JP6163410B2 - 歪み測定センサ及び軸力測定装置 - Google Patents
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Description
被測定部材に対する他の部材の組み付け作業後における前記被測定部材の歪みを測定するための歪み測定センサであって、
柱状部材の一方の端部近傍において、一つの発光素子と一つの受光素子とからなる一対の単位センサが、前記柱状部材の周方向で90度の間隔で、前記発光素子及び前記発光素子が外方向を向くように前記柱状部材の外周面に4対取着されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る軸力測定装置は、
上述の構成を有してなる歪み測定センサと、前記歪み測定センサの駆動制御を行うと共に、前記歪み測定センサにより得られた被測定部材の歪みに対応した軸力の算出を可能に構成されてなる制御ユニットを有しなる軸力測定装置であって、
前記制御ユニットは、前記歪み測定センサを構成する発光素子と受光素子の動作を制御し、前記発光素子により発光され、被測定部材により反射された反射光の前記受光素子による受光信号に基づいて、前記被測定部材に対する締結部品の締結前後における前記被測定部材における歪みを演算算出し、前記演算算出された歪みに対応する軸力を、予め設定された歪みと軸力の相関関係に基づいて算出可能に構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における軸力測定装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における軸力測定装置は、歪み測定センサ100と、制御ユニット(図1においては「DP」と表記)110と、表示装置120と、印刷装置130とを具備して構成されたものとなっている。
本発明の実施の形態における歪み測定センサ100は、4対の単位センサ1a〜1dと、これら4対の単位センサ1a〜1dが先端部近傍に配設される円柱状部材2と、この円柱状部材2が支持されると共に、4対の単位センサ1a〜1dと制御ユニット110との電気的接続のための中継ボックス3とを有して構成されたものとなっている。
まず、単位センサ1a〜1dは、いずれも基本的に同一の構成を有してなるもので、一つの発光素子4と一つの受光素子5とが、例えば、絶縁性の接着部材6などによって一体的に相互に固着されて一対をなすものである(図2参照)。
発光素子4は、歪み測定のための光を放射するものであり、例えば、LED(Light Emitting)などに代表される半導体発光素子が好適である。
受光素子5は、発光素子4から発光され、被測定部材の測定対象部位から反射された光を受光し、受光された光の量(明るさ)に応じた信号を出力するものであり、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタに代表される半導体受光素子が好適である。
単位センサ1a〜1dが設けられる円柱状部材2の外周面の部位には、発光素子4の発光面4a及び受光素子5の受光面5aが適宜突出するようにほぼ楕円形状の埋設穴7が形成されており、受光素子5と発光素子4は、その受光面5aと発光面4aが、この埋設穴7からやや突出するように埋設されると共に、両者の間に生ずる間隙部分には、絶縁性の接着部材6が充填されて一体的に相互に固着されるようになっている(図2参照)。
円柱状部材2の他方の端部、すなわち、上述の4対の単位センサ1a〜1dが設けられた端部近傍と反対側の端部は、中継ボックス3内へ挿入された状態で中継ボックス3にねじ等によって固着され、円柱状部材2は中継ボックス3に支持されるようになっている。
かかる中継ボックス3は、内部に部品空間が形成されており、例えば、異なる配線同士の接続等のための中継端子(図示せず)等が設けられてなるもので、本発明の実施の形態においては、4対の単位センサ1a〜1dと制御ユニット110との電気的接続のための接続配線(図示せず)の収納等に用いられるようになっている。
かかる制御ユニット110は、発光素子4の発光動作や受光素子5の受光動作を制御すると共に、これの動作制御によって得られた被測定部材の歪みデータに基づいて軸力の演算算出を行い、その算出結果を表示装置120に表示する等の処理が実行されるようになっている(詳細は後述)。
最初に、本発明の実施の形態における軸力測定について概括的に説明する。
まず、本発明の実施の形態における被測定部材としてのプランジャバレル140は、その内部に複数の部品、例えば、インレット・アウトレットバルブ(図示せず)等が収納され、開口部140aに図示されない締結部材が開口部140aの内側に形成されたねじ140bに締結されて、内部に収納された部品が内部に固定される構造となっているものである(図1参照)。
ここで、挿入穴9は、通常、プランジャバレル140に少なくも一つ設けられるプランジャバレル140内部へ燃料を導き入れるための穴(送油穴)を流用するようにすれば、新たな穴を設ける必要がなく好適である。なお、歪み測定センサ100の円柱状部材2の外径に合致するように別途、測定用の穴を設けるようにしても勿論良く、この場合、送油穴同様に貫通孔とするのが望ましい。
最初に、歪み測定センサ100による挿入穴9の内径歪みの測定手順について図4乃至図6について説明する。
まず、プランジャバレル140には、予め、上述したように少なくとも1つの挿入穴9が凹設されていることを前提とする(図1参照)。
まず、図5は、先の挿入穴9に歪み測定センサ100の円柱状部材2を挿入した状態において、円柱状部材2の先端側から見たと仮定した場合の様子が模式的に示されている。
かかる図5において、符号C1が付された円は、円柱状部材2の外周面の位置を表している。この円は、厳密には真円ではないため、同図においては若干歪みのある円としてある。
さらに、図5において、斜線部分は、符号C2で表される内周面の位置から外向の部分を便宜的に表したものである。
なお、図5において、符号C1が付された円の内側には、各単位センサ1a〜1dから伸びる導電性部材からなる接続用ピン13が示されている。この接続用ピン13には、図示されない配線用接続線が接続されて中継ボックス3へ延長されている。
挿入穴9は、プランジャバレル140の外壁に設けてあるため、挿入穴9も締結部材の締結によりプランジャバレル140の軸方向に若干伸び、内径の変化が生ずることとなる。本発明の実施の形態においては、この挿入穴9の内径の変化を、歪み測定センサ100による締結部材の締結前後における各単位センサ1a〜1dと挿入穴9の内周面との距離の差として測定、検出するものとなっている。
本発明の実施の形態における歪み測定センサ100は、4対の単位センサ1a〜1dが先に述べたように円柱状部材2の外周面において90度間隔で設けてあるため、各単位センサ1a〜1dと挿入穴9の内周面との距離測定にあたっては、4箇所の半径方向での距離測定ができることとなる。
ここで、以下の説明の便宜上、プランジャバレル140に締結部材(図示せず)を締結する前に取得された各単位センサ1a〜1dと挿入穴9の内周面との距離を、図5に示されたように、それぞれ、a(単位センサ1bと内周面との距離)、b(単位センサ1aと内周面との距離)、c(単位センサ1dと内周面との距離)、d(単位センサ1cと内周面との距離)と仮定する。
まず、前提として、歪み測定センサ100の各単位センサ1a〜1dは、先に図5に示されたように、3時、6時、9時、及び、12時方向をを向くように位置せしめられているものとする(図3及び図5参照)。
かかる前提の下、制御ユニット110に軸力測定処理の実行を開始せしめ、処理が開始されることで、最初に、測定回数用変数Iが零に設定される(図6のステップS102参照)。
ここでは、例えば、表示装置120に”発光OK”等の表示を行い、ポインティングデバイス(図示せず)やキーボードに代表される入力装置(図示せず)によって、発光動作を許可するために必要な操作が行われた場合に、発光OKと判定されるようにすると好適である。
次いで、ステップS106において、受光素子5における受光が完了したか否かが判定されることとなる。
ステップS106において、所要の受光が完了したと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS108の処理へ進む一方、所要の受光が完了していないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS104へ戻り、再度、ステップS104以降の処理が繰り返されることとなる。
すなわち、各単位センサ1a〜1dと挿入穴9の内周面との距離が、それぞれ算出されることとなる。
この距離の算出は、発光素子4による発光が行われた時点から、受光素子5によりプランジャバレル140の内周面で反射された光が受光されるまでの時間Trefと、光速Cとの関係から、一般的に良く知られる演算式により算出されるものである。
次いで、上述のようにして算出された距離が、プランジャバレル140の開口部140aへの締結部材(図示せず)が締結される前、すなわち、作業前のデータか否かの判定が行われる(図6のステップS110参照)。
かかる判定処理では、例えば、表示装置120に作業前データか作業後データかを、本装置の使用者が選択できるよう表示を行い、ポインティングデバイス(図示せず)等による操作によって、いずれかを選択できるようにするのが好適である。
ステップS112においては、先にステップ108の処理で算出された内径が作業前データとして、制御ユニット110内の所定の記憶領域に記憶されることとなる。
また、ステップS114においては、先にステップ108の処理で算出された内径が作業後データとして、制御ユニット110内の所定の記憶領域に記憶されることとなる。
この測定回数用変数は、締結部材(図示せず)の締結作業前における上述のような距離測定を行う場合、又は、締結部材(図示せず)の締結作業後における同様の距離測定を行う場において必要とされる上述の処理の繰り返し回数を設定するためのものである。
なお、例えば、測定データの精度向上等のため、可能な場合には、挿入穴9を複数設けて、距離測定を複数行うようにしても良く、この場合には、測定回数用変数を相応の値に設定すれば良い。
一方、ステップS118において、測定回数用変数の値は未だ所定値Kではないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS104へ戻り、ステップS104以降の処理が繰り返されることとなる。
ここで、説明の便宜上、締結作業後、距離aはa’に、距離bはb’に、距離cはc’に、距離dはd’に、それぞれ変化したと仮定し、締結作業後は、これら距離a’、b’、c’、及び、d’が計測データとして取得されるとする。
なお、締結作業後の距離測定処理の手順も、図6に示された手順と基本的に同一であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
制御ユニット110による処理が開始されると、制御ユニット110に記憶されている作業前データの読み出し(図7のステップS202参照)、及び、作業後データの読み出しが行われる(図7のステップS204参照)。
ここで、「偏差」とは、締結作業前後における距離(各単位センサ1a〜1dと挿入穴9の内周面との距離)の変化量であり、この例においては、作業後データ(距離)から作業前データ(距離)として求められるものである。すなわち、具体的には、Δa=a’−a、Δb=b’−b、Δc=c’−c、Δd=d’−dとなる。
軸力は、プランジャバレル140の開口部140aへの締結部材(図示せず)の締結によって、プランジャバレル140の長手軸方向に生ずる力であり、挿入穴9の内径方向の歪み、すなわち、先にステップS206で算出された偏差との間には、一定の相関関係があることが従来より知られている通りである。
例えば、ステップS206で求められた偏差について平均値が算出され、この偏差の平均値に対する軸力が、予め定められた演算式、或いは、変化マップによって求められることとなる。
次いで、ステップS208で求められた軸力が、表示装置120に表示され、また、必要に応じて印刷装置130において印刷、出力され、一連の処理が終了されることとなる。
この例における歪み測定センサ100Aは、後述する構成を有する調心装置150が設けられた点が、先に示された歪み測定センサ(図1乃至図3参照)と異なるものである。
なお、以下の説明においては、図1乃至図3に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
かかる調心装置150は、円柱状部材2が、測定の際に、その直径よりやや大きい程度の孔内に挿入された場合、すなわち、例えば、図1及び図4に示されたような挿入穴9に挿入された場合に、円柱状部材2を、その挿入穴9の径方向の中心に維持せしめるためのものである。
この構成例における調心装置150は、円柱状部材2の長手軸方向において適宜な間隔を隔てて設けられた2つの調心部160a,160bを有してなるものである(図8及び図9参照)。
すなわち、調心部160a,160bは、円柱状部材2の径方向において穿孔された貫通孔21を有しており、この貫通孔21には、押圧部材としてのコイルばね22が収納されている。このコイルばね22は、貫通孔21の2つの開口23a,23b付近までの長さを有してなるもので、後述するように開口23a,23bに球体24a,24bが配された際に、丁度、球体24a,24bを外向へ押圧する程度に圧縮されるものとなっている。
なお、調心部160a,160bの各々の貫通孔21は、円柱状部材2の長手軸方向で見た場合(図8参照)、円柱状部材2の外周方向で90度の間隔を隔てて設けられるのが好適である。
係止部材25の係止貫通孔25aは、その内径が球体24a,24bの直径とほぼ同一となっている。
したがって、球体24a,24bが、例えば、挿入穴9の内周面に進退可能な範囲で接することで円柱状部材2は、挿入穴9の径方向のほぼ中心に維持せしめられることとなる。
2…円柱状部材
4…受光素子
5…発光素子
100…歪み測定センサ
110…制御ユニット
120…表示装置
130…印刷装置
140…プランジャバレル
150…調心装置
160a,160b…調心部
Claims (3)
- 被測定部材に対する他の部材の組み付け作業後における前記被測定部材の歪みを測定するための歪み測定センサであって、
前記被測定部材に設けられた孔内に挿入される円柱状部材の一方の端部近傍において、一つの発光素子と一つの受光素子とからなる一対の単位センサが、前記円柱状部材の周方向で90度の間隔で、前記発光素子及び前記受光素子が外方向を向くように前記円柱状部材の外周面に4対取着されてなることを特徴とする歪み測定センサ。 - 前記円柱状部材が前記被測定部材に設けられた前記孔内に挿入された際、前記円柱状部材を前記孔の径方向における中心に維持せしめる調心装置が設けられ、
前記調心装置は、前記円柱状部材の軸方向において適宜な間隔を隔てて、2対の調心部を有してなり、
前記調心部は、前記円柱状部材の外周において180度の間隔を隔てて2つの球体が、前記円柱状部材の径方向で進退可能に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の歪み測定センサ。 - 請求項1又は請求項2記載の歪み測定センサと、前記歪み測定センサの駆動制御を行うと共に、前記歪み測定センサにより得られた被測定部材の歪みに対応した軸力の算出を可能に構成されてなる制御ユニットを有してなる軸力測定装置であって、
前記制御ユニットは、前記歪み測定センサを構成する発光素子と受光素子の動作を制御し、前記発光素子により発光され、被測定部材により反射された反射光の前記受光素子による受光信号に基づいて、前記被測定部材に対する締結部品の締結前後における前記被測定部材における歪みを演算算出し、前記演算算出された歪みに対応する軸力を、予め設定された歪みと軸力の相関関係に基づいて算出可能に構成されてなることを特徴とする軸力測定装置。
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