JP6174961B2 - 中空プラスチックシート用サイジング装置およびそれを用いた中空プラスチックシートの製造方法 - Google Patents

中空プラスチックシート用サイジング装置およびそれを用いた中空プラスチックシートの製造方法 Download PDF

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Description

中空プラスチックシート用サイジング装置およびそれを用いた中空プラスチックシートの製造方法に関する。
平行する一対のライナー(平板)部と該ライナー間に設けられた、ライナーに垂直または斜め方向の複数のリブからなるシート状に成形された中空プラスチックシートが物品の包装などに用いられるようになってきた。この中空プラスチックシートは、プラスチック材を、断面がハーモニカ状のダイスの口から取出すことにより、2枚のライナーが一定間隔のリブで橋渡しされた形態となっている。
この中空プラスチックシートの従来の製造方法は、図9に示すように、溶融プラスチック材がダイスDから押出され、間隙を有して対峙する上下のサイジングプレートF、Fの間隙でサイジングされつつ、引取機によって引取られ、裁断機により所定寸法で裁断されて製品シートとされるのが一般的である。
すなわち、溶融押出しされた高温軟化状の中空プラスチックシートは、表面に多数の溝を開けることで負圧付与機能を有し、かつ冷却機能を有する上下の固定サイジングプレート間を通過する過程で、中空プラスチックシートのライナーがサイジングプレート側に吸引されることで、サイジングプレートの表面を摺動しつつ、サイジングされながら移動することによって、冷却固化される。
この種のサイジングプレートは、一般に複数のゾーンに分割され、各ゾーンのサイジングプレート毎に冷却温度や減圧度が制御できるように構成されていて、サイジングプレートを含む各ブロック内には、冷却配管や減圧の配管が巡らされており、高い加工コストを要するため、装置自体が高額であるという問題がある。
また、中空プラスチックシートの引取り速度を上げると、サイジングプレートと中空プラスチックシートとの摩擦抵抗が上昇して、円滑に引取ることができないことから、厚みを3mm以下、単位重量(以下、目付けということがある。)を400g/m2程度以下のものの生産でも、生産速度は8m/min程度が限度であった。
さらに、従来のサイジングプレートによる減圧成形方式のサイジングでは、シート用原料のプラスチック中の添加剤が表面にブリードアウトするなどし、これらが揮散、昇華するなどして、サイジング装置としてのサイジングプレートの減圧溝や溝を塞ぐので、サイジングプレートの定期的なクリーニングが必要であり、作業が大変であった。
特許文献1には、低目付けの中空プラスチックシートの生産速度を向上するため、ベルト方式による合成樹脂中空体シート成形システムが記載されている。
この特許文献1に記載の合成樹脂中空体シート成形システムは、冷却水が循環される上下の冷却槽の間隙面を形成する金属等熱伝導度の高い材質のプレートに流体路を複数個形成すると共に、該プレートの間隙面に各流体路毎に幅方向に延在する開口を開け、前記上下の冷却槽の間隙面には通気性・通水性を有するベルトが走行するように構成して、前記ベルト式フォーマーの駆動によってシートを引取ると共に、前記複数個の流体路には負圧および/または冷却水を供給するようにしている。また、高速生産を可能にするため、フォーマーの前段に空冷手段を配備してシート表面にスキン層を形成させるものである。
しかし、ベルトは通気性・通水性を要するため、細かい網(メッシュ)状、または溝の開いた金属ベルト等を用いる必要があり、ライナー表面に、冷却吸引整形手段のベルトの浅いメッシュ跡がつくという問題以外にも、流体路が複雑で装置の加工コストが嵩むことや、ベルトの駆動設備を要する等、装置の高額化、複雑化を回避できない。
また、溶融押出しされた中空プレート(突出物)が通過可能な間隙をもって互いに平行に配設された少なくとも2枚の成形プレート、成形プレートを冷却する手段と、各成形プレートに設けられ、間隙内を負圧にする負圧手段とを具備する中空プレート(突出物)成形装置において、間隙内にエアを導入し、中空プレート表面と成形プレートの表面との間にエアクッションを形成するエア導入手段を設けた中空プレート(突出物)の成形装置が提案されている(特許文献2)。
この特許文献2による装置は、比較的簡易な装置ではあるが、中空プレート表面と成形プレートの表面との間にエアクッションを形成しているので、中空プレート表面の冷却効果が不十分であるという問題が懸念される。
一方、本出願人は、上記の従来の課題を解決するために鋭意研究して得られた発明を先に提案した(特許文献3)。
この特許文献3に記載の発明は、比較的厚みが大きく、高目付けの中空プラスチックシートでも、従来に比較して高速度で成形できるサイジング装置、および該装置を用いた中空プラスチックシートの製造方法である。
特開2002−307534号公報 特開2002−103338号公報 特開2010−76318号公報
しかしながら、特許文献3に記載の発明においては、中空プラスチックシートの製品幅の広いもの、例えば製品幅1380mmの中空プラスチックシートを製造すると、第一減圧セクション内の冷却水量を幅方向に均一に管理することが難しく、第一減圧セクションの入口において、溶融押出しされた中空プラスチックシート表面において、その幅方向に温度斑が発生する。この温度斑に起因して、直径1〜3mm、高さ20〜50μmの水玉模様がランダムに発生する為、外観が悪化するという表面不良の問題が生じるおそれがあった。
上記事情に鑑み、水玉模様の発生を解消することができる製造装置及び製造方法を鋭意検討し、中空プラスチックシートの幅方向の表面温度と、第一減圧セクション内における幅方向の冷却水の給水量および排水量を均一に制御すること、および/または第1減圧セクションの入口側に間接冷却サイジングフォーマーを設けることで水玉模様の発生を解消できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、厚み1.5〜8mmで製品幅が幅300〜2500mm、単位重量が250〜2000g/m2程度の中空プラスチックシートを製造する際に、より効率的な冷却を中空プラスチックシートの幅方向に均一に行うことができる中空プラスチックシート用サイジング装置及び当該装置を用いた中空プラスチックシートの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、サイジングプレートの製品幅方向の冷却効果をより均一化することにより、上記目的が達成されることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する第一サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第一サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置であって、
該第一サイジングプレートにはプレートの幅方向に給水スリットと排水スリットが交互に配置されており、該給排水ブロックには、該給水スリットに対向し給水手段と連結された給水溝と排水スリットに対向し排水手段と連結された排水溝が配置されており、かつ、給水溝には中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に均一に給水するために複数に分画してなる給水手段を、排水溝にはプレートの幅方向に均一に排水するための排水手段を備え、該第二サイジングプレートには、プレートの幅方向に吸引スリットが設けられ、減圧ボックスには、冷却水スプレー装置と、減圧および排水のための開口部を有し、さらに、第一サイジングプレートおよび第二サイジングプレートが、上下一対のプレートから形成されてなる、ことを特徴とする中空プラスチックシート用サイジング装置。
(2)溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する間接冷却サイジングフォーマー、及び第三サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第三サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置であって、該間接冷却サイジングフォーマーは、中空プラスチックシートとの接触面側に冷却面と吸引手段を備え、該第三サイジングプレートにはプレートの幅方向に給水スリットと排水スリットが交互に配置されており、該給排水ブロックには、給水スリットに対向し給水手段と連結された給水溝と、排水スリットに対向し排水手段と連結された排水溝が配置されており、該第二サイジングプレートには、プレートの幅方向に吸引スリットが設けられ、該減圧ボックスには、冷却水スプレー装置と、減圧および排水のための開口部を有し、さらに、間接冷却サイジングフォーマー、第三サイジングプレート、及び第二サイジングプレートが、それぞれ上下一対に形成されてなる、ことを特徴とする中空プラスチックシート用サイジング装置。
(3)溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する間接冷却サイジングフォーマー、及び第一サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第一サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置であって、該間接冷却サイジングフォーマーは、中空プラスチックシートとの接触面側に冷却面と吸引手段を備え、該給排水ブロックには、該給水スリットに対向し給水手段と連結された給水溝と排水スリットに対向し排水手段と連結された排水溝が配置されており、かつ、給水溝は中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数に分画して均一に給水できる給水手段を、排水溝はプレートの幅方向に均一に排水ができる排水手段を備え、該第二サイジングプレートには、プレートの幅方向に吸引スリットが設けられ、該減圧ボックスには、冷却水スプレー装置と、減圧および排水のための開口部を有し、さらに、間接冷却サイジングフォーマー、第一サイジングプレート、及び第二サイジングプレートが、それぞれ上下一対に形成されてなる、ことを特徴とする中空プラスチックシート用サイジング装置。
(4)前記第一サイジングプレートは、中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数に分画された給水溝の1区画の幅が100〜300mmである前記(1)又は(3)に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
(5)前記間接冷却サイジングフォーマーは、内部に通水循環可能な金属ブロックと、該金属ブロックに中空プラスチックシートとの対面側に開口するように穿設されたスリットとを備え、該スリットに連通するダクト部と、さらに該ダクト部に中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数配置された減圧ラインに通じる接続プラグを備えてなる請求項2〜4のいずれかに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
(6)前記第一、第二、第三サイジングプレート、及び間接冷却サイジングフォーマーにおける中空プラスチックシートとの接触面が、接触角65°以下の濡れ性を有する金属板により形成されてなる前記(1)〜(5)のいずれかに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
(7)接触角65°以下の濡れ性を有する金属板が、表面をメッキまたはアルマイト処理するか、もしくは梨地状とした真鍮、銅合金、またはアルミニウムにより形成されてなる前記(6)に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
(8)前記減圧ボックスが、複数に分割されてなる前記(1)〜(7)のいずれかに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
(9)成形対象の中空プラスチックシートの厚みが、1.5〜8mm、および単位重量が250〜2000g/m2のものである前記(1)〜(8)のいずれかに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
(10)前記(1)に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、上下一対の第一サイジングプレートに導き、第一サイジングプレートに設けられ、給水手段と連結された給水溝に通じる給水スリットより中空プラスチックシートの上下両面にシートの幅方向に(略)均等に冷却水を供給し、かつ第一サイジングプレートに設けられ、排水手段と連結された排水溝に通じる(吸引兼)排水スリットから該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第一サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする中空プラスチックシートの製造方法。
(11)前記(2)に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、上下一対の間接冷却サイジングフォーマーに導き、吸引手段により上下ライナー部を吸引しつつ間接サイジングフォーマーの冷却面と接触させてライナー部の表面を冷却し、次いで第三サイジングプレートに導き、第三サイジングプレートに設けられた給水スリットから中空プラスチックシートの上下両面に冷却水を供給する一方、排水スリットにより該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第三サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする中空プラスチックシートの製造方法。
(12)前記(3)〜(9)のいずれか1に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、中空プラスチックシートの接触面側に吸引手段と冷却面を備える間接冷却サイジングフォーマーに導き、中空プラスチックシートの表面を予備冷却し、かつ第一サイジングプレート側から間接冷却サイジングフォーマー側へ逆流または漏出する直接冷却水を間接冷却サイジングフォーマーの吸引手段により排出しつつ、第一サイジングプレートに導き、
給排水ブロックの給水手段と連結された給水溝に通じる給水スリットより中空プラスチックシートの上下両面にシートの幅方向に(略)均等に冷却水を供給し、かつ第一サイジングプレートに設けられ、排水手段と連結された排水溝に通じる排水スリットから該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第一サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする中空プラスチックシートの製造方法。
(13)前記(10)〜(12)のいずれかに記載の中空プラスチックシートの製造方法により得られたことを特徴とする中空プラスチックシート。
本発明は、中空プラスチックシートの幅方向の表面温度と、第一減圧セクション内における幅方向の冷却水の給水量および排水量を均一に制御すること、および/または第1減圧セクションの入口側に間接冷却サイジングフォーマーを設けることで水玉模様の発生を解消でき、比較的厚みが大きく、高目付けで製品幅の広い中空プラスチックシートでも、従来に比較して高速度で成形できるサイジング装置、および該装置を用いた中空プラスチックシートの製造方法を提供することができる。
(a)本発明の第1態様のサイジング装置の模式断面図、(b)(a)の断面A−A’における中空プラスチックシートの横断面図である。 本発明の第1態様のサイジング装置の要部説明図である。 下側サイジングプレートの平面図である。 下側第一サイジングプレートの給排水ブロックの説明図である。 本発明の第2、第3態様のサイジング装置の模式断面図である。 本発明の第2態様のサイジング装置の要部説明図である。 間接冷却サイジングフォーマーの、(a)斜視図、(b)正断面図、(c)拡大側断面図である 本発明の第3態様のサイジング装置の要部説明図である。 従来の製造方法の説明図である。
本発明は、厚み1.5〜8mmで製品幅が300〜2500mm、単位重量が250〜2000g/m2程度の中空プラスチックシートを製造する際に、より効率的な冷却を中空プラスチックシートの幅方向に均一に行うことができる中空プラスチックシート用サイジング装置及び当該装置を用いた中空プラスチックシートの製造方法の提供を目的としている。そこで、本発明では、中空押出しされたプラスチックシートとの接触点近傍に用いられる装置として、第1態様、第2態様、又は第3態様のサイジング装置とし、これと連結された第二サイジングプレートを用いるものである。
本発明の第1態様の中空プラスチックシート用サイジング装置は、溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する第一サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第一サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置であり、第一サイジングプレートにはプレートの幅方向に給水スリットと排水スリットが交互に配置されている。給排水ブロックには、給水スリットに対向するように給水手段と連結された給水溝と排水スリットに対向するように排水手段と連結された排水溝が配置されている。かつ、給水溝には中空プラスチックシートの製品幅寸法に応じてプレートの幅方向に均一に給水するために複数に分画してなる給水手段を備えている。また、排水溝には、プレートの幅方向に均一に排水するための排水手段を備えている。さらに、第二サイジングプレートには、プレートの幅方向に吸引スリットが設けられ、減圧ボックスには、冷却水スプレー装置と、減圧および排水のための開口部を有している。さらにまた、第一サイジングプレートおよび第二サイジングプレートは、上下一対のプレートから形成されており、当該一対のプレート間の間隙を、中空プラスチックの厚みに対応できる寸法としたものである。
本発明において、排水スリット、排水溝、及び排水手段において「排水」には、それぞれ「吸引」及び「吸水」の作用及び効果を含むものとし、これらを合わせて「吸引兼排水スリット」、「吸引兼排水溝」、「排水(吸引)」等と表現する場合がある。
以下、図面を用いて本発明の第1態様の中空プラスチックシート用サイジング装置について説明する。
図1(a)は、中空プラスチックシートの流れ方向(以下、「M方向」という。)における本発明の第1態様の中空プラスチックシート用サイジング装置1Aの概要を示す側面図であり、第一減圧セクション10と第二減圧セクション11とから構成されている。
各減圧セクション中で、第一サイジングプレート2と連結された第二サイジングプレート3とが中空プラスチックシートの厚みに対応した間隙を有して対峙して上下に設けられ、この間隙部で中空プラスチックシートをサイジングするものである。
先ず、中空プラスチック材料が所定のダイスDから吐出されて、図1(b)に示すように、平行する一対のライナーLと該ライナーL間に設けられた垂直方向の複数のリブRからなるシート状に成形した中空状プラスチックシート(以下、単に「成形体」ということがある。)Sとなり、冷気により予冷された後、中空プラスチックシート用サイジング装置1の入口部に設けられた第一減圧セクション10に送られる。
第一減圧セクション10は、図2に拡大して示すように第一サイジングプレート2にはプレートの幅方向に給水スリット5と吸引兼排水スリット4が交互に配置されている。給排水ブロック20には、給水スリット5に対向するように給水手段と連結された給水溝5Gと吸引兼排水スリット4に対向するように吸引兼排水手段と連結された吸引兼排水溝4Gが配置されている。第一サイジングプレート2と給排水ブロック20から構成されており、給排水ブロック20に設けられた連結ボルト21により、後述の減圧ボックス6に固定されている。前記成形体は、開口している第一サイジングプレート2に導入される(なお、本発明においては、間隙を有して対峙する上下のサイジングプレートの間隙部のことを、単にサイジングプレート、と言うことがある)。
また、給水溝5Gには中空プラスチックシートの製品幅寸法に応じてプレートの幅方向に均一に給水するために複数に分画してなる給水手段を備えている。また、吸引兼排水溝には、プレートの幅方向に均一に吸引兼排水するための吸引兼排水手段を備えている。すなわち、第一サイジングプレート2及び第二サイジングプレート3は、図3に示すように、中空プラスチックシートの製品幅寸法に対応できる幅WLを有している。
さらに、第一減圧セクション10を構成する第一サイジングプレート2の給水スリット5に対向して配置されている給排水ブロック20の給水溝5Gは、図4においては、プレートの幅方向に均一に給水するためにB1〜B7の7つに分画されている。分画された給水溝ごとに配水パイプが受水孔80に接続されて、流量計つきの給水ポンプなどの手段(図示せず)により冷却水が各分画部毎にほぼ均等になるように供給される。また、吸引兼排水溝4Gも給水溝5Gと同様に少なくとも分画部毎に吸引孔(口)設け、吸引ホースを接続して真空ポンプなどの手段(図示せず)により、プレートの幅方向に均一に吸引兼排水する。
本発明においては、この給水スリット5と排水(吸引)スリット4はそれぞれ複数設けられ、たとえば図1(a)のように2個ずつ設けた場合には、排水(吸引)-給水-排水(吸引)-給水と、排水(吸引)と給水を繰返すように各スリットが交互に設けられる。
なお、排水(吸引)-給水-排水(吸引)-給水と、排水(吸引)を先にするのは、給水がダイスD側に逆流するのを防ぐためである。すなわち、第一サイジングプレート2の入口近辺では、給水スリット5からの水を排水スリット4で吸引しつつ成形体とサイジングプレート間に水膜を形成しつつ、下流側(M方向)へ移行させ、第一の給水スリット5から冷却水を供給しつつ、隣接する排水(吸引)スリット4から、その冷却水の一部を排水し、次に再度冷却水を供給して、隣接する排水(吸引)スリット4から、その冷却水の一部を再度排水することで、冷却効率を高めることができる。
この冷却水は、成形体の冷却だけでなく、第一サイジングプレート2および第二サイジングプレート3と、成形体Sとの間隙で水膜を作らせるために供給するものであり、好ましくは供給した冷却水の25〜50質量%程度が排水(吸引)スリット4から排水されるように制御する。
第一サイジングプレート2と給排水ブロック20から構成される第一減圧セクション10の減圧度は、排水(吸引)スリット4に直結した真空ポンプにより調整するが、通常、真空ポンプは全開にした状態で使用されるので、実質的には、冷却水の排水量の制御は、給水スリット5への冷却水の供給量と排水(吸引)スリット4の幅寸法の設定とで行なわれる。
給水スリット5の幅は、冷却水を溝全体に均一に供給する為に、0.5〜1.5mm程度とすることが好ましく、この給水スリット5は、水量計付きの給水ポンプなどの給水手段と連結されている。一方、排水(吸引)スリット4の幅は、確実に吸引して排水する為に、給水用スリット幅の1〜2倍程度、例えば、0.5〜3mm程度とすることが好ましい。この排水(吸引)スリット4は、前記のとおり、真空ポンプなどの排水手段と連結されて減圧セクション10の減圧度が制御されている。
第一サイジングプレート2の厚さは10〜20mm程度とし、給排水ブロックは、給水スリット5や排水(吸引)スリット4が長手方向に複数設けられるので、50〜80mm程度の高さとする。
実施に当たっては、冷却水量が上記の冷却水の目的を実現することができるように、供給水量、および給水スリット5と排水(吸引)スリット4の幅を調整する。
上記の構成によりライナーの冷却をより早くすることで、リブの冷却もより早くなる。
図1(a)に示すように、成形体Sは、第一減圧セクション10の第一サイジングプレート2を通過する過程において、先ず、第一サイジングプレート2の入口近傍で第1給水スリット5から供給された冷却水と接触して水冷却が開始され、排水(吸引)スリット4から一部の給水は排水されるものの、残留する冷却水によって、前記成形体と第一サイジングプレート2間に水膜が形成され、第二減圧セクション11に設けられた第二サイジングプレート3側に、成形体と共に移送される。この水膜の存在により成形体の引取り抵抗が、従来のサイジング装置による場合と比較して格段に低減でき、このため、成形速度の増速が可能となる。
このように、上下第一サイジングプレート2の間隙を走行し、一部が成形、冷却・固化された中空プラスチックシートSと水膜は、続いて間隙を隔てて上下一対に設けられた第二サイジングプレート3間の間隙部に、所定の速度で引取られる。この引取りは、引取機24と、後述の減圧吸引による。
第二減圧セクション11は、吸引スリット13が複数設けられた第二サイジングプレート3を囲繞する減圧ボックス6からなるが、この第二サイジングプレート3の厚さは10〜20mm程度とする。前記減圧ボックス6の寸法、構造等は、原料樹脂や、成形体Sの溶融押出し温度、走行速度などに応じて決定され、冷却条件などにより複数に分割されていても良い。
図1(a)では、減圧ボックス6が二分割されている例を示し、前段減圧ボックス7、および後段減圧ボックス8内では、上記により第一減圧セクション10から引取られた成形体Sの冷却・固化と成形を促進するために、吸引リット13が複数設けられた第二サイジングプレート3に向けて、冷却水スプレー装置である複数のスプレーノズル14から冷却水がスプレーされて、第二サイジングプレート3を介して成形体Sを冷却するようにされている。なお、第二サイジングプレート3の冷却方法としては、冷却水スプレーの代わりに第二サイジングプレート3内に冷却水を通すことで冷却してもよく、または冷却水スプレーと第二サイジングプレート3内に冷却水を通すことによる冷却を併用してもよい。
また、これらの減圧ボックス7、8は、電磁弁つき圧力調整手段16と、減圧タンク(図示せず)を介して接続された真空ポンプを含む減圧手段15によって減圧度が調整できるようになっている。減圧ボックス6を減圧すると、第二サイジングプレート3に設けられた複数の吸引スリット13から負圧を与えることによって、第二サイジングプレート3間の空隙部の空気が吸引され、かつ、引取機24より引き取られるため、成形体SのライナーLが上下の第二サイジングプレート3側に引張られ、成形体Sの厚みを確保すること、およびライナーの表面の平滑性を出すことが可能となる。
なお、図1(a)では、前段減圧ボックス7と後段減圧ボックス8は、共通の減圧手段15により減圧されるようになっている。各室には、それぞれ電磁弁つき圧力調整手段16が設けられ、各減圧ボックス7,8の内部圧力が所定値となるように制御される。各減圧ボックス7、8内の圧力が所定値よりも低いときには、圧力調整手段16に付設された電磁弁により外気を導入することで圧力を調整する。各減圧ボックス7、8は同一圧力でも、異なる圧力でも良いが、通常は、後段減圧ボックス8の方が前段減圧ボックス7よりも負圧を若干低くして、水膜をできるだけ吸引しないようにしながら引取りを効果的に行う。
また、減圧ボックス6に囲繞された第二サイジングプレート3には、前述のようにプレートの幅方向に吸引スリット13が複数設けられる。このとき、前段減圧ボックス7に囲繞された第二サイジングプレート3には、比較的密に、一方、後段減圧ボックス8に囲繞された第二サイジングプレート3には、比較的疎に、それぞれ吸引スリット13を設けることが好ましい。
吸引スリット13の幅は、水膜を極力吸引せず、かつ間隙部の空気を吸引する為に、0.5〜1.5mm程度とすることが好ましい。
このように構成することにより、前段減圧ボックス7側で平滑性を高める為の吸引で減少した水膜を、後段減圧ボックス8の出口付近まで維持させることができ、引取り効果を効率よく発揮させ、かつ冷却・固化による成形を終了させることが可能となり、好ましい。
給水スリット5に供給される冷却水の水温は、成形するプラスチックシートの原料樹脂の冷却・固化特性により変わり、必ずしも室温等以下の水温でなく、例えば、ポリカーボネートの場合等は熱水温にすることもある。
これはポリカ−ボネ−トが非晶性の熱可塑性樹脂であることから、冷却速度と固化速度とが比例関係にあり、急激な温度変化により成形体の形状が急速に固定してしまうことから、熱水温で徐冷にして成形することが好ましい。
前段および後段減圧ボックス7、8内の水は、それぞれ開口部22から、排水ポンプなどの排水手段(図示せず)により排出する。
図3は本発明のサイジング装置の第一減圧セクション10と第二減圧セクション11における、下側の第一サイジングプレート2とそれに連結して設けられた第二のサイジングプレート3の取付け状態を示す平面図である。
連結ボルト21により減圧ボックス6に固定された給排水ブロック20に取り付けられた第一サイジングプレート2には、プレートの全幅方向に亘って、走行する成形体側(図2では上側)に開口して該サイジングプレートと給排水ブロック20に一貫した所定幅および深さの給水スリット5と排水(吸引)スリット4とが交互に設けられている。なお、これら排水(吸引)スリット4と給水スリット5の幅寸法やスリット本数は、成形体Sの溶融押出し温度や、走行速度に応じて決定され、図3では合計4本の場合を示している。
引取り側の第二サイジングプレート3には、スリット状の吸引スリット13が、適宜間隔で複数設けられている。吸引スリット13は、プレートの全厚みに亘る透孔であり、そこから負圧を空隙部に付与することにより、第一、第二サイジングプレート2,3の上面および下面側から走行中の成形体Sの上下ライナーに対して引張り力を負荷するものである。
吸引スリット13の数、設置箇所等は成形する中空プラスチックシートの樹脂の種類や、目付け、成形速度に応じて適宜決定される。
以上の金属製サイジングプレートは、上下とも、ボルトなどの固着手段によりベースプレート23に固定される。また、サイジングプレートが幅方向において自重による撓みを抑えて水平状に保持するため、長手(M)方向に補強材(梁)が配置されているが図示省略している。
この下側の第二サイジングプレート3の下方には、第二サイジングプレート3を冷却するための冷却水スプレー装置として、スプレーノズル14が複数個設けられるが、その給水量は定量ポンプ(図示省略)などで制御される。なお、スプレーノズル14は、図1(a)の紙面奥手方向すなわち、サイジングプレートの幅方向にも、幅方向にスプレー量の均一化が図れるようにスプレーノズルの設置間隔、スプレー角度を適宜調整して、複数個のスプレーノズルが配置されている。
以上、下側の第一、第二サイジングプレート2、3について説明したが、上側のサイジングプレートも、上下対称の位置に給水スリット、排水スリット、吸引スリットが設けられている。
本発明の第2態様の中空プラスチックシート用サイジング装置は、溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する間接冷却サイジングフォーマー、及び第三サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第三サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置である。
該間接冷却サイジングフォーマーは、中空プラスチックシートとの接触面側に冷却面と吸引手段を備え、該第三サイジングプレートにはプレートの幅方向に給水スリットと排水(吸引)スリットが交互に配置されており、該給排水ブロックには、給水スリットに対向してなる給水手段と連結された給水溝と、排水(吸引)スリットに対向してなる排水(吸引)手段と連結された排水(吸引)溝が配置されており、該第二サイジングプレートには、プレートの幅方向に吸引スリットが設けられ、該減圧ボックスには、冷却水スプレー装置と、減圧および排水のための開口部を有し、さらに、間接冷却サイジングフォーマー、第三サイジングプレート、及び第二サイジングプレートが、それぞれ上下一対に形成されてなる、ことを特徴とする中空プラスチックシート用サイジング装置である。
以下、図面を用いて本発明の第2態様の中空プラスチックシート用サイジング装置について説明する。図5は、中空プラスチックシートのM方向における本発明の第2態様の中空プラスチックシート用サイジング装置1Bの概要を示す側面図であり、間接冷却サイジングフォーマー30と第一減圧セクション100と第二減圧セクション11とから構成されている。
各減圧セクション中で、第三サイジングプレート70と連結された第二サイジングプレート3とが中空プラスチックシートの厚みに対応した間隙を有して対峙して上下に設けられ、この間隙部で中空プラスチックシートをサイジングするものである。本第2態様の装置は、間接冷却サイジングフォーマー30と第一減圧セクション100との組み合わせが前記の第1態様の装置と異なっている。
図5に示すように先ず、中空プラスチック材料が所定のダイスDから吐出され中空状プラスチックシートは、冷気により予冷された後、中空プラスチックシート用サイジング装置1Bの入口部に設けられた間接冷却サイジングフォーマー30に送られる。
本第2態様の発明において間接冷却サイジングフォーマー30は、中空プラスチックシートとの接触面側に冷却面と、当該冷却面側に中空プラスチックシートを吸引するための吸引手段を備えていれば特にその構造は限定されないが、一例として内部に通水循環可能な金属ブロックと、該金属ブロックに中空プラスチックシートとの対面側に開口するように穿設されたスリットとを備え、該スリットに連通するダクト部と、さらに該ダクト部に中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数配置された減圧ラインに通じる吸引接続孔を備えてなるものを用いることができる。
すなわち、図6に側面図を示すように、中空プラスチックシートとの接触面側に冷却面33と冷却面33側に開口した吸引スリット34と吸引手段に連通する吸引ダクト35及び吸引手段(図示省略)に接続するための吸引接続孔37を幅方向において適宜の間隔で配置されている。図7は下側の間接冷却フォーマーの一例の(a)斜視図、(b)正断面図、(c)部分拡大側断面図を示している。
なお、図8では、2つの間接冷却フォーマー31、32を接続しているが、本発明の中空プラスチックシート用サイジング装置においては、間接冷却フォーマーの数に限定はなく、また、M方向の長さも、中空状プラスチックシートの厚み、目付け、水等の冷却媒体の循環量等から決定される。
本発明の第2態様の中空プラスチックシート用サイジング装置は、サイジングプレートの違いとして、第三サイジングプレートが、前記第1態様の第一サイジングプレートにおいて、プレートの幅方向に均一に給水するために給水溝5Gを、分画用ブロックを用いて完全に分画したのに対して、給水溝50Gを、幅方向において分画用ブロックを用いて完全に分画することなく、給水ホースの接続部のみを幅方向に略均等に配置しているものである。
すなわち、図5において第一減圧セクション100が第1態様の第一減圧セクション10と異なっている。しかしながら、本第2態様においても第二サイジングプレート以降の装置の構成は、第1態様と同じなので説明を省略する。なお、第二サイジングプレート3の冷却方法としては、第1態様と同様に、冷却水スプレーの代わりに第二サイジングプレート3内に冷却水を通すことで冷却してもよく、または冷却水スプレーと第二サイジングプレート3内に冷却水を通すことによる冷却を併用してもよい。
本発明の第3態様の中空プラスチックシート用サイジング装置は、溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する間接冷却サイジングフォーマー、及び第一サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第一サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置である。
間接冷却サイジングフォーマーは、中空プラスチックシートとの接触面側に冷却面と吸引手段を備える、前記第2態様で説明したものと同じ構成であり、第一サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションは、第1態様のものと同じ構成である。
すなわち、図8に示すように、第一サイジングプレート2の給排水ブロック20には、給水スリット5に対向し給水手段と連結された給水溝5Gと排水(吸引)スリット4に対向し排水(吸引)手段と連結された排水(吸引)溝4Gが配置されており、かつ、給水溝5Gは、図4により既に説明したように、中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数に分画して均一に給水できる給水手段を、排水(吸引)溝はプレートの幅方向に均一に排水(吸引)ができる排水(吸引)手段を備えている。なお、本第3態様においても、第二サイジングプレート以降の装置の構成は第1態様と同じなので説明を省略する。また、第二サイジングプレート3の冷却方法としては、第1態様と同様に、冷却水スプレーの代わりに第二サイジングプレート3内に冷却水を通すことで冷却してもよく、または冷却水スプレーと第二サイジングプレート3内に冷却水を通すことによる冷却を併用してもよい。
本発明の第1及び第3態様の装置発明の給排水ブロックにおいて、中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数に分画された給水溝の1区画の幅は、プレートの幅方向における給水量の均一化の観点から、100〜300mmであることが好ましい。100mm以上であれば、分画数が増えることによる給水配管(ホース)の増加による煩雑さや、給排水ブロックの加工コストの上昇を抑制でき、300mm以下であれば、両端側の水量が低下することがなく、プレートの幅方向の給水量の均一化を図ることができる。
第一、第三サイジングプレート2、70及びこれらが接続される第二サイジングプレート3は、中空プラスチックシートSの成形、冷却・固化を目的とするものであるから、金属製であって、熱伝導率の高い金属で構成するのが望ましい。特に、本発明のサイジング装置は、厚みが1.5〜8mm程度、単位重量(目付け)が250〜2000g/m2で、幅300〜2500mmの広範囲の寸法の中空プラスチックシートの製造に用いることができる。
以上、本願の中空プラスチックシート用サイジング装置を説明したが、上記の説明では、ライナーL間に設けられたリブRはライナーLに対して垂直方向のもので説明したが、それに限られずに、ライナーLに対して斜め方向のリブRを有していても良い。また、減圧ボックス7,8の減圧手段と排水手段とは別々に設けたが、開口部22に減圧手段を連結し、排水と減圧とを併せて同時に行ってもよい。さらに、二分割した減圧ボックス7,8の減圧手段として、共通の真空ポンプを用いて説明したが、前段減圧ボックス7と後段減圧ボックス8に、それぞれ独立して個別に設けても良い。
次に、本発明の中空プラスチックシートの製造方法を説明する。
本発明の中空プラスチックシートの製造方法の第1態様は、前記の第1態様の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、上下一対の第一サイジングプレートに導き、第一サイジングプレートに設けられ、給水手段と連結された給水溝に通じる給水スリットより中空プラスチックシートの上下両面にシートの幅方向に(略)均等に冷却水を供給し、かつ第一サイジングプレートに設けられ、吸排水手段と連結された吸引兼排水溝に通じる排水(吸引)スリットから該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第一サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする。
本発明方法において、中空プラスチックシートSとして溶融押出した後に、第一サイジングプレート2に導く直前には、エアーなどの気体により予備冷却して、溶融押出しされた成形体の表面の温度を降下させることが、成形安定性の観点から好ましい。
第一サイジングプレート2では、前述のとおり、冷却水の供給と排水とが繰返され、供給した冷却水の50〜75質量%程度が水膜として第二サイジングプレート3側に移送されるようにすることが好ましい。
減圧ボックス6の負圧は、3〜9kPa程度に制御する。上記の例のように、減圧ボックスを二分割する場合には、後段減圧ボックス8は前段減圧ボックス7よりも負圧を若干低くすることが好ましい。
本発明の中空プラスチックシートの製造方法が適用できる熱可塑樹脂は、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂など、従来から中空プラスチックプレートとして実用されているこれらの結晶性熱可塑樹脂は勿論、高密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン等諸種の熱可塑性樹脂の中空プラスチックシートを製造することができるが、とりわけポリプロピレン系樹脂の中空プラスチックスシートの製造に好適に利用できる。
中空プラスチックシートの原料樹脂には、着色顔料や成形性を高める目的で、フィラーを副材料として配合しても良い。
副材料は、特に限定されるものではないが、コスト面、成形性、取り扱い性等とのバランスを考慮すると、タルク、炭酸カルシウム等が好ましい。
さらに、前記フィラーの他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、抗菌剤、難燃剤、光安定剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を必要に応じて任意な量、任意な種類、配合してもよい。
また、本発明の製造方法による製造可能な中空プラスチックシートは、単に単一原料を押出したものに限らず、上下ライナーの一方の面あるいは両面に帯電防止層を設けるため、帯電防止層と中空プラスチックシート本体を複層に共押出ししたものであってもよい。
次に、本発明の中空プラスチックシートの製造方法の第2態様は、前記の第2態様の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、上下一対の間接冷却サイジングフォーマーに導き、吸引手段により上下ライナー部を吸引しつつ間接サイジングフォーマーの冷却面と接触させてライナー部の表面を冷却し、次いで第三サイジングプレートに導き、第三サイジングプレートに設けられた給水スリットから中空プラスチックシートの上下両面に冷却水を供給する一方、排水(吸引)スリットにより該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第三サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする。
本第2態様の製造方法においても、第二サイジングプレートに導いた後の工程や温度条件、圧力条件、対応可能な原料樹脂等は前記の第1態様の製法に記載した内容と同じなので説明を割愛する。
さらに、本発明の中空プラスチックシートの製造方法の第3態様は、少なくとも前記の第3態様の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、中空プラスチックシートの接触面側に吸引手段と冷却面を備える間接冷却サイジングフォーマーに導き、中空プラスチックシートの表面を予備冷却し、かつ第一サイジングプレート側から間接冷却サイジングフォーマー側へ逆流または漏出する直接冷却水を間接冷却サイジングフォーマーの吸引手段により排出しつつ、第一サイジングプレートに導き、給排水ブロックの給水手段と連結された給水溝に通じる給水スリットより中空プラスチックシートの上下両面にシートの幅方向に(略)均等に冷却水を供給し、かつ第一サイジングプレートに設けられ、吸排水手段と連結された排水(吸引)溝に通じる排水(吸引)スリットから該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第一サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする。
本第3態様の製造方法においても、第二サイジングプレートに導いた後の工程や温度条件、圧力条件、対応可能な原料樹脂等は前記の第1態様の製法に記載した内容と同じなので説明を割愛する。
本発明はまた、前記本願のいずれかの中空プラスチックシートの製造方法により得られた中空プラスチックシートをも提供する。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
実施例1
第一サイジングプレートとして、図2に側断面図、図4に給排水ブロックを示すものを用いた。まず、第一、第二サイジングプレートの材質は、表面にアルマイト処理を施したアルミニウム(濡れ性が接触角54.0°)を用いた。
全体の構成としては、図1(a)に模式図を示すサイジング装置を用いた。すなわち、サイジング装置の第一サイジングプレート2の長さL1を107mm、第二サイジングプレート3の長さを1564mmとした。また、中空プラスチックシートの製品幅1320mmに対応して、サイジング装置の有効幅WLを1550mmとした。
<第一サイジングプレート>
第一サイジングプレート2は、図2に示すように上下一対で対称に構成され、その上部及び下部に給排水ブロック20が取付けられている。給排水ブロック20は、全体の厚み64mm、長さ107mmであり、第一サイジングプレート2に入り口側から19mm、36mm、56mm、82mmの位置に排水(吸引)、給水、排水(吸引)、給水の順で設けられたスリットを備え、それらに対向して排水溝4G、給水溝5Gを設けた構造とした。
第一サイジングプレート2の給水スリットの幅は、給水溝5Gを介して成形品幅方向に均一に吐出する為に0.5mmとし、排水(吸引)スリットの幅は、安定に排水する為に1.0mmとし、真空ポンプで排水溝4Gを介して減圧吸引しながら排水する構造とした。
給排水ブロックは、図4に下側の給排水ブロックを示すように製品幅に対応した有効幅を有し、本実施例においては、排水溝4G及び給水溝5Gの溝幅を共に10mm、溝深さを15mmとした。製品幅方向の給水量の均等化を図るため、図4(a)に示す如く、給水溝5Gの幅方向において、160mm〜240mmの間隔でB1〜B7の7ブロックに分画した。
各ブロックでは、給水ホース接続口80にて給水ホースが接続され、流量計で計測された所定の給水量が供給される。
一方、排水溝4Gの上部(図示省略)には、給水溝の分画ブロックにほぼ対応した間隔で、減圧吸引ラインの接続口が配置され、幅方向にほぼ均等に排水(吸引)が行われる構造とした。
なお、第一サイジングプレートの厚みは14.5mmとした。
<第二サイジングプレート>
第一サイジングプレートが接続される第二サイジングプレート3の厚みは、15mmとし、全長1564mmにおいて、接続部端部から25mmを起点として、全厚みを貫通する吸引スリット13が25mm間隔で4列、50mm間隔で2列、70mm 間隔で2列、90mm間隔で2列、120mm間隔で4列、200mm間隔で2列、それぞれ設けた。
<減圧ボックス>
高さ(深さ)350mm、幅1550mm、長さ(成形体の走行方向)1030mmで、内容積約580リットル(L)の減圧ボックスを製造し、前段と後段に二分割した。なお、減圧操作は、各減圧ボックスの開口部に、減圧タンクに接続され、その排出側に真空ポンプを接続した減圧手段を接続して、減圧ボックス内の減圧と冷却水の排出を同時に行う構成とし、圧力調整手段の電磁弁で真空圧を中空プラスチックシートの厚みに応じて任意に制御した。なお、サイジングプレートの入口の幅と出口の幅は、出来るだけ成形体幅に近い寸法としたが、テフロン(登録商標)シート等で隙間を塞いで、減圧を可能とした。
<冷却水>
スプレーノズル(霧のいけうち社製:品番 SSXPO40 1/4M)を幅方向に7個有する冷却水スプレー装置を第二サイジングプレートの上下に各4列配置し、給水ポンプより所定量の給水を可能とした。また、第一サイジングプレートの上下の給水溝には、それぞれ独立に定量給水できる構成とした。なお、冷却水温は、給水溝用が15℃、冷却水スプレー装置も15℃とした。
上記の中空プラスチック用サイジング装置を用いて、中空プラスチックシートを成形した。
<中空プラスチックシートの成形>
プラスチック樹脂材料として、プライムポリマー社製の4質量%のエチレンを含むポリプロピレンブロックコポリマー〔グレード名:E601、MI=0.8(g/10分)〕を使用し、厚み3.0mm、目付け500g/m2、目標脚間3.8mmの中空プラスチックシート(品種:A−3−50N)の成形を目標とした。中空室を形成するためにエアーの吹き出しができる芯金(中子)を備えた樹脂流路が目の字(ハーモニカ)状であって幅1450mmのダイスより230℃で押出し、ネックインにより成形体幅約1320mmの状態で、上記の第一サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートを経て中空プラスチックシートを製造した。
サイジング前の製造条件は表1に示すように、成形速度を10m/分、ダイス出口から第一サイジングプレートの入口迄の距離を140mmとし、その間で温度25℃の風を風量1400L/分で当てて予冷した。次いで、図2に記載のサイジング装置に導いた。
第一サイジングプレート給水総量を上下各15L/分とし、これを2列の給水スリット5から各7.5L/分で供給した。一方排水スリット4からは、上下各列3.0L/分
で排出すべく吸引した。これによって、冷却水の第二サイジングプレート側への持込率を60%に制御した。
次いで、幅方向に均等にスプレー可能に1列当たり7個のシャワーが上下に各4列取り付けられた減圧ボックス6中で、上下各50L/分で15℃の水をスプレーしつつ、減圧ボックス内を前後に仕切り、前側を減圧(真空)度3.2kPa,後側を(真空)度2.2kPaとして、中空プラスチックシートを成形した。
得られた中空プラスチックシートの表面状態、表面平滑性を以下のように測定し、評価した。
<評価>
(1)表面状態(水玉模様):中空プラスチックシートを流れ方向に100mm×全幅カットし、目視確認にて水玉模様の数を測定した。判定方法は水玉模様なしを「◎」、10個未満を「○」、10個以上100個未満を「△」、100個以上を「×」とした。
(2)表面平滑性(窪み量):表面平滑性は、中空プラスチックシートを流れ方向に100mm×全幅カットし表面粗さを、JIS B 0601に準じ、5μmRのダイヤモンド触針にて、測定速度0.5mm/秒、カットオフ0.8mm、測定長2.4mm、縦倍率2000倍の条件で算術平均表面粗さ(Ra;単位μm)を6点測定し、それぞれの最大値を測定値として採用した。
製造条件及び評価結果等をまとめて表1に示す。
実施例2
実施例1の第一サイジングプレートの給排水ブロックに代えて、図7に示す給排水ブロック200を備えた後述する第三サイジングプレート及び、間接冷却サイジングフォーマーを組み合わせてサイジングした他は実施例1と同様にして中空プラスチックを成形した。
<間接冷却サイジングフォーマー>
図6に側断面図、図7に(a)斜視図、(b)正断面図、(c)部分拡大側断面図を示している。
本実施例2には、図7に示す、長手(M)方向に43mm、厚み(高さ)60mm、幅1550mmで、長手方向の中央に冷却面33側に開口する幅1mmの吸引スリットを幅方向に両端から65mmを除いて1400mm幅で設けられている。また、当該吸引スリット34は、吸引手段と接続される吸引される直径10mmの吸引ダクト35に貫通し、該吸引ダクト35には、幅方向に165mm、200mm、210mmの間隔で吸引手段との吸引接続孔37を7個有する間接冷却サイジングフォーマーを2個接続した形で上下一対準備した。なお、間接冷却サイジングフォーマーの冷却面33の入口側は、成形体の導入を容易にするため面取を行い、冷却面には、ハードクロムめっき後400メッシュのサンドブラスト加工を行った。
<第三サイジングプレート>
第三サイジングプレートは、図6に示す側断面図において、排水スリット4、給水スリット5は第一サイジングプレートにおいて、同じプレート2の上に対向配置される給排水ブロック100が、幅方向の給水溝50Gを分画していない点において異なっている他は、実施例1の第一サイジングプレートと同じである。
また、第二サイジングプレート及び、減圧ボックスは実施例1と同一のものを用いた。
<中空プラスチックシートの成形>
実施例1と同一の原料を用い、同一品種を同一のダイスから溶融押出機の回転数を34rpm、成形速度を5.3m/分として押出し、上記の間接冷却サイジングフォーマー及び第三サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートを経て中空プラスチックシートを製造した。
サイジング前の製造条件は、表1に示すように、温度25℃の風を風量1350L/分で当てて予冷した他は実施例1と同一とした。また、間接冷却サイジングフォーマーには、通水管36に15℃の冷却水を8〜9.5L/分で循環して冷却し、吸引スリット34を上下各4.5kPaで減圧し、第三サイジングプレートに挿通した。第三サイジングプレート給水総量、2列の給水スリット50Gからの供給水量、排水スリット40Gからの排出量、及び冷却水の第二サイジングプレート側への持込率は、実施例1と同じにした。
次いで、第二サイジングプレート及び減圧ボックスでの条件も、減圧度を前側で3.3kPa、後側を2.4kPaとした他は実施例1と同じ条件で中空プラスチックシートを成形した。製造条件及び評価結果等をまとめて表1に示す。
実施例3
実施例2の第三サイジングプレート70に代えて、図8に示す給排水ブロック10を備えた実施例1に用いた第一サイジングプレート2及び、実施例2に用いた間接冷却サイジングフォーマー30を組み合わせてサイジングした他は、概ね実施例1と同様にして同一品種の中空プラスチックを成形した。製造条件及び評価結果等をまとめて表1に示す。
実施例4
間接冷却サイジングフォーマー及び第一サイジングプレートを組み合わせた実施例3において、製造品種として厚み5mm、目付け1000g/m2のA-5-100Nを5.7m/分の速度で製造した。間接冷却サイジングフォーマー及び減圧ボックスの減圧度を実施例3と比較して高くした他は、概ね実施例3と同様にして、中空プラスチックを成形した。製造条件及び評価結果等をまとめて表1に示す。
比較例1
実施例2において、間接冷却サイジングフォーマーを用いることなく、第三サイジングプレートのみを用いた他は、実施例2と概ね同一の条件で中空プラスチックシートを成形した。
冷却水量を幅方向で均一に制御できないため、温度第三サイジングプレートの入口で、中空プラスチックシート表面の幅方向に温度斑が発生し、直径1〜3mm、高さ20〜100μmの水玉模様がランダムに発生し、著しく外観が不良となり、連続生産が困難であった。製造条件及び評価結果等をまとめて表1に示す。
Figure 0006174961
本発明の中空プラスチックシート用サイジング装置は、特に、厚みが1.5〜8mm、および単位重量が250〜2000g/m2の中空プラスチックシートもサイジングすることができる装置であって、従来と比較して生産速度を大幅に向上できるサイジング装置として利用できる。
また、本発明の中空プラスチックシート用サイジング装置は、入り口部近傍に所要本数の給水溝と排水溝を設けるための加工、当該給水溝への冷却水供給用配管加工、サイジングプレートへ吸引溝を設ける加工程度の機械加工でサイジングプレート本体を構成できるので、サイジングプレートの製造コストを大幅に低減でき、極めて実用的な中空プラスチックシート用サイジング装置として利用できる。
さらに、本発明の中空プラスチックシート用サイジング装置は、溶融押出しされた中空プラスチックシートの冷却を、給水スリットからの冷却水およびサイジングプレートへ直接冷却水をスプレーすることにより行うので、冷却効率が高く、冷却コストを削減できる中空プラスチックシート用サイジング装置として利用できる。
また、本発明の中空プラスチックシートの製造方法は、前記の本発明のサイジング装置を用いて中空プラスチックシートの成形を行うので、従来の装置を用いる場合と比較して、
より厚みが大きく、かつ高目付けのものであっても、サイジングが可能であり、従来程度の厚み、高目付けのものでは2倍程度の増速が可能である。特に、保護材や緩衝材として好適な高目付けの中空プラスチックシートの生産性の高い製造方法として利用できる。
D ダイス
S 中空プラスチックシート
L ライナー
R リブ
Br 分画点
WL 装置幅(T方向幅)
1 中空プラスチックシート用サイジング装置
1A 第1態様の中空プラスチックシート用サイジング装置
1B 第2(第3)態様の中空プラスチックシート用サイジング装置
2 第一サイジングプレート
3 第二サイジングプレート
4 排水スリット
4G 排水溝
5 給水スリット
5G 給水溝
6 減圧ボックス
7 前段減圧ボックス
8 後段減圧ボックス
10 第一減圧セクション
11 第二減圧セクション
13 吸引スリット
14 冷却水スプレー装置
15 減圧手段
16 電磁弁つき圧力調整手段
20 給排水ブロック
21 連結用ボルト
22 開口部
23 冷却ベースプレート
24 引取機
30 間接冷却サイジングフォーマー
31 間接冷却サイジングフォーマーブロック
32 間接冷却サイジングフォーマーブロック
33 冷却面
35 吸引ダクト
36 冷却水通水管
37 吸引ホース(チューブ)接続孔
40 排水溝
50 給水溝
51 減圧ライン
52 冷却配管
70 第三サイジングプレート
80 給水ホース(チューブ)接続口
100 第一減圧セクション
150 サイジング装置
151 負圧ライン
152 冷却水循環ライン
200 給排水ブロック

Claims (10)

  1. 溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する第一サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第一サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置であって、
    該第一サイジングプレートにはプレートの幅方向に給水スリットと排水スリットが交互に配置されており、
    該給排水ブロックには、該給水スリットに対向し給水手段と連結された給水溝と排水スリットに対向し排水手段と連結された排水溝が配置されており、かつ、給水溝には中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に均一に給水するために複数に分画してなる給水手段を、排水溝にはプレートの幅方向に均一に排水するための排水手段を備え、
    該第二サイジングプレートには、プレートの幅方向に吸引スリットが設けられ、減圧ボックスには、冷却水スプレー装置と、減圧および排水のための開口部を有し、
    さらに、第一サイジングプレートおよび第二サイジングプレートが、上下一対のプレートから形成されてなる、
    ことを特徴とする中空プラスチックシート用サイジング装置。
  2. 溶融押出しされた中空プラスチックシートと接触する間接冷却サイジングフォーマー、及び第一サイジングプレートと給排水ブロックで構成された第一減圧セクションと、該第一サイジングプレートと連結し、引取り側に設けられた第二サイジングプレートを囲繞する減圧ボックスで構成された第二減圧セクションとを備える中空プラスチックシート用サイジング装置であって、
    該間接冷却サイジングフォーマーは、中空プラスチックシートとの接触面側に冷却面と吸引手段を備え、
    該給排水ブロックには、該給水スリットに対向し給水手段と連結された給水溝と排水スリットに対向し排水手段と連結された排水溝が配置されており、かつ、給水溝は中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数に分画して均一に給水できる給水手段を、排水溝はプレートの幅方向に均一に排水ができる排水手段を備え、
    該第二サイジングプレートには、プレートの幅方向に吸引スリットが設けられ、該減圧ボックスには、冷却水スプレー装置と、減圧および排水のための開口部を有し、
    さらに、間接冷却サイジングフォーマー、第一サイジングプレート、及び第二サイジングプレートが、それぞれ上下一対に形成されてなる、
    ことを特徴とする中空プラスチックシート用サイジング装置。
  3. 前記第一サイジングプレートは、中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数に分画された給水溝の1区画の幅が100〜300mmである請求項1又はに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
  4. 前記間接冷却サイジングフォーマーは、内部に通水循環可能な金属ブロックと、該金属ブロックに中空プラスチックシートとの対面側に開口するように穿設されたスリットとを備え、該スリットに連通するダクト部と、さらに該ダクト部に中空プラスチックシートの幅寸法に応じてプレートの幅方向に複数配置された減圧ラインに通じる接続プラグを備えてなる請求項2又は3に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
  5. 請求項1における第一、第二サイジングプレートにおける中空プラスチックシートとの接触面、又は請求項2における第一、第二サイジングプレート、及び間接冷却サイジングフォーマーにおける中空プラスチックシートとの接触面が、水に対する接触角65°以下の濡れ性を有する金属板により形成されてなる請求項1〜のいずれかに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
  6. 水に対する接触角65°以下の濡れ性を有する金属板が、表面をメッキまたはアルマイト処理するか、もしくは梨地状とした真鍮、銅合金、またはアルミニウムにより形成されてなる請求項に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
  7. 前記減圧ボックスが、複数に分割されてなる請求項1〜のいずれかに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
  8. 成形対象の中空プラスチックシートの厚みが、1.5〜8mm、および単位重量が250〜2000g/mのものである請求項1〜のいずれかに記載の中空プラスチックシート用サイジング装置。
  9. 請求項1に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、上下一対の第一サイジングプレートに導き、第一サイジングプレートに設けられ、給水手段と連結された給水溝に通じる給水スリットより中空プラスチックシートの上下両面にシートの幅方向に(略)均等に冷却水を供給し、かつ第一サイジングプレートに設けられ、排水手段と連結された排水溝に通じる排水スリットから該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第一サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする中空プラスチックシートの製造方法。
  10. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の中空プラスチックシート用サイジング装置を用いて中空プラスチックシートを製造する方法であって、平行するライナー部と該ライナー間の複数のリブからなる中空プラスチックシートを溶融押出した後に、中空プラスチックシートの接触面側に吸引手段と冷却面を備える間接冷却サイジングフォーマーに導き、中空プラスチックシートの表面を予備冷却し、かつ第一サイジングプレート側から間接冷却サイジングフォーマー側へ逆流または漏出する直接冷却水を間接冷却サイジングフォーマーの吸引手段により排出しつつ、第一サイジングプレートに導き、
    給排水ブロックの給水手段と連結された給水溝に通じる給水スリットより中空プラスチックシートの上下両面にシートの幅方向に(略)均等に冷却水を供給し、かつ第一サイジングプレートに設けられ、排水手段と連結された排水溝に通じる排水スリットから該冷却水の一部を負圧により排水すると共に、該サイジングプレートと中空プラスチックシート間に水膜を形成した状態で、第一サイジングプレートと連結した第二サイジングプレートに導き、第二サイジングプレートに設けられた吸引スリットからの負圧により、中空プラスチックシートを上下のサイジングプレート側に摺動させると共に、第二サイジングプレートに冷却水をスプレーして、中空プラスチックシートの冷却固化を行うことを特徴とする中空プラスチックシートの製造方法。
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