JP6171509B2 - ライン光源装置、及び照射装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、発光素子が設けられた基板の寸法に制約されずに、任意の長さのライン光源を構成できるライン光源装置、及び、このライン光源装置を備えた照射装置を提供することを目的とする。
これに加え、本発明によれば、発光素子基板のそれぞれには配線コネクタを設け、発光素子基板の各々の発光素子を露出する開口を有した長尺の反射面を、発光素子基板のそれぞれを覆って平坦面に設け、平坦面と反射面の間に一対の配線コネクタを収める収納空間を設ける構成とした。この構成により、ライン光源の光源長に応じた数の発光素子基板のそれぞれに設けられる配線コネクタを、平坦面と反射面の間の収納空間に効率良く収納される。
図1は本実施形態に係るライン光源装置1の外観構成を示す斜視図である。図2はライン光源装置1の構成を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は正面図、図2(C)は右側面図、図2(D)は左側面図、図2(E)はカバー、及び反射鏡を取り外した状態を示す図である。また図3はライン光源装置1の分解斜視図であり、図4は図2(A)におけるA−A断面図である。
ヒートシンク10は、図4に示すように、長さLaに亘って延びる板状のベース部20と、このベース部20の裏面20Aに設けられた多数の放熱フィン18とを一体に備え、高熱伝導性材の押出成形によって形成されている。放熱フィン18のそれぞれも長さLaに亘って延在し、この放熱フィン18によって長尺方向の剛性が高められている。
ベース部20の上面は平坦面20Bに形成され、この平坦面20Bには、複数の上記LED基板12がネジ止め等で設けられている。またヒートシンク10の一端部の側には、図2(E)、及び図3に示すように、LEDドライブ基板30が設けられている。このLEDドライブ基板30には、通信コネクタ8を通じて受信した制御信号、及び電力に基づいて、各LED基板12に点灯電力を供給するLEDドライブ回路32が搭載されている。
この反射鏡13の反射面50は長尺する樋状であることから、この反射面50の長手方向(延在方向)の光が制御されることがなく、両端部で照度低下が生じる。この照度低下を防止するため、反射面50の両端部には、その端面を閉じる平面状の補助反射板51が設けられている。
そして、それぞれの紫外線LED22の放射光と、反射鏡13の反射面50、及び補助反射板51とによって、長手方向において均一な照度のライン光源が構成される。
なお、このライン光源装置1では、複数(図3の例では3つ)の反射鏡13を繋いで出射口6の長さLbに亘って延びる反射面50が構成されている。
次いで、カバー14を天地反転させ、そのカバー14の中にカバーガラス16を収め、次いで、カバー14の内壁14A1にカバーガラス保持バー52を螺旋などで取り付けてこのカバーガラス保持バー52でカバーガラス16をカバー14に取り付ける。
このカバー14をLED基板12等が組み付けられたヒートシンク10に被せ、側面14Aをヒートシンク10に螺旋などで締結して組み付ける。この組み付けによって本体2が構成される。
そして、この本体2の両端部に本体取付金具4A、4Bを取り付けて、ライン光源装置1の組立が完了する。
LED基板12は、図5に示すように、発光素子の一例たる紫外線LED22を実装した略矩形状の回路基板であり、この紫外線LED22の他に、一対の配線コネクタ24A、24Bが実装されている。このLED基板12は、短手方向に延びる短手中心線Maを、ヒートシンク10の長軸に合わせて配置される。この短手中心線Maの上には、紫外線LED22が配置されることで、ヒートシンク10の長軸に沿って紫外線LED22が配列されるようになっている。図6に示すように、LED基板12の短手中心線Maには第1LED実装予定パターン25が設けられ、この第1LED実装予定パターン25に紫外線LED22のアノード電極、及びカソード電極が電気的に接続される。
なお、前掲図2(E)、及び図3では、配線コネクタ24A、24Bの図示を省略している。
一般に、LEDを列状に配列した場合、それらのLEDは電気的に直列接続される。しかしながら、供給される電力がLEDの直列数に比して小さい場合、或いは、LEDを選択的に点灯/消灯する等の制御を行う場合には、一部を電気的に並列接続する必要がある。
そこで、このライン光源装置1では、全てのLED基板12を直列接続するのではなく、一部のLED基板12を簡単に並列接続できるように構成されている。
具体的には、LED基板12の配線コネクタ24A、24Bは、図7に示すように、互いに並列な2つの接続接点29A、29Bを有し、これら接続接点29A、29Bが紫外線LED22に対して並列接続された、いわゆる2ピンのコネクタが用いられている。
例えば、このライン光源装置1では、図7に示すように、配線コネクタ24A、24Bのそれぞれの接続接点29Aを接続するように配線ケーブル40で接続して互いに直列接続されたLED基板12の群(直列接続群34A)が構成されている。
なお、LEDドライブ回路32には、高電位を供給するプラス線42、及び低電位を供給するマイナス線44が接続されている。直列接続群34Aにおいては、プラス線42が初段のLED基板12の配線コネクタ24Aの接続接点29Aに接続され、マイナス線44が最終段のLED基板12の配線コネクタ24Bの接続接点29Aに接続される。
しかしながら、それぞれの直列接続群34Aを一列に配列してライン光源装置1を構成し、かつ、ライン光源装置1の一端部に、LEDドライブ回路32が配置しているため、直列接続群34AごとにLEDドライブ回路32からの配線長が異なる。
配線長に合わせてプラス線42、及びマイナス線44の長さを異ならせた場合、プラス線42、及びマイナス線44の配線抵抗に違いが生じることから、並列接続しているにもかかわらず、直列接続群34Aの間で紫外線LED22の明るさが異なってしまう。そこで、これらプラス線42、及びマイナス線44を最も長い配線長に合わせた長さに合わせると、それぞれの配線抵抗が無駄に大きくなり、電力のロスが増えることになる。
すなわち、図7に示すように、一列に並んだ直列接続群34Aにおいて、一方の側(例えばLEDドライブ回路32の側)の直列接続群34Aに直後に並ぶ直列接続群34Aを、並列接続用プラス線46、及び並列接続用マイナス線48によって並列に接続する。具体的には、2つの直列接続群34Aにおいて、初段のLED基板12の配線コネクタ24Aの未接続の接続接点29A、29B同士を並列接続用プラス線46で接続する。同様に、最終段のLED基板12の配線コネクタ24Bの未接続の接続接点29A、29B同士を並列接続用マイナス線48で接続する。係る接続によれば、各配線コネクタ24Aの接続接点29A、29Bは互いに電気的に同電位であるから、並列接続用プラス線46で接続された配線コネクタ24Aは、LEDドライブ回路32のプラス線42と同電位に維持される。同様に、並列接続用マイナス線48で接続された配線コネクタ24BについてもLEDドライブ回路32のマイナス線44と同電位に維持されることから、複数の直列接続群34AがLEDドライブ回路32に電気的に並列接続される。
これにより、ライン光源の光源長に応じた数のLED基板12のそれぞれの配線コネクタ24A、24Bを、LED基板12(平坦面20B)と反射面50の間の収納空間Sに効率良く収められる。
また、各配線コネクタ24A、24Bを接続する各種の配線も、収納空間Sに纏められるから、ライン光源装置1の中に配線が整然と収められることとなる。
また本実施形態によれば、LED基板12の各々を長尺の反射面50で覆い、平坦面20Bと反射面50の間に収納空間Sを設ける構成とした。この構成により、ライン光源の光源長に応じた数のLED基板12のそれぞれに設けられる配線コネクタ24A、24Bを、平坦面20Bと反射面50の間の収納空間Sに効率良く収納される。
この構成により、複数個のLED基板12を電気的に直列接続して直列接続群34Aを構成しつつ、複数の直列接続群34A同士を簡単に電気的に並列接続することができる。これに加え、一列に配列された複数の直列接続群34A同士を並列接続する場合には、前段の直列接続群34Aに、後続の直列接続群34Aを順に並列接続用プラス線46、及び並列接続用マイナス線48で接続できる。したがって、各々の直列接続群34Aの間の配線長を略一定にでき、また複数の直列接続群34AのそれぞれにLEDドライブ回路32から配線を延ばす必要も無い。
実施形態で説明したライン光源装置1を、図8に示すように、互いの照射範囲Rが距離Dだけ離れた直下の照射野Tで重なるような一定の間隔Qで並べることで、平面視略矩形の照射野Tを隙間無く、かつ均一な照度で照明する照射装置100を構成できる。この照射装置100は、搬送ローラ102で搬送されるベルトコンベア104の搬送面を照射野Tに配置することで、この搬送面を搬送される被照射物に均一な面照度で紫外線を照射する面光源として用いることができる。この被照射物には、例えば紫外線硬化性樹脂が塗布された面材や、紫外線硬化性インクで印刷された印刷物が挙げられ、照射装置100は、これらの紫外線硬化処理に好適に用いられる。
この照射装置100は、平面視略矩形の枠体110を備えている。図10(A)に示すように、枠体110の一対の短辺110Aには、複数本(図示例では5本)のライン光源装置1の両端の本体取付金具4A、4Bが固定されている。また、各短辺110Aには、当該照射装置100を設置箇所に取付固定するための取付板115が設けられている。
さらに、この照射装置100では、各ライン光源装置1から長手方向に向かう照射光を制御すべく、ライン光源装置1の両端部に、全てのライン光源装置1に亘って端部反射板140が設けられている。端部反射板140を支持するために、それぞれのライン光源装置1の上面2Aには、出射口6の両端に端部反射板140を支持する反射板支持具160が設けられている。
照射装置100では、このライン光源装置1が複数本並設されて面光源が構成され、この面光源の照射によって照射野Tが発熱する。ライン光源装置1と照射野Tとは約180mmしか離れていないことから、各ライン光源装置1が照射野Tの発熱による熱気に曝され、何ら対策を施さなければ、内部の紫外線LED22に悪影響を及ぼす。
上述した実施形態、及び応用例において、発光素子の一例として紫外線LED22を例示したが、これに限らない。すなわち、LEDに代えて任意の発光素子を用いることができる。また、発光素子が放射する光は紫外線に限らず任意である。
また、LED基板12の配線コネクタ24が備える接続接点29A、29Bの数として2つを例示したが、これに限らず、少なくとも2つ以上であれば良い。
すなわち、図11の発光スペクトル分布図に、線(I)、線(II)で示すように、紫外線領域の光を放射しつつ、互いにピーク波長が異なる紫外線LED22、23が挙げられる。両者の紫外線LED22、23のピーク波長が近接することで、図11に線(III)で示すように、紫外線領域において広い波長帯域を有するライン光源が構成できる。
係る構成のライン光源装置1は、印刷用インキや顔料入り塗料のコーティング処理に好適に用いることができる。詳述すると、印刷用インキや顔料入り塗料は、製造メーカや製品によって光重合開始剤や蛍光体が異なることから、同じ紫外線領域の光であっても、反応する光の波長が異なる。このライン光源装置1によれば、紫外線領域において広い波長の光を照射できるため、光重合開始剤や蛍光体が異なる印刷用インキや顔料入り塗料でも、十分にコーティング処理することができる。
なお、ピーク波長が近接するLEDとして、紫外線LED22、23を例示した。しかしながら、これらLEDの波長領域は紫外線領域に限らず、例えば可視光領域、近赤外領域、或いは赤外領域といったように適宜の波長領域を採用できる。
また実装予定パターン25、26の数は2つに限定されるものではなく、適宜の数を採用できる。
2 本体
6 出射口
10 ヒートシンク
12 LED基板(発光素子基板)
13 反射鏡
14 カバー
16 カバーガラス
18 放熱フィン
20 ベース部
20B 平坦面
22、23 紫外線LED(発光素子)
24A、24B 配線コネクタ
25、26 実装予定パターン
29A、29B 接続接点
32 LEDドライブ回路
34A 直列接続群
40 配線ケーブル
42 プラス線
44 マイナス線
46 並列接続用プラス線
48 並列接続用マイナス線
50 反射面
58 露出開口
100 照射装置
E 放熱用の隙間
S 収納空間
Claims (6)
- 発光素子が設けられた複数の発光素子基板を、長尺のヒートシンクの平坦面に所定の配置間隔で配置し、
前記発光素子基板のそれぞれには配線コネクタを設け、
前記発光素子基板の各々の発光素子を露出する開口を有した長尺の反射面を、前記発光素子基板のそれぞれを覆って前記平坦面に設け、
前記平坦面と前記反射面の間に前記配線コネクタを収める収納空間を設け、
前記発光素子基板のそれぞれには、前記発光素子のアノード、及びカソードに対応した一対の前記配線コネクタを備え、
前記一対の配線コネクタのそれぞれが、互いに導通する複数の接続接点を備える
ことを特徴とするライン光源装置。 - 前記ヒートシンクの前記平坦面の裏面に、長手方向に延びる複数のフィンを一体に設けたことを特徴とする請求項1に記載のライン光源装置。
- 前記発光素子基板には、前記ヒートシンクの長手方向に沿って、同じ波長領域の範囲で互いに異なるピーク波長の発光素子を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のライン光源装置。
- 前記発光素子基板には、前記ヒートシンクの長手方向に沿って、複数の実装予定パターンを設け、少なくともいずれか1以上の実装予定パターンに発光素子を実装可能にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のライン光源装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の複数のライン光源装置を、互いの間に放熱用の隙間をあけて並列に配置し、前記ライン光源装置のそれぞれによって略矩形状の照射野を隙間無く照射するとともに、前記照射野で発生する熱を前記放熱用の隙間を通して放熱することを特徴とする照射装置。
- 前記ライン光源装置のヒートシンクは、前記照射野からみて隠れた位置に放熱フィンを備えることを特徴とする請求項5に記載の照射装置。
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