〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る電源回路を示している。この電源回路1には一例としてマルチフェーズDC−DCコンバータ2−1およびコントローラ31が備えられる。マルチフェーズDC−DCコンバータ2−1は、シングルフェーズ動作時に動作させるコンバータと、該シングルフェーズ動作時に休止させるコンバータを含む。これら動作させるコンバータか休止させるコンバータかは、負荷電流の増減によって決定される。この動作切替えは、コントローラ31によって制御される。
マルチフェーズDC−DCコンバータ2−1には図2に示すように、複数のコンバータとして三組のDDC Phase1、DDC Phase2、DDC Phase3が備えられている。以下、DDC Phase1をフェーズ4−1と称し、DDC Phase2をフェーズ4−2と称し、DDC Phase3をフェーズ4−3と称する。
各フェーズ4−1、4−2、4−3は入出力間に並列に接続されている。各フェーズ4−1、4−2、4−3の入力部と接地との間には入力コンデンサ6−1、6−2、6−3が接続されている。また、各出力部と接地との間には出力コンデンサ8−1、8−2、8−3が備えられているとともに、共通の負荷抵抗10が接続されている。
このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−1にはコントローラ31により制御される接続切替え部12が含まれる。この接続切替え部12では1フェーズ動作時に動作させるフェーズ4−1、4−2、4−3を動作中か休止中かで分離し、1フェーズ動作時に休止させるたとえば、入力コンデンサ6−2、6−3を出力コンデンサ8−1に並列化する。この接続切替え部12には分離部14およびコンデンサ接続切替え部16が含まれる。分離部14ではたとえば、動作中のフェーズ4−1と休止中のフェーズ4−2、4−3とを分離する。また、コンデンサ接続切替え部16は、休止中のフェーズ4−2、4−3の入力コンデンサ6−2、6−3を動作中のフェーズ4−1の出力コンデンサ8−1に並列に接続する。
このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−1のシングルフェーズ動作ではフェーズ4−1のみが動作し、マルチフェーズ動作ではフェーズ4−1の動作に加え、フェーズ4−2、4−3のいずれか一方または双方を動作させる。入力電圧Vinはシングルフェーズ動作またはマルチフェーズ動作により出力電圧Voutに変換される。
このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−1のシングルフェーズ動作では、フェーズ4−1のみが動作しており、他のフェーズ4−2、4−3は休止中である。休止中のフェーズ4−2、4−3を切り離すため、スイッチ18−1、18−2が備えられている。また、休止中のフェーズ4−2、4−3の入力コンデンサ6−2、6−3を出力コンデンサ8−1に並列に接続するため、スイッチ20−1、20−2が備えられている。入力コンデンサ6−2、6−3は、休止中フェーズのコンデンサの一例である。
スイッチ18−1、18−2は、動作中のフェーズ4−1と休止中のフェーズ4−2、4−3を分離する分離回路の一例である。また、スイッチ20−1、20−2は、休止中のフェーズ4−2、4−3の入力コンデンサ6−2、6−3を動作中のフェーズ4−1の出力コンデンサ8−1に並列に接続するコンデンサ切替え回路の一例である。これら分離回路およびコンデンサ切替え回路は、接続切替え回路の一例である。これらスイッチ18−1、18−2、20−1、20−2をON、OFFする信号はコントローラ31から出力される。
図3は、コントローラ31の制御による、3フェーズ動作から1フェーズ動作への切替え、1フェーズ動作から3フェーズ動作への切替えを示している。
図3のAは、フェーズ4−1に対してコントローラ31から出力されるフェーズ1スイッチング信号Phase1_SWを示している。この場合、フェーズ4−1は、このスイッチング信号により連続して動作している。
図3のBは、フェーズ4−2に対してコントローラ31から出力されるフェーズ2スイッチング信号Phase2_SWを示している。図3のCは、フェーズ4−3に対してコントローラ31から出力されるフェーズ3スイッチング信号Phase3_SWを示している。これらスイッチング信号は、1フェーズ動作で休止状態となる。これにより、1フェーズ動作で各フェーズ4−2、4−3が動作を休止し、フェーズ4−1のみが動作中となる。
図3のDは、スイッチ18−1、18−2に対してコントローラ31から出力されるスイッチング信号SW_A、SW_Bを示している。スイッチング信号SW_A、SW_Bは3フェーズ動作で高(H)レベル、1フェーズ動作で低(L)レベルに切り替えられる。これにより、スイッチ18−1、18−2は閉(ON)状態から開(OFF)状態に切り替えられる。したがって、動作中のフェーズ4−1から休止中のフェーズ4−2、4−3が切り離されて分離される。
図3のEは、スイッチ20−1、20−2に対してコントローラ31から出力されるスイッチング信号SW_C、SW_Dを示している。スイッチング信号SW_C、SW_Dは3フェーズ動作でLレベル、1フェーズ動作でHレベルに切り替えられる。これにより、スイッチ20−1、20−2は開状態から閉状態に切り替えられる。
図3のFは、コントローラ31によって制御される3フェーズ動作と1フェーズ動作のモード切替えを示している。
図4のAは、コントローラ31によって制御されるシングルフェーズ動作を示している。この場合、図4のBに示すように、シングルフェーズ動作で休止中となったフェーズ4−2、4−3の入力コンデンサ6−2、6−3は、動作中のフェーズ4−1の出力コンデンサ8−1に並列に接続される。出力コンデンサ8−2、8−3はフェーズ切替えに無関係に出力コンデンサ8−1に既に並列に接続される。
入力コンデンサ6−2、6−3の容量をC2、C3、出力コンデンサ8−1、8−2、8−3の容量をC4、C5、C6とすれば、容量C2、C3の並列化により、合成容量ΣCは、
ΣC=C2・C3・C4・C5・C6/(C2+C3+C4+C5+C6)
・・・(1)
となる。したがって、シングルフェーズ動作時には、出力コンデンサ8−1の容量C4を合成容量ΣCに増加させることができる。
<第1の実施の形態の効果>
(1) マルチフェーズDC−DCコンバータ2−1において、シングルフェーズ動作時、休止しているフェーズ4−2、4−3の入力コンデンサ6−2、6−3を動作中のフェーズ4−1の出力コンデンサ8−1に並列に接続することができる。これにより、動作休止により、動作しているフェーズ以外の未使用であった入力コンデンサ6−2、6−3の有効利用を図ることができる。
(2) シングルフェーズ動作時、既設のコンデンサを利用し、出力コンデンサ容量を増大することができる。
(3) 実装面積やコスト制約のために制限を受けていた出力コンデンサについて、実装面積を拡大することなく、コストを増大することなく、容量を増大することができる。
(4) このようなマルチフェーズDC−DCコンバータ2−1を電源回路に用いれば、シングルフェーズ動作時、つまり、負荷電流が減少した際の電源回路1の電力変換効率が高められる。
〔第2の実施の形態〕
図5は、第2の実施の形態に係る電源回路1のマルチフェーズDC−DCコンバータ2−2を示している。
第1の実施の形態ではフェーズ4−1、4−2、4−3に対応する出力コンデンサ8−1、8−2、8−3を備えているのに対し、この実施の形態では、単一の出力コンデンサ8を用いている。この場合、出力コンデンサ8の容量は出力コンデンサ8−1、8−2、8−3の並列化容量であればよい。
第1の実施の形態ではスイッチ18−1、18−2およびスイッチ20−1、20−2を備えているのに対し、第2の実施の形態では、スイッチ18−1、18−2を単一のスイッチ18とし、スイッチ20−1、20−2を単一のスイッチ20としている。
斯かる構成としても、シングルフェーズ動作時、図6のAおよびBに示すように、休止しているフェーズ4−2、4−3の入力コンデンサ6−2、6−3を出力コンデンサ8に並列に接続することができる。
また、入力コンデンサ6−2、6−3の容量をC2、C3、出力コンデンサ8の容量をC7とすれば、容量C2、C3の並列化により、合成容量ΣCは、
ΣC=C2・C3・C7/(C2+C3+C7)
・・・(2)
となる。したがって、出力コンデンサ8の容量C7を合成容量ΣCに増加させることができる。
<第2の実施の形態の効果>
(1) 第1の実施の形態と同様に、動作しているフェーズ以外の未使用であった入力コンデンサ6−2、6−3の有効利用を図ることができる。
(2) シングルフェーズ動作時、既設のコンデンサを利用し、出力コンデンサ容量を増大することができるとともに、出力コンデンサ8の単一化により、部品点数の削減、実装面積の縮小、工数の削減を図ることができる。
(3) スイッチ18−1、18−2をスイッチ18に単一化し、スイッチ20−1、20−2をスイッチ20に単一化して第1の実施の形態と同様の分離機能やコンデンサ接続切替え機能を得ることができる。これによっても、部品点数の削減、実装面積の縮小、工数の削減を図ることができる。
〔第3の実施の形態〕
図7は、第3の実施の形態に係る電源回路1を示している。この電源回路1では、第1の実施の形態と同様に、マルチフェーズDC−DCコンバータ2−3とともにコントローラ32を備える。マルチフェーズDC−DCコンバータ2−3は第1の実施の形態と同様に、シングルフェーズ動作時に動作させるコンバータと、該シングルフェーズ動作時に休止させるコンバータを含む。これら動作させるコンバータか休止させるコンバータかは、負荷電流の増減によって決定される。この動作切替えは、コントローラ32によって制御される。
図8に示すように、このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−3は一例として3フェーズ非絶縁型降圧DCDCコンバータである。図8において、第1および第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−3のフェーズ4−1には、Nch MOSFET(Nch Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor :Nチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、以下単に「Q」とする)22−11、インダクタ24−1および抵抗26−1が直列に接続されている。Q22−11とインダクタ24−1の接続点と、接地点との間にはQ22−12が接続されている。フェーズ4−2には、フェーズ4−1と同様にQ22−21、22−22、インダクタ24−2および抵抗26−2からなる回路を備えている。フェーズ4−3には、フェーズ4−1と同様にQ22−31、22−32、インダクタ24−3および抵抗26−3からなる回路を備えている。これらQ22−11、22−12、22−21、22−22、22−31、22−32はコントローラ32(図10)によって、負荷抵抗10に流れる負荷電流の大小に基づいて制御される。
各フェーズ4−2、4−3には、Q28が入力側に接続され、Q30が並列に接続されている。Q28は第1の実施の形態のスイッチ18−1、18−2(図2)または第2の実施の形態のスイッチ18(図5)に対応している。また、Q30は第1の実施の形態のスイッチ20−1、20−2(図2)または第2の実施の形態のスイッチ20(図5)に対応している。
これらQ28、30により既述の接続切替え部12が形成されている。つまり、Q28では動作中のフェーズ4−1とたとえば、休止中のフェーズ4−2、4−3とを分離する分離部14が形成されている。この場合、Q30では、休止中のフェーズ4−2、4−3の入力コンデンサ6−2、6−3を出力コンデンサ8に並列に接続するコンデンサ切替え部16が形成されている。
図9は、マルチフェーズDC−DCコンバータ2−3のコントローラ32を示している。コントローラ32は制御部の一例である。
このコントローラ32の制御機能34には、電流検出機能36、電圧検出機能38、動作フェーズ判断機能40、ゲート制御機能42、接続切替え機能44が含まれる。
電流検出機能36は、マルチフェーズDC−DCコンバータ2−3に流れる電流を検出する。電圧検出機能38は、マルチフェーズDC−DCコンバータ2−3の各部の電圧を検出する。
動作フェーズ判断機能40は、負荷電流から負荷状態を検出し、動作フェーズとしてマルチフェーズ動作かシングルフェーズ動作かを判断する。
ゲート制御機能42は、マルチフェーズDC−DCコンバータ2−3のQ22−11、22−12、22−21、22−22、22−31、22−32のゲート入力を制御する。これにより、Q22−11、22−12、22−21、22−22、22−31、22−32がスイッチング動作をする。
このゲート制御機能42には、シングル動作フェーズの際、負荷電流が減少していれば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御動作からPFM(Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調)制御動作に切り替える機能が含まれる。つまり、PWM制御動作ではパルス幅を制御するのに対し、PFM制御動作では、単位時間内のスイッチング回数を制御する。
接続切替え機能44は、Q28、30を導通または非導通に切り替える。Q28の導通状態で、Q30を非導通状態に切り替える。また、Q28の非導通状態で、Q30を導通状態に切り替える。これにより、シングルフェーズ動作の際、動作中のフェーズ4−1に対し、休止中のフェーズ4−2、4−3がフェーズ4−1から切り離される。同時に、入力コンデンサ6−2、6−3が出力コンデンサ8に並列に接続される。
図10のAは、マルチフェーズDC−DCコンバータ2−3のコントローラ32の一例を示している。
このコントローラ32はたとえば、IC(Integrated Circuit)で形成されている。このコントローラ32には電流検出部46−1、46−2、46−3、電圧比較部48、ゲート制御部50、ゲート駆動部52−1、52−2、52−3、スイッチ駆動部54が含まれる。
電流検出部46−1、46−2、46−3は既述の電流検出機能36を実現する。電流検出部46−1では、抵抗26−1のインダクタ側電圧CSP1と、出力コンデンサ側電圧CSNを受け、つまり、抵抗26−1の端間電圧によりフェーズ4−1の負荷電流を検出する。抵抗26−1は電流検出抵抗であり、抵抗26−1を流れる電流は、端間電圧を抵抗26−1の抵抗値で除すことにより求められる。同様に、電流検出部46−2では、抵抗26−2のインダクタ側電圧CSP2と、出力コンデンサ側電圧CSNを受け、つまり、抵抗26−2の端間電圧によりフェーズ4−2の負荷電流を検出する。また、電流検出部46−3では、抵抗26−3のインダクタ側電圧CSP3と、出力コンデンサ側電圧CSNを受け、つまり、抵抗26−3の端間電圧によりフェーズ4−3の負荷電流を検出する。これら電流の検出原理は既述の通りである。
電圧比較部48は既述の電圧検出機能38を実現する。この電圧比較部48では、出力電圧FBと、Q28、30の接続点の電圧FB2とを比較する。
ゲート制御部50は動作フェーズ判断機能40、ゲート制御機能42を実現する。このゲート制御部50では、外部制御部からイネーブル信号Enable、これら電流検出部46−1、46−2、46−3の検出出力、出力電圧FBおよび電圧比較部48の比較出力を受け、既述の動作フェーズの判断機能やゲート制御機能を実現する。
ゲート駆動部52−1では、ゲート制御部50の制御出力に応じて、Q22−11に対するゲート信号GH1、Q22−12に対するゲート信号GL1を生成する。これにより、Q22−11、22−12をスイッチングさせる。
ゲート駆動部52−2では、ゲート制御部50の制御出力に応じて、Q22−21に対するゲート信号GH2、Q22−22に対するゲート信号GL2を生成する。これにより、Q22−21、22−22をスイッチングさせる。
ゲート駆動部52−3では、ゲート制御部50の制御出力に応じて、Q22−31に対するゲート信号GH3、Q22−32に対するゲート信号GL3を生成する。これにより、Q22−31、22−32をスイッチングさせる。
スイッチ駆動部54は既述の接続切替え機能44を実現する。このスイッチ駆動部54ではゲート制御部50の制御出力を受け、第1のスイッチ信号SWITCH_Aおよび第2のスイッチ信号SWITCH_Bを生成する。スイッチ信号SWITCH_AはQ28のゲートに加えられ、Q28を導通または非導通に切り替える。スイッチ信号SWITCH_BはQ30のゲートに加えられ、Q30を導通または非導通に切り替える。これにより、既述の接続切替え機能44を実現する。このコントローラ32では、接続切替え機能44を内部回路で実現している。
この実施の形態では、各ゲート駆動部52−1、52−2、52−3およびスイッチ駆動部54には入力電圧Vinがダイオード56を介して加えられている。つまり、各ゲート駆動部52−1、52−2、52−3には、駆動電圧として入力電圧Vinよりダイオード56の順方向降下電圧だけ低い電圧が加えられている。この場合、フェーズ4−1のQ22−11とQ22−12の接続点SW1には、コンデンサ58を介してブートストラップ電圧BSTが加えられている。
図10のBは、ゲート制御部50のハードウェアの一例を示している。ゲート制御部50にはたとえば、マイクロコンピュータを用いることができる。このゲート制御部50では、プロセッサ502、ROM(Read-Only Memory)504、RAM(Random-Access Memory)506および入出力部(I/O)508が備えられる。これら各部はバス510で接続されている。プロセッサ502は、ROM504に格納されているプログラムを実行する。これにより、既述の動作フェーズ判断機能40やゲート制御機能42の情報処理が実行される。ROM504にはOS(Operating System)、ファームウェア、アプリケーションプログラムなどが格納されている。RAM506は情報処理のワークエリアに用いられる。I/O508は、電流検出部46−1、46−2、46−3の検出出力、電圧比較部48の比較出力、出力電圧FB、イネーブル信号Enableを受け、ゲート駆動部52−1、52−2、52−3、スイッチ駆動部54に対し制御信号を出力する。
図11は、ゲート制御部50における制御の処理手順を示している。この処理手順では、負荷電流がフェーズ切替閾値より大きいため、3フェーズモードとして動作する場合はスイッチ信号SWITCH_AをHIGH(ON状態)、スイッチ信号SWITCH_BをLOW(OFF状態)に制御する。また、逆に1フェーズモードで動作する場合、SWITCH_AをLOW(OFF状態)、SWITCH_BをHIGH(ON状態)に制御する。そして、3フェーズモードから1フェーズモードに切り替わるタイミングである期間TSでは、補完的処理を行っている。
SWITCH_AをHIGH、SWITCH_BをLOWにし(S11)、3フェーズモードに切り替える(S12)。つまり、フェーズ4−1、4−2、4−3の全てを動作させる。
ゲート制御部50は3フェーズモードかを判断する(S13)。3フェーズモードであれば(S13のYES)、出力電流<フェーズ切替閾値であるかを判断する(S14)。出力電流<フェーズ切替閾値であれば(S14のYES)、既述の期間TSの補完的処理に移行する。また、出力電流<フェーズ切替閾値でなければ(S14のNO)、S13に戻る。
期間TSに入ると、SWITCH_AをLOWにし(S15)、|出力電圧FB−電圧FB2|≦閾値であるかを判断する(S16)。
|出力電圧FB−電圧FB2|≦閾値でなければ(S16のNO)、フェーズ4−2、フェーズ4−3をともに駆動し(S17)、これを|出力電圧FB−電圧FB2|≦閾値になるまで継続する。
|出力電圧FB−電圧FB2|≦閾値であれば(S16のYES)、SWITCH_BをHIGHにする(S18)。
期間TSの処理で、SWITCH_BがHIGHになれば、1フェーズモードに切り替え(S19)、S13に戻る。
また、S13において、3フェーズモードでなければ(S13のNO)、出力電流≧フェーズ切替閾値であるかを判断する(S20)。
出力電流≧フェーズ切替閾値でなければ(S20のNO)、S13に戻る。また、出力電流≧フェーズ切替閾値であれば(S20のYES)、SWITCH_BをLOWにし(S21)。SWITCH_AをHIGHにする(S22)。これにより、3フェーズモードに切り替え(S23)、S13に戻る。
図12は、この制御処理におけるタイミングチャートを示している。図12のAは、フェーズ4−1のQ22−11、22−12のスイッチング動作を示している。図12のBは、フェーズ4−2のQ22−21、22−22のスイッチング動作を示している。図12のCは、フェーズ4−3のQ22−31、22−32のスイッチング動作を示している。期間TSにおいて、図12のBのパルスBoでコンデンサ6−2が放電される。同様に、図12のCのパルスCoでコンデンサ6−3が放電される。
図12のDは、SWITCH_Aを示している。図12のEは、SWITCH_Bを示している。図12のEにおいて、TSは既述の補完的処理が実行される期間である。
図12のFは、モード遷移を示している。この例では、3フェーズモードからたとえば、1フェーズモードに切り替わり、この1フェーズモードから他のフェーズモードたとえば、3フェーズモードに切り替えられている。
図13は、3フェーズモードから1フェーズモードへの切替え時の入力コンデンサ6−2、6−3の電圧の推移を示している。図13に示す時間および電圧の値は一例であり、これらの値に本開示の技術が限定されるものではない。
図13において、Vinは入力電圧、Voutは出力電圧である。TSは既述の補完的処理の期間である。破線で包囲されたSW1、SW2およびSW3を動作させている3フェーズの駆動期間である。一点鎖線で包囲されたSW2はフェーズ4−2の駆動期間、一点鎖線で包囲されたSW3はフェーズ4−3の駆動期間を示している。
3フェーズモードから1フェーズモードに切り替わるタイミング(期間TS)では、入力コンデンサ6−2、6−3の電圧は出力電圧Voutに対して高い。このため、Q28をOFFにした直後に、Q30をONにすると、出力電圧Voutが上昇する場合がある。これを回避するため、期間TSではQ28、30をともにOFF状態にした後、フェーズ2のフェーズ4−2、フェーズ3のフェーズ4−3を駆動する。これにより、コンデンサ6−2、6−3の電圧が低下する。このコンデンサ6−2、6−3の電圧、つまり、電圧FB2と出力電圧Voutとの差電圧が一定の閾値以下になった時点で、Q30をONに移行させ、出力電圧Voutが上昇する不都合を回避している。
図13の例では、入力電圧Vinを19〔V〕、出力電圧Voutを1〔V〕と仮定した場合である。期間TSのフェーズ4−1、4−2、4−3とコンデンサ6−2、6−3の電圧FB2の変移を示している。
そして、1フェーズモードから3フェーズモードに切り替わる際は、Q30をOFFに切り替えた後、Q28をONしに切り替える。その後にフェーズ2のフェーズ4−2、フェーズ3のフェーズ4−3の駆動を開始する。
<第3の実施の形態の効果>
(1) シングルフェーズモード動作時に駆動されていない他のフェーズの入力コンデンサ6−2、6−3を出力コンデンサに利用できる。
(2) シングルフェーズ動作や負荷電流が小さい場合には、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御動作からパルス周波数変調(Pulse Frequency Modulation:PFM)制御動作に切り替えればよい。このシングルフェーズ動作において、PFM制御動作を行う場合、出力コンデンサ容量を増加させることができる。この出力コンデンサ容量の増加により、Q22−12のオン時の電圧降下を低減できる。これにより、スイッチング周波数が小さくでき、スイッチング損失を減少させることができ、負荷電流が減少した際に、その負荷電流に応じて電力変換効率を高めることができる。PFM動作において、出力コンデンサの容量が大きくなれば、スイッチング周波数を小さくでき、損失を減少できる。
(3) 音鳴き対策用に入力コンデンサ6−2、6−3に大容量の電解コンデンサを使用している場合、この大容量の入力コンデンサ6−2、6−3をシングルフェーズ動作時の出力コンデンサに活用できる。つまり、休止中のフェーズの入力コンデンサ6−2、6−3の活用とともに、音鳴き対策用に付加されている容量を出力コンデンサに利用でき、コンデンサの有効活用を図ることができる。
(4) この入力コンデンサ6−2、6−3を出力コンデンサ8に対する並列化は、新たなコンデンサを実装することがないので、実装面積を拡大することもなく経済的である。
〔第4の実施の形態〕
図14は、第4の実施の形態に係る電源回路1の3フェーズDC−DCコンバータ2−4を示している。このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−4はDrMOSで構成される3フェーズ非絶縁型降圧DC−DCコンバータである。図14において、第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
この実施の形態では、フェーズ4−1がゲート入力部60−1、Hi側駆動部62−11、Low側駆動部62−12を含むDrMOSを用いて1チップに集積化されている。ゲート入力部60−1にはコントローラ33からPWM1、PhDisable1を受け、Hi側駆動部62−11およびLow側駆動部62−12のスイッチング信号を生成する。これにより、Hi側駆動部62−11はQ22−11を駆動する。Low側駆動部62−12はQ22−12を駆動する。
フェーズ4−2は、同様にゲート入力部60−2、Hi側駆動部62−21、Low側駆動部62−22を含むDrMOSであり、1チップに集積化されている。ゲート入力部60−2にはスイッチ駆動部55からPWM2MOD、PhDisable2MODを受け、Hi側駆動部62−21およびLow側駆動部62−22のスイッチング信号を生成する。これにより、Hi側駆動部62−21はQ22−21を駆動する。Low側駆動部62−22はQ22−22を駆動する。
フェーズ4−3は、同様にゲート入力部60−3、Hi側駆動部62−31、Low側駆動部62−32を含むDrMOSであり、同様に1チップに集積化されている。ゲート入力部60−3にはコントローラ33からPWM3、PhDisable3を受け、Hi側駆動部62−31およびLow側駆動部62−32のスイッチング信号を生成する。これにより、Hi側駆動部62−31はQ22−31を駆動する。Low側駆動部62−32はQ22−32を駆動する。
斯かる構成によれば、1フェーズモードで動作する場合、2フェーズ、3フェーズのDrMOSに対してDisable信号をアサートする。つまり、PWMを3ステート出力にしてDisable信号をアサートする代わりに、PWMをHi−Z(高インピーダンス化)にする動作が可能である。
図15は、第4の実施の形態のマルチフェーズDC−DCコンバータ2−4に用いられるコントローラ33を示している。図15において、図10と同一部分には同一符号を付してある。このコントローラ33では第3の実施の形態のコントローラ32と異なり、外部回路のスイッチ駆動部55(図16)を用いている。この場合、電圧比較部48の機能はスイッチ駆動部55に移動させている。
このコントローラ33には既述のゲート制御部50およびゲート駆動部52−1、52−2、52−3に代え、ゲート制御部51およびゲート出力部64−1、64−2、64−3が含まれる。このゲート制御部51の出力は、ゲート出力部64−1、64−2、64−3に加えられている。これにより、ゲート出力部64−1には出力信号PWM1、PhDisable1が得られる。ゲート出力部64−2には出力信号PWM2、PhDisable2が得られる。また、ゲート出力部64−3には出力信号PWM3、PhDisable3が得られる。ゲート制御部51では既述のスイッチ駆動部54の制御機能が除かれ、斯かる制御機能が外部回路であるスイッチ駆動部55で処理される。
図16は、コントローラ33の外部回路であるスイッチ駆動部55の一例を示している。図17は、3フェーズモードから1フェーズモードに切り替わる際の各信号のタイミングチャートを示している。図17のAはフェーズモードの切替えを示し、図17のBはPWM1、図17のCはPWM2、図17のDはPWM3を示している。図17において、図12と同一部分には同一符号を付してある。
このスイッチ駆動部55では、フェーズ4−2に対するPhDisable2に基づき、Q28、30の切り替えを行う。入力コンデンサ6−2、6−3の電圧が出力電圧Voutよりも高い場合、PWM生成回路76の生成パルスPWM_DUMMY(図17のE)=PWM2MOD(図17のF)によりフェーズ4−2を駆動させ、これにより入力コンデンサ6−2、6−3の放電を行う。入力コンデンサ6−2、6−3の電圧が出力電圧Voutと近い値になった時点でQ30をONにする。
このスイッチ駆動部55にはインバータ66、バッファ回路68、電圧比較回路70−1、OR回路72、AND回路74−1、74−2、PWM生成回路76および選択回路78が含まれる。
インバータ66およびバッファ回路68には駆動電圧として電圧BSTが加えられている。インバータ66には図17のGに示すPhDisable2が入力され、この反転信号であるスイッチング信号SWITCH_Aが得られる。スイッチング信号SWITCH_Aを図17のJに示す。このスイッチング信号SWITCH_AがQ28のゲートに加えられ、Q28が導通または非導通に切り替えられる。
電圧比較回路70−1では、電圧FB(=出力電圧Vout)および電圧FB2が加えられ、両者を比較する。電圧FB2が電圧FBよりも低いとき、電圧比較回路70−1にはH出力=SHORT_OKを生じる。このSHORT_OKを図17のHに示す。
AND回路74−1では、電圧比較回路70−1の出力SHORT_OKと、ゲート出力部64−2の出力信号PhDisable2が加えられ、両者のAND出力が得られる。このAND出力がバッファ回路68に入力されている。これにより、バッファ回路68にはSWITCH_Bが得られる。このSWITCH_Bを図17のKに示す。このスイッチング信号SWITCH_BがQ30のゲートに加えられ、Q30が導通または非導通に切り替えられる。
OR回路72にはゲート出力部64−1の出力信号PWM1および出力SHORT_OKが入力され、いずれかが出力される。AND回路74−2ではOR回路72の出力と、ゲート出力部64−2の出力信号PhDisable2が加えられ、両者のAND出力としてPhDisable2MODが得られる。このPhDisable2MODは、PWM1またはSHORT_OKとPhDisable2の論理積である。このPhDisable2MODを図17のLに示す。このPhDisable2MODがフェーズ4−2のゲート入力部60−2に加えられる。
PWM生成回路76はたとえば、矩形波状のPWMパルスを生成し、生成パルス幅はコントローラ33が出力するPWMのパルス幅よりも小さいことが望ましい。このPWM生成回路76では電圧比較回路70−2、基準電源80およびパルス生成回路82が含まれる。
電圧比較回路70−2では、電圧FBと基準電源80の基準電圧Vrefが加えられ、両者を比較する。電圧比較回路70−2には、電圧FBの値が基準電圧Vrefよりも高いとき、H出力=FB_ABOVEを生じる。このFB_ABOVEを図17のIに示す。つまり、基準電圧Vrefは出力電圧Voutよりも低く、さらにコントローラ33がPFM動作をする際のスイッチング閾値電圧よりも高いことが望ましい。この実施の形態では、基準電圧Vrefを出力電圧Voutよりも低く、該スイッチング閾値電圧より高い値に設定している。
そして、パルス生成回路82は、電圧比較回路70−2の出力FB_ABOVEを受け、出力パルスPWM_DUMMYを生成する。このPWM_DUMMYを図17のEに示す。
選択回路78はたとえば、2入力1出力のマルチプレクサである。この選択回路78には、パルス生成回路82の出力パルスPWM_DUMMYと、ゲート出力部64−2の出力PWM2が入力され、制御信号としてゲート出力部64−2の出力PhDisable2が加えられている。これにより、PhDisable2=Hのとき、信号PWM2が選択される。これに対し、PhDisable2=Lのとき、PWM生成回路76の出力であるPWM_DUMMYが選択される。これにより、選択回路78には出力PWM2MODが得られる。この出力PWM2MODを図17のFに示す。この出力PWM2MODがフェーズ4−2のゲート入力部60−2に加えられる。
このようなスイッチ駆動部55を用いれば、1フェーズモードに切り替わった直後の期間TSでは、コントローラ33がPWM1=Hになる前に、電圧比較回路70−2およびパルス生成回路82がPWM2を駆動する。このため、PWM1が駆動される閾値まで電圧が下がらず、PWM1が駆動されない。これにより、入力コンデンサ6−2、6−3の電圧を低下させることができる。
<第4の実施の形態の効果>
(1) 第4の実施の形態によっても第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
(2) 第4の実施の形態では、コントローラ33からスイッチ駆動部55を外部回路として独立させているので、コントローラ33を軽量化できるとともに、スイッチ駆動部55をコントローラ33と別個に設計できる。しかも、スイッチ駆動部55をコンピュータで実行するソフトウェアで構成することができる。
〔第5の実施の形態〕
図18は、第5の実施の形態に係る電源回路1のマルチフェーズDC−DCコンバータ2−5を示している。図18において、上記実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。
このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−5ではQ22−13、Q22−23にPch MOS、Q22−12、Q22−22に Nch MOSを用いた2フェーズDCDCコンバータである。この2フェーズ構成以外は上記実施の形態と同様であるので、その説明を割愛する。
このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−5では、Q22−13、Q22−12、22−23、22−22はたとえば、図10に示すコントローラ32の2フェーズ分の回路により、抵抗10に流れる負荷電流の大小に基づいて制御される。
スイッチ18、20は電圧で制御されるスイッチであり、スイッチICあるいは既述のFETなどを使用すればよい。
図19は、スイッチング制御のタイミングチャートを示している。図19のAに示すM1、図19のBに示すM2、図19のCに示すM3、図19のDに示すM4はQ22−13、Q22−12、22−23、22−22のスイッチングを示している。つまり、Hのとき、Q22−13、Q22−12、22−23、22−22がONにより導通状態となる。
図19のEに示すS1、図19のFに示すS2がスイッチ18、20のスイッチングを示している。このマルチフェーズDC−DCコンバータ2−5では、負荷電流が一定の閾値より大きい場合には、2フェーズモードとして動作する。このスイッチ18はオープン状態に制御し、スイッチ20はクローズ状態に制御する。これに対し、1フェーズモードで動作する場合、スイッチ18はクローズ状態に制御し、スイッチ20はオープン状態に制御する。
そして、図19のGに示すように、2フェーズモードから1フェーズモードに切り替わるタイミングにおける期間TSでは、入力コンデンサ6−2の電圧が出力電圧に対して高い。この場合、各スイッチ18、20をオープン状態に制御し、Q22−23、Q22−22をスイッチングさせることにより、入力コンデンサ6−2を放電させて電圧を下げ、出力電圧に近い値になった時点で、スイッチ20をクローズ状態に制御する。
図20は、横軸にTime(時間)、縦軸にVoltage(電圧)を取り、コンデンサ6−2の電圧VCの推移を示している。S3は、Q22−22のスイッチング動作を示している。S3において、高レベル期間が導通状態である。入力電圧Vinをたとえば、19〔V〕、出力電圧Voutを1〔V〕とすると、入力コンデンサ6−2の電圧VCが上記制御により、出力電圧Voutに低下している。
1フェーズモードから2フェーズモードに切り替わる際、スイッチ20をオープン状態に制御した後、スイッチ18をクローズ状態に制御する。この制御の後、Q22−23、Q22−22の駆動を開始する。図19のC、Dには、期間TSにおけるQ22−23、Q22−22のスイッチング動作が示されている。
<第5の実施の形態の効果>
(1) この実施の形態においても、シングルフェーズモード動作時で休止フェーズの入力コンデンサ6−2を出力コンデンサ8−1、8−2に並列化して利用できる。これにより、出力コンデンサの容量増加により、スイッチング周波数を低減でき、スイッチング損失が減ることにより省電力化とともに、負荷電流の減少した際の電力変換効率を高めることができる。
(2) 音鳴き対策用に入力コンデンサ6−2に面積の大きい高価な電解コンデンサを使用している場合、シングルフェーズ動作で、休止中の入力コンデンサ6−2を活用する利点は大きい。
(3) 入力コンデンサ6−2の出力コンデンサ8−1などへの追加的使用をスイッチの追加で実現でき、新たなコンデンサを追加設置する場合に比較し、コストや実装面積を削減できる。これにより、電源回路設計の自由度が拡大される。
〔第6の実施の形態〕
図21は、第6の実施の形態に係るラップトップPC(パーソナルコンピュータ)の一例を示している。このラップトップPC84は本開示の情報処理装置の一例である。このラップトップPC84は、上記実施の形態で説明されたマルチフェーズDC−DCコンバータ2を含む電源回路1が搭載される電子機器の一例である。
このラップトップPC84では本体部86に表示部88が開閉可能に備えられる。本体部86にはキーボード90−1やポインティングデバイス90−2などが搭載されている。この本体部86の内部にはマザーボード92が搭載され、このマザーボード92にはCPU(Central Processing Unit )、VGA(Video Graphics Array)、HDD(Hard Disk Drive )などの各種のハードウェアとともに、複数の電源回路94(図22)が搭載されている。電源回路94には既述のマルチフェーズDC−DCコンバータ2が含まれる。また、表示部88にはたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)が搭載される。
そして、電源回路94には商用電源96に接続されたAC−DCアダプタ98や、本体部86に搭載されるバッテリ100から給電される。AC−DCアダプタ98は交直変換器の一例であり、商用電源96の電圧をたとえば、低圧化して直流に変換する。
図22は、マザーボード92の電源分配の一例を示している。マザーボード92にはDC入力端子102やバッテリ入力端子104が搭載されている。このDC入力端子102にはAC−DCアダプタ98が接続され、AC−DCアダプタ98の直流出力が加えられる。バッテリ入力端子104には、バッテリ100が接続され、バッテリ100の出力が加えられる。
DC入力端子102に加えられた直流出力はダイオード106−1を介して電源回路94に加えられる。この電源回路94にはダイオード106−2を介してバッテリ100の出力が加えられている。ダイオード106−1、106−2は逆流防止素子として設置され、DC入力端子102とバッテリ入力端子104の絶縁が図られている。
ダイオード106−1、106−2のアノード間にはバッテリ充電回路108が接続されている。バッテリ充電回路108はDC入力端子102に加えられた直流出力により駆動され、その出力がバッテリ入力端子104からバッテリ100に加えられている。これにより、バッテリ100が充電される。
電源回路94には複数の出力電圧や電流出力が異なる複数の電源を形成している。この電源回路94では一例として、CPUコア用電源94−1、VGAコア用電源94−2、汎用電源94−3・・・汎用電源94−Nが含まれている。CPUコア用電源94−1は、CPU110に給電されている。VGAコア用電源94−2は、VGA112に給電されている。
汎用電源94−3は低圧側の汎用電源94−31やメモリ用電源94−3Nに給電されている。汎用電源94−31はプラットフォームコントロールハブ(Platform Controller Hub :PCH)114などに給電されている。メモリ電源94−3Nはメモリ116に給電される。
汎用電源94−Nはマルチメディアカード(MultiMedia Card :MMC)118などに給電される。
このように電源回路94には複数の電源を含み、多種多様な負荷に対応することが求められる。つまり、電源回路94には負荷の種類や特性に応じた給電能力が要求されている。このような電源回路94にマルチフェーズDC−DCコンバータ2を用いれば、負荷電流の減少時に電力変換効率が高められ、経済的な給電が行われる。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、コントローラ31、32を電源回路1の内部に設置した構成例を例示している。これらコントローラ31、32は、電源回路1の外部回路として設置してもよく、本開示の技術が電源回路1の内部にコントローラを備えるものに限定されるものではない。
(2) 上記実施の形態では、情報処理装置の一例として、ラップトップPC84を例示したが、デスクトップPCであってもよいし、複数の負荷を搭載する電子機器であってもよい。
(3) 上記実施の形態では、休止中の入力コンデンサを出力コンデンサに利用する場合を説明したが、出力コンデンサに利用するコンデンサは入力コンデンサ以外の休止コンデンサであってもよい。
以上説明したように、本開示の技術の最も好ましい実施の形態等について説明した。本開示の技術は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本開示の技術の範囲に含まれることは言うまでもない。