JP6181832B1 - 水耕栽培装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、電気ヒーターは消費電力が大きく、また、保温カバーで覆う方法は、温度調整の為に保温カバーを付けたり外したりするのに非常に手間が掛かり面倒で、しかも、保温カバーを付けた状態では水耕栽培装置の美観が損なわれるという問題があった。また、植物を育成し易い好適な環境を保つ為に、植物育成室内には、常時空気の流れを作っておく必要があった。
図1に示すように、本発明の水耕栽培装置は、屋内で使用され、土を使わずに葉物野菜やハーブ類等の植物Pを育成する家庭用の水耕栽培装置である。水耕栽培装置で育成される植物Pは、例えば、リーフレタス、小松菜、春菊、水菜、ルッコラ、ベビーリーフ等の葉物野菜、あるいは、バジルやパセリ等のハーブ類であり、これらの植物Pが栽培ケース部3に収納されている。
栽培ケース部3は、前面に、大半が透明な部材30で形成された観音開き式の扉13A,13Bを備え、扉13A,13Bを閉めた状態でも、外部から植物収納室10の植物Pを観察することができる。栽培ケース部3の前面上部には、主電源スイッチ兼用の異常報知点灯部31と、現在時刻や植物収納室10の室温等を表示するための表示部32と、表示部32の表示を切り換えたり育成環境の設定を変更したりするための操作部33とが、設けられている。栽培ケース部3は、背面や側壁面が局部的に透明な部材30で形成されても良い。
栽培ケース部3は、区画内壁11によって、栽培容器4に植物Pを保持させた植物育成ユニット15,15を2個以上収納可能な植物収納室10と、植物収納室10の上方(天井)から光を照射する照射器5を設けた光源室20とが、区画形成されている。
区画内壁11は、植物収納室10の天井を形成する(光透過性の)透明壁部11Aと、外壁12の側壁12B,12B内面に連結された連結壁部11B,11Bとを、有している。連結壁部11B,11Bには、後述の第1ファン1が取着される植物収納室10の換気吸出口18と、植物収納室10の換気吸入口19が形成されている。
外壁12の側壁12B,12Bには、光源室20に連通する外気取込口7と、後述の第2ファン2が取着される排気口14が形成されている。
また、栽培ケース部3は、第1ファン1・第2ファン2を独立して制御可能な制御部6を備えている。
制御部6は、第1ファン1・第2ファン2を制御するファン制御手段と、照射器5を制御する光制御手段と、後述の循環ポンプ17を制御するポンプ制御手段とを、備え、さらに、異常報知点灯部31の点灯状態及び色を制御する報知制御手段と、表示部32を制御する表示制御手段とを、備えている。また、植物収納室10の室温を検出する温度検出手段25と、所定の設定育成適温域を記憶する設定記憶手段26とを、備えている。
図3(A)に示すように、栽培ケース部3は、植物収納室10の室温が、設定記憶手段26に記憶させた所定の設定育成適温域の下限値T0未満である際、制御部6によって、第1ファン1を常時稼働させ、かつ、第2ファン2が非稼働乃至間欠稼働に制御される。第2ファン2の間欠稼働とは、例えば、1時間の内、5分間だけ稼働し、それ以外の時間は停止している状態とする。第1ファン1が稼働することで、植物収納室10から光源室20に空気が送られ、外気取込口7からの外気と混ざり合って光源室20内を流通する。光源室20を流れる空気が、照射器5の発する熱を吸収して、温度上昇する。照射器5の発熱により加温された空気は、第2ファン2が非稼働(又は間欠稼働)であるため、外部に排出されずに、光源室20から植物収納室10に環流する。このように、植物収納室10の換気吸出口18から出た空気が、光源室20での加温を経て、植物収納室10の換気吸入口19に吸い込まれる状態を、冬季循環運転状態とし、冬季循環運転状態では、植物収納室10の室温が、照射器5の熱によって、次第に上昇する。また、栽培ケース部3内で空気を循環させることで、植物Pの葉の表面に適度な空気の流れを発生させて、光合成を促進する。
図3(B)に示すように、第2ファン2が稼働することで、照射器5の発熱により加温された空気が、光源室20から外部へ排出される。照射器5の発する熱が空気と共に外部へ放出される状態を、換気運転状態とし、換気運転状態下で、植物収納室10の室温は、徐々に低下していく。そして、植物収納室10の室温が下降して、設定育成適温域の下限値T0を再び下回った際、制御部6によって自動的に冬季循環運転状態に切り換えられ、植物収納室10の室温が、植物Pの育成に適した設定育成適温域に維持されるよう構成されている。
なお、設定育成適温域は、具体的には、下限値T0が10℃〜15℃、上限値T1が20℃〜25℃に設定されるのが好ましい。設定記憶手段26には、出荷時に設定育成適温域を予め記憶させておくも良く、操作部33によって自由に設定育成適温域を入力・変更できるようにしても良い。
図1と図2に示すように、植物育成ユニット15は、栽培容器4に収容した液体肥料Lに植物Pを浸漬させて養分を供給しつつ、植物Pを保持している。
栽培ケース部3の植物収納室10には、2個の植物育成ユニット15,15が収納されていて、各植物育成ユニット15に相違する植物Pを栽培し、2種類の植物P,Pを同時に育てることができ、あるいは、2個の植物育成ユニット15,15で植物P,Pの収穫時期をずらして栽培することが可能である。
パネル9は、植物Pを差し込んで保持する栽培孔21が複数形成されている。栽培孔21には、植物P又は植物Pの種子を保持するための培地スポンジが差込まれ、植物Pが生長してくると、植物Pの根が液体肥料Lに浸漬されるよう構成されている。あるいは、栽培孔21に、植物Pを直接差込んで、植物Pの根を液体肥料Lに浸漬しても良い。なお、パネル9は、液体肥料Lの残量を確認するフロート23を有するも好ましく、また、トレイ8からパネル9を取り外す際のピックアップ用のツマミ22が設けられても良い。
植物収納室10に照射される照射器5の光が、栽培孔21や注ぎ口16から入射して液体肥料Lに当ると、アオコの発生原因となる虞れがある。この為、アオコの発生を防止するために、液体肥料Lを補給する時以外は副蓋部24を倒して注ぎ口16を閉め、植物Pが差し込まれていない栽培孔21を、キャップ部材27によって閉塞しておく。なお、キャップ部材27は、栽培孔21に差込まれる差込部27Aと、差込部27Aの上端に連結された畝(うね)型の傘部27Bとを、有し、キャップ部材27を栽培孔21に差し込んだ状態(図5参照)で、パネル9と傘部27Bが、畑に畝が盛られたように見えるデザインに形成され、なおかつ、キャップ部材27の取付・取外しの際、傘部27Bの縁に指を掛け易い利点がある。
なお、パネル9の注ぎ口16は、開閉式(稼働式)でなくても良く、単に、パネル9に液体肥料Lを注入するための孔部を追加するも好ましい。
循環ポンプ17は、液体肥料Lを吸入・吐出して、植物Pの根に十分な酸素と養分の吸収を促す。
植物収納室10の室温が、設定記憶手段26に記憶させた設定育成適温域の上限値T1(20℃〜25℃)未満であれば、制御部6によって、循環ポンプ17が常時稼働するように制御される。即ち、冬季には、循環ポンプ17の稼働に伴って発生する熱が、植物収納室10の室温の維持に利用されるよう構成されている。
また、設定育成適温域の上限値T1より少し高温のポンプ稼働調整温度T2(具体的には、25℃〜30℃)を設定し、このポンプ稼働調整温度T2を超えた際、制御部6によって、循環ポンプ17を間欠稼働に切換える。循環ポンプ17の間欠稼働とは、例えば、1時間の内、15分間ポンプが稼働し、それ以外の時間は停止している状態とする。つまり、気温の上昇する夏季には、循環ポンプ17の熱により植物収納室10の室温が上昇しすぎるのを防止する。
また、循環ポンプ17は、液体肥料Lの液量が減少したのを検出する液量検出センサーを有しており、液体肥料Lの液量が過少となって不足している際にも、異常報知点灯部31を赤く点滅させるよう構成されている。
2 第2ファン
3 栽培ケース部
4 栽培容器
5 照射器
6 制御部
8 トレイ
9 パネル
10 植物収納室
11 区画内壁
15 植物育成ユニット
16 注ぎ口
17 循環ポンプ
20 光源室
25 温度検出手段
26 設定記憶手段
P 植物
T0 設定育成適温域の下限値
T1 設定育成適温域の上限値
L 液体肥料
Claims (1)
- 屋内で植物(P)を育成可能な家庭用の水耕栽培装置であって、
栽培容器(4)に植物(P)を保持させる植物育成ユニット(15)(15)が収納される植物収納室(10)と、該植物収納室(10)内の上記植物(P)に光を照射する照射器(5)を設けた光源室(20)とを、区画形成する区画内壁(11)を外壁(12)の内部に有する栽培ケース部(3)を備え、
該栽培ケース部(3)は、上記植物収納室(10)から上記光源室(20)へ空気を送るために上記区画内壁(11)に取着された植物収納室換気用の第1ファン(1)と、上記光源室(20)から外部へ空気を排出するために外壁(12)に取着された光源室換気用の第2ファン(2)とを、有し、
かつ、上記第1ファン(1)・第2ファン(2)を独立して制御可能なファン制御手段と、上記植物収納室(10)の室温を検出する温度検出手段(25)と、所定の設定育成適温域を記憶する設定記憶手段(26)とを、有する制御部(6)を、備え、
上記植物収納室(10)の室温が、上記設定育成適温域の下限値(T 0 )未満であれば、上記制御部(6)によって、上記第1ファン(1)を常時稼働させつつ上記第2ファン(2)を非稼働乃至間欠稼働として、上記光源室(20)で上記照射器(5)の発熱により加温された空気を、上記光源室(20)から上記植物収納室(10)に環流させる冬季循環運転状態とし、上記植物収納室(10)の室温が上昇して上記設定育成適温域の上限値(T 1 )を超えている状態では、上記制御部(6)によって、上記第1ファン(1)・第2ファン(2)を常時稼働させて、上記光源室(20)で上記照射器(5)の発熱により加温された空気を、上記光源室(20)から外部へ排出する換気運転状態とし、上記冬季循環運転状態と上記換気運転状態に、切換えて上記植物収納室(10)が、植物(P)の育成に適した室温に維持されるよう構成され、
上記栽培容器(4)内の液体肥料(L)を循環させる循環ポンプ(17)が上記栽培容器(4)に付設され、該循環ポンプ(17)をポンプ制御手段にて制御して、上記循環ポンプ(17)の発熱を、上記植物収納室(10)の室温の維持に利用するよう構成されていることを特徴とする水耕栽培装置。
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