JP6172731B2 - コンデンサ製造装置及び積層コンデンサ製造方法 - Google Patents

コンデンサ製造装置及び積層コンデンサ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンデンサを製造する技術に関する。
AD(エアロゾルデポジション)法を用いて電極層及び誘電体層が形成されることにより、コンデンサを製造する技術が提案されている(特許文献1参照)。具体的には、Au,Pd,Pt,Cu及びNi等の金属微粒子をArガスとエアゾール化した状態でノズルから噴射して、基板上に堆積させることにより電極層が形成される。また、BaTiO3等のセラミックス系誘電体微粒子を別のノズルから同様に噴射して電極層の上に堆積させ、これと同時にレーザービームを照射して加熱することによりセラミックスを焼結させて誘電体層が形成される。
特許第3084286号公報
本発明は、電極材料の選択肢の幅の拡張を図りながらコンデンサを製造する装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明のコンデンサ製造装置は、レーザービームを発生するように構成されている照射装置と、第1ノズルから黒鉛粒子と金属粒子との混合粒子である第1粒子を噴射するように構成されている第1粒子噴射装置と、第2ノズルからセラミックス系誘電体粒子である第2粒子を噴射するように構成されている第2粒子噴射装置と、樹脂製の基板において前記照射装置により発生されたレーザービームが照射される箇所と、前記第1粒子噴射装置により噴射された前記第1粒子の衝突箇所と、前記第2粒子噴射装置により噴射された前記第2粒子の衝突箇所とのそれぞれを変位させるように構成されている駆動装置と、前記基板における前記レーザービームの照射箇所と、前記第1粒子及び前記第2粒子のそれぞれの衝突箇所とが一致するように前記駆動装置の動作を制御するように構成されている制御装置とを備え、前記基板において、前記基板の表面の垂線方向について部分的に重なり合う左範囲及び右範囲と、前記左範囲及び前記右範囲の重なり部分及び当該重なり部分の左右それぞれに連続する部分において前記左範囲及び前記右範囲のそれぞれに対して部分的に重なり合う中間範囲とが定義されている状態で、前記制御装置は、前記基板の前記左範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第1粒子を衝突させることにより当該衝突箇所に第1導電体層を形成する第1導電体層形成処理と、前記基板の前記右範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第1粒子を衝突させることにより第2導電体層を形成する第2導電体層形成処理とを、前記基板の前記中間範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第2粒子を衝突させることにより当該衝突箇所に誘電体層を形成する誘電体層形成処理を間に挟みながら交互に実行するように前記駆動装置の動作を制御することを特徴とする。
本発明のコンデンサ製造方法は、樹脂製の基板において、前記基板の表面の垂線方向について部分的に重なり合う左範囲及び右範囲と、前記左範囲及び前記右範囲の重なり部分及び当該重なり部分の左右それぞれに連続する部分において前記左範囲及び前記右範囲のそれぞれに対して部分的に重なり合う中間範囲とを定義し、前記基板の前記左範囲に対してレーザービームを照射させるとともに、黒鉛粒子と金属粒子との混合粒子である第1粒子を第1粒子噴射装置の第1ノズルから噴射させて衝突させることにより当該衝突箇所に第1導電体層を形成する第1導電体層形成処理と、前記基板の前記右範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第1粒子を前記第1粒子噴射装置の前記第1ノズルから噴射させて衝突させることにより第2導電体層を形成する第2導電体層形成処理とを、前記基板の前記中間範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともにセラミックス系誘電体粒子である第2粒子を第2粒子噴射装置の第2ノズルから噴射させて衝突させることにより当該衝突箇所に誘電体層を形成する誘電体層形成処理を間に挟みながら交互に実行することを特徴とする。
本発明のコンデンサ製造装置の構成説明図。 本発明のコンデンサ製造方法の手順に関する説明図。 ビーム照射箇所及び粒子衝突箇所に関する説明図。 積層コンデンサの形成に関する説明図。 積層コンデンサの構成に関する説明図。 コンデンサ形成用の基板における溝形状に関する説明図。 積層コンデンサの特性に関する説明図。 照射装置の変形例に関する説明図。
(本発明の一実施形態としてのコンデンサ製造装置の構成)
本発明の一実施形態としての図1に示されているコンデンサ製造装置は、照射装置1と、第1粒子噴射装置21と、第2粒子噴射装置22と、駆動装置3と、制御装置4とを備えている。
照射装置1は、レーザービームを発生するレーザー装置11と、レーザー装置11により発生されたレーザービームを基板に対して照射するための光ファイバー及び集光レンズ等により構成されている光学系12とを備えている。
第1粒子噴射装置21は、その第1ノズルから炭素系導電体粒子である第1粒子を噴射するように構成されている。炭素系導電体粒子の例としては、黒鉛粒子(カーボンナノチューブ又はカーボンナノシートなどの構造体も含む。)又は黒鉛粒子とPt,Au,Ag,Cu等の金属粒子との混合粒子などが挙げられる。後述する第1導電体層及び第2導電体層のそれぞれを形成するため、一対の第1粒子噴射装置21が1つの第2粒子噴射装置22に対して設けられていてもよい。
第2粒子噴射装置22は、第2ノズルからセラミックス系誘電体粒子である第2粒子を噴射するように構成されている。セラミックス系誘電体粒子の例としては、BaTiO3、SrTiO3、PbTiO3又はAl23などが挙げられる。
駆動装置3は、基板が載置される、好ましくは固定される基台30を駆動させることにより、基板において照射装置1により発生されたレーザービームが照射される箇所と、第1粒子噴射装置21により噴射された第1粒子の衝突箇所と、第2粒子噴射装置22により噴射された第2粒子の衝突箇所とのそれぞれを変位させるように構成されている。基台30は、水平方向の直交する2軸方向(X方向及びY方向)又はこれに鉛直方向(Z方向)が加わった3軸方向のそれぞれに対して駆動されうる。基台30がピッチ軸(Y軸)、ロール軸(X軸)及びヨー軸(Z軸)のいずれかの軸回りに回動されることにより、世界座標系における基板の姿勢が調節されてもよい。
なお、光学系12を駆動するための駆動装置が設けられ、光学系12の基台30に対する位置及び姿勢が変更されることにより、レーザービームの基板に対する照射位置及び方向が制御されてもよい。第1粒子噴射装置21及び第2粒子噴射装置22のそれぞれを駆動するための駆動装置が設けられ、第1粒子噴射装置21及び第2粒子噴射装置22の基台30に対する位置及び姿勢が変更されることにより、第1粒子噴流及び第2粒子噴流のそれぞれの基板に対する衝突箇所及び方向が制御されてもよい。
制御装置4は、コンピュータにより構成され、基板におけるレーザービームの照射箇所と、第1粒子及び第2粒子のそれぞれの衝突箇所とが一致するように駆動装置3の動作を制御するように構成されている又はプログラムされている。
第1粒子噴射装置21及び第2粒子噴射装置22のそれぞれに対して物質を供給するための複数の供給ラインが設けられ、当該複数の供給ラインのそれぞれに流量調節弁などの供給量調節機構が設けられ、制御装置4により当該供給量調節機構の動作が制御されてもよい。
基板に対して照射されるレーザービームのビーム径、照射強度及び照射箇所の変位速度、第1粒子噴射装置21により噴射される第1粒子の流量、流速及び圧力、並びに第2粒子噴射装置22により噴射される第2粒子の流量、流速及び圧力のうち少なくとも1つが予め調節されている。なお、制御装置4が、当該因子を調節するように構成されていてもよい。
(本発明の一実施形態としてのコンデンサの製造方法)
まず、基板において左範囲、右範囲及び中間範囲が例えば、基板座標系(x,y)における各範囲の輪郭線を表わす座標値群によって定義される。例えば図3(a)において一点鎖線で囲まれている矩形状の左範囲S1、二点鎖線で囲まれている矩形状の右範囲S2及び実線で囲まれている矩形状の中間範囲S0が定義される。なお、左範囲、右範囲及び中間範囲の形状、サイズ、相対位置及び相対姿勢は任意に変更されてもよい。
左範囲S1及び右範囲S2は、基板の表面の垂線方向(紙面に垂直な方向)について部分的に重なり合っている。中間範囲S0は、左範囲S1及び右範囲S2の重なり部分と、当該重なり部分の左側に連続する部分において左範囲S1に対して部分的に重なり合っている。中間範囲S0は、左範囲S1及び右範囲S2の重なり部分と、当該重なり部分の右側に連続する部分において右範囲S2に対して部分的に重なり合っている。
左範囲、右範囲及び中間範囲を定義する前記座標値群は、制御装置4を構成する記憶装置に格納される。なお、製造対象となるコンデンサを識別するための識別子と、当該各範囲を定義する座標値群とが関連付けられて記憶装置に保存され、マウスポインティング装置、タッチパネル式スイッチ又はキーボードなどの入力装置(図示略)を通じてユーザにより入力された識別子に基づき、対応する座標値群が記憶装置から読み出されてもよい。
以下、制御装置4により実行される演算処理の内容について説明する。なお、第1導電体層、第2導電体層及び誘電体層のうち、基板に対して固定された状態で形成済みのものは、基板の一部として取り扱われる。
まず、形成済みの誘電体層の数を示す指数iが「0」にリセットされる(図2/STEP02)。また、基板において第1範囲S1及び第2範囲S2に該当する箇所にレーザービームの照射又は機械加工により溝が予め形成される。
続いて「第1導電体層形成処理」が実行される(図2/STEP04)。具体的には、制御装置4を構成するCPUにより左範囲S1を定義する座標値群が記憶装置から読み出され、図3(b)において斜線が付されている基板における左範囲S1の位置、形状及びサイズが認識される。その上で、左範囲S1に対してレーザービームを照射させるとともに第1粒子を衝突させるように、制御装置4により、照射装置1、第1粒子噴射装置21及び駆動装置3のそれぞれの動作が制御される。この際、第2粒子噴射装置22の動作は停止されている。
これにより、例えば図4(a)に示されているように当該衝突箇所に第1導電体層L11が形成される。基板又は先着の第1粒子に対する第1粒子の衝突エネルギーにより、第1粒子群が硬く締まり、全体として導電体層を形成する。レーザービームの照射により、第1粒子にCu粒子等の金属粒子が含まれている場合、同じく第1粒子に含まれている炭素粒子又は基板を構成する樹脂から切り離された炭素が還元剤となり、当該金属粒子の表面が還元される。これにより、導電体層の電気伝導率の向上が図られる。レーザービームの照射は任意で省略されてもよい。各回の第1導電体層形成処理により形成される第1導電体層の厚みは、第1粒子の噴射量及び駆動装置3の駆動速度などが制御されることにより調節される。
ここで、指数iが目標値Nに達しているか否かが判定される(図2/STEP06)。当該判定結果が否定的である場合(図2/STEP06‥NO)、「誘電体層形成処理」が実行される(図2/STEP08)。具体的には、制御装置4を構成するCPUにより中間範囲S0を定義する座標値群が記憶装置から読み出され、図3(c)において斜線が付されている基板の中間範囲S0が認識される。その上で、中間範囲S0に対してレーザービームを照射させるとともに第2粒子を衝突させるように、制御装置4により、照射装置1、第2粒子噴射装置22及び駆動装置3のそれぞれの動作が制御される。この際、第1粒子噴射装置21の動作は停止されている。
これにより、例えば図4(b)に示されているように当該衝突箇所に誘電体層L01が形成される。第2粒子に対してレーザービームが照射されることにより、第2粒子の焼結が進行し、セラミックス焼結体により構成されている誘電体層が形成される。この際、先に形成されている導電体層を構成する炭素の一部が燃焼することにより、一酸化炭素雰囲気が局所的に形成され、それ以上の炭素燃焼の進行が抑制されるため、当該導電体層が消失することが回避される。各回の誘電体層形成処理により形成される誘電体層の厚みは、第2粒子の噴射量及び駆動装置3の駆動速度などが制御されることにより調節される。
ここで、指数iが「1」だけ増加される(図2/STEP10)。続いて「第2導電体層形成処理」が実行される(図2/STEP12)。具体的には、制御装置4を構成するCPUにより右範囲S2を定義する座標値群が記憶装置から読み出され、図3(d)において斜線が付されている基板における右範囲S2の位置、形状及びサイズが認識される。その上で、右範囲S2に対してレーザービームを照射させるとともに第2粒子を衝突させるように、制御装置4により、照射装置1、第2粒子噴射装置22及び駆動装置3のそれぞれの動作が制御される。この際、第1粒子噴射装置21の動作は停止されている。
これにより、例えば図4(c)に示されているように当該衝突箇所に第2導電体層L21が形成される。各回の第2導電体層形成処理により形成される第2導電体層の厚みは、第2粒子の噴射量及び駆動装置3の駆動速度などが制御されることにより調節される。
ここで、指数iが目標値Nに達しているか否かが判定される(図2/STEP14)。当該判定結果が否定的である場合(図2/STEP14‥NO)、「誘電体層形成処理」が実行される(図2/STEP16)。これにより、例えば図4(d)に示されているように当該衝突箇所に誘電体層L02が形成される。
さらに、指数iが「1」だけ増加され(図2/STEP18)、この上で「第1導電体層形成処理」以降の処理が再び実行される(図2/STEP04参照)。これにより、さらなる第1導電体層、誘電体層及び第2誘電体層が形成される。例えば図4(e)に示されているように当該衝突箇所に第1導電体層L12が形成される。
指数iが目標値Nに達していると判定された場合(図2/STEP06‥YES,STEP14‥YES)、一連の処理が終了する。なお、指数iが1だけ増やされた後、(図2/STEP10およびSTEP18参照)、指数iが目標値Nに達しているか否かが付加的に又は代替的に判定されてもよい。
図5(a)には、N=5である積層コンデンサの断面層の様子が示されている。この積層コンデンサが、5つの誘電体層(白抜き部分)により構成されていることがわかる。基板表面の垂線方向について連続している第1導電体層及び第2導電体層のそれぞれは、積層コンデンサの外部電極を構成する。基板表面の垂線方向について誘電体層を挟んで対向している第1導電体層及び第2導電体層のそれぞれは、積層コンデンサの内部電極を構成する。
前記のように基板には予め窪みが形成されているので、コンデンサの上端面は、例えば基板表面とほぼ同じ高さになっている又は基板表面より低くなっている。図5(b)には、コンデンサをその上方から見た場合の観察結果が示されている。
(実施例)
第1粒子として平均粒子径約5[μm]の純度99.7%のカーボン粒子が用いられ、第2粒子として平均粒子径約1[μm]の純度99%のBaTiO3粒子が用いられた。0.5MPaのArガスを用いて、内径0.70[mm]のノズルから第1粒子を噴射するように構成されている粒子噴射装置が第1粒子噴射装置21及び第2粒子噴射装置22として用いられた。
基板として、熱可塑性樹脂であるPOM(ポリオキシメチレン)樹脂製の基板が用いられ、レーザービームの照射により、図6(a)に示されているように平行な3本の直線状の溝(幅0.4〜0.5[mm]、長さ1.5[mm]、深さ0.2[mm])が形成された。当該溝の底部から前記のように導電体層及び誘電体層が所定の順で形成されることにより、並列配置された3つのコンデンサからなる第1実施例のコンデンサが形成された。
また、レーザービームの照射により、図6(b)に示されているように直角に蛇行しながら連続する線状の溝が形成された。当該溝の幅、長さ及び深さのそれぞれは、図6(a)に示されている3本の溝の幅、合計長さ(1.5×3=4.5[mm])及び深さのそれぞれと同一になるように調節された。当該溝の底部から前記のように導電体層及び誘電体層が所定の順で形成されることにより第2実施例のコンデンサが形成された。
第1及び第2実施例のそれぞれのコンデンサの形成に際して、第1導電体層の形成条件、第2導電体層の形成条件及び誘電体層の形成条件のそれぞれは同一に調節された。
図7(a)には、内部電極の面積は同一になるように調節される一方、誘電体層の数Nが相違するように構成された第1実施例のコンデンサの静電容量の測定結果が示されている。静電容量はLCRメータを用いて測定された。図7(a)から明らかなように、コンデンサの静電容量が誘電体層の数にほぼ比例して上昇している。
図7(b)には、第1実施例のコンデンサに関して、誘電体層の数Nが同一である一方、内部電極の面積が相違するコンデンサの静電容量の測定結果が示されている。図7(b)から明らかなように、コンデンサの静電容量が内部電極の面積にほぼ比例して上昇している。
図7(c)には、内部電極の面積は同一になるように調節される一方、誘電体層の数Nが相違する複数の第2実施例のコンデンサの静電容量の測定結果が示されている。図7(c)から明らかなように、コンデンサの静電容量が誘電体層の数にほぼ比例して上昇している。
これらの測定結果は、高精度で積層コンデンサが製造されていることを示している。図7(a)及び図7(c)を比較すると、誘電体層の数Nが同一であるにもかかわらず(N=3,4)、第1及び第2実施例のそれぞれのコンデンサの静電容量Cが異なっている。これは、光学顕微鏡の観察の結果、第1実施例の溝の底部が第2実施例の溝の底部よりも平坦度が低い(粗い)ため、その分だけ第1実施例のコンデンサの電極層の実効面積が第2実施例のコンデンサの電極層の実効面積よりも広くなったことが原因の1つであると推察される。そのほか、理由は不明であるが、誘電体層において誘電率の差が生じたことも原因の1つであると推察される。
(本発明の作用効果)
本発明のコンデンサ製造装置又は方法によれば、基板において、第1導電体層形成処理の対象となる左範囲S1と、第2導電体層形成処理の対象となる右範囲S2とは、基板表面の垂線方向について部分的に重なり合うように定義されている。さらに、誘電体層形成処理の対象となる中間範囲S0は、左範囲S1及び右範囲S2の重なり部分及び当該重なり部分の左右それぞれに連続する部分において左範囲S1及び右範囲S2のそれぞれに対して部分的に重なり合うように定義されている(図3参照)。
このため、第1導電体層形成処理と第2導電体層形成処理とが、間に誘電体層形成処理を挟みながら交互に実行される(図2及び図4参照)。これにより、誘電体層形成処理の実行回数に比例した静電容量を有する積層コンデンサが製造されうる(図5及び図7参照)。また、第1導電体層及び第2導電体層のそれぞれが金属ではなくて炭素系粒子により構成されているので、製造コストの低下の観点からも好ましい形態で電極材料の拡張が図られる。
(本発明の他の実施形態)
両端を有する線状又は帯状の範囲が隣接しあう第1〜第5範囲に区分され、第1〜第5範囲のそれぞれに対して導電体層形成処理(第1及び第2導電体層形成処理のそれぞれと同内容の処理)及び誘電体層形成処理のそれぞれが区分して実行されてもよい。
例えば図3(a)に示されている左範囲S1のうち右範囲S2と重ならない部分が「第1範囲」として定義され、右範囲S2のうち左範囲S1と重ならない部分が「第5範囲」として定義され、左範囲S1及び右範囲S2の重なり部分が「第3範囲」として定義され、中間範囲S0のうち第3範囲の左側に連続する部分が「第2範囲」として定義され、かつ、中間範囲S0のうち第3範囲の右側に連続する部分が「第4範囲」として定義される。
この場合、例えば(1)第1層においては第1及び第3〜第5範囲において導電体層形成処理が実行され、第2範囲において誘電体層形成処理が実行される。また、(2)第2層においては第1及び第5範囲において導電体層形成処理が実行され、第2〜第4範囲において誘電体層形成処理が実行される。さらに、(3)第3層においては第1〜第3及び第5範囲において導電体層形成処理が実行され、第4範囲において誘電体層形成処理が実行される。以降、前記処理が(2)→(1)→(2)→(3)‥の順で繰り返されることにより、前記実施形態と同様に積層コンデンサが製造されうる。
第1範囲及び第5範囲に積層される導電体層が積層コンデンサの外部電極を構成し、第3範囲に誘電体層を挟んで積層される導電体層が積層コンデンサの内部電極を構成する。
第2粒子として、複数種類のセラミックス系誘電体粒子の混合粉末粒子が採用されてもよい。第2粒子により形成される誘電体層における誘電率の調節のため、当該複数種類のセラミックス系誘電体粒子の混合比が調節されてもよい。たとえば、BaTiO3粉末粒子と、SrTiO3粉末粒子との混合粉末が第2粒子として用いられることによりコンデンサが製造されてもよい。この場合、高比誘電率材料であるBaTiO3粉末粒子の比率にほぼ正比例して誘電体層の誘電率が高くなること、ひいてはコンデンサの静電容量が大きくなることが確認された。
第2粒子としてのセラミックス系誘電体粒子の平均粒子径が調節されることにより、当該粒子の本来的な比誘電率とは異なる誘電体層が形成されることが確認された。具体的には、BaTiO3粉末粒子が単独で用いられた場合、平均粒子径が0.80〜1.2[μm]の範囲に制御されることにより、BaTiO3粉末粒子の比誘電率は通常1200程度であるにもかかわらず、誘電体層の比誘電率が4000〜5000程度であることが確認された。原子間力顕微鏡(AFM)により、誘電体層の断面を観察したところ、当該誘電体層を構成する平均粒子径が150〜200[nm]の範囲にあることが確認された。
照射装置1、特にその光学系12が、ビームを進行方向の異なる2本のビームに分割するビームスプリッター及びビームの進行方向を変更するためのミラーを備え、レーザー光源から発せられたレーザービームを基板の複数個所に同時に照射するように構成されていてもよい。この場合、レーザービームの複数の照射個所のそれぞれに対応して、複数の第1粒子噴射装置及び複数の第2粒子噴射装置が設けられる。レーザービームは、たとえばグリーンレーザービームであり、レンズにより集光された上で基板に対して照射される。
例えば、図8(a)に示されている構成の照射装置によれば、パワーPのレーザービームがパワー(1/16)Pのビームに分割され、当該分割ビームが基板の複数個所に対して同時に照射される。
具体的には、パワーPのレーザービームが、まずスプリッターS0によりパワー(1/2)Pの2本の1次ビームに分割される。スプリッターS0により分割された一方の1次ビームは、スプリッターS1によりパワー(1/4)Pの2本の2次ビームに分割される。スプリッターS1により分割された一方の2次ビームは、スプリッターS11によりパワー(1/8)Pの2本の3次ビームに分割される。
スプリッターS11により分割された一方の3次ビームは、スプリッターS111によりパワー(1/16)Pの2本の4次ビームに分割される。スプリッターS111により分割された一方の4次ビームはそのまま基板に対して照射され、他方の4次ビームはミラーM111によりその進行方向が変更された上で基板に対して照射される。
スプリッターS11により分割された他方の3次ビームは、ミラーM11によりその進行方向が変更された上でスプリッターS112によりパワー(1/16)Pの2本の4次ビームに分割される。スプリッターS112により分割された一方の4次ビームはそのまま基板に対して照射され、他方の4次ビームはミラーM112によりその進行方向が変更された上で基板に対して照射される。
スプリッターS1により分割された他方の2次ビームは、ミラーM1によりその進行方向が変更された上でスプリッターS12によりパワー(1/8)Pの2本の3次ビームに分割される。スプリッターS12により分割された一方の3次ビームは、スプリッターS121によりパワー(1/16)Pの2本の4次ビームに分割される。スプリッターS121により分割された一方の4次ビームはそのまま基板に対して照射され、他方の4次ビームはミラーM121によりその進行方向が変更された上で基板に対して照射される。
スプリッターS12により分割された他方の3次ビームは、ミラーM12によりその進行方向が変更された上でスプリッターS122によりパワー(1/16)Pの2本の4次ビームに分割される。スプリッターS122により分割された一方の4次ビームはそのまま基板に対して照射され、他方の4次ビームはミラーM122によりその進行方向が変更された上で基板に対して照射される。
前記のようにスプリッターS0により分割された一方の1次ビームは、8本の4次ビームに分割されて基板の異なる箇所のそれぞれに対して照射される。スプリッターS0により分割された他方の1次ビームも同様に、8本の4次ビームに分割されて基板の異なる箇所のそれぞれに対して照射される。
また、図8(b)に示されている構成の照射装置によれば、パワーPのレーザービームがパワー(1/16)Pのビームに分割され、当該分割ビームが基板の複数個所に対して同時に照射される。
具体的には、パワーPのレーザービームが、まずスプリッターS11によりパワー(1/4)Pのビームと、パワー(3/4)Pのビームとに分割される。スプリッターS11により分割されたパワー(1/4)Pのビームは、スプリッターS12によりパワー(1/16)Pのビームと、パワー(3/16)Pのビームとに分割される。スプリッターS12により分割されたパワー(1/16)Pのビームは基板に対して照射される。
スプリッターS12により分割されたパワー(3/16)Pのビームは、スプリッターS13によりパワー(1/16)Pのビームと、パワー(2/16)Pのビームとに分割される。スプリッターS13により分割されたパワー(1/16)Pのビームは基板に対して照射される。スプリッターS13により分割されたパワー(2/16)Pのビームは、スプリッターS14によりパワー(1/16)Pの2本のビームに分割される。スプリッターS14により分割された一方のビームは基板に対してそのまま照射され、他方のビームはミラーM15によりその進行方向が変更された上で基板に対して照射される。
スプリッターS11により分割されたパワー(3/4)Pのビームは、スプリッターS21によりパワー(1/4)Pのビームと、パワー(2/4)Pのビームとに分割される。スプリッターS21により分割されたパワー(2/4)Pのビームは、スプリッターS31によりパワー(1/4)Pの2本のビームに分割される。スプリッターS21により分割されたパワー(1/4)Pのビーム及びスプリッターS31により分割されたパワー(1/4)Pの2本のビームのそれぞれは、スプリッターS11により分割されたパワー(1/4)Pのビームと同様に、最終的にパワー(1/16)Pの4本のビームに分割された上で基板に対して照射される。
前記構成の装置によれば、同時に複数のコンデンサが製造されうるので、その製造効率の向上が図られる。
そのほか、第1ノズル及び第2ノズルが共通のノズルにより構成され、当該ノズルに対する粒子供給源として第1粒子供給源及び第2粒子供給源が切り替えられ、かつ、当該ノズルから噴出される粒子として第1粒子及び第2粒子が切り替えられるようにコンデンサ製造装置が構成されていてもよい。
1‥照射装置、21‥第1粒子噴射装置、22‥第2粒子噴射装置、3‥駆動装置、4‥制御装置。

Claims (2)

  1. レーザービームを発生するように構成されている照射装置と、
    第1ノズルから黒鉛粒子と金属粒子との混合粒子である第1粒子を噴射するように構成されている第1粒子噴射装置と、
    第2ノズルからセラミックス系誘電体粒子である第2粒子を噴射するように構成されている第2粒子噴射装置と、
    樹脂製の基板において前記照射装置により発生されたレーザービームが照射される箇所と、前記第1粒子噴射装置により噴射された前記第1粒子の衝突箇所と、前記第2粒子噴射装置により噴射された前記第2粒子の衝突箇所とのそれぞれを変位させるように構成されている駆動装置と、
    前記基板における前記レーザービームの照射箇所と、前記第1粒子及び前記第2粒子のそれぞれの衝突箇所とが一致するように前記駆動装置の動作を制御するように構成されている制御装置とを備え、
    前記基板において、前記基板の表面の垂線方向について部分的に重なり合う左範囲及び右範囲と、前記左範囲及び前記右範囲の重なり部分及び当該重なり部分の左右それぞれに連続する部分において前記左範囲及び前記右範囲のそれぞれに対して部分的に重なり合う中間範囲とが定義されている状態で、
    前記制御装置は、前記基板の前記左範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第1粒子を衝突させることにより当該衝突箇所に第1導電体層を形成する第1導電体層形成処理と、前記基板の前記右範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第1粒子を衝突させることにより第2導電体層を形成する第2導電体層形成処理とを、前記基板の前記中間範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第2粒子を衝突させることにより当該衝突箇所に誘電体層を形成する誘電体層形成処理を間に挟みながら交互に実行するように前記駆動装置の動作を制御することを特徴とするコンデンサ製造装置。
  2. 樹脂製の基板において、前記基板の表面の垂線方向について部分的に重なり合う左範囲及び右範囲と、前記左範囲及び前記右範囲の重なり部分及び当該重なり部分の左右それぞれに連続する部分において前記左範囲及び前記右範囲のそれぞれに対して部分的に重なり合う中間範囲とを定義し、
    前記基板の前記左範囲に対してレーザービームを照射させるとともに、黒鉛粒子と金属粒子との混合粒子である第1粒子を第1粒子噴射装置の第1ノズルから噴射させて衝突させることにより当該衝突箇所に第1導電体層を形成する第1導電体層形成処理と、
    前記基板の前記右範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともに前記第1粒子を前記第1粒子噴射装置の前記第1ノズルから噴射させて衝突させることにより第2導電体層を形成する第2導電体層形成処理とを、
    前記基板の前記中間範囲に対して前記レーザービームを照射させるとともにセラミックス系誘電体粒子である第2粒子を第2粒子噴射装置の第2ノズルから噴射させて衝突させることにより当該衝突箇所に誘電体層を形成する誘電体層形成処理を間に挟みながら交互に実行することを特徴とするコンデンサ製造方法。
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