JP6177000B2 - レーザ走査型顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ走査型顕微鏡に関するものである。
従来、標本上でレーザ光を2次元的に走査させ、光照射による標本の反応を検出して2次元的な輝度情報を取得するレーザ走査型顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。標本にレーザ光を照射すると、照射領域の反応が周囲の領域にも及ぶ場合がある。そのため、標本上の空間的に隣接する領域を順に走査していくと、隣接する直前の照射領域の反応が現在の照射領域の反応に影響し誤検出してしまうという問題がある。
特許文献1に記載のレーザ走査型顕微鏡は、標本上の空間的に隣接する領域を連続走査しないように空間的に離れた領域を順次走査させて各照射領域の反応を検出していくことで、標本における照射領域間の反応の影響を排除して、個々の照射領域の輝度を正しく検出することとしている。
特開2006−227600号公報
しかしながら、標本の光刺激の反応を観察する場合等においては標本における広い範囲の反応の画像を解像度を落とさずに取得したいという要望があるが、特許文献1に記載のレーザ走査型顕微鏡では、標本における顕微鏡の視野範囲内の領域の画像しか取得することができないという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、標本における隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、視野範囲外を含む広い範囲における標本の反応の画像を解像度を落とさずに取得することができるレーザ走査型顕微鏡を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射する対物レンズと、該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部と、前記標本が載置され、前記対物レンズの光軸に対して交差する方向に前記標本を移動可能なステージと、レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、全ての前記走査可能範囲に対して前記ステージを順次移動させ、前記順序決定部により決定された前記走査順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡を提供する。
本発明によれば、レーザ光源から発せられたレーザ光が走査部により走査されて対物レンズにより標本に照射され、これにより生じる標本の反応が検出部により検出される。そして、検出された標本の反応に相当する輝度情報と走査部によるレーザ光の走査位置情報とが互いに対応付けられて記憶部に記憶される。したがって、記憶部に記憶された輝度情報と走査位置情報とに基づいて標本の2次元的な画像を取得することができる。
この場合において、観察範囲分割部により観察範囲を分割した走査可能範囲ごとに、順序決定部により決定された走査順序に従って制御部が走査部によりレーザ光を走査させることで、空間的に隣接する照射領域に時間的に連続してレーザ光が照射されることがない。したがって、レーザ光が照射された照射領域の反応が空間的に隣接する周囲の照射領域に及ぶ場合でも、現在レーザ光を照射した照射領域の反応に対してその直前にレーザ光を照射した照射領域の反応が影響するのを防ぐことができる。
また、ステージを移動させて観察範囲内の全ての走査可能範囲についてレーザ光を走査させて標本の反応を検出することで、走査可能範囲外、すなわち、視野範囲外を含む観察範囲全体における標本の2次元的な画像を取得することができる。
したがって、標本における空間的に隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、視野範囲外を含む広い範囲における標本の反応の画像を解像度を落とさずに取得することができる。
本発明は、レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射する対物レンズと、該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部と、前記標本が載置され、前記対物レンズの光軸に対して交差する方向に前記標本を移動可能なステージと、レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の本走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、該順序決定部により決定される前記本走査順序に従ってレーザ光を走査させる本検出に先立ち、全ての前記走査可能範囲に対して前記ステージを順次移動させ、前記本検出における走査よりも短時間で各前記走査可能範囲の略全体に光を照射する簡易検出を行い、該簡易検出において前記検出部により検出される前記標本の反応が少なくとも一部で所定の閾値を超えた前記走査可能範囲について、前記ステージを再度移動させて、前記本走査順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡を提供する。
本発明によれば、本検出により、標本上の互いに空間的に隣接しない照射領域にレーザ光を照射していく場合(これをマッピングスキャンという。)は、標本における空間的に隣接する照射領域間の影響が低減するものの、レーザ光が時間的に連続して照射される照射領域間の距離が離れている分だけ走査可能範囲全体にレーザ光を照射するのに時間がかかる。
そこで、簡易検出により、本検出における走査よりも短時間で走査可能範囲の略全体に光を照射して、標本の反応が大きい走査可能範囲を予め短時間で選別し、選別した走査可能範囲についてのみ本検出によりマッピングスキャンを施すことで、空間的に隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、標本における反応が大きい走査可能範囲をより短時間で効率的に観察することができる。
標本の反応が大きい走査可能範囲の選別は、走査可能範囲内のいずれか1つの照射領域における反応が所定の閾値を超えるか否か、または、走査可能範囲内の複数の照射領域における反応の平均が所定の閾値を超えるか否かを判定することとすればよい。
上記発明においては、前記制御部が、前記走査部により、互いに空間的に隣接する前記照射領域に順にレーザ光を走査させることによって前記簡易検出を行うこととしてもよい。
レーザ光の走査により、標本上の互いに空間的に隣接する照射領域に順にレーザ光を照射していく場合(これをラスタスキャンという。)は、マッピングスキャンと比較して、空間的に隣接する照射領域間の影響を受けるものの、レーザ光が時間的に連続して照射される照射領域間の距離が近接している分だけ走査可能範囲全体にレーザ光を短時間で照射することができる。
上記発明においては、前記走査可能範囲の略全体に1度に照明光を照射可能な広範囲照明光源を備え、前記制御部が、前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照明光を照射させて前記簡易検出を行うこととしてもよい。
広範囲照明光源により走査可能範囲の略全体に照明光を1度に照射する場合は、標本上をマッピングスキャンする場合と比較して、空間的に隣接する照射領域間の影響を受けるものの、照明光を走査しない分だけマッピングスキャンやラスタスキャンよりも走査可能範囲全体に照明光を短時間で照射することができる。
上記発明においては、前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照射する照明光が、空間的に隣接する他の前記走査可能範囲に照射されるのを制限する照射領域制限部を備えることとしてもよい。
このように構成することで、照射領域制御部により、広範囲照明光源から発せられた照明光が本来の照射対象である走査可能範囲のみに照射される。したがって、他の走査可能範囲に照明光が漏れて生じる反応を、本来の照射対象である走査可能範囲の反応の一部であると誤検出してしまうのを防ぐことができる。これにより、標本における反応が大きい走査可能範囲をより精度よく選別することができる。
上記発明においては、前記順序決定部が、空間的に互いに隣接する前記走査可能範囲に時間的に連続して照明光が照射されないように、前記広範囲照明光源により照明光を照射する前記走査可能範囲の照射順序を決定し、前記制御部が、前記順序決定部により決定された前記照射順序に従って前記ステージを移動させて前記簡易検出を行うこととしてもよい。
このように構成することで、広範囲照明光源から発せられた照明光が、空間的に隣接する走査可能範囲に時間的に連続して照射されることがない。したがって、広範囲照明光源により照明光が照射された走査可能範囲の反応が空間的に隣接する周囲の走査可能範囲に及ぶ場合でも、現在照明光を照射した走査可能範囲の反応に対してその直前に照明光を照射した走査可能範囲の反応が影響するのを防ぐことができる。これにより、標本における空間的に隣接する走査可能範囲間の影響を低減しつつ、標本における反応が大きい走査可能範囲をより精度よく選別することができる。
上記発明においては、前記標本の画像を構築する画像構築部を備え、前記記憶部が、前記ステージの位置座標に関する座標情報を前記輝度情報および前記走査位置情報に対応付けて記憶し、前記画像構築部が、前記記憶部に記憶された前記輝度情報を前記走査位置情報に基づいて配置して前記走査可能範囲の2次元的な画像を構築し、該走査可能範囲の画像を前記座標情報に従って配列して前記観察範囲の2次元的な画像を構築することとしてもよい。
このように構成することで、画像構築部により、全ての走査可能範囲の2次元的な画像をステージの座標順に整列させた観察範囲全体2次元的な画像を取得することができる。
本発明は、標本が載置される標本ステージと、レーザ光源から発せられたレーザ光を前記標本に照射する対物レンズおよび該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部を備える顕微鏡本体と、前記標本ステージに対して、前記対物レンズの光軸に交差する方向に前記顕微鏡本体を移動可能に支持する顕微鏡ステージと、レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、全ての前記走査可能範囲に対して前記顕微鏡ステージにより前記顕微鏡本体を順次移動させ、前記順序決定部により決定された前記照射領域の順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡を提供する。
本発明によれば、観察範囲分割部により観察範囲を分割した走査可能範囲ごとに、順序決定部により決定された走査順序に従って制御部が走査部によりレーザ光を走査させることで、レーザ光が照射された照射領域の反応が空間的に隣接する周囲の照射領域に及ぶ場合でも、現在レーザ光を照射した照射領域の反応に対してその直前にレーザ光を照射した照射領域の反応が影響するのを防ぐことができる。
また、制御部が顕微鏡ステージにより顕微鏡本体を移動させて観察範囲内の全ての走査可能範囲についてレーザ光を走査させて標本の反応を検出することで、走査可能範囲外、すなわち、視野範囲外を含む観察範囲全体における標本の2次元的な画像を取得することができる。
したがって、標本における空間的に隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、視野範囲外を含む広い範囲における標本の反応の画像を解像度を落とさずに取得することができる。
本発明は、標本が載置される標本ステージと、レーザ光源から発せられたレーザ光を前記標本に照射する対物レンズおよび該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部を備える顕微鏡本体と、前記標本ステージ上の標本に対して、前記対物レンズの光軸に交差する方向に前記顕微鏡本体を移動可能に支持する顕微鏡ステージと、レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の本走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、該順序決定部により決定される前記本走査順序に従ってレーザ光を走査させる本検出に先立ち、全ての前記走査可能範囲に対して前記顕微鏡ステージにより前記顕微光本体を順次移動させ、前記本検出における走査よりも短時間で各前記走査可能範囲の略全体に光を照射する簡易検出を行い、該簡易検出において前記検出部により検出される前記標本の反応が少なくとも一部で所定の閾値を超えた前記走査可能範囲について、前記顕微鏡本体を再度移動させて前記本走査順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡を提供する。
本発明によれば、簡易検出後に本検出を行うことで、空間的に隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、標本における反応が大きい走査可能範囲をより短時間で効率的に観察することができる。
上記発明においては、前記制御部が、前記走査部により、互いに空間的に隣接する前記照射領域に順にレーザ光を走査させることによって前記簡易検出を行うこととしてもよい。
上記発明においては、前記走査可能範囲の略全体に1度に照明光を照射可能な広範囲照明光源を備え、前記制御部が、前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照明光を照射させて前記簡易検出を行うこととしてもよい。
上記発明においては、前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照射する照明光が、空間的に隣接する他の前記走査可能範囲に照射されるのを制限する照射領域制限部を備えることとしてもよい。
上記発明においては、前記順序決定部が、空間的に互いに隣接する前記走査可能範囲に時間的に連続して照明光が照射されないように、前記広範囲照明光源により照明光を照射する前記走査可能範囲の照射順序を決定し、前記制御部が、前記順序決定部により決定された前記照射順序に従って前記顕微鏡ステージにより前記顕微鏡本体を移動させて前記簡易検出を行うこととしてもよい。
上記発明においては、前記標本の画像を構築する画像構築部を備え、前記記憶部が、前記顕微鏡本体の位置座標に関する座標情報を前記輝度情報および前記走査位置情報に対応付けて記憶し、前記画像構築部が、前記記憶部に記憶された前記輝度情報を前記走査位置情報に基づいて配置して前記走査可能範囲の2次元的な画像を構築し、該走査可能範囲の画像を前記座標情報に従って配列して前記観察範囲の2次元的な画像を構築することとしてもよい。
このように構成することで、画像構築部により、全ての走査可能範囲の2次元的な画像を顕微鏡本体の座標順に整列させた観察範囲全体の2次元的な画像を取得することができる。
本発明によれば、標本における隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、視野範囲外を含む広い範囲における標本の反応を観察することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡を示す概略構成図である。 図1の制御プログラム部を示すブロック図である。 観察範囲指定部によりモニタに表示される観察可能領域とROI作成ツールを示す図である。 図3の観察可能領域に表示されている観察範囲を複数のサブ領域に分割した様子を示す図である。 64×64ピクセルのサブ領域における走査順序を示す図である。 視野範囲に1つ目のサブ領域を配置した様子を示す図である。 図6のサブ領域をマッピングスキャンする様子を示す図である。 視野範囲に2つ目のサブ領域を配置した様子を示す図である。 図8のサブ領域をマッピングスキャンする様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡により、1つ目のサブ領域をラスタスキャンする様子を示す図である。 2つ目のサブ領域をラスタスキャンする様子を示す図である。 蛍光の輝度が所定の閾値を超えるサブ領域を選別した様子を示す図である。 図12の選別した1つ目のサブ領域をマッピングスキャンする様子を示す図である。 図12の選別した2つ目のサブ領域をマッピングスキャンする様子を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡を示す概略構成図である。 (a)はLCOSにより制限しない場合のレーザ光源の照射範囲を示す図であり、(b)はLCOSによりレーザ光源の照射範囲をサブ領域に一致させた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態の変形例にレーザ走査型顕微鏡を示す概略構成図である。 本発明の第3実施形態の変形例にレーザ走査型顕微鏡を示す概略構成図である。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100は、図1に示すように、標本Sが載置されるステージ1と、レーザ光を発生する光源ユニット3と、光源ユニット3から発せられたレーザ光を反射する反射ミラー5と、反射ミラー5により反射されたレーザ光を透過するダイクロイックミラー7と、ダイクロイックミラー7を透過したレーザ光を標本S上で走査させる走査光学ユニット(走査部)9と、走査光学ユニット9により走査されたレーザ光を標本Sに照射する一方、標本Sにおいて発生する蛍光を集光する対物レンズ11と、対物レンズ11により集光された蛍光を検出する光検出器(検出部)13とを備えている。
ステージ1は、対物レンズ11の光軸に対して直交するXY方向に移動可能に設けられている。これにより、ステージ1を移動させるだけで、走査光学ユニット9により標本S上でレーザ光を走査可能な範囲をXY方向に移動させることができるようになっている。
光源ユニット3は、互いに波長が異なるレーザ光を発するレーザ光源31A,31Bと、一方のレーザ光源31Aから発せられたレーザ光を反射する反射ミラー33と、反射ミラー33により反射されたレーザ光の光路と他方のレーザ光源31Bから発せられたレーザ光の光路とを合成するダイクロイックミラー35と、ダイクロイックミラー35により光路が合成された各レーザ光の発生のON/OFF、レーザ光の強度および波長成分等を制御する音響光学素子37とを備えている。
ダイクロイックミラー35は、レーザ光源31Aから反射ミラー7を介して入射されるレーザ光を音響光学素子37に向けて反射する一方、レーザ光源31Bからのレーザ光を透過して音響光学素子37に入射させるようになっている。
音響光学素子37としては、例えば、AOTF(Acoust Optical Tunable Filter、音響光学素子)やAOM(Acousto−Optic Modulator)が用いられる。
ダイクロイックミラー7は、反射ミラー5からのレーザ光を透過させて走査光学ユニット9に入射させる一方で、対物レンズ11により集光されて走査光学ユニット9を介して戻る標本Sからの蛍光を反射して、レーザ光の光路から分岐させるようになっている。
走査光学ユニット9は、互いに直交する2方向に光を偏向するY方向スキャナ9AとX方向スキャナ9Bとを備えている。この走査光学ユニット9は、対物レンズ11により照射されるレーザ光をこれらのスキャナ9A,9Bによって標本S上で2次元的に走査させることができるようになっている。
光検出器13としては、例えば、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)が用いられる。この光検出器13は、レーザ光が照射されることにより生じる標本Sの反応として、標本Sにおいて発生した蛍光を検出するようになっている。また、光検出器13は、検出した蛍光の輝度に相当する輝度信号を出力するようになっている。
また、レーザ走査型顕微鏡100には、ユーザからの指示が入力される入力装置15と、光検出器13から出力された輝度信号をA/D変換するA/D変換器17と、A/D変換された輝度信号や入力装置15に入力された指示等を処理したり標本Sへのレーザ光の照射等を制御したりするPC(Personal Computer)19と、走査光学ユニット9を駆動させるスキャナ駆動部21と、ステージ1を移動させるステージ駆動部23と、入力装置15に入力された指示や標本Sの画像等を表示するモニタ25とが備えられている。
入力装置15は、例えば、図示しないキーボード、マウス(ポインティングデバイス)、GUI(Graphical User Interface)等により構成されている。この入力装置15には、ユーザが走査条件やレーザ光の出力条件等の指示を入力することができるようになっている。また、入力装置15は、ユーザが所望の観察範囲を指定することができるようになっている。
PC19は、光源ユニット3から発生させるレーザ光の出力を制御するレーザ出力制御部41と、A/D変換された輝度信号等を記憶するフレームメモリ(記憶部)43と、レーザ光の走査の設定や画像取得等を行う制御プログラム部45と、走査光学ユニット9を駆動する駆動波形データを記憶する駆動波形メモリ47A,47Bと、スキャナ駆動部21およびステージ駆動部23等を制御する制御部49とを備えている。
レーザ出力制御部41は、入力装置15から送られてくるレーザ光の出力条件を保存するメモリ41aを有している。このレーザ出力制御部41は、メモリ41aに保存した出力条件を読み出して、AOTF37によりレーザ光の発生のON/OFFを制御することができるようになっている。
フレームメモリ43は、A/D変換器17から送られてくる輝度信号と共に、走査光学ユニット9によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶するようになっている。また、フレームメモリ43は、ステージ1の位置座標に関する座標情報を輝度信号および走査位置情報に対応付けて記憶するようになっている。
駆動波形メモリ47AはY方向スキャナ9Aの駆動波形データを記憶し、駆動波形メモリ47BX方向スキャナ9Bの駆動波形データを記憶するようになっている。
制御プログラム部45は、図2に示すように、入力装置15から走査条件が入力される走査条件入力部51と、標本S上の観察範囲を指定する観察範囲指定部(観察範囲分割部)53と、走査光学ユニット9により走査させるレーザ光の照射領域の走査順序を決定する走査順序決定部55と、標本Sの画像を構築する画像構築部57とを備えている。
走査条件入力部51には、走査条件として、例えば、画像化領域(例えば、512×512ポイント)を決定するためのXYスキャンサイズ、A/D変換器17における検出信号のサンプリング間隔を決めるサンプリングスピード、視野範囲内の一照射領域当たりのデータ取得時間などが入力される。
観察範囲指定部53は、例えば、図3に示すように、モニタ25上に観察可能領域53AとROI作成ツール53B(ROI:Region Of Interest、関心領域)を表示させるようになっている。ユーザは、入力装置15のマウス等を操作して、モニタ25上の観察可能領域53AとROI作成ツール53Bにより観察範囲を指定することができるようになっている。また、観察範囲指定部53は、ユーザが指定した観察範囲を標本Sに対して設定するようになっている。
ROI作成ツール53Bとしては、マウスの左ボタンのダウン位置とアップ位置とを対角線にした長方形のROIを作成する「Rectangle ROI」と、マウスによるボタンクリック位置を頂点として、各頂点をクリック順に直線で結んだ多角形のROIを作成する「Polygon ROI」とがある。「Polygon ROI」では、マウスの左ボタンをダブルクリックすると打点終了となるようになっている。
また、観察範囲指定部53は、観察範囲を設定すると、図4に示すように、ステージ1を固定した状態で走査光学ユニット9によりレーザ光を走査可能な複数のサブ領域(走査可能範囲)によりその観察範囲を分割するようになっている。
走査順序決定部55は、標本S上に時間的に連続して照射するレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないようなランダムな走査順序をサブ領域ごとに決定するようになっている。走査順序の決定には、例えば、乱数を用いる。
照射領域のランダムな走査順序は、例えば、図5に示すように決定される。すなわち、1つのサブ領域を同じ大きさの8つの分割領域A〜Hに分割する。そして、ACEGBDFHの順に各分割領域の左上の照射領域を照射する。一巡したらXライン方向に1つ隣の照射領域を同じようにACEGBDの順序で照射する。1ライン分が完了したら各分割領域の2ライン目の各照射領域を同じように照射する。つまり、分割領域A〜Hを一定の順序で同じ規則に従ってレーザ光を照射するように決定される。
図5は、64×64ピクセルのサブ領域における走査順序を示している。各マスの数字が走査順序を示す。図5の例では、1番目に照射された照射領域の隣は9番目に照射されるので、隣どうしの照射領域のレーザ照射の時間間隔はピクセル8個分のデータ取得時間となる。
また、走査順序決定部55は、決定した走査順序により互いに空間的に隣接する照射領域がないかを確認し、ある場合は他の照射領域と入れ替える処理を行うようになっている。また、走査順序決定部55は、決定した走査順序に従った各照射領域の座標を走査位置情報としてフレームメモリ43に送るとともに、その座標の時間変化を駆動波形データに変換して駆動波形メモリ47A,47Bに送るようになっている。
画像構築部57は、フレームメモリ43に記憶されている輝度信号を走査位置情報としての各照射領域の座標に従い配置し、サブ領域の2次元的な画像を構築するようになっている。また、画像構築部57は、構築したサブ領域の画像をフレームメモリ43に記憶されているステージ1の座標情報に従って配列して張り合せ、観察範囲全体の2次元的な画像を構築するようになっている。
制御部49は、観察範囲指定部53により分割された全てのサブ領域に対して、空間的に隣接する順に視野範囲に配置するようにステージ1を順次移動させる移動データを設定し、移動データに従ってステージ駆動部23によりステージ1を移動させるようになっている。
移動データは、例えば、観察範囲内でサブ領域をX方向に隣接する順に移動して1ライン終了したらY方向にラインをずらし、各ラインをX方向に隣接する順に移動していくというものであってもよい。また、制御部49は、設定した移動データに従ったステージ1の座標の時間変化を座標情報としてフレームメモリ43に送るようになっている。
また、制御部49は、サブ領域ごとに、駆動波形メモリ47A,47Bに記憶されている各照射領域の走査順序を読み出し、その走査順序に従ってスキャナ駆動部21により走査光学ユニット9を駆動させるようになっている。
スキャナ駆動部21は、制御部49の制御によりスキャナ9A,9Bを揺動させてレーザ光を走査させるようになっている。
ステージ駆動部23は、制御部49の制御によりステージ1を移動させるようになっている。
このように構成されたレーザ走査型顕微鏡100の作用について説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100により標本Sを観察するには、まず、ユーザがステージ1に標本Sを載置し、入力装置15を操作して観察範囲指定部53により観察範囲を指定する。
ユーザが、例えば、図3に示すように、「Polygon ROI」によって観察範囲を指定すると、観察範囲指定部53により、標本Sに対してその観察範囲が設定され、図4に示すように、設定した観察範囲が複数のサブ領域に分割される。
次いで、ユーザが入力装置15に各サブ領域の走査条件を入力すると、入力装置15から制御プログラム部45の走査条件入力部51にその走査条件が送られる。すると、走査順序決定部55により、図5に示すように、サブ領域内の隣り合う照射領域に連続してレーザ光を照射しないランダムな走査順序が決定される。また、サンプリングスピードと一照射領域当たりのデータ取得時間により、一照射領域当たりのサンプリング回数が算出される。本実施形態では、一照射領域当たりのサンプリング回数は1回に設定される。
次いで、走査順序決定部55により、決定した走査順序に従った各照射領域の座標が走査位置情報としてフレームメモリ43に送られるとともに、座標の時間変化が駆動波形データに変換されて駆動波形メモリ47A,47Bに送られて記憶される。
また、制御部49により、観察範囲指定部53により分割された全てのサブ領域に対して、空間的に隣接する順にステージ1を順次移動させる移動データが設定され、その移動データに従ったステージ1の座標の時間変化が座標情報としてフレームメモリ43に送られる。
次に、入力装置15にユーザから走査開始の指示が入力されると、制御部49の制御により、図6に示すように、ステージ駆動部23がステージ1を移動させて1つ目のサブ領域が視野範囲に配置される。そして、制御部49により、駆動波形メモリ47A,47Bの駆動波形データが読み出されてスキャナ駆動部21が制御され、駆動波形データに従ってY方向スキャナ9AおよびX方向スキャナ9Bが揺動させられる。これと同時に、制御部49により、レーザ出力制御部41が制御され、光源ユニット3からレーザ光が射出される。
光源ユニット3から発せられたレーザ光は、反射ミラー5により反射されてダイクロイックミラー7を透過し、走査光学ユニット9のY方向スキャナ9AおよびX方向スキャナ9Bにより偏向されて、対物レンズ11により標本S上の照射領域に照射される。
そして、走査順序決定部55によりランダムに決められた走査順序に従った照射領域の座標の時間変化を示す駆動波形データに従ってスキャナ9A,9Bが揺動角度を変化させることにより、互いに隣接しない照射領域にレーザ光が順に照射される。これにより、図7に示すように、標本S上でレーザ光が2次元的に走査される。以下、標本S上の互いに空間的に隣接しない照射領域にレーザ光を照射していく走査をマッピングスキャンという。
レーザ光が照射されることにより、標本Sの各照射領域において蛍光が発せられると、その蛍光は、対物レンズ11により集光され走査光学ユニット9を介してダイクロイックミラー35によりレーザ光の光路から分岐され、光検出器13により検出される。
光検出器13により蛍光が検出されると、その蛍光の輝度に相当する輝度信号が光検出器13から出力され、A/D変換器17によりA/D変換されてフレームメモリ43に送られる。フレームメモリ43に送られた各照射領域の輝度信号は、走査順序決定部55から送られてきた走査順序に従った各照射領域の座標を示す走査位置情報に対応付けられて記憶される。
次いで、画像構築部57により、フレームメモリ43に記憶された輝度信号が、対応付けられている照射領域の座標に従って配置されてサブ領域の画像が構築される。構築され画像はモニタ25に表示される。
この場合において、サブ領域ごとに走査順序決定部55により決定されたランダムな走査順序に従ってマッピングスキャンすることで、空間的に隣接する照射領域に時間的に連続してレーザ光が照射されることがない。したがって、レーザ光が照射された照射領域の反応が隣接する周囲の照射領域に及ぶ場合でも、現在レーザ光が照射された照射領域からの蛍光の検出に対してその直前にレーザ光が照射された照射領域の蛍光の検出が影響するのを防ぐことができる。これにより、各照射領域の輝度を正しく検出した高解像度の画像を得ることができる。
1つ目のサブ領域のマッピングスキャンが終わると、制御部49の制御により、図8に示すように、ステージ駆動部23がステージ1を移動させて、1つ目のサブ領域に隣接する2つ目のサブ領域が視野範囲に配置される。そして、2つ目のサブ領域について、図9に示すように、制御部49により1つ目のサブ領域と同様にしてマッピングスキャンされ、画像構築部57により画像が構築される。同様にして、3つ目のサブ領域、4つ目のサブ領域というように全てのサブ領域が視野範囲に順次配置されてマッピングスキャンが行われる。
全てのサブ領域においてマッピングスキャンが行われて画像が構築されると、画像構築部57により、フレームメモリ43に記憶されているステージ1の座標情報に従って全てのサブ領域の画像が配列されて貼り合せられる。これにより、サブ領域外、すなわち、視野範囲外を含む観察範囲全体の2次元的な画像を構築される。構築された観察範囲の画像はモニタ25に表示される。ユーザは、この観察範囲全体の画像を見て標本Sを観察することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100によれば、サブ領域ごとにマッピングスキャンして画像を構築するとともに、各サブ領域の画像を貼り合せて観察範囲全体の画像を構築することで、標本Sにおける空間的に隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、視野範囲外を含む広い範囲における標本Sの反応の画像を解像度を落とさずに取得することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡について説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100は、制御部49が、マッピングスキャンによる本検出に先立って、マッピングスキャンよりも短時間でサブ領域の略全体にレーザ光を照射可能な簡易検出により反応があるサブ領域を選別し、選別したサブ領域のみをマッピングスキャンにより本検出する点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
制御部49は、走査順序決定部55により決定される走査順序(本走査順序)に従ったマッピングスキャンにより本検出を行うようになっている。
また、制御部49は、スキャナ駆動部21を制御して、走査光学ユニット9により互いに空間的に隣接する照射領域に順にレーザ光を走査させていくラスタスキャンによって簡易検出を行うようになっている。
マッピングスキャンは、標本Sにおける空間的に隣接する照射領域間の影響が低減するものの、レーザ光が時間的に連続して照射される照射領域間の距離が離れている分だけサブ領域の全体を走査させるのに時間がかかる。これに対し、ラスタスキャンは、レーザ光を時間的に連続して照射していく照射領域が隣接している分だけ、マッピングスキャンよりも短時間でサブ領域の略全体にレーザ光を照射することができる。
ラスタスキャンは、例えば、サブ領域内で1ラインごとにX方向にレーザ光を走査して、1ライン終了したらY方向にラインをずらしていくこととすればよい。また、ラスタスキャンによる簡易検出は、マッピングスキャンによる本検出と同一の波長のレーザ光を使用することとすればよい。
また、制御部49は、全てのサブ領域に対してステージ1を順次移動させて簡易検出を行うようになっている。そして、制御部49は、簡易検出において、光検出器113により検出される標本Sのいずれか1つの照射領域からの蛍光の輝度が所定の閾値を超えたか否かを判定するようになっている。
また、制御部49は、蛍光の輝度が所定の閾値を超えているサブ領域を、反応があるサブ領域として選別するようになっている。そして、制御部49は、選別したサブ領域のみについて、ステージ1を再度移動させてマッピングスキャンにより本検出を行うようになっている。所定の閾値は、例えば、ユーザが入力装置15に入力して予め設定しておくこととすればよい。
このように構成されたレーザ走査型顕微鏡100の作用について説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100により標本Sを観察する場合は、まず、簡易検出を行う。ユーザがステージ1に標本Sを載置してから、制御部49によりステージ1が移動して1つ目のサブ領域が視野範囲に配置されるところまでは第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
1つ目のサブ領域が視野範囲に配置されると、制御部49によりスキャナ駆動部21が制御されて、図10に示すように、走査光学ユニット9によってサブ領域全体がラスタスキャンされる。ラスタスキャンにより標本Sにおいて発生した蛍光が光検出器13により検出されると、その蛍光の輝度に相当する輝度信号がA/D変換器17を介してフレームメモリ43に送られ、各照射領域の座標に対応付けられて記憶される。
1つ目のサブ領域のラスタスキャンが終わると、制御部49の制御より、ステージ駆動部23がステージ1を移動させて、1つ目のサブ領域に隣接する2つ目のサブ領域が視野範囲に配置される。そして、図11に示すように、2つ目のサブ領域について、1つ目のサブ領域と同様にしてラスタスキャンされて標本Sからの蛍光が検出される。同様にして、全てのサブ領域が視野範囲に順次配置されて、ラスタスキャンによって蛍光が検出される。
次に、本検出を行う。まず、制御部49により、各サブ領域について、いずれか1つの照射領域からの蛍光の輝度が所定の閾値を超えているか否かが判定され、図12に示すように、観察範囲中で反応があるサブ領域が選別される。図12は、選別した2つのサブ領域を例示してそれぞれ「反応ありA」,「反応ありB」で示している。
次いで、制御部49により、ステージ駆動部23がステージ1を移動させ、図13に示すように、反応がある1つ目のサブ領域(反応ありA)が視野範囲に配置される。そして、そのサブ領域について、制御部49により、走査順序決定部55によってランダムに決定された走査順序に従ってマッピングスキャンが行われ、画像構築部57により画像が構築される。
1つ目のサブ領域のマッピングスキャンが終わると、制御部49により、ステージ駆動部23がステージ1を移動させ、図14に示すように、蛍光の輝度が所定の閾値を超えた2つ目のサブ領域(反応ありB)が視野範囲に配置される。そして、2つ目のサブ領域について1つ目のサブ領域と同様にしてマッピングスキャンが行われ画像が構築される。このようにして、選別した全てのサブ領域について、マッピングスキャンによる本検出が行われ画像が構築される。
全てのサブ領域において本検出が行われて画像が構築されると、画像構築部57により、ステージ1の座標情報に従って全てのサブ領域の画像が配列されて観察範囲全体の2次元的な画像を構築される。ユーザは、この観察範囲全体の画像を見て標本Sを観察することができる。
以上説明したように本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100によれば、ラスタスキャンによる簡易検出により標本Sの反応があるサブ領域を予め短時間で選別し、選別したサブ領域についてのみマッピングスキャンによる本検出を施すことで、空間的に隣接する照射領域間の影響を低減しつつ、標本Sにおける反応が大きいサブ領域をより短時間で効率的に観察することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡について説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡200は、図15に示すように、サブ領域の全体に1度にレーザ光を照射するワイドフィールド光源ユニット103(以下、ワイド光源ユニット103という。)を備え、制御部49が、ラスタスキャンに代えてワイド光源ユニット103によるレーザ光の照射により簡易検出を行う点で第2実施形態と異なる。
以下、第2実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡100と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
ワイド光源ユニット103は、サブ領域の略全体に1度に照射可能なレーザ光を発生するレーザ光源(広範囲照明光源)131と、レーザ光源131から発せられたレーザ光をパターン照射するLCOS(Liquid Crystal On Silicon、照射領域制限部)132とを備えている。
LCOS132は、レーザ光源131から発せられたレーザ光が、空間的に隣接する他のサブ領域に照射されるのを制限するようになっている。レーザ光源131から発せられるレーザ光の照射範囲を制限しない場合は、例えば、図16(a)に示すように、視野範囲の全域がレーザ光の照射範囲になるが、LCOS132により、図16(b)に示すように、レーザ光の照射範囲をサブ領域に制限することができる。これにより、視野範囲内であってもサブ領域外においてレーザ光が照射されることにより反応が生じて、その反応を誤検出してしまうのを防ぐことができる。
走査光学ユニット9と対物レンズ11との間の光路上には、ワイド光源ユニット103から発せられたレーザ光の光路を合成するダイクロイックミラー(光路合成部)133が挿脱可能に設けられている。ダイクロイックミラー133を光路に挿入するとワイド光源ユニット103により標本Sにレーザ光を照射し、光路からダイクロイックミラー133を外すと光源ユニット3により標本Sにレーザ光を照射することができるようになっている。
PC19には、ワイド光源ユニット103を制御するワイドフィールド照明制御部149(以下、ワイド照明制御部149という。)が備えられている。
制御部49は、マッピングスキャンによる本検出に先立って、ワイド光源ユニット103によりサブ領域の全体に1度にレーザ光を照射するワイド照明により簡易検出を行うようになっている。
このように構成されたレーザ走査型顕微鏡200の作用について説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡200により標本Sを観察する場合は、まず、簡易検出を行う。ユーザは、ステージ1に標本Sを載置し、レーザ光の光路からダイクロイックミラー133を外すとともに対物レンズ11を低倍に設定する。
次いで、光源ユニット3からレーザ光を発生させて、制御部49によりスキャナ駆動部21を制御して、走査光学ユニット9により標本S上でレーザ光をラスタスキャンさせる。そして、光検出器13により蛍光を検出してその輝度信号を画像構築部57により画像化し、ラスタスキャン画像を取得する。
次いで、観察範囲指定部53によりモニタ25上に観察可能領域53AおよびROI作成ツール53Bが表示され、観察可能領域53Aにラスタスキャン画像が重畳して表示される。ユーザが、低倍で取得したラスタスキャン画像を参照して「Polygon ROI」により観察範囲を指定すると、観察範囲指定部53により標本Sに対してその観察範囲が設定され、その観察範囲が複数のサブ領域に分割される。以下、入力装置15にユーザから走査開始の指示が入力されるところまでは第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
次に、ユーザは、対物レンズ11を高倍に切り替え、レーザ光の光路にダイクロイックミラー133を挿入して、入力装置15に走査開始の指示を入力する。すると、制御部49の制御により、ステージ駆動部23がステージ1を移動させて、1つ目のサブ領域が視野範囲に配置される。
次に、ワイド照明制御部149により、ワイド光源ユニット103からレーザ光が発せられる。ワイド光源ユニット103から発せられたレーザ光は、ダイクロイックミラー133により反射されて対物レンズ11により標本Sのサブ領域の略全体に1度に照射される。
ワイド照明によれば、標本上をマッピングスキャンする場合と比較して空間的に隣接する照射領域間の影響を受けるものの、レーザ光を走査しない分だけマッピングスキャンやラスタスキャンよりもサブ領域全体にレーザ光を短時間で照射することができる。
ワイド照明により標本Sにおいて発生した蛍光が光検出器13により検出されると、その蛍光の輝度に相当する輝度信号がA/D変換器17を介してフレームメモリ43に送られ、各照射領域の座標に対応付けられて記憶される。
1つ目のサブ領域がワイド照明されると、制御部49の制御により、ステージ駆動部23がステージ1を移動させて、隣接する各サブ領域が視野範囲に順次配置され、各サブ領域について1つ目のサブ領域と同様にしてワイド照明されて蛍光が検出される。
次に、本検出を行う。本検出は第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上説明したように本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡200によれば、ワイド照明により、レーザ光を走査しない分だけ、反応があるサブ領域をラスタスキャンよりも早く特定することができる。これにより、簡易検出をより迅速に行うことができる。
本実施形態においては、広範囲照明光源としてレーザ光源131を例示して説明したが、これに代えて、例えば、水銀ランプを採用することとしてもよい。
また、本実施形態においては、照射領域制限部としてLCOS132を例示して説明したが、これに代えて、DMD(Digital Micromirror Device:登録商標)や光学絞りを採用することとしてもよい。
また、本実施形態においては、簡易検出する際に隣接するサブ領域に順にワイド照明していくこととしたが、これに代えて、例えば、走査順序決定部55が、空間的に互いに隣接するサブ領域に時間的に連続してレーザ光が照射されないように、ワイド光源ユニット103によりレーザ光を照射するサブ領域の照射順序を決定し、制御部49が、走査順序決定部55により決定された照射順序に従ってステージ1を移動させて簡易検出を行うこととしてもよい。
このようにすることで、ワイド光源ユニット103から発せられたレーザ光が、空間的に隣接するサブ領域に時間的に連続して照射されることがない。したがって、ワイド光源ユニット103によりレーザ光が照射されたサブ領域の反応が空間的に隣接する周囲のサブ領域に及ぶ場合でも、現在レーザ光を照射したサブ領域の反応に対してその直前にレーザ光を照射したサブ領域の反応が影響するのを防ぐことができる。これにより、標本Sにおける空間的に隣接するサブ領域の影響を低減しつつ、標本Sにおける反応が大きいサブ領域をより精度よく選別することができる。
上記第2実施形態および第3実施形態は以下のように変形することができる。
第2実施形態および第3実施形態においては、簡易検出により反応があったサブ領域を選別する際に、サブ領域内のいずれか1つの照射領域からの蛍光の輝度が所定の閾値を超えるか否かを判定することとしたが、第1変形例としては、サブ領域内の複数の照射領域における蛍光の輝度の平均が所定の閾値を超えるか否かを判定することとしてもよい。
また、第2実施形態および第3実施形態においては、全てのサブ領域を簡易検出してから各サブ領域について反応がある否かを判定することとしたが、第2変形例としては、サブ領域ごとに簡易検出した後に続けてそのサブ領域について反応があるか否かを判定することとしてもよい。そして、反応がない場合は次のサブ領域に移動し、反応があった場合はそのままそのサブ領域においてマッピングスキャンを行ってから次のサブ領域に移動することとしてもよい。
上記第1〜第3実施形態は以下のように変形することができる。
上記各実施形態においては、検出部として光検出器13を例示し、レーザ光が照射されることにより標本Sにおいて発生する蛍光を標本Sの反応として検出することとしたが、第1変形例としては、例えば、図17および図18に示すように、検出部として、レーザ光が照射された標本Sの電流値を標本Sの反応として検出する電流値検出器113を採用することとしてもよい。図17は第1実施形態および第2実施形態のレーザ走査型顕微鏡100に電流値検出器113を適用した構成を示し、図18は第3実施形態のレーザ走査型顕微鏡200に電流値検出器113を適用した構成を示している。
電流値検出器113は、ステージ1上の標本Sに挿入されて標本Sの電流値を検出し、検出した電流値を電流値信号に変換してA/D変換器17に送るようになっている。この場合、標本Sにレーザ光を照射しながら電流値検出器113により電流値を検出することとすればよい。
電流値検出器113により検出された電流値信号は、光検出器13により検出される輝度信号と同様に、A/D変換器17によりA/D変換されて、走査光学ユニット9によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報に対応付けられてフレームメモリ43に記憶され、画像構築部57により各照射領域の座標に従い配置されて画像構築されることとすればよい。
例えば、図18に示す第3実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡200においては、簡易検出の際に、標本Sのサブ領域にワイド照明しながら電流値検出器113により標本Sの電流値を検出することとすればよい。また、制御部49により、その電流値信号が所定の閾値を超えているか否かを判定し、電流値信号が所定の閾値を超えているサブ領域を選別することとすればよい。
本変形例においては、標本Sの1箇所に電流値検出器113を挿入し1つの部位に対して電流値を計測することとしているが、複数箇所に電流値検出器113を挿入して、複数の部位に対して電流値の計測を行うこととしてもよい。
また、上記各実施形態においては、ステージ1を移動させることとしたが、第2変形例としては、対物レンズ11および走査光学ユニット9等を有する顕微鏡本体をステージ1に対して対物レンズ11の光軸に直交する方向に移動可能に支持する顕微鏡ステージ(図示略)を採用し、ステージ1を移動させる代わりに顕微鏡ステージによりステージ1に対して顕微鏡本体を移動させることとしてもよい。
顕微鏡ステージは、例えば、図示しない定盤上に固定される固定板と、固定板に対してXY方向に互いに直交する方向に移動可能な2つの可動板とを板厚方向に積層状態に備え、可動板上に顕微鏡本体を搭載することができるようになっていてもよい。この場合、定盤上にステージ1と顕微鏡ステージを搭載し、顕微鏡ステージ上に顕微鏡本体を搭載して、ステージ1を固定した状態で、顕微鏡ステージにより顕微鏡本体をXY方向に移動させることとすればよい。
このようにすることで、顕微鏡ステージの移動により、ステージ1に対して対物レンズ11の位置を水平面上で移動させることができる。したがって、上記各実施形態においてステージ1を移動させる代わりに顕微鏡ステージを移動させることで、上記各実施形態と同様の操作を実現することができる。この場合、画像構築部57は、ステージ1の座標に代えて、顕微鏡本体の位置座標を座標情報として各サブ領域の画像を配列して観察範囲の2次元画像を構築することとすればよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記各実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
1 ステージ(標本ステージ)
9 走査光学ユニット(走査部)
11 対物レンズ
13 光検出器(検出部)
43 フレームメモリ(記憶部)
49 制御部
53 観察範囲指定部(観察範囲分割部)
55 走査順序決定部(順序決定部)
57 画像構築部
100,200 レーザ走査型顕微鏡
131 レーザ光源(広範囲照明光源)
132 LCOS(照射領域制限部)
S 標本

Claims (14)

  1. レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射する対物レンズと、
    該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部と、
    前記標本が載置され、前記対物レンズの光軸に対して交差する方向に前記標本を移動可能なステージと、
    レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、
    該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、
    前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、
    前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、
    全ての前記走査可能範囲に対して前記ステージを順次移動させ、前記順序決定部により決定された前記走査順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡。
  2. レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射する対物レンズと、
    該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部と、
    前記標本が載置され、前記対物レンズの光軸に対して交差する方向に前記標本を移動可能なステージと、
    レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、
    該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、
    前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記ステージを固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、
    前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の本走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、
    該順序決定部により決定される前記本走査順序に従ってレーザ光を走査させる本検出に先立ち、全ての前記走査可能範囲に対して前記ステージを順次移動させ、前記本検出における走査よりも短時間で各前記走査可能範囲の略全体に光を照射する簡易検出を行い、該簡易検出において前記検出部により検出される前記標本の反応が少なくとも一部で所定の閾値を超えた前記走査可能範囲について、前記ステージを再度移動させて、前記本走査順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡。
  3. 前記制御部が、前記走査部により、互いに空間的に隣接する前記照射領域に順にレーザ光を走査させることによって前記簡易検出を行う請求項2に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  4. 前記走査可能範囲の略全体に1度に照明光を照射可能な広範囲照明光源を備え、
    前記制御部が、前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照明光を照射させて前記簡易検出を行う請求項2に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  5. 前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照射する照明光が、空間的に隣接する他の前記走査可能範囲に照射されるのを制限する照射領域制限部を備える請求項4に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  6. 前記順序決定部が、空間的に互いに隣接する前記走査可能範囲に時間的に連続して照明光が照射されないように、前記広範囲照明光源により照明光を照射する前記走査可能範囲の照射順序を決定し、
    前記制御部が、前記順序決定部により決定された前記照射順序に従って前記ステージを移動させて前記簡易検出を行う請求項4または請求項5に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  7. 前記標本の画像を構築する画像構築部を備え、
    前記記憶部が、前記ステージの位置座標に関する座標情報を前記輝度情報および前記走査位置情報に対応付けて記憶し、
    前記画像構築部が、前記記憶部に記憶された前記輝度情報を前記走査位置情報に基づいて配置して前記走査可能範囲の2次元的な画像を構築し、該走査可能範囲の画像を前記座標情報に従って配列して前記観察範囲の2次元的な画像を構築する請求項1から請求項6のいずれかに記載のレーザ走査型顕微鏡。
  8. 標本が載置される標本ステージと、
    レーザ光源から発せられたレーザ光を前記標本に照射する対物レンズおよび該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部を備える顕微鏡本体と、
    前記標本ステージに対して、前記対物レンズの光軸に交差する方向に前記顕微鏡本体を移動可能に支持する顕微鏡ステージと、
    レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、
    該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、
    前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、
    前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、
    全ての前記走査可能範囲に対して前記顕微鏡ステージにより前記顕微鏡本体を順次移動させ、前記順序決定部により決定された前記照射領域の順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡。
  9. 標本が載置される標本ステージと、
    レーザ光源から発せられたレーザ光を前記標本に照射する対物レンズおよび該対物レンズにより照射されるレーザ光を前記標本上で走査させる走査部を備える顕微鏡本体と、
    前記標本ステージ上の標本に対して、前記対物レンズの光軸に交差する方向に前記顕微鏡本体を移動可能に支持する顕微鏡ステージと、
    レーザ光が照射されることにより生じる前記標本の反応を検出する検出部と、
    該検出部により検出された前記標本の反応に相当する輝度情報および前記走査部によりレーザ光が走査される位置に関する走査位置情報を互いに対応付けて記憶する記憶部と、
    前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な範囲よりも広い、前記標本上で観察する観察範囲を設定し、前記標本ステージに対して前記顕微鏡本体を固定した状態で前記走査部によりレーザ光を走査可能な大きさで相互に隣接する複数の走査可能範囲に前記観察範囲を分割する観察範囲分割部と、
    前記標本上に時間的に連続して照射されるレーザ光の照射領域が互いに空間的に隣接しないように、前記走査部により走査させる前記照射領域の本走査順序を前記走査可能範囲ごとに決定する順序決定部と、
    該順序決定部により決定される前記本走査順序に従ってレーザ光を走査させる本検出に先立ち、全ての前記走査可能範囲に対して前記顕微鏡ステージにより前記顕微光本体を順次移動させ、前記本検出における走査よりも短時間で各前記走査可能範囲の略全体に光を照射する簡易検出を行い、該簡易検出において前記検出部により検出される前記標本の反応が少なくとも一部で所定の閾値を超えた前記走査可能範囲について、前記顕微鏡本体を再度移動させて前記本走査順序に従って前記走査部によりレーザ光を走査させる制御部とを備えるレーザ走査型顕微鏡。
  10. 前記制御部が、前記走査部により、互いに空間的に隣接する前記照射領域に順にレーザ光を走査させることによって前記簡易検出を行う請求項9に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  11. 前記走査可能範囲の略全体に1度に照明光を照射可能な広範囲照明光源を備え、
    前記制御部が、前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照明光を照射させて前記簡易検出を行う請求項9に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  12. 前記広範囲照明光源により前記走査可能範囲に照射する照明光が、空間的に隣接する他の前記走査可能範囲に照射されるのを制限する照射領域制限部を備える請求項11に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  13. 前記順序決定部が、空間的に互いに隣接する前記走査可能範囲に時間的に連続して照明光が照射されないように、前記広範囲照明光源により照明光を照射する前記走査可能範囲の照射順序を決定し、
    前記制御部が、前記順序決定部により決定された前記照射順序に従って前記顕微鏡ステージにより前記顕微鏡本体を移動させて前記簡易検出を行う請求項11または請求項12に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  14. 前記標本の画像を構築する画像構築部を備え、
    前記記憶部が、前記顕微鏡本体の位置座標に関する座標情報を前記輝度情報および前記走査位置情報に対応付けて記憶し、
    前記画像構築部が、前記記憶部に記憶された前記輝度情報を前記走査位置情報に基づいて配置して前記走査可能範囲の2次元的な画像を構築し、該走査可能範囲の画像を前記座標情報に従って配列して前記観察範囲の2次元的な画像を構築する請求項8から請求項13のいずれかに記載のレーザ走査型顕微鏡。
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