JP6165424B2 - 防火区画貫通部構造 - Google Patents

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Description

本発明は防火区画貫通部構造に関し、詳しくは区画に設けられた貫通孔を長尺体が挿通する防火区画貫通部構造に関する。
建築物等の構造物の仕切り部の一方で火災が発生した場合でも、炎や煙等が他方へ広がることを防ぐために、建築物等の仕切部には通常区画が設けられている。
この建築物内部に長尺体を設置する場合には、この区画に貫通する孔を設け、この貫通孔に配管類を挿通する必要がある。
しかしながら単に長尺体を前記貫通孔に挿通させただけでは火災等の発生時に前記貫通孔を伝わって、炎や煙等が区画の一方から他方へ拡散する問題がある。
前記長尺体の一例としてバスダクトが挙げられるが、前記バスダクトは、その内部を通るケーブル類等の増設等が簡単に行える利点を有する。
またバスダクトは鉄、アルミ等の金属材料により作られているため、前記ケーブル類から発生する電磁波等がバスダクト外部に漏れにくいという利点も有する。
これらの利点により、バスダクトは大規模配線が必要な高層ビル等の建築物によく用いられている。
図17は、従来の防火区画貫通部構造を示す模式斜視図である。
建築物内部の部屋の間仕切り等を形成する区画1に貫通孔2が設置されている。また前記貫通孔2にはスリーブ3が設置されていて、前記貫通孔2をバスダクト13が挿通している。
前記バスダクト13の外周部分のうち、内側に窪んだ部分に熱膨張性耐火シール材6が充填され、前記熱膨張性耐火シール材6の部分を含む前記バスダクト13の外周に熱膨張性耐火テープ7が巻かれ、前記バスダクト13と前記貫通孔2との隙間が仕切板4a,4b,4cにより閉塞され、さらに前記仕切板4a,4b,4cと前記バスダクト13との隙間に熱膨張性耐火シール材8が充填された防火区画貫通部構造が提案されている(特許文献1)。
図17に示される従来の防火区画貫通部構造500は、簡単に施工することができ、耐火性にも優れるとされる。
特開2006−138144
しかし本発明者らが検討したところ、従来の防火区画貫通部構造には新たな問題があることに気がついた。
従来の防火区画貫通部構造は、施工直後には何ら不具合は発見されないが、施工後一定期間運用した後の従来の防火区画貫通部構造の中に、前記仕切板4a,4b,4cと前記バスダクト13との隙間に充填された耐熱シール材8に不具合があるものを発見した。
具体的には、前記仕切板4a,4b,4cと前記バスダクト12との隙間に充填された耐熱シール材8が剥離脱落し、従来の防火区画貫通部構造が部分的に崩壊する場合のあることも突き止めた。
本発明の目的は、防火区画貫通部構造が部分的に崩壊する等の不具合の発生を減少させることのできる信頼性の高い、防火区画貫通部構造を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討した結果、バスダクト等を含む長尺体の外周にスライド部材を設置し、前記長尺体が挿通する区画の貫通孔と前記長尺体との隙間を不燃材で閉塞し、前記スライド部材と前記不燃材との隙間を耐熱シール材で閉塞した防火区画貫通部構造が、本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
[1]建築物の区画に形成された貫通孔と、
前記貫通孔を挿通する長尺体と、
前記貫通孔と、前記長尺体の外周との隙間を略閉塞する不燃材と、
を有し、
前記長尺体のうち前記貫通孔を挿通する外周部分が、スライド部材により覆われ、
前記スライド部材と前記不燃材との隙間が、耐熱シール材により閉塞され、
前記長尺体と前記耐熱シール材とが、前記スライド部材を介して前記長尺体の長手方向に動くことができる、防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]前記スライド部材および前記耐熱シール材が、前記スライド部材および前記耐熱シール材の接触面に沿って互いに前記長尺体の長手方向に動くことができ、
ならびに/または、
前記スライド部材および前記長尺体が、前記スライド部材および前記長尺体の接触面に沿って互いに前記長尺体の長手方向に動くことができる、
上記[1]に記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記スライド部材が、シート類からなり、
(1)前記シート類と前記耐熱シール材との接触面の滑り移動
(2)前記シート類と前記長尺体との接触面の滑り移動
(3)前記シート類と前記シート類との接触面の滑り移動
上記(1)〜(3)からなる群より選ばれる少なくとも一つにより、前記長尺体と前記耐熱シール材とが互いに動くことができる、上記[1]または[2]に記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記シート類が、前記シート類と前記シート類との接触面を形成し、
(4)重ね合わされた二以上の前記シート類
(5)折り返された前記シート類
(6)筒状の前記シート類
上記(4)〜(6)からなる群より選ばれる少なくとも一つにより
前記シート類と前記シート類との接触面が形成されている、上記[3]に記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]前記シート類が、紙粘着テープ、合成樹脂粘着テープ、布粘着テープ、紙、布、合成樹脂シートおよび金属シートからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、上記[3]または[4]に記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記長尺体が、前記長尺体の長手方向に対する垂直面による断面を基準として、窪み部分を有し、
無機不燃材が、前記窪み部分に充填され、
前記スライド部材が、前記窪み部分に無機不燃材が充填された長尺体を覆う、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]前記長尺体が、配管類、ケーブル類、およびバスダクトからなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[8]前記長尺体が、バスダクトである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の防火区画貫通部構造を提供するものである。
前記長尺体の場合、前記長尺体の具体例であるバスダクト内部の電線ケーブル類等の発熱、前記長尺体の具体例である配管類内部の熱媒体の循環等により、前記長尺体の温度は75〜85℃に達する場合がある。
夜間等に前記電線ケーブル類への通電、前記配管類への熱媒体の循環を止めた場合には、前記長尺体の温度は室温に近づく。
このように前記長尺体は加熱と冷却が繰り返される場合があるが、前記長尺体に対して加熱と冷却が繰り返されることにより、前記長尺体は膨張と収縮とを繰り返す。
このため従来の長尺体に密着して設置されている耐熱シール材に、前記長尺体の膨張と収縮との繰り返しにより、ひび割れ等が生じ、最終的には従来の防火区画貫通部構造に使用される耐熱シール材8が剥離脱落し、従来の防火区画貫通部構造が部分的に崩壊する場合があった。
これに対し本発明の防火区画貫通部構造によれば、前記長尺体が膨張と収縮とを繰り返したとしても、前記長尺体と前記耐熱シール材とが前記スライド部材を介して前記長尺体の長手方向に動くことができるため、前記長尺体の膨張の応力と収縮の応力が前記耐熱シール材に対して加えられることを防止できる。
この作用により前記耐熱シール材のひび割れ、破断等を防止できることから、本発明の防火区画貫通部構造は信頼性が高い。
また本発明に使用する前記スライド部材としてシール類を選択した場合には、本発明の防火区画貫通部構造を簡潔なものとすることができるから、簡単に施工することができ、単位時間当たりの生産性を向上させることもできる。
また前記長尺体が、前記長尺体の長手方向に対する垂直面による断面を基準として窪み部分を有する場合には、無機不燃材を前記窪み部分に充填することにより、前記の窪み部分を通じて火災等の炎、煙等が、区画の一方から他方へ拡散することを防止できる。
また本発明の防火区画貫通部構造は、区画の一方で火災等が発生した場合でも、前記と前記貫通孔との隙間が閉塞されているため、火災等の炎、煙等が、区画の他方へ拡散することを防止できることから耐火性に優れる。
図1は、建築物の部屋の間仕切り等を形成する区画としての床とバスダクトとの関係を例示した要部斜視図である。 図2は、実施例1に使用するバスダクトを、前記バスダクトの長手方向に対する垂直面により切断した断面を例示した模式断面図である。 図3は、実施例1に使用するバスダクトと貫通孔との関係を説明するための模式断面図である。 図4は、実施例1に使用される不燃材の形状を説明するための模式平面図である。 図5は、前記スライド部材と耐熱シール材との相互関係を説明するための模式断面図である。 図6は、実施例2に使用するバスダクトを、前記バスダクトの長手方向に対する垂直面により切断した断面を例示した模式断面図である。 図7は、実施例2に使用するバスダクトを説明するための模式部分斜視図である。 図8は、前記バスダクトの窪み部分に無機不燃材が充填された状態を説明するための模式断面図である。 図9は、実施例2に係る防火区画貫通部構造を示す模式断面図である。 図10は、実施例3に使用するスライド部材22を説明するための模式斜視図である。 図11は、実施例3に係る防火区画貫通部構造を示す模式断面図である。 図12は、実施例4に使用するスライド部材23を説明するための模式斜視図である。 図13は、実施例4に係る防火区画貫通部構造を示す模式断面図である。 図14は、実施例5に使用するスライド部材24を説明するための模式斜視図である。 図15は、実施例5に係る防火区画貫通部構造140を示す模式断面図である。 図16は、実施例6に係る防火区画貫通部構造150を示す模式断面図である。 図17は、従来の防火区画貫通部構造を示す模式斜視図である。
本発明は防火区画貫通部構造に関するものであるが、最初に本発明に使用する長尺体について説明する。
前記長尺体は、建築物、船舶構造物等の構造物の仕切り部に設けられた区画の貫通孔を挿通するものである。
前記長尺体としては、例えば、冷媒管、熱媒管、給湯管、水道管、下水管、注排水管、燃料移送管、油圧配管等の液体移送用管類、ガス管、暖冷房用媒体移送管、通気管等の気体移送用管類等の配管類、
電線ケーブル、光ファイバーケーブル、船舶用ケーブル等のケーブル類等、
前記ケーブル類等を格納するバスダクト等が挙げられる。
これらの中でも熱による伸縮に対応できる観点から配管類、ケーブル類、バスダクト等が好ましく、バスダクトであればさらに好ましい。
前記長尺体は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記長尺体の形状については特に限定はないが、例えば、前記長尺体の長軸方向に対し垂直方向の断面形状が三角形、四角形等の多角形、長方形等の互いの辺の長さが異なる形状、平行四辺形等の互いの内角が異なる形状、楕円形、円形等の形状が挙げられる。これらの中でも、断面形状が円形、四角形等であるものが施工性に優れることから好ましい。
前記長尺体の断面形状の大きさは、この断面形状の重心からこの断面形状の外郭線までの距離が最も大きい辺の長さを基準として、通常、1〜1500mmの範囲であり、好ましくは10〜750mmの範囲である。
前記長尺体がバスダクトの場合には、通常10mm〜130cmの範囲であり、好ましくは50mm〜100cmの範囲である。
前記長尺体の素材については特に限定はないが、例えば、金属材料、無機材料、有機材料等の一種もしくは二種以上からなるものを挙げることができる。
前記金属材料としては、例えば、鉄、鋼、ステンレス、銅、アルミニウム、二以上の金属を含む合金等を挙げることができる。
また無機材料としては、例えば、ガラス、セラミック等を挙げることができる。
また有機材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂等を挙げることができる。
前記素材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する長尺体は、前記金属材料管、無機材料管および有機材料管等の一種以上であるが、前記金属材料管、無機材料管および有機材料管等の二種以上を内筒や外筒に使用した積層管として使用することもできる。
前記配管類は金属材料管、有機材料管等が取扱い性の面から好ましく、鋼管、銅管等の金属材料管であればさらに好ましい。
本発明に使用する長尺体は、構造物の仕切り部に設けられた区画の貫通孔を挿通するものであるが、前記区画としては、建築物の壁、間仕切り壁、床、天井等、船舶の防水区画や船室に設けられた鋼板等が挙げられる。
これらの区画に貫通孔を設けることにより、前記貫通孔に前記長尺体を挿通させることが可能である。
前記貫通孔の面積は通常は0.01〜0.75mの範囲であり、0.1〜0.75mの範囲であれば好ましい。
次に本発明に使用する不燃材について説明する。
本発明に使用する不燃材としては、例えば、無機繊維を成形した無機繊維マット、無機繊維を成形した無機繊維ボード、耐熱パネル等を挙げることができる。
前記無機繊維マット材としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等の無機繊維を抄紙等して得られるマット材等が挙げられる。
前記無機繊維ボードとしては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等の無機繊維を焼結剤、熱可塑性樹脂、接着剤等を使用して成形して得られるボード等が挙げられる。
また前記耐熱パネルとしては、例えば、セメント系パネル、無機セラミック系パネル等が挙げられる。
前記セメント系パネルとしては、例えば、硬質木片セメント板、無機繊維含有スレート板、軽量気泡コンクリート板、モルタル板、プレキャストコンクリート板等が挙げられる。
前記無機セラミック系パネルとしては、例えば、石膏ボード、けい酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ミネラルウール板、窯業系板等が挙げられる。
ここで前記石膏ボードとしては、具体的には焼石膏に鋸屑やパーライト等の軽量材を混入し、両面に厚紙を貼って成形したもので、例えば、普通石膏ボード(JIS A6901準拠:GB−R)、化粧石膏ボード(JIS A6911準拠:GB−D)、防水石膏ボード(JIS A6912準拠:GB−S)、強化石膏ボード(JIS A6913準拠:GB−F)、吸音石膏ボード(JIS A6301準拠:GB−P)等が挙げられる。
前記無機繊維マット、無機繊維ボード、耐熱パネル等は一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する無機不燃材について説明する。
本発明に使用する無機不燃材は、前記不燃材と同様のものを使用することができる。取扱い易さの観点から、前記無機不燃材は、前記無機繊維マット等であることが好ましい。
次に本発明に使用するスライド部材について説明する。
本発明に使用するスライド部材は、各実施例に示す紙粘着テープ、合成樹脂粘着テープ、布粘着テープ、合成樹脂フィルム等が挙げられる。
本発明に使用するスライド部材は、シート類からなることが好ましい。
前記シート類としては、例えば、クラフト粘着テープ等の紙粘着テープ、軟質ポリ塩化ビニル粘着テープ、延伸ポリプロピレン粘着テープ等の粘着合成樹脂テープ、布粘着テープ等の粘着テープ類、
ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート、ポリブテンシート、ポリペンテンシート等のポリオレフィンシート類、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリブチレンテレフタレートシート等のポリエステルシート類、ポリスチレンシート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンシート、ポリカーボネートシート、ポリフェニレンエーテルシート、アクリルシート、ポリアミドシート、ポリ塩化ビニルシート等の合成樹脂シート類、
アルミニウムシート、ステンレスシート、銅シート、亜鉛メッキ鋼シート、錫メッキ鋼シート等の金属シート等が挙げられる。
前記シート類の厚みは10μm〜5mmの範囲であれば好ましく、20μm〜1mmの範囲であれば好ましい。なお、これらのスライド部材は一種もしくは二種以上のものを使用することもできる。
以下に図面を参照しつつ、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1では長尺体としてバスダクトを使用した。
図1は、建築物の部屋の間仕切り等を形成する区画1としての床とバスダクトとの関係を例示した要部斜視図である。
図1に例示されるように、区画1に設けられた貫通孔2にバスダクト10が挿通されている。
図1に区画1として例示される床は、折板鋼板により形成されたデッキ床板上に硬化前のコンクリートを流し込んで形成したスラブ床を一例として示したものである。
本発明の防火区画貫通部構造では、貫通孔2が前記区画1に設けられているが、この様な貫通孔2は、前記区画1に空洞部を設けておき、この空洞部の周囲を枠止めしてから硬化前のコンクリートを流し込んで形成することができる。
前記貫通孔の大きさは、0.75m以下の範囲であることが好ましい。また実施例1では、前記貫通孔2の大きさは、0.5×1.5mである。
前記貫通孔2には、図1に例示されるように、耐火性のスリーブ、例えば鋼製、アルミニウム製等の金属スリーブ3を設置することができる。
なお、上記図1における区画1は階上と階下との間仕切りの一例である。
図1の場合はバスダクト10が水平の区画1を略垂直に挿通しているが、本発明におけるバスダクト10と区画1との関係は図1の場合に限定されない。
例えば、隣接する部屋同士をそれぞれ分けるために設けられた仕切り壁も前記区画1の一例である。この仕切り壁については特に図示してはいないが、この仕切り壁は通常軽量気泡コンクリート板やモルタル等で形成されるものである。この場合はバスダクトはこの仕切り壁に設けられた貫通孔を、仕切り壁を基準として垂直方向に挿通することもできる。
図2は、実施例1に使用するバスダクト10を、前記バスダクト10の長手方向に対する垂直面により切断した断面を例示した模式断面図である。
実施例1に使用したバスダクト10は、その断面の外周形状が長方形の鋼鉄製である。
本発明に使用されるバスダクト10は、通常アルミニウム、鉄等の金属材料により形成されているものであり、例えば、具体的にはその内部に電線ケーブル、光ファイバーケーブル等のケーブル類、水道管、下水管等の液体移送用管類、ガス管、暖冷房用媒体移送管、通気管等の気体移送用管類等を収納した筐体が挙げられる。
実施例1に使用したバスダクト10の場合は、その内部をケーブル類40が挿通している。前記ケーブル類40は通電時に発熱する。この発熱により通電していない状態と比較して前記バスダクト10が膨張する。
図3は、実施例1に使用するバスダクトと貫通孔との関係を説明するための模式断面図である。
実施例1に係る防火区画貫通部構造100は、図3に例示されるように、前記貫通孔2を挿通するバスダクト10を備える。
また前記貫通孔2を挿通する前記バスダクト10の外周部分がスライド部材20により覆われている。
実施例1に使用した前記スライド部材20は紙粘着テープからなる。
前記紙粘着テープは紙基材の一方の面に粘着剤層が設けられ、他方の面に離型剤層が設けられている。前記離型剤層はシリコーン化合物等を塗布して形成されていて、前記粘着剤層と接触しても容易に剥がすことができる構造となっている。
前記紙粘着テープとしては包材用に使用されるクラフト粘着テープ等が広く市販されていて、これらの市販品を適宜選択して使用することができる。
次に実施例1に係る防火区画貫通部構造は、前記貫通孔2と、前記バスダクト10の外周との隙間が不燃材4により略閉塞されている。
ここで略閉塞されている、との意味は、前記貫通孔2と、前記バスダクト10の外周との隙間の最小値が100mm以下、好ましくは50mm以下であることを意味する。
このように前記貫通孔2と前記バスダクト10の外周との隙間を不燃材4により略閉塞することにより、区画1の一方の側で火災等が発生した場合でも他方の側へ火災等の影響が広がることを軽減することができる。
実施例1の場合は、前記不燃材4としてけい酸カルシウム板が使用されている。
図4は、実施例1に使用される不燃材の形状を説明するための模式平面図である。
前記不燃材4は、二枚の平面形状部材4a,4bおよび4cが組み合わされて形成されている。三枚の平面形状部材4a,4bおよび4cを同一平面上において組み合わせることにより、全体として一つの不燃材4を形成することができる。
前記不燃材4が二以上の平面形状部材から構成されることにより、施工現場において、それぞれの平面形状部材を順次前記貫通孔2に容易にはめ込むことができることから、前記貫通孔2と前記バスダクト10との隙間を容易に塞ぐことができ、簡便に実施例1に係る防火区画貫通部構造を施工することができる。
前記不燃材4は、前記貫通孔2の内周形状と略同一の外周形状を有するものである。
前記不燃材4が前記外周形状を有することから、前記貫通孔2と前記バスダクト10との隙間を、前記不燃材4により塞ぐことができる。
また、前記不燃材4は、図4に例示されるように、前記バスダクト10を挿通させるための開口部5a,5bを有するものである。
前記開口部5a,5bの形状は、前記開口部5a,5bを前記バスダクト10,10が挿通できる形状であれば特に限定はない。
先の図3に示されるように、前記不燃材4の開口部5a,5bと、前記バスダクト10との間に前記スライド部材20が設置されている。
前記スライド部材20は、前記バスダクト10の長手方向を基準として、前記貫通孔2の厚み以上に前記バスダクト10に被覆されていることが好ましい。
具体的には、前記貫通孔2の外側に100〜500mmの範囲で被覆されていることがより好ましい。
図5は、前記スライド部材と耐熱シール材との相互関係を説明するための模式断面図である。
図5に示されるように、前記スライド部材20と前記不燃材4との境界部分が、耐熱シール材30により閉塞されている。
前記耐熱シール材30の具体例としては、例えば、JIS A5758により規定されている建築用シーリング材、JIS A6024により規定されている建築補修用注入エポキシ樹脂シーリング材、JIS A6914により規定されている石膏ボード用目地処理材、モルタル、パテ等を挙げることができる。前記耐熱シール材30は、施工性の観点からクロロプレンゴム等のゴム物質に充填材、難燃剤等を配合してなるパテ等であれば好ましい。
また前記耐熱シール材30は前記バスダクト10に対して前記スライド部材20を介して設置されるが、前記耐熱シール材30の長さは、前記バスダクト10の長手方向を基準として、前記スライド部材20の長さよりも短いことが好ましい。
具体的には、前記スライド部材20の長さは、前記バスダクト10の長手方向を基準として、前記不燃材4からの前記耐熱シール材30の長さよりも50〜300mm長いことが好ましい。
前記不燃材4と前記耐熱シール材30とは互いに動くことなく固定されている。これに対し、前記スライド部材20と前記耐熱シール材30とは互いに動くことができる。
実施例1の場合では、前記スライド部材20として紙粘着テープが使用されている。この紙粘着テープに積層された離型剤層に対して前記耐熱シール材30が接触していても、前記耐熱シール材30は前記スライド部材20の離型剤層表面に沿って移動することができる。
このため前記バスダクト10が内部を挿通する電線ケーブル40等の発熱等により膨張、伸縮したとしても、前記バスダクト10に対して前記耐熱シール材30は前記スライド部材20を介して前記バスダクト10の長手方向に動くことができるため、前記耐熱シール材30が破壊されることを防ぐことができる。
実施例1に係る防火区画貫通部構造100は、前記貫通孔2と前記バスダクト10の外周との隙間とが前記不燃材4により略閉塞されている。また前記不燃材4と前記バスダクト10との間が、前記スライド部材20を介して前記耐熱シール材30により閉塞されている。
このため、前記貫通孔2が形成された区画1の一方で火災等が発生した場合でも、前記火災等による炎、煙等が前記区画に形成された貫通孔2を通って拡散することを防止できるから、実施例1に係る防火区画貫通部構造100は耐火性に優れる。
実施例2に係る防火区画貫通部構造110は、実施例1に係る防火区画貫通部構造100の変形例である。
図6は、実施例2に使用するバスダクト11を、前記バスダクト11の長手方向に対する垂直面により切断した断面を例示した模式断面図であり、図7は実施例2に使用するバスダクト11を説明するための模式部分斜視図である。
先の実施例1に使用したバスダクト10は、その断面の外周形状が長方形であった。これに対し実施例2に使用したバスダクト11は、図6に示されるように、前記バスダクト11の外周形状にバスダクト11内側に向かって窪んでいる窪み部分12が存在する。
また前記バスダクト11の内部にはケーブル類40が前記バスダクト11の長手方向に沿って挿通している。
図8は、前記バスダクト11の窪み部分12に無機不燃材50が充填された状態を説明するための模式断面図である。
前記窪み部分12の形状に合わせて前記無機不燃材50を切断し、前記窪み部分12に前記無機不燃材50を挿入することにより、前記窪み部分12に無機不燃材50を充填することができる。
本発明に使用する無機不燃材50としては、例えば、無機繊維を成形した無機繊維マット等が挙げられる。また無機不燃材50として、先に説明した耐熱シール材30等も使用することができる。
前記無機繊維マット材としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等の無機繊維を抄紙等して得られるマット材等が挙げられる。
次に図8に示されるよに、前記無機不燃材50を含む前記バスダクト11の外周にスライド部材21を設置した。
実施例2に使用した前記スライド部材21は合成樹脂粘着テープからなる。前記合成樹脂粘着テープは、実施例1に使用した前記スライド部材20と同様、合成樹脂フィルムの一方の面に粘着剤層が設けられ、他方の面に離型剤層が設けられている。
前記合成樹脂テープに使用する合成樹脂フィルムの素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類等を挙げることができる。
前記合成樹脂粘着テープは市販されていて、これらの市販品を適宜選択して使用することができる。
図9は、実施例2に係る防火区画貫通部構造110を示す模式断面図である。実施例2に係る防火区画貫通部構造110は、実施例1に係る防火区画貫通部構造100と同様、前記合成樹脂粘着テープに積層された離型剤層に対し前記耐熱シール材30が接触していても、前記耐熱シール材30は前記スライド部材21の離型剤層表面に沿って移動することができる。
このため前記バスダクト10が内部を挿通する電線ケーブル等の発熱等により膨張、伸縮したとしても、前記バスダクト11に対して前記耐熱シール材30は前記スライド部材21を介して前記バスダクト11の長手方向に動くことができるため、前記耐熱シール材30が破壊されることを防ぐことができる。
図9に示される実施例2に係る防火区画貫通部構造110は、前記貫通孔2と前記バスダクト11外周との隙間とが前記不燃材4により略閉塞されている。また前記不燃材4と前記バスダクト11との隙間が、前記スライド部材21を介して前記耐熱シール材30により閉塞されている。
このため、前記貫通孔2が形成された区画の一方で火災等が発生した場合でも、前記火災等による炎、煙等が前記区画に形成された貫通孔2を通って拡散することを防止できるから、実施例2に係る防火区画貫通部構造110は耐火性に優れる。
実施例3に係る防火区画貫通部構造120は、実施例2に係る防火区画貫通部構造110の変形例である。
図10は、実施例3に使用するスライド部材22を説明するための模式斜視図である。
実施例2の場合は、前記スライド部材21として合成樹脂粘着テープが使用されていた。
これに対し実施例3の場合は、スライド部材22として、バスダクトに直接接して設置される合成樹脂フィルム22aと、前記合成樹脂フィルムの外側に重ねて設置される別の合成樹脂フィルム22bとの二つの合成樹脂フィルムが使用されている。
本発明に使用される前記スライド部材22の合成樹脂フィルムの素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、アクリル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。中でも、ポリオレフィン類、ポリエステル類等が好ましい。
図11は、実施例3に係る防火区画貫通部構造120を示す模式断面図である。
合成樹脂フィルム22aをバスダクト10に市販の粘着テープ、接着剤等を用いて前記バスダクト11に貼着する。また合成樹脂フィルム22bを介して前記耐熱シール材30を前記バスダクト10に圧着することにより、実施例2の場合と同様に実施例3に係る防火区画貫通部構造120を得ることができる。
実施例3に係る防火区画貫通部構造120は、二つの合成樹脂フィルム22a,22bからなる前記スライド部材22を介して、前記耐熱シール材30と前記バスダクト10とが接触している。
前記二つの合成樹脂フィルム22a,22bの接触面は前記バスダクト11の長手方向に沿って互いに移動することができる。
このため前記バスダクト11が内部を挿通する電線ケーブル40等の発熱等により膨張、伸縮したとしても、前記バスダクト11に対して前記耐熱シール材30は前記スライド部材22を介して前記バスダクト11の長手方向に動くことができるため、前記耐熱シール材30が破壊されることを防ぐことができる。
実施例3に係る防火区画貫通部構造120は、実施例2に係る防火区画貫通部構造110の場合と同様、前記貫通孔2が形成された区画の一方で火災等が発生した場合でも、前記火災等による炎、煙等が前記区画1に形成された貫通孔2を通って拡散することを防止できる。このため実施例3に係る防火区画貫通部構造120は耐火性に優れる。
実施例4に係る防火区画貫通部構造130は、実施例3に係る防火区画貫通部構造120の変形例である。
図12は、実施例4に使用するスライド部材23を説明するための模式斜視図である。
先の実施例3の場合には、スライド部材22として二つの合成樹脂フィルム22a,22bが使用されていた。これに対して実施例4の場合にはスライド部材23として折り返された合成樹脂フィルム23aが使用されている点が異なる。
それ以外は実施例3の場合と同様である。
図12に示されるように、前記スライド部材23として市販の合成樹脂袋23bの底部23cを除く両端を、一点破線A−Aに沿って切断して、折り返された合成樹脂フィルム23aを複数準備した。
なお前記折り返された合成樹脂フィルム23aの折り返し部分は、切断される前の合成樹脂袋23bの底部23cに対応する。
図13は、実施例4に係る防火区画貫通部構造130を示す模式断面図である。
折り返された合成樹脂フィルムからなる前記スライド部材23の一方の面の中央部を市販の粘着テープ、接着剤等を用いて前記バスダクト11に貼着する。
また前記折り返された合成樹脂フィルムからなる前記スライド部材23の他方の面を、前記耐熱シール材30により前記バスダクト10に圧着することにより、実施例3の場合と同様に実施例4に係る防火区画貫通部構造130を得ることができる。
なお、図13の場合では折り返された合成樹脂フィルムからなる前記スライド部材23の折り返し部分(合成樹脂袋23bの底部23c)が上側に設置されているが、前記折り返し部分を下側に設置することもできる。
実施例4に係る防火区画貫通部構造130は、折り返された合成樹脂フィルムからなる前記スライド部材23を介して、前記耐熱シール材30と前記バスダクト11とが接触している。
前記スライド部材23の接触面は前記バスダクト11の長手方向に沿って互いに移動することができる。
このため前記バスダクト11が内部を挿通する電線ケーブル等の発熱等により膨張、伸縮したとしても、前記バスダクト11に対して前記耐熱シール材30は前記スライド部材23を介して前記バスダクト10の長手方向に動くことができるため、前記耐熱シール材30が破壊されることを防ぐことができる。
実施例4に係る防火区画貫通部構造130は、実施例3に係る防火区画貫通部構造120の場合と同様、前記貫通孔2が形成された区画1の一方で火災等が発生した場合でも、前記火災等による炎、煙等が前記区画に形成された貫通孔2を通って拡散することを防止できる。このため実施例4に係る防火区画貫通部構造130は耐火性に優れる。
実施例5に係る防火区画貫通部構造140は、実施例4に係る防火区画貫通部構造130の変形例である。
図14は、実施例5に使用するスライド部材24を説明するための模式斜視図である。
先の実施例4の場合には、スライド部材23として折り返された合成樹脂フィルム23aが使用されていた。これに対して実施例5の場合にはスライド部材24として筒状の合成樹脂フィルム24aが使用されている点が異なる。
それ以外は実施例4の場合と同様である。
図14に示されるように、前記スライド部材24として市販の合成樹脂袋24bの底部24cを一点破線A−Aに沿って切断して、筒状の合成樹脂フィルム24aを複数準備した。
図15は、実施例5に係る防火区画貫通部構造140を示す模式断面図である。
筒状の合成樹脂フィルム24aからなる前記スライド部材24の一方の面の中央部を市販の粘着テープ、接着剤等を用いて前記バスダクト11に貼着する。また筒状の合成樹脂フィルム24aからなる前記スライド部材24の他方の面を、前記耐熱シール材30により前記バスダクト11に圧着することにより、実施例4の場合と同様に実施例5に係る防火区画貫通部構造140を得ることができる。
実施例5に係る防火区画貫通部構造140は、筒状の合成樹脂フィルムからなる前記スライド部材24を介して、前記耐熱シール材30と前記バスダクト11とが接触している。
前記スライド部材24の筒状の合成樹脂フィルム24aの内側同士の接触面は前記バスダクト11の長手方向に沿って互いに移動することができる。
このため前記バスダクト11が内部を挿通する電線ケーブル等の発熱等により膨張、伸縮したとしても、前記バスダクト11に対して前記耐熱シール材30は前記スライド部材24を介して前記バスダクト10の長手方向に動くことができるため、前記耐熱シール材24が破壊されることを防ぐことができる。
実施例5に係る防火区画貫通部構造140は、実施例4に係る防火区画貫通部構造130の場合と同様、前記貫通孔2が形成された区画の一方で火災等が発生した場合でも、前記火災等による炎、煙等が前記区画に形成された貫通孔2を通って拡散することを防止できる。このため実施例5に係る防火区画貫通部構造140は耐火性に優れる。
実施例6に係る防火区画貫通部構造150は、実施例1に係る防火区画貫通部構造100の変形例である。
実施例1の場合は、前記スライド部材20として紙粘着テープが使用されていた。これに対し実施例6の場合は、スライド部材25として、バスダクトに直接接して設置される合成樹脂フィルムが使用されている。
図16は、実施例6に係る防火区画貫通部構造150を示す模式断面図である。
合成樹脂フィルムからなる前記スライド部材25を、前記耐熱シール材30により前記バスダクト10に圧着することにより、実施例1の場合と同様に実施例6に係る防火区画貫通部構造150を得ることができる。
実施例6に係る防火区画貫通部構造150は、合成樹脂フィルムからなる前記スライド部材25を介して、前記耐熱シール材30と前記バスダクト10とが接触している。
前記スライド部材25と前記バスダクト10との接触面は前記バスダクト10の長手方向に沿って互いに移動することができる。
このため前記バスダクト10が内部を挿通する電線ケーブル40等の発熱等により膨張、伸縮したとしても、前記バスダクト10に対して前記耐熱シール材30は前記スライド部材25を介して前記バスダクト10の長手方向に動くことができるため、前記耐熱シール材30が破壊されることを防ぐことができる。
実施例6に係る防火区画貫通部構造150は、実施例1に係る防火区画貫通部構造100の場合と同様、前記貫通孔2が形成された区画の一方で火災等が発生した場合でも、前記火災等による炎、煙等が前記区画に形成された貫通孔2を通って拡散することを防止できる。このため実施例6に係る防火区画貫通部構造150は耐火性に優れる。
本発明の防火区画貫通部構造は、前記耐火閉塞構造を長期間に渡って使用した場合でも耐熱シール部材に不具合が生じることが少ないため信頼性が高い。
このためバスダクトを備えた各種建築物に対して広く応用することができる。
1 区画
2 貫通孔
3 スリーブ
4a,4bおよび4c 平面形状部材
5a,5b 開口部
6 熱膨張性耐火シール材
7 熱膨張性耐火テープ
8 熱膨張性耐火シール材
10,11,13 バスダクト
12 窪み部分
20,21,22,23,24,25 スライド部材
22a,22b,23a 合成樹脂フィルム
23b 合成樹脂袋
23c 底部
30 耐熱シール材
40 ケーブル類
50 無機不燃材
100,110,120,130,140,150,500 防火区画貫通部構造

Claims (8)

  1. 建築物の区画に形成された貫通孔と、
    前記貫通孔を挿通する長尺体と、
    前記貫通孔と、前記長尺体の外周との隙間を略閉塞する不燃材と、
    を有し、
    前記長尺体のうち前記貫通孔を挿通する外周部分が、スライド部材により覆われ、
    前記スライド部材と前記不燃材との隙間が、耐熱シール材により閉塞され、
    前記長尺体と前記耐熱シール材とが、前記スライド部材を介して前記長尺体の長手方向に動くことができる、防火区画貫通部構造。
  2. 前記スライド部材および前記耐熱シール材が、前記スライド部材および前記耐熱シール材の接触面に沿って互いに前記長尺体の長手方向に動くことができ、
    ならびに/または、
    前記スライド部材および前記長尺体が、前記スライド部材および前記長尺体の接触面に沿って互いに前記長尺体の長手方向に動くことができる、請求項1に記載の防火区画貫通部構造。
  3. 前記スライド部材が、シート類からなり、
    (1)前記シート類と前記耐熱シール材との接触面の滑り移動
    (2)前記シート類と前記長尺体との接触面の滑り移動
    (3)前記シート類と前記シート類との接触面の滑り移動
    上記(1)〜(3)からなる群より選ばれる少なくとも一つにより、前記長尺体と前記耐熱シール材とが互いに動くことができる、請求項1または2に記載の防火区画貫通部構造。
  4. 前記シート類が、前記シート類と前記シート類との接触面を形成し、
    (4)重ね合わされた二以上の前記シート類
    (5)折り返された前記シート類
    (6)筒状の前記シート類
    上記(4)〜(6)からなる群より選ばれる少なくとも一つにより
    前記シート類と前記シート類との接触面が形成されている、請求項に記載の防火区画貫通部構造。
  5. 前記シート類が、紙粘着テープ、合成樹脂粘着テープ、布粘着テープ、紙、布、合成樹脂シートおよび金属シートからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項3または4に記載の防火区画貫通部構造。
  6. 前記長尺体が、前記長尺体の長手方向に対する垂直面による断面を基準として、窪み部分を有し、
    無機不燃材が、前記窪み部分に充填され、
    前記スライド部材が、前記窪み部分に無機不燃材が充填された長尺体を覆う、請求項1〜5のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
  7. 前記長尺体が、配管類、ケーブル類、およびバスダクトからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜6のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
  8. 前記長尺体が、バスダクトである、請求項1〜7のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
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