JP6174937B2 - 撹拌用回転容器 - Google Patents

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Description

本発明は容器を自転させて容器内の液体を撹拌する撹拌用回転容器に関する。
従来の撹拌用回転容器において、図13及び図14の例1に示すように、有底円筒状の容器a1を、その軸周りで、一方向に回転させた場合、該容器a1内の流体も共回りするだけで、上下対流もなく、混合作用は得られない。
そのため、図15及び図16の例2に示すように、容器a2を、その軸周りで、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返すことで混合作用を促進させるように検討されるが、回転方向が切り替わるごく短時間で、若干の混合作用が得られるものの、容器a2内全体の混合には寄与しない。
また、図17及び図18の例3に示すように、前記容器a3を傾けて、その軸周りで回転させた場合、一方向回転では、殆ど混合作用は得られず、回転方向を正逆反転させた際に、若干の混合作用が促進されるものの不十分である。
そこで、図19及び図20の例4に示すように、前記容器a4の内壁bに、容器a4の底部から側壁内面の上端まで延びる帯状のバッフルcを互いに離間して複数設け、該容器a4を、その軸周りで回転させた場合、一方向回転では、ほとんど混合の効果がないが、前記容器a1〜a3における混合に比べて、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返すことで、回転方向が切り替わるごく短時間で、混合が促進する。
このような容器の内壁にバッフルを設けたものとしては、例えば、特許文献1がある。
特開2011−31126号公報
しかしながら、依然、容器a4の底部と液面付近においては混合不良が見られ、また乱れは発生するものの、容器a4内に流動作用は殆ど得られない。
また、このような乱れを嫌う場合や、より短時間での混合が求められる場合には、最適とは言えない。
本発明は、このような問題を解消し、目的にあった適切なフローパターンを提供すると共に、容器を自転させる撹拌方法において混合性能を飛躍的に向上させることを目的とする。
前記の目的を達成すべく、本発明の撹拌用回転容器は、有底円筒状の回転容器と、該回転容器の底部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の直線状の帯状板の静翼とよりなり、前記静翼は、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の底部の中心部に隙間を設けて形成され、液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする。また、本発明の撹拌用回転容器は、有底円筒状の回転容器と、該回転容器の底部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の板状の静翼とよりなり、前記静翼は、前記回転容器の内壁からその軸中心に向かって、上下方向の幅が徐々に減少する形状であると共に、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の底部の中心部に隙間を設けて形成され、液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする。また、本発明の撹拌用回転容器は、有底円筒状の回転容器と、該回転容器の底部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の板状の静翼とよりなり、前記静翼は、前記回転容器の軸中心から内壁に向かって、上下方向の幅が徐々に減少する形状であると共に、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の底部の中心部に隙間を設けて形成され、液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする。また、本発明の撹拌用回転容器は、有底円筒状の回転容器と、該回転容器の内壁の上部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の板状の静翼とよりなり、前記静翼は、前記回転容器の内壁からその軸中心に向かって、上下方向の幅が徐々に減少する形状であると共に、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の中心部に隙間を設けて形成され、液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする。
本発明によれば、目的にあった適切なフローパターンを提供すると共に、容器を自転させる撹拌方法において混合性能を飛躍的に向上させることができる。
本発明の実施例1の撹拌用回転容器の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の平面図である。 該撹拌用回転容器のフローパターン解析結果を示す図である。 本発明の実施例2の撹拌用回転容器の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の平面図である。 該撹拌用回転容器のフローパターン解析結果を示す図である。 該撹拌用回転容器の他の例の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の他の例の平面図である。 本発明の実施例3のフローパターン解析結果を示す図である。 本発明の実施例4の撹拌用回転容器の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の平面図である。 該撹拌用回転容器のフローパターン解析結果を示す図である。 従来の撹拌用回転容器の例1の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の平面図である。 従来の撹拌用回転容器の例2の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の平面図である。 従来の撹拌用回転容器の例3の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の平面図である。 従来の撹拌用回転容器の例4の縦断側面図である。 該撹拌用回転容器の平面図である。
本発明を実施するための形態の実施例を以下に示す。
本発明の実施例1を図1及び図2により説明する。
1は、本発明の実施例1の撹拌用回転容器を示し、該回転容器1は、縦型の有底円筒状で形成され、図示しない回転手段により、該回転容器1の軸周りで回転するように形成されている。
2は、静翼を示し、該静翼2は、直線状の帯状板からなり、前記回転容器1の底部1aに、回転容器1の軸中心から放射状に、例えば、4枚固定されている。
なお、該静翼2は1枚以上であれば良いが、該回転容器1内の液体の撹拌を効果的にするため、少なくとも左右一対の静翼2a、2aを有するのが好ましい。
なお、前記回転容器1の内壁1bと前記静翼2の端部2bとの間に間隙3を有していても良く、或いは、間隙3を有せず、該回転容器1の内壁1bと前記静翼2の端部2aとが接していても良い。
また、図3に示すように、前記静翼2の交差部に相当する前記回転容器1の底部1aの中心部にも隙間4を設けてもよい。
次に本実施例1の回転容器1の作用と効果を説明する。
液体を入れた前記回転容器1をその軸周りに回転させれば、図3に示すように、該回転容器1内の液体が該回転容器1の底部に集中して圧力が大となると共に、液面の近傍の圧力が小となって液体の上下対流が発生し、混合性能を高めることができるようになる。
また、前記回転容器1の中心では、該回転容器1の底部1aから液表面に向かう上昇流を作り出すことができる。
なお、前記回転容器1の回転は、例えば、一方向回転で、スタートとストップとを繰り返す間欠運転など、一方向回転で加速と減速とを繰り返して回転させる、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させる、又はこれらの組み合わせで回転させるなど、相対速度が得られる条件で回転させるようにし、この条件で性能が発揮されるようになる。
但し、この実施例1における帯状板の静翼2においては、上下対流が発生するものの、乱れが強く、良好なフローの形成に至っていない。
本発明の実施例2を図4及び図5により説明する。
本実施例2においては、実施例1における直線状の帯状板の静翼2を用いる代わりに、回転容器5の内壁5bからその軸中心に向かうに従って、上下方向の幅が減じる、例えば、三角形状板の静翼6を、該回転容器5の底部5aに、中心から放射状に、例えば、4枚固定する。
なお、該静翼6は1枚以上であれば良いが、該回転容器5内の液体の撹拌を効果的にするため、少なくとも左右一対の静翼6a、6aを有するのが好ましい。
また、前記回転容器5の内壁5bと前記静翼6の端部とは接していても、或いは、図6に示すように、間隙7を有していてもよい。
また、図6に示すように、前記静翼6の交差部に相当する前記回転容器5の底部5aの中心部には隙間8を設けてもよい。
次に本実施例2の回転容器4の作用と効果を説明する。
前記回転容器5をその軸周りに回転させれば、図6に示すように、容器内の液体が容器底部に集中して圧力が大となると共に、液面の近傍の圧力が小となって液体の上下対流が発生し、混合性能を高めることができるようになる。
また、前記回転容器5の中心では、回転容器5の底部5aから液表面に向かう上昇流を作り出すことができる。
なお、前記回転容器5の回転は、例えば、一方向回転で、スタートとストップとを繰り返す間欠運転など、一方向回転で加速と減速とを繰り返して回転させる、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させる、又はこれらの組み合わせで回転させるなど、相対速度が得られる条件で回転させるようにし、この条件で性能が発揮されるようになる。
前記実施例1における帯状板の静翼2においては、上下対流が発生するものの、乱れが強く、良好なフローの形成に至っていないが、実施例2における静翼6においては、良好な混合作用と流動作用を得ることができた。
なお、回転容器5を傾けて、その軸周りで回転させてもよい。
なお、図7及び図8に示すように、前記回転容器5の内壁5bと静翼6の端部6bとの間に間隙7を設ければ、該回転容器5内の流れの停滞部を抑制することができるようになる。また、前記回転容器5の底部5aと静翼6の下辺6cとの間に間隙9を設ければ、該回転容器5内の流れの停滞部を抑制することができるようになる。
本発明の実施例3を図9により説明する。
本実施例3においては、実施例2における三角形状板の静翼6を回転容器5の底部5aに固定する代わりに、回転容器10の軸中心から内壁10bに向かうに従って、上下方向の幅が減じる、例えば、逆三角形状板の静翼11を、該回転容器10の底部10aに、中心から放射状に、例えば、4枚固定する。
なお、該静翼11は1枚以上であれば良いが、該回転容器10内の液体の撹拌を効果的にするため、少なくとも左右一対の静翼を有するのが好ましい。
また、前記回転容器10の内壁10bと静翼11の端部11aとの間に間隙12を設ける。なお、前記回転容器10の底部10aと静翼11の下辺との間に間隙を設けてもよい。
また、前記静翼11の交差部に相当する前記回転容器10の底部10aの中心部には隙間8を設ける。
本実施例3の回転容器10においては、実施例1の回転容器1よりも乱れは生じていないが、実施例2の回転容器5に比べて流動作用は弱く、良好なフローの形成に至っていない。
本発明の実施例4を図10及び図11により説明する。
本実施例4においては、実施例2における三角形状板の静翼6を回転容器5の底部5aに固定する代わりに、回転容器13の内壁13bからその軸中心に向かうに従って、上下方向の幅が減じる、例えば、三角形状板の静翼14を、該回転容器13の液面付近に位置するように、中心から放射状に、例えば4枚、前記回転容器13の内壁13bの上部に固定する。
なお、該静翼14は1枚以上であれば良いが、該回転容器13内の液体の撹拌を効果的にするため、少なくとも左右一対の静翼14a、14aを有するのが好ましい。
なお、図12に示すように、前記回転容器13の内壁13bと静翼14との間に間隙15を設けてもよい。
また、図12に示すように、前記静翼14の交差部に相当する前記回転容器13の中心部には隙間16を設けてもよい。
本実施例4の回転容器13においては、前記回転容器13をその軸周りに回転させれば、図12に示すように、容器内の液体が液表面に集中して圧力が大となると共に、容器の底部の圧力が小となって液体の上下対流が発生し、混合性能を高めることができるようになる。
また、前記回転容器13の中心では、該回転容器13の液表面から底部13aに向かう下降流を作り出すことができる。
なお、前記回転容器13の回転は、例えば、一方向回転で、スタートとストップとを繰り返す間欠運転など、一方向回転で加速と減速とを繰り返して回転させる、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させる、又はこれらの組み合わせで回転させるなど、相対速度が得られる条件で回転させるようにし、この条件で性能が発揮され、図12に示すような良好な流動作用を得ることができる。
なお、回転容器13を傾けて、その軸周りで回転させてもよい。
本発明の撹拌用回転容器は、食品工業や化学工業等における液体の混合に利用される。
1 回転容器
1a 底部
1b 内壁
2 静翼
2a 静翼
2b 端部
3 間隙
4 隙間
5 回転容器
5a 底部
5b 内壁
6 静翼
6a 静翼
6b 端部
6c 下辺
7 間隙
8 隙間
9 間隙
10 回転容器
10a 底部
10b 内壁
11 静翼
11a 端部
12 間隙
13 回転容器
13a 底部
13b 内壁
14 静翼
14a 静翼
15 間隙
16 隙間

Claims (10)

  1. 有底円筒状の回転容器と、
    該回転容器の底部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の直線状の帯状板の静翼とよりなり、
    前記静翼は、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の底部の中心部に隙間を設けて形成され、
    液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする撹拌用回転容器。
  2. 有底円筒状の回転容器と、
    該回転容器の底部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の板状の静翼とよりなり、
    前記静翼は、前記回転容器の内壁からその軸中心に向かって、上下方向の幅が徐々に減少する形状であると共に、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の底部の中心部に隙間を設けて形成され、
    液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする撹拌用回転容器。
  3. 前記静翼は三角形状であることを特徴とする請求項2に記載の撹拌用回転容器。
  4. 有底円筒状の回転容器と、
    該回転容器の底部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の板状の静翼とよりなり、
    前記静翼は、前記回転容器の軸中心から内壁に向かって、上下方向の幅が徐々に減少する形状であると共に、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の底部の中心部に隙間を設けて形成され、
    液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする撹拌用回転容器。
  5. 前記静翼は、逆三角形状であることを特徴とする請求項4に記載の撹拌用回転容器。
  6. 前記静翼は、前記回転容器の底部と該静翼の下辺との間に間隙を設けて形成されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1に記載の撹拌用回転容器。
  7. 前記静翼は、前記回転容器の内壁と該静翼の端部との間に間隙を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の撹拌用回転容器。
  8. 有底円筒状の回転容器と、
    該回転容器の内壁の上部に、その軸中心から放射状に固定された、複数の板状の静翼とよりなり、
    前記静翼は、前記回転容器の内壁からその軸中心に向かって、上下方向の幅が徐々に減少する形状であると共に、該静翼の交差部に相当する前記回転容器の中心部に隙間を設けて形成され、
    液体を入れた上記回転容器を、その軸周りで、一方向で加速と減速とを繰り返して回転させることにより、又は、正方向回転と逆方向回転との反転を繰り返して回転させることにより、上記回転容器内の液体を撹拌することを特徴とする撹拌用回転容器。
  9. 前記静翼は、前記回転容器の内壁と該静翼との間に間隙を有していることを特徴とする請求項8に記載の撹拌用回転容器。
  10. 前記静翼は、少なくとも左右一対の静翼からなることを特徴とする請求項1乃至請求項9載のいずれか1に記載の撹拌用回転容器。
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