ28から出射してコリメート光学系41の光軸上を進む光線及びこの光線が回折格子42で分光された分光光を主光線と呼ぶこととする(XZ断面から見たときは、分光光の各々の主光線は略一致している)。
図4に示すように、この第1の実施形態に係る分光器40において、回折格子42で分光された光(分光光)のXZ断面における主光線Rは、反射鏡アレイ44の、初期状態S0にある微小鏡44aの反射面に対して斜めに入射するように構成されている。また、このXZ断面において、微小鏡44aで反射した分光光を受光器46aの受光面に集光する投影光学系45の光軸も初期状態S0にある微小鏡44aに対して斜めに配置されている(図4において、初期状態S0にある微小鏡44aの法線(図示せず)を挟んでこれらの光がV字状に入射及び出射するように配置されている)。なお、投影光学系45の光軸(基準軸Z0)と、受光器46の受光面のX軸方向の略中央部とは略一致するように配置されている(微小鏡44aが基準状態S1にあるときに、この微小鏡44aで反射された分光光が受光器46の受光面の略中央部に集光する)ものとする。
第1の実施形態に係る分光器40を以上のように構成すると、反射鏡アレイ44のフレーム44b又は駆動基盤部44eの表面、あるいはヒンジ44cは固定されているため、これらで反射した分光光は、投影光学系45により所定の位置に集光される。具体的には、反射鏡アレイ44の微小鏡44aが初期状態S0(フレーム44b又は駆動基盤部44eの上面と略平行な状態)にあるときに、この微小鏡44aで反射した分光光が集光される位置に集光される。この位置に、図4に示すように遮光板47を配置することにより、喩え分光光に含まれる励起光が反射鏡アレイ44の微小鏡44a以外の構成部材(例えばフレーム44b等)で反射したとしても、この遮光板47で除去することができる。もちろん、図4に示すように、微小鏡44aを初期状態S0から回折格子42と反対側の所定の角度以上回転させることで受光器46の受光面の所望の位置に分光光を入射させることができる。
ここで、図5(a),(b)に示すように、受光器46の受光面のX軸方向の幅(両端の受光素子46aの中心間の距離)をWとし、受光器46の受光面の最も端(最も端の受光素子46aの中心)に分光光を集光するための、微小鏡44aの基準状態S1からの偏向角をβとし、投影光学系45の焦点距離をfとすると、次の式(a)の関係が導き出される。なお、図5(a)は、図4において微小鏡44aで反射した後の主光線のみを示している(微小鏡44aが初期状態S0のときの反射光の主光線をR0とし、微小鏡44aが基準状態S1のときの反射光の主光線をR1とし、微小鏡44aが基準状態S1から偏向角βだけ回転した状態S2のときの反射光の主光線をR2とする)。また、偏向角βは、微小鏡44aを基準状態S1から初期状態S0に近づけるように回転させたとき(図5(a)における状態S2のとき)の角度である。
fsinβ = W/2 (a)
従って、反射鏡アレイ44のフレーム44b等で反射した主光線(微小鏡44aが初期状態S0にあるときにこの微小鏡44aで反射した主光線R0)と微小鏡44aが基準状態S1にあるときにこの微小鏡44aで反射した主光線R1(基準軸Z0)とのなす角(偏向角)をθとし、受光器46の受光面に配置された受光素子46aの横幅(X軸方向幅又はピッチ)をCとすると、受光器46のいずれの受光素子46aにも主光線R0を入射させないためには、この主光線R0は受光器46の受光面の最も端(最も端の受光素子46aの中心)よりも少なくともピッチCだけさらに外側に集光させることが必要である。そのため、次の式(b)の関係が成り立つ。
fsinθ > W/2+C (b)
そして、このような式(a),(b)より、次式(c)の関係を導き出すことができる。
fsinθ ≧ fsinβ+C (c)
ここで、角θ,βは微小角(例えば、2〜5°であるが、これに限らない)であるため、この式(c)は、次式(c′)のように表すことができる。
fθ ≧ fβ+C (c′)
以上より、反射鏡アレイ44のフレーム44b等で反射した主光線R0を、受光器46のいずれの受光素子46aにも入射させないためには、基準状態S1にあるときの微小鏡44aにより反射された主光線R1(基準軸Z0)と初期状態S0にあるときの微小鏡44aにより反射された主光線R0とのなす角度θは、上述の式(a),(b)より、次式(1)の関係を満足することが必要である。また、この式(1)を満足するように配置された初期状態S0の微小鏡44aにより反射された分光光の主光線R0が集光する位置に、分光光の光束の幅を考慮した領域を有する、上述の遮光板47を配置することが必要である。
θ ≧ β+C/f (1)
なお、図4に示すように受光器46の近傍に遮光板47を配置する構成だけでなく、図6に示すように、微小鏡44aが初期状態S0にあるときにこの微小鏡44aで反射した主光線が入射する投影光学系45の少なくとも一つのレンズ面に遮光膜47′を形成しても良い。さらに、遮光板47又は遮光膜47′に入射しこれらで反射した光が受光器46に入射しないように、遮光板47又は遮光膜47′で反射した光が入射する位置に、これらの光を吸収する迷光除去光学部48を設けることが好ましい。なお、図6に示すように、遮光膜47′(遮光板47も同じ)で反射した光を更に反射鏡49で反射させた後、迷光除去光学部48に入射させるようにしても良い。また、除去したい励起光を微小鏡44a上に分離・集光できるときは、当該微小鏡44aを初期状態S0になるように回転させることにより、同様に除去することができる。
また、図7に示すように、微小鏡44aが初期状態S0にあるときにこの微小鏡44aで反射した主光線が入射する投影光学系45の光源側に遮光板47"を設けても良い。ここで、反射鏡アレイ44の微小鏡44aが基準状態S1にあるときの、この微小鏡44aで反射された主光線が進む方向をこの光学系の基準軸Z0としたとき(前述した「基準状態S1」の定義のとおり、基準軸Z0は、投影光学系45の光軸に相当する)、微小鏡44aから投影光学系45の最も光源側の面までの基準軸Z0上の距離をLとし、受光器46の受光面の最も端(最も端の受光素子46aの中心)に分光光を集光するための、微小鏡44aの基準状態S1からの偏向角をβとしたとき、投影光学系45の最も光源側の面と光軸上で接する面(「接平面P」と呼ぶ)において、偏向角βのときに微小鏡44aで反射された主光線R2の入射する位置までの光軸からの距離H1は次式(d)で表される(図8を併せて参照)。
H1 = Ltanβ (d)
また、上述のH1の位置は、主光線R2が接平面Pに入射する位置であるため、この分光光の光束の幅(半径)を考慮する必要がある。そのため、回折格子42で分光された分光光のXZ断面での光束の直径をAとすると、上記投影光学系45の最も光源側の接平面PでのXZ断面における光束の半径H2は次式(e)で表される(図8を併せて参照)。
H2 = (A/2)/cosβ (e)
ここで、本実施形態に係る分光器40において、反射鏡アレイ44の駆動基盤部44eは、微小鏡44aの下方に配置されている。そのため、図9に示すように、初期状態S0のときの微小鏡44aで反射した分光光に対して、駆動基盤部44eで反射した分光光は基準軸Z0に近づくようにシフトする。なお、図9は、反射鏡アレイ44の主要部として、初期状態S0の微小鏡44a、駆動基盤部44eに対して、回折格子42で分光された分光光の主光線R及び周辺光線(図9において最も基準軸Z0に近い光線をRminとし、最も基準軸Z0から遠い光線をRmaxとして表している)、並びに、この主光線R及び周辺光線Rmin,Rmaxが、初期状態S0の微小鏡44aで反射した主光線R0,Rmin0,Rmax0、並びに、駆動基盤部44eで反射した周辺光線のうち、Rminの反射光Rmin0′のみを示している。また、基準軸Z0との関係は強調して表現されている。この図9から明らかなように、初期状態S0のときの微小鏡44aへの分光光の主光線R及び周辺光線Rmin,Rmaxの入射角、すなわち、駆動基盤部44eの表面への分光光の入射角をαとし、初期状態S0のときの微小鏡44aと駆動基盤部44eとの距離をBとすると、この主光線R及び周辺光線Rmin,Rmaxが微小鏡44aから駆動基盤部44eまでの間で進む距離Yは、次式(f)として表される。そして、回折格子42からの周辺光線Rminと、この周辺光線Rminが駆動基盤部44eで反射した周辺光線Rmin0′のなす角度は2αであるから、初期状態S0のときの微小鏡44aで反射された周辺光線Rmin0に対する駆動基盤部44eで反射された周辺光線Rmin0′のシフト量H3は、次式(g)で表される。
Y = B/cosα (f)
H3= Y×sin2α = 2Bsinα (g)
上述したように、分光光の光束の直径をAとすると、初期状態S0のときの微小鏡44aで反射された主光線R0から、最も基準軸Z0に近い周辺光線の駆動基盤部44eで反射された周辺光線Rmin0′までのシフト量は、H3+A/2となる。このシフト量H3+A/2を上述の接平面Pに投影したときの長さH3′は、初期状態S0にあるときの微小鏡44aにより反射された主光線R0及び周辺構成Rmin0,Rmax0(すなわち、反射鏡アレイ44のフレーム44bの上面や駆動基盤部44eの表面で反射された主光線R0及び周辺構成Rmin0,Rmax0)と基準軸Z0とのなす角度をθとすると、図9より、次式(h)で表される。
H3′=(H3+A/2)/cosθ
=(2Bsinα+A/2)/cosθ (h)
以上より、上述の投影光学系45の最も光源側の接平面Pにおいて、基準軸Z0と初期状態S0にあるときに微小鏡44aで反射された分光光の主光線R0とのなす角度がθで、微小鏡44aから接平面Pまでの基準軸Z0上の距離がLであることから、接平面Pにおいて、基準軸Z0からこの主光線R0が入射する位置までの距離はLtanθで表され、この距離Ltanθは、図7及び上述の式(d)、(e)、(h)から、次式(i)の関係を満足することが必要である。
Ltanθ≧H1+H2+H3′
≧Ltanβ+A/(2cosβ)+(2Bsinα+A/2)/cosθ (i)
ここで、角θ、βは微小角(例えば、2〜5°であるが、これに限らない)であるため、この式(i)は、次式(i′)のように表すことができる。
Lθ ≧ Lβ+A/2+2Bsinα+A/2
≧ Lβ+A+2Bsinα (i′)
よって、この式(i′)より、第1の構成に係る分光器40の投影光学系45の最も光源側の接平面Pにおいて、基準軸Z0と初期状態S0にあるときの微小鏡44aで反射された分光光の主光線R0とのなす角度θは、次式(2)の関係を満足する必要がある。前述した遮光膜47′又は遮光板47″は、投影光学系45の最も光源側の接平面Pの位置に換算して、初期状態S0の微小鏡44aにより反射された分光光の主光線R0が集光する位置を含み、基準軸Z0側にシフト量H3′と分光光の光束の幅(半幅)を考慮した領域を有するものを配置することが必要である
θ ≧ β+A/L+(2Bsinα)/L (2)
なお、図3(a)を用いて説明した反射鏡アレイ44は、各々の微小鏡44aが一次元方向(X軸方向)に回転することにより、分光光を受光部46の受光面の所望の位置(X軸方向の位置)に入射させるように構成した場合について説明したが、この構成に限定されることはなく、X軸方向及びY軸方向の2軸に鏡面を傾斜させることができるようになっている。例えば、図3(b)に示すように、駆動基盤部244hの上面に対向する2組の電極244f,244gを配置し、各微小鏡244aは、第1フレーム244bで支えられた第1ヒンジ244cの周りに第1電極244fに加えられた電圧によってX軸方向に鏡面を傾斜させることができ、さらに、この第1フレーム244bは、第2フレーム244dで支えられた第2ヒンジ244eの周りに第2電極244gに加えられた電圧によってY軸方向に鏡面を傾斜させることができるように構成されている。
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態においては、反射鏡アレイ44において、初期状態S0の微小鏡44a、フレーム44bの上面及び駆動基盤部44eの上面がそれぞれ略平行になるように配置されていたが、フレーム44b又は駆動基盤部44eの少なくとも一方を、受光器46の受光面に反射光が入射しない方向に傾斜するように配置しても良い。図10は、駆動基盤部44eに傾斜をつけた場合を示している。このようにフレーム44b又は駆動基盤部44eの少なくとも一方を傾斜させることにより、このフレーム44b又は駆動基盤部44eで反射した分光光を除去することができる。なお、このようにフレーム44b又は駆動基盤部44eを傾斜させた場合には、その反射光が上記式(1)又は式(2)を満足するように配置することが必要である。この図10の場合、傾斜させた駆動基盤部44eと微小鏡44aが略平行になる状態が初期状態S0である。また、上述の第1の実施形態と同様に、遮光板47で反射した光を迷光除去光学部48に入射させるようにしても良い。
[第3の実施形態]
上述したように、微小鏡44aとフレーム44bとのギャップ部分を通過した分光光は、駆動基盤部44e等で乱反射する可能性が高い。よって、駆動基盤部44eの上面(特に、ギャップ部分の直下)を反射防止構造にすることが好ましい。このような反射防止構造とは、モスアイ構造や散乱帯を用いることができる。ここで、モスアイ構造とは、除去したい光の波長以下の周期で凹凸が形成された構造であり、上述した反射防止膜とことなり、乱反射の光も効率良く減光することができる。
[分光器の第2の構成]
図11に、分光器の第2の構成として、分光器140を示す。第1の構成に係る分光器40との違いは、横方向(XZ断面におけるX軸方向)において光ファイバ28の射出端と反射鏡アレイ44とが共役関係であり、同様に横方向(X軸方向)において回折格子42と受光器46の受光領域とが共役関係になったことである。なお、縦方向(Y軸方向)の関係は第1の構成と同様である。また、この第1の構成と同様の構成要素については、同一の符合を付し、詳細な説明は省略する。
図11に示す分光器140は、光ファイバ28から入射する信号光を略平行光とするコリメート光学系41と、分光特性を有する波長分散素子(分光素子)である回折格子42と、2次元に微小鏡が配列された反射鏡アレイ44と、回折格子42で波長分散を受けた信号光(分光光)を反射鏡アレイ44の反射面上に1次元に集光する集光光学系143と、複数の検出領域46aを形成する複数の受光素子46bがX軸方向にアレイ状に並べられた受光素子アレイを有する受光器46と、反射鏡アレイ44で反射した光を受光器46の受光領域に結像させる投影光学系45と、を有する。
この分光器140では、光ファイバ28を介して取り込まれた信号光を、コリメート光学系41により略平行光とし、回折格子42に照射する。この信号光は回折格子42で波長毎に異なる角度に分散されて集光光学系143により反射鏡アレイ44上に集光される。なお、反射鏡アレイ44は第1の構成と同様に、図3(a)に示す構成を有している。また、この第2の構成において、集光光学系143は光軸に回転対称な屈折力を有している。そのため、回折格子42でY軸方向上側に回折された分光光LI1は、集光光学系143により反射鏡アレイ44のY軸方向上側に点像IM11として集光される。また、回折格子42でY軸方向下側に回折された分光光LI2は、集光光学系143により反射鏡アレイ44のY軸方向下側に点像IM12として集光される。
反射鏡アレイ44で反射された分光光は投影光学系45によって受光器46に導かれる。ここで、投影光学系45は第1の構成と同様、光軸に回転対称な屈折力を有する第1集光レンズ45aと例えばシリンドリカルレンズで構成される第2集光レンズ45bとからなり、合成焦点距離がY軸方向とX軸方向で異なるように設計されている。
この第2の構成では投影光学系45のX軸方向の焦点距離は、第1の構成と同様に、投影光学系45のX軸方向主面と受光器46との距離に等しくなるように設計されており、反射鏡アレイ44上の微小鏡44aによる信号光(分光光LI1)の反射方向(反射光LO1の方向)に依存して、この信号光を、受光器46を構成する複数の検出領域46aのうちのどの検出領域46aに入射させるかを選択することができる。
[分光器の第3の構成]
図12に、分光器の第3の構成として分光器240を示す。第1及び第2の構成に係る分光器40,140との違いは、縦方向(YZ断面におけるY軸方向)及び横方向(XZ断面におけるX軸方向)で、光ファイバ28の射出端と反射鏡アレイ244が共役関係であり、同様に回折格子42と受光器46の受光領域が共役関係になったことである。なお、第1及び第2の構成と同様の構成要素については、同一の符合を付し、詳細な説明は省略する。
図12に示す分光器240は、光ファイバ28から入射する信号光を略平行光とするコリメート光学系41と、分光特性を有する波長分散素子(分光素子)である回折格子42と、2次元に微小反射鏡(微小鏡)が配列された反射鏡アレイ244と、回折格子42で波長分散を受けた信号光(分光光)を反射鏡アレイ244上に1次元に集光する集光光学系143と、検出領域46aを形成する複数の受光素子46bがX軸方向にアレイ状に並べられた受光素子アレイを有する受光器46と、反射鏡アレイ244で反射した光を受光器46の受光領域に結像させる投影光学系245と、を有する。検出領域46aは、Y軸方向に並ぶように、第1のサブ領域及び第2のサブ領域に分割されている。
この分光器240では、光ファイバ28を介して取り込まれた信号光を、コリメート光学系41により略平行光とし、回折格子42に照射する。観察光は回折格子42で波長毎に異なる角度に分散されて集光光学系143により反射鏡アレイ244上に集光される。この第3の構成においても、第2の構成と同様に、集光光学系143は光軸に回転対称な屈折力を有している。そのため、回折格子42でY軸方向上側に回折された分光光LI1は、集光光学系143により反射鏡アレイ244のY軸方向上側に点像IM11として集光される。また、回折格子42でY軸方向下側に回折された分光光LI2は、集光光学系143により反射鏡アレイ244のY軸方向下側に点像IM12として集光される。
また、反射鏡アレイ244は第1及び第2の構成とは異なり、上述の所定の1次元方向(X軸方向)に加えて、この1次元方向に略直交する方向(Y軸方向)にも鏡面を傾斜させることができる、すなわち、X軸方向及びY軸方向の2軸に鏡面を傾斜させることができるようになっている。例えば、図3(b)の構成を有している。
反射鏡アレイ244において反射された分光光は投影光学系245によって受光器46に導かれる。ここで、投影光学系245は、第1及び第2の構成とは異なり、Y軸方向とX軸方向で焦点距離は同じである。例えば、この投影光学系245は、光軸に回転対称な屈折力を有して構成されている。この第3の構成において、受光器46は、投影光学系245の光軸と略直交する面内におけるY軸方向(分光方向)に関してこの投影光学系245の後側焦点位置に配置されている。すなわち、投影光学系245の焦点距離は、投影光学系245の主面と受光器46との距離に等しくなるように設計されており反射鏡アレイ244上の微小鏡244aによる信号光(分光光LI1)の反射方向(反射光LO1の方向)に依存して受光器246を構成する受光素子246aのうちのどの受光素子246aに入射するかを選択することができる。
第1の構成の分光器40は、図8等に示すように、Y軸方向から見たときに、回折格子42で分光された分光光は、反射鏡アレイ44の微小鏡44aに略平行光として入射しているが、上述した第2及び第3の構成の分光器140,240は、Y軸方向から見たときに反射鏡アレイ44の微小鏡44aに対して収斂光として入射している(微小鏡44aの回転中心と分光光の集光点とは略一致しているものとする)。そのため、上述した遮光膜47′又は遮光板47″を配置する位置は、反射鏡アレイ44に入射するこの分光光の特徴を考慮しなければならない。以下、図13及び図14を用いて説明する。
図13において、Rは分光光の主光線を示し、R2は前述したように基準状態S1から偏向角βだけ回転させた状態S2のときの微小鏡44aで反射したこの主光線を示している。また、Rminは、微小鏡44aに入射する、広がり角(最大強度に対して1/100になる角度をいう)を持った分光光の光線のうち、Y軸方向から見たときに、微小鏡44aで反射した光線が基準軸Z0から最も離れる光線Rminを示している(この広がり角を持った光線Rminの反射光をRmin2とする)。ここで、微小鏡44aに入射する分光光の広がり角をδとし、受光器46の受光面の最も端(最も端の受光素子46aの中心)に分光光を集光するための、微小鏡44aの基準状態S1からの偏向角をβとすると、微小鏡44aで反射した主光線Rの反射光R2と基準軸Z0とのなす角度がβとなる(この微小鏡44aの状態をS2とする)。このとき、上述した接平面Pにおいて、分光光のうち、広がり角を持った反射光Rmin2が通過する位置より基準軸Z0側に遮光膜47′又は遮光板47″が配置されると、受光器46に入射する分光光と干渉してしまう。そのため、分光光の広がり角δを考慮すると、広がり角を持った反射光Rmin2が通過する接平面P上の位置は、次式(j)に示すように、基準軸Z0からK1離れた位置となる。換言すると、反射鏡アレイ44の初期状態S0の微小鏡44a(駆動基板部44e等と略並行な状態の微小鏡44a)で反射した分光光は、接平面Pにおいて、K1より外側に入射させる必要がある。なお、微小鏡44aから接平面Pまでの基準軸Z0上の距離をLとする。
K1 = L×tan(β+δ) (j)
また、図14に示すように、初期状態S0のときの微小鏡44aで反射した分光光に対して、この微小鏡44aよりも下方に位置する駆動基板44eで反射した分光光は、基準軸Z0に近づくように反射する。収斂光として微小鏡44aに入射する分光光の場合、微小鏡44aに入射する、広がり角を持った分光光の光線のうち、Y軸方向から見たときに、微小鏡44aで反射した光線が基準軸Z0に最も近づく光線Rmaxを考慮する必要がある(この光線Rmaxの反射光をRmax0とする)。図14は、反射鏡アレイ44の主要部として、初期状態S0の微小鏡44a、駆動基盤部44eに対して、回折格子42で分光された分光光の主光線R、この分光光の広がり角を持った光線Rmax、並びに、この光線Rmaxが、初期状態S0の微小鏡44aで反射した光線Rmax0、及び、駆動基盤部44eで反射した光線Rmax0′のみを示している。また、基準軸Z0との関係は強調して表現されている。ここで、初期状態S0のときの微小鏡44aへの分光光の主光線Rの入射角、すなわち、駆動基盤部44eの表面への分光光の主光線Rの入射角をαとすると、広がり角を持った光線Rmaxの入射角α′は、α′=α+δと表される。そして、初期状態S0のときの微小鏡44aと駆動基盤部44eとの距離をBとすると、この広がり角を持った光線Rmaxが微小鏡44aから駆動基盤部44eまでの間で進む距離Yは、次式(k)として表される。さらに、回折格子42からの広がり角を持った光線Rmaxと、この光線Rmaxが駆動基盤部44eで反射した光線Rmax0′のなす角度は2α′であるから、初期状態S0のときの微小鏡44aで反射された広がり角を持った光線Rmax0に対する駆動基盤部44eで反射された光線Rmax0′のシフト量K2は、次式(m)で表される。
Y = B/cosα′ (k)
K2 = Y×sin2α′=2Bsinα′ (m)
そして、このシフト量K2を上述の接平面Pに投影したときの長さK2′は、初期状態S0にあるときの微小鏡44aにより反射された広がり角を持った光線Rmax0(すなわち、反射鏡アレイ44のフレーム44bの上面や駆動基盤部44eの表面で反射された広がり角を持った光線Rmax0)と基準軸Z0とのなす角度をθ′とすると、図14より、次式(n)で表される。
K2′ = K2/cosθ′=2Bsinα′/cosθ′ (n)
また、上述のK2′の位置は、初期状態S0にある微小鏡44aで反射した分光光の主光線Rmaxの反射光が接平面Pに入射する位置であるため、この分光光の光束の幅(半幅)を考慮する必要がある。図14において、基準軸Z0に対して反射光Rmax0から広がり角δだけ広がった光線をRmax0″とし、この光線Rmax0″の基準軸Z0とのなす角度をθとすると、光線Rmax0″の微小鏡44aから接平面Pまでの距離はL/cosθとなり、接平面P上の光線Rmax0が入射する位置から光線Rmax0″が入射する位置までの距離K3は、光線Rmax0″を半径とする円弧であると考えると、次式(o)で表される。
K3 = (L/cosθ)×δ (o)
以上より、上述の投影光学系45の最も光源側の接平面Pにおいて、基準軸Z0に対する初期状態S0にあるときに微小鏡44aに反射された分光光の主光線(主光線Rの反射光)のなす角度がθで、微小鏡44aから接平面Pまでの基準軸Z0上の距離がLであることから、接平面Pにおいて、基準軸Z0からこの主光線が入射する位置までの距離はLtanθで表され、この距離Ltanθは、上述の式(j)、(n)、(o)から、次式(p)の関係を満足することが必要である。
Ltanθ≧K1+K2′+K3
≧Ltan(β+δ)+2Bsinα′/cosθ′+(L/cosθ)×δ (p)
但し、
α′=α+δ
θ′=θ−δ
ここで、角θ、β、δは微小角(例えば、2〜5°であるが、これに限らない)であるため、この式(p)は、次式(p′)のように表すことができる。
Lθ ≧ L(β+δ)+2Bsin(α+δ)+Lδ (p′)
よって、この式(p′)より、第2及び第3の構成に係る分光器140,240の投影光学系45の最も光源側の接平面Pにおいて、基準軸Z0と初期状態S0にあるときに微小鏡44aで反射された分光光の主光線R0とのなす角度θは、次式(3)の関係を満足する必要がある。前述した遮光膜47′又は遮光板47″は、投影光学系45の最も光源側の接平面Pの位置に換算して、初期状態S0の微小鏡44aにより反射された分光光の主光線(主光線Rの反射光)が集光する位置を含み、基準軸Z0側にシフト量H3′と分光光の光束の幅(半幅)を考慮した領域を有するものを配置することが必要である
θ ≧ β+2δ+(2Bsin(α+δ))/L (3)
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を持たない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1 顕微分光システム 20 共焦点ユニット 30 顕微鏡
40 分光器 41 コリメート光学系 43 集光光学系
44 反射鏡アレイ 44a微小鏡 45 投影光学系
46 受光器 46a 受光素子
47,47" 遮光板 47′ 遮光膜 48 迷光除去光学部

Claims (19)

  1. 光源からの励起光を走査して対物レンズにより標本に集光し、前記標本から射出した信号光を前記対物レンズを介して集光する顕微鏡と、
    前記顕微鏡からの前記信号光を分光する分光素子と、
    前記分光素子で分光された分光光を受光する集光光学系と、
    複数の偏向素子が、少なくとも前記分光素子による分光方向に配列され、前記複数の偏向素子の各々が、前記分光光を少なくとも所定の1次元方向に偏向可能な偏向部材と、
    前記偏向部材で偏向された前記分光光を受光する投影光学系と、
    複数の受光素子が、少なくとも前記投影光学系の光軸と略直交する面内における前記偏向部材により偏向可能な前記1次元方向に配列された受光器と、を有し、
    前記偏向部材を構成する前記複数の偏向素子のうち前記分光光に含まれる前記励起光が入射する前記偏向素子を除く前記偏向素子による前記分光光の偏向方向と、前記偏向部材を構成する、前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部による前記分光光の偏向方向とが異なるように、前記励起光を除く前記分光光に対する前記偏向素子と、前記分光光に対する、前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部とが設定されることを特徴とする顕微分光システム。
  2. 前記励起光が入射する前記偏向素子による前記励起光の偏向方向と、前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部による前記分光光の偏光方向とがほぼ同じであることを特徴とする請求項1に記載の顕微分光システム。
  3. 前記偏向部材の前記偏向素子の面が、前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面と略平行になったときに、前記偏向素子、及び前記偏向素子以外の少なくとも一部で偏向された前記分光光が入射する遮光部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の顕微分光システム。
  4. 前記遮光部は、反射部材であり、該反射部材で反射した前記分光光が入射する位置に、当該分光光を除去する迷光除去光学部を有することを特徴とする請求項3に記載の顕微分光システム。
  5. 前記分光光のうち、コリメート光学系の光軸上を通って前記分光素子に入射した光線に相当する分光光が、前記偏向部材の前記偏向素子で偏向されて前記受光器の所定の位置に集光するときの、当該偏向素子で偏向された前記光線が進む方向を基準軸とし、当該基準軸に対して前記遮光部に入射するときの前記光線がなす角度をθとし、前記投影光学系の焦点距離をfとし、前記光線が前記受光器の最も端の受光素子に入射するときの前記基準軸とのなす角度をβとし、前記受光器の前記受光素子のピッチをCとしたとき、次式
    θ ≧ β+C/f
    の条件を満足することを特徴とする請求項3または4に記載の顕微分光システム。
  6. 前記遮光部は、遮光膜であり、前記偏向部材の前記偏向素子の面が前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面と略平行になったときに、前記偏向素子、及び前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部で偏向された前記分光光が入射する位置であって、前記投影光学系の少なくとも一つのレンズ面に前記遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の顕微分光システム。
  7. 前記遮光部は、遮光板であり、前記偏向部材の前記偏向素子の面が前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面と略平行になったときに、前記偏向素子、及び前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部で偏向された前記分光光が入射する位置であって、前記投影光学系の前記分光光が入射する側に前記遮光板を有することを特徴とする請求項3に記載の顕微分光システム。
  8. 前記遮光膜又は前記遮光板で反射した前記分光光が入射する位置に、当該分光光を除去する迷光除去光学部を有することを特徴とする請求項6または7に記載の顕微分光システム。
  9. 前記集光光学系は、前記集光光学系の光軸と略直交する面内における前記偏向部材の偏向可能な前記1次元方向と略直交する方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の分光器。
  10. 前記分光光のうち、コリメート光学系の光軸上を通って前記分光素子に入射した光線が、前記偏向部材の前記偏向素子で偏向されて前記受光器の所定に位置に集光するときの、当該偏向素子で偏向された前記光線が進む方向を基準軸とし、当該基準軸に対して前記遮光膜又は前記遮光板に入射するときの前記光線がなす角度をθとし、前記光線が前記受光器の最も端の受光素子に入射するときの前記基準軸とのなす角度をβとし、前記偏向部材に入射する前記分光光の直径をAとし、前記偏向素子の面と前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面とが略平行になったときの間隔をBとし、前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部への前記分光光の入射角をαとし、前記偏向素子と前記投影光学系の最も前記光源側の面と前記基準軸上で接する面との前記基準軸方向の距離をLとしたとき、次式
    θ ≧ β+A/L+(2Bsinα)/L
    の条件を満足することを特徴とする請求項9に記載の顕微分光システム。
  11. 前記集光光学系は、前記集光光学系の光軸に回転対称な屈折力を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の分光器。
  12. 前記分光光のうち、コリメート光学系の光軸上を通って前記分光素子に入射した光線である主光線が、前記偏向部材の前記偏向素子で偏向されて前記受光器の所定に位置に集光するときの、当該偏向素子で偏向された前記主光線が進む方向を基準軸とし、当該基準軸に対して前記遮光膜又は前記遮光板に入射するときの前記主光線がなす角度をθとし、前記主光線が前記受光器の最も端の受光素子に入射するときの前記基準軸とのなす角度をβとし、前記偏向部材に入射する前記分光光の直径をAとし、前記偏向素子の面と前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部の面とが略平行になったときの間隔をBとし、前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部への前記分光光の主光線の入射角をαとし、前記偏向素子に入射する前記分光光の広がり角をδとし、前記偏向素子と前記投影光学系の最も前記光源側の面と前記基準軸上で接する面との前記基準軸方向の距離をLとしたとき、次式
    θ ≧ β+2δ+(2Bsin(α+δ))/L
    の条件を満足することを特徴とする請求項11に記載の顕微分光システム。
  13. 前記偏向部材の前記偏向素子以外の構成部材の少なくとも一部がモスアイ構成を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の顕微分光システム。
  14. 前記受光器の配置位置は、前記投影光学系の光軸と略直交する面内における前記偏向部材の前記偏向可能な前記1次元方向に関して前記投影光学系の後側焦点位置であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の顕微分光システム。
  15. 前記投影光学系は、前記投影光学系の光軸に直交する面内における前記偏向部材の前記偏向可能な前記1次元方向の屈折力と前記1次元方向に略直交する方向の屈折力とが異なり、
    前記偏向部材及び前記受光器は、前記投影光学系を介して、前記偏向部材の前記偏向可能な前記1次元方向と略直交する方向に関して共役関係であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の顕微分光システム。
  16. 前記投影光学系は、前記投影光学系の光軸と略直交する面内における前記偏向部材の前記偏向可能な前記1次元方向と略直交する方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズを有することを特徴とする請求項15に記載の顕微分光システム。
  17. 前記投影光学系は、前記光軸に回転対称な屈折力を有し、
    前記受光器の配置位置は、前記投影光学系の光軸と略直交する面内における前記偏向部材の前記偏向可能な前記1次元方向に関して前記投影光学系の後側焦点位置であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の顕微分光システム。
  18. 前記受光器は、前記投影光学系の光軸と直交する面内に前記複数の受光素子が2次元に配列され、
    前記偏向部材の前記複数の偏向素子の各々は、前記投影光学系の光軸と直交する面内における前記偏向部材の前記偏向可能な前記1次元方向と直交する方向に偏向可能であることを特徴とする請求項17に記載の顕微分光システム。
  19. 前記信号光は、光ファイバの端面から射出されてコリメート光学系に入射するように構成されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の顕微分光システム。
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