JP6183925B2 - 放射イミュニティ試験装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線システムの発する変調信号が電気・電子装置の動作や性能に影響を及ぼすか否かを判定する放射イミュニティ試験装置およびその方法に関する。
従来から、放送波や無線信号などの電磁波が電気・電子装置と電磁結合し、電気・電子装置の動作状況や性能に影響を与えることが懸念されており、電磁波が到来した場合にも電気・電子装置が性能劣化なしに正常動作することを試験するための放射イミュニティ試験方法が規定されている。
例えば、IEC61000−4−3(非特許文献1)では、3mの試験距離から被試験装置に対して、平面電磁波を照射する試験方法が記載されており、放送波を模擬した振幅変調信号が試験波形として用いられている。
また、どの強度(試験レベル)の試験波形を照射するかは、被試験装置の要求仕様によって決められており、ITU−T勧告K.80(非特許文献2)において、通信装置の試験レベルは3V/mとされている。
その一方で、携帯電話やスマートフォン等の無線システムの普及に伴い、電気・電子装置のより近傍で無線システムが利用される機会が増加した。そのため、CISPRやIEC SC77などの国際標準化団体では、近くの無線システムなどが発する電磁波によって生成される近傍電磁界が電気・電子装置に与える影響を試験するための方法について検討されているが、その試験方法は検討段階である。
そのため、既存の放射イミュニティ試験(IEC61000−4−3など)は、放送波や無線信号が遠方から到来することを想定した試験方法であるため、いわゆる遠方界における電磁結合をモデル化した試験方法である。
しかしながら、無線システムの急速な進展により、携帯電話、スマートフォンなどの移動通信システムや無線センサネットワークは、電気・電子装置の近傍においても使用されるようになった。そのため、従来のモデルとは異なる電磁結合を想定した放射イミュニティ試験方法の確立が求められている。
特に、近傍界では、波動インピーダンスが伝搬距離によって異なる(距離に対して一定でない)ため、無線システムが電気・電子装置の近傍に接近する状況を模擬することが目的の放射イミュニティ試験においては、波動インピーダンスが約377Ωで一定と仮定した既存の放射イミュニティ試験と異なる試験条件の設定が必要となる。
試験条件としては、試験波形、試験レベル、試験距離などが挙げられる。試験波形として、想定する無線システムの変調信号をそのまま用いる方法も考えられるが、例えば、IEEE802.11シリーズの無線LANを対象とする場合、1次変調だけでも、PSK(Phase Shift keying)およびQAM(Quadrature Amplitude Modulation)の多値変調信号を生成することが可能な信号発生器が必要となる。さらに2次変調まで考慮すると、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)やOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)の広帯域変調信号の生成機能が必要となる。
また、試験波形の種類が増えるたびに、周波数を変化させながら電気・電子装置の動作の正常性等を確認する作業が増えるため、試験稼働の増加も課題となる。そのため、IEC61000−4−3で用いられている振幅変調信号などの標準的な信号波形のみで試験が実施でき、且つ、試験対象の電気・電子装置に対して、無線変調信号が与える影響と同等の評価を行えることが望ましい。
次に、試験レベルを決定する際は、対象とする無線システムが電気・電子装置の近傍に存在するときに生じる電界強度と同等程度であること(過剰試験でないこと)が求められる。既存の放射イミュニティ試験(IEC61000−4−3など)においては、式(1)を仮定して、試験レベル設定を行う。ここで、Eは生じる電界強度、Gはアンテナ利得、Pは入力電力、Rはアンテナと被試験装置間の距離である。
図1に、測定結果と式(1)により算出される電界強度を示す。図1に示すように、式(1)を仮定した試験レベル設定では、被試験装置である電気・電子装置と試験に用いるアンテナ(以下、試験アンテナ)の距離が近づくにつれ、実際に生じる電界強度と試験レベルの差が大きくなる。例えば1cmの距離においては、約2倍(35V/m)の差が生じ、そのまま用いると過剰試験となってしまう。そのため、近傍界における波動インピーダンスの変動を考慮した試験レベル設定方法が必要となる。言い換えれば、任意の距離に無線システムが近づくことを想定した場合の試験レベルを、近傍界において一意に決定する手法が必要となる。
さらに、試験距離を設定する際には、試験アンテナと被試験装置である電気・電子装置が近づきすぎることにより、実効的に空間の波動インピーダンスが大きくなり、試験アンテナから印加する電磁波の多くが被試験装置の表面等で反射し、実質的な印加電界強度が小さくなってしまうという課題が存在する。
一方、試験距離を大きくすると、所望の電界強度を印加する際に必要な試験アンテナ入力電力が大きくなり、対象とする無線システムの周波数に対して増幅率(最大出力)の大きな増幅器が必要となる。
そのため、試験距離の設定には、これら印加電磁界の反射量および電磁界を印加する増幅器の性能を考慮する必要がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、無線システムが被試験装置の近傍に近づいた状況を簡単な試験波形のみで模擬し、且つ、適切なアンテナ入力電力、および適切な試験距離を容易に設定することが可能な放射イミュニティ試験装置およびその方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、無線システムの発する変調信号が電気・電子装置の動作に与える影響度を試験する放射イミュニティ試験装置であって、前記変調信号を模擬した、振幅変調波形およびパルス変調波形の少なくとも一方からなる試験波形を発生する信号発生器と、前記試験波形を増幅する信号増幅器と、増幅された前記試験波形を有する電磁波を放射する試験用アンテナと、前記試験用アンテナの位置を制御するアンテナポジショナと、前記試験用アンテナからの近傍界における距離Rに対する波動インピーダンスZを求め、予め設定された前記電気・電子装置に印加する所望の電界強度、および前記試験用アンテナのアンテナ利得G、ならびに前記波動インピーダンスZに基づき、前記試験用アンテナへのアンテナ入力電力Pおよび前記距離Rを算出する試験条件決定装置と、を備え、前記試験波形は、前記無線システムがデジタル変調方式である場合は、前記振幅変調波形および前記パルス変調波形を使用して前記変調信号が模擬され、前記無線システムがデジタル変調方式以外の場合には、前記振幅変調波形のみを使用して前記変調信号が模擬されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の放射イミュニティ試験装置において、前記試験条件決定装置は、前記放射イミュニティ試験装置で用いる前記変調信号を増幅する信号増幅器の最大出力以下となるよう前記アンテナ入力電力Pを設定し、且つ、前記変調信号が放射される試験用アンテナと前記電気・電子装置間の反射率が所定の値以下となるよう前記距離Rを算出することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の放射イミュニティ試験装置において、前記試験条件決定装置は、前記試験用アンテナ上の電流を求め、前記電流に基づき前記試験用アンテナから放射された電界および磁界を求め、前記試験用アンテナの近傍における前記電界および前記磁界の比から前記試験用アンテナ近傍の前記波動インピーダンスZを求めることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の放射イミュニティ試験装置において、模擬した変調信号はASK,FSK,PSK,QAMのいずれかであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、無線システムの発する変調信号が電気・電子装置の動作に与える影響度を試験する放射イミュニティ試験方法であって、前記変調信号を模擬した振幅変調波形およびパルス変調波形の少なくとも一方からなる試験波形を有する電磁波を試験用アンテナから前記電気・電子装置に印加するステップと、前記試験用アンテナからの近傍界における距離Rに対する波動インピーダンスZを求めるステップと、予め設定された前記電気・電子装置に印加する所望の電界強度、および前記試験用アンテナのアンテナ利得G、ならびに前記波動インピーダンスZに基づき、前記試験用アンテナへのアンテナ入力電力Pおよび前記距離Rを設定するステップと、を有し、前記試験波形は、前記無線システムがデジタル変調方式である場合は、前記振幅変調波形および前記パルス変調波形を使用して前記変調信号が模擬され、前記無線システムがデジタル変調方式以外の場合には、前記振幅変調波形のみを使用して前記変調信号が模擬されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の放射イミュニティ試験方法において、前記アンテナ入力電力Pおよび前記距離Rを設定するステップは、前記放射イミュニティ試験装置で用いる前記変調信号を増幅する信号増幅器の最大出力以下となるよう前記アンテナ入力電力Pを設定し、且つ、前記変調信号が放射される試験用アンテナと前記電気・電子装置間の反射率が所定の値以下となるよう前記距離Rを設定することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の放射イミュニティ試験方法において、前記波動インピーダンスZを求めるステップは、前記試験用アンテナ上の電流を求め、前記電流に基づき前記試験用アンテナから放射された電界および磁界を求め、前記試験用アンテナの近傍における前記電界および前記磁界の比から前記試験用アンテナ近傍の前記波動インピーダンスZを求めることを特徴とする。
本発明によれば、様々な変調方式の無線システムが電気・電子装置の近傍に近づく電磁環境を効果的に模擬することが可能であり、アンテナ入力電力、試験距離を適切に設定することが可能となるため、妥当性の高い放射イミュニティ試験が効率的に実施できる。
測定結果と式(1)により算出される電界強度を示す図である。 本発明の実施形態1に係る放射イミュニティ試験の試験系を示す図である。 代表的なデジタル変調方式であるQAMを採用している無線システムの信号波形(時間波形)を示す図である。 一般的な振幅変調信号の波形を示す図である。 一般的なパルス変調信号の波形を示す図である。 測定結果と式(3)により算出される電界強度を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、被試験装置表面等における反射量を測定する系を示す図である。 多数の被試験装置に対して、1〜6GHzの周波数における反射量(S11)を測定した結果の平均値を示す図である。 本発明の一実施形態に係る放射イミュニティ試験の試験条件である試験波形、試験レベル、および試験距離の設定手順を示すフローチャートである。 複数の電気・電子装置に対する試験条件による試験結果の比較結果を示す図である。 振幅変調波形およびパルス変調波形を合成した波形を示す図である。 本発明の実施形態2に係る放射イミュニティ試験の試験系を示す図である。 本発明の実施形態2に係る試験条件決定装置107の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施形態1)
図2に、本発明の実施形態1に係る放射イミュニティ試験の試験系を示す。101は被試験装置に対して試験波形を印加するための信号発生器であり、102は信号発生器101が発する試験信号を増幅するための信号増幅器であり、103は任意の位置にアンテナを設置するためのアンテナポジショナであり、104は試験波形印加用のアンテナであり、105は被試験装置であり、106は放射イミュニティ試験を実施するための電波半無響室、またはシールドルームなどである。
一般にデジタル変調信号S(t)は式(2)で表現することができる。
ここで、A(t)はデジタル変調信号の振幅であり、B(t)はデジタル変調を行うシンボルであり、f(t)はデジタル変調信号の中心周波数であり、φ(t)はデジタル変調信号の位相である。
図3に、代表的なデジタル変調方式であるQAMを採用している無線システムの信号波形(時間波形)を示す。シンボルB(t)に応じて振幅A(t)が時間変動している。また、図3に示すように、通常の(デジタル)無線システムは、送受信する時間間隔が通信プロトコル等により定められているため、信号が出たり、出なかったりするバースト性を有する。そのため、QAMなどの振幅が変動するデジタル変調信号は振幅変調信号(図4)に近い振る舞いをし、送受信間隔が存在することによるバースト性はパルス変調信号(図5)に近い振る舞いをすることがわかる。したがって、無線システムからの電磁波は振幅変調信号とパルス変調信号により模擬できると考えられる。
ここで、他のデジタル変調方式についても同様の考え方が適用できることについて述べる。ASKは、式(2)において、f(t)およびφ(t)を一定とした振幅変調方式であり、2値のASKは、ON/OFFキーイングとも呼ばれるように、シンボル0のとき振幅0、シンボル1のとき振幅Aとなり、パルス変調信号と類似する時間波形となる。
次に、FSKは、式(2)において、A(t)およびφ(t)を一定とした周波数変調方式であり、通常の放射イミュニティ試験においては、周波数を変化させて試験波形を印加するため、バースト性を考慮してパルス変調波形を用いれば十分であることが容易に推定できる。
さらに、PSKは、式(2)において、A(t)およびf(t)を一定とした位相変調方式である。妨害を受ける被試験装置内部の信号は印加される試験波形の位相を知らないため、被試験装置の近くにPSKを採用した無線システムが近づいた場合も、被試験装置内部の伝送信号等の位相に対してランダム位相で結合すると考えて良い。そのため、PSKを模擬する場合も、バースト性を有するパルス変調信号を印加しておけば十分な評価が可能であると考えられる。
以上説明したように、ASK、FSK、PSK、QAMなどの代表的なデジタル変調を採用する無線システムの信号は、振幅変調信号またはパルス変調信号で模擬できる。
次に、無線システムが被試験装置から任意の距離に近づく状況、および波動インピーダンスの変動を考慮した試験レベルの設定方法について説明する。
通常、電気・電子装置の近傍に接近する可能性のある無線システムには、その利便性から、半波長ダイポールアンテナなどの比較的等方性の高いアンテナが用いられる。アンテナ近傍の波動インピーダンスの分布を求めることにより、1波長程度以下の近傍界における電界強度が推定できる。
先ず、モーメント法を用いて半波長ダイポールアンテナ上の電流を求め、その電流から放射される電磁界を求めることにより、アンテナ近傍の電界と磁界の比からアンテナ近傍の波動インピーダンスを求める。そして、モーメント法による波動インピーダンスの計算結果をPade近似することにより、対象とする無線システムのアンテナ入力電力をP、アンテナ利得をG、アンテナ近傍における波動インピーダンスをZ、無線システムのアンテナと被試験装置の距離をRとした場合の、アンテナ近傍の電界強度は式(3)で表せる(非特許文献3参照)。
図6に、図1の測定結果と式(3)により算出される電界強度を示す。図6より、アンテナ近傍の波動インピーダンスの変動を考慮することで、無線システムの近傍で実際に発生する電磁界をより精度良く見積もることが可能である。そのため、例えば、式(3)を用いれば、任意の距離Rに無線システムが近づくことを想定した場合の電界強度が求められる。
ここで、式(3)によって求められる電界強度は、アンテナ利得Gのばらつきやアンテナと被試験装置間の距離の不確かさなど現実的な変動要因を考慮していないため、安全率(マージン)Mを考慮する必要がある。そのため、任意の距離Rに無線システムが近づくことを想定した試験レベルEtestは、
で設定することが可能となる。ここで、心臓ペースメーカに対して携帯電話端末が近づく場合を想定する場合は、安全率を√2としていることから、無線システムが電気・電子装置に近づく場合は同様の安全率を設定することが妥当であると考えられる。
次に、無線システムが被試験装置に近づくことを想定した放射イミュニティ試験では、信号増幅器の最大出力や、試験波形の被試験装置表面等における反射量を考慮しながら、所望の試験レベルを実現する試験距離を設定することが重要となる。以下では、試験距離の設定方法について述べる。
図7に、本発明の一実施形態に係る、被試験装置表面等における反射量を測定する系を示す。701はSパラメータにより反射量を測定するためのネットワークアナライザであり、702は同軸ケーブルであり、703は入射波を送信し、反射波を受信するためのアンテナであり、704は被試験装置である。
図8に、多数の被試験装置に対して、1〜6GHzの周波数における反射量(S11)を測定した結果の平均値を示す。点線に対応する縦軸が反射率であり、実線に対応する縦軸がアンテナ入力電力であり、横軸はアンテナと被試験装置間の距離である。ここで、図8では、一例として、30V/mの試験レベルを実現するために必要な信号増幅器の出力をアンテナと被試験装置間の距離に対して示してある。試験レベルを30V/m、安全率Mを√2、アンテナ利得Gを1.64、波動インピーダンスを146Ωとすると、例えば距離Rが1cmでは、式(4)からアンテナ入力電力Pは3.125mWとなる。
通常、アンテナのリターンロス(入力電力に対する反射電力の比)は10%以下とされており、さらに、一般的な信号増幅器を用いた場合、最大出力は25dBmである。このことから、試験信号の通信装置からの反射率が10%以下となり、尚且つ、印加に必要なアンテナ入力電力が25dBm以下となるアンテナと通信装置の距離を求めると、およそ10cmが得られる。
以上説明したように、本発明の放射イミュニティ試験方法を用いれば、変調信号と等価的な試験波形を用い、適切な試験レベル、試験距離において効率的な放射イミュニティ試験が実施できる。
本発明の第一の実施形態では、一例として、IEEE802.11g準拠の2.4GHz帯無線LANシステムが電気・電子装置のごく近傍(距離1cm)に近づくことを想定した放射イミュニティ試験について説明する。
放射イミュニティ試験系については、図2に示すものを用いる。また、図9に、本発明の一実施形態に係る放射イミュニティ試験の試験条件である試験波形、試験レベル、および試験距離の設定手順を示し、これを用いて説明する。
試験条件の設定としては、先ず、想定する無線システムがデジタル変調方式か、アナログ変調方式かを判断する。デジタル変調方式である場合は、試験波形として、振幅変調波形およびパルス変調波形の少なくとも一方、またはそれらを組み合わせた波形を設定する(S902)。一方、アナログ変調方式である場合は従来どおり(IEC61000−4−3など)、振幅変調波形のみを設定する(S903)。
次に、無線システムが被試験装置に近づくことを想定する距離R、および距離Rにおける波動インピーダンスを求める(S904)。例えば、非特許文献3に記載されているモーメント法による計算で求められる。
所望の試験レベルに対する安全率を設定し、安全率、S904で求めた無線システムのアンテナ近傍の波動インピーダンス、アンテナ利得から、アンテナ入力電力、アンテナと被試験装置との距離を、式(4)などを用いて設定する(S905)。安全率は、無線システムが被試験装置のごく近傍に近づくことを想定していることから設定するもので、例えば、心臓ペースメーカに対して携帯電話端末が近づく場合を想定する際に用いられる√2を設定してもよい。
次に、被試験装置の表面等における反射量の下限(例えば、10%)、および信号増幅器の最大出力(例えば、+25dBm)などの制約条件から最適な試験距離を設定する(S906)。例えば、1〜6GHzの無線システムに対して、前述の制約条件を満足する試験距離は、図8に示すように10cmとなる。
以上説明したように、S901〜S906を行うことで、試験条件となる試験波形、アンテナ入力電力、試験距離を設定し、放射イミュニティ試験を実施することができる。
以下では、IEEE802.11g準拠の2.4GHz帯無線LANシステムの実信号(QAM)を試験波形として用いた場合と、振幅変調波形およびパルス変調波形を試験波形として用いた場合の放射イミュニティ試験結果を比較し、振幅変調波形およびパルス変調波形を試験波形として用いることの妥当性を示す。
試験系には図2に示すものを用い、試験レベル30V/m、試験距離10cmとする。さらに、試験に用いる振幅変調の変調周波数、変調度はそれぞれ、非特許文献1に記載の1kHz、80%に設定し、パルス変調波形の変調周波数、Duty比は、実際にLTE等で用いられる217Hz、50%を設定する。
図10に、複数の電気・電子装置に対する試験条件による試験結果の比較結果を示す。本発明の放射イミュニティ試験を、被試験装置であるリンク系装置、専用線装置に対して実施した結果である。バースト性に弱い装置はパルス変調波形の試験結果との相関が高く、振幅変動に弱い装置は振幅変調波形の試験結果との相関が高いことから、振幅変調波形およびパルス変調波形の試験結果を組み合わせたものは、実信号(QAM)の試験結果を良く模擬している。
尚、振幅変調波形とパルス変調波形を合成して、図11に示すような振幅変調波形およびパルス変調波形を合成した波形を生成し、その合成した波形を被試験装置に印加することで、試験に必要な時間を半分にすることも可能である。
(実施形態2)
図12に、本発明の実施形態2に係る放射イミュニティ試験の試験系を示す。実施形態2は、実施形態1の実験系に対して、信号発生器101およびアンテナポジショナ103を制御する試験条件決定装置107をさらに備えている。
図13に、本発明の実施形態2に係る試験条件決定装置107の構成を示す。201は入力部であり、202は試験波形決定部であり、203はアンテナ入力電力決定部であり、204は試験距離決定部204であり、205は試験条件記憶部、206は出力部である。
試験条件決定装置107は、図9に示す設定手順に基づき、入力部201からの入力に基づき、試験波形、アンテナ入力電力、および試験距離を決定する。その後、試験条件決定装置107は、出力部206から、決定した試験波形、アンテナ入力電力、および試験距離を、信号発生器101、信号増幅器102、アンテナポジショナ103にそれぞれ出力する。信号発生器101は、入力された試験波形に基づき発生する信号波形を設定し、信号増幅器102は、入力されたアンテナ入力電力に基づき増幅率を設定し、アンテナポジショナ103は、入力された試験距離に基づきアンテナと被試験装置との距離を設定する。
また、試験条件決定装置107は、決定した試験波形、アンテナ入力電力、および試験距離を試験条件記憶部205に保存しておくことができる。これにより、保存された試験条件を指定するだけで、容易に試験条件を変更して試験を行うことができる。
101 信号発生器
102 信号増幅器
103 アンテナポジショナ
104 アンテナ
105 被試験装置
106 電波半無響室
107 試験条件記憶部
201 入力部
202 試験波形決定部
203 アンテナ入力電力決定部
204 試験距離決定部
205 試験条件決定部
206 出力部

Claims (7)

  1. 無線システムの発する変調信号が電気・電子装置の動作に与える影響度を試験する放射イミュニティ試験装置であって、
    前記変調信号を模擬した、振幅変調波形およびパルス変調波形の少なくとも一方からなる試験波形を発生する信号発生器と、
    前記試験波形を増幅する信号増幅器と、
    増幅された前記試験波形を有する電磁波を放射する試験用アンテナと、
    前記試験用アンテナの位置を制御するアンテナポジショナと、
    前記試験用アンテナからの近傍界における距離Rに対する波動インピーダンスZを求め、予め設定された前記電気・電子装置に印加する所望の電界強度、および前記試験用アンテナのアンテナ利得G、ならびに前記波動インピーダンスZに基づき、前記試験用アンテナへのアンテナ入力電力Pおよび前記距離Rを算出する試験条件決定装置と、
    を備え、
    前記試験波形は、前記無線システムがデジタル変調方式である場合は、前記振幅変調波形および前記パルス変調波形を使用して前記変調信号が模擬され、前記無線システムがデジタル変調方式以外の場合には、前記振幅変調波形のみを使用して前記変調信号が模擬されることを特徴とする放射イミュニティ試験装置。
  2. 前記試験条件決定装置は、前記放射イミュニティ試験装置で用いる前記変調信号を増幅する信号増幅器の最大出力以下となるよう前記アンテナ入力電力Pを設定し、且つ、前記変調信号が放射される試験用アンテナと前記電気・電子装置間の反射率が所定の値以下となるよう前記距離Rを算出することを特徴とする請求項に記載の放射イミュニティ試験装置。
  3. 前記試験条件決定装置は、前記試験用アンテナ上の電流を求め、前記電流に基づき前記試験用アンテナから放射された電界および磁界を求め、前記試験用アンテナの近傍における前記電界および前記磁界の比から前記試験用アンテナ近傍の前記波動インピーダンスZを求めることを特徴とする請求項に記載の放射イミュニティ試験装置。
  4. 模擬した変調信号はASK,FSK,PSK,QAMのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の放射イミュニティ試験装置。
  5. 無線システムの発する変調信号が電気・電子装置の動作に与える影響度を試験する放射イミュニティ試験方法であって、
    前記変調信号を模擬した振幅変調波形およびパルス変調波形の少なくとも一方からなる試験波形を有する電磁波を試験用アンテナから前記電気・電子装置に印加するステップと、前記試験用アンテナからの近傍界における距離Rに対する波動インピーダンスZを求めるステップと、予め設定された前記電気・電子装置に印加する所望の電界強度、および前記試験用アンテナのアンテナ利得G、ならびに前記波動インピーダンスZに基づき、前記試験用アンテナへのアンテナ入力電力Pおよび前記距離Rを設定するステップと、を有し、前記試験波形は、前記無線システムがデジタル変調方式である場合は、前記振幅変調波形および前記パルス変調波形を使用して前記変調信号が模擬され、前記無線システムがデジタル変調方式以外の場合には、前記振幅変調波形のみを使用して前記変調信号が模擬されることを特徴とする放射イミュニティ試験方法。
  6. 前記アンテナ入力電力Pおよび前記距離Rを設定するステップは、前記放射イミュニティ試験装置で用いる前記変調信号を増幅する信号増幅器の最大出力以下となるよう前記アンテナ入力電力Pを設定し、且つ、前記変調信号が放射される試験用アンテナと前記電気・電子装置間の反射率が所定の値以下となるよう前記距離Rを設定することを特徴とする請求項に記載の放射イミュニティ試験方法。
  7. 前記波動インピーダンスZを求めるステップは、前記試験用アンテナ上の電流を求め、前記電流に基づき前記試験用アンテナから放射された電界および磁界を求め、前記試験用アンテナの近傍における前記電界および前記磁界の比から前記試験用アンテナ近傍の前記波動インピーダンスZを求めることを特徴とする請求項に記載の放射イミュニティ試験方法。
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