以下、本発明に係る携帯時計の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
尚、同一の部品については同一の符号を用いて説明する。
図1は、本発明に係る時計の一実施形態としての携帯時計500を示す外観図である。
図示の携帯時計500は、時計本体510とこの時計本体510を使用者の腕に着脱させる時計バンド530とを備え、時計本体510は、金属製のケース520と、その内部にあって時針、分針および秒針などの指針540等を駆動させる機構である、ムーブメント550、及び時計用表示板100とを備えている。
図2は本発明の実施形態1に係る携帯時計500に用いる時計用表示板100の斜視図を示し、図3は図2の時計用表示板100の中央の断面図を示したものである。この時計用表示板100は、表示板基板101と、表示板基板101の視認側の面(図3の上側の面、以後おもて面という。またおもて面と反対側の面を背面又は裏面という)の一部の時
字(12時、3時、6時及び9時の4箇所)相当部に貴石入台座部品106を時字指標として配設し、残りの時字に印刷などで形成された印刷時字103を形成している。
本実施形態においては、表示板基板101は0.5mm厚の黄銅板を用いて、おもて面に放射状のいわゆる旭光目付を施した後、ロジウムメッキを施してある。中央部には長針、短針、秒針などの指針を取り付けるための中心孔102が設けられている。またおもて面と反対側の裏面には時計用のムーブメントブロックに固定するためのエト足105を2本、溶接により固定する。
表示板基板101の表面にメッキを施した後に、印刷時字103、また仕様によりブランド名、ロゴマークなどを印刷その他の方法により形成する。
貴石入台座部品106は、貴石106aと台座部106bとで構成され、台座部106bは黄銅材を切削加工して形成する。さらに図4に斜視図を示すように、台座部106bには4箇所のすり割り106cを加工形成することによって、4箇所の押さえ爪106dが形成され、貴石106aを固着するための内周凹状部106gが形成される。下面には表示板基板101に貴石入台座部品106を表示板基板101に嵌着するための足部106eを形成する。
台座部106bは加工後主に防錆目的で無電解ニッケルメッキを全面に施し、内周凹状部106gに貴石106aを上から組み込み、専用冶具で4箇所の押さえ爪106dにて貴石106aをカシメ固定した後、足部106eを表示板基板101の取付け孔に圧入、カシメ、接着の固定方法の何れか、または複数の固定方法の組合せにより固定している。
本実施形態では表示板基板101の12時、3時、6時および9時の4箇所に貴石入台座部品106を装着する例を示したが、最少1箇所から、全ての時字に対応する12箇所、あるいは時字以外の場所に装着するなど、貴石入台座部品106の表示板基板101への装着数及び場所は特に限定されない。
また、本実施形態では貴石106aを台座部106bに固定する手段として4箇所の押さえ爪106dをカシメ固定しており、接着剤は用いていない。接着剤による固定を行わない理由は後述する。
図5は本発明の実施形態1に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品106を時計用表示板100に固着した状態での断面図を示す。本実施形態に用いる台座部106bの内周凹状部106gは、図5に示すように貴石106aの背面の円錐状のパビリオン形状と、断面が略同一形状のメクラ孔に形成する。このメクラ孔の形成は、先端が円錐状の、パビリオン形状と断面が略同一形状の錐等の刃物による切削加工により容易に形成可能である。このパビリオン部と断面略同一形状の、台座部106bの内周凹状部106gには貴石106aの背面側及び側面側の反射手段として反射層108を、断面円錐状の底面部と、側面内周全面に形成する。
図5に示すように反射層108は貴石106aの背面側または側面側、好ましくは双方に形成するのが良い。
ここで側面側とは、図5において表示板基板101に対して垂直方向の反射面、背面側とは側面側以外の反射面を指す。以後の実施形態でも同様である。
天然貴石などの装飾部材の背面側及び側面側に光反射手段を設ける場合、反射部分の構成は貴石背面及び側面の形状と断面略同一形状で、貫通孔でないこと、すなわちメクラ孔であることが好ましい。メクラ孔に構成することで、内周凹状部106gと、貴石背面及
び側面との間隙が均一になり、反射光がムラなく貴石内に戻されて、一部の光がおもて面側に出射して、貴石が光輝いて見える効果が得られる。メクラ孔でなく、貫通孔の場合、光が透過するか、又は、他の部分とは異なる光の反射となり、反射光にムラや影が発生するので好ましくない。
本実施形態においては、貴石106aは図21(a)で説明した、背面の円錐部角度を大きくしてパビリオン部を浅くすることで図5における上下方向寸法を抑制した無色透明のダイヤモンドを用いている。ガードル外径は1.2mmで、上下方向厚みは0.45mm、外径の38%と、図19及び図20で説明した理想的な輝きを放つ形状とされる、ブリリアンカットのダイヤモンドの全高さが外径寸法の59〜62%に比較して、非常に薄く抑えている。
本実施形態においては、台座部106bの内周凹状部106g全面に形成する反射層108として、松尾産業株式会社製のシルバー系の光輝顔料であるME2025PS(粉末平均粒径24μm)をアクリルバインダーに10重量%程度混合したアクリルインクを、面相筆などを用いて、40μm〜60μmの厚みで塗布して形成した。
本実施形態のように、貴石106aに無色透明のダイヤモンド等の貴石を用いる場合は、光反射手段である反射層108は、無色、シルバー、又は金の色調が控えめなゴールド系で、輝きを有する反射材料にて形成することにより、パビリオンが浅く、上下方向寸法の薄い貴石であっても、貴石背面を透過して漏れた光が反射層108で反射されて再度貴石内部に戻って視認されるため、ブリリアンカットに劣らない輝きが得られることが確認された。
また、光輝顔料インクの代わりに10μm〜30μmのガラス球を10〜20重量%添加したシルバー系染料によるインクを用いて光反射手段である反射層108を40μm〜60μmの厚みで形成した場合でも、ガラス球の拡散反射により同様な光反射効果が得られた。
本実施形態では透光性微細球としてユニチカ製の微細ガラス球であるユニビーズ(登録商標)を、光反射手段として15重量%添加したインクを用いて良好な結果を得た。
また、光輝顔料インクにさらにガラス球などの透光性微細球を加えることで、反射層108が拡散反射を含めて優れた反射層となることが確認された。
さらに光輝顔料インクの代わりに光輝性を有する塗料を塗布した場合でも、また後述の実施形態2変形例に示す光輝性の高い湿式もしくは乾式のメッキ層を形成してもほぼ同様な光反射効果が得られた。
本実施形態では、表示板基板101に貴石入台座部品106を介して、時字等の装飾部材である貴石106aに無色透明のダイヤモンドを装着する例で紹介したが、装飾部材のおもて面側から見て背面及び側面側に光反射手段を形成して、光透過性の装飾部材を光り輝かせる効果を得るとの点で、貴石106aが光透過性を有する材質、例えば無色、有色のダイヤモンドの他、ルビー、サファイア、エメラルド、水晶、紫水晶等の無色又は有色の貴石、さらには透光性セラミックス、透光性の樹脂、ガラス等であっても、図5に示す貴石106aと同形状のパビリオンを有する装飾部材であれば、輝きを増すことにおいて同様の効果が得られる。
さらに本実施形態では、貴石106aの背面の、円錐状のパビリオン部と断面略同一形状の台座部106bの内周凹状部106gとの間には、離間部材109を2個、図5に示
すように配設する。本実施形態では、離間部材109として線径0.1mmのステンレスワイヤーを、O(オー)リング、又はO(オー)リングに極力近いC(シー)リング状に成形したものを2個用いた。
離間部材109の役割は、台座部106bの内周凹状部106g内に露出する、貴石106a背面のパビリオン部と、該パビリオン部と略同一形状の台座部106bの内周凹状部106gの内面とを離間させてこれらの間に空気層107を形成するための空気層形成手段である。本実施形態では0.1mm径のステンレスワイヤーを用いたが、これに限定されるものではなく、反射層108を光輝性の顔料、染料添加のインクにより形成する場合は、0.1mm径のガラス球又は光透過性樹脂製のボールを10重量%程度添加する、もしくは光輝性又は有色のインク層形成後、乾燥前に10重量%相当量をまぶすことでも良い。ステンレス球等の金属球であっても、また非透光性の樹脂球であっても10重量%程度添加ならば光の反射効果に大きな影響を及ぼすことはないので同じく使用可能である。
台座部106bの内周凹状部106gに予め塗布したインクが半乾燥の軟らかい状態で、0.1mm径のガラス球又は光透過性樹脂球、金属球等を所定量まぶすように分散配設し、貴石106aを下方向に押さえながらカシメを行うことで、離間部材109が内周凹状部106gの底面に密接し、貴石106a背面パビリオン部と、これと略同一形状の台座部106bの内周凹状部106gとの間隙がほぼ0.1mmの均一に保持するように形成される。インクによる反射層108を40μm〜60μmの厚みに形成することで、離間部材109の寸法と、反射層108の厚みの差による空間が空気層107の厚み寸法となる。本実施形態においては、空気層107は貴石106a背面パビリオン部と、内周凹状部106gと、離間部材109とにより形成される。
本実施形態では離間部材109として0.1mm径のステンレス線材、0.1mm径のガラス球、光透過性樹脂製のボール及び金属球、樹脂球での実施形態を説明したが、これらの線材やボールの直径は、反射層108をインクにより形成する場合の厚みの管理は40〜60μm程度が限界であり、反射層108との厚みの差により空気層107を確実に形成する必要上、離間部材109の寸法としては0.08mm〜0.2mmの範囲が好ましい。
さらに本実施形態において、先に説明した光輝顔料インクの代わりに10μm〜30μmの微細ガラス球を10〜20重量%添加したシルバー系染料によるインクを用いて光反射手段である反射層108を形成する場合、この微細ガラス球とは別に離間部材109として0.08mm〜0.2mm径の範囲で、かつ寸法の揃ったガラス球を、10重量%添加することで、光反射手段として用いるガラス球と離間部材109として用いるガラス球全体が光拡散の反射手段となることも確認されている。すなわちガラス球などの透光性微細球が離間部材109と反射層108の一部を兼ねた役割を果たす結果が得られた。この場合それぞれの寸法のガラス球を最初からインクに添加、混合するのでなく、インクによる40μm〜60μmの厚みの反射層を形成した後、インクが半乾燥の軟らかい状態で0.1mm径のガラス球をインク層にまぶす様に分散させ、前述の様に貴石106aを下方向に押さえながらカシメを行うことで、ガラス球表面にインクが付着せずに良好な反射手段となり、また空気層107を均一な間隙に確実な寸法で形成することが可能になった。
この様にガラス球などの透光性微細球を光反射手段として用いること、また貴石背面形状と内周凹状部との形状が略同一で均一な間隙である場合に、空気層形成手段である離間部材とを兼務させる方法は以後の実施形態でも同様に応用可能である。
本実施形態では、貴石106aを台座部106bの内周凹状部106gに固着する方法として、カシメ法を採用しており、接着剤は用いていない。貴石106aの固着に接着剤
を用いないこと、及び離間部材109を介して固着することにより空気層107が形成され、貴石106aの背面側にインクによる反射層108が接触しない構成をとっている理由について以下に説明する。
屈折率の異なる2物質の境界面に光が所定の角度を持って入射すると、境界面を通過したあとの透過光の進行方向が入射光に対し折れ曲がる、いわゆる光の屈折が生じる。また屈折率の大なる物質から小なる物質に光が進むときは、常に入射角より屈折角が大きく、入射角が一定以上になると屈折率の小なる物質に出ていく光がなくなり、すべて境界面で反射する全反射が起きる。全反射の生じる入射角は臨界角と呼ばれ、屈折率の差が大きいほど臨界角が小さくなる、すなわち全反射が発生し易くなることが知られている。
本実施形態において、反射層108を光輝顔料インクにより形成する場合、インクは一般的にはエポキシ系、アクリル系などの樹脂であり、その屈折率は1.5前後である。貴石106aがエメラルドの場合屈折率は約1.56であり、ルビーやサファイアでは約1.77と、インクの屈折率に近くなり、貴石106aのパビリオン側(背面側)にインク層が密接すると、パビリオン内での全反射が発生しにくくなり、視認側から見た貴石の輝きが後退する。
図5に示すように、台座部106bの内周凹状部106gの、貴石106aの背面側に形成する反射層108と、貴石106aのパビリオンとは、離間部材109の配設により空気層107が形成され、直接接触はしない。貴石106aのパビリオン背面部のほぼ全面が屈折率の小さい空気(屈折率約1.0)と接触することで、おもて面側から入射した光のうち、パビリオン内で反射する割合が増え、反射層108の反射効果と合わせて、視認側から見た貴石106aの輝きを増加させる効果が得られる。
屈折率の大きいダイヤモンド(屈折率約2.4)であっても、本実施形態のようにパビリオン背面に空気層を設けて、境界面における屈折率の差を大きくすることで、より輝きが増す効果が得られる。
なお、本実施形態において、貴石106aを台座部106bに固定する際に押さえ爪106dを用いてカシメ固定し、貴石106aの背面側及び側面側に接着剤を塗布する方法で固定しないことの理由も、同じ理論に基づくものであり、エポキシ系、アクリル系など多くの接着剤が屈折率1.5程度であるため、貴石106a背面側にこの接着剤層を接触させることにより、貴石106aを透過したおもて面からの外光が貴石パビリオン内部で反射する量が減少し、輝きが低下するのを防止することが目的である。
空気層107の形成目的、作用及び効果、並びに貴石などの装飾部材を原則接着剤により固定しないことについては以降の実施形態でも全く共通であるので、重複した説明は省略する。
本実施形態においては、貴石106a背面のパビリオン部と、台座部106bの内周凹状部106gとの間隙が空気層107を介してほぼ均一であり、かつ内周凹状部106gがメクラ孔であるため、反射層108による光反射が貴石106a背面側及び側面側から均一に行われ、色抜けと呼ばれる反射光のムラや影が発生せず、また有色の貴石の場合には色のムラが発生せずに、貴石106aを反射層108により輝かかせて視認させる優れた効果が得られる。
なお、本実施形態は主として携帯時計の時計用表示板に貴石などの光透過性装飾部材を、台座を介して装着する実施形態として紹介したが、携帯時計の表示板以外の場所、例えば図1におけるケース520のベゼル表面、時計バンド530の所望の場所に貴石を固着
したい場合にも適した実施形態である。台座106bが使用可能な場合は本実施形態そのままに、また貴石106aのベゼルや時計バンド表面よりの突出量を極力抑えたいなど、台座106bが使用困難な場合はベゼルや時計バンド表面に図5の内周凹状部106g相当の孔加工を施し、後述の本実施形態変形例2の方法により貴石106aをカシメ固定すれば良い。
図6(a)は本発明の実施形態1における変形例1に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品116の断面図を示す。本実施形態変形例では台座部116bの内周凹状部116gを、実施形態1と同じくメクラ孔とし、段部106fを有する段付形状としている。
本実施形態変形例では、貴石106aは実施形態1と同じく無色透明のダイヤモンドを用いたが、パビリオン部を浅くすることで上下方向寸法を抑制した有色のダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、水晶、紫水晶等の無色又は有色の貴石、透光性セラミックス、透光性の樹脂、ガラス等図5に示す貴石106aと同形状のパビリオンを有する装飾部材の何れもが装着可能である。
内周凹状部116gの側面側及び背面側に塗布する反射層108も実施形態1に用いたものが同様に使える。
本実施形態変形例では内周凹状部116gの内周部に段部106fを形成していることを特徴とする。段部106fは実施形態1の空気層形成手段に相当するものであり、以降の実施形態でも、後述する段部116f,136f,166f,186fが空気層形成手段の役割を果たすことは同様である。すなわち、台座部106bの内周凹状部106g内に露出する、貴石106a背面のパビリオン部の表面と、台座部106bの内周凹状部106gの内面のうち、後者の一部を貴石106a背面のパビリオン部の表面側に段部106fとして突出させ、貴石106a背面のパビリオン部の表面と、台座部106bの内周凹状部106gの内面を離間させている。
貴石106a背面のパビリオン部と、台座部106bの内周凹状部106gと、段部106fとにより空気層107を形成する。台座部116bに貴石106aを固着する際に、予め内周凹状部106gに形成してある段部106fを利用し、貴石106a背面のパビリオン部と台座部116bとが輪環状に必要最小限の面積で接触して、パビリオン部と台座部116bの内周凹状部116gとの間に空気層107が発生するように、内周凹状部116gの形状及び寸法を図6に示すように決める。貴石106aの背面パビリオン部を任意の水平面でカットした平面形状は一般に多角形であり、内周凹状部116gを周回する段部106fとの接触は多角形の角数に相当する点接触となるので、実際の接触面積は非常に少なくなる。
本実施形態変形例では、実施形態1と同様メクラ孔であるため、内周凹状部116gに形成された反射層108によって色抜けと呼ばれる反射光のムラ、影が発生せず、また有色の貴石の場合には色のムラが発生せず、貴石106aを反射層108により輝かせる優れた効果が得られる。
実施形態1との比較では、貴石106a背面のパビリオン部と、台座部116bの内周凹状部116gとの間隙が均一でないため、実施形態1に比較すると反射光のムラが生じやすいが、本実施形態変形例では空気層形成手段として段部106fを設けることによって、実施形態1における離間部材109と同じ作用効果が得られるため、空気層107を形成するための離間部材を別途配設する必要がない、との利点がある。
図6(b)は本実施形態1の変形例1のさらに別の実施例を示す。相違点は段部116
fを2段で構成していることである。図6(a)と図6(b)との比較で示されるように、段部116fを複数設けることで貴石106a背面形状に対応した段部形状を内周凹状部116gに形成することができ、貴石106aをより安定的に固定することが可能であること、及び貴石106aの背面部と内周凹状部116gとの間隙がより一様な方向に近づくことで反射層108の光反射のムラがさらに少なく、より均一な輝きを持って視認される効果が得られる。
段部116fを3段以上に増やすことも可能であるが、内周凹状部116gの加工は複雑になる。
図7は本発明の実施形態1における変形例2に係る携帯時計に使用する時計用表示板200のおもて面側に直接貴石をカシメ固定した部分の断面図を示す。本実施形態は台座を用いず、貴石106aを直接表示板基板121に形成したメクラ孔にカシメ固定する方法であることが実施形態1との相違点である。
本実施形態変形例においては貴石106a、反射層108、離間部材109は実施形態1と同一であり、表示基板121に形成する内周凹状部126gの形状及び形成方法、また空気層107の形成方法も実施形態1と同じである。
本実施形態変形例では台座を用いないため、貴石106aを固定する方法としては、内周凹状部126gのおもて面側外周縁の、表示基板121の一部の、3〜6箇所の金属部を、専用工具にて直接盛り上げて、爪相当部を形成する方法にてカシメ固定する。
貴石106aを、実施形態1と同じガードル外径1.2mm、厚み寸法0.45mmのものを表示板基板121に形成した孔に直接カシメ固定する場合、表示板基板の厚みが0.5mmではメクラ孔の形成は加工制約上困難であるため、本実施形態変形例に用いる表示板基板121は0.8mmの厚みの黄銅板を用いている。
本実施形態変形例において、貴石106aを、空気層107を介して反射層108の反射光により光輝かせる作用・効果及び特徴については実施形態1と同じである。
本実施形態1変形例2では台座を用いないために、貴石106aを固着した状態でも、表示板基板121の上下厚み寸法を薄く抑えることが可能である。また、前記実施形態1変形例1よりもさらに、携帯時計の表示板以外の場所、例えば図1におけるケース520のベゼル表面、時計バンド530の所望の場所に貴石を固着したい場合にも適した実施形態である。台座を使用しないため、表示板以外にも貴石106aのベゼルや時計バンド表面よりの突出量を極力抑えたい場合に適した固定方法である。貴石106aの外周部に、背面パビリオン部に極力回らない範囲で接着剤を塗布することでカシメによる貴石106aの固定強度を補完することが可能である。
図8は本発明の実施形態2に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品136の断面図を示す。本実施形態の実施形態1と異なる部分は台座部136bの貴石106aの装着のための内周凹状部136gを、メクラ孔でなく貫通孔としている点であり、それ以外は実施形態1の変形例1と共通する内容である。
実施形態1で説明したように、背面のパビリオンの円錐角を大きくして薄型化を図った貴石106aでは、おもて面側から入射する外光がパビリオン背面より漏れやすいため、台座部136bの内周凹状部136gを貫通孔とすると、前述のような色抜けと呼ばれる反射光によるムラが発生し、貴石106aの視認品質として好ましくない。しかしながら本願発明の課題のひとつである、携帯時計全体の厚みを増加させないためにも、貴石など
の装飾部材を含めた表示板基板全体の厚みは抑制する必要があり、台座の上下方向寸法も抑制すべきである。
実施形態1のように、光透過性装飾部材の固定穴である内周凹状部をメクラ孔とすることは、貫通孔としないための残肉を見込む必要があり、かつ台座の上下方向寸法が余り大きくならない様に抑制しなければならず、加工上の技術的制約が生じる。本実施形態では貴石106aの固定孔を、加工の際は貫通孔とし、裏面側より遮蔽部材で塞ぐことで実質メクラ孔相当の効果、すなわち貴石106aの背面側及び側面側の全領域に光反射手段を形成すること、及び空気層107を形成することを目的とする。メクラ孔との比較では、貫通孔は加工が容易であるため、台座部136bの上下方向寸法が比較的容易に抑制可能であり、本発明の目的のひとつである貴石を組み込んだ携帯時計の時計用表示板の厚み寸法を抑え、薄形貴石を用いても十分な輝き、装飾性が得られながら、時計全体の厚み寸法が増加しない携帯時計を提供することを可能にする。内周凹状部136gと、貴石106a背面及び側面との間隙は均一ではないため、反射光は、実施形態1の方が均一になる。
図8において、貴石106aは実施形態1で説明したものと同じく円錐部角度を大きくしてパビリオン部を浅く、厚み法を抑制した無色透明のダイヤモンドを用いている。
台座部136bの内周凹状部136gは貫通孔とし、台座部136bに貴石106aを固着する際に、予め内周凹状部136gに形成してある段部136fを空気層形成手段として利用し、貴石106a背面のパビリオン部と台座部106bとが輪環状に必要最小限の面積で接触させて、図8に示すように、貴石106a背面部と、内周凹状部136gと、段部136fとに加えて、遮蔽部材104とにより空気層107を構成している点は前述の実施形態1とは遮蔽部材104が加わったことが一部異なる。そして貴石106aを固着した際に台座部136bの内周凹状部106gの、おもて面側から見て背面側及び側面側の全域に反射層108を形成している。
貴石入台座部品136の裏面に配設する遮蔽部材104は基材104aと、この基材104aのおもて面側、すなわち貴石106a背面のパビリオン部と対向する側の面に反射膜104bを塗布して形成する。遮蔽部材104は反射膜104b形成後、エポキシ系接着剤等にて貴石入台座部品106の裏面に貼り合わせる。その際、接着剤が台座部品136の内周凹状部136g内部に入り込まないように注意する。これは反射膜104b上に接着剤が付着し、反射機能を損なうことを防止するためである。
本実施形態では基材104aとして、厚み0.16mmのアクリル製の樹脂シートを用い、反射膜104bとして、実施形態1と同じシルバー系の光輝顔料をアクリルバインダーに10重量%程度混合したアクリルインクを、40μm〜60μmの厚みで塗布して形成した。また台座部136bの内周凹状部136gに形成する反射層108についても、反射膜104bと同じ光輝顔料を含有したインクを塗布して形成した。
反射膜104bと反射層108とは異なる光輝顔料にて形成しても良く、反射層108に同じ松尾産業株式会社製のシルバーゴールド系光輝顔料PMT1030GPを添加したインクにより形成した場合は、わずかにシャンパンゴールドが混じった反射光が得られ、貴石106aを控えめな金色調に光り輝かせる優れた反射効果が得られた。
貴石106aに無色透明のダイヤモンド等の貴石を用いる場合は、光反射手段である反射膜104b、反射層108は、無色、シルバー、又は金の色調が控えめなゴールド系で、光輝性が高く、両者が同一もしくは近い色調で、輝きを有する反射材料にて形成することにより、実施形態1同様にパビリオンが浅く、上下方向寸法の薄い貴石であってもブリリアンカットに劣らない輝きが得られることが確認された。
尚、遮蔽部材104として、アルミニウム等の表面が鏡面に近い仕上げの金属薄板や、表面にアルミニウムやクロムを0.05mm〜0.2mm厚みで蒸着した樹脂フィルム(例えば園芸用の安価な反射シート)などの、表面反射率の高いものを選択して用いても、光輝顔料インクによる反射層104bとの比較で、大きく遜色の無い反射の効果が得られることを確認した。
また、実施形態1同様に10μm〜30μmのガラス球を10〜20重量%添加したシルバー系染料によるインク、及び光輝性を有する塗料を用いて反射膜104b、反射層108を形成した場合でも、ガラス球の拡散反射により同様な光反射効果が得られた。
内周凹状部136gに形成する反射層108の光反射材料、及び反射部材104の反射膜104bの光反射材料として光輝顔料インク、ガラス球等を添加した染料インク、光輝性を有する塗料、さらには遮蔽部材104として鏡面仕上げの金属薄板や金属蒸着したシートを用いる内容については、以後の実施形態でも同様に使用可能である。
また、図示しないが実施形態1変形例1の別の実施例、すなわち図6(b)に示した様に、段部136fを一段でなく、2段以上に構成すると、貴石背面部と、内周凹状部136g及び遮蔽部材104とで形成される空気層107の間隙がより均一になり、光反射の効果が高まる。この構成と効果については、内周凹状部内に段部を有する以後の実施形態でも全く同様である。
本実施形態における遮蔽部材104の表示板基板101への形成場所として、図9(a)に示すように、表示板基板101の、貴石入台座部品136の裏面に、少なくとも台座部136bに形成された貫通孔裏面側を覆う大きさで、4箇所に分散して貼り合せることでも良く、また図9(b)に示すように、貴石入台座部品136を形成する部分に、少なくとも台座部136の貫通孔裏面側を全箇所覆うような内外径寸法で、リング状に形成した遮蔽部材104を貼り合せる方法でも良い。時字指標の1時相当部から12時相当部まで全て貴石入台座部品136を装着するような場合は、図9(b)に示す方法が遮蔽部材104の貼り合わせの作業面で効果的である。また、図示しないが、表示板基板101と略同一寸法形状の遮蔽部材104を作成し、表示板基板101の裏面全体を覆うように貼り合せても全く同じ効果が得られる。この遮蔽部材の形状及び貼り合せ領域に関しては以後の実施形態でも同様である。
また、図8に示す遮蔽部材104では、台座部136bを表示板基板101の取付け孔に固着した後、台座部136の足部106eの下側外径よりも大きい外径寸法のものを貼り合せる例で紹介したが、反射部材104を、足部106eの下側外径よりも小さく、かつ台座部136b貫通孔内径寸法より大きい外径寸法に形成して台座部136b下面に貼り合せる方法をとれば、予め遮蔽部材104形成済みの貴石入台座部品136として扱うことが可能であり、表示板基板101の取付孔への固定の後に、遮蔽部材104を貼り合せる手間を簡略化できる。その場合の遮蔽部材104の形状及び貼り合わせ場所としては図9(a)の位置に限定される。
さらに、本実施形態では、遮蔽部材104を表示板基板101裏面に一部又は全面に接着剤等で貼り合せる方法で紹介したが、図示しないが遮蔽部材104を表示板基板101と略同一寸法形状全面の反射シートとして、携帯時計のケース内周に嵌着部を形成し、表示板基板101の裏面に、0.05mm〜0.1mmの間隙を設けて固定した携帯時計500を構成することも可能である。この構成の応用についても以後の遮蔽部材を用いる実施形態で全く同様である。
本実施形態において、反射層108を、光輝顔料を含有したインクにより形成する場合
、台座部106bの内周凹状部136gに、実施形態1同様に面相筆などにより塗布する。
また反射膜104bは、アクリル製シートからなる基材104aをプレス等で所望のサイズに形成した後に、個々にインクを塗布しても良いが、大版サイズの樹脂シートの全面に予め光輝顔料インクを印刷形成した後に、所望のサイズに打ち抜く方法が経済的である。本実施形態においては後者の方法とした。
本実施形態でも実施形態1同様に、時字等の装飾部材である貴石106aに無色透明のダイヤモンド以外に光透過性を有する、有色ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、水晶、紫水晶等の無色又は有色の貴石、さらには透光性のセラミックス、樹脂、ガラス等であっても貴石106aと同形状のパビリオンを有する装飾部材であれば、輝きを増すことにおいて同様の効果が得られる。
図10は本発明の実施形態2の変形例に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品146の断面図を示す。本実施形態変形例の実施形態2との違いは光輝顔料インク等による反射膜及び反射層を形成するのではなく、光輝性を有するメッキにより反射膜114b、反射層118を形成した点であり、それ以外は、実施形態2と同一である。遮蔽部材114は、基材114aとして0.15mm厚の、少なくともおもて面側が鏡面仕上げに近い鋼板に、反射膜114bとして光輝ニッケルメッキを1μm〜2μmの厚みに施したものを使用した。反射層118についても同じ光輝ニッケルメッキ1μm〜2μmで形成した。
本実施形態での作用・効果については、光輝顔料インクやガラス微細球による反射膜104b及び反射層108を用いた実施形態2の方が若干反射効果が高いが、貴石106a背面部と、内周凹状部136gと、段部136f及び遮蔽部材114とにより空気層107を構成し、反射膜114b、反射層118の反射作用により、無色透明のダイヤモンドからなる貴石106aを背面側及び側面側から光り輝かせる効果が得られた。本実施形態では、光反射手段として光輝ニッケルメッキにより反射膜114b、反射層118を形成する例を紹介したが、クロムメッキなどの湿式メッキ、スパッタリングやイオンプレーティングなどの乾式メッキなどにより形成される、光輝性の高いシルバーまたはゴールド系の光反射手段であれば同様な効果が得られる。
湿式メッキの例として、銅メッキ5μm、ニッケルメッキ1〜2μm、金メッキ0.2〜0.5μmの順でメッキ層を形成すると、光輝性、装飾性に優れた光反射手段が比較的安価に形成可能である。
また、台座部146bの内周凹状部136gの加工面をより微細な面仕上げにすることで、光輝メッキを施した後に、鏡面に近い反射効果が可能となる。
本実施形態変形例では、光輝メッキ等により、光反射手段である反射膜114b、反射層118を形成するので、台座部146b全体にメッキが付き、台座部146b全体が光り輝くために、爪106dや台座部146bの外周縁も輝き、貴石106aの反射光による輝きを際立たせる効果が若干後退する。ここで台座部146bの外周縁とは図10の、台座部146bのおもて面側の外周端面を指す。しかしながら本実施形態変形例では実施形態1との比較による利点として、反射部材114及び反射層118をメッキで形成するため安価に容易に製作することが可能との利点がある。また、台座部146bの外周縁及び爪106dの寸法を、おもて面側から見えにくくするために小さく抑えたり、台座部146bの外周縁、及び爪106dの部分を、これ以外の部分をマスキングして、メッキ工程の前にサンドブラスト法など、マット仕上げのつや消し調とすることで、貴石106a
の輝きを際立たせる効果が得られる。
また本実施形態変形例においても、実施形態1、2同様に貴石106aが必ずしも無色透明の部材でない場合でも、光透過性の装飾部材であればこれを背面側から光り輝かせる効果が得られる。
図11は本発明の実施形態3に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品156の断面図を示す。本実施形態の実施形態1〜2と異なる点は貴石116a、貴石入台座部品156の台座部156bの内周凹状部136gに形成する反射層128、及び遮蔽部材124のおもて面側に形成する反射膜124bであり、台座部156bの内周凹状部136gを貫通孔としている点は実施形態2と同じである。
本実施形態では貴石116aとして、実施形態1及び2と形状寸法は同じで、ピンク色の有色ダイヤモンドを用いている。
ダイヤモンドには無色透明のもの以外に、バイオレット、レッド、ピンク、ブルー、イエロー、パープル、グリーン、オレンジ、その他にもブラウン、グレー、ホワイト、ブラックなどの有色の原石があり、装飾性や高級感を高める目的で携帯時計用表示板の時字指標や、ベゼルと呼ばれるケース側表面、時計バンド表面などに装飾部材として装着されることが多い。中でもピンク系のダイヤは女性用携帯時計中心に広く使用される。
本実施形態において、台座部156bの内周凹状部136gに形成する反射層128及び遮蔽部材124の視認側に形成する反射膜124bは有色の貴石126aと同系色の顔料インクを用いた。ウレタン系インクに株式会社アンテックより販売されている陶芸用練り込み粉末顔料(ピンク)を15重量%添加した有色インクを台座部156bの内周凹状部136gの反射層128、及び遮蔽部材124に形成する反射膜124bとして塗布形成した。
天然の有色貴石には色のばらつきが存在し、この有色貴石を時計用表示板の時字指標として複数個使用する場合、色の揃ったものを選別、あるいは色調や色の濃度を使用する個数、装着するブロックごとに、近い色のものを揃えて使用する場合、色付き貴石の選別や、層別という、似通った色調ランクの貴石を揃えて同一表示基板に配設するなどの方法で対応する以外に有効な手段がなく、選別や層別の時間、歩留などの制約から有色貴石を複数個時字指標に用いる時計用表示板及び時計自体のコストアップの原因となっていた。しかしながら本実施形態のように貴石の背面および側面部に有色貴石と同系色の光反射手段を設けることで、有色の光反射手段による反射により貴石の色調を補完、強調する効果が得られ、有色貴石の色のばらつきを緩和することが可能となった。
このことにより複数の有色貴石を用いる携帯時計用表示板の、貴石の色のばらつきに関わる視認品質及びコストアップの課題を解決することができた。本実施形態では4箇所の時字に有色貴石を用いる例を紹介したが、12箇所の時字全てに有色貴石を用いるなど、使用数が多いほど本実施形態の色調補完による貴石の色のばらつき低減の効果は大きい。
また、時計用表示板や時計のケースなどに1個の有色貴石しか装着されていない場合でも、同じ時計が店頭に陳列されたり、ユーザーが同じ時計を複数購入して比較した場合、さらに複数のユーザー同士が同じ時計を購入して比較した場合に、有色貴石の色のばらつきがあると目立つことがある。本実施形態によれば、この様に1個だけの有色の貴石を装着した携帯時計の場合でも、貴石間の色のばらつきを緩和して目立たなくする効果、すなわち携帯時計の製品間での貴石の色調品質に関するばらつきが低減される効果が得られる。
本実施形態では、ピンク色の顔料を使用したインクによりピンク色の反射層128及び反射膜124bを形成する方法以外に、赤色顔料と白色顔料との混合によりピンクの反射層及び反射膜を形成する方法も実施した。
この方法により反射層128及び反射膜124bを形成することの利点として、反射光の色調や濃度を微妙に変えることが可能となった。赤色顔料65%、白色顔料35%の混合により、赤みがより強調された濃いピンク色の反射層とした結果、濃い目のピンク色に揃った色の貴石116aの輝きと色調が得られた。
すなわち、赤みが強調された濃い目のピンク色である反射層128及び反射膜124bの方が、薄いピンク色の貴石を濃い目のピンク色に補完、強調する効果が高く、貴石116aのピンク色のばらつきの補完、緩和という面で優れた結果が得られた。
本実施形態より得られた結果から、複数の有色の貴石116aの色のばらつきを補完、緩和することを目的とする場合は、反射層128と反射膜124bとは同一または同色系の色調とすることが好ましい。
さらに複数の有色の貴石の色の濃度、鮮やかさのばらつきを補完、緩和するとの目的とする場合は、ばらついた貴石の色の中の最も濃い色、または最も濃い色よりさらに濃い色に合わせて反射層128及び反射膜124bの色の濃度を設定する方が、特に薄い色の貴石の色調補完効果が大きく、色の濃さのばらつき幅を少なくする効果において有効であることが確認された。
この効果は光透過率の高い貴石でより顕著に現れる。
また、この、有色の貴石の色よりやや濃い目の光反射手段を貴石背面側または側面側の少なくとも一方、好ましくは双方に形成することにより得られる貴石の色のばらつきの補完、緩和の効果については、1個の携帯時計の中で、例えば表示板に複数装着した有色の貴石の間での色のばらつきの緩和に対しても、また貴石を1個しか装着しない携帯時計同士を比較した場合の、複数の携帯時計間での貴石などの装飾部材の色のばらつきの緩和に対しても、さらに1個のみ装着された貴石の色や輝きを鮮やかに見せる効果においても、それぞれ有効であることも確認された。
本実施形態ではピンク色のダイヤモンドを貴石116aに使用する実施例を紹介したが、前記のようにバイオレット、レッド、ピンク、ブルー、イエロー、パープル、グリーン、オレンジなどの有色ダイヤモンドでも、さらにはサファイア(ブルー又はピンク)、ルビー(赤)、エメラルド(グリーン)など、ダイヤモンド以外の貴石であっても、有色貴石の色と同一または同系色の反射手段を、おもて面側から見て貴石背面側または側面側の少なくとも一方、好ましくは双方に形成することにより、有色貴石の色のばらつきを補完、緩和する効果が得られる。またこの手法は、光透過性の2個以上の貴石を時字指標等の装飾部材に使用する時計用表示板に同様に応用することができる。
また、本実施形態では有色貴石と同一または同系色の光反射手段を、おもて面側から見て貴石背面側及び側面側に形成することにより、有色貴石の色のばらつきを補完、緩和する効果の面で紹介したが、有色貴石の色を貴石背面側及び側面側に形成する光反射手段にて補完する効果という点では、時計用表示板以外の場所にデザインアクセサリーとして1個以上装着する場合にも、有色貴石同士の色のばらつき、あるいは貴石を装着した携帯時計間の貴石の色のばらつきを補完、緩和する、貴石の色調を強調する、あるいは貴石原石の色調とやや異なった色調の反射手段を形成することで時計用表示板のカラーヴァリエー
ションを増大させることが可能となる。
例えば貴石背面側及び側面側に形成する光反射手段を濃赤色とすることで、貴石に淡い光沢のルビーを装着した場合、また光反射手段を濃青色の色調として貴石に薄い光沢のブルーサファイアを装着した場合など、宝石などの装飾部材の色より濃い色の光反射手段を形成することにより、装飾部材の色調を鮮やかに視認させ、高価な装飾部材に相当する視認品質が得られる、との効果が得られる。
ここで時計用表示板以外の場所とは、携帯時計の表示板上の時字指標相当部以外の場所、あるいは図1におけるケース520のベゼル表面、時計バンド530の所望の場所などである。
本実施形態においては主に有色の光輝顔料を添加したインクによる有色の光反射手段の形成方法を説明したが、実施形態1、2と同じく、光輝顔料の代わりに10μm〜30μmのガラスビーズを10〜20重量%添加した所望の色調の染料によるインク、さらには光輝性を有する有色塗料を用いて反射膜124b、反射層128を40μm〜60μmの厚みで形成した場合でも、ほぼ同様な効果が得られた。
本実施形態でも実施形態1、2と同じく、貴石116aの台座部156bへの固着はカシメにより行っており、接着剤は使用していない。また、台座部156b内周凹状部156gの段部136f、空気層107の作用効果についても、実施形態1、2と全く同じである。
さらに本実施形態での、有色の貴石を表示板その他携帯時計の所望の場所に装着する場合、有色貴石と同一色または同系色の光反射手段を貴石背面側及び側面側に形成することによって貴石の色のばらつきを補完、緩和する効果という点では、図5に示す実施形態1のようにメクラ孔の台座部106bを用いて有色の貴石の色と同一またはやや濃い目の光反射手段を貴石背面側または側面側の少なくとも一方、好ましくは双方に形成する場合においても全く同じ効果が得られる。
実施形態1のように貴石背面形状と、内周凹状部の断面形状がほぼ同一形状の場合は、0.08mm〜0.2mm径のガラス球または透光性樹脂球をインク等の有色反射層に10重量%、実施形態1同様に添加することで、該ガラス球または透光性樹脂球が離間部材(空気層形成手段)の役割を果たす。
図12は本発明の実施形態4に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品166の断面図を示す。本実施形態は実施形態2及び3に対して、貴石126aの形状のみが異なる。
本実施形態に用いる貴石126aは、これまでの実施形態1〜3に使用した貴石とは形状が異なる。実施形態1〜3に使用した貴石は背面の円錐状のパビリオンの角度を大きくすることによって貴石を薄く抑制したものを用いたが、本実施形態では図21(b)で説明した貴石背面のパビリオンを断面略台形形状にカットすることで、厚み寸法を抑制したものを用いている。
貴石126aの素材としては実施形態1〜3で用いた無色又は有色のダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、水晶、紫水晶等の光透過性の貴石、透光性のセラミックス、透光性樹脂、ガラス等が特に制限無く使用可能である。
携帯時計の表示板上に装着する貴石は、厚み寸法の抑制が容易、との理由で実際には図
12に示す貴石126aの様な背面が断面略台形形状にカットされたものを用いる場合が多い。該形状では貴石裏面の平坦部から漏れる外光が多いため、貴石としての良好な輝きが得られにくい。
本実施形態において、貴石126aを、台座部166bの内周凹状部166gに形成する反射層168と、遮蔽部材164のおもて面に形成する反射膜164bとによって背面側から光輝かせる原理については実施形態2及び3と基本的に同じである。
本実施形態では、実施形態1〜3の背面が大きい円錐角のパビリオン形状の貴石とは異なり、貴石126a背面が広い面積の平坦形状であるため、貴石126aおもて面から入射する外光の内、臨界角以下の光は背面を透過した後、貴石126aとほぼ平行な反射膜164bにより反射されて再び貴石126a内に戻る。臨界角を超える角度の光は貴石126a背面平坦部で全反射を起こす。
このように本実施形態では、貴石126a背面の殆どが表示板基板101とほぼ平行な平坦面と、さらに同じく平行な反射膜164bとで構成されるため、円錐角の大きいパビリオンで薄型化した貴石を用いた実施形態1〜3よりもさらに貴石の薄型化が可能であり、このような非常に薄い貴石であっても、背面側反射手段によって貴石126aを光り輝かせる効果が得られる。また内周凹状部166gが貫通孔のみで、遮蔽部材164の反射膜164bが存在しない場合に比較して、貴石126aを反射手段により光輝かせる、あるいは貴石126aが有色貴石である場合の反射手段による色調補完、強調及び貴石内での色ムラの低減の効果が得られる点についても実施形態1〜3と同様な効果が得られる。
また実施形態1〜3で使用した、背面のパビリオン円錐角を大きくして薄型化を図った形状の貴石では、内周凹状部に形成する反射手段の内、貴石側面側の反射手段、すなわち表示板基板101に対して垂直方向の反射面からの反射光は、例えば図8に示すようにパビリオン円錐角が非常に大きい角度であるため、貴石内に戻る光は少なく、貴石を光輝かせることにそれ程大きく寄与しておらず、省略してもそれ程大きな支障はないが、本実施形態の形状の貴石は、図21(b)に示すように、ブリリアンカット貴石のパビリオン部を断面台形状にカットしたような形状であるため、台形状のパンビリオン円錐角は実施形態1〜3の貴石との比較で小さく、貴石側面側の反射手段による反射光も背面側及び側面側の反射手段が共に光反射に大きく貢献する。
本実施形態に用いる貴石126aは、これまでの実施形態1〜3に使用した貴石とは形状が異なるのみであり、貴石の種類、材質はこれまでの実施形態に使用した無色透明貴石、有色貴石のいずれかを選択して使用することが可能である。従って遮蔽部材164おもて面に形成する反射膜164b、及び台座部166bの内周凹状部166gに形成する反射層168についても、実施形態1〜3でそれぞれ使用した貴石の無色、有色等の種類、及び目的とする反射効果に対応した光反射及び色調補完、色の強調の効果の得られるものを選択して形成する。
本実施形態においても、貴石の種類に対応した光反射手段を貴石の背面及び側面側に形成したことにより、実施形態1〜3同様にパビリオン部が薄く、上下方向寸法の薄い貴石であっても、ブリリアンカットに劣らない輝きが得られた。段部166fは一段の例で説明したが、実施形態1〜3同様に2段以上に形成することも可能である。
また有色貴石を用いた場合は貴石の色と同一または同系色の光反射手段を貴石背面及び側面側に形成したことにより、実施形態3で説明した複数の有色貴石の色のばらつきを補完、緩和すること、及び有色貴石の色を強調することが可能となった。
図13は本発明の実施形態4の変形例に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に
用いる貴石入台座部品176の断面図を示す。本実施形態変形例は実施形態3に対して、貴石入台座部品176の台座部176bの内周凹状部176gの形状のみが異なる。
本実施形態変形例においては、貴石126a裏面円錐状部のカットされた断面略台形の角の部分を利用し、カットされる前の貴石126a裏面の円錐角よりも大きな角度の円錐状斜面を、図13に示すように内周凹状部176gに形成する。
実施形態4では、実施形態2同様台座部166bの内周凹状部166gに、空気層形成手段として段部を形成することで、貴石背面を輪環状に必要最小限の面積で接触させ、インクからなる反射層168、反射膜164bが貴石126aに直接接触しない構成としたが、本実施形態変形例では貴石126a背面の角部を空気層形成手段として、この角部と、貴石126a背面と、内周凹状部176gと、遮蔽部材164とにより空気層107を確保する構成としている。すなわち、台座部176bの内周凹状部176g内に露出する、貴石126a背面の断面略台形形状部分の表面と、台座部176bの内周凹状部176gの内面のうち、前者の一部を台座部176bの内周凹状部176gの内面側に突出させ、貴石126a背面の断面略台形形状部分の表面と、台座部176bの内周凹状部176gの内面を離間させて空気層を形成している。
また図示しないが、台座部176bを用いることなく、実施形態2の様に表示板基板101に直接図13の内周凹状部176g相当の孔加工を施して貴石126aを直接カシメ固定することも可能である。実施形態2ではメクラ孔加工が前程であったため、表示板基板121はメクラ孔加工残肉を見込んで0.8mm厚としたが、本実施形態では貫通孔であるため0.5mm〜0.7mm厚の表示板基板であっても実施可能である。
また、貴石126aの形状は貴石106aに比較して一層の薄型化が可能であり、メクラ孔の残肉制限の少ない、表示板以外のケース、ベゼル、バンドなどにメクラ孔を形成して、貴石126aをカシメ固定することにより、ケース、ベゼル、バンドなどの表面からの貴石126aの突出量を抑制し、これら部材から貴石126aの脱落を防止する効果が得られる。
本実施形態変形例の特徴として、貴石126aの裏面形状に近似して反射層178、反射膜164bを配置することが可能であり、実施形態3よりもさらに均一に反射光を貴石に照射することが可能である。
また、内周凹状部176gは貫通孔であるため、孔加工が容易で、貴石入台座部品176の上下方向寸法を抑制することが可能であり、装飾部材を含めた全体の厚みを抑制した時計用表示板、及びそれを備えた薄型の携帯時計を提供することができる。
図14は本発明の実施形態5に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品186の断面図を示す。実施形態1〜4との違いは、基本的には台座部186bに固着する装飾部材としての貴石136aのみである。実施形態1〜3で用いた、パビリオンの円錐角を大きくして厚み寸法を抑えたダイヤモンド等の貴石、また実施形態4で用いたパビリオン円錐部を断面略台形形状にカットして上下方向の寸法を抑制した薄形貴石とは異なり、本実施形態ではカボションカットと呼ばれる、おもて面側の外周断面が丸い山形をなす貴石を用いている。カボションカットされる透光性貴石としては、無色透明のものでは水晶、半透明のものではルビー、キャッツアイなどがある。
貴石が光透過性を有するものであれば、カボションカット形状の様な貴石であっても、また背面がパビリオン形状でない貴石であっても、背面側及び側面側に光反射手段を設けることにより、貴石136aを光輝かせる効果が得られる。
本実施形態では図14に示すように、貴石136aとして断面が半球状カットで底面フラットなものを用いているが、これは本発明の課題のひとつである、薄い装飾部材による薄型の携帯時計を提供するためでもある。
半球状の貴石136aの表面に到達した光は、一部は反射するがそれ以外の光は球面レンズに入射する光と同様に、貴石136aの屈折率に対応した軌跡で入射し、入射角の違いにより、一部は底面で反射されるが一部は底面を透過する。透過した光は貴石136aの背面側に形成された反射膜174b、及び側面側に形成された反射層188によって反射され、反射光は再び貴石136aに戻り、球面側表面から出て行くことで貴石136aが光輝いて見える作用をなす。
反射層188及び反射膜174bは貴石136aの種類、すなわち無色、有色等の材質、光透過率等や、目的とする反射効果に対応した光反射及び色調補完、色の強調の効果の得られるものを選択して形成する。
本実施形態に用いる貴石136aは裏面が平坦形状のものの実施例を紹介したが、内周凹状部186gに、貴石136a裏面の受けとして、また空気層107を構成する空気層形成手段として形成する段部186fの形状を図14に示すように工夫することで、貴石136a裏面と反射層188との接触が線状に周回するように形成され、接触面積を最小化し、空気層107を貴石136a背面の全域に十分に確保することが可能となる。
以上本実施形態で説明したように、本願発明ではパビリオンの円錐角を大きくすることにより、あるいはパビリオンを断面略台形形状にカットしたことにより薄形化した貴石以外の形状、例えば本実施形態で説明したように断面が半円の場合、その他楕円、放物線、さらには矩形や台形など多角形の異形の断面形状からなる貴石などの装飾部材であっても、該装飾部材が透明又は半透明の光透過性を有する材料から構成されているならば、携帯時計において、視認側から見た装飾部材の背面側または側面側の少なくとも一方に光反射手段を形成することで、装飾部材を外光により光り輝かせることが可能となる。
装飾部材の材質に関しても、透明又は半透明の光透過性を有するものならば貴石、宝石類に限定されることなく、無機ガラス、透光セラミックス、透光性樹脂などの装飾部材を含む光透過性装飾部材などに対して制限無く、背面側または側面側の少なくとも一方、好ましくは双方に形成する光反射手段によって、装飾部材を光り輝かせる、及び有色の装飾部材の色のばらつきを低減したり、色彩を強調したりする反射効果が得られる。
図15は本発明の実施形態5の変形例に係る携帯時計に使用する時計用表示板100に用いる貴石入台座部品196の断面図を示す。本実施形態変形例では貴石146aはポッティング手法により形成される透光性の樹脂である。
ポッティングとは粘性を有する樹脂を、その表面張力を利用して所望の形状に肉盛りした後に硬化させ、装飾部材又は保護部材に用いる周知の技術であり、携帯時計の装飾部材に応用しても優れた装飾効果が得られる。ポッティングに使用する樹脂としては、エポキシ系、シリコン系、あるいはUV硬化樹脂などが用いられる。また、樹脂とディスペンサーをセットにしたポッティングのキットなども市販されている。
本実施形態では図15に示す台座部196bを金属の切削加工にて形成する。ポッティングを施すおもて面はバフ研磨などにより鏡面に近い状態に仕上げることで、装飾部材となるポッティング樹脂に対する有効な反射層198とすることができる。その際図15に示すエッジ部196hが丸みを帯びないように注意する。
その後、前記実施形態2の変形例と同じく、台座部196bに光輝メッキを施し、粘度1,500〜3,000センチポアズの透明エポキシ樹脂に、青色光輝顔料を15重量%混合・攪拌し、半透明青色となったエポキシ樹脂をディスペンサーにより所定量、台座部196bおもて面に甲丸状に形成し、70℃1時間で乾燥硬化させたところ、鏡面仕上げの台座部196bのおもて面198が反射層となり、あたかもブルーサファイアやアクアマリンのような宝石調の視認品質を有する樹脂製装飾部材である貴石146aを得ることができた。
本実施形態において、青色光輝顔料の添加割合を7〜10重量%と少な目に設定して淡いブルー色調とし、台座部196bにブルーのカラーメッキを施したところ、反射層198の色調補完作用によって、より透明感の高い樹脂製装飾部材である貴石146aを得ることができた。
台座部196bをアルミニウム材とし、青色アルマイト処理によって反射層198を形成することでも同様の効果が得られる。アルマイト処理によって反射層198を形成する場合、図示しないが図15の台座部196b裏面に凹状孔を設け、凹状孔内周に電極痕を設定することで、おもて面側に電極痕が現れない。
またアルマイト処理による着色の種類としては他に金、銀、赤、紫などが可能である。
本実施形態では透明エポキシ樹脂に青色光輝顔料を添加混合する実施例を紹介したが、カラー着色されたエポキシ樹脂、UV硬化樹脂などでも良い。無色透明、または有色のポッティング専用の樹脂も同じく市販されており、条件を満たすならばそれらを使用することも可能である。
また台座部196bの平面形状は円形、長円形、矩形、ハート形など、ほぼ任意の形状とすることが可能である。エッチング手法等によりアラビア数字、ローマ数字などの形状とすることも可能である。
縁196iはエッジ部196hの外側を、貴石146aの外形輪郭と同形状に周回するように形成して、装飾部材である貴石146の外形形状を際立たせて見えるようなデザイン効果を狙ったものであり、ポッティングによる樹脂盛の特徴として断面がかまぼこ状に、外周縁が全体に丸みを伴ったR形状となるため、貴石146を矩形の時字などに形成したい場合、またアラビア数字、ローマ数字などの複雑な形状の場合に、視認上の外形輪郭を先鋭化して強調したい場合に形成する。貴石146が単純な円形である場合など、デザイン面で必要がなければ省略しても構わない。
本実施形態の特徴として、ポッティング手法を用いることで、安価な透光性樹脂と光反射部材との組合せにより、優れた視認品質の装飾部材が得られた。ポッティングに用いる樹脂の着色を濃い目にして装飾部材である貴石146を形成しても良いが、透光性樹脂の着色を薄めにして、台座部196bの反射層198を同一または同系色の濃い目の着色とすることで、貴石146の樹脂としての質感が後退し、天然貴石に近い視認品質の装飾部材が得られた。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る携帯時計では、無色または有色のダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの光透過性を有する貴石などの光透過性装飾部材を少なくとも1つ、表示板おもて面、携帯時計のケース、側、及びバンドの表面に固着し、前記光透過性装飾部材の背面側または側面側の少なくとも一方の領域に光反射手段を形成して、前記貴石のおもて面より入射する外光を前記光反射手段で効率的に反射させることにより、前記光透過性装飾部材の輝きが増大するとともに、薄型の貴石を装飾部材として用い
ても、本格的なカットに遜色ない輝きの貴石を装着した時計と同等で、かつ薄型の携帯時計が安価に提供可能になった。
また、有色の光透過性装飾部材を複数用いる場合に、前記光反射手段を有色の光透過性装飾部材の色と同一または同系色に形成することで、色のばらつきを補完、緩和することが可能となった。さらに前記光反射手段としての有色層を、有色の光透過性装飾部材の色より濃い色で形成し、その反射光を利用することで、有色の光透過性装飾部材の色のばらつきをより効率的に補完、緩和することが可能となった。
さらに光反射手段の反射効果により、装飾部材の色をより鮮やかに、高級感を伴って視認することが可能になり、表示板、ケース、バンドその他に装着する装飾部材の輝き、色調及びカラーヴァリエーションに優れた携帯時計を安価に提供することが可能となった。