以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る印刷システム10の構成を示す図である。印刷システム10は、メールサーバ11と、データ管理サーバ12(データ管理システム)と、ファイアウォール21と、少なくとも1つのプリントサーバ22(データ蓄積装置)と、少なくとも1つの画像形成装置23と、認証サーバ24と、少なくとも1つのクライアント端末25と、少なくとも1つの携帯端末26とを備える。
印刷システム10は、学内ネットワーク20に設けられた画像形成装置23に対して、電子メールを用いてプルプリントを可能としたシステムである。すなわち、印刷システム10では、学校に属するユーザ(例えば学生、教員)がクライアント端末25から対象データを添付した電子メールをメールサーバ11に送信すると、その対象データがデータ管理サーバ12によって印刷可能な出力データに変換される。続いて、印刷システム10では、データ管理サーバ12から出力データがプリントサーバ22に転送され、プリントサーバ22が出力データを蓄積する。そして、印刷システム10では、画像形成装置23が、ユーザの操作に応じて、プリントサーバ22に蓄積された印刷可能な出力データを取得して印刷する。
なお、学内ネットワーク20は、外部ネットワークの機器からのアクセスを制限する内部ネットワークである。すなわち、学内ネットワーク20に設けられた機器からは、学内ネットワーク20の外部のサーバ等にはアクセスができるが、外部の機器から学内ネットワーク20に設けられた機器へのアクセスはできない。
また、本例は、学内ネットワーク20を例にとって説明するが、学内ネットワークに限らず、外部からのアクセスが制限された内部ネットワークであれば企業内ネットワーク等であってもよい。
メールサーバ11は、学内ネットワーク20の外部のインターネット上に設けられる。メールサーバ11は、クライアント端末25から予め設定されているアドレスへと送信された電子メールを受信して、蓄積する。
ここで、クライアント端末25から送信される電子メールは、印刷対象となる対象データとユーザを特定するユーザ特定情報とを含む。対象データは、一例として、添付ファイルとして電子メールに含まれる。対象データは、アプリケーションプログラム等により作成されたファイル形式のデータであり、プリンタドライバにより印刷用データに変換される前のデータである。対象データは、例えば、ワードプロセッサ用アプリケーションプログラムにより作成されたファイル、表計算アプリケーションプログラムにより作成されたファイル、または、プレゼンテーションプログラムにより作成されたファイル等である。
ユーザ特定情報は、学内ネットワーク20のユーザを一意に識別する番号であって、秘匿性の無い(つまり、他のユーザも知ることが可能な)番号である。本例においては、ユーザ特定情報は、学内ネットワーク20が利用される学校の学生のそれぞれに一意に割り当てられる学籍番号である。また、学籍番号は、学修番号と呼ばれたり、学生番号と呼ばれたりもする。
ユーザ特定情報は、電子メール内の予め定められた位置に、テキストで含まれる。例えば、ユーザ特定情報は、電子メールの件名に含まれる。
データ管理サーバ12は、学内ネットワーク20の外部のインターネット上に設けられる。データ管理サーバ12は、1以上の情報処理装置から構成される。
データ管理サーバ12は、データ管理システムの一例であって、メールサーバ11から対象データおよびユーザ特定情報を含む電子メールを定期的に取得する。そして、データ管理サーバ12は、対象データを、画像形成装置23により印刷可能な形式の出力データに変換して、変換後の出力データおよびユーザ特定情報を対応付けて記憶する。ここで、画像形成装置23により印刷可能な形式の出力データとは、画像形成装置23により形成される画像の元となるデータであり、例えば、画像形成装置23用のプリンタドライバにより印刷用データに変換された後のデータである。
ファイアウォール21は、学内ネットワーク20に設けられた機器に対する外部の機器からのアクセスを制限する。すなわち、ファイアウォール21は、学内ネットワーク20に設けられた機器からは外部のメールサーバ11およびデータ管理サーバ12にアクセスできるが、メールサーバ11およびデータ管理サーバ12からは学内ネットワーク20に設けられた機器へアクセスできないように制限する。
プリントサーバ22は、データ蓄積装置の一例であって、学内ネットワーク20に設けられる。プリントサーバ22は、1以上の情報処理装置から構成される。
プリントサーバ22は、データ管理サーバ12から、出力データをユーザ特定情報と対応付けて取得する。続いて、プリントサーバ22は、認証サーバ24にアクセスして、取得したユーザ特定情報により特定される認証情報を取得して、認証情報に含まれるユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する。
ここで、認証情報とは、画像形成装置23等を利用するための情報であって、そのユーザが他のユーザに対して秘匿して管理すべき情報である。例えば、認証情報には、ユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)およびパスワードが含まれる。
また、認証サーバ24には、認証情報(ユーザIDおよびパスワード)と、ユーザ特定情報(学籍番号)とが対応付けて管理されている。プリントサーバ22は、認証サーバ24に対して、ユーザ特定情報(学籍番号)を送信することにより、ユーザ識別情報(ユーザID)を取得する。
そして、プリントサーバ22は、データ管理サーバ12から取得した出力データを、対応するユーザ識別情報(ユーザID)に対応させて蓄積する。
画像形成装置23は、学内ネットワーク20に設けられる。画像形成装置23は、印刷機能および学内ネットワーク20に接続する機能を有する装置である。画像形成装置23は、印刷機能とともに、スキャナ機能、ファクシミリ機能およびコピー機能のうちの少なくとも1つを有する複合機であってもよい。
画像形成装置23は、ユーザから認証情報(ユーザIDおよびパスワード)の入力を受け付けて、認証サーバ24にユーザ認証をさせる。画像形成装置23は、ユーザ認証が成功した場合、認証が成功したユーザのユーザ識別情報(ユーザID)が対応付けられた出力データの一覧をプリントサーバ22から取得して表示する。そして、画像形成装置23は、一覧からユーザの操作により選択された出力データをプリントサーバ22から取得し、取得した出力データを印刷する。
認証サーバ24は、学内ネットワーク20に設けられる。プリントサーバ22は、1以上の情報処理装置から構成される。認証サーバ24は、それぞれのユーザについて、認証情報(ユーザIDおよびパスワード)とユーザ特定情報(学籍番号)とを対応付けて管理する。
クライアント端末25は、ユーザにより利用されるコンピュータ等の端末である。クライアント端末25は、電子メールを用いてプルプリントをする場合には、対象データを添付し、且つ、所定の位置(例えば件名)にユーザ特定情報(学籍番号)を記入した電子メールを、メールサーバ11の予め設定されたアドレスに送信する。この場合、クライアント端末25は、学内ネットワーク20に接続していてもよいし、学内ネットワーク20の外部のインターネットに接続していてもよい。
携帯端末26は、ユーザにより利用される携帯電話、スマートフォンおよびタブレット端末等である。携帯端末26は、クライアント端末25の一例であって、管理者に承認されていれば、クライアント端末25と同様に用いることができる。
なお、メールサーバ11およびデータ管理サーバ12は、まとめて1台の情報処理装置または複数台の情報処理装置により実現されていてもよい。また、プリントサーバ22および認証サーバ24は、まとめて1台の情報処理装置および複数台の情報処理装置により実現されていてもよい。
図2は、第1実施形態のデータ管理サーバ12、プリントサーバ22、画像形成装置23および認証サーバ24のブロック構成を示す図である。
データ管理サーバ12は、メール取得部31と、データ変換部32と、第1管理部33と、第1記憶部34とを有する。メール取得部31は、対象データおよびユーザを特定するユーザ特定情報を含む電子メールを、メールサーバ11から取得する。この場合において、メール取得部31は、一定期間毎に電子メールを取得する。
データ変換部32は、電子メールに含まれる対象データを、画像形成装置23により出力可能な形式の出力データに変換する。データ変換部32は、一例として、電子メールから添付ファイルを抽出し、ファイル形式等を判断して変換処理を実行する。
第1管理部33は、電子メールに含まれていたユーザ特定情報を検出する。例えば、第1管理部33は、電子メールの件名に含まれる学籍番号を検出する。そして、第1管理部33は、データ変換部32により変換された出力データと検出したユーザ特定情報(学籍番号)とを対応付けて第1記憶部34に記憶させて、管理する。第1記憶部34は、出力データおよびユーザ特定情報(学籍番号)を記憶する。
プリントサーバ22は、出力データ取得部35と、ユーザ情報取得部36と、第2管理部37と、第2記憶部38とを有する。出力データ取得部35は、データ管理サーバ12から、出力データをユーザ特定情報と対応付けて取得する。出力データ取得部35は、一例として、定期的に出力データを取得する。
ユーザ情報取得部36は、出力データ取得部35により出力データが取得された場合、認証サーバ24にアクセスして、出力データに対応付けられたユーザ特定情報(学籍番号)に対応するユーザ情報を取得する。
第2管理部37は、取得したユーザ情報から、出力データに対応付けられたユーザ特定情報(学籍番号)に対応する認証情報を取得する。続いて、第2管理部37は、取得した認証情報に含まれるユーザ識別情報(ユーザID)を特定する。そして、第2管理部37は、出力データ取得部35が取得した出力データを、ユーザ情報取得部36が認証サーバ24から取得したユーザ識別情報に対応付けて第2記憶部38に記憶させて、管理する。第2記憶部38は、出力データおよびユーザ識別情報を記憶する。
画像形成装置23は、認証処理部41と、取得部42と、出力部43とを有する。認証処理部41は、ユーザからの認証情報(ユーザIDおよびパスワード)の入力を受け付けて、認証サーバ24に対してユーザ認証を要求する。取得部42は、ユーザ認証が成功したことに応じて、認証されたユーザの出力データの一覧をプリントサーバ22から取得する。さらに、取得部42は、出力データの一覧から選択された出力データを、プリントサーバ22から取得する。出力部43は、取得部42が取得した出力データを印刷出力する。
認証サーバ24は、認証部44と、ユーザ情報記憶部45とを有する。認証部44は、画像形成装置23からの要求に応じて、ユーザの認証を行う。具体的には、認証部44は、画像形成装置23に対して入力された認証情報(ユーザIDおよびパスワード)が、ユーザ情報記憶部45に記憶されている何れかのユーザの認証情報に一致するか否かを認証する。ユーザ情報記憶部45は、それぞれのユーザのユーザ情報(認証情報(ユーザIDおよびパスワード)およびユーザ特定情報(学籍番号))を記憶する。
図3は、第1実施形態の認証サーバ24が記憶するユーザ情報のデータ構成例を示す図である。認証サーバ24は、一例として、図3に示すようなユーザ情報を記憶する。すなわち、認証サーバ24は、ユーザIDと、パスワードと、学籍番号とを対応付けたユーザ情報を、ユーザ毎に記憶する。
図4は、第1実施形態のプリントサーバ22が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。プリントサーバ22は、一例として、図4に示すような出力データ管理情報を記憶する。すなわち、プリントサーバ22は、出力データIDと、ユーザIDと、書誌情報とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に記憶する。
なお、書誌情報には、出力データのファイル名、データサイズ等が含まれる。書誌情報は、例えば、対象データの書誌情報を引き継いだ情報である。また、プリントサーバ22は、出力データID等により出力データの実体の格納場所を特定できる。
図5は、第1実施形態のデータ管理サーバ12が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。データ管理サーバ12は、一例として、図5に示すような出力データ管理情報を記憶する。すなわち、データ管理サーバ12は、出力データIDと、学籍番号と、書誌情報とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に記憶する。なお、データ管理サーバ12は、出力データIDにより出力データの実体の格納場所を特定できる。
図6は、第1実施形態に係る印刷システム10の処理シーケンスを示す図である。
まず、クライアント端末25は、対象データおよび学籍番号を含む電子メールをメールサーバ11に送信する(S111)。ここでは、クライアント端末25は、対象データを電子メールの添付ファイルに含め、学籍番号を電子メールの件名に含める。
続いて、データ管理サーバ12のメール取得部31は、メールサーバ11に対して電子メールの取得を要求する(S112)。続いて、メールサーバ11は、要求に応じて現在までに蓄積されている電子メールをデータ管理サーバ12に返信する(S113)。
続いて、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、取得した電子メールから添付ファイル(対象データ)を抽出する(S114)。続いて、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、抽出した対象データのデータ形式を変換して、出力データを生成する(S115)。
続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールの件名から学籍番号を取得する(S116)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、出力データを記録する(S117)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、学籍番号を含む出力データ管理情報を生成して、出力データに対応付けて記録する(S118)。
続いて、プリントサーバ22の出力データ取得部35は、データ管理サーバ12の第1管理部33に対して出力データの取得を要求する(S119)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、要求に応じて現在までに蓄積されている出力データおよび出力データ管理情報をプリントサーバ22の出力データ取得部35に返信する(S120)。
続いて、プリントサーバ22のユーザ情報取得部36は、出力データ管理情報に含まれる学籍番号を認証サーバ24に送信して、ユーザ情報の取得を要求する(S121)。認証サーバ24は、受信した学籍番号が存在すれば、要求に応じて対応するユーザ情報をプリントサーバ22のユーザ情報取得部36に返信する(S122)。
続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、認証サーバ24から取得したユーザ情報に基づき、学籍番号に対応するユーザIDを特定する(S123)。続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、出力データおよびユーザIDを対応付けて記憶する(S124)。
続いて、画像形成装置23は、ユーザからユーザIDおよびパスワードの入力を受け付けると、認証要求を認証サーバ24に送信する(S125)。認証サーバ24は、認証要求に応じてユーザIDおよびパスワードを認証する(S126)。続いて、認証サーバ24は、認証が成功すると、認証結果を画像形成装置23に返信する(S127)。
続いて、画像形成装置23は、出力データの取得要求をユーザIDとともに、プリントサーバ22の第2管理部37に送信する(S128)。続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、取得要求に応じて、ユーザIDに対応する出力データを画像形成装置23に返信する(S129)。なお、プリントサーバ22は、ユーザIDに対応する出力データの一覧を画像形成装置23に送信し、その中からユーザにより選択された出力データを送信してもよい。そして、画像形成装置23は、受信した出力データを印刷出力する(S130)。
以上のように本実施形態に係る印刷システム10によれば、メールサーバ11に電子メールを送信することにより、外部からのアクセスが制限されている学内ネットワーク20内の画像形成装置23に印刷をさせることができる。これにより、印刷システム10によれば、学内ネットワーク20の外部のクライアント端末25から送信した対象データを、学内ネットワーク20内の画像形成装置23に印刷をさせることができる。また、印刷システム10によれば、対象データを電子メールに含めればよいので、クライアント端末25にプリンタドライバ等を含まなくてもよい。
なお、一例として学籍番号を電子メールに入力する方法を示しているが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ユーザIDおよびパスワードで認証しているため、ユーザIDのみを電子メールに入力する方法であってもよい。ユーザ情報がユーザIDに対応付けてユーザ名も記憶している場合には、ユーザ名であってもよい。つまり、学内ネットワーク20の外部において、学内の認証成否の判断に用いられる認証情報(実施例ではユーザIDおよびパスワード)をそのまま利用するとセキュリティの都合上好ましくないため、学内ネットワーク20の外部においては認証情報そのものではなく、認証情報の一部や、他の種類のユーザ情報を用いて、出力データを管理する。
但し、ユーザ名を用いる場合には、同じ名前のユーザがいた場合に問題が起こる可能性があるため、ユーザ名の一意性を担保する必要がある。従って、少なくともユーザを特定できる情報であり、かつ、認証情報そのものではない情報を利用することが望ましく、学籍番号は、学内のユーザを一意に特定できる情報として用いられる好適な一例として示している。
また、一例として、ユーザIDおよびパスワードによる認証を示したが、認証の方法はこれに限らない。例えば、ユーザIDのみを用いる認証でも、パスワードのみでも、ICカードを用いたカード認証でもよく、認証の方法によって本発明の適用が制限されるものではない。つまり、どのような認証方法であれ、認証に用いられる認証情報のような機密性の高い情報を、外部ネットワークにおいて管理させないことでセキュリティを向上させている。
従って、学内ネットワーク20の外部で出力データを管理する情報に学籍番号を採用した理由は、学籍番号はそれだけでユーザを特定することができず、また、認証に用いられることも無い情報であり、少なくとも認証情報に比べて機密性が高くはないと判断される情報であることを想定している。またさらに、学籍番号が学生にとって覚えやすい情報であり、学生が使用しやすい。なお、学籍番号も機密性の高い情報で利用したくないという場合には、別のユーザを特定できる情報を利用してもよい。例えば別のIDをユーザ毎に用意して、各ユーザに周知してもよい。
図7は、第1実施形態のメールサーバ11に送信される電子メールの一例を示す図である。本実施形態では、電子メールの件名にユーザ特定情報(学籍番号)を入力する例を示した。しかし、これに限らず、電子メールの予め定められた領域から学籍番号を取得できればよく、例えば学籍番号を本文に含めてもよい。
また、本実施形態では、電子メールから添付ファイルを抽出し、添付ファイルを出力データに変換する例を示した。しかし、これに限らず、電子メールの本文データを出力データに変換してもよいし、本文データおよび添付ファイルの両方を出力データに変換してもよい。
(第1実施形態の第1変形例)
つぎに、第1実施形態の第1変形例について説明する。第1実施形態の第1変形例は、図1から図7を参照して説明した第1実施形態の基本構成と略同一の機能および構成を有するので、略同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて、相違点を中心に説明をする。
図8は、第1実施形態の第1変形例のプリントサーバ22が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。図9は、第1実施形態の第1変形例のデータ管理サーバ12が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。
第1変形例において、データ管理サーバ12の第1管理部33は、電子メールにおける予め定められた位置から情報を取得し、取得した情報を出力データの書誌情報に含める。例えば、図8および図9に示されるように、第1管理部33は、電子メールの本文に記載されたコメント(化学レポート、物理レポートおよび部活ミーティング用といった文字)を取得して、出力データの書誌情報に含める。そして、画像形成装置23は、出力データの一覧の表示において、書誌情報を表示する。
図10は、第1実施形態の第1変形例に係る印刷システム10の処理シーケンスを示す図である。まず、第1変形例では、ステップS111からステップS115までの処理は、図6に示した処理と同様である。
続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールの件名から学籍番号を取得するとともに、本文のコメントを取得する(S211)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、出力データを記録する(S117)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、本文のコメントを書誌情報に含んだ出力データ管理情報を生成して、出力データに対応付けて記録する(S118)。
続いて、ステップS119からS127までの処理は、図6に示した処理と同様である。続いて、画像形成装置23は、プリントサーバ22の第2管理部37に対して出力データの一覧の取得要求をユーザIDとともに送信する(S212)。
続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、取得要求に応じて、ユーザIDに対応する出力データの一覧を画像形成装置23に送信する(S213)。続いて、画像形成装置23は、一覧から選択された出力データの取得要求を、出力データIDとともにプリントサーバ22の第2管理部37に送信する(S128)。続いて、プリントサーバ22は、取得要求に応じて、出力データIDに対応する出力データを画像形成装置23に返信する(S129)。そして、画像形成装置23は、受信した出力データを印刷出力する(S130)。
図11は、第1実施形態の第1変形例の画像形成装置23が表示する出力データ一覧画面の一例を示す図である。画像形成装置23は、ステップS213において一覧を取得すると、図11に示すような画面を表示する。この場合において、画像形成装置23は、書誌情報に含まれるコメント(例えば、化学レポート)を出力データのファイル名とともに表示する。
以上のように第1実施形態の第1変形例に係る印刷システム10によれば、画像形成装置23を操作するユーザに対して、出力データの内容を容易に理解させることができる。
(第1実施形態の第2変形例)
つぎに、第1実施形態の第2変形例について説明する。第1実施形態の第2変形例は、図1から図7を参照して説明した第1実施形態の基本構成と略同一の機能および構成を有するので、略同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて、相違点を中心に説明をする。なお、第2変形例は、第1変形例と組み合わせて適用されてもよい。
図12は、第1実施形態の第2変形例の認証サーバ24が記憶するユーザ情報のデータ構成例を示す図である。図13は、第1実施形態の第2変形例のプリントサーバ22が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。図14は、第1実施形態の第2変形例のデータ管理サーバ12が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。
第2変形例においては、ユーザ特定情報は、第1グループのユーザの記述形式と第2グループのユーザの記述形式とが異なる。一例として、ユーザが学生である場合には(第1グループの場合)、ユーザ特定情報は学籍番号となり、ユーザが教員である場合には(第2グループの場合)、例えば任意の文字列となる。
そして、プリントサーバ22のユーザ情報取得部36は、出力データを取得すると、ユーザ特定情報の記述形式を判別する。そして、ユーザ情報取得部36は、ユーザ特定情報の記述形式に応じて、ユーザのグループを判断して対応するグループの認証情報を取得する。
例えば、第2変形例では、認証サーバ24は、図12に示すような、ユーザIDと、パスワードと、ロールと、学籍番号と、教員ユーザ名とを対応付けたユーザ情報を、ユーザ毎に記憶する。ここで、ロールは、そのユーザが学生であるか教員であるかを識別する情報である。また、教員ユーザ名は、教員を一意に特定する任意の文字列である。
なお、ユーザが教員である場合には、学籍番号は空欄(図中では横棒線で示される)となる。また、ユーザが学生である場合には、教員ユーザ名は、空欄(図中では横棒線で示される)となる。
また、第2変形例では、プリントサーバ22は、図13に示すような、出力データIDと、ユーザIDと、書誌情報とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に記憶する。なお、この場合、ユーザIDは、学生と教員とで記述形式は変わらない。
また、第2変形例では、データ管理サーバ12は、図14に示すような、出力データIDと、ユーザ特定情報と、書誌情報とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に記憶する。なお、この場合、ユーザ特定情報は、学生と教員とで記述形成が異なる。
図15は、第1実施形態の第2変形例に係る印刷システム10の処理シーケンスを示す図である。
まず、ステップS111からステップS115までの処理は、図6に示した処理と同様である。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールの件名からユーザ特定情報(学籍番号または教員ユーザ名)を取得する(S311)。
続いて、ステップS117からステップS120までの処理は、図6に示した処理と同様である。続いて、プリントサーバ22のユーザ情報取得部36は、ユーザ特定情報から学籍番号または教員ユーザ名を特定して、特定した学籍番号または教員ユーザ名を認証サーバ24に送信してユーザ情報の取得を要求する(S312)。続いて、認証サーバ24は、要求に応じて、学籍番号または教員ユーザ名に対応するユーザ情報をプリントサーバ22のユーザ情報取得部36に返信する(S313)。
続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、認証サーバ24から取得したユーザ情報に基づき、学籍番号または教員ユーザ名に対応するユーザIDを特定する(S314)。そして、以降、ステップS124からステップS130までの処理は、図6に示した処理と同様である。
図16は、第1実施形態の第2変形例に係るプリントサーバ22における、ユーザIDの特定処理のフローを示す図である。
まず、ステップS351において、プリントサーバ22は、出力データおよび出力データ管理情報をデータ管理サーバ12から受信する。続いて、ステップS352において、プリントサーバ22は、出力データ管理情報のユーザ特定情報が学籍番号または教員ユーザ名であるとして、認証サーバ24からユーザ情報を取得する。
続いて、ステップS353において、プリントサーバ22は、取得したユーザ情報から、学籍番号をキーとしてユーザIDを取得できるか否かを判断する。学籍番号をキーとしてユーザIDを取得できた場合(ステップS353のYes)、ステップS354において、プリントサーバ22は、学籍番号からユーザIDを特定して、処理をステップS358に進める。
学籍番号をキーとしてユーザIDを取得できなかった場合(ステップS353のNo)、ステップS355において、プリントサーバ22は、教員ユーザ名をキーとしてユーザIDを取得できるか否かを判断する。教員ユーザ名をキーとしてユーザIDを取得できなかった場合(ステップS355のNo)、ステップS356において、プリントサーバ22は、エラー処理をして(例えば、対応する出力データを削除して)、本フローを終了する。
教員ユーザ名をキーとしてユーザIDを取得できた場合(ステップS355のYes)、ステップS357において、プリントサーバ22は、教員ユーザ名からユーザIDを特定して、処理をステップS358に進める。そして、ステップS358において、プリントサーバ22は、取得したユーザIDと、出力データとを対応付けて管理する。
以上のように第1実施形態の第2変形例に係る印刷システム10によれば、学生および教員のそれぞれに対して、学内ネットワーク20の外部のクライアント端末25から送信した対象データを、学内ネットワーク20内の画像形成装置23に印刷をさせることができる。また、第2変形例に係る印刷システム10によれば、特に教員に対して、学生と異なり長期の間、学内ネットワーク20を利用するので、より使いやすい名前でシステムを利用させることができる。
(第1実施形態の第3変形例)
つぎに、第1実施形態の第3変形例について説明する。第1実施形態の第3変形例は、図1から図7を参照して説明した第1実施形態の基本構成と略同一の機能および構成を有するので、略同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて、相違点を中心に説明をする。なお、第3変形例は、第1変形例および第2変形例の1つまたは複数と組み合わせて適用されてもよい。
図17は、第1実施形態の第3変形例に係るプリントサーバ22のブロック構成を示す図である。
第3変形例のプリントサーバ22は、図2に示した構成に加えて、上限管理部51と、上限設定記憶部52とをさらに有する。上限管理部51は、ユーザによる出力データの出力数が、予め設定された上限値を超える場合に、画像形成装置23からの出力を制限させる。上限設定記憶部52は、それぞれのユーザの出力データの出力数の上限値、および、現在までの利用値を記憶する。なお、上限値および利用値は、認証サーバ24のユーザ情報に含めて記憶されてもよい。
例えば、ユーザが予め料金等を支払っておき、印刷可能な上限値を登録しておく場合がある。このような場合、上限管理部51は、ユーザが印刷操作をする毎に、現在までの利用値と今回の利用値との合計値が、上限値を超えるか否かを判断する。上限管理部51は、上限値を超える場合には、そのユーザによる印刷を禁止し、超えない場合にはそのユーザによる印刷を許可する。また、プリントサーバ22は、新たにユーザが料金を支払った場合には、印刷可能な上限数を増加させてもよい。
図18は、第1実施形態の第3変形例の認証サーバ24が記憶するユーザ情報のデータ構成例を示す図である。認証サーバ24は、図18に示すように、ユーザID、パスワード、ロール、学籍番号または教員ユーザ名、上限値、および、現在利用値を対応付けたユーザ情報を、ユーザ毎に記憶してもよい。
また、ユーザが教員の場合には、上限値は設定しなくてもよい。これにより、上限設定記憶部52は、ユーザが教員の場合には制限無く印刷をさせることができる。
図19は、第1実施形態の第3変形例に係るプリントサーバ22の処理フローを示す図である。
まず、ステップS411において、プリントサーバ22は、画像形成装置23から出力データの取得要求およびユーザIDを受信する。続いて、ステップS412において、プリントサーバ22は、取得したユーザIDに対応するロールが学生を示しているか教員を示しているかを判断する。ロールが教員である場合(ステップS412の教員)、ステップS413において、プリントサーバ22は、対応する出力データを画像形成装置23に送信して、本フローを終了する。
ロールが学生である場合(ステップS412の学生)、ステップS414において、プリントサーバ22は、そのユーザIDに対応する上限値および現在利用値を取得する。続いて、ステップS415において、プリントサーバ22は、今回の印刷処理により上限値を超える利用となるか否かを判断する。上限値を超える利用とならない場合(ステップS415のNo)、ステップS413において、プリントサーバ22は、対応する出力データを画像形成装置23に送信して、本フローを終了する。
上限値を超える利用となる場合(ステップS415のYes)、ステップS416において、プリントサーバ22は、例えば現金の課金に切り替えたり、出力を禁止したりして、利用制限をする。そして、ステップS416の処理を終了すると、プリントサーバ22は、本フローを終了する。
以上のように第1実施形態の第3変形例に係る印刷システム10によれば、上限値を設定して印刷制限をすることができる。
(第1実施形態の第4変形例)
つぎに、第1実施形態の第4変形例について説明する。第1実施形態の第4変形例は、図1から図7を参照して説明した第1実施形態の基本構成と略同一の機能および構成を有するので、略同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて、相違点を中心に説明をする。なお、第4変形例は、第1〜第3の変形例の1つまたは複数と組み合わせて適用されてもよい。
図20は、第1実施形態の第4変形例の認証サーバ24が記憶するユーザ情報のデータ構成例を示す図である。図21は、第1実施形態の第4変形例のデータ管理サーバ12が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。
例えば、学籍番号は、一部分が定型情報である場合がある。例えば、図20の場合、学籍番号は、先頭の3文字が“P00”の定型情報となっており、4文字目以降が学生を一意に識別する番号となっている。このような場合、第4変形例のデータ管理サーバ12の第1管理部33は、図21に示されるように、ユーザ特定情報における少なくともユーザを識別できる一部の情報と、対象データと対応付けて管理する。
さらに、第4変形例のプリントサーバ22は、電子メールの件名に含まれているユーザ特定情報が、定型情報を付加した状態の学籍番号であっても、定型情報を除いた後の学籍番号であっても、ユーザ情報を取得可能となっている。
図22は、第1実施形態の第4変形例に係るプリントサーバ22の処理フローを示す図である。
まず、ステップS511において、プリントサーバ22は、出力データおよび出力データ管理情報を受信する。続いて、ステップS512において、プリントサーバ22は、出力データ管理情報のユーザ特定情報に、定型情報(例えば“P00”)を付加する。続いて、ステップS513において、プリントサーバ22は、定型情報を付加したユーザ特定情報に対応するユーザ情報を、認証サーバ24から取得する。
続いて、ステップS514において、プリントサーバ22は、定型情報を付加したユーザ特定情報をキーとしてユーザ情報を取得できたか否かを判断する。定型情報を付加したユーザ特定情報をキーとしてユーザ情報を取得できた場合(ステップS514のYes)、ステップS515において、プリントサーバ22は、取得したユーザ情報からユーザIDを特定する。そして、ステップS516において、プリントサーバ22は、特定したユーザIDと出力データとを対応付けて管理して、本フローを終了する。
一方、プリントサーバ22は、定型情報を付加したユーザ特定情報をキーとしてユーザ情報を取得できない場合(ステップS514のNo)、ステップS517において、プリントサーバ22は、定型情報を付加しないユーザ特定情報に対応するユーザ情報を認証サーバ24から取得する。続いて、ステップS518において、プリントサーバ22は、定型情報を付加しないユーザ特定情報をキーとしてユーザ情報を取得できたか否かを判断する。定型情報を付加しないユーザ特定情報をキーとしてユーザ情報を取得できた場合(ステップS518のYes)、ステップS515において、プリントサーバ22は、取得したユーザ情報からユーザIDを特定する。そして、ステップS516において、プリントサーバ22は、特定したユーザIDと出力データとを対応付けて管理して、本フローを終了する。
定型情報を付加しないユーザ特定情報をキーとしてユーザ情報を取得できない場合(ステップS518のNo)、ステップS519において、プリントサーバ22は、エラー処理をして(例えば、対応する出力データを削除して)、本フローを終了する。
以上のように第1実施形態の第4変形例に係る印刷システム10によれば、学籍番号の一部が定型情報である場合、電子メールに定型情報を除いた学籍番号を入力した場合も、定型情報を付加した学籍番号を入力した場合も、印刷をさせることができる。
(第1実施形態の第5変形例)
つぎに、第1実施形態の第5変形例について説明する。第1実施形態の第5変形例は、図1から図7を参照して説明した第1実施形態の基本構成と略同一の機能および構成を有するので、略同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて、相違点を中心に説明をする。なお、第5変形例は、第1〜第4の変形例の1つまたは複数と組み合わせて適用されてもよい。
図23は、第1実施形態の第5変形例に係る印刷システム10の構成を示す図である。本変形例に係る印刷システム10は、メールサーバ11が学内ネットワーク20に設けられている。従って、データ管理サーバ12は、ファイアウォール21に制限されるので、自身からメールサーバ11へとアクセスすることができない。
図24は、第1実施形態の第5変形例のデータ管理サーバ12およびプリントサーバ22のブロック構成を示す図である。
データ管理サーバ12は、データ変換部32と、第1管理部33と、第1記憶部34とを有する。すなわち、データ管理サーバ12は、図2の構成と比較すると、メール取得部31を有さない。本変形例において、データ変換部32は、プリントサーバ22からの要求に応じて、プリントサーバ22から送信された対象データを出力データに変換する。そして、データ変換部32は、変換後の出力データをプリントサーバ22へと返信する。
プリントサーバ22は、メール取得部31と、データ生成要求部61と、出力データ取得部35と、ユーザ情報取得部36と、第2管理部37と、第2記憶部38とを有する。すなわち、プリントサーバ22は、図2の構成と比較すると、メール取得部31とデータ生成要求部61とをさらに有する。
メール取得部31は、学内ネットワーク20に設けられたメールサーバ11から、定期的に、対象データおよびユーザ特定情報を含む電子メールを取得する。データ生成要求部61は、メール取得部31により取得された電子メールに含まれる対象データをデータ管理サーバ12のデータ変換部32に送信して、出力データへの変換を要求する。出力データ取得部35は、データ生成要求部61による要求に応じてデータ管理サーバ12から返信された出力データを取得する。
ユーザ情報取得部36、第2管理部37および第2記憶部38は、図2に示した構成と同様の機能を有する。
本変形例においては、データ管理サーバ12がメールサーバ11から電子メールを取得することに代えて、プリントサーバ22がメールサーバ11から電子メールを取得する。そして、プリントサーバ22は、データ管理サーバ12に対して対象データから出力データへの変換を要求して、データ管理サーバ12から出力データを取得する。これにより、プリントサーバ22は、メールサーバ11が学内ネットワーク20に設けられている場合であっても、出力データを取得することができる。
図25は、第1実施形態の第5変形例のプリントサーバ22が記憶するID対応情報のデータ構成例を示す図である。プリントサーバ22は、データ管理サーバ12へ対象データの変換を依頼する毎に、代替IDとユーザ特定情報(学籍番号)とを対応付けたID対応情報を生成して記録する。代替IDは、プリントサーバ22が任意に割り当てた番号であって、他の代替IDとは重複しない値である。
図26は、第1実施形態のデータ管理サーバ12が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。データ管理サーバ12は、一例として、図26に示すような出力データ管理情報を記憶する。すなわち、データ管理サーバ12は、出力データIDと、代替IDと、書誌情報とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に記憶する。
図27は、第1実施形態の第5変形例に係る印刷システム10の、プリントサーバ22が出力データを取得するまでの処理シーケンスを示す図である。図28は、第1実施形態の第5変形例のプリントサーバ22からデータ管理サーバ12へと送信される電子メールの一例を示す図である。
まず、クライアント端末25は、対象データおよび学籍番号を含む電子メールをメールサーバ11に送信する(S611)。続いて、プリントサーバ22のメール取得部31は、メールサーバ11に対して電子メールの取得を要求する(S612)。続いて、メールサーバ11は、要求に応じて現在までに蓄積されている電子メールをプリントサーバ22に返信する(S613)。
続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、取得した電子メールの件名から学籍番号を取得する(S614)。続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、電子メールを識別するための代替IDを生成する(S615)。続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、代替IDと学籍番号とを対応付けたID対応情報を生成して、記録する(S616)。
続いて、プリントサーバ22のデータ生成要求部61は、電子メールの件名を代替IDに置き換えて、電子メールをデータ管理サーバ12のデータ変換部32に送信して、データの変換を要求する(S617)。例えば、データ生成要求部61は、図28に示されるような、件名に代替ID(“AAA”)が記入された電子メールを送信する。これにより、プリントサーバ22は、ユーザを特定されたり、学内ネットワーク20内の機器への宛先等の学内資産情報を特定されたりすることに繋がる情報ではない無意味な文字に変換して電子メールを送信することができる。よって、プリントサーバ22は、セキュリティを向上させることができる。
続いて、プリントサーバ22のユーザ情報取得部36は、学籍番号を認証サーバ24に送信して、ユーザ情報の取得を要求する(S618)。認証サーバ24は、受信した学籍番号がユーザ情報に存在すれば、対応するユーザ情報をプリントサーバ22のユーザ情報取得部36に返信する(S619)。
続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、認証サーバ24から取得したユーザ情報に基づき、学籍番号に対応するユーザIDを特定する(S620)。続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、ID対応情報の学籍番号をユーザIDに書き換えて、代替IDとユーザIDとを対応付けたID対応情報に更新する(S621)。
一方、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、プリントサーバ22から電子メールを受け取ると、受け取った電子メールから添付ファイル(対象データ)を抽出する(S622)。続いて、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、抽出した対象データのデータ形式を変換して、出力データを生成する(S623)。
続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールの件名から代替IDを取得する(S624)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、出力データを記録する(S625)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、代替IDを含む出力データ管理情報を生成して出力データに対応付けて記録する(S626)。
続いて、プリントサーバ22の出力データ取得部35は、データ管理サーバ12の第1管理部33に対して出力データの取得を要求する(S627)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、要求に応じて現在までに蓄積されている出力データおよび出力データ管理情報をプリントサーバ22の出力データ取得部35に返信する(S628)。
続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、出力データ管理情報に含まれる代替IDおよびID対応情報から、ユーザIDを特定する(S629)。続いて、プリントサーバ22の第2管理部37は、出力データおよびユーザIDを対応付けて記憶する(S630)。
そして、以降、図6に示すステップS125からステップS130と同様の処理が実行される。
以上のように本変形例に係る印刷システム10によれば、メールサーバ11が学内ネットワーク20に設けられている場合であっても、電子メールに含めて送信した対象データを、学内ネットワーク20内の画像形成装置23に印刷をさせることができる。
(第2実施形態)
図29は、第2実施形態に係る印刷システム10の構成を示す図である。第2実施形態は、第1実施形態と略同一の機能および構成を有するので、略同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて、相違点を中心に説明をする。
第2実施形態に係る印刷システム10は、複数の学内ネットワーク20(例えば、学内ネットワーク20−Aおよび学内ネットワーク20−B)と、メールサーバ11と、データ管理サーバ12とを備える。メールサーバ11およびデータ管理サーバ12のそれぞれは、複数の学校の学内ネットワーク20−A、20−Bに対して共通に設けられる。
なお、複数の学内ネットワーク20は、複数の異なる学校に対応するものであってもよいし、同一の学校内の異なる学部または校舎(キャンパス)に対応するものであってもよい。また、図中には2つの学内ネットワーク20を示しているが、印刷システム10は、3以上の学内ネットワーク20を有していてもよい。
図30は、第2実施形態のデータ管理サーバ12およびプリントサーバ22のブロック構成を示す図である。
第2変形例において、データ管理サーバ12は、領域ID管理情報記憶部71をさらに有する。領域ID管理情報記憶部71は、複数の学内ネットワーク20−A、20−Bのそれぞれを識別する領域IDを、それぞれの学校を識別する領域名(例えば、学校名、校舎名等)と対応させて記憶する。
プリントサーバ22は、領域ID記憶部72をさらに有する。領域ID記憶部72は、自身の学内ネットワーク20に割り当てられている領域IDを記憶する。
図31は、第2実施形態のデータ管理サーバ12が記憶する領域ID管理情報のデータ構成例を示す図である。第2実施形態のデータ管理サーバ12は、図31に示すように、領域IDと、領域名とを対応付けた領域ID管理情報を、学内ネットワーク20毎に記憶する。
図32は、第2実施形態のデータ管理サーバ12が記憶する出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。第2実施形態のプリントサーバ22は、図32に示すように、出力データIDと、領域IDと、学籍番号と、書誌情報とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に記憶する。
図33は、第2実施形態に係る印刷システム10での、プリントサーバ22が出力データを取得するまでの処理シーケンスを示す図である。
まず、クライアント端末25は、対象データ、領域IDおよび学籍番号を含む電子メールをメールサーバ11に送信する(S711)。領域IDおよび学籍番号は、電子メールの特定の領域(例えば、件名における予め定められた位置の文字)に含まれる。
続いて、データ管理サーバ12のメール取得部31は、メールサーバ11に対して電子メールの取得を要求する(S712)。続いて、メールサーバ11は、要求に応じて現在までに蓄積されている電子メールをデータ管理サーバ12に返信する(S713)。
続いて、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、取得した電子メールから添付ファイル(対象データ)を抽出する(S714)。続いて、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、抽出した対象データのデータ形式を変換して、出力データを生成する(S715)。
続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールの件名のデータを取得する(S716)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した件名データの予め定められた領域から学籍番号を取得する(S717)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した件名データの予め定められた領域から領域IDを取得する(S718)。
続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、出力データを記録する(S719)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、領域IDおよび学籍番号を含む出力データ管理情報を生成して、出力データに対応付けて記録する(S720)。
続いて、例えば学校Aのプリントサーバ22の出力データ取得部35は、データ管理サーバ12の第1管理部33に対して、自身に対応する領域ID(例えば“ID123”)を指定して、出力データの取得を要求する(S721)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、指定された領域IDに対応する出力データを特定する(S722)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、要求に応じて、指定された領域IDに対応する出力データおよび出力データ管理情報をプリントサーバ22の出力データ取得部35に返信する(S723)。なお、このとき、出力データ管理情報には、領域IDを含まなくてもよい。
一方、例えば学校Bのプリントサーバ22の出力データ取得部35は、データ管理サーバ12の第1管理部33に対して、自身に対応する領域ID(例えば“ID456”)を指定して、出力データの取得を要求する(S724)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、指定された領域IDに対応する出力データを特定する(S725)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、要求に応じて、指定された領域IDに対応する出力データおよび出力データ管理情報をプリントサーバ22の出力データ取得部35に返信する(S726)。
ステップS726以降、印刷システム10は、図6に示したステップS121からステップS130と同様の処理を実行して、出力データを印刷する。
図34は、第2実施形態のデータ管理サーバ12の処理フローを示す図である。まず、ステップS741において、第2実施形態のデータ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールの第1特定領域データを取得する。なお、第1特定領域データは、一例として、電子メールの件名のデータである。なお、件名に限らず、本文中の予め定められた位置のデータであってもよい。
続いて、ステップS742において、第1管理部33は、第1特定領域データから、第2特定領域データを取得する。第2特定領域データは、第1特定領域データの中の予め定められた位置のデータであり、例えば、先頭から予め指定された数の文字(例えば先頭から3文字)のデータである。第2特定領域データは、領域IDが含まれている位置のデータである。
続いて、ステップS743において、第1管理部33は、領域IDを照合する。続いて、ステップS744において、第1管理部33は、照合の結果、領域IDが存在したか否かを判断する。領域IDが存在しなかった場合には(ステップS744のNo)、ステップS745において、第1管理部33は、エラー処理(例えば、出力データの削除)をして、本フローを終了する。
領域IDが存在した場合には(ステップS744のYes)、ステップS746において、第1管理部33は、第1特定領域データから、第3特定領域データを取得する。第3特定領域データは、第1特定領域データの中の予め定められた位置のデータであり、例えば、第2特定領域データの次から末尾までの文字(例えば先頭から4文字目から最後までの文字)のデータである。第3特定領域データは、学籍番号が含まれている位置のデータである。
続いて、ステップS747において、第1管理部33は、出力データと、領域IDと、学籍番号とを対応付けて管理し、本フローを終了する。
以上のように第2実施形態に係る印刷システム10によれば、メールサーバ11に領域IDを含めた電子メールを送信することにより、複数の学内ネットワーク20のそれぞれの画像形成装置23に印刷をさせることができる。
図35は、第2実施形態のメールサーバ11に送信される電子メールの一例を示す図である。第2実施形態のメールサーバ11に送信される電子メールには、例えば、領域ID(“123”)の後に学籍番号(“001”)を組み合わせた文字が件名に記入される。なお、このような例に限らず、電子メールには、学籍番号の後に領域IDを組み合わせた文字が件名に記入されてもよい。また、例えば、件名に学籍番号を記入して、本文の予め定められた位置に領域IDを記入してもよい。どのような方法で記入するかは予め運用ルールとして決められている。
(第2実施形態の変形例)
図36は、第2実施形態の変形例のデータ管理サーバ12が記憶する領域ID管理情報のデータ構成例を示す図である。
図29〜図35で説明した例では、電子メールに領域IDを含める例を示したが、電子メールの宛先となるアドレスを学内ネットワーク20毎に変更して、クライアント端末25が、それぞれの学内ネットワーク20に対応付けられたアドレスに電子メールを送信する構成としてもよい。これにより、クライアント端末25は、電子メールに領域IDを記入しなくてもよい。
例えば、第2実施形態のデータ管理サーバ12は、図36に示すように、領域IDと、学校名と、対応するメールアドレスとを対応付けた領域ID管理情報を、学内ネットワーク20毎に記憶する。
図37は、第2実施形態の変形例に係る印刷システム10での、データ管理サーバ12が出力データを記録するまでの処理シーケンスを示す図である。まず、クライアント端末25は、対象データ、学籍番号を含む電子メールを、自身の学内ネットワーク20に割り当てられたアドレスを宛先としてメールサーバ11に送信する(S811)。
続いて、データ管理サーバ12のメール取得部31は、メールサーバ11に対して電子メールの取得を要求する(S812)。続いて、メールサーバ11は、要求に応じて現在までに蓄積されている電子メールをデータ管理サーバ12に返信する(S813)。
続いて、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、取得した電子メールから添付ファイル(対象データ)を抽出する(S814)。続いて、データ管理サーバ12のデータ変換部32は、抽出した対象データのデータ形式を変換して、出力データを生成する(S815)。
続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールの件名から学籍番号を取得する(S816)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得した電子メールのアドレスを取得する(S817)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、取得したアドレスから領域IDを取得する(S818)。
続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、出力データを記録する(S819)。続いて、データ管理サーバ12の第1管理部33は、領域IDおよび学籍番号を含む出力データ管理情報を生成して、出力データに対応付けて記録する(S820)。
ステップS820以降、印刷システム10は、図33に示したステップS721以降の処理と同様の処理を実行して、出力データを印刷する。
以上のように第2実施形態の変形例に係る印刷システム10によれば、領域IDを電子メールに含めなくても、学内ネットワーク20毎に割り当てられたアドレスに電子メールを送信することにより、複数の学内ネットワーク20のそれぞれの画像形成装置23に印刷をさせることができる。
(第3実施形態)
図38は、第3実施形態に係る印刷システム10の構成を示す図である。第3実施形態は、第1実施形態と略同一の機能および構成を有するので、略同一の機能および構成を有する部材については同一の符号を付けて、相違点を中心に説明をする。なお、第3実施形態に第2実施形態の内容を組み合わせてもよい。
第3実施形態に係る印刷システム10は、学内ネットワーク20と、企業内ネットワーク100と、メールサーバ11と、サービス提供システム110とを備える。
第3実施形態に係る印刷システム10では、学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100のユーザに対して、電子メールを利用したプルプリントサービスを提供する。また、さらに、第3実施形態に係る印刷システム10では、企業内ネットワーク100のユーザに対しては、通常のプルプリントサービスも提供する。
学内ネットワーク20は、図1に示した学内ネットワーク20と同様の構成である。すなわち、学内ネットワーク20は、画像形成装置23およびプリントサーバ22が設けられたネットワーク(第1ネットワーク)である。
企業内ネットワーク100は、例えば、企業内の機器を接続し、外部ネットワークからの機器からのアクセスを制限するネットワークである。なお、企業に限らず他の組織(公共組織またはコンビニエンスストアチェーン等)のネットワークであってもよい。
企業内ネットワーク100は、ファイアウォール21と、画像形成装置23と、クライアント端末25と、携帯端末26と、プロジェクター101と、その他出力装置102とを有する。プロジェクター101は、画像を投影して表示する。その他出力装置102は、印刷装置または投影装置等に限らず、他の出力装置の総称を意味する。なお、企業内ネットワーク100は、画像形成装置23を備えるが、プリントサーバ22を設けないネットワーク(第2ネットワーク)である。
サービス提供システム110は、インターネットを介して学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100のそれぞれに接続される。サービス提供システム110は、学内ネットワーク20に設けられた機器に対しては、データ管理サーバ12としての機能を提供する。すなわち、サービス提供システム110は、学内ネットワーク20に設けられた機器に対して、電子メールを用いたプルプリントサービスを提供する。
また、サービス提供システム110は、企業内ネットワーク100に設けられた機器に対しては、認証サーバ24としての機能を提供する。これとともに、サービス提供システム110は、企業内ネットワーク100に設けられた機器に対しても、電子メールを用いたプルプリントサービスを提供する。
サービス提供システム110は、アクセス制御装置111と、少なくとも1つのサービス提供装置112とを有する。
アクセス制御装置111は、学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100内の各機器が、サービス提供システム110にアクセスするための認証を行う。学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100内の各機器は、アクセス制御装置111による認証が成功すると、サービス提供装置112にアクセスすることができる。
複数のサービス提供装置112のそれぞれは、アクセスした機器に対して、所定のサービスを提供する。複数のサービス提供装置112のうちの一つは、プリントサービス提供装置として機能する。プリントサービス提供装置は、学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100に設けられた機器に対して、電子メールを利用したプルプリントサービスを提供する。
なお、それぞれのサービス提供装置112は、複数台の情報処理装置により構成されていてもよいし、内部の複数の装置が1台の情報処理装置により構成されていてもよい。
なお、サービス提供システム110の一部の機能が、学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100の内部に設けられていてもよい。また、学内ネットワーク20または企業内ネットワーク100の一部の機能が外部のネットワーク上に設けられていてもよい。
図39は、第3実施形態のサービス提供システム110の機能構成を示す図である。サービス提供システム110は、サービスアプリ部210と、プラットフォーム220と、管理データ部230とを有する。
サービスアプリ部210は、複数のサービスアプリを提供する。サービスアプリ部210は、例えば、プリントサービスアプリ241、および、他サービスアプリ242、243等を提供する。
複数のサービスアプリのうちの一つであるプリントサービスアプリ241は、学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100内の機器に対して電子メールを利用したプルプリントサービスおよび企業内ネットワーク100内の機器に対して通常のプルプリントサービスを提供する。また、他サービスアプリ242、243は、例えば、学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100内の機器に対してスキャンサービス等の各種のサービスを提供する。
なお、それぞれのサービスアプリは、プラットフォームAPI(Application Programming Interface)を介して、公開されている範囲で互いの機能を利用することができる。
プラットフォーム220は、複数のサービスアプリに共通する機能、および、複数のサービスアプリから利用される基本機能を含む。プラットフォーム220は、例えば、機器通信部251、認証処理部252、管理情報取得部253、メール取得部31およびデータ変換部32等を含む。
機器通信部251は、インターネットを介して学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100内の各機器とデータの送受信をする。機器通信部251は、一例として、クライアント端末25、携帯端末26およびプリントサーバ22のそれぞれとデータの送受信をする。また、機器通信部251は、一例として、企業内ネットワーク100内の、画像形成装置23、プロジェクター101およびその他出力装置102のそれぞれとデータの送受信をする。
認証処理部252は、サービス提供システム110に対してアクセスする機器の認証をする。また、認証処理部252は、企業内ネットワーク100内の機器を使用するユーザの認証をする。管理情報取得部253は、出力データの情報を取得する。
メール取得部31およびデータ変換部32は、データ管理サーバ12に備えられているものと同様の機能を提供する。
管理データ部230は、各種のデータを管理および記憶する。管理データ部230は、一例として、管理情報記憶部254と、第1記憶部34とを有する。管理情報記憶部254は、プラットフォーム220で獲得した情報を蓄積する。第1記憶部34は、データ変換部32により変換された出力データを記憶する。
このようなサービス提供システム110では、プリントサービスアプリ241が、プラットフォーム220の各処理部に処理を要求する。
図40は、第3実施形態のプリントサーバ22、画像形成装置23およびサービス提供システム110のブロック構成を示す図である。
プリントサーバ22は、第1実施形態において説明した構成に加えて、サービス利用アプリ261と、ログイン情報保持部264とをさらに有する。サービス利用アプリ261は、サービス提供システム110を利用するためのアプリケーションプログラムであり、ログイン要求部262と、サービス利用要求部263を含む。ログイン要求部262は、サービス提供システム110に対して認証を要求してログインする。サービス利用要求部263は、ログイン後に、サービス提供システム110からサービスの提供を受ける。具体的には、サービス利用要求部263は、プリントサービスアプリ241から出力データを取得する。
ログイン情報保持部264は、サービス提供システム110に対してプリントサーバ22がログインをするための情報を保持する。ログイン情報保持部264は、例えば、管理者のユーザIDおよびパスワード並びに機器認証情報を記憶しており、ログイン要求部262によるログイン時に用いられる。
企業内ネットワーク100内の画像形成装置23は、サービス利用アプリ261と、受付部265と、出力部266と、設定情報保持部267とを有する。サービス利用アプリ261は、プリントサーバ22が有するものと同様である。
受付部265は、ログイン時において、ユーザによるユーザIDおよびパスワードの入力を受け付けて、ログイン要求部262に受け渡す。出力部266は、サービス提供システム110から取得した出力データを印刷する。設定情報保持部267は、ログイン時に必要な機器認証情報および設定データ等を記憶する。
サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、方式判定部271と、第1管理部33と、処理要求部272と、方式情報記憶部273と、出力データ管理情報記憶部274とを含む。
方式判定部271は、プリントサーバ22または画像形成装置23からアクセスされた場合に、ユーザの特定方式が、メール情報(例えば件名)であるか、ユーザIDであるかを判定する。
第1管理部33は、出力データとユーザ特定情報とを対応付けて管理する。具体的には、第1管理部33は、学内ネットワーク20のユーザについては、出力データとユーザ特定情報(学籍番号)とを対応付けて管理する。また、第1管理部33は、企業内ネットワーク100のユーザについては、出力データとユーザIDとを対応付けて管理する。
処理要求部272は、プラットフォーム220に対して処理を要求する。方式情報記憶部273は、出力データとユーザ情報との対応付けの方式を出力データ毎に記憶する。出力データ管理情報記憶部274は、出力データを記憶する。
図41は、第3実施形態の管理情報記憶部254が記憶する組織管理情報のデータ構成例を示す図である。管理データ部230の管理情報記憶部254は、図41に示すように、組織コードと、組織名と、アドレス情報とを対応付けた組織管理情報を、組織毎に記憶する。
組織コードは、学内ネットワーク20または企業内ネットワーク100の組織を識別するためのコードであり、認証に用いられる。組織名は、学内ネットワーク20または企業内ネットワーク100の組織を表す名称である。アドレス情報は、電子メールを利用したプルプリントサービスを利用する場合の電子メールの宛先となるアドレスである。
図42は、第3実施形態の管理情報記憶部254が記憶するユーザ管理情報のデータ構成例を示す図である。管理データ部230の管理情報記憶部254は、図42に示すように、組織コードと、ユーザIDと、パスワードと、ロールと、アドレス情報と、出力設定とを対応付けたユーザ管理情報を、ユーザ毎に記憶する。
ロールは、管理者であるか一般の利用者であるかの識別情報である。アドレス情報は、そのユーザのメールアドレスである。出力設定は、そのユーザに対応付けられた印刷設定であり、例えば、両面印刷/片面印刷、カラー/白黒、集約印刷等の設定である。
なお、学校Aについては、電子メールを利用したプルプリントサービスを利用して印刷がされる。従って、プリントサーバ22がサービス提供システム110に対してアクセスする。従って、管理情報記憶部254には、学校Aについては、管理者のユーザ管理情報のみが登録されている。そして、プリントサーバ22は、管理者のユーザIDおよびパスワードによりサービス提供システム110にログインする。
図43は、第3実施形態の管理情報記憶部254が記憶する機器管理情報のデータ構成例を示す図である。管理データ部230の管理情報記憶部254は、図43に示すように、組織コードと、機器認証情報と、デバイス種別とを対応付けた機器管理情報を、機器毎に記憶する。機器認証情報は、機器毎に設定された認証情報である。サービス提供システム110は、機器の認証が成功しなければユーザの認証ができても、その機器からのログインを拒否する。
図44は、第3実施形態の方式情報記憶部273が記憶する方式情報のデータ構成例を示す図である。プリントサービスアプリ241の方式情報記憶部273は、図44に示すように、組織コードと、ユーザ特定情報と、データ提供方式とを対応付けた方式情報を、組織毎に記憶する。ユーザ特定情報には、ユーザを特定する方法が記述される。具体的には、ユーザ特定情報には、メール情報(件名)からユーザを特定するか、ユーザIDからユーザを特定するかが記述される。
データ提供方式は、プリントサーバ22または画像形成装置23に出力データを提供する単位を示す。データ提供方式には、一例として、同一の組織コードの出力データについて一括して転送する方法と、組織コードおよびユーザIDが一致する出力データを一括して転送する方法とがある。
図45は、第3実施形態の、ユーザ特定方式がメール情報の場合の出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。ユーザ特定方式がメール情報からである場合、第1管理部33は、図45に示すように、出力データIDと、組織コードと、ユーザ特定情報(学籍番号)と、出力データの格納場所(URL)とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に管理する。
図46は、第3実施形態の、ユーザ特定方式がユーザIDの場合の出力データ管理情報のデータ構成例を示す図である。ユーザ特定方式がユーザIDからである場合、第1管理部33は、図46に示すように、出力データIDと、組織コードと、ユーザ特定情報(ユーザID)と、出力データの格納場所(URL)とを対応付けた出力データ管理情報を、出力データ毎に管理する。
図47は、第3実施形態に係る印刷システム10での、プリントサービスアプリ241が出力データを記録するまでの処理シーケンスを示す図である。
まず、クライアント端末25は、対象データを含む電子メールをメールサーバ11に送信する(S911)。このとき、学内ネットワーク20のユーザは、電子メールの件名にユーザ特定情報(学籍番号)を記入する。企業内ネットワーク100のユーザは、特に記入をしなくてよい。
続いて、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、メール取得部31にメール取得を指示する(S912)。続いて、サービス提供システム110のメール取得部31は、メールサーバ11に対して電子メールの取得を要求する(S913)。続いて、メールサーバ11は、要求に応じて現在までに蓄積されている電子メールをサービス提供システム110のメール取得部31に返信する(S914)。続いて、メール取得部31は、プリントサービスアプリ241に取得したメールデータを渡す(S915)。
続いて、プリントサービスアプリ241は、データ変換部32に対して、メールデータおよび出力データIDを渡して、データ変換を要求する(S916)。続いて、データ変換部32は、取得した電子メールから添付ファイル(対象データ)を抽出し、抽出した対象データのデータ形式を変換して、出力データを生成する(S917)。続いて、データ変換部32は、出力データを記録し、出力データのURLを取得する(S918)。続いて、データ変換部32は、出力データIDおよびURLをプリントサービスアプリ241に渡して、データ変換が完了したことを通知する(S919)。
続いて、プリントサービスアプリ241は、取得したメールデータの送信元アドレスを取得する(S920)。続いて、プリントサービスアプリ241は、送信元アドレスを管理情報取得部253に渡して、組織コードの取得を要求する(S921)。続いて、管理情報取得部253は、送信元アドレスから組織コードを特定する(S922)。続いて、管理情報取得部253は、特定した組織コードをプリントサービスアプリ241に渡す(S923)。
続いて、プリントサービスアプリ241は、取得した組織コードから、ユーザの特定方式を判定する(S924)。具体的には、プリントサービスアプリ241は、学内ネットワーク20のユーザからの電子メールである場合には、メール情報(本例では件名)からユーザを特定する方式であると判定し、企業内ネットワーク100のユーザからの電子メールである場合には、ユーザIDからユーザを特定する方式であると判定する。
メール情報からユーザを特定する場合には、プリントサービスアプリ241は、件名データを取得する(S925)。続いて、プリントサービスアプリ241は、ユーザ特定情報を件名データとして、出力データを記録する(S926)。
一方、ユーザIDからユーザを特定する場合には、プリントサービスアプリ241は、管理情報取得部253に、組織コードおよび送信元アドレスを渡して、ユーザIDの取得を要求する(S927)。続いて、管理情報取得部253は、送信元アドレスに対応するユーザIDを特定する(S928)。続いて、管理情報取得部253は、取得したユーザIDをプリントサービスアプリ241に渡す(S929)。そして、プリントサービスアプリ241は、ユーザ特定情報をユーザIDとして、出力データを記録する(S930)。
図48は、第3実施形態のサービス提供システム110へのデータの投入時の処理フローを示す図である。
まず、企業内ネットワーク100のユーザが通常のプルプリント方式により印刷の対象データをサービス提供システム110へ投入する場合は、ステップS951から処理が開始される。この場合、まず、ステップS951において、サービス提供システム110は、ログイン認証(組織コード、ユーザIDおよびパスワードの認証)が成功したか否かを判断する。ログイン認証が失敗した場合(ステップS951の失敗)、サービス提供システム110は、処理をそのまま終了して、本フローを抜ける。
ログイン認証が成功した場合(ステップS951の成功)、続いて、ステップS952において、サービス提供システム110は、ユーザのクライアント端末25等から対象データを取得する。続いて、ステップS953において、サービス提供システム110は、取得した対象データに対してデータ変換が必要か否かを判断する。
変換が必要でなければ(ステップS953のNo)、サービス提供システム110は、対象データをそのまま出力データとして、処理をステップS955に進める。変換が必要であれば(ステップS953のYes)、ステップS954において、サービス提供システム110は、対象データを出力データに変換して、処理をステップS955に進める。そして、ステップS955において、サービス提供システム110は、出力データを、組織コードおよびユーザIDに対応付けて管理して、本フローを終了する。
一方、学内ネットワーク20または企業内ネットワーク100のユーザが電子メールを利用したプルプリントサービスの提供を受ける場合には、ステップS956から処理が開始される。この場合、まず、ステップS956において、サービス提供システム110は、電子メールを取得する。
続いて、ステップS957において、サービス提供システム110は、電子メールに添付ファイルとして付加された対象データを取得する。続いて、ステップS958において、サービス提供システム110は、対象データを印刷可能な出力データに変換する。
続いて、ステップS959において、サービス提供システム110は、ユーザ特定方式を判定する。ユーザ特定方式がユーザIDである場合には(ステップS959のユーザID)、サービス提供システム110は、処理をステップS955に進める。
ユーザ特定方式がメール情報である場合には(ステップS959のメール情報)ステップS960において、サービス提供システム110は、出力データを、組織コードおよびメール情報に対応付けて管理して、本フローを終了する。
図49は、第3実施形態の、学内ネットワーク20のプリントサーバ22がサービス提供システム110から出力データを取得する場合の処理シーケンスを示す図である。
まず、ステップS971において、プリントサーバ22のログイン要求部262は、サービス提供システム110の認証処理部252に対して、組織コード、ユーザID、パスワードおよび機器認証情報を送信して、認証を要求する。なお、ここで、組織コード、ユーザID、パスワードおよび機器認証情報は、プリントサーバ22のログイン情報保持部264に予め記憶されている。
続いて、ステップS972において、サービス提供システム110の認証処理部252は、認証を行う。続いて、ステップS973において、サービス提供システム110の認証処理部252は、認証結果(成功)をプリントサーバ22のログイン要求部262に返信する。
続いて、ステップS974において、プリントサーバ22のサービス利用要求部263は、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241に対して、出力データの取得要求を送信する。続いて、ステップS975において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、データ提供方式を判別する。プリントサーバ22がアクセスした場合には、同一の組織コードの出力データについて一括して転送する方法が選択される。
続いて、ステップS976において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、対応する組織コードの全ての出力データを取得する。そして、ステップS977において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、取得した全ての出力データおよび出力データ管理情報を、プリントサーバ22に送信する。
以降、プリントサーバ22は、図6のステップS121以降と同様の処理を実行して、画像形成装置23から出力データを印刷させる。
図50は、第3実施形態の企業内ネットワーク100の画像形成装置23がサービス提供システム110から出力データを取得する場合の処理シーケンスを示す図である。
まず、ステップS981において、企業内ネットワーク100の画像形成装置23の受付部265は、ユーザからのログイン要求(ユーザIDおよびパスワードの入力)を受け付ける。続いて、ステップS982において、画像形成装置23のログイン要求部262は、サービス提供システム110の認証処理部252に対して、組織コード、ユーザID、パスワードおよび機器認証情報を送信して、認証を要求する。
続いて、ステップS983において、サービス提供システム110の認証処理部252は、認証を行う。続いて、ステップS984において、サービス提供システム110の認証処理部252は、認証結果(成功)を画像形成装置23のログイン要求部262に返信する。
続いて、ステップS985において、画像形成装置23のサービス利用要求部263は、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241に対して、出力データの取得要求を送信する。続いて、ステップS986において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、データ提供方式を判別する。画像形成装置23がアクセスした場合には、同一の組織コード且つ同一のユーザIDの出力データについて転送する方法が選択される。
続いて、ステップS987において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、対応する組織コード且つ対応するユーザIDの出力データを取得する。続いて、ステップS988において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、取得した出力データの一覧を画像形成装置23に返信する。
続いて、ステップS989において、画像形成装置23の受付部265は、ユーザの操作に基づき、一覧の中から出力データの選択を受け付ける。続いて、ステップS990において、画像形成装置23のサービス利用要求部263は、選択された出力データの取得要求を送信する。
続いて、ステップS991において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、選択された出力データを取得する。続いて、ステップS992において、サービス提供システム110のプリントサービスアプリ241は、取得した出力データを画像形成装置23に送信する。そして、ステップS993において、画像形成装置23の出力部266は、受信した出力データを印刷する。
以上のように、第3実施形態に係る印刷システム10では、学内ネットワーク20および企業内ネットワーク100のそれぞれに対して、電子メールを利用したプルプリントサービスによる印刷を提供することができる。
本実施の形態のプリントサーバ22およびデータ管理サーバ12は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
本実施形態のプリントサーバ22およびデータ管理サーバ12で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態のプリントサーバ22およびデータ管理サーバ12で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のプリントサーバ22およびデータ管理サーバ12で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施の形態のプリントサーバ22で実行されるプログラムは、上述した各部(出力データ取得部35、ユーザ情報取得部36および第2管理部37)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、出力データ取得部35、ユーザ情報取得部36および第2管理部37が主記憶装置上に生成されるようになっている。なお、出力データ取得部35、ユーザ情報取得部36および第2管理部37は、一部または全部がハードウェアにより構成されていてもよい。
また、本実施の形態のデータ管理サーバ12装置で実行されるプログラムは、上述した各部(メール取得部31、データ変換部32および第1管理部33)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、メール取得部31、データ変換部32および第1管理部33が主記憶装置上に生成されるようになっている。メール取得部31、データ変換部32および第1管理部33は、一部または全部がハードウェアにより構成されていてもよい。
なお、本発明は、好適な実施の形態として、プリントを利用用途とした説明をしたが、本発明はプリントに限らず適用することができる。つまり、例えばユーザの自宅PCや携帯端末から学内ネットワークに対するアクセスが制限されているような環境において、学内ネットワークの装置が、外部ネットワークに存在する特定の装置に対してアクセスし、情報を取得することで、アクセスが制限されているPCや携帯端末等は特定の装置にデータを送信すれば学内ネットワークの装置にそのデータを取得させることができるようになる。印刷用途に限らず、WordファイルやPDFファイル等、自宅PCやタブレット端末等で作成したデータを、学内ネットワークの特定の装置から利用したいという場合にも本発明は適用できる。またさらに、ネットワークシステムにおいて用いた学内や企業内といった言葉に限定されるものでもなく、上述したようなネットワークシステム構成でなければ適用できないものでもない。