JP6177513B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6177513B2
JP6177513B2 JP2012215451A JP2012215451A JP6177513B2 JP 6177513 B2 JP6177513 B2 JP 6177513B2 JP 2012215451 A JP2012215451 A JP 2012215451A JP 2012215451 A JP2012215451 A JP 2012215451A JP 6177513 B2 JP6177513 B2 JP 6177513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
phase
plasma processing
wavelengths
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012215451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014072264A (ja
JP2014072264A5 (ja
Inventor
真人 戸上
真人 戸上
臼井 建人
建人 臼井
侯然 廣田
侯然 廣田
智己 井上
智己 井上
茂 中元
茂 中元
和博 城尾
和博 城尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2012215451A priority Critical patent/JP6177513B2/ja
Publication of JP2014072264A publication Critical patent/JP2014072264A/ja
Publication of JP2014072264A5 publication Critical patent/JP2014072264A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6177513B2 publication Critical patent/JP6177513B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、半導体集積回路の製造等における被処理材のエッチング量を発光分光法により検出する膜厚とエッチング深さ測定方法及び発光スペクトルの変化検出により被処理材のエッチング終点検出法とそれを用いた被処理材の処理方法に関し、特に、プラズマ放電を用いたエッチング処理により基板上に設けられる各種層のエッチング量を正確に測定し所望の膜厚とエッチング深さとするのに適した被処理材の深さと膜厚測定方法および装置とそれを用いた被処理材の処理方法および装置に関する。
半導体デバイスの製造では、半導体ウエハの表面上に形成された様々な材料の層および特に誘電材料の層の除去またはパターンの形成にドライエッチングが広く使用されている。このような半導体デバイスを形成するエッチング処理においては、上記の膜層の加工中に所望の膜厚およびエッチング深さでエッチングを停止するためのエッチング終点を正確に決定することが処理の条件を適切に調節して所望のパターンの形状を得る上で重要となる。
このような半導体ウエハのドライエッチングは、真空容器内部の処理室内に半導体ウエハを配置し当該処理室内に供給した処理用の反応性を有したガスに電界または磁界を供給して励起してプラズマを形成し、これを用いて半導体上はを処理することが一般的に行われている。このような処理中においては、処理室内のプラズマの光等の発光に含まれる特定の波長の発光の強度は、処理対象の特定の膜または処理が進行している任意の膜のエッチングの進行に伴って変化する。
そこで、エッチング処理の終点を精度良く検出する技術の1つとして、従来から、エッチング処理中に処理室からの発光に含まれる特定の波長の強度の変化を検出し、この結果に基づいて処理の終点を検出するものが知られている。但し、上記の発光には通常、処理に大きな相関を有する反応により生じる特定の波長の発光以外にも相関の相対的に小さな波長の発光も含まれており、終点の判定の際にはこのような所謂ノイズにより生じた検出対象の波長の波形の変動に起因した誤検出を低減する必要がある。
このようなノイズに対応して発光の強度の変化を精度良く検出するための技術としては、従来より、移動平均法による検出方法、1次の最小2乗法による近似処理によりノイズの低減を行うもの等が知られている。また、特許文献1に記載されるように、エッチング中の任意の時刻で測定される干渉波形のパターンと予め得られた基準となるパターンとのパターンマッチングを行って基準のパターンに対応するエッチング量を任意の時刻のエッチング量として算出するものであって、パターンマッチングの結果得られた標準偏差値が所定の閾値よりも大きい場合にはその任意の時刻のエッチング量を基準となるパターンからは検出することはせずに、当該任意の時刻より前の(過去の)時刻でのエッチング量を用いて算出するものが知られている。
特開2007−234666号公報
以上の公知の技術では、複数の波長の発光の間に突発的に発生した同相成分を含む雑音成分を各波長の信号から効果的に取り除くことが出来なかったため,発光を用いて検出するエッチング量の精度が損なわれてしまっていたという問題があった。
このため、エッチング処理における被処理膜層の残膜量やエッチング深さを正確に検出し、これらを所望の値になるように調節して所期の加工形状を精度良く実現することが出来ないという問題について十分に考慮されていなかった。
本発明の目的は、被処理層の残膜量やエッチング深さ等のエッチング量を同相成分が発生しても高い精度で検出できるプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的は、真空容器内に配置された処理室内に配置された試料を処理室内に形成したプラズマを用いてエッチング処理するプラズマ処理装置であって、前記処理室内からの複数の波長のものを含む発光を受光する受光器と、この受光器からの出力に含まれる複数の波長の発光のデータについて雑音の成分及び同じ時刻に同じ方向に変動する同相の成分を除去する同相成分除去装置であって前記雑音の成分及び同相の成分を一つのカルマンフィルタを用いて除去する同相成分除去装置を備え、この同相成分除去装置からの出力を用いて前記発光の強度を検出した結果に基づいて前記エッチング処理の量を判定する判定器とを有したプラズマ処理装置、または真空容器内に配置された処理室内に試料を配置し、当該処理室内にプラズマを形成して、これを用いて当該試料をエッチング処理するプラズマ処理方法であって、前記処理室内からの複数の波長のものを含む発光を受光して得られた前記発光のデータからこれに含まれる雑音の成分及び前記複数の波長のものの間で同相的に発生する同相の成分を除去する工程であって前記雑音の成分及び同相の成分を一つのカルマンフィルタを用いて除去する工程と、当該雑音の成分または同相の成分が除去された前記発光のデータから前記発光の強度を検出した結果に基づいて前記エッチング処理の量を判定する工程とを備えたプラズマ処理方法により達成される。
本発明によれば、プラズマ処理の、特にプラズマエッチング処理において、同相成分が存在する時間帯であっても、同相成分が少ない波形をオンラインで生成することができ、被処理層の実際のエッチング量を正確に測定することのできる被処理材の残存膜厚またはエッチング深さ測定方法と、それを用いた被処理材の試料の処理方法を提供することができる。
また、半導体素子(半導体デバイス)の各層を所定のエッチング量になるように高精度に制御できるエッチングプロセスを提供することができる。さらに、被処理層の実際のエッチング量を正確に測定することのできる被処理材の残存膜厚測定装置またはエッチング深さ測定装置を提供することができる。
本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の同相成分除去装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置がエッチング量を判定する動作の流れを示すフローチャートである。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置においてプラズマ処理装置からの光の波形に含まれる3つの成分を模式的に示した図である。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置において観測される内部からの光の同相成分を含んだ各波長毎の波形の例を示すグラフである。 図4の波形を示す光に対して図1に示す実施例において同相成分及び熱雑音成分を除去した後の波形を示すグラフである。 本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す図である。
本発明者等は、上記の従来技術の問題点を解消するため、複数の波長の各々についてその干渉波形中、波長間で共起する雑音成分を除去し、所望の干渉波形を高精度に抽出することで、各波長間に同相的かつ突発的に発生する雑音成分(同相成分)が存在する時間帯においても、エッチング量の予測を高精度に行うことが可能となるという知見を得た。本発明はこの知見に基づいてなされたものであり、以下に説明する実施の形態では、各波長毎の同相成分の強度を、同相成分は同時に同じ方向に変動するという性質に有しているとして、推定する。
本実施の形態では、各波長毎の信号は同相成分の他、波長間で無相関かつ時間方向にも無相関な熱雑音成分及び各波長間で無相関だが時間方向に相関が大きいベースライン成分の3つの成分から成ると仮定して、各波長の波形中に含まれる同相成分の強度比と類似した強度比を持つ成分を同相成分とみなして除去する。更に、熱雑音成分が時間方向に無相関であるのに対して、ベースライン成分は時間方向に相関が強いことに着目し、時間方向に無相関な成分を熱雑音成分とみなして、除去する。そして最終的に残ったベースライン成分のみを出力するような構成を有する。
本実施の形態では、同相成分や熱雑音成分の除去量と、出力されるベースライン成分の歪み量はトレードオフの関係にある。同相成分と熱雑音成分の除去量を大きくすると、ベースライン成分の歪みが大きくなり、逆に同相成分と熱雑音成分の除去量を小さくすると、ベースライン成分の歪みが小さくなる。同相成分と熱雑音成分の除去量は、それぞれシステムパラメータとして制御することが可能な構成となっている。
以下に、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
以下、図1乃至図6を用いて本発明の実施例を説明する。本実施例は、半導体ウエハ等の被処理材をプラズマエッチングする際に、各波長毎の干渉縞、または参照波形に同相的に混入する雑音成分を、その同相性に着目して除去し、波形の長期的なトレンド成分(ベースライン)を抽出する。
通常、プラズマ処理装置内部からの発光の各波長の光の信号に含まれる同相成分は、時間波形上で台形波のように観測される。観測される発光の同相成分を含んだ各波長毎の信号の時間変化に伴う発光強度の変化(以下、時間波形と呼ぶ)の例を図4に示す。
本図上で「突発変動」として示した部分が、発光に含まれる各波長の光の強度を示す信号の間で同期して生じる同相性の突発変動成分である。このような台形波の部分を波長毎の時間波形の信号のみを処理することにより低減、抑圧することは難しいが、複数の波長の発光信号同士の間でこれらの差分を取ると同相性の突発変動成分は変動成分の立ち上がりと立下りの二つの時間にしか影響が表れないと考えることができる。
このことから、差分して得られた信号(これは時間波形上での単位サンプリング時間当たりの変化であるので時間変化率に相当する)において、変動成分の立ち上がりと立下りに相当する成分を除去して得られた信号を積分して通常の時間波形に戻すことで、突発変動成分を低減、あるいは取り除くことができると考えられる。つまり、複数波長の信号波形同士の間での差分の信号から同相成分を取り除く工夫が重要となる。
しかしながら、通常、元の発光信号には雑音のため含まれるため、差分した値にはも波長毎に無相関な雑音成分、例えば熱雑音成分が含まれると共に、被処理膜のエッチング処理の進行に起因して本来的に生じる各波長の発光の強度の時間的な推移(以下、ベースライン)の変化の成分も含まれる。エッチング処理の進行に伴って変化するエッチングの量(例えば、溝や孔の深さ、残りの膜厚さ等)を精度良く検出するためには、上記の複数の成分が含まれた発光の信号からベースラインの変化成分に相当する成分だけを精度良く抽出することが重要となる。
図1を用いて、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の同相成分除去装置100の構成を説明する。図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の同相成分除去装置の構成を模式的に示すブロック図である。このような同相成分除去装置100は、典型的には図6に示すプラズマ処理装置601に連結されて備えられる。
具体的には、プラズマ処理装置601は真空容器602の内部に配置された処理室内に処理用ガスを導入するとともに電界または磁界を処理室内に供給して処理用ガスを励起して形成したプラズマ603を用いて、処理室内に配置された試料台605上に載せられた半導体ウエハ等の被処理材604を処理する半導体処理装置である。真空容器602には処理室内のプラズマ603の発光を含む処理室内からの発光を検出してエッチング量を検出するためのエッチング量測定装置610が備えられている。
図6を用いて、本実施例に係るプラズマ処理装置の構成を説明する。図6は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す図である。特に、本実施例のプラズマ処理装置601は、エッチング量(マスク材の残存膜厚またはシリコンのエッチング深さ)測定装置を備えた半導体素子が形成される半導体ウエハのエッチング装置である。
プラズマ処理装置601は真空容器602を備えており、その内部には半導体ウエハ等の被処理材604が配置される処理室が配置されている。処理室内には図示を省略したガス導入手段からエッチング処理用のガスが導入されるとともに、図示しない真空ポンプとうの排気装置の駆動により処理室内は所定の真空度の圧力まで減圧された状態で、マイクロ波等の電界または磁界の発生手段からの電界または磁界が処理室内に供給されて、処理用ガスが励起されてプラズマ603が形成される。このプラズマ603により試料台605上の載置面に載せられて保持された半導体ウエハ等の被処理材604の表面に予め形成された処理対象の膜層がエッチングされる。
本実施例では、真空容器602にエッチング量(処理対象の膜或いは当該膜上方に配置されたフォトレジスト等のマスクの残り膜厚や、処理対象の膜に形成される溝や孔のエッチング深さ)測定装置610が連結されている。具体的には、円筒形状を有する真空容器602の上部あるいは円筒形の側壁に配置された窓または貫通孔の外側に配置された分光器611が真空容器602に接続され、分光器610の内部に配置された測定用光源(例えばハロゲン光源)から多波長の放射光が、光ファイバー608を介して窓または貫通孔を通り処理室内に導入される。
本実施例で、放射光は被処理材604の上方でこれに対向して配置された処理室の天井面を構成する部材に形成された貫通孔を通り被処理材604の上面に垂直に入射する。この放射光は被処理材604上面の膜層の構造の複数の境界で反射されて再度貫通孔を通して光ファイバー608を介して分光器611で検出される。膜層の異なる深さ方向の位置で反射されたこれらの放射光はそれらの強度が相互に干渉して深さ位置の距離に応じた強度を有する干渉光として分光器611に導かれて検出される

本実施例のエッチング量測定装置は、検出された干渉光の強度の信号を用いて被処理材604の処理対象の膜、例えばポリシリコン膜のエッチング深さやマスク材の残存膜厚さやエッチング処理の終点判定の処理を行う。分光器611からの信号を受信した同相成分除去装置100は、信号に含まれる処理室内からの発光の各波長の波形から複数の波長間で同相的に変化する成分を除去して、除去した後の波形の信号をエッチング量判定部612に送信する。
エッチング量判定部612では、受信した信号から雑音を除去した後の波形信号から、エッチング量を検出し終点の判定を行う。このようなエッチング量あるいは終点の判定の技術としては、例えば特許文献1などに示しているパターンマッチング法を用いることができる。エッチング量判定部612で検出された被処理材604のエッチング量はCRTや液晶のモニター等で構成された結果表示器613に送信されてこれにより表示される。
上記の通り、分光器611から出力された干渉縞や参照光を構成する各波長の発光の信号の時間波形は、同相成分除去装置100に伝送される。伝送は各サンプリング時刻での信号の波形が得られる毎に、または処理対象の膜が処理される間全体で検出された発光の信号の波形が得られた後に、同相成分除去機能により信号から同相成分が除去され、各波長毎の所望の時間波形が得られる。
図1において、分光器611から出力されて同相成分除去装置100に伝送された信号は、まず差分算出器101に送信され、ここで各波長毎の時間波形の差分が抽出され、各波長の時間波形が有する長期的なトレンド成分の影響が少ない時間波形が得られる。差分算出器101で検出された差分の値を示す信号は平均成分算出器102に送られて差分値の時間平均値が推定される。
次に、平均成分算出器102で推定された平均成分を示す信号は平均成分除去器103に送信され、平均成分除去器103において各波長毎の各時刻毎の差分値から差し引かれる。平均成分除去器103での信号の処理により、長期的なトレンド成分の影響がより一層軽減されることが期待できる。
平均成分が除去された後の時間波形を示す信号は相関行列更新器104に送新されて、ここで各波長の平均成分除去後の信号を要素として持つベクトルzt(tは時間インデックス)の転置ベクトルとの積が算出されてバッファリングされている相関行列に加算される。加算された相関行列は主成分分析器105に送信されて、主成分分析器105において主成分分析され、相関行列を構成する正規直交基底及び各基底の固有値が算出される。
主成分分析器105では主成分分析により算出された固有ベクトル中に同相成分に相当する基底が抽出され、この基底を示す信号値が基底行列構築器106に送信される。基底行列構築器106では、主成分分析で得られた同相成分に相当する基底ベクトルdとdの転置ベクトルとの積が算出される。算出された積(基底ベクトルと呼部)はカルマンフィルタ107に送信されて、カルマンフィルタ107の観測共分散行列に加算される。
カルマンフィルタ107では、加算後の観測共分散行列を使って差分算出101で抽出した各波長の差分値から、カルマンフィルタにより同相成分が除去される。同相成分が除去された後の各波長の差分値を示す信号は、積分処理器108に送信されて、各波長毎に時間に積算され、各波長毎の同相成分除去後の時間波形が復元される。
ここで、出力である各波長毎の同相成分除去後の時間波形は入力の各波長毎の時間波形に対応するものであり、理想的には同相成分が無い場合は入力と出力が一致するものとなる。また、同相成分が存在する場合に、入力信号から同相成分を除去した後の信号が出力信号として得られる。
次に、上記の各ブロック毎の処理の詳細について述べる。分光器611から出力された発光の各波長毎の時間波形の信号をyi,tとする。iは波長を表すインデックスであり、短波長から長波長まで規則的に並んでいても良いし、いくつかの波長をピックアップして再度インデックスを振り直したものであっても良い。tは時間インデックスとする。
分光器611からの信号を受信した差分算出器101では、yi,tから波長毎に差分値Δyi,tを算出する。算出の手順としては、例えばΔyi,t= yi,t- yi,t-1のように算出することが考えられる。ここで、最初のサンプル点においては、Δyi,t=0とする。
この差分は、同業者であれば良く知るところである1次回帰係数の傾きで代用しても良いし、同様に2次差分、2次回帰係数の傾きで代用しても良い。また、各時間毎の信号が1単位時間毎に得られるような場合は、差分算出についても1サンプルずつ行うような構成を取る。
全ての時間のサンプルが一度に得られる場合(オフライン処理)では、全ての時間の差分値をバッチ処理で求めるような構成を取っても良い。このように、サンプル毎にデータが得られる場合は、サンプル毎に処理を行い、一度にサンプルが得られる場合は処理も一度に行うような構成を、本発明の中のあらゆる処理で同様に取るものとする。
差分算出器101で算出され出力された差分を示す信号を受信した平均成分算出器102では、各波長毎の差分値Δyi,tの平均成分μi,tを、例えば移動平均形式で算出する。また、オフライン処理では、アンサンブル平均形式で求めても良い。
求めた平均成分μi,tから、平均成分除去器103では、平均成分を除去した後の時間波形zi,tをzi,t=Δyi,t-μi,tというように得ることができる。得られた平均除去差分値は、相関行列更新器104にて相関行列に変形される。ここで、zt=[z1,t,…,zN,t]^Tとする。ここで、Tは転置を表す演算子とする。Nは波長の数とする。
つまりztは、同じ時間の各波長の平均成分除去後の差分値をベクトル化したベクトルに相当する。相関行列更新器104では、まずztとztの転置として定義されるzt^Tとの積を算出し、N行N列の行列rtを得る。更に、得られたrtから、各時間毎の相関行列Rtを例えば、Rt=αR x (Rt-1) + (1-αR )x rtといったように求める。ここで、αRは、移動平均係数であり、0.99、0.9といった0以上1以下の値に設定する。効果は平均成分算出の際と同様である。主成分分析器105では、主成分分析を用いて、固有値と固有ベクトルを算出する。
主成分分析の結果得られる基底の中から、同相成分に相当する基底ベクトルを選択する必要がある。同相成分が、波長毎に同期して生じる成分であることから、同相成分の基底ベクトルは、[1,1,…1]や[-1,-1,…-1]といった同相性の方向ベクトルと高い相関を示すと考えられる。したがって、b=[1,1,…1]として、bと各基底ベクトルとの内積の絶対値に固有値を乗算したものをci=λi |b^T ai|とする。
対象とする基底ベクトルaiが同相性であるとすると、ciは|b^T ai|は1に近い値を取るはずである。また、複数の同相成分のうち、強度が大きい成分ほど抑圧が必要な成分であると考えられるが、強度の大きさは固有値に表われるため、固有値を乗算したciが、抑圧が必要な同相成分の選択に適していると考えられる。主成分分析ではciが最も大きくなるような基底ベクトルが選択され新たにベクトルdとされる。
基底行列構築器106では、基底ベクトルdとその転置で表されるd^Tの積dd^Tを算出し、これを基底行列Eとして出力する。基底行列に変形する理由は、後段のカルマンフィルタでは、通常観測雑音の共分散行列をパラメータとして入力して観測雑音を抑圧するような構成を取るが、E=dd^Tとして変形した同相成分の共分散行列を観測雑音の共分散行列に加えることで、各波長毎の同相成分を抑圧できることが期待できるからである。
カルマンフィルタ107では、予め定義する熱雑音の観測共分散行列F(対角項がσn^2となる対角行列)にEを定数倍して加算した行列G=F+σt^2Eを新たな観測共分散行列としてカルマンフィルタを実行する。カルマンフィルタ107は、カルマンフィルタ(R.E. Kalman, ``A new approach to linear filtering and prediction problems, '' Trans. ASME, J. Basic Eng., vol. 82 D, no. 1, pp. 34--45, 1960.)を用いて、各波長の時間変化成分の中から雑音成分を除去する。
観測共分散行列が同相成分の観測共分散行列と各波長で無相関な観測共分散行列の和となっており、カルマンフィルタ107により、各波長の中の同相成分と波長間で無相関な熱雑音成分の双方を除去可能であることが期待できる。カルマンフィルタ107で推定した状態系列中の各波長の雑音除去後の差分値をki,tとする。積分処理器108では、ki,tを積算したbi,t=bi,(t-1)+ki,tを算出し、各波長毎の同相成分除去後の時間波形として出力する。この積分処理器108の処理は、差分算出101で、差分を抽出して処理したことの逆変換に相当する。
図3は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置においてプラズマ処理装置からの光の波形に含まれる3つの成分を模式的に示した図である。図3では2つの波長の差分値を横軸、縦軸に設定してプロットしたものであり、その波長の差分値のイメージ図である。
通常、同相成分は各波長で異なる強度で影響を及ぼすため、図に示した通り強度比に応じた直線に沿った近傍の領域上に存在することになる。これに対して、波長間で無相関な熱雑音成分は、空間上にランダムに点在する。また、通常、ベースラインの変化は熱雑音や同相成分よりも小さいため、原点に近い位置にランダムに散らばる。
本発明では、まず同相成分がその近傍の領域内に存在している直線を、主成分分析により同定し、当該同定した直線上に近い成分を同相成分とみなして除去する。また、熱雑音とベースラインの変化の大きさをパラメータとして、その大きさの比率に応じて熱雑音成分を除去しベースライン成分を抽出する。本実施例では、熱雑音とベースラインの変化の大きさを示すパラメータは、プラズマ処理装置の作業者や運転者等ユーザーが入力する構成を備えている。
このような雑音除去は、ベースラインの時間変化が時間方向に関連性を持っており、時間遷移則を方程式で記述できることに着目し、時間遷移する変数の推定に適した雑音除去法であるカルマンフィルタ(R.E. Kalman, ``A new approach to linear filtering and prediction problems, '' Trans. ASME, J. Basic Eng., vol. 82 D, no. 1, pp. 34--45, 1960.)を用いてなすことができる。
本実施例のエッチング処理のフローチャートを図2に示す。図2は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置がエッチング量を判定する動作の流れを示すフローチャートである。
本実施例では、同相成分や熱雑音成分の除去量と、出力されるベースライン成分の歪み量はトレードオフの関係にある。同相成分と熱雑音成分の除去量を大きくすると、ベースライン成分の歪みが大きくなり、逆に同相成分と熱雑音成分の除去量を小さくすると、ベースライン成分の歪みが小さくする。
同相成分と熱雑音成分の除去量は、それぞれシステムパラメータとして制御することが可能な構成となっている。ここで、観測雑音偏差σn、状態遷移偏差σs,突発性雑音偏差σtは、各雑音成分をどの程度落とすかに大きく関連するパラメータであり、本実施例では、システムパラメータとして設定可能に構成されている。
観測雑音偏差が大きい値を取るほど、熱雑音除去量が大きくなる。突発性雑音偏差が大きい程、突発的な同相成分の除去量が大きくなる。
一方、状態遷移偏差が大きい程、ベースラインの歪み量が小さくなる。本パラメータは予め複数のパラメータセットを用意しておき、その中から、状況に応じてユーザーが選択的に用いるような構成を取ってもよい。
本実施例では、プラズマ処理装置の運転の前またはエッチング中に得られたデータを処理する前に、これらパラメータを最初に設定する(ステップ201)。本実施例では、装置の運転前に設定する構成を備えている。
次に、実際に時間波形のサンプリングを開始する(ステップ202)。図1に示した通り、多波長出力信号の差分Δyi,tを差分計算により処理室内からの発光を受光してサンプリング時刻毎に検出したサンプルを得る毎に求め(ステップ203)。更に、平均値μi,tを移動平均による逐次更新か、有る程度ためたデータからのアンサンブル平均により求め(ステップ204)、平均成分除去後の差分値zi,tを得る(ステップ205)。
zi,tから共分散行列Rtをサンプリング時刻毎に求め(ステップ206)、同相成分dを算出する(ステップ207)。求めた同相成分から基底行列を更新し、カルマンフィルタの観測共分散行列を更新する(ステップ208)。そして、カルマンフィルタによるフィルタリングを実行後、積分処理で雑音除去後の信号bi,tを得る(ステップ209)。
その後、得られた各波長の時間波形を用いてエッチング量の判定を実行し(ステップ210)、十分なエッチング量と判定されれば、サンプリング終了と判定し終了する(ステップ211)。エッチング量が十分でなければ、次のサンプルを計測する処理に戻る。エッチング量の判定は、従来より知られた手段、方法を用いることが出来る。
図5に、本実施例による同相成分及び熱雑音成分の除去後の時間波形を示す。図5は、図4の波形を示す光に対して図1に示す実施例において同相成分及び熱雑音成分を除去した後の波形を示すグラフであり、同相成分が綺麗に抑圧されていることが判る。
100…同相成分除去装置、
101…差分算出器、
102…平均成分算出器、
103…平均成分除去器、
104…相関行列更新器、
105…主成分分析器、
106…基底行列構築器、
107…カルマンフィルタ、
108…積分処理器
13…微分器、
14…第2ディジタルフィルタ回路、
15…微分波形比較器、
16…微分波形パターンデータベース、
18…残膜厚さ時系列データ記録器、
19…回帰分析器、
17…表示器17、
110…サンプリングデータ比較器、
111…ノイズ値設定器、
112…サンプリングデータ補正器、
113…補正係数記録器・表示器、
115…パターンマッチング偏差比較器、
116…偏差値設定器、
230…終点判定器、
601…エッチング装置、
602…真空容器、
603…プラズマ、
604…被処理材、
605…試料台、
608…光ファイバー、
609…放射光、
610…測定装置、
611…分光器、
612…エッチング量判定部、
613…表示器、
1001、1002…プラズマ光測定手段、
1003…分光器、
1110…サンプリングデータ比較器、
1111…ノイズ値設定器。

Claims (6)

  1. 真空容器内に配置された処理室内に配置された試料を処理室内に形成したプラズマを用いてエッチング処理するプラズマ処理装置であって、
    前記処理室内からの複数の波長のものを含む発光を受光する受光器と、この受光器からの出力に含まれる複数の波長の発光のデータについて雑音の成分及び同じ時刻に同じ方向に変動する同相の成分を除去する同相成分除去装置であって前記雑音の成分及び同相の成分を一つのカルマンフィルタを用いて除去する同相成分除去装置を備え、この同相成分除去装置からの出力を用いて前記発光の強度を検出した結果に基づいて前記エッチング処理の量を判定する判定器とを有したプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記判定器は、前記雑音の成分及び前記同相の成分が除去された前記データを用いて検出された成分であって複数の波長の間の相関より時間について相関が大きなベースライン成分を用いて前記エッチング処理の量を判定するプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記雑音の成分または前記同相の成分が予め定められた前記雑音の成分または前記同相の成分と前記ベースライン成分との比率に応じて除去されるプラズマ処理装置。
  4. 真空容器内に配置された処理室内に試料を配置し、当該処理室内にプラズマを形成して、これを用いて当該試料をエッチング処理するプラズマ処理方法であって、
    前記処理室内からの複数の波長のものを含む発光を受光して得られた前記発光のデータからこれに含まれる雑音の成分及び前記複数の波長のものの間で同相的に発生する同相の成分を除去する工程であって前記雑音の成分及び同相の成分を一つのカルマンフィルタを用いて除去する工程と、当該雑音の成分または同相の成分が除去された前記発光のデータから前記発光の強度を検出した結果に基づいて前記エッチング処理の量を判定する工程とを備えたプラズマ処理方法。
  5. 請求項4に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記カルマンフィルタを用いて前記雑音の成分及び前記同相の成分が除去された前記発光のデータを用いて前記複数の波長の間の相関より時間について相関が大きなベースライン成分を検出する工程を備え、当該ベースライン成分を用いて前記エッチング処理の量が判定されるプラズマ処理方法。
  6. 請求項4または5に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記雑音の成分または前記同相の成分が予め定められた前記雑音の成分または前記同相の成分と前記複数の波長の間の相関より時間について相関が大きなベースライン成分との比率に応じて除去されるプラズマ処理方法。
JP2012215451A 2012-09-28 2012-09-28 プラズマ処理装置 Active JP6177513B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012215451A JP6177513B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 プラズマ処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012215451A JP6177513B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 プラズマ処理装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014072264A JP2014072264A (ja) 2014-04-21
JP2014072264A5 JP2014072264A5 (ja) 2015-12-03
JP6177513B2 true JP6177513B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=50747242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012215451A Active JP6177513B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 プラズマ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6177513B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6650258B2 (ja) * 2015-12-17 2020-02-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置及びプラズマ処理装置の運転方法
KR102515864B1 (ko) * 2020-09-17 2023-03-31 주식회사 히타치하이테크 플라스마 처리 장치 및 플라스마 처리 방법

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5208644A (en) * 1990-05-18 1993-05-04 Xinix, Inc. Interference removal
JP2004165282A (ja) * 2002-11-11 2004-06-10 Sharp Corp 製造プロセスにおける装置状態判別システム及び製造プロセス安定化システム
US7877161B2 (en) * 2003-03-17 2011-01-25 Tokyo Electron Limited Method and system for performing a chemical oxide removal process
US6902646B2 (en) * 2003-08-14 2005-06-07 Advanced Energy Industries, Inc. Sensor array for measuring plasma characteristics in plasma processing environments
EP1600947A3 (en) * 2004-05-26 2005-12-21 Honda Research Institute Europe GmbH Subtractive cancellation of harmonic noise
US7292906B2 (en) * 2004-07-14 2007-11-06 Tokyo Electron Limited Formula-based run-to-run control
US7209798B2 (en) * 2004-09-20 2007-04-24 Tokyo Electron Limited Iso/nested cascading trim control with model feedback updates
JP4833687B2 (ja) * 2006-02-27 2011-12-07 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014072264A (ja) 2014-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6650258B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理装置の運転方法
JP4833687B2 (ja) プラズマ処理装置
KR101656745B1 (ko) 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 처리 장치의 운전 방법
JP6318007B2 (ja) データ処理方法、データ処理装置および処理装置
US10872750B2 (en) Plasma processing apparatus and plasma processing system
US9190336B2 (en) Plasma processing apparatus and plasma processing method
JP2008218898A (ja) プラズマ処理装置
JP4943716B2 (ja) プラズマ処理装置
TWI734374B (zh) 蝕刻處理裝置、蝕刻處理方法及檢測器
JP2006074067A (ja) プラズマ処理装置および処理方法
JP6177513B2 (ja) プラズマ処理装置
JP2011258967A (ja) プラズマ処理装置
JP2016080668A (ja) 表面処理状況モニタリング装置及び表面処理状況モニタリング方法
JP6560909B2 (ja) プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置
TWI770596B (zh) 電漿處理方法及使用在電漿處理的波長選擇方法
US20220406667A1 (en) Plasma processing apparatus and plasma processing method
JP2024012196A (ja) 半導体処理システムのための改良された制御
Ma et al. An analysis of noise on optical emission spectroscopy measurements

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150924

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150924

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161206

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170116

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170123

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6177513

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350