JP6167272B2 - 原子発光検出器用マイクロプラズマ装置 - Google Patents

原子発光検出器用マイクロプラズマ装置 Download PDF

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Description

本発明は、高輝度でのプラズマの発光を可能とし、さらに、前記発光を効率よく測光することができる原子発光検出器用マイクロプラズマ装置に関する。
従来から、マイクロプラズマの用途の一つとして、特許文献1に記載されているように、被測定物質を含むサンプルガスと、ヘリウムガス等のキャリアガスとの混合気体からなるプラズマ生成用ガスをプラズマ発生室に導入してプラズマを発生させ、そのプラズマの発光を光ファイバーを通して分光器に導き、当該分光器において光を波長毎の強度情報へと変換して原子発光分析を行うことで、被測定物質の物質同定に用いられている。
このような、従来の原子発光検出器のためのマイクロプラズマ装置20においては、図7に示すように、一対の対向電極22,22の間に誘電板23を設けた積層体20Lに貫通孔として形成されたプラズマ発生室24内においてプラズマを生成し、当該プラズマの発光Pを光ファイバー27を通して分光器に導くようにされている。
特開2011−053078号公報
このとき、放電は電極の壁面に沿って発生するため、プラズマの発光Pは、図7に示すように、プラズマ発生室24の開口部24a,24bから漏れた放電によって、対向電極22,22の外壁面にまでプラズマの発光Pが生じる。
ここで、上記のような原子発光検出器のためのマイクロプラズマ装置20においては、例えば、円筒形状のプラズマ発生室24の中心軸と同軸に配置された光ファイバー27を通してプラズマの発光Pを分光器に導くようにされており、プラズマ発生室24内におけるプラズマの発光Pの発光強度が検出感度に大きく影響を与える。
このため、図7に示すように、プラズマの放電が開口部24a,24bの外側に漏れて、電極22,22の外壁面にまでプラズマの発光Pが生じてしまうと、プラズマ発生室24内における発光強度が弱くなって、プラズマの発光をサンプリングするための単位時間が長くなり、結果的に、被測定物質の検出能が低下するという課題を有している。
そこで、本発明においては、プラズマ発生室内において高輝度でのプラズマの発光を可能とし、さらに、前記発光を効率よく測光して被測定物質の検出感度に優れた原子発光検出器用マイクロプラズマ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第1の態様においては、金属板からなる一対の対向電極の間および両外側面に誘電体からなる誘電板をそれぞれ配置した積層体において、積層方向に貫通して形成された貫通孔からなるプラズマ発生室と、前記プラズマ発生室の一方の開口部から前記プラズマ発生室に対してプラズマ生成用ガスを導入するプラズマ生成用ガス導入部と、前記積層体の前記プラズマ発生室の他方の開口部が開口している外側面と所定の間隙を形成した状態で設けられた透明板と、前記透明板を隔てて前記プラズマ発生室の前記積層体の積層方向における中心軸と同軸に設けられた光ファイバーとを備え、前記プラズマ生成用ガス導入部から前記プラズマ発生室の内部にプラズマ生成用ガスを導入するとともに、前記一対の対向電極に対して電圧を印加することにより、前記プラズマ発生室内に発生したマイクロプラズマの発光を前記光ファイバを通して検出するように形成されていることを特徴とする。
このような、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第1の態様によれば、前記対向電極の両外側面に前記誘電板を配置することにより、プラズマの放電をプラズマ発生室外に漏らさずに被測定物質をプラズマ発生室内で確実に発光させるように形成されているので、高輝度のプラズマの発光を得ることができる。また、前記透明板を設けることにより、外部から前記他方の開口部を通して不純物がプラズマ発生室内に混入することを防止するとともに、他方の開口部から排気されるプラズマ中に含まれる物質が化学蒸着することによって光ファイバーの光導入部が汚染されることを防止し、さらには、対向電極と光ファイバーとの間での放電の発生を防止することができるので、前記プラズマの発光を効率よく測光することを可能とする。これらの結果、サンプリングにかかる所要時間を短くすることができるので、高い検出能で被測定物質内の物質を検出することができる。
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第2の態様においては、前記プラズマ発生室の他方の開口部と前記光ファイバとの間に集光レンズが設けられていることを特徴とする。
このような、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第2の態様によれば、前記集光レンズを設けることにより、プラズマ発生室内に生じたプラズマの発光を集光してさらに高強度の光を光ファイバーに導入することを可能とする。
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第3の態様においては、前記プラズマ発生室の一方の開口部と前記プラズマ生成用ガス導入部との間に前記マイクロプラズマの発光を前記光ファイバ方向へ反射するための反射部材が設けられていることを特徴とする。
このような、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第3の態様によれば、反射部材を設けることにより、光ファイバーが配置されているのとは反対方向に放射される光を反射して、さらに高強度の光を光ファイバーに導入することを可能とする。
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第4の態様においては、複数の前記積層体が、各前記プラズマ発生室が同軸上に連続して設けられていることを特徴とする。
このような、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第4の態様によれば、前記積層体を連続して設けることにより、光ファイバーによって発光を測光する測光方向へのプラズマの放電可能な長さを長くすることができるので、発光強度を増大させて、高強度の光を光ファイバーに導入することを可能とする。
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置によれば、プラズマ発生室内において高輝度でのプラズマの発光を可能とし、さらに、前記発光を効率よく測光して被測定物質の検出感度に優れた原子発光検出器用マイクロプラズマ装置を提供することを可能とする。
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第1実施形態を示す概略断面図 本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第2実施形態を示す概略断面図 本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第3実施形態を示す概略断面図 本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第4実施形態を示す概略断面図 図1の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置によって得られた塩化メチルのクロマトグラムであり、(a)はサンプル濃度30ppmの場合のクロマトグラム、(b)はサンプル濃度50ppbの場合のクロマトグラム、(c)はサンプル濃度3pptの場合のクロマトグラム、(d)はキャリアーガスのみの場合のクロマトグラム 図1の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置によって得られた臭化メチルのクロマトグラムであり、(a)はサンプル濃度30ppmの場合のクロマトグラム、(b)はサンプル濃度50ppbの場合のクロマトグラム、(c)はサンプル濃度3pptの場合のクロマトグラム、(d)はキャリアーガスのみの場合のクロマトグラム 従来の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の形態を示す概略断面図
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置の第1実施形態乃至第4実施形態について図1乃至図4を用いて以下に説明する。
<第1実施形態>
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1の第1実施形態は、図1に示すように、モリブデンなどの金属板からなる一対の対向電極2,2の間と両外側面とにガラスなどの誘電体からなる3枚の誘電板3をそれぞれ配置した積層体Lにおいて、積層方向に貫通して形成された、例えば、円孔状の貫通孔Laからなるプラズマ発生室4と、プラズマ発生室4の一方の開口部4aからプラズマ発生室4内にプラズマ生成用ガス(図中にGASとして示す。)を導入するプラズマ生成用ガス導入部5と、プラズマ発生室4の他方の開口部4bが開口している積層体Lの外側面L4bと所定の間隙Sを形成した状態で、当該外側面L4bと平行に設けられた透明板6と、透明板6を隔ててプラズマ発生室4の積層体Lの積層方向における一点鎖線で示された中心軸Aと同軸に設けられた光ファイバー7とを備えている。
そして、第1実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1においては、プラズマ生成用ガス導入部5からプラズマ発生室4の内部にプラズマ生成用ガスを導入するとともに、一対の対向電極2,2に対して図示を省略した電源から電圧を印加することにより、プラズマ発生室4内にマイクロプラズマを発生させて、当該マイクロプラズマの発光Pを光ファイバー7を通して図示を省略した分光器などに導入するように形成されている。
プラズマ生成用ガス導入部5から導入するプラズマ生成用ガスとしては、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1を用いて物質の同定をする場合には、被測定物質を含むサンプルガスと、ヘリウムガス等のキャリアガスとの混合気体もしくは被測定物質を含むサンプルガスのみを用いるようにされる。この他にも、プラズマ状態とされた際の発光を検出したい物質を含む気体を用いることができる。
また、プラズマ生成用ガスは、被測定物質を単に気化させたガスを導入するだけでなく、本発明のマイクロプラズマ発生検出器1のプラズマ生成用ガスの流れ方向における上流側にガスクロマトグラフもしくは、特許文献1に記載のイオン検出器などを設けて、当該ガスクロマトグラフまたはイオン検出器にて被測定物質の分析を行った後の被測定物質を含む排気ガスを導入するようにしてもよい。
この他にも、一旦、プラズマ発生室4にてプラズマ化された後のガスを再度、プラズマ生成用ガスとしてプラズマ生成用ガス導入部5に導いて、被測定物質を含むガスを所定回数循環させるようにしてもよい。
プラズマ発生室4は、円筒形状、角柱形状など特にその形状を限定するものではないが、特に、円筒形状とすることにより、プラズマの発光Pをより均一に発生させることができる。
また、透明板6は、積層体Lの他方の外側面L4bと透明板6の平面とが平行となるように設けられることが好ましい。
このような、第1実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1によれば、まず、一対の対向電極2,2の間および両外側面にそれぞれ誘電体3を配置した積層体Lにプラズマ発生室4を形成することにより、プラズマ生成用ガスが接触する範囲において対向電極2,2の両外側面が露出されることがないので、放電がプラズマ発生室4の内部以外で発生するのを防止することができる。
そして、透明板6を設けることにより、プラズマの発光Pと光ファイバー7の光導入部7aとの間の光路を遮ることなく、プラズマ生成用ガスの積層体Lの積層方向への流路のみを遮って、プラズマ生成用ガスをプラズマ発生室4内に留まらせることで、プラズマ生成用ガスに含まれる被測定物質をプラズマ発生室4内で確実に発光させることを可能とする。さらに、透明板6を積層体Lの他方の外側面L4bと所定の間隙Sを形成した状態で邪魔板状に設けることにより、プラズマ発生室4から当該間隙Sを通って排出されるプラズマ生成用ガスの間隙Sにおけるプラズマ生成用ガスの流速をプラズマ発生室4におけるプラズマ生成用ガスの流速よりも速くさせることで、外部から間隙Sを通って空気が流入することを防止して、不純物のプラズマの発光を検出することがなく、所望の物質のプラズマの発光のみを得ることを可能とする。
以上の作用効果によって、本実施形態における原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1は、高輝度のプラズマの発光が得られることにより、サンプリングにかかる積分時間を短くすることができるので、ピークが現れるRetentionTime同士が近い物質が含まれるプラズマ生成用ガスを用いる場合においても高い検出能で各物質を検出することを可能とする。
また、透明板6は、光ファイバー7の光導入部7aがプラズマ中の物質によって汚染されることを防止することができる。例えば、当該透明板6を着脱可能に設置することにより、透明板6の表面がプラズマ中の物質が付着して曇り、光導入部7aへの光路が遮られた場合においても、透明板6を取り外して洗浄するもしくは新しいものと交換することで、当該光路を確実に確保して、プラズマの発光Pを光ファイバー7に導入することを可能とする。
<第2実施形態>
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1の第2実施形態は、図2に示すように、プラズマ発生室4の他方の開口部4bと光ファイバー7との間、より具体的には、透明板6と光ファイバー7のとの間の他方の開口部4bに対応する位置に、プラズマの発光Pを集光して光ファイバー7の光導入部7aに導入するための集光レンズ8が設けられている。なお、第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
そして、第2実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1においては、プラズマ生成用ガス導入部5からプラズマ発生室4の内部にプラズマ生成用ガスを導入するとともに、一対の対向電極2,2に対して図示を省略した電源から電圧を印加することにより、プラズマ発生室4内にマイクロプラズマを発生させ、当該マイクロプラズマの発光Pを集光レンズ8によって集光して光ファイバー7の光導入部7aに導入するように形成されている。
このような、第2実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1によれば、集光レンズ8によってプラズマ発生室4内に生じたプラズマの発光Pを集光して光ファイバー7の光導入部7aに導入するので、さらに高強度の光を光ファイバー7を通して分光器などに導入することを可能とする。
<第3実施形態>
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1の第3実施形態は、図3に示すように、プラズマ発生室4の一方の開口部4aとプラズマ生成用ガス導入部5との間、より具体的には、プラズマ発生室4の一方の開口部4aが開口している積層体Lの外側面L4aとプラズマ生成用ガス導入部5との間に光ファイバー7とは逆方向に放射されたプラズマの発光Pを光ファイバー7方向へ反射するための反射部材9が設けられている。
反射部材9のプラズマ発生室4の一方の開口部4aに対応する位置には、図3に示すように、プラズマ生成用ガス導入部5から導入されるプラズマ生成用ガスをプラズマ発生室4に通すための1つまたは複数のガス孔9aが形成されている。
なお、図3においては、反射部材9を平板状としているが、すり鉢状のパラボロイド形状(回転放物面)とすることで、反射および集光を同時にするようにしてもよい。
そして、第3実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1においては、プラズマ生成用ガス導入部5からプラズマ発生室4の内部にプラズマ生成用ガスを導入するとともに、一対の対向電極2,2に対して図示を省略した電源から電圧を印加することにより、プラズマ発生室4内にマイクロプラズマを発生させ、当該マイクロプラズマの発光Pのうち光ファイバー7方向に放射される光を光導入部7aに導入するとともに、光ファイバー7とは反対方向に放射される光を反射部材9によって光ファイバー7方向へ反射して光導入部7aに導入するように形成されている。
このような、第3実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1によれば、反射部材9によってプラズマ発生室4に内に生じたプラズマの発光Pのうち、光ファイバー7とは反対方向に放射される光を光ファイバー7の方へ反射するので、プラズマの発光Pによる光のうち光ファイバー7方向へ放射された光と、光ファイバー7とは反対方向へ放射された光の両方を光ファイバー7の光導入部7aに導入することができるので、さらに高強度の光を光ファイバー7を通して分光器などに導入することを可能とする。
<第4実施形態>
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1の第4実施形態は、図4に示すように、第1実施形態において説明した積層体Lを2つ、それぞれのプラズマ発生室4の中心軸が同軸となるように直列的に連結して、1つの連続した積層体Lcとして形成されている。なお、図4においては、1つの連続した積層体Lcの左側の積層体を第1積層体L1、右側の積層体を第2積層体L2として示す。
第1積層体L1と第2積層体L2とは、図4に示すように、中間位置にある1つの誘電板3を共有して、1つの連続した積層体Lcとされている。なお、単純に第1積層体L1と第2積層体L2とを接続、すなわち、第1積層体L1のプラズマ生成用ガスの流れ方向における下流側の外側面と第2積層体L2のプラズマ生成用ガスの流れ方向における上流側の外側面とを接着することにより、1つの連続した積層体Lcを形成するようにしてもよい。
そして、第4実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1においては、プラズマ生成用ガス導入部5からプラズマ発生室4の内部にプラズマ生成用ガスを導入するとともに、第1積層体L1および第2積層体L2の一対の対向電極2,2に対してそれぞれ図示を省略した電源から電圧を印加することにより、1つの連続した積層体Lc中に形成された2つの貫通孔Laからなるプラズマ発生室4内にマイクロプラズマを発生させて当該マイクロプラズマの発光Pを光導入部7aに導入するように形成されている。
このような、第4実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1によれば、第1積層体L1と第2積層体L2を直列的に接続して、2つの貫通孔Laからなるプラズマ発生室4とすることにより、光ファイバー7の測光方向、図4においては、プラズマ発生室4の中心軸方向にマイクロプラズマを長く形成することができるので、発光強度を増大させて、より高輝度の光を光ファイバー7に導入することを可能とする。
また、上記の第1実施形態乃至第4実施形態の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1の対向電極2,2に対して、公知の冷却装置などによる冷却手段を設けることが好ましい。特に、第4実施形態のように、対向電極2,2を連続してプラズマ発生室4を形成する場合においては、中央付近の電極の排熱が間に合わずに著しく装置の温度が高くなることが考えられるので、対向電極2,2に冷却手段を設けることにより、対向電極2,2の長寿命化を図ることができるとともに、装置全体の温度上昇を抑制することができる。
<実施例>
以下に、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1の実施例を説明する。本実施例においては、図1に示した第1実施形態の本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1を用いて検討を行った。
プラズマ発生室4に導入するプラズマ生成用ガスは、上流側に設置したガスクロマトグラフにてサンプルを予め分離させた状態でプラズマ発生室4に導入し、プラズマの生成を行った。なお、実験に使用したガスクロマトグラフは、GC700(J−SCIENCE LAB CO.,Ltd社製)を用い、カラムとしては、ジメチルポリシロキサンを充填剤とし、直径0.53mm、長さ25mの無極性GCカラム(DB−1、Agilent J&W社製)を用いた。分離条件は、カラム温度50℃、注入ポート温度100℃、キャリーガスをヘリウムガスとして行った。
電極2,2には、30kHz、9kVp−pのネオン変圧器を用いて電圧を印加した。
また、光ファイバー7に導入された光は、分光器(HR4000、OceanOptics,Inc.社製)にて波長ごとの強度情報へと変換し、原子発光分析を行うようにした。分光器の積分時間は、本実験に用いた分光器の最小積分時間である3.8msとして行った。
サンプルとしては、塩化メチル(CHCl)および臭化メチル(CHBr)を用い、ヘリウム1L中に塩化メチル2μL、臭化メチル2μLを導入し、それぞれ塩化メチル770ppm、臭化メチル700ppmのサンプルを作成した。さらに、当該サンプルの濃度を1/5ずつ減少させながら導入し、塩化メチルにおいては154ppm〜3ppt、臭化メチルにおいては140ppm〜3pptまで変化させて、それぞれ、30ppm、50ppb、3pptの濃度の場合およびキャリアーガスのみの場合にて測定を行った。なお、各サンプルの測定波長は、塩化メチルにおいては塩素の検出を検討するべく837.594nm、臭化メチルにおいては臭素の検出を検討するべく889.862nmとして測定を行った。
本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1を用いて、塩化メチルおよび臭化メチルを測定して得られたクロマトグラムを図5および図6に示す。図中の破線は、図5においては塩素の炎色波長を示す837.594nmのピークが現れる位置、図6においては臭素の炎色波長を示す889.862nmのピークが現れる位置をそれぞれ示したものである。
サンプルを塩化メチルとして塩素の検出を行った場合においては、図5に示すように、30ppm、50ppbおよび3pptのいずれの濃度においてもピークが検出されていることが分かる。また、サンプルを臭化メチルとして臭素の検出を行った場合においては、図6に示すように、30ppm、50ppbおよび3pptのいずれの濃度においてもピークが検出されていることが分かる。
特許文献1に記載(図11(a)および(b)を参照)の塩化メチルおよび臭化メチルの検出結果に示されているように、従来の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置20においては、塩化メチルおよび臭化メチルのいずれのサンプルについても10ppmの濃度が検出限界であったのに対して、図5および図6に示すように、本発明の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置1においては、3pptの濃度のサンプルにおいても、被測定物質である塩素および臭素の検出が可能であり、従来の検出器と比較して、約100万分の1の濃度のサンプルの検出が可能であることが分かった。
本発明のマイクロプラズマ発生検出器1の実施の形態は、上記第1実施形態乃至第4実施形態に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において、例えば、プラズマ発生室4のプラズマ生成用ガス導入部5が設けられた一方の開口部4aに透明板6を備えた光ファイバー7を設け、他方の開口部4bにイオン検出器もしくは質量分析装置を接続するようにしたり、積層体Lの貫通孔Laに対して、垂直な挿通孔を設けて積層体Lの内部にT字型の空間を形成し、当該挿通孔の開口部をプラズマ生成用ガス導入部とするとともに、プラズマ発生室4の一方の開口部4aに光ファイバー7を設け、他方の開口部4bにイオン検出器を設けるようにして、光ファイバー7を介したプラズマの発光Pの検出と、イオン検出器によるプラズマ中のイオンの検出もしくは質量分析装置による質量分析などとを同時に行うように形成するなどの応用が可能である。
1 原子発光検出器用マイクロプラズマ装置
2 対向電極
3 誘電板
4 プラズマ発生室
4a 一方の開口部
4b 他方の開口部
5 プラズマ生成用ガス導入部
6 透明板
7 光ファイバー
8 集光レンズ
9 反射部材
L 積層体
La 貫通孔
L4b 外側面
S 間隙
P プラズマの発光

Claims (4)

  1. 金属板からなる一対の対向電極の間および両外側面に誘電体からなる誘電板をそれぞれ配置した積層体において、積層方向に貫通して形成された貫通孔からなるプラズマ発生室と、
    前記プラズマ発生室の一方の開口部から前記プラズマ発生室に対してプラズマ生成用ガスを導入するプラズマ生成用ガス導入部と、
    前記積層体の前記プラズマ発生室の他方の開口部が開口している外側面と所定の間隙を形成した状態で設けられた透明板と、
    前記透明板を隔てて前記プラズマ発生室の前記積層体の積層方向における中心軸と同軸に設けられた光ファイバーとを備え、
    前記プラズマ生成用ガス導入部から前記プラズマ発生室の内部にプラズマ生成用ガスを導入するとともに、前記一対の対向電極に対して電圧を印加することにより、前記プラズマ発生室内に発生したマイクロプラズマの発光を前記光ファイバを通して検出するように形成されていることを特徴とする原子発光検出器用マイクロプラズマ装置。
  2. 前記プラズマ発生室の他方の開口部と前記光ファイバとの間に集光レンズが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置。
  3. 前記プラズマ発生室の一方の開口部と前記プラズマ生成用ガス導入部との間に前記マイクロプラズマの発光を前記光ファイバ方向へ反射するための反射部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置。
  4. 複数の前記積層体が、各前記プラズマ発生室が同軸上に連続して設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原子発光検出器用マイクロプラズマ装置。
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