JP6168592B2 - 移動装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、自走ロボット等に利用される移動装置及びプログラムに関する。
近年、情報機器や半導体デバイス等の製品の小型化が進むに連れ、これら小型製品の量産を支える基盤技術として、微小な移動を制御できる小型移動装置の需要が高まっている。このような背景から、従来、圧電アクチュエータを駆動源とした精密自走機構(移動装置)の研究が行われている(特許文献1、非特許文献1)。
この研究では、一対のU字型のフレームを電磁石として交互に強磁性体性の走行面に吸着させ、アクチュエータの伸縮と同期させることで連続微動する尺取虫型の四点接地型移動装置の開発が進められている。これにより移動装置の小型化、軽量化を促進し、省エネルギー、低振動、定床面積、独立三自由度の経路生成を特長とする精密作業の実現が期待されている。
特開2011−189427号公報
小林賢史、青山尚之、渕脇大海「小型自走機械群による超精密生産機械システム―第110報 二枚の板バネを用いた四点接地機構の開発―」2008年度精密工学会春季大会学術講演会論文集、p.85−86
ところで、特許文献1及び非特許文献1に示す従来の四点接地型の移動装置では、その駆動中、本体が二本の軸足のみで吸着して固定される時間帯が存在するため、特に荷重搭載時においては、そのタイミングごとにU字型フレームの姿勢が傾倒する場合がある。そうすると、移動装置の動機構に対する制御のバランスが崩れ、移動距離の減少、直進性の悪化、振動の発生、その他特性のバラつき等を誘発し、微細制御が困難になるという問題が生じる。この問題を解決する手段としては、例えば移動装置の接地点数を増やし、移動装置本体が少なくとも三本の軸足で吸着して固定されるようにする手法が考えられる。しかしながら、移動装置の接地点数を増やそうとすると、必然的に当該移動装置の動機構は煩雑化し、当該同機構を構成する動力素子の搭載点数を増加させることになる。そうすると、制御の仕方によっては、各々の動力素子が与える動力が自装置本体に対して互いに相反する作用を及ぼし合うなどして、移動装置に過剰な負荷を与えてしまうようなケースが発生し得る。また動力素子の搭載点数が増加すると、当該動力素子ごとの伸縮特性のバラつきや組立バラつき等に起因して、移動距離の減少や直進性の悪化等、上記と同等の問題を誘発する原因となってしまう。
そこでこの発明は、上述の問題を解決することのできる移動装置及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたもので、走行面上に配される複数の脚部を有する第一フレームと、前記走行面上に、前記第一フレームの前記脚部と隣り合うようにして配される複数の脚部を有する第二フレームと、互いに隣り合う前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部を連結するとともに、伸縮して前記脚部同士の離間距離を変更可能とする複数の弾性を有するアクチュエータと、前記第一フレームの前記脚部または前記第二フレームの前記脚部を一時的に走行面に固定する固定手段と、前記アクチュエータのバネ係数及びオフセットによって入力電圧が決まる電圧制御に基づいて、前記入力電圧に応じた前記アクチュエータにおける伸縮量と、当該アクチュエータが連結する脚部どうしの離間距離の伸縮量と、を前記アクチュエータの全てについて常に等しくする条件を満たしながら、前記複数のアクチュエータの各々を伸縮させて、前記第一フレームと前記第二フレームとを相対移動させる駆動制御部と、を備えることを特徴とする移動装置である。
本発明によれば、駆動制御部の制御により、第一フレームの脚部と第二フレームの脚部との間に作用させる力が略一定となる条件を満たしながら、複数のアクチュエータの各々を伸縮させるので、第一フレームまたは第二フレームを相対移動させる場合において、各アクチュエータが互いに相反するような力を発生させることがない。したがって移動装置を、自装置に過剰な負荷を与えないように駆動させることができる。
また本発明は、上述の移動装置において、前記駆動制御部が、前記複数のアクチュエータの各々における伸縮量と、当該複数のアクチュエータの各々が連結する前記脚部同士の離間距離の伸縮量と、を前記複数のアクチュエータの全てについて常に等しくするような制御に従って、前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部との間に作用させる力が略一定となる条件を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、駆動制御部の制御により、各アクチュエータにおける伸縮量と、当該アクチュエータの各々が連結する脚部同士の離間距離の伸縮量と、が全てのアクチュエータについて常に等しくなる。したがって、第一フレームの脚部と第二フレームの脚部との間に作用させる力が略一定となる条件がより具体的に実現される。
また本発明は、上述の移動装置において、前記第一フレームが、前記脚部を放射状に伸びるようにして少なくとも三つ有し、前記第二フレームが、前記脚部を、それぞれが前記第一フレームの前記脚部の間に配置されるように、放射状に伸びるようにして少なくとも三つ有することを特徴とする。
本発明によれば、第一フレーム及び第二フレームにより、移動装置がその駆動中において常に三つの脚部で支持される。したがって、移動装置本体の傾倒を防止することができる。また移動装置を、当目的を達成する上で簡素な構成とすることができる。
また本発明は、上述の移動装置において、前記複数のアクチュエータが、前記第一フレームの各脚部と、これと隣り合う前記第二フレームの各脚部と、の間の各々に一つずつ、計六個備えられていることを特徴とする。
本発明によれば、各アクチュエータのそれぞれが幾何学的な対称性をもって各脚部の間に配置される。したがって、アクチュエータごとの組立バラつきや伸縮特性のバラつき、熱膨張が相殺され、移動距離の減少、直進性、位置決め再現性、位置決め精度、振動の発生等を改善することができる。
また本発明は、上述の移動装置において、前記複数のアクチュエータが、入力する電気信号に応じて伸縮するとともに、自身に作用する力に対して弾性変形可能な弾性体であって、前記駆動制御部が、当該複数のアクチュエータが前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部との間に作用させる力を略一定とする条件を満たすように前記電気信号を前記アクチュエータの各々に出力することを特徴とする。
本発明によれば、各アクチュエータが電気信号に応じて伸縮するので、各アクチュエータの伸縮を電気的に制御することができる。また各アクチュエータが弾性体であるので、アクチュエータごとの伸縮特性のバラつき、組立バラつき、熱膨張を弾性により吸収することができる。また電気信号のノイズ等に起因する異常動作が生じても、当該弾性により吸収することで外乱に対する静的・動的な位置決め性能のロバスト性を向上させ、さらに故障を防止し、耐久性を向上させることができる。
また本発明は、上述の移動装置において、前記固定手段が、前記第一フレームまたは前記第二フレームの各脚部に磁力を発生させ、当該脚部を一時的に走行面に固定するコイルであることを特徴とする。
本発明によれば、コイルに電流を流すことで第一フレームまたは第二フレームの各脚部に磁力を発生させ、当該磁力により走行面に吸着固定させる。したがって、移動装置の駆動を電気的に制御することができる。
また本発明は、走行面上に配される複数の脚部を有する第一フレームと、前記走行面上に、前記第一フレームの前記脚部と隣り合うようにして配される複数の脚部を有する第二フレームと、互いに隣り合う前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部を連結するとともに、伸縮して前記脚部同士の離間距離を変更可能とする複数の弾性を有するアクチュエータと、前記第一フレームの前記脚部または前記第二フレームの前記脚部を一時的に走行面に固定する固定手段と、を備える移動装置のコンピュータを、前記アクチュエータのバネ係数及びオフセットによって入力電圧が決まる電圧制御に基づいて、前記入力電圧に応じた前記アクチュエータにおける伸縮量と、当該アクチュエータが連結する脚部どうしの離間距離の伸縮量と、を前記アクチュエータの全てについて常に等しくする条件を満たしながら、前記複数のアクチュエータの各々を伸縮させて、前記第一フレームと前記第二フレームとを相対移動させる駆動制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
本発明によれば、より精度の高い移動性能で走行面を移動する移動装置を提供することができる。
本発明の一実施形態による移動装置の斜視図である。 本発明の一実施形態による移動装置の上面図である。 本発明の一実施形態による第一フレームの上面図及び正面図である。 本発明の一実施形態による第二フレームの上面図及び正面図である。 本発明の一実施形態による接地部材の正面図である。 本発明の一実施形態によるアクチュエータの構造及び機能を説明する図である。 本発明の一実施形態による移動装置の効果を説明する図である。 本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第一の図である。 本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第二の図である。 本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第三の図である。 本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第四の図である。 本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第五の図である。 本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第六の図である。 本発明の一実施形態による移動装置の動力学モデルを説明する図である。 本発明の一実施形態による移動装置の半動作ステップの挙動を説明する第一の図である。 本発明の一実施形態による移動装置の半動作ステップの挙動を説明する第二の図である。 本発明の一実施形態による移動装置を開ループで八方向に並進動作させた場合の実験結果を示す第一の図である。 本発明の一実施形態による移動装置を開ループで八方向に並進動作させた場合の実験結果を示す第二の図である。 本発明の一実施形態による駆動制御部の制御の算出に用いた各定数の値を示す図である。 本発明の一実施形態による移動装置の並進移動時における変動係数と経路長を示す図である。 本発明の一実施形態による移動装置をその場回転させた場合の実験結果を示す第一の図である。 本発明の一実施形態による移動装置をその場回転させた場合の実験結果を示す第二の図である。 本発明の一実施形態による移動装置をその場回転させた場合の理論値と実験値の比較を示す図である。
以下、本発明の一実施形態による移動装置を、図面を参照して説明する。なお以下の説明においては走行面に直交する座標成分をZ軸で表し、走行面の法線方向(移動装置が置かれる側)を+Z方向、その反対方向を−Z方向とする。また走行面の接線方向を、互いに直交するX軸(±X方向)、Y軸(±Y方向)で定義する。
(移動装置の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態による移動装置の斜視図である。また図2は、本発明の一実施形態による移動装置の上面図である。これらの図において、符号1は移動装置である。
図1及び図2に示すように、本実施形態による移動装置1は、第一フレーム10と第二フレーム11を備えている。第一フレーム10は、三方向に放射状に伸びるように三つの脚部100a、100b、100cを有してY字型に形成されている。また第二フレーム11は、第一フレーム10と同様に、三つの脚部110a、110b、110cを有してY字型に形成されているが、当該脚部110a、110b、110cのそれぞれは、第一フレーム10の脚部100a、100b、100cのそれぞれの間に配置される。
また第一フレーム10は、放射状に三方向に伸びた脚部100a、100b、100cの各端部においてさらに−Z方向に延伸し、走行面と接地する接地部材20a、20b、20cを備えている。同様に第二フレームは、放射状に三方向に延伸する脚部110a、110b、110cの各端部においてさらに−Z方向に延伸し、走行面と接地する接地部材21a、21b、21cを備えている。なお以降の説明では、脚部100a、100b、100cを総称して単に「脚部100」と、脚部110a、110b、110cを総称して単に「脚部110」と表記する。また接地部材20a、20b、20cを総称して単に「接地部材20」と、接地部材21a、21b、21cを総称して単に「接地部材21」と表記する。
また、図1及び図2に示すように、移動装置1は、第一フレーム10の各脚部100と第二フレーム11の各脚部110との間に連結されるアクチュエータ30F、30L1、30R1、30L2、30R2、30Bを備えている。各アクチュエータ30F、30L1、30R1、30L2、30R2、30Bは、それぞれ隣り合う脚部同士(脚部110bと脚部100c、脚部100cと脚部110c、脚部110bと脚部100b、脚部110cと脚部100a、脚部100bと脚部110a、脚部100aと脚部110a)の間に、板部材50a、50b並びに固定具60(後述)を介して連結される。なお以降の説明では、これらアクチュエータ30F、30L1、30R1、30L2、30R2、30Bを総称して単に「アクチュエータ30」と表記する。
アクチュエータ30は、駆動制御部2(図1、図2)からの所定の電気信号に基づいて伸縮し、脚部100、110同士の離間距離を変更可能とする機能部である。アクチュエータ30(動力素子300)の具体的な構成及び当該伸縮動作に伴う機能については後述する。なお本実施形態によるアクチュエータ30は、図1及び図2に示すように、脚部100と脚部110の間の各々において直列に連結された二つの動力素子300で構成されるものとする。ただし本実施形態による移動装置1の各アクチュエータ30はこの態様に限定されることはなく、一つの動力素子300のみで構成されるものであってもよいし、三つ以上の動力素子300で構成されるものであってもよい。
駆動制御部2は、各アクチュエータ30に所定の電気信号を出力し、各々を伸縮させて、第一フレーム10と第二フレーム11とを相対移動させる機能部である。駆動制御部2は、複数のアクチュエータ30の各々が、第一フレーム10の脚部100と第二フレーム11の脚部110との間に作用させる力(各アクチュエータ30の発生力)が略一定となる条件を満たしながらアクチュエータ30の各々を伸縮させることを特徴としている。ここで駆動制御部2が出力する電気信号の波形パターンについては後述する。なお以降の説明では、上述した「複数のアクチュエータ30の各々が、第一フレーム10の脚部100と第二フレーム11の脚部110との間に作用させる力が略一定となる条件」を「内力の準一定化条件」とも記載することとする。
上述した通りアクチュエータ30は、板部材50a、50b及び固定具60を介して第一フレーム10の各脚部100及び第二フレーム11の各脚部110の間に連結固定される。ここで板部材50aは第一フレーム10、第二フレーム11の上面側(図2紙面手前側)からボルトで連結される。一方、板部材50bは第一フレーム10、第二フレーム11の下面側(図2紙面奥手側)から、上記板部材50aと各脚部100、110を挟むように対向してボルトで連結される。また固定具60は、上記板部材50a及び50bに挟持されるように上下からボルトで締結されて固定されている。固定具60は、走行面に対して垂直な側面にボルトを通す孔が設けられており、各アクチュエータ30はボルトで、当該固定具60の走行面に対して垂直な側面において連結されている。なお以降の説明では、板部材50a、50bを総称して単に「板部材50」と記載する。
また図1及び図2に示すように、第一フレーム10は、放射状に三方向に延伸する各脚部100のそれぞれにコイル40を備えている。同様に第二フレーム11は、放射状に三方向に延伸する各脚部110のそれぞれにコイル41を備えている。コイル40は、後述するように、自身に電流が流れることで第一フレーム10を電磁石として機能させ、その脚部100及び接地部材20に磁力を発生させる。同様にコイル41は、自身に電流が流れることで第二フレーム11を電磁石として機能させ、その脚部110及び接地部材21に磁力を発生させる。このようにすることで、移動装置1は、強磁性体からなる走行面へ各接地部材20、21を交互に吸着、離脱させながら、上記アクチュエータ30の伸縮と連動させることで走行面を走行することができる。
(第一フレームの構造)
図3は、本発明の一実施形態による第一フレームの上面図及び正面図である。この図において、図3(a)は上面図、図3(b)は正面図である。
図3(a)に示すように、第一フレーム10は、平面視Y字型の部材であり、中心部104から脚部100a、100b、100cが棒状に、互いになす角度(120°)を等しくして放射状に延伸して形成される。なお、本実施形態による第一フレーム10の素材は、磁性材料として3%ケイ素鋼を選択している。これは、移動装置1の動作原理上、第一フレーム10が電磁石の鉄心として機能することを鑑みて、磁気ヒステリシスが小さい材料を選択するためである。ここで磁気ヒステリシスが大きい材料を選択すると、コイル40の電流を切断した際における鉄心(第一フレーム10)の残留磁化が大きくなり、移動装置1の運動を阻害してしまう。ただし、本発明の他の実施形態においては、同等の目的が達成することができれば、他の材料を選択しても構わない。なお、第一フレーム10の表面には腐食防止の目的で、例えばニッケルなどのめっき処理が施されてもよい。
また、図3(a)、(b)に示すように、第一フレーム10は、脚部100a、100b、100cの端部それぞれに接地部材20a、20b、20cを固定するための貫通孔101a、101b、101cを有している(以下、貫通孔101a、101b、101cを総称して単に「貫通孔101」と記載する。)。貫通孔101a、101b、101cは、それぞれ後述する接地部材20a、20b、20cを固定するための孔であり、当該接地部材20の長手方向(Z方向)に沿って円形にくり抜かれるように形成されている(図3(a))。また、第一フレーム10の端部には、その外面と、貫通孔101の内面とを連通するように、同じくZ方向に沿って形成されたすり割り102が設けられている(図3(a))。各接地部材20は、この貫通孔101の各々に通され、すり割り102をボルトで締めて、当該すり割り102の間隔を狭めることによって第一フレーム10に固定される。
また、図3(a)に示すように、第一フレーム10は、各脚部100の端部から若干の距離を置いた位置に複数個の板バネ固定孔103a、103bが設けられている。板バネ固定孔103a、103bはそれぞれ上述した板部材50a、50bを第一フレーム10に固定するためのボルト孔である。板部材50aは、上面(紙面手前側の面)に設けられた板バネ固定孔103aに挿通されたボルトにより、上面側から第一フレーム10に固定される。同様に、板部材50bは、下面(紙面奥手側の面)に設けられた板バネ固定孔103bに挿通されたボルトにより、下面側から第一フレーム10に固定される。
(第二フレームの構造)
図4は、本発明の一実施形態による第二フレームの上面図及び正面図である。この図において、図4(a)は上面図、図4(b)は正面図である。
図4(a)に示すように、第二フレーム11は、平面視Y字型の部材であり、中心部114から脚部110a、110b、110cが棒状に、互いになす角度(120°)を等しくして放射状に延伸して形成される。図4(b)に示すように、第二フレーム11はその中心部114付近で−Z方向への若干の“窪み”が形成されている。ここで、第二フレーム11は、移動装置1として組み立てられた際、上述した第一フレーム10とお互いの中心部104、114において交差するように配置される。この“窪み”はその交差する中心部114付近において第一フレーム10と干渉しないための溝として機能する。このようにすることで、第一フレーム10の各脚部100の間に、第二フレーム11の各脚部110のそれぞれが配置される際に、計六個の各脚部100、110全てが走行面に対して同一の水平面上に配置されることとなる。このとき、第一フレーム10の各脚部100及び第二フレーム11の各脚部110のそれぞれは、互いに約60°の角度をもって配置されることとなる。なお本実施形態による第二フレーム11の素材は、上述した第一フレーム10と同等であるため、その詳細な説明を省略する。
(接地部材の構造)
図5は、本発明の一実施形態による接地部材の正面図である。
第一フレーム10に固定される接地部材20は、第一フレーム10の各脚部100と同様に電磁石の鉄心としての機能を有する。したがって、接地部材20は第一フレーム10と同じ磁性材料である3%ケイ素鋼で形成される。
接地部材20は、上述したすり割り102の間隔を狭めて、貫通孔101の内周面で接地部材20を狭持することにより第一フレーム10に固定される。本実施形態では、すり割り102と直交するようにボルトが締め付けられることで、すり割り102の間隔が狭まって接地部材20が固定される。第一フレーム10は三つの接地部材20と固定されるため、第一フレーム10は走行面に対し三点接地される。本実施形態による移動装置1は、第一フレーム10が三点接地することで、フレーム10の二つの回転自由度(X軸回りの回転方向、Y軸回りの回転方向)、および±Z方向の位置決め自由度を拘束し、位置決め自由度を走行面上の±X方向、±Y方向並びにZ軸回りの回転方向の三方向(X、Y、Θ)に限定することができる。
接地部材20の−Z方向の先端に形成された接地部201は、表面が−Z方向、すなわち走行面に向かって凸となる曲面となっているのが望ましい。特に、接地部材20の長手方向の中心軸と曲面の−Z方向の極小点が一致するように曲面を選択すれば、走行面が粗い場合でも接地部201をその極小点近傍つまり中心軸付近に止めることができる。するとフレーム10の走行面との接触点は、走行面が粗い場合でもほぼ一定の正三角形を形成する。三つの接触点の幾何学的な位置関係がほぼ一定となることで、拘束されている二つの回転角度(X軸回りの回転方向、Y軸回りの回転方向)、及び、±Z方向の変位の変動を小さくできる。これにより、走行面の不均一性による、位置決め再現性への影響を小さくすることができる。
同様の理由により、接地部材21の−Z方向を同様な曲面とすることで、フレーム11の走行面との接地点は、常に一定の正三角形となり、フレーム11の二つの回転角度(X軸回りの回転方向、Y軸回りの回転方向)、及び、±Z方向の変位の変動を小さくできる。これにより、走行面の不均一性による、位置決め再現性への影響を小さくすることができる。
さらに、ボルトが緩められてすり割り102の間隔が広がることにより、接地部材20は貫通孔101から容易に引き抜かれる。これにより、利用者は、移動装置1の走行時の摩擦等により接地部材20の接地部201が磨耗した場合でも、接地部材20を容易に交換することができる。また接地部材20は、Z軸に沿って+Z方向および−Z方向に移動することができる。これにより、利用者は、移動装置1の組立て時やメンテナンス時等において、各接地部材20の走行面に対する高さを容易に調整することができる。
なお本実施形態においては、第二フレーム11に固定される接地部材21も、上述した接地部材20と同等の構造を有するものとして、その説明を省略する。
(アクチュエータの構造及び機能)
図6は、本発明の一実施形態によるアクチュエータの構造及び機能を説明する図である。
以下、本実施形態による移動装置1の各アクチュエータ30を構成する動力素子300の構造について説明する。動力素子300は、図6に示すように、圧電体を複数重ねた積層型圧電素子301を用いることで、電気信号により伸縮自在とする機能を有している。ここで積層型圧電素子301の変位量は約6μm/100V程度であるが、図6に示す変位増幅機構302により、約100μm/100V程度まで変位量を増幅している。ここで積層型圧電素子301は、その伸縮する方向を、アクチュエータ30として伸縮する方向である第一フレーム10の脚部100と第二フレーム11の脚部110とが近接離間する方向と直交する方向としている。変位増幅機構302は、図6に示すように、積層型圧電素子301の伸長力を、これに直交する方向に沿った圧縮力に変位量を反転増幅して変換する機構である。この変位増幅機構302によって増幅された変位量をもって変位する方向を動力素子300の「変位方向」、すなわち本実施形態によるアクチュエータ30の「変位方向」とする。したがってアクチュエータ30の変位方向は、第一フレーム10の脚部100と第二フレーム11の脚部110とが近接離間する方向となるように設定される。なお動力素子300は、以上のような変位増幅機構302を有する構成であることから、変位方向に弾性変形可能な「弾性体」として機能する。
また上述した通り、アクチュエータ30は上記のような動力素子300を二つ直列に連結して構成される。これにより、動力素子300が一個の場合と比較して、二倍の変位量を確保することができる。そうすると、移動装置1の1ステップ動作の移動距離を延ばすことができ、移動装置1の移動スピードを向上させることができる。なお「1ステップ動作」とは、第一フレーム10の接地部材20もしくは第二フレーム11の接地部材21が、走行面への固定を解除され、移動してから再び固定されるまでを、第一フレーム10、第二フレーム11が交互に一回ずつ行う一連の動作をいう。
動力素子300が弾性体であるため、当該動力素子300によって構成される各アクチュエータ30も全て弾性体である。ここで、弾性体であるアクチュエータ30に何ら外力が与えられていない状態を変位量“0”とし、この状態からアクチュエータ30に何らかの力を作用させることで変位方向に圧縮、伸長した際の変位量を「変位量d」(圧縮する方向を−、伸長する方向を+)で表すこととする。またアクチュエータ30は駆動制御部2(図1、図2)に電気配線を介して接続されている。駆動制御部2は、当該電気配線を介して所定の電気信号を出力して積層型圧電素子301を伸縮させることにより、アクチュエータ30を伸縮することができる。
このような特性を有するアクチュエータ30を、第一フレーム10の脚部100a、100b、100cと、第二フレーム11の脚部110a、110b、110cとの間にそれぞれ配置する。具体的には、例えばアクチュエータ30Fは、板部材50a、50b並びに固定具60を介して、脚部100cと脚部110bの間に配置される(図1、図2)。他のアクチュエータ30(30L1、30R1、30L2、30R2、30B)についても、それぞれの脚部100と脚部110の間に配置される。
ところで、移動装置1の重量のうち、コイル40、41および脚部100、110の重量がその大きな割合を占める。また、コイル40、41は走行面の近傍に配置されることとなる。ここで、板部材50aと、板部材50bとの間に挟持されるように取り付けられた固定具60を介してアクチュエータ30を連結することにより、当該アクチュエータ30は、コイル40、41および脚部100、110と、走行面からほぼ同一の高さに配置されることとなる。このようにすることで、移動装置1の構成を全体として扁平化し、低重心化を図ることができる。これにより、移動装置1の加速および停止時における慣性モーメントによる姿勢の変化を低減することができるので、より良好な移動性能を確保することができる。
(コイルの構造及び機能)
図1及び図2に示すように、第一フレーム10の各脚部100には走行面に接地部材20を固定するための磁力を発生させるコイル40が配置されている。コイル40は、表面が樹脂でコーティングされた銅線で構成されており、絶縁紙や樹脂等からなる不図示の絶縁体を介して、第一フレーム10の各脚部100に巻回されている。コイル40は、図2に示す駆動制御部2に接続されており、駆動制御部2からコイル40に電流を供給することにより、第一フレーム10及び接地部材20が電磁石として作用する。コイル40は、流れる電流に基づいて自身を励磁または消磁させることにより、強磁性材料で形成された走行面に、第一フレーム10及び接地部材20を一時的に吸着または離脱させる固定手段として機能する。
なお、本実施形態では、第一フレーム10に取り付けられる三個の各コイル40は、配線接続で直列に接続されている。したがって、三個のコイル40を駆動制御部2で制御することにより、第一フレーム10の接地部材20a、20b、20cを同時に走行面に吸着または離脱させることができる。このように、一つの制御信号で三個のコイル40を同時に制御することができるので、移動装置1についての制御信号を簡素化することができる。なお本実施形態においては、第二フレーム11の各脚部110に配置されるコイル41も、上述したコイル40と同等の構造及び機能を有するものとして、その説明を省略する。
(板部材の構造)
上述したとおり、第一フレーム10、第二フレーム11及びアクチュエータ30は、板部材50a、50bを介して接続されている。板部材50a、50bは、りん青銅やアルミ、樹脂等の非磁性材料からなる平板部材である。非磁性材料としたのは、前述の第一フレーム10および第二フレーム11は電磁石の鉄心として磁路を形成するので、当該第一フレーム10、第二フレーム11に接続される板部材50a、50bにより、磁気干渉や磁束漏れ等が発生するのを防止するためである。板部材50aの平板面の中央付近には、取付孔500aが複数個所形成されている(図2)。板部材50aは、当該取付孔500aにボルトを挿通させて第一フレーム10及び第二フレーム11に上面側(図2紙面手前側)から固定される。同様に、板部材50aと脚部100、110を挟んで対抗する板部材50bは、その平板面の中央付近に形成された取付孔500b(図示せず)にボルトを挿通させて第一フレーム10及び第二フレーム11に背面側(図2紙面奥手側)から固定される。
また板部材50aの平板面の両端部付近には、取付孔501aが複数箇所形成されている(図2)。同様に、板部材50bの平板面の両端部付近には、取付孔501bが複数箇所形成されている(図示せず)。
図1及び図2に示すように、板部材50aは、第一フレーム10および第二フレーム11の各脚部100、110に形成された板バネ固定孔103aにボルトで+Z側から固定される。一方、板部材50aは、上述した固定具60を+Z側からボルトで固定する。具体的には、板部材50aの両端部付近の取付孔501aにボルトを挿通して+Z方向から締め付けることにより、板部材50aに固定具60を固定する。同様に、板部材50bは、上述した固定具60を−Z側からボルトで固定する。具体的には、板部材50bの両端部付近の取付孔501b(図示せず)にボルトを挿通して−Z方向から締め付けることにより、板部材50bに固定具60を固定する。
なお、板部材50a、50bは、Z方向に可撓性を有する素材を用いてもよい。このようにすることで、移動装置1の走行時に、走行面の凹凸による衝撃を吸収し、移動装置1の運動を安定化することができる。
(固定具の構造)
図1及び図2に示すように、各アクチュエータ30は固定具60に連結されて各脚部100、110の間に固定される。固定具60は、磁気干渉や磁束漏れ等が発生するのを防止するため、板部材50a、50bと同等の材料が選択される。固定具60は上面(図2紙面手前側)及び下面(図2紙面奥手側)にボルトを通す孔が設けられており、上述したように板部材50aと板部材50bに挟持されるように上下から固定される。そして、固定具60は、その側面に設けられた孔を挿通するボルトにより、アクチュエータ30を、その変位方向が走行面と平行となるように固定する。
図7は、本発明の一実施形態による移動装置の効果を説明する図である。
以上に説明したように、本実施形態による移動装置1は、第一フレーム10、第二フレーム11の各脚部100、110のそれぞれを計六個の駆動機構であるアクチュエータ30で連結する構成となっている。ここで移動装置1の実際の歩行動作においては、各アクチュエータ30(図6参照)が入力する電圧信号に応じて伸縮動作を繰り返すうちに、少しずつ発熱して熱を帯びていくこととなる。そうすると、熱膨張による各アクチュエータ30自身の大きさ及び伸縮の特性が発熱に応じて変化する。
図7(a)には、アクチュエータ30を三個有して構成された移動装置の模式図を示している。移動装置1は、図7(a)に示すように、アクチュエータ30を三個のみ有する構成であったとしても、当該三個のアクチュエータ30を所望に伸縮させることで、理論上、任意の方向に移動・回転することが可能である。ここで、図7(a)に示した移動装置1において、その歩行動作に応じて当該三個のアクチュエータ30がΔdだけ伸長(熱膨張)した場合を考える。すると三個のアクチュエータ30は、それぞれがΔdだけ伸長した分だけ第一フレーム10に対し、回転方向に一定の変位を付与することになる(図7(a)参照)。そうすると、アクチュエータ30を三個のみ有する移動装置1は、特定の方向への歩行動作を繰り返すうちに、当該付与された回転方向の変位に応じてその移動方向に誤差を生じさせてしまう。
一方、図7(b)には、上述したようにアクチュエータ30を六個有して構成された移動装置の模式図を示している。ここで、図7(b)に示した移動装置1において、その歩行動作に応じて当該六個のアクチュエータ30がΔdだけ熱膨張した場合を考える。すると、図7(b)に示すように、六個のアクチュエータ30はそれぞれΔdだけ熱膨張して第一フレーム10に変位を与えようとするが、隣り合うアクチュエータ30からのΔdの変位により互いに均等に打ち消し合う作用が生じる(図7(b)参照)。すなわち、移相器1は、各アクチュエータ30の熱膨張によっても第一フレーム10と第二フレーム11の相対位置が変動しない構成となっている。
以上より、本実施形態による移動装置1は、第一フレーム10、第二フレーム11の各脚部100、110に計六個のアクチュエータ30を有する構成とすることで、その精密位置決め性能を向上させることができる。また、移動装置1の動力源であるアクチュエータ30の数を増やすことで推力を増加し、積載荷重、加速度を向上する効果も得ることができる。
(移動装置の動作)
移動装置1は、一方のY字型フレーム(第一フレーム10)を三点で走行面に固定しながら、他方のY字型フレーム(第二フレーム11)を当該アクチュエータ30の伸縮で相対移動させた後、走行面に固定する。移動装置1は、これを交互に繰り返しながら尺取虫のように移動することを特徴とする。以下、駆動制御部2による具体的な制御手段について図面を参照しながら説明する。
図8、図9は、本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第一の図、第二の図である。この図において、図8(a)〜(i)は各アクチュエータ30の変位量等を示すグラフであり、図9(a)、(b)はある期間におけるアクチュエータ30の伸縮と移動装置1の状態を説明する図である。
図8(a)〜(f)に示すグラフは、移動装置1が+X方向(図9(a)、(b)紙面上方向)に並進移動を行う場合の各アクチュエータ30の変位量dの時間変化を示している。ここで図8(a)〜(f)に示すグラフは、横軸に時刻tを、縦軸に各アクチュエータ30の変位量dを示している。ここで、グラフの縦軸はそのアクチュエータ30が伸長する方向を正にとっている。また、各アクチュエータ30は、駆動制御部2からの全ての電気信号の入力が無い状態(以下、これを移動装置1の「初期状態」と定義する。)においてオフセットl(<0)の変位量で釣り合っているものとする。すなわち、初期状態においては、六個のアクチュエータ30はそれぞれの変位方向について互いに変位量lだけ圧縮された状態で平衡状態を保っているものとする。また、各アクチュエータ30F、30B、30R1、30R2、30L1、30L2の変位量dをそれぞれd、d、dR1、dR2、dL1、dL2とする。また各アクチュエータ30F、30B、30R1、30R2、30L1、30L2の、オフセットlを中心とした片振幅をそれぞれA、A、AR1、AR2、AL1、AL2とし、いずれのアクチュエータ30もその最大値及び最小値が+A及び−Aであるものとする。
なお本実施形態による移動装置1では、上述したオフセットl(<0)を、アクチュエータ30の圧縮方向への機械的な最大変位量の半分の値に設定する。ここでアクチュエータ30内部の積層型圧電素子301(図6)には一般的に市販される積層型圧電素子を用いることができるが、この場合、駆動制御部2から入力される電気信号と変位量との良好な線形性を得るために、専ら入力される電気信号に対して「伸長する方向」の特性のみが使用される。したがって、各アクチュエータ30が電気信号に対して良好な線形性を得られるのは、その変位方向に対して「圧縮する方向」のみとなる。よって、移動装置1の各アクチュエータ30は、その圧縮方向への最大変位量の半分の値がオフセットlとして与えられることで、このオフセットlを基準に2l≦d〜dL2≦0の範囲で往復運動することとなる。その結果各アクチュエータ30は、入力される電気信号に基づいて「伸縮」可能な駆動機構であるかのように振る舞うことができる。
図8(g)、(h)に示すグラフは、それぞれ第一フレーム10、第二フレーム11の走行面に対する吸着力を示すグラフである。ここで、図8(g)、(h)は、横軸に時間を、縦軸に第一フレーム10、第二フレーム11の電磁石としての吸着力を示している。また図8(i)に示すグラフは、+X方向への移動距離を示すグラフである。ここで、図8(i)は、横軸に時間を、縦軸に第一フレーム10、第二フレーム11の+X方向への移動距離を示している。
まず図8(g)、(h)によると、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、第一フレーム10の吸着力はゼロであり、また同期間において第二フレーム11は所定の吸着力Fmagを発生している。すなわち、この期間においては、第二フレーム11は走行面に固定された状態で、第一フレーム10が走行面を移動する。一方、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間においては、第一フレーム10は所定の吸着力Fmagを発生させており、また同期間において第二フレーム11の吸着力はゼロである。すなわち、この期間においては、第一フレーム10が走行面に固定された状態で、第二フレーム11が走行面を移動する。
図9(a)は、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、第一フレーム10が第二フレーム11に対して相対移動する様子を示している。この場合、図8(a)〜(f)に示すように駆動制御部2は、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、アクチュエータ30F、30Bを変位量lに維持したまま、アクチュエータ30R1、30L2を圧縮する方向へ変位させ、アクチュエータ30R2、30L1を伸長する方向へ変位させる。ここで駆動制御部2は、アクチュエータ30R1、30L2の圧縮方向への変位量を最大で“−A”、アクチュエータ30R2、30L1の伸長方向への変位量を最大で“+A”となるように変位させる(図8(a)〜(f))。各アクチュエータ30が上記のように伸縮することで、第一フレーム10が第二フレーム11に対して+X方向に並進移動する(図8(i)、図9(a))。
図9(b)は、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間において、第二フレーム11が第一フレーム10に対して相対移動する様子を示している。この場合、図8(a)〜(f)に示すように、駆動制御部2は、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間において、アクチュエータ30F、30Bを変位量lに維持したまま、アクチュエータ30R1、30L2を伸長する方向へ変位させ、アクチュエータ30R2、L1を圧縮する方向へ変位させる。ここで駆動制御部2は、アクチュエータ30R1、30L2の伸長方向への変位量を最大で“+A”、アクチュエータ30R2、30L1の圧縮方向への変位量を最大で“−A”となるように変位させる(図8(a)〜(f))。各アクチュエータ30が上記のように伸縮することで、第二フレーム11が第一フレーム10に対して+X方向に並進移動する(図8(i)、図9(b))。
図10、図11は、本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第三の図、第四の図である。この図において、図10(a)〜(i)は各アクチュエータ30の変位量等を示すグラフであり、図11(a)、(b)はある期間におけるアクチュエータ30の伸縮と移動装置1の状態を説明する図である。なお、図10(a)〜(i)の各グラフが示す意味については、図8(a)〜(i)の各グラフと同等である。
図10(a)〜(f)に示すグラフは、移動装置1が+Y方向(図11(a)、(b)紙面右方向)に並進移動を行う場合の各アクチュエータ30の変位量の時間変化を示している。
図10(g)、(h)によると、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、第一フレーム10の吸着力はゼロであり、また同期間において第二フレーム11は所定の吸着力Fmagを発生している。すなわち、この期間においては、第二フレーム11は走行面に固定された状態で、第一フレーム10が走行面を移動する。一方、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間においては、第一フレーム10は所定の吸着力Fmagを発生させており、また同期間において第二フレーム11の吸着力はゼロである。すなわち、この期間においては、第一フレーム10が走行面に固定された状態で、第二フレーム11が走行面を移動する。
図11(a)は、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、第一フレーム10が第二フレーム11に対して相対移動する様子を示している。この場合、図10(a)〜(f)に示すように、駆動制御部2は、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、アクチュエータ30F、30Bを圧縮する方向へ変位させ、一方、アクチュエータ30R1、30R2、30L1、30L2をいずれも伸長する方向へ変位させる。ただし、駆動制御部2は、アクチュエータ30F、30Bの圧縮方向への変位量を最大で“−A”とするのに対し、アクチュエータ30R1、30R2、30L1、30L2の伸長方向への変位量を最大で“+A/2”とすることに留意する(図10(a)〜(f))。各アクチュエータ30が上記のように伸縮することで、第一フレーム10が第二フレーム11に対して+Y方向に並進移動する(図10(i)、図11(a))。
図11(b)は、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間において、第二フレーム11が第一フレーム10に対して相対移動する様子を示している。この場合、図10(a)〜(f)に示すように、駆動制御部2は、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間において、アクチュエータ30F、30Bを伸長する方向へ変位させ、一方、アクチュエータ30R1、30R2、30L1、30L2をいずれも圧縮する方向へ変位させる。ただし、駆動制御部2は、アクチュエータ30F、30Bの伸縮方向への変位量を最大で“+A”とするのに対し、アクチュエータ30R1、30R2、30L1、30L2の圧縮方向への変位量を最大で“−A/2”とすることに留意する(図10(a)〜(f))。各アクチュエータ30が上記のように伸縮することで、第二フレーム11が第一フレーム10に対して+Y方向に並進移動する(図10(i)、図11(b))。
図12、図13は、本発明の一実施形態による移動装置の駆動原理を説明する第五の図、第六の図である。この図において、図12(a)〜(i)は各アクチュエータ30の変位量等を示すグラフであり、図13(a)、(b)はある期間におけるアクチュエータ30の伸縮と移動装置1の状態を説明する図である。なお、図12(a)〜(i)の各グラフが示す意味については、図8(a)〜(i)及び図10(a)〜(i)の各グラフと同等である。
図12(a)〜(f)に示すグラフは、移動装置1が紙面時計回りに回転移動を行う場合の各アクチュエータ30の変位量の時間変化を示している。
図12(g)、(h)によると、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、第二フレーム11は走行面に固定された状態で、第一フレーム10が走行面を移動する。一方、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間においては、第一フレーム10が走行面に固定された状態で、第二フレーム11が走行面を移動する。
図13(a)は、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、第一フレーム10が第二フレーム11に対して相対移動する様子を示している。この場合、図12(a)〜(f)に示すように、駆動制御部2は、時刻T/4〜時刻3T/4の期間において、アクチュエータ30F、30R2、30L2を圧縮する方向へ変位させ、一方、アクチュエータ30R1、30B、30L1をいずれも伸長する方向へ変位させる。ここで、駆動制御部2は、アクチュエータ30F、30R2、30L2の圧縮方向への変位量を最大で“−A”、アクチュエータ30R1、30B、30L1の伸長方向への変位量は最大で“+A”となるように変位させる(図12(a)〜(f))。各アクチュエータ30が上記のように伸縮することで、第一フレーム10が第二フレーム11に対して時計回りに回転移動する(図12(i)、図13(a))。
図13(b)は、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間において、第二フレーム11が第一フレーム10に対して相対移動する様子を示している。この場合、図12(a)〜(f)に示すように、駆動制御部2は、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間において、アクチュエータ30F、30R2、30L2は伸長する方向へ変位させ、一方、アクチュエータ30R1、30B、30L1はいずれも圧縮する方向へ変位させる。ここで駆動制御部2は、アクチュエータ30F、30R2、30L2の伸長方向への変位量は最大で“+A”、アクチュエータ30R1、30B、30L1の圧縮方向への変位量は最大で“−A”となるように変位させる(図12(a)〜(f))。各アクチュエータ30が上記のように伸縮することで、第二フレーム11が第一フレーム10に対して時計回りに回転移動する(図12(i)、図13(b))。
なお、上述した通り、図8、図10及び図12において、移動装置1が時刻T/4〜時刻5T/4の期間に行う一連の動作を「1ステップ動作」と定義している。また、以降の説明において時刻T/4〜時刻3T/4、若しくは、時刻3T/4〜時刻5T/4の期間における第一フレーム10、または、第二フレーム11いずれか一方のみの動作を「半ステップ動作」と呼ぶこととする。
(駆動制御部の機能)
本実施形態による駆動制御部2は、各アクチュエータ30が第一フレーム10と第二フレーム11との間に作用させる力を略一定とする条件を満たしながら各々を伸縮させることを特徴とする。すなわち駆動制御部2は、各アクチュエータ30の各々が作用させている力(各アクチュエータ30の発生力)を、それぞれのアクチュエータ30について常に一定に保ちながら相対移動の制御を行う。なお、図8〜図13を用いて示した各種制御方法はその一例である。以下、駆動制御部2が各アクチュエータ30に対して行う制御方法について具体的に説明する。
まず、駆動制御部2が各アクチュエータ30に任意の電気信号を出力した場合において、本実施形態による移動装置1の可動側のフレーム(以下の説明において、第一フレーム10とする)は、固定側のフレーム(以下の説明において、第二フレーム11とする)に対してどのように相対移動するかを考える。
ここで、上記に説明した移動装置1の機能構成によれば、第一フレーム10の相対移動の仕方は、X方向への並進移動、Y方向への並進移動、角度Θの回転移動の組み合わせで表すことができる。一方、駆動制御部2が出力すべき電気信号は、各々のアクチュエータ30について一信号ずつであるから合計で六つとなる。なお電気信号の電圧値と各アクチュエータ30の片振幅A〜AL2は線形の関係にあり、一対一に対応する。よって以降の説明では、駆動制御部2が出力する電気信号の電圧値を、その電圧値によって与えられるアクチュエータ30の片振幅A〜AL2で表すこととする。このように考えると、第一フレーム10は、6自由度(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)の入力に対し、3自由度(X、Y、Θ)の出力が成される系と考えることができる。以下、ここで挙げた入力と出力の関係を、動力学モデルを用いて具体的に説明する。
図14は、本発明の一実施形態による移動装置の動力学モデルを説明する図である。
図14に示す動力学モデルでは、第二フレーム11を固定し、第一フレーム10を3自由度で振動させる動力学モデルを定義している。ここで、当該動力学モデルは、各アクチュエータ30を変位量d(d、d、dR1、dR2、dL1、dL2)及び圧縮とせん断の二つの線形バネ(それぞれのバネ定数をk、kとする。)によりモデル化している(図14)。この動力学モデルにおいて第一フレーム10は、これら計12個のバネにより各方向から吊られた剛体とみなされる。上述した6自由度(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)の入力と、3自由度(X、Y、θ)の出力との関係は、これらのバネの復元力、慣性力がつり合う条件から求めることができる。
図14において、第二フレーム11は固定されているものとし、第一フレーム10は、この第二フレーム11を基準として、六個のアクチュエータ(12個のバネ)の変位に基づいて相対移動するものとする。図14に示されるP1、P2、P3は、第一フレーム10の三つの端部O1、O2、O3それぞれを原点とする絶対座標系に基づく位置を表している。PG1は第一フレーム10の重心点に張られた絶対座標系に基づく位置を表している。
図15は、本発明の一実施形態による移動装置の半動作ステップの挙動を説明する第一の図である。また図16は、本発明の一実施形態による移動装置の半動作ステップの挙動を説明する第二の図である。
ここで、第一フレーム10の挙動を並進移動及び回転移動に分離して説明する。
図15は、図14に示した第一フレーム10がベクトルLに沿って並進移動した様子を示している。ここでベクトルLの直交座標における成分は(xG1、yG1)であったとする。そうすると、図15におけるPG1が示す位置は座標(xG1、yG1)となる。また、第一フレーム10の各端部におけるP’、P’、P’の位置もそれぞれの座標系においてベクトルLだけ並進移動した位置、すなわち座標(xG1、yG1)となる。なお、ベクトルLは変位量W、方位φをもって表すこともできる(図15)。
図16は、第一フレーム10がベクトルL(xG1、yG1)の並進移動(図15)の後、さらに角度θだけ回転した様子を示している。このときの各端部における移動成分をベクトルR〜Rで表す。各ベクトルR〜Rは、その変位量をrθ、方位を図16に示す円の接線方向と近似して式(1)のように表される。なお、本実施形態による移動装置1の各脚部100の長さrは約39mmである一方、アクチュエータ30の変位量dは大きく見積もっても200μm程度であり、rと比較して微小である。したがって、上述の近似においては、第一フレーム10の回転移動に関わらず、アクチュエータ30による力の作用方向は一定であるとしている。
Figure 0006168592
ここでPは、P’からベクトルRだけ移動した位置に存在する。したがって、Pの位置(座標(x、y))はベクトルLとベクトルRの和で示される。同様に、Pの位置(座標(x、y))はベクトルLとベクトルRの和、Pの位置(座標(x、y))はベクトルLとベクトルRの和で示される。以上より、式(2)が導かれる。
Figure 0006168592
次に、図14に示した動力学モデルの解を求める。P〜Pに作用する力(それぞれ、ベクトルF〜Fとする)の合力と慣性項を等式で結ぶことにより、第一フレーム10の重心点(座標(xG1、yG1))のx軸方向、y軸方向についての運動方程式は式(3)のように示される。
Figure 0006168592
ところで上述した通り、アクチュエータ30の各変位量d(d、d、dR1、dR2、dL1、dL2)は、オフセットl(<0)を中心とした片振幅A(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)の正弦波で表すことができる。したがって各変位量dは式(4)のように表される。
Figure 0006168592
ここで式(4)を式(3)に代入すると、式(5)が導出される。
Figure 0006168592
また、第一フレーム10の重心点を通る鉛直軸回りの回転に対して式(6)のような運動方程式を得ることができる。
Figure 0006168592
ここでIは、第一フレーム10の重心点を通る鉛直軸回りの慣性モーメントである。ここで、動力学モデルの初期条件を式(7)に示す。
Figure 0006168592
式(7)の初期条件に基づいて式(5)、(6)を解くと、式(8)に示す解が得られる。
Figure 0006168592
ただし、式(8)において
Figure 0006168592
である。ここで、ωはx軸、y軸の固有角振動数であり、ωnRは、θ軸の固有角振動数である。ωnL、ωnRLは、せん断のバネ定数kに無関係に定まる角振動数である。
固有角振動数ωに対して変位量dの角振動数ωは十分小さい(ω<<ω)ものとして式(10)に示すように、式(8)の一部を近似し、さらに片振幅K(ω)、K(ω)を定義する。
Figure 0006168592
一方、第一フレーム10の位置を示す三つのパラメータxG1、yG1、θの時間変化は、それぞれ片振幅X、Y、Θの単振動になるものとして式(11)のように表される。
Figure 0006168592
よって、式(8)〜式(11)より、
Figure 0006168592
が導かれる。式(11)、式(12)よりxG1、yG1、θは、角振動数ωにより片振幅が変化する単振動に近似される。式(12)は、上述した6自由度(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)の入力と、3自由度(X、Y、Θ)の出力との関係を示している。ただし、第一フレーム10の運動の自由度(3)よりも、入力の自由度(6)の方が多い。この場合、駆動制御部2は、式(12)を満たすのみでは、一組の(X、Y、Θ)に対し、無数の(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)の組み合わせが存在する。しかしながら、実際に移動装置1を駆動させる過程においては、駆動制御部2が、六個のアクチュエータ30の内のいくつかが、第一フレーム10をそれぞれ異なる方向に移動させようとした結果、互いに相反するような力を作用させるような変位を与えることは、機械的負荷や消費電力の効率性の面から考えて好ましくない。
上記「互いに相反するような力を作用させる」場合の一例として、例えば、駆動制御部2が、全てのアクチュエータ30に対し均等に圧縮方向の変位を与える場合等が挙げられる。この場合、各アクチュエータ30はいずれも第一フレーム10及び第二フレーム11のそれぞれの脚部100、110の間隔を狭めようとする方向に力を作用させるが、これらの力は全て互いに打ち消し合って、結局、第一フレーム10は運動しない。すなわち、各アクチュエータ30に無理な機械的負荷がかかるのみで、無駄に電力を消費していることになる。そこで、駆動制御部2は、アクチュエータ30に無理な機械的負荷を与えない動作条件として、全てのアクチュエータ30が第一フレーム10(固定されていない脚部)に対して、互いに相反するような力が作用するのを抑制するように第一フレーム10を第二フレーム11に対して相対移動させることが求められる。つまり、駆動制御部2は、式(12)を満たすという条件に加え、さらに、移動装置1の初期状態において各アクチュエータ30それぞれが第一フレーム10に作用させている力を略一定に保ったまま第一フレーム10を第二フレーム11に対して相対移動させる、という条件が課せられる。なお各アクチュエータ30それぞれが第一フレーム10に作用させている力は、作用反作用の原理から、第二フレーム11に作用させている力と大きさが等しく向きが反対の力となる。この条件を「内力の準一定化条件」として以下、説明を続ける。
(内力の準一定化条件)
ここで、図14に示した動力学モデルにおいて、アクチュエータ30R2が第一フレーム10に作用させている力をベクトルFR2と定義する。同様に、他のアクチュエータ30F、30B、30L1、30L2、30R1が第一フレーム10に作用させる力をベクトルF、F、FL1、FL2、FR1で表す。なおベクトルF〜FL2の反作用力(ベクトル−F〜−F)は第二フレーム11に作用することとなる。各力ベクトルF〜FL2は、動力学モデルの運動方程式に基づいて、それぞれ以下に示す式(13)で与えられる。
Figure 0006168592
式(13)において、右辺第二項は各アクチュエータ30のせん断変形による反力であり、第一フレーム10の変位に対する抵抗力である。本実施形態において用いるアクチュエータ30のせん断方向へのバネ成分は、その伸縮方向へのバネ成分に比べて十分に小さく、無視できるものとして式(14)に示すように近似する。
Figure 0006168592
一方、移動装置1の初期状態においては、六個のアクチュエータ30の変位量dは全てl0(<0)であるため、初期状態において各アクチュエータ30が作用させている力はkL・l0である。したがって、任意の時刻tにおいて各アクチュエータ30が第一フレーム10に作用させる力がkL・l0で一定となる条件を満たせばよい。つまり、各アクチュエータ30の変位量dが電気信号Vに応じてΔdだけ伸縮した際に、対応する第一フレーム10の各脚部100がその伸縮量(Δd)と同じ距離だけ移動して、その結果アクチュエータ30の変位量dとアクチュエータ30が連結する脚部同士の離間距離の伸縮量との和がl0で一定となっていればよい。このことから式(15)が導かれる。
Figure 0006168592
式(15)は、すなわち駆動制御部2が、各アクチュエータ30における伸縮量(Δd)と、当該アクチュエータ30が連結する脚部同士の離間距離の伸縮量(Δx,Δy)と、を各アクチュエータ30の全てについて常に等しくするような制御を行うことを意味している。式(15)に式(2)を代入してまとめると、式(16)を得る。
Figure 0006168592
さらに、式(16)に式(4)及び式(11)を代入すると式(17)のようにまとめられる。
Figure 0006168592
そして、式(17)から次の式(18)、式(19)が導かれる。
Figure 0006168592
Figure 0006168592
ここで、6自由度(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)の入力と、3自由度(X、Y、Θ)の出力との関係は、式(18)によっても表されるが、式(18)は、各アクチュエータ30のせん断方向の力、及び、第一フレーム10の慣性力が考慮されていない。したがって、本実施形態による移動装置1については、入力(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)と、出力(X、Y、Θ)との関係を示す式としては、式(18)よりも式(12)の方が適切であるので、式(18)式は使用しない。一方、式(19)は、各アクチュエータ30の伸縮方向に作用する力を準一定化する新たな条件として適用することができる。すなわち式(19)は、「バネ定数k=0かつ慣性力0」という条件のもと、六個のアクチュエータ30の内力を一定化するための必要条件(内力の準一定化条件)である。
図14に示した動力学モデルから導出した近似解、式(12)と、内力の準一定化条件、式(19)と、は式(20)のようにまとめられる。
Figure 0006168592
さらに、式(20)の右辺側の各行列の逆行列を両辺に乗算し、入力(A、A、AR1、AR2、AL1、AL2)についての式となるように変形すると、式(21)に示すように、六個のアクチュエータ30それぞれの片振幅A、A、AR1、AR2、AL1、AL2を第一フレーム10の半動作ステップの変位量(W、φ、Θ)により表現することができる。
Figure 0006168592
式(21)は、式(10)で定義した片振幅K(ω)、K(ω)を含むため、バネ定数k、k、周波数f(=ω/2π)、質量m、慣性モーメントIを含む動力学的な解である。さらに式(19)の条件を含むため、圧縮のバネ定数kが大きく、せん断のバネ定数kが小さく、角周波数ωが小さくなるほど各アクチュエータ30が第一フレーム10に作用させる六つの内力が常に一定になる解に漸近する、と解釈できる。
式(21)を式(4)に代入することで、式(22)に示すように、六個のアクチュエータの変位量d(d、d、dR1、dR2、dL1、dL2)を、第一フレーム10の相対移動の仕方(W、φ、Θ)で表現することができる。
Figure 0006168592
一方、駆動制御部2によるアクチュエータ30F、30B、30L1、30L2、30R1、30R2へ入力する電気信号Vの各電圧値を、それぞれV、V、VL1、VL2、VR1、VR2とする(これらを総称して単に「V」と表記する)。各アクチュエータ30は、電気信号Vに対し、定数C(<0)をもって線形に変位するとして、式(23)の近似式が成り立つとする。
Figure 0006168592
式(23)を式(22)に代入すると、駆動制御部2の各アクチュエータ30への入力電圧Vを、出力パラメータである第一フレーム10の相対移動の仕方(W、φ、Θ)により、式(24)のように表すことができる。
Figure 0006168592
以上、駆動制御部2は、第一フレーム10を移動させたい方向(W、φ、Θ)に応じて、式(24)を満たす電気信号Vを各アクチュエータ30に出力すればよい。なお、式(24)の条件は、第二フレーム11を、固定された第一フレーム10に対して相対移動させる場合にもそのまま適用できる。したがって、駆動制御部2は、第一フレーム10及び第二フレーム11に対し交互に、式(24)を満たす電気信号Vをアクチュエータ30に出力することで、内力の準一定化条件を保ちながら移動装置1を任意の方向に移動させることができる。
以上、本実施形態による移動装置1は、歩行動作において常に三点で固定されることから、姿勢が傾倒することなく安定して移動することができる。また各アクチュエータ30の熱膨張による変位を互いに打ち消し合うことができ、精密位置決め性能を向上させることができる。(図7参照)。さらに移動装置1の動力源であるアクチュエータ30の数を増やすことで推力を増加し、積載荷重、加速度を向上することができる。
また本実施形態による移動装置1は、上記六個のアクチュエータ30として弾性体を用いていることを特徴としている。ここで例えば、六個のアクチュエータ30が全て剛体によるパラレルリンク機構で構成されていたとすると、移動装置1は、駆動制御部2から各電気信号のわずかなずれが生じた場合や雑音が入力された場合等において、その信号に基づく予期しない駆動により筐体に無理な負荷がかかってしまう。すなわち移動装置1は、電気信号の雑音や入力誤差に対する“遊び”が小さい設計となる。一方、本実施形態による移動装置1のようにアクチュエータ30が弾性力を有する構成となっていることで、上記のような電気信号の雑音や入力誤差による負荷が弾性体である各アクチュエータ30に吸収され、本体の構造そのものに負荷を与えない。したがって、本実施形態による移動装置1は、電気信号の雑音等に対する柔軟性を有した設計となっている。
以上、本発明によれば、より精度の高い移動性能で走行面を移動する移動装置を提供できる、という効果が得られる。
図17、図18は、本発明の一実施形態による移動装置を開ループで八方向に並進動作させた場合の実験結果を示す第一の図、第二の図である。図19は、本発明の一実施形態による駆動制御部の制御の算出に用いた各定数の値を示す図である。図20は、本発明の一実施形態による移動装置の並進移動時における変動係数と経路長を示す図である。
式(24)の各種パラメータは、周波数fを100Hz(=ω/2π)、歩幅Wを50μm、回転移動Θを0°とし、並進移動の方位を0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°とした。また歩数を100としたため、これらの設定値により経路長の目標値は10000μmとなる。
実験回数は、それぞれの方向ごとに20回とした。図17では、水平軸が図14の(xG1、yG1)静止座標系の+xG1方向(=0°)、垂直軸が+yG1方向(=90°)に対応しており,グラフの原点OG1を移動装置1の重心点の始点と一致させている。移動装置1の重心点の始点と終点の平均を直線で結び、平均の終点には誤差として終点における標準偏差の6倍(±6σn−1)を、x軸,y軸について示した。移動装置1に高指向性のLEDを四点設置し、それらの重心点と角度変化より、本機構の幾何学的中心点と姿勢角度を、画像解析装置(Keyence製CV5700)のパターンマッチング機能を用いて計測した。使用したCCDカメラの画素数は500万画素であり、計測分解能は3.6μm、移動装置1を静止させた状態で200回計測した場合の標準偏差は1.7μm程であった。LEDの位置と画像分解能(2432(H)×2050(V))より算出した姿勢角の理論的な計測分解能は0.072°であり、移動装置1を静止させた状態で200回計測した場合の標準偏差は0.017°であった。
ここで搭載する荷重の重量は130グラムとした。移動装置1の並進移動の方位を上記と同様に0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°とした。なお、図18に示す実験結果では、前後左右方向でも同様な実験結果となったため、斜め四方のみの実験結果を記載している。図20に示すように、移動装置1の斜め四方向での変動係数(経路長の標準偏差の平均経路長に対する百分率)は、無負荷の場合では1.6%、荷重搭載時の場合では2.7%となった。
試作した移動装置1の重量が100グラムであったため、自重の1.3倍の荷重を搭載しても、開ループで3%以内の再現性を実現できることを確認した。また、図17、図18に示すように、経路長の平均値は、無荷重の場合で5030μmとなり、平均の経路長は目標値の10000μmの約半分となった。八方向の経路長の標準偏差は±225μmであり、これを平均の経路長に対する百分率に換算すると±2.5%となる。また、荷重を搭載した場合で6130μmであったため、荷重搭載時の方が経路長の平均値は21.9%程大きい。なお、100Hz以下の周波数において、移動方位、位置決め再現性、方向による経路長の均一性は同様の結果となったが、経路長は周波数が低くなるほど増加し、1Hzの時に8方向の平均で5910μmとなり、目標とする経路長10000μmに近づく傾向があった。これは、電磁石電流の立ち上がり時間による支持側の電磁石の滑りと可動側の電磁石の摩擦力の影響が主要因であると推察される。なお、姿勢角の誤差は全ての方向で3.3°以内、平均で2.0°であった。開ループ制御下においても、0.4°/mmの良好な直進性が得られることを確認した。
以上より、式(24)は130グラムまでの荷重、100Hz以下の周波数の併進動作において、移動装置1の尺取虫動作の定常状態での理論式として概ね妥当であることを確認し、移動装置1は、経路長、方向のばらつきが平均に対する標準偏差の百分率で±2.5%以内で移動することができることを確認した。
図21、図22は、本発明の一実施形態による移動装置をその場回転させた場合の実験結果を示す第一の図、第二の図である。また、図23は、本発明の一実施形態による移動装置をその場回転させた場合の理論値と実験値の比較を示す図である。
導出した式(24)のパラメータを、f=100Hz、W=0μm、Θ=0.0925°と設定し、歩数を700として、その場回転の実験を行った。目標の回転中心は、図14の静止座標系である(xG1、yG1)座標で表現すると、原点OG1に相当する。時計回り、反時計回りともに五回ずつ実験を行った。図21、図22において、移動装置1の幾何学的中心点の軌跡、さらに(xG1、yG1)=(10000μm、0μm)、(−10000μm、0μm)をそれぞれ初期地点とする機構上の二点の軌跡を示した。同図に示すように最小二乗法により計算した近似円を用いて、実験時の平均の回転軸の座標、半径を算出することで、図23に示すように理論値との比較を行った。回転角度は、時計回りの場合で108.39±0.43°(平均±標準偏差:SD)、反時計回りの場合で、108.57±0.91°となった。平均に対する標準偏差の百分率(変動係数:CV)は、それぞれ0.39%、0.84%となり、開ループ制御においても、1%以下の再現性を得られることを確認した。回転角度は、実験値は理論値よりも16%程小さくなったが、目標とする回転軸と、実験時の平均の回転軸のずれは、時計回りで230±20μm(平均±標準偏差)、反時計回りで125±60μmと、電磁石の中心から端までの長さr(39mm)に対して0.59%、0.32%とわずかであった。以上をまとめると、移動装置1は、回転角度以外はほぼ(24)式の理論値通り、その場回転を行えることを確認した。
ここで移動装置1は、上述したように、第一フレーム10及び第二フレーム11が脚部100、110をそれぞれ三つずつ有し、合計六本足の構造として説明したが、本実施形態による移動装置1はこのような六本足の態様に限定されることはない。すなわち、他の実施形態による移動装置1を構成する第一フレーム10及び第二フレーム11が備える脚部の数が三つずつではない態様であっても、上述した動力学モデル化及び算出手法と同等の手段により、当該他の実施形態についての内力の準一定化条件を見出すことは可能である。そして、当該他の実施形態による移動装置1においても、内力を略一定に維持しながら駆動させることで、本実施形態による移動装置1と同等の効果を得ることができる。
また、上述した移動装置1は、上記固定手段として第一フレーム10、第二フレーム11等を磁性材料としてコイル40、41を用いたが、本発明の他の実施形態によってはこの態様に限定されない。例えば他の実施形態による移動装置1は、第一フレーム10に備えられる接地部材20、または、第二フレーム11に備えられる接地部材21の少なくとも何れか一方に永久磁石を備えた態様であってもよい。この場合、移動装置1は、走行面の鉛直方向上側に当該永久磁石の吸着力をキャンセルする昇降機構(例えば、圧電アクチュエータ等で構成される)を、第一フレーム10と第二フレーム11の交差点に備えるものとする。
ここで、例えば、第一フレーム10に備えられる接地部材20のみに永久磁石が備えられていたとする。この場合において、第一フレーム10を固定して第二フレーム11を移動させたい場合は、当該永久磁石を走行面に吸着させ、その状態で各アクチュエータ30を伸縮させればよい。一方、第二フレーム11を固定して第一フレーム10を移動させたい場合は、上記昇降機構を駆動させ、永久磁石の走行面への吸着力を打ち消す方向(走行面鉛直方向上側)に力を作用させる。そうすると、第一フレーム10の走行面への固定は解除される一方、当該昇降機構の反作用力が第二フレーム11を走行面に押し付ける方向に作用するため、当該第二フレーム11は走行面に固定されることとなる。
なお、上述の駆動制御部2は、内部にコンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した駆動制御部2の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)または半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
1・・・移動装置
10・・・第一フレーム
11・・・第二フレーム
100、110・・・脚部
20、21・・・接地部材
30F、30B、30L1、30L2、30R1、30R2・・・アクチュエータ
40、41・・・コイル
50a、50b・・・板部材
60・・・固定具
2・・・駆動制御部

Claims (7)

  1. 走行面上に配される複数の脚部を有する第一フレームと、
    前記走行面上に、前記第一フレームの前記脚部と隣り合うようにして配される複数の脚部を有する第二フレームと、
    互いに隣り合う前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部を連結するとともに、伸縮して前記脚部同士の離間距離を変更可能とする複数の弾性を有するアクチュエータと、
    前記第一フレームの前記脚部または前記第二フレームの前記脚部を一時的に走行面に固定する固定手段と、
    前記アクチュエータのバネ係数及びオフセットによって入力電圧が決まる電圧制御に基づいて、前記入力電圧に応じた前記アクチュエータにおける伸縮量と、当該アクチュエータが連結する脚部どうしの離間距離の伸縮量と、を前記アクチュエータの全てについて常に等しくする条件を満たしながら、前記複数のアクチュエータの各々を伸縮させて、前記第一フレームと前記第二フレームとを相対移動させる駆動制御部と、
    を備えることを特徴とする移動装置。
  2. 前記駆動制御部は、
    前記複数のアクチュエータの各々における伸縮量と、当該複数のアクチュエータの各々が連結する前記脚部同士の離間距離の伸縮量と、を前記複数のアクチュエータの全てについて常に等しくするような制御に従って、前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部との間に作用させる力が略一定となる条件を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動装置。
  3. 前記第一フレームは、前記脚部を放射状に伸びるようにして少なくとも三つ有し、
    前記第二フレームは、前記脚部を、それぞれが前記第一フレームの前記脚部の間に配置されるように、放射状に伸びるようにして少なくとも三つ有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動装置。
  4. 前記複数のアクチュエータは、
    前記第一フレームの各脚部と、これと隣り合う前記第二フレームの各脚部と、の間の各々に一つずつ、計六個備えられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の移動装置。
  5. 前記複数のアクチュエータは、
    入力する電気信号に応じて伸縮するとともに、自身に作用する力に対して弾性変形可能な弾性体であって、
    前記駆動制御部は、
    当該複数のアクチュエータが前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部との間に作用させる力を略一定とする条件を満たすように前記電気信号を前記アクチュエータの各々に出力する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の移動装置。
  6. 前記固定手段は、
    前記第一フレームまたは前記第二フレームの各脚部に磁力を発生させ、当該脚部を一時的に走行面に固定するコイルである
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の移動装置。
  7. 走行面上に配される複数の脚部を有する第一フレームと、
    前記走行面上に、前記第一フレームの前記脚部と隣り合うようにして配される複数の脚部を有する第二フレームと、
    互いに隣り合う前記第一フレームの前記脚部と前記第二フレームの前記脚部を連結するとともに、伸縮して前記脚部同士の離間距離を変更可能とする複数の弾性を有するアクチュエータと、
    前記第一フレームの前記脚部または前記第二フレームの前記脚部を一時的に走行面に固定する固定手段と、を備える移動装置のコンピュータを、
    前記アクチュエータのバネ係数及びオフセットによって入力電圧が決まる電圧制御に基づいて、前記入力電圧に応じた前記アクチュエータにおける伸縮量と、当該アクチュエータが連結する脚部どうしの離間距離の伸縮量と、を前記アクチュエータの全てについて常に等しくする条件を満たしながら、前記複数のアクチュエータの各々を伸縮させて、前記第一フレームと前記第二フレームとを相対移動させる駆動制御手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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