JP6174060B2 - 延性を示す、金属ガラスをベースにした複合体の構造形成のメカニズム - Google Patents

延性を示す、金属ガラスをベースにした複合体の構造形成のメカニズム Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に完全に組み込まれている、2008年10月21日に出願した米国仮特許出願第61/107,037号の利益を主張するものである。
本発明は、比較的高い引張り強さと比較的高い伸びとの組合せを示す、金属ガラス母材中のスピノーダルミクロ成分構造の形成に関する。
金属ナノ結晶質材料および金属ガラスは、金属ベースの材料に関して比較的高い硬度および強度特性を示し、このため、構造的利用のための潜在的候補と見なされる。しかし、それら材料およびガラスの、剪断帯および/または亀裂の素早い伝搬に関連する限られた破壊靭性および延性は、それらの優れた強度の商業的利用に対する懸念となる可能性がある。典型的には、これらの材料は、圧縮状態での試験によって適切な延性を示す可能性があり、一方、同じ材料の引張り延性は、ゼロに近くなる可能性がある。同時に、引張り延性は破壊靭性と共に、突発的な不具合が回避されるよう固有の延性が必要とされる構造的利用のための、比較的重要な特性であると理解される。
ナノ結晶質材料は、平均粒度が100nmよりも小さい多結晶質構造であり、またはそのような多結晶質構造を含むと理解できる。この材料は、金属および合金がナノ結晶質にされた場合には構造的利用のために潜在的に有意ないくつかの魅力ある機械特性を示す可能性があると主張された1980年代半ばより、広範囲に及ぶ研究の対象であった。しかし、比較的魅力ある性質(高い硬度、降伏応力、および破壊強度)にも関わらず、これらの材料は、期待外れの低い引張り伸びを示す可能性があり、かつ比較的脆い状態で不具合が生じる可能性があることが理解される。事実、冷間圧延鋼および従来通り再結晶化した軟鋼の、加工硬化指数と粒度との間の実験的相関は、粒度が小さくなるほど延性が低下することを示している。粒度が漸進的に小さくなるにつれ、転位堆積の形成はより困難になり、歪み硬化の能力が制限される。この結果、負荷の下で材料の機械的不安定性が生じる可能性がある。
ミクロ構造を調節することによって、その比較的高い強度を維持しながらナノ結晶質材料の延性を改善する試みもなされてきた。ナノ結晶質材料中の高傾角粒界が高含量であることは、延性の増大に有益となり得ることが提案されている。ナノ結晶質材料の延性を改善する検討では、極めて延性の高い卑金属を使用してきた。例えば、バイモーダル粒度分布(100nmおよび1.7μm)を有するナノ結晶質Cuは、極度の塑性変形の熱機械的処理をベースに製作されており、65%の全破断伸びを示すことができかつ比較的高い強度を保持することができる。最近、パルス電着によってマイクロメートル以下の粒状の母材に埋め込まれたナノメートルサイズの双晶を有するナノ結晶質Cuが生成された。延性および比較的高い強度は、滑り転位と双晶境界との相互作用による可能性がある。最近の手法では、4〜10nmのナノ結晶質第二相粒子をナノ結晶質Al母材(約100nm)に組み込んだ。ナノ結晶質粒子は、滑り転位と相互に作用し、歪み硬化速度を高め、その結果、延性の明らかな改善が得られた。これらの手法を使用することにより、平均粒度23nmの純粋なCuで15%または平均粒度59nmの純粋なZnで30%など、いくつかのナノ結晶質材料で高い引張り延性を実現した。これらナノ結晶質材料の破壊強度は、1GPaを超えないことに留意すべきである。より高い破壊強度(1GPa)を有するナノ結晶質材料の場合、適切な延性(>1%)の実現は、依然として課題となる可能性がある。
非晶質金属合金(金属ガラス)は、比較的歴史の浅い種類の材料であり、古典的な急速焼入れ実験がAu−Si合金で行われた1960年当たりに最初に報告された。その頃から、ガラス形成剤の合金組成物の調査に進展が見られ、非晶質構造の保持のためにさらに低い臨界冷却速度との元素の組合せを捜し求めていた。長距離秩序が存在しないので、金属ガラスは、比較的高い強度、高い硬度、大きな弾性限界、良好な軟磁性、および高い耐腐食性などの、比較的独特の性質を示す可能性がある。しかし、歪み軟化および/または熱軟化により、金属ガラスの塑性変形は、剪断帯に高度に局在化する可能性があり、その結果、限られた塑性歪み(2%未満)がもたらされる可能性があり、室温で突発的な不具合が生じる可能性がある。
非晶質構造への自由体積の導入または最大25%の圧縮状態を可能にするガラス相分離など、金属ガラスの延性を高めるために種々の手法が適用されてきた。しかし、これら材料の引張り延性については報告されていない。別の手法は、金属ガラス母材複合体の開発である。結晶質沈殿物を部分結晶化によりガラス母材に導入することができる。結晶化は、核生成および成長メカニズムによって生じ、また、ガラス組性および結晶化動態に応じて、ナノメートルサイズまたはマイクロメートルサイズの結晶性を導入してもよい。この手法は、Tiベース、Zrベース、Mgベースのガラス、およびCu−Hf−Ti−Nb系での圧縮延性の増大も可能にする。これら材料の引張り延性は、ガラス母材中に大きな樹枝状結晶(サイズ20〜50μm)が埋め込まれているTi−Zrベースの金属ガラスで、最大13%の引張り伸びであることが実証された。これら複合体の不均質構造は、剪断帯の形成の開始部位および/または剪断帯の急速伝搬の障壁として作用する可能性があり、その結果、全体的な塑性が増大し、しかし場合によっては強度が低下する。
粒度を縮小させる別の方法は、2種以上の材料の混合物が異なる材料濃度で全く別の領域に分離するときに生じる可能性のあるスピノーダル分解による。この方法は、スピノーダル分離による相分離が材料全体にわたって生じる可能性があり、核生成部位だけで生じるのではない点で、核生成とは異なる。スピノーダル分解は、AlNiCo磁石、17−4PHステンレス鋼、Fe−25Cr−12Co−1Si合金、およびFeベースのオーステナイト合金で、既に観察された。最近の研究は、非晶質残留母材でのCo富化、およびα’−FeCo結晶質相でのFe富化について記述した。さらに、>1%Cuの添加から得られた、クラスタ形成により引き起こされた微粒化の実験的証拠が示されている。また、1.0%超のCu添加は、結晶質α’−FeCo相、即ち約10nm付近の粒度の、微粒化の原因であるクラスタの形成を促進させたことも示されている。しかし、これらの研究において、最終構造の特性評価は行われなかった。AlNiCo磁石に関しては、28から380MPaの比較的高い引張り強さを得ることができることが、いくつかの出典からわかっているが、材料応答はいくらか脆弱であり、引張り伸びデータは一般に列挙されていない。
米国仮特許出願第61/107,037号
本発明の開示の一態様は、52原子%から68原子%の鉄と、13から21原子%のニッケル、2から12原子%のコバルト、10から19原子%のホウ素、任意選択で1から5原子%の炭素、および任意選択で0.3から16原子%のケイ素を含んでいてもよい合金組成物に関する。合金は、1種または複数のスピノーダルミクロ成分を5から95体積%含んでいてもよく、このミクロ成分は、ガラス母材において50nm未満の長さスケールを示す。
本発明の開示の別の態様は、合金中のスピノーダルミクロ成分を形成する方法に関する。この方法は、52原子%から60原子%の鉄、15.5から21原子%のニッケル、6.3から11.6原子%のコバルト、10.3から13.2原子%のホウ素、3.7から4.8原子%の炭素、および0.3から0.5原子%のケイ素を含む合金成分を融解して合金を形成するステップと、この合金を冷却して、ガラス母材中に1種または複数のスピノーダルミクロ成分を形成するステップとを含んでいてもよい。スピノーダルミクロ成分は、5体積%から95体積%の範囲で存在していてもよく、ガラス母材中で50nm未満の長さスケールを示す。
この開示の上述のおよびその他の特徴とそれらを実現する手法は、添付図面と併せて解釈される、本明細書に記述される実施形態の以下の説明を参照することによって、より明らかにされ、かつより良く理解されよう。
ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、16m/秒でメルトスパンされた、本明細書で企図される合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、合金PC7E4A9のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、16m/秒でメルトスパンされた、本明細書で企図される合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、合金PC7E4C3のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、16m/秒でメルトスパンされた、本明細書で企図される合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、合金PC7E6H9のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、16m/秒でメルトスパンされた、本明細書で企図される合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、合金PC7E6J1のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、16m/秒でメルトスパンされた、本明細書で企図される合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、合金PC7E7のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、10.5m/秒でメルトスパンされた合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、PC7E4A9のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、10.5m/秒でメルトスパンされた合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、PC7E4C3のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、10.5m/秒でメルトスパンされた合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、PC7E6H9のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、10.5m/秒でメルトスパンされた合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、PC7E6J1のDTA曲線を示す図である。 ガラスから結晶質への転移ピーク、および場合によっては融解ピークの存在を示す、10.5m/秒でメルトスパンされた合金の実施例のDTA曲線を示す図であり、PC7E7のDTA曲線を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面(free side)を、下部曲線はホイール面(wheel side)を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E7サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7サンプルの、X線回折走査の実施例を示す図であり、上部曲線は自由面を、下部曲線はホイール面を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 メルトスパンされたPC7E7のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図であり、a)サンプル1は、その中心に、完全に非晶質である層の周りにナノ結晶質ミクロ成分領域の帯を示しており(即ち、スピノーダル分解)、b)サンプル2は、その中心に、ガラス母材中のナノ結晶質相を示している(即ち、スピノーダル分解)。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図であり、a)サンプル1は、ガラス母材中に結晶質相を示しており(即ち、スピノーダル分解)、b)サンプル2は、核生成および成長による完全失透領域を示しており、c)サンプル3は、ガラス母材中に小さな均一相を有する部分転移領域を示している(部分転移スピノーダル分解)。 4タイプの曲げ挙動を示す、180°曲げられたリボンの、典型的な実施例のリボンを示す図であり、a)16m/秒でメルトスパンされたPC78E4A9は、タイプ1の挙動を示し、b)10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9は、タイプ2の挙動を示し、c)10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7は、タイプ3の挙動を示し、d)16m/秒でメルトスパンされたPC7E7は、タイプ4の挙動を示している。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7合金の自由表面のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図である。 タイプ1の変形挙動を示すモデルCCTダイアグラムの、実施例を示す図である。 タイプ2の変形挙動を示すモデルCCTダイアグラムの、実施例を示す図である。 タイプ3の変形挙動を示すモデルCCTダイアグラムの、実施例を示す図である。 タイプ4の変形挙動を示すモデルCCTダイアグラムの、実施例を示す図である。 PC7E4C3のSEM後方散乱電子顕微鏡写真の、実施例を示す図であり、a)16m/秒でのリボン断片全体を示す、低倍率の写真であり、b)16m/秒でのリボン構造を高倍率で示す写真であり(引掻き傷および空洞が存在することに留意されたい。)、c)10.5m/秒でのリボン断面全体を示す、低倍率の写真であり(Vickers硬さ圧痕の存在に留意されたい。)、d)10m/秒でのリボン構造を高倍率で示す写真である。 16m/秒でメルトスパンされ、次いで1000℃で1時間アニールされた、PC7E4C3リボンのSEM後方散乱電子顕微鏡写真の実施例を示す図であり、a)リボン構造の中程度の倍率の写真であり、b)リボン構造の高倍率の写真である。 16m/秒でメルトスパンされたPC7E7合金に関する応力歪み曲線の、実施例を示す図である。 16m/秒でメルトスパンされ、次いで引張り試験がなされた、PC7E7合金のSEM 2次電子画像の、実施例を示す図である。画像の右手側に亀裂(黒色)が存在し、亀裂先端の前に大きな塑性ゾーンを示す多数の剪断帯が存在することに、留意されたい。 PC7E7合金用にTEMサンプルが作製されるサンプル領域を示す概略図の、実施例を示す図である。 10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7のTEM顕微鏡写真の、実施例を示す図であり、a)リボンのホイール面を示し、b)リボンの自由面を示し、c)リボンの中心を示す写真である。 10.5m/秒でメルトスパンされ、次いでエッチングされたPC7E7リボン構造の、実施例を示す図であり、a)低倍率、b)中程度の倍率、およびc)高倍率で示す図である。
本発明の開示は、その構造の少なくとも一部がスピノーダルミクロ成分として得られるように転移してもよい、ガラス母材中に50nm未満の長さスケールにある1種または複数の結晶質相からなるものであってもよいガラス形成合金に関する。記述される別の方法で、結晶質相の任意の所与の寸法は、1nmから50nm未満の範囲であってもよく、その範囲内の全ての値および増分を含み、例えば、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、13nm、14nm、15nm、16nm、17nm、18nm、19nm、20nm、21nm、22nm、23nm、24nm、25nm、26nm、27nm、28nm、29nm、30nm、40nm、41nm、42nm、43nm、44nm、45nm、46nm、47nm、48nm、49nmである。さらに、合金は、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%を含む、約5から約95体積%の範囲で存在するスピノーダルミクロ成分の1種または複数を含んでいてもよい。スピノーダルミクロ成分は、核生成制御がなされていない転移メカニズムによって形成されたミクロ成分と理解されてもよい。より基本的には、スピノーダル分解は、合金の2種以上の成分(例えば、金属組成物)の溶液が、明らかに異なる化学組成および物理的性質を有する全く異なる領域(または相)に分離できるメカニズムと理解されてもよい。このメカニズムは、相分離が材料全体を通して均一に生じかつ個別の核生成部位のみに生ずるわけではない点で、古典的な核生成とは異なる。したがって、1つまたは複数の半結晶質クラスタまたは結晶質相は、化学的性質の変動が少なくとも1つの明らかな結晶質相をもたらすまで、局所レベルで原子の連続拡散を通して形成することができる。半結晶質クラスタは、本明細書では2nm以下の最大直線寸法を示すと理解されてもよく、一方、結晶質クラスタは、2nm超の最大直線寸法を示してもよい。スピノーダル分解の初期段階中、形成されるクラスタは小さく、またその化学的性質がガラス母材とは異なるものの、まだ完全に結晶質ではなくかつ十分に秩序を保った結晶質周期性がまだ実現されていないことに留意されたい。追加の結晶質相は、同じ結晶構造を示しても全く異なる構造を示してもよい。
スピノーダルミクロ成分の形成をもたらすことができるガラス形成合金は、下記の成分:52から68原子%(at%)の鉄、13から21at%のニッケル、2から12at%のコバルト、10から19at%のホウ素、存在する場合には1から5at%の炭素、存在する場合には0.3から16at%のケイ素であって、上記範囲内の全ての値および0.1原子%の増分を、含んでいてもよい。例えば、ガラス形成合金は、52原子%から60原子%の鉄、15.5から21原子%のニッケル、6.3から11.6原子%のコバルト、10.3から13.2原子%のホウ素、3.7から4.8原子%の炭素;および0.3から0.5原子%のケイ素を含んでいてもよい。別の実施例では、ガラス形成合金は、58.4原子%から67.6原子%の鉄、16.0から16.6原子%のニッケル、2.9から3.1原子%のコバルト、12.0から18.5原子%のホウ素、任意選択で1.5から4.6原子%の炭素、および任意選択で0.4から3.5原子%のケイ素を含んでいてもよい。さらに別の実施例では、ガラス形成合金は、53.6原子%から60.9原子%の鉄、13.6から15.5原子%のニッケル、2.4から2.9原子%のコバルト、12から14.1原子%のホウ素、1から4原子%の炭素、および3.9から15.4原子%のケイ素を含んでいてもよい。合金は、上記成分を含むだけではなく、本質的に上記成分からなりまたは上記成分からなるものでもよいことが、理解されよう。さらに、合金が上述の成分からなる場合でも、ある程度の不純物が合金組成物中に存在してもよく、例えば、不純物が0.01から1.0原子%の範囲などであり、その範囲の全ての値および増分であって0.01原子%の増分も含んでよいことが理解されよう。
したがって、それに応じて、鉄は52.0、52.1、52.2、52.3、52.4、52.5、52.6、52.7、52.8、52.9、53.0、53.1、53.2、53.3、53.4、53.5、53.6、53.7、53.8、53.9、54.0、54.1、54.2、54.3、54.4、54.5、54.6、54.7、54.8、54.9、55.0、55.1、55.2、55.3、55.4、55.5、55.6、55.7、55.8、55.9、56.0、56.1、56.2、56.3、56.4、56.5、56.6、56.7、56.8、56.9、57.0、57.1、57.2、57.3、57.4、57.5、57.6、57.7、57.8、57.9、58.0、58.1、58.2、58.3、58.4、58.5、58.6、58.7、58.8、58.9、59.0、59.1、59.2、59.3、59.4、59.5、59.6、59.7、59.8、59.9、60.0、60.1、60.2、60.3、60.4、60.5、60.6、60.7、60.8、60.9、61.0、61.1、61.2、61.3、61.4、61.5、61.6、61.7、61.8、61.9、62.0、62.1、62.2、62.3、62.4、62.5、62.6、62.7、62.8、62.9、63.0、63.1、63.2、63.3、63.4、63.5、63.6、63.7、63.8、63.9、64.0、64.1、64.2、64.3、64.4、64.5、64.6、64.7、64.8、64.9、65.0、65.1、65.2、65.3、65.4、65.5、65.6、65.7、65.8、65.9、66.0、66.1、66.2、66.3、66.4、66.5、66.6、66.7、66.8、66.9、67.0、67.1、67.2、67.3、67.4、67.5、67.6、67.7、67.8、67.9、68.0原子%で存在してもよいことが理解されよう。ニッケルは、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17.0、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18.0、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9、19.0、19.1、19.2、19.3、19.4、19.5、19.6、19.7、19.8、19.9、20.0、20.1、20.2、20.3、20.4、20.5、20.6、20.7、20.8、20.9、21.0原子%で存在してもよいことが理解されよう。コバルトは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0原子%で存在してもよい。ホウ素は、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17.0、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18.0、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9、19.0原子%で存在してもよい。炭素は、0.0、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0原子%で存在してもよい。ケイ素は、0.0、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0原子%で存在してもよい。
合金は、約<100,000K/秒の、金属ガラス形成のための臨界冷却速度を示してもよい。臨界冷却速度は、結晶化などの望ましくないと考えられる転移を抑制しかつ/または低減することができる、連続冷却速度と理解してもよい。したがって合金は、ガラス失透を回避しかつ過飽和母材を形成する臨界冷却速度以下で、合金を融解し冷却することによって形成してもよい。次いで過飽和母材は、スピノーダル分解を受け、スピノーダルミクロ成分を形成する。合金を形成する方法(合金の融解および/または冷却を含む。)は、メルトスピニングなど、臨界冷却速度以上の速度で合金を冷却することができる方法を含む。さらに合金は、粉末粒子、薄膜、薄片、リボン、ワイヤ、またはシートの形をした、厚さが1μmから2000μmの薄い製品が得られるように加工してもよい。合金形成技法の一例は、メルトスピニング、ジェットキャスティング、Taylor−Ulitovsky、メルトオーバーフロー、プラナーフローキャスティング、およびツインロールキャスティングを含んでいてもよい。
合金は、アルキメデス法により測定したときに、立方cm当たり7から8g範囲の密度を示してもよく、その範囲内の全ての値および増分が含まれ、例えば、立方cm当たり7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0gである。合金は、DTAにより10℃/分で測定したときに、400℃から585℃の範囲の1つまたは複数の開始結晶化温度を示してもよく、その範囲の全ての値および増分が1℃の増分で含まれる。合金は、DTAにより10℃/分で測定したときに、約400℃から595℃の範囲の1つまたは複数のピーク結晶化温度を示してもよく、その範囲の全ての値および増分が1℃の増分で含まれる。さらに合金は、DTAにより10℃/分で測定したときに、1050℃から1100℃の範囲の1つまたは複数の開始融解温度を示してもよく、その範囲の全ての値および増分が1℃の増分で含まれており、また、1050℃から1125℃の範囲の1つまたは複数のピーク融解温度を示してもよく、その範囲内の全ての値および増分が1℃の増分で含まれている。開始温度は、それぞれのピーク温度の前に生じ、多数の開始およびピーク結晶化および/または融解温度が存在してもよいと、理解することができる。
したがって、生成後に得られた合金のミクロ構造は、全て、その一部として、50nm未満の長さスケールで均一に分散された1つまたは複数の結晶質相を含むスピノーダルミクロ成分を含んでいてもよい。均一に分散されたと言う場合、スピノーダルミクロ成分はサンプル材料中に生じかつ個別の核生成部位では生じない相分離を介して形成されるので、上述のように理解することができる。
そのようなスピノーダルミクロ構造は、全ての非晶質領域、ガラス母材中の単離された結晶質沈殿物、ガラス母材中に成長する多相結晶質クラスタ、10から100nmのナノ結晶質微結晶を含む完全結晶質領域、約2種の比較的微細な、即ち15nm未満の、1nmから15nmの範囲内の全ての値および増分を含めた3相ナノスケールミクロ成分、ガラス母材中に相互に混合された結晶質相、並びにそれらの組合せを含んでいてもよい。一実施例では、得られた合金構造は、主に金属ガラスからなるものであってもよい。金属ガラスと言う場合は、一緒にランダムに充填され得る固相中で構造単位の結合を示すことができるミクロ構造と理解することができる。精密化のレベルまたは構造単位のサイズは、オングストロームスケール範囲(即ち、5Åから100Å)内であってもよい。
別の実施例では、得られた合金構造は、金属ガラスおよび結晶質相であって、そのサイズが500nm未満のものからなってもよく、そのサイズが10nmから500nmの範囲内の全ての値および増分を含んでいる。さらに、上述のように、合金は、その構造の少なくとも一部が、ガラス母材中で50nm未満の長さスケールにある1つまたは複数の結晶質相からなるものであってもよいスピノーダルミクロ成分として得られるように転移してもよい。言い換えれば、半結晶質または結晶質相の最大直線寸法は、1nmから50nmの範囲内にあってもよく、その範囲の全ての値および増分が含まれる。
合金は、様々な程度の脆性を示してよく、曲げ試験、即ちリボンを180°曲げて測定したときに、合金サンプルは、どちらの側にも曲げることができ、片側に曲げることができ、または破断せずに曲げることができない。合金構造は、0.65%超の引張り伸びを示してもよく、0.65%から7.5%の範囲内の全ての値および増分を0.01の増分で含み、例えば、1から7.06%である。さらに合金は、0.1GPa超の降伏強さを示してもよく、0.1GPaから2.2GPaの範囲内の全ての値および増分が含まれる。合金は、0.1GPaから3.5GPaの極限引張り強さを示してもよく、その範囲内の全ての値および増分が含まれ、55GPaから130GPaのヤング率を示してもよく、その範囲内の全ての値および増分が含まれる。したがって本明細書の合金は、上述の機械的性質の1つまたは複数を組み合わせて提供することが可能である。
以下の実施例は、単なる例示として示され、本出願の範囲を限定しようとするものではない。さらに、実施例は、開示された特定のポイント内の範囲を裏付けることができる。
サンプル調製
高純度元素(即ち、99%以上の純度)を使用して、目標とする合金の15g合金原料を、Table 1(表1)に示される原子比に従い計量した。次いで原材料を、アーク溶解システムの銅製の炉内に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。インゴットを数回反転させ、再溶融して確実に均質にした。次いで混合後、インゴットを、幅約12mm、長さ30mm、厚さ8mmのフィンガーの形に鋳造した。次いで得られたフィンガーを、穴の直径が約0.81mmの石英坩堝内のメルトスピニングチャンバに入れた。インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で融解し、次いで典型的には16または10.5m/秒の接線速度で移動する直径245mmの銅ホイール上に排出した。生成された、得られたリボンは、Table 2(表2)に示されるように、典型的には約1.25mmの幅と、0.04から0.08mmの厚さとを有していた。
密度
インゴット形態の合金の密度は、空気中および蒸留水中の両方で計量可能な特別に構成された天秤を使用して、Archimedes法を使用して測定した。各合金ごとに、アーク溶解した15gのインゴットの密度を、Table 3(表3)に記載し、7.73g/cmから7.85g/cmまで様々であることがわかった。実験結果は、この技法の精度が±0.01g/cmであることを明らかにした。
凝固したままの構造
熱分析を、DSC−7オプションを備えたPerkin Elmer DTA−7システムで、凝固したままのリボン構造に対して行った。示差熱分析(DTA)および示差走査熱量測定(DSC)を、10℃/分の加熱速度で行い、サンプルは、超高純度アルゴンの流動を使用することによって酸化から保護した。Table 4(表4)において、ガラスから結晶質への転移に関連したDSCデータは、16m/秒および10.5m/秒の2つの異なるホイール接線速度でメルトスパンされた合金に関して示されている。冷却速度は、高いホイール接線速度で増大することに留意されたい。図1および2では、16および10.5m/秒でメルトスパンされた各サンプルごとに、対応するDTAプロットが示されている。図示されるように、サンプルの大部分は、ガラスから結晶質への転移を示し、アズスパン(as−spun)状態ではかなりの割合の金属ガラスを含有することが実証される。PC7E4A9合金は、低いガラス形成能力を示すことがわかり、16m/秒で加工した場合はただ1つの小さなガラスピークを示し、10.5m/秒で加工した場合はガラスピークはなかった。ガラスから結晶質への転移は、約420から約480℃の温度の範囲内で、および約−3から約−127J/gの転移エンタルピーで、1段階でまたは2段階で生じる。
Table 5(表5)には、高温DTA結果が示されており、Table 1(表1)に示した合金の融解挙動を示している。Table 4(表4)にまとめた結果と、図1および2の融解ピークからわかるように、融解は1から3段階で生じ、最初の融解(即ち、固相線)は約1070℃から観察され、最終融解は最高1118℃である。
X線回折分析
アズスパンリボンを、短いセグメントに切断し、リボンの4から6個の小片をオフカットSiO単結晶(ゼロバックグラウンドホルダ)上に置いた。リボンを、その光沢面(自由面)または無光沢面(ホイール面)がホルダ上で上を向くように据えた。少量のケイ素粉末も同様にホルダ上に置き、次いでケイ素の高さがリボンの高さに一致するように押圧し、後で詳述する相分析で任意のピーク位置の誤差を一致させる。X線回折走査は、20から100°の2θで、ステップサイズ0.02°および走査速度2°/分で行った。X線管の設定は、銅標的で、40kVおよび44mAで測定した。図3、4、5、6、7、8、9、10、11、および12において、X線回折走査は、それぞれ、16m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9、16m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3、16m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9、16m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1、16m/秒でメルトスパンされたPC7E7、および10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7の、リボンの自由面(上部曲線)およびホイール面(下部曲線)の両方に関して示されている。添加されたケイ素はX線走査で大半を占める可能性があるが、ガラスおよび結晶質含量の割合と、形成された相とは、ホイール速度に応じて、またホイール面から自由面へのリボンの断面を通して変化することが明らかであり、このときいくつかのサンプル表面は100%のガラスを示し、その他のサンプルは100%の結晶化度を示す。伝導性熱伝達により、ホイール面が最も早く冷却されるが、厚さに応じて、自由面がリボンの中心よりも早く冷却でき、これはメルトスピニングが、リボンの自由表面での放射および伝導性熱伝達の両方を可能にするヘリウム分圧で行われる点に起因することに、留意されたい。このとき、相はX線回折走査で同定されていないが、初期結果は、1つまたは複数のFCC相が存在することを示しているようである。
TEM分析
透過電子顕微鏡法(TEM)用の試料を、機械的薄層化およびイオンミリングの組合せによって、メルトスパンリボンから生成した。リボンを、ファイングリットサンドペーパを使用して、その当初の厚さから約10ミクロンへと機械的に薄くし、その後、フェルトパッド上にある5ミクロンおよび0.3ミクロンのアルミナ粉末を使用して、いずれの場合も潤滑剤として水を一緒に用いて研摩した。次いで3mmのリボン切片を、レーザブレードを使用して切断し、得られた切片は、支持リングが取扱いのために構造的完全性を提供するので、2液性エポキシで銅支持リング上に取り付けた。次いで切片に、4.5kVで動作するGatan精密イオン研摩システム(PIPS)を使用して、イオンミリングを行った。入射角は、イオンミリングプロセス中、10分ごとに9度から8度まで減少させ、最終的には7度にした。得られた薄い領域は、200kVで動作するJEOL 2010 TEMを使用して、試験をした。Table 1(表1)に列挙される各合金ごとに、16m/秒および10m/秒の両方でメルトスパンされたサンプルのリボンの厚さの中心付近で、TEM顕微鏡写真を撮った。図13、14、15、16、17、18、19、20、21、および22において、TEM顕微鏡写真は、それぞれ、16m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4A9、16m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E4C3、16m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6H9、16m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E6J1、16m/秒でメルトスパンされたPC7E7、および10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7のリボンの、中心領域を示している。さらにこれらの図では、選択された領域の電子回折パターンが、記述される特定の領域の形状に対応することが示されている。TEM研究は、100%非晶質領域、ガラス母材中の単離された結晶質沈殿物、ガラス母材中に成長する多相結晶質クラスタ、10から100nmのナノ結晶質微結晶を含む完全結晶質領域、ガラス母材と相互に混合された約2種の非常に微細な(即ち、<15nm)結晶質相を有する固有の3相ナノスケールミクロ成分(事例#3も参照)という構造の多様性を示す。
機械的性質の試験
機械的性質の試験を、主に、定性的180°曲げ試験および引張り試験を主に使用することにより行った。下記のセクションは、技術的アプローチおよび測定データについて詳述する。
180度曲げ試験
リボンが完全に平らに曲がる能力は、比較的高い歪みを得ることができるが伝統的な曲げ試験では測定することのできない、特殊な状態を示す。リボンがそれ自体の周りに完全に折り曲げられる場合、このリボンは、複合的メカニックから得られるように119.8%程度に高くすることができる、比較的高い歪みを経験する。実際、歪みは、リボンの引張り側で約57%から約97%の歪みの範囲にあってもよい。180°に曲げる間(即ち、平ら)、4タイプの挙動:タイプ1の挙動−破断なしに曲げることができず、タイプ2の挙動−ホイール面を外側に向けた状態の一面で曲げることができ、タイプ3の挙動−自由面を外側に向けた状態の一面で曲げることができ、タイプ4の挙動−両面で曲げることができるという挙動が観察された。Table 6(表6)では、特定の挙動タイプを含む180°曲げ結果の概要が、16および10.5m/秒の両方で処理された研究済みの合金に関して示されている。図23には、4種の異なるタイプの曲げ挙動の実施例を示す、180°曲げた後の様々なリボンサンプルの光学写真が示されている。
引張り試験の結果
金属リボンの機械的性質を、ミクロスケール引張り試験を使用して、室温で得た。試験は、MTEST Windows(登録商標)ソフトウェアプログラムによりモニタされ制御される、Fullam製の商用引張りステージで実施した。変形は、把持システムを通したステッピングモータにより適用し、一方、負荷は、1つの把持顎の端部に接続されたロードセルにより測定した。変位は、ゲージ長の変化を測定するために2つの把持顎に取着された、線形可変差動変圧器(LVDT)を使用して得られた。
試験前に、リボンの厚さおよび幅を、ゲージ長の異なる部位で少なくとも3回にわたり慎重に測定した。次いで平均値を、ゲージの厚さおよび幅として記録し、後続の応力および歪みの計算用の入力パラメータとして使用した。引張り試験の初期ゲージ長は、2つの把持顎の正面間のリボンスパンを正確に測定することにより、リボンを固定した後に決定された正確な値を用いて約2.50mmに設定した。全ての試験は、約0.001秒−1の歪み速度で、変位制御下で行った。
Table 7(表7)には、全伸び、降伏強さ、極限引張り強さ、ヤング率、弾性率、および靭性係数を含む引張り試験結果の概要が、16および10.5m/秒の両方でメルトスパンされたときのTable 1(表1)の各合金ごとに示されている。メルトスピニングプロセスから生じる偶発的なマクロ欠陥によって、性質の低下した局所領域がもたらされる可能性があるので、全く異なる各サンプルについて3重に測定したことに留意されたい。Table 7(表7)に示される結果は、機械コンプライアンス用に調節されていない。
Table 7(表7)に示される引張り測定値の場合、データは、機械コンプライアンス係数および長方形断面からの断面積の偏差に合わせて調節するよう訂正することができる。最も正確な引張り結果を表す訂正データを、Table 8(表8)に示す。わかるように、引張り強さの値は比較的高く、0.36から2.77GPaまで変化し、一方、全伸び値も、短い長さスケールのミクロ構造で非常に有意であり、0.65から4.61%まで変化する。
提案されたメカニズム
測定された高い伸び、およびメルトスパン合金で観察された4つの全く異なるタイプの曲げ挙動を含む、本発明の結果を認めるために、ミクロ構造形成のための下記のメカニズムが開発された。これらのモデルは、結果を調整するために開発され、しかし、いかなる方法によっても、潜在的により複雑な相互作用の特定の詳細の特徴を限定すると解釈されないことに留意されたい。さらに、ミクロ構造形成のメカニズムおよび特定の構造的特徴は、ニッケル、コバルト、マグネシウム、チタン、モリブデン、希土類などの種々の卑金属で作製された広く様々な金属ガラスの化学的性質に関連する可能性がある。
凝固中に核生成が完全に回避される場合、金属ガラス構造を形成することができる。室温での金属ガラス構造は、脆性破壊をもたらす剪断バンディングと呼ばれる局在化不均質メカニズムによる引張り応力の適用によって、変形することが知られている。本発明の研究は、高い伸びおよび高い曲げ歪みが、かなりの測定可能な量の金属ガラスが存在する特定のサンプルでのみ生じることを示している。しかし、金属ガラスのみの存在は、予想もされずまた高い伸びの源であるとも考えられていない。本発明の結果に基づけば、凝固中の結晶質相の形成は、2つの全く異なるモード、ガラス失透およびスピノーダル分解で生じる可能性があると考えられる。ガラス失透は、高い核生成頻度、限定された成長時間、およびナノスケール層の実現をもたらす過冷却融解物の高い駆動力から得られた核生成および成長を通して生じると理解することができる。特定の冷却速度に応じて、失透転移は、完全に(例えば、図14参照)または単離された沈殿物を通して部分的に(例えば、図18参照)または共役(coupled)共析成長モードを通して(例えば、図16参照)生じる可能性がある。
研究された合金の場合、ミクロ成分帯(例えば、図21A参照)、部分分解(例えば、図22C参照)、および完全分解(例えば、図22A参照)を含む、様々な形のスピノーダル分解の実施例が示されることが考えられる。図22Aに示されるミクロ構造の別の近接写真が、図24に示されている。非晶質母材における結晶質相の均一で周期的な分布であることに留意されたい。
Table 6(表6)では、研究された合金に関し、前述のように180°曲げ試験が訂正されており、4つの異なるタイプの挙動:タイプ1の挙動:どちらの方向にも平らに曲げることができず、タイプ2の挙動:ホイール面を外側に向けた状態の一方向で平らに曲げることができ、タイプ3の挙動:自由面を外側に向けた状態に一方向で平らに曲げることができ、タイプ4の挙動:両方の方向で平らに曲げることができることが明らかにされた。曲げ応答は、ほとんどの場合メルトスピニングプロセスから生じるマクロ欠陥に起因する可能性のある隔離スポットを除き、リボンの全長に沿って一般に生じるので、曲げ挙動は、かなり広い曲げ領域にわたってかつリボンの長さに沿って材料応答を示す。180°に曲げている間、リボンの外側は緊張状態で配置されるが、リボンの内側は圧縮状態で配置されることに留意されたい。金属ガラスおよびその他の脆性構造は、圧縮状態で十分に機能できるが、剪断帯(即ち、in situ引張り変形)および亀裂が伝搬する可能性のある緊張状態では、金属ガラスは脆い状態で破壊する可能性がある。したがって、異なる曲げ結果は、リボンの自由、中心、およびホイール面間の構造の相違を示すと考えられる。図3から12までに示されるX線結果は、自由およびホイール面の構造の相違を明らかに示している。化学的性質の関数として、図13から22までに示される中心領域のTEM結果は、ガラス失透または競合スピノーダル分解を通した完全非晶質から完全または部分転移に至る構造の相違を示す。ゲージ長全体にわたる全体積を平均する引張り試験は、材料応答の相違も示す。したがって、写真は、既存のSEM、TEM、X線、曲げ試験、および引張り試験に基づく構造の影響および機械的応答を示している。同一サンプルの図21および22でのTEM研究は(即ち、16または10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7)、局在化冷却状態に応じて構造形成内に局在化した相違および感受性を示すことに留意されたい。したがって、TEM結果の解釈は、そのような小さな局在化領域が撮像されるので、難しくなる可能性がある。
>0.65%の伸びは、ガラス母材中に形成された剪断帯と、様々な結晶質フィーチャとの相互作用を通して、実現されると予測される。全ての結晶質フィーチャは、結果の全体を基に、ドメイン壁とのいくらかのピンニングまたは相互作用をもたらすと予測できるが、最も有効なピンニング/鈍化、および剪断は、スピノーダルミクロ成分領域から生じると考えられる。したがって下記のモデルは、観察された挙動の説明を提案する。ホイール表面での冷却速度は、銅ホイールへの伝導性熱伝達により最も速く、次に、ヘリウムガスへの伝導性/放射熱伝達による、自由表面が続き、次いで、外面への熱伝導性により限定されるリボンの中心が続くことに留意されたい。
タイプ1の挙動モデル
図25には、タイプ1の挙動での材料応答を示す、モデル連続冷却転移(CCT)ダイアグラムが示されている。図示されるように、ホイール面、自由面、および中心領域は、ガラス失透曲線の鼻端(nose)が消え得るように、十分ゆっくりと冷却される。したがって、結晶質相は、従来の核生成および成長を通して形成される。核生成が開始される前に高い過冷却が実現される場合、ナノ結晶質粒度が実現され得ることに留意されたい。結晶化が完了すると、出発時の化学的性質の過飽和はなくなり、したがってスピノーダル分解相を形成することはできない。したがって、材料応答は、脆性であり180°試験で曲げることはできないと予測することができる。
タイプ2の挙動モデル
図26には、タイプ2の挙動での材料応答を示す、モデル連続冷却転移(CCT)ダイアグラムが示されている。図示されるように、ホイール面は、ガラス失透転移を失っているが、スピノーダル転移を通して冷却される。したがってミクロ構造は、非晶質母材中に結晶質相の均一で比較的微細な(即ち、<15μm)分布を有するスピノーダル分解ミクロ成分を形成する。ホイール面での材料応答は、ホイール面が外側に向いたときに(即ち、緊張状態)、高い塑性および完全に平らに曲がる能力を示すと予測することができる。リボンの自由面および中心は、ガラス形成領域を冷却し失い、核生成前に実現された全体の過冷却に応じてナノスケールであってもよい完全結晶質構造を形成することがわかる。過飽和は結晶化後になくなる可能性があるので、スピノーダル分解反応は生じず、予測される材料応答は脆性である。したがって、リボンが、自由面が外側に向いた状態で曲げられると(即ち、緊張状態)、材料は、破壊して脆性応答を示すと予測される。
タイプ3の挙動モデル
図27には、タイプ3の挙動での材料応答を示す、モデル連続冷却転移(CCT)ダイアグラムが示されている。図示されるように、ホイール面は冷却され、ガラス失透およびスピノーダル分解曲線の両方の開始点(即ち、鼻端)の両方を失っていることがわかる。この構造は、金属ガラスのみであることがわかる。ホイール面が外側に向けられた状態(即ち、緊張状態)で予測される材料応答は、脆性であり、平らに曲がる能力がない。後続のアニーリングによって、図に示されるように初期ガラス核生成と同様により低い温度でスピノーダル分解が生じる場合には、スピノーダル分解を引き起こすことが可能になり、アニーリングを通した延性および曲げ性を大幅に改善する可能性があることに留意されたい。自由面に関しては、図示されるように、冷却され、かつガラス失透曲線の鼻端が失われ、過飽和状態が保持される。次いでスピノーダル分解反応を通して冷却され、ガラス母材中に多数のナノスケール相を有するスピノーダル分解ミクロ成分を形成する。予測される材料応答は、高い塑性であり、自由面を外側に向けた状態(即ち、緊張状態)では180°曲がる能力(即ち、平ら)を有する。図に示されるような中心領域に関しては、冷却され、かつガラス形成領域が失われ、完全失透転移に移行する。過飽和が失われるので、スピノーダル反応は生じず、予測される応答は脆性である。中心領域で実現される冷却速度は、実際に、有意な幅を示す勾配であり、したがって、完全失透、部分スピノーダル分解、または完全スピノーダル分解からのリボンの中心で、構造の多様性が実現される可能性があることに留意されたい。また、この内容は、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7Eサンプルの中心領域で観察される構造のばらつきを説明することにも留意されたい(図22参照)。
タイプ4の挙動モデル
図28には、タイプ4の挙動での材料応答を示す、モデル連続冷却転移(CCT)ダイアグラムが示されている。図示されるように、ホイール面、自由面、および中心領域は冷却され、ガラス失透転移の鼻端を失っている。次いでホイール面、自由面、および中心領域は、スピノーダル分解曲線を通して冷却され、ガラス母材中に相互分散されたナノスケールの多数の結晶質相からなる好ましいスピノーダルミクロ成分が形成される。あるいは、最もゆっくり冷却される中心領域は、部分的に失透し、混合構造を形成することに留意されたい。得られたリボンが、自由面を外側にした状態(即ち、緊張状態)またはホイール面を外側にした状態(即ち、緊張状態)で180°曲げられた場合、予測される材料応答は、高い塑性であり、破断することなく平らに折り曲げられる能力である。
(事例)
(事例1)
高純度元素を使用して、PC7E4C3の化学的性質を有する15gの負荷量を、Table 1(表1)の原子比に従い計量した。元素の混合物を、銅製の炉内に入れ、カバーガスとして超高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。混合後、得られたインゴットを、メルトスピニングに適したフィンガー形状に鋳造した。次いでPC7E4C3の鋳造フィンガーを、穴の直径が名目上0.81mmである石英坩堝内に入れた。インゴットを、RF誘導により加熱し、次いで16および10.5m/秒のホイール接線速度で移動する、高速移動の245mm銅ホイール上に排出した。リボン構造についてさらに試験をするために、走査電子顕微鏡法(SEM)を、選択されたPC7E4C3リボンサンプルに関して行った。メルトスパンリボンを、金属組織学的バインダクリップを使用して保持されるいくつかのリボンを有する標準の金属組織マウントに取り付けた。リボンを含有するバインダクリップを型の中に設置し、エポキシを注ぎ、硬化させた。得られた金属組織マウントを、標準の金属組織学的手法に従い、適切な媒体を使用して研削および研摩した。サンプルの構造を、17.5kVの電子ビームエネルギー、2.4Aのフィラメント電流、800のスポットサイズ設定を有するZeiss EVO−60走査電子顕微鏡を使用して観察した。図29に示されるように、隔離された多孔質点以外、ミクロ構造フィーチャは見出されなかった。これは明らかに、後方散乱電子検出に固有の解像限界によって分解できない、極めて微細なスケールのミクロ構造を示している。次いでリボンのサンプルを、1000℃で1時間アニールして、分解されていない構造を粗くする試みをした。図30に示されるように、ミクロ構造は分解できないままであり、比較的高度なミクロ構造安定性を示すと考えられる。
(事例2)
高純度元素を使用して、PC7E7合金の15gの負荷量を、Table 1(表1)の原子比に従い計量した。元素の混合物を、銅製の炉内に入れ、カバーガスとして超高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。混合後、得られたインゴットを、メルトスピニングに適したフィンガー形状に鋳造した。次いでPC7E7の鋳造フィンガーを、穴の直径が名目上0.81mmである石英坩堝内に入れた。インゴットを、RF誘導により加熱し、次いで16m/秒のホイール接線速度で移動する、高速移動の245mm銅ホイール上に排出した。リボンを小片に切断し、次いで緊張状態で試験をし、1つの試験から得られた引張り試験の応力/歪みデータを図31に示す。測定した引張り強さは、全伸びが9.71%のときに2.57GPaであることがわかった。図32には、23mmという大きなゲージ長を使用して引張り試験がなされた、PC7E7リボンの別の小片の、SEM後方散乱電子顕微鏡写真が示されている。図には、写真の右手側に亀裂が存在し(黒色)、亀裂先端の前に大きな塑性ゾーンを示す多数の剪断帯が存在することに留意されたい。緊張状態にある亀裂先端を鈍化する能力は、主に金属ガラスであるサンプルの新しい特徴と考えられる。亀裂先端の前の領域にあるそれらの間の剪断帯は、方向を変化させており、場合によっては分裂しており、特定の結晶質ミクロ構造フィーチャと移動剪断帯との間に特定の動的相互作用を示すことに留意されたい。これら特定の相互作用点は、TEM研究により合金中に形成されることが示される、特定のスピノーダルミクロ成分から生じ得ると考えられる。
(事例3)
高純度元素を使用して、PC7E7合金の15gの負荷量を、Table 1(表1)の原子比に従い計量した。元素の混合物を、銅製の炉内に入れ、カバーガスとして超高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。混合後、得られたインゴットを、メルトスピニングに適したフィンガー形状に鋳造した。次いでPC7E7の鋳造フィンガーを、穴の直径が名目上0.81mmである石英坩堝内に入れた。インゴットを、RF誘導により加熱し、次いで10.5m/秒のホイール接線速度で移動する、高速移動の245mm銅ホイール上に排出した。次いで典型的なリボンの小片をTEMに合わせて選択し、3つの連続した短いセグメントに切断した。各セグメントごとに、リボンを、ファイングリットサンドペーパを使用してその当初の厚さから約10ミクロンへと機械的に薄くし、その後、潤滑剤として水を用いることにより、フェルトパッド上にある5ミクロンおよび0.3ミクロンのアルミナ粉末を使用して研摩した。3つのサンプルの薄層化は、図33に示されており、ホイール表面(即ち、縁部から5μm)、リボンの中心領域、および自由表面(即ち、縁部から5μm)が露出するように行われた。次いで3mmのリボン切片を、レーザブレードを使用して切断し、2液性エポキシで銅支持リング上に取り付けたが、これは支持リングが取扱いのために構造的完全性を提供するからである。次いで切片に、4.5kVで動作するGatan精密イオン研摩システム(PIPS)を使用してイオンミリングを行った。入射角は、10分ごとに9度から8度まで減少させ、最終的には7度にした。得られた薄い領域は、200kVで動作するJEOL 2010 TEMを使用して、試験をした。図34には、ホイール面、自由面、およびリボンの中心の、10.5m/秒でメルトスパンされたPC7E7のTEM顕微鏡写真が示されている。図示されるように、最も速く冷却されるホイール面は、完全に結晶質ではなく半結晶質の性質を有するように見える、少量の非常に微細なクラスタを有するほぼ完全なガラスである。即ち、クラスタの存在が顕微鏡写真に見られる可能性がありかつそれらは異なる化学的性質を有するが、明確なブラッグ回折点は、選択された領域の回折パターンに見られず、初期クラスタが完全に結晶質ではなく部分的にしか結晶質ではないことを示している。これは、スピノーダル分解の初期段階で予測され、今後の化学的性質のさらなる乱れが、結晶質クラスタおよび全く異なる結晶質相をもたらすことに留意されたい。リボンの自由面は、全体が、スピノーダル分解生成物(即ち、スピノーダルミクロ成分)に一致した、非晶質母材中に周期的に配列されたナノスケール(<10nm)結晶質相からなる。リボンの中心は、主に、スピノーダルミクロ成分の特定領域を有する非晶質領域からなることがわかっており、この領域ではスピノーダル分解転移が不完全であることを示す可能性がある。
(事例4)
高純度元素を使用して、PC7E7合金の15gの負荷量を、Table 1(表1)の原子比に従い計量した。元素の混合物を、銅製の炉内に入れ、カバーガスとして超高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。混合後、得られたインゴットを、メルトスピニングに適したフィンガー形状に鋳造した。次いでPC7E7の鋳造フィンガーを、穴の直径が名目上0.81mmである石英坩堝内に入れた。インゴットを、RF誘導により加熱し、次いで10.5m/秒のホイール接線速度で移動する、高速移動の245mm銅ホイール上に排出した。次いでリボンのサンプルを、2%臭素水溶液でエッチングした。エッチングしたサンプルの構造を、Carl Zeiss SMT Inc.製のEVO−60走査電子顕微鏡を使用して観察した。典型的な動作条件は、電子ビームエネルギー17.5kV、フィラメント電流2.4A、およびスポットサイズ設定800であった。図35には、10.5m/秒でのエッチング済みPC7E7サンプルに関する、SEM後方散乱電子顕微鏡写真が示されている。得られた構造との、得られたエッチング相互作用の正確な性質は、わかっていない。おそらく、侵襲性エッチング液は、主に、結晶質領域またはスピノーダルミクロ成分を含有する結晶質領域(即ち、ガラス母材中のスピノーダル形成結晶質相)と反応した。したがって、エッチングされた構造は、引張り試験で動的剪断帯と相互に作用し得る結晶質領域/ミクロ成分の分布を明らかにすることができる。
(事例5)
高純度元素を使用して、標的合金の15gの合金原料を、Table 9(表9)に示される原子比に従い計量した。原料となる材料を、アーク溶解システムの銅製の炉内に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。インゴットを数回反転させ、均質性が確実になるように再溶融した。次いで混合後、インゴットを、幅約12mm、長さ30mm、および厚さ8mmのフィンガーの形に鋳造した。次いで得られたフィンガーを、穴の直径が約0.81mmの石英坩堝内のメルトスピニングチャンバに入れた。インゴットを、RF誘導を使用して1/3atmのヘリウム雰囲気中で融解し、次いで10.5m/秒の接線速度で移動する直径245mmの銅ホイール上に排出した。アズスパンリボンサンプルの曲げ試験(180°)を、各サンプルに関して行い、その結果を表10(表10)で相関させた。示されるように、列挙された特定条件で加工されたときの合金に応じて、曲げ応答は変化することが見出され、下記の4タイプの挙動:タイプ1の挙動−破断なしに曲げることができず、タイプ2の挙動−ホイール面を外側に向けた状態の一面で曲げることができ、タイプ3の挙動−自由面を外側に向けた状態の一面で曲げることができ、タイプ4の挙動−両面で曲げることができるという挙動が観察された。Table 11(表11)には、全伸び、降伏強さ、極限引張り強さ、ヤング率、弾性率、および靭性係数を含む引張り試験結果の概要が、10.5m/秒でメルトスパンされたときのTable 8(表8)の各合金ごとに示されている。メルトスピニングプロセスから生じる偶発的なマクロ欠陥によって、性質を低下させる局在化応力がもたらされる可能性があるので、全く異なる各サンプルについて3重に測定したことに留意されたい。Table 11(表11)に示される結果は、機械コンプライアンス用に調節されていない。
Table 11(表11)に示される引張り測定値の場合、データは、機械コンプライアンス係数および長方形断面からの断面積の偏差に合わせて調節するよう訂正することができる。最も正確な引張り結果を表す訂正データを、Table 12(表12)に示す。わかるように、引張り強さの値は高く、0.40から3.47GPaまで変化し、一方、全伸び値は、短い長さスケールのミクロ構造で非常に有意であり、0.65から7.06%まで変化する。
(事例6)
鉄含有添加剤(ferroadditives)を含む商用純度原料を使用して、標的合金の15gの合金原料を、Table 13(表13)に示される原子比に従い計量した。原料となる材料を、アーク溶解システムの銅製の炉内に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。インゴットを数回反転させ、均質性が確実になるように再溶融した。次いで混合後、インゴットを、幅約12mm、長さ30mm、および厚さ8mmのフィンガーの形に鋳造した。各インゴットごとに、アルキメデスの原理を使用して密度を測定し、その結果をTable 14(表14)に示す。示されるように、密度は、7.28から7.81g/cmまで変化することがわかった。次いで得られたアーク溶解インゴットを、穴の直径が約0.81mmの石英坩堝内のメルトスピニングチャンバ内に入れた。インゴットを、RF誘導を使用して空気中で融解し、次いで、融解物過熱150℃およびチャンバ圧力280mbarで、25m/秒の接線速度で移動する直径245mmの銅ホイール上に排出した。典型的には0.7から1.5mmの幅の長いリボン長が得られた。次いで生成されたリボンの厚さをマイクロメータで測定し、その結果をTable 14(表14)に記載した。示されるように、厚さは合金の化学的性質に左右され、37から55μmまで変化することがわかった。アズスパンリボンサンプルの曲げ試験(180°)を、各サンプルに関して行い、その結果をTable 9(表9)で相関させた。示されるように、列挙された特定条件で加工されたときの合金に応じて、曲げ応答は変化することがわかったが、主な応答は、タイプ4の挙動であった(即ち、両面で曲げることができる。)。
熱分析を、DSC−7オプションを備えたPerkin Elmer DTA−7システムを使用して、Table 13(表13)の凝固したままのリボン構造に対して行った。示差熱分析(DTA)および示差走査熱量測定(DSC)を、10℃/分の加熱速度で行い、サンプルは、超高純度アルゴンの流動を使用することによって酸化から保護した。Table 15(表15)において、ガラスから結晶質への転移に関連したDSCデータは、25m/秒で空気中でメルトスパンされた合金に関して示されている。サンプルの全ては、かなりの割合のガラスを含有することがわかった。ガラスから結晶質への転移は、452から595℃の温度の範囲内で、および−22.8から−115.8J/gの転移エンタルピーで、1段階でまたは2段階で生じる。
Table 16(表16)には、ゲージ寸法、伸び、降伏破断負荷、強度、およびヤング率を含む引張り試験結果の概要が、Table 13(表13)の各合金ごとに示されている。メルトスピニングプロセスから生じる偶発的なマクロ欠陥によって、性質を低下させる局在化応力がもたらされる可能性があるので、全く異なる各サンプルについて3重に測定したことに留意されたい。わかるように、全伸び値は有意であり、 から GPaまでの高引張り強さの場合に1.97から4.78%まで変化する。ヤング率は、1.12から2.92GPaまで変化することがわかった。Table 16(表16)に示される結果は、機械コンプライアンスおよび幾何学的断面積に合わせて調節されていることに留意されたい。
(事例7)
鉄含有添加剤を含む商用純度原料を使用して、C01F03およびC01B03合金の15gの合金原料を、Table 13(表13)に示される原子比に従い計量した。次いで原料となる材料を、アーク溶解システムの銅製の炉内に入れた。原料を、遮蔽ガスとして高純度アルゴンを使用して、インゴットへとアーク溶解した。インゴットを数回反転させ、均質性が確実になるように再溶融した。次いで混合後、インゴットを、幅約12mm、長さ30mm、および厚さ8mmのフィンガーの形に鋳造した。性質の可変性を示すため、合金を、Table 17(表17)に示される種々のパラメータを使用してリボンに加工した。C01F03合金は、MS45およびMS58パラメータを使用して加工し、一方、C01B03合金は、MS45、MS50、およびMS55パラメータを使用して加工したことに留意されたい。熱分析を、DSC−7オプションを備えたPerkin Elmer DTA−7システムを使用して、10℃/分の加熱速度でTable 13(表13)の凝固したままのリボンに対して行い、サンプルは、超高純度アルゴンの流動を使用することによって酸化から保護した。Table 19(表19)には、DSC分析の結果が示されている。示されるように、開始温度、ピーク温度、およびエンタルピーは、プロセスパラメータに応じて変えることができる。
Table 20(表20)には、ゲージ寸法、伸び、降伏破断負荷、強度、およびヤング率を含む引張り試験結果の概要が、Table 13(表13)の各合金ごとに示されている。メルトスピニングプロセスから生じる偶発的なマクロ欠陥によって、性質を低下させる局在化応力がもたらされる可能性があるので、全く異なる各サンプルについて3重に測定したことに留意されたい。わかるように、引張り特性は、加工パラメータの関数として劇的に変化する可能性がある。Table 16(表16)に示される結果は、機械コンプライアンスおよび幾何学的断面積に合わせて調節されていることに留意されたい。
この事例の結果は、明らかに、プロセスパラメータに関して、合金の物理的性質の変化に関するある種の可変性を示している。例えば例示されるケースでは、C01B03合金が、MS50パラメータで加工されたときの延性サンプルから、MS55パラメータを使用して加工されたときの脆性サンプルへと移行した。この変化は、特定の構造でのみ延性サンプルが得られることを示す、提示されたメカニズムと矛盾していない。非常に広い範囲の性質が、プロセスパラメータをさらに最適化することによって、特定された合金で得ることができると考えられる。さらに、この結果は、さらなる化学的性質のばらつきが、プロセスパラメータを相応に変化させることによって可能であることを示す。加工の変化による構造および性質のこの変化は、現代冶金学において十分確立された基礎であることに留意されたい。
いくつかの方法および実施形態に関する上記説明は、例示を目的として示してきた。この説明は、余すところのないものではなく、または特許請求の範囲を開示される正確なステップおよび/または形態に限定するものでもなく、明らかに多くの修正例および変形例が、上記教示に照らして可能である。本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義されるものとする。

Claims (4)

  1. 鉄を53.6原子%から60.9原子%;
    ニッケルを13.6から15.5原子%;
    コバルトを2.4から2.9原子%;
    ホウ素を12から14.1原子%;
    炭素を1から4原子%;
    ケイ素を3.9から15.4原子%;および
    クロムを1.6から2.9原子%、および
    不可避的不純物
    からなる合金成分を融解するステップと、
    メルトスピニング、ジェットキャスティング、Taylor−Ulitovsky、メルトオーバーフロー、プラナーフローキャスティング、またはツインロールキャスティングによって、前記合金を形成し、臨界冷却速度以上の速度で前記合金を冷却する段階と、を含み、
    前記合金がスピノーダル分解を受け、ガラス母材中に1種または複数のスピノーダルミクロ成分を形成し、
    前記合金が異なる化学組成および物理的性質を有する異なる相に分離され、前記スピノーダルミクロ成分が、ガラス母材中に50nm未満の長さスケールを示す、
    合金中にスピノーダルミクロ成分を形成する方法。
  2. 前記合金が、メルトスピニングによって冷却される、請求項に記載の方法。
  3. 前記合金がリボンに形成される、請求項またはに記載の方法。
  4. 前記合金が、1μmから2000μmの厚さを有する製品に形成される、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
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