JP6168140B2 - 反応生成物をリアルタイムにサンプリングするための方法 - Google Patents

反応生成物をリアルタイムにサンプリングするための方法 Download PDF

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Description

本発明は、反応チャンバで反応を行い、反応チャンバ内容物のサンプルを分離チャンネルに移動し、そして分離チャンネル内でサンプルを分析するように構成されたマイクロ流体デバイス、及びそのようなデバイスを操作する方法に関する。
マイクロ流体デバイスは、化学的及び生物学的分析物の分析を実施することに関する大きな関心の対象である。「マイクロ流体」デバイス又は「マイクロスケール」デバイスは、一般にマイクロ流体エレメント(例えば、チャンネル及び/又はチャンバ)のネットワークを含む流体を操作するためのデバイスを指し、少なくとも1つのエレメントは、約0.5μmから約500μmの範囲の少なくとも1つの寸法を有する。例えば、チャンネルはこの範囲の深さ及び/又は幅を有してもよく、一方チャンバは少なくとも深さをこの範囲で有すればよい。
マイクロ流体デバイスは、小スケールの反応を可能にし、それは当業界に周知のように、試薬の使用量の削減、サンプル量の削減、及び迅速な操作などの多くのメリットを有する。また、単一のデバイスにいくつかの機能を統合することが可能であり、ここでサンプルは、次の処理、反応又は分析のために、1つのデバイスエレメントからの別のエレメントに移動させてもよい。この統合の態様は、オペレーター又はロボットステーションにより処理するサンプル量を削減し、必要なスペースを小さくし、そしてさらに、遠隔地又は現場使用のために可搬性であるので、サンプル処理能力の改善を可能にする。
さらに、多数のサンプルウェル、反応チャンバ、及び/又は分析領域を単一のデバイスに備えることができ、それは、原理的に多数の分析を並行して実施することを可能にする。それにもかかわらず、プロセスが連続的しか実施できない場合には支障が生じる。例えば、検出器システム(例えば、レーザー又は光学検出器)又は分析チャンネルが共有される場合、1つのサンプルが前のサンプルの分析が終了するのを待たなければならないような分析工程によってしばしばサンプル処理能力は制限される。マイクロ流体チャンネル及びウェルのマイクロ流体デバイスレイアウトもまた考慮すべき事項であり、デバイスの配置は、1つのマイクロ流体エレメントから別のエレメントまでの分析物の通過時間を短縮することによって処理能力を改善するために用いることができる。
チャンネル配置に基づいて改善されたデバイスの処理能力の例は、Dubrowらが特許文献1で開示している。Dubrowらは、複数のサンプルリザーバに供給された異なるサンプルの電気泳動的分離分析用のデバイスを開示している。デバイスは単一の分析チャンネルを有するが、サンプルリザーバは、リザーバの数を最大にし、さらにサンプルが分析チャンネルに到達するために移動しなければならない距離を最短にするために、分析チャンネルの両側に配置されている。更に、分離チャンネルの1つの側のリザーバから導入された1つのサンプルが、電気泳動的分離によって分析されている間に、チャンネルの反対側にあるリザーバからのサンプルを先行ロードさせることができる、即ち、分離チャンネルに近いロードチャンネルの位置に提供される。一旦第1のサンプルの分析が終了すると、ロードチャンネルにあらかじめ位置したサンプルは、サンプルリザーバから分析チャンネルとの交差部までロードチャンネルに沿った移行を完了することができ、次に分析用の分析チャンネルに導入される。
単に複数のサンプルリザーバ以外にマイクロ流体エレメントと機能を含むデバイスは、高処理能力及び/又は分析時間の短縮に対する別の課題及び問題を提示する。特に、反応チャンバを含むマイクロ流体デバイスは、デバイス内のサンプルの移動と反応の進行を調整することについての課題を提示する。例えば、サーモサイクル反応に関して、サーモサイクルによって引き起こされるサンプル及び/又は輸送特性への温度誘導変化が考慮されなければならないし、分析または他の使用のためにサンプルを取り出すことができる時間が制限されるだろう。
マイクロ流体デバイスへの適切な1つの適用としては、核酸増幅反応を行い、増幅産物を分析する統合デバイスがある。例えば、PCRのような増幅反応用のチャンバとキャピラリー電気泳動(CE)検出用の分離チャンネルを統合することにより、増幅の進行をリアルタイムに追跡し、原サンプル中の標的の量を定量する方法が提供される。
このような統合デバイスの例は、PCR−CEデバイスを含めてこの業界で知られている。そのような装置の1つは、同じ譲受人に譲渡されたBousse及びZhangによる特許文献2に記載されており、その全内容は参照によって本明細書に組み込まれる。デバイスの反応チャンバ内の溶液は、PCR増幅産物を生成するためにサーモサイクルされ、一定のサイクルの後、反応生成物のサンプルは移動され、増幅反応で生成された生成物の量が分析される。しかしながら、一般的に、PCR−CE統合デバイスは、CE分離が行われる間、又は少なくともサンプルがチャンバから分離チャンネルへ輸送されるまで、サーモサイクリングプロセスを休止する。この一時停止により、分析を完了するために必要な合計時間が長くなる。従って、サンプルの処理能力を増大し運転コストを削減するため、サンプルの移動をより効率的に調整することができ、より少ない時間で分析を完了することができるデバイス及び方法の必要性が残っている。
米国特許第5976336号公報 米国特許第8394324号公報
サンプルの迅速な分析のための統合したマイクロ流体デバイス、並びにデバイスを操作するための方法が提供される。特に、デバイスは、チャンバで反応を実施し、その都度チャンバから反応生成物の一部を移動させ、そして生成物を分析するように構成される。このデバイスは一般に反応/分析マイクロ流体デバイスと呼ばれる。開示された方法を用いることにより、反応及び生成した産物の定期的な分析が完了する時間は、従来この業界で知られる方法と比較して有意に短縮されるが、それはデバイス構造が特定の行程を連続的よりはむしろ同時に実施することを可能にし、方法がそれを予期する(contemplate)からである。デバイス及び反応を実施するための補助装置を組み込むシステム並びに検出方法も開示される。
1つの実施態様では、マイクロ流体デバイスは、反応チャンバ、反応チャンバからロード廃棄ウェルに通じるロードチャンネル、分離先頭ウェルからロードチャンネルと交差して分離廃棄ウェルに通じる分離チャンネル、及びロードチャンネルと分離チャンネルの交差部(ロードチャンネル/分離チャンネル交差部)とチャンバとの間に位置するロードチャンネルからプレロード廃棄ウェルに通じるプレロードチャンネル、を含むデバイスが提供される。
デバイスは、2以上の反応チャンバを含んでもよく、付加的なチャンバは同一のロードチャンネル又は異なるロードチャンネルの何れかを介して同じ分離チャンネルに接続されてもよい。または、付加的な反応チャンバは違う分離チャンネルと接続されてもよい。容量(反応チャンバと分離チャンネルの数)及びデバイスのレイアウトは、適用、望ましい試験処理量、製造能力、デバイスを含むシステムの一部として使用される温度調節器、検出装置、電源などの周辺器具類に従って調整することができる。
別の実施態様において、マイクロ流体デバイスはさらにロードチャンネルからサイド先頭ウェルに通じるサイド・チャンネルを含み、ここで、ロードチャンネル/サイドチャンネルの接点は、反応チャンバとロードチャンネル/プレロードチャンネル接点の間にある。
別の実施態様では、マイクロ流体デバイスはさらに、分離チャンネルから焦点用色素ウェルに通じる焦点用色素チャンネルを含み、ここで、分離チャンネル/焦点用色素チャンネル接点は、分離チャンネルの検出ポイントの下流にある。
さらなる実施態様では、マイクロ流体デバイスはさらに、チャンバ、ロード廃棄ウェル、プレロード廃棄ウェル、分離先頭ウェル、分離廃棄ウェル、そしてもし存在すれば、焦点用色素ウェル及びサイド先頭ウェルの内容物と電気化学的並びに流体的に連通しているチャンバ又はウェルに位置する電極を含む。好ましくは、電極は独立に制御可能である。電極に印加される電圧(電位)又は電極を通して流れる電流を独立にコントロールすることによって、サンプル成分を、デバイス内の特定の場所の間で動電的に移動させることができる。電極は、それらがそれぞれのチャンバ又はウェル内の溶液、即ちチャンバ内の溶液又はロード廃棄ウェル内の溶液など、と電気的な接触ができるように配置される。
反応チャンバは、少なくとも2つのアクセス・チャンネル及び少なくとも1つのロードチャンネルに接続する。各アクセス・チャンネルは、チャンバから別々のアクセス・ウェルに通じる。流体、例えば反応液は、アクセス・チャンネルを使用して反応チャンバに加えられる。一般に、流体は第1のアクセス・ウェルに導入され、第1のアクセス・チャンネルを経由してチャンバ内に移動し、そして最終的にチャンバを満たす。追い出された空気は第2のアクセス・チャンネル及び第2のアクセス・ウェルを経て排出される。従って、少なくとも2つのアクセス・チャンネルは、流体が1つのアクセス・チャンネルからチャンバに流れ、チャンバを満たし、そして第2のアクセス・チャンネルを通って出てもよいようにチャンバに接続される。1つの実施態様では、アクセス・チャンネルは、対向してチャンバに接続される。
上述のように、反応チャンバは、ロードチャンネルにも接続する。ロードチャンネルは、分析チャンネルネットワークの一部分である。分析チャンネルネットワークは、ロードチャンネル、プレロードチャンネル、及び分離チャンネル、そしてもし存在すればサイド・チャンネルを含む。
分析チャンネルネットワークのチャンネルの寸法は、デバイスを通して少量の物質の連動的な移動が可能になるように設計される。設計は、いくつかの考慮すべき事項に基づく。1つの考慮すべき事項は、反応チャンバに対する分析チャンネルネットワークのサイズ及び/又は流体抵抗に関する。米国特許第8394324号に記載されているように、このチャンネルネットワークは、分析又は他の使用のために反応チャンバ内の成分の小さな画分だけをチャンネルネットワーク中に移動させる必要があるため、反応チャンバよりも小さい内容積を有するように構成されればよい。例えば、チャンネルネットワークのチャンネルの総体積は、反応チャンバの体積よりも約100倍小さい、又は約100倍〜約1000倍小さい、又は約300倍〜約1000倍小さくてもよい。また、米国特許第8394324号に記載されているように、デバイスは、チャンネルネットワークの流体力学的流体抵抗が反応チャンバのそれよりも高くなるように、チャンネルが小さな断面積を有する分析チャンネルネットワークを含むように設計されればよい。例えば、分析チャンネルネットワークと反応チャンバの間の流体抵抗率が約10以上、又は約10〜約10、又は約10〜約10、又は約10〜約10であるようなチャンネル寸法とすることにより、反応チャンバからロードチャンネルへの入口にゲート機能を与える。そのような流体力学的流体抵抗の値を達成するために使用できる設計上の配慮及び代表的なチャンネル寸法は、米国特許第8394324号に記載されている。
第2の考慮すべき事項は、他のチャンネルとの接点と交差部の間のロードチャンネルに沿った長さ、及びプレロードチャンネルの長さに関係する。特定のチャンネル部分の長さについて本明細書に記載される設計基準を満たすデバイスを提供することによって、デバイスを、分析チャンネルネットワーク内の協調的なサンプル移動及び一連のサンプルのより迅速な分析を可能にする方法に使用することができる。ロードチャンネルセグメントの長さに対する設計基準、及びその様なセグメントに対する典型的な範囲の議論は以下に提供される。
反応/分析用のマイクロ流体デバイス及び本発明の方法を実施するために使用される補助装置を含むシステムもまた提供される。補助装置は、サーモサイクラー装置、マイクロ流体デバイスで使用する一組の電極セットの電位及び/又は電流をコントロールするための電源、及び検出装置を含んでもよい。
システムの1つの実施態様では、サーモサイクラー装置は、反応チャンバの領域のマイクロ流体デバイスに接し、反応チャンバの流体の温度をコントロールする働きをする。サーモサイクラー装置は、加熱又は冷却の何れか又は両方ができればよい。サーモサイクラー装置は、一定の温度又は時間に応じて変化可能な温度で流体をインキュベートするために使用することができる。1つの実施態様では、必要な試薬、プライマー及び標的物の存在下でPCRが起こるように、反応チャンバ内の流体の温度は、サーモサイクラー装置を用いて繰り返し上昇及び下降される。当業者が容易に理解できるような、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ループ介在等温増幅(LAMP)、ローリングサークル増幅(RCA)、自立的配列増幅(SSSR)、転写介在増幅(TMA)、並びに類似の及び関連した核酸検出技術などの他の増幅反応もまた、本明細書に記載の方法及びシステムを用いて実施する事ができる。酵素反応も、その方法及びシステムを用いて分析することができる。
システムの1つの実施態様では、検出装置は、分離チャンネルの内容物のレーザー誘起蛍光検出を行うための機器を含む。例えば、レーザー、光学系及び検出器は、分離チャンネル内の成分から蛍光を誘起し検出するために一列に整列される。検出サブシステムの分離チャンネルとの整列は数々の方法で達成することができる。例えば、マイクロ流体デバイスは、機器の内部に一列にするための一つ又は複数の基準面に対して既知の位置に分離チャンネルの検出領域を持たせて製造することができる。または、光源(例えば、レーザー)などの検出システムのコンポーネントは、分離チャンネルそして同時にその検出領域を検知するために、業界で知られるさまざまな技術によってマイクロ流体デバイスを走査してもよい。例として、分離チャンネル内に蛍光マーカー物質を用意し、そしてその蛍光マーカー物質を検知することによって検出領域を位置付けることが挙げられる。チャンネルに内蔵されるゲルなどの分離媒体は、蛍光マーカー物質を含んでもよく、あるいは、分析の開始前にチャンネルを位置付ける目的で、蛍光物質は一時的に分離チャンネルと連通しているサイド・チャンネルから検出領域に(例えば、電気泳動によって)移動することができる。当業者はよく知っているように、検出装置の多くのバリエーションは可能である。バリエーションとしては、光の波長、光線の形、検出に1つ又はそれ以上の波長の使用、並びに光源と検出器の種類が挙げられる。特定の適用のために求められる感度は、検出装置の種類を選択する上での要因となる。
臨床サンプル等のDNA、RNAなどの核酸を含むアッセイサンプル、及びアッセイの過程でそこに形成されるサンプル成分などを含むアッセイサンプルを、マイクロ流体デバイスで分析する方法もまた提供される。該方法は、上記のデバイスを使用する。
1つの方法は、以下のステップを含む:(a)アッセイ溶液をチャンバに加える;(b)分離先頭ウェルと分離廃棄ウェルの間に、第1の長さの時間、第1の電圧を印加して、すでにロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動した最初のアッセイ溶液からのサンプル成分の第1のセットを分離チャンネルに導入し、そして分離チャンネル内のサンプル成分の第1のセットの分析を行う;(c)チャンバとプレロード廃棄ウェルの間に、第2の長さの時間、第2の電圧を印加して、2度目のアッセイ溶液由来のサンプル成分の第2セットを、チャンバからロードチャンネルを経由してプレロードチャンネルに移動させる;(d)ステップ(b)の後に、プレロード廃棄ウェルとロード廃棄ウェルの間に、第3の長さの時間、第3電圧を印加して、サンプル成分の第2セットをプレロードチャンネルからロードチャンネルに、そしてロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させる。
例えば、上記の実施態様では、そして〜100〜500塩基対のDNAフラグメントの分析に対しては、500〜3000Vの第1の電圧が20〜120秒間印加されればよく、300〜1000Vの第2の電圧が20〜60秒間印加されればよく、そして400〜1600Vの第3の電圧は10〜40秒間印加されればよい。これらのパラメータは、電圧及び時間の大きさの順序の有用な指針であり、方法を実施するための設計基準は以下に記載される。
その方法は、さらにチャンバ内で核酸増幅反応を行うことを含んでもよい。その方法は、なおさらに、一連のステップ:ステップ(b)、ステップ(c)、ステップ(d)、及びステップ(c)の終わりに開始する少なくとも1回の増幅サイクルを行うステップ(e)、を少なくとも2度繰り返すことを含んでもよく、ここで場合により、最初に一連のステップが実施されるときは、ステップ(b)は除外され、次の一連のステップはステップ(d)及びステップ(e)の終了後に開始され、そして任意に、最後に一連のステップが繰り返されるときは、その一連のステップはステップ(b)だけを含んでいてもよい。該方法は、さらに、ステップ(b)及びステップ(c)がほぼ同時に始まり、1つの増幅サイクルが各ステップ(c)の終わりに開始される各ステップ(e)で行なわれる上記の方法を含んでもよい。
1つの方法は、以下のステップを含む:(a)アッセイ溶液をチャンバに加える;(b)チャンバ内のアッセイ溶液からサンプル成分の第1のセットを、最も移動の遅いサンプル成分がプレロードチャンネルに入るような第1の長さの時間、ロードチャンネルを経由してプレロードチャンネルに移動させる;(c)プレロードチャンネル内のサンプル成分の第1のセットの部分を、最も移動の遅いサンプル成分がロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に到達するような第2の長さの時間、プレロードチャンネルからロード廃棄ウェルの方向にそしてロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させる;(d)サンプル成分の第1のセットをロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域から分離チャンネルに導入する;そして(e)分離チャンネル内のサンプル成分の第1のセットを分析する。方法は、さらに次の:(f)大よそステップ(e)の開始時に、サンプル成分の第2のセットをチャンバ内のアッセイ溶液から、サンプル成分の第2のセットの最も移動の遅いサンプル成分がプレロードチャンネルに入る第1の長さの時間、ロードチャンネルを経由してプレロードチャンネルに移動させる。
1つの方法は、マイクロ流体デバイスで核酸増幅反応を行い、少なくとも一度、生成した産物の量を同一のマイクロ流体デバイスの分離チャンネルで、電気泳動的分離によって分析することを含む。方法は、以下のステップを含む:(a)増幅チャンバで少なくとも1回の増幅サイクルを行い、増幅産物を生成する;(b)電気泳動によって増幅産物を増幅チャンバからロードチャンネルを経由してプレロードチャンネルに移動させる;(c)増幅チャンバで少なくとも1回の増幅サイクルを行い、さらなる増幅産物を生成する;(d)電気泳動によって増幅産物をプレロードチャンネルからロード廃棄ウェルに向けてロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させる;(e)以下のステップのサイクルを少なくとも2回行う:(1)現在の増幅サイクルによって生成された増幅産物を電気泳動によって反応チャンバからロードチャンネルを経由してプレロードチャンネルに移動させる;(2)ロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域にある前の増幅サイクル由来の増幅産物を分離チャンネルに導入する;(3)導入された増幅産物を電気泳動によって分離チャンネルに沿って分離する;(4)分離した増幅産物を検出する;(5)場合により、ステップ(e)(1)の後、そしてステップ(e)(6)と少なくとも部分的に時間をオーバーラップして、少なくとも1回の増幅サイクルを増幅チャンバで行い;そして(6)増幅産物を電気泳動によってプレロードチャンネルからロード廃棄ウェルに向けてロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させる;ここで、核酸増幅反応の進行は、増幅サイクル数の関数として生成される増幅産物を検出することによって解析される。
1つの方法は、以下のステップを含む:(a)アッセイ溶液をチャンバに加える;(b)第1の長さの時間、チャンバとロード廃棄ウェルの間に第1の電圧を印加して、(i)アッセイ溶液から最初に取り出されそして前にロードチャンネルに移動したサンプル成分の第1のセットを、ロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させ、且つ(ii)アッセイ溶液からの二度目のサンプル成分の第2のセットをチャンバからロードチャンネルに移動させる;(c)ステップ(b)の後、第2の長さの時間、チャンバとプレロード廃棄ウェルの間に第2電圧を印加し、アッセイ溶液からの二度目のサンプル成分の第2のセットをチャンバからプレロード廃棄ウェルに向けてロードチャンネルに移動させ続ける;そして(d)ステップ(b)の後、第3の長さの時間、分離先頭ウェルと分離廃棄ウェルの間に第3の電圧を印加し、サンプル成分の第1のセットをロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域から分離チャンネルに導入し、分離チャンネル内のサンプル成分の第1セットの分析を行う。
例えば、上記の実施態様では、〜100〜500塩基対のDNAフラグメントの分析のためには、500〜1500Vの第1の電圧が5〜50秒間印加されればよく、300〜1000Vの第2の電圧が20〜60秒間印加されればよく、そして500〜3000Vの第3の電圧は20〜120秒間印加されればよい。これらのパラメータは、電圧及び時間の大きさの順序の有用な指針であり、方法を実施するための設計基準は以下に提供される。
その方法は、さらにチャンバで核酸増幅反応を行うことを含んでもよい。方法は、なおさらに一連のステップ:ステップ(b)、ステップ(c)、ステップ(d)、及びステップ(c)の終わりに開始する少なくとも1回の増幅サイクルを行うステップ(e)、を少なくとも2度繰り返すことを含んでもよく、ここで場合により、一連のステップが実施される最初のときは、ステップ(d)は除外され、次の一連のステップはステップ(d)後に開始されステップ(e)で終る、そして任意に、一連のステップが繰り返される最後のときは、その一連のステップはステップ(b)及びステップ(d)だけを含む。該方法は、さらに上記の方法を含んでもよく、ここでステップ(c)及びステップ(d)は各ステップ(b)が終了するときに開始し、各ステップ(c)の終わりに始まる1サイクルの増幅サイクルは各ステップ(e)で行なわれる。
1つの方法は、以下のステップを含む:(a)アッセイ溶液をチャンバに加える;(b)チャンバ内のアッセイ溶液からサンプル成分の第1セットの第1の部分を、最も移動の早いサンプル成分がロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に到達しないような第1の長さの時間、ロードチャンネルに移動させる;(c)サンプル成分の第1セットの第2の部分をチャンバ内のアッセイ溶液から、ならびにロードチャンネル内の第1の部分を、第2の長さの時間、プレロード廃棄ウェルに向けてロードチャンネルに移動させる;(d)ロードチャンネル内のサンプル成分の第1セットを、第3の長さの時間、ロードチャンネルに沿ってロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させるが、ここで、第3の長さの時間は第1の長さの時間と同じであり、(i)移動が最も遅い成分が第3の長さの時間に移動する距離は、ロードチャンネル/プレロードチャンネル接点からロードチャンネル/分離チャンネル交差部までの距離よりも長く、そして(ii)移動が最も遅い成分が第1、第2及び第3の合計の長さの時間に移動する距離は、ロードチャンネルに沿ってチャンバからロードチャンネル/分離チャンネル交差部までの距離よりも長いものである;(e)サンプル成分の第1セットをロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域から分離チャンネル内に導入する;そして(f)サンプル成分の第1セットを分離チャンネルで分析する。
その方法は、さらにステップ (b)の間に、既にアッセイ溶液からロードチャンネルに移動したサンプル成分の第2のセットはロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動するが、ここでサンプル成分の第2セットの中の移動が最も遅いサンプル成分はロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に到達すること、そしてさらにステップ(g):ステップ(b)の後に、サンプル成分の第2のセットをロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域から分離チャンネルに導入し、分離チャンネルで第2のサンプルを分析すること、を含んでもよい。
その方法は、なおさらに、ステップ (d)の間に、チャンバ内のアッセイ溶液からサンプル成分の第3セットの第1の部分はロードチャンネルに移動するが、ここでサンプル成分の第3セットの中の移動が最も早い成分はロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に到達しないで移動すること、そしてさらにステップ(h):ステップ(f)の間に、サンプル成分の第3セットの第2の部分をチャンバ内のアッセイ溶液からロードチャンネルに、ならびにロードチャンネル内の第1の部分を、第2の長さの時間と同じ第4の長さの時間、プレロード廃棄ウェルに向けて移動すること、を含んでもよい。
1つの方法は、以下のステップを含む:(a)増幅チャンバで少なくとも1回の増幅サイクルを行い、増幅産物を生成する;(b)電気泳動によって増幅産物の第1の部分を増幅チャンバからロードチャンネルに及びそれに沿ってロード廃棄ウェルに向けて、増幅産物はロードチャンネルに沿った経路の一部を移動するけれどもロードチャンネル/分離チャンネル交差部に到達しないように、移動させる;(c)電気泳動によって増幅産物の第2の部分を増幅チャンバからロードチャンネルに、そして増幅産物の第1の部分と共に、プレロードチャンネルに沿ってロード廃棄ウェルに向けて移動させる;(d)増幅チャンバ内で1回の増幅サイクルを行う;そして(e)以下のステップのサイクルを少なくとも2回おこなう:(1)電気泳動によって、(i)現在の増幅サイクルによって生成された増幅産物の第1の部分を、増幅チャンバからロードチャンネルに、そしてそれに沿ってロード廃棄ウェルに向けて、現在の増幅サイクルによって生成した増幅産物はロードチャンネルに沿った経路の一部を移動するけれどもロードチャンネル/分離チャンネル交差部に到達しないように、移動させ、そして(ii)前の増幅サイクルの後にロードチャンネルにそしてプレロード廃棄ウェルに向けて移動した増幅産物を、ロードチャンネルに沿ってロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させる;(2)電気泳動によって、現在の増幅サイクルによって生成された増幅産物の第2の部分を、増幅チャンバからロードチャンネルに、そして現在の増幅サイクルによって生成されたロードチャンネル内の増幅産物の第1の部分と共に、ロードチャンネルに沿ってプレロード廃棄ウェルに向けて移動させる;(3)増幅産物をロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域から分離チャンネルに導入する;(4)導入された増幅産物を、電気泳動によって、分離チャンネルに沿って分離する;(5)分離した増幅産物を検出する;及び(6)場合により、ステップ(e)(2)の後及びステップ(e)(3)〜(5)の間に、増幅チャンバ内で少なくとも1回の増幅サイクルを行い、ここで、核酸増幅反応の進行は、増幅サイクル数の関数として生成される増幅産物を検出することによって解析される。
本発明のこれら及び他の目的及び特徴は、以下の本発明の詳細な説明を添付の図面と関連して読むとき、より完全に明らかになるだろう。
図1Aは、本発明の1つの実施態様によるマイクロ流体デバイスを示す。図1Bは、本発明の1つの実施態様によるマイクロ流体デバイスを示す。図1Cは、本発明の1つの実施態様によるマイクロ流体デバイス用のパラメータを設計するための図解法を示す。 図2は、本発明の1つの実施態様によるサンプル成分の移動パターンを示す。 図3A、3B及び3Cは、本発明の1つの実施態様による一連のステップを示す。 図4A、4B、及び4Cは、本発明の実施態様による事象の典型的な時系列を示す。 図5は、本発明の1つの実施態様によるサンプル成分の移動パターンを示す。 図6A、6B及び6Cは、本発明の1つの実施態様による一連のステップを示す。 図7A及び7Bは、本発明の1つの実施態様による事象の典型的な時系列を示す。 図8A及び8Bは、実施例1に記載された本発明の1つの実施態様によって実施されたリアルタイムPCR−CE分析の結果を示す。 図9A及び9Bは、実施例1に記載された本発明の1つの実施態様によって実施されたリアルタイムPCR−CE分析の結果を示す。 図10A及び10Bは、実施例2に記載された本発明の1つの実施態様によって実施されたリアルタイムRT−PCR−CE分析の結果を示す。 図11A及び11Bは、実施例3に記載された本発明の1つの実施態様によって実施されたリアルタイムPCR−CE分析の結果を示す。
本発明のデバイス、方法及びシステムは、一般に、単一のマイクロ流体デバイス内で反応を実施し反応産物を分析するのに有用である。反応は、分子生物学的もしくは化学的な反応又はアッセイに関連してもよい。反応条件は、反応液をインキュベート又はサーモサイクルすることを含んでもよい。反応生成物は定期的に又は時々反応チャンバから引き出され、チャンネルネットワークを経由して分析用の分離チャンネルに運ばれる。
1つの具体的な適用は、リアルタイムPCR解析又は定量PCR(qPCR)用である。そのような適用では、オリゴヌクレオチドプライマー対を、ポリメラーゼ酵素及びヌクレオチド三リン酸のようなPCR反応に必要な試薬を含む溶液中で対象となる(目的とする)サンプルと接触させる。反応液は、サーモサイクルさせる、即ち、二本鎖ポリヌクレオチドの変性、テンプレートへのプライマーのアニーリング、及び増幅産物とも呼ばれるポリヌクレオチド生成物へのプライマーの伸長をそれぞれ支援する温度の反復サイクルにかけられる。増幅産物の量は、各サーモサイクルの後、又は少なくとも数サーモサイクル毎に測定してもよく、このようにして、反応の進行を追跡することができる。本発明のデバイス、方法及びシステムは、1つのマイクロ流体デバイスの中に、増幅反応を実施するためのチャンバ、及び反応で生成される増幅産物(ポリヌクレオチド生成物)量を測定するためにそれに接続された分離チャンネルを備える。
関連した適用は、標的分析物の有無(及び量)を示す反応産物を生成させるために、DNA又はRNAのいずれかの標的を検出する等温増幅法を含めた別のタイプの核酸増幅反応を用いることを含む。等温反応は、温度変化によって定義された慎重なサイクルに従っては進行しないが、同じ原理が反応生成物の定期的な測定に適用できる。
A.デバイス
図1Aは、本発明のマイクロ流体デバイス100の実施態様を図示する。デバイスは、反応を行うためのチャンバ11を含む。
チャンバ11は、約0.5μLから約200μLの体積を有するように設計される。チャンバ11の体積は、そこで実施される反応の種類によって、反応が、分析、検出、又は他の使用に十分な生成物の量を生産できるような大きさすることができる。例えば、反応がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅反応なら、デバイス内で実施されるPCRアッセイの望ましい感度が、反応チャンバの容量の設定の要因となる。もし10個の標的コピーを確実に増幅できるなら、そして望ましい感度が1コピー/マイクロリットルなら、反応チャンバ体積は少なくとも約10μLでなければならない。反応チャンバは、体積が約0.5μL、1.0、10、25、50、75、100、150又は200μLを有することが考えられる。
反応液は、例えばアクセス・チャンネル18及び19を使用して、チャンバ11に導入されればよい。アクセス・チャンネル18及び19は、それぞれアクセス・ウェル5及び6からチャンバ11に通じる。ここに例示されるように、アクセス・チャンネルは、チャンバ内の液体中の気泡又は空気を避けながら反応液によるチャンバの充填を容易にするために、チャンバ11の反対側にアクセスできるようにしてもよい。例えば、アクセス・ウェル5に導入された溶液は、アクセス・チャンネル18を通して移送させることができ、チャンバ11に入ってそれを満し、アクセス・チャンネル19を通ってチャンバから出ていく。
チャンバ11への流体の移動は、例えば、毛管作用、流体への加圧、又は動電学によって引き起こすことができる。圧力は第1アクセス・ウェルに加えられる陽圧、又は第2アクセス・ウェルに加えられる陰圧であればよい。一般に、第1のアクセス・ウェルの容量は、チャンバ及び少なくとも2つのアクセス・チャンネルの少なくとも一部を満たすのに十分な流体の体積に対応できるほど大きくなければならない。第1のアクセス・ウェルの容量は、チャンバ、少なくとも2つのアクセス・チャンネル、及びアクセス・ウェルの少なくとも一部分を満たすのに十分な流体の体積を収容できる大きさであればよい。
チャンバ11はまた、分析チャンネルネットワークと流体連通している。分析チャンネルネットワークはロードチャンネル12、プレロードチャンネル13、分離チャンネル14、そして、もし存在すれば、サイド・チャンネル21を含む。ロードチャンネル12は、チャンバ11からロード廃棄ウェル3に通じている。分離チャンネル14は、分離先頭ウェル4から分離廃棄ウェル1に通じており、ロードチャンネル/分離チャンネルの交差部16でロードチャンネル12と交差する。プレロードチャンネル13は、チャンバ11とロードチャンネル/分離チャンネルの交差部16の間の位置のロードチャンネル12からプレロード廃棄ウェル9に通じている。プレロードチャンネル13がロードチャンネル12と出会う点はまた、ロードチャンネル/プレロードチャンネル接点15と呼ばれてもよい。サイド・チャンネル21は、チャンバ11とロードチャンネル/プレロードチャンネル接点15の間の位置のロードチャンネル12からサイド廃棄ウェル8に通じている。サイド・チャンネル21がロードチャンネル12と出会う点はまた、ロードチャンネル/サイド・チャンネル接点17と呼ばれてもよい。ロードチャンネルとサイド・チャンネルの接点、接点17の位置は、図1Aに示されたそれと異なってもよい。例えば、サイド・チャンネルが、ポリヌクレオチド鎖長マーカーをサンプル成分と混合するためにロードチャンネルに送達するために使用される場合、サイド・チャンネルは、接点15と交差部16の間のロードチャンネル12と合流すればよい。接点17の位置に関する特定の条件は他にない。いくつかの実施態様では、焦点用色素チャンネル22は、分離チャンネル14から焦点用色素ウェル2に通じている。焦点用色素チャンネル/分離チャンネル接点は、通常は、検出領域として使われる分離チャンネルの部分の下流に位置する。
いくつかの実施態様では、ウェル7はチャンネル20を経由してチャンバ11と流体連通している。そのようなウェルは、ウェルから反応チャンバ11に流体的及び電気化学的な連通を提供する。
電極(図示されない)は、ウェル1、2、3、4、7、8及び9のそれぞれに存在する。電極は、場合によりウェル5及び/又は6に存在してもよい。電極は、独立に制御可能である。2つの電極間に電位差を印加する、又は特定の電流が特定の電極(又は、一組の電極の電位と流電制御の組み合わせ)を通して達成されるように電位差を印加することによって、マイクロ流体デバイスの2点間の経路に沿って動電移送を誘導することができる。ウェル7にある電極は、チャンバ11と分析チャンネルネットワーク内の別の点、通常はロード廃棄ウェル3又はプレロード廃棄ウェル9などの別のウェル、との間に電位差を与えるために使用することができる。従って、ウェル7と別のウェルの1つとの間の電位差は、例えば下記のように、チャンバからロード廃棄ウェル3又はプレロード廃棄ウェル9のいずれかに向かう分析チャンネルネットワークの中に反応液成分の動電移送を誘導するために使用することができる。電極は、ウェル内に下げられた外部電極として提供することができる、又は電極はデバイス自体の部分としてマイクロ加工することができる。
図1Aに示されるように、ウェル10は、デバイス100の特定の構成には使用されない。
図1Bに示されるロードチャンネル12に沿ったチャンバ11から交差部16までの距離(「距離A」)、及び接点15から交差部16までの距離(「距離B」)は、デバイス100を用いて分析する成分の移動度に基づく条件を満たすように設計され、即ち、速度に基づく条件を満たすように設計される。距離A及び距離Bの例示的な長さは、それぞれ、0.1〜2cm及び0.01〜0.2cmである。これらの範囲は、一般に、100〜500塩基対の核酸フラグメントの分析のために実際に適用されるチャンネルセグメントの長さを示す。詳細な設計基準及びこれらのセグメント長の間の関係は下記に記載される。これらの設計基準によって、デバイス100は、本発明の方法を実行することができ、それによっていくつかのステップを同時に行うことができるので、ほかの方法よりも迅速に結果を提供する。
チャンバ11内の反応液中の荷電成分(正味正又は正味負の電荷を有する分子)は、次のように分析できる。分析する反応液中の各荷電成分の電気泳動的移動度μを考える。一対の電極間に電位差を加えることによって構築される一定の電場Eに対して、反応液成分の速度vは、v=μEである。分析する成分の中から、移動の最も早い成分と移動の最も遅い成分を決める。但し、荷電種で分析する対象外の成分が反応液に存在する可能性があることを、認識しなければならない。そのような他の荷電種は、この決定には含まれない。例えば、本明細書に開示されるデバイス及び方法は、リアルタイムPCR分析に適用され、対象となる荷電種としては、反応液と接触するプライマー対から生成される増幅産物が挙げられる。動電学的速度を、それぞれvfast及びvslowとして明示する。距離A及び距離Bについて、ロードチャンネル12に沿った長さは次の条件が満たされなければならない:
(1)vfast(tload)< 距離A、
(2)vslow(tload+tpreload+tload) > 距離A、
(3)vslow(tload)> 距離B。
ここで、vfast、vslow、距離A、及び距離Bは、上記で定義した通りであり、tloadとtpreloadは、それぞれロードステップ及びプレロードステップを行なうために電位差が加えられる時間である。従って、時間tloadの間、移動度μを有する成分は、距離μE(tload)-=v(tload)=Dloadを移動することになる。ロードステップ及びプレロードステップの間に動いた相対的距離のデバイス設計への適用は既に述べたが、ステップそれ自体は以下に、さらに説明する。
対象となるサンプル成分がただ1つである場合、早い種と遅い種は同じ種となり、従って上記の条件において、vfast=vslowである。より一般的には、反応液中に少なくとも2つの対象となる種が存在するようになる。例えば、2つの種は、分析物とポジティブコントロール、又は2つの異なる分析物を含めばよい。反応が増幅反応である場合、分析物は増幅産物である。反応がPCR反応である場合、分析物は、標的配列を増幅するプライマー対によって産生される増幅産物である。
広範な設計解は、式(1)〜(3)の条件を満たす。独自の解決手法はない。むしろ、時間を固定し、有効な距離A及びBの範囲を決定する、又は距離A及びBを固定し、ロード及びプレロードステップのための動作時間範囲を決定する。
条件は、以下の要件を定める。式(1)は、最も速い移動種が「ロードステップ」の継続時間の間に距離A(チャンバ11から交差部16まで)を進まないことを規定する。式(2)は、最も遅い移動種が2つの 「ロードステップ」及び1つの「プレロードステップ」の継続時間の間に少なくとも距離Aを進むことを規定する。最後に、式(3)は、最も遅い移動種が「ロードステップ」の継続時間の間に少なくとも距離B(接点15から交差部16まで)を進むことを規定する。これらのステップ及び様々な移動の基準の重要性は、下記に説明される方法ステップを考慮すれば理解できる。
1つの実施態様は、ポリヌクレオチド産物の分析を意図する。例えば、反応は、核酸増幅産物を生成する核酸増幅反応であればよい。典型的な核酸増幅産物産物は、約2〜3×10−4cm/sVの移動度を有する。100V/cmの電場の印加は、増幅産物産物に0.02〜0.03cm/秒の速度での移動を引き起こす。tload及びtpreloadをそれぞれ10秒及び20秒に設定すると、以下のロードチャンネル用の設計基準が得られる。
(1’)vfast(tload)< 距離A;0.03(10)=0.3cm<距離A
(2’)vslow(tload+tpreload+tload) > 距離A;0.02(40)=0.8>距離A
(3’)vslow(tload)> 距離B;0.02(10)=0.2cm>距離B
従って、ステップの所定の時間に対して、距離Bは0.2cm未満であり、一方距離Aは、0.3cmより大きく0.8cm未満であるべきであることが決定できる。チャンバ11からロードチャンネル12に沿った接点17までの距離は、距離Aから距離Bを差し引くことによって求められる。チャンバ11から接点17までの距離を距離C(図1Bを参照)とすると、上記の条件はセグメントの長さの距離B及び距離Cに関して表すことができる。それ故、上記の例については、以下の規定となる。
(1’)距離C>0.3cm−距離B
(2’)距離C<0.8cm−距離B
(3’)距離B<0.2cm
従って、上記式は、所定のtload及びtpreload時間並びに分析物の速度のセットに対する有効な解答の範囲を提供する。同様に、ロードチャンネルセグメントの長さ及び分析物の速度を固定し、適切なtload及びtpreload時間を決定することができる。
これらの式は、またグラフを使って解くことができる。図1Cは、ロードチャンネルセグメントの長さに対する有効解の範囲を図解するグラフを示す。グラフの斜線領域は、接点15から交差部16(距離B)まで及びチャンバから接点15(距離C)までのロードチャンネルの、本明細書で定義した設計基準に適合するセグメント長の範囲を示す。グラフ上に引かれた3本の線は3つの式によって与えられた限界を示す。
本発明によるマイクロ流体デバイスの製造は、一般に、寸法が異なる、特に深さが異なる流体特性(例えば、チャンネル、チャンバ)を備えたデバイスの作成に関する。例えば、通常、アクセス・チャンネル18並びに19及びチャンバ11は、分析に必要なサンプル量に適応するためにより深く、例えば、深さが50〜500μmである。一方、分析チャンネル・ネットワークは、通常、深さがより少ない、例えば、深さが20〜60μmの小断面のチャンネルを含む。上述のように、断面及び分析チャンネルネットワークの全体的な体積を小さくすることによって、反応液の小画分しか分析のために除く必要がなく、チャンネルネットワークに導入ための大きな流体力学的抵抗は弁として働く。
マイクロ流体デバイスは、当業者が知るいかなる好適な材料からも造ることができる。米国特許第8394324号に記載されるように、そのようなデバイスを製造する方法は、当業界において公知である。ポリメチルメタクリレート及び環状オレフィンコポリマーは、異なる寸法(即ち、深さ)のチャンネルを作成するのに適している。材料は、デバイスを製造するために材料を接合することを含むマイクロ加工技術との適合性で選択される。例えば、デバイスは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状オレフィンポリマー(COP)又は環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PE)及び他の好適なポリマー又はエラストマー、ガラス、石英及び半導体材料などのような高分子材料から形成させることができる。
環状オレフィンコポリマー(COC)は、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)又は1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン(テトラシクロドデセン)のような環状モノマーとエテンとの連鎖共重合によって製造される。COCの例としては、Ticona社のTOPAS(登録商標)および三井化学のAPELTM(商標)が挙げられる。COCはまた、種々の環状モノマーの開環メタセシス重合の後、水素化によって製造してもよい。そのようなポリマーの例としては、日本合成ゴムのARTON及びZeon Chemicals社のZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標)が挙げられる。一方、単一種の環状モノマーを重合させると、環状オレフィンポリマー(COP)が得られる。また、三菱のlupilon(登録商標)ポリカーボネートなどのPC、Evonik CYRO社のAcrylite(登録商標)系のアクリレート(例えば、S10、L40、M30)などのPMMAは、マイクロ流体デバイスを製造するために好適なプラスチックである。
一般に、そのようなポリマーは、多数のグレードが使用可能である。適用によって、FDA承認済グレードが適切であってもよいが、他のグレードの種類で十分であってもよい。マイクロ流体デバイス用の基板の選択に関する他の考慮事項としては、製造の容易性及び再現性、並びに光学測定における低バックグラウンドが挙げられる。これらのパラメータは、当業者により容易に最適化される。
典型的には、チャンバ、チャンネル及びウェルのネットワークを含むマイクロ流体デバイスは、デバイスを形成するために共に接合される2つ又はそれ以上の基板層から製造されてもよい。そのようなデバイスのための製造技術は、一般にマイクロ加工技術と呼ばれ、業界に周知されている。デバイス製造法の1つの例では、マイクロ流体チャンバ及びチャンネルの機構が第1の層を含む基板の第1の表面にマイクロ加工され、第2の層は、機構がマイクロ加工された第1の層の第1の表面に、それによって機構を封入するために接合される。多層化デバイスも製造することができ、それは業界でよく知られていることである。
1つの実施態様では、デバイスは、そこに定義されたマイクロ流体ネットワークを有する基板の第1の表面(即ち、堀、窪み、溝、穴などを与える表面)に、ポリマー性の薄膜を、それによってネットワークを封入するために、接合させることによって製造してもよい。薄膜は、約20μmから約500μm、又は約50μmから約200μmの厚さを有すればよい。薄膜は、厚さの均一性、可用性、接合の容易性、透明性、光学特性、熱特性、化学的特性および他の物理特性に従って選択されればよい。接合技術としては、業界に知られるような積層、超音波溶接、IR溶接などが挙げられる。薄膜材料は、それが接合される基板と同じ又は別の材料であってもよい。
B.デバイスを使用する方法
本明細書に記載の設計条件を満たすデバイスは、チャンバからの2つ又はそれ以上のサンプルを時系列に分析するために、本明細書に開示された方法を用いて操作することができる。本方法は、チャンバ内容物を時間の関数として分析するために有用である。本方法は、チャンバ内で行われる反応の進行の追跡、又はチャンバの内容物を時間とともに監視することに用途を見出せる。例えば、核酸増幅反応で生成する増幅産物の量の増加、又は酵素反応若しくは結合反応の動態を測定することができる。1つの具体的な適用は、PCR反応の進行を追跡することに関する。PCR増幅産物は、各サイクルの後又は選択されたサイクルの後、チャンバからサンプルを取り除き、各サンプルを分析チャンネルネットワークで分離分析することによって解析することができる。
図2は、1つの方法について、デバイスにおけるサンプル成分の概略的な流れを示す。図2では、主要なデバイス機能は、図1と同じ番号を用いて示される。機能には、チャンバ11、チャンバ11からロード廃棄ウェル3に通じるロードチャンネル12、ロードチャンネル12との接点15からプレロード廃棄ウェル9に通じるプレロードチャンネル13、及び分離先頭ウェル4から分離廃棄ウェル1に通じ、そして交差部16でロードチャンネル12と交差する分離チャンネル14が含まれる。
サンプル成分の一般的な順序及び流れ方向は、破線(I)’、(I)’’、(II)及び(III)で示される。最初に、サンプル成分はチャンバ11からロード廃棄ウェル3に向けて移動し、(I)’及び(I)’’で示される移動を生じさせる。この方法によると、2つの異なるサンプルは、(I)’及び(I)’’で表されるロードチャンネル12に存在する。しかしながら、サンプル成分がチャンバ11から最初に移動するときは、ロードチャンネル12には前のサンプルは存在せず、従って(I)’’で表される成分の移動は未だない。サンプル成分がチャンバ11から最初に移動するときは、(I)’で表されるチャンバからロードチャンネル12内へのサンプル成分の移動がある。
次に、サンプル成分は、(II)で表示される移動に従って、チャンバ11からプレロード廃棄ウェル9に向けて移動する。従って、(II)の移動のために、ロードチャンネル12に進出したサンプル成分は、ロードチャンネル12に沿って(I)’で示されるように移動し続け、次にロードチャンネル12を離れてプレロードチャンネル13に入る。さらに、チャンバ11からのサンプル成分は、ロードチャンネル12内への進入が続けられることになる。このように、(I)’及び(II)で表示される移動の組み合わせによって、サンプル成分は接点15までのロードチャンネル12を満たし、そしてまたプレロードチャンネル13に見出されてもよい。
ある時間経過した後、分析用のサンプル成分の次のセットを取り出すのが適切になったら、サンプル成分はチャンバ11からロード廃棄ウェル3に向けて移動し、(I)’及び(I)’’で示される移動が生じる。サンプル成分の次のセットは、先にロードチャンネル12に進出した最初のサンプル成分について上で説明したように、(I)’で示されるようにロードチャンネル12に入ることになる。そして、この時、前にサンプル成分が接点15までのロードチャンネルに移動しているので、これらのサンプル成分はロードチャンネル12に沿って移動し、ロードチャンネル/分離チャンネルの交差部16を横切り、ロード廃棄ウェル3に向けて移動することになる。同様に、更なるサンプル成分のセットが分析のために後期にチャンバ11から排出されると、2つの異なるサンプル成分のセットがロードチャンネル12に存在することになる。チャンバ11から排出された前のサンプル成分のセットは、大よそ接点15までのロードチャンネル12に存在し、一方チャンバ11から排出された現在のサンプル成分のセットは、ちょうどロードチャンネル12に進入したことになる。
3番目のタイプのサンプル成分の移動は、(III)で示される。先にロードチャンネル/分離チャンネルの交差部16に移動したサンプル成分は、分離チャンネル14に導入され、分離廃棄ウェル1に向けて移動される。サンプル成分が分離チャンネル14に沿って移動している時に成分は分離され検出される。これらの様々な移動のタイミング、連携及び継続時間は、さらに図3及び4と併せて説明する。
図3A〜3Cは、図2に関連して議論した(I)’、(I)’’、(II)及び(III)の移動を誘導するために、マイクロ流体デバイス中の様々な位置の間に電圧を印加するためのパターンを図示する。本明細書に記載されるマイクロ流体デバイスにおいて、図3A〜3Cに示されるVD1、VD2、及びVD3の3つのパターンに従った電圧差の反復印加は、チャンバ11からの一連のサンプル成分の迅速な分析をもたらす。図3Aは、チャンバ11とロード廃棄ウェル3の間の第1電圧VD1の印加を示す。チャンバ11に関連する電極11eは、チャンバ11に位置するように図に示されるが、これは本明細書に記載されるデバイスの実施態様の視覚的表現を単純化するためである。図1Aに記載されるデバイスについて、チャンネル20を介してチャンバ11と電気化学的に連通しているウェル7の電極は、図3A及び3Bに関連して説明されるように、通常は、第1及び第2の電圧を印加するために用いられる。例えば、アニオン性の分析物成分をチャンバ11からロードチャンネル12に移動させるために、ロード廃棄ウェル3にある電極3eはプラスにバイアスがかけられ(陽極)、チャンバ11と電気化学的に接触している電極11eはマイナスにバイアスがかけられる(陰極)。逆の分極は、カチオン性分析物成分をチャンバ11からロードチャンネル12内に及びそれに沿って移動させる。第1の電圧が印加されている間、既にロードチャンネル12内に存在する荷電した分析物成分は、チャンネルに沿ってロード廃棄ウェル3に向けて移動し、そしてチャンバ11内の荷電した分析物成分はロードチャンネル12に移動することになる。さらに、図3Aの第1電圧VD1は、(i)ロードチャンネル12に存在する最も移動の遅い分析物成分が接点15から少なくとも交差部16まで移動することができ、そして(ii)チャンバ11内の最も移動の速い分析物はロードチャンネル12に入るが、交差部16に到達しないような時間印加される。
図3Aに示される第1電圧VD1の印加の次に、図3Bに示される、チャンバ11の電極11eとプレロード廃棄ウェル9の電極9eの間の第2電圧VD2の印加は、荷電した分析物成分がロードチャンネル12に沿って移動し、プレロードチャンネル13に進入することになる。さらに、チャンバ11からの荷電した分析物成分は、ロードチャンネル12内への進入が続けられることになる。第2電圧は、サンプル成分が、チャンバ11からロードチャンネル12に移動してしまい、最大でも分離チャンネル14に近い位置のプレロードチャンネルとの接点(接点15)に至り、そしてプレロードチャンネル13に移動するまでの時間、印加される。さらに、第2電圧VD2は、第1電圧が2回そして第2電圧が1回
印加される間に、最も遅い荷電した分析物成分が、少なくともチャンバ11からロードチャンネル/分離チャンネル交差部16までの距離を移動するような時間の間、印加される。
また、図3Aに示される第1電圧VD1の印加の後、分離先頭ウェル4の電極4eと分離廃棄ウェル1の電極1e間の第3電圧VD3の印加は、図3Cに示すように、ロードチャンネル/分離チャンネル交差部16内及び周辺に存在する荷電した分析物成分を、分離チャンネル14に移動させる。ロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に存在する荷電した分析物成分は、分離チャンネル14内に導入することができる。導入される物質は、厳密には、文字通りの2つのチャンネルの交差部内の分析物成分に限定されない。それよりむしろ、業界に知られるように、文字通りの2つのチャンネルの交差部及び交差部に隣接するロードチャンネル12の部分に存在する分析物成分もまた、この工程で分離チャンネル14に導入される。分析物成分が交差部領域から導入される範囲は、関連するウェルに印加される引き戻し電圧のタイミング及び大きさに依存する。第3電圧VD3は、分離チャンネル14において分析物成分の分離及び分析を行なうのに十分な時間印加される。必要な時間は、電界強度、分離媒体中の分析物の移動度、交差部16から検出ポイントまでの距離などに依存する。これらの要因は、迅速な分離時間を好適な検出感度及び分解能を維持して最適化することができる。
図4Aは、本発明に記載の反応を実施し反応生成物を定期的に測定する1つの方法における、ステップの順序及びタイミングのための例示的なプロトコルを図解する。プロトコルは、4種類のステップ:(i)チャンバ内の反応周期;(ii)チャンバからロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動;(iii)チャンバからプレロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動;及び(iv)分離分析を含む。図4Aでは、5つの反応周期、及びそれに続くそれぞれの反応周期後生成した反応生成物の5つの分離分析が実施される。図から理解できるように、第1反応周期の開始及び最後の分離分析の段階的減少は別として、同時に実施される2つのステップがある。もしステップのいずれかのオーバーラップが無かったならば、全行程は510秒かかるだろう。本明細書に開示された方法によるデバイスで反応及び分離分析を行えば、この例で設定された時間パラメータによれば5つのサイクルの全工程は390秒かかることになる。
適切な反応周期は、例えば反応溶液のインキュベートに関与する時間枠や、加熱プログラムを完了するのに必要な時間によって規定される。従って、一定温度で行われる反応は定期的にサンプリングしてもよい。時間は、一定であっても又は変動してもよい。又は、反応液の温度を上げそして下げるサーマルサイクルが反応周期を構成してもよい。サーマルサイクルは、PCRサイクルであってもよい。下記図4B〜4Cでより詳細に説明されるように、反応周期の間に、複数回のサーマルサイクルが行われてもよい。図3A〜3Cに記載されるように、移動ステップ(ii)及び(iii)と分離ステップ(iv)は、第1の電圧、第2の電圧及び第3の電圧の印加に対応する。図4Aに示されるように、反応周期は30秒であり、第1の電圧は10秒間、第2の電圧は20秒間、そして第3の電圧は50秒間の長さで印加される。
図4Aに図解されたプロトコルは、最初に反応周期、続いてサンプル成分をチャンバ11からロード廃棄ウェル3に向けて移動させるために第1の時間の長さの第1の電圧VD1の印加、及び次にサンプル成分をチャンバ11からプレロード廃棄ウェル9に向けて移動させるために第2の時間の長さの第2電圧VD2の印加を含む。この時点で、第1の反応周期までに生成された反応生成物は、ロードチャンネル12から接点15まで移動している。サンプル成分はまだ交差部16に進んでいないので分離分析は必要ないが、第3の時間の長さの第3の電圧VD3を、悪影響を与えなければ、印加してもよい。
次に、第2の反応周期が行われ、続いて再び第1の時間の長さの第1の電圧VD1が印加される。この時、第1の反応周期のサンプル成分はロード廃棄ウェル3に向けて交差部16に移動され、その間に第2の反応周期のサンプル成分はロードチャンネル12内に移動される。この時点で、第2の電圧VD2がチャンバ11とプレロード廃棄ウェル9の間に印加され、そして第3の電圧VD3が分離先頭ウェル4と分離廃棄ウェル1の間に印加される。図示されるように、これら2つの工程は並列で実施される。第2の電圧及び第3の電圧は、ほぼ同時に印加が開始される。第2の電圧を印加するステップは、第3の電圧を印加するステップ(分離ステップ)の前に終了する。第3の電圧を印加するステップが継続する間に、次の反応周期が開始できる。従って、反応周期は、分離分析時間内に完全に実行される。
分離分析パラメータ(例えば、分析物の移動速度、検出器までの距離など)及び反応周期パラメータ(例えば、サーモサイクラー温度、時間、ランプ速度など)の調節によって、これらの時間がほぼ同時に終了するように調整できる。ほぼ同時にこれらのステップを終了させることによって、新しく生成された反応生成物をチャンバ11からロード廃棄ウェル3に向けて移動する次のステップを即座に開始できる。
図4Aは、5つの反応周期及び5つの分離分析から成る例示的なプロトコルを示すが、反応周期及び分離分析の数は、実験の必要に応じて自由に調整できる。例えば、チャンバ内の反応液の内容物に関して一連の少なくとも2、5、10、15、20又は25、又は50もの分離分析が行われてもよい。最初の分離分析の前に、任意の数の反応周期を実施することができる。分離分析の開始を遅らせることで、生成物の量がより容易に測定されるレベルに増加させてもよい。いくつかの実施態様では、生成物ピークが閾値を超えて検出されたとき、又は生成物ピークの検出後の所定の回数の反応周期の後、分析を停止してもよい。
分離分析は、各反応周期後の代わりに、1つおき、又は3つの反応周期毎、又はいかなる特定の反応周期のセットの後でも実施することができる。反応周期は、すべてが同じ継続時間である必要は無く、必要又は要望に応じて変化させることができる。反応がPCRのような核酸増幅反応の場合、生成された産物の量を分析する前に、約8から約17のサーモサイクルを行えばよい。その後、生成物の量は、例えば、毎サーモサイクルの後、又は一つおきのサーモサイクルの後に分析すればよい。実施されるサーモサイクルの総数は、検出感度、増幅効率、及び予測される標的の量、並びにチャンバの体積及び分析チャンネルネットワークの体積に応じて、約35回〜約45回であればよい。アッセイサンプル中に予測される標的分析物の量が多ければ、より少ないサイクル数で十分である。
表1は、サーモサイクルの回数及び実施されるCE分離分析を調整することによって全体的な分析時間をどの程度最適化できるかを図解する。例えば、CE分析は、例えば10回目の反応サイクルから、即ち、9回の反応サイクルが行われた後に、開始できる。さらにその上、CE分析は、毎反応サイクル後の代わりに1回おきの反応サイクル後に実施することができる。もう1つの形は、生成物が検出されるまでは1回おきの反応サイクル後にCE分析を実施し、次に、より高い精度で成長曲線を定義するために毎サイクル後に分析を実施することである。このCE分析は、場合により、成長曲線が一定回数のサイクルの後に適切に定義されるだろうと言う推定に基づいて、予めセットされた分析回数の後、停止することができる。例えば、ある実施態様では、生成物ピークの検出に続いて8サイクル後、10サイクル後、12サイクル後、又はおおよそ14サイクル後、成長は十分に示される。表1で説明される「ピーク検出時点から毎サイクル」モードは、生成物ピークがサイクル12で検出され、その後CE分析が、サイクル14から始まり例えば連続した10サイクルの間毎サイクルで実施され、そしてそこでCE分析が停止される場合の例を示す。サイクル12とサイクル14の間のギャップは、サイクル12の分析結果が、反応サイクル13及び14が完了するまで分からない故に生じる。生成物ピークが検出されない場合、その時、CE分析は分析時間の間1回おきのサイクルを継続し、その後すぐにサンプルは「陰性サンプル」であると報告される。
Figure 0006168140
表1に見られるように、さらなる時間短縮は、実施されるCE分析の回数を調整することによって達成することができる。31回のCE実行を必要とする(この例では)毎サイクルの反応をアッセイするよりもむしろ、いくつかの実施態様では、CE分析が1つおきの反応サイクル後に起こるように予めセットされればよく、その場合(この例では)16回だけのCE実行が必要である。約7.5分の時間短縮(図4A及び4Bに示された時間パラメータから見積もられる)の利点は、成長曲線を定義する精度の損失に対してバランスが保たれるべきである。当業者は、どちらのファクターが方法の適用に重要であるかを容易に決定できる。CE分析回数の別の形は、もちろん可能である。別の実施態様では、CE分析の頻度は、生成物が検出された時点で、1つおきのサイクルから毎サイクルに変えられ、そこでは12回のCE分析が実施されることになる(この例では)。ここで、約18分、即ち毎サイクルモードのアッセイ時間の約半分の時間短縮を、成長曲線の精度のごく僅かな変化で達成することができる。
図4Bは、2つの反応サイクルが実施されそして2つのサイクルの第2のものから生じる生成物が測定される実施態様について、ステップの順序及びタイミングの例示的なプロトコルを図解する。換言すれば、図4Bでは、1つおきの反応サイクルが分析される。プロトコルはまた以下の同じ4種類のステップ:(i)チャンバ内の反応周期、(ii)チャンバからロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動、(iii)チャンバからプレロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動、及び(iv)分離分析、を含む。図4Bでは、8つの反応周期、及びそれに続く1つおきの4つの反応周期後生成した反応生成物の分離分析が示される。図4Bから理解できるように、図4Aと比較したとき、余分な反応周期は、分離分析が行われている間に実施されるものの後に直接挿入され、それに続くステップは反応周期の第2の終わりを待つ。図4Aの実施態様のために5つのサイクル及び5つの分析を完全に処理するために必要な時間は390秒であるのに対して、図4Bの実施態様では、6つの反応サイクル及び1つおき(3つ)の分析には同じ390秒かかることになる。さらなる時間短縮はより多いサイクル数で達成されることになる。
同様に、図4Cは、2つの反応サイクルが実施されそして2つのサイクルの第1のサイクルから生じる生成物が測定される実施態様の、ステップの順序及びタイミングのための例示的なプロトコルを図解する。図4Cでも、1つおきの反応サイクルが分析される。プロトコルはまた以下の同じ4種類のステップ:(i)チャンバ内の反応周期、(ii)チャンバからロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動、(iii)チャンバからプレロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動、及び(iv)分離分析を含む。図4Cでは、8つの反応周期及びそれに続く4つの周期対それぞれの第1の反応周期後生成した反応生成物の分離分析が示される。図4Cから理解できるように、図4Bと比較したとき、その対の第1の反応周期の後、サンプルは移動されサンプル移動(ii)及び(iii)に付され、そして次に前のサンプルの分離分析が行われる間に第2の反応周期が起こる。図4Aの実施態様のために5つのサイクル及び5つの分析を完全に処理するために必要な時間は390秒であり、6つの反応サイクル及び1つおき(3つ)の分析を行った図4Bの実施態様には同じ390秒かかるのに対して、図4Cの実施態様では6つの反応サイクル及び3つの分析に360秒しかかからない。さらなる時間短縮はより多いサイクル数で達成されることになる。
図5では、本発明による別の方法について、デバイスにおけるサンプル成分の概略的な流れを図示する。図5では、主要なデバイス機能は、図1と同じ番号を用いて示される。機能には、チャンバ11、チャンバ11からロード廃棄ウェル3に通じるロードチャンネル12、ロードチャンネル12との接点15からプレロード廃棄ウェル9に通じるプレロードチャンネル13、及び分離先頭ウェル4から分離廃棄ウェル1に通じ、交差部16でロードチャンネル12と交差する分離チャンネル14が含まれる。
サンプル成分の概略的な順序及び流れ方向は、破線(I)、(II)及び(III)で示される。最初に、サンプル成分はチャンバ11からプレロード廃棄ウェル9に向けて移動し、(I)で示される移動をもたらす。サンプル成分がチャンバ11から最初に移動するときは、ロードチャンネル12に前のサンプルは存在しなく、従って分離チャンネルで分析されるべきセットのサンプル成分は未だ無い。
次に、移動(I)の結果としてプレロードチャンネル13内に移動されたサンプル成分は、ロードチャンネル12に向けて逆方向に送り返され、次にそれらのサンプル成分の少なくとも一部は、(II)で示される移動に従って、ロードチャンネル12に沿ってロード廃棄ウェル3に向けて移動し、ロードチャンネル/分離チャンネル交差部16を占領する。このように、(I)と(II)で示される移動の組み合わせのため、サンプル成分は一般に、ロードチャンネル12を交差部16に至るまで、交差部16に、及び交差部16を超えて満たすだろうし、また、プレロードチャンネル13にも見出されてもよい。
3番目のタイプのサンプル成分の移動は、(III)で示される。前にロードチャンネル/分離チャンネル交差部16に移動したサンプル成分は、分離チャンネル14内に導入され、そして分離廃棄ウェル1に向けて移動される。サンプル成分が分離チャンネル14に沿って移動している時に成分は分離され検出される。これらの様々な移動のタイミング、連携及び継続時間は、さらに図6及び7と併せて説明する。
移動の(I)及び(III)は、移動経路が交差又はオーバーラップしないので、同時に実施することができる。(I)及び(III)のそれぞれの移動に先行するステップ、チャンバ11における反応周期((I)に先行する)、及び移動(II)((III)に先行する)もまた、これらの事象が他を妨げそうにないので、同時に実施することができる。同時の事象の対のどちらも実施するのにほぼ同じ量の時間を必要としない限り、常により短い事象をより長い事象の時間内に実施することができる。例えば、もし移動(II)が反応周期よりも短い時間で起こるなら、そのとき移動(II)は、例えば、(i)反応周期とほぼ同時に開始するが早期に終了することができる、(ii)反応周期中にその2つがほぼ同時に終了するように開始することができる、又は(iii)1つの反応周期内に開始し終了することができる。しかし、注意すべきことは、短い事象の一部が、より長い事象の実施に必要な時間外に起きなくもないことである。特に、別の事象の対が大よそ時間内で等しくない場合、4つの事象の相対的タイミングは、1つの実施が他の実施を妨げない限り、同時に起こる事象の異なる組み合わせと異なってオーバーラップしてもよい。例えば、反応周期もまた移動(III)とオーバーラップしてもよい。他方、反応周期と移動(I)は恐らく妨害するだろうし、移動(I)と(II)、及び(II)と(III)は互いに妨害しあうことになる。それにもかかわらず、移動(I)と移動(III)のような1対の事象が大よそ同じ時間である範囲内で、そのとき他の対の事象である反応周期と移動(II)は両者とも、移動(I)及び(III)が起こらない時に起こるだろう。
図6A〜6Cは、図5に関連して議論した(I)、(II)、及び(III)の移動を誘導するために、マイクロ流体デバイス中の様々な位置の間に電圧を印加するためのパターンを図示する。本明細書に記載されるマイクロ流体デバイスにおいて、図6A〜6Cに示される3つのパターンに従った電圧差VD1、VD2、及びVD3の反復印加は、チャンバ11からの一連のサンプル成分の迅速な分析をもたらす。図6Aは、チャンバ11とプレロード廃棄ウェル9の間の第1電圧VD1の印加を示す。チャンバ11に付随する電極11eは、チャンバ11に位置するように図に示されるが、これは本明細書に記載されるデバイスの実施態様のために視覚的表現を単純化するためである。図1Aに記載のデバイスに関して、チャンネル20を介してチャンバ11と電気化学的に連通しているウェル7の電極が、図6Aに関連して説明されるように、第1電圧を印加するために一般的に用いられる。例えば、アニオン性の分析物成分をチャンバ11からロードチャンネル12に移動させるために、プレロード廃棄ウェル9にある電極9eはプラスにバイアスがかけられ(陽極)、チャンバ11と電気化学的に接触している電極11eはマイナスにバイアスがかけられる(陰極)。逆の分極は、カチオン性分析物成分にチャンバ11からロードチャンネル12内に及びそれに沿った移動を起こさせる。第1の電圧が印加されている間、チャンバ11内の荷電した分析物成分はロードチャンネル12に、そして次にプレロードチャンネル13に移動することになる。図6Aの第1電圧は、(i)チャンバ11に存在する最も移動の遅い分析物成分がプレロードチャンネル13に移動できるような時間にわたって印加される。
図6Aに示される第1電圧VD1の印加の次に、図6Bに示されるように、電極9eと電極3eの間の第2電圧VD2の印加は、荷電した分析物成分をプレロードチャンネル13からロードチャンネル12に戻し、ロード廃棄ウェル3に向けて移動させることになる。第2電圧は、サンプル成分が、プレロードチャンネル13から、そして交差部16に移動してしまうまでの時間印加される。
また、図6Bに示される第2電圧を印加した後に、分離先頭ウェル4の電極4eと分離廃棄ウェル1の電極1eの間の第3電圧VD3の印加は、図6Cに示すように、ロードチャンネル/分離チャンネル交差部16内及び周辺に存在する荷電した分析物成分を、分離チャンネル14に移動させる。ロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に存在する荷電した分析物成分は、分離チャンネル14内に導入することができる。導入される物質は、厳密には、文字通りの2つのチャンネルの交差部内の分析物成分に限定されない。それよりむしろ、業界に知られるように、文字通りの2つのチャンネルの交差部及び交差部に隣接するロードチャンネル12の部分に存在する分析物成分もまた、この工程で分離チャンネル14に導入される。分析物成分が交差部領域から導入される範囲は、関連するウェルに印加される引き戻し電圧のタイミング及び大きさに依存する。第3電圧は、分離チャンネル14において分析物成分の分離及び分析を行なうのに十分な時間印加される。必要な時間は、電界強度、分離媒体中の分析物の移動度、交差部16から検出ポイントまでの距離などに依存する。これらの要因は、迅速な分離時間を好適な検出感度及び分解能を維持して最適化することができる。
図7Aは、本発明に記載の反応を実施し反応生成物を定期的に測定する1つの方法における、ステップの順序及びタイミングについての例示的なプロトコルを図解する。プロトコルは、4種類のステップ:(i)チャンバ内の反応周期;(ii)チャンバからプレロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動;(iii)プレロードチャンネルからロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動;及び(iv)分離分析を含む。図7Aでは、5つの反応周期、及びそれに続くそれぞれの反応周期後生成した反応生成物の5つの分離分析が実施される。図から理解できるように、最初の反応周期の開始及び最後の分離分析の段階的縮小は別として、同時に実施される2つのステップがある。もしステップのいずれかのオーバーラップが無かったならば、全行程は610秒かかるだろう。本明細書に開示された方法によるデバイスで、この例で設定された時間パラメータに従って反応及び分離分析を行えば、5つのサイクルの全工程は、470秒で実施できる。
好適な反応周期は、例えば、反応液のインキュベートに関与する時間枠又は加熱プログラムを完了するのに必要な時間によって規定される。従って、一定温度で行われる反応は定期的にサンプリングしてもよい。時間は、一定であっても又は変動してもよい。又は、反応液の温度を上げそして下げるサーマルサイクルが反応周期を構成してもよい。サーマルサイクルは、PCRサイクルであってもよい。下記に図7Bでより詳細に説明されるように、反応周期の間に、複数回のサーマルサイクルが行われてもよい。図6A〜6Cに記載されるように、移動ステップ(ii)及び(iii)及び分離ステップ(iv)は、第1の電圧、第2の電圧及び第3の電圧の印加に対応する。図7Aに示されるように、反応周期は30秒であり、第1の電圧は50秒間、第2の電圧は10秒間、そして第3の電圧は50秒間の長さで印加される。
図7Aに図解されたプロトコルは、最初に反応周期、続いてサンプル成分をチャンバ11からロードチャンネル12を通り、そしてプレロード廃棄ウェル9に向けてプレロードチャンネル13に移動させるために、第1の時間の第1の電圧VD1の印加を含む。
次に、第2の反応周期が実施され、その第2の反応周期の間に、サンプル成分をプレロードチャンネル13からロード廃棄ウェル3に向けて交差部16に移動させるために、第2の時間、第2の電圧VD2が印加される。この時点で、チャンバ内容物は次の分析のために抜き取られる準備ができており、前の反応周期のサンプル成分はロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動されており、分離分析のための準備ができている。
従って、この時点で第1の電圧VD1がチャンバ11とプレロード廃棄ウェル9の間に印加され、そして第3の電圧VD3が分離先頭ウェル4と分離廃棄ウェル1の間に印加される。図示されるように、これら2つの工程は並列で実施される。第1の電圧及び第3の電圧は、ほぼ同時に印加が開始されればよい。
分離分析パラメータ(例えば、分析物の移動速度、検出器までの距離など)及び反応周期パラメータ(例えば、サーモサイクラー温度、時間、ランプ速度など)の調節によって、これらの時間がほぼ同時に終了するように調整できる。ほぼ同時にこれらのステップを終了させることによって、新しく生成された反応生成物をチャンバ11からプレロード廃棄ウェル9に向けて移動する次のステップを即座に開始できる。
図7Aは、5つの反応周期及び5つの分離分析から成る例示的なプロトコルを示すが、反応周期及び分離分析の数は、実験の必要に応じて自由に調整できる。例えば、チャンバ内の反応液の内容物について一連の少なくとも2、5、10、15、20又は25、又は50もの分離分析を行ってもよい。最初の分離分析の前に、任意の数の反応周期を実施することができる。分離分析の開始を遅らせることで、生成物の量がより容易に測定されるレベルに増加させればよい。いくつかの実施態様では、生成物ピークが閾値を超えて検出されたとき、又は生成物ピークの検出後の所定の回数の反応周期の後、分析は停止される。
分離分析は、反応周期毎に代わって、1つおき、又は3つの反応周期毎、又は任意の特定の反応周期のセットの後でも実施することができる。反応周期は、すべてが同じ継続時間である必要は無く、必要又は要望に応じて変化させることができる。反応がPCRのような核酸増幅反応の場合、生成された産物の量を分析する前に、約8から約17のサーモサイクルを行えばよい。その後に、生成物の量は、例えば、毎サーモサイクルの後、又は一つおきのサーモサイクルの後に分析すればよい。実施されるサーモサイクルの総数は、検出感度、増幅効率、及び予測される標的の量、並びにチャンバの体積及び分析チャンネルネットワークの体積に応じて、約35回から約45回であればよい。アッセイサンプル中に予測される標的分析物の量が多ければ、より少ないサイクル数で十分であってもよい。
表1の原理は、図7Aの実施態様にも適用することができる。このように、全体の分析時間は、同様のやり方で実施されるサーモサイクル及びCE分離分析の回数を調整することによって、短縮することができる。時間短縮の度合いは、もちろんアッセイに適用される反応及び分離パラメータに依存する。
図7Bは、2つの反応サイクルが実施されそして2つのサイクルの第2のものから生じる生成物が測定される実施態様の、ステップの順序及びタイミングのための例示的なプロトコルを図解する。換言すれば、図7Bでは、1つおきの反応サイクルが分析される。プロトコルはまた以下の同じ4種類のステップ:(i)チャンバ内の反応周期、(ii)チャンバからロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動、(iii)プレロードチャンネルからプレロード廃棄ウェルの方向へのサンプル成分の移動、及び(iv)分離分析を含む。図7Bでは、6つの反応周期、及びそれに続く1つおきの3つの反応周期後生成した反応生成物の分離分析が示される。図7Bから理解できるように、図7Aと比較したとき、余分な反応周期が正常に行われる第1のものに続いて直接挿入され、それに続くステップは第2の反応周期の終わりを待つ。図7Aの実施態様で5つのサイクル及び5つの分析を完全に処理するために必要な時間は470秒であるのに対して、図7Bの実施態様では、6つの反応サイクル及び1つおき(3つ)の分析には430秒しかかからないことになる。さらなる時間短縮はより多いサイクル数で達成されることになる。
実施例1 PCR反応
1−1.デバイス
PCR−CEマイクロ流体デバイスは、ラミネート加工によって接合された射出成型ポリカーボネート基板およびポリカーボネートフィルム(GE Plastics社、125 μm Lexan 8010)から製造した。マイクロ流体デバイスの設計は図1Aに示す。デバイス全体の寸法は、約45.5mm×25.5mm×5.5mmである。反応チャンバは、約350μmの深さ及び約25μLの体積を有する。ロードチャンネル、プレロードチャンネル、分離チャンネル、及びサイド・チャンネルは、それぞれ約30μmの深さ及び40μmの幅である。電極は、ラミネート加工する前にポリカーボネートフィルム上にプリントされたスクリーンであった。製造されたとき、電極は、基板/フィルムラミネート加工デバイスのウェルに添加される溶液と接触する位置に配置される。
1−2.PCR反応液
E. coli配列を増幅させるためのプライマーは、以下の配列を合成し、プライマー対として用いた:
配列番号1:(順方向プライマー)5’−ATCTATGACTGTACGCCACTGTCCCTAG
配列番号2:(逆方向プライマー)5’−GCCTAGCAAACTCGGAAGATT
PCR反応液は、以下の組成に調製した: 1×Taq緩衝液、MgCl(3mM)、Fermentas Taqポリメラーゼ(1.5U/25μL)、プライマー(それぞれ0.4μM)、dNTP(0.4mM)、及びBSA(100mg/mL)。増幅標的配列(100塩基)は、E. coliゲノムに含まれる。E. coliゲノムDNAは、10,000コピー/25μL反応液の濃度で、鋳型として添加した。
1−3.デバイスのロード
実施例1−1のマイクロ流体デバイスは、実施のために以下のように準備した。分析チャンネルネットワークは、TAPS緩衝液(200mM)pH8、ポリジメチルアクリルアミド篩マトリックス(2.5%)、及びエチジウムブロミド二量体蛍光色素を含む分離ゲルで満たした。実施例1−2のPCR反応液(25μL)を、アクセス・ウェル6にロードし、毛細管作用でチャンバ11に送達させた。ウェル7は、PCR緩衝液で満たした。他のウェルは、分離ゲル又はマーカー又は焦点用色素で満たした。試薬の分配は、以下の表に示した。最後に、15μLのシリコーン油(20cst)をウェル5及び6(反応チャンバへの注入口)ならびにウェル7に添加した。

Figure 0006168140
ゲル緩衝液:MgCl(3mM)、TAPS(200mM)、pH8.0;
ゲル:PDMA31−146(2.5%)、EthDのゲル緩衝液溶液(0.15μM);
焦点用色素:5−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)(0.2μM)、EthDのゲル緩衝液溶液(0.15μM);
マーカー:Fermentas社製 NoLimits DNA:15、300、500bpのゲル緩衝液溶液(各1ng/μL);
PCR緩衝液:1×Taq緩衝液、MgCl(3mM)、dNTP(0.4mM)、ウシ血清アルブミン(BSA)(100mg/mL)。
ロードされたマイクロ流体デバイスは、熱電ヒーター/冷却モジュールに接続された平らな銅板から成るサーマルサイクリング装置(Model HV56, Nextreme, Durham, NC)(図示されない)上に置いた。その内容全体が本明細書に組み込まれている、Liらの米国公開特許第2010/0200402号(出願番号第12/600171号)に開示されている一種の圧力マニホールドを、マイクロ流体デバイスのウェル上におろし、全てのウェルを耐圧にシールにした。20psiの圧力をマニホールド装置を通してすべてのウェルに均等に加えた。
1−4.デバイス操作
実施例1−3で用意したロードされたマイクロ流体デバイスのリアルタイムPCR−CE分析は、以下のように実施した。PCRサーモサイクリングのプロトコルは、次の一連の、変性、アニーリング及び伸長の温度と時間でプログラム化した:
サイクル1:98℃で60秒間、58℃で14秒間、及び77℃で8秒間;
サイクル2〜16:98℃で7秒間、62℃で14秒間、及び77℃で8秒間;
サイクル17〜最後:98℃で7秒間、62℃で14秒間、及び77℃で39秒間。
初めに、16サイクルを実施した。次に、サイクル17を発端に、各PCRサイクル後に、電気泳動によってPCR反応液のサンプル成分をチャンバから取り出し、分離チャンネルに移動し、そして電気泳動によって分析した。各ウェルの電極における電位又は電流は、以下のプロトコルに従ってコントロールした:

Figure 0006168140
第1、第2、及び第3のステップは、図3A〜3Cに図示したように、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧の印加に対応する。プロトコルは、PCRサイクル17のスタートから29秒後に開始した。第1ステップの電位及び電流コントロールは10秒間適用し、第2ステップの条件は21秒間適用し、及び第3ステップの条件は29秒間適用し、そして次に、第1、第2、及び第3ステップ用の電位及び電流コントロールの同じプロトコルを、PCR反応の最後まで繰り返した。
1−5.結果
実施例1−4に記載のPCR及び電気泳動のプロトコルを実施することによって、反応生成物のサンプルは、サイクル17で始まる各サイクルの後に取り出し、キャピラリー電気泳動分析に付した。サイクル20、22、24、26、28、30、32、34、及び36の生成物を分析する電気泳動図は、図8A(左から右、上段から下段に)に示した。サイクル20を分析した電気泳動図では、左上に、3つのマーカーのピークがはっきり見える。3つのピークは、それぞれ15、300及び500の塩基対マーカーである。予想される増幅産物(100塩基対)のピークは、矢印で示した。予想される増幅産物のピークは、右上の電気泳動図(サイクル24を分析)では辛うじて確認できたが、示された最後の電気泳動図(サイクル36を分析)では明確に確認できた。
図8Bは、同じ実験に関して、生成物の成長曲線、即ちサイクル数の関数としての増幅産物の量を示す。
図9Aは、上記のように実施した一連の実験についての成長曲線を示し、ここで実験に含まれる標的DNAの量は、25μL当たり10、10、10及び10であった。結果は、本明細書に記載されたデバイス、方法、及びシステムを用いることによって、最小のコピー数である10コピーさえ検出されたことを示している。図9Bは、図9Aで報告された実験で添加されたコピー数の対数に対する閾値の交差部のプロットを示す。データは線形相関を有する。
実施例2 RT−PCR反応
2−1.デバイス
実施例1-1に記載のデバイスを使用した。
2−2.RT−PCR反応液
C型肝炎ウイルス(HCV)及びMS2バクテリオファージ、RNAファージを増幅させるためのプライマーを準備し、RT−PCR反応液に含めた。さらに、この実施例では、それぞれのプライマーの1つのプライマーは、蛍光色素5−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)で標識した。
HCVプライマー:
配列番号3:5’−(TAMRA)-GAAAGCGTCTAGCCATGGCGT−3’
配列番号4:5’−CTCGCAAGCACCCTATCAGGCA−3’
MS2プライマー:
配列番号5:5’−GGTATAGTGTGGGAAAAGGTG−3’
配列番号6:5’−(TAMRA)-ACGAGAACGAACTGAGTAAAG−3’
アッセイは2つの内部コントロールを有するように設計した。MS2RNAファージは、RNA抽出及び精製工程のコントロールの役割をする。ファージRNAのMS2プライマーによって380bp増幅産物生成を成功裏に増幅させることは、アッセイ手順がHCVウイルス粒子からHCVRNAを抽出するのに十分であったことを示す。RT−PCRアッセイ用の内部コントロールとしてMS2バクテリオファージを使用することは、DreierらによりJournal of Clinical Microbiology, 2005, Vol. 43(9), p. 4551−4557に記載されている。HCVプライマー対によって増幅することができる配列を組み入れたプラスミドもまた反応液(下記)に含まれる。このように、HCVプライマー対は、もしサンプル中にHCVが存在すれば、HCVプライマー対は2つの異なる増幅産物:内部コントロールプラスミドからの1つの生成物、及びHCVウイルス粒子からの1つ、を生成することになる。それぞれの増幅産物の長さは、内部コントロールに対しては440bp及びHCVに対しては250bpである。内部コントロールプラスミドからの増幅産物の出現は、PCR反応に対する適切な条件をコントロールする。
RT−PCR反応液は、以下の組成で調製した:
PCR緩衝液(下記参照)
1×dNTP 0.4mM
KODエキソ(−)ポリメラーゼ(東洋紡社) 0.05μg/μL
HCVプライマー 0.4μM(それぞれ)
MS2プライマー 0.1μM(それぞれ)
DMSO 5%
HCVウイルス粒子 50〜50,000コピー/30μL
MS2ウイルス粒子 40,000コピー/30μL
PCR内部コントロールプラスミド 〜1,000コピー/30μL
HCV High Positive Control ウイルス粒子は、世界保健機構標準 NIBSC 96/798に較正された製品であり、Acrometrix社(Benicia, CA)から入手した。MS2バクテリオファージ、15597−B1株は、Virapur社(San Diego, CA)から入手した。
成分は、混ぜ合わせ、徹底的にボルテックス撹拌し、そして短時間遠心し、30μLを、RTase酵素、dNTP、RNase阻害剤、反応緩衝液、追跡用色素(tracking dye)及び特許化された安定化剤の凍結乾燥混合物の入ったBioneer RT premix tube, K-2041(Bioneer社、Alameda, CA)に移した。チューブの内容物を室温に1分間放置し、次にボルテックス撹拌して短時間遠心し、そして28μLの内容物をデバイスのチャンバに移した。
2−3.デバイスのロード
実施例2−1のマイクロ流体デバイスは、操作のために以下のように準備した。分析チャンネルネットワークは、pH8のTAPS緩衝液(200mM)、及びポリジメチルアクリルアミドマトリックス(3%)を含む分離ゲルで満たした。まず、分離ゲル(15μL)をウェル1に添加し、ウェル1にかかる陽圧を用いてゲルをチャンネルネットワークの中に導入した。次いで分離ゲル(15μL)をウェル3、4、及び9のそれぞれに添加した。次に、15μLの焦点用色素をウェル2に添加し、そして次に15μLのDNAマーカー溶液をウェル8に添加した。実施例2−2のPCR反応液(28μL)はウェル5を経由してチャンバに添加した。チャンバが完全に満たされた後、15μLの分離ゲル緩衝液をウェル7に添加し、そして軽い圧力を10秒間ウェル7に加えた。最後に、15μLのシリコーン油(20cst)をウェル5及び6(反応チャンバへの導入口)及びウェル7に添加した。
試薬の分配は表にまとめ、その下に溶液成分を記載した。
Figure 0006168140
焦点用色素:5−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)のゲル緩衝液溶液(0.2μM);
ゲル緩衝液:MgCl(3mM)、TAPS(200mM)、pH8.0;
ゲル:PDMA31−146のゲル緩衝液溶液(3%);
PCR緩衝液:1×KOD緩衝液、MgCl(3mM)、TAPS(200mM)(pH8.0)、Proclin 300(0.2%)
DNAマーカー:TAMRAで標識した300及び500塩基対のdsDNAのゲル緩衝液溶液(それぞれ1ng/μL)。
ロードされたマイクロ流体デバイスを、実施例1−3に記載されるようにサーマルサイクラ―装置に取り付けた。
2−4.デバイス操作
実施例2−3によって準備したロードされたマイクロ流体デバイスのリアルタイムRTPCR−CE分析を、以下のように実施した。
逆転写酵素(RT)反応を、マイクロ流体デバイスを42℃で20分間インキュベートすることによって行った。
PCRサーモサイクリングのプロトコルを、次の一連の、変性、アニーリング、及び伸長の温度と時間で実施した:
サイクル1〜14:101℃で7秒間、60℃で14秒間、及び74℃で8秒間;
サイクル15〜40:101℃で7秒間、62℃で14秒間、及び77℃で39秒間。
最初の14サイクルを実施した後、サイクル15から始め、各PCRサイクルの後、PCR反応液中のサンプル成分を電気泳動によってチャンバから取り出し、分離チャンネルに移動し、そして電気泳動によって分析した。各ウェルの電極における電位又は電流は、以下のプロトコルに従ってコントロールした:
Figure 0006168140
第1、第2、及び第3のステップは、図3A〜3Cに図示したように、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧の印加に対応する。プロトコルは、PCRサイクル15のスタートから29秒後に開始した。電位及び電流コントロールの第1ステップは10秒間適用し、第2ステップの条件は21秒間適用し、そして第3ステップの条件は29秒間適用し、そして次いで、第1、第2、及び第3ステップ用の電位及び電流コントロールの同じプロトコルを、PCR反応の終わりまで繰り返した。
2−5.結果
実施例2−4に記載のPCR及び電気泳動のプロトコルを実施することにより、反応生成物のサンプルは、サイクル15で始まる各サイクルの後に取り出され、キャピラリー電気泳動分析に付された。サイクル23、24、25、26、27、28、29、30、及び31によって生成された生成物を分析した電気泳動図を、図10A(左から右、上段から下段に)に示した。サイクル23の生成物を分析する電気泳動図では、左上に、2つのマーカーのピークがはっきり見える。2つのピークは、それぞれ300及び500の塩基対マーカーである。予想される増幅産物(100塩基対)のピークを、矢印で示す。予想されるHCV増幅産物のピークは、右上の電気泳動図(サイクル25で生成)で、辛うじて確認できる。MS2及び内部コントロール(IC)のピークは、サイクル28を始めとして明白である。
HCV標的、MS2コントロール、及びPCR内部コントロールに対するピークの成長は、RNAがウイルス粒子から抽出され、RNAがRTによってDNAに変換され、DNAがPCRによって増幅され、そして増幅産物生成物が反応チャンバから抜き出され、分離チャンネルに移送され、CEで成功裏に分析されたことを示す。
図10Bは、生成物及び2つのコントロールの成長曲線、即ち、同じ実験のためのサイクル数の関数としての増幅産物の量を示す。図10Bに見られるように、増幅産物の量が2の閾値と交差するときのサイクル数(Cq)は,HCVで28.0、PCR内部コントロールで30.6、及びMS2で33.6であった。
実施例3 1サイクルおきにサンプリングするPCR反応
3−1.デバイス
実施例1-1に記載のデバイスを使用した。
3−2.PCR反応液
バクテリオファージ−λゲノムの200塩基領域を増幅するためのプライマーを、下記の配列を合成し、PCR反応液を調製するために使用した。逆方向プライマーは、蛍光色素5−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)で標識した。
ファージ−λプライマー:
配列番号7:(順方向プライマー)5’−CGGGATAACACGCTCACCATGA
配列番号8:(逆方向プライマー)5’−TAMRA-GGCCAGACCGAGCCTTCAATAC
PCR反応液を、以下の組成で調製した:1×PCR緩衝液(下記参照)、dNTP(0.4mM)、KODエキソ(−)ポリメラーゼ(0.05μg/μL)、Prpcline 300(0.2%) (Superico, 48912-U)、CHAPS (1%)(Dojindo Laboratories, C-008)、Olfine(0.1%)(Nissin社、 AK-02)、順方向プライマー(0.2μM)、逆方向プライマー(0.2μM)。Sigma-Aldrich社から入手したλ−ファージDNA(製品番号D9768)を、鋳型として、10,000コピー/25μL反応液の濃度で添加した。
3−3.デバイスのロード
実施例3−1のマイクロ流体デバイスを、操作のために以下のように準備した。分析チャンネルネットワークを、実施例2−3で説明したように、pH8のTAPS緩衝液(200mM)及びポリジメチルアクリルアミド篩マトリックス(3%)を含む分離ゲルで満たした。実施例3−2のPCR反応液(25μL)をアクセス・ウェル6にロードし、毛細管作用でチャンバ11に送達させた。ウェル7を、PCR緩衝液で満たした。シリコーン油(15μL、20cst)をウェル5及び6(反応チャンバへの注入口)及びウェル7に添加した。他のウェルを、以下の表に示した試薬の分配によって示されるように分離ゲル又はマーカー又は焦点用色素で満たした。

Figure 0006168140
焦点用色素:5−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)のゲル緩衝液溶液(0.2μM);
ゲル緩衝液:MgCl(3mM)、TAPS(200mM)、pH8.0;
ゲル:PDMA31−146のゲル緩衝液溶液(3%);
PCR緩衝液:1×KOD緩衝液、MgCl(3mM)、TAPS(200mM)(pH8.0)、Procline 300(0.2%)
DNAマーカー:TAMRAで標識した300及び500塩基対のdsDNAのゲル緩衝液溶液(それぞれ1ng/μL)。
ロードされたマイクロ流体デバイスは、実施例1−3に記載されるようにサーマルサイクラ―装置に取り付けた。
3−4.デバイス操作
実施例3−3で準備したロードされたマイクロ流体デバイスのリアルタイムPCR−CE分析を、以下のように実施した。PCRサーモサイクリングのプロトコルを、次の一連の、変性、アニーリング、及び伸長の温度と時間でプログラミングした:
サイクル1:104℃で120秒間、63.8℃で14秒間、及び74.5℃で8秒間、
サイクル2〜16:101℃で7秒間、63.8℃で14秒間、及び74.5℃で8秒間、
サイクル17:101℃で7秒間、63.8℃で14秒間、及び74.5℃で59秒間、
以下を終わりまで繰り返す、
サイクル18(偶数):101℃で7秒間、63.8℃で14秒間、及び74.5℃で39秒間、
サイクル19(奇数):101℃で7秒間、63.8℃で14秒間、及び74.5℃で8秒間。
最初に、17サイクルを実施した。次いで、サイクル18及び19から始まり、各偶数PCRサイクル(対のサイクルの第一のサイクル、例えば、18、20など)の後、PCR反応液のサンプル成分を29秒の電気泳動によってチャンバから取り除き、分離チャンネルに移動し、そして電気泳動によって分析した。タイミング図は、図4Cに反映される。各ウェルの電極における電位又は電流を、以下のプロトコルに従ってコントロールした:
Figure 0006168140
第1、第2、及び第3のステップは、図3A〜3Cに図示したように、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧の印加に対応する。プロトコルは、PCRサイクル18のスタートから29秒後に開始した。電位及び電流コントロールの第1ステップを10秒間適用し、第2ステップの条件を21秒間適用し、そして第3ステップの条件を29秒間適用し、そして次いで、第1、第2、及び第3ステップ用の電位及び電流コントロールの同じプロトコルを、PCR反応の終わりまで繰り返した。
3−5.結果
実施例3−4に記載のPCR及び電気泳動のプロトコルを実施することによって、反応生成物のサンプルは、サイクル18で始まる偶数サイクルの後に取り出し、マイクロ流体デバイス中のキャピラリー電気泳動によって分析した。サイクル18、20、22、24、26、28、30、32、及び34の生成物を分析する一連の電気泳動図を、図11Aに示した。電気泳動図で、DNAマーカーのピークは約25秒(300bpマーカー)及び30秒(500bpマーカー)で見てすぐに分かる。約15秒のピークはプライマーであり、200bpの標的増幅産物(矢印で示す)は約22秒に現れる。予想される増幅産物のピークは、上部中央の電気泳動図(サイクル20の生成物)では辛うじて確認できるが、示された最後の電気泳動図(サイクル34の生成物)では電気泳動図を支配していた。図11Bは、PCRサイクルの関数とした標的増幅産物量の成長曲線を示し、4回の繰り返し実験から方法の再現性を明示している。
本発明は、特定の実施態様及び適用に関して説明されているが、当業者は、本明細書に開示された本発明の適用の範囲及び方法を理解するだろう。

Claims (20)

  1. チャンバ;チャンバからロード廃棄ウェルに通じるロードチャンネル;分離先頭ウェル(head well)から分離廃棄ウェルに通じ、ロードチャンネルと交差する分離チャンネル;及びロードチャンネルと分離チャンネルの交差部(ロードチャンネル/分離チャンネル交差部)とチャンバとの間に位置するロードチャンネルからプレロード廃棄ウェルに通じるプレロードチャンネル、を含むマイクロ流体デバイス内で、サンプル成分を分析するための方法であって、その方法は以下のステップを含み、且つ下記ステップ(c)と(d)は、少なくとも部分的に時間内でオーバーラップする、上記方法:
    (a)アッセイ溶液をチャンバに加える;
    (b)第1の長さの時間、チャンバとロード廃棄ウェルの間に第1の電圧を印加し、(i)アッセイ溶液から最初に取り出され、そして予めロードチャンネルに移動したサンプル成分の第1のセットを、ロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させ、且つ(ii)アッセイ溶液から二度目に取り出されたサンプル成分の第2のセットをチャンバからロードチャンネルに移動させる;
    (c)ステップ(b)の後、第2の長さの時間、チャンバとプレロード廃棄ウェルの間に第2電圧を印加して、アッセイ溶液からの二度目のサンプル成分の第2のセットをチャンバから取り出しプレロード廃棄ウェルに向けてロードチャンネルへ移動させ続ける;及び
    (d)ステップ(b)の後、第3の長さの時間、分離先頭ウェルと分離廃棄ウェルの間に第3の電圧を印加して、サンプル成分の第1のセットをロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域から分離チャンネルに導入し、分離チャンネル内のサンプル成分の第1のセットの分析を行う。
  2. ステップ(c)は、ステップ(d)が終了する前に終了する、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(c)は、ステップ(b)が終了する時に開始する、請求項2に記載の方法。
  4. ステップ(d)は、ステップ(b)が終了する時に開始する、請求項3に記載の方法。
  5. ステップ(b)は、ステップ(d)が終了した後に繰り返される、請求項2に記載の方法。
  6. ステップ(b)、(c)、及び(d)のサイクルが、少なくとも10回繰り返される、請求項5に記載の方法。
  7. ステップ(a)の後で、チャンバ内で少なくとも1つの核酸増幅反応を行うことをさらに含んでなる請求項1に記載の方法であって、下記一連のステップ(b)〜(e)が少なくとも2回繰り返され:
    ステップ(b);
    ステップ(c);
    ステップ(d);及び
    ステップ(e):ステップ(c)の終わりに開始する少なくとも1回の増幅サイクルを行う;
    ここで:
    一連のステップが最初に実施されるときは、ステップ(d)は場合により除外され;
    次の一連のステップは、ステップ(d)及びステップ(e)が終った後に開始し;
    そして場合により、一連のステップが繰り返される最後のときは、その一連のステップはステップ(b)及びステップ(d)だけを含む;上記方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって;
    ステップ(c)及びステップ(d)は、各ステップ(b)が終わるときに開始し;そして
    各ステップ(c)の終わりに始まる1サイクルの増幅サイクルは、各ステップ(e)で行なわれる;上記方法。
  9. チャンバ;チャンバからロード廃棄ウェルに通じるロードチャンネル;分離先頭ウェルから分離廃棄ウェルに通じ、ロードチャンネルと交差する分離チャンネル;及びチャンバとロードチャンネル/分離チャンネル交差部の間の位置のロードチャンネルからプレロード廃棄ウェルに通じるプレロードチャンネルを含むマイクロ流体デバイス内で、サンプル成分を分析するための方法であって、その方法は以下のステップを含む、上記方法:
    (a)アッセイ溶液をチャンバに加える;
    (b)分離先頭ウェルと分離廃棄ウェルの間に、第1の長さの時間、第1の電圧を印加し、予めロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動した最初のアッセイ溶液からのサンプル成分の第1のセットを分離チャンネルに導入し、そして分離チャンネル内のサンプル成分の第1のセットの分析を行う;
    (c)チャンバとプレロード廃棄ウェルの間に、第2の長さの時間、第2の電圧を印加し、2度目のアッセイ溶液からのサンプル成分の第2のセットを、チャンバからロードチャンネルを経由してプレロードチャンネルに移動させる;
    (d)ステップ(b)の後、プレロード廃棄ウェルとロード廃棄ウェルの間に、第3の長さの時間、第3の電圧を印加し、サンプル成分の第2のセットをプレロードチャンネルからロードチャンネルに、そしてロードチャンネル/分離チャンネル交差部領域に移動させる。
  10. ステップ(b)と(c)は少なくとも部分的に時間内でオーバーラップする、請求項9に記載の方法。
  11. ステップ(b)と(c)がほぼ同時に開始する、請求項10に記載の方法。
  12. ステップ(c)はステップ(b)が終了する前に終了する、請求項11に記載の方法。
  13. ステップ(c)はステップ(d)が終了した後繰り返される、請求項12に記載の方法。
  14. ステップ(b)はステップ(d)が終了した後に繰り返され、それによって次のサンプルの分離チャンネルへの導入及び分析が開始される、請求項11に記載の方法。
  15. ステップ(b)、(c)、及び(d)のサイクルが少なくとも10回繰り返される、請求項14に記載の方法。
  16. サンプル成分が電気泳動によって移動する、請求項9に記載の方法。
  17. サンプルが少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む、請求項9に記載の方法。
  18. ステップ(a)の後チャンバ内で少なくとも1つの核酸増幅反応を行うことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、下記一連のステップ(b)〜(e)が少なくとも2回繰り返され:
    ステップ(b);
    ステップ(c);
    ステップ(d);そして
    ステップ(e):ステップ(c)の終わりに開始する少なくとも1回の増幅サイクルを行う;
    ここで:
    一連のステップが最初に実施されるときは、ステップ(b)は場合により除外され;
    次の一連のステップはステップ(d)後に開始されステップ(e)で終る;
    そして場合により、一連のステップが繰り返される最後のときは、その一連のステップはステップ(b)だけを含む;上記方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって;
    ステップ(b)及びステップ(c)は、ほぼ同時に開始し;そして
    各ステップ(c)の終わりに始まる1サイクルの増幅サイクルは、各ステップ(e)で行なわれる;上記方法。
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