JP6582194B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等の遊技機に関する。
従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、入球口(始動口)への遊技球の入球に基づいて数値情報(乱数値)が取得される。そして取得された数値情報に基づいて当たり(大当たり)か否かの当否判定が行われ、当否判定の結果を示す識別図柄(特別図柄)が変動表示を経て停止表示される。このとき、識別図柄が当たりを示す特定の停止態様(大当たり停止態様)で停止表示されると、遊技領域に設けられた特別入賞口(大入賞口)が開放する特別遊技が実行される。
ここで下記特許文献1に記載の遊技機は、表示装置と、所定の待機位置と所定の動作位置との間で変位可能な演出可動体とを備えている。また、識別図柄の変動表示に同期して、表示装置の表示画面上で所定の演出図柄を変動表示したあと当否判定の結果を示す停止態様で停止表示する変動演出を実行するようになっている。そして、当選期待度が高い変動演出を実行する場合には、演出可動体を待機位置から動作位置へ駆動させる。これにより遊技者には、当選期待度が高い変動演出の実行に伴って、演出可動体が動作位置へ駆動したことによる高揚感を与えることが可能となっている。
また下記特許文献2に記載の遊技機は、当該遊技機に対する不正を検知可能な不正検知手段(例えば電波を検知可能な電波検知手段)と、不正検知手段により不正が検知されたことに基づいて不正を報知する(例えば検知した不正を示す不正画像を表示画面に表示する)不正報知手段と、を備えている。この不正報知手段による不正の報知により、遊技場の従業員や周りの遊技者に対してどんな不正が行われたのかを直ぐに把握させることが可能となっている。
特開2015−092893号公報 特開2015−039459号公報
ところで、上記特許文献1に記載の遊技機では、演出可動体を用いた演出が、遊技中に当該演出可動体が待機位置から動作位置に駆動するという一瞬の動作だけの演出であって、演出可動体が動作位置にある状態は、遊技者による遊技が行われている間のごく短時間だけであった。そこで所定の間、演出可動体が動作位置にある状態が維持されるという駆動維持演出が新たに考えられる。遊技前の遊技者に予め動作位置にある演出可動体を見せることにより、インパクトを与え得るためである。
ここで、駆動維持演出を実行可能な遊技機において、上記特許文献2に記載のように不正が検知された場合の対応が問題となる。仮に駆動維持演出の実行中に不正が検知されると、動作位置にある演出可動体を待機位置へ復帰させて、不正を報知し続けるという構成(制御)が考えられる。しかしながらその構成の場合、不正行為を行っていない周りの遊技者まで当該遊技機ですぐに遊技を行うことができなくなってしまい、スムーズな遊技の再開が阻害されるという問題が生じ得る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、演出可動体が動作位置にある状態が維持される駆動維持演出の実行中に不正が検知された場合でも、その後にスムーズな遊技を再開することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機において、
所定の待機位置から所定の動作位置へ駆動可能であると共に、前記動作位置から前記待機位置へ復帰可能な演出可動体と、
当該遊技機に対する異常内容を判定する異常状態判定手段と、
所定の開始条件の成立から所定の終了条件の成立まで前記演出可動体が前記動作位置にある状態に維持する駆動維持演出を実行可能な駆動維持演出実行手段と、
前記駆動維持演出の実行中であって、前記異常判定手段により判定された異常内容に応じて前記動作位置にある前記演出可動体を前記待機位置へ復帰させて前記駆動維持演出を中止する駆動維持演出中止手段と、
前記異常状態判定手段により異常状態であると判定された場合に、当該異常状態判定手段が判定した異常内容に応じた報知を行う異常状態報知手段と、
前記駆動維持演出が中止された場合であっても、特定の異常内容である場合には、所定時間の経過に基づいて、前記異常状態報知手段による異常状態の報知を終了させると共に、前記駆動維持演出を再開することが可能な駆動維持演出再開手段と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、演出可動体が動作位置にある状態が維持される駆動維持演出の実行中に不正が検知された場合でも、その後にスムーズな遊技を再開することが可能である。
本形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の分解斜視図である。 (A)は枠可動体が収納位置にあるときの図であり、(B)は枠可動体が突出位置にあるときの図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 (A)は盤可動体が待機位置にあるときの図であり、(B)は盤可動体が動作位置にあるときの図である。 同遊技機が備える大入賞装置の周りの拡大図であり、(A)は振分部材が第1状態であるときの図であり、(B)は振分部材が第2状態であるときの図である。 図4に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 5台のパチンコ遊技機で朝ロゴモードに設定されている状態を示す図である。 大当たり種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は当たり種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 不正検知コマンド特定テーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 電源投入時処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 セキュリティ制御処理のフローチャートである。 普通電役不正入賞処理のフローチャートである。 第2大入賞口不正入賞処理のフローチャートである。 第1大入賞口不正入賞処理のフローチャートである。 特定領域不正通過処理のフローチャートである。 第1大入賞口排出確認処理のフローチャートである。 扉開放処理のフローチャートである。 磁気検出処理のフローチャートである。 不正電波検出処理のフローチャートである。 衝撃検出処理のフローチャートである。 始動口センサ検出処理のフローチャートである。 ゲート通過処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 大当たり判定処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 遊技状態リセット処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(大当たり遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特定領域センサ検出処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 朝ロゴモード設定処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 変動演出パターン選択処理のフローチャートである。 変動演出終了処理のフローチャートである。 朝ロゴモード終了処理のフローチャートである。 不正報知処理のフローチャートである。 不正報知処理のフローチャートである。 不正報知処理のフローチャートである。 発展タイミング管理処理のフローチャートである。 当選報知タイミング管理処理のフローチャートである。 終了時間管理処理のフローチャートである。 スイッチ処理のフローチャートである。 正常復帰確認処理のフローチャートである。 正常復帰確認処理のフローチャートである。 正常復帰確認処理のフローチャートである。 正常復帰確認処理のフローチャートである。 朝ロゴ演出復帰処理のフローチャートである。 特別図柄の変動表示が10回にわたって実行されて且つ12秒変動が実行されたことに基づいて、朝ロゴモードの設定が終了することを説明するための図である。 当選報知演出が実行されることに基づいて、朝ロゴモードの設定が終了する場合を説明するための図である。 特殊SPリーチが実行されることに基づいて、朝ロゴモードの設定が終了する場合を説明するための図である。 遊技されないまま12時になると、朝ロゴモードの設定が終了する場合を説明するための図である。 朝ロゴモードに設定されているときに磁気検知がなされた場合を説明するための図である。 朝ロゴモードに設定されているときに第1大入賞口の出口側不正通過検知がなされた場合を説明するための図である。 朝ロゴモードに設定されているときに電波検知がなされた場合を説明するための図である。
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機1の各部の前方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機1の各部の後方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図4参照)とを備えている。遊技機枠50は、図2に示すように、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠(基枠部)51は、パチンコ遊技機1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠(保持枠部)52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠(前枠部)53は、外枠51及び内枠52の前面側に配置されていて、遊技盤2を保持する縦長方形状のものである。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えて構成されている。このヒンジ部54により、前枠53は、外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は、外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央部には開口部53aが形成されていて、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように透明のガラス板55が開口部53aに取付けられている。また遊技機枠50(前枠53)には、様々な発光色にて発光可能な枠ランプ66(演出手段、図1又は図9参照)が設けられている。
前枠53は、図1に示すように、上側に上側装飾ユニット200を備え、左側に左側装飾ユニット210を備え、右側に右側装飾ユニット220を備え、下側に操作機構ユニット230を備えて構成されている。左側装飾ユニット210及び右側装飾ユニット220の各上側には、音を出力するスピーカ(演出手段)67が設けられている。操作機構ユニット230には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また操作機構ユニット230には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン(十字キー)68が設けられている。
上側装飾ユニット200は、図3(A)(B)に示すように、上側が開放した箱状の収容部290と、この収容部290に収容された左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rとを備えている。収容部290の左右方向の中央には前後方向に略沿った回転軸441が前方に向かって傾斜した状態で取付けられている。左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとは、回転軸441に対して回転可能に取付けられている。
具体的には、左側枠可動体600Lは、図3(A)に示す収納位置から時計方向に90度回転することにより、図3(B)に示す突出位置に変位する。このような左側枠可動体600Lの変位に伴って、右側枠可動体600Rは、図3(A)に示す収納位置から反時計方向に90度回転することにより、図3(B)に示す突出位置に変位する。左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rがそれぞれ収納位置にあるときに上側装飾ユニット200の上壁面の一部を形成していた面612L,612R(図3(A)参照)は、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rがそれぞれ突出位置にあるときには鉛直方向に略沿って互いに係合し、露出していない状態となる(図3(B)参照)。
左側枠可動体600Lの前面側には犬の顔の左半分の意匠が施されていて、右側枠可動体600Rの前面側には犬の顔の右半分の意匠が施されている。このため、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rがそれぞれ突出位置にあるときには、犬の顔の装飾形態が形成される。なお、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rには、犬の耳を模した耳部材614L,614Rがそれぞれ設けられている。耳部材614L,614Rは、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rがそれぞれ突出位置に変位した後に、各枠可動体600L,600Rの内部に格納された非突出状態から外部(上方)へ突出した突出状態になるものである。
ここで、本形態の左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとは、図3(A)に示すように遊技機枠50(前枠53)の上縁50Uよりも下方に位置する収納位置から、図3(B)に示すように遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に位置する突出位置に変位(移動)可能となっている。そのため、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rがそれぞれ突出位置にあることで、遊技者に強いインパクトを与えることが可能となっている。なお、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rをまとめて「枠可動体600」と呼ぶことにする。図3及び図5に示すように、遊技機枠50の外縁部分である枠縁50Wは、上側の上縁50Uと下側の下縁50Dと左側の左縁50Lと右側の右縁50Rとで構成されている。
また図3(A)(B)に示すように、収容部290の左部には、枠可動体復帰ボタン323が設けられている。枠可動体復帰ボタン323は、遊技者等の操作により、突出位置にある枠可動体600を収納位置に変位(復帰)させるためのボタンである。上述したように本パチンコ遊技機1では、枠可動体600が遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出するため、遊技場(ホール)において当該パチンコ遊技機1の上方に設置された上方設置物(大当たり回数等を表示するデータカウンタ160等)と遊技者との間に、枠可動体600が位置することになる(図3(B)参照)。そのため、遊技者が上方設置物をほとんど視認できなくなるおそれがある。そこで枠可動体復帰ボタン323を設けることにより、遊技者等による任意の操作に基づいて突出位置にある枠可動体600を収納位置に復帰させ得るようにしている。
次に、図4を参照して遊技盤2について説明する。図4に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、様々な発光色にて発光可能な盤ランプ5(演出手段、図1又は図9参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘(符号省略)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)及び停止表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄(数字図柄)からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図7参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目(大当たり停止態様)で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目(ハズレ停止態様)で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり遊技演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図7参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で変位可能な盤可動体(演出可動体、駆動部材)15が設けられている。
盤可動体15は、図5(A)に示すように、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとを備えて構成されている。上側盤可動体15Uは、遊技盤2の上部の後方(背後)に隠れるように取付けられている。そして上側盤可動体15Uは、図5(A)に示す待機位置から下方に向かって移動して、図5(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。また左下盤可動体15Lは、遊技盤2の左下部の後方に隠れるように取付けられている。そして左下盤可動体15Lは、図5(A)に示す待機位置から右斜め上方に向かって移動して、図5(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。また右下盤可動体15Rは、遊技盤2の右下部の後方に隠れるように取付けられている。そして右下盤可動体15Rは、図5(A)に示す待機位置から左斜め上方に向かって移動して、図5(B)に示す動作位置へ駆動可能となっている。
上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとは、連動して(同じタイミングで)駆動可能になっていて、図5(B)に示すように表示画面7aの大部分の領域(半分以上の領域)が隠れるようになっている。そのため、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rとがそれぞれ動作位置にあることで、遊技者に強いインパクトを与えることが可能となっている。
また、上側盤可動体15Uの表面側(前面側)には犬の顔の上部分の意匠が施されている。左下盤可動体15Lの表面側には犬の顔の左下部分の意匠が施されている。右下盤可動体15Rの表面側には犬の顔の右下部分の意匠が施されている。このため、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rがそれぞれ動作位置になるときには、犬の顔の装飾形態が形成される。
ここで、盤可動体15(上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15R)が動作位置にあるときに形成される犬の顔は、本パチンコ遊技機1の主人公キャラの顔を示している。また図3(B)で示したように、枠可動体600が突出位置にあるときに形成される犬の顔も、本パチンコ遊技機1の主人公キャラの顔を示している。つまり、盤可動体15が動作位置にあるときに形成される装飾形態と、枠可動体600が突出位置にあるときに形成される装飾形態とは同じ形態(関連性のある形態)となっている。よって、盤可動体15が動作位置にあると共に、枠可動体600が突出位置にあるときには、遊技者に対して本パチンコ遊技機1を強くアピールすることが可能となっている(図10参照)。
図4に示す遊技盤2の説明に戻る。図4に示すように、遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図8参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態であるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また遊技領域3における第1始動口20の右上方には、第1大入賞口(特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図8参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また遊技領域3における第1大入賞口30の右上方には、第2大入賞口(特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図8参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
ここで第1大入賞装置31において詳細には、図6(A)に示すように、内部に第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39及び非特定領域70が形成されている。なお、第1大入賞装置31において、特定領域39及び非特定領域70の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
また、第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図8参照)とを備えている。なお振分部材71は、言い換えれば、特定領域39を開閉するシャッター部材である。
図6(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図6(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図6(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図6(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。確変作動口は、第2大入賞装置36には設けられていない。こうして本形態では第1大入賞装置31は所謂Vアタッカーであり、第2大入賞装置36はノーマルアタッカーである。
また遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図4および図7に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器(識別図柄表示手段)41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図8参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における各上限値は4個となっている。なお各上限値は4個に限られるものではなく、適宜変更可能である。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図7参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図8参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図8及び図9に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図8及び図9に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15、枠可動体600等を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板(電源投入手段)150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしても良い。
図8に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
また主制御基板80には、RAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。主制御基板80を含めて本パチンコ遊技機1が備えている各種の基板は、本パチンコ遊技機1の裏面側(後面側)に配されている。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技場の従業員等でなければ、電源スイッチ155やRAMクリアスイッチ89を操作することはできない。すなわち電源スイッチ155は、実質的に遊技者による操作が不可能な特定操作手段といえる。
また主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第1大入賞口30内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第1大入賞口30内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
また主制御基板80には、遊技者等による不正を検知するために、扉開放検知センサ74、磁気検知センサ75、電波検知センサ76、および衝撃検知センサ77が接続されている。これら各センサ74,75,76,77は、パチンコ遊技機1に対する不正を検知する不正検知手段に相当する。
扉開放検知センサ74は、遊技機枠50の開放(前枠53の開放、又は前枠53及び内枠52の開放)を検知するものである。磁気検知センサ75は、遊技者等が磁気部材(磁石等)を近づけたときに生じる磁束密度の変化を検知するものである。磁気検知センサ75により、例えば磁気部材を用いて遊技球を吸着させながら各始動口20,21や各大入賞口30,35等へ入賞させるような不正(第2の不正)を検知することが可能である。なお磁気検知センサ75は、1つだけでなく各始動口20,21周りや各大入賞口30,35周り等に複数配されていても良い。電波検知センサ76は、遊技者等が電波発生機器を近づけたときに生じる特定の周波数領域の電磁波を検知するものである。電波検知センサ76により、例えば電波発生機器を用いて各始動口センサ20a,21aや各大入賞口センサ30a,35aで異常検知させるような不正を検知することが可能である。なお電波検知センサ76は、1つだけでなく各始動口センサ20a,21aや各大入賞口センサ30a,35a周り等に複数配されていても良い。衝撃検知センサ77は、遊技者等がパチンコ遊技機1に衝撃を加えたときに生じる加速度を検知するものである。衝撃検知センサ77により、例えば遊技者等がパチンコ遊技機1を叩いたり揺すったりする不正を検知することが可能である。なお衝撃検知センサ77は、1つだけでなく衝撃が加えられそうな部位に複数配されていても良い。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)への操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図9に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板90には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC99は、図示しない外部電源供給装置(島電源供給装置)から電力が供給(投入)されているときには、その電力によって動作し、外部電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板150が備えるバックアップ電源回路151から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機1に対して電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音声データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決めるランプデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、発光パターンデータともいう)を読み出して、ランプデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、ランプデータはサブ制御基板90のROM93に格納されている。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15を動作させる。つまり、上側盤可動体15Uと左下盤可動体15Lと右下盤可動体15Rを駆動するための各モータ(図示省略)を作動させる。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める盤可動体動作パターンデータに基づいて、盤可動体15の動作を制御する。
本形態において盤可動体動作パターンデータには、盤可動体駆動データと、盤可動体復帰データとがある。演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに盤可動体駆動データをセットすると、盤可動体15を図5(A)に示す待機位置から図5(B)に示す動作位置へ駆動(変位)させることが可能である。一方、演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに盤可動体復帰データをセットすると、盤可動体15を動作位置から待機位置へ復帰(変位)させることが可能である。なお盤可動体15が動作位置に駆動された後に、盤可動体復帰データがセットされない限り、盤可動体15が動作位置にある状態が維持されるようになっている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠中継基板98を介して接続された枠可動体600を動作させる。つまり、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rを駆動するための各モータ(図示省略)を作動させる。詳細には演出制御用マイコン91は、枠可動体600の動作態様を決める枠可動体動作パターンデータに基づいて、枠可動体600の動作を制御する。
本形態において枠可動体動作パターンデータには、枠可動体駆動データと、枠可動体復帰データとがある。演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに枠可動体駆動データをセットすると、枠可動体600を図3(A)に示す収納位置から図3(B)に示す突出位置へ駆動(変位)させることが可能である。一方、演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の駆動データバッファに枠可動体復帰データをセットすると、枠可動体600を突出位置から格納位置へ復帰(変位)させることが可能である。なお枠可動体600が突出位置に駆動された後に、枠可動体復帰データがセットされない限り、枠可動体600が突出位置にある状態が維持されるようになっている。
なお変形例として、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、そのCPUにランプの点灯制御を実行させてもよい。またランプ制御基板107に枠可動体600を接続して、ランプ制御基板107に枠可動体600の動作を制御させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
サブ制御基板90には、枠中継基板98を介して、演出ボタン検出SW(スイッチ)63a、セレクトボタン検出スイッチ68a、及び枠可動体復帰ボタン検出スイッチ323aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン検出スイッチ68aは、セレクトボタン68(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。枠可動体復帰ボタン検出スイッチ323aは、枠可動体復帰ボタン323(図3(A)(B)参照)が押下操作されたことを検出するものである。各ボタン(演出ボタン63、セレクトボタン68、枠可動体復帰ボタン323)が押下操作されると、各スイッチ(演出ボタン検出スイッチ63a、セレクトボタン検出スイッチ68a、枠可動体復帰ボタン検出スイッチ323a)からサブ制御基板90に対して信号が入力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たりに当選して実行される特別遊技を大当たり遊技という。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図11に示す通りである。図11に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能となる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rでは、第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rでは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。そして「Vロング大当たり」における10R及び12Rでは、第1大入賞口30が比較的長く開放すると共に、振分部材71が比較的長い間、図6(A)に示す第1状態をとることにより、特定領域39に遊技球が通過することが可能となっている。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。
但し「Vショート大当たり」における10R及び12Rでは、第1大入賞口30が比較的長く開放するものの、振分部材71が極めて短い間(例えば100ms)だけ図6(A)に示す第1状態をとることにより、特定領域39に遊技球が通過することがほぼ不可能となっている。なお、振分部材71が第1状態をとる時間が極めて短いだけでなく、第1大入賞口30の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図6(B)参照)から第1状態(図6(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態が付与される。この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
図11に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
特図1の抽選によって「Vロング大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_特定図柄」が停止表示され、「Vショート大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。これに対して特図2の抽選によって当選した場合には、必ずVロング大当たりであって、第2特別図柄表示器41bに「特図2_特定図柄」が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図12(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図12(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図13(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図14参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図13(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(図13(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図15参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図15参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、有効な特定領域39への通過がなされた大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、有効な特定領域39への通過がなされなかった大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.不正検知コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、図16に示すように、当該パチンコ遊技機1に対する8種類の不正を検知することが可能である。第1の不正検知として磁気検知がある。具体的には、遊技制御用マイコン81が磁気検知センサ75の検知に基づいて不正と判断する場合、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H11H」である。なお2バイトからなる不正検知コマンドのうち、上位コマンドにコマンドの種類(不正検知コマンドであること)を指定する情報(E1)が含まれていて、下位コマンドにどの不正が検知されたのかを指定する情報(11)が含まれている。なお不正検知コマンドが示す値は、図16に示す値に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また第2の不正検知として第1大入賞口30の出口側不正通過検知がある。具体的には、遊技制御用マイコン81が第1大入賞口30へ入賞した遊技球の数と特定領域39を通過した遊技球の数が一致しない場合、又は第1大入賞口30へ入賞した遊技球の数と非特定領域70を通過した遊技球の数が一致しない場合に、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H12H」である。
また第3の不正検知として電波検知がある。具体的には、遊技制御用マイコン81が電波検知センサ76の検知に基づいて不正と判断する場合、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H13H」である。
また第4の不正検知として扉開放検知がある。具体的には、遊技制御用マイコン81が扉開放検知センサ74の検知に基づいて不正(遊技機枠50の開放)と判断する場合、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H14H」である。
また第5の不正検知として振動検知がある。具体的には、遊技制御用マイコン81が衝撃検知センサ77の検知に基づいて不正と判断する場合、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H15H」である。
また第6の不正検知として電チュー不正入賞検知がある。具体的には、第2始動口センサ21aによる検知がなされたときに、遊技制御用マイコン81が有効な電チュー22への入賞ではないと判断する場合、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H16H」である。
また第7の不正検知として大入賞口不正入賞検知がある。具体的には、第1大入賞口センサ30aによる検知がなされたときに有効な第1大入賞口30への入賞ではないと判断した場合、又は第2大入賞口センサ35aによる検知がなされたときに有効な第2大入賞口35への入賞ではないと判断した場合に、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H17H」である。
また第8の不正検知として特定領域不正通過検知がある。具体的には、特定領域センサ39aによる検知がなされたときに、遊技制御用マイコン81が有効な特定領域センサ39aへの通過ではないと判断する場合、演出制御用マイコン91にその不正を報知させるべく、不正検知コマンドを送信する。このとき送信される不正検知コマンドは、「E1H18H」である。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図17〜図45に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、ROM83から図17に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。
そして、電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図12に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図18に示すように、電源投入時処理(S001)では、まずRAM84へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ89が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ89がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図45参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図45のステップS2902参照)と比較する(S015)。チェックサムは、RAM84に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、RAM84の記憶内容が正常でないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、RAM84の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時におけるRAM84の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、ROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をRAM84の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS020に進む。
一方、ステップS018では、RAM84に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン81は、RAM84の作業領域の初期設定を行って(S019)、ステップS020に進む。初期設定の処理では、ROM83から読み出された初期設定情報がRAM84の作業領域にセットされる。
ステップS020では、遊技制御用マイコン81は、電源投入コマンド設定処理を行う。電源投入コマンド設定処理(S020)では、予め定められている設定時間(本形態では3秒)経過後にサブ制御基板90に電源投入コマンドを出力するための設定処理を行う。具体的には、電源投入コマンドを出力するまでの設定時間をタイマにセットして、そのタイマにセットされた時間の減算を開始する。そして減算されたタイマの値が「0」になったとき、設定時間が経過したことになるため、電源投入コマンドをRAM84の所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた電源投入コマンドは、後述する出力処理(S102)にてサブ制御基板90に出力されるようになっている。電源投入コマンド設定処理(S020)の後、ステップS021ではその他の初期設定として、例えばCPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図19に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず遊技制御状態異常フラグがONであるか否かを判定する(S101)。遊技制御状態異常フラグは、本パチンコ遊技機1の遊技制御状態が異常であることを示すフラグである。後述するように、磁気による不正が検知された場合に、遊技制御状態異常フラグがONされるようになっている(図27のステップS187参照)。遊技制御状態異常フラグがOFFであれば(S101でNO)、ステップS102に進む。一方、遊技制御状態異常フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102〜S111の処理をパスして、後述する電源断監視処理(S112)とその他の処理(S113)のみを実行して、本処理を終える。これにより、遊技を行うことができなくなる。即ち、一旦遊技制御状態が異常になると、電源の再投入により遊技制御状態異常フラグがOFFになるまで遊技が中止されることになる。
ステップS102では、出力処理を実行する。出力処理(S102)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S102)に次いで行われる入力処理(S103)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図8参照))が検知した検出信号を読み込む。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に後述するセキュリティ制御処理を実行する。そして、再び遊技制御状態異常フラグがONであるか否かを判定する(S105)。遊技制御状態異常フラグがONであれば(S105でYES)、ステップS106〜S111の処理をパスして、後述する電源断監視処理(S112)とその他の処理(S113)のみを実行して、本処理を終える。一方、遊技制御状態異常フラグがOFFであれば(S105でNO)、賞球制御処理(S106)を実行する。賞球制御処理(S106)では、入力処理(S103)で読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板110に対して出力されるコマンドである。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S107)は、図17の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図12に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S107)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S108)、普通動作処理(S109)、特別動作処理(S110)、特定領域センサ検出処理(S111)、電源断監視処理(S112)を実行する。その後、その他の処理(S113)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S113)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図17参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S102)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[セキュリティ制御処理]セキュリティ制御処理(S104)は、上述した8種類の不正(図16参照)が行われたか否かを判断する処理である。遊技制御用マイコン81は、図20に示すように、セキュリティ制御処理(S104)において、後述する普通電役不正入賞処理(S120)、第2大入賞口不正入賞処理(S121)、第1大入賞口不正入賞処理(S122)、特定領域不正通過処理(S123)、第1大入賞口排出確認処理(S124)、扉開放処理(S125)、磁気検出処理(S126)、不正電波検出処理(S127)、衝撃検出処理(S128)を実行する。
[普通電役不正入賞処理]図21に示すように、普通電役不正入賞処理(S120)ではまず、電チュー(普通電役)22の開放中であるか否かを判定する(S130)。開放中であれば(S130でYES)、不正入賞ではないため本処理を終える。一方開放中でなければ(S130でNO)、続いて、第2始動口有効タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S131)。第2始動口有効タイマは、第2始動口21への入賞の有効期間を図るタイマである。第2始動口有効タイマには、電チュー22の開放時に、電チュー22の開放時間とその後の数秒間(球はけ時間)とを加算した値がセットされる。そして、時間の経過に伴って、第2始動口有効タイマの値は減算されるようになっている。第2始動口有効タイマの値が「0」でなければ(S131でYES)、不正入賞ではないため本処理を終える。一方、第2始動口有効タイマの値が「0」であれば(S131でNO)、続いて、第2始動口21への通過が検知されたか否か(第2始動口センサ21aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S132)。
ステップS132で通過検知がなければ本処理を終える。これに対して、通過検知があれば(S132でYES)、続いて、第2始動口有効カウンタの値が「0」でないか否かを判定する(S133)。第2始動口有効カウンタは、第2始動口21(電チュー22)への有効な入賞の回数を減算方式でカウントするカウンタである。第2始動口有効カウンタには、電チュー22の開放時に、1回の補助遊技につき第2始動口21へ入賞する遊技球の数のうち想定される最も多い遊技球の数がセットされるようになっている。
第2始動口有効カウンタの値が「0」でなければ(S133でYES)、第2始動口有効カウンタの値を「1」だけ減算して(S134)、本処理を終える。一方、第2始動口有効カウンタの値が「0」であれば(S133でNO)、賞球の対象にしないため、第2始動口21の入賞を無効化する(S135)。つまり、セキュリティ制御処理(S104)の後に実行する賞球制御処理(S106)において、第2始動口21への入賞に応じた払出コマンドがセットされないように設定する。そして、電チュー不正入賞検知に基づく異常検出の設定を行う(S136)。その後、「E1H16H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S137)、本処理を終える。
[第2大入賞口不正入賞処理]図22に示すように、第2大入賞口不正入賞処理(S121)ではまず、第2大入賞口35の開放中であるか否かを判定する(S140)。開放中であれば(S140でYES)、不正入賞ではないため本処理を終える。一方開放中でなければ(S140でNO)、続いて、第2大入賞口有効タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S141)。第2大入賞口有効タイマは、第2大入賞口35への入賞の有効期間を図るタイマである。第2大入賞口有効タイマには、第2大入賞口35を開放させるラウンド遊技の開始時(14R又は16Rの開始時)に、第2大入賞口35の開放時間とその後の数秒間(球はけ時間)とを加算した値がセットされる。そして、時間の経過に伴って、第2大入賞口有効タイマの値は減算されるようになっている。第2大入賞口有効タイマの値が「0」でなければ(S141でYES)、不正入賞ではないため本処理を終える。一方、第2大入賞口有効タイマの値が「0」であれば(S141でNO)、続いて、第2大入賞口35への通過が検知されたか否か(第2大入賞口センサ35aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S142)。
ステップS142で通過検知がなければ本処理を終える。これに対して、通過検知があれば(S142でYES)、続いて、第2大入賞口有効カウンタの値が「0」でないか否かを判定する(S143)。第2大入賞口有効カウンタは、第2大入賞口35への有効な入賞の回数を減算方式でカウントするカウンタである。第2大入賞口有効カウンタには、第2大入賞口35を開放させるラウンド遊技の開始時(14R又は16Rの開始時)に、そのラウンド遊技での第2大入賞口35へ入賞する遊技球の数のうち想定される最も多い遊技球の数(例えば10)がセットされるようになっている。
第2大入賞口有効カウンタの値が「0」でなければ(S143でYES)、第2大入賞口有効カウンタの値を「1」だけ減算して(S144)、本処理を終える。一方、第2大入賞口有効カウンタの値が「0」であれば(S143でNO)、賞球の対象にしないため、第2大入賞口35の入賞を無効化する(S145)。つまり、セキュリティ制御処理(S104)の後に実行する賞球制御処理(S106)において、第2大入賞口35への入賞に応じた払出コマンドがセットされないように設定する。そして、第2大入賞口35への不正入賞検知に基づく異常検出の設定を行う(S146)。その後、「E1H17H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S147)、本処理を終える。
[第1大入賞口不正入賞処理]図23に示すように、第1大入賞口不正入賞処理(S122)ではまず、第1大入賞口30の開放中であるか否かを判定する(S150)。開放中であれば(S150でYES)、不正入賞ではないため本処理を終える。一方開放中でなければ(S150でNO)、続いて、第1大入賞口有効タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S151)。第1大入賞口有効タイマは、第1大入賞口30への入賞の有効期間を図るタイマである。第1大入賞口有効タイマには、第1大入賞口30を開放させるラウンド遊技の開始時(1〜13R又は15Rの開始時)に、第1大入賞口30の開放時間とその後の数秒間(球はけ時間)とを加算した値がセットされる。そして、時間の経過に伴って、第1大入賞口有効タイマの値は減算されるようになっている。第1大入賞口有効タイマの値が「0」でなければ(S151でYES)、不正入賞ではないため本処理を終える。一方、第1大入賞口有効タイマの値が「0」であれば(S151でNO)、続いて、第1大入賞口30への通過が検知されたか否か(第1大入賞口センサ30aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S152)。
ステップS152で通過検知がなければ本処理を終える。これに対して、通過検知があれば(S152でYES)、続いて、第1大入賞口有効カウンタの値が「0」でないか否かを判定する(S153)。第1大入賞口有効カウンタは、第1大入賞口30への有効な入賞の回数を減算方式でカウントするカウンタである。第1大入賞口有効カウンタには、第1大入賞口30を開放させるラウンド遊技の開始時(1〜13R又は15Rの開始時)に、そのラウンド遊技での第1大入賞口30へ入賞する遊技球の数のうち想定される最も多い遊技球の数(例えば10)がセットされるようになっている。
第1大入賞口有効カウンタの値が「0」でなければ(S153でYES)、第1大入賞口有効カウンタの値を「1」だけ減算して(S154)、本処理を終える。一方、第1大入賞口有効カウンタの値が「0」であれば(S153でNO)、賞球の対象にしないため、第1大入賞口30の入賞を無効化する(S155)。つまり、セキュリティ制御処理(S104)の後に実行する賞球制御処理(S106)において、第1大入賞口30への入賞に応じた払出コマンドがセットされないように設定する。そして、第1大入賞口30への不正入賞検知に基づく異常検出の設定を行う(S156)。その後、「E1H17H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S157)、本処理を終える。なお本形態では、第1大入賞口不正入賞処理(S121)でセットされる不正検知コマンド(「E1H17H」)と、上述した第2大入賞口不正入賞処理(S121)でセットされる不正検知コマンド(「E1H17H」)とを同じにしているが、異なるようにしても良い。
[特定領域不正通過処理]図24に示すように、特定領域不正通過処理(S123)ではまず、V有効期間中であるか否かを判定する(S160)。V有効期間とは、Vロング大当たりの10R又は12Rにおける第1大入賞口30の開放中及び第1大入賞口30の閉塞後の数秒間で、特定領域39への遊技球の通過を有効と判定する期間である。V有効期間中であれば(S160でYES)、不正通過でないため本処理を終える。一方V有効期間中でなければ(S160でNO)、続いて、特定領域39への通過が検知されたか否か(特定領域センサ39aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S161)。
ステップS161で通過検知がなければ本処理を終える。これに対して、通過検知があれば(S161でYES)、有効な特定領域39への通過にさせないため、特定領域39の通過を無効化する(S162)。つまり、セキュリティ制御処理(S104)の後に実行する特定領域センサ検出処理(S111、図44参照)において、特定領域39への通過に基づいてVフラグがONされないように設定する。そして、特定領域不正通過検知に基づく異常検出の設定を行う(S163)。その後、「E1H18H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S164)、本処理を終える。
[第1大入賞口排出確認処理]図25に示すように、第1大入賞口排出確認処理(S124)ではまず、第1大入賞口30への通過が検知されたか否か(第1大入賞口センサ30aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S170)。通過検知があれば(S170でYES)、V大入賞口出入カウンタの値を「1」だけ加算して(S171)、ステップS172に進む。V大入賞口出入カウンタは、特定領域39(V領域)を内部に備える第1大入賞装置31(第1大入賞口30)に対する入賞球と排出球との差をカウントするためのカウンタである。通過検知がなければ(S170でNO)、ステップS171を行わずに、ステップS172に進む。
ステップS172では、非特定領域70への通過が検知されたか否か(非特定領域センサ70aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する。通過検知がなければ(S172でNO)、ステップS175に進む。通過検知があれば(S172でYES)、続いて、V大入賞口出入カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S173)。「0」でなければ(S173でNO)、V大入賞口出入カウンタの値を「1」だけ減算して(S174)、ステップS175に進む。一方、「0」であれば(S173でYES)、第1大入賞口30からの不正な排球があったことになる。そのためステップS178にて、第1大入賞口30の出口側不正通過検知に基づく異常検出の設定を行う。その後、「E1H12H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S179)、本処理を終える。
ステップS175では、特定領域39への通過が検知されたか否か(特定領域センサ39aによる遊技球の通過があったか否か)を判定する。通過検知がなければ(S175でNO)、本処理を終える。通過検知があれば(S175でYES)、続いて、V大入賞口出入カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S176)。「0」でなければ(S176でNO)、V大入賞口出入カウンタの値を「1」だけ減算して(S177)、本処理を終える。一方、「0」であれば(S176でYES)、第1大入賞口30からの不正な排球(特定領域39への不正通過)があったことになる。そのためステップS178にて、第1大入賞口30の出口側不正通過検知に基づく異常検出の設定を行う。その後、「E1H12H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S179)、本処理を終える。
[扉開放処理]図26に示すように、扉開放処理(S125)ではまず、扉開放検知センサ74がONであるか否か(遊技機枠50が開放されているか否か)を判定する(S180)。ONでなければ(S180でNO)、本処理を終える。ONであれば(S180でYES)、扉開放検知に基づく異常検出の設定を行う(S181)。なお扉開放検知センサがONとなっている信号は、RAM84の出力バッファにセットされて、サブ制御基板90に送信されるようになっている。その後、「E1H14H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S182)、本処理を終える。
[磁気検出処理]図27に示すように、磁気検出処理(S126)ではまず、磁気検知センサ75が検出した検出値を入力する(S185)。そして、入力した検出値に基づいて、不正行為による磁気検知であるか否かを判定する(S186)。即ち、磁束密度の変化が予め設定している所定値よりも小さい場合には、異常ではないと判定して(S186でNO)、本処理を終える。一方、磁束密度の変化が予め設定している所定値以上である場合には、異常であると判定して(S186でYES)、ステップS187に進む。ステップS187では、磁気検知に基づく異常検出の設定を行う。なおこのときに、遊技制御状態異常フラグをONにする。その後、「E1H11H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S188)、本処理を終える。
[不正電波検出処理]図28に示すように、不正電波検出処理(S127)ではまず、電波検知センサ76が検出した検出値を入力する(S190)。そして、入力した検出値に基づいて、不正行為による電波検知であるか否かを判定する(S191)。即ち、検出した電磁波の周波数が予め設定している特定の周波数領域でない場合には、異常ではないと判定して(S191でNO)、本処理を終える。一方、検出した電磁波の周波数が予め設定している特定の周波数領域である場合には、異常であると判定して(S191でYES)、ステップS192に進む。ステップS192では、電波検知に基づく異常検出の設定を行う。その後、「E1H13H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S193)、本処理を終える。
[衝撃検出処理]図29に示すように、衝撃検出処理(S128)ではまず、衝撃検知センサ77が検出した検出値を入力する(S195)。そして、入力した検出値に基づいて、不正行為による振動検知であるか否かを判定する(S196)。即ち、検出した加速度が予め設定している規定値よりも小さい場合には、異常ではないと判定して(S196でNO)、本処理を終える。一方、検知した加速度が予め設定している規定値以上である場合には、異常であると判定して(S196でYES)、ステップS197に進む。ステップS197では、振動検知に基づく異常検出の設定を行う。その後、「E1H15H」(図16参照)を示す不正検知コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S198)、本処理を終える。
[始動口センサ検出処理]図30に示すように、始動口センサ検出処理(S108)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S108)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図31に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図12(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S108)に次いで普通動作処理(S109)を行う。図32に示すように、普通動作処理(S109)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図13(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図13(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図15の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図15の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。なおこのときに、第2始動口有効タイマに電チュー22の開放時間とその後の数秒間とを加算した値がセットされると共に、第2始動口有効カウンタに第2始動口21へ入賞する遊技球の数のうち想定される最も多い遊技球の数がセットされる。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]図33に示すように特別動作処理(S110)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図34に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば(S1415でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1415でNO)、客待ちコマンドをRAM84の出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにする(S1417)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図11参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図35に基づいてまとめて説明する。図35に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図13(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図13(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「170」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図13(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「600」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図13(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図12参照)を、RAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図36及び図37に基づいてまとめて説明する。図36に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図14に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。なおSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。従って遊技者から見れば、変動時間が長いほど当選期待度が高いことを把握できるようになっている。
ここで変動演出には、SPリーチに発展しない変動演出(第1態様演出)とSPリーチに発展することになる変動演出(第2態様演出)とがある。第1態様演出は、ノーマルリーチやドハズレといったSPリーチに発展する前の演出(第1段階演出)のみで構成されている変動演出といえる。一方、第2態様演出は、第1段階演出と第1段階演出後のSPリーチ(第2段階演出)とを含む変動演出といえる。
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図13(C)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「1」〜「30」であり、時短状態であれば「1」〜「10」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ通常テーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ通常テーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図37に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図36に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S102)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図38に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図39に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図14参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図11参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1905)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、処理を終える。
[遊技状態管理処理]図40に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否かを判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。
続いて、時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFして(S2008)、処理を終える。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図41に示すように、遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図42に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、特定領域39への遊技球の通過が可能な第10ラウンド又は第12ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。すなわち、ラウンドカウンタの値が「7」又は「5」であるか否かを判定する。第10ラウンド又は第12ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第10ラウンド又は第12ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、上述したように、Vロング大当たりの第10ラウンド又は第12ラウンドにおける第1大入賞口30の開放中及び第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。なお、V有効期間に第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を含めているのは、第1大入賞口30の閉塞直前に第1大入賞口30へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図11参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、ラウンド遊技(又は大当たり遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第10ラウンド及び第12ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞した遊技球が特定領域39を通過できるように振分部材71が図6(A)に示す第1状態をとる。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第10ラウンド及び第12ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞した遊技球が特定領域39を通過できないように振分部材71が図6(B)に示す第2状態をとる。
またステップS2207において、第1〜第13ラウンド又は第15ラウンドの開始時では、第1大入賞口有効タイマに、第1大入賞口30の開放時間とその後の数秒間とを加算した値がセットされると共に、第1大入賞口有効カウンタに、そのラウンド遊技での第1大入賞口30へ入賞する遊技球の数のうち想定される最も多い遊技球の数がセットされる。一方、第14ラウンド又は第16ラウンドの開始時では、第2大入賞口有効タイマに、第2大入賞口35の開放時間とその後の数秒間とを加算した値がセットされると共に、第2大入賞口有効カウンタに、そのラウンド遊技での第2大入賞口35へ入賞する遊技球の数のうち想定される最も多い遊技球の数がセットされる。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図11参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2009でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そしてステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2013でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)において、特別動作処理(図33参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図43に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「100」をセットして(S2308)、処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確低ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりの当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2302)、確変カウンタの値に「160」をセットする(S2303)。その後、VフラグをOFFする(S2304)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2305)、時短カウンタの値に「160」をセットして(S2306)、処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が160回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S110)に次いで特定領域センサ検出処理(S111)を行う(図19参照)。特定領域センサ検出処理(S111)では、図44に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が図6(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終えるが、検知があれば(S2401でYES)、VフラグをONするとともに(S2402)、V通過コマンドをセットして(S2403)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。なおV通過コマンドをセットしないで、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせないようにしても良い。
[電源断監視処理]遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S111)に次いで電源断監視処理(S112)を行う(図19参照)。電源断監視処理(S112)では、図45に示すように、まず電源断信号の入力の有無を判定し(S2901)、入力がなければ(S2901でNO)処理を終了する。電源断信号は、電断により電源電圧が低下し始めたときに遊技制御用マイコン81に入力される信号である。ステップS2901において電源断信号の入力があれば(S2901でYES)、チェックサムを算出してRAM84の所定の記憶領域に格納するとともに(S2902)、電源断フラグをONする(S2903)。そして、RAM84へのアクセスの禁止設定を行う(S2904)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(図19参照)に戻ることなくループ処理を行う。
6.朝ロゴモードでの演出
次に演出制御用マイコン91の動作を説明する前に、朝ロゴモードでの演出について説明する。本形態のパチンコ遊技機1では、設定される演出モードとして朝ロゴモード(特殊モード)又は通常モードがある。朝ロゴモードに設定されている間は原則的に、枠可動体600が図3(B)に示す突出位置にある状態が維持されると共に、盤可動体15が図5(B)に示す動作位置にある状態が維持されるようになっている。その後、朝ロゴモードの設定が終了すると、即ち通常モードに設定されると、枠可動体600は突出位置から図3(A)に示す収納位置に復帰すると共に、盤可動体15が動作位置から図5(A)に示す待機位置へ復帰するようになっている。こうして、枠可動体600が突出位置にあると共に盤可動体15が動作位置にある状態を見た遊技者に対して、強いインパクトを与えることが可能である。更に、特殊な演出モード(朝ロゴモード)に設定されているのを把握させることが可能である。
続いて、朝ロゴモードへの設定が開始される条件(所定の開始条件)について説明する。本形態では、予め定められた5時から12時までの間(朝ロゴモード設定期間)にパチンコ遊技機1に対して電源が投入されることに基づいて、朝ロゴモードが設定されるようになっている。すなわち、遊技場の営業開始時間が例えば9時である場合、遊技場の従業員は9時になる前に電源スイッチ155をONにする。これにより、パチンコ遊技機1に電源が投入されて、当該パチンコ遊技機1が稼働状態になる。このとき、電源が投入されたタイミングが5時から12時までの間であることから、朝ロゴモードが設定される。このようにして、営業開始時間において既に枠可動体600が突出位置にあると共に盤可動体15が動作位置にある状態にしておき、本パチンコ遊技機1を目立たせることが可能である。なお電源の投入は通常、遊技場の従業員だけが行うことができて、遊技者が行うことができない。よって朝ロゴモードの設定は、遊技者による遊技が行われる前に遊技場の従業員が行うことになる。
次に、朝ロゴモードへの設定が終了する条件(所定の終了条件)について説明する。終了条件としては、以下に示す4つの終了条件がある。先ず第1の終了条件は、少なくとも10回にわたって特別図柄の変動表示が行われて、且つその後に変動時間が12秒である特別図柄の変動表示が実行されたことである。つまり、朝ロゴモードの設定中に特別図柄の変動表示が10回行われた後、変動パターンP7又はP34(図14参照)に基づく特別図柄の変動表示(12秒変動)が実行されたことである。こうして朝ロゴモードが設定されているときに、遊技者による遊技がある程度進めば、自然と朝ロゴモードの設定から通常モードの設定に切替わるようになっている。
ところで朝ロゴモードが設定されているときには、図5(B)に示すように、表示画面7aの大部分が動作位置にある盤可動体15によって隠れてしまう。そこで朝ロゴモードが設定されているときには、表示画面7aのうち動作位置にある盤可動体15によって隠れていない領域、即ち表示画面7aの一部である左下部領域7bにて演出図柄6L,6C,6Rの変動演出を実行するようにしている。そのため朝ロゴモードの設定中でも遊技者には、演出図柄6L,6C,6Rの変動演出により、当否判定の結果を把握させることが可能である。なお表示画面7aの左下部領域7bで実行される変動演出は、縮小表示態様且つ簡易表示態様となっている。つまり表示画面7aの左下部領域7bでは、数字図柄のみで構成された小さい演出図柄6L,6C,6Rの変動表示及び停止表示のみが行われて、背景画像やキャラクタ画像等が表示されないようになっている。
次に、第2の終了条件は、当否判定の結果が大当たり当選であることを報知する当選報知演出が開始されることである。本形態の当選報知演出とは、演出図柄8L,8C,8Rを「555」などのゾロ目で表示画面7a内にて左右に揺れているように表示する演出のことである(図69(B)参照)。すなわち、当選報知演出が実行されるタイミングにおいては、演出図柄8L,8C,8Rが未だ変動表示中であって、停止表示(確定表示)される前である。しかし当選報知演出が実行されるタイミングで朝ロゴモードを終了して、動作位置にある盤可動体15を待機位置に復帰させる。これにより遊技者には、表示画面7aの全域で実行される当選報知演出を見せる。その結果、表示画面7aの左下部領域7bで仮に当選報知演出を実行するような場合に比べて、大当たりへの当選を把握し易くして、当選時の高揚感を与えることが可能となっている。
続いて、第3の終了条件は、SPリーチとして特殊SPリーチが実行されることである。本形態のSPリーチ(第2段階演出)には、通常SPリーチ(通常2段階演出)と特殊SPリーチ(特殊2段階演出)とがある。通常SPリーチ又は特殊SPリーチは何れもノーマルリーチから発展して実行される。通常SPリーチでは、敵キャラと主人公キャラとが戦う画像(図示省略)が表示される。一方、特殊SPリーチでは、通常SPリーチでは登場しない特殊な敵キャラと主人公キャラとが戦う画像G1(図70(B)参照)が表示されるようになっている。こうして、朝ロゴモードに設定されているときにSPリーチに発展する前であれば、朝ロゴモードが終了することはない。またSPリーチに発展しても通常SPリーチであれば、朝ロゴモードが終了しない。なお朝ロゴモードの設定中に通常SPリーチが実行されても、盤可動体15が動作位置にあるため、表示画面7aの左下部領域7bにて演出図柄6L,6C,6Rの変動演出が行われる。これらに対して、ノーマルリーチから特殊SPリーチに発展すれば、そのタイミングで朝ロゴモードを終了して、動作位置にある盤可動体15を待機位置に復帰させる。その結果、遊技者には朝ロゴモードの終了と同時に、特殊SPリーチを表示画面7aの全域で堪能させることが可能である。特に本形態では、特殊SPリーチは朝ロゴモードの終了時でしか実行されないように設定している。従って遊技者には、朝ロゴモードの終了と同時に希少な特殊SPリーチの実行を期待させることが可能となっている。
最後に、第4の終了条件は、予め定められた朝ロゴモード終了時間を迎えることである。本形態では朝ロゴモード終了時間は12時である。すなわち、朝ロゴモードが設定されているときに、上記した第1の終了条件、第2の終了条件、及び第3の終了条件のいずれも成立しない場合、12時になると朝ロゴモードから通常モードに切替わるようになっている。こうして本パチンコ遊技機1に対して、営業開始時間から12時まで遊技が行われなくても、12時になれば朝ロゴモードが必ず終了する。これにより、突出位置にある枠可動体600が収納位置に復帰すると共に、動作位置にある盤可動体15が待機位置に復帰する。よって、遊技者には朝ロゴモードがあくまで12時までの限定的な演出モードであることを把握させることが可能である。
ところで、遊技場では複数台のパチンコ遊技機1が並設されて1つの遊技島が構成される。図10では、5台の本パチンコ遊技機1を1つの遊技機グループ170として遊技島を構成している。この遊技機グループ170において、営業開始時間前に各パチンコ遊技機1の電源スイッチ155をONにすれば、5台のパチンコ遊技機1全てで朝ロゴモードに設定される。これにより営業開始時間では既に、5台のパチンコ遊技機1で枠可動体600を予め突出位置にある状態にしておくと共に、盤可動体15を予め動作位置にしておくことが可能である。よって遊技場でどのパチンコ遊技機で遊技を行うかを迷っている遊技者に対して、遊技機グループ170を目立たせることが可能であり、午前中での集客効果を高めることが可能である。なお各パチンコ遊技機1に対する電源の投入は、各パチンコ遊技機1の個別の電源スイッチ155をONにしている状態で、遊技島に設けられている共通の島電源供給装置によって行われるようにしても良い。
また5台のパチンコ遊技機1のうち何れかで上記した第1の終了条件、第2の終了条件、或いは第3の終了条件が成立すれば、そのパチンコ遊技機1では12時になる前に、朝ロゴモードが終了して、枠可動体600が収納位置に復帰すると共に、盤可動体15が待機位置に復帰することになる。よって遊技機グループ170の傍にいる遊技者や遊技場の従業員に対して、5台のパチンコ遊技機1のうち未だ朝ロゴモードが設定されているパチンコ遊技機1と設定されていないパチンコ遊技機1とを容易に判別させることが可能である。
また本形態では、朝ロゴモードに設定されている間、スピーカ67から本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲が繰り返し流れる。更に、枠ランプ66が通常の発光態様とは異なる特殊な発光態様で発光し続けると共に、盤ランプ5が通常の発光態様とは異なる特殊な発光態様で発光し続ける。従って朝ロゴモードの設定中に、各枠可動体600及び各盤可動体15の位置だけでなく、各スピーカ67から一斉に流れる音楽と、枠ランプ66及び盤ランプ5の発光によっても、遊技機グループ170(5台の本パチンコ遊技機1)をまとまりとして目立たせることが可能となっている。なお朝ロゴモードの設定から通常モードの設定に切替わると、スピーカ67からメインテーマ曲が流れなくなると共に、枠ランプ66及び盤ランプ5が通常の発光態様で発光するようになる。
7.不正検知の対応
次に、遊技者等による不正が検知された場合の対応について説明する。上述したように、遊技制御用マイコン81は不正を検知すると、不正検知コマンド(図16参照)をサブ制御基板90に送信する。これにより、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、受信した不正検知コマンドに基づいて、どの不正が行われたのかを報知するようになっている。つまり演出制御用マイコン91は、表示画面7aにて、不正内容に応じたエラー番号及び文字を示すエラー画像を表示すると共に、スピーカ67から不正用の音声を出力し得る。また枠ランプ66及び盤ランプ5を不正用の発光態様で発光させたり、消灯させたりする。
具体的には図16に示すように、第1の不正検知として磁気検知がなされた場合には、表示画面7aに第1エラー画像K1(図72(B)参照)を表示する。この第1エラー画像(第3不正画像)K1は、赤色の背景と共に、「エラー1(エラー番号)、磁気検出異常、電源を再投入してください」という文字を示す画像である。またスピーカ67から遊技停止音を出力する。更に枠ランプ66全体を白色の発光態様で発光させると共に、盤ランプ5全体を消灯させる。こうして、第1エラー画像K1の表示と遊技停止音の出力と枠ランプ66の白色の発光と盤ランプ5の消灯とにより、周囲(遊技場の従業員や周りの遊技者等)に磁気検知を報知するようになっている。
また第2の不正検知として第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされた場合には、表示画面7aに第2エラー画像K2(図73(B)参照)を表示する。この第2エラー画像(第1不正画像)K2は、「エラー2、大入賞口異常排出」という文字を示す画像である。またスピーカ67からエラー音を出力する。更に枠ランプ66全体を緑色の発光態様で発光させると共に、盤ランプ5全体を消灯させる。こうして、第2エラー画像K2の表示とエラー音の出力と枠ランプ66の緑色の発光と盤ランプ5の消灯とにより、周囲に第1大入賞口30の出口側不正通過検知を報知するようになっている。
また第3の不正検知として電波検知がなされた場合には、表示画面7aに第3エラー画像(図示省略)を表示する。この第3エラー画像(第2不正画像)は、「エラー3、不正電波検出」という文字を示す画像である。またスピーカ67からエラー音を出力する。更に枠ランプ66全体を緑色の発光態様で発光させると共に、盤ランプ5全体を消灯させる。こうして、第3エラー画像の表示とエラー音の出力と枠ランプ66の緑色の発光と盤ランプ5の消灯とにより、周囲に電波検知を報知するようになっている。
また第4の不正検知として扉開放検知がなされた場合には、表示画面7aに第4エラー画像(図示省略)を表示する。この第4エラー画像は、「エラー4、扉が開放しています」という文字を示す画像である。またスピーカ67から「扉が開いています」という音声を出力する。更に枠ランプ66全体を黄色の発光態様で発光させると共に、盤ランプ5全体を消灯させる。こうして、第4エラー画像の表示とエラー音の出力と枠ランプ66の黄色の発光と盤ランプ5の消灯とにより、周囲に扉開放検知を報知するようになっている。
また第5の不正検知として振動検知がなされた場合には、表示画面7aに第5エラー画像(図示省略)を表示する。この第5エラー画像は、「エラー5、振動検出異常」という文字を示す画像である。なおスピーカ67から不正用の音声は出力されない。また、枠ランプ66及び盤ランプ5は、振動検知がなされる前と発光態様が変わらない。こうして、第5エラー画像の表示により、周囲に振動検知を報知するようになっている。
また第6の不正検知として電チュー不正入賞検知がなされた場合には、表示画面7aに第6エラー画像(図示省略)を表示する。この第6エラー画像は、「エラー6、電チュー異常入賞」という文字を示す画像である。更に枠ランプ66全体を青色の発光態様で発光させると共に、盤ランプ5全体を消灯させる。なおスピーカ67から不正用の音声は出力されない。こうして、第6エラー画像の表示と枠ランプ66の青色の発光と盤ランプ5の消灯とにより、周囲に扉開放検知を報知するようになっている。
また第7の不正検知として大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)不正入賞検知がなされた場合には、表示画面7aに第7エラー画像(図示省略)を表示する。この第7エラー画像は、「エラー7、大入賞口異常入賞」という文字を示す画像である。更に枠ランプ66全体を青色の発光態様で発光させると共に、盤ランプ5全体を消灯させる。なおスピーカ67から不正用の音声は出力されない。こうして、第7エラー画像の表示と枠ランプ66の青色の発光と盤ランプ5の消灯とにより、周囲に大入賞口不正入賞検知を報知するようになっている。
また第8の不正検知として特定領域不正通過検知がなされた場合には、表示画面7aに第8エラー画像(図示省略)を表示する。この第8エラー画像は、「エラー8、特定領域異常通過」という文字を示す画像である。更に枠ランプ66全体を青色の発光態様で発光させると共に、盤ランプ5全体を消灯させる。なおスピーカ67から不正用の音声は出力されない。こうして、第8エラー画像の表示と枠ランプ66の青色の発光と盤ランプ5の消灯とにより、周囲に特定領域不正通過検知を報知するようになっている。
ところで本形態では上述したように、朝ロゴモードに設定されているときには原則的に、枠可動体600が突出位置にある状態が維持される演出(以下「枠可動体駆動維持演出」と呼ぶ)と、盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出(以下「盤可動体駆動維持演出」と呼ぶ)とが実行される。また、スピーカ67から本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲が繰り返し流れる演出(以下「朝ロゴモード音声演出」と呼ぶ)が実行される。更に、枠ランプ66が特殊な発光態様で発光し続ける演出(以下「朝ロゴモード枠発光演出」と呼ぶ)と、盤ランプ5が特殊な発光態様で発光し続ける演出(以下「朝ロゴモード盤発光演出」と呼ぶ)とが実行される。
ここで朝ロゴモードに設定されているときに、第2の不正検知(第1大入賞口30の出口側不正通過検知)がなされた場合と、第3の不正検知(電波検知)がなされた場合とについて考えてみる。第2の不正検知の場合には第2エラー画像K2が表示されるのに対して、第3の不正検知の場合には第3エラー画像が表示されるため、表示画面7aでのエラー画像が異なることになる。しかしながら、仮に盤可動体駆動維持演出が実行されたままだとすると、動作位置にある盤可動体15によって表示画面7aがほとんど見えないことから、表示画面7aによりどちらの不正が行われたのか判別できなくなる。
そしてこれらの不正検知がなされた場合、朝ロゴモード音声演出が中止されて、何れの場合もスピーカ67からエラー音が出力される。また、朝ロゴモード枠発光演出が中止されて、何れの場合も枠ランプ66全体が緑色の発光態様で発光する。また、朝ロゴモード盤発光演出が中止されて、何れの場合も盤ランプ5が消灯する。つまり、スピーカ(演出手段)68と枠ランプ(演出手段)66と盤ランプ(演出手段)5で報知される不正の報知態様は、同じになっている。従って、スピーカ67と枠ランプ66と盤ランプ5でも、どちらの不正が行われたのか判別できなくなる。更に遊技場では、不正検知がなされた場合にパチンコ遊技機1の報知態様を監視カメラで録画しておき、後でどんな報知が行われたのかを確認及び検証することにしているが、録画した画像からどんな不正が行われたのかを判別できなくなってしまう。
そこで本形態では朝ロゴモードの設定中に、第2の不正検知(第1大入賞口30の出口側不正通過検知)がなされた場合には、盤可動体駆動維持演出を中止して、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させることにしている。これにより、表示画面7aに表示された第2エラー画像K2が十分見えるようになる。よって、第2の不正検知がなされたことを周囲に報知することが可能である。これに対して、第3の不正検知(電波検知)がなされた場合には、盤可動体駆動維持演出を中止しないで、盤可動体15が動作位置にある状態を維持しておく。このときには、表示画面7aに表示された第3エラー画像がほとんど見えない。しかしながら、スピーカ67からエラー音が出力される共に、枠ランプ66全体が緑色で発光しつつ、動作位置にある盤可動体15が待機位置へ復帰しないことから、第3の不正検知がなされたことを周囲に報知することが可能である。即ち、盤可動体駆動維持演出の中止の有無で、第1大入賞口30の出口側不正通過と電波検知のどちらがなされたのかを判別することが可能である。
ここで、第2の不正検知がなされた場合と、第3の不正検知がなされた場合とで、スピーカ67から出力される音声や、枠ランプ66或いは盤ランプ5の発光態様を変更する方法が考えられる。しかしながらこれら2つの場合、従来からエラー画像(エラー番号及び文字)の種類でどちらの不正検知がなされたのかを判別するのが慣習になっていて、急に変更すると現場の遊技場の従業員が混乱するおそれがある。そこで本形態では、既存の報知態様を変更せずに、盤可動体15の復帰の有無という簡易な方法で、上記した2つの不正検知を判別可能としている。
なお朝ロゴモードの設定中でその他の不正検知がなされた場合に、盤可動体15を待機位置へ復帰(盤可動体駆動維持演出を中止)させるか否かは、図16に示す通りである。即ち、第1の不正検知(磁気検知)の場合には、重大な不正行為として遊技を停止させるため、盤可動体15を待機位置へ復帰させる。第4の不正検知(扉開放検知)の場合には、枠ランプ66の発光色(黄色)によりその他の不正検知と区別できるため、盤可動体15が動作位置にある状態を維持させる。第5の不正検知(振動検知)、第6の不正検知(電チュー不正入賞検知)、第7の不正検知(大入賞口不正入賞検知)、又は第8の不正検知(特定領域不正通過検知)がなされた場合には、上述した第1〜第4の不正検知に比べて不正行為の重大度が低いため、盤可動体15が動作位置にある状態を維持させる。
次に、朝ロゴモードの設定中に第1〜第8の不正検知がなされることにより不正が報知された後、盤可動体駆動維持演出、朝ロゴモード音声演出、朝ロゴモード枠発光演出、及び朝ロゴモード盤発光演出(以下、これら演出をまとめて「朝ロゴモードでの演出」と呼ぶ)が全て復帰(再開)する復帰条件について説明する。なお本形態では、朝ロゴモードの設定中に第1〜第8の何れの不正検知がなされても、枠可動体駆動維持演出を中止しないようにしているが、中止するようにしても良い。この場合において、朝ロゴモードでの演出が全て復帰するのに伴って、枠可動体駆動維持演出も復帰するようにしても良い。
図16に示すように、第1の不正検知がなされた後に朝ロゴモードでの演出が全て復帰する復帰条件は、パチンコ遊技機1に対して電源が再投入されることである。即ち、上述したように遊技の継続が不可能となるため、電源が遮断されるまで朝ロゴモードでの演出が再開されことはない。これは以下の理由に基づく。磁気による不正は、パチンコ遊技機1を構成する電子部品等を故障させるおそれがあり、その他の不正に比べて遊技の進行への悪影響が大きくなり易い。従って、第1の不正検知がなされた場合には、磁気による不正を確実に止めさせるため、言い換えれば抑止力を高めるため、遊技を停止することにしている。そして遊技の停止に伴って、朝ロゴモードでの演出も全て中止させて、電源の再投入まで再開しないようにしている。なお磁気による不正では、電源が遮断されるまで不正が報知され続けることになる。
また第2の不正検知又は第3の不正検知がなされた後に朝ロゴモードでの演出が全て復帰する復帰条件は、不正検知がなされてから30秒が経過することである。即ち、第3の不正検知に基づく不正が報知されてから30秒が経過すると、朝ロゴモードでの演出が全て再開することになる。これは以下の理由に基づく。第1大入賞口30の出口側不正通過検知又は電波検知は、比較的不正行為の重大度が高いものの、磁気検知と異なり電源の遮断まで遊技を停止することにしない。仮に遊技を停止してしまうと、不正行為を行っていない周りの遊技者までが当該パチンコ遊技機1ですぐに遊技を行うことができなくなってしまい、スムーズな遊技の再開が阻害されるためである。従って、第2の不正検知又は第3の不正検知がなされた場合には、不正検知がなされてから30秒が経過すると、不正の報知を終了すると共に、朝ロゴモードでの演出を全て再開するようにしている。
また第4の不正検知がなされた後に朝ロゴモードでの演出が全て復帰する復帰条件は、不正検知がなされてから30秒が経過し、且つ扉開放検知センサ74がOFFになっていることである。即ち、第4の不正検知に基づく不正が報知されてから30秒が経過し、且つ遊技機枠50が閉鎖していると、朝ロゴモードでの演出が全て再開することになる。この理由は、上述した第2の不正検知がなされた場合又は第3の不正検知がなされた場合の理由と同様であるため、説明を省略する。
また第5の不正検知、第6の不正検知、第7の不正検知、又は第8の不正検知がなされた後に朝ロゴモードでの演出が全て復帰する復帰条件は、不正検知がなされてから10秒が経過することである。即ち、上記した各不正検知に基づく不正が報知されてから10秒が経過すると、朝ロゴモードでの演出が全て再開することになる。これは、以下の理由に基づく。振動検知、電チュー不正入賞検知、大入賞口不正入賞検知、又は特定領域不正通過検知は、上述した第1〜第4の不正検知に比べて不正行為の重大度が低い。従って、上述した不正検知よりも早くスムーズな遊技を再開させるために、第5の不正検知、第6の不正検知、第7の不正検知、又は第8の不正検知がなされた場合には、不正検知がなされてから10秒が経過すると、不正の報知を終了すると共に、朝ロゴモードでの演出を全て再開するようにしている。
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図46〜図67に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図46に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、枠中継基板98を介して枠可動体600を駆動させたり、ランプ制御基板107を介して盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図47に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、即ち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え(S4101でNO)、ONであれば(S4101でYES)主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図48に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図9参照)、セレクトボタン検出スイッチ68a、枠可動体復帰ボタン検出スイッチ323aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4309)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。また朝ロゴモードが設定されたタイミングでは、枠ランプ66及び盤ランプ5を特殊な発光態様で発光させるべく、後述の朝ロゴモード設定処理(S4402)でセットされたランプデータ(朝ロゴ用枠ランプデータ,朝ロゴ用盤ランプデータ)をランプ制御基板107に出力する。このようにして、ランプデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、SPリーチ中や大当たり演出中等の演出に合うタイミングで枠可動体600や盤可動体15を駆動させるべく、動作パターンデータ(枠可動体駆動データ、枠可動体復帰データ、盤可動体駆動データ、盤可動体復帰データ)を作成したり、出力したりする。また朝ロゴモードが設定されたタイミングでは、枠可動体600及び盤可動体15を駆動させるべく、後述の朝ロゴモード設定処理(S4402)でセットされた枠可動体駆動データ及び盤可動体駆動データを出力する。このようにして、枠可動体600を突出位置へ駆動させると共に、盤可動体15を動作位置へ駆動させる。
本形態では、枠可動体駆動データがRAM94の所定の駆動データバッファにセットされている限り、枠可動体600が突出位置にある状態が維持される。そして、枠可動体復帰データがRAM94の所定の駆動データバッファにセットされると、突出位置にある枠可動体600が収納位置へ復帰するようになっている。同様に、盤可動体駆動データがRAM94の所定の駆動データバッファにセットされている限り、盤可動体15が動作位置にある状態が維持される。そして、盤可動体復帰データがRAM94の所定の駆動データバッファにセットされると、動作位置にある盤可動体15が待機位置へ復帰するようになっている。
駆動制御処理(S4203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッ
グタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図49に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、後述する発展タイミング管理処理(S4302)、当選報知タイミング管理処理(S4303)、終了時間管理処理(S4304)を行う。
続いて、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理(S4305)を行う。そして、後述するスイッチ処理(S4306)、正常復帰確認処理(S4307)を行う。
次に、音声制御処理(S4308)を行う。音声制御処理(S4308)では、後述するその他の処理(S4309)で作成した音声データ(スピーカ67から音声の出力を制御するデータ)を音声制御基板106に出力したり、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。また朝ロゴモードが設定されたタイミングでは、本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲をスピーカ67で流すべく、後述の朝ロゴモード設定処理(S4402)でセットされた朝ロゴ用音声データを音声制御基板106に出力する。本形態では、RAM94の所定の音声データバッファに朝ロゴ用音声データがセットされている限り、スピーカ67から本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲が繰り返し流れるようになっている。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータを作成したり、音声データを作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4309)。
[受信コマンド解析処理]図50に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から電源投入コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)、後述する朝ロゴモード設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)、後述する変動演出終了処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理(S4408)を行う。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理(S4410)を行う。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理(S4412)を行う。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば客待ちデモ演出設定処理(S4414)を行う。客待ちデモ演出設定処理(S4414)では、演出制御用マイコン91は客待ちコマンドを受信してから変動演出が実行されずに所定の待機時間が経過したか否かを判定する。そして、所定の待機時間が経過したと判定すれば、客待ち用のデモ演出を実行するための客待ちデモ演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4416)。V通過報知演出開始処理では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。なお、V通過報知演出としては、例えば、画像表示装置7の表示画面7aに所定の画像を表示する演出や、特別の効果音をスピーカ67から出力する演出などが挙げられる。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から不正検知コマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していれば(S4417でYES)、後述する不正報知処理(S4418)を行う。
続いて、その他の処理(S4419)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば、上述したステップS413でセットされた普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[朝ロゴモード設定処理]図51に示すように、朝ロゴモード設定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているRTC99からRTC情報を取得してRAM94に格納する(S4501)。RTC情報は、現時点の日時(日付及び時刻)を示す情報である。従って演出制御用マイコン91は、取得したRTC情報により現時点が何時何分何秒であるかを把握することができる。
次に演出制御用マイコン91は、RAM94に格納したRTC情報に基づいて、現時点での時刻が朝ロゴモード設定期間(5時から12時までの間)であるか否かを判定する(S4502)。朝ロゴモード設定期間であれば(S4502でYES)、モードフラグに「2」をセットして(S4503)、ステップS4504に進む。モードフラグは設定されている演出モードを示すフラグであり、モードフラグの値が「1」であれば「通常モード」であり、モードフラグの値が「2」であれば「朝ロゴモード」であることを示している。なおモードフラグの初期設定は「1」である。こうして演出制御用マイコン91は、電源投入コマンドを受信したタイミングが5時から12時までの間であれば、モードフラグに「2」をセットして、朝ロゴモードに設定することになる。
ステップS4504では、演出制御用マイコン91は、ROM93に予め記憶されている枠可動体駆動データを読み出して、その枠可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする。これにより、枠可動体600は図3(A)に示す収納位置から図3(B)に示す突出位置へ変位する。その後に枠可動体復帰データがセットされない限り、枠可動体600は突出位置にある状態が維持されることになる。
続いてステップS4505では、演出制御用マイコン91は、ROM93に予め記憶されている盤可動体駆動データを読み出して、その盤可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする。これにより、盤可動体15は図5(A)に示す待機位置から図5(B)に示す動作位置へ変位する。その後に盤可動体復帰データがセットされない限り、盤可動体15は動作位置にある状態が維持されることになる。
続いてステップS4506では、演出制御用マイコン91は、ROM93に予め記憶されている朝ロゴ用枠ランプデータを読み出して、その朝ロゴ用枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットする。これにより、枠ランプ66は特殊な発光態様で発光する。その後に通常用枠ランプデータ等、その他の枠ランプデータがセットされない限り、枠ランプ66が特殊な発光態様で発光し続けることになる。
続いてステップS4507では、演出制御用マイコン91は、ROM93に予め記憶されている朝ロゴ用盤ランプデータを読み出して、その朝ロゴ用盤ランプデータをRAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットする。これにより、盤ランプ5は特殊な発光態様で発光する。その後に朝ロゴ用盤ランプデータがクリアされたり、通常用盤ランプデータ等、その他の盤ランプデータがセットされない限り、盤ランプ5が特殊な発光態様で発光し続けることになる。
続いてステップS4508では、演出制御用マイコン91は、ROM93に予め記憶されている朝ロゴ用音声データを読み出して、その朝ロゴ用音声データをRAM94の所定の音声データバッファにセットする。これにより、スピーカ67から本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲が流れる。その後に朝ロゴ用音声データがクリアされたり、その他の音声データがセットされない限り、本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲がスピーカ67から繰り返し流れることになる。
そしてステップS4509では、残変動回数カウンタに「10」をセットして、本処理を終える。残変動回数カウンタは、朝ロゴモードに設定されてから特別図柄の変動表示が行われた回数をカウントするためのものである。本形態では朝ロゴモードに設定されてから特別図柄の変動表示が10回行われると、残変動回数カウンタの値が「0」になるようにしている。
一方、ステップS4502で朝ロゴモード設定期間(5時から12時までの間)でないと判定すれば、通常モードに設定されることになる。そのため、ステップS4510に進み、通常用背景表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。通常用背景表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、通常の背景画像を表示画面7aに表示する。こうして、電源が投入されたときに朝ロゴモードに設定されない場合には、表示画面7aに何も表示されないのを回避すべく、通常の背景画像が表示される。一方、朝ロゴモードに設定される場合には、表示画面7aに何も表示されないことになる。
続いて、ステップS4511では、通常用枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットする。これにより、枠ランプ66は通常の発光態様で発光する。そして、ステップS4512では、通常用盤ランプデータをRAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットする。これにより、盤ランプ5は通常の発光態様で発光する。
[変動演出開始処理]図52に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報、又は、特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した変動パターンの情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
続いて、演出制御用マイコン91は、後述する変動演出パターン選択処理を行う(S4602)。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4603)、本処理を終える。ステップS4803でセットした変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて表示画面7a(表示画面7aの全域又は左下部領域7b)にて変動演出を行う。
[変動演出パターン選択処理]図53に示すように、変動演出パターン選択処理(S4602)ではまず、演出制御用マイコン91は、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S4701)。モードフラグの値が「2」であれば(S4701でYES)、ステップS4601で変動開始コマンドにより取得した変動パターンが、SPリーチB(図14参照)の実行を示すものであるか否かを判定する。即ち、変動パターンP2,P5,P12,P15のいずれかであるか否かを判定する。後述するように、本形態では朝ロゴモードに設定されている場合に、SPリーチBの実行を示す変動パターンP2,P5,P12,P15が決定されている場合に限って、SPリーチBに換えて特殊SPリーチを実行するようになっている。
ステップS4702でSPリーチBの実行を示す変動パターンP2,P5,P12,P15でなければ、次に大当たり当選を示す変動パターン(具体的には変動パターンP1,P3,P11,P13,P31,P41)であるか否かを判定する。大当たり当選を示す変動パターンであれば(S4703でYES)、当選報知フラグをONにする(S4704)。当選報知フラグは、当選報知演出に係る変動演出の実行中であることを示すフラグでる。そして、残時間タイマの値に当選報知タイミングまでの時間をセットすると共に(S4705)、当選報知演出パターンを選択して(S4706)、ステップS4707に進む。当選報知タイミングまでの時間とは、変動演出の実行開始から上述した当選報知演出(図69(B)参照)の実行開始までの時間であり、本形態では35秒に設定される。一方、ステップS4703で大当たり当選を示す変動パターンでなければ(S4703でNO)、そのままステップS4707に進む。
これらに対して、ステップS4702でSPリーチBの実行を示す変動パターンP2,P5,P12,P15であれば、特殊SPリーチフラグをONにする(S4708)。特殊SPリーチフラグは、特殊SPリーチに係る変動演出の実行中であることを示すフラグである。そして、残時間タイマの値にSPリーチ発展タイミングまでの時間をセットすると共に(S4709)、特殊SPリーチパターンを選択して(S4710)、ステップS4707に進む。SPリーチ発展タイミングまでの時間とは、変動演出の実行開始からノーマルリーチを経て特殊SPリーチに発展するタイミングまでの時間であり、本形態では20秒に設定される。
なお、当否判定の結果が大当たり当選であることを示す変動パターンP2又はP12であれば、主人公キャラが特殊な敵キャラに勝利するバトル勝利演出を実行する特殊SPリーチパターンが選択される。一方、当否判定の結果がハズレであることを示す変動パターンP5又はP15であれば、主人公キャラが特殊な敵キャラに敗北するバトル敗北演出を実行する特殊SPリーチパターンが選択されることになる。また本形態では、遊技制御用マイコン81により決定された変動パターンに基づいて特殊SPリーチパターンを決定するようにしたが、演出制御用マイコン91が抽選により特殊SPリーチパターンを決定するようにしても良い。
ステップS4707では、左下用変動演出パターンを選択して、本処理を終える。左下用変動演出パターンとは、表示画面7aの左下部領域7bで実行される演出図柄6L,6C,6Rの変動演出(図5(B)参照)における変動演出パターンである。
こうして朝ロゴモードの設定中に、選択された当選報知演出パターン及び左下用変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動開始コマンドがセットされる場合がある(S4603)。この場合には先ず、図69(A)に示すように、盤可動体15が動作位置にある状態で、表示画面7aの左下部領域7bで演出図柄6L,6C,6Rの変動演出が実行される。そして、当選報知演出が実行されるタイミングになると、動作位置にある盤可動体15が待機位置に復帰して、図69(B)に示すように、表示画面7aの全域にて当選報知演出が実行される。その後、図69(C)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが停止表示(確定表示)されることになる。
また朝ロゴモードの設定中に、選択された特殊SPリーチパターン及び左下用変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動開始コマンドがセットされる場合がある(S4603)。この場合には先ず、図70(A)に示すように、盤可動体15が動作位置にある状態で、表示画面7aの左下部領域7bで演出図柄6L,6C,6Rの変動演出が実行される。そして、特殊SPリーチに発展するタイミングになると、動作位置にある盤可動体15が待機位置に復帰して、図70(B)に示すように、表示画面7aの全域にて特殊SPリーチが実行されることになる。
また朝ロゴモードの設定中に、左下用変動演出パターンのみで変動演出を開始するための変動開始コマンドがセットされる場合がある(S4603)。この場合には、盤可動体15が動作位置にある状態で、表示画面7aの左下部領域7bで演出図柄6L,6C,6Rの変動演出が実行される。そして、盤可動体15が動作位置にある状態のまま、演出図柄6L,6C,6Rがハズレ停止態様で停止表示されることになる。
一方、ステップS4701でモードフラグの値が「2」ではない、即ち通常モードに設定されていれば、通常変動演出パターンの選択を行って(S4711)、本処理を終える。通常変動演出パターンとは、表示画面7aの全域で実行される演出図柄8L,8C,8R(図4参照)の変動演出における演出パターンである。具体的にステップS4711においては、変動演出パターン決定用乱数の取得及び判定や、演出決定用乱数の取得及び判定等が行われ、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。こうして選択された通常変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動開始コマンドがセットされる(S4603)。これにより、表示画面7aの全域で演出図柄8L,8C,8Rの変動演出が実行されることになる。
[変動演出終了処理]図54に示すように、変動演出終了処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S4801)。そして、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4802)。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、演出図柄8L,8C,8R又は演出図柄6L,6C,6Rを所定の停止態様で停止表示する。
続いてステップS4803では、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する。通常モードに設定されていれば(S4803でNO)、直ちに処理を終える。一方、朝ロゴモードに設定されていれば(S4803でYES)、残変動消化フラグがONであるか否かを判定する(S4804)。残変動消化フラグは、朝ロゴモードが設定されてから特別図柄の変動表示が10回行われたことを示すフラグである。残変動消化フラグがONでなければ(S4804でNO)、残変動回数カウンタの値を1だけ減算して(S4808)、残変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S4809)。「0」でなければ(S4809でNO)、処理を終える。一方、「0」であれば(S4809でYES)、残変動消化フラグをONにして(S4810)、処理を終える。
またステップS4804で残変動消化フラグがONであれば、12秒変動が実行されたか否かを判定する(S4805)。12秒変動とは、変動時間が12秒である特別図柄の変動表示のことである。つまりステップS4805では、実行した特別図柄の変動表示に係る変動パターンが、変動パターンP7又はP34(図14参照)であるか否かを判定する。12秒変動でなければ(S4805でNO)、処理を終える。一方、12秒変動であれば(S4805でYES)、後述する朝ロゴモード終了処理を行う(S4806)。そして、朝ロゴモード終了演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4807)、処理を終える。セットした朝ロゴモード終了演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信されると、朝ロゴモード終了演出が実行される。朝ロゴモード終了演出は、朝ロゴモードの終了を遊技者に報知するための演出であり、図68(D)に示すように表示画面7aに「朝LOGO終了」の文字画像E1を表示するようになっている。なお朝ロゴモード終了演出は、「朝ロゴ終了」から成る音声をスピーカ67から出力するなど、その他の演出態様であっても良い。
[朝ロゴモード終了処理]朝ロゴモード終了処理は、上述した変動演出終了処理(S4406)の中の一処理(S4806)である他に、後述する発展タイミング管理処理(S4302)の中の一処理(S4904)、後述する当選報知タイミング管理処理(S4303)の中の一処理(S5004)、後述する終了時間管理処理(S4304)の中の一処理(S5104)でもあるため、以下にまとめて説明する。図55に示すように、朝ロゴモード終了処理(S4806,S4904,S5004,S5104)ではまず、演出制御用マイコン91は、モードフラグに「1」をセットする(S6001)。これにより朝ロゴモードから通常モードに変更される。
次に、枠可動体復帰データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S6002)。なおこのときには、セットされている枠可動体駆動データがクリアされる。これにより、枠可動体600は突出位置から収納位置へ復帰する。また、盤可動体復帰データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S6003)。なおこのときには、セットされている盤可動体駆動データがクリアされる。これにより、盤可動体15は動作位置から待機位置へ復帰する。
続いて、通常用枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットする(S6004)。なおこのときには、セットされている朝ロゴ用枠ランプデータがクリアされる。これにより、枠ランプ66は特殊な発光態様から通常の発光態様で発光するように切替わる。また、通常用盤ランプデータをRAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットする(S6005)。なおこのときには、セットされている朝ロゴ用盤ランプデータがクリアされる。これにより、盤ランプ5は特殊な発光態様から通常の発光態様で発光するように切替わる。
そして、RAM94の所定の音声データバッファにセットされている朝ロゴ音声データがクリアされる(S6006)。これにより、スピーカ67から本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲が繰り返し流れなくなる。このようにして、朝ロゴモードの設定から通常モードの設定に切替われば、枠可動体駆動維持演出、盤可動体駆動維持演出、朝ロゴモード枠発光演出、朝ロゴモード盤発光演出、及び朝ロゴモード音声演出が終了することになる。
[不正報知処理]不正報知処理(S4418)は、主制御基板80から送信された不正検知コマンド(図16参照)の受信に基づいて、表示画面7a、スピーカ67、枠ランプ66、又は盤ランプ5を用いて不正の報知を行う処理である。図56に示すように、不正報知処理(S4418)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した不正検知コマンドを解析する(S6000)。不正検知コマンドには、図16に示すように、どんな不正検知が行われたのかを示す情報が含まれている。
ステップS6100では、磁気検知が行われたと判定すれば、即ち不正検知コマンドが「E1H11H」(図16参照)を示すものであれば、ステップS6101に進む。ステップS6101では、赤背景画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。続いて、ステップS6102では、第1エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。赤背景画像表示コマンド及び第1エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図72(B)に示すように、赤色の背景と共に、「エラー1、磁気検出異常、電源を再投入してください」という文字を示す第1エラー画像K1を表示画面7aに表示する。この表示により、磁気検出異常が生じていて、電源を再投入しなければならない状況を周囲に把握させることが可能である。
ステップS6102に続いて、ステップS6103では、遊技停止音声データをRAM94の所定の音声データバッファにセットする。これにより、スピーカ67から遊技停止音が出力されるため、磁気による不正行為を行っている遊技者に対して聴覚で遊技が継続できないことを把握させることが可能である。更に、ステップS6104では、白色枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットすると共に、ステップS6104では、RAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットされている盤ランプデータをクリアする。これらにより、枠ランプ66全体が白色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯するため、枠ランプ66及び盤ランプ5の発光態様でも磁気検出異常が生じているのを周囲に把握させることが可能である。
そして、ステップS6106では、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する。朝ロゴモードに設定されていれば(S6106でYES)、盤可動体復帰データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S6107)。これにより、朝ロゴモード設定中に磁気検知がなされた場合には、動作位置にある盤可動体15が待機位置へ復帰する。よって、第1エラー画像K1を見えるようにすることが可能である。一方、ステップS6106で朝ロゴモードに設定されていないと判定すれば、ステップS6107をパスして、ステップS6108に進む。ステップS6108では、異常フラグに「1」をセットして、本処理を終える。
ここで異常フラグについて説明する。異常フラグは、第1〜第8の不正検知に基づいてどの不正を報知中であるかを示すフラグである。異常フラグの値が「1」であれば、磁気検知(第1の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。なお異常フラグの値が「0」であれば、不正を報知中でないことを示していて、初期設定では異常フラグの値は「0」である。
またステップS6100で磁気検知が行われていないと判定すれば、ステップS6200に進む。ステップS6200では、第1大入賞口30の出口側不正通過検知が行われたか否か、即ち不正検知コマンドが「E1H12H」(図16参照)を示すものであるか否かを判定する。第1大入賞口30の出口側不正通過検知が行われたと判定すれば(S6200でYES)、図57に示すように、ステップS6201に進む。ステップS6201では、第2エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。第2エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図73(B)に示すように、「エラー2、大入賞口異常排出」という文字を示す第2エラー画像K2を表示画面7aに表示する。この表示により、大入賞口異常排出が生じている状況を周囲に把握させることが可能である。なお第1大入賞口(V大入賞口)30の出口側不正通過検知に係る不正が、「第1の不正」に相当する。
ステップS6201に続いて、ステップS6202では、エラー音声データをRAM94の所定の音声データバッファにセットする。これにより、スピーカ67からエラー音が出力される。更に、ステップS6203では、緑色枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットすると共に、ステップS6204では、RAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットされている盤ランプデータをクリアする。これらにより、枠ランプ66全体が緑色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯する。
そして、ステップS6205では、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する。朝ロゴモードに設定されていれば(S6205でYES)、盤可動体復帰データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S6107)。これにより、朝ロゴモード設定中に大入賞口異常排出がなされた場合には、動作位置にある盤可動体15が待機位置へ復帰する。よって、第2エラー画像K2を見えるようにすることが可能である。こうして、朝ロゴモードの設定中でも第2エラー画像K2が見えることにより、大入賞口異常排出がなされた場合と後述する不正電波検出がなされた場合とを判別することが可能となる。
一方、ステップS6205で朝ロゴモードに設定されていないと判定すれば、ステップS6206をパスして、ステップS6207に進む。ステップS6207では、異常フラグに「2」をセットする。異常フラグの値が「2」であれば、第1大入賞口30の出口側不正通過検知(第2の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。続いて、ステップS6208では、第2異常タイマに「30秒」をセットして、本処理を終える。第2異常タイマは、第1大入賞口30の出口側不正通過検知に基づく不正の報知がされなくなるまでの残り時間、即ち朝ロゴモードでの演出が全て復帰するまでの残り時間をカウントするためのものである。なお、磁気検知に基づく不正の報知は電源が遮断されるまで続くため、第1異常タイマは設けられていない。
また図56に示すステップS6200で第1大入賞口30の出口側不正通過検知が行われていないと判定すれば、ステップS6300に進む。ステップS6300では、電波検知が行われたか否か、即ち不正検知コマンドが「E1H13H」(図16参照)を示すものであるか否かを判定する。電波検知が行われたと判定すれば(S6300でYES)、図57に示すように、ステップS6301に進む。ステップS6301では、第3エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。第3エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、「エラー3、不正電波検出」という文字を示す第3エラー画像を表示画面7aに表示する。この表示により、不正電波検出が生じている状況を周囲に把握させることが可能である。但し朝ロゴモードの設定中では、盤可動体15が動作位置にあるため、第3エラー画像は見えないことになる。
ステップS6301に続いて、ステップS6302では、エラー音声データをRAM94の所定の音声データバッファにセットする。これにより、スピーカ67からエラー音が出力される。更に、ステップS6303では、緑色枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットすると共に、ステップS6304では、RAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットされている盤ランプデータをクリアする。これらにより、枠ランプ66全体が緑色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯する。こうして、朝ロゴモードの設定中に電波検知がなされた場合には、エラー画像を除いて大入賞口異常排出と同じ報知態様で不正を報知することになるが、盤可動体15が待機位置へ復帰しないことにより、不正電波検出が生じている状況を周囲に把握させることが可能である。
そして、ステップS6305では、異常フラグに「3」をセットする。異常フラグの値が「3」であれば、電波検知(第3の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。続いて、ステップS6306では、第3異常タイマに「30秒」をセットして、本処理を終える。第3異常タイマは、電波検知に基づく不正の報知がされなくなるまでの残り時間、即ち朝ロゴモードでの演出が全て復帰するまでの残り時間をカウントするためのものである。
また図56に示すステップS6300で電波検知が行われていないと判定すれば、ステップS6400に進む。ステップS6400では、扉開放検知が行われたか否か、即ち不正検知コマンドが「E1H14H」(図16参照)を示すものであるか否かを判定する。扉開放検知が行われたと判定すれば(S6400でYES)、図57に示すように、ステップS6401に進む。ステップS6401では、第4エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。第4エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、「エラー4、扉が開放しています」という文字を示す第4エラー画像を表示画面7aに表示する。この表示により、遊技機枠50が開放している状況を周囲に把握させることが可能である。但し朝ロゴモードの設定中では、盤可動体15が動作位置にあるため、第4エラー画像は見えないことになる。
ステップS6401に続いて、ステップS6402では、扉開放音声データをRAM94の所定の音声データバッファにセットする。これにより、スピーカ67から「扉が開いております」という音声が1回出力された後、無音になる。更に、ステップS6403では、黄色枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットすると共に、ステップS6404では、RAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットされている盤ランプデータをクリアする。これらにより、枠ランプ66全体が黄色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯するため、枠ランプ66及び盤ランプ5の発光態様で遊技機枠50が開放しているのを周囲に把握させることが可能である。
そして、ステップS6405では、異常フラグに「4」をセットする。異常フラグの値が「4」であれば、扉開放検知(第4の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。続いて、ステップS6406では、第4異常タイマに「30秒」をセットして、本処理を終える。第4異常タイマは、扉開放検知に基づく不正の報知がされなくなるまでの残り時間、即ち朝ロゴモードでの演出が全て復帰するまでの残り時間をカウントするためのものである。
また図56に示すステップS6400で扉開放検知が行われていないと判定すれば、ステップS6500に進む。ステップS6500では、振動検知が行われたか否か、即ち不正検知コマンドが「E1H15H」(図16参照)を示すものであるか否かを判定する。振動検知が行われたと判定すれば(S6500でYES)、図57に示すように、ステップS6501に進む。ステップS6501では、第5エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。第5エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、「エラー5、振動検出異常」という文字を示す第5エラー画像を表示画面7aに表示する。この表示により、振動検出異常が生じている状況を周囲に把握させることが可能である。但し朝ロゴモードの設定中では、盤可動体15が動作位置にあるため、第5エラー画像は見えないことになる。
なお、振動検知が行われた場合には、表示画面7aに第5エラー画像を表示させる以外に、不正の報知を行わない。これは、遊技者によって作為的に振動を生じさせる場合(不正行為)の他に、接触等によって不作為的に振動が生じてしまう場合もあり得ることを考慮して、振動検知をその他の不正検知に比べて不正行為の重大度を低くしているためである。
ステップS6501に続いて、ステップS6502では、異常フラグに「5」をセットする。異常フラグの値が「5」であれば、振動検知(第5の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。続いて、ステップS6503では、第5異常タイマに「10秒」をセットして、本処理を終える。第5異常タイマは、振動検知に基づく不正の報知がされなくなるまでの残り時間、即ち朝ロゴモードでの演出が全て復帰するまでの残り時間をカウントするためのものである。
また図56に示すステップS6500で振動検知が行われていないと判定すれば、ステップS6600に進む。ステップS6600では、電チュー不正入賞検知が行われたか否か、即ち不正検知コマンドが「E1H16H」(図16参照)を示すものであるか否かを判定する。電チュー不正入賞検知が行われたと判定すれば(S6600でYES)、図58に示すように、ステップS6601に進む。ステップS6601では、第6エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。第6エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、「エラー6、電チュー異常入賞」という文字を示す第6エラー画像を表示画面7aに表示する。この表示により、電チュー異常入賞が生じている状況を周囲に把握させることが可能である。但し朝ロゴモードの設定中では、盤可動体15が動作位置にあるため、第6エラー画像は見えないことになる。
ステップS6601に続いて、ステップS6602では、青色枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットする。更に、ステップS6603では、RAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットされている盤ランプデータをクリアする。これらにより、枠ランプ66全体が青色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯する。
そして、ステップS6604では、異常フラグに「6」をセットする。異常フラグの値が「6」であれば、電チュー不正入賞検知(第6の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。続いて、ステップS6605では、第6異常タイマに「10秒」をセットして、本処理を終える。第6異常タイマは、電チュー不正入賞検知に基づく不正の報知がされなくなるまでの残り時間、即ち朝ロゴモードでの演出が全て復帰するまでの残り時間をカウントするためのものである。
また図56に示すステップS6600で電チュー不正入賞検知が行われていないと判定すれば、ステップS6700に進む。ステップS6700では、大入賞口不正入賞検知が行われたか否か、即ち不正検知コマンドが「E1H17H」(図16参照)を示すものであるか否かを判定する。大入賞口不正入賞検知が行われたと判定すれば(S6700でYES)、図58に示すように、ステップS6701に進む。ステップS6701では、第7エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。第7エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、「エラー7、大入賞口異常入賞」という文字を示す第7エラー画像を表示画面7aに表示する。この表示により、大入賞口異常入賞が生じている状況を周囲に把握させることが可能である。但し朝ロゴモードの設定中では、盤可動体15が動作位置にあるため、第7エラー画像は見えないことになる。
ステップS6701に続いて、ステップS6702では、青色枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットする。更に、ステップS6703では、RAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットされている盤ランプデータをクリアする。これらにより、枠ランプ66全体が青色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯する。
そして、ステップS6704では、異常フラグに「7」をセットする。異常フラグの値が「7」であれば、大入賞口不正入賞検知(第7の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。続いて、ステップS6705では、第7異常タイマに「10秒」をセットして、本処理を終える。第7異常タイマは、大入賞口不正入賞検知に基づく不正の報知がされなくなるまでの残り時間、即ち朝ロゴモードでの演出が全て復帰するまでの残り時間をカウントするためのものである。
また図56に示すステップS6700で大入賞口不正入賞検知が行われていないと判定すれば、特定領域不正通過検知が行われたことになり、図58に示すように、ステップS6801に進む。ステップS6801では、第8エラー表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。第8エラー表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、「エラー8、特定領域異常通過」という文字を示す第8エラー画像を表示画面7aに表示する。この表示により、特定領域異常通過が生じている状況を周囲に把握させることが可能である。但し朝ロゴモードの設定中では、盤可動体15が動作位置にあるため、第8エラー画像は見えないことになる。
ステップS6801に続いて、ステップS6802では、青色枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットする。更に、ステップS6803では、RAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットされている盤ランプデータをクリアする。これらにより、枠ランプ66全体が青色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯する。
そして、ステップS6804では、異常フラグに「8」をセットする。異常フラグの値が「8」であれば、特定領域不正通過検知(第8の不正検知)に基づく不正を報知中であることを示している。続いて、ステップS6805では、第8異常タイマに「10秒」をセットして、本処理を終える。第8異常タイマは、大入賞口不正入賞検知に基づく不正の報知がされなくなるまでの残り時間、即ち朝ロゴモードでの演出が全て復帰するまでの残り時間をカウントするためのものである。
[発展タイミング管理処理]演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4301)に次いで発展タイミング管理処理(S4302)を行う(図49参照)。発展タイミング管理処理(S4302)では、図59に示すように、先ず特殊SPリーチフラグがONであるか否かを判定する(S4901)。ONでなければ(S4901でNO)、直ちに処理を終える。一方、ONであれば(S4901でYES)、残時間タイマの値を減算する。なお上述したように、特殊SPリーチに係る変動演出の開始時点で、残時間タイマの値には特殊SPリーチに発展するタイミングまでの時間(20秒)がセットされている(S4709参照)。そして、残時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S4903)。「0」でなければ(S4903でNO)、特殊SPリーチに発展するタイミングではないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S4903でYES)、特殊SPリーチに発展するタイミングであるため、上述した朝ロゴモード終了処理(S4904)を行う。その後、特殊SPリーチフラグをOFFして(S4905)、本処理を終える。
[当選報知タイミング管理処理]演出制御用マイコン91は、発展タイミング管理処理(S4302)に次いで当選報知タイミング管理処理(S4303)を行う(図49参照)。当選報知タイミング管理処理(S4303)では、図60に示すように、先ず当選報知フラグがONであるか否かを判定する(S5001)。ONでなければ(S5001でNO)、直ちに処理を終える。一方、ONであれば(S5001でYES)、残時間タイマの値を減算する。なお上述したように、当選報知演出に係る変動演出の開始時点で、残時間タイマの値には当選報知タイミングまでの時間(35秒)がセットされている(S4705参照)。そして、残時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S5003)。「0」でなければ(S5003でNO)、当選報知演出の実行開始のタイミングではないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S5003でYES)、当選報知演出の実行開始のタイミングであるため、上述した朝ロゴモード終了処理(S5004)を行う。その後、当選報知フラグをOFFして(S5005)、本処理を終える。
[終了時間管理処理]演出制御用マイコン91は、当選報知タイミング管理処理(S4303)に次いで終了時間管理処理(S4304)を行う(図49参照)。終了時間管理処理(S4304)では、図61に示すように、先ずモードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S5101)。朝ロゴモードに設定されていなければ(S5101でNO)、直ちに処理を終える。一方、朝ロゴモードに設定されていれば(S5101でYES)、演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているRTC99からRTC情報を取得してRAM94に格納する(S5102)。そして、RAM94に格納したRTC情報に基づいて、現時点での時刻が朝ロゴモード終了時間(12時)であるか否かを判定する(S5103)。朝ロゴモード終了時間でなければ(S5103でNO)、処理を終える。一方、朝ロゴモード終了時間であれば(S5103でYES)、上述した朝ロゴモード終了処理(S5104)を行う。その後、遊技者に朝ロゴモードの終了を報知すべく、朝ロゴモード終了演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5105)、本処理を終える。こうして、朝ロゴモードの設定中に12時になれば、図71(B)に示すように表示画面7aに「朝LOGO終了」の文字画像E1が表示されることになる。
[スイッチ処理]演出制御用マイコン91は、終了時間管理処理(S4304)及びスイッチ状態取得処理(S4305)に次いで、スイッチ処理(S4306)を行う(図49参照)。スイッチ処理(S4306)では、図62に示すように、先ず枠可動体駆動データがRAM94の所定の駆動データバッファにセットされているか否かを判定する(S5201)。セットされていなければ(S5201でNO)、直ちに処理を終える。セットされていれば(S5201でYES)、枠可動体復帰ボタン検出スイッチ323aがONされているか否かを判定する(S5202)。ONされていなければ(S5202でNO)、処理を終える。一方、ONされていれば(S5202でYES)、枠可動体復帰データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットして(S5203)、本処理を終える。
こうして朝ロゴモードの設定中に、枠可動体600が突出位置にあっても、枠可動体復帰ボタン323を押下操作すれば、枠可動体600を収納位置へ復帰させることが可能である。よって遊技者の意思に応じて、上方設置物(データカウンタ160等(図3(A)(B)参照))が見え難いまま遊技を行うのを回避させることが可能である。なお朝ロゴモードに設定されているときに、枠可動体復帰ボタン323を押下操作しても、枠可動体600が突出位置にある状態が維持されるようにしても良い。悪戯等によって遊技機グループ170にある各パチンコ遊技機1の枠可動体600が待機位置に復帰してしまい、朝ロゴモードの演出としての効果が損なわれるのを回避できるためである。
[正常復帰確認処理]演出制御用マイコン91は、スイッチ処理(S4306)に次いで、正常復帰確認処理(S4307)を行う(図49参照)。正常復帰確認処理(S4307)は、不正の報知を終了させて正常な演出の状態に復帰させるための処理である。図63に示すように、正常復帰確認処理(S4307)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1異常フラグの値が「1」であるか否かを判定する。「1」であれば(S7100でYES)、磁気検知に基づく不正の報知中になるため、本処理を終える。つまり磁気検知がなされた後では、電源が遮断されるまで遊技が中止されて、正常な演出の状態に復帰しないことになる(図72(B)(C)参照)。
ステップS7100で異常フラグの値が「1」でなければ、ステップS7200に進む。ステップS7200では、異常フラグの値が「2」であるか否かを判定する。異常フラグの値が「2」であれば(S7200でYES)、第1大入賞口30の出口側不正通過検知に基づく不正の報知中になり、図64に示すステップS7201に進む。ステップS7201では、第2異常タイマの値を減算する。そして、第2異常タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7202)。「0」でなければ(S7202でNO)、正常な演出の状態に復帰させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7202でYES)、続いて、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S7203)。
モードフラグの値が「2」であれば(S7203)、待機位置にある盤可動体15を動作位置へ駆動させるため、盤可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S7204)。つまり、朝ロゴモードの設定中に第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされた場合には、動作位置にある盤可動体15は待機位置へ復帰する(図73(A)(B)参照)。その後(30秒後)に、正常な演出の状態に復帰させるタイミングになると、待機位置にある盤可動体15は動作位置へ駆動することになる(図73(C)参照)。ステップS7204の後、朝ロゴ演出復帰処理を行って(S7205)、ステップS7207に進む。ここで、朝ロゴ演出復帰処理(S7205)について先に説明しておく。
[朝ロゴ演出復帰処理]朝ロゴ演出復帰処理は、正常復帰確認処理(S4307)の各処理(S7205,S7304,S7405,S7504,S7604,S7704,S7804)で実行されるため、以下にまとめて説明する。図67に示すように、朝ロゴ演出復帰処理(S7205,S7304,S7405,S7504,S7604,S7704,S7804)ではまず、演出制御用マイコン91は、エラー画像中止コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7900)。エラー画像中止コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示中のエラー画像(第2エラー画像K2、第3エラー画像、第4エラー画像、第5エラー画像、第6エラー画像、第7エラー画像、第8エラー画像)を中止させる。つまり正常な演出の状態に復帰するタイミングで、表示画面7aには何も表示されなくなる。
次にステップS7901では、朝ロゴ用音声データをRAM94の所定の音声データバッファにセットする。これにより、スピーカ67から本パチンコ遊技機1のメインテーマ曲が流れることになる。つまり正常な演出の状態に復帰するタイミングで、朝ロゴモード音声演出が再開する。なお第5〜第8の不正検知(振動検知、電チュー不正入賞検知、大入賞口不正入賞検知、特定領域不正通過検知)の場合には、朝ロゴモード音声演出は中止されていないため、そのまま継続することになる。
続いてステップS7902では、朝ロゴ用枠ランプデータをRAM94の所定の枠ランプデータバッファにセットする。これにより、枠ランプ66が特殊な発光態様で発光することになる。つまり正常な演出の状態に復帰するタイミングで、朝ロゴモード枠発光演出が再開する。なお第5の不正検知(振動検知)の場合には、朝ロゴモード枠発光演出は中止されていないため、そのまま継続することになる。
そしてステップS7903では、朝ロゴ用盤ランプデータをRAM94の所定の盤ランプデータバッファにセットして、本処理を終える。これにより、盤ランプ5が特殊な発光態様で発光することになる。つまり正常な演出の状態に復帰するタイミングで、朝ロゴモード盤発光演出が再開する。なお第5の不正検知(振動検知)の場合には、朝ロゴモード盤発光演出は中止されていないため、そのまま継続することになる。
図64に示す正常復帰確認処理(S4307)の説明に戻る。ステップS7203でモードフラグの値が「2」ではないと判定すれば、即ち通常モードに設定されていると判定すれば、通常復帰処理(S7206)を行って、ステップS7207に進む。通常復帰処理(S7206)は、第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされる前の演出の状態に復帰する処理である。ステップS7207では、異常フラグに「0」をセットして、本処理を終える。
また図63に示すステップS7200で異常フラグの値が「2」でなければ、次に、異常フラグの値が「3」であるか否かを判定する(S7300)。異常フラグの値が「3」であれば(S7300でYES)、電波検知に基づく不正の報知中になり、図64に示すステップS7301に進む。ステップS7301では、第3異常タイマの値を減算する。そして、第3異常タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7302)。「0」でなければ(S7302でNO)、正常な演出の状態に復帰させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7302でYES)、続いて、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S7303)。
モードフラグの値が「2」であれば(S7303でYES)、朝ロゴ演出復帰処理を行って(S7304)、ステップS7306に進む。こうして朝ロゴモードの設定中に電波検知がなされた場合には、その後(30秒後)に、正常な演出の状態に復帰させるタイミングになって、上述した朝ロゴ演出復帰処理(S7304、図67参照)が実行されることになる。一方、モードフラグの値が「2」でないと判定すれば(S7303でNO)、通常復帰処理(S7305)を行って、ステップS7306に進む。通常復帰処理(S7305)は、電波検知がなされる前の演出の状態に復帰する処理である。ステップS7306では、異常フラグに「0」をセットして、本処理を終える。
また図63に示すステップS7300で異常フラグの値が「3」でなければ、次に、異常フラグの値が「4」であるか否かを判定する(S7400)。異常フラグの値が「4」であれば(S7400でYES)、扉開放検知に基づく不正の報知中になり、図64に示すステップS7401に進む。ステップS7401では、第4異常タイマの値を減算する。そして、第4異常タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7402)。「0」でなければ(S7402でNO)、正常な演出の状態に復帰させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7402でYES)、続いて、遊技機枠50が閉鎖されているか否かを判定する(S7403)。つまり、主制御基板80から扉開放検知センサ74がONとなっている信号を受信していないか否かを判定する。遊技機枠50が閉鎖されていなければ(S7403でNO)、本処理を終える。これに対して、遊技機枠50が閉鎖されていれば(S7403でYES)、続いて、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S7404)。
モードフラグの値が「2」であれば(S7404でYES)、朝ロゴ演出復帰処理を行って(S7405)、ステップS7407に進む。こうして朝ロゴモードの設定中に扉開放検知がなされた場合には、その後(30秒後)に遊技機枠50が閉鎖していれば、上述した朝ロゴ演出復帰処理(S7405、図67参照)が実行されることになる。一方、モードフラグの値が「2」でないと判定すれば(S7404でNO)、通常復帰処理(S7406)を行って、ステップS7407に進む。通常復帰処理(S7406)は、扉開放検知がなされる前の演出の状態に復帰する処理である。ステップS7407では、異常フラグに「0」をセットして、本処理を終える。
また図63に示すステップS7400で異常フラグの値が「4」でなければ、次に、異常フラグの値が「5」であるか否かを判定する(S7500)。異常フラグの値が「5」であれば(S7500でYES)、振動検知に基づく不正の報知中になり、図65に示すステップS7501に進む。ステップS7501では、第5異常タイマの値を減算する。そして、第5異常タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7502)。「0」でなければ(S7502でNO)、正常な演出の状態に復帰させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7502でYES)、続いて、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S7503)。
モードフラグの値が「2」であれば(S7503でYES)、朝ロゴ演出復帰処理を行って(S7504)、ステップS7506に進む。こうして朝ロゴモードの設定中に振動検知がなされた場合には、その後(10秒後)に、正常な演出の状態に復帰させるタイミングになって、上述した朝ロゴ演出復帰処理(S7504、図67参照)が実行されることになる。一方、モードフラグの値が「2」でないと判定すれば(S7503でNO)、通常復帰処理(S7505)を行って、ステップS7506に進む。通常復帰処理(S7505)は、振動検知がなされる前の演出の状態に復帰する処理である。ステップS7506では、異常フラグに「0」をセットして、本処理を終える。
また図63に示すステップS7500で異常フラグの値が「5」でなければ、次に、異常フラグの値が「6」であるか否かを判定する(S7600)。異常フラグの値が「5」であれば(S7600でYES)、電チュ―不正入賞検知に基づく不正の報知中になり、図65に示すステップS7601に進む。ステップS7601では、第6異常タイマの値を減算する。そして、第6異常タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7602)。「0」でなければ(S7602でNO)、正常な演出の状態に復帰させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7602でYES)、続いて、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S7603)。
モードフラグの値が「2」であれば(S7603でYES)、朝ロゴ演出復帰処理を行って(S7604)、ステップS7606に進む。こうして朝ロゴモードの設定中に電チュー不正入賞検知がなされた場合には、その後(10秒後)に、正常な演出の状態に復帰させるタイミングになって、上述した朝ロゴ演出復帰処理(S7604、図67参照)が実行されることになる。一方、モードフラグの値が「2」でないと判定すれば(S7603でNO)、通常復帰処理(S7605)を行って、ステップS7606に進む。通常復帰処理(S7605)は、電チュー不正入賞検知がなされる前の演出の状態に復帰する処理である。ステップS7606では、異常フラグに「0」をセットして、本処理を終える。
また図63に示すステップS7600で異常フラグの値が「6」でなければ、次に、異常フラグの値が「7」であるか否かを判定する(S7700)。異常フラグの値が「7」であれば(S7700でYES)、大入賞口不正入賞検知に基づく不正の報知中になり、図66に示すステップS7701に進む。ステップS7701では、第7異常タイマの値を減算する。そして、第7異常タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7702)。「0」でなければ(S7702でNO)、正常な演出の状態に復帰させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7702でYES)、続いて、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S7703)。
モードフラグの値が「2」であれば(S7703でYES)、朝ロゴ演出復帰処理を行って(S7704)、ステップS7706に進む。こうして朝ロゴモードの設定中に大入賞口不正入賞検知がなされた場合には、その後(10秒後)に、正常な演出の状態に復帰させるタイミングになって、上述した朝ロゴ演出復帰処理(S7704、図67参照)が実行されることになる。一方、モードフラグの値が「2」でないと判定すれば(S7703でNO)、通常復帰処理(S7705)を行って、ステップS7706に進む。通常復帰処理(S7705)は、大入賞口不正入賞検知がなされる前の演出の状態に復帰する処理である。ステップS7706では、異常フラグに「0」をセットして、本処理を終える。
また図63に示すステップS7700で異常フラグの値が「7」でなければ、異常フラグの値が「8」である。この場合、特定領域不正通過検知に基づく不正の報知中になり、図66に示すステップS7801に進む。ステップS7801では、第8異常タイマの値を減算する。そして、第8異常タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7802)。「0」でなければ(S7802でNO)、正常な演出の状態に復帰させるタイミングでないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7802でYES)、続いて、モードフラグの値が「2」であるか否か、即ち朝ロゴモードに設定されているか否かを判定する(S7803)。
モードフラグの値が「2」であれば(S7803でYES)、朝ロゴ演出復帰処理を行って(S7804)、ステップS7806に進む。こうして朝ロゴモードの設定中に特定領域不正通過検知がなされた場合には、その後(10秒後)に、正常な演出の状態に復帰させるタイミングになって、上述した朝ロゴ演出復帰処理(S7804、図67参照)が実行されることになる。一方、モードフラグの値が「2」でないと判定すれば(S7803でNO)、通常復帰処理(S7805)を行って、ステップS7806に進む。通常復帰処理(S7805)は、特定領域不正通過検知がなされる前の演出の状態に復帰する処理である。ステップS7806では、異常フラグに「0」をセットして、本処理を終える。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、電源の投入に基づいて朝ロゴモードに設定されると、図73(A)に示すように、盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出(盤可動体駆動維持演出)が実行される。そのため、この盤可動体駆動維持演出により、遊技者には斬新な演出の実行中であると認識させることが可能である。ここで盤可動体駆動維持演出の実行中に、第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされると、図73(B)に示すように、不正が報知されると共に、動作位置にある盤可動体15が待機位置へ復帰する。つまり、第2エラー画像K2が表示画面7aに表示されると共に、エラー音がスピーカ67から出力される。更に、枠ランプ66全体が緑色の発光態様で発光すると共に、盤ランプ5全体が消灯する。しかしながらその後に30秒が経過すると、上記した不正の報知が終了すると共に、待機位置にある盤可動体15が動作位置へ駆動して、盤可動体駆動維持演出が再開される。こうして一旦不正が検知されても、その後に盤可動体駆動維持演出を再開して、遊技が行われる状態にスムーズに復帰することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、盤可動体駆動維持演出の実行中に第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされた場合、又は磁気検知がなされた場合の何れの場合であっても、盤可動体駆動維持演出が中止される(図72(B)及び図73(B)参照)。このとき、第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされた場合には、第2エラー画像K2の表示、エラー音の出力、枠ランプ66の緑色の発光、盤ランプ5の消灯が行われた後、30秒の経過に基づいて上記した不正の報知が終了すると共に、盤可動体駆動維持演出が再開する(図73(C)参照)。一方、磁気検知がなされた場合には、第1エラー画像K1の表示、遊技停止音の出力、枠ランプ66の白色の発光、盤ランプ5の消灯が行われた後、電源が遮断されるまで上記した不正の報知が終了しないと共に、盤可動体駆動維持演出が再開しない。こうして不正の種類に応じて、不正が検知される前の状態に復帰するか否かを設定することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、駆動維持演出の実行中に磁気検知がなされた場合には、待機位置へ復帰した盤可動体15はその後に動作位置へ駆動することはなく、第1エラー画像K1の表示、遊技停止音の出力、枠ランプ66の白色の発光、盤ランプ5の消灯が実行され続けることになる。こうして遊技の継続を不可能にすることで、磁気による不正に対する抑止力を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技場での営業開始時間前に、遊技場の従業員が電源を投入することにより、当該パチンコ遊技機1が稼働状態になると共に、朝ロゴモードに設定することが可能である。この場合、図10に示すように、盤可動体駆動維持演出が実行されると共に、枠可動体駆動維持演出が実行される。そのため、営業開始時間後で比較的直ぐに(午前中に)遊技場に来た遊技者には、始めから動作位置にある盤可動体15及び突出位置にある枠可動体600を見せることにより、インパクトを与えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、盤可動体駆動維持演出の実行中に、磁気検知又は第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされると、図72(B)又は図73(B)に示すように、第1エラー画像K1又は第2エラー画像K2が表示画面7aに表示されると共に、動作位置にある盤可動体15が待機位置へ復帰する。そのため、第1エラー画像K1又は第2エラー画像K2を見え易い状態にすることが可能である。よって、遊技場の従業員や周りの遊技者に対してどんな不正が行われたのかを直ぐに把握させることが可能である。更に、遊技場に設置されている監視カメラで、表示画面7aに表示される第1エラー画像K1を的確に録画することが可能である。こうして、盤可動体15が動作位置にある状態で不正が検知されたときに、周囲に不正が報知され難くなるのを回避することが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
また上記形態では、盤可動体駆動維持演出及び枠可動体駆動維持演出の両方の実行中に、第1の不正検知(磁気検知)又は第2の不正検知(第1大入賞口30の出口側不正通過検知)がなされた場合に盤可動体15を待機位置へ復帰させて、第2の不正検知であればその後に盤可動体駆動維持演出を再開するようにした。しかしながら、盤可動体駆動維持演出だけを実行可能な遊技機において、盤可動体駆動維持演出の実行中に第1の不正検知又は第2の不正検知がなされた場合に盤可動体15を待機位置へ復帰させる。そして、第2の不正検知であればその後に盤可動体駆動維持演出を再開するようにしても良い。また、枠可動体駆動維持演出だけを実行可能な遊技機において、枠可動体駆動維持演出の実行中に第1の不正検知又は第2の不正検知がなされた場合に枠可動体600を収納位置へ復帰させる。そして、第2の不正検知であればその後に枠可動体駆動維持演出を再開するようにしても良い。つまり上記形態では盤可動体15が本発明の「演出可動体」に相当していたが、本発明の「演出可動体」は盤可動体15に限られるものではなく、枠可動体600やその他の演出可動体であっても良い。
また上記形態では、盤可動体15が動作位置にあるときに、図16に示すように、第1〜第8の不正検知(磁気検知、第1大入賞口30の出口側不正通過検知、電波検知、扉開放検知、振動検知、電チュー不正入賞検知、大入賞口不正通過検知、特定領域不正通過検知)のうち、第1の不正検知(磁気検知)又は第2の不正検知(第1大入賞口30の出口側不正通過検知)がなされた場合に、盤可動体15を待機位置へ復帰させた。しかしながら、盤可動体15を待機位置へ復帰させる場合の不正検知は、磁気検知又は第1大入賞口30の出口側不正通過検知である場合に限られるものではなく、第1〜第8の不正検知のうち何れか1つ又は2つ或いは3つ以上であっても良い。また、第1〜第8の不正検知のうち何れであっても、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させるようにしても良い。
また上記形態では、第1〜第8の不正検知があったが、その他の不正検知があっても良い。例えば通常遊技状態(低確低ベース状態)であるにも拘わらず右打ちされているときに、右打ちされた遊技球の検知(不正検知)に基づいて、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させて、表示画面7aで右打ちの中止を報知するようにして良い。また枠可動体600又は枠可動体600を収納する収容部290(図3参照)に例えば静電容量式のタッチセンサを設けて、枠可動体600の駆動途中又は復帰途中でタッチセンサの検知(不正検知)に基づいて、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させて、表示画面7aで枠可動体600の接触による危険があることを報知するようにしても良い。
また上記形態では、1つの不正検知の中でも、不正の軽重によって、不正の報知態様を変えるようにしても良い。例えば、磁気検知であっても、非常に大きな磁気(磁束密度の変化)が検知された場合には、橙色の背景と共に、「エラー1A、磁気検出異常、電源を再投入してください」という文字を示す特別第1エラー画像を表示し、比較的小さな磁気が検知された場合には、赤色の背景と共に、「エラー1B、磁気検出位置、電源を再投入してください」という文字を示す通常第1エラー画像を表示するようにしても良い。
また上記形態では、朝ロゴモードの設定中、つまり盤可動体駆動維持演出の実行中に、磁気検知又は第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされると、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させた。しかしながら、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させるのは、朝ロゴモードの設定中に限られるものではなく、盤可動体15が動作位置にある状態が維持されているときであれば、適宜変更可能である。例えば、予め定められたRTC演出発動時間になるとRTC演出を実行可能な遊技機において、RTC演出の実行に基づいて盤可動体15が待機位置から動作位置へ駆動した後、盤可動体15が動作位置にある状態が維持される盤可動体駆動維持演出を実行するものとする。この遊技機において、盤可動体駆動維持演出の実行中に不正検知がなされた場合には、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させる。そして、所定時間が経過すると待機位置にある盤可動体15を動作位置へ駆動させて、盤可動体駆動維持演出を再開するようにしても良い。
また上記形態では、磁気検知(第1の不正検知)がなされた場合には、電源が遮断されるまで(電源が投入されなくなるまで)、正常な演出の状態に復帰させないことにした。つまり駆動維持演出を再開しないことにした。しかしながら、正常な演出の状態に復帰させないのは、磁気検知がなされた場合に限られなくても良く、例えば第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされた場合でも良く、適宜変更可能である。
また上記形態では、磁気検知(第1の不正検知)がなされた場合のみ、電源が遮断されるまで遊技が中止されて、且つ正常な演出の状態に復帰しなかった。しかしながら、第1〜第8の不正検知のうち、その他の不正検知がなされた場合であっても、電源が遮断されるまで遊技が中止されて、且つ正常な演出の状態に復帰しないようにしても良い。
また上記形態では、朝ロゴモードの設定中に第1大入賞口30の出口側不正通過検知(第2の不正検知)がなされた場合のみ、盤可動体駆動維持演出が中止して、且つ所定時間(30秒)経過すると盤可動体駆動維持演出が再開するようにした。しかしながら、第1〜第8の不正検知のうちその他の不正検知がなされた場合であっても、盤可動体駆動維持演出が中止して、且つ所定時間経過すると盤可動体駆動維持演出が再開するようにしても良い。なお盤可動体駆動維持演出が再開するまでの所定時間は、30秒に限られるものではなく適宜変更可能である。
また上記形態では、第1大入賞口30の出口側不正通過検知(第2の不正検知)がなされた場合と、電波検知(第3の不正検知)がなされた場合とにおいて、エラー画像の表示を除いて、不正の報知態様が同じになっていた。そして、第1大入賞口30の出口側不正通過検知がなされた場合には盤可動体駆動維持演出を中止する一方、電波検知がなされた場合には盤可動体駆動維持演出を中止しなかった。しかしながら、上記した2つの不正検知がなされた場合に限られるものではなく、適宜変更可能である。つまり、第1〜第8の不正検知のうち或る2つの不正検知(例えば電波検知と扉開放検知)がなされた場合においても、上記したように不正の報知態様を同じにしつつ、一方の不正検知では盤可動体駆動維持演出を中止する一方、他方の不正検知では盤可動体駆動維持演出を中止しないようにしても良い。
また上記形態では、第1大入賞口30の内部に特定領域39が配されているパチンコ遊技機1であったが、第2大入賞口35の内部に特定領域39が配されているパチンコ遊技機であっても良い。この場合において、第1大入賞口(V大入賞口)30の出口側不正通過検知に換えて、第2大入賞口35の出口側不正通過検知を行うようにしても良い。
また上記形態では、電源投入に基づいて、朝ロゴモード(少なくとも盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出モード)に設定されるようにした。しかしながら、朝ロゴモードの設定は電源投入に限られるものではなく、例えば電源投入後に遊技場の従業員が特殊なスイッチ又はボタン等(操作手段)を押下操作(特定の操作)することに基づいて、設定されるようにしても良い。この場合、遊技場の従業員が正午(12時)に特殊なスイッチを操作して、正午から盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出モード(昼ロゴモード)に設定されるようにしても良い。又は遊技場の従業員が夜(19時)に特殊なスイッチを操作して、夜から盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出モード(夜ロゴモード)に設定されるようにしても良い。
また上記形態では、遊技場の従業員が、遊技者による操作が実質的に不可能な操作手段(電源スイッチ155)を操作することに基づいて、朝ロゴモードに設定した。しかしながら、操作手段を例えば遊技者による操作が可能な演出ボタン63及びセレクトボタン68として、遊技者による操作に基づいて朝ロゴモードが設定されるようにしても良い。この場合、例えば客待ち用のデモ演出の実行中に、朝ロゴモードの設定をON又はOFFに切替えるための画像を表示できるように構成する。そして、その画像の表示中に遊技者がセレクトボタン68及び演出ボタン63の操作で朝ロゴモードの設定をONにすること(特定の操作)に基づいて、朝ロゴモードが設定されるようにしても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン91が、RTC(計時手段)99から取得した現時点の日時の情報に基づいて、5時から12時までの間(予め定められた時間範囲内)であるか否かを判定した。しかしながら、電源投入から割り込み処理(10msタイマ割り込み処理)が実行される度にカウントするカウンタ(計時手段)を設けて、演出制御用マイコン91がそのカウンタの値に基づいて5時から12時までの間であるか否かを判定するようにしても良い。
また上記形態では、盤可動体15が動作位置にあるときには、図5(B)に示すように、表示画面7aの半分以上の領域が隠れるようになっていた。しかしながら、盤可動体15が待機位置よりも動作位置にあるときの方が、表示画面7aの隠れる領域が多くなれば、盤可動体15が動作位置にあるときに表示画面7aの半分よりも少ない一部の領域だけが隠れるようにしても良い。
また上記形態では、枠可動体600が突出位置にあるときに、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に配されていた。しかしながら、枠可動体600が突出位置にあるときに、遊技機枠50の下縁50D(図5参照)よりも下方に配されている、又は遊技機枠50の左縁50L(図5参照)よりも左方に配されている、或いは遊技機枠50の右縁50R(図5参照)よりも右方に配されているようにしても良い。また、枠可動体600は突出位置にあるときに、遊技機枠50の枠縁50W(上縁50U,下縁50D,左縁50L,右縁50R)よりも外側に配されておらず、遊技機枠50の枠縁50Wよりも内側に配されているものであっても良い。また枠可動体600は、遊技者による操作が可能なボタンやレバー等の操作手段を兼ねるものであっても良い。
また上記形態では、朝ロゴモードの設定が終了する第1の終了条件を、特別図柄の変動表示が10回(所定の上限回数)行われた後、12秒(特定時間)での特別図柄の変動表示が実行されたこととした。しかしながら、所定の上限回数は10回よりも多い回数、又は10回よりも少ない回数としても良い。また特定時間も適宜変更可能であり、例えば5秒変動(変動パターンP8又はP35(図14参照)に基づく特別図柄の変動表示)が実行されたこととしても良い。また第1の終了条件を、所定の上限回数にわたって特別図柄の変動表示が実行されたことだけとしても良く、例えば朝ロゴモードの設定中に特別図柄の変動表示が1回実行されたこととしても良い。更に、特別図柄の変動表示が初めて開始された時点としても良い。つまり盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出(盤可動体駆動維持演出)は、最初の特別図柄の変動表示が開始される時点までとしても良い。
また上記形態では、電源が投入されることに基づいて朝ロゴモードに設定され得るようにしたが、電源が投入されても演出モードが切替わらないようにしても良い。つまり、演出モードに拘わらず、盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出を実行するようにしても良い。この場合、電源が投入されることに基づいて、通常モードに設定されたまま盤可動体15が動作位置にある状態が維持される演出が実行される。その後、上述したように特別図柄の変動表示が初めて開始された時点で、動作位置にある盤可動体15が待機位置に復帰するようにすれば良い。こうすれば、最初の変動演出の開始に伴って盤可動体15が待機位置に復帰するため、中央用演出図柄8の変動演出が見え難いのを回避することが可能である。
また上記形態では、朝ロゴモードの設定が終了する第2の終了条件を、演出図柄8L,8C,8Rをゾロ目で表示画面7a内にて左右に揺れているように表示する当選報知演出が実行されることとした。しかしながら当選報知演出は、例えば表示画面7aの縁部分の表示色が虹色になる演出や、特定の効果音をスピーカ67から出力する演出等であっても良く、遊技者に当否判定の結果が当たりであるとが認識できるような演出であれば適宜変更可能である。
また上記形態では、朝ロゴモードの設定が終了する第3の終了条件を、特殊SPリーチの実行開始とした。しかしながら、特殊SPリーチだけでなく、通常SPリーチの実行開始であっても良い。つまりどのSPリーチが実行されても、朝ロゴモードが終了するようにしても良い。また特殊SPリーチは、朝ロゴモードの終了に限って実行開始されるものではなく、通常モードに設定されているときでも実行開始されるものとしても良い。
また上記形態では、朝ロゴモードの設定が終了する第4の終了条件を、12時(予め定められた終了時間)になったこととした。しかしながら、終了時間は12時に限られるものではなく、12時よりも前の時間、又は12時以降の時間であっても良く、適宜変更可能である。この場合には、演出制御用マイコン91は、RTC(計時手段)99から取得した現時点の日時の情報に基づいて、終了時間(12時)になったか否かを判定しないで、電源投入から割り込み処理(10msタイマ割り込み処理)が実行される度にカウントするカウンタ(計時手段)の値に基づいて、12時になったか否かを判定するようにしても良い。
また上記形態では、上述した4つの終了条件(第1の終了条件、第2の終了条件、第3の終了条件、第4の終了条件)が設けられていたが、4つの終了条件の中から何れか3つの終了条件、何れか2つの終了条件、何れかの1つの終了条件が設けらていても良い。
また上記形態では、高確率状態に制御されたあと特別図柄の変動表示の回数が所定回数に達すると、通常確率状態に制御される所謂「STタイプ」のパチンコ遊技機1であった。しかしながら、高確率状態に制御されたあと実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する所謂「ループタイプ」のパチンコ遊技機であっても良い。また特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技が実行される所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機1であったが、その他(例えば所謂1種2種混合機)のタイプのパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行するパチンコ遊技機1であったが、停止表示される特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行するパチンコ遊技機や、高確率状態に移行しないパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させる終了条件(第1〜第4の終了条件)と、突出位置にある枠可動体600を収納位置へ復帰させる終了条件(第1〜第4の終了条件)は同じであった。つまり、盤可動体15を待機位置へ復帰させるのと同時に、枠可動体600を収納位置へ復帰させた。しかしながら、動作位置にある盤可動体15を待機位置へ復帰させる終了条件と、突出位置にある枠可動体600を収納位置へ復帰させる終了条件を異なるようにしても良い。例えば盤可動体15を待機位置へ復帰させる終了条件は上述した第1〜第4の終了条件にしつつ、枠可動体600を収納位置へ復帰させる終了条件は電源が投入されてから最初の特別図柄の変動表示が開始されることに基づいて成立するものとしても良い。
また上記形態では、パチンコ遊技機1として構成したが、遊技者による遊技が行われる前に演出可動体が表示画面7aの少なくとも一部を隠すような動作位置にあるスロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成しても良い。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。またノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組合せが
各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えばARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下〈A〉〜〈E〉の発明が示されている。以下の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<A>
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機において、
所定の待機位置から所定の動作位置へ駆動可能であると共に、前記動作位置から前記待機位置へ復帰可能な演出可動体(盤可動体15)と、
当該遊技機に対する不正(第1大入賞口30の出口側不正通過)を検知可能な不正検知手段(第1大入賞口センサ30a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、ステップS173,S176を実行する遊技制御用マイコン81)と、
所定の開始条件の成立から所定の終了条件の成立まで前記演出可動体が前記動作位置にある状態に維持する駆動維持演出(盤可動体駆動維持演出)を実行可能な駆動維持演出実行手段(ステップS4505を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記駆動維持演出の実行中に前記不正検知手段により不正が検知された場合に、前記動作位置にある前記演出可動体を前記待機位置へ復帰させて前記駆動維持演出を中止する駆動維持演出中止手段と(ステップS6206を実行する演出制御用マイコン91)、
前記不正検知手段により不正が検知された場合に、当該不正検知手段が検知した不正を報知する不正報知手段(ステップS6201,S6202,S6203,S6204を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記駆動維持演出が中止された後に所定時間(30秒)の経過に基づいて、前記不正報知手段による不正の報知を終了させる(ステップS7205を実行する)と共に、前記待機位置にある前記演出可動体を前記動作位置に駆動させて前記終了条件の成立まで前記駆動維持演出を再開することが可能な駆動維持演出再開手段(ステップS7204を実行する演出制御用マイコン91)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出可動体が動作位置にある状態が維持される駆動維持演出により、遊技者には斬新な演出の実行中であると認識させることが可能である。ここで駆動維持演出の実行中に不正が検知されると、当該不正が報知されると共に、動作位置にある演出可動体が待機位置に復帰して、駆動維持演出が中止される。しかしながらその後に所定時間が経過すると、不正の報知が終了すると共に、待機位置にある演出可動体が動作位置へ駆動して、駆動維持演出が再開される。こうして一旦不正が検知されても、その後に駆動維持演出を再開して、遊技が行われる状態にスムーズに復帰することが可能である。
<B>上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
電源を投入することが可能な電源投入手段(電源基板150)を備え、
前記不正検知手段には、当該遊技機に対する第1の不正(第1大入賞口30の出口側不正通過)を検知可能な第1不正検知手段(第1大入賞口センサ30a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、ステップS173,S176を実行する遊技制御用マイコン81)と、当該遊技機に対する第2の不正(磁気による不正)を検知可能な第2不正検知手段(磁気検知センサ75、ステップS186を実行する遊技制御用マイコン81)とが少なくともあり、
前記不正報知手段は、
前記第1不正検知手段により前記第1の不正が検知された場合には当該第1の不正を報知(ステップS6201,S6202,S6203,S6204を実行)し、前記第2不正検知手段により前記第2の不正が検知された場合には当該第2の不正を報知(ステップS6101,S6102,S6103,S6104,S6105を実行)するものであり、
前記駆動維持演出中止手段は、
前記第1の不正が検知された場合又は前記第2の不正が検知された場合の何れの場合であっても前記駆動維持演出を中止(ステップS6206又はS6107を実行する)するものであり、
前記駆動維持演出再開手段は、
前記第1の不正が検知されたことに基づいて前記駆動維持演出が中止されている場合には、所定時間の経過に基づいて前記不正報知手段による前記第1の不正の報知を終了させる(ステップS7205を実行する)と共に、前記駆動維持演出を再開(ステップS7204を実行する)する一方、
前記第2の不正が検知されたことに基づいて前記駆動維持演出が中止されている場合には、前記電源投入手段により電源が投入されなくなるまで前記不正報知手段による前記第2の不正の報知を終了させないと共に、前記駆動維持演出を再開しないものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、駆動維持演出の実行中に第1の不正が検知された場合又は第2の不正が検知された場合の何れも場合であっても、駆動維持演出が中止される。このとき、第1の不正が検知されていると第1の不正が報知され、第2の不正が検知されていると第2の不正が報知されることになる。そして、第1の不正が行われた場合には所定時間の経過に基づいて、第1の不正の報知が終了すると共に、駆動維持演出が再開する。一方、第2の不正が行われた場合には電源が投入されなくなるまで、第2の不正の報知が終了しないと共に、駆動維持演出が再開しない。こうして、不正の種類に応じて、不正が検知される前の状態に復帰するか否かを設定することが可能である。
<C>上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記第2不正検知手段は、前記第2の不正として磁気を検知することが可能な磁気検知手段(磁気検知センサ75、ステップS186を実行する遊技制御用マイコン81)であることを特徴とする遊技機。
磁気による不正は、遊技機を構成する電子部品等を故障させるおそれがあり、その他の不正に比べて遊技の進行への悪影響が大きくなり易い。そのためこの構成の遊技機によれば、駆動維持演出の実行中に磁気による不正が検知された場合には、待機位置へ復帰した演出可動体はその後に駆動位置へ駆動することはなく、第2の不正(磁気による不正)が報知され続けることになる。こうして遊技の継続を不可能にすることで、磁気による不正に対する抑止力を高めることが可能である。
<D>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
電源を投入することが可能な電源投入手段(電源基板150)と、
前記駆動維持演出実行手段は、前記開始条件の成立として前記電源投入手段により電源が投入されることに基づいて、前記待機位置にある前記演出可動体を前記動作位置へ駆動させて前記駆動維持演出を実行(ステップS4505を実行)可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、遊技場での営業開始時間前に、遊技場の従業員が電源を投入することにより、当該遊技機が稼働状態になると共に、駆動維持演出が実行される。そのため、営業開始時間後で比較的直ぐに(例えば午前中に)遊技場に来た遊技者には、始めから動作位置にある演出可動体を見せることにより、インパクトを与えることが可能である。
<E>上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
表示画面(7a)を有する表示装置(画像表示装置7)を備え、
前記演出可動体には、前記表示画面よりも前方で変位可能な駆動部材(盤可動体15)が少なくともあり、
前記駆動部材は、前記動作位置にあるときには前記待機位置にあるときよりも前記表示画面の隠れる領域を多くするものであり(図5(A)(B)参照)、
前記不正報知手段は、前記不正検知手段により不正が検知されたことに基づいて、当該不正検知手段が検知した不正を示す不正画像(エラー画像)を前記表示画面に表示(ステップS6101,S6102,S6201,S6301,S6401,S6501,S6601,S6701,S6801を実行)することが可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、駆動維持演出の実行中では、表示画面が見え難くなる。しかしながら、不正が検知された場合には、駆動維持演出が中止することにより表示画面が見え易くなって、不正画像を見え易くすることが可能である。
なお、本発明の「予め定められた制御条件」とは、上記形態では、特図1の抽選又は
特図2の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示される
また、本発明の「不正検知手段」又は「第1不正検知手段」は、上記形態では第1大入賞口センサ30a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、及び遊技制御用マイコン81に相当する。
また、本発明の「第2不正検知手段」又は「磁気検知手段」は、上記形態では磁気検知センサ75及び遊技制御用マイコン81に相当する。
また上記形態の特徴及び上記した変形例の特徴をそれぞれ組み合わせて実施することは勿論可能である。
1…パチンコ遊技機
2…遊技盤
3…遊技領域
5…盤ランプ
7…画像表示装置
7a…表示画面
15…盤可動体
20…第1始動口
21…第2始動口
30…第1大入賞口
35…第2大入賞口
66…枠ランプ
67…スピーカ
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン
150…電源基板
600…枠可動体

Claims (1)

  1. 予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機において、
    所定の待機位置から所定の動作位置へ駆動可能であると共に、前記動作位置から前記待機位置へ復帰可能な演出可動体と、
    当該遊技機に対する異常内容を判定する異常状態判定手段と、
    所定の開始条件の成立から所定の終了条件の成立まで前記演出可動体が前記動作位置にある状態に維持する駆動維持演出を実行可能な駆動維持演出実行手段と、
    前記駆動維持演出の実行中であって、前記異常判定手段により判定された異常内容に応じて前記動作位置にある前記演出可動体を前記待機位置へ復帰させて前記駆動維持演出を中止する駆動維持演出中止手段と、
    前記異常状態判定手段により異常状態であると判定された場合に、当該異常状態判定手段が判定した異常内容に応じた報知を行う異常状態報知手段と、
    前記駆動維持演出が中止された場合であっても、特定の異常内容である場合には、所定時間の経過に基づいて、前記異常状態報知手段による異常状態の報知を終了させると共に、前記駆動維持演出を再開することが可能な駆動維持演出再開手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
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