JP6171225B2 - 高性能チーグラー・ナッタ触媒系、該触媒系を製造するための方法、及びその使用 - Google Patents

高性能チーグラー・ナッタ触媒系、該触媒系を製造するための方法、及びその使用 Download PDF

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Description

本明細書に開示の実施形態は、概して、少なくとも2つの固体触媒成分と、内部ドナーであるジエーテル化合物との組み合わせを含む改良されたチーグラー・ナッタ触媒系であって、1つの固体触媒成分が、ポリマーの立体特異性を制御するための外部ドナーの役割を担う触媒系に関する。他の態様では、本明細書の実施形態は、オレフィンの重合のための該触媒系の使用に関する。
チーグラー・ナッタ触媒は、一般的に、触媒担体材料と遷移金属成分とからなる。この遷移金属成分は、通常、置換された4〜8族の遷移金属であり、チタニウム、ジルコニウム、クロム、又はバナジウムが一般に使われる。遷移金属は、多くの場合、TiCl等の金属ハロゲン化物として提供される。チーグラー・ナッタ触媒は、オレフィンの高収率重合を効率的に促進するために用いられる。オレフィンの重合において、触媒は多くの場合、有機アルミニウム助触媒と組み合わせて使用される。
プロピレンの重合を触媒するために用いられる場合、第3の成分の電子ドナーが、ポリマーの立体規則性を制御するために触媒中でよく用いられる。この電子ドナーは、その合成時に触媒に組み込まれてよいし(内部ドナー)、あるいは、重合反応時に重合反応器に添加されてもよい(外部ドナー)。いくつかの重合プロセスでは、内部ドナーと外部ドナーの両方を用いてもよい。各種芳香族エステル、ジエーテル、コハク酸エステル、アルコキシシラン及びヒンダードアミンは、内部及び/又は外部ドナーとして用いられている化合物の例である。
典型的な外部ドナーはアルコキシシランであり、これは、重合プロセス時にポリマーの立体特異性を制御するのに用いられる。ポリマーのアイソタクチシティの指標は、キシレン可溶分(XS)量である。十分な量のシランの存在下では、各外部ドナーが特有のXSプラトー、例えば1wt%のXSを示す。従って、XSは、外部ドナーの系を使い尽くすことによってのみ変化させることができる。残念なことに、XS量は、重合におけるシランの量を減らすと急激に上昇するので、工業規模での調節は懸念事項である。例えば、シラン濃度をわずかに変化させるだけで、XS値を4wt%ではなく10wt%にしてしまい、反応器のシャットダウンにつながる恐れがある。さらに、最悪なケースのシナリオとしては、フタル酸エステルを含む通常の触媒は、シラン不在下で、20wt%より高いXS値をもつポリマーを作り出す恐れがある。
チーグラー・ナッタ触媒で用いられる1つの周知の担体材料は、MgClである。MgCl材料は、エタノール(EtOH)と錯体をつくり得る。触媒を調製する際、EtOHのほとんど又は全てが、TiCl等の遷移金属ハロゲン化物と反応する。
例えば、米国特許第4,829,034(Iiskolan)は、チーグラー・ナッタ触媒と、MgCl−xEtOH(xは約3)担体を用いて該触媒を製造する方法とを記載する。Iiskolanでは、まず、担体材料を、D−i−BP(ジ−イソブチル−フタレート)等の内部ドナーと接触させる。その後、担体-D−i−BP錯体をTiClと組み合わせて触媒を形成する。
米国特許第6,020,279(Uwai)は、MgCl−xEtOH担体(x=1.5〜2.1)を製造することによってチーグラー・ナッタ触媒を製造する方法を記載し、この担体の平均粒径が91μmであることを記載する。この担体を、脂肪族溶剤の存在下120℃から135℃にて10分から10時間、TiCl等のチタンハロゲン化物及び内部電子ドナーと組み合わせる。内部ドナーとしては、ジ−イソブチル−フタレート(実施例)のようなエステルが好ましい。
皮膚や食物との接触が考えられるポリマーの製造のためにフタル酸エステル含有チーグラー・ナッタ触媒の使用に関連した、健康、環境及び安全問題のため、新しいチーグラー・ナッタ触媒の開発への2つ目の推進力となっているのが、現在広く使用されるフタル酸エステル含有チーグラー・ナッタ触媒と同一、又は少なくとも非常によく似た性能プロファイルを備えるポリマーを製造する非フタル酸エステル触媒バージョンを提供する必要性である。
内部ドナーであるフタル酸エステルをベースとするチーグラー・ナッタ触媒に代わるものとして周知なのは、各種マロン酸エステル、コハク酸エステル又はジエーテル化合物が使用されるバージョンである。残念なことに、このような代替的な内部ドナーの使用は、全く異なる性能プロファイルを備えるポリマーをもたらす。一例及び直接比較として、フタル酸エステル系チーグラー・ナッタ触媒の使用は、GPC多分散指数(PI)(分子量分布又はMw/Mnとも呼ぶ)が6.5から8のポリマーをもたらすが、内部ドナーとして特定のジエーテルを用いると、多分散指数ははるかに狭く(4.5から5.5)、内部ドナーとしてコハク酸エステルを用いると、多分散指数は10から15である(ポリプロピレンハンドブック、第2版、Nello Pasquini編集、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン、2005、18頁、表2.1、及び、P. Galli、G. Vecellio、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス:A部門:ポリマー・ケミストリー、第42巻、396-415(2004)、404-405頁及び表1)。
分子量分布は、ポリマーの最も重要な特性の1つである。このパラメータを変えることにより、ポリマーの結晶構造やポリマーの晶析速度は劇的に影響を受け、これは、与えられた用途に対するポリマーの交換可能性及び有用性に影響を及ぼす。一例として、シート、パイプ、フィルム、ラフィア等の押し出し成形用途又は熱成形に対して、分子量分布は広いほうが有利であるが、繊維や射出成形等の用途に対しては、分子量分布が狭いほうが有利であろう。加工業者は、フタル酸エステル系チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されるポリマーを加工することに慣れているので、このような触媒によって通常生み出される分子量分布を要求し、フタル酸エステルなしのチーグラー・ナッタ触媒が類似の分子量分布を供給することを期待する。残念なことに、従来技術のジエーテル系触媒は、分子量分布が狭すぎるポリマーを供給し、コハク酸エステル系触媒は、分子量分布があまりに広すぎるポリマーを供給する。
キシレン可溶分(XS)量は、ポリマーのもう1つの非常に重要な特性であり、ポリマーの立体特異性に対する指標である。このパラメータを変えることによっても、ポリマーの結晶構造及び晶析速度が劇的に影響を受け、与えられた用途に対する一定のポリマーの有用性に影響を与える。というのも、ポリマー樹脂の剛性及び強靱性、並びに加工時の挙動は、キシレン可溶分(XS)量によって広く支配されるからである。
外部ドナーとしては、アルコキシシランが広く使われる。これらの化合物は、ポリマーの立体特異性、従って、重合中に生成されるキシレン可溶分(XS)の量を制御する。キシレン可溶分(XS)の範囲は、通常、約1wt%と6wt%の間であり、ポリマーに対して指定された用途に依存する。1つの例として、2軸延伸フィルム(BOPP)等のフィルム用途の分野で用いられるポリマーの場合、XSは高くなければならない(3wt%から6wt%)。特定の射出成形用途の場合、ホモポリマー樹脂又は異相インパクトコポリマーのホモポリマー部分のXS量は、できるだけ低くなければならず、好ましくは1.5wt%未満、最も好ましくは1wt%又はそれより低い。繊維、ラフィア、熱成形及び薄壁射出成形等の用途で用いるためなど、他の重要なグレードは、2wt%と3wt%の間のXS値を必要とする。加工業者は、フタル酸エステル系チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されるポリマーの加工に慣れているので、このような触媒によって通常生み出されるキシレン可溶分量を要求し、フタル酸エステルなしのチーグラー・ナッタ触媒が類似のキシレン可溶分範囲を供給することを期待する。
残念なことに、従来技術のジエーテル系触媒は、キシレン可溶分量が高いポリマーを提供し、キシレン可溶分の量を減らすためにシランのような外部ドナーが用いられる場合、技術的に可能な減少は小さく、副作用として、触媒生産性が大幅に落ちる。典型的な例として、外部ドナーの添加なしのジエーテル触媒は、キシレン可溶分量が4wt%のポリマーを製造する。同じジエーテル触媒を外部ドナーと一緒に用いると、ポリマーのキシレン可溶分量を約2wt%まで減らすことができるが、同時に触媒生産率は、触媒1グラム当たりポリマー30kgから、触媒1グラム当たりポリマー15kgへと減少する。2wt%未満、及び、4wt%を超えるキシレン可溶分には届かず、よって、このような触媒は、特別な用途に対して使用できるだけで、ポリマー製造業者によって製造される多数のグレードに典型的なキシレン可溶分範囲全体をカバーする万能な触媒として用いることはできない。結果として、今日のジエーテル触媒はニッチ触媒であり、狭い分子量分布と約2.5wt%に固定されたキシレン可溶分量との組み合わせに一定の価値がある、繊維グレード等の特殊なポリマーの製造のために用いられる。
本明細書に開示の実施形態は、上述の欠点を克服する、オレフィンの重合及び共重合のための、少なくとも2つの固体触媒成分と、内部ドナーであるジエーテル化合物との組み合わせを含む非フタル酸エステル・チーグラー・ナッタ触媒系を提供し、チーグラー・ナッタ触媒の3つの必須成分、担体、遷移金属成分、及び内部ドナーを以下で述べるように組み合わせた、内部ドナーであるジエーテル化合物とともに少なくとも2つの固体触媒成分を選択する独特な方法を備えるチーグラー・ナッタ触媒系を提供する。結果として得られるチーグラー・ナッタ触媒系は、異常に高い活性、優れた水素反応及び立体選択性を有し、同時に、分子量分布はフタル酸エステル含有チーグラー・ナッタ触媒に匹敵し、ポリマーのキシレン可溶分量を0.5wt%と10wt%の間で調節できる。
いくつかの実施形態では、前記オレフィンポリマーの重合に有用な触媒系は、第1の固体触媒成分と第2の固体触媒成分を含んでよい。第1の固体触媒成分は、MgCl−xROH担体(ここで、xは約1から約10の範囲であり、ROHはアルコール、又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物である)と、4−8族の遷移金属と、ジエーテル内部電子ドナーとを含んでよい。第2の固体触媒成分は、球状のMgCl−xROH担体(ここで、xは約1から約10の範囲であり、ROHはアルコール、又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物である)と、4−8族の遷移金属と、ジエーテル内部電子ドナーとを含んでよい。前記第1の固体触媒成分は、2wt%より大きいキシレン可溶分(XS)値を有するプロピレンホモポリマーを製造し、前記第2の固体触媒成分は、2wt%未満のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する。
これらの固体触媒成分は、MgCl−xROH担体を用いて、本明細書の実施形態に従って形成されてよく、ここで、Rは、炭素数1〜10の直鎖、環状又は分岐の炭化水素構成単位、ROHはアルコール又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物であり、xは約1.5〜約6.0の範囲にある。いくつかの実施形態において、ROHはエタノール、又はエタノールと高級アルコールとの混合物であって、Rは、炭素数3〜10、例えば炭素数4〜10の、直鎖、環状又は分岐の炭化水素構成単位である。いくつかの実施形態において、xは約2.0〜約4.0の範囲にあり、例えば、約2.5〜約3.5、又は約2.95〜約3.35の範囲にある。
前記触媒成分は、4〜8族の遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、前記4〜8族の遷移金属は、置換された、チタン、ジルコニウム、クロム又はバナジウム等の4〜8族遷移金属であってよい。内部ドナーとして、ジエーテル化合物を用いてよい。
本明細書に記載の実施形態による、少なくとも2つの固体触媒成分と内部ドナーであるジエーテル化合物との組み合わせを含むチーグラー・ナッタ触媒系は、分子量分布がフタル酸エステル含有チーグラー・ナッタ触媒系に匹敵し、ポリマーのキシレン可溶分量を0.5wt%と10wt%の間で調節できると同時に、オレフィン重合反応の改良された活性性能、並びに良好な立体規則性及び水素感度を有することができる。
本明細書の実施形態はまた、少なくとも2つの固体触媒成分と内部ドナーであるジエーテル化合物との組み合わせを含む、改良されたチーグラー・ナッタ触媒系を作る方法に向けられる。一般的に、MgCl−xROHを、低温(−10℃〜+10℃)にてTiCl等の遷移金属ハロゲン化物で処理する。反応生成物を約80℃まで加熱し、ジエーテル化合物と接触させる。得られたプレ触媒を約105℃まで加熱し、一定期間、好ましくは約1〜3時間、その温度にて保持する。反応混合物をろ過し、有機溶媒で洗浄する。その後、好ましくは、昇温して固体触媒を有機溶媒/TiCl混合物で抽出する。触媒をヘプタン等の溶媒で洗浄し真空乾燥する。
本明細書に記載の改良された触媒系は、ポリプロピレン又は他の重合されたオレフィンを製造するために用いることができる。本触媒系は、少なくとも2つの固体触媒成分と、内部ドナーであるジエーテル化合物との組み合わせを含み、1つの触媒が、ポリマーの立体特異性を制御するための外部ドナーの役割を担う。従って、ポリマーの立体的特異性を制御するのに、シランを必要としない。本触媒系は、(i)XS値>2wt%のホモポリマーを製造する、ジエーテルを含む固体触媒成分又はジエーテルを含有する少なくとも2つの固体触媒成分の混合物、及び(ii)外部ドナーの役割を担う、XS値<2wt%のホモポリマーを製造する、ジエーテルを含む固体触媒成分、を含む。XS値の調節は、触媒成分(i)に対し0.01wt%と99.99wt%の間で変えることのできる固体触媒成分(ii)の変化によってなされる。本明細書に記載される触媒系は、良好な立体的特異性及びモルフォロジー(morphology)を有するポリマーを作りだしながらも、改良された活性性能と水素反応を示し、ポリマーのキシレン可溶分量を0.5wt%と10wt%の間で調節できる、立体的特異性の改良された制御を示す。
他の態様及び利点は、以下の明細書及び添付の請求項から明らかである。
図1は、プレ触媒調製物から本明細書の実施形態による活性化された触媒を抽出するために有用な装置の図である。
図2は、本明細書に記載の実施形態及び比較実施例に記載の触媒系に対する実験結果を示す。 図3は、本明細書に記載の実施形態及び比較実施例に記載の触媒系に対する実験結果を示す。 図4は、本明細書に記載の実施形態及び比較実施例に記載の触媒系に対する実験結果を示す。 図5は、本明細書に記載の実施形態及び比較実施例に記載の触媒系に対する実験結果を示す。
1つの態様において、本明細書に開示される実施形態は、少なくとも2つの固体触媒成分と内部ドナーであるジエーテル化合物との組み合わせを含む、オレフィンの重合に有用なチーグラー・ナッタ触媒系に関し、ここで、1つの固体触媒成分が、ポリマーの立体特異性を制御するための液体外部ドナー、例えばアルコキシランの役割を担う。本明細書で提供される、内部ドナーとしてジエーテル化合物を有する前記固体触媒成分は、MgCl−xROH担体を用いて形成され、ここで、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル又はオクチルのような炭素数1〜10の直鎖、環状又は分岐の炭化水素構成単位であり、ROHは、アルコール、又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物であり、好ましくは、ROHはエタノール、又はエタノールと高級アルコールの混合物であって、Rは、プロピル、ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル又はオクチルのような、炭素数3〜10の直鎖、環状又は分岐の炭化水素構成単位であり、好ましくは、ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル又はオクチルのような炭素数4〜10の直鎖、環状又は分岐の炭化水素構成単位であり、ここでxは、約1.5〜6.0、好ましくは約2.0〜4.0、より好ましくは約2.5〜3.5、さらにより好ましくは2.95〜3.35の範囲である。ROHがエタノールと高級アルコールの混合物である場合、エタノール:高級アルコールのモル比は、少なくとも80:20、好ましくは90:10、最も好ましくは95:5である。
いくつかの実施形態において、担体材料は、「球状のMgCl担体」であってよい。球状MgCl担体は、任意の所望する粒径を有してよい。いくつかの実施形態において、球状MgCl担体は、約10ミクロンから約200ミクロン、好ましくは20ミクロンから150ミクロン、より好ましくは30ミクロンから120ミクロン、さらにより好ましくは40ミクロンから90ミクロンの平均粒径(d50)を有する。球状MgCl担体は、US4,829,034(Iiskolan and Koskinen)又はUS5,905,050(Koskinen and Louhelainen)に従って、溶融MgCl−アルコール付加物の噴霧冷却によって製造してもよい。
本明細書に記載の、内部ドナーとしてジエーテル化合物を有する固体触媒成分は、4−8族遷移金属、好ましくは4−6族遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、この4−8族遷移金属は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、ニオブ、レニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、及びオシミウムの少なくとも1つであってよい。好ましい実施形態では、本触媒は、Ti、Zr、V又はCr、最も好ましくはTiを包含する。前記遷移金属は通常、塩化物、臭化物又はヨウ化物等のハロゲン化された形で提供される。塩化チタンが特に好ましい。
ジエーテル化合物を内部ドナーとして有する固体触媒成分は、撹拌しながら、低温度、好ましくは+10℃以下にて反応器内で、球状のMgCl担体を遷移金属成分に接触させることによって作ってよい。反応器に球状MgCl担体と遷移金属成分をいずれの順で充填してもよい、即ち、球状MgCl担体を先に加えてその後遷移金属成分を加えてもよいし、その反対でもよいが、遷移金属成分に球状MgCl担体を加えるのが好ましい。遷移金属成分は、脂肪族又は芳香族有機溶媒、好ましくは脂肪族炭化水素、最も好ましくは、ヘプタンのような直鎖脂肪族炭化水素、又はISOPAR−Hのような分岐の炭化水素の混合物で希釈することができる。球状MgCl担体は、ある期間にわたって、好ましくは約4分から約300分にわたって、反応器に加えられる。球状MgCl担体のMgの遷移金属に対するモル比は、1:100から1:5、好ましくは1:50から1:5、最も好ましくは1:25から1:5である。
球状MgCl担体と遷移金属成分の反応生成物は、約30℃と100℃の間の予め決められた温度までゆっくりと加熱される。好ましい実施形態では、反応器は、約2時間かけて、約40℃と90℃の間の温度まで加熱される。反応器が予め決められた温度に達したら、内部ドナーであるジエーテル化合物を反応器に加える。このプレ触媒をその後、少なくとも80℃、好ましくは100℃と125℃の間の温度まで、より好ましくは100℃と110℃の間の温度までさらに加熱して、その温度で、予め決められた期間、好ましくは約10分〜3時間保持される。その後、得られた混合物を、いくつかの実施形態では熱いまま、ろ過し、固体成分を単離する。この固体成分を有機溶媒で洗浄し、有機溶媒と遷移金属成分の混合物を用いて、又は純(neat)遷移金属成分を用いて、高温で処理する。ソックスレー抽出法を適用し、有機溶媒と遷移金属成分との混合物を用いることが好ましい。有機溶媒は、脂肪族又は芳香族炭化水素、好ましくは芳香族炭化水素、最も好ましくはTiClと同じ136℃の沸点をもつエチルベンゼンであってよく、気相及び抽出ゾーンにおいてTiClと有機溶媒の間に一定の比率を提供する。
1つの実施形態において、内部ドナーとしてジエーテル化合物を有する固体触媒成分を作る手順は以下を含んでよい:
a) MgCl−xROHを純TiClと、−30℃から+40℃、より好ましくは−20℃から+20℃、さらにより好ましくは−10℃から+10℃の間で、常にかき混ぜながら、TiClをMgCl−xROH/有機溶媒懸濁液にゆっくり加えることによって反応させる工程。
b) 上記反応混合物の温度を約30℃と100℃の間、好ましくは40℃と90℃の間まで上げて、ジエーテルドナー化合物を加え、約1〜3時間、少なくとも80℃までこの混合物を加熱し続ける工程。
c) 前記反応混合物を熱いままろ過し、固体のプレ触媒を得る工程。
d) 前記プレ触媒を、TiClとエチルベンゼンを(体積比約30:70、好ましくは20:80、最も好ましくは10:90で)使うソックスレー抽出法を用いて、1〜5時間、好ましくは1〜4時間、最も好ましくは1〜3時間、少なくとも100℃、好ましくは100〜135℃、最も好ましくは120〜130℃の温度にて抽出する工程。
e) ペンタン、ヘキサン又はヘプタンのような炭化水素で1回以上、ろ過及び洗浄し、その後、真空及び/又は30〜100℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜80℃の高温下で乾燥させる工程。
第2の実施形態において、本方法は以下を含む:
a) 純TiCl又は非芳香族炭化水素で希釈したTiClの冷却部分を調製する工程。
b) 前記純又は希釈したTiClを、常にかき混ぜながら、予め形成された球状MgCl−xROHの粒子をゆっくり加えることによって、−30℃〜+40℃、より好ましくは−20℃〜+20℃、最も好ましくは−10℃と+10℃の間で反応させる工程。
c) 前記反応混合物の温度を約30〜100℃、好ましくは約40〜90℃まで上げ、続いて内部電子ドナー化合物であるジエーテル化合物を添加し、この混合物を少なくとも80℃にて約1〜3時間加熱し続ける工程。
d) 前記反応混合物を、まだ熱いままろ過して固体のプレ触媒を得る工程。
e) 前記プレ触媒を、TiClとエチルベンゼンを(体積比約30:70、好ましくは20:80、最も好ましくは10:90で)使ったソックスレー抽出法を用いて、少なくとも100℃、好ましくは100〜135℃、最も好ましくは120〜130℃の温度にて、1〜5時間、好ましくは1〜4時間、最も好ましくは1〜3時間の間抽出する工程。
f) ペンタン、ヘキサン又はヘプタンのような炭化水素で1回以上、ろ過及び洗浄し、その後、真空及び/又は30〜100℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜80℃の高温下で乾燥させる工程。
ソックスレー抽出法は、当該技術分野において一般に周知である。例えば、図1に示すように、プレ触媒を、多孔質ガラスフリット72上に載せて、ソックスレー抽出器40のメインチャンバに投入することができる。ソックスレー抽出器40を、TiClとエチルベンゼンの混合物等の抽出溶媒74を含有するフラスコ66上に置く。この時、ソックスレーにはコンデンサ54が装備される。溶媒をヒーター70を介して加熱して還流させる。溶媒蒸気が蒸留アーム76を上に移動し、固体のプレ触媒を含有するフリット72を収容するチャンバ42へと流れ込む。コンデンサ54は、溶媒蒸気どれもが冷えて、固体材料を収容するガラス被覆されたチャンバ42に滴り落ちることを確実にする。このチャンバは、約100℃〜135℃、最も好ましくは120℃〜130℃の範囲の温度で保持され得る。プレ触媒を含有するチャンバは、温かい溶媒44でゆっくりと満たされる。その後、プレ触媒中のどんな汚染物質も、この温かい溶媒に溶け、加熱チャンバ66へと滴り落ち、触媒は残される。汚染物質をプレ触媒から抽出するための他のあまり好ましくない方法には、有機溶媒とTiClとの混合物を用いて、少なくとも100℃、好ましくは100〜135℃、最も好ましくは120〜130℃の温度で洗浄する工程が含まれるが、これに限定されるわけではない。有機溶媒は、脂肪族又は芳香族炭化水素、好ましくは芳香族炭化水素、最も好ましくはエチルベンゼンであってよい。本明細書はソックスレー抽出法についてのみ言及するが、本明細書の実施形態は、有機溶媒及び溶液中の遷移金属成分を用いるいかなる抽出法の使用も意図する。一例として、商業規模で触媒を製造するために、撹拌型ヌッチェ(Nutsche)フィルタドライヤを推薦する。これは、粗固体を付加的な容器に移す必要がなく、多目的ユニット1つだけで、抽出工程、それに続く洗浄工程及び乾燥工程を行うことができる。
第3の実施形態において、本方法は以下を含んでよい:
a) 純TiCl又は非芳香族炭化水素で希釈したTiClの冷却部分を調製する工程。
b) 前記純又は希釈したTiClを、常にかき混ぜながら、予め形成された球状MgCl−xROHの粒子をゆっくり加えることによって、−30℃〜+40℃、より好ましくは−20℃〜+20℃、最も好ましくは−10℃と+10℃の間で反応させる工程。
c) 前記反応混合物の温度を約30〜100℃、好ましくは約40〜90℃まで上げ、続いて内部電子ドナー化合物であるジエーテル化合物を添加し、この混合物を少なくとも80℃にて約1〜3時間加熱し続ける工程。
d) 前記反応混合物を、まだ熱いままろ過して固体のプレ触媒を得る工程。
e) 前記プレ触媒を、少なくとも一度、TiClとエチルベンゼンを(体積比約30:70、好ましくは20:80、最も好ましくは10:90で)使って、少なくとも100℃、好ましくは100〜135℃、最も好ましくは120〜130℃の温度にて、1〜5時間、好ましくは1〜4時間、最も好ましくは1〜3時間、反応させる工程。
f) ペンタン、ヘキサン又はヘプタンのような炭化水素で1回以上、ろ過及び洗浄し、その後、真空及び/又は30〜100℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜80℃の高温下で乾燥させる工程。
第4の実施形態において、本方法は以下を含んでよい:
a) 純TiCl又は非芳香族炭化水素で希釈したTiClの冷却部分を調製する工程。
b) 前記純又は希釈したTiClを、常にかき混ぜながら、予め形成された球状MgCl−xROHの粒子をゆっくり加えることによって、−30℃〜+40℃、より好ましくは−20℃〜+20℃、最も好ましくは−10℃と+10℃の間で反応させる工程。
c) 前記反応混合物の温度を約30〜100℃、好ましくは約40〜90℃まで上げ、続いて内部電子ドナー化合物であるジエーテル化合物を添加し、この混合物を少なくとも80℃にて約1〜3時間加熱し続ける工程。
d) 前記反応混合物を、まだ熱いままろ過して固体のプレ触媒を得る工程。
e) 前記プレ触媒を、少なくとも一度、純TiClを使って、少なくとも100℃、好ましくは100〜135℃、最も好ましくは120〜130℃の温度にて、1〜5時間、好ましくは1〜4時間、最も好ましくは1〜3時間の間、反応させる工程。
f) ペンタン、ヘキサン又はヘプタンのような炭化水素で1回以上、ろ過及び洗浄し、その後、真空及び/又は30〜100℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜80℃の高温下で乾燥させる工程。
本明細書の実施形態において有用な、好適なジエーテル内部ドナー化合物は、一般構造(I)によって表されてよい:
O−(CR−CR−(CR−OR (I)
ここで、R及びRは同じか又は異なっており、炭素数1〜約20の飽和又は不飽和の脂肪族基、又は炭素数6〜約20のアリール基からなる群から選択され、
n+m=2から4、
、R、R、R、R及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ水素原子、直鎖、環状又は分岐の炭化水素基、例えば、炭素数1〜約20のアルキル基、炭素数2〜約20のアルケニル基、炭素数6〜約20のアリール基、炭素数7〜約40のアリールアルキル基、炭素数7〜約40のアルキルアリール基又は炭素数8〜約40のアリールアルケニル基であり、1又はそれより多い、Si、B、Al、O、S、N又はPのようなヘテロ原子を含んでよく、及び/又はF、Cl又はBrのようなハロゲン原子を含んでよく、及び/又は前記2つのラジカルR及びRは炭化水素環系を形成してもよい。R及び/又はRは水素とは異なる。
本明細書の実施形態において有用な、好ましいジエーテル内部ドナー化合物は、構造(II)によって表される1,3−ジエーテル化合物であってよい:
O−CH−CR−CH−OR (II)
ここで、R及びRは同じか又は異なっており、炭素数1〜約20の飽和又は不飽和の脂肪族基からなる群から選択され、より好ましくは、炭素数1〜約10のアルキル基、さらにより好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、理想的にはメチル基又はエチル基、最も理想的にはメチル基であり、R及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ直鎖、環状又は分岐の炭化水素基、例えば、炭素数1〜約20のアルキル基、炭素数2〜約20のアルケニル基、炭素数6〜約20のアリール基、炭素数7〜約40のアリールアルキル基、炭素数7〜約40のアルキルアリール基又は炭素数8〜約40のアリールアルケニル基であり、1又はそれより多い、Si、B、Al、O、S、N又はPのようなヘテロ原子を含んでよく、及び/又はF、Cl又はBrのようなハロゲン原子を含んでよく、及び/又は前記2つのラジカルR及びRは炭化水素環系を形成してもよい。
より好ましくは、本明細書の実施形態において有用なジエーテル内部ドナー化合物は、構造(III)によって表される1,3−ジエーテル化合物であってよい:
O−CH−CR−CH−OR (III)
ここで、R及びRは同一であり、炭素数1〜約10のアルキル基からなる群から選択され、さらにより好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、理想的にはメチル基又はエチル基、最も理想的にはメチル基であり、R及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ直鎖、環状又は分岐の炭化水素基、例えば、炭素数1〜約10のアルキル基、炭素数2〜約10のアルケニル基、炭素数6〜約10のアリール基、炭素数7〜約40のアリールアルキル基、炭素数7〜約40のアルキルアリール基又は炭素数8〜約40のアリールアルケニル基であり、及び/又は前記2つのラジカルR及びRは、1又はそれより多い、Si、O、S、N又はPのようなヘテロ原子を含んでよい、炭化水素環系を形成してもよい。
好ましいジエーテル電子ドナー化合物の例としては、以下が挙げられる:2,2−ジ−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(シクロペンチルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−ノルボルニル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−フェニル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−フェニルメチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−プロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−secブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(2−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(メチルブチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−メチルブタ−2−イル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−2−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−3−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(2−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(4−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソペンチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ヘキシル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ヘキシル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ヘキシル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ヘキシル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(4−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;及び対応する1,3−ジエトキシプロパン類似化合物。
好適なジエーテル内部ドナー化合物のさらなる基は、以下を含む:9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,3,6,7−テトラメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジイソプロピルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジtertブチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,8−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジtertブチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジイソプロピルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2−メチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−4−メチルフルオレン;9,10−ジヒドロ−9,9−ジメトキシアントラセン;9,10−ジヒドロ−9,9−ジエトキシアントラセン;9,9−ジメトキシキサンテン;9,9−ジエトキシキサンテン;及び対応する9,9−ビス(エトキシメチル)−類似化合物。
好ましくは、前記ジエーテル電子ドナーは、2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−tert−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン又は対応する1,3−ジエトキシプロパン類似化合物又は9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン又は9,9−ビス(エトキシメチル)フルオレン等の化合物である。
また、本明細書の実施形態による固体触媒成分の調製においては、2又はそれより多いジエーテル内部電子ドナー化合物の混合物を用いてもよいが、ジエーテル内部ドナー化合物を1つだけ使用することが好ましい。
粒子状固体成分の調製において用いる場合、前記ジエーテルドナー化合物は、ハロゲン化マグネシウム化合物の1モル(each mole)に対し、約0.01〜約2モル、好ましくは約0.05〜約0.6モル、より好ましくは約0.1〜約0.3モルの量で用いることができる。
固体触媒成分を用いて製造されるポリマーの立体特異性、及びよってXS量はそれぞれ、合成手順及び/又は合成時に加えられるジエーテルの量によって調節してよい。
触媒系:
いくつかの実施形態において、本明細書の触媒系は、(i)XS値>2wt%のプロピレンホモポリマーを製造する、ジエーテルを含む第1の固体触媒成分、又はジエーテルを含む少なくとも2つの固体触媒成分の混合物、及び(ii)外部ドナーの役割を担う、XS値<2wt%のホモポリマーを製造する、ジエーテルを含む第2の固体触媒成分、を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の固体触媒成分は、約3wt%から約20wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造することができ;及び、他の実施形態においては、約4wt%から約10wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造することができる。いくつかの実施形態において、第2の固体触媒成分は、約0.1wt%から約2wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造することができ;他の実施形態においては、約0.5wt%から約1.5wt%の範囲にあるXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造することができる。いくつかの実施形態において、第1の固体触媒成分と第2の固体触媒成分はそれぞれ独立に、キシレン可溶分(XS)値(即ち、|XS−XS|)が1wt%以上異なるプロピレンホモポリマーを製造でき;他の実施例では2wt%以上;さらに他の実施形態では、3,5,7.5又は10wt%以上異なるプロピレンホモポリマーを製造できる。
得られるポリマーのXS値の調節は、第1の固体触媒成分に対する第2の固体触媒成分の量を変えることによって行うことができる。いくつかの実施形態では、第2の固体触媒成分に対する第1の固体触媒成分の比が、約100:1〜約1:100の範囲、例えば約100:1〜約1:1、又は約1:1〜約1:100の範囲であってよい。他の実施形態では、第2の固体触媒成分に対する第1の固体触媒成分の比が、約100:1〜約1:1の範囲、例えば約50:1〜約1:1、又は約10:1〜約1.1:1の範囲であってよく;さらに他の実施形態では、第2の固体触媒成分を、第1の固体触媒成分に対し、0.01wt%と99.99wt%の間、例えば、第1の固体触媒成分に対し、1wt%と99wt%の間、約5wt%から約95wt%、又は約10wt%から約90wt%で変化させてよい。全ての固体触媒成分は、同じジエーテル、又は異なるジエーテルを含んでよく、いくつかの実施形態では同じジエーテルの使用が好ましい。
本明細書に記載の触媒系は、前記少なくとも2つの固体触媒成分に加えて、さらに、助触媒として少なくとも1つのアルミニウム化合物を含んでよい。この(これらの)アルミニウム化合物に加えて、本明細書に記載の触媒系は、追加の外部電子ドナー化合物、例えばアルコキシシランを含まない。
好適なアルミニウム化合物の例としては、トリアルキルアルミニウム、及びアルキル基がアルコキシ基又はハロゲン原子、例えば塩素又は臭素原子で置換された、その誘導体が挙げられる。前記アルキル基同士は、同じであってもよいし異なっていてもよい。これらのアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基であってよい。好ましいトリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、又はメチルジエチルアルミニウム等の、アルキル基がそれぞれ1〜8の炭素を有するものである。トリエチルアルミニウムが最も好ましいアルミニウム化合物である。
触媒系の調製
本明細書に記載の触媒系を調製するために、助触媒であるアルミニウム化合物を固体触媒成分(複数)と、通常約0℃から200℃の範囲、好ましくは約20℃から約90℃の範囲の温度にて、約1から約100bar、特に約1から約40barの圧力で、任意の順番で別々に又は混合して一緒に接触させることができる。
好ましい実施形態において、触媒成分(複数)は、油又は液体モノマー、好ましくは液体プロピレン中に貯蔵され、追加の液体プロピレンと共に反応器に直接投与され、アルミニウム化合物は反応器に別に投与される。
好ましくは、アルミニウム化合物助触媒は、固体触媒成分の遷移金属に対するアルミニウム化合物の原子比が、約10:1から約800:1、特に約20:1から約200:1であるような量で加えられる。
重合
本明細書に記載の触媒系は、有利には、アルク−1−エン(alk-1-enes)の重合に用いることができる。好適なアルク−1−エンとしては、直鎖又は分岐のC2−C10アルケン、特に、エチレン、プロピレン、ブタ−1−エン、ペンタ−1−エン、ヘキサ−1−エン、ヘプタ−1−エン、オクタ−1−エン、ノナ−1−エン、デカ−1−エン等の直鎖のC2−C10アルク−1−エン、又は4−メチルペンタ−1−エンが挙げられる。同様に、これらのアルク−1−エンの混合物を重合してもよい。
内部ドナーとしてジエーテル化合物を有する少なくとも2つの固体触媒成分と、助触媒としてアルミニウム化合物を含む、本明細書に記載の触媒系は、プロピレンポリマー、つまり、プロピレンのホモポリマー並びにプロピレンと炭素数10までの1以上のさらなるアルク−1−エンとのコポリマーの両方の製造において使用するための優れた触媒系である。本明細書で用いるコポリマーという用語は、さらなる炭素数10までのアルク−1−エンがランダムに組み込まれているコポリマーにも用いる。これらのコポリマーにおいては、一般的に、コモノマー含有量が約15重量%未満である。コポリマーはまた、いわゆるブロック又はインパクトコポリマーの形であってもよく、これらは一般的に、少なくとも、プロピレンホモポリマー、又は炭素数10までのさらなるアルク−1−エンを15重量%未満含むプロピレンランダムコポリマーからなる母材と、炭素数10までのさらなるアルク−1−エンを15重量%〜80重量%含むプロピレンコポリマーの軟質相(ゴム相)とを含む。例えば、プロピレンのターポリマーをもたらすコモノマーの混合物も意図される。
プロピレンポリマーの製造は、アルク−1−エンの重合に好適な任意の一般的な反応器において、バッチ的に、又は好ましくは連続的に、すなわち、溶液中で、液体モノマーでのバルク重合を含む懸濁重合として、又は気相重合として、行うことができる。好適な反応器の例としては、連続撹拌型反応器、ループ型反応器、流動床反応器、及び水平又は垂直撹拌型粉体床反応器が挙げられる。重合は、一連の連続して連結された反応器か、又は並列の少なくとも2つの反応器で行われてよいと理解される。反応時間は、選択した反応条件に依存する。一般的に、反応時間は、約0.2〜約20時間、通常約0.5〜約10時間、最も好ましくは0.5〜2時間である。
一般的に、重合は、約20℃から約150℃、好ましくは約50℃から約120℃、より好ましくは約60℃から約95℃の範囲の温度にて、約1〜100bar、好ましくは約15〜約50bar、より好ましくは約20〜約45barの範囲の圧力で実施される。
得られるポリマーの分子量は、水素等の、重合の技術分野で普通に用いられる、ポリマー連鎖移動剤又は重合停止剤を加えることにより、広範囲にわたって制御及び調節することができる。さらに、トルエン又はヘキサン等の不活性溶媒、窒素又はアルゴン等の不活性ガスを加えたり、ポリプロピレン粉末等の粉末ポリマーを少量加えてもよい。
本明細書に記載の触媒系を用いて製造されるプロピレンポリマーの重量平均分子量は、一般的に、約10,000〜2,000,000g/モルの範囲であり、メルトフローレートは、約0.01〜2000g/10分、好ましくは約0.1〜100g/10分の範囲である。メルトフローレートは、230℃の温度にて、2.16kgの荷重下で、ISO1133に従い、試験計器から10分間に搾り出される量に相当する。一定の用途では、上記とは異なる分子量を求められることもあるかもしれないが、それも本明細書の実施形態の範囲内に含むことを意図している。
本明細書に記載の触媒系は、従来の触媒系と比べて、良好なモルフォロジーと高バルク密度を有するポリマーを製造するアルク−1−エンの重合を可能とする。さらに、本触媒系は、生産性の劇的な上昇を示す。
本明細書の実施形態による、ジエーテル内部ドナーを用いる触媒系は、内部ドナーとしてジエーテルを含む従来の触媒系によっては達成することのできない、0.5〜10wt%の範囲のキシレン可溶分量を有する、プロピレンホモポリマーとコポリマーを製造するために用いることができる。例えば、本明細書に記載の触媒系は、いくつかの実施形態において約1.0wt%;他の実施形態においては2wt%より大きい;さらに他の実施形態においては4wt%又は6wt%より大きいキシレン可溶分量を有するプロピレンポリマーを製造するために用いることができる。本明細書に開示の触媒系は、いくつかの実施形態において約0.5wt%から約10wt%の範囲;他の実施形態においては約1wt%から約6wt%の範囲;及びさらに他の実施形態においては約1.5wt%から約5wt%の範囲のキシレン可溶分量を有する、多数のグレードのプロピレンポリマーを製造するために用いることができる。キシレン可溶分の変動は、いくつかの実施形態では、上述のように、片方の又は両方の触媒成分の量を変化させることによって達成することができる。有利には、広範囲のプロピレンポリマーを、本明細書の実施形態に従って、触媒成分の相対量を変えて、及び/又はジエーテル内部電子ドナー含有量を調節して製造することができる。結果として、供給成分(つまり、外部ドナーを変えない等)の互換性(compatibility)や本明細書の触媒系からもたらされる他の要因が、グレード移行の容易さ、取り扱い材料の削減、及び当業者に認識されうる他の要因のため等、プラントの操業全体に大きな利益をもたらし得る。
少なくとも2つの重合工程で本明細書の実施形態によるジエーテル内部ドナーを用いる触媒系を用いて重合することができ、一般的に、少なくとも、プロピレンホモポリマー又はプロピレンランダムコポリマーの母材とプロピレンコポリマーゴムとを含む、ブロック又はインパクトコポリマーの場合、ポリマーのキシレン可溶分量は、プロピレンホモポリマー又はプロピレンランダムコポリマーの試料を用いて測定される。このような試料は、ホモポリマー又はランダムポリマーの重合工程の後、プロピレンコポリマーゴム部分を製造する前に、重合から引き出すことができる。このようなプロピレンホモポリマー又はプロピレンランダムコポリマーの母材成分は、いくつかの実施形態では、0.5から約3.5wt%、又は0.8から2.5wt%の範囲、さらに他の実施形態においては、約1.0から約1.8wt%の範囲のキシレン可溶分量を有する。
ポリマーのキシレン可溶分の量は、ISO16152に従って測定される。
キシレン可溶分は、沸騰するキシレン中でポリマー樹脂を加熱することによって分離することができる。冷却すると、ポリマーの結晶性部分が沈殿する。非結晶性画分は溶解したままで、これを「キシレン可溶分」(XS)とする。
本明細書に開示の触媒系を用いて得ることのできるポリマー、とりわけ、プロピレンホモポリマー、又は炭素数10以下の1又はそれより多いアルク−1−エンを有するプロピレンのコポリマーは、その良好な機械的特性により、有利には、パイプ、フィルム、繊維、又はモールディング、特にはフィルムの製造のために用いることができる。
実施例
触媒合成
触媒成分の合成のために用いられる一般的手順及び設備は、特許出願WO2009/152268A1に記載されており、これは本明細書に開示の実施形態に矛盾しない範囲で、参照することにより組み込まれる。
触媒は、球状MgCl−xEtOH(xは3.1)のスパン[d50/(d90−d10)]0.8の60ミクロン担体(d50)を用いて作った。特に言及しなければ、各触媒調製に対し、TiCl70wt%とヘプタン30wt%の混合物を、ガラス反応器に最初に充填して、約−5℃の温度まで冷却した。その後、MgCl−3.1EtOH担体を、温度を0℃以下に保ちながら約45分かけて加えた。各触媒に対し用いたMg/Tiのモル比を、以下に挙げる。
初期充填の実際の量は、それぞれの触媒調製運転に対しわずかに変動するが、初期充填は、特に断りのない限り、MgCl−3.1EtOH担体を10g用いることに基づいた。MgCl担体の添加後、温度を50℃又は80℃まで毎分ほぼ1℃で上昇させた。その後、内部ドナー(ID)、例えば、ジエーテル又はD−i−BP(ジ−イソ−ブチルフタレート)を加えた。各触媒に対し、内部ドナー(ID)のMgに対するモル比を以下に示す。
特に断りのない限り、懸濁液をその後105℃まで加熱し、そのまま1〜3時間維持した。その後、反応器の内容物をソックスレー抽出装置に移して、熱いままろ過し、ヘプタンで洗浄した。その後、プレ触媒を、エチルベンゼンとTiClの90/10体積混合物を用いて、混合物の沸点にて、約2時間ソックスレー抽出した。抽出後、触媒を、100mlヘプタンで3度洗浄し、2時間真空乾燥させ、これにより、残留溶媒量が、触媒成分及び比較触媒に対し2wt%未満となった。
1以上のパラメータを各触媒調製に対し変化させた。用いたパラメータ及び手順からの何らかの変更点を以下に示す。
触媒成分の合成
触媒成分1: Mg/Tiのモル比は1:21であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.25の2−イソプロピル−2−イソペンチル−ジメトキシプロパンを80℃にて加えた。懸濁液を105℃で1.5時間反応させた。
触媒成分2: Mg/Tiのモル比は1:21であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.35の2−イソプロピル−2−イソペンチル−ジメトキシプロパンを80℃にて加えた。懸濁液を105℃で3時間反応させた。
触媒成分3: Mg/Tiのモル比は1:20であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.25の2−イソプロピル−2−イソペンチル−ジメトキシプロパンを80℃にて加えた。懸濁液を105℃で3時間反応させた。
触媒成分4: Mg/Tiのモル比は1:20であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.15の2−イソプロピル−2−イソペンチル−ジメトキシプロパンを80℃にて加えた。懸濁液を105℃で3時間反応させた。
触媒成分5: Mg/Tiのモル比は1:20であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.15の9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを80℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を80℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で1時間反応させた。
触媒成分6: Mg/Tiのモル比は1:20であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.25の9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを80℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を80℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で1時間反応させた。
触媒成分7: Mg/Tiのモル比は1:20であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.25の9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを80℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を80℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で3時間反応させた。
触媒成分8: Mg/Tiのモル比は1:21であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.20の9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを80℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を80℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で1時間反応させた。
触媒成分9: Mg/Tiのモル比は1:10であるが、担体20gを90分かけて加えた。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.25の9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを80℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を80℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で3時間反応させた。
触媒成分10: Mg/Tiのモル比は1:21であった。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.15の9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを50℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を50℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で1.5時間反応させた。ヘプタン洗浄後、プレ触媒をソックスレー抽出しなかった。その代わりに、固体を150mlのTiClで、125℃にて2時間の処理を2度行った。
触媒成分11: Mg/Tiのモル比は1:10であるが、担体20gを90分かけて加えた。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.25の9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを80℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を80℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で1時間反応させた。エチルベンゼン洗浄後、プレ触媒をソックスレー抽出しなかった。その代わりに、固体を50mlのTiClと100mlのエチルベンゼンとの混合物で、125℃にて2時間の処理を2度行った。
内部ドナー(ID)としてフタル酸エステルを用いた、発明でない触媒の合成
比較触媒A: Mg/Tiのモル比は1:10であるが、担体20gを90分かけて加えた。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.25のジ−イソ−ブチル−フタレートを50℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を50℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で1.5時間反応させた。
比較触媒B: Mg/Tiのモル比は1:10であるが、担体20gを90分かけて加えた。内部ドナーとして、ID/Mg比が0.15のジ−イソ−ブチル−フタレートを50℃にて加えた。内部ドナーを添加した後、懸濁液を50℃で1時間保持した。その後懸濁液を105℃で1.5時間反応させた。
触媒成分のチタン、マグネシウム及び炭素含有量の重量パーセンテージを表1にまとめる。表の一番下に、比較例をのせた。
Figure 0006171225
重合試験
比較のフタル酸エステル系触媒と比べた触媒成分及び触媒系の性能を、バルク重合及び気相重合の両条件下で試験した。
特に記載がなければ、バルク重合試験は、ヘリカル攪拌器が備わった5リットル反応器、プロピレン1800グラム、任意で外部電子ドナー化合物2.0ml、1.3Mトリエチルアルミニウム(TEAl)9.0ml、及び水素0.5グラムを用いて行った。これらを以下の順で25℃にて反応器に加えた:水素の添加後、TEAl及び任意でシランを予め混ぜておいて、プロピレン900グラムを用いて反応器に流し込んだ。最後に、プロピレンの残り900グラムを用いて、触媒〜0.01グラムを加えた。200rpmで常にかき混ぜながら、反応器を素早く、通常10分以内に70℃まで加熱し、重合運転を、懸濁媒体である液体プロピレン中で1時間進めた。
バルク重合のために用いたのと同じベンチスケールの反応器を、気相重合に用いた。特に記載がなければ、気相条件下での添加の順番は同じであったが、プロピレン充填の量は〜180グラムに減らし、一方で2.5mlのTEAl、任意に外部ドナー化合物、及び水素0.5gを加えた。触媒を40℃で注入し、反応器を10分かけて75℃まで加熱するようプログラムした。系へのプロピレン導入を制御して、気相条件を保った。系を最終温度まで加熱するとき、反応容器内の圧力が、プロピレンが常に気相に留まるようにすることを保証する速度でプロピレンを加えた。気相条件を確実にするために、要求に応じて質量流量計を通して気体のプロピレンを加えながら、反応器の圧力を75℃で26.7barに保った。
外部ドナーとして、ドナー化合物のシクロヘキシル−(メチル)−ジメトキシシランとジシクロペンチル−ジメトキシシランを用いた;以下それぞれC及びDで示す。さらに、ジエーテル化合物の2−イソペンチル−2−イソプロピル−ジメトキシプロパンも、外部ドナーとして用いた。重合のために、全ての外部ドナーは0.1Mの溶液とするためにヘプタンで希釈した。
本発明によって、立体選択性を制御するために触媒系を用いる場合、全触媒成分の合計を基にした、触媒成分の相対質量比(RSC)について説明する。従って、以下の方程式が適用できる:
RSC=m(A)/[m(A)+m(B)+m(C)+…+m(Z)]
ここで:
RSC=触媒成分の相対質量比
m(A)=立体選択性を制御し、XSが2wt%未満のホモポリマーを製造する、触媒成分の質量
m(B),m(C),…,m(Z)=XSが2wt%より大きいホモポリマーを製造する、触媒成分の質量
例えば、XSが2wt%より大きいホモポリマーを製造する第1の触媒成分を8mgと、XSが2wt%未満のホモポリマーを製造する第2の触媒成分を2mgとを用いる場合、相対質量比(RSC)は0.2である。触媒系を構成するために、触媒成分は、反応容器に投入する前に予め混ぜた。
各種触媒成分及び/又は触媒系を用いて製造したポリプロピレンポリマーの物理的性質を、以下に記載の試験を用いて決定した。
活性
この研究を通して報告される活性結果は、1時間の重合で反応器に充填された触媒系の重量(グラム)で割ったポリマー収量(キログラム)に基づく。
キシレン可溶分(wt%XS)
キシレン可溶分は、当該産業界において周知のヴィスコテック(Viscotek)のフロー・インジェクタ・ポリマー分析(FIPA:Flow Injector Polymer Analysis)技術を用いて測定した。ヴィスコテックは、「ポリプロピレン及びインパクトコポリマーのキシレン可溶性判定のためのFIPA」と題される論文(ヴィスコテックのウェブサイトhttp://www.viscotek.com/applications.aspxから入手可能)を公開しており、ヴィスコテックのFIPA法は、0.3%〜20%のキシレン可溶分の範囲にわたって、ASTM法D5492−06(ISO16152に相当)と0.994rの相関関係があることを示している。従って、当業者は、ヴィスコテックのFIPA法か、ASTM法D5492−06のいずれかを用いて本発明の結果を再現できるであろう。ポリプロピレン中のキシレン可溶分の重量パーセントは、触媒成分又は触媒系の立体規則性を示し、wt%XSが高ければ高いほど、触媒の立体規則性は低くなる。BOPPフィルム製造工程のような用途に対しては、より高いXS値が求められる一方で、射出成形のような用途に対するXS値は低い。
メルトフローレート(MFR)測定
メルトフローレート効果は、ASTM法D1238−04を用いて測定した。5グラムのポリマー試料それぞれに対し、標準的な安定化パッケージを0.2グラム加えた。加えたパッケージは、50wt%のIrganox 1010と、50wt%のIrgafos 168からなる。試験中、ポリマーを230℃にて数分間空気にさらすので、このパッケージを添加して、ポリマーの熱酸化分解を抑制する。メルトフローレートは、ポリマーの分子量及び水素反応に関する情報を与える。MFRが高ければ高いほど、ポリオレフィンを製造した触媒の水素反応速度は大きくなる。同様に、MFRが高ければ高いほど、ポリマーの分子量は小さくなる。
分子量分布
多分散指数(PI)は、動的せん断試験、いわゆる動的振動掃引速度(DORS:Dynamic Oscillatory Rate Sweep)を用いて測定した。圧縮成形ディスクの形態の試料を、平行なプレート対プレート(plate-to-plate)形状の間に搭載する。測定は、T=210℃にて、0.1〜400rad/sの範囲の周波数で行った。数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の割合と相関がある、多分散指数(PI)を、以下の交差弾性率から計算する:
PI=10Pa/G、ここで、Gcは、交差周波数における動的貯蔵弾性率(G’)=動的損失弾性率(G’’)である。
昇温溶離分別
ポリマー試料の昇温溶離分別(TREF)を、組成センサーを備えた加熱型赤外線(IR)濃度検知器と毛細管粘度計検知器を搭載した、自動機器CRYSTAF−TREF 300(PolymerChar S.A., Valencia Technology Park, P.O. Box 176, Valencia, VA, E-46980, PATERNA, スペイン)を用いて行った。ポリマー溶液は、(300ppmの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールで安定化させた)1,2−ジクロロベンゼン中3±0.25mg/mlの濃度で、150℃にて約90分間で調製した。溶解工程を終えた後、試料を自動的にTREFのカラムに移し、そこで、安定化、結晶化及び溶出のサイクルが行われる。安定化時、カラムは、40℃/分で150℃から95℃へと冷却され、その後、この温度で45分間等温的に保持される。結晶化工程は、冷却速度0.5℃/分で95℃から35℃へと冷却することによって実施される。結晶化工程の終わりに、カラムは35℃で10分間安定化される。この安定化期間の後、カラムの内容物は10分間溶出され、可溶性画分が収集される。溶出工程は、溶媒のフローレートを0.5ml/分で一定に保ちながら、加熱速度1℃/分にて35℃から140℃まで行われる。PolymerCharが提供するソフトウェアを用いて、データの収集及び処理を行った。TREFプロットは、可溶性画分を含めた100%全体に対して正規化した。
重合試験に基づく触媒成分の活性
表2及び3は、上記触媒成分だけを用いて得られたバルク重合及び気相重合の結果をそれぞれまとめたものである。外部電子ドナー化合物(ED)としてのシランCの使用は、3列目に示される。比較例を表の最後に記載した。
Figure 0006171225
Figure 0006171225
表2及び3の結果は、明らかに、本発明の例示のジエーテル触媒成分が、重合プロセスにおいて外部電子ドナー化合物であるシランがなくとも、比較触媒Aより著しく高い活性と立体選択性を示した一方で、驚いたことに、多分散指数(PI)は、全ての触媒に対し同等であることを示す。
フタル酸エステルを含む触媒、例えば比較触媒Aを用いての高い立体選択性は、外部電子ドナー化合物の存在下でのみ得ることができる。XS値の低下と同時に、活性が著しく増加する。これらの条件下でさえ、ジエーテル触媒化合物は、広いXS範囲で、同等の又はより高い活性を示す。例えばバルク重合条件下では、触媒成分6は、立体構造調整剤(stereo modifier)がなくとも、54.6kg/g−catの活性を示し、比較触媒Aはシランの存在下で47.1kg/g−catの活性を示す一方で、両ホモポリマーのXS及びPI値は同等である(実施例5及び比較実施例2参照)。
触媒成分の立体選択性は、各種合成パラメータによって調節できる。1つは、合成に使用される内部ドナーのジエーテルの量であり、触媒成分2〜4で例示される(実施例2〜4及び12〜14参照)。この場合、合成中、ID/Mg比が増加するにつれて、立体選択性が高くなり、ポリマー中のXS値の低下をもたらす(表2及び3参照)。他の例示のパラメータは、反応時間と温度(80又は105℃)、Mg/Ti比、並びに適用した活性化方法である。
表4は、発明でない触媒系として、上述の本発明の触媒成分とシランを用いて得た比較例の気相重合結果をまとめたものである。重合には、水素0.05gとシラン0.3mlを加えた。外部電子ドナー化合物として、シランC又はDを用いた。
Figure 0006171225
表4は、比較触媒A及びBとは対照的に、シランの存在下では、ジエーテル系触媒成分の活性が大幅に減少する一方、XS値の低下で言い換えられる立体規則性の増加はあまり目立たないことを示す。例えば、気相重合条件下で、シランCを0.3ml用いると、比較触媒Aについては、29.3wt%から1.5wt%へXSの低下を引き起こすが、活性は1.7倍増加する(比較例4対比較例5)。触媒成分7について、XSは4.6wt%から2.9wt%にしか減少せず、同時に活性は最大40%減った(実施例17対比較例8)。
内部ドナーとしてフタル酸エステルを含む触媒の立体選択性並びに活性は、シランCをシランDで置き換えると増加し、これが、比較触媒Bに対するXS値の1.3wt%から0.6wt%へのさらなる低下をもたらす(比較例6対比較例7)。それにもかかわらず、シランDを用いてでさえ、2.5wt%未満のXS値は、内部ドナーとしてジエーテルを含有する触媒成分7では達成できない(比較例9)。よって、より低いXS値のためには、外部電子ドナーを用いる必要なしで、より低いXS値を生み出す別のジエーテル系触媒成分、例えば触媒成分1,3又は6を適用しなければならない(実施例11対比較例12;実施例13対比較例11;実施例16対比較例10)。
表5は、比較触媒B及び触媒成分7とシランCの反応の比較であり、用いたシランの量を1列目に示す。結果を図2にも示す。
Figure 0006171225
表5及び図2は、明らかに、内部ドナーとしてジエーテルを含有する触媒成分7の到達できるXS範囲が、内部ドナーとしてフタル酸エステルを含有する比較触媒Bに比べて限定的であることを示す。この場合、シランCを用いると、比較触媒Bは16〜約1wt%の到達可能なXS範囲を有するが、ジエーテル触媒成分7は、4.5〜2.2wt%の小さい範囲に限定される。よって、XSの低い又はより高い製品は製造することができず、これは到達可能な製品範囲を大きく制限する。
さらに、図2はまた、内部ドナーとしてフタル酸エステルを、外部電子ドナー化合物としてシランを含有する触媒系の欠点を示す。シランの量をわずかに変えるだけで、XS値が大幅に変わってしまう(比較触媒Bの比較例13対比較例14)。このような挙動は、ポリマーのXS量の大幅な変動なしに、商業プラントを稼働させることを、かなり厄介なものとする。
別の外部電子ドナー化合物の選択肢は、さらなるジエーテル化合物であってよいだろう。表6は、発明でない触媒系として、触媒成分1と、外部電子ドナー化合物である2−イソペンチル−2−イソプロピル−ジメトキシプロパンを用いて得られた重合結果をまとめたものである。用いた外部ドナーの量を2列目に示す。
Figure 0006171225
表6の結果は、外部電子ドナー化合物としてジエーテルを用いて、より低いXS値を得ることができることを示す。しかし、活性に関しては、シランに匹敵する、同様の強い減少が起こる。より低い活性を受け入れる場合でさえ、XS値の調節は、フタル酸エステル触媒と外部ドナー化合物であるシランとの組み合わせを用いた場合と同じくらい難しくなるであろう。
表7は、触媒系の重合結果をまとめたものであり、ここでは、XSの低いポリマーを製造する第2の触媒成分を、シラン又はジエーテルの代わりに、立体選択性制御剤として用いる。触媒成分の相対質量比(RSC)を0.5とした。
Figure 0006171225
表7にまとめたように、様々な触媒系が高活性を示す一方で、XS値は2つの触媒成分を用いることによって変えることができる。驚いたことに、XSが2wt%未満のホモポリマーを製造する第2のジエーテル系触媒成分は、触媒活性を維持しながら、外部電子ドナー化合物として働くシランに置き換わることができる。
表8は、XSが2wt%未満のホモポリマーを製造する触媒成分1の存在下での、ジエーテル系触媒成分4の重合結果をまとめたものである。この重合については、H濃度を0.03gに設定し、触媒成分の相対質量比(RSC)を2列目に示したように変化させた。XS値対RSCを図3にも示す。
Figure 0006171225
驚いたことに、立体選択性制御剤として、第2の「低XS」ジエーテル系触媒成分を用いると、XS値は予想外に容易に変えることができる。予想にかなり反して、XS値と立体選択性制御触媒の量の間に直線関係がある(図3参照)。これは、XSが2wt%を大幅に超えるホモポリマーを製造するジエーテル系触媒成分のXS範囲を拡大し、同時にXS値の上限及び下限を、触媒成分によってのみ与える。
図4に、90〜125℃の温度領域での、実施例29、32及び35の、昇温溶離分別(TREF)曲線を示す。これは、ポリマー鎖中、最長の結晶性/アイソタクチックシーケンスの分布を表す。最初の実施例(実施例29)及び最後の実施例(実施例35)は、単独の触媒成分4及び1をそれぞれ用いて製造されたポリマーの曲線であり、一方、実施例32は、相対質量比(RSC)が0.5の触媒成分を用いて製造されたポリマーである。さらに、実施例29及び35の曲線の相加平均を示すが、これは、当業者であれば、実施例32についても予測するであろう。
実施例32の溶出温度のピーク最大値は115.6℃であり、これは単独成分の間である。この値は、実施例29(114.2℃)と実施例35(116.4℃)の予測される相加平均(115.3℃)とよく一致している(図4も参照)。
予想にかなり反して、実施例32の曲線の広がりのなさが見られる。通常、当業者であれば、実施例35<29<32の順で、半値幅の増加を予測するであろう。よって、実施例32の曲線と、図4の予測される相加平均を比べると、TREFで評価したポリマーの特性は、低XSポリマーを製造する触媒成分が立体選択性を制御するために用いられる触媒系を用いることによって何らかの影響を受けている。
予想外に、図5は、2つのジエーテル触媒を用いる系(ボールドの曲線;実施例29,32及び35)を示し、TREFで評価したポリマーの曲線形状は、フタル酸エステル触媒及びシラン系(点線の曲線;比較例13,14及び16)に相当する。シラン又はジエーテル触媒成分を用いることとは独立に、重合における立体選択性制御成分の量の増加につれて、最大溶出温度は高くなり、これは半値幅の減少を伴う。
上で述べたように、本明細書に開示の実施形態は、内部ドナーであるジエーテル成分と、少なくとも2つの固体触媒成分との組み合わせを含み、1つの固体触媒成分が、ポリマーの立体特異性を制御するための、液体外部ドナー、例えばアルコキシランの役割を担う、独特な触媒系を提供する。有利には、本明細書に開示の実施形態は、優れた水素反応及び立体選択性、並びに立体特異性の改良された制御を有し、ポリマーのキシレン可溶分を0.5と10wt%の間に調節できる、チーグラー・ナッタ型の改良された触媒系を提供する。さらに、本触媒は、高い活性を有し、良好なモルフォロジーとバルク密度を有するα−アルク−1−エンのポリマーの製造を可能にする。
本開示は、限られた数の実施形態を含むが、この開示の利益を有する当業者は、本開示の範囲から逸脱しない他の実施形態が考案され得ることを認識するであろう。従って、本開示の範囲は添付の請求項の範囲によってのみ限定されるべきである。

Claims (25)

  1. 第1の固体触媒成分と、第2の固体触媒成分とを含む、プロピレン又はプロピレンコポリマーの重合に有用な触媒系であって、
    前記第1の固体触媒成分は、
    球状のMgCl−xROH担体、ここでxは1〜10の範囲であり、ROHはアルコール又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物であり;
    4〜8族の遷移金属;及び
    ジエーテル内部電子ドナー、を含み、
    前記第2の固体触媒成分は、
    球状のMgCl−xROH担体、ここでxは1〜10の範囲であり、ROHはアルコール又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物であり;
    4〜8族の遷移金属;及び
    ジエーテル内部電子ドナー、を含み、
    前記第1の固体触媒成分は、2wt%より大きいキシレン可溶分(XS)値を有するプロピレンホモポリマーを製造し;及び
    前記第2の固体触媒成分は、2wt%未満のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、触媒系。
  2. 前記第1の固体触媒成分が、3wt%から20wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項1に記載の触媒系。
  3. 前記第1の固体触媒成分が、4wt%から10wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項1又は請求項2に記載の触媒系。
  4. 前記第2の固体触媒成分が、0.1wt%から2wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒系。
  5. 前記第2の固体触媒成分が、0.5wt%から1.5wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒系。
  6. 前記触媒系が追加の内部又は外部ドナーを含まない、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒系。
  7. アルミニウム化合物助触媒をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の触媒系。
  8. 前記第1及び第2の固体触媒成分がそれぞれ独立に、10ミクロンから200ミクロンの範囲の平均粒径(d50)を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の触媒系。
  9. 前記第1及び第2の固体触媒成分のジエーテル電子ドナーがそれぞれ独立に、一般構造(I)によって表されるジエーテルである、請求項1〜8のいずれかに記載の触媒系:
    O−(CR−CR−(CR−OR (I)
    ここで、R及びRは同じか又は異なっており、炭素数1〜20の飽和又は不飽和の脂肪族基、又は炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択され、
    n+m=2〜4、
    及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ、任意に1又はそれより多いヘテロ原子Si,B,Al,O,S,N又はPを含み、及び任意にハロゲン原子F、Cl又はBrを含む、直鎖、環状又は分岐の炭化水素基、及び/又は、2つのラジカルR及びRが炭化水素環系を形成し、
    ,R,R及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ、水素原子、又は、任意に1又はそれより多いヘテロ原子Si,B,Al,O,S,N又はPを含み、及び任意にハロゲン原子F、Cl又はBrを含む、直鎖、環状又は分岐の炭化水素基である。
  10. 前記第1及び第2の固体触媒成分のジエーテル電子ドナーが、それぞれ独立に、一般構造(II)によって表されるジエーテルである、請求項1〜8のいずれかに記載の触媒系:
    O−CH−CR−CH−OR (II)
    ここで、R及びRは同じか又は異なっており、炭素数1〜20の飽和又は不飽和の脂肪族基からなる群から選択され、
    及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基及び炭素数8〜40のアリールアルケニル基からなる群から選択される直鎖、環状又は分岐の炭化水素基であり、任意に1又はそれより多いヘテロ原子Si、B、Al、O、S、N又はPを含み、及び/又は任意にハロゲン原子F、Cl又はBrを含み、及び/又は前記2つのラジカルR及びRは、炭化水素環系を形成する。
  11. 前記第1及び第2の固体触媒成分のジエーテル電子ドナーが、それぞれ独立に、一般構造(III)によって表されるジエーテルである、請求項1〜8のいずれかに記載の触媒系:
    O−CH−CR−CH−OR (III)
    ここで、R及びRは同一であり、炭素数1〜10のアルキル基からなる群から選択され、
    及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基及び炭素数8〜40のアリールアルケニル基からなる群から選択される直鎖、環状又は分岐の炭化水素基であり、任意で前記2つのラジカルR及びRは炭化水素環系を形成し、及び任意でR及びRは、1又はそれより多いヘテロ原子Si、O、S、N又はPを含む。
  12. 前記第1及び第2の固体触媒成分のジエーテル電子ドナーは、それぞれ独立に、2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−tert−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジエトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジエトキシプロパン;2,2−ジ−シクロペンチル−1,3−ジエトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジエトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジエトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−ジエトキシプロパン;2−エチル−2−tert−ブチル−1,3−ジエトキシプロパン;9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン;及び9,9−ビス(エトキシメチル)フルオレンからなる群から選択されるジエーテル又はジエーテルの混合物である、請求項1〜8のいずれかに記載の触媒系。
  13. 重合反応器において、プロピレン、及び任意に1又はそれより多いコモノマーを、請求項1〜12のいずれかに記載の触媒系と接触させて、プロピレンポリマーを製造する工程を含む、プロピレンの重合方法。
  14. 前記第1の固体触媒成分の、前記第2の固体触媒成分に対する割合を変えて、得られるプロピレンポリマーのXS値を変化させる工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1及び第2の固体触媒成分の少なくとも1つにおけるジエーテルの量を変えて、得られるプロピレンポリマーのXS値を変化させる工程をさらに含む、請求項13又は請求項14に記載の方法。
  16. 前記重合反応器に外部電子ドナーを供給することを含まない、請求項13〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記第1及び第2の固体触媒成分を独立に前記重合反応器に供給する工程をさらに含む、請求項13〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記第1の固体触媒成分の、前記第2の固体触媒成分に対する重量比が、100:1〜1:1の範囲にある、請求項13〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記第1の固体触媒成分の、前記第2の固体触媒成分に対する重量比が、10:1〜1.1:1の範囲にある、請求項13〜17のいずれかに記載の方法。
  20. 前記第2の固体触媒成分を、前記第1の固体触媒成分に対して0.01wt%と99.99wt%の間の量で用いる、請求項13〜18のいずれかに記載の方法。
  21. 第1の固体触媒成分と、第2の固体触媒成分とを含む、プロピレン又はプロピレンコポリマーの重合に有用な触媒系であって、
    前記第1の固体触媒成分は、
    MgCl−xROH担体、ここでxは1〜10の範囲にあり、ROHはアルコール又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物であり;
    4〜8族の遷移金属;及び
    ジエーテル内部電子ドナー、を含み、
    前記第2の固体触媒成分は、
    MgCl−xROH担体、ここでxは1〜10の範囲にあり、ROHはアルコール又は少なくとも2つの異なるアルコールの混合物であり;
    4〜8族の遷移金属;及び
    ジエーテル内部電子ドナー、を含み、
    前記第1の固体触媒成分及び前記第2の固体触媒成分が、独立に、1wt%以上異なるキシレン可溶分(XS)値を有するプロピレンホモポリマーを製造する触媒系。
  22. 前記第1の固体触媒成分及び前記第2の固体触媒成分が、独立に、2wt%以上異なるキシレン可溶分(XS)値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項21に記載の触媒系。
  23. 前記第1の固体触媒成分が、3wt%から20wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造し、前記第2の固体触媒成分が、0.1wt%から2wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項21又は22に記載の触媒系。
  24. 前記第1の固体触媒成分が、4wt%から10wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項2123のいずれかに記載の触媒系。
  25. 前記第2の固体触媒成分が、0.5wt%から1.5wt%の範囲のXS値を有するプロピレンホモポリマーを製造する、請求項2124のいずれかに記載の触媒系。
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