JP6179770B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはパロット等の遊技機に関する。
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域が前面側に設けられている。遊技球は、遊技者の発射操作に基づいて発射され、レール部材により遊技領域の上部に誘導される。遊技球が遊技領域内に設けられた各種入賞口に入球すると、遊技者は所定個数の遊技球を獲得することができる。このような遊技機においては、遊技球の球数管理が適切に行われる必要があるため、レール部材を通過する遊技球を検知することにより発射された遊技球の数を計測するとともに、入賞口やアウト口に入球した遊技球を遊技盤の裏側に集めてその数を計測して、不正行為や故障の有無を判定することが行われていた。
また、例えば、特許文献1の特開2012−228475号「遊技機」においては、遊技球を外部と遮断し、内部で循環させる封入式の遊技機であって、発射装置により発射された遊技球を検出する発射検出部と、遊技盤の下端口を通過する遊技球を検出する下端口検出部と、ファール球を検出するファール球検出部とからの情報に基づいて遊技球のデータを管理する球データ管理部を備えた遊技機が提案されている。このような封入式の遊技機においては、遊技者が遊技球を直接管理するのではなく、遊技機内部で一定量の遊技球を循環させるため、実際に遊技に使用された遊技球の数等を正確に計測し、これらをデータ管理する必要がある。
特開2012−228475号公報
しかしながら、従来の遊技機においては、誘導レール(戻り球を回収するための戻り球回収口よりも遊技領域側に配設されるレール)の通路途中に検出位置が設けられていたため、検出位置を往復する戻り球により、発射された遊技球が1つであるにも関わらず2度カウントされてしまうことがあった。また、特許文献1に記載の「遊技機」においては、発射された遊技球を検出する発射検出部の検出位置が、発射レール(戻り球を回収するための戻り球回収口よりも発射装置側に配設されるレール)の通路途中に設けられている。そのため、打ち損じ等により、遊技球が発射レールの戻り球回収口側の端部を超えることなく発射装置側に戻ってきてしまった場合には、発射された遊技球が1つであるにも関わらず、最初の発射での検出、逆戻りでの検出、再度の発射での検出と何度もカウントされてしまい、正確な発射球数が得られないという問題を有していた。
本発明は、上述した問題を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、発射装置により遊技領域に向かって発射された遊技球の数を正確に計測することのできる遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤と、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、発射直前の停止位置である発射位置に装填され、前記発射装置により発射された該遊技球を遊技領域へガイドする発射レールと、受け皿に貯留した遊技球を一列に並べて待機させる待機路と、該待機路に待機する遊技球を1球取り込んで保持位置に一時的に保持してから前記発射レール上に該遊技球を落下させて前記発射位置に遊技球を装填する球送り動作を行う球送り機構と、前記球送り動作により前記保持位置から前記発射レール上に落下する遊技球を検知する発射準備球検知機構と、外部からの所定値以上の衝撃を検知し検知信号を出力する振動検知センサと、遊技に使用された遊技球の球数の管理処理を行う遊技球管理制御装置と、を備え、前記発射準備球検知機構は、遊技球が前記保持位置から前記発射レール上に落下する間に、該遊技球が接触して通過することにより往復揺動する揺動部材と、該揺動部材の往復揺動を検知し検知信号を出力する検知手段と、を有し、前記発射装置は、該球送り機構の球送り動作と連動して前記発射レール上の遊技球を発射し、前記遊技球管理制御装置は、前記検知手段による検知信号及び前記振動検知センサによる検知信号に基づいて、前記遊技領域に向かって発射された遊技球の球数をカウントする、ことを特徴とする。
ここで、落下とは単に鉛直方向の直線的な移動(自由落下)に限らず、例えば斜面を転がり落ちるなど上方から下方への重力による移動(高度変化)を伴うものであればよい。また、外部からの所定値以上の衝撃とは、例えば、遊技者が遊技に熱中し遊技機を叩いたり、意図せずにぶつかったりした際の衝撃や、前扉等の開閉や地震による振動など、遊技球の接触、通過以外の要因により揺動部材が揺動し検知手段によって検知されてしまうレベルの衝撃又は振動をいう。
本発明の遊技機によれば、遊技領域に向かって発射された遊技球の球数を正確に計測することできる信頼性の高い遊技機を提供することにより、遊技者が安心して遊技に熱中できる。
第1の実施形態におけるパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 前扉を取り除いた状態のパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 本体ベースの背面図である。 皿形成部を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 遊技球発射機構を示す斜視図である。 遊技球発射機構を示す正面図である。 遊技球発射機構を示し、球送り機構を分解した状態を示す分解斜視図である。 遊技球が送出片により1球ずつホルダ部に取り込まれ、発射位置に供給(装填)される様子を説明する説明図である。 ホルダ部を背面側斜め上方から視認した状態を示す拡大斜視図である。 台座部に取り付けられた発射準備球検知機構を示す正面図である。 ベース部材、台座部及び発射準備球検知機構を示す分解斜視図である。 発射準備球検知機構を示す分解斜視図である。 送出片と遊技球と揺動片の関係を説明する横断面図であり、(a)は送出片が最上位置にある状態、(b)は送出片が最上位置と最下位置の間にある状態、(c)は送出片が最下位置にある状態を示す。 払出制御装置、発射制御装置、第2電源装置及び各中継基板を取り除いた状態のパチンコ機の背面図である。 (a),(b)支持ベース体の一部を拡大して示す斜視図であって、遊技領域から排出された遊技球を球皿部に戻すための構成を分解して示す斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 管理側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUの入力ポートの構成を説明するための模式図である。 (a)主側MPUにて実行される入賞検知処理を示すフローチャートであり、(b)第1入賞判定エリア,第2入賞判定エリア,第1演算後エリア及び第2演算後エリアの構成を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。 (A)各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートであり、(B)入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 管理側MPUにて実行される球供給用の管理処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される遊技球管理処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)操作ユニットの正面図である。 払出側MPUにて実行される発射管理処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される遊技球使用の管理処理を示すフローチャートである。 使用可能な遊技球の数が増減される様子を示すタイミングチャートである。 払出側MPUにて実行される返却管理処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。 管理側MPUにて実行される媒体供給用の管理処理を示すフローチャートである。 (a)〜(d)操作ユニットの正面図である。 (a)主側MPUにて実行される保留予告用の確認処理を示すフローチャートであり、(b)大当たり結果の種類を説明するための説明図であり、(c)保留格納エリアを説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される残存球対応処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるパチンコ機の背面図である。 (a)球皿部の導出口及びその付近の構成を説明するための模式図であり、(b)払出側MPUにて実行される貯留球の一定化処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における払出側MPUにて実行される逆戻り球対応処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における払出側MPUにて実行される遊技球使用の管理処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される振動検知用処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における払出側MPUにて実行される遊技球使用の管理処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)についての第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の斜視図であり、図2はパチンコ機10の正面図である。なお、本パチンコ機10は、所謂、封入式遊技機(封入球式遊技機、封入式パチンコ機、封入球式パチンコ機)である。以下、封入式遊技機の説明において、原則、前扉が配置されている側を前面側又は前方、その反対側を背面側又は後方とし、上下左右の方向については、基本的に島設備に設置した封入式遊技機を、前扉に対向して視認した状態を基準として表現する。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、遊技ホールの所謂島設備に外枠11が釘等によって固定される。
遊技機本体12は、本体ベース21と、当該本体ベース21の前方に配置される前扉22とを備えている。遊技機本体12のうち本体ベース21が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、本体ベース21には、前扉22が回動可能に支持されており、外枠11に対して本体ベース21が支持されている側と同一の側を支持側として前方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉22を本体ベース21に開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠23に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
詳細には、施錠装置及びシリンダ錠23は、本体ベース21に設けられている。シリンダ錠23においてキー孔が形成された面は、前扉22に形成された露出用凹部24を通じてパチンコ機10前面に露出している。また、前扉22には図示しない前側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、当該前扉22を閉鎖した状態においては当該前側鉤フック部が上記施錠装置の前側鉤受け部に受けられることにより、当該前扉22が本体ベース21に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠23に解錠キーを差し込み所定方向に回動操作することで、前側鉤受け部が解錠方向に変位し、当該前側鉤受け部と前側鉤フック部との係合状態が解除される。これにより、本体ベース21に対する前扉22の施錠状態が解除される。
一方、上記施錠装置には、図示しない後側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、本体ベース21を閉鎖した状態においては当該後側鉤フック部が外枠11の後側鉤受け部に受けられることにより、当該本体ベース21が外枠11に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠23に解錠キーを差し込み、上記所定方向とは逆方向に回動操作することで、後側鉤フック部が解錠方向に変位し、後側鉤フック部と後側鉤受け部との係合状態が解除される。これにより、外枠11に対する本体ベース21の施錠状態が解除される。
図3は、前扉22を取り除いた状態のパチンコ機10の正面図である。図3に示すように、本体ベース21は、合成樹脂により形成された支持ベース体31を備えている。支持ベース体31は、横方向の寸法が外枠11の横方向の寸法と略同一とされており、縦方向の寸法が外枠11において下枠部11aの上面から上枠部11bの上縁までの高さ寸法と略同一とされている。したがって、本体ベース21を外枠11に閉鎖した状態では、外枠11の上枠部11b及び左右の側枠部11c,11dに本体ベース21の背面が前方から重なることとなる。
支持ベース体31には、前後方向に貫通する露出用孔部32が形成されている。露出用孔部32を通じて支持ベース体31の前面側に露出されるようにして、支持ベース体31にはその背面側から遊技盤33が装着されている。ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤33の正面図である。
遊技盤33には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、図4に示すように、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口(第1始動入球部)43、下作動口(第2始動入球部)44、スルーゲート45、可変表示ユニット46、特図表示部47及び普図表示部48等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口41は3個設けられており、スルーゲート45は2個設けられており、それ以外はそれぞれ1個ずつ設けられている。
各一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及び各スルーゲート45には1対1で対応させて検知センサ41a,41b,41c,42a,43a,44a,45a,45bが設けられている。これら検知センサ41a〜45bはいずれも遊技盤33の背面側に配設されており、検知結果は後述する主制御装置に出力される。なお、検知センサ41a〜45bとしては、磁界の変化を検知する電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意であり、例えば光学式センサを用いてもよい。
一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44への入球の発生が検知されると、所定数の遊技球が賞球として遊技者に付与される。当該賞球個数について具体的には、上作動口43への入球が発生した場合及び下作動口44への入球が発生した場合には3個の賞球が発生し、一般入賞口41への入球が発生した場合には10個の賞球が発生し、可変入賞装置42への入球が発生した場合には15個の賞球が発生する。但し、これら賞球数は任意であり、例えば上作動口43の賞球数よりも下作動口44の賞球数が多いといったように、両作動口43,44の賞球数が相違していてもよい。また、可変入賞装置42の賞球数が他の賞球数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口41の賞球数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口49aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口49aを通って遊技領域から排出される。ここで、遊技領域とは、後述する遊技盤33(図4参照)前面において、後述する誘導レール(内レール33a及び外レール33b)等の外周形成部材により区画された領域であって、遊技盤33において遊技球が流下する領域として遊技者が視認できる部分を指すものとする。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘49bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口49aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44又はスルーゲート45への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
可変入賞装置42は、遊技盤33の背面側へと通じる大入賞口42bを備えているとともに、当該大入賞口42bを開閉する開閉扉42cを備えている。開閉扉42cは可変入賞装置42として一体的に設けられた可変入賞駆動部42dに連結されており、当該可変入賞駆動部42dにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。また、可変入賞装置42には、大入賞口42bを介して入賞した遊技球が必ず通過する位置に検知部が存在するようにして大入賞口検知センサ42aが設けられている。大入賞口検知センサ42aによって、可変入賞装置42に入賞した遊技球が個別に検知される。
上作動口43及び下作動口44は、図4に示すように、作動口装置としてユニット化されて遊技盤33に設置されている。上作動口43及び下作動口44は共に上向きに開放されている。また、上作動口43が上方となるようにして両作動口43,44は鉛直方向に並んでいる。下作動口44には、左右一対の電動役物44bが設けられている。
電動役物44bは遊技盤33の背面側に搭載された電動役物駆動部44cに連結されており、当該電動役物駆動部44cにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。電動役物44bの閉鎖状態では遊技球が下作動口44に入賞できず、電動役物44bが開放状態となることで下作動口44への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口44への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物44bが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物44bを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口44自体の変位により行われる構成としてもよい。
特図表示部47では、上作動口43又は下作動口44への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口43への入賞と下作動口44への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域である特図表示部47にて明示される。そして、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、特図表示部47にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、特図表示部47では、抽選結果の種類毎に異なる結果表示がなされるため、遊技ホールの管理者は特図表示部47を確認することにより、抽選結果を目視により簡易的に確認することができる。
なお、特図表示部47は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部47にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成等が考えられる。
普図表示部48では、スルーゲート45への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート45への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート45への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図表示部48にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口44に設けられた電動役物44bが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット46には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置46aが設けられているとともに、図柄表示装置46aを囲むようにしてセンターフレーム46bが配設されている。図柄表示装置46aは、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置46aは、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置46aでは、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、特図表示部47において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置46aにおいて変動表示が行われる。
当該変動表示の内容について詳細には、図柄表示装置46aの表示面には複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列には「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面には、5つの有効ラインが設定されている。
上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて表示面において遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する最有利大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。また、後述する低入賞高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせではないが所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口43,44への入賞に基づいて、特図表示部47及び図柄表示装置46aにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数等は適宜変更可能である。また、図柄表示装置46aにて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム46bの前面側における左上部分には、図4に示すように、特図表示部47及び図柄表示装置46aに対応した第1保留ランプ部46cが設けられている。遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部46cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム46bの右上部分には、普図表示部48に対応した第2保留ランプ部46dが設けられている。遊技球がスルーゲート45を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部46c,46dの機能が図柄表示装置46aの一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤33には、内レール部33aと外レール部33bとが取り付けられており、これら内レール部33aと外レール部33bとにより誘導レールが構成されている。図3に示すように、支持ベース体31の前面において遊技盤33の下方には遊技球発射機構80が設けられており、当該遊技球発射機構80から発射された遊技球は、誘導レールにより形成された球案内通路を通って遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構80の詳細については後述するが、遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイドから成る発射装置8001(図7等参照)と、発射レール8002と、球送り機構8003(図7等参照)と、本発明の特徴である発射準備球検知機構8100(図9等参照)等から構成される。発射装置8001の出力軸(プランジャ8006)は、発射装置8001への電気的な信号の入力により発射方向に移動し、球送り機構8003によって発射レール8002上に案内された遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。発射装置8001への電気的な信号の入力は、後述する操作ハンドル36bが操作されることに基づいて発生する。なお、発射準備球検知機構8100は、発射レール8002上に供給(装填)された遊技球の数を計測するために、球送り機構8003から発射レール8002上に案内される遊技球の動きを検知する役割を担うものである。
支持ベース体31の下端側には、下側カバー体35が設けられている。下側カバー体35は、支持ベース体31の下端部から高さ方向の所定範囲に亘って延在させて設けられており、当該高さ方向の範囲では下側カバー体35により支持ベース体31の前面が前方から覆われている。下側カバー体35が設けられた高さ方向の範囲には遊技球発射機構80の一部が含まれており、この範囲では遊技球発射機構80が下側カバー体35と支持ベース体31とにより前後に挟まれた空間に存在している。下側カバー体35は、前扉22を開放操作しているか否かに関係なく支持ベース体31側に存在している。つまり、下側カバー体35はパチンコ機10前面を構成している。
下側カバー体35において右側の端部には、パチンコ機10前方に突出させて発射操作装置36が設けられている。発射操作装置36は、前方に突出させて設けられた操作基部36aと、当該操作基部36aに回動可能に支持させて設けられた操作ハンドル36bとを備えており、操作ハンドル36bが回動操作されることにより遊技球発射機構80の発射装置8001からの遊技球の発射強度が調整される。また、発射操作装置36には、操作ハンドル36bが遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ36cと、操作ハンドル36bの回動操作量を検知するための可変抵抗器36dと、操作ハンドル36bが遊技者により操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ36eとが設けられている。なお、操作ハンドル36bが初期位置に配置されている状況では、当該操作ハンドル36bによってストップスイッチ36eが自ずとONとなる構成となっている。
遊技者による発射操作に基づき遊技球が発射される場合、操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されていること、及びストップスイッチ36eがONとなっていないことの両条件が成立している場合に、可変抵抗器36dを通じて検知されている回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射される。
下側カバー体35の中央側には、遊技状況に応じた効果音等が出力されるスピーカ装置37を前方から覆うとともに当該スピーカ装置37から出力された音のパチンコ機10前方への伝播を可能とするスピーカカバー38が設けられている。なお、スピーカ装置37は、支持ベース体31に設けられている(図5参照)。
支持ベース体31の前面における下側カバー体35よりも上方の領域全体を覆うようにして前扉22が設けられている。前扉22には、図1及び図2に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ちなみに、図柄表示装置46aの表示面及び特図表示部47等は、パチンコ機10前方から窓パネル52を介して視認可能となっている。
窓部51の周囲には、各種発光部53,54が設けられている。当該各種発光部53,54の一部として異常報知用発光部53が窓部51の上方に設けられている。また、当該異常報知用発光部53の左右両側には、左右一対の演出用発光部54が設けられている。
前扉22における窓部51の下方には、図1に示すように、手前側へ膨出させて皿形成部55が設けられている。皿形成部55は、多数の遊技球が貯留可能となるように形成されており、皿形成部55に貯留された遊技球が遊技球発射機構80に導かれて遊技領域に向けて発射される。当該皿形成部55の構成については、後に詳細に説明する。ちなみに、皿形成部55以外には、前扉22の前面側において遊技球を貯留する部位は設けられていない。
既に説明したとおり、前扉22は、本体ベース21に対して開閉可能に設けられているが、当該本体ベース21の支持ベース体31には、図3に示すように、前扉22が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する開放検知スイッチ39が設けられている。開放検知スイッチ39は、支持ベース体31の前面から出没可能なピンを有しており、本体ベース21に前扉22を閉鎖した状態ではピンが押し込まれて前扉22の閉鎖が検知され、前扉22を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉22の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、開放検知スイッチ39は、前扉22が開放状態の場合に後述する主制御装置61にHIレベルの開放検知信号を出力し、前扉22が閉鎖状態の場合に主制御装置61にLOWレベルの開放検知信号を出力するが、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
次に、本体ベース21の背面側の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、本体ベース21の背面図である。
図5に示すように、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御装置61と、主制御装置61からの指令に基づき音声の出力制御及び発光制御を行う音声発光制御装置62と、音声発光制御装置62からの指令に基づき図柄表示装置46aの表示制御を行う表示制御装置63と、遊技球の貸し出し及び遊技価値の付与に関する制御を行う払出制御装置64と、遊技球の発射制御を行う発射制御装置65と、各種制御装置61〜65に電力を供給する第1電源装置66及び第2電源装置67とを備えている。これらのうち、主制御装置61と、音声発光制御装置62と、表示制御装置63と、第1電源装置66とは遊技盤33の背面に搭載されており、遊技盤33を支持ベース体31から取り外した場合にはこれら装置61〜63,66は遊技盤33側に追従することとなる。
一方、払出制御装置64と、発射制御装置65と、第2電源装置67とは支持ベース体31の背面に搭載されており、遊技盤33を支持ベース体31から取り外したとしてもこれら装置64,65,67は支持ベース体31側に残ることとなる。この場合、発射制御装置65と払出制御装置64とは前後に重ねて搭載されており、詳細には、発射制御装置65が支持ベース体31の背面に搭載されており、払出制御装置64がその後方に搭載されている。したがって、払出制御装置64は、主制御装置61や発射制御装置65といった他の制御装置よりもパチンコ機10後側に位置している。
ここで、各種制御装置61〜65及び各電源装置66,67はそれぞれ対応する基板が基板ボックスに収容されてなる。主制御装置61及び払出制御装置64について詳細には、主制御装置61は、図示しない主制御基板を備えており、当該主制御基板が基板ボックス61aに収容されてなる。また、払出制御装置64は、図示しない払出制御基板を備えており、当該払出制御基板が基板ボックス64aに収容されてなる。これら基板ボックス61a,64aは、基板ボックス61a,64aの外部から対応する基板を目視確認可能とするように透明に形成されている。また、主制御装置61には、本体ベース21を外枠11に閉鎖した状態においてパチンコ機10後方を向くこととなる表面に、第1消去ボタン61bと第2消去ボタン61cとが設けられている。
基板ボックス61a,64aには、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けることが好ましい。痕跡手段としては、基板ボックス61a,64aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス61a,64aを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成が考えられる。
支持ベース体31の背面側には、払出制御装置64と、後述する管理ユニット131との電気的な接続を中継するための払出側の中継基板68が設けられている。また、支持ベース体31の背面側には、遊技ホールの商用電源と第1電源装置66とを中継するとともに、当該商用電源と第2電源装置67とを中継する電源側の中継基板69が設けられている。当該電源側の中継基板69には、ON操作及びOFF操作が可能な電源スイッチ69aが設けられている。電源スイッチ69aがON操作されることにより、商用電源から第1電源装置66への電力の供給及び商用電源から第2電源装置67への電力の供給が同時に開始され、電源スイッチ69aがOFF操作されることにより、商用電源から第1電源装置66への電力の供給及び商用電源から第2電源装置67への電力の供給が同時に停止される。
<遊技球を循環させるための構成>
次に、遊技球を循環させるための構成について説明する。当該循環させるための構成のうち、まず皿形成部55の構成について、図1に加えて図6を参照しながら説明する。図6(a)は皿形成部55の平面図であり、図6(b)は皿形成部55の縦断面図である。なお、図6(a)においては皿形成部55に設けられた皿カバー75を省略している。
皿形成部55は、有色不透明の合成樹脂により形成されており、図1に示すように、パチンコ機10前方に突出させて形成されているとともに、横方向に延在させて形成されている。皿形成部55の左端部は、前扉22において横方向の中央よりも左端部側に位置しており、皿形成部55の右端部は、前扉22において横方向の中央よりも右端部側に位置している。
皿形成部55には、図6(a)に示すように、横方向に延在させて球皿部71が形成されている。球皿部71は、所定の深さ寸法を有する空間を区画するように形成されているとともに、当該区画された空間を上方に開放させるようにして形成されている。
球皿部71の左端側には、前扉22の背面側に存在する遊技球Bを球皿部71に導出するための導出口72が形成されており、球皿部71の右端側には、球皿部71に存在する遊技球Bを遊技球発射機構80に導くための導入口73が形成されている。球皿部71の底面は、導出口72側から導入口73側に向けて下り傾斜となるように形成されており、球皿部71に存在する遊技球Bは自重により導入口73に向けて流下することとなる。
球皿部71は、導出口72側が導入口73側よりも幅広、すなわち前後方向の寸法が大きくなるように形成されており、具体的には、導出口72側においては複数(例えば6個)の遊技球Bが幅方向に並ぶことが可能なように形成されている。これにより、球皿部71は、多数の遊技球Bを貯留可能となっており、具体的には少なくとも150個の遊技球Bを貯留可能とするように球皿部71が形成されている。
一方、導入口73から上流側に向けた所定範囲は、遊技球Bを横方向に一列で整列させることが可能な整列領域(待機路)74として形成されている。この場合、整列領域74の奥側壁部の位置は、当該整列領域74よりも上流側領域における奥側壁部の位置と前後方向において同一の位置となっている。ちなみに、球皿部71において導出口72の前方の領域が最も幅広となった領域であるが、当該幅広領域と整列領域74との間では、球皿部71の前壁部が整列領域74に向かうほど後側となるように傾斜させて形成されている。
皿形成部55には、図6(b)に示すように、球皿部71を上方から覆うように皿カバー75が設けられている。皿カバー75は、板状に形成されており、球皿部71の上端部において当該球皿部71を上方から覆うようにして設けられている。但し、皿カバー75と球皿部71の底面とは、縦方向に複数の遊技球B分、離間されており、皿カバー75が装着された状態であっても球皿部71に多数の遊技球Bが、具体的には少なくとも150個の遊技球Bを貯留可能となっている。また、皿カバー75は、球皿部71に貯留されている遊技球Bを、皿カバー75を通じて目視確認可能となるように、ポリカーボネート等の合成樹脂を利用して透明(具体的には無色透明)に形成されている。
皿カバー75は、球皿部71を上方から覆う領域を有し、上面及び下面が水平又は略水平となるように設けられたカバー本体部75aと、皿形成部55の背面側に存在するフランジ部75bと、が一体形成されてなる。カバー本体部75aは、球皿部71の形状に合わせて形成されているとともに、球皿部71の外縁形状よりも一回り大きく形成されている。カバー本体部75aは、皿形成部55において球皿部71の奥壁71aを構成する部位から側壁71b及び前壁71cを構成する部位に亘って延在している。
詳細には、奥壁71aには、前後方向に貫通し、カバー本体部75aを挿通可能な挿通用孔部76が形成されている。カバー本体部75aは、皿形成部55の背面側から挿通用孔部76に挿通されていることにより、球皿部71の上方に存在している。また、側壁71b及び前壁71cにおいて挿通用孔部76と同じ高さ位置には、内側に凹ませて嵌合凹部77が形成されている。カバー本体部75aにおいて挿通用孔部76よりも前方に存在する領域の周縁部は、その全体が嵌合凹部77に入り込んでいる。これにより、球皿部71の上面開口部はその全体が皿カバー75により覆われているとともに、球皿部71と皿カバー75との境界では縦方向に対して交差する方向の境界面が生じている。また、嵌合凹部77にカバー本体部75aの周縁部が入り込んだ状態においては、図6(b)に示すように、皿カバー75のフランジ部75bが皿形成部55の背面部に後方から当接することとなる。
嵌合凹部77にカバー本体部75aの周縁部が入り込んだ構成において、当該入り込みが生じている領域では、皿形成部55と皿カバー75とが固定具としてネジ78aを利用して固定されている。当該固定箇所78は、図1に示すように、上記入り込みが生じている領域に沿って、断続的に複数(例えば20個)設けられている。また、皿カバー75のフランジ部75bが皿形成部55の背面部に当接した構成において、当該当接している領域では、皿形成部55と皿カバー75とが固定具としてネジ79を利用して固定されている。当該ネジ止めは、皿形成部55の後方から行われている。
上記構成であることにより、球皿部71は皿カバー75により覆われているとともに皿カバー75の分離が阻止されているため、皿カバー75が設けられた状態においては、球皿部71に貯留されている遊技球Bに触れること、及び球皿部71に遊技球Bを投入することが不可となっている。また、皿形成部55と皿カバー75との境界には、両者の縦方向の重なりが生じていることにより、縦方向に交差する方向の境界面が生じている。これにより、両者の境界を通じて上記遊技球Bに触れようとしてもそれが不可となっている。
一方、カバー本体部75aの固定箇所78について固定解除操作を行うとともに、前扉22を本体ベース21に対して開放操作して皿形成部55の背面側からフランジ部75bの固定箇所について固定解除操作を行うことにより、皿カバー75を取り外すことができる。これにより、球皿部71内において球詰まり等が発生した場合に、当該球詰まりを解消するといったメンテナンスを行うことは可能である。また、皿カバー75を取り外すためには、固定解除操作だけでなく前扉22の開放操作を要するため、当該皿カバー75を不正に取り外す行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、皿形成部55とカバー本体部75aとの固定箇所78を覆うように別のカバー部材を設けることにより、当該固定箇所78が外部に露出しないようにしてもよい。また、皿カバー75と皿形成部55との固定が、皿形成部55の背面側においてのみ行われている構成としてもよい。
球皿部71に貯留された遊技球Bは、既に説明したとおり整列領域74で整列された後に、導入口73を通じて遊技球発射機構80側へ導かれる。当該導出先側の構成について、図7を参照しながら説明する。
<遊技球発射機構80の構造>
図7は遊技球発射機構80を示す斜視図である。図8は遊技球発射機構80を示す正面図である。図9は遊技球発射機構80を示し、球送り機構8003を分解した状態を示す分解斜視図である。
図7〜図9に示すように、遊技球発射機構80は、主に電磁式のソレノイドから成る発射装置8001と、遊技盤33の誘導レール(内レール33a及び外レール33b)に向けて延びる発射レール8002と、球皿部71に貯留された遊技球Bを1球ずつ取り込み発射レール8002上へ送り込む球送り機構8003と、発射レール8002上に送り込まれる遊技球B(発射準備球)を検知する発射準備球検知機構8100と、発射レール8002上に送り込まれた遊技球B(発射準備球)を所定の位置(発射直前の停止位置、以下適宜、発射位置という)に留め置くための位置決め部材8005と、これらを支持するベース板8004とを備えている。なお、発射準備球とは、球送り機構8003により発射レール8002上の発射位置に案内される遊技球Bをいい、以下適宜、発射装置により少なくとも一度発射された遊技球Bは発射球と表して区別する。
ベース板8004は、発射装置8001、発射レール8002、球送り機構8003、発射準備球検知機構8100及び位置決め部材8005を支持するベース部材として、上述した本体ベース21の露出用孔部32の下方前面側に固定されている(図3参照)。略直方体形状の発射装置8001は、ベース板8004の右下部分に、長手方向が右下がりとなるように傾斜した状態で取り付けられている。また、断面略M字状をなすレール部材である発射レール8002は、発射装置8001の先端側(図8における左側)において、発射装置8001の長手方向に平行に延びるようにしてベース板8004に取り付けられている。球送り機構8003は、球皿部71に貯留された遊技球Bを発射レール8002上に1球ずつ落下させて供給(装填)するべく、発射装置8001及び発射レール8002の一部に前面側から覆い被さるようにベース板8004の右上部分に取り付けられている。位置決め部材8005(図9参照)は、球送り機構8003から供給(装填)される遊技球B(発射準備球)を発射レール8002上の所定の位置(発射位置)に留め置くために、発射レール8002の基端部(発射装置8002側)上方(ベース板8004の略中央部分)に取り付けられている。発射準備球検知機構8100(図9参照)は、その一部がベース板8004の背面から突出した状態で、球送り機構8003内に取り付けられている(図13等参照)。
図3に示したように、本体ベース21の前面下側には、ベース板8004を取着するための略平面状の被取着部2201が形成されている。一方、ベース板8004は、金属製素材(例えば亜鉛合金等)により略平板状に形成されており、この被取着部2201においてその上下方向に沿って配設されている。
ベース板8004は、その下端部の背面側が少なくとも操作ハンドル36bの軸心位置より下方位置において被取着部2201に当接した状態で配設されている。なお、下端部が軸心位置とほぼ同じ高さ位置となった構成としてもよい。また、パチンコ機10の左右方向に対して、ベース板8004の右端部が、遊技領域の右端部と略同一位置となるよう配設されている。
一方、ベース板8004の左端部(発射レール8002の先端部近傍部分)は、遊技盤33の誘導レール33a,33bの配設位置に合わせるように、遊技領域の左右方向の略中央(アウト口49aの下方)に位置している。更に、ベース板8004の上端部(発射レール8002の先端部近傍部分)は、遊技盤33の下端部近傍に位置している。
ベース板8004は、複数の締結部材としてのねじ等により、本体ベース21の前面側に固定されるよう構成されている。ベース板8004には、各締結位置においてねじが挿通される挿通孔が形成されている。本実施形態では、図8等からも明らかなように、少なくとも1つの挿通孔の位置、すなわちねじ等による少なくとも1つの締結位置が皿形成部55に相対する本体ベース21の前面側下部にあり、更に、そのうちの少なくとも1つの締結位置が、操作ハンドル36bの軸心位置より下方位置、かつ、発射装置8001の組付け位置より下方位置にある。
<発射レール8002の構造>
発射レール8002は、発射装置8001より発射された直後の遊技球B(発射球)を誘導レール33a,33bに導き、遊技領域へ案内するためのものであって、所定の発射角度(打ち出し角度)となるよう直線的に延びている。操作ハンドル36bの回動操作に伴い発射された遊技球B(発射球)は、まずは発射レール8002に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した誘導レール33a,33bが形成する球案内通路を通じて遊技領域に案内されるようになっている。
パチンコ機10における遊技領域が、例えば従来のものよりも大幅に拡張されるときは、誘導レール33a,33bの曲率を小さくする必要があり、打出球を安定化させるための工夫を要する。そのときは、遊技球B(発射準備球)の発射位置を低くするとともに発射レール8002の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール8002を立ち上げるようにし)、更に発射レール8002の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにする。これにより、発射装置8001から発射された遊技球B(発射球)をより安定した状態で誘導レール33a,33bに導くことができる。この場合特に、発射レール8002を、発射装置8001による発射位置から遊技領域の左右方向の中央位置(アウト口49aの位置)を越える位置まで延びるよう形成する。
<発射装置8001の構造>
本実施形態では、発射装置8001として、リニアソレノイドをケース部材8001aに収容した1ユニットのソレノイド式発射装置を採用している。すなわち、発射装置8001は、発射レール8002と平行に延びるプランジャ8006(軸部材)を具備している。勿論、ソレノイド式発射装置8001に代えて、従来一般的に採用されていたモータ及び発射槌の組み合わせでも良い。
このプランジャ8006の先端には、遊技球B(発射準備球)を打撃する打部8007が装着されている。打部8007を構成する素材として、本実施形態では、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが採用されている。このような発射装置8001が一定の条件を満たす場合において所定時間毎に励磁・非励磁が繰り返し行われ、これにより、プランジャ8006の出没が繰り返される。プランジャ8006が突出する際に、所定位置に位置決めされた遊技球B(発射準備球)が発射レール8002から発射される。なお、操作ハンドル36bの操作量に基づき、プランジャ8006の突出速度が適宜調整され(ストローク量はほぼ一定)、これにより、遊技球B(発射球)の発射速度ひいては飛翔量が調整されるようになっている。
なお、発射装置8001は、ベース板8004に立設された一対のボス・ボルト8008に対して、締結部材としてのネジやナット8009により固定されている。発射装置8001には、このようなボス・ボルト8008に対応するように、ネジ・ボルト8008が挿通される孔部を有した被締結部8010が形成されている。本実施形態では、発射装置8001の下側において、ナット8009の締め具合を適宜調整すること(ボルト8008の突出量を調整すること)で、ベース板8004に対する発射装置8001の取付けられる高さ(突出量)、ひいては、プランジャ8006の先端位置、つまり遊技球の打点を調整することができるようになっている。また、発射装置8001は、その全体がベース板8004の外周縁より内側に配置されている。
<位置決め部材8005の構造>
位置決め部材8005は、発射レール8002の基端部上に載置される遊技球B(発射準備球)を支持して位置決めするためのものであって、略直方体形状をなす。位置決め部材8005には、上下方向に貫通するねじ孔が形成されているとともに、ベース板8004の所定位置にもねじ孔が形成されている。そして、両ねじ孔同士が位置合わせされた状態で、ねじが螺着されることで、位置決め部材8005が取り付けられている。
本実施形態では、位置決め部材8005は、正面視で略逆台形状を有している。この位置決め部材8005は固定しているねじを緩め適宜回動させた上で、ねじを螺着させることで、位置決め部材8005の側面と、発射レール8002基端部との距離が微妙に変更可能となっている。つまり、位置決め部材8005を回動調整することで、遊技球B(発射準備球)の支持位置、ひいては、遊技球発射直前の停止位置(発射位置)を微調整することができるようになっている。なお、この位置決め部材8005は正面視で略逆台形の直方体形状に限定されず、遊技球Bの発射方向を微調整できる形状であればこの形状に限定されない。
<球送り機構8003の構造>
球送り機構8003は、球皿部71の後述する整列領域(待機路)74から案内されてくる遊技球Bを1球ずつ、発射レール8002の基端部の発射位置に案内するためのものであり、遊技球Bを1列に連なるように整列させる整列路を形成するための通路形成部材である台座部8011及び開閉部8012と、列の先頭の遊技球Bのみを取り込んだ後に発射レール8002上に転落させるための球送り部材である電磁石8018及び送出片8019とを備える。台座部8011は、樹脂製の支持部材であり、ベース板8004の前面に沿うようにその右上端部に固定されている。この台座部8011を介して、開閉部8012(図9参照)は発射装置8001の上部を被覆するようにしてベース板8004に取り付けられている。
開閉部8012は、樹脂製のケース部材であり、その背面側には、遊技球Bを送り出す主要な機構を構成する電磁石8018及び送出片8019が収容されている。本実施形態では、台座部8011及び開閉部8012は、透明又は半透明部材であって、透明又は半透明の合成樹脂により形成されている。このため、開閉部8012の外部から、内部に収容された球送り部材や内部に取り込まれた遊技球Bを視認できる。このため、球送り機構8003に何らかの不具合が発生した場合等においても、開閉部8012を取り外すことなく、その状態を認識できる。
開閉部8012には、その右側面に上下一対の軸部8013が設けられ、台座部8011には、その前面右側に当該軸部8013が差し込まれる上下一対の軸受部8014が設けられている。これにより、開閉部8012は台座部8011の一側(図の右側)にて開閉可能に枢支されている。また、軸部8013は軸受部8014に対して着脱可能となっており、開閉部8012は台座部8011に着脱可能な構成となっている。
また、開閉部8012の軸部8013とは反対側には後方(台座部8011側)へ突出する係止爪8015が一体形成されている。台座部8011には、この係止爪8015を受ける係止孔8016が形成されている。常に開閉部8012は台座部8011と閉状態となっているとともに、この閉状態で係止爪8015は操作可能となっている。つまり、開閉部8012が閉鎖されると、係止孔8016に係止爪8015が必然的に係止されることとなり、これにより、閉状態が維持されるようになっている。
図8等に示すように、開閉部8012は、少なくとも一部が遊技球Bの発射位置(位置決め部材8005によって遊技球Bが停止される位置)に略対応した発射レール8002の一区間に沿って配設されるよう組み付けられている。これにより、発射位置及びその近傍において、開閉部8012が発射レール8002を挟んでベース板8004と対向するよう組付けられた状態となる。そのため、発射レール8002上に転がり落とされ、発射位置に位置決めされる遊技球B(発射準備球)が発射レール8002上からこぼれ落ちることを規制し発射位置に維持することができる。結果として、部品点数を増やすことなく遊技球Bのこぼれ落ちを規制し、遊技球Bに対して発射装置8001の打部8007をより確実に当打させることができる。また、開閉部8012を取り外すことなく、透明(半透明)の開閉部8012を透して、発射レール8002上の遊技球Bを視認することも可能となり、発射レール8002上に遊技球Bが複数並んで置かれている等の不具合を認識することができる。
開閉部8012の前部には、球皿部71から案内されてくる遊技球Bを導き入れる導入口8017が設けられている。この導入口8017から入った遊技球Bは開閉部8012内部において後方に向かって下方に傾斜した床部8017aにより遊技機10の背面側(台座部8011側)下方に導かれ、更に右方に向かって下方に傾斜した床部8017bと台座部8011前面から前方に突出するように形成された平面視略三角形状の凸部8022により、遊技機10の右側(後述するホルダ部8019b側)に導かれる。なお、開閉部8012の上部(天井)には遊技球Bの導入を規制するための位置決め凸条8017cが進入方向と平行に形成されている。
図10は、導入口8017から開閉部8012内に入った遊技球Bが送出片8019により1球ずつホルダ部8019bに取り込まれ、発射位置に供給(装填)される様子を説明するために、開閉部8012等をベース板8004に平行な平面(図7のA−A線)で切断した状態を示す拡大断面図であり、(a)は電磁石8018がオン状態とされた(ホルダ部8019bが最上位置にある)場合、(b)は電磁石8018がオフ状態とされた(ホルダ部8019bが最下位置にある)場合を示す。なお、電磁石8018及びホルダ部8019bの断面線は省略している。図11は、ホルダ部8019bを背面側斜め上方から視認した状態を示す拡大斜視図である。
図10に示すように、送出片8019は、その一端のコーナー部分である軸支部8019aが、開閉部8012に対し回動可能に軸支されており、軸支部8019aとは反対側において、遊技球Bを1個だけ収容可能に正面視略コの字状のホルダ部8019bを具備している。また、ホルダ部8019bと軸支部8019aとを結ぶ連結部8019dの上辺部分には、電磁石8018に対向するようにして磁性金属よりなる金属片8019cが取り付けられている。また、図11に示すように、ホルダ部8019bは、背面視前方に向かって上方に傾斜した(正面視後方に向かって下方に傾斜した)板状の底面部fと、その背面視左端後部(正面視においては右端前部)から上方に延びるように形成された逆J字状の壁部iとから成る。つまり、底面部fはその下端部fにおいて、背面視左方向(正面視においては右方向)に拡がるように形成されている。また、壁部iの壁面は、遊技球B(発射準備球)が底面部fを背面視左方向(正面視においては右方向)に導く(転がす)ように遊技機10の前後方向に対して、若干斜めとなるように形成されている。
このような構成により、電磁石8018がオン状態とされた場合には、図10(a)に示すように、送出片8019の金属片8019cがこの電磁石8018に吸引され、送出片8019が上方へ回動する(以下、適宜、電磁石8018がオン状態とされ最も上方へ移動した際の送出片8019の位置を最上位置という)。送出片8019が最上位置となったときに、導入口8017から導入された遊技球B1球がホルダ部8019bに収容される(以下、このホルダ部8019bに収容された状態にある遊技球Bの位置を保持位置という)。保持位置にある遊技球Bは台座部8011の下端部g(図10(b)、図12参照)に当接しており、傾斜した底面部f上にあるものの下方(発射レール8002側)への流下が規制されている。一方、電磁石8018がオフ状態とされた場合には、図10(b)に示すように、送出片8019が重力によって下方へ回動する(以下、適宜、電磁石8018がオフ状態とされ最も下方へ移動した際の送出片8019の位置を最下位置という)。そのため、ホルダ部8019bに収容されていた遊技球Bはホルダ部8019bと共に下方へ移動し、当接していた台座部8011の下端部gから外れて、壁部iに沿って底面部f上を後側へと転がり、壁部iを外れ下端部f側へ移動すると更に右下方へ転がり、下端部fから落下して発射レール8002の基端部へと案内される。
なお、図10(b)に示すように、電磁石8018がオフ状態とされた場合には、送出片8019のホルダ部8019bの上先端部hによって次の遊技球Bのホルダ部8019bへの流下が規制されている。従って、電磁石8018のオン・オフ動作が繰り返し実行されることで、遊技球Bが1球ずつ保持位置に一時的に保持された後に、発射位置へと案内されることとなる。なお、電磁石8018のオン・オフと発射装置8001(ソレノイド)の励磁・非励磁とは同期させられるよう構成されている。つまり、発射操作装置36が操作されることに基づき、かつ、後述する遊技球Bを発射すべき条件が成立したことを契機として、まず、球送り機構8003により1個の遊技球Bが発射レール8002上に供給(装填)され、位置決め部材8005により発射位置に保持される。その後、発射装置8001が駆動制御されて遊技球B(発射準備球)は遊技領域に向けて発射される。
<発射準備球検知機構8100の構造>
図12は、台座部8011に取り付けられた発射準備球検知機構8100を示す正面図である。図13は、ベース部材8004、台座部8011及び発射準備球検知機構8100を示す分解斜視図であり、図14は、発射準備球検知機構8100を示す分解斜視図である。なお、図12〜図14においては、揺動部材8110が元位置にある状態を示している。
発射準備球検知機構8100は、球送り機構8003のホルダ部8019bから発射レール8002上に転がり落ちる遊技球B(発射準備球)を検知するためのものであり、図13等に示すように、落下する遊技球Bの押圧により揺り動かされる揺動部材8110と、この揺動部材8110の動きを検知する発射準備球検知センサ(検知手段)8120とを備える。揺動部材8110及び発射準備球検知センサ8120は、これらを支持する取付部材8130により台座部8011に取り付けられている。
図14に示すように、取付部材8130は樹脂製の支持部材であり、軸方向が水平となるように取り付けられる略円筒状の軸支部8130aと、その右端部から後方に突出するように形成された突起部8130bとから成り、軸支部8130aは揺動部材8110を揺動可能に支持し、突起部8130bはベース板8004後方に配置される発射準備球検知センサ8120を支持する。
図13に示すように、台座部8011の前面側中央部分には、前方に凸設された壁部s〜sにより収納スペースSが設けられている。また、台座部8011及びベース部材8004には、前後方向に連なるように形成された正面視略矩形状の孔である開口部8011a,8004aが設けられている。図12等に示すように、揺動部材8110が挿着された取付部材8130は、ベース部材8004に固定された台座部8011に前方から取り付けられ、収納スペースSに軸支部8130aが収納されてねじ止め固定される。突起部8130bは、開口部8011a,8004aに挿通されてベース部材8004の背面から後方に突出し、その後端部分に発射準備球検知センサ8120がねじ止め固定される。
図14に示すように、揺動部材8110は、軸支部8130aに挿通され揺動可能に軸支される揺動軸8111と、揺動軸8111の左端部に嵌着される揺動片8112と、揺動軸8111の右端部に嵌着される検知片8113とを備える。揺動片8112は、ホルダ部8019bから発射レール8002上に転がり落ちる遊技球B(発射準備球)の接触、押圧により揺動軸8111を中心として右側面視反時計回りに所定の角度α(本実施形態においては、αは約10度)回転し、接触した遊技球Bの落下(通過)により右側面視時計回りに所定の角度α回転して元の位置に戻る。この揺動片8112の往復揺動は、揺動軸8111により検知片8113に伝達され、検知片8113も同様に往復揺動させる。検知片8113の揺動は、ベース板8004の後方に配設された発射準備球検知センサ8120により検知され、遊技球Bが1球送り込まれたことが認識される。つまり、検知片8113は、右側面視反時計回りに所定の角度α回転することにより、発射準備球検知センサ8120の検知位置に移動して検知され、右側面視時計回りに所定の角度α回転することにより、当該検知位置から外れ元の位置に戻る。
なお、揺動軸8111には、軸支部8130aと検知片8113の間に、揺動部材8110の揺動を抑制する揺動抑止部材である弾性部材8150が配設されている。弾性部材8150は、揺動部材8110が、遊技球B(発射準備球)の押圧ではなく例えば遊技機10に人や物がぶつかる等の振動により揺動してしまうことを防ぐ機能を有する。ここで、以下適宜、遊技球Bの接触(押圧)により回転していない状態にある揺動部材8110(揺動片8112、検知片8113等)の位置を元位置、遊技球Bの接触により右側面視反時計回り(後方)に所定の角度α回転した状態にある揺動部材8110(揺動片8112、検知片8113等)の位置を移動位置という。
揺動軸8111は略円柱状の金属製軸部材であって、取付部材8130の軸支部8130aに挿通され弾性部材8150が取り付けられる円柱状の円柱部8111aと、この円柱部8111aの右端側、左端側にそれぞれ連なるように形成された略円柱状の左嵌合軸部8111b、右嵌合軸部8111cとから成る。左嵌合軸部8111b及び右嵌合軸部8111cは、円柱部8111aよりも僅かに径が小さく、一部が軸方向に切り欠かれており、揺動片8112、検知片8113がそれぞれ冠着される。
揺動片8112は樹脂製部材であり、軸方向に形成され揺動軸8111(左嵌合軸部8111b)に嵌着される嵌合穴jを有する有底筒部8112aと、有底筒部8112aからその軸方向と平行に下方へ延設された舌状の接触部8112bと、有底筒部8112aから上方に突設された上係止部8112cとから成る。接触部8112bの前面左側には抉り取るように切り欠かれた凹部kが形成されている。
揺動片8112は、図13、図14に示すように、上係止部8112cが台座部8011の収納スペースSの上縁部mに当接することにより、揺動片8112(揺動部材8110)の右側面視時計回りの回転が一定範囲内(角度α)に制限される。また、揺動片8112は、接触部8112bが台座部8011の下縁部nに当接することにより、揺動片8112(揺動部材8110)の右側面視反時計回りの回転が一定範囲内(角度α)に制限される。
検知片8113は樹脂製部材であり、軸方向に形成され揺動軸8111(右嵌合軸部8111c)に嵌着される嵌合穴(図示せず)を有する有底筒部8113aと、有底筒部8113aからその軸方向と垂直に後方へ延設された板状の遮光部8113bと、有底筒部8113aの右側面前側部分から右側方に突出するように形成された円弧状の凸部である右係止部8113cとから成る。
検知片8113は、右係止部8113cの上端部又は下端部が、揺動部材8110の揺動した際に台座部8011の収納スペースSを区画する壁部sの前面に当接するように形成されている。この右係止部8113cは、検知片8113(揺動部材8110)の右側面視時計回り及び反時計回りの回転を一定範囲内(角度α)に制限する役割を担うものである。つまり、揺動部材8110の両端部の揺動片8112及び検知片8113には、揺動部材8110の揺動角度を一定範囲内(角度α)とするための機能がそれぞれ備えられている。
弾性部材8150は金属製ねじりコイルばねであり、揺動軸8111に差し込まれるコイル軸部8150aと、コイル軸部8150の左端部に繋がり四角形状に屈曲された左腕部8150bと、コイル軸部8150の右端部に繋がり右方へ延びるように屈曲された右腕部8150cとから成る。左腕部8150bは、弾性部材8150が回転しないように係止するために取付部材8130の突起部8130bの下面に当接するように配置され、右腕部8150cは、検知片8113の遮光部8113bの基端側上面に当接するように引掛けられる。弾性部材8150の右腕部8150cは、元位置から移動位置へ回転しようとする検知片8113の動きを抑制するために、右側面視時計回りに回転する方向に付勢する役割を担うものである。その付勢力は、遊技球B(発射準備球)が押圧した際の揺動部材8110の揺動を抑制することなく、それ以外の外部からの衝撃等による振動(例えば、遊技者が遊技機10を叩いたり、前扉22を開閉したりする際の振動)による揺動部材8110の揺動を抑制するような強さとなっている。
発射準備球検知センサ8120は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、揺動部材8110が移動位置にあり、検知片8113の遮光部8113bが光を遮っている状況では発射準備球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、揺動部材8110が元位置又は元位置と移動位置の間にあり、検知片8113の遮光部8113bが光を遮っていない状況では発射準備球検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、発射準備球検知センサ8120によって、発射レール8002上に遊技球B1球が供給(装填)されたことを特定することが可能となる。
なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、発射準備球検知センサ8120は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。但し、センサの検知、送出片8019や発射装置8001の動作などが、互いに悪影響を及ぼさないように、また、遊技機10の外部から磁気による操作ができないように、発射準備球検知センサ8120は近接センサ以外のセンサであることが好ましい。
図15は、送出片8019(ホルダ部8019b)と遊技球B(発射準備球)と揺動片8112の関係を説明する横断面図(図8におけるB−B線断面図)であり、(a)は送出片8019が最上位置にある状態、(b)は送出片8019が最上位置と最下位置の間にある状態、(c)は送出片8019が最下位置にある状態を示す。なお、遊技球B(発射準備球)は、送出片8019(ホルダ部8019b)が最上位置に来た際に保持位置に取り込まれ、送出片8019(ホルダ部8019b)が下方に移動することにより、ホルダ部8019bの底面部fを保持位置から底面部fの下端部fまで転がり落ち、その後、底面部fの下端部fから発射レール8002上に自由落下する。
図15(a)は、送出片8019(ホルダ部8019b)が最上位置にあり、揺動片8112が元位置にある状態を示す。このとき、遊技球Bは上述したように台座部8011の下端部gに当接するためホルダ部8019b内(保持位置)に保持される(図10(a)、図12参照)。このとき、揺動片8112の接触部8112bの前面左側には凹部kが形成されているため、遊技球Bは揺動片8112に接触しない。そのため、揺動片8112は遊技球Bを保持位置に取り込んでも回転せず、元位置に留まった状態となっている。
なお、揺動部材8110は側面視においてやじろべえのような構成となっており、揺動片8112と検知片8113の重心及びその重心に係る重力のバランスにより、自然と元位置の状態となるように構成されている。また、揺動部材8110の重心は、揺動部材8110が揺動軸8111により軸支されている位置よりも下方にあるため、多少の振動では検知片8113の遮光部8113bが移動位置に動かないような構成となっている。
図15(b)は、送出片8019(ホルダ部8019b)が最上位置から下方に動き最下位置に移動する途中にあり、揺動片8112が移動位置まで回転移動している状態を示す。送出片8019(ホルダ部8019b)が下方に下がると、遊技球Bも下方に移動して当接していた下端部gから外れ、遊技球Bが底面部f上を背面側に向かって右下方へ転がる。そして、遊技球Bは、揺動片8112の接触部8112bの前面下部に接触し、その球面が揺動片8112の接触部8112bを撫でるようにして押圧しながら下方へ移動する。この遊技球Bの押圧により、揺動片8112は、図15(b)に示すように、弾性部材8150の弱い付勢力に反して、右側面視反時計周りに所定の角度α回転して移動位置に移動する。これに伴い、検知片8113も移動位置に回転移動し、その遮光部8113bが移動位置において発射準備球検知センサ8120により検知され、1球の遊技球Bが発射レール8002上に供給(装填)されたことが認識される(図14参照)。
本実施形態において、揺動片8112は、元位置において、その前面(遊技球Bが接触する面)の垂線方向が遊技球Bの落下方向に略平行となるように構成されている。また、揺動片8112は、その上端側が揺動軸8110に吊り下がる振り子のように軸支され、遊技球Bが落下して通過する際にその下端側を押圧することにより、往復揺動するように配設されている。更に、遊技球Bは、遊技球B自体の重さだけでなくその移動(転がり)による運動エネルギーも利用して揺動片8112を押圧する。よって、本実施形態の遊技機10においては、遊技球Bの押圧により、揺動片8112(揺動部材8110)を確実に移動位置まで移動させることができる。
図15(c)は、送出片8019(ホルダ部8019b)が最下位置にあり、揺動片8112が元位置に戻っている状態を示す。送出片8019(ホルダ部8019b)が最下位置(図10(c)参照)に移動したときには、遊技球Bは、ホルダ部8019bの底面部f上の下端部fまで転がり落ち、揺動片8112の接触部8112bの下端部fからも外れ、発射レール8002上に自由落下する。揺動部材8110(揺動片8112)は、遊技球Bが揺動片8112から外れるため、図15(c)に示すように、右側面視時計周りに所定の角度α回転(逆回転)して元位置に戻る。
なお、この逆回転は、上述したように揺動部材8110自体のバランスにもよるが、上述した弾性部材8150の付勢力にもよる。本実施形態においては、弾性部材8150を備えた構成としたが、発射準備球検知機構8100が弾性部材8150を備えていない構成とすることもできる。例えば、揺動片8112と検知片8113のバランスを、揺動部材8110に何も力が加わらない状態において、予め元位置よりも右側面視時計回りに動かした位置で安定するような構成にしてもよい。つまり、揺動片8112を、その上部に設けられた上係止部8112cが台座部8011の上縁部mに当接することにより、元位置にある状態が保たれるようにする。このような構成とすれば、遊技者が熱中して遊技機を叩いたりすることにより、揺動部材8110(揺動軸8111)に振動が伝わったとしても、右側面視反時計回りの動きが揺動片8112と検知片8113のバランスによって制限される。よって、弾性部材8150によらずに、遊技球Bの当接による揺動片8112の回転は許容し、外部からの衝撃等による揺動片8112の回転は抑制することができる。
このように、本実施形態の球送り機構8003と発射準備球検知機構8100は、球送り機構8003の保持位置から発射レール8002上に落下する遊技球Bが、揺動片8112を振り子のように揺らして通過する位置関係となるように配設されている。落下する遊技球Bが誘導部材8110の一端側の揺動片8112を押圧して回転させることにより、他端側の検知片8113が発射準備球検知センサ8120の検知位置まで回転して検知され、発射位置に遊技球1球が供給(装填)されたことが認識される。揺動片8112の揺動を揺動軸8111により伝達することにより、検知片8113をスペースに余裕のある箇所に設け、球送り機構8003の外部に設けた発射準備球検知センサ8120により検知する構成とすることができる。また、上述のように揺動片8112や検知片8113の揺動を所定の角度に制限することにより、揺動片8112が球送り機構8003の送出片8019(ホルダ部8019b)の動作の障害となることを防ぐことができる。
次に、発射された遊技球Bを球皿部71に戻すための構成について、図16及び図17を参照しながら説明する。
図16は、パチンコ機10の背面図であって、払出制御装置64、発射制御装置65、第2電源装置67及び中継基板68,69を取り除いた状態を示す図である。図17(a),(b)は、支持ベース体31の一部を拡大して示す斜視図であって、遊技領域から排出された遊技球Bを球皿部71に戻すための構成を分解して示す斜視図であり、図17(a)は支持ベース体31の一部を前方から見た斜視図であり、図17(b)は支持ベース体31の一部を後方から見た斜視図である。
発射装置8001により発射されて遊技盤33の誘導レールから遊技領域に放出された遊技球B(発射球)は、釘49bや風車等に跳ね返りながら遊技領域を流下する。そして、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44又はアウト口49aに入球した遊技球Bは、遊技盤33の背面側に導かれる。
遊技盤33の背面には、図16に示すように、集合通路形成体91が設けられており、当該集合通路形成体91と遊技盤33の背面とを利用して区画形成された集合通路により、遊技盤33の下端部における所定領域に導かれる。この所定領域に導かれた遊技球Bは、支持ベース体31の背面であって遊技盤33の下方に形成された排出用回収部101にて回収される。
排出用回収部101は、図17(a)及び図17(b)に示すように、排出用回収部材102を支持ベース体31の背面に後方から装着することにより形成されている。排出用回収部101は、図16に示すように、横方向に延在させて設けられている。この場合、排出用回収部101は、支持ベース体31の横方向の中央付近から球皿部71の導出口72側に亘って存在しており、当該導出口72側の端部は当該導出口72の全体に対して後方から対向している。
排出用回収部101は、所定の深さ寸法、具体的には2個の遊技球B分以上の深さ寸法を有する空間として形成されているとともに、当該空間が上方に開放させて形成されている。また、排出用回収部101の底面103は、球皿部71の導出口72側の端部に向けて下り傾斜となるように形成されている。
上記集合通路に流入した遊技球Bは、遊技盤33の下端であって、導出口72側とは反対側の端部寄りの位置にて、排出用回収部101に導出される。排出用回収部101に導出された遊技球Bは、当該排出用回収部101の底面103を自重により下り、支持ベース体31を前後に貫通するように形成された連通口104に到達する(図17(b)参照)。
連通口104は、球皿部71の導出口72と排出用回収部101とを連通するように形成されており、その前側領域は、支持ベース体31の前面において周囲の面よりも前方に向けて突出させて形成されている。この前方に向けて突出している前方開口部には、図17(a)に示すように、シャッタ機構105が設けられている。
シャッタ機構105は、前方開口部の遊技球の通過を阻止する阻止位置と、遊技球の通過を許容し導出口72への遊技球Bの流入を可能とする許容位置とに変位可能に設けられたシャッタ部材106を備えている。シャッタ部材106は、その下端部を回動軸として、シャッタ支持部107により回動可能に支持されている。前扉22を閉鎖した状態においては、前扉22の背面において周囲の面よりも後方に突出させて形成された図示しない導出口形成部が入り込み、シャッタ部材106は許容位置に配置される。一方、前扉22を開放した状態においては、上記導出口形成部が入り込んだ状態が解除されて、シャッタ部材106は阻止位置に配置される。これにより、排出用回収部101に遊技球Bが存在している状態で前扉22が開放されたとしても、当該排出用回収部101内の遊技球Bが流出してしまうことが抑制される。
ちなみに、球皿部71の導出口72には、シャッタ機能は存在しておらず、前扉22が開放された状態であっても導出口72が後方に向けて開放された状態は維持される。これに対して、導出口72は球皿部71においてパチンコ機10前方に膨出している貯留空間に向けて下り傾斜となっているとともに貯留空間の底面も球皿部71の導入口73に向けて下り傾斜となっているため、球皿部71に貯留されている遊技球Bが前扉22の開放に際して流出してしまわないようになっている。
シャッタ部材106が許容位置に配置されている状況では、連通口104に到達した遊技球Bは導出口72に流入する。導出口72は、既に説明したとおり球皿部71の貯留空間に向けて下り傾斜となっているため、導出口72に到達した遊技球Bは最終的に当該貯留空間に戻ることとなる。
排出用回収部101には、図17(b)に示すように、球磨き機構111が設けられている。球磨き機構111は、球磨き体112と、磨き用駆動部113とを備えている。球磨き体112は、排出用回収部101の横方向の寸法よりも軸方向の寸法が大きい球磨き軸部112aと、当該球磨き軸部112aの周囲において放射方向に突出するように設けられたブラシ状の球磨き部112bとを備えている。球磨き体112は、その軸線方向が横方向となるように排出用回収部101に収容されており、その横方向の両端はそれぞれ排出用回収部101の側方に突出している。かかる突出した両端部は、それぞれ支持ベース体31の背面に形成された一対の支軸部114により回転可能な状態で支持されている。また、球磨き体112の横方向の一端、詳細には導出口72側の端部は磨き用駆動部113に連結されている。磨き用駆動部113は、回転モータからなり、駆動信号が供給されている間は、球磨き体112を所定方向に回転させる。
球磨き体112が排出用回収部101に収容された構成において、球磨き体112は排出用回収部101に流入した遊技球Bの導出口72側への流下を可能とするように、且つその流下する遊技球Bに球磨き部112bが接触するように、その寸法及び配置位置が設定されている。したがって、排出用回収部101において回収された遊技球Bは、導出口72に誘導されるとともに、その誘導に際して球磨き体112により磨かれる。
上記のように発射装置8001により発射されて遊技領域に到達した遊技球Bは、排出用回収部101を通じて球皿部71に戻ることとなるが、発射強度によっては発射装置8001により発射されたものの遊技領域に到達することなく誘導レール33a,33bにより形成された球案内通路を戻ってきてしまう遊技球Bも存在する。当該遊技球Bを回収するために、図3及び図17(a)に示すように、戻り球用回収部121が設けられている。なお、戻り球用回収部121に回収される遊技球Bは、誘導レール33a,33b(球案内通路)を戻ってきてしまう遊技球Bだけではない。発射位置に逆戻りした遊技球B(後述する逆戻り球)は、当該遊技球B(逆戻り球)の発射後に新たに発射位置に供給(装填)される遊技球B(発射準備球)と連なった状態となり、複数球(逆戻り球と発射準備球)が一度に発射操作により発射されることにより、その一部又は全部が遊技領域に到達せず戻り球用回収部121から回収される場合がある。ここで、逆戻り球とは、例えば、発射位置から発射されたものの、誘導レール33a,33b(球案内通路)を戻ってくる遊技球Bに衝突して発射レール8002上に戻ってきてしまった遊技球Bや、打ち損じにより発射レール8002の発射先側端部に到達することなく発射レール8002上を逆戻りしてきてしまった遊技球Bなど、一度発射されたものの発射位置に逆戻りしてきてしまった遊技球Bである。以下、遊技領域に到達することなく戻り球用回収部121により回収される上述のような遊技球Bを戻り球という。
戻り球用回収部121は、連通口104において支持ベース体31の前方に突出する前方開口部を区画形成するための形成部と一体形成された壁部により区画形成されており、支持ベース体31の前面に形成されている。戻り球用回収部121は、図3に示すように、誘導レール33a,33bと発射レール8002とを横方向に離間させることにより生じた領域に形成されており、両レール間に亘って存在している。
戻り球用回収部121は、所定の深さ寸法を有する空間として形成されているとともに、当該空間が上方に開放させて形成されている。この場合に、戻り球用回収部121の前壁部122は、発射レール8002側の方が誘導レール側よりも低くなるように傾斜させて形成されているため、戻り球用回収部121は、誘導レール側においては2個の遊技球B分以上の深さ寸法を有しているのに対して、発射レール8002側においては1個の遊技球B分未満の深さ寸法となっている。これにより、発射装置8001から発射された遊技球B(発射球)の誘導レールに向けた移動が戻り球用回収部121により邪魔されてしまうことを防止しつつ、戻り球を確実に回収することが可能となる。
戻り球用回収部121は連通口104に連通されており、更に戻り球用回収部121の底面123は当該連通口104に向けて下り傾斜となっている。したがって、戻り球用回収部121にて回収された遊技球Bは、当該戻り球用回収部121の底面123を自重により下り、連通口104に到達する。そして、連通口104に到達した遊技球Bは、既に説明したとおり、前扉22が閉鎖されていることを条件として、球皿部71の貯留空間に導出される。
戻り球用回収部121には、当該戻り球用回収部121にて回収された遊技球Bを検知するための戻り球検知センサ124が設けられている。戻り球検知センサ124は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、遊技球Bを検知している状況では戻り球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、遊技球Bを検知していない状況では戻り球検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。また、戻り球検知センサ124の検知領域は、戻り球用回収部121にて回収された遊技球Bが連通口104に導出される場合に必ず通過する位置に設定されている。また、戻り球用回収部121に2球以上の遊技球Bが一度に回収された場合でも、検知領域を1球ずつ通過させて、各遊技球Bを順に検知することができるように構成されている。したがって、戻り球用回収部121にて回収された遊技球Bを戻り球検知センサ124によって確実に検知することが可能となる。
なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、戻り球検知センサ124は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。但し、センサの検知、送出片8019や発射装置8001の動作などが、互いに悪影響を及ぼさないようにするために、戻り球検知センサ124は近接センサ以外のセンサとし、光学式のセンサ以外であれば、例えばプッシュ式のセンサ等が好ましい。
以上のように排出用回収部101及び戻り球用回収部121が設けられていることにより、パチンコ機10にセットされている特定個数の遊技球Bは、遊技球発射機構80により発射されたとしても、球皿部71に戻ることとなる。また、既に説明したとおり、球皿部71には、皿カバー75が設けられているため、球皿部71に貯留されている遊技球Bを遊技者が取り出すことは不可となっている。これにより、当該特定個数の遊技球Bは、パチンコ機10において循環する。
<遊技球Bの貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成>
次に、遊技球Bの貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成について、図1、図2及び図6(a)を参照しながら説明する。
本パチンコ機10では、遊技者による現金の投入に対して実際の遊技球Bが貸し出されるのではなく、投入された現金に対して使用可能な遊技球Bの数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の範囲で遊技球Bを使用可能な構成となっている。また、遊技球Bの付与に対応した入賞が発生した場合にも、実際の遊技球Bが付与されるのではなく、入賞に対応した遊技球Bの数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の遊技球Bの使用が可能となる。また、その記憶された遊技球Bの数の情報を実際の遊技価値として付与されることを希望する場合には、記憶されている遊技球Bの数の情報が記憶された記憶媒体Mが遊技者に提供される。
上記のような現金の投入、記憶媒体Mの投入、及び記憶媒体Mの提供を行うための装置として、外枠11の側方には図2に示すように、管理ユニット131が設けられている。管理ユニット131の前面側には、現金として紙幣が投入される現金投入口132と、記憶媒体Mが投入される媒体投入口133と、記憶媒体Mが排出される媒体排出口134とが、上からこの順で設けられている。管理ユニット131では、現金投入口132から投入された紙幣を識別する処理、その情報をパチンコ機10に出力する処理、媒体投入口133から投入された記憶媒体Mを識別する処理、その情報をパチンコ機10に出力する処理、パチンコ機10からの遊技球Bの数の情報の書き込み指示に対して当該情報を記憶媒体Mに書き込む処理、当該情報を書き込んだ記憶媒体Mを媒体排出口134から排出する処理等を実行する。これらの処理の詳細については、後に説明する。
管理ユニット131に現金が投入された場合にその現金の情報を使用可能な遊技球Bの数の情報に変換することを指示するための操作、及び未使用の現金の情報や使用可能な遊技球Bの数の情報を記憶媒体Mとして排出することを指示するための操作は、パチンコ機10に設けられた操作ユニット141に対して行われる。操作ユニット141は、図1及び図6(a)に示すように、皿形成部55に設けられている。詳細には、既に説明したとおり、皿形成部55に形成された球皿部71は、整列領域74において幅寸法が小さくなっており、その分、皿形成部55において球皿部71を区画形成する領域の上面は整列領域74の前方において前後方向の寸法が大きくなっている。この前後方向の寸法が大きくなった領域に、操作ユニット141が設けられている。
操作ユニット141は、図6(a)に示すように、各種操作ボタン142〜146として、球供給ボタン142と、全返却ボタン143と、増加指示ボタン144と、減少指示ボタン145と、一部返却用の決定ボタン146とが設けられている。また、各種表示部147,148として、度数表示部147と、残数表示部148とが設けられている。
度数表示部147には、投入されて未使用の現金の情報が表示される。例えば、1万円が未使用の場合には「100」が表示され、1千円が未使用の場合には「10」が表示される。残数表示部148には、使用可能な遊技球Bの数の情報が表示される。例えば、使用可能な遊技球Bの数の情報が1万個の場合には「10000」が表示され、1千個の場合には「1000」が表示される。
球供給ボタン142は、度数の情報を使用可能な遊技球Bの数の情報に変換すべく操作される。この場合、一度の球供給ボタン142の操作に対して変換可能な度数情報は所定度数(すなわち所定額の現金)に限られており、具体的には500円分の度数情報が使用可能な遊技球Bの数の情報(例えば125個)に変換される。
全返却ボタン143は、パチンコ機10に記憶されている度数情報及び使用可能な遊技球Bの数の情報を記憶媒体Mとして排出させるべく操作される。増加指示ボタン144、減少指示ボタン145及び一部返却用の決定ボタン146は、使用可能な遊技球Bの数の情報のうち一部の数の情報を記憶媒体Mとして排出させるべく操作される。この場合、増加指示ボタン144が操作された場合には排出対象とする遊技球Bの数の情報が増加し、減少指示ボタン145が操作された場合には排出対象とする遊技球Bの数の情報が減少し、一部返却用の決定ボタン146が操作された場合には、選択されている一部の数の情報が記憶媒体Mとして排出される。
<パチンコ機10の電気的構成>
図18は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置61は、遊技の主たる制御を司る主制御基板151と、第1電源装置66からの電力の供給状況を監視する第1停電監視基板155と、主制御装置61における基板ボックス61aの外部から押圧操作可能に設けられた第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cとを備えている。
主制御基板151には、MPU152が搭載されている。MPU152には、ROM153及びRWM154が内蔵されている。
ROM153は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM154は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM153よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM154は、ROM153内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU152又は主制御基板151には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。
MPU152には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU152の入力側には、主制御装置61に設けられた第1停電監視基板155、第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cが接続されている。
第1停電監視基板155は、主制御基板151と第1電源装置66とを中継し、更に第1電源装置66から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第1電源装置66について停電が発生したものとして、MPU152に停電信号を送信する。
第1電源装置66は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機10において遊技盤33に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第1電源装置66は、主制御装置61、音声発光制御装置62、表示制御装置63、並びに遊技盤33に搭載された各種駆動部42d,44c及び各種表示部47,48に動作電力を供給する。
第1電源装置66には、商用電源から第1電源装置66への動作電力の供給が停止されている状況であっても、RWM154においてデータの記憶保持を可能とするために当該RWM154にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサ等の充電式のものであり、商用電源から第1電源装置66に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RWM154においてデータが記憶保持される。
なお、第1電源装置66が動作電力を供給する対象として、遊技盤33に搭載された電気機器に加えて、前扉22に設けられた各種発光部53,54及び操作ユニット141といった電気機器が含まれている構成としてもよい。
第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cは、RWM154のデータや、後述する払出制御装置64のRWM164のデータをクリアする場合に操作される。
MPU152の入力側には、上記のもの以外にも、各種入賞検知センサ41a〜45bといった各種センサや開放検知スイッチ39が接続されている。各種入賞検知センサ41a〜45bには、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45といった入賞対応入球部に1対1で対応させて設けられた検知センサが含まれており、MPU152において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU152では上作動口43への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに、下作動口44への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU152の出力側には、音声発光制御装置62が接続されている。音声発光制御装置62には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンド等の各種コマンドが出力される。音声発光制御装置62は、主制御装置61から受信したコマンドに基づき、各種発光部53,54及びスピーカ装置37を駆動制御するとともに、表示制御装置63にコマンドを送信する。表示制御装置63は、音声発光制御装置62から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置46aの表示面における画像の表示を制御する。
MPU152の出力側には、上記のもの以外にも、可変入賞装置42の開閉扉42cを開閉動作させる可変入賞駆動部42d、下作動口44の電動役物44bを開閉動作させる電動役物駆動部44c、特図表示部47及び普図表示部48が接続されている。主制御基板151には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU152は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置42の大入賞口42bが開閉されるように、MPU152において可変入賞駆動部42dの駆動制御が実行される。また、電動役物44bのサポート当選となった場合には、電動役物44bが開閉されるように、MPU152において電動役物駆動部44cの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU152において特図表示部47の表示制御が実行される。また、電動役物44bを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU152において普図表示部48の表示制御が実行される。
MPU152の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置64が接続されている。払出制御装置64は、遊技球Bの使用及び付与に関する制御を司る払出制御基板161と、第2電源装置67からの電力の供給状況を監視する第2停電監視基板165とを備えている。
払出制御基板161には、MPU162が搭載されている。MPU162には、ROM163及びRWM164が内蔵されている。ROM163は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM163は、MPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM164は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM163よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM164は、ROM163内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU162又は払出制御基板161には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。
なお、以下の説明では、主制御基板151のMPU152、ROM153及びRWM154と、払出制御基板161のMPU162、ROM163及びRWM164とを明確に区別するために、前者を主側MPU152、主側ROM153及び主側RWM154と言い、後者を払出側MPU162、払出側ROM163及び払出側RWM164と言う。
払出側MPU162には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。払出側MPU162の入力側には、払出制御装置64に設けられた第2停電監視基板165が接続されている。
第2停電監視基板165は、払出制御基板161と第2電源装置67とを中継し、更に第2電源装置67から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第2電源装置67について停電が発生したものとして、払出側MPU162に停電信号を送信する。
第2電源装置67は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機10において遊技盤33以外に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第2電源装置67は、払出制御装置64、発射制御装置65、遊技球発射機構80、球送り機構8003、発射装置8001、発射準備球検知センサ8120、戻り球検知センサ124、磨き用駆動部113、各種発光部53,54、スピーカ装置37及び操作ユニット141に動作電力を供給する。また、第2電源装置67は、パチンコ機10の側方に設けられた管理ユニット131にも動作電力を供給する。
第2電源装置67には、商用電源から第2電源装置67への動作電力の供給が停止されている状況であっても、払出側RWM164及び管理ユニット131のRWM174においてデータの記憶保持を可能とするためにこれらRWM164,174にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサ等の充電式のものであり、商用電源から第2電源装置67に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RWM164,174においてデータが記憶保持される。
なお、上記のように第1電源装置66が動作電力を供給する対象として、遊技盤33に搭載された電気機器に加えて、前扉22に設けられた電気機器を含む場合には、第2電源装置67が動作電力を供給する対象から各種発光部53,54及び操作ユニット141は除外される。
払出側MPU162の入力側には、上記のもの以外にも、発射準備球検知センサ8120及び戻り球検知センサ124が接続されている。払出側MPU162では、発射準備球検知センサ8120の検知結果に基づき発射準備球の有無を把握するとともに、戻り球検知センサ124の検知結果に基づき戻り球の有無を把握する遊技球管理制御装置としての役目を担う。
払出側MPU162の出力側には、磨き用駆動部113が接続されている。払出側MPU162に動作電力が供給されている間は、磨き用駆動部113への動作電力の供給が常時行われるように構成されている。
払出側MPU162の入力側及び出力側の両方には、主制御装置61以外にも、発射制御装置65、操作ユニット141及び管理ユニット131が接続されている。なお、発射制御装置65、発射準備球検知センサ8120、戻り球検知センサ124及び磨き用駆動部113は、サブ制御装置である払出制御装置(払出側MPU162)に接続しているが、これに限らず、例えばサブ制御装置を介さず、主制御装置(主側MPU152)に接続して、主制御装置が直接制御するような構成としてもよい。
発射制御装置65は、発射装置8001と、球送り機構8003と、発射操作装置36とが接続されている。発射制御装置65は、発射操作装置36の操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されており、且つストップスイッチ36eがONとなっていない状況では、払出側MPU162に向けてHIレベルの条件成立信号の送信を継続する。
当該信号の送信が継続されている状況において、遊技球の発射を行うことが可能な状況である場合には、払出側MPU162からHIレベルの発射許可信号の送信が継続される。この場合、発射制御装置65は、球送り機構8003→発射装置8001の順で駆動制御を実行し、球皿部71から1個の遊技球Bを発射レール8002上に供給するとともにその供給された遊技球B(発射準備球)を遊技領域に向けて発射させる。この際の発射強度は、発射操作装置36の可変抵抗器36dから送信されている信号に応じて決定される。また、HIレベルの発射許可信号の送信が継続されている場合における遊技球Bの発射周期は、所定周期となるように設定されており、具体的には0.6secに1個の遊技球Bが発射されるように設定されている。
操作ユニット141は、既に説明したとおり、度数表示部147、残数表示部148、及び各種操作ボタン142〜146を備えている。各種操作ボタン142〜146の操作有無を示す信号は払出側MPU162に送信される。また、払出側MPU162から送信される信号に基づき、度数表示部147及び残数表示部148の表示制御が実行される。
管理ユニット131は、投入された現金を認識するための制御、投入された記憶媒体Mを認識するための制御、及び記憶媒体Mを排出するための制御を担う管理制御基板171を備えている。
管理制御基板171には、MPU172が搭載されている。MPU172には、ROM173及びRWM174が内蔵されている。ROM173は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM173は、MPU172により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM174は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM173よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM174は、ROM173内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU172又は管理制御基板171には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。
なお、以下の説明では、管理制御基板171のMPU172、ROM173及びRWM174を、主制御装置61及び払出制御装置64のものと明確に区別するために、管理側MPU172、管理側ROM173及び管理側RWM174と言う。
管理側MPU172には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。管理側MPU172の入力側には、紙幣用回路175が接続されている。現金投入口132に投入された現金は、紙幣用回路175により識別され、その識別結果が管理側MPU172に送信される。
管理側MPU172の出力側には、各種駆動部176a〜176cが設けられている。現金投入口132に現金が差し込まれた場合には、当該現金投入口132に対応した駆動部176aが駆動制御されることで、その現金が管理ユニット131内に取り込まれる。媒体投入口133に記憶媒体Mが差し込まれた場合には、当該媒体投入口133に対応した駆動部176bが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット131内に取り込まれる。記憶媒体Mを排出する場合には、媒体排出口134に対応した駆動部176cが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット131から排出される。
管理側MPU172の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置64以外にも、媒体用回路177が接続されている。媒体投入口133に投入された記憶媒体Mは、媒体用回路177によりその記憶されている情報が読み取られ、その読み取り結果が管理側MPU172に送信される。記憶媒体Mを排出すべき旨の指示がなされた場合には、管理側MPU172から送信される信号に基づき、媒体用回路177により記憶媒体Mへの情報の書き込み処理が実行される。
<各MPU152,162,172にて実行される復電後及び停電時の処理>
次に、各MPU152,162,172にて実行される復電後及び停電時の処理について説明する。まず、図19のフローチャートを参照しながら、主側MPU152にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS101では電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RWM154のアクセスを許可する。
その後、ステップS103では、主制御装置61に設けられた第1消去ボタン61bが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS104では、主側RWM154の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS105ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS106ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータが有効か否かを判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時に主側RWM154のデータを初期化する場合には、第1消去ボタン61bを押しながら電源が投入される。したがって、第1消去ボタン61bが押されていれば、ステップS107の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS107の処理に移行する。ステップS107では、主側RWM154の初期化として当該主側RWM154をクリアする。その後、ステップS108に進む。
ステップS108では、主制御装置61に設けられた第2消去ボタン61cが手動操作されているか否かを判定する。本パチンコ機10では、電源投入時に主側RWM154だけでなく払出側RWM164及び管理側RWM174のデータも初期化する場合には、第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの両方を押しながら電源が投入される。したがって、第1消去ボタン61bだけでなく第2消去ボタン61cが押されていれば、ステップS109の処理に移行する。ステップS109では、払出側RWM164及び管理側RWM174の初期化を指示する初期化コマンドを払出側MPU162に向けて出力する。一方、第2消去ボタン61cが押されていなければ、ステップS110に進む。ステップS110では、主側MPU152において主側RWM154及びその他のRWM164,174の初期化に関する処理が完了したことを示す復帰コマンドを払出側MPU162に向けて出力する。この場合、仮に主側RWM154が初期化されていたとしても、払出側RWM164及び管理側RWM174の初期化は実行されない。
つまり、本パチンコ機10では、電源投入時において、
(1)主側RWM154、払出側RWM164及び管理側RWM174の全てについて初期化を実行しない、
(2)主側RWM154については初期化を実行し、払出側RWM164及び管理側RWM174の初期化を実行しない、
(3)主側RWM154、払出側RWM164及び管理側RWM174の全てについて初期化を実行する、
のいずれかを遊技ホールの管理者が選択可能となっている。また、この選択に際しては、それに応じた操作を行えばよい構成となっている。
本パチンコ機10では、後述するように、主制御装置61において特図表示部47、普図表示部48、可変入賞装置42及び電動役物44bを利用した遊技の進行が制御され、払出制御装置64及び管理ユニット131において使用可能な遊技球Bの数が制御される。この場合、使用可能な遊技球Bの数の制御に関しては異常が発生していない状況で前者の遊技の進行に関して内部的な異常が発生することが想定される。その一方で、何らかの不正行為が行われ、遊技の進行及び使用可能な遊技球Bの数の制御の両方について異常が発生することが想定される。これに対して、上記のように選択的にRWM154,164,174の初期化を実行可能とすることで、それぞれの事象に対して好適に対処可能となる。
なお、払出側RWM164及び管理側RWM174については初期化を実行し、主側RWM154については初期化を実行しない操作を可能としてもよい。例えば、第1消去ボタン61bが操作されていない状況で第2消去ボタン61cが操作された場合には、このような初期化が実行される構成としてもよい。
ステップS106にて肯定判定をした場合、ステップS109の処理を実行した後、又はステップS110の処理を実行した後は、ステップS111にて、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RWM154の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置62に送信する。また、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS112〜ステップS116の残余処理に進む。つまり、主側MPU152は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS112〜ステップS116の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS112〜ステップS116の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS112にて主側RWM154の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停電フラグは、後述する主側MPU152のタイマ割込み処理における停電情報記憶処理(ステップS401)にて、第1停電監視基板155から停電信号を受信していることを確認した場合に「1」がセットされるフラグである。
停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS113に進む。ステップS113では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS114では、後述する乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS115では、後述する変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RWM154の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS116にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS116の処理を実行した後は、ステップS112に戻り、ステップS112〜ステップS116の処理を繰り返す。
一方、ステップS112にて、停電フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、ステップS117〜ステップS120の停電発生時処理を実行する。停電発生時処理では、まずステップS117にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS118では、主側MPU152において停電が発生したことを認識させるために払出側MPU162に向けて停電コマンドを出力する。その後、ステップS119にてチェックサムの算出及び保存を行い、ステップS120にて主側RWM154へのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、図20のフローチャートを参照しながら、払出側MPU162にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS201では、主側MPU152から復帰用のコマンドを受信しているか否かを判定する。詳細には、主側MPU152から初期化コマンド及び復帰コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。復帰用のコマンドを受信していない場合には、そのままステップS201にて待機し、復帰用のコマンドを受信している場合に、ステップS202以降の処理に進む。
復帰用のコマンドとして設定されている初期化コマンド及び復帰コマンドは、主側MPU152において主側RWM154及びその他のRWM164,174の初期化に関する処理が完了した場合に送信される。また、主側MPU152は、初期化コマンド又は復帰コマンドの送信を行った後に、復電完了後の処理へ移行する。この場合に、上記のように払出側MPU162において復帰用のコマンドを受信するまで待機することにより、主側MPU152においてRWM154,164,174の初期化に関する処理が完了していないにも関わらず、払出側MPU162が復電完了後の処理へ移行してしまうことが防止される。
ステップS202では払出側RWM164のアクセスを許可する。その後、ステップS203では、主側MPU152から初期化コマンドを受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合には、ステップS204にて払出側RWM164をクリアする。その後、ステップS205にて、管理側RWM174の初期化を指示する初期化コマンドを管理側MPU172に向けて出力する。一方、初期化コマンドを受信していない場合には、ステップS206にて、払出側MPU162において払出側RWM164の初期化に関する処理が完了したことを示す復帰コマンドを管理側MPU172に向けて出力する。
ステップS205の処理の実行後又はステップS206の処理の実行後には、ステップS207にて操作ユニット141などの初期設定を行う。その後、ステップS208〜ステップS210の残余処理に進む。つまり、払出側MPU162は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS208〜ステップS210の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS208〜ステップS210の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、ステップS208にて、主側MPU152から停電コマンドを受信しているか否かを判定し、ステップS209にて、第2停電監視基板165から停電信号を受信しているか否かを判定する。ステップS208及びステップS209の両方にて否定判定をした場合には、ステップS210にて、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可の設定を行う。ステップS210の処理を実行した後は、ステップS208に戻り、ステップS208〜ステップS210の処理を繰り返す。
一方、ステップS208にて、主側MPU152から停電コマンドを受信していると判定した場合にはステップS213〜ステップS215の停電発生時処理を実行する。また、ステップS208にて否定判定をしたとしても、ステップS209にて第2停電監視基板165から停電信号を受信していると判定し、更にその後においてステップS211にて主側MPU152から停電コマンドを受信したと判定した場合、又はステップS209にて肯定判定をしてから停電時の監視時間(例えば100msec)が経過していると判定してステップS212において肯定判定をした場合には、ステップS213〜ステップS215の停電発生時処理を実行する。
停電発生時処理では、まずステップS213にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS214では、払出側MPU162において停電が発生したことを認識させるために管理側MPU172に向けて停電コマンドを出力する。その後、ステップS215にて払出側RWM164へのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
主側MPU152には第1停電監視基板155から停電信号が出力され、払出側MPU162には第2停電監視基板165から停電信号が出力される構成においては、電源側の中継基板69に設けられた電源スイッチ69aがOFF操作された場合や、商用電源において停電が発生した場合に、主側MPU152への停電信号の出力と払出側MPU162への停電信号の出力とが個々に行われる。この場合に、主側MPU152は、タイマ割込み処理の途中で停電信号を受信したとしても、即座に停電時処理を実行するのではなく、当該処理回のタイマ割込み処理の完了後に停電時処理を実行する。当該構成において、払出側MPU162は停電信号を受信したとしても、主側MPU152からの停電コマンドの受信又は停電時の監視時間の経過を待って停電時処理を実行する。そして、当該停電時の監視時間は、電源スイッチ69aがOFF操作された場合や商用電源において停電が発生した場合において払出側MPU162が停電信号を受信してから当該払出側MPU162において停電コマンドの受信が完了するまでの想定される最長時間よりも長い時間として設定されている。これにより、主側MPU152及び払出側MPU162の両方において停電時処理が実行される条件が成立した場合に、主側MPU152から払出側MPU162に停電コマンド以外のコマンドが出力され得る状況において払出側MPU162にて停電時処理が実行されてしまうことが防止される。
また、主側MPU152には第1電源装置66から動作電力が供給され、払出側MPU162には第2電源装置67から動作電力が供給される構成においては、いずれか一方の電源装置のみ商用電源からの動作電力の供給が停止されてしまうことが想定される。この場合に、払出側MPU162は、主側MPU152から停電コマンドを受信した場合には、第2停電監視基板165から停電信号を受信しているか否かに関係なく停電時処理を実行するため、主側MPU152において制御が停止される場合には払出側MPU162においても制御が停止されるようにすることが可能となる。
また、主側MPU152から停電コマンドを受信しない場合であっても、第2停電監視基板165から停電信号を受信し、且つ停電時の監視時間が経過した場合には払出側MPU162は停電時処理を実行する。これにより、第2電源装置67のみ商用電源からの動作電力の供給が停止されたとしても、払出側RWM164のデータが破壊されてしまうことを抑制しながら払出側MPU162において制御が停止されるようにすることが可能となる。
次に、図21のフローチャートを参照しながら、管理側MPU172にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS301では、払出側MPU162から復帰用のコマンドを受信しているか否かを判定する。詳細には、払出側MPU162から初期化コマンド及び復帰コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。復帰用のコマンドを受信していない場合には、そのままステップS301にて待機し、復帰用のコマンドを受信している場合に、ステップS302以降の処理に進む。
復帰用のコマンドとして設定されている初期化コマンド及び復帰コマンドは、払出側MPU162において払出側RWM164の初期化に関する処理が完了した場合に送信される。また、払出側MPU162は、初期化コマンド又は復帰コマンドの送信を行った後に、復電完了後の処理へ移行する。この場合に、上記のように管理側MPU172において復帰用のコマンドを受信するまで待機することにより、払出側MPU162において払出側RWM164の初期化に関する処理が完了していないにも関わらず、管理側MPU172が復電完了後の処理へ移行してしまうことが防止される。
ステップS302では管理側RWM174のアクセスを許可する。その後、ステップS303では、払出側MPU162から初期化コマンドを受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合には、ステップS304にて管理側RWM174をクリアする。ステップS303にて否定判定をした場合、又はステップS304の処理の実行後は、ステップS305にて、媒体用回路177、紙幣用回路175及び各種駆動部176a〜176cなどの初期設定を行う。
その後、ステップS306〜ステップS308の通常処理を行う。通常処理では、まずステップS306にて、払出側MPU162から停電コマンドを受信しているか否かを判定する。停電コマンドを受信していない場合には、ステップS307にて球供給用の管理処理を実行し、ステップS308にて媒体供給用の管理処理を実行した後に、ステップS306に戻る。これら各管理処理については後に詳細に説明する。
ステップS306にて停電コマンドを受信している場合には、ステップS309の停電発生時処理を実行する。具体的には、ステップS309にて、管理側RWM174へのアクセスを禁止する。その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
以上のように主側MPU152、払出側MPU162及び管理側MPU172においてメイン処理が実行されることにより、復電に際しては、最初に主側MPU152が復電完了後の処理に進み、次に払出側MPU162が復電完了後の処理に進み、最後に管理側MPU172が復電完了後の処理に進む。また、電源スイッチ69aのOFF操作や商用電源の停電が発生した際には、最初に主側MPU152において停電発生時処理が実行され、次に払出側MPU162において停電発生時処理が実行され、最後に管理側MPU172において停電発生時処理が実行される。
<主側MPU152にて実行されるタイマ割込み処理>
次に、主側MPU152にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。図22は主側MPU152において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、主側の特定周期、具体的には4msec周期で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS401にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、第1停電監視基板155から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には主側RWM154の停電フラグに「1」をセットする。
続くステップS402では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、後述する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS403ではステップS114と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS404にてステップS115と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS405では遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS406では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS407以降の処理を実行する。
ステップS407では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部42d,44cに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口42bを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部42dへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口44の電動役物44bを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部44cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS408では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS409では、各入賞検知センサ41a〜45bから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。また、ステップS410では、主側RWM154に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。
続くステップS411では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行するとともに、ステップS412では、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。また、ステップS413では、入力状態監視処理として、ステップS408の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ41a〜45bの断線確認、遊技機本体12の開放確認、及び前扉22の開放確認を行う。
続くステップS414では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS415では普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート45への入賞が発生している場合に後述する電動役物開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、更にその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口44の電動役物44bを開閉させる処理を実行する。
続くステップS416では、直前のステップS414及びステップS415の処理結果に基づいて、特図表示部47の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部48の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS417では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況において図柄表示装置46aの表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する。
続くステップS418では、使用可能な遊技球Bの数の情報を払出側MPU162から受信したコマンドに基づいて把握する球管理状態受信処理を実行するとともに、ステップS419では、当該球管理状態受信処理に応じた処理である残存球対応処理を実行する。これらの処理の詳細については後に説明する。
続くステップS420では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS406にて肯定判定をした場合、又はステップS407〜ステップS420の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図22)のステップS409にて実行される入賞検知処理について説明する。
入賞検知処理では、入賞検知センサ41a〜45bにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU152の入力ポートが確認される。ここで、入賞検知処理の説明に先立ち、図23を参照しながら、主側MPU152に設けられた入力ポート152aの構成について説明する。
入力ポート152aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート152aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート152aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入賞検知処理では、入力ポート152aへの入力対象となる信号群が各入賞検知センサ41a〜45bに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサ42aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は上作動口検知センサ43aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は下作動口検知センサ44aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサ41aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサ41bからの入賞信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサ41cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6は第1ゲート検知センサ45aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は第2ゲート検知センサ45bからの入賞信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入賞検知センサ41a〜45bは、遊技球の通過を検知していない場合には入賞信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入賞信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板151には反転回路が設けられており、入力ポート152aに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート152aでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入賞検知センサ41a〜45bにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入賞検知センサ41a〜45bは、遊技球の通過を検知していない間は入賞信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入賞信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
さて、入賞検知処理では、図24(a)のフローチャートに示すように、まずステップS501にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU152のレジスタにおける第1入賞判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入賞判定エリアWA1は、図24(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入賞判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入賞判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS502では、入賞検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU152において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、更に当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、既に説明したとおり、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS502の処理が設定されていなくても、ステップS501とステップS503との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS502では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS501の処理とステップS503の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS503では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU152のレジスタにおける第2入賞判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート152aにおける情報の更新はステップS501が完了してからステップS503が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS503にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS501の場合と異なるものとなり得る。
第2入賞判定エリアWA2は、第1入賞判定エリアWA1と同様に、図24(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入賞判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、更に格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入賞判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS504にて、入賞判定処理を実行した後に、本入賞検知処理を終了する。当該入賞判定処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞判定処理では、先ずステップS601にて、主側RWM154に設けられた入賞判定カウンタに8をセットする。続くステップS602では、第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2における現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート152aにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS603では、ステップS602にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS604にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図25(b−3)及び図25(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入賞判定エリアWA1の各ビットと第2入賞判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS605にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS606にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS607にて、ステップS603におけるAND処理結果の情報と、ステップS606における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS608にて、そのAND処理の結果が入賞検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。ステップS608にてAND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS609以降の処理に進む。
ステップS609では、現状の入賞判定カウンタの数値情報が上作動口43及び下作動口44のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。上作動口43及び下作動口44のいずれかに対応している場合には、ステップS610にて、主側RWM154に設けられた作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップS611にて、主側RWM154に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
作動入賞フラグは、上作動口43又は下作動口44への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU152にて特定するためのフラグである。ちなみに、上作動口43と下作動口44とのそれぞれに入賞検知センサ43a,44aが設けられているため、上作動口43への入賞と下作動口44への入賞とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、作動入賞フラグは、作動口43,44の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152において特定するためのカウンタである。
ステップS609にて否定判定をした場合には、ステップS612にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が可変入賞装置42に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置42に対応している場合には、ステップS613にて、主側RWM154に設けられた大入賞フラグに「1」をセットし、ステップS614にて、主側RWM154に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞フラグは、可変入賞装置42への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU152にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。
ステップS612にて否定判定をした場合には、ステップS615にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報がスルーゲート45に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート45に対応している場合には、ステップS616にて、主側RWM154に設けられたスルーフラグに「1」をセットする。ステップS615にて否定判定をした場合には、今回の入賞が一般入賞口41に対応していることを意味するため、ステップS617にて、主側RWM154に設けられた10個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
スルーフラグは、スルーゲート45への入賞に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU152にて特定するためのフラグである。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。
ステップS608にて否定判定をした場合、又はステップS611、ステップS614、ステップS616、ステップS617のいずれかの処理を実行した後は、ステップS618に進む。ステップS618では、入賞判定カウンタを1減算し、その後、ステップS619にて入賞判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
「0」でない場合には、ステップS618にて更新した入賞判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS602〜ステップS617の処理を実行する。かかるステップS602〜ステップS617の処理を、ステップS601にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS619にて肯定判定をすることとなり、本入賞判定処理を終了する。
次に、上記入賞検知処理(図24)が実行されることにより、遊技領域の一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45への入賞の有無が検知される様子について図26を参照しながら説明する。
まず、図26(A)を参照しながら、入賞検知センサ41a〜45bにおける検知結果(以下、入賞情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図26(A)は各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図26(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図22)が起動される構成において、入賞情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS501,ステップS503)行われる。各1組の入賞情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS501)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入賞検知処理が実行されるタイミングは特図特電制御処理及び普図普電制御処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、更にタイマ割込み処理において入賞検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入賞情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS501)と後側の入賞情報を監視する処理(ステップS503)との間では、入賞検知用のウェイト処理(ステップS502)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、後側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図26(B)を参照しながら、入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図26(B)は入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図26(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図26(B1)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第3入賞口検知センサ41cの入賞情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入賞有り情報ともいう)となっており、他のセンサの入賞情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入賞無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では、図26(B2)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第2ゲート検知センサ45b及び第3入賞口検知センサ41cのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図26(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n―1回目のタイマ割込み処理にて入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n―1回目における入賞情報の監視結果とn回目における入賞情報の監視結果とを利用して入賞判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図26(B4)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第2ゲート検知センサ45b、第3入賞口検知センサ41c、下作動口検知センサ44a及び上作動口検知センサ43aのそれぞれが入賞有り情報となっており他のセンサは入賞無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理にて、図26(B5)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第2ゲート検知センサ45b、第3入賞口検知センサ41c及び上作動口検知センサ43aのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図26(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入賞判定処理(図25)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図26(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果をAND処理する。これにより、図26(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入賞判定処理では、第2ゲート検知センサ45bにて遊技球の入賞が検知されたと判定するとともに、上作動口検知センサ43aにて遊技球の入賞が検知されたと判定する。
また、図26(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて下作動口検知センサ44aが入賞有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入賞無し情報から入賞有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入賞発生と特定するのではなく、入賞有り情報が複数回に亘って確認された場合に入賞発生と特定する構成である。したがって、図26(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では下作動口検知センサ44aが入賞無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入賞と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサ41cではn回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理のそれぞれにて入賞有り情報となっているが、これは既に入賞の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が「0」であることを条件に入賞の発生を特定しているため、1個の遊技球の入賞を複数個の入賞として扱ってしまわない。
上記のように入賞検知処理が実行されることにより、各入賞検知センサ41a〜45bにおける検知結果の監視が実行されることともに、遊技球Bの付与に対応した入賞が発生している場合には、その入賞箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図22)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS412)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出側MPU162に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。
また、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタのそれぞれが「1」以上となっている場合も考えられるが、この場合、賞球個数の多い賞球コマンドの出力が優先される。つまり、15個賞球コマンドの出力が10個賞球コマンドの出力や3個賞球コマンドの出力よりも優先され、10個賞球コマンドの出力が3個賞球コマンドの出力よりも優先される。
15個賞球カウンタが「1」以上の場合に15個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該15個賞球カウンタは1減算される。また、10個賞球カウンタが「1」以上の場合に10個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該10個賞球カウンタは1減算される。また、3個賞球カウンタが「1」以上の場合に3個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該3個賞球カウンタは1減算される。
次に、タイマ割込み処理(図22)のステップS414にて実行される特図特電制御処理について説明する。
当該特図特電制御処理の説明に先立ち、主側MPU152にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図27を用いて説明する。
主側MPU152は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部47の表示の設定、図柄表示装置46aの図柄表示の設定、普図表示部48の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図27に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置46aが外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部47及び図柄表示装置46aにおける表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。更に、下作動口44の電動役物44bを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、主側RWM154の抽選用カウンタエリア154aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生した場合に保留格納エリア154bに格納される。
保留格納エリア154bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口43又は下作動口44への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口43又は下作動口44への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口43又は下作動口44への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、特図表示部47の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM153の当否テーブル記憶エリアに当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置42の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口44の電動役物44bにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置42の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口42bに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置42の1回の開放態様が、大入賞口42bが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.8secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置36が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように発射装置8001が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期と同程度又は若干長い程度の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置42の1回の開放が行われた場合には、大入賞口42bに、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置42の1回の開放が行われた場合には、大入賞口42bへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口42bの開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口42bの開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口42bの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口44の電動役物44bにおけるサポートモードとしては、遊技領域に同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口44の電動役物44bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物44bが開放状態となる回数が多く設定されており、更に1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物44bの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。更にまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口44への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口44よりも上作動口43への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口43よりも下作動口44への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口44への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート45への入賞に基づき普図表示部48にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。更には、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部48における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は主側ROM153の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、更に開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、更に開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、更に開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、更に当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、更に開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
更にまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置46aにおける表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置46aを備え、可変入賞装置42の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置46aの表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、主側ROM153のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。つまり、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は、リーチ表示を実行するか否かを決定するために利用される。但し、リーチ表示の種類の決定に際しては、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は利用されない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部47における変動表示時間と、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示時間とを主側MPU152において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、特図表示部47における変動表示の開始時及び図柄表示装置46aによる図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM153の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
ここで、上記リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報に基づきリーチ表示を発生させることが決定された場合や、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回であることに起因してリーチ表示を発生させることが決定された場合には、変動種別カウンタCSから取得した数値情報を利用してリーチ表示の種類が決定される。各リーチ表示は、リーチ表示において出現するキャラクタの種類や、リーチ表示が実行される期間などが相違している。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート45に遊技球が入賞したタイミングで主側RWM154に設けられた電役保留エリア154cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物44bを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
図28は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、更にその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS701にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア154bにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップS402にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、上作動口43及び下作動口44への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS701にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS702に進む。ステップS702では、保留予告用の確認処理を実行する。当該確認処理の詳細については後に説明する。
続くステップS703では、主側RWM154に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行し、ステップS704にて主側ROM153から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS705にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS703〜ステップS705の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS707)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS708)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS709)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS710)と、大入賞口42bの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS711)と、大入賞口42bの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS712)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS713)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU152にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS707)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS708)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS709)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS710)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS711)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS712)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS713)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
ステップS705の処理を実行した後は、ステップS706にて、ステップS705において取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS707の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報を保留格納エリア154bの実行エリアAEにシフトする処理を実行するとともに、各保留エリアRE1〜RE4のデータを上位側(すなわち第1保留エリアRE1側)にシフトする処理を実行する。その後、実行エリアAEにシフトされた保留情報について、大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。当否判定処理に際しては、保留情報において大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、大当たり当選に対応した数値情報であるか否かの判定を行う。また、振分判定処理に際しては、保留情報において大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、いずれの大当たり結果の区分に対応しているか否かの判定を行う。
当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。なお、リーチ判定処理に際しては、保留情報においてリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報が、リーチ発生の数値情報に対応しているか否かの判定を行う。
継続時間の情報を選択した場合には、当該継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音声発光制御装置62に送信するとともに、特図表示部47における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部47及び図柄表示装置46aにて遊技回用の演出が開始される。
ちなみに、このように遊技回用の演出を開始させた場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS708の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であれば特図表示部47における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS709の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置46aにて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置62に送信するとともに、特図表示部47における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS710の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置62に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS711の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS712の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS713の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置62に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
<払出側MPU162及び管理側MPU172にて実行される遊技球Bを管理するための処理>
次に、払出側MPU162及び管理側MPU172にて実行される遊技球Bを管理するための処理について説明する。
図29は、払出側MPU162において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、払出側の特定周期、具体的には4msec周期で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS801にて、遊技球Bの貸し出し及び遊技球Bの使用を管理するための遊技球管理処理を実行し、続くステップS802にて、遊技球Bの発射を管理するための発射管理処理を実行し、続くステップS803にて、遊技価値(すなわち記憶媒体M)の返却を管理するための返却管理処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。以下、ステップS801〜ステップS803の各処理について、詳細に説明する。
<遊技球管理処理>
まず、ステップS801にて実行される遊技球管理処理について説明する。遊技球管理処理の説明に先立ち、管理側MPU172にて実行される球供給用の管理処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。なお、球供給用の管理処理は、管理側MPU172におけるメイン処理(図21)のステップS307にて実行される。
まずステップS901では、紙幣用回路175からの信号に基づき、管理ユニット131の現金投入口132に紙幣が投入されたか否かを判定する。紙幣が投入された場合には、ステップS902にて、紙幣の判別処理を実行する。紙幣用回路175では、投入された紙幣のサイズを識別可能となっており、1万円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、5千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、2千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、1千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力する。ステップS902の判別処理では、いずれの種類の紙幣投入信号を紙幣用回路175から受信しているのかを判別する。
続くステップS903では、ステップS902の判別結果に対応した度数情報を、管理側ROM173に予め記憶されている度数参照テーブルを参照することにより把握する。具体的には、1万円札である場合には度数情報が「100」であると把握し、5千円札である場合には度数情報が「50」であると把握し、2千円札である場合には度数情報が「20」であると把握し、1千円札である場合には度数情報が「10」であると把握する。
その後、ステップS904では、ステップS903にて把握した結果に対応した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS903にて把握した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。
ステップS901にて否定判定をした場合又はステップS904の処理を実行した後は、ステップS905にて、媒体用回路177からの信号に基づき、管理ユニット131の媒体投入口133に記憶媒体Mが投入されたか否かを判定する。記憶媒体Mは、度数情報と残存球情報とを個別に記憶可能であって同時に記憶可能に構成されている。残存球情報とは、遊技者が使用可能な遊技球Bの数を示す情報のことである。媒体用回路177は、当該記憶媒体Mに記憶された度数情報と残存球情報とを個別に読み出し可能であってそれぞれを認識可能に構成されている。
記憶媒体Mが投入された場合には、ステップS906にて、媒体用回路177からの信号に基づき、記憶媒体Mに度数情報が書き込まれているか否かを判定する。度数情報が書き込まれている場合には、ステップS907にて、その度数情報を読み出し、ステップS908にて、その読み出した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS907にて読み出した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。
ステップS906にて否定判定をした場合又はステップS908の処理を実行した後は、ステップS909にて、媒体用回路177からの信号に基づき、記憶媒体Mに残存球情報が書き込まれているか否かを判定する。残存球情報が書き込まれている場合には、ステップS910にて、その残存球情報を読み出し、ステップS911にて、その読み出した残存球情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS910にて読み出した残存球情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。ステップS909にて否定判定をした場合又はステップS911の処理を実行した後は、本球供給用の管理処理を終了する。
なお、投入された記憶媒体Mに度数情報及び残存球情報の両方が記憶されている場合であっても、度数情報に対応した球供給コマンドと、残存球情報に対応した球供給コマンドとが個別に送信される。
図31は、払出側MPU162にて実行される遊技球管理処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図32を参照しながら操作ユニット141の度数表示部147及び残数表示部148の表示内容について説明する。図32(a)〜(c)は操作ユニット141の正面図である。
ステップS1001では、管理側MPU172から球供給コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、管理側MPU172から送信された球供給コマンドは、払出側RWM164のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された球供給コマンドが順次読み出される。したがって、ステップS1001ではリングバッファに未処理の球供給コマンドが格納されているか否かを判定する。
球供給コマンドを受信している場合には、ステップS1002にて、その球供給コマンドに度数情報が含まれているか否かを判定する。度数情報が含まれている場合には、ステップS1003にて、払出側RWM164に設けられた度数情報記憶エリア164aに、今回受信した球供給コマンドに含まれる度数情報が加算されるように当該記憶エリア164aを更新する。続くステップS1004では、ステップS1003の更新後における度数情報記憶エリア164aの度数情報が操作ユニット141の度数表示部147に表示されるように、当該度数表示部147の表示を更新する。例えば、図32(a)に示すように、残数表示部148に「0」が表示されている状況で、度数表示部147に「50」が表示される。
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合、今回の球供給コマンドには度数情報ではなく、残存球情報が含まれていることを意味する。この場合、ステップS1005にて、払出側RWM164に設けられた残存球情報記憶エリア164bに、今回受信した球供給コマンドに含まれる残存球情報が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1006では、ステップS1005の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が操作ユニット141の残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。例えば、図32(b)に示すように、度数表示部147に「0」が表示されている状況で、残数表示部148に「5375」が表示される。また、例えば、度数情報及び残存球情報の両方が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット131の媒体投入口133に投入された場合には、図32(c)に示すように、度数表示部147に「25」が表示されるとともに、残数表示部148に「7243」が表示される。
ステップS1001にて否定判定をした場合、ステップS1004の処理を実行した場合又はステップS1006の処理を実行した場合には、ステップS1007〜ステップS1011の球供給用処理に進む。
球供給用処理では、まずステップS1007にて、操作ユニット141の球供給ボタン142が操作されているか否かを判定する。球供給ボタン142が操作されている場合には、ステップS1008にて、度数情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア164aに記憶されている度数情報から所定数分の度数情報(具体的には「5」)が減算されるように当該記憶エリア164aを更新する。続くステップS1009では、ステップS1008の更新後における度数情報記憶エリア164aの度数情報が度数表示部147に表示されるように、当該度数表示部147の表示を更新する。
続くステップS1010では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に上記所定数分の度数情報に対応した対応数分の残存球情報(具体的には「125」)が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1011では、ステップS1010の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS1007にて否定判定をした場合又はステップS1011の処理を実行した場合には、ステップS1012〜ステップS1015の賞球対応処理に進む。
賞球対応処理では、まずステップS1012にて、主側MPU152から賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、主側MPU152から送信された賞球コマンドは、払出側RWM164のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された賞球コマンドが順次読み出される。よって、ステップS1012では、リングバッファに未処理の賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。
賞球コマンドを受信している場合には、ステップS1013にて賞球数の把握処理を実行する。当該把握処理では、今回受信した賞球コマンドに含まれる賞球数の情報を把握する。本パチンコ機10では、主側MPU152から送信される賞球コマンドは、3個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドのいずれかであるため、ステップS1013にて把握される賞球数は3個、10個及び15個のいずれかである。
続くステップS1014では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に上記賞球数に対応した数分の残存球情報が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1015では、ステップS1014の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS1012にて否定判定をした場合又はステップS1015の処理を実行した場合には、ステップS1016に進み、遊技球使用の管理処理を実行し、更にステップS1017にて、度数情報及び残存球情報の出力処理を実行した後に、本遊技球管理処理を終了する。ステップS1016における遊技球使用の管理処理については後に説明する。ステップS1017では、払出側RWM164の度数情報記憶エリア164aに記憶されている度数情報、及び払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報を、球管理コマンドとして主側MPU152に出力する。
<発射管理処理>
次に、タイマ割込み処理(図29)のステップS802にて実行される発射管理処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、前扉22が開放中であるか否かを判定する。既に説明したとおり前扉22が開放中であるか否かを検知する開放検知スイッチ39は主側MPU152と電気的に接続されており、主側MPU152は開放検知スイッチ39の検知結果を払出側MPU162に送信する。払出側MPU162はこの送信されてくる検知結果に基づき、前扉22が開放中であるか否かを判定する。
ステップS1102では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号は、既に説明したとおり、発射制御装置65から払出側MPU162に向けて出力される信号であり、発射操作装置36の操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されており、且つストップスイッチ36eがONとなっていない状況において、HIレベルの条件成立信号の送信を継続する。ステップS1104では、払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報が1以上であるか否かを判定する。
ステップS1101にて否定判定をし、ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1104にて、発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。発射許可信号は、払出側MPU162から発射制御装置65に向けて出力される信号であり、上記条件が成立している場合に払出側MPU162はHIレベルの発射許可信号の送信を継続する。発射制御装置65は、払出側MPU162からHIレベルの発射許可信号を受信している場合に、球送り機構8003及び発射装置8001を利用して遊技球Bの発射を実行する。ステップS1105の処理を実行した後は、本発射管理処理を終了する。
一方、ステップS1101にて肯定判定をした場合、ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1105にて発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。これにより、遊技球Bの発射は停止される。ステップS1105の処理を実行した後は、本発射管理処理を終了する。
ここで、上記のように前扉22が開放中である状況では発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定するようにしたことにより、前扉22が開放中である場合には遊技球Bの発射が禁止される。これにより、前扉22が開放中であるにも関わらず遊技球Bが発射されてしまうことが防止され、例えば遊技領域などのメンテナンスのために前扉22が開放された場合に遊技球Bがパチンコ機10から流出してしまうことが防止される。
次に、図34のフローチャートを参照しながら、発射制御装置65にて実行される発射制御処理について説明する。なお、発射制御処理は、2msec周期で定期的に起動される。
まずステップS1201では、払出側MPU162から出力されている発射許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。発射許可信号がHIレベルである場合には、ステップS1202にて、発射制御装置65に設けられた発射周期カウンタの値を1加算し、発射許可信号がLOWレベルである場合には、ステップS1203にて、発射周期カウンタの値を「0」クリアする。発射周期カウンタは、発射操作装置36が操作されていることに基づき球送り機構8003及び発射装置8001を利用して遊技球Bを発射すべき状況において、当該遊技球Bの発射周期を所定のものとするために利用されるカウンタである。
ステップS1202の処理を実行した場合又はステップS1203の処理を実行した場合には、ステップS1204にて、球送り済み状態であるか否かを判定する。球送り済み状態とは、発射操作装置36の操作に基づき遊技球Bを発射すべき状況において、球送り機構8003による発射レール8002上への1個の遊技球Bの供給(装填)動作が既に完了している状態のことである。
球送り済み状態ではない場合には、ステップS1205にて、発射周期カウンタの値が「300」となっているか否かを判定する。発射周期カウンタは、既に説明したとおり、発射許可信号がHIレベルの状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は、2msec毎に起動される。したがって、発射周期カウンタの値が「300」となっている場合とは、発射許可信号がHIレベルとなってから当該HIレベルの出力状態が継続している状態において、又は1個の遊技球Bが発射されてからHIレベルの発射許可信号の出力状態が継続している状態において、0.6secが経過したことを意味する。
発射周期カウンタの値が「300」となっている場合には、ステップS1206〜ステップS1208に進む。ステップS1206では、発射周期カウンタの値を「0」クリアし、ステップS1207では、球送り機構8003に向けて球送り用の駆動信号を出力し、ステップS1208では、球送り済み状態に設定する。球送り用の駆動信号が出力されることにより、球送り機構8003は、1個の遊技球Bを球皿部71から発射レール8002上に供給(装填)する。
一方、ステップS1204にて肯定判定をした場合には、ステップS1209にて、発射制御装置65に設けられた球送り後カウンタの値を1加算する。球送り後カウンタは、発射操作装置36の操作に基づき球送り機構8003により1個の遊技球Bが発射レール8002上に供給(装填)された後に、発射装置8001を駆動制御して当該遊技球Bを発射するタイミングを発射制御装置65において特定するためのカウンタである。
続くステップS1210では、球送り後カウンタの値が「100」となっているか否かを判定する。球送り後カウンタは、既に説明したとおり、球送り済み状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は2msec毎に起動される。したがって、球送り後カウンタの値が「100」となっている場合とは、発射レール8002上に1個の遊技球Bが供給(装填)された後に0.2secが経過したことを意味する。
球送り後カウンタの値が「100」となっている場合には、ステップS1211〜ステップS1213に進む。ステップS1211では、発射操作装置36の可変抵抗器36dから送信されている信号に基づき、操作ハンドル36bの操作量に応じた発射強度を把握する。ステップS1212では、ステップS1211にて把握した発射強度に応じた発射用の駆動信号を発射装置8001に向けて出力する。これにより、発射レール8002上に供給(装填)されている遊技球Bが操作ハンドル36bの操作量に応じた発射強度で発射される。その後、ステップS1213にて、球送り済み状態を解除する。
ステップS1205にて否定判定をした場合、ステップS1208の処理を実行した場合、ステップS1210にて否定判定をした場合、又はステップS1213の処理を実行した場合には、本発射制御処理を終了する。
次に、払出側MPU162において実行される遊技球使用の管理処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技球使用の管理処理は、遊技球管理処理(図31)のステップS1016にて実行される。
まず、ステップS1301では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号は、既に説明したとおり、発射制御装置65から払出側MPU162に向けて出力される信号である。ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1302〜ステップS1307において球使用処理を実行する。
球使用時処理では、まずステップS1302にて、球送り機構8003から発射レール8002上に供給(装填)される1個の遊技球Bを検知するための発射準備球検知センサ8120から、遊技球Bを検知していることに対応したHIレベルの発射球検知信号を受信したか否かを判定する。発射準備球検知センサ8120がON(受信)となっている場合には、ステップS1303にて、払出側RWM164に設けられた発射準備球検知カウンタの値を1加算する。続くステップS1304では、発射準備球検知カウンタの値が「150」となっているか否かを判定する。発射準備球検知カウンタの値が「150」となっていない場合には、球使用処理を終了して、ステップS1308に進む。発射準備球検知カウンタの値が「150」となっている場合には、ステップS1305にて、発射準備球検知カウンタの値を「0」クリアし、ステップS1306に進む。
上述の通り、遊技球発射機構80における遊技球の球送り周期は0.6secである。発射準備球検知カウンタは、発射操作装置36が操作されていることに基づき遊技球発射機構80を利用して遊技球Bを発射すべき状況において、球送り機構8003から発射装置8001に供給(装填)される遊技球Bの検知周期を、払出側MPU162において所定のものとするために利用されるカウンタである。タイマ割込み処理は4msec周期で実行されることから、本発射準備球検知カウンタが1周するのに0.6sec要することになり、遊技球発射機構80における球送り周期と同じ周期となる。
ステップS1306では、残存球情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報から1減算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1307では、ステップS1305の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS1301にて否定判定をした場合、ステップS1302にて否定判定をした場合、ステップS1304にて否定判定をした場合、ステップS1307の処理を実行した場合には、次のステップS1308〜ステップS1313の戻り球用の処理を実行する。
戻り球用の処理では、まずステップS1308にて、戻り球用回収部121を通過する1個の遊技球Bを検知するための戻り球検知センサ124から、遊技球Bを検知していることに対応したHIレベルの戻り球検知信号を受信したか否かを判定する。戻り球検知センサ124がONとなっていない場合には、ステップS1309にて、払出側RMW164に設けられた戻り検知カウンタの値を「0」クリアした後に、本遊技球使用の管理処理を終了する。戻り検知カウンタは、戻り球検知センサ124が継続してONとなっている期間を払出側MPU162において計測するためのカウンタである。なお、計測期間は、遊技球Bが戻り球検知センサ124の検知位置を通過する際の検知時間に基づいて設定される。
戻り球検知センサ124がONとなっている場合には、ステップS1310にて、戻り検知カウンタの値を1加算する。続くステップS1311では、戻り検知カウンタの値が「2」となっているか否かを判定する。戻り検知カウンタの値が「2」となっていない場合には、そのまま本遊技球使用の管理処理を終了する。
戻り検知カウンタの値が「2」となっている場合には、ステップS1312にて、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報が1加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1313では、ステップS1312の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。その後、本遊技球使用の管理処理を終了する。このように、常に戻り球の有無を監視するので、戻り球が複数発生した場合にも、それぞれを個々にカウントすることができ、戻り球(遊技球B)が検知されると、その検知結果をすぐに残数表示部148に表すことができる。
次に、使用可能な遊技球Bの数が増減される様子について説明する。図36は、使用可能な遊技球Bの数が増減される様子を示すタイミングチャートである。
残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1以上である状況においてt1のタイミングで遊技者により発射操作装置36が発射操作される。これにより、t1のタイミングから0.6secが経過したタイミングであるt2のタイミングにて、球送り機構8003により発射レール8002上に1個の遊技球Bが供給(装填)される。この遊技球Bは発射される前のタイミングであるt3のタイミングにて、発射準備球検知センサ8120により検知され、残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算される。そして、t4のタイミングにて、発射レール8002上の遊技球Bが発射装置8001により発射される。
その後、t2のタイミングから0.6secが経過したt5のタイミング、t5のタイミングから0.6secが経過したt6のタイミング、t6のタイミングから0.6secが経過したt10のタイミング、t10のタイミングから0.6secが経過したt11のタイミング、t11のタイミングから0.6secが経過したt12のタイミング、t12のタイミングから0.6secが経過したt13のタイミングのそれぞれにて、t2のタイミングの場合と同様に、1個の遊技球Bの球送り及びその遊技球Bの発射動作が行われる。また、それぞれのタイミングにおいて、残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算される。
但し、t6のタイミングでの発射周期では、戻り球である遊技球Bが遊技領域に到達することなく、戻り球用回収部121にて回収される場合を示す。この場合、まずt6のタイミングにて球送り機構8003により発射レール8002上に1個の遊技球Bが供給(装填)され、t7のタイミングにて、この遊技球Bが発射準備球検知センサ8120により検知されて残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算され、t8のタイミングにて、発射レール8002上の遊技球Bが発射装置8001により発射される。その後、t9のタイミングにて、戻り球である遊技球Bが戻り球検知センサ124により検知されることにより、残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1加算される。
また、t13のタイミングでの発射周期では、残存球情報が「0」となる。この場合、まずt13のタイミングにて球送り機構8003により発射レール8002上に1個の遊技球Bが供給(装填)され、t14のタイミングにて、この遊技球Bが発射準備球検知センサ8120により検知されて残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算される。これにより、残存球情報が「0」となり、発射許可信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられる。その後、t15のタイミングにて、発射レール8002上の遊技球Bが発射装置8001により発射される。これ以降は、t14のタイミングにて発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなっているため、発射レール8002上に遊技球Bが新たに供給(装填)されることはなく、遊技球Bの発射が停止される。
<返却管理処理>
次に、タイマ割込み処理(図29)のステップS803にて実行される返却管理処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1401では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号がHIレベルではない場合、すなわち遊技者により発射操作装置36が操作されていない状況である場合には、ステップS1402以降の記憶媒体Mを提供するための処理を実行する。つまり、本パチンコ機10では、発射装置8001が操作されていないことを条件として記憶媒体Mを提供するための処理が実行される。これにより、発射操作に伴う残存球情報の減算処理が実行されている状況で記憶媒体Mを提供するための処理が実行されることが禁止され、残存球情報を正確に扱うことが可能となる。
ステップS1402では、操作ユニット141の全返却ボタン143が操作されているか否かを判定する。全返却ボタン143が操作されている場合には、ステップS1403にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。払出側MPU162は、開閉実行モードの開始に際して主側MPU152からオープニングコマンドを受信し、更に開閉実行モードの終了に際して主側MPU152からエンディングコマンドを受信するため、開閉実行モードであるか否かを把握することが可能となっている。ステップS1403にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、開閉実行モード中には全返却ボタン143の操作を無効化することが可能となる。
球皿部71への外部からの遊技球Bの補充が不可であって残存球情報が1以上の場合に遊技球Bの発射が許容される構成においては、全返却ボタン143が操作されると、少なくとも記憶媒体Mが排出されるまでの時間と、記憶媒体M又は紙幣が投入されて残存球情報の新たなセットが行われる時間との間、遊技球Bの発射を行うことが不可となる。このような事象が、開閉実行モード中における全返却ボタン143の誤操作によって発生してしまうと、ラウンド遊技を好適に消化することができなくなってしまう。その一方で、開閉実行モード中に全返却ボタン143が意図的に操作されることは考えづらい。これに対して、開閉実行モード中は全返却ボタン143の操作を無効化することにより、上記のような不都合の発生が防止される。
ステップS1403にて否定判定をした場合には、ステップS1404に進み、払出側RWM164に設けられた賞球待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。払出側MPU162は、主側RWM154に設けられた各賞球カウンタのいずれかの値が1以上となった場合にその内容を示す待機開始コマンドを受信可能となっているとともに、各賞球カウンタの全ての値が「0」となった場合にその内容を示す待機終了コマンドを受信可能となっている。賞球待機フラグは、待機開始コマンドを受信した場合に「1」がセットされ、待機終了コマンドを受信するとともに当該待機終了コマンドと同時に受信する賞球コマンドについての残存球情報への加算用の処理が完了した場合に「0」クリアされる。ステップS1404にて肯定判定をした場合、すなわち賞球の処理が完了していない場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、賞球の処理が完了していない状況では全返却ボタン143の操作を無効化することが可能となる。よって、全返却ボタン143の操作に基づき記憶媒体Mが排出されたにも関わらず、その直後に賞球に基づき残存球情報が「1」以上となってしまうことが防止される。
ステップS1404にて否定判定をした場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では、払出側RWM164の度数情報記憶エリア164aから度数情報を読み出し、ステップS1406では、払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bから残存球情報を読み出す。
続くステップS1407では、ステップS1405にて読み出した度数情報が1以上であるか否かを判定する。度数情報が1以上である場合には、ステップS1408にて、その読み出した度数情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。返却コマンドは、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU172に向けて出力される。その後、ステップS1409にて、度数情報の初期化処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア164aを「0」クリアするとともに、操作ユニット141の度数表示部147の表示が「0」となるように当該度数表示部147を表示制御する。
ステップS1407にて否定判定をした場合、又はステップS1409の処理を実行した場合には、ステップS1410において、ステップS1406にて読み出した残存球情報が1以上であるか否かを判定する。残存球情報が「0」である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。残存球情報が1以上である場合には、ステップS1411にて、その読み出した残存球情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。この場合に、ステップS1408にて既に返却コマンドが出力対象として設定されている場合には、当該返却コマンドに上記読み出した残存球情報を度数情報とは区別された状態で含ませる。返却コマンドは、既に説明したとおり、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU172に向けて出力される。その後、ステップS1412にて、残存球情報の初期化処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bを「0」クリアするとともに、操作ユニット141の残数表示部148の表示が「0」となるように当該残数表示部148を表示制御する。その後、本返却管理処理を終了する。
一方、ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1413にて一部返却用の管理処理を実行した後に、本返却管理処理を終了する。当該一部返却用の管理処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1501にて、操作ユニット141の増加指示ボタン144が操作されたか否かを判定する。増加指示ボタン144が操作されている場合には、ステップS1502にて、払出側RWM164に設けられた一部返却球情報記憶エリア164cの一部返却球情報が、払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bの残存球情報よりも少ないか否かを判定する。
ステップS1502にて肯定判定をした場合には、ステップS1503にて、一部返却用の加算処理を実行する。具体的には、一部返却球情報記憶エリア164cの値が1加算されるように、当該記憶エリア164cを更新する。
続くステップS1504では、一部返却用の表示更新処理を実行する。当該処理では、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。つまり、残数表示部148では基本的に残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に対応した数が表示されることとなるが、一部返却用の操作が行われた場合には、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数を表示するための表示部として当該残数表示部148が兼用される。
その後、ステップS1505では、払出側RWM164に設けられた一部返却中カウンタに「5000」をセットする。一部返却中カウンタは、操作ユニット141の増加指示ボタン144又は減少指示ボタン145が操作された場合に、その操作の有効期間を計測するためのカウンタである。
なお、一部返却中カウンタの値が1以上である場合には、残数表示部148において一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数が表示され、一部返却中カウンタの値が「0」となった場合には、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部148にて表示される。また、一部返却中カウンタの値は、条件成立信号がHIレベルとなった場合に「0」クリアされるとともに、全返却ボタン143が操作された場合にも「0」クリアされる。
ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1506にて操作ユニット141の減少指示ボタン145が操作されたか否かを判定する。減少指示ボタン145が操作されている場合には、ステップS1507にて、払出側RWM164に設けられた一部返却球情報記憶エリア164cの一部返却球情報が1以上であるか否かを判定する。
ステップS1507にて肯定判定をした場合には、ステップS1508にて、一部返却用の減算処理を実行する。具体的には、一部返却球情報記憶エリア164cの値が1減算されるように、当該記憶エリア164cを更新する。
続くステップS1509では、一部返却用の表示更新処理を実行する。当該処理では、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。その後、ステップS1510では払出側RWM164の一部返却中カウンタに「5000」をセットする。
ステップS1506にて否定判定をした場合には、ステップS1511にて、操作ユニット141の決定ボタン146が操作されたか否かを判定する。決定ボタン146が操作されている場合には、ステップS1512にて、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。これにより、増加指示ボタン144及び減少指示ボタン145の操作に応じた一部返却球情報が管理側MPU172に向けて出力される。
続くステップS1513では、一部返却中カウンタを「0」クリアする。また、ステップS1514では、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報から、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報を減算し、その減算結果の情報を新たな残存球情報として残存球情報記憶エリア164bに上書きする。また、この際に、一部返却球情報記憶エリア164cの値を「0」クリアする。その後、ステップS1515にて、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。
ステップS1502にて否定判定をした場合、ステップS1505の処理を実行した場合、ステップS1507にて否定判定をした場合、ステップS1510の処理を実行した場合、ステップS1511にて否定判定をした場合、又はステップS1515の処理を実行した場合には、ステップS1516に進む。ステップS1516では、一部返却中カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。
一部返却中カウンタの値が「0」である場合にはそのまま本一部返却用の管理処理を終了し、「0」ではない場合にはステップS1517に進む。ステップS1517では、一部返却中カウンタの値を1減算する。続くステップS1518では、一部返却中カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。一部返却中カウンタの値が「0」ではない場合にはそのまま本一部返却用の管理処理を終了し、「0」である場合にはステップS1519にて、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。また、この際に、一部返却球情報記憶エリア164cの値を「0」クリアする。その後、本一部返却用の管理処理を終了する。
ここで増加指示ボタン144又は減少指示ボタン145が操作された場合には、一部返却中カウンタに「5000」がセットされる。また、LOWレベルの条件成立信号の出力が継続されており、且つ全返却ボタン143が操作されていない場合には、返却管理処理(図37)が起動される度に一部返却中カウンタの値が1減算される。また、返却管理処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図29)にて実行される。そして、一部返却中カウンタの値が「0」となった場合には、それまでの一部返却用の操作が無効化される。つまり、増加指示ボタン144又は減少指示ボタン145が操作されたとしても、所定期間(具体的には20sec)が経過するまでの間に、増加指示ボタン144、減少指示ボタン145及び決定ボタン146のいずれかが操作されなかった場合には、それまでの一部返却用の操作は無効化される。
次に、管理側MPU172にて実行される媒体供給用の管理処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。なお、媒体供給用の管理処理は、管理側MPU172におけるメイン処理(図21)のステップS308にて実行される。
ステップS1601では、管理側RWM174に設けられた返却中フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、返却中状態であるか否かを判定する。返却中状態ではない場合には、ステップS1602にて、払出側MPU162から返却コマンドを受信しているか否かを判定する。返却コマンドは、既に説明したとおり、操作ユニット141の全返却ボタン143が操作された場合、又は一部返却用の操作後に決定ボタン146が操作された場合に、払出側MPU162から送信される。また、決定ボタン146の操作に基づき送信された返却コマンドには、残存球情報のみが含まれているのに対して、全返却ボタン143の操作に基づき送信された返却コマンドには、度数情報及び残存球情報の一方のみが含まれている場合と、これらの両方が含まれている場合とがある。
返却コマンドを受信していない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。返却コマンドを受信している場合には、ステップS1603にて今回の返却コマンドに度数情報が含まれているか否かを判定する。度数情報が含まれている場合には、ステップS1604にて、当該度数情報を記憶媒体Mに書き込むように媒体用回路177に書き込み指示信号を送信する。これにより、媒体用回路177は、記憶媒体Mに度数情報を書き込む。その後、ステップS1605にて、返却中状態に設定する。
ステップS1603にて否定判定をした場合、又はステップS1605の処理を実行した場合には、ステップS1606にて、今回の返却コマンドに残存球情報が含まれているか否かを判定する。残存球情報が含まれていない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。
残存球情報が含まれている場合には、ステップS1607にて、当該残存球情報を記憶媒体Mに書き込むように媒体用回路177に書き込み指示信号を送信する。これにより、媒体用回路177は、記憶媒体Mに残存球情報を書き込む。この場合に、今回の返却コマンドに、残存球情報だけでなく度数情報が含まれており、ステップS1604の処理が実行されている場合には、残存球情報は度数情報が書き込まれた記憶媒体Mに書き込まれる。続くステップS1608では、未だ返却中状態に設定していない場合には、当該返却中状態に設定する。その後、本媒体供給用の管理処理を終了する。
一方、返却中状態である場合には、ステップS1609にて、媒体用回路177において記憶媒体Mへの書き込みが完了しているか否かを判定する。書き込みが完了していない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。書き込みが完了している場合には、ステップS1610にて、管理ユニット131における媒体排出口134に対応させて設けられた駆動部176cを駆動制御することで、当該書き込みが完了した記憶媒体Mを媒体排出口134から排出する。その後、ステップS1611にて、返却中状態を解除した後に、本媒体供給用の管理処理を終了する。
次に、残存球情報の一部返却が実行される場合の残数表示部148の表示内容について説明する。図40(a)〜(d)は操作ユニット141の正面図である。
図40(a)に示すように、度数表示部147に度数情報に対応した「25」が表示され、残数表示部148に残存球情報に対応した「7243」が表示されている状況において、図40(b)に示すように、増加指示ボタン144が操作されることに基づき、残数表示部148では一部返却球情報に対応した数が表示される。この場合、残数表示部148には、一部返却球情報に対応した「52」が表示されている。
その後、図40(c)では、例えばコーヒーに対応した遊技球Bの数となるように、減少指示ボタン145が操作されて、残数表示部148に表示されている一部返却球情報が「50」に調整された状態となっている。この状態で決定ボタン146が操作されることにより、「50」の残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mが排出される。また、図40(d)に示すように、残数表示部148では、一部返却された遊技球Bの数分だけ減算された状態で、残存球情報に対応した数(「7193」)が表示される。
本パチンコ機10では、既に説明したとおり、多数の遊技球Bが循環され、遊技者は当該遊技球Bに触れることはできず、更に入賞が発生した場合の賞球は残存球情報として遊技者に付与される。したがって、遊技ホールにおいて実際の遊技球Bを利用して、ドリンクやタバコなどと交換することができない。これに対して、残存球情報の全返却だけでなく、残存球情報の一部返却を可能とすることで、遊技に必要な残存球情報はパチンコ機10に残しながら、上記交換に必要な分だけが書き込まれた記憶媒体Mを遊技者が得ることが可能となり、上記交換を好適に行うことが可能となる。
また、遊技者により操作ユニット141に対して一部返却用の操作が行われた場合には、その操作に対応した数の残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット131から排出される。これにより、遊技者は遊技ホール側の店員に記憶媒体Mを直接手渡すことにより商品の交換を行うことが可能となる。よって、商品の交換作業が分かり易いものとなる。
また、遊技者により発射操作装置36が操作されている状況では一部返却用の操作が無効化される。これにより、発射操作に伴う残存球情報の減算処理が実行されている状況で記憶媒体Mを提供するための処理が実行されることが禁止され、残存球情報の扱いを正確に行うことが可能となる。また、遊技球Bの発射が優先される構成であるため、例えば開閉実行モードのラウンド遊技中に一部返却用の操作が行われた場合に、それに伴って遊技球Bの発射が停止されてしまうという事態の発生が阻止される。
また、操作ユニット141には、一部返却用の操作ボタン144〜146が設けられているため、残存球情報の一部を利用して商品と交換する場合には遊技者は当該専用の操作ボタン144〜146を操作すればよいため、かかる交換に際しての遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
また、当該操作ボタン144〜146の操作によって、使用する残存球情報の数を指定する構成であるため、交換対象となる商品の種類毎に操作ボタンを設ける必要がない。したがって、操作ボタンの数を減らすことが可能となる。
<主側MPU152にて実行される残存球対応処理>
次に、主側MPU152にて実行される残存球対応処理について説明する。当該残存球対応処理の説明に先立ち、まず図41(a)のフローチャートを参照しながら、保留予告用の確認処理について説明する。なお、当該保留予告用の確認処理は、主側MPU152において特図特電制御処理(図28)のステップS702にて実行される。
まずステップS2201では、直前のステップS701における保留情報の取得処理にて、保留情報の新たな取得が行われたか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2201にて肯定判定をした場合にはステップS2202にて、その新たに取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS2203では、現状の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS2204にて低確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、高確率モードである場合には、ステップS2205にて高確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。この場合に、低確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類は、高確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類よりも少ない種類であるが、前者の数値情報は、後者の数値情報に全て含まれている。したがって、低確率モードにおいて大当たり結果となる大当たり乱数カウンタC1の数値情報は、高確率モードにおいても大当たり結果となる。
ステップS2204の処理を実行した場合又はステップS2205の処理を実行した場合には、ステップS2206にて大当たり当選に対応しているか否かを判定する。ステップS2206にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2206にて肯定判定をした場合には、ステップS2207にて、上記新たに取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS2208では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに対応しているか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、開閉実行モードとして、当該開閉実行モード中における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。また、大当たり結果として、図41(b)に示すように、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されており、これらのうち低確大当たり結果と最有利大当たり結果とが高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する契機となる。したがって、ステップS2208では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれかであるかを判定する。
ステップS2208にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2208にて肯定判定をした場合にはステップS2209にて、上記新たに取得した保留情報が格納されているエリアに対応した発生フラグに「1」をセットした後に、本保留予告用の確認処理を終了する。
発生フラグについて詳細には、図41(c)に示すように、主側RWM154の保留格納エリア154bには、実行エリアAEと、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4が設けられているが、これら各エリアには保留情報を格納するためのエリアに1対1で対応させて発生フラグが設定されている。また、新たな遊技回の開始に際しては、第1保留エリアRE1に保留されている保留情報が実行エリアAEにシフトされるとともに、第2〜第4保留エリアRE2〜RE4に保留されている保留情報がそれぞれ上位側の保留エリアにシフトされることとなるが、このシフトに際して、発生フラグにセットされているデータも対応する保留情報のシフトに合わせてシフトされる。そして、発生フラグには、既に説明したとおり、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応している場合に「1」がセットされる。つまり、発生フラグによって、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応しているか否かを把握することが可能となる。
図42は残存球対応処理を示すフローチャートである。なお、残存球対応処理は、主側MPU152においてタイマ割込み処理(図22)のステップS419にて実行される。
残存球対応処理では、ステップS2301にて度数情報が1以上であるか否かを判定するとともに、ステップS2302にて残存球情報が10以下であるか否かを判定する。これら度数情報及び残存球情報は、既に説明したとおり、払出側MPU162において遊技球管理処理(図31)のステップS1017の処理が実行されることにより、当該払出側MPU162から主側MPU152に向けて送信される。また、主側MPU152では、タイマ割込み処理(図22)におけるステップS418の球管理状態受信処理にて、これら度数情報及び残存球情報を把握する。
ステップS2301にて肯定判定をした場合又はステップS2302にて否定判定をした場合には、そのまま本残存球対応処理を終了し、ステップS2301にて否定判定をし且つステップS2302にて肯定判定をした場合にステップS2303に進む。つまり、度数情報が「0」であって残存球情報が予め定められた基準数である10以下である場合に、ステップS2303に進む。
ステップS2303では、いずれかの保留情報に対応した発生フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。全発生フラグが「0」である場合にはそのまま本残存球対応処理を終了する。いずれかの発生フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2304にて当たり告知コマンドを音声発光制御装置62に向けて出力した後に、本残存球対応処理を終了する。
当たり告知コマンドが出力されることにより、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくとも一方において、現状の遊技回の終了後又は保留記憶されている保留情報に対応した遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行することを遊技者が認識可能となる態様の報知が実行される。
例えば、現状の遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する場合には、図柄表示装置46aにて図柄の変動表示が開始される前のタイミング、全図柄列にて図柄が変動表示されている状況、一部の図柄列のみが変動表示されている状況、又はリーチ変動表示が開始されたタイミング以降であって当該リーチ変動表示が終了される前のタイミングにて、「球を補充して下さい。」といった文字の表示や音声の出力が行われる。この場合、開閉実行モードが発生するか否かという予測を通じた遊技への注目度を維持させる上でで、リーチ変動表示が開始されたタイミング以降において、当該リーチ演出の一種として又は当該リーチ演出とは別に特別報知が実行される構成が好ましい。
本パチンコ機10では特定個数の遊技球B1が循環し、残存球情報が1以上でない場合には発射操作に基づく遊技球B1の発射が不可となる構成である。この場合に、度数情報が「0」であり且つ残存球情報が「0」又は少数である状況で突然、高頻度入賞モードの開閉実行モードが発生した場合、遊技者は新たに紙幣を投入して更に球供給ボタン142を操作して残存球情報の補充を行うこととなるが、当該補充が完了するまでには所定の期間を要するため、この所定の期間の間は遊技球B1の発射がなされることなく開閉実行モードが進行してしまうこととなる。その一方、高頻度入賞モードのラウンド遊技では、可変入賞装置42の開放の上限時間が当該ラウンド遊技の一終了条件である上限個数の入賞を可能とするように設定されているが、上記のように所定の期間に亘って遊技球B1の発射が行われないと、1ラウンド目などのラウンド遊技において上限個数の入賞を発生させることができなくなってしまうおそれがある。これに対して、上記のように度数情報が「0」であって残存球情報が基準数以下である状況で、現状の遊技回の終了後又は保留記憶されている保留情報に対応した遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する場合には、それに対応した特別報知が遊技者に対して実行される。これにより、遊技者は高頻度入賞モードとなる開閉実行モードが発生するまでに事前に残存球情報を補充しておくことが可能となり、上記のような不都合の発生を阻止することが可能となる。
また、保留情報が遊技回の開始対象として当否判定されるよりも前のタイミング、具体的には保留情報が取得されたタイミングで、当該保留情報が高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となるか否かが判定される。これにより、上記特別報知を早期に実行することが可能となり、遊技者にとっては、残存球情報を、当該開閉実行モードに移行するまでに余裕を持って補充しておくことが可能となる。
また、低頻度入賞モードの開閉実行モードとなる保留情報が記憶されている場合には、上記特別報知は実行されない。これにより、特別報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
また、度数情報が記憶されている場合には残存球情報の値に関係なく特別報知が実行されない。度数情報が記憶されている場合には残存球情報への変換を早期に行うことが可能であるため、残存球情報が少ない状況で開閉実行モードに突然移行したとしても遊技者が被る不利益は低い。したがって、度数情報が記憶されている場合には特別報知を実行しないようにすることにより、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
<第2の実施形態>
第2の実施形態におけるパチンコ機10は、球皿部71に皿カバー75が設けられていることにより、当該球皿部71に貯留されている遊技球Bに遊技者が触れることができない点、球皿部71に許可なく遊技球Bを補充することができない点、残存球情報の範囲内で発射操作に基づく遊技球Bの発射が行われる点、残存球情報は記憶媒体Mとして遊技者に提供される点などは上記第1の実施形態と同様であるが、遊技球Bはパチンコ機10において循環することなく、遊技領域を流下した遊技球Bはパチンコ機10から遊技ホールの島設備に排出される。
当該構成の変更に伴って、本実施形態では本体ベース21の後側に裏パックユニット221が設けられている。図43は、当該裏パックユニット221の構成を説明するためのパチンコ機10の背面図である。
裏パックユニット221は、裏パック222と遊技球の払出機構部223とが一体化されることにより構成されている。裏パック222は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体形成されている。裏パック222に、払出機構部223が設けられている。詳細には、裏パック222の最上部には上方に開口したタンク224が設けられており、タンク224には遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bが逐次補給される。タンク224の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール225が連結され、タンクレール225の下流側には縦方向に延びるケースレール226が連結されている。ケースレール226の最下流部には払出装置227が設けられており、払出制御装置64により駆動制御されて球皿部71に対して必要個数の遊技球Bの供給が適宜行われる。
なお、図示は省略するが、発射制御装置65において支持ベース体31側を向く面には、遊技領域を流下して遊技盤33の背面側に導かれた遊技球Bを回収して、その回収した遊技球Bをパチンコ機10の外部に排出するための通路部が形成されている。
次に、球皿部71に貯留される遊技球Bを特定個数で一定とするための構成について説明する。図44(a)は本実施形態における球皿部71の導出口72及びその付近の構成を説明するための模式図である。
図44(a)に示すように、球皿部71の導出口72に通じる連通口104には、払出装置227から続く遊技球通路の最下流部が連通されているとともに、戻り球用回収部121の最下流部が連通されている。この連通口104には、当該連通口104を通過する遊技球Bを検知するための球供給検知センサ228が設けられている。球供給検知センサ228は払出制御装置64と電気的に接続されており、払出制御装置64では球供給検知センサ228の検知結果を利用しながら、払出装置227の駆動制御を実行する。
なお、球供給検知センサ228により、払出装置227から払い出されて球皿部71に供給される遊技球Bだけでなく、戻り球用回収部121にて回収された遊技球Bも検知されることとなるが、戻り球用回収部121には上記第1の実施形態と同様に戻り球検知センサ124が設けられている。球供給検知センサ228の検知結果は、球皿部71に貯留されている遊技球Bを特定個数で一定とするために利用されるのに対して、戻り球検知センサ124の検知結果は、上記第1の実施形態と同様に残存球情報を調整するために利用される。
次に、球皿部71に貯留されている遊技球Bを特定個数で一定とするために払出側MPU162にて実行される処理について説明する。図44(b)は貯留球の一定化処理を示すフローチャートである。
ステップS2701では、払出側MPU162において残存球情報の減算用の記憶更新処理が実行されたか否かを判定することで、1個の遊技球Bが新たに発射レール8002上に供給(装填)されたか否かを判定する。ステップS2701にて肯定判定をした場合には、ステップS2702にて、払出側RWM164に設けられた貯留球カウンタの値を1減算する。貯留球カウンタは、球皿部71に貯留されている遊技球Bの個数を計測するためのカウンタである。
続くステップS2703ではその減算後における貯留球カウンタの値が特定個数未満であるか否か、すなわち100未満であるか否かを判定する。ステップS2703にて肯定判定をした場合には、ステップS2704にて払出装置227に向けて球供給指示信号を出力する。これにより、払出装置227から特定個数に足りない分の遊技球Bが球皿部71に向けて払い出される。
ステップS2701にて否定判定をした場合、ステップS2703にて否定判定をした場合、又はステップS2704の処理を実行した場合には、ステップS2705に進む。ステップS2705では、球供給検知センサ228にて1個の遊技球Bが検知されているか否かを判定する。ステップS2705にて否定判定をした場合にはそのまま本一定化処理を終了し、ステップS2705にて肯定判定をした場合にはステップS2706にて貯留球カウンタの値を1加算した後に、本一定化処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域を流下して当該遊技領域から排出された遊技球Bはパチンコ機10から排出されるようにしながら、球皿部71に貯留される遊技球Bの数は特定個数となるように払出装置227が駆動制御される。これにより、非正規の遊技球がパチンコ機10に投入されているか否かの監視が不要と成る。また、遊技領域を流下した遊技球Bがパチンコ機10から遊技ホールの島設備に排出される構成としても、遊技球Bの数の管理を簡単に行うことが可能となる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態におけるパチンコ機10は、上記第1及び第2の実施形態と略同様であるが、逆戻り球検知センサ8200と逆戻り球報知部8210とを更に備えている。ここで、逆戻り球とは、戻り球用回収部121において回収されることなく、発射レール8002上を逆戻りして発射位置又は発射位置近傍に溜まってしまった遊技球Bをいう。このような逆戻り球は、遊技者が発射操作装置36を操作し発射装置8001が発射動作を繰り返している間に、戻り球用回収部121において回収等されてしまうが、遊技者が遊技を終了した際に逆戻り球が存在している場合には、遊技者の利益を損なうものとなってしまう。そのため、逆戻り球の存在を検出し、逆戻り球報知部8210により遊技者に報知するために設けられたものである。
逆戻り球検知センサ8200は、発射準備球検知センサ8120同様発光部と受光部とを有する光学式のセンサであり、遊技球B(逆戻り球)の存在を検知できるように、検知位置が遊技球B(発射準備球)の発射位置となるように配設される(図示せず)。この逆戻り球検知センサ8200は、遊技者が発射操作装置36の操作を終了又は中断した際に動作するセンサである。また、逆戻り球報知部8210は、点灯によって逆戻り球の存在を遊技者に報知するランプ部材であり、操作ユニット141の全返却ボタン143近傍に設けられている(図示せず)。
この逆戻り球検知センサ8200は、遊技者が発射操作装置36の操作を終了又は中断した状況、すなわち、発射制御装置65により球送り機構8003→発射装置8001の順で一連に実行される発射制御処理(図34参照)が実行された後において、発射位置に遊技球Bが存在している場合に、遊技者にそれを報知するものである。
<逆戻り球対応処理>
次に、払出側MPU162において実行される逆戻り球対応処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。逆戻り球対応処理は、払出側MPU162において実行されるタイマ割込み処理(図29参照)のステップS802とステップS803の間に実行される処理である。
まずステップS3001では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号がHIレベルではない場合、すなわち遊技者により発射操作装置36が操作されていない状況である場合には、ステップS3002以降の逆戻り球の存在を報知するための処理を実行する。つまり、本パチンコ機10では、球送り機構8003の球送り動作及び発射装置8001の発射操作がなされていないことを条件として逆戻り球の存在を報知するための処理が実行される。
ステップS3001にて、否定判定をした場合には、ステップS3002にて、逆戻り球を検知するための逆戻り球検知センサ8200から、遊技球Bを検知していることに対応したHIレベルの逆戻り球検知信号を受信しているか否かを判定する。逆戻り球検知センサ8200がHIレベルである場合には、ステップS3003にて逆戻り球報知処理により逆戻り球報知部8210を点灯させ、ステップS3004にて発射操作装置36の操作を有効とする処理(発射許可信号の出力をHIレベルに設定する処理)を行うが、その詳細については省略する。なお、逆戻り球検知センサ8200の点灯中の全返却ボタン143の操作は、開閉実行モード中(ステップS1403)などと同様に、遊技管理処理(S803)において無効化される。
ステップS3001にて否定判定をした場合には、ステップS3005にて逆戻り球報知中止処理を行い、逆戻り球報知部8210を点灯している場合にはそれを中止する。
ステップS3001にて肯定判定をした場合、ステップS3004の処理を実行した場合、ステップS3005の処理を実行した場合には、本逆戻り球対応処理を終了する。
逆戻り球対応処理を行うことによって、万一遊技者が遊技を終了した際に発射位置に1球以上の逆戻り球(遊技球B)が存在していた場合には、それを遊技者に報知するとともに、全返却ボタン143の操作を無効化することによって、遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態による遊技機10(図示せず)は、上記3つの実施形態と略同様であるが、外部からの衝撃等で揺動部材8110が回転し検知片8113が検知される誤作動を、電気的な構成により防ぐように設定されている点が異なっている。上記3つの実施形態においては、揺動部材8110自体のバランス(揺動片8112と検知片8113の重心及びその重心に係る重力のバランス)又は弾性部材8150等の機械的構成により、外部からの衝撃等による揺動部材8110(検知片8113)の誤作動を防ぎ、遊技領域に向かって発射された遊技球の球数を正確にカウントできるように構成しているが、遊技機10においては、これを電気的な構成により防ぐので、揺動部材8110は、遊技球Bの接触、押圧により揺動し発射準備球検知センサ8120により検知される構成であればよい。
具体的には、本実施形態においては、球送り機構8003による送出片8019の球送り動作から所定期間内に、発射準備球検知機構8100からの検知信号を受信した場合にのみ、発射レール8002上に落下した遊技球B(発射準備球)が揺動片8112(揺動部材8110)を揺動させたと判断し、発射位置に供給(装填)される遊技球の球数をカウントするように構成したものである。よって、上述の3つの実施形態とは、払出側MPU162において実行される遊技球使用の管理処理が異なる。また、発射制御装置65は、球送り機構8003に向けて球送り用の駆動信号(図34のS1207)を出力すると同時に、払出側MPU162に向けて球送り用の駆動処理信号を出力する。以下、本実施形態における遊技球使用の管理処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS4001では、球送り用の駆動処理信号を受信したか否かを判定する。球送り用の駆動処理信号は、既に説明したとおり、発射制御装置65が球送り動作を実行する際に払出側MPU162に向けて出力する信号である。ステップS4001にて肯定判定をした場合には、ステップS4002にて、払出側RWM164に設けられた球送り信号受信カウンタの値を1加算する。球送り信号受信カウンタは、球送り信号を受信してからの経過時間を払出側MPU162において計測するためのカウンタである。
ステップS4003では、発射準備球検知センサ8120から、遊技球Bを検知していることに対応したHIレベルの発射球検知信号を受信したか否かを判定する。発射準備球検知センサ8120がON(受信)となっている場合には、ステップS4004にて、払出側RWM164に設けられた発射準備球検知カウンタの値を1加算する。続くステップS4005では、発射準備球検知カウンタの値が「4」となっているか否かを判定する。ステップS4003にて否定判定をした場合には、ステップS4010にて、発射準備球検知カウンタの値を「0」クリアし、ステップS4011に進む。
ステップS4005にて肯定判定をした場合には、更にステップS2006にて球送り信号受信カウンタが20以下であるか否かを判定し、ステップS4005にて肯定判定をした場合には、ステップS4007の残存球情報の減算用の記憶更新処理及びステップS4008の残存球情報の表示更新処理を実行する。
ステップS4008の残存球情報の表示更新処理を実行した場合、ステップS4006にて否定判定をした場合には、ステップS4009にて、払出側RMW164に設けられた球送り信号受信カウンタの値を「0」クリアする。
ここで、本実施形態における発射準備球検知カウンタは、発射準備球検知センサ8120が継続してONとなっている期間を払出側MPU162において計測するためのカウンタである。この計測期間は、保持位置から発射レール8002上に落下する遊技球Bにより揺動した検知片8113が、発射準備球検知センサ8120の検知位置で検知される検知時間(遮光時間)に基づいて設定されている。また、上述した球送り信号受信カウンタにより計測される経過時間は、発射制御装置65が出力した球送り用の駆動処理信号を払出側MPU162が受信してから、落下する遊技球Bにより揺動した検知片8113の検知が終了するまでの時間に基づいて設定されている。
ステップS4009の処理を実行した場合、ステップS4001にて否定判定をした場合、ステップS4005にて否定判定をした場合、ステップS4010の処理を実行した場合には、次のステップS4011〜ステップS4016の戻り球用の処理を実行する。なお、この戻り球用の処理は第1の実施形態(図35のステップS1308〜ステップS1313)と同様であるので説明を省略する。
第4の実施形態による遊技機10によれば、発射制御装置65により球送り動作がなされてから、所定期間内に発射準備球検知センサ8120による検知信号を受信した場合にのみ、遊技領域に向けて発射された遊技球の球数のカウントを実行するように構成されている。また、発射準備球検知カウンタで検知時間(遮光時間)を計測することにより、所定の検知時間よりも短い発射準備球検知センサ8120の検知については、遊技球Bの接触等を検知したものではないとして排除することができる。このように遊技球Bのカウントを実行する期間等を限定することにより、前扉を開ける際の振動など外部からの衝撃に起因した誤作動によるカウントを除外することができ、発射位置に供給(装填)される遊技球の球数を正確にカウントすることができる。なお、本実施形態において、更に、上述したような揺動部材8110自体のバランス(揺動片8112と検知片8113の重心及びその重心に係る重力のバランス)又は弾性部材8150等の機械的な構成を加えてもよいことは勿論である。また、上述した実施形態に限らず、球送り用の駆動処理信号を利用して、外部からの衝撃等による揺動部材8110の誤作動による球数カウントを除外できる構成であればよい。
<第5の実施形態>
第5の実施形態による遊技機10(図示せず)も、外部からの衝撃等による揺動部材8110(検知片8113)の誤作動によるカウントを電気的な構成によって防ぐ点で第4の実施形態と同様であるが、遊技盤33に取り付けられている振動検知センサ8500(図18参照)を利用する点で異なる。具体的には、この振動検知センサ8500が出力する振動検知信号を利用して、外部からの衝撃などにより揺動部材8110(検知片8113)が誤作動した際に遊技球B(発射準備球)のカウントの実行を排除するものである。
振動検知センサ8500は、遊技盤33の裏面に取り付けられ、主制御装置61(主側MPU152)に接続されている。故意に振動を与えて遊技球の流れを変え入賞口への入賞させる不正行為を阻止するために取り付けられており、遊技者などによって遊技機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを音声発光制御装置62や表示制御装置63等へ送信して、警報音を出力したり、エラーメッセージ画像を表示するが、その詳細については省略する。なお、この振動検知センサ8500は、主制御装置61が直接制御するのではなく、払出制御装置64(払出側MPU162)等に接続してサブ制御装置が制御するような構成としてもよい。
この振動検知センサ8500は、例えば、2軸に沿った振動を検出することが可能なデジタル出力付き加速度センサであり、一方の軸が遊技機10の前後方向と一致するように設置され、もう一方の軸が遊技機10の上下方向と一致するように設置されている。従って、遊技機10の前後方向及び上下方向に与えられる振動をそれぞれ感知することができる。なお、振動の強度も感知することができることが好ましい。
<振動検知用処理>
次に、主側MPU152にて実行される振動検知用処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
振動検知用処理では、先ずステップS5001にて、振動検知センサ8500がONとなっているか否かを判定する。具体的には、振動検知センサ8500は、振動を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの振動検知信号を出力するとともに、振動を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの振動検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる振動検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU152への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU152の入力ポート152aへ入力され、入力ポート92aを監視することで、振動検知センサ8500が振動を検知中であるか否かを判定する。よって、振動検知センサ8500により感知された振動の方向、振動数や振幅等により、振動の種類を判別して入力対象とするか否かを判断することが可能である。
ステップS5001にて肯定判定をした場合には、ステップS5002にて、主側RWM154に設けられた振動検知用タイマカウンタに振動検知監視時間として所定期間(例えば0.4sec)に対応した数値情報をセットする。この振動検知用タイマカウンタにセットされた数値情報は、主側MPU152のタイマ更新処理(図22参照)にて1減算されるように更新される。この所定期間は、外部からの衝撃などにより揺動部材8110(検知片8113)が揺動して、遊技球Bの通過以外の要因により発射準備球検知センサ8120に検知される恐れがなくなる時間に基づいて設定されている。その後、ステップS5003にて、主側RWM154の振動検知フラグに「1」をセットすることで、振動検知状態に設定する。なお、振動検知センサ8500がONとなっている状態が継続している場合には主側RWM154に設けられた振動検知用タイマカウンタに振動検知監視時間(例えば0.4sec)に対応した数値情報を再度セットする構成としてもよい。
続くステップS5004では、振動検知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS5005にて主側RWM154の振動検知フラグを「0」クリアすることで、振動検知状態を解除する。ステップS5001又はステップS5004にて否定判定をした場合には、そのまま本振動検知用処理を終了する。
次に、払出側MPU162において実行される遊技球使用の管理処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS5101では、発射球検知信号を受信したか否かを判定する。発射準備球検知センサ8120がON(受信)となっている場合には、ステップS5102にて、払出側RWM164に設けられた発射準備球検知カウンタの値を1加算する。また、ステップS5101にて否定判定をした場合には、ステップS5107にて、発射準備球検知カウンタの値を「0」クリアする。
ステップS5102の処理を実行した場合には、ステップS5103にて発射準備球検知カウンタの値が「4」となっているか否かを判定する。ステップS5103にて肯定判定をした場合には、ステップS5104にて、主側RWM154の振動検知フラグが振動検知状態にセットされているか否かを判定する。ステップS5104にて否定判定をした場合には、ステップS5107の残存球情報の減算用の記憶更新処理及びステップS5108の残存球情報の表示更新処理を実行する。
ステップS5106の処理を実行した場合、ステップS5103にて否定判定をした場合、ステップS5104にて肯定判定をした場合、ステップS5107の処理を実行した場合には、次のステップS5108〜ステップS5113の戻り球用の処理を実行する。なお、この戻り球用の処理は第1の実施形態(図35のステップS1308〜ステップS1313)と同様であるので説明を省略する。
第5の実施形態による遊技機10によれば、振動検知センサ8500を利用して振動検知状態となっている場合には、発射準備球検知センサ8120から検知信号を受信しても遊技球のカウントを実行しないように構成されている。具体的には、振動検知センサ8500が所定値以上の振動を検知した場合にのみ、振動検知状態に設定する(主側RWM154の振動検知フラグに「1」をセットする)すると共に、振動を検知してから発射準備球検知センサ8120から検知信号が出力されるまでの所定の期間、振動検知状態を継続することにより、外部からの衝撃に起因した誤作動による検知を球数カウントから除外することができる。そのため、機械的の構成によらなくても、発射位置に供給(装填)される遊技球の球数を正確にカウントすることができる。なお、本実施形態において、上述したような揺動部材8110自体のバランス(揺動片8112と検知片8113の重心及びその重心に係る重力のバランス)又は弾性部材8150等の機械的な構成を加えてもよいことは勿論である。なお、上述した実施形態に限らず、振動検知センサ8500の検知信号を利用して、外部からの衝撃等による揺動部材8110の誤作動による球数カウントを除外できる構成であればよい。
本発明の遊技機10,10〜10のように、1つ又はそれ以上の遊技機において遊技球Bが循環する封入式遊技機においては、遊技に使用された遊技球Bの球数を正確に管理する必要がある。本発明の遊技機10,10〜10によれば、遊技領域に向かって発射される遊技球Bの球数を正確に把握することができる。発射装置8001(プランジャ8006)により遊技領域に向かって発射された遊技球Bは、誘導レール33a,33bを戻ったり、発射レール8002を逆戻りしたりする場合があるため、誘導レール33a,33b上の遊技球Bや発射レール8002レール上の遊技球Bを検知して管理することは困難であった。しかし、本発明の遊技機10,10〜10では、球送り機構8003と発射レール8002の間のルートに、遊技球の接触、通過により振り子のように揺れ動く揺動片8112を配置した構成となっており、遊技球Bが逆流することのないルートに揺動片8112を設けている。また、揺動片8112は遊技球B自体の動きを捉える構成としているため、球送り機構8003等の故障や球詰まり等遊技球Bが送り込まれなかった場合には揺動せず、遊技球Bはカウントされない。よって、遊技領域に向かって発射される遊技球B(発射準備球)の球数を正確に把握することができる。また、遊技領域を流下し入賞口等に入球した遊技球Bを遊技盤33裏で検知・計測するのではなく、発射直前に検知されるので、タイムラグによる残存数表示の表示更新の遅れを防ぐことができる。
ここで、保持位置に取り込まれた状態にある遊技球Bの有無を検知する構成とすることもできるが、その場合、取り込んだ遊技球が当接することにより回転し、当該遊技球が送り出されることにより元の位置へ逆回転するように揺動する部材(以下、部材Xという)設けることになる。しかし、遊技球の当接により部材Xを回転させるには、部材Xの当接面に略対向し、遊技球Bを支えるように設けられた壁面が必要となる。そのため、遊技球Bは、部材Xと当該壁面を有する部材(以下、部材Yという)とに挟まれた状態となり、その動きが妨げられ、球詰まりを起こす恐れがある。また、部材Yが、送出片であった場合には、送出片の動きも妨げられてしまう可能性がある。更に、遊技球Bはそれほど重量のあるものではないので、部材Xを回転させながら、遊技球Bを取り込み位置に進入させること自体が困難であるという問題がある。
しかし、本実施形態の遊技機10,10〜10によれば、揺動片8112は、送出片8019の動きに伴って揺動するものの、発射レール8002上へ移動中の遊技球Bを検知し、移動する遊技球Bのみにより振り子のように動く構成となっているので、送出片8019の動きを妨げることがない。なお、本実施形態の遊技機10,10〜10においては、揺動片8112が、送出片8019の傾斜した底面部f(傾斜面)を転がり落ちる途中で遊技球Bに押圧されるような構成としているが、このような構成に限らず、傾斜面を転がり落ちる先に揺動片8112を設けてもよく、保持位置から落下する遊技球Bの勢い(運動エネルギー)を利用する構成であればよい。
検知手段(発射準備球検知センサ8120)には、光学式のセンサを使用しているので、近接センサと異なり、発射装置8001(電磁式のソレノイド)や電磁石8018や周囲の板金(ベース板8004等)の影響を受けて、検知が不安定になることを防ぐことができる。また、外部からの磁気による操作を防止でき、電気を通さない遊技球を使用することが可能である。
本実施形態の遊技機10,10〜10は封入式又は循環式であるので、壮大な島設備を設置する必要がなく、また、遊技球Bが紛失する恐れもないので、経済的である。遊技者が直接遊技球Bに触れることのない構成となっているので、不正が行われる可能性を減らすことができる。
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、保持位置から発射レール8002上に落下する遊技球Bを検知して、遊技領域に向かって発射された遊技球の球数をカウントする構成であれば、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、誘導部材8110、弾性部材8150の各部の大きさや形状等は、上述した実施形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、揺動軸8111、揺動片8112、検知片8113等それぞれ別部材としたが、その一部又は全部を一体として形成してもよい。また、遊技機10,10においては、電気的な構成により外部からの衝撃等に起因する誤作動による球数のカウント実行を防ぐ構成としたが、上記実施形態に限られるものではないことは、上述したとおりである。
最後に確認事項として上述した実施の形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
[遊技機1]
遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤と、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、発射直前の停止位置である発射位置に装填され、前記発射装置により発射された該遊技球を遊技領域へガイドする発射レールと、受け皿に貯留した遊技球を一列に並べて待機させる待機路と、該待機路に待機する遊技球を1球取り込んで保持位置に一時的に保持してから前記発射レール上に該遊技球を落下させて前記発射位置に遊技球を装填する球送り動作を行う球送り機構と、前記球送り動作により前記保持位置から前記発射レール上に落下する遊技球を検知する発射準備球検知機構と、外部からの所定値以上の衝撃を検知し検知信号を出力する振動検知センサと、遊技に使用された遊技球の球数の管理処理を行う遊技球管理制御装置と、を備え、前記発射準備球検知機構は、遊技球が前記保持位置から前記発射レール上に落下する間に、該遊技球が接触して通過することにより往復揺動する揺動部材と、該揺動部材の往復揺動を検知し検知信号を出力する検知手段と、を有し、前記発射装置は、該球送り機構の球送り動作と連動して前記発射レール上の遊技球を発射し、前記遊技球管理制御装置は、前記検知手段による検知信号及び前記振動検知センサによる検知信号に基づいて、前記遊技領域に向かって発射された遊技球の球数をカウントする、ことを特徴とする遊技機。
一方向にのみ遊技球が通過するルートに発射準備球検知機構を設けることにより、1つの遊技球を複数回カウントしてしまうことがなく、更に、外部からの衝撃による揺動部材の誤作動に基づく遊技球のカウントを、電気的な構成により防ぐことで、発射位置に供給(装填)される遊技球の球数を正確にカウントすることができる。
[遊技機2]
上記遊技機1において、前記遊技球管理制御装置は、前記振動検知センサの検知信号受信後の所定の期間内に前記検知手段による検知信号を受信した場合には前記球数のカウントを実行せず、該所定の期間外に前記検知手段による検知信号を受信した場合には前記球数のカウントを実行する、ことを特徴とする遊技機。
振動検知センサの検知信号の受信から所定の期間内の検知手段の検知信号の受信を、外部からの衝撃による揺動部材の誤作動と判定して球数カウントの実行から除外することにより、発射位置に供給(装填)される遊技球の球数を正確にカウントすることができる。
[遊技機3]
上記遊技機1又は2において、前記発射装置により発射された遊技球のうち、前記遊技領域内に到達しなかった遊技球を回収する戻り球回収部と、該戻り球回収部に回収される遊技球を検知し検知信号を出力する戻り球検知機構と、を備え、前記遊技球管理制御装置は、前記検知手段による検知信号、前記振動検知センサによる検知信号及び前記戻り球検知機構による検知信号に基づいて、前記遊技領域内に入った遊技球の球数をカウントする、ことを特徴とする遊技機。
遊技領域内に入った遊技球の球数を正確にカウントすることができる。
[遊技機4]
上記遊技機3において、遊技に使用可能な遊技球の残数を表示する残数表示部を備え、前記遊技球管理制御装置は、前記検知手段による検知信号及び前記振動検知センサによる検知信号に基づいて、前記残数表示部に表示された残数を減算更新する残数減算表示更新処理を行い、前記戻り球検知機構による検知信号に基づいて、前記残数表示部に表示される残数を加算更新する残数加算表示更新処理を行う、ことを特徴とする遊技機。
外部からの衝撃による揺動部材の誤作動に基づく遊技球のカウントを防ぐと共に、遊技球(発射準備球)の発射と略同時に発射球検知機構による検知信号を受信し、遊技球(戻り球や逆戻り球)の戻り球回収部に回収と略同時に戻り球検知機構による検知信号することができるので、タイムラグなく残存球の球数情報を遊技者に提供することができる。
以上のようにこれらの遊技機1〜4では、球送り機構の保持位置から発射レール上に落下する遊技球を検知することにより、遊技領域に向かって発射された遊技球の球数をカウントする。遊技球が戻ることなく一方向にのみ移動するルートにおいて検知するので、発射された遊技球を複数回数えてしまう恐れがない。また、振動検知センサにより、外部からの衝撃等に起因する誤作動による検知信号を判別し、球数カウントから除外することにより、正確な球数を把握することができる。
また、上記形態とは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機いわゆるパチンコ機等に本発明を適応してもよい。例えば、特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機として本発明を実施するようにしても良い。
さらに、弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機として本発明を実施するようにしても良い。具体的には以下の通りである。
本発明は遊技機1〜4において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
本発明は上記遊技機1〜4において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
本発明は遊技機1〜4において、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
本発明の遊技機は、主にスロットマシン、パチンコ機、パロット機の遊技機に利用することができるが、球状の部材を1つずつカウントする必要があるものであれば、これ以外の様々な機器にも応用して利用することができる。
10…遊技機としてのパチンコ機、80…遊技球発射機構、8001…発射装置、8002…発射レール、8003…球送り機構、8004…ベース板、8005…位置決め部材、8011…台座部、8012…開閉部、8018…電磁石、8019…送出片、8100…発射準備球検知機構、8110…揺動部材、8111…揺動軸、8112…揺動片、8113…検知片、8130…取付部材、8120…発射準備球検知センサ(検知手段)、8150…弾性部材、8500…振動検知センサ、B…遊技球

Claims (4)

  1. 遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤と、
    遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、
    発射直前の停止位置である発射位置に装填され、前記発射装置により発射された該遊技球を遊技領域へガイドする発射レールと、
    受け皿に貯留した遊技球を一列に並べて待機させる待機路と、
    該待機路に待機する遊技球を1球取り込んで保持位置に一時的に保持してから前記発射レール上に該遊技球を落下させて前記発射位置に遊技球を装填する球送り動作を行う球送り機構と、
    前記球送り動作により前記保持位置から前記発射レール上に落下する遊技球を検知する発射準備球検知機構と、
    外部からの所定値以上の衝撃を検知し検知信号を出力する振動検知センサと、
    遊技に使用された遊技球の球数の管理処理を行う遊技球管理制御装置と、を備え、
    前記発射準備球検知機構は、遊技球が前記保持位置から前記発射レール上に落下する間に、該遊技球が接触して通過することにより往復揺動する揺動部材と、該揺動部材の往復揺動を検知し検知信号を出力する検知手段と、を有し、
    前記発射装置は、該球送り機構の球送り動作と連動して前記発射レール上の遊技球を発射し、
    前記遊技球管理制御装置は、前記検知手段による検知信号及び前記振動検知センサによる検知信号に基づいて、前記遊技領域に向かって発射された遊技球の球数をカウントする、ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技球管理制御装置は、前記振動検知センサの検知信号受信後の所定の期間内に前記検知手段による検知信号を受信した場合には前記球数のカウントを実行せず、該所定の期間外に前記検知手段による検知信号を受信した場合には前記球数のカウントを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記発射装置により発射された遊技球のうち、前記遊技領域内に到達しなかった遊技球を回収する戻り球回収部と、
    該戻り球回収部に回収される遊技球を検知し検知信号を出力する戻り球検知機構と、を備え、
    前記遊技球管理制御装置は、前記検知手段による検知信号、前記振動検知センサによる検知信号及び前記戻り球検知機構による検知信号に基づいて、前記遊技領域内に入った遊技球の球数をカウントする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 遊技に使用可能な遊技球の残数を表示する残数表示部を備え、
    前記遊技球管理制御装置は、前記検知手段による検知信号及び前記振動検知センサによる検知信号に基づいて、前記残数表示部に表示された残数を減算更新する残数減算表示更新処理を行い、
    前記戻り球検知機構による検知信号に基づいて、前記残数表示部に表示される残数を加算更新する残数加算表示更新処理を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
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