JP6166832B1 - 系統連系用電力変換装置、及びその出力電流制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】系統連系用電力変換装置において、瞬時電圧低下時に、安定した継続運転を行うことができ、しかも、瞬時電圧低下時と系統電圧復帰時に、上位系統を不安定化させるおそれをなくす。【解決手段】発電システムの制御回路7aは、瞬時電圧低下時に、商用系統電圧の振幅値の大きさに比例した調整用の係数FRTratioを出力電流リミッタ回路19に出力し、出力電流リミッタ値を低下させることにより、インバータからの出力電流値を低下させる。これにより、瞬時電圧低下時に、インバータからの出力電流を抑制して、安定した継続運転を行える。また、系統電圧復帰時に、直流バス電圧指令値を、系統電圧復帰直後の直流バス電圧のフィードバック値から、直流バス電圧の本来の制御目標値に、段階的に近づける。これにより、系統電圧復帰時に、インバータからの出力電流が徐々に増加するので、上位系統を不安定化させるおそれがない。【選択図】図2

Description

本発明は、分散型電源から出力された電力を貯える蓄電池を備えた系統連系用電力変換
装置、及びその出力電流制御方法に関し、より詳細には、系統連系用電力変換装置の事故
時運転継続の技術に関する。
近年、太陽電池等の分散型電源が、商用電力系統に連系されることが一般的になってお
り、今後は、多数の分散型電源が商用電力系統に連系されることが予想される。このよう
な状況において、系統事故時の過渡変動(瞬時電圧低下等)による系統電圧や系統周波数
の大幅変動が生じると、系統連系用電力変換装置(例えば、パワーコンディショナ)が有
する単独運転防止機能のために、分散型電源が一斉に解列して、商用電力系統の電圧や周
波数に大きな影響を与えるおそれがある。そこで、系統事故時における商用電力系統の電
力品質を確保するために、分散型電源の系統連系用電力変換装置には、事故時における運
転継続性能(FRT(Fault Ride Through)要件)が要求される(「
系統連系規定 JEAC9701−2012」参照)。なお、上記の単独運転防止機能と
は、商用電力系統で停電等が生じた場合に、個々の分散電源を商用電力系統から解列させ
る機能である。
この種の電力変換装置では、系統電圧の位相角を検出し、検出した位相角に基づいて、
商用電力系統に合わせた交流電力を生成しているが、瞬時電圧低下等の電圧低下異常時に
は、系統電圧の位相角を正しく検出することができない。このように、電力変換装置が位
相角を正しく検出できない状態では、不安定な位相角に基づいて動作する電力変換装置と
、系統上のリアクトルやコンデンサとの関係で、非基本波次数の共振電流が、継続的に発
生する。特に、多数の分散型電源が系統上に連系された場合には、系統上の共振電流が大
きくなり、これが、需要家の負荷機器の電圧低下による停止(いわゆる負荷脱落)を招い
て、共振現象を一層増大させ、多数の分散型電源が系統から一斉に解列してしまう可能性
がある。
そして、系統電圧の位相角を正しく検出できない状態で、要求される運転継続性能(F
RT要件)を実現するために、従来は、出力電流の上限値までの電流を、出力し続けると
いう制御方法が多い。例えば、特許文献1に記載された電力変換器は、瞬時電圧低下時に
、インバータからの出力電流値が、出力電流上限値を超えないように抑制すると共に、瞬
時電圧低下中にコンデンサに蓄えておいたエネルギーを用いて、商用系統電圧の復帰後に
、短時間で元の出力電力に復帰することができるようにしている。
また、特許文献2に記載されたパワーコンディショナも、瞬時電圧低下時に、継続運転
を行うことができるようにしたものである。このパワーコンディショナは、系統電圧の瞬
時電圧低下が発生した後に、直流リンク電圧(直流バス電圧)がフィードバック動作移行
用の閾値を下回ったことを検出した場合、直流リンク電圧が上記の閾値を下回った量に応
じて、DC/DCコンバータのスイッチング素子を駆動するパルス信号の幅を広げて、直
流リンク電圧を上昇させるようにフィードバック動作を行うと共に、系統電圧の瞬時電圧
低下の検出時に、直流リンク電圧の目標値を、上記のフィードバック動作移行用の閾値よ
りも低い値に変更するものである。このパワーコンディショナによれば、系統電圧の瞬時
電圧低下時でも、直流リンク電圧がフィードバック動作移行用の閾値を下回るようにする
ことができるので、直流リンク電圧を上昇させるためのフィードバック動作を行って、イ
ンバータからの電力出力を継続し、継続運転をすることができる。また、このパワーコン
ディショナによれば、上記のフィードバック動作移行用の閾値を、制御部が通常動作とし
てMPPT制御(最大電力点追従制御)を行っている時に、直流リンク電圧が下回ること
がない程度の電圧値に設定しているので、MPPT制御時に、リンク電圧がフィードバッ
ク動作移行用閾値を下回って、フィードバック動作が行われ、MPPT制御による動作点
(DC/DCコンバータの入力電圧)がずれてしまうことを抑制することができる。
また、近年、太陽電池からの自然エネルギーを最大限に活用するために、太陽電池とパ
ワーコンディショナと蓄電池とを組み合わせた、蓄電ハイブリッド発電システムの需要が
、高まっている。この蓄電ハイブリッド発電システムには、系統連系運転時において、太
陽電池により発電した余剰電力を吸収する役割がある。また、蓄電ハイブリッド発電シス
テムには、家庭内の負荷による(商用電力系統からの)受電電力を減らすために、負荷電
力追従制御を行う役割もある。ここで、負荷電力追従制御とは、太陽電池からの出力電力
(発電電力)が、家庭内の負荷による消費電力よりも小さいときに、受電電力(買電力)
の量を減らすために、蓄電池から放電し、太陽電池からの出力電力が、家庭内の負荷によ
る消費電力よりも大きいときに、余った電力の全て又は一部を蓄電池に充電しておくよう
に制御することを意味する。従って、蓄電ハイブリッド発電システムには、その地方の売
買電の電気料金体系に応じた、意図的な蓄電池への充放電電力制御を行う役割もある。
特開2015−223038号公報 特開2016−32396号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の系統連系用電力変換装置では、瞬時
電圧低下時に、運転継続性能(FRT要件)を実現するために、出力電流の上限値までの
電流を出力し続ける。そして、この系統連系用電力変換装置では、上記の出力電流の上限
値は、定格電流と過電流レベルとの間の値に設定される。このような出力電流の制御方法
は、瞬時電圧低下時にも、可能な限り、大きな電力を出力することが望ましいという考え
方に基づくものである。しかし、多数の分散型電源が同一の商用電力系統に接続する場合
は、瞬時電圧低下中に、多数の電力変換装置から出力電流の上限値までの電流が出力され
ると、系統インピーダンスを介して、上位系統を不安定化させるおそれがある。
また、上記特許文献2に記載されたパワーコンディショナでは、系統電圧の復帰時に、
直流リンク電圧(直流バス電圧)の目標電圧を、瞬時電圧低下時の目標電圧Vref2(
例えば、360V)から、通常動作時(MPPT制御時)の目標電圧Vref1(例えば
、380V)に、急激に切り替えるので、系統電圧の復帰直後における、直流リンク電圧
と(インバータからの)出力電流の変動が大きくなってしまう。従って、このパワーコン
ディショナを同一の商用電力系統に多数台接続すると、系統電圧の復帰直後に、多数のパ
ワーコンディショナから、一斉に大きな電流が流れて、系統インピーダンスを介して、上
位系統を不安定化させるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、商用系統電圧の瞬時電圧低下が発生した場
合に、蓄電池への充放電中であるか否かに係らず、安定した継続運転を行うことができ、
しかも、瞬時電圧低下時にも、系統電圧復帰時(商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通
常の電圧値に復帰した時)にも、上位系統を不安定化させるおそれがない系統連系用電力
変換装置、及びその出力電流制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による系統連系用電力変換装置は、分散型電源を商用電力系統に連系するための系統連系用電力変換装置であって、前記分散型電源から出力された電力を貯える蓄電池と、前記分散型電源と前記蓄電池との少なくとも一方から入力された電力に基づく直流電力を、交流電力に変換するインバータと、前記商用電力系統の電圧である商用系統電圧の振幅値を検出する商用電圧振幅値検出手段と、前記商用電圧振幅値検出手段で検出された商用系統電圧の振幅値に基づいて、前記商用系統電圧の瞬時電圧低下と、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したことを検出する電圧瞬低復帰検出手段と、前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出されたときに、前記インバータからの出力電流値を低下させる出力電流調整手段と、前記インバータへの入力電圧である直流バス電圧のフィードバック値を検出する直流バス電圧値検出手段と、前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出されたときに、前記直流バス電圧の指令値を、前記通常の電圧値への復帰直後に前記直流バス電圧値検出手段によって検出された直流バス電圧のフィードバック値から、前記直流バス電圧の本来の制御目標値に、徐々に増加又は減少させて近づけるように調整する処理である、前記直流バス電圧の指令値のソフトスタートを行う直流バス電圧指令値調整手段と、前記直流バス電圧値検出手段によって検出された直流バス電圧のフィードバック値と、前記直流バス電圧の指令値との差分に基づいて、前記インバータからの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値を算出する有効電流指令値算出手段と、前記有効電流指令値算出手段により算出された有効電流指令値に基づいて、前記インバータからの出力電流を制御する出力電流制御手段とを備える。
この系統連系用電力変換装置において、前記出力電流調整手段は、前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出されたときに、前記インバータからの出力電流値を、前記商用電圧振幅検出手段で検出された前記商用系統電圧の振幅値の大きさに応じた出力電流値に低下させることが望ましい。
この系統連系用電力変換装置において、前記商用電圧振幅値検出手段は、前記商用系統電圧の実効値を、前記商用系統電圧の波形の半サイクルの期間で算出して、算出した商用系統電圧の実効値に2の平方根を乗じることにより、前記商用系統電圧の振幅値を検出することが望ましい。
この系統連系用電力変換装置において、前記分散型電源から出力された直流電力の電圧
を変換するDC/DCコンバータと、前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低
下が検出されたときに、前記DC/DCコンバータの制御方式を、前記分散型電源からの
出力電力が最大になるように前記分散型電源からの入力電圧を調整するMPPT制御から
、前記DC/DCコンバータから出力される直流電力の電圧が一定の範囲内の電圧になる
ように制御するCV制御に切り替える、コンバータ制御切替手段とをさらに備えることが
望ましい。
この系統連系用電力変換装置において、前記直流バス電圧指令値調整手段は、前記直流
バス電圧の指令値の基になる電圧が入力されて、前記直流バス電圧の指令値を出力する直
流バス電圧指示用ローパスフィルタを備え、前記電圧瞬低復帰検出手段により前記商用系
統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出されたときに、前記直流バ
ス電圧の指令値の基になる電圧を、前記通常の電圧値への復帰直後に前記直流バス電圧値
検出手段によって検出された直流バス電圧のフィードバック値と同じ値にし、前記通常の
電圧値に復帰したと検出されたときから所定の遅延時間経過後に、前記直流バス電圧の指
令値の基になる電圧を、前記直流バス電圧の本来の制御目標値にステップ変化させること
により、前記直流バス電圧指示用ローパスフィルタから出力される直流バス電圧の指令値
の前記ソフトスタートを行うようにしてもよい。
この系統連系用電力変換装置において、前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向
DC/DCコンバータと、前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する
充放電電力制御手段と、前記充放電電力制御手段に対する充放電電力指令値の基になる電
力が入力されて、前記充放電電力指令値を前記充放電電力制御手段に出力する充放電電力
指示用ローパスフィルタをさらに備え、前記直流バス電圧指示用ローパスフィルタから出
力される直流バス電圧の指令値の前記ソフトスタートの完了後に、前記充放電電力指示用
ローパスフィルタから前記充放電電力制御手段に出力される前記充放電電力指令値が変化
し始めるように、前記直流バス電圧指示用ローパスフィルタ及び前記充放電電力指示用ロ
ーパスフィルタの遅延時間及び収束時間を設定するようにしてもよい。
この系統連系用電力変換装置において、前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向DC/DCコンバータと、前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する充放電電力制御手段とをさらに備え、前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出されたときに、前記充放電電力制御手段に対して、前記直流バス電圧の指令値の前記ソフトスタートの完了後に、前記充放電電力制御手段に対する充放電電力指令値の基になる電力の値を、前記通常の電圧値への復帰直後における前記蓄電池への充放電電力の値から、前記充放電電力の本来の制御目標値に、徐々に増加又は減少させて近づけるようにしてもよい。
この系統連系用電力変換装置において、前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向
DC/DCコンバータをさらに備え、前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用系統
電圧が、残電圧0%の瞬時電圧低下状態になったと検出されたときに、前記双方向DC/
DCコンバータの運転を継続するか、又は、ゲートブロックにより前記双方向DC/DC
コンバータの運転を停止させるようにしてもよい。
この系統連系用電力変換装置において、前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用
系統電圧が、残電圧0%の瞬時電圧低下状態になったと検出されたときに、前記出力電流
調整手段により前記インバータからの出力電流値を0に低下させて、前記インバータの運
転を継続するか、又は、ゲートブロックにより前記インバータの運転を停止させるように
することが望ましい。
この系統連系用電力変換装置において、前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向
DC/DCコンバータと、前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する
充放電電力制御手段と、前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出され
たときに、前記充放電電力制御手段に対して、前記双方向DC/DCコンバータによる前
記蓄電池への充放電を行わないように指示する充放電停止指示手段とをさらに備えること
が望ましい。
この系統連系用電力変換装置において、前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向
DC/DCコンバータと、前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する
充放電電力制御手段と、前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出され
たときに、前記充放電電力制御手段に対して、前記双方向DC/DCコンバータによる前
記蓄電池への充放電電力を低下させるように指示する充放電電力低下指示手段とをさらに
備えてもよい。
本発明の第2の態様による系統連系用電力変換装置の出力電流制御方法は、分散型電源から出力された電力を貯える蓄電池と、前記分散型電源と前記蓄電池との少なくとも一方から入力された電力に基づく直流電力を交流電力に変換するインバータとを備えた、系統連系用電力変換装置の出力電流制御方法であって、商用系統電圧の振幅値を検出するステップと、検出した前記商用系統電圧の振幅値に基づいて、前記商用系統電圧の瞬時電圧低下を検出するステップと、前記瞬時電圧低下を検出したときに、前記インバータからの出力電流値を低下させるステップと、前記検出した前記商用系統電圧の振幅値に基づいて、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したことを検出するステップと、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出したときに、直流バス電圧の指令値を、前記通常の電圧値への復帰直後における直流バス電圧のフィードバック値から、前記直流バス電圧の本来の制御目標値に、徐々に増加又は減少させて近づけるように調整する処理と、調整後の直流バス電圧の指令値と、その時点の直流バス電圧のフィードバック値との差分に基づいて、前記インバータからの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値を算出する処理と、算出した有効電流指令値に基づいて、前記インバータからの出力電流を制御する処理とを繰り返すステップとを備える。
この系統連系用電力変換装置の出力電流制御方法において、前記低下させるステップは
、前記瞬時電圧低下を検出したときに、前記インバータからの出力電流値を、前記検出し
た商用系統電圧の振幅値の大きさに応じた出力電流値に低下させることが望ましい。
本発明の第1の態様による系統連系用電力変換装置、及び第2の態様による系統連系用
電力変換装置の出力電流制御方法によれば、商用系統電圧の瞬時電圧低下時に、インバー
タからの出力電流値を低下させることができる。これにより、商用系統電圧の瞬時電圧低
下が発生した場合に、蓄電池への充放電中であるか否かに係らず、インバータからの出力
電流を抑制して、過電流の発生を防ぐことができるので、安定した継続運転を行うことが
できる。さらに、瞬時電圧低下の検出時に、出力電流を抑制する(低下させる)ので、上
位系統を不安定化させるおそれがない。
また、商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰した時(系統電圧復帰時)に、直流バス電圧の指令値を、通常の電圧値への復帰直後に検出された直流バス電圧のフィードバック値から、直流バス電圧の本来の制御目標値に、徐々に増加又は減少させて近づけるように調整するようにした。そして、上記の調整後の直流バス電圧の指令値と、その時点の直流バス電圧のフィードバック値との差分に基づいて、インバータからの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値を算出するようにした。要するに、系統電圧復帰時に、直流バス電圧の指令値と(インバータ)出力電流のソフトスタートを行うようにした。これにより、系統電圧復帰時に、直流バス電圧の変動を小さくし、インバータからの出力電流を徐々に増加させることができるので、この系統連系用電力変換装置を同一の商用電力系統に多数台接続した場合でも、系統電圧復帰時に、上位系統を不安定化させるおそれがない。
本発明の一実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム(系統連系用電力変換装置)の概略のシステム構成図。 上記蓄電ハイブリッド発電システムの制御回路の概略ブロック図。 上記制御回路における商用電圧振幅瞬時値検出回路の制御ブロック図。 上記蓄電ハイブリッド発電システムにおける通常運転モードとFRTモードとの切替方法の説明図。 (a)は、上記蓄電ハイブリッド発電システムにおける直流バス電圧指令値のソフトスタートの説明図、(b)は、同直流バス電圧指令値のソフトスタートの変形例の説明図。 商用系統電圧の振幅瞬時値が、一時的に低下するが、瞬低判定用閾値より大きい場合における、インバータ出力電流の制御の説明図。 商用系統電圧の振幅瞬時値が、瞬低判定用閾値以下の状態になった後に、通常の電圧値に復帰した場合における、インバータ出力電流の制御の説明図。 上記制御回路における双方向DC/DCコンバータ用の充放電電力制御ブロック図。 上記蓄電ハイブリッド発電システムにおいて、太陽光発電のみを行い、充放電動作を行っていないときに、瞬時電圧低下を発生させる実験を行った場合の、瞬時電圧低下の発生直後の実験結果を示すグラフ。 上記蓄電ハイブリッド発電システムにおいて、太陽光発電のみを行い、充放電動作を行っていないときに、瞬時電圧低下を発生させる実験を行った場合の、商用系統電圧復帰直後におけるソフトスタートの実験結果を示すグラフ。 上記蓄電ハイブリッド発電システムにおいて、夜間に充電動作を行っているときに、瞬時電圧低下を発生した場合の実験結果を示すグラフ。 上記蓄電ハイブリッド発電システムにおいて、夜間に放電動作を行っているときに、瞬時電圧低下を発生した場合の実験結果を示すグラフ。 本発明の変形例10における、系統電圧復帰後の蓄電ハイブリッド発電システの直流バス電圧と充放電電力のソフトスタートの説明図。
以下、本発明を具体化した実施形態による系統連系用電力変換装置、及びその出力電流
制御方法について、図面を参照して説明する。本実施形態では、請求項における系統連系
用電力変換装置が、蓄電ハイブリッド発電システムである場合の例について、説明する。
図1は、本実施形態による蓄電ハイブリッド発電システム1の概略のシステム構成を示す
蓄電ハイブリッド発電システム1は、いわゆるパワーコンディショナを、分散型電源で
ある太陽電池2、及び太陽電池2から出力された電力を貯える蓄電池3と組み合わせたも
のであり、太陽電池2を商用電力系統9に連系させることが可能である。
蓄電ハイブリッド発電システム1は、太陽電池2と、太陽電池2で発電された直流電力
を最適な出力電力に変換するために、太陽電池2から出力された直流電力の電圧を変換す
るDC/DC(Direct Current to Direct Current)
コンバータ4aと、蓄電池3に対する充放電を行うための双方向DC/DCコンバータ4
bと、これらのDC/DCコンバータ4a,4bからの直流出力電力(すなわち、太陽電
池2と蓄電池3の少なくとも一方から入力された電力に基づく直流電力)を交流電力に変
換するDC/AC(Direct Current to Alternating C
urrent)インバータ5(以下、「インバータ5」と略す)とを備えている。また、
蓄電ハイブリッド発電システム1は、直流バス電圧平滑化用の電解コンデンサCdc、L
Cフィルタ6、制御回路7a、制御回路7b、及び系統連系用リレーSGridも備えて
いる。
本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1では、インバータ5、及び双方向DC/
DCコンバータ4bの主要部が、三相インバータ用IPM(Intelligent P
ower Module)8により構成されている。三相インバータ用IPM8は、IG
BT(Insulated Gate Bipolar Transistor)から構
成されるスイッチング素子SW1〜SW6の駆動回路や、自己保護機能を組み込んだ電力
用半導体素子である。本実施形態では、三相インバータ用のIPM8における6つのスイ
ッチング素子S1〜S6のうち、スイッチング素子S1〜S4を、インバータ5のスイッ
チング素子として用い、スイッチング素子S5、S6を、双方向DC/DCコンバータ4
bのスイッチング素子として用いている。図1に示すように、三相インバータ用IPM8
における3相の出力ラインのうち、u相とw相の出力ラインは、単相2線の商用系統9と
接続され、v相の出力ラインは、蓄電池3と接続されている。
双方向DC/DCコンバータ4bには、上記の三相インバータ用IPM8に内蔵された
、スイッチング素子S5、S6や、これらの駆動回路に加えて、DCリアクトルLBAT
が含まれる。図1中のRBATは、DCリアクトルLBATの内部抵抗である。また、上
記の電解コンデンサCdcは、双方向DC/DCコンバータ4bにおけるDC/DC変換
に必要なコンデンサの役割も果たす。
DC/DCコンバータ4aは、制御回路7bによる制御に基づいて、太陽電池2の最大
電力点追従制御(以下、MPPT(Maximum Power Point Trac
king)制御という)を行い、太陽電池2からの出力電力が最大(最適)になるように
、太陽電池2からの入力電圧を調整する。具体的には、DC/DCコンバータ4aは、制
御回路7bによる制御に基づき、太陽電池2が最大出力電力を出せるように、所定の入力
電圧まで昇降圧の動作をして、最大電力点追従制御を行う。但し、商用系統電圧の瞬時電
圧低下時等において、インバータ5からの有効成分の出力電流の絶対値を、出力電流リミ
ッタ値Ilimの範囲内に抑制する場合は、制御回路7bは、DC/DCコンバータ4a
を、通常のMPPT制御から、DC/DCコンバータ4aの直流出力電圧をある一定の範
囲内で上下させるCV(Constant Voltage)モード(定電圧モード)の
制御(CV制御)に切り替える。制御回路7bは、請求項におけるコンバータ制御切替手
段に相当する。なお、DC/DCコンバータ4aにおけるスイッチング素子SPVは、I
GBTから構成され、制御回路7bから送られるPWM(Pulse Width Mo
dulation)信号でスイッチングされる。
制御回路7aは、自然エネルギーを最大限に活用するために、太陽電池2からの発電電
力、及び家庭内の交流負荷ZLoadの消費電力の情報に基づき、双方向DC/DCコン
バータ4bを介して、蓄電池3に指示電力の通りに充放電電力制御を行う。そして、蓄電
ハイブリッド発電システム1は、インバータ5を介して、DC/DCコンバータ4aと双
方向DC/DCコンバータ4bからの直流出力電力を、交流電力に変換する。
インバータ5は、DC/DCコンバータ4aと双方向DC/DCコンバータ4bの少な
くとも一方から入力された電力に基づく直流電力を、交流電力に変換する。ここで、制御
回路7aは、インバータ5がDC/DCコンバータ4a及び双方向DC/DCコンバータ
4bからの出力電力を全て交流出力電力に変換し、安定した出力電力の制御をするために
、直流バス電圧の一定制御を行う必要がある。インバータ5におけるスイッチング素子S
1〜S4は、蓄電ハイブリッド発電システム1の制御回路7aから送られるPWM(Pu
lse Width Modulation)信号でスイッチングされる。
LCフィルタ6は、各電源ラインに直列に接続された2つのACリアクトルLinv
、電源ライン間に接続されたコンデンサCinvとから構成され、インバータ5から出力
される交流電圧から、高調波成分(主に、PWM信号のキャリア周波数)を除去する。図
中におけるRinvとRとは、それぞれ、各ACリアクトルLinvの内部抵抗と各コ
ンデンサCinvの内部抵抗とを示す。また、図1中のiは、コンデンサCinvに流
れる電流(コンデンサ通過電流)を示す。
制御回路7a,7bは、いわゆるマイコンを用いて構成されており、主に、上記のDC
/DCコンバータ4aと、双方向DC/DCコンバータ4bと、インバータ5とを制御す
る。図1に示すように、制御回路7aの入力信号(の測定箇所)は、直流バス電圧Vdc
、インバータ5の出力電流iinv、家庭内の交流負荷ZLoadに流れる負荷電流i
oad、商用系統電圧euw、インバータ5の出力電圧einv、蓄電池3の充放電電流
BAT、蓄電池3の電圧VBAT、太陽電池2の出力電圧VPV、及び太陽電池2の出
力電流IPVである。そして、図1の制御回路7aの出力信号は、系統連系用リレーS
ridの制御用の出力信号、インバータ5のスイッチング素子S1〜S4の制御用の出力
信号、及び双方向DC/DCコンバータ4bのスイッチング素子S5、S6の制御用の出
力信号である。制御回路7bの入力信号(の測定箇所)は、直流バス電圧Vdc、太陽電
池2の出力電圧VPV、及び太陽電池2の出力電流IPVであり、制御回路7bの出力信
号は、DC/DCコンバータ4aのスイッチング素子SPVの制御用の出力信号である。
系統連系用リレーSGridは、蓄電ハイブリッド発電システム1の商用電力系統9へ
の連系状態と解列状態とを切り替えるためのスイッチである。
商用電力系統9は、商用系統電源10と、系統インピーダンスとを含んでいる。図1中
のRGridとLGridとは、系統インピーダンスの抵抗と誘導性リアクタンスとを示
す。また、図1中のispは、蓄電ハイブリッド発電システム1の出力電流を示し、Z
oadは、商用電力系統側に接続している家庭内の交流負荷を示す。
図2は、蓄電ハイブリッド発電システム1の制御回路7aの制御ブロック図である。図
2では、主に、直流バス電圧Vdcの一定制御(直流バス電圧Vdcの値が一定になるよ
うにするための制御)、無効電力制御、及びインバータ5の出力電流制御に関連する制御
ブロックを示している。図2中の各回路は、マイコンが有する基本的な機能ブロックを用
いて作成した回路である。
図2に示すように、制御回路7aは、直流バス電圧制御回路11、有効成分生成回路1
2、無効電流制御回路13、無効成分生成回路14、商用系統電圧euwのPLL(Ph
ase Locked Loop)同期回路であるPLL15、商用電圧振幅値検出回
路16、電圧瞬低復帰検出回路17、出力電流調整回路18、出力電流リミッタ回路19
、出力電流制御回路20、インバータ5用のPWM出力制御回路21、出力電流isp
PLL同期回路であるPLL22、フィードバック値生成部23、乗算器24、直流バ
ス電圧指令値調整回路26、充放電停止指示回路27、及び商用電圧振幅瞬時値検出回路
28を備えている。
上記の直流バス電圧制御回路11、商用電圧振幅値検出回路16、電圧瞬低復帰検出回
路17、出力電流調整回路18、出力電流制御回路20、直流バス電圧指令値調整回路2
6、充放電停止指示回路27、商用電圧振幅瞬時値検出回路28は、それぞれ、請求項に
おける有効電流指令値算出手段、商用電圧振幅値検出手段、電圧瞬低復帰検出手段、出力
電流調整手段,出力電流制御手段、直流バス電圧指令値調整手段、充放電停止指示手段、
商用電圧振幅瞬時値検出手段に相当する。なお、制御回路7aは、請求項における直流バ
ス電圧値検出手段の役割を果たす。すなわち、制御回路7aは、インバータ5への入力電
圧である直流バス電圧Vdcのフィードバック値を検出する。
直流バス電圧制御回路11は、直流バス電圧Vdcの値が一定になるように制御する回
路である。直流バス電圧制御回路11は、制御回路7aによって検出された直流バス電圧
dcのフィードバック値と、直流バス電圧Vdcの指令値である直流バス電圧指令値V
dcとの差分に基づいて、インバータ5からの有効成分の出力電流の制御目標値である
有効電流指令値I を算出する。より具体的に言うと、直流バス電圧制御回路11は、
直流バス電圧Vdcのフィードバック値が、直流バス電圧指令値V dcに収束するよう
にフィードバック制御を行い、その出力値を有効電流指令値I として、出力電流リミ
ッタ回路19に出力する。
出力電流リミッタ回路19は、後述する出力電流調整回路18で求めた係数FRTra
tioと、出力電流制限用指令値I lim等に基づいて、下記の式(1)により、有効
成分の出力電流のリミッタ値(以下、「出力電流リミッタ値」と略す)Ilimを算出し
、直流バス電圧制御回路11から出力された有効電流指令値I の絶対値が、上記の出
力電流リミッタ値Ilim以上のときは、その出力値の絶対値を、Ilimの範囲内に制
限することにより、インバータ5からの有効成分の出力電流を抑制する。出力電流リミッ
タ回路19から有効成分生成回路12への出力値である制限有効電流指令値I ’は、
有効電流指令値I の絶対値が、出力電流リミッタ値Ilimよりも小さいときは、有
効電流指令値I であり、有効電流指令値I が、出力電流リミッタ値(上限値)I
lim以上のときは、Ilimであり、有効電流指令値I が、出力電流リミッタ値(
下限値)(−Ilim)以下のときは、(−Ilim)である。
上記の式(1)において、Pratedは、蓄電ハイブリッド発電システム1の定格出
力電力であり、Eratedは、商用電力系統9の公称電圧である。また、aは、定格出
力電力との比を表す係数であり、例えば、係数aが、1.1の場合、出力電流リミッタ回
路19は、定格出力電力の1.1倍の出力電力を基準にして、有効成分の出力電流のリミ
ッタ値(上限値)Ilimを算出する。係数FRTratioは、瞬時電圧低下時(FR
Tモードの時)に、インバータ5からの出力電流を絞る(出力電流値を低下させる)ため
の調整用の係数であり、通常運転時(通常運転モード)では、1に設定される。出力電流
制限用指令値I limは、商用系統電圧euwの上昇抑制、蓄電ハイブリッド発電シス
テム1からの出力電力の力率一定制御、蓄電ハイブリッド発電システム1内の温度上昇抑
制制御、蓄電ハイブリッド発電システム1からの出力制御等の条件に応じて決定される値
である。例えば、蓄電ハイブリッド発電システム1からの出力電力を、定格電力の50%
の出力電力に抑制(制限する)場合、
lim=0.5/a
となる。
なお、瞬時電圧低下時に残電圧が0%になった場合には、系統電圧が復帰するまでの間
、上記の式(1)及び下記の式(5)、(6)により、有効成分の出力電流リミッタ値I
limがゼロとなるので、電圧瞬低復帰検出回路17によって、商用系統電圧euwが、
残電圧0%の瞬時電圧低下状態になったと検出してから、系統電圧が復帰するまでの間、
出力電流リミッタ回路19から出力される制限有効電流指令値I ’をゼロにして、イ
ンバータ5の出力電流制御を継続(インバータ5の運転を継続)してもよいし、PWM出
力制御回路21にゲートブロック信号を出力して、インバータ5を停止させてもよい。言
い換えると、電圧瞬低復帰検出回路17によって、商用系統電圧euwが、残電圧0%の
瞬時電圧低下状態になったと検出されたときに、(1)出力電流調整回路18が、0の値
の係数FRTratioを出力電流リミッタ回路19に出力し、出力電流リミッタ値I
imを0にすることにより、インバータ5からの出力電流値を0に低下させて、インバー
タ5の運転を継続してもよいし、(2)制御回路7aが、PWM出力制御回路21にゲー
トブロック信号を出力することにより(ゲートブロックにより)、インバータ5の運転を
停止させてもよい。
本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1では、直流バス電圧制御回路11から出
力された有効電流指令値I を用いた、直流バス電圧Vdcの一定制御を行う場合以外
は、上記の式(1)を用いて、インバータ5からの有効分の出力電流を抑制する。この直
流バス電圧Vdcの一定制御を行わない場合には、以下の場合が含まれる。
1.出力電流(又は出力電力)の制限をする場合(有効電流指令値I の絶対値が、式
(1)で求めた出力電流リミッタ値Ilim以上のとき)
2.後述する瞬時電圧低下時(FRTモードの時)
3.定格出力電力Pratedを超える入力電力がある場合(過積載(太陽電池2の発電
電力PPV>定格出力電力Prated)の場合)
有効成分生成回路12は、出力電流リミッタ回路19から出力された制限有効電流指令
値I ’と、PLL15から出力された商用系統電圧euwの位相角θuwの正弦値
sin(θuw)とを乗算して、有効成分の電流指令値の瞬時値を生成する。また、無効
電流制御回路13で行われる処理については、後述するが、無効成分生成回路14は、無
効電流制御回路13からの出力値と、PLL15から出力された商用系統電圧euw
位相角θuwの余弦値cos(θuw)とを乗算して、無効成分の電流指令値の瞬時値を
生成する。
有効成分生成回路12からの出力値と無効成分生成回路14からの出力値とは、加え合
わせ点SP1で加算されて、インバータ5の出力電流指令値i invとなる。この出力
電流指令値i invは、出力電流制御回路20に送られる。通常運転モードでは、出力
電流制御回路20は、インバータ5からの出力電流iinvの値が、出力電流指令値i
invに追従するように、フィードバック制御を行い、インバータ5の出力デューティ比
invを算出する。このデューティ比dinvは、PWM出力制御回路21に入力され
る。PWM出力制御回路21は、入力された出力デューティ比dinvに基づいて、この
出力デューティ比dinvに対応するパルス幅のPWM信号を生成する。これらのPWM
信号に基づいて、インバータ5の各スイッチSW1,SW2,SW3,SW4のオン・オ
フが制御される。
上記のPLL15は、商用系統電圧euwが入力されて、商用系統電圧euwの位相
角θuwに同期した電圧信号を生成する回路であり、商用系統電圧euwの位相角θuw
と周期Tuwを算出して、出力する。また、PLL22は、蓄電ハイブリッド発電シス
テム1の出力電流ispが入力されて、出力電流ispの位相角θspに同期した電圧信
号を生成する回路であり、出力電流ispの位相角θspを算出して、出力する。
次に、上記の無効電流制御回路13を中心とした無効電流制御処理について、説明する
。無効電流制御回路13は、インバータ5から出力された無効成分の出力電流のフィード
バック値Iと、インバータ5からの無効成分の出力電流の指令値である無効電流指令値
とに基づいて、インバータ5からの無効成分の出力電流が、無効電流指令値I
と等しくなるように、フィードバック制御をする。すなわち、無効電流制御回路13は、
フィードバック値Iが、無効電流指令値I に収束するようにフィードバック制御を
行い、その出力値を指令値として、無効成分生成回路14に出力する。
上記の無効成分の出力電流のフィードバック値Iは、以下のようにして、求められる
。まず、加え合わせ点SP2において、PLL15から出力された位相角θuwと、P
LL22から出力された位相角θspとの位相差Δφ(θuw−θsp)を求めて、こ
の位相差Δφをフィードバック値生成部23に送る。フィードバック値生成部23は、こ
の位相差Δφの正接値tan(Δφ)を求めて、乗算器24に送る。そして、乗算器24
は、上記の位相差Δφの正接値tan(Δφ)に、(2Puw/Euw.max)を乗じ
ることにより、無効成分の出力電流のフィードバック値Iを求める。この計算に用いら
れるPuwは、有効電力であり、Euw.maxは、商用系統電圧euwの最大値(振幅
値)である。なお、商用系統電圧euwの最大値(振幅値)Euw.maxは、後述する
商用電圧振幅値検出回路16によって検出される。なお、商用系統電圧振幅検出回路16
は、下記の式(2)に示す商用系統電圧euwの平均周期Tavgを算出する。この平均
周期Tavgは、式(2)に示すように、PLL15により求めた周期Tuwを用いて
、m次サンプリング値(m個目の半サイクルにおける商用系統電圧euwのサンプリング
値)に基づく周期Tuw(z−m)から、n次サンプリング値(n個目の半サイクルにお
ける商用系統電圧euwのサンプリング値)に基づく周期Tuw(z−n)までの平均周
期Tavgを計算する。ここで、式(2)における(z−r)は、(z−r)次((z−
r)番目)の半周期(半サイクル)における商用系統電圧euwのサンプリング値(の集
合)を示す。このように設計する理由は、瞬時電圧低下に伴う位相急変の状態を発生する
場合に、PLL15で求めた周期Tuwの変動により、正確な有効電力Puw、無効電
力、及び商用系統電圧の最大値(振幅値)Euw.maxを求められないことを回避する
ためである。また、本実施形態では、式(2)におけるm、nを、それぞれ、m=102
4、n=512の値に設定した。但し、m,nの値は、系統連系規定で定められた、瞬時
電圧低下時の継続運転時間に基づいて設計してもよい。
また、有効電力Puwは、下記の式(3)により検出される。また、式(4)に用いら
れる蓄電ハイブリッド発電システム1の出力電流ispは、下記の式(4)により算出す
る。式(4)における(sCinv/(sRinv+1))・einvは、コンデン
サCinvに流れる電流i(コンデンサ通過電流)の算出式である。制御回路7aは、
式(4)を用いて、インバータ5の出力電流iinvの測定値から、上記の算出式により
求めたコンデンサ通過電流iの値を減算することにより、蓄電ハイブリッド発電システ
ム1の出力電流ispの値を算出する。なお、式(3)を用いることにより、制御回路7
aは、商用系統電圧euwの波形の半サイクル毎(Tavg/2)に、有効電力Puw
値を更新している。
次に、図2中の瞬時電圧低下時(FRTモードの時)の処理に関連する回路について、
説明する。商用電圧振幅値検出回路16は、商用系統電圧euwの最大値(振幅値)E
w.maxを検出する。具体的には、商用電圧振幅値検出回路16は、下記の式(5)に
より、商用系統電圧の振幅値(商用系統電圧euwの波形の半サイクルの間における、商
用系統電圧euwの振幅の平均値)Euw.maxを求める。式(5)において、Tuw
は、商用系統電圧euwの周期である。この周期Tuwは、PLL15により求めたも
のである。また、商用電圧振幅瞬時値検出回路28は、入力された商用系統電圧euw
基づいて、商用系統電圧の振幅の瞬時値(以下、「振幅瞬時値」という)Emaxを求め
る。電圧瞬低復帰検出回路17は、商用電圧振幅値検出回路16で検出された商用系統電
圧の振幅値Euw.maxと、商用電圧振幅瞬時値検出回路28で検出された振幅瞬時値
maxとに基づいて、商用系統電圧euwの瞬時電圧低下と、商用系統電圧euwが瞬
時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したこととを検出する。
次に、図3を参照して、商用電圧振幅瞬時値検出回路28の制御ブロックについて説明
する。商用電圧振幅瞬時値検出回路28は、LPF(Low Pass Filter)
33と、APF(All Pass Filter)34と、二乗和平方根算出器35と
を備えている。LPF33は、入力された商用系統電圧euwからのノイズ除去用のロー
パスフィルタであり、その遮断周波数fは、例えば、1kHzに設定される。このLP
F33からの出力値である交流電圧は、α相の瞬時交流電圧eαとして、二乗和平方根算
出器35とAPF34に入力される。APF34は、交流入力信号の位相角度を調整する
ためのフィルタであり、LPF33から入力されたα相の瞬時交流電圧eαについて、そ
の電圧の大きさを保持し、位相を(π/2)遅延させて、β相の瞬時交流電圧eβとして
出力する。つまり、ここでは、APF34は、α相の瞬時交流電圧eαからβ相の瞬時交
流電圧eβを求めるために、用いられている。二乗和平方根算出器35は、LPF33か
ら入力されたα相の瞬時交流電圧eαと、APF34から入力されたβ相の瞬時交流電圧
βとの二乗和の平方根の値(√(eα +eβ ))を計算することにより、商用系統
電圧euwの最大値(振幅)の瞬時値(以下、「振幅瞬時値」という)Emaxを求めて
、出力する。
出力電流調整回路18は、電圧瞬低復帰検出回路17によって瞬時電圧低下が検出され
たときに、インバータ5からの出力電流値を、商用電圧振幅値検出回路16で検出された
商用系統電圧の振幅値Euw.maxの大きさに応じた出力電流値に低下させる。具体的
には、出力電流調整回路18は、瞬時電圧低下時(FRTモードの時)には、上記の係数
FRTratioを、下記の式(6)により算出して、算出した係数FRTratio
、出力電流リミッタ回路19に出力し、上記式(1)で求められる出力電流リミッタ値I
limを低下させることにより、インバータ5からの出力電流値を、商用系統電圧の振幅
値Euw.maxの大きさに応じた出力電流値に低下させる。そして、インバータ5(直
流バス電圧制御回路11)は、直流バス電圧Vdcの一定制御の能力を喪失する。この時
点では、制御回路7bによるDC/DCコンバータ4aの運転状態はMPPT制御方式の
ままであり、直流バス電圧Vdcは、一瞬上昇するが、制御回路7bは、直流バス電圧V
dcがある閾値までしか上昇しないようにさせるために、DC/DCコンバータ4aの制
御を、自動的にCVモード制御に切り替える。なお,式(6)において、Erated.
maxは、商用電力系統9の公称電圧の最大値であり、kは、係数FRTratioの調
整係数である。なお、上記のように、通常運転時(通常運転モード)には、出力電流調整
用の係数FRTratioは、1に設定される。
また、電圧瞬低復帰検出回路17によって瞬時電圧低下が検出されたときには、制御回
路7bが、DC/DCコンバータ4aの制御方式を、太陽電池2からの出力電力が最大(
最適)になるように太陽電池2からの入力電圧を調整するMPPT制御から、DC/DC
コンバータ4aから出力される直流電力の電圧が一定の範囲内の電圧になるように制御す
るCV制御に切り替える。
次に、図4を参照して、通常運転モードと、上記のFRTモードとの切り替え方法につ
いて説明する。電圧瞬低復帰検出回路17(図2参照)は、商用電圧振幅値検出回路16
で検出された商用系統電圧の最大値(振幅値)Euw.maxと、商用電圧振幅瞬時値検
出回路28で検出された振幅瞬時値Emaxの両方が、所定の瞬低判定用閾値EFRT.
cst以下になった時に、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の状態になったと検出する
。より詳細に説明すると、電圧瞬低復帰検出回路17は、下記の式(7)〜(9)に示さ
れるように、振幅瞬時値Emaxと、直近の半サイクルの間に計算した商用系統電圧の振
幅値(直近の半サイクルの間の商用系統電圧の振幅の平均値)Euw.max(Z)の両
方が、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下であり、かつ、半サイクル前に計算した商用
系統電圧の振幅値(直近の一つ前の半サイクルの間の商用系統電圧の振幅の平均値)E
w.max(Z−1)が、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上大きい
ときに、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の状態になったと判定する。ここで、ΔE
RTは、制御系の安定性向上のために設けた、不感帯の電圧範囲である。電圧瞬低復帰検
出回路17が瞬時電圧低下の状態になったと検出すると、蓄電ハイブリッド発電システム
1(制御回路7a)は、FRTモードに移行し、出力電流調整回路18は、上記の式(6
)を用いて、出力電流調整用の係数FRTratioを算出する。そして、出力電流リミ
ッタ回路19は、この係数FRTratioに基づき、式(1)で算出される出力電流リ
ミッタ値Ilimを低下させることにより、インバータ5からの出力電流を絞る。
上記のインバータ5からの出力電流iinvを絞るのに必要な動作時間は、商用系統電
圧euwの1サイクル(すなわち、出力電流iinvの1サイクル)以内である。なお、
上記式(5)において、商用系統電圧の最大値(振幅値)Euw.maxは、商用系統電
圧euwの半サイクル毎に計算され、下記式(7)〜(9)及び上記式(5)より、理論
上では、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の状態になってから半サイクル後に、出力電
流を絞るが、上記の処理を制御回路7aで行う場合に、制御プログラムの遅れを考慮する
と、出力電流iinvを絞るのに必要な動作時間は、商用系統電圧euwの1サイクル以
内の時間である。なお、下記式(7)において、nは、インバータ5のスイッチング素子
S1〜S4のn次(n番目)のスイッチング周期を示す。また、本実施形態では、制御回
路7a、7bにおけるA/Dコンバータのサンプリング周期を、スイッチング素子S1〜
S6のスイッチング周期と同じ時間に設定した。また、下記式(8)において、zは、z
次(z番目)の半周期(半サイクル)を示す。
また、電圧瞬低復帰検出回路17は、上記の振幅値Euw.maxと振幅瞬時値Ema
の両方が、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下である状態から、瞬低判定用閾値E
RT.cstよりもΔEFRT以上高い状態に変化した時に、商用系統電圧euwが、瞬
時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出する。より詳細に説明すると、電圧瞬
低復帰検出回路17は、下記の式(10)〜(12)に示されるように、振幅瞬時値E
ax(n)と、直近の半サイクルの間に計算した商用系統電圧euwの振幅値(直近の半
サイクルの間の商用系統電圧euwの振幅の平均値)Euw.max(z)の両方が、瞬
低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上大きく、かつ、半サイクル前に計算
した商用系統電圧euwの振幅値(直近の一つ前の半サイクルの間の商用系統電圧euw
の振幅の平均値)Euw.max(z−1)が、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下で
あるときに、商用系統電圧euwが、瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと判
定する。なお、以下の説明では、商用系統電圧euwが、瞬時電圧低下状態から通常の電
圧値に復帰することを、単に、「系統電圧復帰」と略す場合が多い。
上記の系統電圧復帰(商用系統電圧euwが、瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復
帰したか否か)の検出に必要な動作時間も、商用系統電圧euwの1サイクル(すなわち
、出力電流iinvの1サイクル)以内である。なお、上記式(5)において、商用系統
電圧の最大値(振幅値)Euw.maxは、商用系統電圧euwの半サイクル毎に計算さ
れ、下記式(10)〜(12)より、理論上では、電圧瞬低復帰検出回路17は、系統電
圧復帰から半サイクル後に、系統電圧復帰を検出して、後述するソフトスタートを開始す
べきであると判定することができるが、上記の処理を制御回路7aで行う場合に、制御プ
ログラムの遅れを考慮すると、系統電圧復帰の検出(又はソフトスタートを開始すべきか
否かの判定)に必要な動作時間は、商用系統電圧euwの1サイクル以内の時間である。
本蓄電ハイブリッド発電システム1では、瞬時電圧低下時の運転状態(FRTモード)
から、通常運転時の運転状態(通常運転モード)に移行したときに、図5(a)(b)に
示すソフトスタートを行う機能を有している。図5(a)において、商用系統電圧euw
が復帰して、FRTモードから通常運転モードに移行(復帰)したときに、図5(a)中
の(i)に示されるように、直流バス電圧Vdcの値が、本来の直流バス電圧指令値V
dc.orgより高い場合、制御回路7aは、降圧動作のソフトスタートを行う。これに
対して、FRTモードから通常運転モードに移行したときに、図5(a)中の(ii)に
示されるように、直流バス電圧Vdcの値が、本来の直流バス電圧指令値V dc.or
より低い場合、制御回路7aは、昇圧動作のソフトスタートを行う。図5(a)中のT
softは、ソフトスタートを行う期間(時間)を示す。
より具体的に言うと、図5(a)中の(i)に示されるように、直流バス電圧Vdc
値が、本来の直流バス電圧指令値V dc.orgより高い場合、制御回路7a(直流バ
ス電圧指令値調整回路26)は、系統電圧復帰直後には、直流バス電圧指令値V dc
して、図5に示される本来の直流バス電圧指令値V dc.orgではなく、復帰直後の
直流バス電圧Vdcのフィードバック値と同じ値(本来の直流バス電圧指令値V dc.
orgよりも大きい値)を使用し、その後、直流バス電圧指令値V dcの値を、徐々に
減少させて、図5(a)に示される本来の直流バス電圧指令値V dc.orgに近づけ
る。これにより、この直流バス電圧指令値V dcと、直流バス電圧Vdcのフィードバ
ック値とが入力された直流バス電圧制御回路11は、直流バス電圧Vdcの値を徐々に下
げるように、フィードバック制御を行う。
逆に、図5(a)中の(ii)に示されるように、直流バス電圧Vdcの値が、本来の
直流バス電圧指令値V dc.orgより低い場合、制御回路7a(直流バス電圧指令値
調整回路26)は、系統電圧復帰直後には、直流バス電圧指令値V dcとして、復帰直
後の直流バス電圧Vdcのフィードバック値と略同じ値(本来の直流バス電圧指令値V
dc.orgよりも小さい値)を使用し、その後、直流バス電圧指令値V dcの値を、
徐々に増加させて、図5(a)に示される本来の直流バス電圧指令値V dc.org
近づける。これにより、この直流バス電圧指令値V dcと、直流バス電圧Vdcのフィ
ードバック値とが入力された直流バス電圧制御回路11は、直流バス電圧Vdcの値を徐
々に上げるように、フィードバック制御を行う。また、蓄電ハイブリッド発電システム1
の起動時に、図5(a)に示すソフトスタートの機能を用いることにより、直流バス電圧
dcの値が商用系統電圧の最大値(振幅値)Euw.maxよりやや大きい状態から系
統連系用リレーSGridをオンして、系統連系運転制御に移行することで、スムーズに
直流バス電圧の一定制御を行うことができる。つまり、系統連系用リレーSGridが解
列している状態からの起動時において、DC/DCコンバータ4a又は双方向DC/DC
コンバータ4bが(電解コンデンサCdcを充電して)直流バス電圧Vdcを上昇させる
ための昇圧比が低くても、蓄電ハイブリッド発電システム1を起動することができる。
なお、上記図5(a)に示されるようなソフトスタートの制御を行う代わりに、制御回
路7a(直流バス電圧指令値調整回路26)は、図5(b)に示すように、直流バス電圧
指令値の基になる電圧V dc’が入力されて、直流バス電圧指令値V dcを出力する
ローパスフィルタ37を備え、系統電圧復帰直後には、直流バス電圧指令値V dcを、
本来の直流バス電圧指令値V dc.orgではなく、復帰直後の直流バス電圧Vdc
フィードバック値と同じ値にし、Tsoft/2の遅延時間経過後に、直流バス電圧指令
値V dcを本来の直流バス電圧指令値V dc.orgにステップ変化させ、そして、
これらの直流バス電圧指令値を表す電圧(直流バス電圧指令値の基になる電圧V dc
)を、ローパスフィルタ(LPF)37を通して、直流バス電圧指令値V dcとして、
直流バス電圧制御回路11に入力するようにしてもよい。このようにしても、図5(a)
に示す制御を行った場合と同様なソフトスタートの効果を得ることができる。
より具体的に言うと、図5(b)に示す制御では、制御回路7aの直流バス電圧指令値
調整回路26が、電圧瞬低復帰検出回路17により商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から
通常の電圧値に復帰したと検出されたときに、直流バス電圧指令値の基になる電圧V
’を、通常の電圧値への復帰直後に制御回路7aによって検出された直流バス電圧V
のフィードバック値と同じ値にし、通常の電圧値に復帰したと検出されたときから上記
の遅延時間経過後に、直流バス電圧指令値の基になる電圧V dc’を、本来の直流バス
電圧指令値V dc.orgにステップ変化させることにより、ローパスフィルタ37か
ら出力される直流バス電圧指令値V dcを、通常の電圧値への復帰直後に制御回路7a
によって検出された直流バス電圧Vdcのフィードバック値から、本来の直流バス電圧指
令値V dc.orgに、徐々に増加又は減少させて近づける。すなわち、直流バス電圧
指令値V dcのソフトスタートを行う。
なお、本実施形態では、系統電圧復帰時に、図5(a)に示すソフトスタートの制御を
用いているが、図5(a)に示す制御ではなく、図5(b)に示す制御を用いる場合は、
ローパスフィルタ37の遮断周波数fを、2/Tsoftに設定することが望ましい。
上記のソフトスタート期間Tsoftを下記の式(13)に定義する。蓄電ハイブリッ
ド発電システム1の通常起動時には、b≧1,c=1に設定されているが、FRTモード
から通常運転モードへの復帰時には、Tsoft=TFRT (b=1,c>>1)に設
定される。すなわち、蓄電ハイブリッド発電システム1は、通常起動時には、b秒間かけ
て、直流バス電圧Vdcの値を、徐々に、本来の直流バス電圧指令値V dc.org
合わせるが、FRTモードから通常運転モードへの復帰時(系統電圧復帰時)には、b/
c秒という短時間の間に、直流バス電圧Vdcの値を、高速に、本来の直流バス電圧指令
値V dc.orgに合わせる。なお、本実施形態では、FRTモードから通常運転モー
ドへの復帰時におけるbを1に設定し、cを10に設定している。
上記のように、FRTモードから通常運転モードへの移行時(系統電圧復帰時)に、直
流バス電圧指令値V dcのソフトスタートを行うようにした理由は、以下の通りである
。すなわち、系統電圧復帰直後には、図5に示すように、直流バス電圧Vdcの値と本来
の直流バス電圧指令値V dc.orgとの差分が大きい場合もあるので、本来の直流バ
ス電圧指令値V dc.orgの値を、そのまま使用したのでは、直流バス電圧制御回路
11からの出力値が大きくなってしまい、その結果、系統電圧復帰直後における、直流バ
ス電圧Vdcと(インバータ5からの)出力電流iinvの変動が大きくなってしまう。
これに対して、上記のように、系統電圧復帰直後に、直流バス電圧指令値V dcのソフ
トスタートを行うと、系統電圧復帰直後における、直流バス電圧Vdcの値と直流バス電
圧指令値V dcとの差分を小さくして、直流バス電圧制御回路11からの出力値を小さ
くすることができるので、直流バス電圧Vdcの一定制御を行うことができるだけではな
く、系統電圧復帰直後に、インバータ5からの出力電流iinvを徐々に増加させる(出
力電流iinvのソフトスタートを行う)ことができる。
次に、図2中の回路のうち、上記のソフトスタートに関連する回路の動作について、説
明する。図2中の回路のうち、上記のソフトスタートに関連する回路は、主に、直流バス
電圧制御回路11、及び直流バス電圧指令値調整回路26である。直流バス電圧指令値調
整回路26は、電圧瞬低復帰検出回路17が、商用系統電圧euwが通常の電圧値に復帰
したと検出したときに、直流バス電圧指令値V dcを、通常の電圧値への復帰直後に検
出された直流バス電圧Vdcのフィードバック値から、本来の直流バス電圧指令値V
c.org(請求項における「直流バス電圧の本来の制御目標値」)に、徐々に(段階的
に)増加又は減少させて近づけるように調整する処理である、直流バス電圧指令値V
のソフトスタートを行う。
直流バス電圧制御回路11は、直流バス電圧Vdcのフィードバック値と、直流バス電
圧指令値調整回路26による調整後の直流バス電圧指令値V dcとの差分に基づいて、
インバータ5からの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値I を算出
する。そして、出力電流制御回路20が、直流バス電圧制御回路11により算出された有
効電流指令値I に基づいて、インバータ5からの出力電流を制御する。これにより、
系統電圧復帰時に、直流バス電圧指令値V dcのソフトスタートを行うことができるの
で、系統電圧復帰時に、直流バス電圧Vdcの一定制御と出力電流iinvのソフトスタ
ートを行うことができる。
次に、図6及び図7を参照して、本蓄電ハイブリッド発電システム1における、インバ
ータ5からの出力電流の制御の例について、説明する。これらの図は、力率1(無効電流
指令値I =0)という理想的な状態における概念図である。この状態では、インバー
タ5からの出力電流iinvの振幅は、有効電流指令値I に追従している。なお、こ
れらの図におけるI ’は、出力電流リミッタ回路19による処理後の制限有効電流指
令値である。また、図6及び図7では、図を簡単にするために、直流バス電圧Vdcから
2f成分(2次高調波成分)を除去している。
図6は、上記の「直流バス電圧Vdcの一定制御を行わない場合」のうち、「1.出力
電流(又は出力電力)の制限をする場合」におけるインバータ5からの出力電流の制御を
示す。この図6に示されるケースでは、商用系統電圧の振幅瞬時値Emaxが、一時的に
低下するが、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりは大きいので、電圧瞬低復帰検出回路
17が、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の状態になったと判定しない。このため、蓄
電ハイブリッド発電システム1(制御回路7a)は、上記のFRTモードに移行しないの
で、上記のインバータ5からの出力電流iinvを絞る処理を行わない。ただし、図6に
示されるケースでは、上記の電圧低下の期間において、有効電流指令値I が、上記式
(1)で求めた出力電流リミッタ値Ilimを超えるので、出力電流リミッタ回路19は
、その出力値である制限有効電流指令値I ’を、出力電流リミッタ値Ilimに制限
している。上記の振幅瞬時値Emaxが瞬低判定用閾値EFRT.cst以下であるか否
かのチェックは、振幅瞬時値Emaxの低下(商用系統電圧euwの低下)後、1サイク
ル以内に行われる。
上記のように、商用系統電圧の振幅瞬時値Emaxが、一時的に低下しても、瞬低判定
用閾値EFRT.cstより大きい場合は、上記の係数FRTratioを用いた出力電
invを絞る処理を行わない。この理由は、商用系統電圧euwが大幅に低下していな
いので、上記の係数FRTratioを用いた出力電流invを絞る処理を行わなくても
、上位系統を不安定化させるおそれが少ないからである。
また、図6に示されるケースでは、図5に示されるような直流バス電圧指令値V dc
のソフトスタートを行わない。この理由について、以下に説明する。図6のケースでも、
瞬時的な商用系統電圧euwの低下からの復帰後は、直流バス電圧指令値V dcと直流
バス電圧Vdcのフィードバック値との差分が大きいために、ソフトスタートを行わない
と、直流バス電圧制御回路11のフィードバック制御機能を喪失し、図に示されるように
、アンダーシュートの現象を発生してしまうことがある。しかし、そのような場合であっ
ても、後述する図7の場合のように、商用系統電圧の振幅瞬時値Emaxが、瞬低判定用
閾値EFRT.cst以下である状態から、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔE
FRT以上高い状態に変化(復帰)した場合と比べて、系統電圧復帰時に、商用系統電圧
の変動が少ないため、電圧低下中に出力電流リミッタ値Ilimまで出力し続けても、上
位系統を不安定化させるおそれが少ないので、ソフトスタートを行わないのである。
図7は、上記の「直流バス電圧Vdcの一定制御を行わない場合」のうち、「2.瞬時
電圧低下時(FRTモードの時)」におけるインバータ5からの出力電流の制御を示す。
この図7に示されるケースは、商用系統電圧の振幅瞬時値Emaxが、瞬低判定用閾値E
FRT.cstよりもΔEFRT以上高い状態から、瞬低判定用閾値EFRT.cst
下の状態になった(商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の状態になった)後に、振幅瞬時
値Emaxが、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上高い状態になった
(商用系統電圧euwが瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰した)ケースである。
より正確に言うと、図7のケースは、上記式(7)〜(9)の全ての条件を充たす状態に
なった後に、上記式(10)〜(12)の全ての条件を充たす状態になったケースである
。このケースでは、蓄電ハイブリッド発電システム1(制御回路7a)は、振幅瞬時値E
maxが、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下の状態になってから1サイクル以内に、
上記のFRTモードに移行して、上記のインバータ5からの出力電流iinvを絞る処理
を行う。また、蓄電ハイブリッド発電システム1(制御回路7a)は、振幅瞬時値Ema
が、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下の状態から、瞬低判定用閾値EFRT.cs
よりもΔEFRT以上高い状態に復帰してから1サイクル以内に、上記の高速の(ソフ
トスタート期間Tsoft=TFRTの)ソフトスタートを開始する。
図7のケースにおいて、インバータ5からの出力電流iinvを絞る処理を行う理由は
、このケースのように、商用系統電圧euwが大幅に低下した場合には、上記の係数FR
ratioを用いた出力電流invを絞る処理を行わないと、上位系統を不安定化させ
るおそれがあるからである。また、図7のケースにおいて、ソフトスタートを行う理由は
、このケースのように、系統電圧復帰時に、商用系統電圧euwが大幅に変動するケース
では、系統電圧復帰時に、ソフトスタートを行わないと、この蓄電ハイブリッド発電シス
テム1を同一の商用電力系統に多数台接続した場合には、系統電圧復帰時に、上位系統を
不安定化させるおそれがあるからである。
次に、図8を参照して、本蓄電ハイブリッド発電システム1における蓄電池3への充放
電電力制御方式について説明する。図8は、制御回路7aにおける、双方向DC/DCコ
ンバータ4b用の充放電電力制御ブロックを示す。この充放電電力制御ブロックには、双
方向DC/DCコンバータ4bによる充放電動作を制御する充放電電力制御回路31(請
求項における充放電電力制御手段)と、双方向DC/DCコンバータ4b用のPWM出力
制御回路32とが、含まれている。また、この充放電電力制御ブロックは、充放電電力制
御回路31に対する充放電電力指令値の基になる電力P BATが入力されて、充放電電
力指令値P BAT’を充放電電力制御回路31に出力する充放電電力指示用ローパスフ
ィルタ38(請求項における「充放電電力指示用ローパスフィルタ」)をさらに備えてい
る。充放電電力制御回路31は、入力された充放電電力指令値の基になる電力P BAT
と、充放電電力PBATと、直流バス電圧Vdcの測定値(フィードバック値)とに基づ
いて、双方向DC/DCコンバータ4b用の出力デューティ比dBATを算出する。この
デューティ比dBATは、PWM出力制御回路32に入力される。PWM出力制御回路3
2は、入力された出力デューティ比dBATに基づいて、この出力デューティ比dBAT
に対応するパルス幅のPWM信号を生成する。これらのPWM信号に基づいて、双方向D
C/DCコンバータ4bの各スイッチSW5、SW6のオン・オフが制御される。
図8に示されるように、上記の充放電電力指令値の基になる電力P BATは、正であ
れば、放電電力指令値であり、負であれば、充電電力指令値であると定義した。制御回路
7aは、太陽電池2により発電した余剰電力を吸収する場合は、式(14)に示すように
、充電電力指令値の基になる電力P BATを求めて、このP BATを、ローパスフィ
ルタ38を通して充放電電力制御回路31に入力することにより、双方向DC/DCコン
バータ4bによる蓄電池3への充電動作を行う。また、制御回路7aは、家庭内の交流負
荷ZLoadによる(商用電力系統9からの)受電電力(買電力)の量を減らすために、
式(15)に示すように、放電電力指令値の基になる電力P BATを求めて、このP
BATを、ローパスフィルタ38を通して充放電電力制御回路31に入力することにより
、双方向DC/DCコンバータ4bによる蓄電池3への放電動作を行う。なお、図8に示
すように、充放電電力指令値の基になる電力P BATをローパスフィルタ38を通して
、充放電電力指令値P BAT’を得て、この充放電電力指令値P BAT’を充放電電
力制御回路31に入力するように設計した。このように、ローパスフィルタ通過後の充放
電電力指令値P BAT’を充放電電力制御回路31に入力するように設計した理由は、
2つある。一つ目は、式(14)および式(15)に示す、充放電電力指令値の基になる
電力P BATのステップ変化により過電流が生じるのを回避するためである。二つ目は
、蓄電池3への充放電開始時等に、充放電電流のソフトスタートの効果があるためである
。また,本実施形態では,図8に示すローパスフィルタ38の遮断周波数fを1/T
oftに設計した。
ここで、式(14)及び式(15)におけるFRTFLAGは、電圧瞬低復帰検出回路
17によって瞬時電圧低下が検出されたとき(FRTモードの時)には、0に設定され、
瞬時電圧低下が検出されていないとき(通常運転モードの時)には、1に設定される信号
である。このように設定する理由は、2つある。一つ目は、瞬時電圧低下状態においては
、家庭内の負荷消費電力の変動により、蓄電池3への充放電動作が不安定になり易いので
、瞬時電圧低下時に充放電電流を意図的にゼロにするためである。もう一つは、負荷電力
追従制御を行う際に、瞬時電圧低下を発生すると、蓄電池3からの放電電力は逆潮流する
おそれがあるので、瞬時電圧低下時に充放電電力をゼロにするためである。ここで、負荷
電力追従制御とは、太陽電池2からの発電電力が、家庭内の交流負荷ZLoadによる消
費電力よりも小さいときに、受電電力(買電力)の量を減らすために、蓄電池3から放電
し、太陽電池2からの発電電力が、家庭内の交流負荷ZLoadによる消費電力よりも大
きいときに、余った電力の全て又は一部を蓄電池3に充電しておくように制御することを
意味する。なお、電圧瞬低復帰検出回路17によって、商用系統電圧euwが、残電圧0
%の瞬時電圧低下状態になったと検出された場合には、系統電圧が復帰するまでの間、上
記のように、インバータ5の出力電流制御を継続(インバータ5の運転を継続)してもよ
いし、PWM出力制御回路21にゲートブロック信号を出力して、インバータ5を停止さ
せてもよいが、PWM出力制御回路32にはゲートブロック信号を出力せずに双方向DC
/DCコンバータ4bの運転を継続する。
充放電停止指示回路27(図2参照)は、電圧瞬低復帰検出回路17によって瞬時電圧
低下が検出されたとき(FRTモードの時)に、FRTFLAGを0にすることにより、
充放電電力指令値の基になる電力P BAT、及び充放電電力指令値P BAT’を0に
して、充放電電力制御回路31に対して、双方向DC/DCコンバータ4bによる蓄電池
3への充放電を行わないように指示する。
式(14)及び式(15)におけるPloadは、家庭内の交流負荷ZLoadによる
消費電力を示し、式(14)におけるPPVは、太陽電池2からの発電電力を示す。消費
電力Ploadと発電電力PPVは、それぞれ、上記の式(16)と式(17)を用いて
、制御回路7aにより算出される。なお、式(14)におけるPCHG.maxは、蓄電
池3への最大充電電力の設定値を示し、xは、余剰電力((太陽電池2の発電電力PPV
)−(家庭内の負荷による消費電力Pload))のうち、吸収する(蓄電池3に充電す
る)割合の設定値を示す。また、式(15)におけるPDHG.maxは、蓄電池3から
の最大放電電力の設定値を示し、yは、家庭内の負荷による消費電力Ploadに対する
、蓄電池3からの放電電力の割合の設定値を示す。例えば、負荷による消費電力Ploa
のうちの50%を、蓄電池3からの放電電力でまかなう場合は、yを0.5に設定する
。なお、式(15)において、yを1より小さい値に設定した理由は、yを1に設定する
と、蓄電池3からの放電電力が商用電力系統9へ逆潮流するおそれがあるためである。
また、制御回路7aは、上記の式(18)を用いて、図8に示す充放電電力PBAT
算出する。
本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1の制御方法には、6つの特徴がある。1
つ目の特徴は、商用系統電圧euwの瞬時電圧低下時に、商用系統電圧euwの大きさに
応じて、インバータ5からの出力電流iinvを絞る(出力電流iinvの値を低下させ
る)ことである。
2つ目の特徴は、上記の出力電流iinvを絞るのに必要な動作時間は、商用系統電圧
uwの1サイクル(すなわち、出力電流iinvの1サイクル)以内であることである
3つ目の特徴は、充放電動作中において、瞬時電圧低下が発生したときには、蓄電ハイ
ブリッド発電システム1の安定性を考慮して、充放電電力をゼロにすることである。そし
て、4つ目の特徴は、系統電圧復帰後、速やかに、直流バス電圧指令値V dcのソフト
スタートを行うことである。
5つ目の特徴は、上記の通常運転モードからFRTモードへの切り替えの判定、及びF
RTモードから通常運転モードへの復帰の(ソフトスタート開始の)判定を、いずれも、
振幅瞬時値Emaxと、直近の半サイクルの間に計算した商用系統電圧euwの振幅値(
直近の半サイクルの間の商用系統電圧euwの振幅の平均値)Euw.max(Z)と、
半サイクル前に計算した商用系統電圧euwの振幅値(直近の一つ前の半サイクルの間の
商用系統電圧euwの振幅の平均値)Euw.max(Z−1)とに基づいて行うという
ことである。
6つ目の特徴は、図5に示すソフトスタートの機能を用いることにより、系統連系用リ
レーSGridが解列している状態からの起動時において、DC/DCコンバータ4a又
は双方向DC/DCコンバータ4bが直流バス電圧Vdcを上昇させるための昇圧比が低
くても、蓄電ハイブリッド発電システム1を起動できる。つまり、日射量が少ない状態、
または電池容量(SOC(State of Charge))が少ない状態からでも、
蓄電ハイブリッド発電システム1を起動できる。
上記のように、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1は、瞬時電圧低下を発生
した直後に、速やかにインバータ5からの出力電流iinvを絞り、系統電圧復帰後、速
やかに直流バス電圧指令値V dcのソフトスタートの動作を行うことにより、直流バス
電圧Vdc及び出力電流iinvの変動を抑制することができ、上位系統に不安定な要素
を与えない。また、充放電動作中において、瞬時電圧低下を発生した場合は、充放電電力
をゼロにする制御方式を導入した。このような制御方式を用いることにより、以下の利点
を得ることができる。
(1)商用系統電圧euwの瞬時電圧低下を発生しても、蓄電池3からの放電電力が逆潮
流することを防ぐことができる。
(2)繰り返し、商用系統電圧euwの瞬時電圧低下を発生した場合でも、問題なく、安
定した継続運転をすることができる。
本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1が有する効果を説明するために、まず、
図9及び図10を参照して、日中に、太陽光発電のみを行い、蓄電池3への充放電動作を
行っていないときに、瞬時電圧低下を発生した場合の実験結果について説明する。
図9は、太陽光発電のみを行い、蓄電池3への充放電動作を行っていない状態において
、瞬時電圧低下が発生した直後における、直流バス電圧Vdc、商用系統電圧euw、及
び蓄電ハイブリッド発電システム1の出力電流ispの値の時系列に沿った変化を示す。
図9より、本蓄電ハイブリッド発電システム1は、瞬時電圧低下が発生してから、1サイ
クル以内に、その出力電流ispを絞ることを確認した。また、このことから、瞬時電圧
低下が発生してから、1サイクル以内に、インバータ5からの出力電流iinvを絞るこ
とも確認することができた。そして、この時、インバータ5(直流バス電圧制御回路11
)は、直流バス電圧Vdcの一定制御の能力を喪失し、太陽光発電用のDC/DCコンバ
ータ4aが、通常のMPPT制御からCVモード制御に切り替わって、CVモード制御を
行う。この実験では、CVモード制御時の直流バス電圧指令値を、系統連系用のインバー
タ5の直流バス電圧指令値V dcよりも25V高い値に設定したので、図9に示すよう
に、直流バス電圧Vdcの値は、インバータ5の直流バス電圧指令値V dcよりも約2
5V高くなる。
図10は、太陽光発電のみを行い、蓄電池3への充放電動作を行っていない状態におい
て、瞬時電圧低下状態となり、商用系統電圧euwが復帰したときの、直流バス電圧V
、商用系統電圧euw、及び出力電流ispの値の時系列に沿った変化を示す。図10
から、本蓄電ハイブリッド発電システム1は、商用系統電圧euwを、1秒間、瞬時電圧
低下状態にしてから、通常の電圧に復帰させた場合、速やかに直流バス電圧指令値V
のソフトスタート(図5中の(i)の起動状態)を実行して、約4サイクル後に、蓄電
ハイブリッド発電システムの出力電流ispが、定格出力に達することが分かる。この約
4サイクルの間、出力電流ispの(振幅)値が徐々に上がっていく(出力電流isp
ソフトスタートする)ことも確認した。そして、上記の直流バス電圧指令値V dcのソ
フトスタートを行うことにより、直流バス電圧Vdcの変動も抑制することができること
を確認した。
次に、夜間に、太陽光発電を行えず、蓄電池3への充放電動作のみを行っている時に、
瞬時電圧低下を発生した場合の実験結果について説明する。図11は、夜間に、蓄電池3
への充電動作を行っている時に、瞬時電圧低下を発生した場合の実験結果を示し、図12
は、夜間に、蓄電池3からの放電動作を行っている時に、瞬時電圧低下を発生した場合の
実験結果を示す。これらの図11及び図12には、充放電動作中に瞬時電圧低下を発生し
た場合における、直流バス電圧Vdc、蓄電池3の充放電電流IBAT、商用系統電圧e
uw、及びインバータ5からの出力電流iinvの値の時系列に沿った変化が示されてい
る。
図11及び図12の実験結果から、本蓄電ハイブリッド発電システム1では、充電動作
中に瞬時電圧低下を発生した場合も、放電動作中に瞬時電圧低下を発生した場合も、瞬時
電圧低下時には、充放電電流がゼロ(0A)になることを確認することができた。また、
本蓄電ハイブリッド発電システム1は、系統電圧復帰後、速やかに蓄電池3に対する充放
電動作を行い、この時、直流バス電圧Vdcの変動幅を、約±25V以内に抑えることを
確認した。また、系統電圧復帰後の0.1秒付近で、直流バス電圧Vdcがほぼ一定にな
り、出力電流iinvも安定していることを確認した。なお、図11及び図12の実験結
果においても、瞬時電圧低下が発生してから、約1サイクル以内に、インバータ5からの
出力電流iinvを絞ることを確認することができた。
上記図9〜図12に示される瞬時電圧低下試験(実験)の検証結果を、以下に要約する

(1)全ての実験結果において、瞬時電圧低下が発生してから、約1サイクル以内に、蓄
電ハイブリッド発電システム1が、その出力電流isp、又はインバータ5からの出力電
流iinvを絞ることを確認した。
(2)系統電圧復帰後に、直流バス電圧指令値V dcのソフトスタートの動作を導入す
ることにより、直流バス電圧Vdcの変動を確実に抑制し、出力電流ispも徐々に増加
していることを確認した。
(3)蓄電池3への充放電動作中に瞬時電圧低下を発生した場合、速やかに、充放電電力
をゼロにし、系統電圧復帰後、速やかに、充放電電力指令値の通りに制御する(蓄電池3
に対する充放電動作を再開する)ことを確認した。
上記の実験結果から、本蓄電ハイブリッド発電システム1の制御方式の有用性と実用性
が明らかになった。
上記のように、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1によれば、商用系統電圧
uwの瞬時電圧低下時に、インバータ5からの出力電流値iinvを、検出された商用
系統電圧の振幅値Euw.maxの大きさに応じた出力電流値に低下させることができる
。これにより、商用系統電圧euwの瞬時電圧低下が発生した場合に、蓄電池3への充放
電中であるか否かに係らず、インバータ5からの出力電流iinvを抑制して、過電流の
発生を防ぐことができるので、安定した継続運転を行うことができる。さらに、上記の瞬
時電圧低下の検出時に、出力電流iinvを抑制する(低下させる)ので、上位系統を不
安定化させるおそれがない。
また、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰した時(系統電
圧復帰時)に、直流バス電圧指令値調整回路26が、直流バス電圧指令値V dcを、通
常の電圧値への復帰直後に検出された直流バス電圧Vdcのフィードバック値から、本来
の直流バス電圧指令値V dc.org(直流バス電圧の本来の制御目標値)に、段階的
に増加又は減少させて近づけるように調整するようにした。そして、直流バス電圧制御回
路11が、上記の調整後の直流バス電圧指令値V dcと、その時点の直流バス電圧V
のフィードバック値との差分に基づいて、インバータ5からの有効成分の出力電流の制
御目標値である有効電流指令値I を算出するようにした。要するに、系統電圧復帰時
に、直流バス電圧指令値V dcと(インバータ)出力電流iinvのソフトスタートを
行うようにした。これにより、系統電圧復帰時に、直流バス電圧Vdcの変動を小さくし
、インバータ5からの出力電流iinvを徐々に増加させることができるので、この蓄電
ハイブリッド発電システム1を同一の商用電力系統9に多数台接続した場合でも、系統電
圧復帰時に、上位系統を不安定化させるおそれがない。
また、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1によれば、上記の瞬時電圧低下が
検出されたときに、充放電電力制御回路31に対して、双方向DC/DCコンバータ4b
による蓄電池3への充放電を行わないように指示するようにした。これにより、蓄電ハイ
ブリッド発電システム1が、負荷電力追従制御を行う際に、瞬時電圧低下を発生した場合
でも、蓄電池3からの放電が行われないので、蓄電池3からの放電電力が逆潮流するのを
防止することができる。また、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1のような、
分散型電源から出力された電力を貯える蓄電池を備えた系統連系用電力変換装置において
は、瞬時電圧低下時に、家庭内の負荷消費電力の変動により、蓄電池3への充放電動作が
不安定になり易いが、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1によれば、上記のよ
うに、瞬時電圧低下時に、蓄電池3からの充放電が行われないので、不安定な状態で蓄電
池3への充放電動作が行われるのを、防ぐことができる。
また、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1によれば、商用電圧振幅瞬時値検
出回路28で検出された振幅瞬時値Emaxと、商用電圧振幅値検出回路16で検出され
た、直近の半サイクルの間の商用系統電圧の振幅の平均値Euw.max(z)の両方が
、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下であり、かつ、直近の一つ前の半サイクルの間の
商用系統電圧の振幅の平均値Euw.max(z−1)が、瞬低判定用閾値EFRT.c
stよりもΔEFRT以上大きいときに、商用系統電圧euwが、瞬時電圧低下状態にな
ったと検出し、商用電圧振幅瞬時値検出回路28で検出された振幅瞬時値Emaxと、商
用電圧振幅値検出回路16で検出された、直近の半サイクルの間の商用系統電圧の振幅の
平均値Euw.max(z)の両方が、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFR
以上大きく、かつ、直近の一つ前の半サイクルの間の商用系統電圧の振幅の平均値E
w.max(z−1)が、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下であるときに、商用系統
電圧euwが、瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出する。これにより、
ノイズ等の影響による誤動作を防ぎ、インバータ5の出力電流制御の安定性を向上させる
ことができる。
また、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1によれば、商用系統電圧euw
実効値を、商用系統電圧euwの波形の半サイクルの期間で算出して、算出した商用系統
電圧euwの実効値に2の平方根を乗じることにより、商用系統電圧euwの振幅の平均
値Euw.maxを検出するようにした。これにより、上記の式(5)及び式(7)〜(
9)より、理論上では、商用系統電圧euwの瞬時電圧低下時に、商用系統電圧euw
波形の半周期(半サイクル)後に、インバータ5からの出力電流iinvを絞ることがで
きるが、上記の処理を制御回路7aで行う場合に、制御プログラムの遅れを考慮すると、
出力電流iinvを絞るのに必要な動作時間は、商用系統電圧euwの1サイクル以内の
時間になる。
また、本実施形態の蓄電ハイブリッド発電システム1の出力電流制御方法は、太陽電池
2から出力された電力を貯える蓄電池3と、太陽電池2と蓄電池3との少なくとも一方か
ら入力された電力に基づく直流電力を交流電力に変換するインバータ5とを備えた、蓄電
ハイブリッド発電システム1の出力電流制御方法であって、商用系統電圧euwの振幅値
uw.maxを検出するステップと、検出された商用系統電圧euwの振幅値Euw.
maxに基づいて、商用系統電圧euwの瞬時電圧低下を検出するステップと、瞬時電圧
低下を検出したときに、インバータ5からの出力電流値iinvを、検出した商用系統電
圧の振幅値Euw.maxの大きさに応じた出力電流値に低下させるステップと、検出し
た商用系統電圧の振幅値Euw.maxに基づいて、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下
状態から通常の電圧値に復帰したことを検出するステップと、商用系統電圧euwが瞬時
電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出したときに、直流バス電圧指令値V
を、通常の電圧値への復帰直後における直流バス電圧Vdcのフィードバック値から、
本来の直流バス電圧指令値V dc.org(直流バス電圧の本来の制御目標値)に、徐
々に(段階的に)増加又は減少させて近づけるように調整する処理と、調整後の直流バス
電圧指令値V dcと、その時点の直流バス電圧Vdcのフィードバック値との差分に基
づいて、インバータ5からの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値を算
出する処理と、算出した有効電流指令値に基づいて、インバータ5からの出力電流を制御
する処理とを繰り返すステップとを備えるものである。
上記の制御方法により、商用系統電圧euwの瞬時電圧低下が発生した場合に、蓄電池
3への充放電中であるか否かに係らず、インバータ5からの出力電流iinvを抑制して
、過電流の発生を防ぐことができるので、安定した継続運転を行うことができる。さらに
、上記の瞬時電圧低下の検出時に、出力電流iinvを抑制する(低下させる)ので、上
位系統を不安定化させるおそれがない。また、系統電圧復帰時に、直流バス電圧Vdc
変動を小さくし、インバータ5からの出力電流iinvを徐々に増加させることができる
ので、この制御方法を採用した蓄電ハイブリッド発電システム1を、同一の商用電力系統
9に多数台接続した場合でも、系統電圧復帰時に、上位系統を不安定化させるおそれがな
い。
変形例:
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種
々の変形が可能である。次に、本発明の変形例について説明する。
変形例1:
上記の実施形態では、商用系統電圧の振幅値Euw.maxと振幅瞬時値Emaxとの
両方が、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上高い状態になったときに
、商用系統電圧euwが、通常の電圧値に復帰したと検出して、FRTモードから通常運
転モードに切り替えるようにした。けれども、FRTモードから通常運転モードへの切替
えの条件は、これに限られず、例えば、商用系統電圧の振幅値Euw.maxと振幅瞬時
値Emaxとの両方が、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりも高い状態になった時に、
商用系統電圧euwが、通常の電圧値に復帰したと検出して、FRTモードから通常運転
モードに切り替えるようにしてもよい。
変形例2:
また、上記の実施形態では、商用系統電圧の振幅値Euw.maxと振幅瞬時値Ema
との両方が、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上高い状態から、瞬
低判定用閾値EFRT.cst以下になった時に、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の
状態になったと検出し、商用系統電圧の振幅値Euw.maxと振幅瞬時値Emaxとの
両方が、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下である状態から、瞬低判定用閾値EFRT
.cstよりもΔEFRT以上高い状態になった時に、商用系統電圧euwが、瞬時電圧
低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出するようにした。けれども、下記の式(19
)及び(20)に示すように、商用系統電圧の振幅値Euw.maxが、瞬低判定用閾値
FRT.cstよりもΔEFRT以上高いにも拘らず、振幅瞬時値Emaxが、瞬低判
定用閾値EFRT.cst以下になったときに、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の状
態になったと検出し、式(21)及び(22)に示すように、商用系統電圧の振幅値E
w.maxが、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下であるにも拘らず、振幅瞬時値E
axが、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上高い状態になった時に、
商用系統電圧euwが、瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出してもよい
。この場合、下記の式(19)〜(22)より、理論上では、商用系統電圧euwが瞬時
電圧低下の状態になってから半サイクル以内に、出力電流を絞ることができるが、上記の
処理を制御回路7aで行う場合に、制御プログラムの遅れを考慮すると、出力電流iin
を絞るのに必要な動作時間は、図7に示す商用系統電圧euwの1サイクル以内の時間
である。
変形例3:
また、下記の式(23)及び(24)に示すように、商用電圧振幅瞬時値検出回路28
で検出された現在の振幅瞬時値Emax(n)が、瞬低判定用閾値EFRT.cst以下
であり、かつ、商用電圧振幅瞬時値検出回路28で検出された一つ前の振幅瞬時値Ema
(n−1)が、瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上大きいときに、
商用系統電圧euwが瞬時電圧低下の状態(図4に示すFRTモードの状態)になったと
検出して、下記の式(27)に示すように、瞬時に、係数FRTratioを、現在の振
幅瞬時値Emax(n)に応じた値に低下させることにより、インバータ5からの出力電
流値を、瞬時に絞るようにしてもよい。また、下記の式(25)及び(26)に示すよう
に、商用電圧振幅瞬時値検出回路28で検出された現在の振幅瞬時値Emax(n)が、
瞬低判定用閾値EFRT.cstよりもΔEFRT以上大きく、かつ、商用電圧振幅瞬時
値検出回路28で検出された一つ前の振幅瞬時値Emax(n−1)が、瞬低判定用閾値
FRT.cst以下であるときに、商用系統電圧euwが、瞬時電圧低下状態から通常
の電圧値に復帰した(図4に示す通常運転モードに戻った)と検出して、上記の出力電流
の絞りを解除するようにしてもよい。なお、これらの瞬時電圧低下検出方法及び電圧復帰
検出方法を採用する場合には、制御回路7aは、商用電圧振幅値検出回路16を有さず、
商用電圧振幅瞬時値検出回路28のみを有する構成であってもよい。すなわち、請求項に
おける商用電圧振幅値検出手段が、商用系統電圧の振幅の瞬時値(振幅瞬時値)Emax
を検出する商用電圧振幅瞬時値検出回路28であってもよい。
変形例4:
また、上記の実施形態では、瞬時電圧低下時(FRTモードの時)に、商用電力系統9
の公称電圧の最大値(振幅値)Erated.maxと商用系統電圧の振幅値Euw.m
axとの比で決定される係数FRTratioを用いて、インバータ5からの出力電流値
を、商用系統電圧の振幅値Euw.maxの大きさに応じた出力電流値に低下させたが、
瞬時電圧低下時に、下記の式(28)に示すように、出力電流を絞るための係数FRT
atioを、0以上1未満の固定値に設定することにより、インバータ5からの出力電流
値を低下させてもよい。
変形例5:
また、上記の実施形態では、制御回路7aが、上記の充放電電力指令値の基になる電圧
BATの算出式(14)及び(15)にFRTFLAGを用いて、瞬時電圧低下時に
、FRTFLAGを0にすることにより、充放電電力指令値の基になる電力P BAT
及び充放電電力指令値P BAT’を0にして、蓄電池3への充放電を行わないようにし
た。けれども、制御回路7a(請求項における「充放電電力低下指示手段」)が、下記の
式(29)及び(30)に示すように、充放電電力指令値の基になる電力P BATの算
出式に、FRTFLAGの代わりに、上記の出力電流を絞るための係数FRTratio
を用いて、瞬時電圧低下時に、充放電電力指令値の基になる電力P BAT、及び充放電
電力指令値P BAT’を低下させることにより、充放電電力制御回路31に対して、双
方向DC/DCコンバータ4bによる蓄電池3への充放電電力を低下させるように指示し
てもよい。
変形例6:
また、上記の実施形態では、電圧瞬低復帰検出回路17によって、商用系統電圧euw
が、残電圧0%の瞬時電圧低下状態になったと検出された場合には、系統電圧が復帰する
までの間、PWM出力制御回路32にゲートブロック信号を出力せず、双方向DC/DC
コンバータ4bの運転を継続するようにしたが、制御回路7bが、PWM出力制御回路3
2にゲートブロック信号を出力することにより(ゲートブロックにより)、双方向DC/
DCコンバータ4bの運転を停止させてもよい。
変形例7:
上記の実施形態では、本発明の系統連系用電力変換装置が、太陽電池2を商用電力系統
9に連系するための蓄電ハイブリッド発電システム1である場合の例について説明した。
けれども、本発明の適用対象となる系統連系用電力変換装置は、これに限られず、例えば
、風力発電装置や燃料電池等の、太陽電池以外の分散型電源用のDC/DCコンバータと
、蓄電池への充放電用の双方向DC/DCコンバータとを備えた、他の種類の蓄電ハイブ
リッド発電システムであってもよい。また、本発明の適用対象となる系統連系用電力変換
装置は、必ずしも、分散型電源を備えた蓄電ハイブリッド発電システムに限られず、外付
けの分散型電源と接続して、蓄電ハイブリッド発電システムを構成するものであってもよ
い。
変形例8:
上記の実施形態では、系統電圧復帰直後には、直流バス電圧指令値V dcとして、復
帰直後の直流バス電圧Vdcのフィードバック値と略同じ値を使用し、その後、直流バス
電圧指令値V dcの値を、徐々に(連続的、かつ、多段階に)増加又は減少させて、本
来の直流バス電圧指令値V dc.orgに近づけるようにした。けれども、系統電圧復
帰直後における直流バス電圧指令値V dcの値の切り替え方は、必ずしも、これに限ら
れず、例えば、直流バス電圧指令値V dcを、系統電圧復帰直後の直流バス電圧Vdc
のフィードバック値から、本来の直流バス電圧指令値V dc.orgに、数段階で切り
替えてもよい。
変形例9:
上記の実施形態では、主に、図5(a)に示すソフトスタートの制御を用いたが、上記
の図5(b)に示す制御を用いて、図5(b)に示すローパスフィルタ37、及び図8に
示すローパスフィルタ38の遅延時間(入出力信号間の信号遅延時間)と収束時間を、そ
れぞれ、適切に設計する(少なくとも、ローパスフィルタ37の遅延時間が、ローパスフ
ィルタ38の遅延時間よりも短くなるように設定する)ことにより、直流バス電圧指令値
dcのソフトスタート完了後に、図8のローパスフィルタ38から充放電電力制御回
路31に出力される充放電電力指令値P BAT’が変化し始めるようにしてもよい。こ
れにより、直流バス電圧Vdcを一定の状態にしてから、充放電の動作を開始することが
できる。
変形例10:
また、図13に示すように、系統電圧復帰直後に、直流バス電圧指令値V dcのソフ
トスタートを完了してから遅延時間Tdlyの経過後に、双方向DC/DCコンバータ4
bによる蓄電池3への充放電電力を、本来の充放電電力指令値P BAT.orgに近づ
けるようにソフトスタートの動作を行うように設計してもよい。より詳細に言うと、電圧
瞬低復帰検出回路17によって、商用系統電圧euwが瞬時電圧低下状態から通常の電圧
値に復帰したと検出されたときに、制御回路7aは、充放電電力制御回路31に対して、
直流バス電圧指令値V dcのソフトスタートの完了後に、充放電電力指令値の基になる
電力P BATの値を、通常の電圧値への復帰直後における蓄電池3への充放電電力の値
から、本来の充放電電力指令値P BAT.org(請求項における「充放電電力の本来
の制御目標値」)に、徐々に増加又は減少させて近づける。ここで、本来の充放電電力指
令値P BAT.orgとは、例えば、上記の式(14)及び(15)で算出した充放電
電力指令値の基になる電力P BATの値である。なお、図13における実線は、直流バ
ス電圧指令値V dcと、充放電電力指令値の基になる電力P BATの値を示す。
上記のように設計することにより、系統電圧復帰後、直流バス電圧Vdcを一定の状態
にしてから、充放電の動作を開始することができる。なお、図13において、本来の充放
電電力指令値P BAT.org、及び充放電電力PBATを、これらの絶対値(|P
BAT.org|、及び|PBAT|)で表した理由は、充電動作および放電動作の両方
の動作時における充放電電力のソフトスタートの機能を説明するためである。また、図1
3に示す例では、直流バス電圧指令値V dcのソフトスタートの完了から充放電の開始
までの遅延時間Tdlyは、直流バス電圧指令値V dcのソフトスタート期間(時間)
softと同じ時間に設定した。
変形例11:
上記の実施形態では、式(3)に用いられる蓄電ハイブリッド発電システム1の出力電
流ispを、上記の式(4)を用いて、計算で求めたが、必ずしも、計算で求める必要は
なく、蓄電ハイブリッド発電システム1の出力電流ispを測定してもよい。
変形例12:
上記の実施形態では、PLL15により求めた周期Tuwを用いて、式(2)に示す
商用系統電圧の平均周期Tavgを求めたが、商用系統周期を測定するためのゼロクロス
回路を設けて、このゼロクロス回路で測定した周期Tuwを用いて、商用系統電圧の平均
周期Tavgを計算してもよい。
変形例13:
上記の実施形態では、制御回路7a、7bが、いわゆるマイコンを用いて構成されてい
る場合の例を示したが、制御回路7a、7bは、これに限られず、例えば、システムLS
Iであってもよい。
1 蓄電ハイブリッド発電システム(系統連系用電力変換装置)
2 太陽電池(分散型電源)
3 蓄電池
4a DC/DCコンバータ
4b 双方向DC/DCコンバータ
5 インバータ
7a 制御回路(直流バス電圧値検出手段、充放電電力低下指示手段)
7b 制御回路(コンバータ制御切替手段)
9 商用電力系統
11 直流バス電圧制御回路(有効電流指令値算出手段)
16 商用電圧振幅値検出回路(商用電圧振幅値検出手段)
17 電圧瞬低復帰検出回路(電圧瞬低復帰検出手段)
18 出力電流調整回路(出力電流調整手段)
20 出力電流制御回路(出力電流制御手段)
26 直流バス電圧指令値調整手段(直流バス電圧指令値調整回路)
27 充放電停止指示回路(充放電停止指示手段)
28 商用電圧振幅瞬時値検出回路(商用電圧振幅瞬時値検出手段)
31 充放電電力制御回路(充放電電力制御手段)
FRT.cst 瞬低判定用閾値
max 振幅瞬時値(商用系統電圧の振幅の瞬時値)
uw.max 商用系統電圧の振幅値(商用系統電圧の振幅の平均値)
uw.max(Z) 直近の半サイクルの間の商用系統電圧の振幅の平均値
uw.max(Z−1) 直近の一つ前の半サイクルの間の商用系統電圧の振幅の平均

BAT 充放電電力指令値の基になる電力
BAT’ 充放電電力指令値
dc 直流バス電圧指令値
dc.org 本来の直流バス電圧指令値(直流バス電圧の本来の制御目標値)
dc’ 直流バス電圧指令値の基になる電圧
ΔEFRT 電圧範囲(所定の値)

Claims (13)

  1. 分散型電源を商用電力系統に連系するための系統連系用電力変換装置であって、
    前記分散型電源から出力された電力を貯える蓄電池と、
    前記分散型電源と前記蓄電池との少なくとも一方から入力された電力に基づく直流電力を、交流電力に変換するインバータと、
    前記商用電力系統の電圧である商用系統電圧の振幅値を検出する商用電圧振幅値検出手段と、
    前記商用電圧振幅値検出手段で検出された商用系統電圧の振幅値に基づいて、前記商用系統電圧の瞬時電圧低下と、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したこととを検出する電圧瞬低復帰検出手段と、
    前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出されたときに、前記インバータからの出力電流値を低下させる出力電流調整手段と、
    前記インバータへの入力電圧である直流バス電圧のフィードバック値を検出する直流バス電圧値検出手段と、
    前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出されたときに、前記直流バス電圧の指令値を、前記通常の電圧値への復帰直後に前記直流バス電圧値検出手段によって検出された直流バス電圧のフィードバック値から、前記直流バス電圧の本来の制御目標値に、徐々に増加又は減少させて近づけるように調整する処理である、前記直流バス電圧の指令値のソフトスタートを行う直流バス電圧指令値調整手段と、
    前記直流バス電圧値検出手段によって検出された直流バス電圧のフィードバック値と、前記直流バス電圧の指令値との差分に基づいて、前記インバータからの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値を算出する有効電流指令値算出手段と、
    前記有効電流指令値算出手段により算出された有効電流指令値に基づいて、前記インバータからの出力電流を制御する出力電流制御手段とを備える、系統連系用電力変換装置。
  2. 前記出力電流調整手段は、前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出されたときに、前記インバータからの出力電流値を、前記商用電圧振幅検出手段で検出された前記商用系統電圧の振幅値の大きさに応じた出力電流値に低下させることを特徴とする請求項1に記載の系統連系用電力変換装置。
  3. 前記商用電圧振幅値検出手段は、前記商用系統電圧の実効値を、前記商用系統電圧の波形の半サイクルの期間で算出して、算出した商用系統電圧の実効値に2の平方根を乗じることにより、前記商用系統電圧の振幅値を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の系統連系用電力変換装置。
  4. 前記分散型電源から出力された直流電力の電圧を変換するDC/DCコンバータと、
    前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出されたときに、前記DC/DCコンバータの制御方式を、前記分散型電源からの出力電力が最大になるように前記分散型電源からの入力電圧を調整するMPPT制御から、前記DC/DCコンバータから出力される直流電力の電圧が一定の範囲内の電圧になるように制御するCV制御に切り替える、コンバータ制御切替手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の系統連系用電力変換装置。
  5. 前記直流バス電圧指令値調整手段は、
    前記直流バス電圧の指令値の基になる電圧が入力されて、前記直流バス電圧の指令値を出力する直流バス電圧指示用ローパスフィルタを備え、
    前記電圧瞬低復帰検出手段により前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出されたときに、前記直流バス電圧の指令値の基になる電圧を、前記通常の電圧値への復帰直後に前記直流バス電圧値検出手段によって検出された直流バス電圧のフィードバック値と同じ値にし、前記通常の電圧値に復帰したと検出されたときから所定の遅延時間経過後に、前記直流バス電圧の指令値の基になる電圧を、前記直流バス電圧の本来の制御目標値にステップ変化させることにより、前記直流バス電圧指示用ローパスフィルタから出力される直流バス電圧の指令値の前記ソフトスタートを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の系統連系用電力変換装置。
  6. 前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向DC/DCコンバータと、
    前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する充放電電力制御手段と、
    前記充放電電力制御手段に対する充放電電力指令値の基になる電力が入力されて、前記充放電電力指令値を前記充放電電力制御手段に出力する充放電電力指示用ローパスフィルタをさらに備え、
    前記直流バス電圧指示用ローパスフィルタから出力される直流バス電圧の指令値の前記ソフトスタートの完了後に、前記充放電電力指示用ローパスフィルタから前記充放電電力制御手段に出力される前記充放電電力指令値が変化し始めるように、前記直流バス電圧指示用ローパスフィルタ及び前記充放電電力指示用ローパスフィルタの遅延時間及び収束時間を設定することを特徴とする請求項に記載の系統連系用電力変換装置。
  7. 前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向DC/DCコンバータと、
    前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する充放電電力制御手段とをさらに備え、
    前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出されたときに、前記充放電電力制御手段に対して、前記直流バス電圧の指令値の前記ソフトスタートの完了後に、前記充放電電力制御手段に対する充放電電力指令値の基になる電力の値を、前記通常の電圧値への復帰直後における前記蓄電池への充放電電力の値から、前記充放電電力の本来の制御目標値に、徐々に増加又は減少させて近づけるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の系統連系用電力変換装置。
  8. 前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向DC/DCコンバータをさらに備え、
    前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用系統電圧が、残電圧0%の瞬時電圧低下状態になったと検出されたときに、前記双方向DC/DCコンバータの運転を継続するか、又は、ゲートブロックにより前記双方向DC/DCコンバータの運転を停止させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の系統連系用電力変換装置。
  9. 前記電圧瞬低復帰検出手段によって、前記商用系統電圧が、残電圧0%の瞬時電圧低下状態になったと検出されたときに、前記出力電流調整手段により前記インバータからの出力電流値を0に低下させて、前記インバータの運転を継続するか、又は、ゲートブロックにより前記インバータの運転を停止させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の系統連系用電力変換装置。
  10. 前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向DC/DCコンバータと、
    前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する充放電電力制御手段と、
    前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出されたときに、前記充放電電力制御手段に対して、前記双方向DC/DCコンバータによる前記蓄電池への充放電を行わないように指示する充放電停止指示手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の系統連系用電力変換装置。
  11. 前記蓄電池に対する充放電を行うための双方向DC/DCコンバータと、
    前記双方向DC/DCコンバータによる充放電動作を制御する充放電電力制御手段と、
    前記電圧瞬低復帰検出手段によって前記瞬時電圧低下が検出されたときに、前記充放電電力制御手段に対して、前記双方向DC/DCコンバータによる前記蓄電池への充放電電力を低下させるように指示する充放電電力低下指示手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の系統連系用電力変換装置。
  12. 分散型電源から出力された電力を貯える蓄電池と、前記分散型電源と前記蓄電池との少なくとも一方から入力された電力に基づく直流電力を交流電力に変換するインバータとを備えた、系統連系用電力変換装置の出力電流制御方法であって、
    商用系統電圧の振幅値を検出するステップと、
    検出した前記商用系統電圧の振幅値に基づいて、前記商用系統電圧の瞬時電圧低下を検出するステップと、
    前記瞬時電圧低下を検出したときに、前記インバータからの出力電流値を低下させるステップと、
    前記検出した前記商用系統電圧の振幅値に基づいて、前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したことを検出するステップと、
    前記商用系統電圧が瞬時電圧低下状態から通常の電圧値に復帰したと検出したときに、直流バス電圧の指令値を、前記通常の電圧値への復帰直後における直流バス電圧のフィードバック値から、前記直流バス電圧の本来の制御目標値に、徐々に増加又は減少させて近づけるように調整する処理と、調整後の直流バス電圧の指令値と、その時点の直流バス電圧のフィードバック値との差分に基づいて、前記インバータからの有効成分の出力電流の制御目標値である有効電流指令値を算出する処理と、算出した有効電流指令値に基づいて、前記インバータからの出力電流を制御する処理とを繰り返すステップとを備える、系統連系用電力変換装置の出力電流制御方法。
  13. 前記低下させるステップは、前記瞬時電圧低下を検出したときに、前記インバータからの出力電流値を、前記検出した商用系統電圧の振幅値の大きさに応じた出力電流値に低下させることを特徴とする請求項12に記載の系統連系用電力変換装置の出力電流制御方法。
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