JP2017221849A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2017221849A
JP2017221849A JP2017193150A JP2017193150A JP2017221849A JP 2017221849 A JP2017221849 A JP 2017221849A JP 2017193150 A JP2017193150 A JP 2017193150A JP 2017193150 A JP2017193150 A JP 2017193150A JP 2017221849 A JP2017221849 A JP 2017221849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
launch
game
mpu
special
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017193150A
Other languages
English (en)
Inventor
豪 倉田
Takeshi Kurata
豪 倉田
晴久 栗本
Haruhisa Kurimoto
晴久 栗本
良和 本庄
Yoshikazu Honjo
良和 本庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Bussan Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Bussan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Bussan Co Ltd filed Critical Sanyo Bussan Co Ltd
Publication of JP2017221849A publication Critical patent/JP2017221849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pinball Game Machines (AREA)

Abstract

【課題】入球部への入球を不正に発生させる行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技領域PAへの発射球の発射は、発射操作装置に発射操作が行われることにより遊技球発射機構が動作することで行われる。発射球が発射される流れについて詳細には、上皿に取込球が貯留されている状況で発射操作装置に発射操作が行われることにより球送り装置が動作し取込球が取り込まれる。この取り込まれた取込球はパチンコ機外部に排出される。取込球が取り込まれたことが球送り検知センサ142により検知されることで、球供給装置により発射レール上に1個の発射球が供給される。そして、その状態で発射ソレノイドが動作することで当該発射球が遊技領域PAに向けて発射される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種としてパチンコ機が知られている。パチンコ機について具体的には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部が複数設けられている。当該入球部に遊技球が入球した場合には、遊技球の払い出しや内部抽選の実行といった特典が遊技者に付与される。また、当該入球部に入球した遊技球は、遊技盤の背面側に排出される。また、遊技盤には、いずれの入球部にも入球しなかった遊技球を遊技領域外に排出するための排出部が設けられている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−6412号公報
ここで、上記例示等のようなパチンコ機においては入球部への入球を不正に発生させる行為が想定され、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、入球部への入球を不正に発生させる行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技領域に向けて発射球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流下する発射球が入球可能である入球部と、
当該入球部に発射球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
球を貯留する球貯留部と、
当該球貯留部に貯留された球を取り込む取込手段と、
当該取込手段により球が取り込まれた場合に、前記発射手段による発射球の発射が可能となる可能状態にする発射制御手段と、
を備え、
当該発射制御手段により前記可能状態とされて前記発射手段により発射球が発射される場合、当該可能状態の契機となった球とは異なる発射球が発射されることを特徴とする。
本発明によれば、入球部への入球を不正に発生させる行為を好適に抑制することが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機の斜視図である。 本体枠の正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)〜(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 パチンコ機の背面図である。 取込球の流れを説明するための模式図である。 (a)球送り装置及び球供給装置の模式図であり、(b)本体枠の下側の領域を拡大して示す本体枠の正面図であり、(c)既存のパチンコ機に本パチンコ機の本体枠を利用した場合の構成を説明するための本体枠の正面図である。 パチンコ機にて発射球を循環させるための構成を説明するための本体枠の模式図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける特図変動開始処理を示すフローチャートである。 発射制御部における発射動作処理を示すフローチャートである。 遊技領域に向けて発射球を発射するための動作内容を説明するためのタイムチャートである。 第2の実施形態における本体枠の正面図である。 パチンコ機における遊技球の流れを説明するための本体枠の模式図である。 主制御装置のMPUにおける待機球監視処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 本体ベースの正面図である。 操作ユニットの正面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 管理側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUの入力ポートの構成を説明するための模式図である。 (a)主側MPUにて実行される入賞検知処理を示すフローチャートであり、(b)第1入賞判定エリア,第2入賞判定エリア,第1演算後エリア及び第2演算後エリアの構成を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。 (A)各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイムチャートであり、(B)入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 管理側MPUにて実行される球供給用の管理処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される遊技球管理処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)操作ユニットの正面図である。 払出側MPUにて実行される発射管理処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される遊技球使用の管理処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される返却管理処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。 管理側MPUにて実行される媒体供給用の管理処理を示すフローチャートである。 (a)〜(d)操作ユニットの正面図である。 (a)遊技球の断面図であり、(b)遊技球に埋設されているICタグの構成を示す模式図である。 払出側MPUにて実行されるID登録用処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行されるID登録時の発射管理処理を示すフローチャートである。 発射制御装置にて実行されるID登録用の発射制御処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行されるID取得処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行されるID監視処理を示すフローチャートである。 ID情報の監視処理の内容及び第1ID異常が発生した場合の内容を説明するためのタイムチャートである。 (a)主側MPUにて実行される保留予告用の確認処理を示すフローチャートであり、(b)大当たり結果の種類を説明するための説明図であり、(c)保留格納エリアを説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される残存球対応処理を示すフローチャートである。 (a)第4の実施形態における一部返却を行うための操作部分の構成を説明するための模式図であり、(b)払出側MPUにて実行される一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。 (a)第5の実施形態における一部返却を行うための構成を説明するためのブロック図であり、(b)払出側MPUにて実行される一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。 (a)第6の実施形態における保留予告用の確認処理を示すフローチャートであり、(b)変形例における保留格納エリアを説明するための説明図である。 音声発光制御装置にて実行される保留予告用処理を示すフローチャートである。 (a)音声発光制御装置にて実行される演出内容の変更処理を示すフローチャートであり、(b)第1変更処理の内容を説明するための説明図であり、(c)第2変更処理の内容を説明するための説明図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図であり、図2はパチンコ機10に設けられた本体枠13の正面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち本体枠13が外枠11に回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を本体枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、前扉枠14について説明する。
前扉枠14は、本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル22が嵌め込まれている。
前扉枠14において窓部21の上方には表示発光部23が設けられている。表示発光部23には、LED等の発光体が内蔵されており、大当たり時や所定のリーチ時等における演出の内容に応じて点灯又は点滅が行われるとともに、所定の異常時には異常の発生に対応した態様で点灯又は点滅が行われる。また、前扉枠14の上側領域における左右の隅角側には、左右一対のスピーカ部26が設けられている。スピーカ部26からは、大当たり時や所定のリーチ時等における演出の内容に応じた音又は音声の出力が行われるとともに、所定の異常時には異常の発生に対応した音又は音声の出力が行われる。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する球送り装置131側へ導くための機能を有する。下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。遊技者は、上皿33及び下皿34のそれぞれに遊技球を直接補充することが可能であるとともに、上皿33に貯留されている遊技球及び下皿34に貯留されている遊技球を直接取り出すことが可能である。
下側膨出部32には、下側膨出部32の下方に配置される図示しない球受け箱に、下皿34内に貯留された遊技球を排出するために操作される排出操作部35が設けられている。排出操作部35は、下皿34の底部に形成された球抜き孔36を開閉可能に設けられている。排出操作部35が閉鎖位置に配置されている状況では球抜き孔36が閉鎖状態となり、下皿34からの遊技球の排出が阻止され、排出操作部35が開放位置に配置されている状況では球抜き孔36が開放状態となり、下皿34からの遊技球の排出が許容される。排出操作部35に電動アクチュエータは設けられておらず、排出操作部35を閉鎖位置と開放位置との間で移動させるためには、当該排出操作部35を手動操作する必要がある。また、排出操作部35は、閉鎖位置に向けて付勢されているものの、排出操作部35と下側膨出部32との間の係合関係を利用することにより排出操作部35を開放位置に保持させることが可能な構成となっている。なお、その保持状態を解除した場合、排出操作部35は閉鎖位置に復帰することとなる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして発射操作装置37が設けられている。発射操作装置37が操作されることにより、後述する遊技球発射機構が駆動制御され、上皿33に貯留された遊技球が発射される。
次に、本体枠13について詳細に説明する。
本体枠13は、図2に示すように樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の上部には、前扉枠14が開放されているか否かを検知する前扉枠開放センサ42が設けられている。前扉枠開放センサ42は、樹脂ベース41の前面から出没可能なピンを有しており、本体枠13に前扉枠14を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠14の閉鎖が検知され、前扉枠14を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠14の開放が検知されるようになっている。ちなみに、前扉枠開放センサ42は、前扉枠14が開放状態の場合に後述する払出制御装置にHIレベルの前扉枠開放信号を出力し、前扉枠14が閉鎖状態の場合にはLOWレベルの前扉枠開放信号を出力する。但し、信号の出力態様はこれに限定されることはなく、HI・LOWの関係が逆であってもよい。
樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔43が形成されている。樹脂ベース41には遊技盤51が着脱可能に取り付けられている。遊技盤51は合板よりなり、遊技盤51の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース41の窓孔43を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤51の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤51の正面図である。
遊技盤51には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部51aと外レール部51bとが取り付けられており、これら内レール部51aと外レール部51bとにより誘導手段としての誘導レールが形成されている。樹脂ベース41において窓孔43の下方に設けられた遊技球発射機構45(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
遊技盤51には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55、スルーゲート56、図柄表示装置61、特図ユニット62及び普図ユニット63等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート56への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかへの入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、一般入賞口52への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置53への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行され、第1作動口54への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口55への入球が発生した場合には1個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口55の方が第1作動口54よりも賞球個数が少ないものの具体的な賞球個数が上記ものとは異なる構成としてもよく、第2作動口55の方が第1作動口54よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤51の最下部にはアウト口58が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口58を通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤51には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘59が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口58への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口54及び第2作動口55は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤51に設置されている。第1作動口54及び第2作動口55は共に上向きに開放されている。また、第1作動口54が上方となるようにして両作動口54,55は鉛直方向に並んでいる。第2作動口55には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物55aが設けられている。普電役物55aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口55に入賞できず、普電役物55aが開放状態となることで第2作動口55への入賞が可能となる。
第2作動口55よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート56が設けられている。スルーゲート56は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート56に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート56に入賞した遊技球が第2作動口55へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート56への入賞に基づき第2作動口55の普電役物55aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート56への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット63の普図表示部63aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部63aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物55aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部63aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部63aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット63において、普図表示部63aに隣接した位置には、普図保留表示部63bが設けられている。遊技球がスルーゲート56に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部63bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口54又は第2作動口55への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット62及び図柄表示装置61における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット62について詳細には、特図ユニット62には特図表示部62aが設けられている。特図表示部62aの表示領域は図柄表示装置61の表示面よりも狭い。特図表示部62aでは、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部62aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部62aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット62において、特図表示部62aに隣接した位置には、特図保留表示部62bが設けられている。遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部62bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置61について詳細には、図柄表示装置61は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置61は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置61では、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞に基づき特図表示部62aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置61では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
図柄表示装置61にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。図4は図柄表示装置61にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図5は図柄表示装置61の表示面を示す図である。
図4(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置61の表示面には、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、図柄表示装置61の表示面では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図5(b)に示すように、図柄表示装置61の表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、図柄表示装置61の表示面には、図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
第1作動口54又は第2作動口55への入賞に基づいて図柄表示装置61の表示面において図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかであった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組合せが形成される。また、後述する明示高確大当たり結果であった場合には、いずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが形成されないものの、いずれかの有効ライン上に所定の図柄組合せが形成される。
なお、いずれかの作動口54,55への入賞に基づいて、特図表示部62a及び図柄表示装置61にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置61における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置61にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
図3の説明に戻り、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置53への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置53は、遊技盤51の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉53aを備えている。開閉扉53aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉53aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
上記構成の遊技盤51が樹脂ベース41に取り付けられてなる本体枠13には、図2に示すように遊技盤51の下方に遊技球発射機構45が設けられている。遊技球発射機構45は、誘導レールに向けて延びる発射レール46と、発射レール46上に遊技球を供給する球供給装置47と、発射レール46上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータである発射ソレノイド48と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置37が回動操作されることにより球供給装置47が駆動制御されて発射レール46上に1個の遊技球が供給され、その後に発射ソレノイド48が駆動制御されることによりその遊技球が遊技領域PAに向けて発射される。
なお、発射操作装置37には、発射操作装置37の環状のハンドル部が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ37aと、ハンドル部を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される球止めスイッチ37bと、が電気的に接続されている(図10参照)。ハンドル部が遊技者により触れられていることがタッチセンサ37aにより検知されており、さらに球止めスイッチ37bが操作されていないことを条件として、遊技球発射機構45が駆動制御される。
次に、パチンコ機10の背面側の構成について説明する。図6は、パチンコ機10の背面図である。
本体枠13の背面には、主制御装置81が搭載されている。主制御装置81は、遊技の進行を統括管理する主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。なお、基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置81の一部を後方から覆うようにして裏パックユニット15が設けられている。なお、本体枠13の背面において主制御装置81の上方には、音声発光制御装置91(図10参照)が設けられている。音声発光制御装置91は主制御装置81からの指示に従い音出力制御、発光制御及び表示制御装置の制御を実行する音声発光制御基板を備えており、音声発光制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
裏パックユニット15は、裏パック101を備えており、当該裏パック101に、払出機構部102、及び制御装置集合ユニット104が取り付けられている。裏パック101は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部102などが取り付けられるベース部111と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部112とを有する。保護カバー部112により音声発光制御装置91の全体が後方から覆われているとともに、主制御装置81の一部が後方から覆われている。
ベース部111には、本体枠13が開放されているか否かを検知する本体枠開放センサ114が設けられている。外枠11に本体枠13を閉じた状態では本体枠開放センサ114の金属接点が閉じて本体枠13の閉鎖が検知され、本体枠13を開いた状態では金属接点が開いて本体枠13の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、本体枠開放センサ114は、本体枠13が開放状態の場合に後述する払出制御装置にHIレベルの本体枠開放信号を出力し、本体枠13が閉鎖状態の場合にはLOWレベルの本体枠開放信号を出力する。但し、信号の出力態様はこれに限定されることはなく、HI・LOWの関係が逆であってもよい。
ベース部111には、本体枠13に締結するための締結具115が設けられており、当該締結具115を締結状態とすることで本体枠13に裏パックユニット15が固定されている。一方、当該締結具115の締結状態を解除することで、本体枠13から裏パックユニット15を回動させることが可能となる。
ベース部111には、保護カバー部112を迂回するようにして払出機構部102が配設されている。すなわち、裏パック101の最上部には上方に開口したタンク121が設けられており、タンク121には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク121の下方には下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール122が連結され、タンクレール122の下流側には上下方向に延びるケースレール123が連結されている。また、ケースレール123の最下流部には払出装置124が設けられている。
ケースレール123には、当該ケースレール123内の通路を通じてタンク121から払出装置124まで連なった遊技球を検知するように球無検知センサ123aが設けられている。球無検知センサ123aは、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、球無検知センサ123aは磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
球無検知センサ123aは後述する払出制御装置に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。払出制御装置では、球無検知センサ123aの検知結果に基づいてタンク121が球無状態であるか否かを特定する。
ケースレール123には、球抜き操作スイッチ123bが設けられている。例えば、タンク121に貯留されている遊技球のパチンコ機10外への排出に際して、ケースレール123にある遊技球も全て排出する場合に球抜き操作スイッチ123bが押され、ケースレール123及びその下流側に貯留されている遊技球の排出が可能となる。
払出装置124では遊技球の払出が実行される。払出装置124にはハウジングの内部に払出モータ124a(図10参照)が設けられており、払出モータ124aが駆動制御されていない状況では、払出装置124の図示しない回転体が停止状態となることで下流側に向けた遊技球の払い出しが停止される。一方、払出モータ124aが駆動制御されることにより回転体が回転し、タンク121側から供給されている遊技球が下流側に向けて払い出される。払出装置124のハウジングの内部には払出検知センサ124b(図10参照)が設けられており、回転体が回転することで下流側に向けて払い出される遊技球は当該払出検知センサ124bにより検知される。払出検知センサ124bは、周知の磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、貫通孔を遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して後述する払出制御装置に出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出装置124から払い出された遊技球は、裏パック101のベース部111に設けられた遊技球分配部125に供給される。遊技球分配部125は、払出装置124より払い出された遊技球を上皿33又は下皿34の何れかに振り分けるための機能を有している。具体的には、払出装置124から払い出された遊技球は基本的に上皿33に向けて流下し、上皿33が満杯状態となり当該上皿33側から遊技球分配部125の位置まで遊技球が充填された場合にはそれ以降に払出装置124から払い出された遊技球は下皿34に向けて流下することとなる。
本体枠13には、図2に示すようにシャッタ127が設けられており、前扉枠14が本体枠13に対して前方に開放された場合には、前扉枠14からの押圧力が解除されることでシャッタ127が閉鎖状態となる。これにより、遊技球分配部125と上皿33及び下皿34との間の遊技球通路がシャッタ127の位置にて閉鎖された状態となる。前扉枠14が閉鎖された場合には、当該前扉枠14により押圧されることでシャッタ127が開放位置に配置され、遊技球分配部125側から上皿33及び下皿34に向けた遊技球の流下が可能となる。
図6を利用した説明に戻り、払出機構部102には、裏パック基板126が設置されている。裏パック基板126には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ126aの手動による切り換え操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部111の下端部には、制御装置集合ユニット104が取り付けられている。制御装置集合ユニット104は、払出制御装置161と、電源・発射制御装置171と、球貸用接続端子板181とが搭載されている。これら払出制御装置161と、電源・発射制御装置171と、球貸用接続端子板181とは、払出制御装置161及び球貸用接続端子板181がパチンコ機10後方となり電源・発射制御装置171がパチンコ機10前方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置161は、無色透明の基板ボックス内に払出装置124を制御する払出制御基板が収容されている。払出制御装置161には基板ボックスに収容された払出制御基板上に搭載させることにより、状態表示部161aが設けられている。状態表示部161aでは、払出制御装置161における監視対象に関して監視結果が報知される。状態表示部161aはLEDを利用した7セグメント表示器として設けられているが、これに限定されることはなく、ドット表示部や液晶表示装置であってもよい。払出制御装置161には状態復帰スイッチ161bが設けられている。例えば、払出装置124における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ161bが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。また、状態表示部161aにおいて監視結果の報知が行われている状況において、その報知の要因となった事象を解消した後に状態復帰スイッチ161bを押すことで、状態表示部161aにおける当該報知が解除される。但し、一部の事象については状態復帰スイッチ161bを押したとしても状態表示部161aの報知状態は解除されない。
電源・発射制御装置171は、基板ボックス内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射操作装置37の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置171にはRAM消去スイッチ171aが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ171aを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
球貸用接続端子板181は、パチンコ機10の側方に設けられた球貸装置、払出制御装置161及びパチンコ機10前面の貸球操作装置に電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置161に出力するものである。
<パチンコ機10における遊技球の流れ>
次に、パチンコ機10における遊技球の流れについて説明する。
本パチンコ機10では、遊技者により発射操作装置37が操作された場合に上皿33から取り込まれる遊技球と、遊技球発射機構45により遊技領域PAに発射される遊技球とが異なっている。まず上皿33から取り込まれた遊技球の流れについて説明する。なお、以下の説明では、理解を容易なものとするために上皿33から取り込まれる遊技球を取込球といい、遊技領域PAに発射される遊技球を発射球という。
上皿33に供給される取込球は軟鉄により形成されており、磁石による吸引が可能となっている。上皿33への取込球の供給は遊技者の手によって行われる。また、上皿33への取込球の供給は、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかへの入賞が発生した場合に払出装置124が動作することによっても行われる。この入賞によって上皿33に供給される取込球について、図7の模式図を参照しながら説明すると、払出機構部102のタンク121には遊技ホールの島設備における球循環装置から取込球が供給される。この取込球は払出装置124が動作することにより、上皿33に供給される。
上皿33に供給された取込球は球送り装置131を通じて下流側に向けて誘導される。球送り装置131は、前扉枠14の背面において、上皿33におけるパチンコ機10内部に向けた導入口の後方となる位置に設けられている。上皿33の導入口は上皿33の横方向の一端である右端に形成されているため、球送り装置131も同様に上皿33の横方向の一端である右端に設けられている。なお、上皿33の逆側の端部すなわち左端には、払出装置124から払い出された取込球を上皿33内に導出するための導出口が形成されている。
球送り装置131は、図8(a)の模式図に示すように、上皿33の導入口から続く球送り通路132と、当該球送り通路132により誘導された取込球B1を下方から受けて1個ずつ下流側に向けて供給するための供給部材133と、球送り通路132からの取込球B1の受入を許容する受入位置及びその受け入れた取込球B1を下流側に供給するための供給位置の間で供給部材133を回動させる球送り駆動部134と、を備えている。なお、球送り駆動部134は、磁気による吸引を利用して供給部材133を受入位置に配置するとともに、その吸引を解除することで供給部材133を供給位置に配置する駆動部であるが、これに限定されることはなく、例えば回転モータを利用してもよい。
球送り装置131により下流側に向けて導出された取込球は、遊技球発射機構45の発射レール46上に供給されるのではなく、本体枠13の樹脂ベース41に形成された取込排出通路部141に供給される。当該取込排出通路部141について図8(b)を参照しながら説明する。図8(b)は本体枠13の下側の領域を拡大して示す当該本体枠13の正面図である。
図8(b)に示すように、取込排出通路部141は本体枠13において縦方向に延在するように形成されている。取込排出通路部141の入口部分は球送り装置131による取込球の供給位置に存在しており、前方に向けて開口されている。取込排出通路部141の出口部分は本体枠13の下端に達している。そして、取込排出通路部141を通過した取込球は、遊技ホールの島設備における球循環装置に排出されるようになっている。したがって、上皿33内に貯留された取込球が球送り装置131により下流側に向けて導出された場合、当該取込球は遊技領域PAに向けて発射されることなくパチンコ機10から島設備に排出される。
取込排出通路部141の途中位置には球送り検知センサ142が設けられている。球送り検知センサ142は、周知の磁気検知タイプの近接センサが利用されており、貫通孔を取込球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して電源・発射制御装置171に出力する。具体的には、取込球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、取込球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、取込球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、取込球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また取込球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。また、近接センサに限定されることはなく、光学式センサなどといった他のセンサを用いてもよい。球送り検知センサ142が設けられていることにより、上皿33側から取込排出通路部141に取込球が供給された場合には、その供給された取込球が球送り検知センサ142により1個ずつ検知される。
球送り検知センサ142により1個の取込球が検知されることにより、遊技球発射機構45の球供給装置47が駆動されて発射レール46上に1個の発射球が供給される。そして、発射ソレノイド48が駆動されて当該発射ソレノイド48の出力軸が突出することにより、その供給された発射球が遊技領域PAに向けて発射される。
当該構成において、遊技球発射機構45による発射対象となる発射球は遊技領域PAから排出された後に島設備に排出されるのではなく、パチンコ機10にて循環することで再度発射対象になる構成となっている。当該構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、パチンコ機10にて発射球を循環させるための構成を説明するための本体枠13の模式図である。
遊技球発射機構45により発射されて遊技盤51の誘導レールから遊技領域PAに到達した発射球は、釘59や風車などに跳ね返りながら遊技領域PAを流下する。そして、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55又はアウト口58に入球した発射球は、遊技盤51の背面側に導かれる。
本体枠13の樹脂ベース41及び遊技盤51の背面には、回収通路形成体151が設けられており、当該回収通路形成体151と樹脂ベース41及び遊技盤51の背面とを利用して区画形成された回収通路により、アウト口58よりも下方であって球供給装置47よりも上方の領域に導かれる。この導かれた発射球は、樹脂ベース41の背面に形成された供給用通路部152に導出される。
供給用通路部152は、回収通路の最下流部と球供給装置47とを連通させるように設けられており、回収通路により回収された発射球は供給用通路部152を通じて球供給装置47に供給される。供給用通路部152の通路幅は発射球1個分以上の大きさとなっており、当該供給用通路部152には球磨き装置153が設けられている。球磨き装置153は、球磨き体153aと磨き用駆動部153bとを備えている。球磨き体153aはブラシ状の長細い部材であり、供給用通路部152と同軸上となるようにして設けられている。球磨き体153aはその軸線を中心として回転可能な状態で支持されており、長手方向の一端が図示しなりリンク機構を介して磨き用駆動部153bに連結されている。磨き用駆動部153bは、回転モータからなり、駆動信号が供給されている間は、球磨き体153aは所定方向に回転し続ける。なお、磨き用駆動部153bは払出制御装置161と電気的に接続されており、払出制御装置161に動作電力が供給されている間は磨き用駆動部153bへの駆動信号の供給が継続され磨き用駆動部153bの動作が継続される。
球磨き体153aが供給用通路部152に収容された構成において、球磨き体153aは供給用通路部152に流入した発射球の球供給装置47側への流下を可能とするように、且つその流下する発射球に球磨き体153aのブラシ部分が接触するように、その寸法及び配置位置が設定されている。したがって、供給用通路部152において回収された発射球は球供給装置47に誘導されるとともに、その誘導に際して球磨き体153aにより磨かれる。
上記のように遊技球発射機構45により発射されて遊技領域PAに到達した発射球は、供給用通路部152を通じて球供給装置47に戻ることとなるが、発射強度によっては遊技球発射機構45により発射されたものの遊技領域PAに到達することなく誘導レールを戻る発射球も存在する。当該発射球を回収するために、ファール球回収部154が設けられている。
ファール球回収部154は、本体枠13において遊技球発射機構45の発射レール46と遊技盤51の内,外レール部51a,51bとの間に設けられている。仮に遊技球発射機構45から発射された発射球が遊技領域PAの上部に到達せずに、内,外レール部51a,51bによって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球回収部72内に入る。ファール球回収部154にて回収された発射球は、当該ファール球回収部154と回収通路形成体151との間に設けられた搬送装置155を通じて回収通路に誘導される。そして、回収通路に誘導された発射球は、供給用通路部152を通じて球供給装置47に供給される。なお、搬送装置155は、払出制御装置161と電気的に接続されており、払出制御装置161に動作電力が供給されている間は搬送装置155への駆動信号の供給が継続され、当該搬送装置155の動作が継続される。
球供給装置47は、本体枠13を前後方向に貫通するように形成された開口部に対して設けられており、本体枠13の背面において供給用通路部152から供給された発射球を本体枠13の前面に設けられた発射レール46上に供給する機能を有する。球供給装置47は、球送り装置131と同様の構成を有している。具体的には、図8(a)に示すように、供給用通路部152から続く球供給通路47aと、当該球供給通路47aにより誘導された発射球B2を下方から受けて1個ずつ下流側に向けて供給するための供給部材47bと、球供給通路47aからの発射球B2の受入を許容する受入位置及びその受け入れた発射球B2を下流側に供給するための供給位置の間で供給部材47bを回動させる球供給駆動部47cと、を備えている。なお、球供給駆動部47cは、磁気による吸引を利用して供給部材47bを受入位置に配置するとともに、その吸引を解除することで供給部材47bを供給位置に配置する駆動部であるが、これに限定されることはなく、例えば回転モータを利用してもよい。
球供給装置47により下流側に向けて導出された発射球は、遊技球発射機構45の発射レール46上に供給される。そして、この状態で発射ソレノイド48が駆動されて当該発射ソレノイド48の出力軸が突出することにより、その発射レール46上に供給された発射球が遊技領域PAに向けて発射される。
以上のように回収通路形成体151、供給用通路部152、ファール球回収部154及び搬送装置155が設けられていることにより、遊技領域PAに向けて発射される発射球はパチンコ機10内部で循環することとなる。この循環する発射球は、磁石により吸引することが不可能となるように真鍮により形成されている。したがって、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかへの入賞を発生させるべく、遊技領域PAに向けて発射された発射球の流下方向を磁石により不正に変更させようとしても、それが不可となる。また、循環する発射球の数は、発射球の発射が継続され続けたとしても球供給装置47から発射レール46上に供給される発射球が無くならないように、予め定められた複数である特定個数(例えば100個)となっている。これにより、発射操作装置37の操作が行われて上皿33からの取込球の取り込みが継続されている状況においては、発射球の発射が継続されることとなる。
ここで、遊技球発射機構45、取込排出通路部141、球送り検知センサ142、回収通路形成体151、供給用通路部152、ファール球回収部154及び搬送装置155は、取込球と発射球とが相違する本パチンコ機10特有の構成である。これに対して、それ以外のハード構成は、取込球と発射球とが相違する本パチンコ機10特有の構成ではなく、上皿に貯留された遊技球が遊技球発射機構に直接導かれる既存のパチンコ機においても利用可能である。つまり、外枠11、前扉枠14、裏パックユニット15及び遊技盤51は、既存のパチンコ機と共通して利用することが可能である。これにより、本パチンコ機10と既存の構成のパチンコ機との両方を製造するメーカーにとっては部材管理を好適に行うことが可能となる。
また、本パチンコ機10を既存のパチンコ機に適用することも可能である。図8(c)は本パチンコ機10の本体枠13を既存のパチンコ機に適用した場合における当該本体枠13の下側領域を拡大して示す正面図である。図8(c)に示すように、本パチンコ機10において球供給装置47が設けられていた本体枠13の開口部、及び取込排出通路部141の開口部を覆うように閉塞板201,202を設け、本パチンコ機10用の遊技球発射機構45に代えて既存のパチンコ機用の遊技球発射機構を取り付けることにより、既存のパチンコ機において本パチンコ機10の本体枠13を利用することが可能となる。これにより、本パチンコ機10と既存の構成のパチンコ機との両方を製造するメーカーにとっては部材管理を好適に行うことが可能となる。
また、本体枠13において前扉枠14の球送り装置131の後方に取込排出通路部141が形成されていることとの関係上、遊技球発射機構45の発射ソレノイド48の位置が、既存のパチンコ機よりも、遊技盤51における誘導レールの球入口側の位置となっている。具体的には、図8(b)に示すように、既存のパチンコ機の発射ソレノイド203に対して左上の位置に本パチンコ機10の発射ソレノイド48が配置されている。この場合、本パチンコ機10の発射ソレノイド48は、既存のパチンコ機の発射ソレノイド203と同軸上に位置するように配置されている。これにより、発射球の発射角度は一定となるため、誘導レールの構成を既存のパチンコ機と共通化させることが可能となり、遊技盤51を共通利用することが可能となる。
<パチンコ機10の電気的構成>
図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板82を具備している。主制御基板82には、MPU83が搭載されている。MPU83には、当該MPU83により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM84と、そのROM84内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM85と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU83に対してROM84及びRAM85が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU83には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU83の入力側には、主制御装置81に設けられた図示しない停電監視基板が接続されているとともに、払出制御装置161が接続されている。停電監視基板には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置171の電源・発射制御基板172が接続されており、MPU83には停電監視基板を介して電力が供給される。
MPU83の入力側には、各種入賞検知センサ52a,53b,54a,55b,56aといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ52a,53b,54a,55b,56aには、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU83において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU83では第1作動口54及び第2作動口55への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU83の出力側には、停電監視基板、払出制御装置161及び音声発光制御装置91が接続されている。払出制御装置161には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
MPU83の出力側には、特電入賞装置53の特電側の開閉扉53aを開閉動作させる特電用の駆動部53c、第2作動口55の普電役物55aを開閉動作させる普電用の駆動部55c、特図ユニット62及び普図ユニット63が接続されている。ちなみに、特図ユニット62には、特図表示部62a及び特図保留表示部62bが設けられているが、これらの全てがMPU83の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット63には、普図表示部63a及び普図保留表示部63bが設けられているが、これらの全てがMPU83の出力側に接続されている。主制御基板82には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU83は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置53が開閉されるように、MPU83において特電用の駆動部53cの駆動制御が実行される。また、普電役物55aの開放状態当選となった場合には、普電役物55aが開閉されるように、MPU83において普電用の駆動部55cの駆動制御が実行される。また、各遊技回及び開閉実行モードに際しては、MPU83において特図ユニット62の表示制御が実行される。また、普電役物55aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU83において普図ユニット63の表示制御が実行される。
払出制御装置161は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置124により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。払出制御装置161は払出制御基板162を備えており、当該払出制御基板162にはMPU163が搭載されている。MPU163には、そのMPU163により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM164と、ワークメモリ等として使用されるRAM165とを備えている。
MPU163には、入出力ポートが設けられている。MPU163の入力側には、主制御基板82が接続されている。また、MPU163の入力側には、払出装置124の払出球検知センサ138が電気的に接続されており、下流側に向けて実際に払い出された取込球の個数を把握可能となっている。
一方、MPU163の出力側には、主制御基板82が接続されている。また、MPU163の出力側には、払出装置124の払出モータ137が電気的に接続されており、当該払出モータ137を駆動制御することで、払出装置124による下流側に向けた取込球の払い出しを行わせる。また、MPU163の出力側には、球磨き装置153及び搬送装置155が電気的に接続されており、MPU163に動作電力が供給されている状況では球磨き装置153及び搬送装置155への駆動信号の出力が継続され、これら球磨き装置153及び搬送装置155の動作が継続される。
電源・発射制御装置171は電源。発射制御基板172を備えており、当該電源・発射制御基板172には、主制御基板82及び払出制御基板162を含めた各種機器に動作電力を供給する機能を有する電源回路173が設けられている。電源回路173には、電入時用電源部174と、電断時用電源部175とが設けられている。
電入時用電源部174は、例えば遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板82や払出制御基板162等の各々に必要な動作電圧を生成するとともに、その生成した動作電圧を主制御基板82や払出制御基板162等に供給する。その概要としては、電入時用電源部174は、裏パックユニット15に設けられた裏パック基板126を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧などを生成し、これら+12V電圧、+5V電圧を主制御基板82や払出制御基板162等に供給する。
電入時用電源部174と主制御基板82のMPU83との電力供給経路の途中位置に上述した停電監視基板が設けられている。停電監視基板は、電入時用電源部174から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御基板82のMPU83に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。これにより、主制御基板82のMPU83において停電用処理が実行される。
電断時用電源部175はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部174から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部175から放電され主制御基板82のRAM85及び払出制御基板162のRAM165に記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部175から記憶保持用電力が供給されている間は主制御基板82のRAM85及び払出制御基板162のRAM165に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部175の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に各RAM85,165に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部175はコンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部175への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、図示による説明は省略するが、電源・発射制御基板172には、上記電断時用電源部175とは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源・発射制御基板172では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、主制御基板82のMPU83における停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、MPU83は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
電源・発射制御基板172には、電源回路173以外にも、発射球の発射制御を担う発射制御回路176が設けられている。発射制御回路176には、条件成立の送信回路177と、発射許可の受信回路178と、発射制御部179と、が設けられている。
条件成立の送信回路177は、予め定められた発射条件が成立している場合にMPU83に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。具体的には、発射制御回路176は、発射操作装置37の環状のハンドル部が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ37aと、ハンドル部を回転操作している状況であっても発射球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される球止めスイッチ37bと、が電気的に接続されている。なお、発射制御回路176は、払出制御基板162と電気的に接続されており、球貸装置が球貸用接続端子板181に電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路177は、ハンドル部が遊技者により触れられていることを示す信号をタッチセンサ37aから受信するとともに、遊技者により手動操作されていないことを示す信号を球止めスイッチ37bから受信し、さらに払出制御装置161のMPU163から球貸装置が接続されている旨の信号を受信している場合に、MPU83に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、MPU83に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、かかる構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
主制御基板82のMPU83は、条件成立の送信回路177からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信する。一方、MPU83は、条件成立の送信回路177からHIレベルの条件成立信号を受信している場合であって、発射球の発射を停止させるべき異常状態が発生していない場合には、HIレベルの発射許可信号(発射許可に対応している信号)を送信する。但し、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、MPU83は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始するとともにHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。発射許可の受信回路178は、MPU83からHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信している場合にそれに対応した信号を発射制御部179に継続して供給する。
発射制御部179は、発射許可の受信回路178からHIレベルの発射許可信号を受信している場合に、球送り装置131を駆動制御するとともに、当該駆動制御後における球送り検知センサ142の検知結果に基づいて球供給装置47及び発射ソレノイド48を駆動制御する機能を有している。発射球の発射が可能な状況でHIレベルの発射許可信号を継続して受信している場合には、0.6sec周期で1個の発射球が発射されるように各駆動制御を実行する。
なお、発射操作装置37には上記のとおりハンドル部が設けられており、当該ハンドル部の操作量が多いほど発射ソレノイド48による発射球の発射強度が強くなる。発射操作装置37にはハンドル部の操作量を検知するための操作量検知手段として可変抵抗器が設けられており、発射制御部179では当該可変抵抗器から入力する電圧を通じて発射ソレノイド48に供給する駆動信号の電圧を調整して発射強度を調整する。
音声発光制御装置91は、主制御装置81から受信したコマンドに基づき、表示発光部23やスピーカ部26を制御するとともに、表示制御装置96にコマンドを送信する。表示制御装置96は、音声発光制御装置91から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行い、図柄表示装置61の制御を実施する。
<MPU83にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU83にて各種抽選を行うための電気的な構成について図11を用いて説明する。
MPU83は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり発生抽選、特図表示部62aの表示の設定、図柄表示装置61の図柄表示の設定、普図表示部63aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図11に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置61が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部62a及び図柄表示装置61における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口55の普電役物55aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM85の抽選用カウンタエリア85aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生した場合に、特図保留エリア85bに格納される。
特図保留エリア85bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口54又は第2作動口55への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口54又は第2作動口55への発射球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部62aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート56に発射球が入賞したタイミングでRAM85の普図保留エリア85cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物55aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物55aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに対して同様の態様で発射球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口55の普電役物55aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物55aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物55aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部63aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口55よりも第1作動口54への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口54よりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート56への入賞に基づき普図表示部63aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選において普電開放状態当選となった場合、普電開放状態となる。当該普電開放状態は、予め定められた回数の普電役物55aの開閉が行われた場合、又は予め定められた上限個数の発射球が第2作動口55に入賞にした場合に終了する。これらの内容について具体的には、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであっても上記上限個数は10個で共通している。一方、普電役物55aの開閉回数は低頻度サポートモードであれば1回であるのに対して、高頻度サポートモードであれば当該低頻度サポートモードの場合よりも多い複数回であり具体的には3回となっている。また、普電役物55aの1回の開放継続時間は、低頻度サポートモードであれば1secであるのに対して、高頻度サポートモードであれば2secとなっている。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、発射球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで特図保留エリア85bの保留用エリアREに格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
当否判定に際して当選となる乱数の値は、ROM84に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置53が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値の数は低確率モード用の当否テーブルが参照される場合よりも多く設定されており、具体的には20個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり当選となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、発射球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで特図保留エリア85bの保留用エリアREに格納される。そして、この格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して振分判定が行われる。
ここで、本パチンコ機10では大当たり結果が複数種類設定されているが、これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードの内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードの内容、(3)開閉実行モード終了後のサポートモードの内容という3つの内容のうち、少なくとも1つの内容が相違している。
大当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の発射球が特電入賞装置53に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
ラウンド数規定モードには、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、本パチンコ機10では、特電入賞装置53の1回の開放態様が、特電入賞装置53が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い時間である0.05secに設定された短時間態様と、が設定されている。本パチンコ機10では、発射操作装置37が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の発射球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構45が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が10個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、発射球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、発射球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、発射球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置53に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置53への入賞が発生しないことが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置53の開放が1回行われる。つまり、長時間態様による特電入賞装置53の開放が15回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置53の開放が1回行われる。つまり、短時間態様による特電入賞装置53の開放が15回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置53の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、ROM84に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルには、大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる大当たり結果である。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が、1以上の回数として設定された終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードの終了後に移行した低頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置61における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置61を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置61における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置61に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、図柄表示装置61の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置61において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示はリーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、ROM84のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、MPU83において行うのではなく、音声発光制御装置91において行われる。この場合、音声発光制御装置91では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置61にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部62aにおける表示継続時間と、図柄表示装置61における図柄の表示継続時間とをMPU83において決定する上で用いられる。具体的には、変動種別カウンタCSの値は、特図表示部62aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置61による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
<MPU83にて実行される各種処理について>
次に、MPU83にて遊技を進行させるために実行される各種処理を説明する。かかるMPU83の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本パチンコ機10では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図12のフローチャートを参照しながら、MPU83におけるメイン処理を説明する。
ステップS101では、主側の電源投入ウェイト処理を実行する。主側の電源投入ウェイト処理では、メイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRAM85のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU83の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置171に設けられたRAM消去スイッチ171aが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM85の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ171aを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ171aが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM85の初期化として当該RAM85をクリアする。その後、ステップS109に進む。一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。
ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM85の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置91に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU83はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RAM85の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図13のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU83にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板82には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU83との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU83にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU83に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU83では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU83における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU83における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU83の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。停電時処理では、次回の電源立ち上げ時に電源遮断前の状態に復帰可能とするために各種データ設定を行った後に、MPU83への動作電力の供給が完全に遮断されるまで待機する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。具体的には、ステップS206にて肯定判定をすることで、ステップS207〜ステップS219の遊技を進行させるための処理を実行しない。また、遊技の進行を停止すべき状況である場合には当該遊技の進行を停止すべき契機となった事象に対応した報知が実行されるように、音声発光制御装置91にコマンドを送信する。これら遊技の進行が停止された状態及びそれに対応した報知は、MPU83への動作電力の供給を停止しただけでは電源立ち上げ時に再度開始されるものであり、MPU83への動作電力の供給を停止した後に電源・発射制御装置171のRAM消去スイッチ171aを押しながら動作電力の供給を開始することでRAM85の初期化が実行されることに伴い実行されないようになる。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部53c,55cに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置53を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部53cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口55の普電役物55aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部55cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ52a,53b,54a,55b,56aから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RAM85に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、磁気、電波及び振動のいずれかの発生をそれぞれに対応した検知センサの検知結果を利用して確認する。そして、いずれかの不正対応事象の発生を確認した場合には、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、発射球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射制御処理では、電源・発射制御基板172における条件成立の送信回路177からHIレベルの条件成立信号を受信している場合であってステップS211の不正検知処理にて不正の発生が確認されていない場合には、電源・発射制御基板172における発射許可の受信回路178にHIレベルの発射許可信号を送信する。一方、条件成立の送信回路177からLOWレベルの条件成立信号を受信している場合又はステップS211の不正検知処理にて何らかの不正の発生が確認されている場合には、発射許可の受信回路178にLOWレベルの発射許可信号を送信する。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ52a,53b,54a,55b,56aの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
続くステップS215では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート56への入賞が発生している場合に普電乱数カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図表示部63aにて普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口55の普電役物55aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部62aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部62bに反映させるための出力情報の設定、及び普図表示部63aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部63bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部62aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部63aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、払出制御装置161から受信したコマンドの内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS218では、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかへの入賞が発生していることを条件として賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS219では、アウト球監視処理を実行する。遊技球発射機構45の発射レール46において最下流部に隣接した位置には発射球検知センサが設けられており、発射レール46上を通過する発射球を検知している間は発射球検知センサからMPU83にHIレベルの発射検知信号が出力され、発射球を検知していない間は発射球検知センサからMPU83にLOWレベルの発射検知信号が出力される。アウト球監視処理では、当該発射球検知センサからの発射検知信号に基づき発射レール46上を通過した発射球の数を計測し、その計測された発射球の個数が10個となる度に、MPU83は後述するアウト球用の外部端子113eを利用して、10個の発射球が発射されたことを示す信号をホールコンピュータに外部出力する。
なお、アウト球の計測はRAM85に設けられたカウンタを利用して行われるため、MPU83への動作電力の供給が停止されたとしても当該アウト球の計測結果はバックアップ電力により記憶保持される。
また、アウト球の発射を検知するためのセンサとして、発射される発射球を検知する発射球検知センサを設ける構成に代えて、遊技領域PAから遊技盤51の背面側に排出された発射球を検知するセンサを設ける構成としてもよい。この場合、当該センサとして、アウト口58から排出された発射球を検知するためのセンサを設け、当該センサにより検知された発射球の個数と、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55の各入賞検知センサにより検知された発射球の個数との和をアウト球の個数として計測する構成としてもよい。
<特図特電制御処理>
次に、MPU83のタイマ割込み処理(図13)におけるステップS214にて実行される特図特電制御処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まずステップS301にて、保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、第1作動口54への発射球の入賞が発生している場合又は第2作動口55への発射球の入賞が発生している場合に、特図保留エリア85bの保留用エリアREに記憶されている保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満であることを条件に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、保留用エリアREのうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。
当該取得処理では、保留情報を取得した場合には、保留コマンドを音声発光制御装置91に送信する。音声発光制御装置91では、受信した保留コマンドに対応したコマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96では、保留コマンドを受信することで、図柄表示装置61における保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。また、上記のように保留情報の数が増加した場合には、タイマ割込み処理(図13)におけるステップS216の表示制御処理にて、保留個数の増加に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
続くステップS302では、RAM85に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップS303にて、ROM84に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS306)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS307)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS308)と、が設定されている。
また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS309)と、特電入賞装置53の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS310)と、特電入賞装置53の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS311)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS312)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU83にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS306)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS307)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS308)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS309)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS310)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS311)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS312)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として0が設定されている。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS306の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS307の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS308の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS309の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS310の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS311の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS312の特電終了処理にジャンプする。ステップS306〜ステップS312のいずれかの処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下、ステップS306〜ステップS312の処理について個別に説明する。
<特図変動開始処理>
まずステップS306の特図変動開始処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS401にて、特図保留エリア85bに保留情報が記憶されているか否かを判定する。ステップS401にて否定判定をした場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了し、ステップS401にて肯定判定をした場合にはステップS402に進む。
ステップS402では、データ設定処理を実行する。データ設定処理では、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置91に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS403では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合にはROM84に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合にはROM84に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS404では、ステップS403における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS405にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。そして、ROM84に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2の数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS406では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示部62aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM84に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM85に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、特図表示部62aに停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS407では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、RAM85には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS407では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS405の振分判定結果に対応したフラグに「1」をセットする。
一方、ステップS404にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS408にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に対応する遊技回において特図表示部62aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM84に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM85に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS407及びステップS408のいずれかの処理を実行した後は、ステップS409にて、表示継続時間の取得処理を実行する。当該取得処理では、現状の遊技状態、当否判定処理の結果、振分判定処理の結果、リーチ表示の有無、保留情報の数、及び変動種別カウンタCSの値に応じて、今回の遊技回における表示継続時間の情報を取得する。
ステップS409にて表示継続時間の取得処理を実行した後は、ステップS410に進み上記ステップS409にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図13)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として特図表示部62aにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置61における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置61では有効ライン上に所定の図柄の組合せが停留表示された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS409にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。
続くステップS411では、変動用コマンド及び種別コマンドを音声発光制御装置91に送信する。変動用コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、表示継続時間に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が変動用コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、表示継続時間に対応した時間用データが設定されている。したがって、音声発光制御装置91では、変動用コマンドを受信した場合、上記識別用データから変動用コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記時間用データから今回の遊技回の表示継続時間を認識する。ここで、MPU83では、リーチが発生するか否かによって異なる表示継続時間を選択するため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、音声発光制御装置91では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
種別コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、当否抽選モードの種類に対応したデータと、高頻度サポートモードの残り継続回数に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が種別コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、当否抽選モードの種類に対応したデータ及び高頻度サポートモードの残り継続回数に対応した継続回数用データが設定されている。したがって、音声発光制御装置91では、種別コマンドを受信した場合、上記識別用データから種別コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記継続回数用データから当否抽選モードの種類及び高頻度サポートモードの残り継続回数を認識する。
ここで、変動用コマンド及び種別コマンドの両方に、当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果に対応したデータが含まれている。したがって、音声発光制御装置91では、変動用コマンドに含まれる上記抽選結果用データと、種別コマンドに含まれる上記抽選結果用データとを照合することにより、変動用コマンド及び種別コマンドの受信に関してノイズなどの通信異常が発生していないか否かを特定することが可能となる。そして、両方の抽選結果用データが一致している場合には、それら変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応した演出用の制御を実行し、両方の抽選結果用データが一致していない場合には、それを報知することが可能となる。ちなみに、後者の場合、音声発光制御装置91では、当該遊技回において通信異常に対応した遊技回用演出が実行されるようにしてもよく、例えば当該遊技回用演出では、当否判定処理及び振分判定処理の結果に関係なく、図柄表示装置61において確実に完全外れに対応した図柄の組合せが停止表示されるようにしてもよい。この場合、当該遊技回用演出を、変動用コマンドに含まれる時間用データに対応した表示継続時間に亘って行う構成としてもよく、次回の変動用コマンド及び種別コマンドを受信するまで継続させる構成としてもよい。
ステップS411の処理を実行した後は、ステップS412にて特図表示部62aにおける絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS413では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS413の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<特図変動中処理>
次に、特図特電制御処理(図14)におけるステップS307の特図変動中処理について説明する。
特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、最終停止表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、当たり結果となるか否か及びリーチ表示が発生するか否かに関係なく、一定の態様で行われる。
また、最終停止表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、最終停止表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、最終停止表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置61にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置91に送信するとともに、特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止時間(0.5sec)の情報をROM84から読み出し、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
<特図確定中処理>
次に、特図特電制御処理(図14)におけるステップS308の特図確定中処理について説明する。
特図確定中処理では、今回の遊技回の最終停止時間が経過していない場合にはそのまま本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の最終停止時間が経過している場合には、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果であれば、特図特電カウンタの値を「0」クリアした後に本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果がいずれかの大当たり結果であれば、開閉実行モード移行用の処理を実行する。
開閉実行モード移行用の処理では、ROM84に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該オープニング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。また、オープニングコマンドを音声発光制御装置91に送信する。オープニングコマンドは、音声発光制御装置91に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置91は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応した態様で、開閉実行モードの演出を実行させることが可能となる。さらに、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、特図特電カウンタの値は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
<特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(図14)におけるステップS309の特電開始処理について説明する。
特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定し、経過している場合には、RAM85に設けられたラウンドカウンタに15をセットするとともに、RAM85に設けられた入賞カウンタに10をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数をMPU83にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタは、一のラウンド遊技又は一の開閉数規定モードにおいて、上限個数の発射球の入賞が発生したか否かをMPU83にて特定するためのカウンタである。そして、大当たり結果に対応した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットするとともに、特電入賞装置53を開放状態とする。また、特電入賞装置53を開放状態とした場合には、開放コマンドを音声発光制御装置91に送信する。音声発光制御装置91は、当該開放コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り換えるための制御を実行する。特電入賞装置53を開放状態とした後は、特図特電カウンタを1加算し、本特電開始処理を終了する。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、1加算後は「4」となる。
<特電開放中処理>
次に、特図特電制御処理(図14)におけるステップS310の特電開放中処理について説明する。
特電開放中処理では、1のラウンド遊技の終了条件が成立しているか否かを判定し、当該終了条件が成立している場合には特電入賞装置53を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音声発光制御装置91に送信する。また、1減算後のラウンドカウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、「0」となっていない場合には、特図特電タイマカウンタに閉鎖時間をセットする。当該閉鎖時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には発射球の発射周期よりも長い1secとなっている。また、特電入賞装置53を閉鎖状態とした場合には、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かに関係なく、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、1加算後は「5」となる。
<特電閉鎖中処理>
次に、特図特電制御処理(図14)におけるステップS311の特電閉鎖中処理について説明する。
特電閉鎖中処理では、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過していない場合にはそのまま本特電閉鎖中処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合には、特電入賞装置53を開放状態とするとともに、今回の開閉実行モードの実行契機となった当たり結果に対応した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットする。また、特電入賞装置53を開放状態とした場合には、開放コマンドを音声発光制御装置91に送信する。その後、特図特電カウンタを1減算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1減算後は「4」となる。
一方、ラウンドカウンタが「0」である場合には、エンディングコマンドを音声発光制御装置91に送信する。エンディングコマンドは、音声発光制御装置91にエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。エンディングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置91は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応させた態様で、エンディング演出を実行させることが可能となる。また、ROM84に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該エンディング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。その後、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1加算後は「6」となる。
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(図14)におけるステップS312の特電終了処理について説明する。
特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定し、エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了する。エンディング時間が経過している場合には、開閉実行モード後の当否抽選モード及びサポートモードの内容を、今回の開閉実行モードへの移行契機となった大当たり結果の種類に対応した内容に設定し、さらに特図特電カウンタを「0」クリアした後に、本特電終了処理を終了する。
<発射動作処理>
次に、電源・発射制御装置171の発射制御部179にて実行される発射動作処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS501では、発射制御部179に設けられた内部RAMのフラグの状態を確認することで球供給状態であるか否かを判定し、ステップS502では同じくフラグの状態を確認することで球送り状態であるか否かを判定する。球供給状態とは、遊技球発射機構45の球供給装置47が駆動状態となっている状態のことである。球送り状態とは、上皿33に設けられた球送り装置131が駆動状態となっている状態のことである。
ステップS501及びステップS502の両方にて否定判定をした場合には、ステップS503にて、MPU83から受信している発射許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。また、ステップS504では、発射制御部179に設けられたタイマ回路の状態を確認することで、発射許可信号がHIレベルとなってから、又は発射球の発射が継続されている状況において発射ソレノイド48を前回駆動状態としたタイミングから0.6sec以上が経過しているか否かを判定する。ステップS503及びステップS504のいずれかにて否定判定をした場合には、そのまま本発射動作処理を終了する。ステップS503及びステップS504の両方にて肯定判定をした場合には、ステップS505にて、発射制御部179の内部RAMのフラグ設定を行うことで球送り状態に設定した後に、本発射動作処理を終了する。球送り状態に設定された場合、球送り装置131に駆動信号が出力されることにより、上皿33に貯留されている1個の取込球が取込排出通路部141に向けて導出される。
球送り状態に設定された場合、ステップS502にて肯定判定をすることとなりステップS506に進む。ステップS506では、取込排出通路部141に設けられた球送り検知センサ142がONとなっているか否かを判定する。ONとなっていない場合にはそのまま本発射動作処理を終了し、ONとなっている場合にはステップS507に進む。ステップS507では、発射制御部179の内部RAMのフラグクリアを行うことで球送り状態を解除する。その後、ステップS508にて、発射制御部179の内部RAMのフラグ設定を行うことで球供給状態に設定した後に、本発射動作処理を終了する。球供給状態に設定された場合、球供給装置47に駆動信号が出力されることにより、供給用通路部152にて待機している発射球が遊技球発射機構45の発射レール46上に供給される。
球供給状態に設定された場合、ステップS501にて肯定判定をすることとなりステップS509に進む。ステップS509では、発射制御部179に設けられたタイマ回路の状態を確認することで、球供給状態に設定されてから供給時間(例えば0.1sec)が経過したか否かを判定する。当該供給時間は、球供給装置47が駆動状態となってから、供給用通路部152にて待機している1個の発射球が発射レール46上に供給されるまでに要する時間として想定される最長時間以上の時間として設定されている。
供給時間が経過していない場合にはそのまま本発射動作処理を終了し、供給時間が経過している場合にはステップS510に進む。ステップS510では、発射制御部179の内部RAMのフラグクリアを行うことで球供給状態を解除する。その後、ステップS511にて、遊技球発射機構45の発射ソレノイド48に発射駆動信号を単発的に出力した後に、本発射動作処理を終了する。発射ソレノイド48に発射駆動信号が出力されることにより当該発射ソレノイド48の出力軸が突出し、その出力軸が発射レール46上の発射球に衝突することで当該発射球が遊技領域PAに向けて発射される。この場合、その発射強度は、発射操作装置37のハンドル部の操作量に応じて決定される。
次に、図17のタイムチャートを参照しながら、遊技領域PAに向けて発射球を発射するための動作内容について説明する。図17(a)は発射許可信号の出力状態を示し、図17(b)は発射球の発射周期を示し、図17(c)は球送り装置131の動作状態を示し、図17(d)は球送り検知センサ142の検知状態を示し、図17(e)は球供給装置47の動作状態を示し、図17(f)は発射ソレノイド48の動作状態を示す。
上皿33に取込球が貯留されている状況で発射操作装置37に対して遊技者による発射操作が行われることにより、t1のタイミングで図17(a)に示すように発射許可信号の出力状態がHIレベルとなる。その後、t2のタイミングで図17(b)に示すように発射周期となることで、図17(c)に示すように球送り装置131が駆動状態となり、上皿33に貯留されている1個の取込球の取り込みが開始される。
その後、t3のタイミングで図17(d)に示すように球送り検知センサ142にて1個の取込球の検知が開始されることにより、その後のt4のタイミングにて、図17(c)に示すように球送り装置131の駆動状態が解除されるとともに、図17(e)に示すように球供給装置47が駆動状態となる。球供給装置47が駆動状態となることで、供給用通路部152にて待機している1個の発射球が発射レール46上に供給される。
その後、t5のタイミングで供給時間が経過することで、図17(e)に示すように球供給装置47の駆動状態が解除されるとともに、図17(f)に示すように発射ソレノイド48が駆動状態となる。これにより、発射レール46上に供給された発射球が遊技領域PAに向けて発射される。
その後、上皿33に取込球が貯留されている状況であって発射操作装置37に対して遊技者による発射操作が継続されている状況であるt6のタイミングで図17(b)に示すように発射周期となることで、t2のタイミング〜t5のタイミングで示した動作と同様の動作が行われる。これにより、遊技領域PAに向けて発射球が再度発射される。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上皿33から取込球が取り込まれた場合、当該取込球とは異なる発射球が発射レール46上に供給され当該発射球が遊技領域PAに向けて発射される。これにより、正規の発射球よりも小さい不正球や、油などが塗布された不正球や、紐付きの不正球などを上皿33に補充することで遊技領域PAに向けて発射させようとする不正行為が行われたとしても、それによる利益が発生しづらくなるようにすることが可能となる。よって、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55への入球を不正に発生させる行為を好適に抑制することが可能となる。
上皿33への取込球の補充を遊技者が行うことが可能な構成である。これにより、取込球と発射球とが異なる構成であっても既存のパチンコ機と同様の感覚で遊技を行うことが可能となる。
一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかに発射球が入球した場合には、上皿33に取込球が払い出される。これにより、取込球と発射球とが異なる構成であっても既存のパチンコ機と同様の感覚で遊技を行うことが可能となる。
球送り装置131により取り込まれた取込球は遊技球発射機構45の発射対象として利用されない。これにより、上記のような不正球が遊技領域PAに向けて発射されないようにすることが可能となる。
球送り装置131により取り込まれた取込球は取込排出通路部141を通じてパチンコ機10の外部に排出される。これにより、上記のような不正球が上皿33に補充されたとしても、当該パチンコ機10にてその不正球が使用されにくくすることが可能となる。
回収通路形成体151、供給用通路部152、ファール球回収部154及び搬送装置155が設けられていることにより、発射球はパチンコ機10にて循環して使用されることとなる。これにより、上記のような不正球を発射球としてパチンコ機10に不正に投入しようとしてもそれが行いづらくなる。また、発射球が消失してしまう可能性が低いため、発射球の材質として高価な材質を用い易くなる。
取込球と発射球とは材質が異なっている。これにより、取込球と発射球とのそれぞれにとって適切な遊技球を利用することが可能となる。具体的には、取込球として軟鉄を利用することにより既存のパチンコ機にて利用される遊技球と共通のものとすることが可能となり、遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。その一方、発射球として真鍮やセラミックを利用することにより発射球が磁石に吸引されないようにすることが可能となり、磁石を利用した不正行為を阻止することが可能となる。
発射操作装置37のハンドル部を操作することにより、球送り装置131による取込球の取り込みが行われるとともに、球供給装置47による発射レール46上への発射球の供給及び発射ソレノイド48による発射球の発射が行われる。これにより、取込球がそのまま発射球として使用されない構成であっても遊技者は遊技に際して発射操作装置37に対して発射操作を行うだけでよいため、既存のパチンコ機に比べて操作性を低下させないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
上皿33及び球送り装置131は前扉枠14に設けられているのに対して、取込排出通路部141及び球送り検知センサ142は本体枠13に設けられている。これにより、取込球がそのまま発射球として利用されるパチンコ機と前扉枠14を共通利用することが可能となり、部品管理を好適に行うことが可能となる。
遊技球発射機構45は、取込排出通路部141よりも遊技盤51の誘導レールの入口側に設けられている。これにより、前扉枠14に設けられた球送り装置131の位置を既存のパチンコ機から変更しなくても、球送り装置131により取り込まれた取込球を取込排出通路部141に円滑に導出することが可能となる。
発射ソレノイド48は、球送り装置131により取り込まれた取込球が発射レール上に直接供給されその供給された取込球が発射ソレノイドにより発射球として発射される既存のパチンコ機の発射ソレノイドの取付位置を想定した場合に当該既存のパチンコ機の発射ソレノイドと同軸上であって当該既存のパチンコ機の発射ソレノイドによる発射先側となる位置に設けられている。これにより、誘導レールの構成を共通化することが可能となり、既存のパチンコ機と遊技盤51を共通利用することが可能となる。よって、部品管理を好適に行うことが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、発射球の扱いが上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では、発射ソレノイドが設けられている位置が上記第1の実施形態と異なっている。具体的には、上記第1の実施形態では遊技領域PAの下方に発射ソレノイド48が設けられている構成としたが、本実施形態では遊技領域PAの左上に発射ソレノイドが設けられている。そして、遊技盤51に設けられた誘導レールの球入口は、発射ソレノイドを基準として当該発射ソレノイドの出力軸が突出する方向側に存在しており、発射ソレノイドからは右方に向けて発射球が発射されることとなる。この場合、発射ソレノイドは、遊技盤51に設けられているのではなく、本体枠13の樹脂ベース41に設けられている。したがって、発射ソレノイドを樹脂ベース41に装着した状態のまま遊技盤51を交換することが可能となる。
樹脂ベース41には発射ソレノイド以外にも、当該発射ソレノイドにより発射される発射球を保持するとともに発射された発射球を誘導レールの球入口に向けてガイドするための発射レールと、上皿33から球送り装置131を通じて1個の取込球が取り込まれた場合に発射レール上に1個の発射球を供給するための球供給装置が設けられている。当該球供給装置には、裏パックユニット15のタンク121に貯留されている遊技球が発射球として発射用供給通路部を通じて供給される。なお、発射用供給通路部は、タンク121と球供給装置とを直接繋ぐように設けられている構成としてもよく、タンクレール122と球供給装置とを直接繋ぐように設けられている構成としてもよい。
上記構成において、上皿33に取込球が貯留されている状況で発射操作装置37に発射操作が行われた場合、まず球送り装置131により取込球が取り込まれる。その取込球は、球送り検知センサ142により検知された後に遊技ホールの島設備に設けられた球循環装置に排出される。球送り検知センサ142により取込球が検知されることにより、タンク121側から発射用供給通路を介して供給されている1個の発射球が球供給装置によって発射レール上に供給される。そして、発射ソレノイドの出力軸が突出することにより、その発射レール上に供給された発射球が遊技領域PAに向けて発射される。遊技領域PAから排出された発射球は、パチンコ機に設けられた排出通路部を通じて島設備の球循環装置に排出される。
ここで、タンク121には上記第1の実施形態と同様に島設備の球循環装置から遊技球が供給される。また、上記のとおり球送り装置131を通じて取り込まれた取込球は取込排出通路部141を通過することで島設備の球循環装置に排出され、遊技領域PAから排出された発射球も島設備の球循環装置に排出される。したがって、本パチンコ機では、取込球と発射球とが同一となる。当該同一となる遊技球は、軟鉄などにより形成されていることで磁石により吸引可能なものであってもよく、真鍮やセラミック等により形成されていることで磁石により吸引不可なものであってもよい。
取込球と発射球とが同一となる構成であっても、球送り装置131により取り込まれた取込球は島設備の球循環装置により循環されタンク121に補充された後に発射球となり得る。さらにまた、遊技ホールには多数のパチンコ機が存在しているため、一のパチンコ機にて取り込まれた取込球が当該パチンコ機の発射球として利用されずに他のパチンコ機の発射球として利用される可能性がある。そうすると、正規の球よりも径が小さい不正球や、油などが塗布された不正球や、紐付きの不正球などを取込球として取り込ませ最終的にその不正球を遊技領域PAに向けて発射させようとする行為を行おうとしても、取込球の取り込みが行われた場合に発射球として使用される球はその取込球ではないため当該行為によって不正な利益を得ようとすることが難しくなる。
タンク121に貯留された遊技球が発射球として供給される構成において、島設備の球循環装置からのタンク121への遊技球の補充が適切に行われないと、発射球の発射が強制的に停止されてしまう。これに対して、本実施形態では、発射球が不足しているか否かをパチンコ機10前方から目視確認可能な構成となっているとともに、発射用供給通路部に発射球が待機していることを検知可能な構成となっている。
目視確認可能な構成について詳細には、発射用供給通路部の通路壁は通路内部を目視確認することができるように有色透明又は無色透明に形成されているとともに、樹脂ベース41及び遊技盤51において少なくとも発射用供給通路部の前方に位置する部位も当該発射用供給通路部の内部を目視確認することができるように有色透明又は無色透明に形成されている。これにより、発射用供給通路部に発射球が待機しているか否かの確認を窓パネル22越しに行うことが可能となる。
発射用供給通路部に発射球が待機していることを検知可能な構成について詳細には、当該発射用供給通路部には発射球が待機していることを検知する待機検知センサが設けられている。当該待機検知センサの検知結果は、周知の磁気検知タイプの近接センサが利用されており、貫通孔を取込球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して主制御装置81に出力する。具体的には、発射球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、発射球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、発射球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、発射球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また発射球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。また、近接センサに限定されることはなく、光学式センサなどといった他のセンサを用いてもよい。
主制御装置81のMPU83は、待機検知センサの検知結果に基づいて発射用供給通路部に発射球が待機していないことを特定した場合、タイマ割込み処理(図13)のステップS206にて肯定判定をすることにより遊技の進行を停止させる。この遊技の進行が停止された状態は、待機検知センサの検知結果が発射球を検知している結果となった場合に解除される。そして、その解除に際して、パチンコ機の状態が遊技の進行を停止する前の状態に復帰することとなる。これにより、タンク121の球不足などが原因で発射球の発射が強制的に停止されたとしても、遊技者が被る不利益を抑えることが可能となる。
なお、待機検知センサが発射用供給通路部に設けられている構成に代えて、タンク121と球供給装置とを直接繋ぐように発射用供給通路部が設けられている構成においてはタンク121に検知センサが設けられている構成としてもよく、タンクレール122と球供給装置とを直接繋ぐように発射用供給通路部が設けられている構成においてはタンクレール122に検知センサが設けられている構成としてもよい。また、ケースレール123と球供給装置とを直接繋ぐように発射用供給通路部が設けられている構成においては、球無検知センサ123aが待機検知センサとして兼用される構成としてもよい。
また、発射球の不足が原因で遊技の進行が停止された場合、その停止状態を解除するためにはパチンコ機10の電源を一旦OFFとした後に再度ON操作をする必要がある構成としてもよい。この場合であっても、その電源の再投入が行われた場合には、主制御装置81のRAM85などがクリアされないようにすることで、遊技の進行が停止される前の状態に復帰する構成とすることが好ましい。
本実施形態の構成についてより詳細に説明する。図18は本実施形態における本体枠13の正面図である。
図18に示すように、発射球を遊技領域PAに発射するための遊技球発射機構211は遊技領域PAの左上に設けられており、この左上の位置から右方に向けて発射球を発射する。遊技球発射機構211は、遊技領域PAを区画する区画レール部221において遊技領域PAの左上の位置にて当該遊技領域PAを外方に開放させる導入口222に向けて延びる発射レール212と、発射レール212上に発射球を供給する球供給装置213と、発射レール212上に供給された発射球を導入口222に向けて発射させる電動アクチュエータである発射ソレノイド214と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置37が回動操作されることに基づき球送り装置131が駆動制御されて球送り検知センサ142にて1個の取込球が検知されることにより球供給装置213によって1個の発射球が発射レール212上に供給される。そして、その状態で発射ソレノイド214が駆動制御されて出力軸が突出することにより、その発射レール212上に供給されている発射球が遊技領域PAに向けて発射される。なお、発射レール212はその上面が水平となるように設けられており、発射レール212において発射元側の端部に供給された発射球が自重により遊技領域PA側に転がっていくことが防止されている。
遊技球発射機構211は、本体枠13の樹脂ベース41に設けられており、遊技盤51には設けられていない。詳細には、樹脂ベース41には前後方向に貫通するようにして窓孔43が形成されており、当該窓孔43を後方から塞ぐようにして樹脂ベース41の背面側に遊技盤51が装着されている。そして、この状態では遊技盤51に形成された遊技領域PAが窓孔43を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。遊技球発射機構211は、樹脂ベース41の前面側から固定されており、発射レール212は発射方向先側が窓孔43の周縁部から当該窓孔43側に突出している。そして、この発射レール212が突出する位置において区画レール部221が非連続となっており、当該発射レール212が区画レール部221の導入口222側に入り込んでいる。これにより、遊技球発射機構211から発射された発射球が遊技領域PA内に確実に導入される。
発射レール212が窓孔43側に突出している構成であっても、当該発射レール212は遊技盤51に固定されておらず、さらに発射レール212は遊技盤51の前方に存在しているのに対して遊技盤51は樹脂ベース41の背面側から固定される。したがって、遊技球発射機構211を樹脂ベース41に装着した状態のまま遊技盤51を交換することが可能である。
遊技球発射機構211の球供給装置213には、裏パックユニット15のタンク121に貯留されている遊技球が発射球として供給される。具体的には、球供給装置213とタンク121とを繋ぐようにして発射用供給通路部215が設けられている。発射用供給通路部215は、複数の発射球を一列に整列させながら球供給装置213に発射球を1個ずつ供給するように形成されている。球供給装置213は、発射用供給通路部215にて一列に整列している発射球を1個ずつ発射レール212上に供給する。
発射用供給通路部215を区画する通路壁のうち少なくとも樹脂ベース41の前面部を生じさせる部位は、本体枠13の前方から発射用供給通路部215内に存在している発射球を目視確認可能とするように透明に形成されている。また、発射用供給通路部215において透明に形成されている部位は、前扉枠14の窓パネル22を通じてパチンコ機10前方から視認可能な位置に存在している。これにより、パチンコ機10前方から発射用供給通路部215を目視確認することにより、当該発射用供給通路部215に発射球が待機しているか否かを確認することが可能となる。
発射用供給通路部215には発射球が待機しているか否かを検知するための待機検知センサ216が設けられている。待機検知センサ216は、磁気検知タイプの近接センサであり、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、待機検知センサ216は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。待機検知センサ216は主制御装置81に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。主制御装置81では、待機検知センサ216の検知結果を利用して、発射用供給通路部215に遊技球が待機しているか否かの監視処理を実行する。
次に、図19の模式図を参照しながら、本パチンコ機10における遊技球の流れについて説明する。
払出機構部102のタンク121には遊技ホールの島設備における球循環装置から遊技球が供給される。この遊技球は払出装置124が動作することにより、取込球として上皿33に供給される。上皿33に供給された取込球は球送り装置131を通じて下流側に向けて誘導される。上皿33及び球送り装置131の構成は上記第1の実施形態と同一である。
タンク121に貯留された遊技球を払出装置124に供給するための払出用供給通路部225には球無し検知センサ226が設けられている。球無し検知センサ226は、磁気検知タイプの近接センサであり、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、球無し検知センサ226は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。球無し検知センサ226は払出制御装置161に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。払出制御装置161は、球無し検知センサ226の検知結果を利用して、払出用供給通路部225に遊技球が待機しているか否かを判定し、待機していないと判定した場合には主制御装置81にエラーコマンドを送信することを通じてエラー報知を実行させるとともに、払出装置124の動作を停止させる。このエラー状態は、球無し検知センサ226にて遊技球の検知が再開された場合に自動的に解除されるが、これに限定されることはなく、パチンコ機10の電源の再投入を要する構成としてもよく、遊技機本体12又は前扉枠14を開放した場合に操作可能となる操作部の操作を要する構成としてもよい。
球送り装置131により下流側に向けて導出された取込球は、遊技球発射機構211の発射レール212上に供給されるのではなく、本体枠13の樹脂ベース41に形成された取込排出通路部141に供給される。取込排出通路部141の構成は上記第1の実施形態と同一である。取込排出通路部141を通過する取込球は球送り検知センサ142により1個ずつ検知され、当該球送り検知センサ142により取込球が検知されることにより遊技球発射機構211の球供給装置213が駆動されて発射レール212上に1個の発射球が供給される。この発射球は、既に説明したとおり発射用供給通路部215を通じてタンク121から供給される。そして、発射ソレノイド214が駆動されることにより、発射レール212上に供給されている発射球が遊技領域PAに向けて発射される。
図20は、主制御装置81のMPU83にて実行される待機球監視処理を示すフローチャートである。なお、当該待機球監視処理は、タイマ割込み処理(図13)にて実行される。
まずステップS601では待機検知センサ216がONとなっているか否かを判定する。OFFとなっている場合には、ステップS602に進み、主制御装置81のRAM85に設けられた待機検知カウンタの値を「0」クリアした後に本待機球監視処理を終了する。待機検知カウンタは、待機検知センサ216がONとなっている状態を確認した回数をMPU83にて特定するためのカウンタである。
待機検知センサ216がONとなっている場合(ステップS601:YES)には、ステップS603にてRAM85の待機検知カウンタの値を1加算する。続くステップS604では、その1加算後の待機検知カウンタの値が2以上となっているか否かを判定する。2未満である場合にはそのまま本待機球監視処理を終了し、2以上となっている場合にはステップS605に進む。
ステップS605では、RAM85に設けられたフラグの設定処理を実行することで、待機エラー状態に設定する。待機エラー状態においては、タイマ割込み処理(図13)におけるステップS206にて肯定判定をすることとなり、遊技を進行させるための処理の実行が禁止される。例えば、ステップS212の発射制御処理が実行されなくなることにより遊技球の発射が停止され、またステップS214の特図特電制御処理が実行されなくなることにより遊技回の進行及び開閉実行モードの進行が停止される。
その後、ステップS606にて待機エラーコマンドを音声発光制御装置91に送信した後に、本待機球監視処理を終了する。音声発光制御装置91は当該コマンドを受信することにより、表示発光部23を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ部26から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置91は、上記コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置61において報知用画像を表示させる。なお、待機エラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
待機エラー状態は、待機検知センサ216の検知結果が発射球を検知している結果となった場合に解除される。そして、その解除に際して、パチンコ機10の状態が遊技の進行を停止する前の状態に復帰することとなる。なお、当該構成を実現する上では、待機検知センサ216の検知結果を監視して待機検知センサ216の検知結果がON状態となった場合に待機エラー状態を解除するための処理が、タイマ割込み処理(図13)におけるステップS206よりも前のタイミングで実行されるようにする必要がある。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技球発射機構211が遊技領域PAの左上に設けられているため、発射ソレノイド214による発射球の発射強度が従来よりも低くても当該発射球を遊技領域PAに導入することが可能となる。これにより、発射ソレノイド214の小型化などを実現することが可能となる。
また、遊技球発射機構211が遊技領域PAの左上に設けられている構成であっても、当該遊技球発射機構211は本体枠13の樹脂ベース41に設けられており、遊技盤51の交換に際して遊技球発射機構211の取り外しを必要としない。これにより、遊技盤51の交換作業を低下させないようにしながら、遊技球発射機構211を遊技領域PAの左上に設けることが可能となる。
上皿33から取り込まれた取込球が島設備の球循環装置に排出されるとともに、当該球循環装置からタンク121に遊技球が供給される構成において、当該タンク121に貯留されている遊技球が遊技球発射機構211に供給されるとともに上皿33に供給される。つまり、取込球と発射球とは同一となる。但し、このように取込球と発射球とが同一となる構成であっても、球送り装置131により取り込まれた取込球は島設備の球循環装置により循環されタンク121に補充された後に発射球となり得る。さらにまた、遊技ホールには多数のパチンコ機が存在しているため、一のパチンコ機にて取り込まれた取込球が当該パチンコ機の発射球として利用されずに他のパチンコ機の発射球として利用される可能性がある。そうすると、正規の球よりも径が小さい不正球や、油などが塗布された不正球や、紐付きの不正球などを取込球として取り込ませ最終的にその不正球を遊技領域PAに向けて発射させようとする行為を行おうとしても、取込球の取り込みが行われた場合に発射球として使用される球はその取込球ではないため当該行為によって不正な利益を得ようとすることが難しくなる。
タンク121に貯留された遊技球が発射球として遊技球発射機構211に供給される構成において、発射用供給通路部215を区画する通路壁のうち少なくとも樹脂ベース41の前面部を生じさせる部位は、本体枠13の前方から発射用供給通路部215内に存在している発射球を目視確認可能とするように透明に形成されている。また、発射用供給通路部215において透明に形成されている部位は、前扉枠14の窓パネル22を通じてパチンコ機10前方から視認可能な位置に存在している。これにより、パチンコ機10前方から発射用供給通路部215を目視確認することにより、当該発射用供給通路部215に発射球が待機しているか否かを確認することが可能となる。
また、発射用供給通路部215には待機検知センサ216が設けられており、当該待機検知センサ216の検知結果が発射用供給通路部215に発射球が待機していない検知結果となった場合には遊技の進行が停止されるとともにエラー報知が実行される。そして、当該エラー状態が解除された場合にはパチンコ機10の状態がエラー状態の開始前の状態に復帰する。これにより、遊技者に不利益を生じさせないようにしながら、発射用供給通路部215に発射球が待機していない状態に対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、発射球の扱いが上記第1の実施形態と異なっているとともに、取込球の取り込みが行われるのではなく、記憶媒体に記憶された使用可能数の範囲内で発射球の発射を許容する構成となっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では、発射ソレノイドが設けられている位置が上記第1の実施形態と異なっている。具体的には、上記第1の実施形態では遊技領域PAの下方に発射ソレノイド48が設けられている構成としたが、本実施形態では遊技領域PAの左上に発射ソレノイドが設けられている。そして、遊技盤51に設けられた誘導レールの球入口は、発射ソレノイドを基準として当該発射ソレノイドの出力軸が突出する方向側に存在しており、発射ソレノイドからは右方に向けて発射球が発射されることとなる。この場合、発射ソレノイドは、遊技盤51に設けられているのではなく、本体ベースに設けられている。したがって、発射ソレノイドを本体ベースに装着した状態のまま遊技盤51を交換することが可能となる。
球供給装置には遊技領域PAから排出された発射球が供給される。このように発射球を循環させるための構成について具体的には、本体ベース及び遊技盤51の背面には上記第1の実施形態と同様に回収通路が設けられており、遊技領域PAから排出された発射球は回収通路により回収される。当該回収通路と球供給装置との間には搬送装置が設けられており、回収通路により回収された発射球は搬送装置により球供給装置に供給される。
上記のように発射球が循環する構成において本実施形態では上皿33及び下皿34が設けられておらず、さらに払出機構部102も設けられていない。その代わりに、使用可能な発射球数を記憶可能な記憶媒体を投入可能となっており、当該記憶媒体に記憶された使用可能数の範囲内で発射球の発射が可能となっている。また、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかへの入賞が発生して賞球が行われる場合には、その賞球個数が発射球の使用可能数として加算される。
上記構成によれば、上記第1の実施形態と同様に発射球はパチンコ機にて循環して使用され、不正球を発射球としてパチンコ機に投入することが不可となるため、当該不正球を利用した不正行為を阻止することが可能となる。また、発射球の使用可能数が記憶媒体によって管理されるため、遊技ホールにおいて必要な遊技球の総数を抑えることが可能となる。
ここで、本実施形態のパチンコ機と上記第2の実施形態のパチンコ機とは共に遊技領域PAの左上から発射球が発射される構成である。したがって、これらパチンコ機において遊技盤51を共通利用することが可能となる。
本実施形態の構成についてより詳細に説明する。図21は本実施形態におけるパチンコ機310の正面図である。なお、本パチンコ機310は、所謂、封入式遊技機(封入球式遊技機、封入式パチンコ機、封入球式パチンコ機)である。
パチンコ機310は、図21に示すように、当該パチンコ機310の外殻を形成する外枠311と、この外枠311に前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体312とを有する。パチンコ機310を遊技ホールに設置する際には、遊技ホールの所謂島設備に外枠311が釘などによって固定される。
遊技機本体312は、本体ベース321と、当該本体ベース321の前方に配置される前扉322とを備えている。遊技機本体312のうち本体ベース321が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠311に回動可能に支持されている。また、本体ベース321には、前扉322が回動可能に支持されており、外枠311に対して本体ベース321が支持されている側と同一の側を支持側として前方へ回動可能とされている。
遊技機本体312には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体312を外枠311に開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉322を本体ベース321に開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機310前面にて露出させて設けられたシリンダ錠323に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
詳細には、施錠装置及びシリンダ錠323は、本体ベース321に設けられている。シリンダ錠323においてキー孔が形成された面は、前扉322に形成された露出用凹部324を通じてパチンコ機310前面に露出している。また、前扉322には図示しない前側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、当該前扉322を閉鎖した状態においては当該前側鉤フック部が上記施錠装置の前側鉤受け部に受けられることにより、当該前扉322が本体ベース321に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠323に解錠キーを差し込み所定方向に回動操作することで、前側鉤受け部が解錠方向に変位し、当該前側鉤受け部と前側鉤フック部との係合状態が解除される。これにより、本体ベース321に対する前扉322の施錠状態が解除される。
一方、上記施錠装置には、図示しない後側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、本体ベース321を閉鎖した状態においては当該後側鉤フック部が外枠311の後側鉤受け部に受けられることにより、当該本体ベース321が外枠311に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠323に解錠キーを差し込み、上記所定方向とは逆方向に回動操作することで、後側鉤フック部が解錠方向に変位し、後側鉤フック部と後側鉤受け部との係合状態が解除される。これにより、外枠311に対する本体ベース321の施錠状態が解除される。
図22は、前扉322を取り除いた状態のパチンコ機10の正面図である。図22に示すように、本体ベース321は、合成樹脂により形成された支持ベース体331を備えている。支持ベース体331は、横方向の寸法が外枠311の横方向の寸法と略同一とされており、縦方向の寸法が外枠311において下枠部311aの上面から上枠部311bの上縁までの高さ寸法と略同一とされている。したがって、本体ベース321を外枠311に閉鎖した状態では、外枠311の上枠部311b及び左右の側枠部311c,311dに本体ベース321の背面が前方から重なることとなる。
支持ベース体331には、前後方向に貫通する露出用孔部332が形成されている。露出用孔部332を通じて支持ベース体331の前面側に露出されるようにして、支持ベース体331にはその背面側から遊技盤51が装着されている。遊技盤51の構成は遊技領域PAに向けて発射球を誘導する誘導レールの構成を除き上記第1の実施形態と同一であるため、ここでは具体的な説明を省略する。
発射球を遊技領域PAに発射するための遊技球発射機構211は遊技領域PAの左上に設けられており、この左上の位置から右方に向けて発射球を発射するように設けられている。遊技球発射機構211は、遊技領域PAを区画する区画レール部221において遊技領域PAの左上の位置にて当該遊技領域PAを外方に開放させる導入口222に向けて延びる発射レール212と、発射レール212上に発射球を供給する球供給装置213と、発射レール212上に供給された発射球を導入口222に向けて発射させる電動アクチュエータである発射ソレノイド214と、を備えている。前扉322に設けられた発射操作装置336が回動操作されることに基づき球供給装置213によって1個の発射球が発射レール212上に供給される。そして、その状態で発射ソレノイド214が駆動制御されて出力軸が突出することにより、その発射レール212上に供給されている発射球が遊技領域PAに向けて発射される。
遊技球発射機構211は、本体ベース321の支持ベース体331に設けられており、遊技盤51には設けられていない。詳細には、支持ベース体331には前後方向に貫通するようにして露出用孔部332が形成されており、当該露出用孔部332を後方から塞ぐようにして支持ベース体331の背面側に遊技盤51が装着されている。そして、この状態では遊技盤51に形成された遊技領域PAが露出用孔部332を通じて本体ベース321の前面側に露出した状態となっている。遊技球発射機構211は、支持ベース体331の前面側から固定されており、発射レール212は発射方向先側が露出用孔部332の周縁部から当該露出用孔部332側に突出している。そして、この発射レール212が突出する位置において区画レール部221が非連続となっており、当該発射レール212が区画レール部221の導入口222側に入り込んでいる。これにより、遊技球発射機構211から発射された発射球が遊技領域PA内に確実に導入される。
発射レール212が露出用孔部332側に突出している構成であっても、当該発射レール212は遊技盤51に固定されておらず、さらに発射レール212は遊技盤51の前方に存在しているのに対して遊技盤51は支持ベース体331の背面側から固定される。したがって、遊技球発射機構211を支持ベース体331に装着した状態のまま遊技盤51を交換することが可能である。
支持ベース体331には、発射レール212上に供給された発射球を検知するための発射球検知センサ384と、当該発射球からID情報を読み取るためのリーダ装置385とが設けられている。
発射球検知センサ384は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、発射球を検知している状況では発射球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、発射球を検知していない状況では発射球検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、発射球検知センサ384によって、発射レール212上に発射球が供給されたこと、及びその供給された発射球が発射されたことを特定することが可能となる。
なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、発射球検知センサ384は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。但し、リーダ装置385におけるID情報の読み取りに悪影響を及ぼさないようにするためには、発射球検知センサ384は磁界をあまり発生させないセンサであることが好ましく、光学式のセンサ以外であればプッシュ式のセンサなどが好ましい。リーダ装置385の詳細については、後に説明する。
遊技球発射機構211の球供給装置213には、遊技機本体312の背面に設けられた循環貯留用タンク231に貯留されている遊技球が発射球として供給される。具体的には、球供給装置213と循環貯留用タンク231とを繋ぐようにして発射用供給通路部215が設けられている。発射用供給通路部215は、複数の発射球を一列に整列させながら球供給装置213に発射球を1個ずつ供給するように形成されている。
発射用供給通路部215を区画する通路壁のうち少なくとも支持ベース体331の前面部を生じさせる部位は、本体ベース321の前方から発射用供給通路部215内に存在している発射球を目視確認可能とするように透明に形成されている。また、発射用供給通路部215において透明に形成されている部位は、前扉322の窓パネル352を通じてパチンコ機310前方から視認可能な位置に存在している。これにより、パチンコ機310前方から発射用供給通路部215を目視確認することにより、当該発射用供給通路部215に発射球が待機しているか否かを確認することが可能となる。
発射用供給通路部215には発射球が待機しているか否かを検知するための待機検知センサ216が設けられている。待機検知センサ216は、磁気検知タイプの近接センサであり、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、待機検知センサ216は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。待機検知センサ216は主制御装置361に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。主制御装置361は、上記第2の実施形態と同様に待機球監視処理(図20)を実行することにより、発射用供給通路部215に遊技球が待機しているか否かの監視を行う。
本パチンコ機310では上記第1の実施形態と同様に、遊技領域PAから排出された発射球はパチンコ機310の外部に排出されるのではなく、パチンコ機310において循環されて発射球として再度使用される。このように発射球を循環させるための構成について詳細に説明する。
遊技球発射機構211により発射されて遊技領域PAに到達した発射球は、釘59や風車などに跳ね返りながら遊技領域PAを流下する。そして、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55又はアウト口58に入球した発射球は、遊技盤51の背面側に導かれる。
本体ベース321の支持ベース体331及び遊技盤51の背面には、回収通路部232が設けられており、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55又はアウト口58に入球した発射球は当該回収通路部232により回収される。回収通路部232はその底部が横方向の一端に向けて下り傾斜となっており、その傾斜先側の端部には回収通路部232にて回収された発射球を循環貯留用タンク231に搬送するための搬送装置233が設けられている。搬送装置233は、回収通路部232により回収された発射球を1個ずつ循環貯留用タンク231に搬送する。
搬送装置233には、球磨き装置234が設けられている。球磨き装置234は、球磨き体と磨き用駆動部とを備えている。球磨き体はブラシ状の長細い部材であり、搬送装置233と同軸上となるようにして設けられている。球磨き体はその軸線を中心として回転可能な状態で支持されており、長手方向の一端がリンク機構を介して磨き用駆動部に連結されている。磨き用駆動部は、回転モータからなり、駆動信号が供給されている間は、球磨き体は所定方向に回転し続ける。なお、磨き用駆動部は払出制御装置364と電気的に接続されており、払出制御装置364に動作電力が供給されている間は磨き用駆動部への駆動信号の供給が継続され磨き用駆動部の動作が継続される。
球磨き装置234が搬送装置233に設けられた構成において、球磨き装置234は搬送装置233による循環貯留用タンク231への発射球の搬送を可能とするように、且つその搬送される発射球に球磨き体のブラシ部分が接触するように、その寸法及び配置位置が設定されている。したがって、搬送装置233により搬送される発射球は循環貯留用タンク231に誘導されるとともに、その誘導に際して球磨き体により磨かれる。
以上のように循環貯留用タンク231、回収通路部232及び搬送装置233が設けられていることにより、発射球はパチンコ機310内部で循環することとなる。また、循環する発射球の数は、発射球の発射が継続され続けたとしても球供給装置213から発射レール212上に供給される発射球が無くならないように、予め定められた複数である特定個数(例えば100個)となっている。これにより、後述する残存球情報の値が1以上である状況で発射操作装置336の操作が継続された場合には、発射球の発射が継続されることとなる。
支持ベース体331の前面を覆うようにして前扉322が設けられている。前扉322には、図21に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部351が形成されている。窓部351は、略楕円形状をなし、窓パネル352が嵌め込まれている。窓パネル352は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ちなみに、図柄表示装置61の表示面及び特図ユニット62などは、パチンコ機310前方から窓パネル352を介して視認可能となっている。
窓部351の周囲には、各種発光部353,354が設けられている。当該各種発光部353,354の一部として異常報知用発光部353が窓部351の上方に設けられている。また、当該異常報知用発光部353の左右両側には、左右一対の演出用発光部354が設けられている。また、窓部351の下方には遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ装置338が設けられている。
前扉322の右下側には、パチンコ機310前方に突出させて発射操作装置336が設けられている。発射操作装置336は、前方に突出させて設けられた操作基部336aと、当該操作基部336aに回動可能に支持させて設けられた操作ハンドル336bとを備えており、操作ハンドル336bが回動操作されることにより遊技球発射機構211からの遊技球の発射強度が調整される。また、発射操作装置336には、操作ハンドル336bが遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ336cと、操作ハンドル336bの回動操作量を検知するための可変抵抗器336dと、操作ハンドル336bが遊技者により操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ336eとが設けられている。なお、操作ハンドル336bが初期位置に配置されている状況では、当該操作ハンドル336bによってストップスイッチ336eが自ずとONとなる構成となっている。
遊技者による発射操作に基づき遊技球が発射される場合、操作ハンドル336bが触れられていることがタッチセンサ336cにより検知されていること、及びストップスイッチ336eがONとなっていないことの両条件が成立している場合に、可変抵抗器336dを通じて検知されている回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射される。
既に説明したとおり、前扉322は、本体ベース321に対して開閉可能に設けられているが、当該本体ベース321の支持ベース体331には、図22に示すように、前扉322が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する開放検知スイッチ339が設けられている。開放検知スイッチ339は、支持ベース体331の前面から出没可能なピンを有しており、本体ベース321に前扉322を閉鎖した状態ではピンが押し込まれて前扉322の閉鎖が検知され、前扉322を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉322の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、開放検知スイッチ339は、前扉322が開放状態の場合に後述する主制御装置361にHIレベルの開放検知信号を出力し、前扉322が閉鎖状態の場合に主制御装置361にLOWレベルの開放検知信号を出力するが、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
<発射球の貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成>
次に、発射球の貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成について、図21及び図23を参照しながら説明する。
本パチンコ機310では、遊技者による現金の投入に対して実際の発射球が貸し出されるのではなく、投入された現金に対して使用可能な発射球の数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の範囲で発射球を使用可能な構成となっている。また、発射球の付与に対応した入賞が発生した場合にも、実際の遊技球が付与されるのではなく、入賞に対応した発射球の数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の発射球の使用が可能となる。また、その記憶された発射球の数の情報を実際の遊技価値として付与されることを希望する場合には、記憶されている発射球の数の情報が記憶された記憶媒体Mが遊技者に提供される。
上記のような現金の投入、記憶媒体Mの投入、及び記憶媒体Mの提供を行うための装置として、外枠11の側方には図21に示すように、管理ユニット431が設けられている。管理ユニット431の前面側には、現金として紙幣が投入される現金投入口432と、記憶媒体Mが投入される媒体投入口433と、記憶媒体Mが排出される媒体排出口434とが、上からこの順で設けられている。管理ユニット431では、現金投入口432から投入された紙幣を識別する処理、その情報をパチンコ機310に出力する処理、媒体投入口433から投入された記憶媒体Mを識別する処理、その情報をパチンコ機310に出力する処理、パチンコ機310からの発射球の数の情報の書き込み指示に対して当該情報を記憶媒体Mに書き込む処理、当該情報を書き込んだ記憶媒体Mを媒体排出口434から排出する処理などを実行する。これらの処理の詳細については、後に説明する。
管理ユニット431に現金が投入された場合にその現金の情報を使用可能な発射球の数の情報に変換することを指示するための操作、及び未使用の現金の情報や使用可能な発射球の数の情報を記憶媒体Mとして排出することを指示するための操作は、パチンコ機310に設けられた操作ユニット441に対して行われる。操作ユニット441は、図21に示すように、前扉322において窓部351の下方に設けられている。
操作ユニット441は、図23に示すように、各種操作ボタン442〜446として、球供給ボタン442と、全返却ボタン443と、増加指示ボタン444と、減少指示ボタン445と、一部返却用の決定ボタン446とが設けられている。また、各種表示部447,448として、度数表示部447と、残数表示部448とが設けられている。
度数表示部447には、投入されて未使用の現金の情報が表示される。例えば、1万円が未使用の場合には「100」が表示され、1千円が未使用の場合には「10」が表示される。残数表示部448には、使用可能な発射球の数の情報が表示される。例えば、使用可能な発射球の数の情報が1万個の場合には「10000」が表示され、1千個の場合には「1000」が表示される。
球供給ボタン442は、度数の情報を使用可能な発射球の数の情報に変換すべく操作される。この場合、一度の球供給ボタン442の操作に対して変換可能な度数情報は所定度数(すなわち所定額の現金)に限られており、具体的には500円分の度数情報が使用可能な発射球の数の情報(例えば125個)に変換される。
全返却ボタン443は、パチンコ機310に記憶されている度数情報及び使用可能な発射球の数の情報を記憶媒体Mとして排出させるべく操作される。増加指示ボタン444、減少指示ボタン445及び一部返却用の決定ボタン446は、使用可能な発射球の数の情報のうち一部の数の情報を記憶媒体Mとして排出させるべく操作される。この場合、増加指示ボタン444が操作された場合には排出対象とする発射球の数の情報が増加し、減少指示ボタン445が操作された場合には排出対象とする発射球の数の情報が減少し、一部返却用の決定ボタン446が操作された場合には、選択されている一部の数の情報が記憶媒体Mとして排出される。
図示は省略するが、本体ベース321の背面側には、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御装置361と、主制御装置361からの指令に基づき音声の出力制御及び発光制御を行う音声発光制御装置362と、音声発光制御装置362からの指令に基づき図柄表示装置61の表示制御を行う表示制御装置363と、遊技球の貸し出し及び遊技価値の付与に関する制御を行う払出制御装置364と、遊技球の発射制御を行う発射制御装置365と、各種制御装置361〜365に電力を供給する第1電源装置366及び第2電源装置367とを備えている。これらのうち、主制御装置361と、音声発光制御装置362と、表示制御装置363と、第1電源装置366とは遊技盤51の背面に搭載されており、遊技盤51を支持ベース体331から取り外した場合にはこれら装置361〜363,366は遊技盤51側に追従することとなる。
一方、払出制御装置364と、発射制御装置365と、第2電源装置367とは支持ベース体331の背面に搭載されており、遊技盤51を支持ベース体331から取り外したとしてもこれら装置364,365,367は支持ベース体331側に残ることとなる。この場合、発射制御装置365と払出制御装置364とは前後に重ねて搭載されており、詳細には、発射制御装置365が支持ベース体331の背面に搭載されており、払出制御装置364がその後方に搭載されている。したがって、払出制御装置364は、主制御装置361や発射制御装置365といった他の制御装置よりもパチンコ機310後側に位置している。
ここで、各種制御装置361〜365及び各電源装置366,367はそれぞれ対応する基板が基板ボックスに収容されてなる。主制御装置361及び払出制御装置364について詳細には、主制御装置361は、図示しない主制御基板を備えており、当該主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。また、払出制御装置364は、図示しない払出制御基板を備えており、当該払出制御基板が基板ボックスに収容されてなる。これら基板ボックスは、基板ボックスの外部から対応する基板を目視確認可能とするように透明に形成されている。また、主制御装置361には、本体ベース321を外枠311に閉鎖した状態においてパチンコ機310後方を向くこととなる表面に、第1消去ボタン361bと第2消去ボタン361cとが設けられている。
基板ボックスには、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けることが好ましい。痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成が考えられる。
<パチンコ機310の電気的構成>
次に、本パチンコ機310の電気的な構成について、図24のブロック図を参照しながら説明する。
主制御装置361は、遊技の主たる制御を司る主制御基板451と、第1電源装置366からの電力の供給状況を監視する第1停電監視基板455と、主制御装置361における基板ボックスの外部から押圧操作可能に設けられた第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cとを備えている。
主制御基板451には、MPU452が搭載されている。MPU452には、ROM453及びRAM454が内蔵されている。
ROM453は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM453は、MPU452により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RAM454は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM453よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RAM454は、ROM453内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU452又は主制御基板451には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
MPU452には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU452の入力側には、主制御装置361に設けられた第1停電監視基板455、第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cが接続されている。
第1停電監視基板455は、主制御基板451と第1電源装置366とを中継し、さらに第1電源装置366から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第1電源装置366について停電が発生したものとして、MPU452に停電信号を送信する。
第1電源装置366は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機310において遊技盤51に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第1電源装置366は、主制御装置361、音声発光制御装置91、表示制御装置96、並びに遊技盤51に搭載された各種駆動部53b,55b及び各種表示部62a,63aに動作電力を供給する。
第1電源装置366には、商用電源から第1電源装置366への動作電力の供給が停止されている状況であっても、RAM454においてデータの記憶保持を可能とするために当該RAM454にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサなどの充電式のものであり、商用電源から第1電源装置366に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RAM454においてデータが記憶保持される。
なお、第1電源装置366が動作電力を供給する対象として、遊技盤51に搭載された電気機器に加えて、前扉322に設けられた各種発光部353,354及び操作ユニット441といった電気機器が含まれている構成としてもよい。
第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cは、RAM454のデータや、後述する払出制御装置364のRAM464のデータをクリアする場合に操作される。
MPU452の入力側には、上記のもの以外にも、各種入賞検知センサ341a〜345aといった各種センサや開放検知スイッチ339が接続されている。各種入賞検知センサ341a〜345aには、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56といった入賞対応入球部に1対1で対応させて設けられた検知センサが含まれており、MPU452において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU452では第1作動口54への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに、第2作動口55への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU452の出力側には、音声発光制御装置91が接続されている。音声発光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。音声発光制御装置91は、主制御装置361から受信したコマンドに基づき、各種発光部353,354及びスピーカ装置338を駆動制御するとともに、表示制御装置96にコマンドを送信する。表示制御装置96は、音声発光制御装置91から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置61の表示面における画像の表示を制御する。
MPU452の出力側には、上記のもの以外にも、特電入賞装置53の開閉扉53aを開閉動作させる特電用の駆動部53b、第2作動口55の普電役物55aを開閉動作させる普電用の駆動部55b、特図表示部62a及び普図表示部63aが接続されている。主制御基板451には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU452は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置53の大入賞口が開閉されるように、MPU452において特電用の駆動部53bの駆動制御が実行される。また、普電役物55aのサポート当選となった場合には、普電役物55aが開閉されるように、MPU452において普電用の駆動部55bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU452において特図表示部62aの表示制御が実行される。また、普電役物55aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU452において普図表示部63aの表示制御が実行される。
MPU452の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置364が接続されている。払出制御装置364は、発射球の使用及び付与に関する制御を司る払出制御基板461と、第2電源装置367からの電力の供給状況を監視する第2停電監視基板465とを備えている。
払出制御基板461には、MPU462が搭載されている。MPU462には、ROM463及びRAM464が内蔵されている。ROM463は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM463は、MPU462により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RAM464は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM463よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RAM464は、ROM463内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU462又は払出制御基板461には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
なお、以下の説明では、主制御基板451のMPU452、ROM453及びRAM454と、払出制御基板461のMPU462、ROM463及びRAM464とを明確に区別するために、前者を主側MPU452、主側ROM453及び主側RAM454と言い、後者を払出側MPU462、払出側ROM463及び払出側RAM464と言う。
払出側MPU462には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。払出側MPU462の入力側には、払出制御装置364に設けられた第2停電監視基板465が接続されている。
第2停電監視基板465は、払出制御基板461と第2電源装置367とを中継し、さらに第2電源装置367から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第2電源装置367について停電が発生したものとして、払出側MPU462に停電信号を送信する。
第2電源装置367は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機310において遊技盤51以外に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第2電源装置367は、払出制御装置364、発射制御装置365、発射ソレノイド214、球供給装置213、発射操作装置336、発射球検知センサ384、リーダ装置385、各種発光部353,354、スピーカ装置338及び操作ユニット441に動作電力を供給する。また、第2電源装置367は、パチンコ機310の側方に設けられた管理ユニット431にも動作電力を供給する。
第2電源装置367には、商用電源から第2電源装置367への動作電力の供給が停止されている状況であっても、払出側RAM464及び管理ユニット431のRAM474においてデータの記憶保持を可能とするためにこれらRAM464,474にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサなどの充電式のものであり、商用電源から第2電源装置367に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RAM464,474においてデータが記憶保持される。
なお、上記のように第1電源装置366が動作電力を供給する対象として、遊技盤51に搭載された電気機器に加えて、前扉322に設けられた電気機器を含む場合には、第2電源装置367が動作電力を供給する対象から各種発光部353,354及び操作ユニット441は除外される。
払出側MPU462の入力側には、上記のもの以外にも発射球検知センサ384が接続されている。払出側MPU462では、発射球検知センサ384の検知結果に基づき発射球の有無を把握する。
払出側MPU462の入力側及び出力側の両方には、主制御装置361以外にも、発射制御装置365、リーダ装置385、操作ユニット441及び管理ユニット431が接続されている。
発射制御装置365は、発射ソレノイド214と、球供給装置213と、発射操作装置336と接続されている。発射制御装置365は、発射操作装置336の操作ハンドル336bが触れられていることがタッチセンサ336cにより検知されており、且つストップスイッチ336eがONとなっていない状況では、払出側MPU462に向けてHIレベルの条件成立信号の送信を継続する。
当該信号の送信が継続されている状況において、遊技用の発射を行うことが可能な状況である場合には、払出側MPU462からHIレベルの発射許可信号の送信が継続される。この場合、発射制御装置365は、球供給装置213→発射ソレノイド214の順で駆動制御を実行し、1個の発射球を発射レール212上に供給するとともにその供給された発射球を遊技領域に向けて発射させる。この際の発射強度は、発射操作装置336の可変抵抗器336dから送信されている信号に応じて決定されるが、最小の発射強度は、発射された発射球が発射レール212における発射先側の端部よりも遊技領域PA側の位置に到達する強度に設定されている。したがって、発射球の発射動作が行われたにも関わらず、その発射球が発射レール212上を逆流してきてしまうことが防止される。また、HIレベルの発射許可信号の送信が継続されている場合における発射球の発射周期は、所定周期となるように設定されており、具体的には0.6secに1個の発射球が発射されるように設定されている。
また、発射制御装置365は、条件成立信号の送信を継続していない状況であっても払出制御装置364からHIレベルのID登録用信号を受信している場合には、球供給装置213→発射ソレノイド214の順で駆動制御を実行し、1個の発射球を発射レール212上に供給するとともにその供給された発射球を遊技領域PAに向けて発射させる。この際の発射強度は、発射球が遊技領域PAに供給される強度で一定に定められている。
リーダ装置385は、発射レール212上に供給され、未だ発射されていない発射球からID情報を受信するためのものであり、払出側MPU462から呼出波の出力指令を受けることに基づき呼出波を出力し、それに対する応答波を受信して読み取ったID情報を払出側MPU462に送信するものである。この詳細については、後に説明する。
操作ユニット441は、既に説明したとおり、度数表示部447、残数表示部448、及び各種操作ボタン442〜446を備えている。各種操作ボタン442〜446の操作有無を示す信号は払出側MPU462に送信される。また、払出側MPU462から送信される信号に基づき、度数表示部447及び残数表示部448の表示制御が実行される。
管理ユニット431は、投入された現金を認識するための制御、投入された記憶媒体Mを認識するための制御、及び記憶媒体Mを排出するための制御を担う管理制御基板471を備えている。
管理制御基板471には、MPU472が搭載されている。MPU472には、ROM473及びRAM474が内蔵されている。ROM473は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM473は、MPU472により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RAM474は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM473よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RAM474は、ROM473内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU472又は管理制御基板471には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
なお、以下の説明では、管理制御基板471のMPU472、ROM473及びRAM474を、主制御装置361及び払出制御装置364のものと明確に区別するために、管理側MPU472、管理側ROM473及び管理側RAM474と言う。
管理側MPU472には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。管理側MPU472の入力側には、紙幣用回路475が接続されている。現金投入口432に投入された現金は、紙幣用回路475により識別され、その識別結果が管理側MPU472に送信される。
管理側MPU472の出力側には、各種駆動部476a〜476cが設けられている。現金投入口432に現金が差し込まれた場合には、当該現金投入口432に対応した駆動部476aが駆動制御されることで、その現金が管理ユニット431内に取り込まれる。媒体投入口433に記憶媒体Mが差し込まれた場合には、当該媒体投入口433に対応した駆動部476bが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット431内に取り込まれる。記憶媒体Mを排出する場合には、媒体排出口434に対応した駆動部476cが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット431から排出される。
管理側MPU472の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置364以外にも、媒体用回路477が接続されている。媒体投入口433に投入された記憶媒体Mは、媒体用回路477によりその記憶されている情報が読み取られ、その読み取り結果が管理側MPU472に送信される。記憶媒体Mを排出すべき旨の指示がなされた場合には、管理側MPU472から送信される信号に基づき、媒体用回路477により記憶媒体Mへの情報の書き込み処理が実行される。
<各MPU452,462,472にて実行される復電後及び停電時の処理>
次に、各MPU452,462,472にて実行される復電後及び停電時の処理について説明する。まず、図25のフローチャートを参照しながら、主側MPU452にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS701では電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS702では主側RAM454のアクセスを許可する。
その後、ステップS703では、主制御装置361に設けられた第1消去ボタン361bが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS704では、主側RAM454の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS705ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS706ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータが有効か否かを判定する。
本パチンコ機310では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時に主側RAM454のデータを初期化する場合には、第1消去ボタン361bを押しながら電源が投入される。したがって、第1消去ボタン361bが押されていれば、ステップS707の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS707の処理に移行する。ステップS707では、主側RAM454の初期化として当該主側RAM454をクリアする。その後、ステップS708に進む。
ステップS708では、主制御装置361に設けられた第2消去ボタン361cが手動操作されているか否かを判定する。本パチンコ機310では、電源投入時に主側RAM454だけでなく払出側RAM464及び管理側RAM474のデータも初期化する場合には、第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cの両方を押しながら電源が投入される。したがって、第1消去ボタン361bだけでなく第2消去ボタン361cが押されていれば、ステップS709の処理に移行する。ステップS709では、払出側RAM464及び管理側RAM474の初期化を指示する初期化コマンドを払出側MPU462に向けて出力する。一方、第2消去ボタン361cが押されていなければ、ステップS710に進む。ステップS710では、主側MPU452において主側RAM454及びその他のRAM464,474の初期化に関する処理が完了したことを示す復帰コマンドを払出側MPU462に向けて出力する。この場合、仮に主側RAM454が初期化されていたとしても、払出側RAM464及び管理側RAM474の初期化は実行されない。
つまり、本パチンコ機310では、電源投入時において、
(1)主側RAM454、払出側RAM464及び管理側RAM474の全てについて初期化を実行しない
(2)主側RAM454については初期化を実行し、払出側RAM464及び管理側RAM474の初期化を実行しない
(3)主側RAM454、払出側RAM464及び管理側RAM474の全てについて初期化を実行する
のいずれかを遊技ホールの管理者が選択可能となっている。また、この選択に際しては、それに応じた操作を行えばよい構成となっている。
本パチンコ機310では、後述するように、主制御装置361において特図表示部62a、普図表示部63a、特電入賞装置53及び普電役物55aを利用した遊技の進行が制御され、払出制御装置364及び管理ユニット431において使用可能な発射球の数が制御される。この場合、使用可能な発射球の数の制御に関しては異常が発生していない状況で前者の遊技の進行に関して内部的な異常が発生することが想定される。その一方で、何らかの不正行為が行われ、遊技の進行及び使用可能な発射球の数の制御の両方について異常が発生することが想定される。これに対して、上記のように選択的にRAM454,464,474の初期化を実行可能とすることで、それぞれの事象に対して好適に対処可能となる。
なお、払出側RAM464及び管理側RAM474については初期化を実行し、主側RAM454については初期化を実行しない操作を可能としてもよい。例えば、第1消去ボタン361bが操作されていない状況で第2消去ボタン361cが操作された場合には、このような初期化が実行される構成としてもよい。
ステップS706にて肯定判定をした場合、ステップS709の処理を実行した後、又はステップS710の処理を実行した後は、ステップS711にて、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM454の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置91に送信する。また、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS712〜ステップS716の残余処理に進む。つまり、主側MPU452は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS712〜ステップS716の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS712〜ステップS716の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理ではまずステップS712にて主側RAM454の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停電フラグは、後述する主側MPU452のタイマ割込み処理における停電情報記憶処理(ステップS1001)にて、第1停電監視基板455から停電信号を受信していることを確認した場合に「1」がセットされるフラグである。
停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS713に進む。ステップS713では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS714では、後述する乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS715では、後述する変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM454の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS716にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS716の処理を実行した後は、ステップS712に戻り、ステップS712〜ステップS716の処理を繰り返す。
一方、ステップS712にて、停電フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、ステップS717〜ステップS720の停電発生時処理を実行する。停電発生時処理では、まずステップS717にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS718では、主側MPU452において停電が発生したことを認識させるために払出側MPU462に向けて停電コマンドを出力する。その後、ステップS719にてチェックサムの算出及び保存を行い、ステップS720にて主側RAM454へのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、図26のフローチャートを参照しながら、払出側MPU462にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS801では、主側MPU452から復帰用のコマンドを受信しているか否かを判定する。詳細には、主側MPU452から初期化コマンド及び復帰コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。復帰用のコマンドを受信していない場合には、そのままステップS801にて待機し、復帰用のコマンドを受信している場合に、ステップS802以降の処理に進む。
復帰用のコマンドとして設定されている初期化コマンド及び復帰コマンドは、主側MPU452において主側RAM454及びその他のRAM464,474の初期化に関する処理が完了した場合に送信される。また、主側MPU452は、初期化コマンド又は復帰コマンドの送信を行った後に、復電完了後の処理へ移行する。この場合に、上記のように払出側MPU462において復帰用のコマンドを受信するまで待機することにより、主側MPU452においてRAM454,464,474の初期化に関する処理が完了していないにも関わらず、払出側MPU462が復電完了後の処理へ移行してしまうことが防止される。
ステップS802では払出側RAM464のアクセスを許可する。その後、ステップS803では、主側MPU452から初期化コマンドを受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合には、ステップS804にて払出側RAM464をクリアする。その後、ステップS805にて、管理側RAM474の初期化を指示する初期化コマンドを管理側MPU472に向けて出力する。一方、初期化コマンドを受信していない場合には、ステップS806にて、払出側MPU462において払出側RAM464の初期化に関する処理が完了したことを示す復帰コマンドを管理側MPU472に向けて出力する。
ステップS805の処理の実行後又はステップS806の処理の実行後には、ステップS807にて操作ユニット441などの初期設定を行う。その後、ステップS808〜ステップS810の残余処理に進む。つまり、払出側MPU462は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS808〜ステップS810の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS808〜ステップS810の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、ステップS808にて、主側MPU452から停電コマンドを受信しているか否かを判定し、ステップS809にて、第2停電監視基板465から停電信号を受信しているか否かを判定する。ステップS808及びステップS809の両方にて否定判定をした場合には、ステップS810にて、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可の設定を行う。ステップS810の処理を実行した後は、ステップS808に戻り、ステップS808〜ステップS810の処理を繰り返す。
一方、ステップS808にて、主側MPU452から停電コマンドを受信していると判定した場合にはステップS813〜ステップS815の停電発生時処理を実行する。また、ステップS808にて否定判定をしたとしても、ステップS809にて第2停電監視基板465から停電信号を受信していると判定し、さらにその後においてステップS811にて主側MPU452から停電コマンドを受信したと判定した場合、又はステップS809にて肯定判定をしてから停電時の監視時間(例えば100msec)が経過していると判定してステップS812において肯定判定をした場合には、ステップS813〜ステップS815の停電発生時処理を実行する。
停電発生時処理では、まずステップS813にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS814では、払出側MPU462において停電が発生したことを認識させるために管理側MPU472に向けて停電コマンドを出力する。その後、ステップS815にて払出側RAM464へのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
主側MPU452には第1停電監視基板455から停電信号が出力され、払出側MPU462には第2停電監視基板465から停電信号が出力される構成においては、電源スイッチがOFF操作された場合や、商用電源において停電が発生した場合に、主側MPU452への停電信号の出力と払出側MPU462への停電信号の出力とが個々に行われる。この場合に、主側MPU452はタイマ割込み処理の途中で停電信号を受信したとしても、即座に停電時処理を実行するのではなく、当該処理回のタイマ割込み処理の完了後に停電時処理を実行する。当該構成において、払出側MPU462は停電信号を受信したとしても、主側MPU452からの停電コマンドの受信又は停電時の監視時間の経過を待って停電時処理を実行する。そして、当該停電時の監視時間は、電源スイッチがOFF操作された場合や商用電源において停電が発生した場合において払出側MPU462が停電信号を受信してから当該払出側MPU462において停電コマンドの受信が完了するまでの想定される最長時間よりも長い時間として設定されている。これにより、主側MPU452及び払出側MPU462の両方において停電時処理が実行される条件が成立した場合に、主側MPU452から払出側MPU462に停電コマンド以外のコマンドが出力され得る状況において払出側MPU462にて停電時処理が実行されてしまうことが防止される。
また、主側MPU452には第1電源装置366から動作電力が供給され、払出側MPU462には第2電源装置367から動作電力が供給される構成においては、いずれか一方の電源装置のみ商用電源からの動作電力の供給が停止されてしまうことが想定される。この場合に、払出側MPU462は、主側MPU452から停電コマンドを受信した場合には、第2停電監視基板465から停電信号を受信しているか否かに関係なく停電時処理を実行するため、主側MPU452において制御が停止される場合には払出側MPU462においても制御が停止されるようにすることが可能となる。
また、主側MPU452から停電コマンドを受信しない場合であっても、第2停電監視基板465から停電信号を受信し、且つ停電時の監視時間が経過した場合には払出側MPU462は停電時処理を実行する。これにより、第2電源装置367のみ商用電源からの動作電力の供給が停止されたとしても、払出側RAM464のデータが破壊されてしまうことを抑制しながら払出側MPU462において制御が停止されるようにすることが可能となる。
次に、図27のフローチャートを参照しながら、管理側MPU472にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS901では、払出側MPU462から復帰用のコマンドを受信しているか否かを判定する。詳細には、払出側MPU462から初期化コマンド及び復帰コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。復帰用のコマンドを受信していない場合には、そのままステップS901にて待機し、復帰用のコマンドを受信している場合に、ステップS902以降の処理に進む。
復帰用のコマンドとして設定されている初期化コマンド及び復帰コマンドは、払出側MPU462において払出側RAM464の初期化に関する処理が完了した場合に送信される。また、払出側MPU462は、初期化コマンド又は復帰コマンドの送信を行った後に、復電完了後の処理へ移行する。この場合に、上記のように管理側MPU472において復帰用のコマンドを受信するまで待機することにより、払出側MPU462において払出側RAM464の初期化に関する処理が完了していないにも関わらず、管理側MPU472が復電完了後の処理へ移行してしまうことが防止される。
ステップS902では管理側RAM474のアクセスを許可する。その後、ステップS903では、払出側MPU462から初期化コマンドを受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合には、ステップS904にて管理側RAM474をクリアする。ステップS903にて否定判定をした場合、又はステップS904の処理の実行後は、ステップS905にて、媒体用回路477、紙幣用回路475及び各種駆動部476a〜476cなどの初期設定を行う。
その後、ステップS906〜ステップS908の通常処理を行う。通常処理では、まずステップS906にて、払出側MPU462から停電コマンドを受信しているか否かを判定する。停電コマンドを受信していない場合には、ステップS907にて球供給用の管理処理を実行し、ステップS908にて媒体供給用の管理処理を実行した後に、ステップS906に戻る。これら各管理処理については後に詳細に説明する。
ステップS906にて停電コマンドを受信している場合には、ステップS909の停電発生時処理を実行する。具体的には、ステップS909にて、管理側RAM474へのアクセスを禁止する。その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
以上のように主側MPU452、払出側MPU462及び管理側MPU472においてメイン処理が実行されることにより、復電に際しては、最初に主側MPU452が復電完了後の処理に進み、次に払出側MPU462が復電完了後の処理に進み、最後に管理側MPU472が復電完了後の処理に進む。また、電源スイッチのOFF操作や商用電源の停電が発生した際には、最初に主側MPU452において停電発生時処理が実行され、次に払出側MPU462において停電発生時処理が実行され、最後に管理側MPU472において停電発生時処理が実行される。
<主側MPU452にて実行されるタイマ割込み処理>
次に、主側MPU452にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。図28は主側MPU452において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、主側の特定周期、具体的には4msec周期で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS1001にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、第1停電監視基板455から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には主側RAM454の停電フラグに「1」をセットする。
続くステップS1002では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、後述する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS1003ではステップS714と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS1004にてステップS715と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS1005では遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS1006では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS1007以降の処理を実行する。
ステップS1007では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部53b,55bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部53bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口55の普電役物55aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部55bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS1008では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS1009では、各入賞検知センサ341a〜345aから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。また、ステップS1010では、主側RAM454に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。
続くステップS1011では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行するとともに、ステップS1012では、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。また、ステップS1013では、入力状態監視処理として、ステップS1008の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ341a〜345aの断線確認、遊技機本体312の開放確認、及び前扉322の開放確認を行う。
続くステップS1014では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1015では普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート56への入賞が発生している場合に後述する電動役物開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口55の普電役物55aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS1016では、直前のステップS1014及びステップS1015の処理結果に基づいて、特図表示部62aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部63aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS1017では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況において図柄表示装置61の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する。
続くステップS1018では、使用可能な発射球の数の情報を払出側MPU462から受信したコマンドに基づいて把握する球管理状態受信処理を実行するとともに、ステップS1019では、当該球管理状態受信処理に応じた処理である残存球対応処理を実行する。これらの処理の詳細については後に説明する。
続くステップS1020では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS1006にて肯定判定をした場合、又はステップS1007〜ステップS1020の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図28)のステップS1009にて実行される入賞検知処理について説明する。
入賞検知処理では、入賞検知センサ341a〜345aにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU452の入力ポートが確認される。ここで、入賞検知処理の説明に先立ち、図29を参照しながら、主側MPU452に設けられた入力ポート452aの構成について説明する。
入力ポート452aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート452aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート452aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入賞検知処理では、入力ポート452aへの入力対象となる信号群が各入賞検知センサ341a〜345aに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサ342aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第1作動口検知センサ343aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第2作動口検知センサ344aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサ341aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサ341bからの入賞信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサ341cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6は第4入賞口検知センサ341dからの入賞信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7はゲート検知センサ345aからの入賞信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入賞検知センサ341a〜345aは、遊技球の通過を検知していない場合には入賞信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入賞信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板451には反転回路が設けられており、入力ポート452aに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート452aでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入賞検知センサ341a〜345aにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入賞検知センサ341a〜345aは、遊技球の通過を検知していない間は入賞信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入賞信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
さて、入賞検知処理では、図30(a)のフローチャートに示すように、まずステップS1101にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU452のレジスタにおける第1入賞判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入賞判定エリアWA1は、図30(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入賞判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入賞判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS1102では、入賞検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU452において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機310では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、既に説明したとおり、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS1102の処理が設定されていなくても、ステップS1101とステップS1103との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS1102では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS1101の処理とステップS1103の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS1103では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU452のレジスタにおける第2入賞判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート452aにおける情報の更新はステップS1101が完了してからステップS1103が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS1103にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS1101の場合と異なるものとなり得る。
第2入賞判定エリアWA2は、第1入賞判定エリアWA1と同様に、図30(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入賞判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入賞判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS1104にて、入賞判定処理を実行した後に、本入賞検知処理を終了する。当該入賞判定処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞判定処理では、先ずステップS1201にて、主側RAM454に設けられた入賞判定カウンタに8をセットする。続くステップS1202では、第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2における現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート452aにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS1203では、ステップS1202にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS1204にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図30(b−3)及び図30(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入賞判定エリアWA1の各ビットと第2入賞判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS1205にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS1206にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS1207にて、ステップS1203におけるAND処理結果の情報と、ステップS1206における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS1208にて、そのAND処理の結果が入賞検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。ステップS1208にてAND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS1209以降の処理に進む。
ステップS1209では、現状の入賞判定カウンタの数値情報が第1作動口54及び第2作動口55のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。第1作動口54及び第2作動口55のいずれかに対応している場合には、ステップS1210にて、主側RAM454に設けられた作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップS1211にて、主側RAM454に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
作動入賞フラグは、第1作動口54又は第2作動口55への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU452にて特定するためのフラグである。ちなみに、第1作動口54と第2作動口55とのそれぞれに入賞検知センサ343a,344aが設けられているため、第1作動口54への入賞と第2作動口55への入賞とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、作動入賞フラグは、作動口54,55の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU452において特定するためのカウンタである。
ステップS1209にて否定判定をした場合には、ステップS1212にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が特電入賞装置53に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。特電入賞装置53に対応している場合には、ステップS1213にて、主側RAM454に設けられた大入賞フラグに「1」をセットし、ステップS1214にて、主側RAM454に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞フラグは、特電入賞装置53への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU452にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU452にて特定するためのカウンタである。
ステップS1212にて否定判定をした場合には、ステップS1215にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報がスルーゲート56に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート56に対応している場合には、ステップS1216にて、主側RAM454に設けられたスルーフラグに「1」をセットする。ステップS1215にて否定判定をした場合には、今回の入賞が一般入賞口52に対応していることを意味するため、ステップS1217にて、主側RAM454に設けられた10個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
スルーフラグは、スルーゲート56への入賞に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU452にて特定するためのフラグである。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU452にて特定するためのカウンタである。
ステップS1208にて否定判定をした場合、又はステップS1211、ステップS1214、ステップS1216、ステップS1217のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1218に進む。ステップS1218では、入賞判定カウンタを1減算し、その後、ステップS1219にて入賞判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
「0」でない場合には、ステップS1218にて更新した入賞判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS1202〜ステップS1217の処理を実行する。かかるステップS1202〜ステップS1217の処理を、ステップS1201にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS1219にて肯定判定をすることとなり、本入賞判定処理を終了する。
次に、上記入賞検知処理(図30)が実行されることにより、遊技領域PAの一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56への入賞の有無が検知される様子について図32を参照しながら説明する。
まず、図32(A)を参照しながら、入賞検知センサ341a〜345aにおける検知結果(以下、入賞情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図32(A)は各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイムチャートである。
図32(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図28)が起動される構成において、入賞情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS1101,ステップS1103)行われる。各1組の入賞情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS1101)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入賞検知処理が実行されるタイミングは特図特電制御処理及び普図普電制御処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入賞検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入賞情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS1101)と後側の入賞情報を監視する処理(ステップS1103)との間では、入賞検知用のウェイト処理(ステップS1102)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、後側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図32(B)を参照しながら、入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図32(B)は入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図32(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図32(B1)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ341a〜345aのうち第3入賞口検知センサ41cの入賞情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入賞有り情報ともいう)となっており、他のセンサの入賞情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入賞無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では、図32(B2)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ341a〜345aのうちゲート検知センサ345a及び第3入賞口検知センサ341cのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図32(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n―1回目のタイマ割込み処理にて入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n―1回目における入賞情報の監視結果とn回目における入賞情報の監視結果とを利用して入賞判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図32(B4)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ341a〜345aのうちゲート検知センサ345a、第3入賞口検知センサ341c、第2作動口検知センサ344a及び第1作動口検知センサ343aのそれぞれが入賞有り情報となっており他のセンサは入賞無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理にて、図32(B5)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ341a〜345aのうちゲート検知センサ345a、第3入賞口検知センサ341c及び第1作動口検知センサ343aのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図32(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入賞判定処理(図31)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図32(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果をAND処理する。これにより、図32(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入賞判定処理では、ゲート検知センサ345aにて遊技球の入賞が検知されたと判定するとともに、第1作動口検知センサ343aにて遊技球の入賞が検知されたと判定する。
また、図32(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて第2作動口検知センサ344aが入賞有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入賞無し情報から入賞有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入賞発生と特定するのではなく、入賞有り情報が複数回に亘って確認された場合に入賞発生と特定する構成である。したがって、図32(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では第2作動口検知センサ344aが入賞無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入賞と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサ341cではn回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理のそれぞれにて入賞有り情報となっているが、これは既に入賞の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が「0」であることを条件に入賞の発生を特定しているため、1個の遊技球の入賞を複数個の入賞として扱ってしまわない。
上記のように入賞検知処理が実行されることにより、各入賞検知センサ341a〜345aにおける検知結果の監視が実行されることともに、発射球の付与に対応した入賞が発生している場合には、その入賞箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図28)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS1012)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出側MPU462に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。
また、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタのそれぞれが「1」以上となっている場合も考えられるが、この場合、賞球個数の多い賞球コマンドの出力が優先される。つまり、15個賞球コマンドの出力が10個賞球コマンドの出力や3個賞球コマンドの出力よりも優先され、10個賞球コマンドの出力が3個賞球コマンドの出力よりも優先される。
15個賞球カウンタが「1」以上の場合に15個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該15個賞球カウンタは1減算される。また、10個賞球カウンタが「1」以上の場合に10個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該10個賞球カウンタは1減算される。また、3個賞球カウンタが「1」以上の場合に3個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該3個賞球カウンタは1減算される。
次に、タイマ割込み処理(図28)のステップS1014にて実行される特図特電制御処理について説明する。
当該特図特電制御処理の説明に先立ち、主側MPU452にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図33を用いて説明する。
主側MPU452は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部62aの表示の設定、図柄表示装置61の図柄表示の設定、普図表示部63aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図33に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置61が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部62a及び図柄表示装置61における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口55の普電役物55aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、主側RAM454の抽選用カウンタエリア454aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生した場合に保留格納エリア454bに格納される。
保留格納エリア454bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口54又は第2作動口55への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口54又は第2作動口55への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、特図表示部62aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで保留格納エリア454bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM453の当否テーブル記憶エリアに当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機310は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで保留格納エリア454bに格納される。
本パチンコ機310では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける特電入賞装置53の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口55の普電役物55aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける特電入賞装置53の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口42bに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機310では、特電入賞装置53の1回の開放態様が、大入賞口が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.8secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機310では、発射操作装置336が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構211が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期と同程度又は若干長い程度の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、大入賞口に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、大入賞口への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
第2作動口55の普電役物55aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口55の普電役物55aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物55aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物55aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口55よりも第1作動口54への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口54よりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口55への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート56への入賞に基づき普図表示部63aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部63aにおける1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は主側ROM453の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、明示高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の明示高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の明示高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の明示高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで保留格納エリア454bに格納される。
ここで、本パチンコ機310には、図柄表示装置61における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置61を備え、特電入賞装置53の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置61における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置61の表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、主側ROM453のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。つまり、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は、リーチ表示を実行するか否かを決定するために利用される。但し、リーチ表示の種類の決定に際しては、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は利用されない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部62aにおける変動表示時間と、図柄表示装置61における図柄の変動表示時間とを主側MPU452において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、特図表示部62aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置61による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM453の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
ここで、上記リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報に基づきリーチ表示を発生させることが決定された場合や、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回であることに起因してリーチ表示を発生させることが決定された場合には、変動種別カウンタCSから取得した数値情報を利用してリーチ表示の種類が決定される。各リーチ表示は、リーチ表示において出現するキャラクタの種類や、リーチ表示が実行される期間などが相違している。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート56に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM454に設けられた電役保留エリア454cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって普電役物55aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
図34は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS1301にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア454bにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップS1002にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、第1作動口54及び第2作動口55への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS1301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS1302に進む。ステップS1302では、保留予告用の確認処理を実行する。当該確認処理の詳細については後に説明する。
続くステップS1303では、主側RAM454に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行し、ステップS1304にて主側ROM453から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS1305にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS1303〜ステップS1305の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS1307)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS1308)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS1309)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS1310)と、大入賞口の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS1311)と、大入賞口の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS1312)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS1313)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU452にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS1307)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS1308)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS1309)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS1310)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS1311)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS1312)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS1313)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
ステップS1305の処理を実行した後は、ステップS1306にて、ステップS1305において取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS1307の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報を保留格納エリア454bの実行エリアAEにシフトする処理を実行するとともに、各保留エリアRE1〜RE4のデータを上位側(すなわち第1保留エリアRE1側)にシフトする処理を実行する。その後、実行エリアAEにシフトされた保留情報について、大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。当否判定処理に際しては、保留情報において大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、大当たり当選に対応した数値情報であるか否かの判定を行う。また、振分判定処理に際しては、保留情報において大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、いずれの大当たり結果の区分に対応しているか否かの判定を行う。
当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。なお、リーチ判定処理に際しては、保留情報においてリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報が、リーチ発生の数値情報に対応しているか否かの判定を行う。
継続時間の情報を選択した場合には、当該継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音声発光制御装置91に送信するとともに、特図表示部62aにおける絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部62a及び図柄表示装置61にて遊技回用の演出が開始される。
ちなみに、このように遊技回用の演出を開始させた場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS1308の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であれば特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS1309の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置61にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置91に送信するとともに、特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS1310の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置91に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS1311の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS1312の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS1313の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置91に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
<払出側MPU462及び管理側MPU472にて実行される発射球を管理するための処理>
次に、払出側MPU462及び管理側MPU472にて実行される発射球を管理するための処理について説明する。
図35は、払出側MPU462において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、払出側の特定周期、具体的には4msec周期で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS1401にて、発射球の貸し出し及び発射球の使用を管理するための遊技球管理処理を実行し、続くステップS1402にて、発射球の発射を管理するための発射管理処理を実行し、続くステップS1403にて、遊技価値(すなわち記憶媒体M)の返却を管理するための返却管理処理を実行し、続くステップS1404にて、ID情報の登録を実行するためのID登録用処理を実行し、続くステップS1405にて、ID情報の監視を実行するためのID監視処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。以下、ステップS1401〜ステップS1405の各処理について、詳細に説明する。
<遊技球管理処理>
まず、ステップS1401にて実行される遊技球管理処理について説明する。遊技球管理処理の説明に先立ち、管理側MPU472にて実行される球供給用の管理処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。なお、球供給用の管理処理は、管理側MPU472におけるメイン処理(図27)のステップS907にて実行される。
まずステップS1501では、紙幣用回路475からの信号に基づき、管理ユニット431の現金投入口432に紙幣が投入されたか否かを判定する。紙幣が投入された場合には、ステップS1502にて、紙幣の判別処理を実行する。紙幣用回路475では、投入された紙幣のサイズを識別可能となっており、1万円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、5千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、2千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、1千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力する。ステップS1502の判別処理では、いずれの種類の紙幣投入信号を紙幣用回路475から受信しているのかを判別する。
続くステップS1503では、ステップS1502の判別結果に対応した度数情報を、管理側ROM473に予め記憶されている度数参照テーブルを参照することにより把握する。具体的には、1万円札である場合には度数情報が「100」であると把握し、5千円札である場合には度数情報が「50」であると把握し、2千円札である場合には度数情報が「20」であると把握し、1千円札である場合には度数情報が「10」であると把握する。
その後、ステップS1504では、ステップS1503にて把握した結果に対応した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS1503にて把握した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU462に向けて出力する。
ステップS1501にて否定判定をした場合又はステップS1504の処理を実行した後は、ステップS1505にて、媒体用回路477からの信号に基づき、管理ユニット431の媒体投入口433に記憶媒体Mが投入されたか否かを判定する。記憶媒体Mは、度数情報と残存球情報とを個別に記憶可能であって同時に記憶可能に構成されている。残存球情報とは、遊技者が使用可能な発射球の数を示す情報のことである。媒体用回路477は、当該記憶媒体Mに記憶された度数情報と残存球情報とを個別に読み出し可能であってそれぞれを認識可能に構成されている。
記憶媒体Mが投入された場合には、ステップS1506にて、媒体用回路477からの信号に基づき、記憶媒体Mに度数情報が書き込まれているか否かを判定する。度数情報が書き込まれている場合には、ステップS1507にて、その度数情報を読み出し、ステップS1508にて、その読み出した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS1507にて読み出した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU462に向けて出力する。
ステップS1506にて否定判定をした場合又はステップS1508の処理を実行した後は、ステップS1509にて、媒体用回路477からの信号に基づき、記憶媒体Mに残存球情報が書き込まれているか否かを判定する。残存球情報が書き込まれている場合には、ステップS1510にて、その残存球情報を読み出し、ステップS1511にて、その読み出した残存球情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS1510にて読み出した残存球情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU462に向けて出力する。ステップS1509にて否定判定をした場合又はステップS1511の処理を実行した後は、本球供給用の管理処理を終了する。
なお、投入された記憶媒体Mに度数情報及び残存球情報の両方が記憶されている場合であっても、度数情報に対応した球供給コマンドと、残存球情報に対応した球供給コマンドとが個別に送信される。
図37は、払出側MPU462にて実行される遊技球管理処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図38を参照しながら操作ユニット441の度数表示部447及び残数表示部448の表示内容について説明する。図38(a)〜(c)は操作ユニット441の正面図である。
ステップS1601では、管理側MPU472から球供給コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、管理側MPU472から送信された球供給コマンドは、払出側RAM464のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された球供給コマンドが順次読み出される。したがって、ステップS1601ではリングバッファに未処理の球供給コマンドが格納されているか否かを判定する。
球供給コマンドを受信している場合には、ステップS1602にて、その球供給コマンドに度数情報が含まれているか否かを判定する。度数情報が含まれている場合には、ステップS1603にて、払出側RAM464に設けられた度数情報記憶エリア464aに、今回受信した球供給コマンドに含まれる度数情報が加算されるように当該記憶エリア464aを更新する。続くステップS1604では、ステップS1603の更新後における度数情報記憶エリア464aの度数情報が操作ユニット441の度数表示部447に表示されるように、当該度数表示部447の表示を更新する。例えば、図38(a)に示すように、残数表示部448に「0」が表示されている状況で、度数表示部447に「50」が表示される。
一方、ステップS1602にて否定判定をした場合、今回の球供給コマンドには度数情報ではなく、残存球情報が含まれていることを意味する。この場合、ステップS1605にて、払出側RAM464に設けられた残存球情報記憶エリア464bに、今回受信した球供給コマンドに含まれる残存球情報が加算されるように当該記憶エリア464bを更新する。続くステップS1606では、ステップS1605の更新後における残存球情報記憶エリア464bの残存球情報が操作ユニット441の残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448の表示を更新する。例えば、図38(b)に示すように、度数表示部447に「0」が表示されている状況で、残数表示部448に「5375」が表示される。また、例えば、度数情報及び残存球情報の両方が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット431の媒体投入口433に投入された場合には、図38(c)に示すように、度数表示部447に「25」が表示されるとともに、残数表示部448に「7243」が表示される。
ステップS1601にて否定判定をした場合、ステップS1604の処理を実行した場合又はステップS1606の処理を実行した場合には、ステップS1607〜ステップS1611の球供給用処理に進む。
球供給用処理では、まずステップS1607にて、操作ユニット441の球供給ボタン442が操作されているか否かを判定する。球供給ボタン442が操作されている場合には、ステップS1608にて、度数情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア464aに記憶されている度数情報から所定数分の度数情報(具体的には「5」)が減算されるように当該記憶エリア464aを更新する。続くステップS1609では、ステップS1608の更新後における度数情報記憶エリア464aの度数情報が度数表示部447に表示されるように、当該度数表示部447の表示を更新する。
続くステップS1610では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報に上記所定数分の度数情報に対応した対応数分の残存球情報(具体的には「125」)が加算されるように当該記憶エリア464bを更新する。続くステップS1611では、ステップS1610の更新後における残存球情報記憶エリア464bの残存球情報が残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448の表示を更新する。
ステップS1607にて否定判定をした場合又はステップS1611の処理を実行した場合には、ステップS1612〜ステップS1615の賞球対応処理に進む。
賞球対応処理では、まずステップS1612にて、主側MPU452から賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、主側MPU452から送信された賞球コマンドは、払出側RAM464のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された賞球コマンドが順次読み出される。よって、ステップS1612では、リングバッファに未処理の賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。
賞球コマンドを受信している場合には、ステップS1613にて賞球数の把握処理を実行する。当該把握処理では、今回受信した賞球コマンドに含まれる賞球数の情報を把握する。本パチンコ機310では、主側MPU452から送信される賞球コマンドは、3個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドのいずれかであるため、ステップS1613にて把握される賞球数は3個、10個及び15個のいずれかである。
続くステップS1614では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報に上記賞球数に対応した数分の残存球情報が加算されるように当該記憶エリア464bを更新する。続くステップS1615では、ステップS1614の更新後における残存球情報記憶エリア464bの残存球情報が残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448の表示を更新する。
ステップS1612にて否定判定をした場合又はステップS1615の処理を実行した場合には、ステップS1616に進み、遊技球使用の管理処理を実行し、さらにステップS1617にて、度数情報及び残存球情報の出力処理を実行した後に、本遊技球管理処理を終了する。ステップS1616における遊技球使用の管理処理については後に説明する。ステップS1617では、払出側RAM464の度数情報記憶エリア464aに記憶されている度数情報、及び払出側RAM464の残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報を、球管理コマンドとして主側MPU452に出力する。
<発射管理処理>
次に、タイマ割込み処理(図35)のステップS1402にて実行される発射管理処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701では、払出側RAM464に設けられたID登録実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、ID登録実行状態であるか否かを判定する。ID登録実行状態とは、パチンコ機310において循環する多数の発射球のそれぞれからID情報を読み取り、それの登録を行う状態のことである。ID登録実行状態の詳細は後に説明する。ID登録実行状態である場合にはそのまま本発射管理処理を終了し、ID登録実行状態ではない場合にはステップS1702に進む。
ステップS1702では、前扉322が開放中であるか否かを判定する。既に説明したとおり前扉322が開放中であるか否かを検知する開放検知スイッチ339は主側MPU452と電気的に接続されており、主側MPU452は開放検知スイッチ339の検知結果を払出側MPU462に送信する。払出側MPU462はこの送信されてくる検知結果に基づき、前扉322が開放中であるか否かを判定する。
ステップS1703では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号は、既に説明したとおり、発射制御装置365から払出側MPU462に向けて出力される信号であり、発射操作装置336の操作ハンドル336bが触れられていることがタッチセンサ336cにより検知されており、且つストップスイッチ336eがONとなっていない状況において、HIレベルの条件成立信号の送信を継続する。ステップS1704では、払出側RAM464の残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報が1以上であるか否かを判定する。
ステップS1702にて否定判定をし、ステップS1703及びステップS1704にて肯定判定をした場合には、ステップS1705にて、発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。発射許可信号は、払出側MPU462から発射制御装置365に向けて出力される信号であり、上記条件が成立している場合に払出側MPU462はHIレベルの発射許可信号の送信を継続する。発射制御装置365は、払出側MPU462からHIレベルの発射許可信号を受信している場合に、球供給装置213及び発射ソレノイド214を利用して発射球の発射を実行する。ステップS1705の処理を実行した後は、本発射管理処理を終了する。
一方、ステップS1702にて肯定判定をした場合、ステップS1703にて否定判定をした場合、又はステップS1704にて否定判定をした場合には、ステップS1706にて発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。これにより、発射球の発射は停止される。ステップS1706の処理を実行した後は、本発射管理処理を終了する。
ここで、上記のように前扉322が開放中である状況では発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定するようにしたことにより、前扉322が開放中である場合には発射球の発射が禁止される。これにより、前扉322が開放中であるにも関わらず発射球が発射されてしまうことが防止され、例えば遊技領域などのメンテナンスのために前扉322が開放された場合に発射球がパチンコ機310から流出してしまうことが防止される。
次に、図40のフローチャートを参照しながら、発射制御装置365にて実行される発射制御処理について説明する。なお、発射制御処理は、2msec周期で定期的に起動される。
まずステップS1801では、払出側MPU462から出力されている発射許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。発射許可信号がHIレベルである場合には、ステップS1802にて、発射制御装置365に設けられた第1発射周期カウンタの値を1加算し、発射許可信号がLOWレベルである場合には、ステップS1803にて、第1発射周期カウンタの値を「0」クリアする。第1発射周期カウンタは、発射操作装置336が操作されていることに基づき球供給装置213及び発射ソレノイド214を利用して発射球を発射すべき状況において、当該発射球の発射周期を所定のものとするために利用されるカウンタである。
ステップS1802の処理を実行した場合又はステップS1803の処理を実行した場合には、ステップS1804にて、第1球送り済み状態であるか否かを判定する。第1球送り済み状態とは、発射操作装置336の操作に基づき発射球を発射すべき状況において、球供給装置213による発射レール212上への1個の発射球の供給が既に完了している状態のことである。
第1球送り済み状態ではない場合には、ステップS1805にて、第1発射周期カウンタの値が「300」となっているか否かを判定する。第1発射周期カウンタは、既に説明したとおり、発射許可信号がHIレベルの状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は、2msec毎に起動される。したがって、第1発射周期カウンタの値が「300」となっている場合とは、発射許可信号がHIレベルとなってから当該HIレベルの出力状態が継続している状態において、又は1個の発射球が発射されてからHIレベルの発射許可信号の出力状態が継続している状態において、0.6secが経過したことを意味する。
第1発射周期カウンタの値が「300」となっている場合には、ステップS1806〜ステップS1808に進む。ステップS1806では、第1発射周期カウンタの値を「0」クリアし、ステップS1807では、球供給装置213に向けて球送り用の駆動信号を出力し、ステップS1808では、第1球送り済み状態に設定する。球送り用の駆動信号が出力されることにより、球供給装置213は、1個の発射球を循環貯留用タンク231から発射レール212上に供給する。
一方、ステップS1804にて肯定判定をした場合には、ステップS1809にて、発射制御装置365に設けられた第1球送り後カウンタの値を1加算する。第1球送り後カウンタは、発射操作装置336の操作に基づき球供給装置213により1個の発射球が発射レール212上に供給された後に、発射ソレノイド214を駆動制御して当該発射球を発射するタイミングを発射制御装置365において特定するためのカウンタである。
続くステップS1810では、第1球送り後カウンタの値が「100」となっているか否かを判定する。第1球送り後カウンタは、既に説明したとおり、第1球送り済み状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は2msec毎に起動される。したがって、第1球送り後カウンタの値が「100」となっている場合とは、発射レール212上に1個の発射球が供給された後に0.2secが経過したことを意味する。
第1球送り後カウンタの値が「100」となっている場合には、ステップS1811〜ステップS1813に進む。ステップS1811では、発射操作装置336の可変抵抗器336dから送信されている信号に基づき、操作ハンドル336bの操作量に応じた発射強度を把握する。ステップS1812では、ステップS1811にて把握した発射強度に応じた発射用の駆動信号を発射ソレノイド214に向けて出力する。これにより、発射レール212上に供給されている発射球が操作ハンドル336bの操作量に応じた発射強度で発射される。その後、ステップS1813にて、第1球送り済み状態を解除する。
ステップS1805にて否定判定をした場合、ステップS1808の処理を実行した場合、ステップS1810にて否定判定をした場合、又はステップS1813の処理を実行した場合には、ステップS1814にて、ID登録用の発射制御処理を実行した後に、本発射制御処理を終了する。ID登録用の発射制御処理については、後に詳細に説明する。
次に、払出側MPU462において実行される遊技球使用の管理処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技球使用の管理処理は、遊技球管理処理(図37)のステップS1616にて実行される。
ステップS1901では、発射レール212上に保持される1個の発射球を検知するための発射球検知センサ384から、発射球を検知していることに対応したHIレベルの発射球検知信号を受信しているか否かを判定する。発射球検知センサ384がONとなっていない場合には、ステップS1902にて、払出側RAM464に設けられた発射検知カウンタの値を「0」クリアした後に、本管理処理を終了する。発射検知カウンタは、発射球検知センサ384が継続してONとなっている期間を払出側MPU462において計測するためのカウンタである。
発射球検知センサ384がONとなっている場合には、ステップS1903にて、発射検知カウンタの値を1加算する。続くステップS1904では、発射検知カウンタの値が「2」となっているか否かを判定する。発射検知カウンタの値が「2」となっていない場合にはそのまま本管理処理を終了する。発射検知カウンタの値が「2」となっている場合には、ステップS1905にて、ID登録実行状態であるか否かを判定する。ID登録実行状態ではない場合には、ステップS1906〜ステップS1908の球使用時処理を実行する。
詳細には、ステップS1906にて、残存球情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報から1減算されるように当該記憶エリア464bを更新する。続くステップS1907では、ステップS1906の更新後における残存球情報記憶エリア464bの残存球情報が残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448の表示を更新する。その後、ステップS1908にて、払出側RAM464に設けられた通常中検知フラグに「1」をセットした後に本管理処理を終了する。通常中検知フラグは、遊技者の発射操作に基づき1個の発射球が発射レール212上に供給されたことを払出側MPU462にて特定するためのフラグである。
一方、ステップS1905にてID登録実行状態であると判定した場合には、ステップS1909にて、払出側RAM464に設けられた登録中検知フラグに「1」をセットした後に、本管理処理を終了する。登録中検知フラグは、ID登録実行状態において1個の発射球が発射レール212上に供給されたことを払出側MPU462にて特定するためのフラグである。
<返却管理処理>
次に、タイマ割込み処理(図35)のステップS1403にて実行される返却管理処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS2001では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号がHIレベルではない場合、すなわち遊技者により発射操作装置336が操作されていない状況である場合には、ステップS2002以降の記憶媒体Mを提供するための処理を実行する。つまり、本パチンコ機310では、発射操作装置336が操作されていないことを条件として記憶媒体Mを提供するための処理が実行される。これにより、発射操作に伴う残存球情報の減算処理が実行されている状況で記憶媒体Mを提供するための処理が実行されることが禁止され、残存球情報を正確に扱うことが可能となる。
ステップS2002では、操作ユニット441の全返却ボタン443が操作されているか否かを判定する。全返却ボタン443が操作されている場合には、ステップS2003にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。払出側MPU462は、開閉実行モードの開始に際して主側MPU452からオープニングコマンドを受信し、さらに開閉実行モードの終了に際して主側MPU452からエンディングコマンドを受信するため、開閉実行モードであるか否かを把握することが可能となっている。ステップS2003にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、開閉実行モード中には全返却ボタン443の操作を無効化することが可能となる。
外部からの発射球の補充が不可であって残存球情報が1以上の場合に発射球の発射が許容される構成においては、全返却ボタン443が操作されると、少なくとも記憶媒体Mが排出されるまでの時間と、記憶媒体M又は紙幣が投入されて残存球情報の新たなセットが行われる時間との間、発射球の発射を行うことが不可となる。このような事象が、開閉実行モード中における全返却ボタン443の誤操作によって発生してしまうと、ラウンド遊技を好適に消化することができなくなってしまう。その一方で、開閉実行モード中に全返却ボタン443が意図的に操作されることは考えづらい。これに対して、開閉実行モード中は全返却ボタン443の操作を無効化することにより、上記のような不都合の発生が防止される。
ステップS2003にて否定判定をした場合には、ステップS2004に進み、払出側RAM464に設けられた賞球待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。払出側MPU462は、主側RAM454に設けられた各賞球カウンタのいずれかの値が1以上となった場合にその内容を示す待機開始コマンドを受信可能となっているとともに、各賞球カウンタの全ての値が「0」となった場合にその内容を示す待機終了コマンドを受信可能となっている。賞球待機フラグは、待機開始コマンドを受信した場合に「1」がセットされ、待機終了コマンドを受信するとともに当該待機終了コマンドと同時に受信する賞球コマンドについての残存球情報への加算用の処理が完了した場合に「0」クリアされる。ステップS2004にて肯定判定をした場合、すなわち賞球の処理が完了していない場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、賞球の処理が完了していない状況では全返却ボタン443の操作を無効化することが可能となる。よって、全返却ボタン443の操作に基づき記憶媒体Mが排出されたにも関わらず、その直後に賞球に基づき残存球情報が「1」以上となってしまうことが防止される。
ステップS2004にて否定判定をした場合には、ステップS2005に進む。ステップS2005では、払出側RAM464の度数情報記憶エリア464aから度数情報を読み出し、ステップS2006では、払出側RAM464の残存球情報記憶エリア464bから残存球情報を読み出す。
続くステップS2007では、ステップS2005にて読み出した度数情報が1以上であるか否かを判定する。度数情報が1以上である場合には、ステップS2008にて、その読み出した度数情報を含む返却コマンドを管理側MPU472への出力対象として設定する。返却コマンドは、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU472に向けて出力される。その後、ステップS2009にて、度数情報の初期化処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア464aを「0」クリアするとともに、操作ユニット441の度数表示部447の表示が「0」となるように当該度数表示部447を表示制御する。
ステップS2007にて否定判定をした場合、又はステップS2009の処理を実行した場合には、ステップS2010において、ステップS2006にて読み出した残存球情報が1以上であるか否かを判定する。残存球情報が「0」である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。残存球情報が1以上である場合には、ステップS2011にて、その読み出した残存球情報を含む返却コマンドを管理側MPU472への出力対象として設定する。この場合に、ステップS2008にて既に返却コマンドが出力対象として設定されている場合には、当該返却コマンドに上記読み出した残存球情報を度数情報とは区別された状態で含ませる。返却コマンドは、既に説明したとおり、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU472に向けて出力される。その後、ステップS2012にて、残存球情報の初期化処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア464bを「0」クリアするとともに、操作ユニット441の残数表示部448の表示が「0」となるように当該残数表示部448を表示制御する。その後、本返却管理処理を終了する。
一方、ステップS2002にて否定判定をした場合には、ステップS2013にて一部返却用の管理処理を実行した後に、本返却管理処理を終了する。当該一部返却用の管理処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS2101にて、操作ユニット441の増加指示ボタン444が操作されたか否かを判定する。増加指示ボタン444が操作されている場合には、ステップS2102にて、払出側RAM464に設けられた一部返却球情報記憶エリア464cの一部返却球情報が、払出側RAM464の残存球情報記憶エリア464bの残存球情報よりも少ないか否かを判定する。
ステップS2102にて肯定判定をした場合には、ステップS2103にて、一部返却用の加算処理を実行する。具体的には、一部返却球情報記憶エリア464cの値が1加算されるように、当該記憶エリア464cを更新する。
続くステップS2104では、一部返却用の表示更新処理を実行する。当該処理では、一部返却球情報記憶エリア464cに記憶された一部返却球情報に対応した数が残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448を表示制御する。つまり、残数表示部448では基本的に残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報に対応した数が表示されることとなるが、一部返却用の操作が行われた場合には、一部返却球情報記憶エリア464cに記憶された一部返却球情報に対応した数を表示するための表示部として当該残数表示部448が兼用される。
その後、ステップS2105では、払出側RAM464に設けられた一部返却中カウンタに「5000」をセットする。一部返却中カウンタは、操作ユニット441の増加指示ボタン444又は減少指示ボタン445が操作された場合に、その操作の有効期間を計測するためのカウンタである。
なお、一部返却中カウンタの値が1以上である場合には、残数表示部448において一部返却球情報記憶エリア464cに記憶された一部返却球情報に対応した数が表示され、一部返却中カウンタの値が「0」となった場合には、残存球情報記憶エリア464bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部448にて表示される。また、一部返却中カウンタの値は、条件成立信号がHIレベルとなった場合に「0」クリアされるとともに、全返却ボタン443が操作された場合にも「0」クリアされる。
ステップS2101にて否定判定をした場合には、ステップS2106にて操作ユニット441の減少指示ボタン445が操作されたか否かを判定する。減少指示ボタン445が操作されている場合には、ステップS2107にて、払出側RAM464に設けられた一部返却球情報記憶エリア464cの一部返却球情報が1以上であるか否かを判定する。
ステップS2107にて肯定判定をした場合には、ステップS2108にて、一部返却用の減算処理を実行する。具体的には、一部返却球情報記憶エリア464cの値が1減算されるように、当該記憶エリア464cを更新する。
続くステップS2109では、一部返却用の表示更新処理を実行する。当該処理では、一部返却球情報記憶エリア464cに記憶された一部返却球情報に対応した数が残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448を表示制御する。その後、ステップS2110では払出側RAM464の一部返却中カウンタに「5000」をセットする。
ステップS2106にて否定判定をした場合には、ステップS2111にて、操作ユニット441の決定ボタン446が操作されたか否かを判定する。決定ボタン446が操作されている場合には、ステップS2112にて、一部返却球情報記憶エリア464cに記憶された一部返却球情報を含む返却コマンドを管理側MPU472への出力対象として設定する。これにより、増加指示ボタン444及び減少指示ボタン445の操作に応じた一部返却球情報が管理側MPU472に向けて出力される。
続くステップS2113では、一部返却中カウンタを「0」クリアする。また、ステップS2114では、残存球情報記憶エリア464bに記憶された残存球情報から、一部返却球情報記憶エリア464cに記憶された一部返却球情報を減算し、その減算結果の情報を新たな残存球情報として残存球情報記憶エリア464bに上書きする。また、この際に、一部返却球情報記憶エリア464cの値を「0」クリアする。その後、ステップS2115にて、残存球情報記憶エリア464bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448を表示制御する。
ステップS2102にて否定判定をした場合、ステップS2105の処理を実行した場合、ステップS2107にて否定判定をした場合、ステップS2110の処理を実行した場合、ステップS2111にて否定判定をした場合、又はステップS2115の処理を実行した場合には、ステップS2116に進む。ステップS2116では、一部返却中カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。
一部返却中カウンタの値が「0」である場合にはそのまま本一部返却用の管理処理を終了し、「0」ではない場合にはステップS2117に進む。ステップS2117では、一部返却中カウンタの値を1減算する。続くステップS2118では、一部返却中カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。一部返却中カウンタの値が「0」ではない場合にはそのまま本一部返却用の管理処理を終了し、「0」である場合にはステップS2119にて、残存球情報記憶エリア464bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部448に表示されるように、当該残数表示部448を表示制御する。また、この際に、一部返却球情報記憶エリア464cの値を「0」クリアする。その後、本一部返却用の管理処理を終了する。
ここで増加指示ボタン444又は減少指示ボタン445が操作された場合には、一部返却中カウンタに「5000」がセットされる。また、LOWレベルの条件成立信号の出力が継続されており、且つ全返却ボタン443が操作されていない場合には、返却管理処理(図42)が起動される度に一部返却中カウンタの値が1減算される。また、返却管理処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図35)にて実行される。そして、一部返却中カウンタの値が「0」となった場合には、それまでの一部返却用の操作が無効化される。つまり、増加指示ボタン444又は減少指示ボタン445が操作されたとしても、所定期間(具体的には20sec)が経過するまでの間に、増加指示ボタン444、減少指示ボタン445及び決定ボタン446のいずれかが操作されなかった場合には、それまでの一部返却用の操作は無効化される。
次に、管理側MPU472にて実行される媒体供給用の管理処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。なお、媒体供給用の管理処理は、管理側MPU472におけるメイン処理(図27)のステップS908にて実行される。
ステップS2201では、管理側RAM474に設けられた返却中フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、返却中状態であるか否かを判定する。返却中状態ではない場合には、ステップS2202にて、払出側MPU462から返却コマンドを受信しているか否かを判定する。返却コマンドは、既に説明したとおり、操作ユニット441の全返却ボタン443が操作された場合、又は一部返却用の操作後に決定ボタン446が操作された場合に、払出側MPU462から送信される。また、決定ボタン446の操作に基づき送信された返却コマンドには、残存球情報のみが含まれているのに対して、全返却ボタン443の操作に基づき送信された返却コマンドには、度数情報及び残存球情報の一方のみが含まれている場合と、これらの両方が含まれている場合とがある。
返却コマンドを受信していない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。返却コマンドを受信している場合には、ステップS2203にて今回の返却コマンドに度数情報が含まれているか否かを判定する。度数情報が含まれている場合には、ステップS2204にて、当該度数情報を記憶媒体Mに書き込むように媒体用回路477に書き込み指示信号を送信する。これにより、媒体用回路477は、記憶媒体Mに度数情報を書き込む。その後、ステップS2205にて、返却中状態に設定する。
ステップS2203にて否定判定をした場合、又はステップS2205の処理を実行した場合には、ステップS2206にて、今回の返却コマンドに残存球情報が含まれているか否かを判定する。残存球情報が含まれていない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。
残存球情報が含まれている場合には、ステップS2207にて、当該残存球情報を記憶媒体Mに書き込むように媒体用回路477に書き込み指示信号を送信する。これにより、媒体用回路477は、記憶媒体Mに残存球情報を書き込む。この場合に、今回の返却コマンドに、残存球情報だけでなく度数情報が含まれており、ステップS2204の処理が実行されている場合には、残存球情報は度数情報が書き込まれた記憶媒体Mに書き込まれる。続くステップS2208では、未だ返却中状態に設定していない場合には、当該返却中状態に設定する。その後、本媒体供給用の管理処理を終了する。
一方、返却中状態である場合には、ステップS2209にて、媒体用回路477において記憶媒体Mへの書き込みが完了しているか否かを判定する。書き込みが完了していない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。書き込みが完了している場合には、ステップS2210にて、管理ユニット431における媒体排出口434に対応させて設けられた駆動部476cを駆動制御することで、当該書き込みが完了した記憶媒体Mを媒体排出口434から排出する。その後、ステップS2211にて、返却中状態を解除した後に、本媒体供給用の管理処理を終了する。
次に、残存球情報の一部返却が実行される場合の残数表示部448の表示内容について説明する。図45(a)〜(d)は操作ユニット441の正面図である。
図45(a)に示すように、度数表示部447に度数情報に対応した「25」が表示され、残数表示部448に残存球情報に対応した「7243」が表示されている状況において、図45(b)に示すように、増加指示ボタン444が操作されることに基づき、残数表示部448では一部返却球情報に対応した数が表示される。この場合、残数表示部448には、一部返却球情報に対応した「52」が表示されている。
その後、図45(c)では、例えばコーヒーに対応した発射球の数となるように、減少指示ボタン445が操作されて、残数表示部448に表示されている一部返却球情報が「50」に調整された状態となっている。この状態で決定ボタン446が操作されることにより、「50」の残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mが排出される。また、図45(d)に示すように、残数表示部448では、一部返却された発射球の数分だけ減算された状態で、残存球情報に対応した数(「7193」)が表示される。
本パチンコ機310では、既に説明したとおり、多数の発射球が循環され、遊技者は当該発射球に触れることはできず、さらに入賞が発生した場合の賞球は残存球情報として遊技者に付与される。したがって、遊技ホールにおいて実際の発射球を利用して、ドリンクやタバコなどと交換することができない。これに対して、残存球情報の全返却だけでなく、残存球情報の一部返却を可能とすることで、遊技に必要な残存球情報はパチンコ機310に残しながら、上記交換に必要な分だけが書き込まれた記憶媒体Mを遊技者が得ることが可能となり、上記交換を好適に行うことが可能となる。
また、遊技者により操作ユニット441に対して一部返却用の操作が行われた場合には、その操作に対応した数の残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット431から排出される。これにより、遊技者は遊技ホール側の店員に記憶媒体Mを直接手渡すことにより商品の交換を行うことが可能となる。よって、商品の交換作業が分かり易いものとなる。
また、遊技者により発射操作装置336が操作されている状況では一部返却用の操作が無効化される。これにより、発射操作に伴う残存球情報の減算処理が実行されている状況で記憶媒体Mを提供するための処理が実行されることが禁止され、残存球情報の扱いを正確に行うことが可能となる。また、発射球の発射が優先される構成であるため、例えば開閉実行モードのラウンド遊技中に一部返却用の操作が行われた場合に、それに伴って発射球の発射が停止されてしまうという事態の発生が阻止される。
また、操作ユニット441には、一部返却用の操作ボタン444〜446が設けられているため、残存球情報の一部を利用して商品と交換する場合には遊技者は当該専用の操作ボタン444〜446を操作すればよい。よって、かかる交換に際しての遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
また、当該操作ボタン444〜446の操作によって、使用する残存球情報の数を指定する構成であるため、交換対象となる商品の種類毎に操作ボタンを設ける必要がない。したがって、操作ボタンの数を減らすことが可能となる。
<ID登録用処理>
次に、タイマ割込み処理(図35)のステップS1404にて実行されるID登録用処理について説明する。
当該ID登録用処理の説明に先立ち、本パチンコ機310において使用される発射球の構成を説明する。図46(a)は発射球の縦断面図であり、図46(b)は発射球に埋設されているICタグ481の構成を示す模式図である。
図46(a)に示すように、発射球は、ABS樹脂などの非導電性の合成樹脂をベース材料として球状に形成されており、当該ベース材料に対して、ICタグ481が埋設されている。ICタグ481は、例えば3.5mm×3.5mm×0.8mmといったように、発射球よりも小さいサイズで形成されており、発射球の中央に埋設されている。また、ICタグ481は発射球の表面に露出しておらず、ICタグ481はベース材料により周囲が囲まれている。
ICタグ481は、パッシブタグであり、図46(b)に示すように、ICチップ482と、アンテナ部材483とを備えている。ICチップ482は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別情報として、発射球固有のID情報が格納されている。
発射球固有のID情報は、同一のID情報を有する発射球が他に存在しないように設定されている。但し、これに限定されることはなく、同一のID情報を有する発射球が相当低い確率(例えば10万分の1の確率)で存在するようにしてもよく、同一の遊技ホールの範囲内において同一のID情報を有する発射球が存在しないようにしてもよく、同一のパチンコ機310において同一のID情報を有する発射球が存在しないようにしてもよい。パチンコ機310において各発射球を個別に認識可能とする上では、少なくとも同一のパチンコ機310において循環する各発射球のID情報がそれぞれ異なっていればよい。
アンテナ部材483は微細な線状とされており、アルミや銅等の金属を利用して形成されている。アンテナ部材483は、その中央にICチップ482が存在するように、当該ICチップ482周りに複数周回するようにスパイラルアンテナとして形成されている。アンテナ部材483は、動作周波数が所定周波数(具体的には2.45GHz)となるように、所定の長さ寸法に設定されている。
ICチップ482のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部材483から電波として発信することができるように構成されている。アンテナ部材483は、通信可能距離が3cm程度に設定されており、発射球が発射レール212上の発射待機位置に保持された場合には、当該発射待機位置の周囲に設けられたリーダ装置385が当該通信可能距離の範囲内に含まれることとなる。
リーダ装置385からは払出側MPU462からの指示に基づき呼出波が出力されるようになっており、当該呼出波が出力された場合にはICチップ482が起動されてアンテナ部材483からID情報を含む電波が応答波として出力される。これにより、発射レール212上の発射待機位置に保持された発射球のID情報をリーダ装置385にて読み取ることが可能となる。
その一方で、発射待機位置に保持されていない発射球、例えば球供給装置213により発射レール212への移動が阻止されている発射球、発射レール212よりも遊技領域PA側に存在している発射球及び支持ベース体331の背面側に存在している発射球については、通信可能距離にリーダ装置385が含まれていない。したがって、発射待機位置に保持されていない発射球からリーダ装置385が応答波を受信することはない。
ここで、発射球は上記のとおりベース材料として合成樹脂が用いられているため、金属を用いて形成されていた従来の遊技球に比べて極端に軽くなってしまうことが懸念される。発射球が従来よりも極端に軽くなると、遊技領域を流下する態様が大きく相違してしまい、遊技者が違和感を抱いてしまうことが懸念される。
これに対して、発射球には、図46(a)に示すように、重量調整用の重量片484が複数分散させて埋設されている。当該重量片484は、単位体積当たりの重量がベース材料よりも大きくなるように鉛などの金属により形成されている。これら複数の重量片484は、発射球の重心が中央にくるようにその埋設位置が設定されている。また、複数の重量片484は、発射球の表面に露出しないように埋設されている。また、各重量片484は、ICタグ481の通信を邪魔しないように離間させて配置されている。これにより、リーダ装置385において発射球からのID情報の読み取りを可能としながら、遊技領域PAを流下する発射球の態様を従来の金属製の遊技球と比べて違和感が無いものとすることが可能となる。
なお、発射球において合成樹脂によるベース材料を用いて形成されたベース部を、ICタグ481及び重量片484の埋設が容易となるように相対的に柔軟なベース材料により形成された中央部と、相対的に硬いベース材料により形成され発射球の発射や遊技領域の流下に際して磨耗や変形が生じにくい外層とを有するように形成してもよい。
図47は、ID登録用処理を示すフローチャートである。
パチンコ機310には、予め定められた複数である特定個数(具体的には100個)の発射球がセットされており、遊技に際しては当該特定個数の発射球がパチンコ機310を循環することとなる。ID登録用処理では、当該特定個数の発射球のそれぞれからID情報を読み取り、その読み取った各ID情報を払出側RAM464に記憶する処理を実行する。
詳細には、まずステップS2301にて、ID登録実行状態であるか否かを判定する。ID登録実行状態ではない場合には、ステップS2302にて、主側MPU452からID登録開始に対応したコマンドを受信したか否かを判定する。
ID登録開始に対応したコマンドは、主制御装置361に設けられた第2消去ボタン361cが操作された場合に主側MPU452から払出側MPU462に送信される。第2消去ボタン361cは、パチンコ機310にセットされた発射球の数が特定個数未満となった場合や、特定個数以上となった場合に、新たな特定個数の発射球のセットをパチンコ機310に対して行った場合に操作される。
ちなみに、パチンコ機310に既にセットされている特定個数の発射球を排出して、新たな特定個数の発射球をセットする場合には、まず本体ベース321に対する前扉322の施錠状態を解除して当該前扉322を開放させる。その後、球供給装置213の供給部材に作業者が直接外力を加えることによって当該供給部材を供給位置に配置する。これにより、発射用供給通路部215に貯留されている発射球が球供給装置213を介して全て排出される。古いセットの発射球を全て排出した後は、新たなセットの特定個数の発射球を循環貯留用タンク231に投入する。
ステップS2302にて否定判定をした場合には、ステップS2303にて、払出側RAM464に設けられたID登録フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ID登録フラグは、特定個数の各発射球についてID情報が登録されている場合に「1」がセットされるフラグである。また、ID登録フラグは、ID情報の登録がなされた後であっても、払出側RAM464へのバックアップ電力の供給が停止された場合や、払出側RAM464の初期化処理が実行された場合に、「0」クリアされる。
ステップS2303にて肯定判定をした場合には、そのまま本ID登録用処理を終了する。ステップS2302にて肯定判定をした場合、又はステップS2303にて否定判定をした場合には、ステップS2304に進む。ステップS2304では、ID登録実行状態に設定する。続くステップS2305では、払出側RAM464に設けられたID情報記憶エリア464dの消去処理を実行する。ID情報記憶エリア464dは、セットされた特定個数の各発射球から読み取ったID情報を記憶しておくためのエリアである。
続くステップS2306では、ID登録用信号の出力状態をHIレベルに設定する。ID登録用信号は、払出側MPU462から発射制御装置365に向けて出力される信号であり、発射操作装置336が操作されていない状況であってもID情報を登録するために、発射球を遊技領域PAに向けて発射するように球供給装置213及び発射ソレノイド214を駆動制御させる場合にHIレベルに設定される。これにより、発射制御装置365ではID登録用の発射制御を実行する。かかる発射制御の内容については、後に詳細に説明する。
なお、ID登録実行状態に設定した場合に、払出側MPU462から主側MPU452に向けて登録開始コマンドを出力し、ID登録実行状態を解除した場合に、払出側MPU462から主側MPU452に向けて登録終了コマンドを出力する構成としてもよい。この場合、主側MPU452は、登録開始コマンドを受信した場合に音声発光制御装置91に向けて登録開始報知コマンドを出力し、登録終了コマンドを受信した場合に音声発光制御装置91に向けて登録終了報知コマンドを出力するようにすることで、ID登録実行状態においてはその旨の報知がスピーカ装置338や図柄表示装置61にて実行されるようにしてもよい。
続くステップS2307では、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。これにより、発射操作装置336が操作されており且つ残存球情報が1以上である状況であったとしても、ID登録用の態様で発射制御が行われることとなる。その後、本ID登録用処理を終了する。
一方、ステップS2301にてID登録実行状態であると判定した場合には、ステップS2308にてID登録時の発射管理処理を実行するとともに、ステップS2309にてID取得処理を実行した後に、本ID登録用処理を終了する。
以下、これらID登録時の発射管理処理及びID取得処理について説明する。まず図48のフローチャートを参照しながら、ID登録時の発射管理処理について説明する。
ステップS2401では、払出側RAM464に設けられた中断フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、中断状態であるか否かを判定する。中断状態ではない場合には、ステップS2402にて前扉322が開放中であるか否かを判定する。前扉322が開放中ではない場合には、そのまま本ID登録時の発射管理処理を終了する。前扉322が開放中である場合には、ステップS2403にて中断状態に設定し、続くステップS2404にてID登録用信号の出力状態をLOWレベルに設定する。その後、本ID登録時の発射管理処理を終了する。つまり、ID登録用の態様で発射球の発射が自動的に行われている状況であっても前扉322が開放された場合には、当該発射球の発射は中断される。
ステップS2401にて中断状態であると判定した場合には、ステップS2405にて、前扉322が閉鎖されたか否かを判定する。前扉322が閉鎖されていない場合には、そのまま本ID登録時の発射管理処理を終了する。一方、前扉322が閉鎖されている場合には、ステップS2406にて中断状態を解除し、続くステップS2407にて、ID登録用信号の出力状態をHIレベルに設定する。その後、本ID登録時の発射管理処理を終了する。これにより、ID登録用の態様による発射球の発射が再開される。
ここで、発射制御装置365にて実行されるID登録用の発射制御処理を、図49のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ID登録用の発射制御処理は、発射制御処理(図40)におけるステップS1814にて実行される。
ステップS2501では、払出側MPU462から出力されているID登録用信号がHIレベルであるか否かを判定する。ID登録用信号がHIレベルである場合には、ステップS2502にて、発射制御装置365に設けられた第2発射周期カウンタの値を1加算し、ID登録用信号がLOWレベルである場合には、ステップS2503にて、第2発射周期カウンタの値を「0」クリアする。第2発射周期カウンタは、ID情報の登録時に球供給装置213及び発射ソレノイド214を利用して発射球を発射すべき状況において、当該発射球の発射周期を所定のものとするために利用されるカウンタである。
ステップS2502の処理を実行した場合又はステップS2503の処理を実行した場合には、ステップS2504にて、第2球送り済み状態であるか否かを判定する。第2球送り済み状態とは、ID情報の登録時において、球供給装置213による発射レール212上への1個の発射球の供給が既に完了している状態のことである。
第2球送り済み状態ではない場合には、ステップS2505にて、第2発射周期カウンタの値が「100」となっているか否かを判定する。第2発射周期カウンタは、ID登録用信号がHIレベルの状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は、2msec毎に起動される。したがって、第2発射周期カウンタの値が「100」となっている場合とは、ID登録用信号がHIレベルとなってから当該HIレベルの出力状態が継続している状態において、又は1個の発射球がID情報の登録用に発射されてからHIレベルのID登録用信号の出力状態が継続している状態において、0.2secが経過したことを意味する。
ここで、当該発射周期は、遊技者による発射操作装置336の操作に基づき発射球が発射される場合の発射周期(具体的には0.6sec)よりも短い周期となっている。これにより、遊技に際しては発射球の発射周期をある程度長いものとしながら、ID情報の登録に際しては短い周期での発射球の発射を可能とし、ID情報の登録に要する期間の短期間化が図られる。
第2発射周期カウンタの値が「100」となっていない場合には、そのまま本ID登録用の発射制御処理を終了する。第2発射周期カウンタの値が「100」となっている場合には、ステップS2506〜ステップS2508に進む。
ステップS2506では、第2発射周期カウンタの値を「0」クリアし、ステップS2507では、球供給装置213に向けて球送り用の駆動信号を出力し、ステップS2508では、第2球送り済み状態に設定する。その後、本ID登録用の発射制御処理を終了する。球送り用の駆動信号が出力されることにより、球供給装置213は1個の発射球を発射レール212上に供給する。
一方、ステップS2504にて肯定判定をした場合には、ステップS2509にて、発射制御装置365に設けられた第2球送り後カウンタの値を1加算する。第2球送り後カウンタは、ID情報の登録時において球供給装置213により1個の発射球が発射レール212上に供給された後に、発射ソレノイド214を駆動制御して当該発射球を発射するタイミングを発射制御装置365において特定するためのカウンタである。
続くステップS2510では、第2球送り後カウンタの値が「50」となっているか否かを判定する。第2球送り後カウンタは、ID登録実行状態である場合には、第2球送り済み状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は、2msec毎に起動される。したがって、第2球送り後カウンタの値が「50」となっている場合とは、発射レール212上に1個の発射球が供給された後に0.1secが経過したことを意味する。発射レール212上に1個の発射球が供給されてから当該発射球がID情報の登録用に発射されるまでの当該時間は、発射球検知センサ384にて当該発射球が検知され、リーダ装置385が駆動制御されて当該発射球からID情報が読み取られるまでに要する最長時間よりも長い時間に設定されている。したがって、ID情報の読み取りを確実に行うことが可能である。
第2球送り後カウンタの値が「50」となっていない場合には、そのまま本ID登録用の発射制御処理を終了する。第2球送り後カウンタの値が「50」となっている場合には、ステップS2511〜ステップS2512に進む。
ステップS2511では、ID登録に応じた発射用の駆動信号を発射ソレノイド214に向けて出力する。これにより、ID情報の登録用に対応した発射強度で、発射レール212上に供給されている発射球が発射される。この場合に、当該発射強度は、操作ハンドル336bの操作量に関係なく一義的に定められており、発射された発射球が遊技領域PAに確実に到達するように設定されている。その後、ステップS2512にて、第2球送り済み状態を解除した後に、本ID登録用の発射制御処理を終了する。
次に、ID登録用処理(図47)のステップS2309にて払出側MPU462により実行されるID取得処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2601では、払出側RAM464に設けられた登録中検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。登録中検知フラグは、既に説明したとおり、ID登録実行状態において発射レール212に発射球が供給され当該発射球が発射球検知センサ384により検知された場合にセットされるフラグである。
登録中検知フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2602にて、呼出波の出力処理を実行する。具体的には、払出側MPU462からリーダ装置385に向けて呼出波の出力を指示するための出力指示信号を出力する。これにより、各発射球のICタグ481において共通して設定されている所定周波数の呼出波がリーダ装置385から出力される。その後、ステップS2603にて登録中検知フラグを「0」クリアする。
ステップS2601にて否定判定をした場合、又はステップS2603の処理を実行した場合には、ステップS2604にて、リーダ装置385が発射球から応答波を受信したか否かを判定する。応答波を受信していない場合には、そのまま本ID取得処理を終了する。応答波を受信している場合には、ステップS2605にて、ID情報の検索処理を実行する。ID情報の検索処理では、リーダ装置385が今回受信した応答波に含まれるID情報が、払出側RAM464のID情報記憶エリア464dに既に記憶されているか否かを把握する。
続くステップS2606では、今回受信したID情報がID情報記憶エリア464dに既に記憶されているか否かを判定する。既に記憶されている場合には、そのまま本ID取得処理を終了する。今回受信したID情報がID情報記憶エリア464dに記憶されていない場合には、ステップS2607にて、当該ID情報をID情報記憶エリア464dに書き込む。
続くステップS2608では、ID情報記憶エリア464dに記憶されたID情報が特定個数、具体的には100個となったか否かを判定する。特定個数となっていない場合には、そのまま本ID取得処理を終了する。特定個数となっている場合には、ステップS2609にてID登録実行状態を解除した後に、本ID取得処理を終了する。
<ID監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図35)のステップS1405にて実行されるID監視処理について説明する。
ID監視処理では、発射操作装置336の操作に基づき遊技領域に向けて発射球が発射されている状況においてパチンコ機310に循環している発射球の監視を実行するための処理である。また、当該監視は、発射操作装置336の操作に基づき遊技領域に向けて発射球が発射されている状況において常時実行される。
図51は、ID監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS2701では、払出側RAM464に設けられた出力後フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、呼出波の出力後状態であるか否かを判定する。出力後状態ではない場合には、ステップS2702にて、払出側RAM464に設けられた通常中検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。通常中検知フラグは、既に説明したとおり、発射操作装置336の操作に基づき発射球が発射されている状況において発射レール212に発射球が供給され当該発射球が発射球検知センサ384により検知された場合にセットされるフラグである。
通常中検知フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2703にて、呼出波の出力処理を実行する。具体的には、払出側MPU462からリーダ装置385に向けて呼出波の出力を指示するための出力指示信号を出力する。これにより、各発射球のICタグ481において共通して設定されている所定周波数の呼出波がリーダ装置385から出力される。その後、ステップS2704にて通常中検知フラグを「0」クリアするとともに、ステップS2705にて呼出波の出力後状態に設定する。
一方、ステップS2701において呼出波の出力後状態であると判定した場合には、ステップS2706にて、リーダ装置385が発射球から応答波を受信したか否かを判定する。応答波を受信していない場合には、ステップS2707にて、払出側RAM464に設けられた受信待ちカウンタの値を1加算する。受信待ちカウンタは、発射球を監視する場合において、リーダ装置385から呼出波を出力してからの応答波の受信待ち時間を払出側MPU462にて特定するためのカウンタである。
続くステップS2708では、受信待ちカウンタの値が「75」となっているか否かを判定する。ID監視処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図35)にて実行される。また、呼出波の出力後状態において応答波を受信するまでは、ID監視処理が実行される度にステップS2707の処理が実行される。したがって、ステップS2708では、リーダ装置385から呼出波を出力してから応答波を受信することなく0.3secが経過したか否かを判定していることになる。
ステップS2708にて肯定判定をした場合、発射レール212上に供給されて発射球検知センサ384により検知された遊技球は、リーダ装置385の呼出波の出力に対して応答波を送信することができない非正規の遊技球であることを意味する。この場合、ステップS2709にて、主側MPU452に向けて第1ID異常コマンドを出力した後に、そのまま無限ループを継続する。
主側MPU452では、第1ID異常コマンドを受信した場合には、タイマ割込み処理(図28)のステップS1006において肯定判定がなされる設定を行うことにより、その後の遊技の進行を停止させるとともに、音声発光制御装置91に向けて第1ID異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、第1ID異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部353、スピーカ装置338及び図柄表示装置61の少なくともいずれかにて第1ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機310自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに第1ID異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
応答波を出力しない非正規の遊技球がパチンコ機310に存在する場合としては、例えば正規の発射球よりも小さい遊技球をパチンコ機310に投入する不正行為が想定される。このような小さい遊技球が投入された場合、正規の発射球よりも入賞が発生し易くなる。また、本パチンコ機310では使用された遊技球が排出されることなく循環することとなるため、小さい非正規の遊技球が当該パチンコ機310において繰り返し使用されることとなってしまう。これに対して、上記のような処理が実行されることにより、当該不正行為が行われた場合には、発射球の使用や記憶媒体Mの提供を禁止することが可能となる。また、異常報知の実行を通じて、第1ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者に知らせることが可能となる。
なお、当該異常状態は、パチンコ機310の電源をOFFした後に、第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cの両方を操作しながらパチンコ機310の電源をONすることにより解除されるが、例えばパチンコ機310の電源の再投入のみにより解除される構成としてもよく、パチンコ機310の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cの少なくとも一方を操作することにより解除される構成としてもよい。また、第1ID異常となった場合に、異常報知を実行する一方、発射球の使用、記憶媒体Mの提供、及び遊技の進行のうち少なくとも一部を禁止しない構成としてもよく、これら全部を禁止しない構成としてもよい。
ここで、遊技者による発射操作に基づき発射球が発射されている場合におけるID情報の監視処理の内容及び第1ID異常が発生した場合の内容について、図52のタイムチャートを参照しながら説明する。
図52(a)は発射周期を示し、図52(b)は球送り動作の様子を示し、図52(c)は発射動作の様子を示し、図52(d)は第1ID異常が発生しない場合における呼出波の出力の様子を示し、図52(e)第1ID異常が発生しない場合における応答波の受信の様子を示し、図52(f)は第1ID異常が発生する場合における呼出波の出力の様子を示し、図52(g)は第1ID異常が発生しない場合における応答波の受信の様子を示し、図52(h)は第1ID異常の発生の有無を示す。
まず、図52(a)〜図52(e)を参照しながら、第1ID異常が発生しない場合におけるID情報の監視処理の内容について説明する。
t21のタイミングで発射周期の計測が完了することで、球供給装置213により発射レール212上に1個の発射球が供給される。この発射球は発射される前のタイミングであるt22のタイミングにて発射球検知センサ384により検知され、それに基づきリーダ装置385から呼出波が出力される。その後、t23のタイミングで発射球から応答波が出力され、払出側MPU462において当該発射球のID情報が受信される。そして、t24のタイミングにて、発射レール212上の発射球が発射ソレノイド214により発射される。また、かかる動作が、t25のタイミングにおいても繰り返される。
次に、図52(a)〜図52(c)、図52(f)〜図52(h)を参照しながら、第1ID異常が発生する場合について説明する。
第1ID異常が発生しない場合と同様に、t21のタイミングで発射周期の計測が完了することで、球供給装置213により発射レール212上に1個の遊技球が供給され、t22のタイミングにてリーダ装置385から呼出波が出力される。しかしながら、当該遊技球からは応答波が出力されずに、受信待ち時間が経過することとなる。そして、t31のタイミングで、第1ID異常の発生と特定され、既に説明した異常対応処理が実行される。
この場合に、第1ID異常の発生と特定されるタイミングは、次の発射周期の計測が完了するタイミング(t25のタイミング)よりも前のタイミングとなっている。これにより、非正規の遊技球からID情報を受信していないにも関わらず、その次に供給される正規の発射球からID情報を受信することが原因で非正規の遊技球を発見することができなくなってしまうという不都合の発生を、防止することができる。
ちなみに、第1ID異常の発生と特定されるタイミングは、非正規の遊技球が発射された後のタイミングとなっているが、第1ID異常が発生した場合にはその後の遊技の進行が防止されるため、当該非正規の遊技球による不正な利益の取得は防止される。
ID監視処理(図51)の説明に戻り、ステップS2706にて肯定判定をした場合、すなわち受信待ち時間が経過するまでにリーダ装置385が発射球から応答波を受信した場合には、ステップS2710に進む。ステップS2710では呼出波の出力後状態を解除し、続くステップS2711にて受信待ちカウンタの値を「0」クリアする。
その後、ステップS2712にて、ID情報の比較処理を実行する。ID情報の比較処理では、今回受信したID情報が、払出側RAM464のID情報記憶エリア464dに記憶されている特定個数のID情報のいずれかと一致しているか否かを特定する。続くステップS2713では、ステップS2712の比較処理の結果、今回受信したID情報がID情報記憶エリア464dのいずれかのID情報と一致しているか否かを判定する。
ステップS2713にて否定判定をした場合、発射レール212上に供給されて発射球検知センサ384により検知された遊技球は、パチンコ機310に登録されているID情報とは異なるID情報を有する非正規の遊技球であることを意味する。この場合、ステップS2714にて、主側MPU452に向けて第2ID異常コマンドを出力した後に、そのまま無限ループを継続する。
主側MPU452では、第2ID異常コマンドを受信した場合には、タイマ割込み処理(図28)のステップS1006において肯定判定がなされる設定を行うことにより、その後の遊技の進行を停止させるとともに、音声発光制御装置91に向けて第2ID異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、第2ID異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部353、スピーカ装置338及び図柄表示装置61の少なくともいずれかにて第2ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機310自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに第2ID異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
登録されていないID情報を出力する非正規の遊技球がパチンコ機310に存在する場合としては、例えば正規の発射球よりも小さい遊技球をパチンコ機310に投入する不正行為が想定される。このような小さい遊技球が投入された場合、既に説明したとおり、正規の発射球よりも入賞が発生し易くなる。また、本パチンコ機310では使用された遊技球が排出されることなく循環することとなるため、小さい非正規の遊技球が当該パチンコ機310において繰り返し使用されることとなってしまう。これに対して、上記のような処理が実行されることにより、当該不正行為が行われた場合には、発射球の使用や記憶媒体Mの提供を禁止することが可能となる。また、異常報知の実行を通じて、第2ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者に知らせることが可能となる。
なお、当該異常状態は、パチンコ機310の電源をOFFした後に、第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cの両方を操作しながらパチンコ機310の電源をONすることにより解除されるが、例えばパチンコ機310の電源の再投入のみにより解除される構成としてもよく、パチンコ機310の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cの少なくとも一方を操作することにより解除される構成としてもよい。また、第2ID異常となった場合に、異常報知を実行する一方、発射球の使用、記憶媒体Mの提供、及び遊技の進行のうち少なくとも一部を禁止しない構成としてもよく、これら全部を禁止しない構成としてもよい。
ステップS2713にて肯定判定をした場合、すなわち今回受信したID情報がID情報記憶エリア464dに記憶されているいずれかのID情報と一致している場合には、ステップS2715に進む。ステップS2715では、ID情報記憶エリア464dにおいて、今回受信したID情報と同一のID情報が格納されているエリアにおける確認済みフラグに「1」をセットする。これにより、払出側MPU462では、当該ID情報を有する発射球からID情報を受信済みであることを特定することが可能となる。
ステップS2702にて否定判定をした場合、ステップS2705の処理を実行した場合、ステップS2708にて否定判定をした場合、又はステップS2715の処理を実行した場合には、ステップS2716にて、払出側MPU462から発射制御装置365に向けて出力されている発射許可信号がHIレベルの状態であるか否かを判定する。発射許可信号がLOWレベルの状態である場合にはそのまま本ID監視処理を終了し、発射許可信号がHIレベルの状態である場合にはステップS2717以降の処理を実行する。つまり、残存球情報が1以上の状況において発射操作装置336が遊技者により操作され、それに基づき発射球の発射が許可される場合にステップS2717以降の処理を実行する。
ステップS2717では、払出側RAM464に設けられた監視周期カウンタの値を1加算する。監視周期カウンタは、ID情報記憶エリア464dに記憶されている特定個数のID情報を予め定められた監視期間中に全て受信したか否かを払出側MPU462において特定する上で、当該監視期間を計測するために利用されるカウンタである。
続くステップS2718では、ID情報記憶エリア464dにおける全確認済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、当該ID情報記憶エリア464dに記憶されている特定個数のID情報の全てを受信したか否かを判定する。ステップS2718にて肯定判定をした場合には、ステップS2719にて全確認済みフラグを「0」クリアし、ステップS2720にて、監視周期カウンタを「0」クリアした後に、本ID監視処理を終了する。
一方、ステップS2718にて否定判定をした場合には、ステップS2721にて、監視周期カウンタの値が「60000」となっているか否かを判定する。ID監視処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図35)にて実行される。また、残存球情報が1以上の状況において発射操作装置336が遊技者により操作され、それに基づき発射球の発射が許可される場合、ID監視処理が実行される度にステップS2717の処理が実行される。したがって、ステップS2721では、遊技者による発射操作に基づき発射球が発射されている状況において監視期間として240secが経過したか否かを判定していることになる。ちなみに、当該監視期間の計測は、途中で遊技者による発射操作に基づく発射球の発射が中止された場合(すなわち発射許可信号がLOWレベルとなった場合)に中断され、遊技者による発射操作に基づく発射球の発射が再開された場合(すなわち発射許可信号がHIレベルとなった場合)には中断前に計測していた値から計測が再開される。
ステップS2721にて否定判定をした場合には本ID監視処理を終了する。ステップS2721にて肯定判定をした場合、パチンコ機310に投入されている特定個数の発射球の一部が、パチンコ機310から流出している、又は遊技領域や発射球の通過経路において球詰まりしていることを意味する。この場合、ステップS2722にて、主側MPU452に向けて第3ID異常コマンドを出力した後に、本ID監視処理を終了する。
主側MPU452では、第3ID異常コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置91に向けて第3ID異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、第3ID異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部353、スピーカ装置338及び図柄表示装置61の少なくともいずれかにて第3ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機310自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに第3ID異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
但し、第1ID異常及び第2ID異常の場合と異なり、第3ID異常の場合には払出側MPU462においてその後の処理が停止されることはなく、さらに主側MPU452においてもタイマ割込み処理(図28)のステップS1006において肯定判定をするための設定は行なわれない。つまり、第3ID異常の場合には、主側MPU452において遊技を進行させるための処理は停止されることはなく、且つ払出側MPU462においても発射球を使用するための処理及び記憶媒体Mを排出するための処理は停止されない。
第3ID異常が発生する場合とは、上記のとおり特定個数の発射球の一部がパチンコ機310から流出した場合や、遊技領域や発射球の通過経路において一部の発射球が留まっている場合であると考えられる。このような事象は、不正行為により発生する可能性は低く、仮に不正行為により発生していたとしてもそれにより遊技ホールが被る不利益は第1ID異常や第2ID異常の場合に比べて小さいと考えられる。したがって、第3ID異常については、正規の遊技者に遊技を中断させてしまう不利益を重視して、遊技の進行、発射球の使用及び記憶媒体Mの排出についての処理は中断しないようにしている。また、第3ID異常が発生した場合にも、当該異常発生に対しての報知は実行されるため、第3ID異常の解消を遊技ホールの管理者に促すことは可能である。
なお、当該異常状態は、パチンコ機310の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cの少なくも一方を操作することにより解除されるが、例えば当該解除に際してパチンコ機310の電源の再投入を要するようにしてもよい。また、第3ID異常となった場合に、異常報知に加えて、発射球の使用、記憶媒体Mの提供、及び遊技の進行のうち少なくとも一部を禁止する構成としてもよく、これら全部を禁止する構成としてもよい。
以上のとおり、発射球検知センサ384により発射球が検知されている状況でリーダ装置385にて当該発射球からID情報が受信できない場合には、異常処理が実行される。これにより、ID情報を発信できない非正規の遊技球がパチンコ機310に投入された場合に、それに対処することが可能となる。
また、パチンコ機310にて循環する発射球のID情報をID情報記憶エリア464dに記憶しておき、この記憶されたID情報とは異なるID情報を受信した場合には、異常処理が実行される。これにより、正規のID情報を有していない非正規の遊技球がパチンコ機310に投入された場合に、それに対処することが可能となる。
また、パチンコ機310にて循環する発射球はそれぞれ異なるID情報を有しており、これらID情報はID情報記憶エリア464dに記憶されている。そして、ID情報記憶エリア464dに記憶されている全てのID情報を予め定められた監視期間の範囲内で受信できない場合には、異常処理が実行される。これにより、ID情報の受信を利用して、遊技領域PAなどといった発射球の通過経路にて球詰まりが発生しているか否かの監視を行うことが可能となる。
また、リーダ装置385は、発射レール212上に供給された発射球からID情報を受信するように設けられている。これにより、通常の遊技中において、発射球の監視を行うことが可能となる。また、ID情報の受信に関する異常を、その異常対象の発射球が遊技領域PAに向けて発射されるよりも前のタイミングで検知することが可能となる。また、上記のようにリーダ装置385が設けられた構成において、パチンコ機310にて循環する発射球はそれぞれ異なるID情報を有しており、これらID情報はID情報記憶エリア464dに記憶されている。これにより、通常の遊技中において発射球の数の監視を行うことが可能となる。
<主側MPU452にて実行される残存球対応処理>
次に、主側MPU452にて実行される残存球対応処理について説明する。当該残存球対応処理の説明に先立ち、まず図53(a)のフローチャートを参照しながら、保留予告用の確認処理について説明する。なお、当該保留予告用の確認処理は、主側MPU452において特図特電制御処理(図34)のステップS1302にて実行される。
まずステップS2801では、直前のステップS1301における保留情報の取得処理にて、保留情報の新たな取得が行われたか否かを判定する。ステップS2801にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2801にて肯定判定をした場合にはステップS2802にて、その新たに取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS2803では、現状の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS2804にて低確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、高確率モードである場合には、ステップS2805にて高確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。この場合に、低確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類は、高確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類よりも少ない種類であるが、前者の数値情報は、後者の数値情報に全て含まれている。したがって、低確率モードにおいて大当たり結果となる大当たり乱数カウンタC1の数値情報は、高確率モードにおいても大当たり結果となる。
ステップS2804の処理を実行した場合又はステップS2805の処理を実行した場合には、ステップS2806にて大当たり当選に対応しているか否かを判定する。ステップS2806にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2806にて肯定判定をした場合には、ステップS2807にて、上記新たに取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS2808では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに対応しているか否かを判定する。ここで、本パチンコ機310では、既に説明したとおり、開閉実行モードとして、当該開閉実行モード中における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。また、大当たり結果として、図53(b)に示すように、低確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されており、これらのうち低確大当たり結果と最有利大当たり結果とが高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する契機となる。したがって、ステップS2808では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれかであるかを判定する。
ステップS2808にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2808にて肯定判定をした場合にはステップS2809にて、上記新たに取得した保留情報が格納されているエリアに対応した発生フラグに「1」をセットした後に、本保留予告用の確認処理を終了する。
発生フラグについて詳細には、図53(c)に示すように、主側RAM454の保留格納エリア454bには、実行エリアAEと、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4が設けられているが、これら各エリアには保留情報を格納するためのエリアに1対1で対応させて発生フラグが設定されている。また、新たな遊技回の開始に際しては、第1保留エリアRE1に保留されている保留情報が実行エリアAEにシフトされるとともに、第2〜第4保留エリアRE2〜RE4に保留されている保留情報がそれぞれ上位側の保留エリアにシフトされることとなるが、このシフトに際して、発生フラグにセットされているデータも対応する保留情報のシフトに合わせてシフトされる。そして、発生フラグには、既に説明したとおり、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応している場合に「1」がセットされる。つまり、発生フラグによって、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応しているか否かを把握することが可能となる。
図54は残存球対応処理を示すフローチャートである。なお、残存球対応処理は、主側MPU452においてタイマ割込み処理(図28)のステップS1019にて実行される。
残存球対応処理では、ステップS2901にて度数情報が1以上であるか否かを判定するとともに、ステップS2902にて残存球情報が10以下であるか否かを判定する。これら度数情報及び残存球情報は、既に説明したとおり、払出側MPU462において遊技球管理処理(図37)のステップS1617の処理が実行されることにより、当該払出側MPU462から主側MPU452に向けて送信される。また、主側MPU452では、タイマ割込み処理(図28)におけるステップS1018の球管理状態受信処理にて、これら度数情報及び残存球情報を把握する。
ステップS2901にて肯定判定をした場合又はステップS2902にて否定判定をした場合には、そのまま本残存球対応処理を終了し、ステップS2901にて否定判定をし且つステップS2902にて肯定判定をした場合にステップS2903に進む。つまり、度数情報が「0」であって残存球情報が予め定められた基準数である10以下である場合に、ステップS2903に進む。
ステップS2903では、いずれかの保留情報に対応した発生フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。全発生フラグが「0」である場合にはそのまま本残存球対応処理を終了する。いずれかの発生フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2904にて当たり告知コマンドを音声発光制御装置91に向けて出力した後に、本残存球対応処理を終了する。
当たり告知コマンドが出力されることにより、スピーカ装置338及び図柄表示装置61の少なくとも一方において、現状の遊技回の終了後又は保留記憶されている保留情報に対応した遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行することを遊技者が認識可能となる態様の報知が実行される。
例えば、現状の遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する場合には、図柄表示装置61にて図柄の変動表示が開始される前のタイミング、全図柄列にて図柄が変動表示されている状況、一部の図柄列のみが変動表示されている状況、又はリーチ変動表示が開始されたタイミング以降であって当該リーチ変動表示が終了される前のタイミングにて、「球を補充して下さい。」といった文字の表示や音声の出力が行われる。この場合、開閉実行モードが発生するか否かという予測を通じた遊技への注目度を維持させる上でで、リーチ変動表示が開始されたタイミング以降において、当該リーチ演出の一種として又は当該リーチ演出とは別に特別報知が実行される構成が好ましい。
本パチンコ機310では特定個数の発射球が循環し、残存球情報が1以上でない場合には発射操作に基づく発射球の発射が不可となる構成である。この場合に、度数情報が「0」であり且つ残存球情報が「0」又は少数である状況で突然、高頻度入賞モードの開閉実行モードが発生した場合、遊技者は新たに紙幣を投入してさらに球供給ボタン442を操作して残存球情報の補充を行うこととなるが、当該補充が完了するまでには所定の期間を要するため、この所定の期間の間は発射球の発射がなされることなく開閉実行モードが進行してしまうこととなる。その一方、高頻度入賞モードのラウンド遊技では、特電入賞装置53の開放の上限時間が当該ラウンド遊技の一終了条件である上限個数の入賞を可能とするように設定されているが、上記のように所定の期間に亘って発射球の発射が行われないと、1ラウンド目などのラウンド遊技において上限個数の入賞を発生させることができなくなってしまうおそれがある。これに対して、上記のように度数情報が「0」であって残存球情報が基準数以下である状況で、現状の遊技回の終了後又は保留記憶されている保留情報に対応した遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する場合には、それに対応した特別報知が遊技者に対して実行される。これにより、遊技者は高頻度入賞モードとなる開閉実行モードが発生するまでに事前に残存球情報を補充しておくことが可能となり、上記のような不都合の発生を阻止することが可能となる。
また、保留情報が遊技回の開始対象として当否判定されるよりも前のタイミング、具体的には保留情報が取得されたタイミングで、当該保留情報が高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となるか否かが判定される。これにより、上記特別報知を早期に実行することが可能となり、遊技者にとっては、残存球情報を、当該開閉実行モードに移行するまでに余裕を持って補充しておくことが可能となる。
また、低頻度入賞モードの開閉実行モードとなる保留情報が記憶されている場合には、上記特別報知は実行されない。これにより、特別報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
また、度数情報が記憶されている場合には残存球情報の値に関係なく特別報知が実行されない。度数情報が記憶されている場合には残存球情報への変換を早期に行うことが可能であるため、残存球情報が少ない状況で開閉実行モードに突然移行したとしても遊技者が被る不利益は低い。したがって、度数情報が記憶されている場合には特別報知を実行しないようにすることにより、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球発射機構211が遊技領域PAの左上に設けられているため、発射ソレノイド214による発射球の発射強度が従来よりも低くても当該発射球を遊技領域PAに導入することが可能となる。これにより、発射ソレノイド214の小型化などを実現することが可能となる。
発射用供給通路部215を区画する通路壁のうち少なくとも支持ベース体331の前面部を生じさせる部位は、本体ベース321の前方から発射用供給通路部215内に存在している発射球を目視確認可能とするように透明に形成されている。また、発射用供給通路部215において透明に形成されている部位は、前扉322の窓パネル352を通じてパチンコ機310前方から視認可能な位置に存在している。これにより、パチンコ機310前方から発射用供給通路部215を目視確認することにより、当該発射用供給通路部215に発射球が待機しているか否かを確認することが可能となる。
また、発射用供給通路部215には待機検知センサ216が設けられており、当該待機検知センサ216の検知結果が発射用供給通路部215に発射球が待機していない検知結果となった場合には遊技の進行が停止されるとともにエラー報知が実行される。そして、当該エラー状態が解除された場合にはパチンコ機310の状態がエラー状態の開始前の状態に復帰する。これにより、遊技者に不利益を生じさせないようにしながら、発射用供給通路部215に発射球が待機していない状態に対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
使用可能な発射球の数の情報が残存球情報として残存球情報記憶エリア464bに記憶される構成であるため、実際の発射球を当該残存球情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける発射球の総数を抑えることが可能となる。また、発射球は遊技領域を流下したとしても当該パチンコ機310にて循環することとなるため、パチンコ機310にて使用される発射球の数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける発射球の総数を抑えることが可能となる。
かかる構成において、残存球情報の一部返却が可能な構成であるため、残存球情報を遊技ホールにおける商品の交換といったように遊技以外のために使用する場合に、その使用目的に応じた数分だけを使用することが可能となる。これにより、上記のように実際の発射球を残存球情報で代用した構成において、当該残存球情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能となる。特に、パチンコ機310にて発射球が循環する構成の場合、当該発射球を遊技者が取り出すことができないため、発射球をドリンクなどの商品と交換するという遊技ホールにおける従来からのやり取りをすることができなくなってしまう。これに対して、上記のとおり残存球情報の一部返却を可能とすることで、パチンコ機310にて発射球を循環させるようにした構成であっても、ドリンクなどの商品との交換という遊技ホールにおける従来からのやり取りが可能となる。
発射球はICタグ481を有している構成であるため、発射球からID情報を読み取ることにより、当該発射球が正規のものか容易に判断することが可能となる。よって、発射球の管理を好適に行うことが可能となる。また、ICタグ481は発射球の表面に存在しないように設けられており、さらに発射球はICタグ481からの電波を外部に発信可能なように形成されているため、ICタグ481からのID情報の読み取りを可能としながら、当該ICタグ481を保護することが可能となる。
パチンコ機310において発射球が通過する領域が検知範囲となるようにしてリーダ装置385が設けられているとともに、払出側MPU462において当該リーダ装置385にて受信したID情報を利用した監視処理が実行される構成である。これにより、ID情報を利用した発射球の監視をパチンコ機310自身にて行うことが可能となる。
大当たり当選となる保留情報が記憶されている場合であって残存球情報が基準数(10個)以下である場合には、当該保留情報についての結果表示が特図表示部62aにて実行される前に、それに対応した報知が遊技者に対して実行される。これにより、当該保留情報を契機とした開閉実行モードが発生するまでに事前に残存球情報を補充しておくことが可能となる。
所定状況である場合には操作ユニット441の全返却ボタン443が操作されたとしても、残存球情報の全てが書き込まれた記憶媒体Mの排出が行われない構成である。これにより、残存球情報の全てが出力されると遊技者に不利益を及ぼしかねない場合や、当該情報出力が複雑なものとなってしまう場合には、遊技者による全返却ボタン443の操作を無効化することが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、残存球情報の一部返却を行うための構成が上記第3の実施形態と異なっている。以下に当該相違する構成について説明する。
図55(a)は一部返却を行うための操作部分の構成を説明するための模式図である。本実施形態では、上記第3の実施形態における操作ユニット441に代えて、操作パネル部491が設けられている。操作パネル部491には、度数情報を表示するための度数表示領域492と、残存球情報を表示するための残数表示領域493と、一部返却を指示するための複数の指定操作領域494a〜494dと、球供給を指示するための球供給操作領域495と、残存球情報の全返却を指示するための全返却操作領域496とが設定されている。これらのうち、指定操作領域494a〜494dと、球供給操作領域495と、全返却操作領域496とは、タッチパネル式となっており、これら操作領域494a〜496が押圧操作された場合には、各操作領域494a〜496に対応した操作発生信号が払出側MPU462に出力され、払出側MPU462では当該操作発生信号に基づきいずれの操作領域494a〜496が操作されたのかを把握することが可能である。
指定操作領域494a〜494dについて詳細には、各指定操作領域494a〜494dはそれぞれ一部返却されることとなる発射球の数が予め定められており、当該発射球の数は各指定操作領域494a〜494dのそれぞれにおいて表示されている。また、各指定操作領域494a〜494dには、対応する一部返却となる発射球の数が、遊技ホールにおいてどのような商品との交換に対応しているかの情報も表示されている。したがって、遊技者は、遊技中において遊技ホールの所定の商品との交換を行いたい場合には、当該所定の商品に対応した指定操作領域494a〜494dを押圧操作すればよい。払出制御装置364は遊技ホールのホールコンピュータHCと電気的に接続されており、指定操作領域494a〜494dの押圧操作が有効であれば、その操作に対応した信号がホールコンピュータHCに出力される。これにより、上記所定の商品が遊技者に届けられることとなる。
かかる一部返却を行うための払出側MPU462における処理について説明する。図55(b)は本実施形態における一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。
まずステップS3001では、いずれかの指定操作領域494a〜494dが操作されているか否かを判定する。いずれの指定操作領域494a〜494dも操作されていない場合にはそのまま本管理処理を終了する。いずれかの指定操作領域494a〜494dが操作されている場合にはステップS3002にて、当該操作に対応した残存球情報の値を把握する。続くステップS3003では、ステップS3002にて把握した残存球情報の値が、残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報の値以下となっているか否かを判定する。
ステップS3003にて否定判定をした場合には、今回の操作は有効ではなかったものとして、そのまま本管理処理を終了し、ステップS3003にて肯定判定をした場合には、今回の操作は有効なものとして、ステップS3004に進む。ステップS3004では、ステップS3002にて把握した残存球情報の値と、本パチンコ機310を特定するための情報とを含む信号を、ホールコンピュータHCに出力する。
続くステップS3005では、残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報の値から、ステップS3002にて把握した値を減算し、その減算結果を当該残存球情報記憶エリア464bに上書きする。その後、ステップS3006にて、残数表示領域493の表示内容を、ステップS3005の処理後における残存球情報の値に対応した内容に更新した後に、本管理処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、交換可能な商品に1対1で対応して指定操作領域494a〜494dが設けられているため、遊技者は交換したい商品に対応した指定操作領域494a〜494dを操作すればよく、操作性が向上する。また、必要な残存球数情報が指定操作領域494a〜494dに1対1で対応させて設定されているため、商品の交換に必要な残存球数情報のみを出力することが可能となる。また、商品の交換に際して、残存球情報はホールコンピュータHCに外部出力される構成であるため、記憶媒体Mが出力される頻度を抑えることが可能となる。
なお、いずれかの指定操作領域494a〜494dが操作された場合に、それに応じた残存球情報の値がホールコンピュータHCに出力される構成に代えて、操作された指定操作領域494a〜494dに対応した商品の識別情報がホールコンピュータHCに出力される構成としてもよい。
また、いずれかの指定操作領域494a〜494dが操作された場合に、それに応じた残存球情報の値がホールコンピュータHCに出力される構成に代えて、操作された指定操作領域494a〜494dに対応した残存球情報の値が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット431から排出される構成としてもよい。また、これに代えて、操作された指定操作領域494a〜494dに対応した商品の識別情報が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット431から排出される構成としてもよい。
また、操作パネル部491において指示可能な商品の種類、及び商品に対応した残存球情報を、遊技ホールにて設定可能な構成としてもよい。
<第5の実施形態>
本実施形態では、残存球情報の一部返却を行うための構成が上記第3の実施形態と異なっている。以下に当該相違する構成について説明する。
図56(a)は一部返却を行うための構成を説明するためのブロック図である。本実施形態では、上記第3の実施形態における操作ユニット441には一部返却用の操作部分は設けられておらず、その代わりに、遊技ホールの管理者が所有する出力装置からの電波を受信する受信部501と、当該受信部501にて受信した内容を遊技者が承認するために操作される承認ボタン502とが設けられている。これら受信部501及び承認ボタン502は、払出制御装置364と電気的に接続されている。
本実施形態においては、残存球情報の一部を所定の商品に交換する場合、遊技者が遊技ホールの管理者にその旨を告げ、それに対して管理者側が当該所定の商品に対応した残存球情報を含む購入信号を出力装置からパチンコ機310に向けて出力する。当該購入信号は、受信部501にて受信され、さらに遊技者により承認ボタン502が操作されることにより、残存球情報が減算された後に、所定の商品が遊技者に届けられる。
かかる一部返却を行うための払出側MPU462における処理について説明する。図56(b)は本実施形態における一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。
まずステップS3101では、払出側RAM464に設けられた承認待ちフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、承認待ち状態であるか否かを判定する。承認待ち状態ではない場合には、ステップS3102にて、受信部501において、遊技ホールの管理者が所有する出力装置から購入信号を受信したか否かを判定する。購入信号を受信していない場合にはそのまま本管理処理を終了する。購入信号を受信している場合にはステップS3103にて承認待ち状態に設定した後に、本管理処理を終了する。
一方、承認待ち状態である場合にはステップS3101にて肯定判定をしてステップS3104に進む。ステップS3104では承認ボタン502が操作されているか否かを判定し、ステップS3105では発射制御装置365から受信している条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS3104及びステップS3105のいずれかにて否定判定をした場合には、そのまま本管理処理を終了する。
ステップS3104及びステップS3105の両方にて肯定判定をした場合には、ステップS3106にて承認待ち状態を解除する。続くステップS3107では、購入信号に含まれる残存球情報の値を把握する。その後、ステップS3108では、ステップS3107にて把握した残存球情報の値が、残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報の値以下となっているか否かを判定する。
ステップS3108にて否定判定をした場合には、今回の操作は有効ではなかったものとして、そのまま本管理処理を終了し、ステップS3108にて肯定判定をした場合には、今回の操作は有効なものとして、ステップS3109に進む。ステップS3109では、残存球情報記憶エリア464bに記憶されている残存球情報の値から、ステップS3107にて把握した値を減算し、その減算結果を当該残存球情報記憶エリア464bに上書きする。その後、ステップS3110にて、残数表示部448の表示内容を、ステップS3109の処理後における残存球情報の値に対応した内容に更新した後に、本管理処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、残存球情報の一部を利用した商品との交換に際しては遊技ホール側から信号出力される構成であるため、当該交換を行うために記憶媒体Mを必要としない。よって、記憶媒体Mが出力される頻度を抑えることが可能となる。また、当該商品の交換に際しての残存球情報の減算を、遊技ホール側における操作を少なくとも一の条件として行うことが可能となる。
また、受信部501にて遊技ホール側から購入信号を受信したとしても、遊技者による承認ボタン502の操作が行なわれないと残存球情報の減算は行われない。これにより、遊技者の意思に反して残存球情報が減算されてしまうことを阻止することが可能となる。また、当該承認ボタン502の操作は発射操作装置336が操作されていない状況では無効化される。これにより、承認ボタン502の不正な操作も行いづらくなる。
なお、購入信号の受信に対する承認操作として、遊技者が事前に設定した暗証番号の入力を要する構成としてもよい。この場合、不正な承認操作をより確実に阻止することが可能となる。
<第6の実施形態>
残存球情報が基準数以下である場合に高頻度入賞モードの開閉実行モードに移行する場合には特別報知が実行される構成の変形例を、図57〜図59を参照しながら説明する。
図57(a)は、本変形例における保留予告用の確認処理を示すフローチャートであり、図57(b)は、本変形例における保留格納エリア454bを説明するための説明図である。
まず図57(b)を参照しながら保留格納エリア454bについて説明する。保留格納エリア454bには、上記第3の実施形態と同様に、実行エリアAEと、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4が設けられている。これら各エリアには、保留情報を格納するためのエリアに1対1で対応させて、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグの組み合わせが設定されている。
これら各フラグのうち、発生フラグは、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応しているか否かを主側MPU452にて特定可能とするためのフラグである。判定済みフラグは、対応する保留情報について後述するステップS3303以降の確認処理を実行済みであるか否かを主側MPU452にて特定可能とするためのフラグである。大当たりフラグは、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モード及び低頻度入賞モードとなる開閉実行モードのいずれかに対応しているか否かを主側MPU452にて特定可能とするためのフラグである。新たな遊技回の開始に際しては、第1保留エリアRE1に保留されている保留情報が実行エリアAEにシフトされるとともに、第2〜第4保留エリアRE2〜RE4に保留されている保留情報がそれぞれ上位側の保留エリアにシフトされることとなるが、このシフトに際して、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグにセットされているデータも対応する保留情報のシフトに合わせて上位側にシフトされる。また、このシフトが完了した場合に、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうちシフト対象となったエリアであってシフト前において最下位側(第4保留エリアRE4側)となっていたエリアについて、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグが「0」クリアされる。
次に、図57(a)を参照しながら保留予告用の確認処理について説明する。
まずステップS3201では、保留格納エリア454bの実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4における保留情報が格納されているエリアのうち、判定済みフラグに「1」がセットされていないエリアが存在しているか否かを判定する。なお、実行エリアAEに格納されている保留情報とは、遊技回の実行対象となっている保留情報のことであり、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4に格納されている保留情報とは、未だ遊技回の実行対象となっていない保留情報のことである。
ステップS3201にて否定判定をした場合にはそのまま本確認処理を終了し、ステップS3201にて肯定判定をした場合にはステップS3202に進む。ステップS3202では、実行エリアAE及び第1〜第4保留エリアRE1〜RE4における保留情報が格納されているエリアの中に、大当たりフラグに「1」がセットされているエリアが存在しているか否かを判定する。ステップS3202にて否定判定をした場合にはそのまま本確認処理を終了し、ステップS3202にて肯定判定をした場合にはステップS3203に進む。
つまり、実行エリアAE及び第1〜第4保留エリアRE1〜RE4における保留情報が格納されているエリアの中に、大当たり結果に対応した保留情報が既に存在している場合には、ステップS3203以降の確認処理が未実行の保留情報が存在していたとしても、その保留情報に対して当該確認処理は実行されない。本変形例では、上記第3の実施形態と同様に、当否抽選モードとして高確率モードと低確率モードとが存在しているため、所定の保留情報が遊技回の開始対象となる前に他の保留情報で大当たり結果が発生した場合には、上記所定の保留情報についての当否抽選の結果が相違することが起こり得る。これに対して、上記のように、大当たり結果に対応した保留情報が既に存在している場合には、その後に遊技回の開始対象となる保留情報についてステップS3203以降の確認処理を実行しないようにすることで、大当たり結果が発生した際に、それまでの確認処理結果の無効化や、再確認を行う必要がなくなる。
ステップS3203では、実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうち今回の確認処理の対象となるエリアに対応した判定済みフラグに「1」をセットする。この場合、保留情報が格納されているものの判定済みフラグに「1」がセットされていないエリアが複数存在する場合には、上位側のエリアから順に(実行エリアAE→第1保留エリアRE1→・・・)、確認処理の実行対象としていく。
続くステップS3204では、今回の確認処理の実行対象となった保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出す。続くステップS3205では、現状の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS3206にて低確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、高確率モードである場合には、ステップS3207にて高確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。この場合に、低確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類は、高確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類よりも少ない種類であり、さらに前者の数値情報は、後者の数値情報に含まれていない。但し、これに限定されることはなく、前者の数値情報が後者の数値情報に全て含まれている構成としてもよい。
ステップS3206の処理を実行した場合又はステップS3207の処理を実行した場合には、ステップS3208にて大当たり当選に対応しているか否かを判定する。ステップS3208にて肯定判定をした場合には、ステップS3209にて、実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうち今回の確認処理の対象となるエリアに対応した大当たりフラグに「1」をセットする。続くステップS3210では、今回の確認処理の実行対象となった保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS3211では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに対応しているか否かを判定する。なお、大当たり結果の種類は、上記第3の実施形態と同様である(図53(b)参照)。したがって、ステップS3211では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかであるかを判定する。ステップS3211にて肯定判定をした場合には、ステップS3212にて、実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうち今回の確認処理の対象となるエリアに対応した発生フラグに「1」をセットする。
一方、ステップS3208にて否定判定をした場合には、ステップS3213にて外れリーチ用の確認処理を実行する。外れリーチ用の確認処理では、今回の確認処理の実行対象となった保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報が、外れリーチの発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS3211にて否定判定をした場合、ステップS3212の処理を実行した場合、又はステップS3213の処理を実行した場合には、ステップS3214にて保留コマンドの選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS3208〜ステップS3213の処理結果に対応した保留コマンドを主側ROM453から読み出す。そして、ステップS3215にて、その読み出した保留コマンドを音声発光制御装置91に出力した後に、本確認処理を終了する。
但し、これらステップS3214及びステップS3215の処理では、今回の確認処理の対象となった保留情報が実行エリアAEに格納されている保留情報である場合には保留コマンドの選択及び出力を行わない。つまり、実行エリアAEに格納されている保留情報は、ステップS3203以降の処理の対象となった場合に、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグのデータ設定は行われ得るが、保留コマンドの出力の契機とならない。一方、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4については、ステップS3203以降の処理の対象となった場合、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグのデータ設定は行われ得るとともに、保留コマンドの出力の契機となり得る。なお、大当たり結果ではなく且つ外れリーチでもない保留情報は、保留コマンドの出力の契機とならないが、当該保留情報であっても、保留コマンドの出力の契機となる構成としてもよい。また、保留コマンドには、その出力の契機となった保留情報が第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれのエリアに格納されているかの情報が含まれる。
以上のとおり、主側MPU452では、保留予告用の確認処理を定期的に実行し、判定済みフラグに「1」がセットされていない保留情報が存在している場合には、既に大当たり結果に対応した保留情報が存在していないことを条件として、当該保留情報が大当たり結果に対応しているか否かの判定を行い、大当たり結果に対応している場合にはさらに大当たり結果の種別判定を行う一方、大当たり結果に対応していない場合には外れリーチ用の確認処理を実行する。そして、それら確認処理の結果に対応した保留コマンドを音声発光制御装置91に出力する。また、上記確認処理は、タイマ割込み処理(図28)の1回の実行に対して、1個の保留情報に対して実行されるため、仮に、判定済みフラグが「0」となっている保留情報が複数存在している場合には、それら保留情報の全てについて上記確認処理が完了するのは、当該保留情報の数と同一処理回のタイマ割込み処理が完了した場合である。但し、タイマ割込み処理は、4msec周期で起動されるため、判定済みフラグが「0」となっている保留情報の数が、保留格納エリア454bに記憶可能な保留情報の最大数(具体的には5個)と同一の数であったとしても、それら保留情報の全てに対する上記確認処理に要する時間は、1遊技回の最短継続時間以下である。さらに言うと、各遊技回では、図柄表示装置61に設定された複数(例えば3個)の図柄列にて図柄の変動表示が行われ、その後に、各図柄列にて図柄の停留表示が行われた後に図柄が停止表示されることで、図柄の変動表示が終了される構成であるが、保留情報の全てに対する上記確認処理に要する時間は、遊技回が開始されてから少なくとも一の図柄列にて図柄の停留表示が開始されるまでに要する最短時間以下となっている。
本変形例であっても上記第3の実施形態と同様に、残存球対応処理(図54)が実行される。つまり、度数情報が「0」であって残存球情報が基準数(例えば「10」)以下である状況で、実行エリアAE及び第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれかの発生フラグに「1」がセットされている場合には、上記第1の実施形態と同様に、主側MPU452から音声発光制御装置91に当たり予告コマンドが出力される。
次に、図58のフローチャートを参照しながら、音声発光制御装置91にて実行される保留予告用処理について説明する。なお、当該保留予告用処理は、音声発光制御装置91において比較的短い周期(例えば2msec周期)で定期的に実行される。
ステップS3301では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS3301にて肯定判定をした場合には、ステップS3302にて遊技回用演出の設定処理を実行する。当該設定処理では、変動用コマンドの内容から遊技回の継続時間の情報を特定し、さらに種別コマンドの内容から遊技回の当否判定処理及び振分判定処理の結果の情報を特定する。そして、これら特定結果に1対1で対応した遊技回用の演出パターンを特定する。この場合に、当該遊技回用の演出パターンには、各種演出の実行有無の内容、及び実行することが決定された演出の種類の内容が含まれている。例えば、図柄表示装置61においてリーチ表示が行われることになるリーチ演出を行うか否かの内容が含まれているとともに、リーチ演出を行う場合にその演出内容が含まれている。リーチ演出には、ノーマルリーチやスーパーリーチが含まれており、演出が発生した場合における大当たり結果の期待度を相違させて複数種類の演出が設定されており、当該リーチ演出の一種として、大当たり結果となる場合にのみ発生するプレミアム演出が含まれている。
音声発光制御装置91では、ステップS3302の設定処理にて設定された演出内容に従って、今回の遊技回における発光制御及び音出力制御を実行する。また、音声発光制御装置91は、ステップS3302の設定処理に対応した変動パターンコマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96では、その変動パターンコマンドに示されている演出内容に従って、図柄表示装置61に対して、今回の遊技回における表示制御を実行する。
ステップS3301にて否定判定をした場合、又はステップS3302の処理を実行した後は、ステップS3303にて、保留予告コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS3303にて肯定判定をした場合には、ステップS3304にて、今回受信した保留予告コマンドが低頻度入賞モードに対応したコマンドであるか否かを判定し、ステップS3305にて、今回受信した保留予告コマンドが高頻度入賞モードに対応したコマンドであるか否かを判定する。その結果、ステップS3304にて肯定判定をした場合には、ステップS3306にて、低頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理を実行し、ステップS3305にて肯定判定をした場合には、ステップS3307にて、高頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理を実行し、ステップS3304及びステップS3305の両方にて否定判定をした場合には、ステップS3308にて、外れリーチに対応した保留予告抽選処理を実行する。
保留予告とは、保留格納エリア454bの第1〜第4保留エリアRE1〜RE4に格納されている保留情報の内容に対応した表示が、当該保留情報を契機とした遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて行われる演出のことである。当該演出として、具体的には、図柄表示装置61の表示面に、保留情報の最大保留個数(第1〜第4保留エリアRE1〜RE4の数)と1対1で対応した個別表示領域を設定し、これら個別表示領域のうち、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4に保留記憶されている保留情報の数と対応する数の個別表示領域において個別表示を行うことで保留情報の数を明示する構成において、かかる個別表示領域における個別表示の態様を保留情報の内容に対応した態様とすることで、保留予告が行われる(例えば図59(b)及び図59(c)を参照)。この保留予告の態様としては、実行された場合にその個別表示に対応する保留情報が遊技回の開始対象となった場合に大当たり結果となることが確定する第1演出(金色の個別表示)と、大当たり結果となる期待度が次に高い(但し、大当たり結果となる確率は100%未満)第2演出(赤色の個別表示)と、大当たり結果となる確率が次に高い第3演出(緑色の個別表示)と、大当たり結果となる確率が最も低い第4演出(青色の個別表示)とが設定されている。なお、保留予告の演出の種類は4種類に限定されることはなく、2種類であってもよく、3種類であってもよく、5種類以上であってもよい。
ここで、主側MPU452は、保留情報が新たに取得された場合には保留取得コマンドを音声発光制御装置91に出力し、遊技回が新たに開始された場合には保留消化コマンドを音声発光制御装置91に出力する。音声発光制御装置91では、後述するステップS3312のその他の処理にて、保留取得コマンドを受信した場合には個別表示領域において行われる個別表示の数を増加させる。この場合、当該個別表示の態様は、基本的に上記第4演出の態様であり、保留予告の実行として上記第1演出〜第3演出のいずれかが選択された場合にその選択された態様で個別表示が行われる。また、大当たり結果に対応した保留情報が存在していない状況で保留情報が新たに取得された場合には、保留取得コマンドが出力された直後に保留コマンドが出力されるため、個別表示の数が増加する場合には、後述する保留予告抽選処理の結果に対応した態様でその個別表示が開始される。また、音声発光制御装置91では、後述するステップS3312のその他の処理にて、保留消化コマンドを受信した場合には個別表示領域において行われる個別表示の数を減少させる。この場合、上記第1演出〜第3演出のいずれかの態様である個別表示については、遊技回の開始対象となる保留情報の順番が変更されるのに合わせて(すなわち保留情報が上位側にシフトされるのに合わせて)、表示位置が変更される。つまり、第1保留エリアRE1に保留情報が格納されている場合には第1個別表示領域にて個別表示が行われ、第2保留エリアRE2に保留情報が格納されている場合には第2個別表示領域にて個別表示が行われ、第3保留エリアRE3に保留情報が格納されている場合には第3個別表示領域にて個別表示が行われ、第4保留エリアRE4に保留情報が格納されている場合には第4個別表示領域にて個別表示が行われ、さらにこれら第1〜第4個別表示領域が第1個別表示領域→第2個別表示領域→第3個別表示領域→第4個別表示領域の順に横方向に並べて設定されている構成において、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4の中で保留情報がシフトされるのに合わせて、第1〜第4個別表示領域において表示されている第1演出〜第3演出のいずれかの態様の個別表示が上位側にシフトされる。
保留予告用処理(図58)の説明に戻り、ステップS3306〜ステップS3308の各保留予告抽選処理では、保留予告が実行される確率が相違しており、実行当選となる確率は、高頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理が最も高く、外れリーチに対応した保留予告抽選処理が最も低くなるように設定されている。また、各保留予告抽選処理では、保留予告の実行当選となった場合において選択され易い演出の種類が相違している。具体的には、高頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理では、第1演出〜第4演出の全てが選択対象となるが、第1演出が選択される確率が最も高くなるように選択確率が設定されている。また、低頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理では、第2演出〜第4演出の全てが選択対象となるが、第2演出が選択される確率が最も高くなるように選択確率が設定されている。また、外れリーチに対応した保留予告抽選処理では、第2演出〜第4演出が選択対象となるが、第4演出が選択される確率が最も高くなるように選択確率が設定されている。
ステップS3306〜ステップS3308のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3309にて、保留予告演出の設定処理を実行する。当該設定処理では、ステップS3306〜ステップS3308のいずれかにて設定された演出内容に対応した保留予告用のコマンドを表示制御装置96に出力する。また、当該コマンドには、その出力の契機となった保留情報が第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれのエリアに格納されているかの情報が含まれる。これにより、保留予告用のコマンドの出力契機となった保留情報が格納されているエリアに対応した個別表示領域にて、保留予告が開始される。但し、保留予告の態様として第4演出が選択された場合には、単に保留取得コマンドの受信に対応させて個別表示を増加させる場合の態様と同一の態様で個別表示が行われることになる。
ここで、開閉実行モードに移行した場合には、それが、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、個別表示領域における個別表示は一旦消去され(つまり、個別表示領域が消去される)、開閉実行モードの終了後に、個別表示領域の表示が再開される。この場合に、主側MPU452における保留予告用の確認処理(図57)では、既に説明したとおり、既に大当たり結果に対応した保留情報が存在している場合には、その後に取得された保留情報に対してステップS3203以降の確認処理を実行することなく、その大当たり結果に対応した保留情報についての開閉実行モードが終了した後に、未確認の保留情報に対してステップS3203以降の確認処理が実行される。当該構成において、開閉実行モードの終了後において個別表示領域の表示が再開されるまでの時間は、保留格納エリア454bに記憶可能な最大数(具体的には5個)の保留情報の全てに対してステップS3203以降の確認処理を実行し、さらにそれら全てについて音声発光制御装置91及び表示制御装置96において保留予告の設定が完了するまでに要する時間以上として設定されている。したがって、個別表示領域の表示の再開に際しては、保留予告の内容を踏まえた状態で当該表示が再開される。
ステップS3303にて否定判定をした場合、又はステップS3309の処理を実行した後は、ステップS3310にて、当たり予告コマンドを受信しているか否かを判定する。当たり予告コマンドを受信していない場合には、ステップS3312にて、その他の処理を実行した後に、本保留予告用処理を終了する。当たり予告コマンドを受信している場合には、ステップS3311にて、演出内容の変更処理を実行し、さらにステップS3312にて、その他の処理を実行した後に、本保留予告用処理を終了する。
演出内容の変更処理について図59(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3401では、今回受信した当たり予告コマンドが第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれかに格納されている保留情報に対応しているか否かを判定する。ステップS3401にて肯定判定をした場合には、ステップS3402にて第1変更処理を実行した後に、本演出内容の変更処理を終了する。
第1変更処理では、図59(b−1)及び図59(b−2)に示すように、個別表示領域において表示されている、高頻度入賞モードの開閉実行モードとなる保留情報に対応した個別表示の態様を、大当たり結果となる期待度が最も高い第1演出に変更する。図59(b−1)及び図59(b−2)の場合について具体的には、第2個別表示領域において第2演出の態様で個別表示がなされている状況で、その個別表示の態様を第1演出の態様に変更する。なお、既に第1演出となっている場合には、その状態を維持する。これにより、遊技者は、早いタイミングで高頻度入賞モードの開閉実行モードが発生することを把握するため、当該遊技者に対して、残存球情報の補充を早期に促すことが可能となる。また、当該個別表示の態様の変更は、個別表示の増加タイミングや減少タイミングとは無関係に行われるため、遊技者にとって意外なものとなり、注目度が高められる。さらにまた、残存球情報の補充を促すための表示態様として、保留予告の演出態様が兼用されるため、データ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、残存球情報の補充を遊技者に促すことが可能となる。なお、当たり予告コマンドの受信に基づく個別表示の態様の変更が、個別表示の増加タイミング又は減少タイミングで行われる構成としてもよい。
演出内容の変更処理(図59(a))の説明に戻り、ステップS3401にて否定判定をした場合、すなわち今回受信した当たり予告コマンドが実行エリアAEに格納されている保留情報に対応している場合には、ステップS3403にて第2変更処理を実行した後に、本演出内容の変更処理を終了する。
第2変更処理では、高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となる遊技回中において、遊技者に対して、残存球情報の補充を促すことを可能とする内容の演出が実行されるように、遊技回中の演出として既に決定されている演出パターンを一部変更するための処理を実行する。具体的には、図59(c−1)に示すように、遊技回を開始する場合に決定された変動パターンにはプレミアム演出の実行が選択されていなかったにも係わらず、図59(c−2)に示すように、プレミアム演出が実行される。これにより、遊技者は、当該遊技回が終了した後に、高頻度入賞モードの開閉実行モードに移行することを把握するため、当該遊技者に対して、残存球情報の補充を促すことが可能となる。また、残存球情報の補充を促すための表示態様として、プレミアム演出が兼用されるため、データ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、残存球情報の補充を遊技者に促すことが可能となる。
ここで、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出は、その実行対象となるプレミアム演出の実行可能期間として元々、設定されている実行可能期間で実行される。例えば、リーチ表示中に実行されるプレミアム演出が利用される場合であれば、当たり予告コマンドをリーチ表示が開始される前のタイミングで受信したとしても、リーチ表示の開始後であって当該プレミアム演出として予め設定されている実行可能期間の範囲内で、当該プレミアム演出が実行される。但し、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出は、該当する遊技回の開始時に決定された遊技回の継続時間を変更しない範囲内で実行される。したがって、プレミアム演出として、予め定められた時間に亘って実行される動画演出と、他の動画演出が実行されている最中に所定のキャラクタを出現させることによる付加演出とが存在している場合には、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出としては、付加演出が選択される。このように付加演出を選択することで、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出の実行タイミングについて自由度が高められる。なお、遊技回の開始時に決定された遊技回の継続時間が変更されないのであれば、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出として動画演出が選択される構成としてもよい。
また、当たり予告コマンドの受信に基づき実行可能なプレミアム演出として、リーチ表示前、リーチ表示後、及び全図柄列での図柄の停留表示の開始後といったように、それぞれ遊技回中の実行可能期間が異なるプレミアム演出が存在している場合には、当たり予告コマンドの受信タイミングが実行可能期間に含まれる又は当該受信タイミング後に実行可能期間が存在しているプレミアム演出であって、当該当たり予告コマンドを受信したタイミングに最も近い実行可能期間が設定されているプレミアム演出が実行対象として選択される構成とすることが好ましい。これにより、残存球情報の補充を早期に促すことが可能となる。この場合に、当たり予告コマンドの受信タイミング又はそれ以降に実行可能期間が存在するプレミアム演出が複数存在している場合には、各プレミアム演出のそれぞれを実行する構成としてもよい。これにより、遊技者がプレミアム演出を確認する機会が高められ、残存球情報の補充を促す機会が高められる。
なお、開閉実行モード中にも当たり予告コマンドが主側MPU452から出力され得るが、この場合には、音声発光制御装置91及び表示制御装置96では何らそれに対応した処理は実行されない。但し、これに限定されることはなく、上記第1の実施形態と同様に、残存球情報の補充を促す報知を行うようにしてもよい。
また、実行エリアAEに格納されている保留情報は、当たり予告コマンドの出力対象とならない構成としてもよい。
また、保留予告の演出として、第1演出が設定されていない構成としてもよい。この場合、保留予告の演出態様としては、大当たり結果となることが確定する演出が存在していない構成となる。当該構成において、保留予告の演出を利用して残存球情報の補充を促すためには、当たり予告コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置91では、保留予告の演出態様のうち大当たり結果となる期待度が最も高い態様に保留予告の演出態様を変更する構成とすればよい。
また、遊技回用の演出として、プレミアム演出が設定されていない構成としてもよい。この場合、遊技回用の演出態様としては、大当たり結果となることが確定する演出が存在していない構成となる。当該構成において、遊技回用の演出を利用して残存球情報の補充を促すためには、当たり予告コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置91では、遊技回用の演出態様であって当たり予告コマンドの受信に対して実行可能な演出態様のうち、大当たり結果となる期待度が最も高い演出態様が実行されるようにする構成としてもよい。
また、保留予告の演出や遊技回用の演出として、大当たり結果となることが確定する演出が存在しているか否かに関係なく、保留予告の演出や遊技回用の演出を利用して残存球情報の補充を促す場合には、大当たり結果となる期待度が高い側の態様が選択される構成としてもよい。
また、音声発光制御装置91において、当たり予告コマンドを受信した場合に大当たり結果となる期待度が最も高い演出を実行する構成に代えて、既に決定されている演出内容よりも大当たり結果となる期待度が高い側の演出を実行する構成としてもよい。この場合であっても、残存球情報の補充を促すことは可能となる。
また、音声発光制御装置91において、当たり予告コマンドを受信した場合に実行する演出の内容としては、抽選により既に実行することが決定されている演出種について、その演出種の態様を、大当たり結果となることが確定する態様とする又は大当たり結果となる期待度が高い側の態様とする構成としてもよい。この場合、例えば、所定のキャラクタ(魚群など)を表示させる演出種の実行が決定されている場合において、その所定のキャラクタのベースとなる色を青色とする抽選結果であったものを、大当たり結果となる期待度が高い側である赤色に変更する構成や、大当たり結果となることが確定する金色に変更する構成が挙げられる。また、当該構成に代えて、当たり予告コマンドを受信した場合に実行する演出の内容として、抽選により既に実行することが決定されている演出種とは異なる演出種を実行するとともに、その演出種の態様を、大当たり結果となることが確定する態様とする又は大当たり結果となる期待度が高い側の態様とする構成としてもよい。この場合、例えば、特定のキャラクタ(泡など)を表示させる演出種の実行が決定されている場合において、当該特定のキャラクタに代えて、所定のキャラクタ(魚群など)を表示させる演出種に変更する構成が挙げられる。
また、残存球情報の補充を促すべく保留予告の演出として第1演出を実行させる場合、高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となる保留情報に対応した個別表示のみにて第1演出を実行する構成に代えて、当該保留情報に対応した個別表示の内容の変更に加えて、それ以外の保留情報の個別表示においても第1演出を実行する、又はそれ以外の保留情報の個別表示の態様をそれまでの態様よりも期待度が高い側の内容に変更する構成としてもよい。但し、いずれのタイミングで高頻度入賞モードの開閉実行モードに移行する可能性があるのかを遊技者が認識し易くするためには、当該開閉実行モードへの移行契機となる保留情報の個別表示及びそれよりも消化順序が後の保留情報の個別表示を変更する構成とすることが好ましい。
また、残存球情報の補充をすべきことの報知を行う場合、高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となる保留情報についての遊技回よりも前に実行される遊技回中の演出として、開閉実行モードへの移行が確定する演出ではないものの開閉実行モードへの移行の期待度が高い演出が実行される構成としてもよい。この場合、上記移行契機となる保留情報についての遊技回よりも前の各遊技回において上記期待度が高い演出が連続して実行される構成としてもよく、これら各遊技回及び該当遊技回のそれぞれにおいて上記期待度が高い演出が連続して実行される構成としてもよい。また、その連続して実行される演出が、連続が後側の順番の遊技回ほど期待度が高くなるように調整される構成としてもよい。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)球供給装置47への発射球の供給がパチンコ機10外部から行われる構成としてもよい。例えば、遊技ホールの島設備に発射球が貯留されている貯留設備を設け、その貯留設備から球供給装置47に発射球が供給される構成としてもよい。そして、遊技領域PAに向けて発射されて当該遊技領域PAから排出された発射球は、再度貯留設備にて回収される構成としてもよい。この場合、その貯留設備をタンク121に取込球を補充するための設備とは別に設けることにより取込球と発射球とを完全に異ならせることが可能となり、上記第1の実施形態と同様に上皿33に投入された不正球が発射球として利用されることを防止することが可能となる。
なお、本構成においては、発射ソレノイド48が設けられる位置を、上記第1の実施形態と同様に遊技領域PAの下方としてもよく、上記第2の実施形態と同様に遊技領域PAの左上としてもよい。この場合、発射ソレノイド48が設けられた位置に応じて、貯留設備からの発射球の供給箇所を設定すればよい。
(2)上皿33から取り込まれた取込球が即座に発射球として使用されないもののその後に発射球として使用される構成としてもよい。例えば、球送り装置131により取り込まれた取込球を球供給装置47に向けて誘導する誘導通路部を設けるとともに、当該誘導通路部の通路長を複数の取込球が待機可能な通路長に設定する。この場合、一の取込球が取り込まれた場合、当該取込球よりも前に取り込まれた取込球が発射球として球供給装置47により発射レール46上に供給されることとなる。本構成においては、取込球が発射球として使用されることとなるが、発射球として使用されるタイミングを遅らせることが可能となる。なお、誘導通路部にはパチンコ機10の出荷段階又は遊技ホールの開店時に発射球が補充されているため、誘導通路部には常に1個以上の発射球が待機していることとなる。
(3)発射レール46上に球供給装置47から発射球が供給されたことを検知するための供給検知センサを設け、球供給装置47から発射球が供給されたか否かを直接的に検知する構成としてもよい。この場合、球送り検知センサ142にて取込球を検知したにも関わらず、供給検知センサにて発射球を検知しなかった場合には、取込球を検知済みであることを示すデータを発射制御部179の内部RAMにて記憶保持しながら異常報知を実行する構成としてもよく、異常報知に加えて遊技の進行を停止させる処理を実行する構成としてもよい。具体的には、球送り検知センサ142にて取込球を検知してから球供給装置47により発射レール46上に発射球が供給されるのに要する時間として想定される最長時間以上の時間が、球送り検知センサ142にて取込球を検知してから経過した場合に、異常報知などが実行される構成が挙げられる。
また、当該異常報知などが実行されるまでに複数の取込球が取り込まれる可能性がある場合には、発射球の供給が完了していない取込球の数を計測するカウンタを上記内部RAMなどに設ける構成とすることが好ましい。この場合、取込球の取り込みが無効化されてしまう可能性が低減される。
(4)上記第1の実施形態では、発射周期となった場合に1個の取込球の取り込みが開始されるとともにそれに基づく発射球の発射が行われ、次の発射周期となった場合に1個の取込球の取り込みが再度開始されるとともにそれに基づく発射球の発射が行われる構成としたが、これに代えて、発射操作装置37に発射操作が行われている状況では発射周期となっていなくても取込球が連続して取り込まれる構成としてもよい。この場合、取り込まれた取込球の数を計測するカウンタを設け、当該カウンタに1以上の発射実行数が記憶されている場合には発射操作装置37の発射操作が終了していたとしても発射実行数が「0」となるまで発射球の供給及び発射が行われる構成としてもよい。発射操作装置37の発射操作が終了したとしても発射球の発射を行うためには、ハンドル部の回転量に応じて発射強度を決定するのではなく、ハンドル部とは別の操作部を利用して発射強度が決定されるとともにハンドル部が操作されていなくてもその決定された発射強度が維持される構成とすることが好ましい。上記構成によれば、発射を希望する数の取込球が取り込まれるまで発射操作装置37への発射操作を継続すればよく、発射が完了するまで発射操作装置37への発射操作を継続する必要がないため、発射操作の継続期間を短くすることが可能となる。
なお、取込球の取り込まれた数であって発射球の発射対象となっていない数を報知する報知部を設けることで、既に発射が決定されている発射球の個数を遊技者が把握することが可能となる。
(5)発射球は取込球が取り込まれていない状況であっても発射レール46上に供給されており、発射操作装置37に発射操作が行われたことを契機として取込球が球送り検知センサ142により検知されることで発射可能数を計測するためのカウンタの値が1加算されるとともに発射可能数が1以上の場合には発射ソレノイド48が駆動されて発射球が遊技領域PAに向けて発射される構成としてもよい。この場合、発射操作装置37への発射操作が開始されてから実際に発射球が発射されるまでの時間を短縮することが可能となる。
(6)上皿33から球送り装置131に導出される取込球を検知するように球送り検知センサ142が設けられている構成としてもよい。この場合、球送り検知センサ142は前扉枠14に設けられることとなる。
(7)取込排出通路部141の左方に発射ソレノイド48が設けられている構成に限定されることはなく、例えば発射ソレノイド48が取込排出通路部141の上方に設けられている構成としてもよい。
(8)取込球が軟鉄であり発射球が真鍮である構成に限定されることはなく、例えば発射球が300系ステンレスといったように磁石に吸引されない他の金属により形成されていてもよく、セラミックにより形成されていてもよい。
(9)取込球と発射球とが異なる材質である構成としたが、これら取込球と発射球とが同一の材質である構成としてもよい。
(10)球供給装置47、発射ソレノイド48及び球送り装置131の全てが電源・発射制御装置171により制御される構成としたが、これらのうちの一部が主制御装置81や払出制御装置161といった他の制御装置により制御される構成としてもよい。例えば、球送り装置131が主制御装置81又は払出制御装置161により制御され、球供給装置47及び発射ソレノイド48が電源・発射制御装置171により制御される構成としてもよい。かかる構成として具体的には、発射操作装置37に発射操作が行われていることを電源・発射制御装置171が特定した場合にはそれに対応した条件成立信号が球送り装置131の制御対象の制御装置に送信され、当該制御対象の制御装置が球送り装置131を動作させる。そして、当該制御対象の制御装置において球送り検知センサ142から取込球を検知したことに対応した信号を受信した場合に、当該制御対象の制御装置から電源・発射制御装置171に対応する信号を送信する。電源・発射制御装置171ではその信号を受信することで、球供給装置47を動作させて発射球を供給するとともに発射ソレノイド48を動作させてその発射球を遊技領域PAに向けて発射させる。
(11)払出装置124から払い出された取込球が上皿33には供給されずに、下皿34に供給される構成としてもよい。また、下皿34の下に配置された球貯留箱又は下皿34が不具備である構成においては下皿34の代わりに配置された球貯留箱に取込球が供給される構成としてもよい。
(12)パチンコ機10に払出装置124が設けられておらず、取込球の払い出しに対応した入賞が発生した場合には、遊技ホールの島設備に設けられた払出機構からパチンコ機10に取込球が払い出される構成としてもよい。この場合、その払い出される取込球が、上皿33に直接払い出される構成としてもよく、上皿33には払い出されずに下皿34に払い出される構成としてもよい。また、下皿34の下に配置された球貯留箱又は下皿34が不具備である構成においては下皿34の代わりに配置された球貯留箱に取込球が供給される構成としてもよい。
(13)取込排出通路部141及び球送り検知センサ142が本体枠13ではなく前扉枠14に設けられている構成としてもよく、取込排出通路部141が前扉枠14に設けられており、球送り検知センサ142が本体枠13に設けられている構成としてもよく、球送り検知センサ142が前扉枠14に設けられており、取込排出通路部141が本体枠13に設けられている構成としてもよい。
(14)主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置91により表示制御装置96が制御される構成に代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置96が音声発光制御装置91を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置91と表示制御装置96とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置81に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置81に集約されていてもよい。また、主制御装置81から音声発光制御装置91に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置91から表示制御装置96に出力されるコマンドの構成も任意である。
(15)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に発射球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に発射球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
(16)ICタグ481を有する発射球を利用することにより発射球の監視の容易化が図られることに着目した場合、当該発射球を、遊技領域PAを流下して当該遊技領域PAから排出された発射球がパチンコ機310から排出される構成に利用してもよい。また、スロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とが融合された遊技機の遊技媒体として、ICタグ481を有するものを用いてもよい。例えば、スロットマシンであれば、メダルにICタグ481を付与し、メダル投入口から続く通過経路上の所定領域にメダルが存在していることを検知した場合にリーダ装置385によりID情報を読み取るようにし、ID情報を読み取れない場合や、登録されていないID情報を読み取った場合に、異常処理を実行する構成とする。この場合、投入された遊技媒体が正規のものであるか否かの判定を容易に行うことが可能となる。
(17)上記第3の実施形態において、ICタグ481によりID情報の出力を可能とする構成に代えて、発射球の表面にバーコードやQRコード(登録商標)を付与することにより、ID情報の出力を可能とする構成としてもよい。この場合、遊技ホールの管理者がバーコードやQRコードの読み取り機を利用してID情報の読み取り作業を行うことで、パチンコ機310において循環している発射球が正規のものであるか否かを把握することが可能となる。
(18)発射球の重量を増加させるための重量片484として、金属に代えてセラミックを利用してもよい。この場合、当該セラミックとして電波を透過させる材料を選択することにより、ICタグ481との間の通信をより行い易くしながら、発射球の重量を増加させることが可能となる。
また、発射球のベース材料として、樹脂材料に代えて、電波を透過可能なセラミックを用いるようにしてもよい。この場合、単位体積当たりの重量がベース材料よりも大きい重量片を発射球に設けるようにしてもよく、設けないようにしてもよい。
(19)上記第3の実施形態において、一のパチンコ機10にて循環する特定個数の発射球のID情報は全て共通している構成としてもよい。この場合であってもID情報を受信できない発射球が存在していた場合に異常処理を実行することが好ましく、またその共通したID情報とは異なるID情報を受信した場合に異常処理を実行することが好ましい。この場合、非正規の遊技球が投入された場合に、それに対処することが可能となる。
(20)特定個数の発射球がそれぞれ異なるID情報を有している構成において、それらID情報がパチンコ機310に登録されない構成としてもよい。この場合であっても、ID情報を受信できない発射球が存在しているか否かを監視することで、非正規の遊技球の投入を監視することが可能である。また、監視期間内に受信したID情報の種類の数を把握することにより、パチンコ機310にて循環する発射球の数を監視することが可能となる。
(21)パチンコ機310内にて移動している発射球からリーダ装置385によってID情報を読み取ることにより、ID情報の登録を行う構成に代えて、外部操作によってパチンコ機310にID情報を入力することにより、ID情報の登録を行う構成としてもよい。例えば、パチンコ機310にデータを入力するための端子部を設け、当該パチンコ機310に特定個数の発射球をセットする場合には、当該端子部を通じて特定個数の発射球に対応したID情報を書き込む構成が考えられる。
(22)第1ID異常であることが特定された場合及び第2ID異常であることが特定された場合には、その特定対象となった発射球が遊技領域PAに向けて発射される前に、発射球の発射が禁止される構成としてもよい。
(23)発射操作装置336が操作されている状況であっても残存球情報の一部返却を実行することが可能な構成としてもよい。この場合、商品の交換を行うための操作タイミングについて自由度を高められる。但し、当該構成においては、一部返却用の操作と遊技球の発射操作とが同時に行なわれ得るため、実際には残存球情報が既に「0」となっているにも関わらずいずれか一方の操作が有効であると判断されてしまうおそれがある。したがって、残存球情報が一部返却用の操作により指定された遊技球数よりも所定数以上(例えば10個以上)多い場合に、発射操作が行なわれている状況であっても一部返却用の操作が可能となる構成とすることが好ましい。
(24)上記第3の実施形態において、一部返却用の操作が行なわれた場合には、記憶媒体Mが排出されるのではなく、上記第4の実施形態と同様に、遊技者により設定された残存球情報が遊技ホールのホールコンピュータに出力される構成としてもよい。
(25)度数情報が「0」であって残存球情報が基準数以下である場合に特別報知が実行される対象として、低頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行に対応した保留情報についての遊技回が実行されている場合及び当該保留情報が保留記憶されている場合が含まれる構成としてもよい。つまり、度数情報が「0」であって残存球情報が基準数以下である場合、開閉実行モードの移行契機となる保留情報の遊技回にて結果表示がなされる前に、特別報知が実行される構成としてもよい。
(26)度数情報が1以上であっても残存球情報が基準数以下である場合には、特別報知が実行され得る構成としてもよい。この場合、開閉実行モードが開始される前に度数情報を残存球情報に変換するように、遊技者に促すことが可能となる。
(27)残存球情報が基準数以下であることを遊技者に認識させる特別報知が、開閉実行モードへの移行契機となる遊技回においてのみ実行される構成としてもよい。この場合、当該特別報知が開始されるタイミングとしては、図柄表示装置61にて図柄の変動表示が開始される前のタイミングとしてもよく、全図柄列にて図柄が変動表示されている状況としてもよく、一部の図柄列のみが変動表示されている状況としてもよい。但し、開閉実行モードが発生するか否かという予測を通じた遊技への注目度を維持させる上では、リーチ変動表示が開始されたタイミング以降であって当該リーチ変動表示が収容される前のタイミングにおいて、当該リーチ演出の一種として又は当該リーチ演出とは別に特別報知が実行される構成が好ましい。
また、図柄表示装置61における演出として、開閉実行モードへの移行が発生する場合にのみ実行されるプレミアム演出が設定された構成においては、特別報知として当該プレミアム演出が実行される構成としてもよい。この場合、特別報知専用の画像データなどを用意する必要がなく、さらには遊技者に対して特別報知を演出として提供することが可能となる。
(28)度数情報の記憶及び更新が払出側RAM464及び払出側MPU462にて実行される構成に代えて、主側RAM454及び主側MPU452にて実行される構成としてもよく、管理側RAM474及び管理側MPU472にて実行される構成としてもよい。また、管理ユニット431の現金投入口432、媒体投入口433及び媒体排出口434を本体ベース321又は前扉322に設け、管理制御基板471の機能を払出制御基板461が果たす構成としてもよい。
(29)主側MPU452の電源立ち上げ時におけるメイン処理(図25)において、停電フラグに「1」がセットされていない場合、及びチェックサムに異常がある場合の少なくとも一方では、第2消去ボタン361cが操作されていなくても、払出側MPU462に向けて初期化コマンドが出力される構成としてもよい。
(30)払出側MPU462においても電源遮断時には停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムの算出及び保存が実行されるようにし、電源立ち上げ時におけるメイン処理(図26)において、停電フラグに「1」がセットされているか否かの判定、及びチェックサムが正常であるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、当該メイン処理において停電フラグに「1」がセットされていない場合や、チェックサムに異常がある場合には、初期化コマンドを主側MPU452から受信していなかったとしても、払出側MPU462において払出側RAM464の初期化処理が実行される。
(31)上記第3の実施形態において前扉322が開放されている状態で入賞が発生した場合には、異常報知などが実行される異常状態に設定される構成としてもよい。この場合、いずれかの入球部に遊技球を持って行き、直接入球させる行為に対処することが可能となる。
(32)管理ユニット431以外の装置であって遊技ホールなどに設けられた外部装置に、パチンコ機310から度数情報及び残存球情報を出力可能な構成としてもよい。この場合、当該外部装置とパチンコ機310との電気的な接続箇所として、管理ユニット431との接続箇所を利用する構成としてもよく、専用の接続箇所が設けられている構成としてもよい。かかる構成とすることにより、管理ユニット431との接続不良や管理ユニット431の故障が発生した場合であっても、度数情報及び残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mを排出することが可能となる。
(33)前扉322において窓パネル352の下端よりも上方の領域と遊技盤51とを一体的に取り外し可能な構成としてもよい。この場合、機種交換などに際して、当該ユニットのみを交換すればよいため、当該交換作業の容易化が図られる。
(34)管理ユニット431に、汎用的な記憶媒体から現金情報を受け取ることが可能なリーダ装置を設けてもよい。
(35)第1消去ボタン361b及び第2消去ボタン361cが主制御装置361に設けられているのではなく、払出制御装置364や発射制御装置365といったように、遊技盤51ではなく支持ベース体331に搭載される装置に設けられている構成としてもよい。
(36)通常遊技状態中における発射球数に対する遊技球の払出率のデータをパチンコ機310に事前に記憶させておき、通常遊技状態中に実測した当該払出率が、ベースとなる払出率よりも高い場合に、異常報知や遊技の進行の停止といった処理を実行するようにしてもよい。この場合、上記払出率は、遊技領域PAの釘59の調整具合により変化するため、ベースとなる払出率を遊技ホールにおいて調整可能とすることが好ましい。
(37)電源装置が2個設けられている構成に限定されることはなく、電源装置が1個のみ設けられている構成としてもよく、管理ユニット431に対しては別の電源装置が設けられている構成としてもよい。
電源装置が1個のみ設けられている構成においては、主制御装置361、払出制御装置364及び管理ユニット431を含めた各種機器の全てに、一の電源装置から電力が供給されることになる。この場合、当該電源装置は、遊技盤51の背面に搭載されていてもよく、支持ベース体331の背面に搭載されていてもよい。
また、主制御装置361及び払出制御装置364を含めてパチンコ機310に設けられた各種機器に一の電源装置から電力が供給される一方、管理ユニット431には当該電源装置とは別の経路で電力が供給される構成においては、当該管理ユニット431に電力を供給する電源装置がパチンコ機310に設けられている構成としてもよく、管理ユニット431に設けられている構成としてもよく、遊技ホールのホールコンピュータに電力を供給するための電源装置から電力が供給される構成としてもよい。
(38)主側MPU452において異常を検知している場合には、その旨のコマンドが払出側MPU462に出力されるようにして、遊技球の発射が禁止される構成としてもよい。
(39)上記第1〜第6の実施形態を相互に組み合わせてもよい。例えば、第4の実施形態に記載した構成と、第6の実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよく、第5の実施形態に記載した構成と、第6の実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよい。
(40)上記第3の実施形態において遊技領域PAを流下する遊技球の流下方向を規制する釘59等の衝突部材が、前扉322を開いた状態で遊技球の流下方向の調整や入賞頻度の調整を行う必要がないように設けられている構成としてもよい。
例えば、遊技領域PAに設けられた釘59を、合成樹脂製、セラミック製、又は硬質金属製とすることで、釘59に外力を加えて当該釘59の角度や形状を調整しようとしてもそれが不可となる又は行いづらい構成としてもよい。当該構成によれば、前扉322を開いたとしても、流下方向の調整や入賞頻度の調整が不可となる又は行いづらいため、当該調整行為が実質的に行われなくなり、前扉322を開いた際に遊技球が零れ落ちてしまうといった事象の発生が抑制される。
また、釘59などの各衝突部材のそれぞれに対して、又は所定の組み合わせ単位で、駆動手段を設け、衝突部材の角度や形状を電気駆動で調整可能な構成としてもよい。この場合、前扉322を開いた状態としなくても、流下方向の調整や入賞頻度の調整を行うことが可能となるため、当該調整に際して前扉322が開かれる可能性は低く、それに伴って前扉322を開いた際に遊技球が零れ落ちてしまうといった事象の発生が抑制される。
(41)正規の遊技球よりも小さい不正球の循環使用を防止すべく、遊技球の循環経路に、正規の遊技球よりも小さい球が通過可能であり、正規の遊技球の通過を不可とする開口を形成してもよい。この場合、小さい不正球は、その開口を通じて循環経路から排除されるため、不正球が循環し続けてしまうことが抑制される。また、当該開口を通過した球を検知すべく不正球検知センサを設けてもよい。この場合、小さい不正球が存在していたことをパチンコ機310において特定可能となり、例えばパチンコ機310自身における報知や、遊技ホールのホールコンピュータへの外部出力などといった処理を実行することが可能となる。
(42)正規の遊技球よりも大きい不正球の循環使用を防止すべく、遊技球の循環経路に、正規の遊技球よりも大きい球が通過不可となる開口部を形成してもよい。これにより、大きい不正球がパチンコ機310に投入された場合には、その開口部にて球詰まりが生じ、遊技を続行することが不可となることを通じて、大きい不正球の循環使用を防止することが可能となる。また、当該開口部にて滞留している球を検知すべく不正球検知センサを設けてもよい。この場合、大きい不正球が存在していたことをパチンコ機310において特定可能となり、例えばパチンコ機310自身における報知や、遊技ホールのホールコンピュータへの外部出力などといった処理を実行することが可能となる。
(43)外枠311がパチンコ機310の全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、外枠311を、パチンコ機310が有するのではなく島設備に据え置きされるようにしてもよく、パチンコ機310が有していてもよい。
また、当該構成に代えて又は加えて、管理ユニット431がパチンコ機310の全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、管理ユニット431を、パチンコ機310が有するのではなく島設備に据え置きされるようにしてもよく、パチンコ機310が有していてもよい。なお、管理ユニット431が島設備に据え置きされる構成であったとしても、当該管理ユニット431にはパチンコ機310から動作電力が供給される構成としてもよく、遊技ホール側から動作電力が供給される構成としてもよい。
また、当該構成に代えて又は加えて、支持ベース体331(遊技盤51は除く)がパチンコ機310の全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、支持ベース体331を、パチンコ機310が有するのではなく島設備に据え置きされるようにしてもよく、パチンコ機310が有していてもよい。また、本構成においては、前扉322及び遊技盤51の組み合わせがメーカー間で異なる部品となるため、遊技盤51が前扉322に係止された状態で、これらの一体物を支持ベース体331に搭載可能な構成としてもよい。
また、上記各構成に代えて、遊技盤51以外が全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、遊技盤51以外が島設備に据え置きされるようにしてもよい。
(44)上記第3の実施形態において発射レール212上に供給された発射球を検知するための装置として、発射球検知センサ384及びリーダ装置385の両方が設けられている構成に限定されることはなく、いずれか一方のみが設けられている構成としてもよい。例えば、発射球検知センサ384が設けられておらず、リーダ装置385が設けられている構成としてもよい。この場合であっても、リーダ装置385における読取結果に基づいて、発射される又は発射された発射球の個数を計測することが可能となる。
(45)パチンコ機310の動作を制御するための制御装置の構成は、各機能を担保することが可能であれば任意である。例えば、操作ユニット441の制御を払出制御基板461ではなく、管理制御基板471が行う構成としてもよい。また、管理ユニット431の一部の機能又は全部の機能を、主制御基板451が有する構成としてもよく、払出制御基板461が有する構成としてもよい。
(46)管理ユニット431に媒体投入口433と媒体排出口434との両方が設けられている構成に限定されることはなく、一の媒体用開口部において、記憶媒体Mの投入及び排出の両方が行われる構成としてもよい。
また、記憶媒体Mとしては、汎用の媒体が用いられる構成に限定されることはなく、会員カードといったように、各人専用の媒体が用いられる構成としてもよい。この場合、当該専用の媒体は、遊技ホールの客がそれぞれ有することとなり、当該媒体に未使用の遊技球数のデータや、未使用の金額のデータが書き込まれるとともに、使用された場合には管理ユニット431等においてデータが書き換えられることになる。また、このように専用の媒体が用いられる構成においては、管理ユニット431に設けられた1個の媒体用開口部を通じて、媒体の投入及び排出の両方が行われる構成としてもよい。また、当該構成においては、残存球情報を利用してドリンクやタバコとの交換を行う場合には、交換に使用する残存球情報又は交換対象となる商品情報が書き込まれた上記専用の媒体が管理ユニット431から排出される構成としてもよい。
また、上記のように専用の媒体が利用される構成において、残存球情報を利用してドリンクやタバコと交換する場合には、その残存球情報が書き込まれた、又は交換対象となる商品情報が書き込まれた汎用の媒体が排出される構成としてもよい。この場合、管理ユニット431には、媒体用開口部として、専用の媒体を利用するための開口部と、汎用の媒体を利用するための開口部とが別々に設けられている構成が好ましい。例えば、専用の媒体について投入及び排出の両方が行われる一の開口部と、汎用の媒体について投入及び排出の両方が行われる一の開口部とが設けられている構成が好ましい。
(47)払出側MPU462は、第2停電監視基板465から停電信号を受信した後であって、主側MPU452からの停電コマンドの受信を待っている状況、又は停電時の監視時間を計測している状況において、主側MPU452から受信した賞球コマンドといった他のコマンドを記憶保持可能な構成としてもよい。この場合、主側MPU452及び払出側MPU462のそれぞれに対して異なる停電監視基板455,465から停電信号が出力される構成において、賞球の管理を好適に行うことが可能となる。
(48)上記第2の実施形態及び上記第3の実施形態において、遊技球発射機構211の位置は遊技領域PAの左上に限定されることはなく、遊技領域PAにおける横方向の中央の上端部分であってもよく、遊技領域PAの右上であってもよく、上皿33の上端よりも上方であって遊技領域PAの縦方向の中央よりも下方であってもよく、遊技領域PAの縦方向の中央であってもよい。
(49)上記第2の実施形態及び上記第3の実施形態では発射レール212はその上面が水平となるように設けられている構成としたが、上面が発射元側に向けて下り傾斜となるように設けられている構成としてもよい。これにより、発射レール212上に供給された発射球が自重により遊技領域PA側に向けて転がっていってしまうことを防止することが可能となる。また、当該構成においては、発射レール212上に供給された発射球が発射ソレノイド214側に自重で転がっていってしまうことを防止するために発射球を保持する保持部材を設けることが好ましい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.遊技領域(遊技領域PA)に向けて発射球を発射する発射手段(第1の実施形態では発射レール46及び発射ソレノイド48、第2の実施形態では発射レール212及び発射ソレノイド214)と、
前記遊技領域を流下する発射球が入球可能である入球部(一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55)と、
当該入球部に発射球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置124、払出制御装置161)と、
球を貯留する球貯留部(上皿33)と、
当該球貯留部に貯留された球を取り込む取込手段(球送り装置131)と、
当該取込手段により球が取り込まれた場合に、前記発射手段による発射球の発射が可能となる可能状態にする発射制御手段(発射制御回路176)と、
を備え、
当該発射制御手段により前記可能状態とされて前記発射手段により発射球が発射される場合、当該可能状態の契機となった球とは異なる発射球が発射されることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、球貯留部から取り込まれた球がそのまま発射球として使用されることが防止されるため、正規の遊技球よりも小さい不正球や、油などが塗布された不正球や、紐付きの不正球などを球貯留部に補充することで遊技領域に向けて発射させようとする不正行為が行われたとしても、それによる利益が発生しづらくなるようにすることが可能となる。よって、入球部への入球を不正に発生させる行為を好適に抑制することが可能となる。
特徴2.前記球貯留部は、当該球貯留部への前記球の補充を遊技者が行うことが可能であることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、球貯留部への球の補充を遊技者が行うことが可能であるため、球と発射球とが異なる構成であっても既存の遊技機と同様の感覚で遊技を行うことが可能となる。
特徴3.前記特典付与手段により特典が付与される場合、その付与に対応した球が前記球貯留部に払い出されることを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴3によれば、入球部への入球が発生した場合には球が球貯留部に払い出されるため、球と発射球とが異なる構成であっても既存の遊技機と同様の感覚で遊技を行うことが可能となる。
特徴4.前記取込手段により取り込まれた球は前記発射手段の発射対象として利用されないことを特徴とする特徴1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴4によれば、既に説明したような不正球が遊技領域に向けて発射されないようにすることが可能となる。
特徴5.前記取込手段により取り込まれた球は遊技機外部に排出されることを特徴とする特徴1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴5によれば、既に説明したような不正球が球貯留部に補充されたとしても、当該遊技機にて当該不正球が使用されにくくすることが可能となる。
特徴6.前記遊技領域から排出された発射球を当該遊技機の外部に排出することなく前記発射手段の発射対象として利用されるようにする循環手段(回収通路形成体151、供給用通路部152、ファール球回収部154、搬送装置155)を備えていることを特徴とする特徴1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴6によれば、発射球は遊技機にて循環することとなるため、不正球を発射球として遊技機に不正に投入しようとしてもそれが行いづらくなる。
特徴7.前記球と前記発射球とは材質が異なることを特徴とする特徴1乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴7によれば、球と発射球とのそれぞれにとって適切な遊技球を利用することが可能となる。例えば、球としては既存の遊技機と同様の遊技球を利用することで遊技者に違和感を与えないようにしながら、発射球としては磁石に吸引されないような遊技球を利用することで磁石を利用した不正行為を阻止することが可能となる。
特徴8.遊技者により操作される発射操作手段(発射操作装置37)を備え、
当該発射操作手段に対して発射操作が行われることにより、前記取込手段による球の取り込みが行われ、前記発射手段による発射球の発射が行われることを特徴とする特徴1乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴8によれば、球がそのまま発射球として使用されない構成であっても遊技者は遊技に際して発射操作手段に対して発射操作を行うだけでよいため、既存の遊技機に比べて操作性を低下させないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴9.前記取込手段により取り込まれる球又は取り込まれた球を検知する取込検知手段(球送り検知センサ142)と、
前記発射手段に遊技球を供給する球供給手段(第1の実施形態では球供給装置47、第2の実施形態では球供給装置213)と、
を備え、
前記発射制御手段は、前記取込検知手段により1個の球が検知された場合に、前記発射手段に1個の発射球が供給されるように前記球供給手段を制御することを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴9によれば、球がそのまま発射球として利用されない構成において、1個の球の取り込みに対して1個の発射球の供給を適切に行うことが可能となる。
特徴10.前記発射手段及び前記遊技領域を備えるベース体(本体枠13)と、
当該ベース体に開閉可能に支持させて設けられ、前記球貯留部及び前記取込手段を備える前面体(前扉枠14)と、
前記取込手段により取り込まれた球を前記発射手段側とは異なる側に向けて導出する導出通路部(取込排出通路部141)と、
を備え、
前記取込検知手段は、前記導出通路部を通過する球を検知するように設けられており、
前記導出通路部及び前記取込検知手段は、前記ベース体に設けられていることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
特徴10によれば、球がそのまま発射球として利用される遊技機と前面体を共通利用することが可能となり、部品管理を好適に行うことが可能となる。
特徴11.前記遊技領域は遊技盤(遊技盤51)に形成されており、
当該遊技盤は、前記発射手段により発射された発射球を前記遊技領域の上部に誘導する誘導手段(内レール部51a、外レール部51b)を備えており、
前記取込手段は、前記球貯留部の横方向の一端側に形成された導入口の後方に設けられており、
前記導出通路部は前記取込手段の後方の位置にて当該取込手段が取り込んだ球を受けるように形成されており、
前記発射手段は、前記導出通路部よりも、前記誘導手段の入口側に設けられていることを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
特徴11によれば、前面体に設けられた取込手段の位置を既存の遊技機から変更しなくても、取込手段により取り込まれた球を導出通路部に円滑に導出することが可能となる。
特徴12.前記遊技領域は遊技盤(遊技盤51)に形成されており、
当該遊技盤は、前記発射手段により発射された発射球を前記遊技領域の上部に誘導するための誘導手段(内レール部51a、外レール部51b)を備えており、
前記発射手段は、
発射球に向けて突出することで当該発射球を前記遊技領域に向けて発射させる出力軸を有する発射実行手段(発射ソレノイド48)と、
前記出力軸の突出先側にて発射球を保持し、当該出力軸により発射された発射球を前記誘導手段の入口側に向けて誘導する発射レール(発射レール46)と、
を備え、
前記発射実行手段は、前記取込手段により取り込まれた球が発射レール上に直接供給されその供給された球が発射実行手段により発射球として発射される別遊技機の当該発射実行手段の取付位置を想定した場合に当該別遊技機の発射実行手段と同軸上であって当該別遊技機の発射実行手段による発射先側となる位置に設けられていることを特徴とする特徴1乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、球がそのまま発射球として利用される遊技機と遊技盤を共通利用することが可能となり、部品管理を好適に行うことが可能となる。
特徴13.前記発射手段は、前記球貯留部の上端よりも上方の位置にて発射球の発射を行うように設けられていることを特徴とする特徴1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴13によれば、遊技領域の上部に近い位置にて発射球の発射を行うことが可能となり、遊技領域の上部への発射球の供給を行い易くなる。また、上記特徴1の構成を備え、球貯留部から取り込まれた球がそのまま発射球として使用されない構成であるため、発射手段が球貯留部の上端よりも上方の位置にて発射球の発射を行う構成であったとしても、当該発射手段への発射球の供給を円滑に行うことが可能となる。
特徴14.前記球貯留部は、前記遊技領域の下端よりも下方の位置に設けられており、前記発射手段は、前記遊技領域の下端よりも上方の位置に設けられていることを特徴とする特徴1乃至13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴14によれば、遊技領域の上部に近い位置にて発射球の発射を行うことが可能となり、遊技領域の上部への発射球の供給を行い易くなる。また、上記特徴1の構成を備え、球貯留部から取り込まれた球がそのまま発射球として使用されない構成であるため、発射手段が遊技領域の下端よりも上方の位置にて発射球の発射を行う構成であったとしても、当該発射手段への発射球の供給を円滑に行うことが可能となる。
特徴15.前記発射手段は、前記遊技領域の縦方向の中央よりも上方の位置にて発射球の発射を行うように設けられていることを特徴とする特徴1乃至14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴15によれば、遊技領域の上部に近い位置にて発射球の発射を行うことが可能となり、遊技領域の上部への発射球の供給を行い易くなる。また、上記特徴1の構成を備え、球貯留部から取り込まれた球がそのまま発射球として使用されない構成であるため、発射手段が遊技領域の縦方向の中央よりも上方の位置にて発射球の発射を行う構成であったとしても、当該発射手段への発射球の供給を円滑に行うことが可能となる。
特徴16.前記発射手段に供給するための発射球を複数待機させる供給通路部(発射用供給通路部215)を備え、
当該供給通路部にて発射球が存在しているか否かを確認可能であることを特徴とする特徴1乃至15のいずれか1に記載の遊技機。
供給通路部に発射球が待機していないと取込手段により球が取り込まれたとしても、発射手段による発射球の発射を行うことができなくなってしまう。これに対して、特徴16によれば、供給通路部にて発射球が存在しているか否かを確認可能な構成であるため、そのような事態が発生する場合又は発生した場合には早期に対処することが可能となる。
特徴17.遊技機前面に設けられた窓パネル(窓パネル22)を通じて前記供給通路部に発射球が待機しているか否かを視認可能であることを特徴とする特徴16に記載の遊技機。
特徴17によれば、供給通路部に発射球が待機しているか否かの確認を目視により簡単に行うことが可能となる。
特徴18.前記供給通路部に発射球が待機しているか否かを検知する待機検知手段(待機検知センサ216)と、
当該待機検知手段にて発射球が検知されていない場合に特別処理を実行する特別処理実行手段(主側MPU83におけるステップS605及びステップS606の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴16又は17に記載の遊技機。
特徴18によれば、供給通路部に発射球が待機していない場合にはそれに対して特別処理が実行されるため、それに対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
特徴19.前記特別処理実行手段は、前記特別処理として、遊技の進行の少なくとも一部が停止された停止状態とするものであり、
当該停止状態が解除された場合、当該停止状態に設定される前の状態に復帰する構成であることを特徴とする特徴18に記載の遊技機。
特徴19によれば、供給通路部に発射球が待機していない状態となったとしても、遊技者が受ける不利益を抑えることが可能となる。
なお、上記特徴群の発明は、以下の課題を解決可能である。
遊技機の一種としてパチンコ機が知られている。パチンコ機について具体的には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部が複数設けられている。当該入球部に遊技球が入球した場合には、遊技球の払い出しや内部抽選の実行といった特典が遊技者に付与される。また、当該入球部に入球した遊技球は、遊技盤の背面側に排出される。また、遊技盤には、いずれの入球部にも入球しなかった遊技球を遊技領域外に排出するための排出部が設けられている。
ここで、上記例示等のようなパチンコ機においては入球部への入球を不正に発生させる行為が想定され、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴A群>
特徴A1.遊技媒体を利用して遊技が行われる遊技機において、
前記遊技媒体(発射球)は、識別情報を出力可能な識別手段(ICタグ481)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技機にて使用される遊技媒体から識別情報を読み取ることにより、当該遊技媒体が正規のものか容易に判断することが可能となる。よって、遊技媒体の管理を好適に行うことが可能となる。
特徴A2.前記識別手段は、前記識別情報を受信手段(リーダ装置385)に対して送信可能とするアンテナ部材(アンテナ部材483)を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、識別情報の読み取りを容易に行うことが可能となる。
特徴A3.前記識別手段は、前記遊技媒体の周面に存在しないように設けられており、
前記遊技媒体は、前記識別手段の識別情報を当該遊技媒体の外部に送信可能とするように形成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技媒体の使用に際して識別手段に直接的な外力が付与されてしまうことを防止しつつ、識別情報の読み取りの容易化を図ることが可能となる。
特徴A4.前記識別手段はその全体が前記遊技媒体に埋設されており、
前記遊技媒体は、当該遊技媒体の表面と前記識別手段との間の領域の少なくとも一部が非金属製の材料により形成されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、識別情報の外部への送信を可能としながら、識別手段を保護することが可能となる。
特徴A5.前記遊技媒体は、前記非金属製の材料により形成されたベース部分に対して、当該ベース部分よりも単位体積当たりの重量が大きい重量片(重量片484)が分散配置されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
非金属製の材料を利用して遊技媒体が形成された場合、当該遊技媒体が従来の金属製の遊技媒体に比べて極端に軽くなってしまうことが懸念されるが、特徴A5によれば、遊技媒体は重量片を有するため、ある程度の重量とすることが可能となる。また、当該重量片は分散配置されているため、遊技媒体の外部への識別情報の送信を可能としながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A6.前記遊技媒体から前記識別情報を受信する受信手段(リーダ装置385)と、
当該受信手段において受信した前記識別情報を利用して、前記遊技媒体について監視処理を実行する監視処理実行手段(払出側MPU462におけるID監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技機自身において識別情報を利用した遊技媒体の監視を行うことが可能となる。
特徴A7.前記遊技媒体が所定領域に存在していることを検知する存在検知手段(発射球検知センサ384)を備え、
前記受信手段は、前記存在検知手段により前記所定領域に存在していると検知された前記遊技媒体から前記識別情報を受信するものであり、
前記監視処理実行手段は、前記監視処理として、前記存在検知手段により前記所定領域に前記遊技媒体が存在していると検知された場合に、前記受信手段において前記識別情報を受信したか否かを判定し、当該識別情報を受信しなかった場合に特別処理(ステップS2709)を実行するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、識別情報を有していない非正規の遊技媒体が遊技機に投入された場合に、それに対処することが可能となる。
特徴A8.前記遊技媒体を貯留する貯留部(循環貯留用タンク231)と、
当該貯留部に貯留された前記遊技媒体を前記遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
を備え、
前記所定領域は、前記貯留部から前記遊技領域に向けた前記遊技媒体の流れを基準として前記遊技領域よりも上流側に存在していることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、非正規の遊技媒体が存在していることを当該遊技媒体が遊技領域を流下するよりも前のタイミングで把握することが可能となる。よって、当該非正規の遊技媒体を利用した不正行為が行われたとしても、それに対して不正行為者に利益が付与されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴A9.前記遊技媒体を貯留する貯留部(循環貯留用タンク231)と、
当該貯留部に貯留された前記遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
前記遊技領域から排出された前記遊技媒体を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(回収通路部232、搬送装置233)と、
を備えていることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、遊技媒体は使用後も遊技機から排出されることなく当該遊技機にて循環することとなるため、遊技ホールにおいて必要な遊技媒体の総数を抑えることが可能となる。但し、このような構成の場合、非正規の遊技媒体が遊技機に投入されると、その遊技媒体は当該遊技機にて循環することとなるため、当該遊技機にて高頻度で使用されることとなってしまう。これに対して、識別情報を利用して遊技媒体の監視を行うため、識別情報の受信の有無を通じて遊技媒体が正規のものであるか否かを容易に把握することが可能となる。
特徴A10.前記監視処理実行手段は、前記監視処理として、前記受信手段における前記識別情報の受信結果を利用して当該遊技機において循環している前記遊技媒体の数を監視するものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、識別情報を利用して、非正規の遊技媒体が投入されたか否かの監視だけでなく、遊技媒体の数の監視も行うことが可能となる。
特徴A11.前記受信手段は、前記貯留部から前記遊技領域に発射され当該遊技領域から排出されて前記循環手段により前記貯留部に戻されるまでの通過領域に含まれる所定領域に存在する前記遊技媒体から、前記識別情報を受信するものであることを特徴とする特徴A9又はA10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技領域に向けて遊技媒体が発射されることとなる通常の遊技中において識別情報を利用した遊技媒体の監視を行うことが可能となる。
特徴A12.前記循環手段を利用して循環される前記遊技媒体は、それぞれ異なる前記識別情報を有していることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、遊技媒体毎に異なる識別情報が設定されていることにより、各遊技媒体を個別に監視することが可能となる。特に、上記特徴A10の構成を備え、遊技媒体の数の監視を行う場合には、各遊技媒体が不規則な順序で循環している状況であっても各遊技媒体を個別に認識することが可能であるため、当該数の監視を行うタイミングや、監視を行うための構成の設計の自由度が高まる。例えば、通常の遊技中であれば遊技媒体は遊技領域を流下することとなるため、各遊技媒体は不規則な順序で循環することとなるが、個別の識別情報を利用して監視を行う構成であるため、監視に際してこの不規則性の影響を受けにくい。よって、通常の遊技中であっても遊技媒体の数の監視を行うことが可能となる。
特徴A13.前記循環手段を利用して循環される前記遊技媒体の各識別情報を記憶する識別情報記憶手段(ID情報記憶エリア464d)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、受信手段にて識別情報を受信した場合、当該識別情報が識別情報記憶手段に記憶されているか否かを判定することで、その受信した識別情報が正規のものか否かを把握することが可能となる。これにより、識別情報を送信可能な非正規の遊技媒体が投入された場合にも、それに対処することが可能となる。
特徴A14.前記受信手段にて受信した前記識別情報を前記識別情報記憶手段に記憶させる記憶実行手段(払出側MPU462におけるID取得処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技機に設けられている受信手段にて受信した識別情報が識別情報記憶手段に記憶される構成であるため、識別情報記憶手段に識別情報を記憶させる場合に、遊技機の外部から識別情報の打ち込み操作や、識別情報の出力操作を行う必要が生じない。これにより、識別情報を記憶させる場合の作業性が向上する。
なお、上記特徴A群の発明は、以下の課題を解決可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、所定の遊技媒体を利用して遊技が行われる。
例えば、パチンコ機であれば、遊技媒体として遊技球が用いられる。当該遊技球は、遊技者の発射操作に基づき、遊技球発射機構により遊技領域に向けて発射される。そして、遊技領域に設けられた入球部に、その発射された遊技球が入球することにより、有利な特典が遊技者に付与される。
また、例えば、スロットマシンであれば、遊技媒体としてメダルが用いられる。遊技者によりメダルの投入操作が行われた後にスタートレバーが操作されることで、リールの回転が開始され、遊技者によるストップボタンの操作に基づき、リールの回転が停止される。そして、リールが停止された場合において、スロットマシン前方から視認可能な所定の有効位置に、特典の付与に対応した図柄や図柄の組合せが成立している場合に、有利な特典が遊技者に付与される。
また、パチンコ機やスロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いながら、スロットマシンと同様の遊技が行われる遊技機(以下、融合型遊技機ともいう)も知られている。
ここで、上記のような遊技機においては、使用される遊技媒体の管理が適切に行われることが好ましい。
例えば、スロットマシン及び上記融合型遊技機であれば、一般的に遊技ホールにおいて貸し出された遊技媒体を用いて遊技が行われることとなるが、当該遊技ホールにおいて貸し出されていない遊技媒体を用いて遊技を行う不正行為が想定される。
また、例えば、パチンコ機であれば、遊技ホールにおいて用いられている遊技球よりも小さい遊技球を用いて遊技を行う不正行為が想定される。この場合、当該非正規の遊技球は、正規の遊技球よりも小さいことに起因して入球口への入球が発生し易くなってしまい、遊技ホールに不利益を与えてしまうことになってしまう。
また、一のパチンコ機において遊技球が循環して使用される所謂封入式のパチンコ機では、上記のような非正規の遊技球は当該パチンコ機において循環し続けることとなるため、遊技領域に向けて発射される頻度も高くなると想定される。そうすると、遊技ホールが被る不利益は多大なものとなってしまう。さらに、当該封入式のパチンコ機の場合、パチンコ機内において循環している遊技球数が極端に減ってしまうと、正常な遊技の続行が不可能となってしまう。
<特徴B群>
特徴B1.遊技媒体を使用して遊技が行われる遊技機において、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア464b)に記憶された遊技媒体数の情報分の遊技媒体を遊技にて使用可能な構成であって、当該可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報は更新手段(払出側MPU462における返却管理処理を実行する機能、第3の実施形態においては操作ユニット441、第4の実施形態においては操作パネル部491)により更新される構成であり、
前記更新手段は、
前記遊技とは異なる目的で減算させるべき遊技媒体数を特定する減算数特定手段(第3の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS2103の処理及びステップS2108の処理を実行する機能、並びに一部返却球情報記憶エリア464c、第4の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS3002の処理を実行する機能、第5の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS3107の処理を実行する機能)と、
当該減算数特定手段により特定された遊技媒体数分、使用可能な遊技媒体数から減算されるように前記可能数記憶手段の情報を更新し、且つ当該更新に際して前記可能数記憶手段に記憶されている使用可能数よりも少ない数分の減算を可能とする減算実行手段(第3の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS2114の処理を実行する機能、第4の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS3005の処理を実行する機能、第5の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS3109の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、使用可能な遊技媒体数の情報が可能数記憶手段に記憶される構成であるため、実際の遊技媒体を当該遊技媒体数の情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技媒体の総数を抑えることが可能となる。
また、可能数記憶手段に記憶されている使用可能な遊技媒体数の情報を、遊技ホールにおける商品の交換といったように遊技以外のために使用する場合において、その使用目的に応じた数分だけを使用することが可能となる。これにより、上記のように実際の遊技媒体を遊技媒体数の情報として代用した場合において、当該遊技媒体数の情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能となる。
以上より、遊技ホールにおける遊技媒体の総数を好適に抑えることが可能となる。
特徴B2.遊技媒体を貯留する貯留部(循環貯留用タンク231)と、
当該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
前記遊技領域から排出された遊技媒体を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(回収通路部232、搬送装置233)と、
を備え、
前記貯留部に貯留された遊技媒体を含めて当該遊技機において循環する遊技媒体に遊技者が触れることが抑制された構成であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技媒体は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技媒体数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技媒体の総数を抑えることが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技機にて循環する遊技媒体を遊技者が取り出すことができないため、遊技媒体をドリンクなどの商品と交換するという遊技ホールにおける従来からのやり取りをすることができなくなってしまう。これに対して、上記特徴B1の構成を備え、遊技媒体数の情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能であるため、遊技機にて遊技媒体を循環させるようにした構成であっても、上記遊技ホールにおける従来からのやり取りが可能となる。
特徴B3.前記更新手段は、前記可能数記憶手段に記憶された遊技媒体数の情報が遊技の実行により減算される状況では、前記減算実行手段による減算を抑制する抑制手段(払出側MPU462におけるステップS2001の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、可能数記憶手段に記憶された遊技媒体数の情報が、遊技の実行のために減算される状況と、商品の交換などのために減算される状況とが重複してしまうことが防止される。これにより、可能数記憶手段の情報の更新処理が複雑化してしまうことが抑制される。また、かかる複雑化の抑制に際して、遊技媒体数の情報の遊技における使用が優先されるため、遊技の進行を優先させることが可能となる。
なお、当該特徴B3の構成をパチンコ機に適用した場合の具体的な構成として以下の構成が考えられる。
遊技者により操作される発射操作手段(発射操作装置336)と、
当該発射操作手段が操作されたことに基づいて、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
を備え、
前記抑制手段は、前記発射操作手段が操作されていることを少なくとも一の条件として、前記減算実行手段による減算を抑制するものである構成。
特徴B4.前記更新手段は、前記減算数特定手段により特定された遊技媒体数の情報を出力する情報出力手段(第3の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS2112の処理を実行する機能、及び管理ユニット431、第4の実施形態においては払出側MPU462におけるステップS3004の処理を実行する機能、及び管理ユニット431)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、減算対象となる遊技媒体数の情報が出力されるため、当該遊技媒体数の情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能となる。
なお、当該特徴B4の具体的な構成として以下の構成が考えられる。
前記更新手段は、前記減算数特定手段により特定された遊技媒体数の情報が書き込まれた記憶媒体を排出する媒体排出手段(払出側MPU462におけるステップS2112の処理を実行する機能、管理ユニット431)を備えている構成。
特徴B5.前記更新手段は、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報の全てを排出すべきことを特定した場合に、当該可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を消去する消去手段(払出側MPU462におけるステップS2012の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技者は遊技を終了する場合には可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を全て排出させ、遊技ホールにおいて商品を交換する場合には可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報の一部を排出させることができる。
特徴B6.前記更新手段は、遊技者により操作可能に設けられ、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数よりも少ない数分の減算の指示を可能とする減算操作手段(第3の実施形態における増加指示ボタン444、減少指示ボタン445及び決定ボタン446、第4の実施形態における指定操作領域494a〜494d)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を利用して商品と交換する場合には遊技者は減算操作手段を操作すればよいため、かかる交換に際しての遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
特徴B7.前記減算操作手段は、指示する減算数を設定可能な設定操作手段(増加指示ボタン444、減少指示ボタン445)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、設定操作手段を操作することで商品と交換するために使用する遊技媒体数を決定することが可能なため、交換対象となる商品の種類毎に操作手段を設ける必要がない。したがって、操作手段の数を減らすことが可能となる。
特徴B8.前記減算操作手段は、指示する減算数が予め定められ且つその減算数が相互に相違する複数の数対応操作手段(指定操作領域494a〜494d)を備えていることを特徴とする特徴B6又はB7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、遊技者は交換したい商品に対応した操作手段を操作すればよいため、遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
特徴B9.前記更新手段は、遊技者により操作可能に設けられ、前記可能数記憶手段に記憶されている全遊技媒体数分の減算の指示を可能とする全減算操作手段(第3の実施形態における全返却ボタン443、第4の実施形態における全返却操作領域496)を備えていることを特徴とする特徴B6乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、遊技を終了する場合と、商品との交換をする場合とで、遊技者はそれぞれに対応した操作手段を操作すればよいため、遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
特徴B10.前記更新手段は、遊技ホール側から減算すべき遊技媒体数の情報を受信する受信手段(受信部501)を備え、
前記減算数特定手段は、前記受信手段にて受信した情報により、減算させるべき遊技媒体数を特定するものであることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、商品との交換に際しての遊技媒体数の減算を、遊技ホール側における操作を少なくとも一の条件として行うことが可能となる。
特徴B11.前記減算実行手段は、前記受信手段にて前記減算すべき遊技媒体数の情報を受信した場合においてその受信した情報に対応した遊技媒体数の減算を、遊技者が行うことが可能な操作が行われていることを条件として行うものであることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、遊技者の意思に反して遊技媒体数の情報が減算されてしまうことを阻止することが可能となる。
なお、当該特徴B11の具体的な構成として以下の構成が考えられる。
前記更新手段は、前記受信手段にて前記減算すべき遊技媒体数の情報を受信した場合において前記減算実行手段により減算が実行されることを許可すべく操作される許可操作手段を備え、
前記遊技者が行うことが可能な操作に、前記許可操作手段の操作が含まれている構成。
なお、上記特徴B群の発明は、以下の課題を解決可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、所定の遊技媒体を利用して遊技が行われる。
例えば、パチンコ機であれば、遊技媒体として遊技球が用いられる。当該遊技球は、遊技者の発射操作に基づき、遊技球発射機構により遊技領域に向けて発射される。そして、遊技領域に設けられた入球部に、その発射された遊技球が入球することにより、有利な特典が遊技者に付与される。
また、例えば、スロットマシンであれば、遊技媒体としてメダルが用いられる。遊技者によりメダルの投入操作が行われた後にスタートレバーが操作されることで、リールの回転が開始され、遊技者によるストップボタンの操作に基づき、リールの回転が停止される。そして、リールが停止された場合において、スロットマシン前方から視認可能な所定の有効位置に、特典の付与に対応した図柄や図柄の組合せが成立している場合に、有利な特典が遊技者に付与される。
また、パチンコ機やスロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いながら、スロットマシンと同様の遊技が行われる遊技機(以下、融合型遊技機ともいう)も知られている。
ここで、上記のような遊技機においては、使用される遊技媒体の管理が適切に行われることが好ましい。
<特徴C群>
特徴C1.遊技球を貯留する貯留部(循環貯留用タンク231)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア464b)に記憶された遊技球数の情報の範囲内で、前記発射手段による遊技球の発射を可能とする発射制御手段(払出側MPU462における遊技球使用の管理処理を実行する機能、発射制御装置365)と、
前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(回収通路部232、搬送装置233)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(第1作動口54、第2作動口55)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(特電入賞装置53)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU452におけるステップS1301の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報が当選対応情報であるか否かを判定する判定手段(主側MPU452におけるステップS1307の処理を実行する機能)と、
絵柄の変動表示が行われる表示部を有する表示手段(特図表示部62a)と、
前記情報取得手段により前記特別情報が取得されたことに基づいて前記絵柄の変動表示を開始させ、当該絵柄の変動表示を終了させる場合に、当該特別情報に対する前記判定手段の判定結果に対応した結果表示が行われるようにする表示制御手段(主側MPU452におけるステップS1307〜ステップS1309の処理を実行する機能)と、
前記判定手段にて前記当選対応情報であると判定され当該判定に対応した前記結果表示が行われた場合に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU452におけるステップS1310〜ステップS1313の処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU452におけるステップS1012の処理を実行する機能、払出側MPU462におけるステップS1613及びステップS1614の処理を実行する機能)と、を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入することが抑制された構成であり、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報についての前記結果表示が行われるタイミングよりも前のタイミングにて、特別報知が実行されるようにする特別報知制御手段(主側MPU452におけるステップS2904の処理を実行する機能、音声発光制御装置91、表示制御装置96)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技球は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技球数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、可能数記憶手段に記憶されている遊技球数が少ない状況で特定遊技状態への移行が突然発生した場合、使用可能な遊技球が足りなくて遊技者に不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、当該特定遊技状態への移行契機となる結果表示がなされる前に特別報知が実行される。これにより、遊技者は、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに事前に補充しておくことが可能となる。よって、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。
特徴C2.前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留格納エリア454b)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記判定手段による判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が当該判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主側MPU452における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知制御手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報についての前記絵柄の変動表示回が開始されるよりも前のタイミングにて、前記特別報知が実行されるようにし得るものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、特別報知を早期に実行することが可能となり、遊技者にとっては、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに余裕を持って補充しておくことが可能となる。
特徴C3.前記判定手段の判定結果として、前記当選対応情報であった場合よりも前記可変入球手段への遊技球の入球期待度が低い態様で当該可変入球手段の開閉制御が実行される所定遊技状態に遊技状態を移行させる所定対応結果(明示高確大当たり結果)が含まれており、
前記特別報知制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記所定対応結果に対応した情報である場合、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報に関係なく、前記特別報知が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特別報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴C4.現金が投入された場合に現金対応情報が記憶されることとなる投入情報記憶手段(度数情報記憶エリア464a)に当該現金対応情報が記憶されている状況で所定の条件が成立した場合に、当該現金対応情報が前記遊技球数の情報に変換されて前記可能数記憶手段に記憶される構成であり、
前記特別報知制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合であっても、前記投入情報記憶手段に前記現金対応情報が記憶されている場合には、前記特別報知が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
現金対応情報が記憶されている場合には使用可能な遊技球数の情報への変換を早期に行うことが可能であるため、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報が少なかったとしても、特定遊技状態に突然移行した場合に遊技者が被る不利益は低い。このような事情において、特徴C4によれば、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報に関係なく特別報知の実行が制限される。これにより、特別報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴C5.遊技球を貯留する貯留部(循環貯留用タンク231)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア464b)に記憶された遊技球数の情報の範囲内で、前記発射手段による遊技球の発射を可能とする発射制御手段(払出側MPU462における遊技球使用の管理処理を実行する機能、発射制御装置365)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(第1作動口54、第2作動口55)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(特電入賞装置53)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU452におけるステップS1301の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報が当選対応情報であるか否かを判定する判定手段(主側MPU452におけるステップS1307の処理を実行する機能)と、
絵柄の変動表示が行われる表示部を有する表示手段(特図表示部62a)と、
前記情報取得手段により前記特別情報が取得されたことに基づいて前記絵柄の変動表示を開始させ、当該絵柄の変動表示を終了させる場合に、当該特別情報に対する前記判定手段の判定結果に対応した結果表示が行われるようにする表示制御手段(主側MPU452におけるステップS1307〜ステップS1309の処理を実行する機能)と、
前記判定手段にて前記当選対応情報であると判定され当該判定に対応した前記結果表示が行われた場合に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU452におけるステップS1310〜ステップS1313の処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU452におけるステップS1012の処理を実行する機能、払出側MPU462におけるステップS1613及びステップS1614の処理を実行する機能)と、を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入することが抑制された構成であり、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報についての前記結果表示が行われるタイミングよりも前のタイミングにて、特別報知が実行されるようにする特別報知制御手段(主側MPU452におけるステップS2904の処理を実行する機能、音声発光制御装置91、表示制御装置96)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、非正規の遊技球が使用される可能性が低減され、使用される遊技球の管理を適切に行うことが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、可能数記憶手段に記憶されている遊技球数が少ない状況で特定遊技状態への移行が突然発生した場合、使用可能な遊技球が足りなくて遊技者に不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、当該特定遊技状態への移行契機となる結果表示がなされる前に特別報知が実行される。これにより、遊技者は、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに事前に補充しておくことが可能となる。よって、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技球を貯留する貯留部(循環貯留用タンク231)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(回収通路部232、搬送装置233)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段(一般入賞口52)と、
を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入すること及び当該貯留部から遊技球を取り出すことが抑制された構成であり、
さらに、可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア464b)に記憶された遊技球数の情報分の遊技球を前記発射手段により発射可能な構成であって、
当該可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報は、更新手段(払出側MPU462における遊技球管理処理及び返却管理処理を実行する機能、操作ユニット441)により、前記発射手段により発射された場合に遊技球数が減算されるように更新され且つ前記入球手段に遊技球が入球した場合にそれに応じた数分、遊技球数が加算されるように更新される構成であり、
前記更新手段は、
遊技者により情報出力操作が行われた場合に、前記可能数記憶手段に記憶されている全遊技球数の情報を出力する情報出力手段(払出側MPU462におけるステップS2011の処理を実行する機能)と、
当該情報出力手段による情報出力が行われた場合に、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を消去する消去手段(払出側MPU462におけるステップS2012の処理を実行する機能)と、
予め定められた所定状況である場合、前記情報出力操作が行われたとしても、前記情報出力手段による情報出力を禁止する出力禁止手段(払出側MPU462におけるステップS2001、ステップS2003、ステップS2004の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、使用可能な遊技球数の情報が可能数記憶手段に記憶される構成であるため、実際の遊技球を当該遊技球数の情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。また、遊技球は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技球数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。
当該構成において、所定条件が成立している場合には、情報出力操作が行われたとしても、情報出力手段による情報出力が禁止される。これにより、全遊技球数の情報が出力されると遊技者に不利益を及ぼしかねない場合や、当該情報出力が複雑なものとなってしまう場合には、遊技者による情報出力操作を無効化することが可能となる。
特徴D2.前記所定状況は、遊技者により発射操作が行われている状況を含むことを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、遊技球が発射されている状況において全遊技球数の情報が出力されることが防止される。これにより、遊技球の発射に伴う遊技球数の情報の更新と、全遊技球数の情報の出力とが重複して発生してしまうことが確実に防止され、遊技球数の情報を好適に管理することが可能となる。
特徴D3.前記所定状況は、前記入球手段に遊技球が入球した後であって当該入球に対応した遊技球数の情報が前記可能数記憶手段の情報に反映されていない状況を含むことを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
全遊技球数の情報が出力された直後に、新たに遊技球数の情報が加算されてしまうと、遊技者は情報出力操作を再度実行する必要が生じ、煩雑なものとなってしまう。特に、記憶媒体が排出される構成においては、記憶媒体の排出を繰り返し行う必要が生じてしまう。これに対して、特徴D3によれば、当該事象の発生を抑制することが可能となる。
特徴D4.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(第1作動口54、第2作動口55)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(特電入賞装置53)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU452におけるステップS1301の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報が当選対応情報であるか否かを判定する判定手段(主側MPU452におけるステップS1307の処理を実行する機能)と、
当該判定手段にて前記当選対応情報であると判定された場合に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU452におけるステップS1310〜ステップS1313の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記更新手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球した場合にそれに応じた数分、遊技球数が加算されるように前記可能数記憶手段の情報を更新する構成であり、
前記所定状況は、遊技状態が前記特定遊技状態である状況を含むことを特徴とする特徴D1乃至Dのいずれか1に記載の遊技機。
特定遊技状態において全遊技球数の情報が出力されてしまうと、特定遊技状態中であるにも関わらず遊技球を発射することができないという事態が生じ得る。これに対して、特徴D4によれば、当該事象の発生を抑制することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技球を貯留する貯留部(循環貯留用タンク231)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(発射ソレノイド214)と、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア464b)に記憶された遊技球数の情報の範囲内で、前記発射手段による遊技球の発射を可能とする発射制御手段(払出側MPU462における遊技球使用の管理処理を実行する機能、発射制御装置365)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(第1作動口54、第2作動口55)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(特電入賞装置53)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU452におけるステップS1301の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報に対して判定処理を実行する判定手段(主側MPU452におけるステップS1307の処理を実行する機能)と、
演出が実行されるように演出実行手段(図柄表示装置61)を制御する演出制御手段(音声発光制御装置91、表示制御装置96)と、
前記判定手段の判定結果が特定判定結果(低確大当たり結果又は最有利大当たり結果)となった後に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態(高頻度入賞モードの開閉実行モード)に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU452におけるステップS1310〜ステップS1313の処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU452におけるステップS1012の処理を実行する機能、払出側MPU462におけるステップS1613及びステップS1614の処理を実行する機能)と、を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入することが抑制された構成であり、
前記演出制御手段は、
前記特別情報の内容を踏まえて行われる演出抽選により実行が決定された演出が、前記演出実行手段にて実行されるようにする実行制御手段(音声発光制御装置91におけるステップS3301〜ステップS3309の処理を実行する機能、表示制御装置96)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報を契機とした前記特定遊技状態への移行が行われるよりも前のタイミングにて、前記演出抽選の抽選対象に含まれる演出が当該演出抽選の結果と関係なく実行されるようにする、又は前記演出抽選の結果に対応した演出とは異なる演出であって当該演出抽選の抽選対象に含まれる演出が実行されるようにする特定制御手段(音声発光制御装置91における演出内容の変更処理を実行する機能、表示制御装置96)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、非正規の遊技球が使用される可能性が低減され、使用される遊技球の管理を適切に行うことが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、可能数記憶手段に記憶されている遊技球数が少ない状況で特定遊技状態への移行が突然発生した場合、使用可能な遊技球が足りなくて遊技者に不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、特定遊技状態への移行が行われる前に、所定の演出が強制的に実行される。これにより、遊技者に対して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となり、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。
さらにまた、上記のように使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促す方法として、演出抽選の抽選対象に含まれる演出が利用される。これにより、遊技機において必要なデータ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となり、遊技者に違和感を与えてしまう可能性を低減しながら、上記のような効果を奏することが可能となる。
特徴E2.前記実行制御手段は、前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合、当該特別情報を契機とした前記特定遊技状態への移行が行われるよりも前のタイミングで、特定態様の演出(第1演出又はプレミアム演出)が所定の確率で前記演出実行手段にて実行されるようにするものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報を契機とした前記特定遊技状態への移行が行われるよりも前のタイミングにて、前記特定態様の演出が前記演出実行手段にて実行されるようにするものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、特定遊技状態への移行が行われる前に特定態様の演出が実行される。そして、当該特定態様の演出は、特定遊技状態への移行が行われることとなる場合において所定の確率で実行される演出である。これにより、遊技者に対して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となる。よって、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。さらにまた、上記のように使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促す方法として、特定態様の演出が利用される。これにより、遊技機において必要なデータ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となり、遊技者に違和感を与えてしまう可能性を低減しながら、上記のような効果を奏することが可能となる。
なお、「所定の確率」は、0%よりも大きい確率であって、100%よりも小さい確率である。
特徴E3.前記特定態様の演出は、その後に前記特定遊技状態への移行が行われることを示す演出である、又はその後に前記特定遊技状態への移行が行われる期待度が高いことを示す演出であることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、特定態様の演出として、その後に特定遊技状態への移行が行われることを示す演出、又はその後に特定遊技状態への移行が行われる期待度が高いことを示す演出が実行されるため、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を通常の演出を利用して行う構成において、当該補充の必要性を遊技者に認識させ易くなる。
特徴E4.前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留格納エリア454b)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記判定手段による判定の対象となった場合の判定結果に対応した情報を、当該所定の特別情報が当該判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主側MPU452における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記実行制御手段は、前記先特定手段の特定結果の内容を踏まえた前記演出抽選により実行が決定された特別報知演出が、前記所定の特別情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記演出実行手段にて実行されるようにするものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにて、前記特別報知演出が前記演出抽選の結果と関係のない態様で実行されるようにするものであることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報に対応した特別報知演出が、当該特別情報が判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には判定手段による判定の対象となる順番が後の特別情報について、当該判定の対象となった場合の結果を特別報知演出の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。
この場合に、特別報知演出を利用して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知が行われる。これにより、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を早期に実行することが可能となり、遊技者にとっては、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに余裕を持って補充しておくことが可能となる。
特徴E5.前記演出実行手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報であって前記判定手段による判定対象となっていない特別情報の数と対応する数の個別表示を行うことで当該特別情報の数を報知可能であり、
前記実行制御手段は、前記個別表示のうち、前記特別報知演出の実行の契機として設定されている特別情報に対応した個別表示の態様を前記演出抽選の結果を踏まえて調整することで、前記特別報知演出を実行させるものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにて、当該特別情報に対応した個別表示の態様を前記演出抽選の結果と関係のない態様とするものであることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、個別表示を利用して特別報知演出が実行される構成において、特定判定結果に対応した特別情報についての個別表示の態様を調整することで、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知が行われる。これにより、使用可能な遊技球数の情報の補充をいつまでに行えばよいかが遊技者にとって明確となり、当該補充作業を良好に行うことが可能となる。
特徴E6.前記演出制御手段は、前記特別情報が前記情報取得手段により新たに取得された場合に前記個別表示の数を増加させ、前記特別情報が前記判定手段による判定の対象となった場合に前記個別表示の数を減少させる調整手段(音声発光制御装置91におけるステップS3312の処理を実行する機能、表示制御装置96)を備え、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合、前記個別表示の数を変更させるタイミングでなくても、当該特別情報に対応した個別表示の態様を変更するものであることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を行う必要がある場合には、個別表示の数を変更させるタイミングと無関係に、個別表示の態様が変更される。この場合、その態様の変化に遊技者が意外性を感じることが期待され、当該特定態様への注目度を高めることが可能となる。
特徴E7.前記実行制御手段は、前記演出実行手段にて遊技回演出を開始させた後に、前記判定手段の判定結果に対応した態様で当該遊技回演出を終了させるものであって、当該遊技回演出の態様を当該判定手段の判定結果の内容を踏まえた前記演出抽選により決定するものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合、当該特別情報を契機とした前記遊技回演出中に、前記演出抽選の抽選対象に含まれる演出を、当該演出抽選の結果と関係なく実行されるようにするものであることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、遊技回演出を利用して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を行うことが可能となる。また、特定判定結果に対応した特別情報についての遊技回においてのみ、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を行うようにすることで、当該報知を行うことによる演出上の制約を低減することが可能となる。
特徴E8.前記判定手段の判定結果として、前記特定判定結果である場合よりも前記可変入球手段への遊技球の入球期待度が低い態様で当該可変入球手段の開閉制御が実行される所定遊技状態(低頻度入賞モードの開閉実行モード)に遊技状態が移行することとなる所定判定結果(明示高確大当たり結果)が含まれており、
前記特定制御手段による演出の実行制御は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記所定判定結果に対応していたとしても実行されないことを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E8によれば、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、当該報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴E9.現金が投入された場合に現金対応情報が記憶されることとなる投入情報記憶手段(度数情報記憶エリア464a)に当該現金対応情報が記憶されている状況で所定の条件が成立した場合に、当該現金対応情報が前記遊技球数の情報に変換されて前記可能数記憶手段に記憶される構成であり、
前記特定制御手段による演出の実行制御は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合であっても、前記投入情報記憶手段に前記現金対応情報が記憶されている場合には実行されないことを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
現金対応情報が記憶されている場合には使用可能な遊技球数の情報への変換を早期に行うことが可能であるため、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報が少なかったとしても、特定遊技状態に突然移行した場合に遊技者が被る不利益は低い。このような事情において、特徴E9によれば、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報に関係なく、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知の実行が制限される。これにより、当該報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、当該報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴E10.前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(回収通路部232、搬送装置233)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E10によれば、遊技球が遊技機内にて循環する構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴C群、上記特徴D群及び上記特徴E群の発明は、以下の課題を解決可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機が知られている。当該パチンコ機では、遊技媒体として遊技球が用いられる。当該遊技球は、遊技者の発射操作に基づき、遊技球発射機構により遊技領域に向けて発射される。そして、遊技領域に設けられた入球部に、その発射された遊技球が入球することにより、有利な特典が遊技者に付与される。
ここで、上記のような遊技機においては、使用される遊技媒体の管理が適切に行われることが好ましい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、13…本体枠、14…前扉枠、33…上皿、37…発射操作装置、46…発射レール、47…球供給装置、48…発射ソレノイド、51…遊技盤、51a…内レール部、51b…外レール部、52…一般入賞口、53…特電入賞装置、54…第1作動口、55…第2作動口、124…払出装置、131…球送り装置、141…取込排出通路部、142…球送り検知センサ、151…回収通路形成体、152…供給用通路部、154…ファール球回収部、155…搬送装置、161…払出制御装置、176…発射制御回路、PA…遊技領域。

Claims (1)

  1. 遊技領域に向けて発射球を発射する発射手段と、
    前記遊技領域を流下する発射球が入球可能である入球部と、
    当該入球部に発射球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    球を貯留する球貯留部と、
    当該球貯留部に貯留された球を取り込む取込手段と、
    当該取込手段により球が取り込まれた場合に、前記発射手段による発射球の発射が可能となる可能状態にする発射制御手段と、
    を備え、
    当該発射制御手段により前記可能状態とされて前記発射手段により発射球が発射される場合、当該可能状態の契機となった球とは異なる発射球が発射されることを特徴とする遊技機。
JP2017193150A 2013-02-14 2017-10-03 遊技機 Pending JP2017221849A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013026257 2013-02-14
JP2013026257 2013-02-14

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013040360A Division JP2014176399A (ja) 2013-02-14 2013-03-01 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017221849A true JP2017221849A (ja) 2017-12-21

Family

ID=51697082

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013040360A Pending JP2014176399A (ja) 2013-02-14 2013-03-01 遊技機
JP2017193150A Pending JP2017221849A (ja) 2013-02-14 2017-10-03 遊技機

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013040360A Pending JP2014176399A (ja) 2013-02-14 2013-03-01 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2014176399A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7539208B2 (ja) 2015-03-31 2024-08-23 株式会社三洋物産 遊技機

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6802486B2 (ja) * 2017-04-28 2020-12-16 サミー株式会社 弾球遊技機

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000079259A (ja) * 1997-10-31 2000-03-21 Aruze Corp 弾球遊技機
JP2005177023A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Kyoraku Sangyo 弾球遊技機

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5987881U (ja) * 1982-12-02 1984-06-14 株式会社ソフィア パチンコ機
JP2993171B2 (ja) * 1991-03-28 1999-12-20 株式会社竹屋 パチンコ機の打球発射装置
JPH04322674A (ja) * 1991-04-19 1992-11-12 Futaba Kogyo:Kk 内玉を打球するパチンコ遊技機
JP4943227B2 (ja) * 2007-05-18 2012-05-30 株式会社ソフイア 封入球式遊技機
JP5758679B2 (ja) * 2011-04-11 2015-08-05 株式会社三共 遊技機および遊技用システム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000079259A (ja) * 1997-10-31 2000-03-21 Aruze Corp 弾球遊技機
JP2005177023A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Kyoraku Sangyo 弾球遊技機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7539208B2 (ja) 2015-03-31 2024-08-23 株式会社三洋物産 遊技機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014176399A (ja) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6229257B2 (ja) 遊技機
JP2014087427A (ja) 遊技機
JP2020018898A (ja) 遊技機
JP2013176545A (ja) 遊技機
JP6436611B2 (ja) 遊技機
JP6015026B2 (ja) 遊技機
JP2017221849A (ja) 遊技機
JP5857529B2 (ja) 遊技機
JP2018030023A (ja) 遊技機
JP2016214963A (ja) 遊技機
JP6123227B2 (ja) 遊技機
JP6136194B2 (ja) 遊技機
JP5857530B2 (ja) 遊技機
JP6135176B2 (ja) 遊技機
JP5983459B2 (ja) 遊技機
JP6273668B2 (ja) 遊技機
JP6296415B2 (ja) 遊技機
JP2016214964A (ja) 遊技機
JP6251950B2 (ja) 遊技機
JP2016185446A (ja) 遊技機
JP2016104153A (ja) 遊技機
JP2016083415A (ja) 遊技機
JP2023107880A (ja) 遊技機
JP2014161583A (ja) 遊技機及び遊技システム
JP2022028943A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180717

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190205