JP6163260B2 - マイクロツールの位置決め方法及びマイクロマニピュレータ装置 - Google Patents
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Description
特に、顕微授精や、体外受精等の実作業においては、被検体に対してマイクロツールを用いて微細な操作を行う際、迅速で正確に行うことが求められている。
また、マイクロツールの初期設定(位置決め)を行う作業は、マイクロツールの針先が極めて繊細であるため、その針先をディッシュの内底面に接触すること無く慎重に設置する必要があり、熟練と時間を要するものであった。
これらの作業は、高倍率の顕微鏡で行いたいが、しかし、高倍率では当然視野が狭くなり、針先の位置合わせが益々難しくなるため、作業効率及び作業性が悪いという問題点があった。
ここで、「マイクロツール」とは、医療分野、医薬分野、品種改良といったバイオ系産業分野や家畜産業や発生工学分野及び化学工業分野において、卵子、細胞、菌等の微粒子に対して、分離、分類、加工、選択、処理等の一連の操作を行う部材であって、例えば、キャピラリー、ピペット、マイクロピペット、マイクロサンプリングツール、硝子製等の電極、微小針、微細管等である。
なお、マイクロマニピュレータ装置1は、前記した種々のマイクロツール4を位置合わせするのに使用可能であるが、以下、顕微授精や体外受精等の実作業を行うときに使用されるキャピラリー(「ピペット」ともいう)をマイクロツール4とした場合を例に挙げて説明する。
まず、本発明の実施形態に係るマイクロマニピュレータ装置1を説明する前に、マイクロマニピュレータ装置1によって操作される被検体Sについて説明する。
図2(a)に示す被検体Sは、例えば、顕微授精や体外受精等の実作業に使用される卵子であり、ディッシュ7に内底面7aに載置されてオイルや溶液(薬液)等で覆われて、マイクロツール4によって精子が被検体S(卵子)に注入される。被検体Sは、ディッシュ7の内底面7aの光軸62a上に載置される。
図1に示すように、マイクロマニピュレータ装置1は、顕微授精や体外受精等を行う際に、被検体S(卵子)に精子を注入するときに使用される装置である。マイクロマニピュレータ装置1は、顕微鏡6と、顕微鏡6の視野内でマイクロツール4の三次元移動、卵子への精子の注入及び吸引等の微小操作をするマイクロマニピュレータ2と、ゲージ被取付部5cを有する位置決めゲージ5、及び、マイクロツール4を着脱可能に保持する保持部30と、位置決めゲージ5をY(Y軸)方向に位置合わせする移動機構3と、を備えている。
顕微鏡6は、マイクロツール4の針先の位置及びマイクロツール4の角度を所定の状態に設定する位置決め作業や、マイクロマニピュレータ装置1を使用して小さな被検体Sに精子を注入する繊細な作業を行う場合に、使用される倒立式の顕微鏡装置である。顕微鏡6は、不図示の本体基台と、本体基台に設けられた支柱(図示省略)と、支柱に設けられたテーブル61と、テーブル61の下方に配置された対物レンズ62と、テーブル61の上方に配置された光源63と、光源63とテーブル61との間に配置された集光器64と、集光器64と光源63との間に介在された絞りと、を備えている。顕微鏡6の視野寸法は、例えば、低倍の40倍の場合、前後方向に図4(d)に示すように、前後左右に数ミリ程度である。なお、顕微鏡6は、正立式のものであってもよい。また、顕微鏡6は、高倍率のものであっても適用可能であるが、以下、40倍の場合を例に挙げて説明する。
対物レンズ62は、例えば、開口部61aの略中心線上のテーブル61の下方に、上向きに配置されている(なお、開口部61aの中心線上でなくても可)。対物レンズ62の光軸62aの線上には、それぞれに中心を合わせるようにしてディッシュ7、集光器64、及び光源63が配置されている。対物レンズ62は、例えば、初期ゲージ合わせの場合、4倍(視野範囲がφ5程度)のレンズが使用される。
集光器64は、光源63から照射された光を、集光してディッシュ7を介在して対物レンズ62に送る装置である。
図2(a)に示すように、ディッシュ7は、被検体Sを載せるための皿であり、例えば、円形の縁を有するペトリ皿(シャーレ)形状をしている。このディッシュ7は、硝子等の透明な部材から成る皿状部材であり、水平な内底面7aを有している。図1に示すように、ディッシュ7は、顕微鏡6のテーブル61の略中心に形成された開口部61aを閉塞するようにしてテーブル61に載置される。
マイクロマニピュレータ2は、顕微鏡6の視野内で、被検体Sに対してマイクロツール4を用いて微細な操作を行う装置であり、顕微鏡6上に載設されている。マイクロマニピュレータ2は、マイクロマニピュレータ2の基台(図示省略)と、不図示の基台に立設された支柱(図示省略)と、基端部が支柱に回動可能に取り付けられたアーム21と、アーム21の先端部側をX軸微動機構23に取り付けるための取付部22と、マイクロツール4(位置決めゲージ5)と、位置決めゲージ5を傾斜させたり、進退(前進及び後退)させたりする移動機構3と、移動機構3をX方向に移動させるX軸微動機構23と、移動機構3をY方向に移動させるY軸微動機構24と、移動機構3をZ方向に移動させるZ軸微動機構25と、を備えている。
取付部22は、アーム21上にマイクロマニピュレータ2を載設するための部位である。
マイクロツール4は、医療分野、医薬分野、品種改良といったバイオ系産業分野や家畜産業や発生工学分野及び化学工業分野において、卵子、細胞、菌等の微粒子に対して、分離、分類、加工、選択、処理等の一連の操作を行う部材である。マイクロツール4は、例えば、キャピラリー、ピペット、マイクロピペット、マイクロサンプリングツール、硝子製等の電極、微小針、微細管等である。以下、マイクロツール4の一例として、毛細管ピペット(「マイクロピペット」ともいう。)の場合を例に挙げて説明する。
先端部41bの形状は、被検体Sに適合したものが使用されるため、被検体Sによって種々のものがあるが、顕微授精や体外受精等のときに使用されるものを例に挙げて説明する。その先端部41bは、基端側に形成されたテーパ部41cと、テーパ部41cの先端側からツール本体41の突端まで形成された繊細部41dと、テーパ部41cと繊細部41dとの間に形成された折曲部41eと、から形成されている。
折曲部41eは、例えば、30度に傾いた状態で配置される基部41a及びテーパ部41cに対して、繊細部41dをディッシュ7の内底面7aに沿って水平にするために形成された折曲部位である。
図3に示すように、位置決めゲージ5は、マイクロマニピュレータ装置1(図1参照)の移動機構3に、マイクロツール4を位置合わせした状態に取り付ける際に使用される初期設定用の治具である。この位置決めゲージ5を使用する場合は、位置決めゲージ5を移動機構3の保持部30に位置合わせした状態で保持させた後、位置決めゲージ5を離脱させて、マイクロツール4を保持部30に取り付けることによって、マイクロツール4を間接的に位置合わせできるようになっている。つまり、マイクロマニピュレータ装置1は、マイクロツール4を位置合わせする際に、マイクロツール4を直接使用せずに、位置決めゲージ5によってマイクロツール4の位置を所定位置に合わせている。
図1または図3に示すように、移動機構3は、マイクロツール4及び位置決めゲージ5を傾斜させたり、進退(退避、復帰)させたりすることが可能な装置であって、位置決めゲージ5をY軸に直交する方向に位置合わせするための機能を有している。移動機構3は、マイクロツール4のツール被取付部42b、及び位置決めゲージ5のゲージ被取付部5cを着脱可能に保持する保持部30と、保持部30(マイクロツール4及び位置決めゲージ5)を基準位置O1を中心として上下方向(矢印a,b方向)に回動させるための回動機構部8と、保持部30(マイクロツール4及び位置決めゲージ5)を基準位置O1のT方向(矢印c,d方向)に進退させるための進退機構部9と、を備えている。
図3に示すように、保持部30は、この保持部30に着脱可能に取り付けられた位置決めゲージ5のゲージ孔5b内の基準位置O1を中心として回動可能に設けられた移動機構3の進退機構部9の上部に設けられている。図5に示すように、保持部30は、後記する進退機構部9の進退スライダ92上に載設されて保持部30を保持する支持ケース体31と、支持ケース体31上に摺動自在に載置されたロックスライダ32と、ロックスライダ32を付勢するばね部材33と、ロックスライダ32を摺動自在に支持するためのカバー部材34と、カバー部材34を支持ケース体31上に固定するための締結部材35と、ロックスライダ32の移動を規制するストッパ36と、を備えて構成されている。
解除操作部32cは、ロックスライダ32において、ばね挿入孔32bとは反対側の側面部位に形成されている。解除操作部32cをばね部材33のばね力に抗して押圧すると、ロックスライダ32が矢印e方向に移動して、ロック溝32aの片側の側壁と、切欠溝34aの側壁とで挟持していたゲージ被取付部5c及びその前後近傍のゲージ本体5aからロック溝32aの片側の側壁が離間されて開放状態になる。このように、解除操作部32cを押圧操作した場合は、保持していた位置決めゲージ5のゲージ被取付部5cが開放されるので、マイクロツール4に交換してツール被取付部42bを保持可能になる。
図3に示すように、フランジ部34cは、カバー部材34の左右に形成された矩形の平板状部位であり、ケース部34bの前後端部がL字状に折曲形成されている。
ばね受け部34dは、ばね部材33の上端部を受け止める部位であり、カバー部材34の上面側がL字状に折曲して形成されている。
図5に示すように、ストッパ設置孔34eは、ストッパ36が取り付けられる貫通孔であり、ケース部34bの前後側面からガイド溝32dに向けて穿設されたねじ孔から成る。
図5に示すように、ストッパ36は、摺動するロックスライダ32の移動範囲を規制する部材であり、雄ねじによって形成されている。ストッパ36の雄ねじ部位は、ストッパ設置孔34eの左右側面に螺着されている。ストッパ36の雄ねじ部位の先端部は、ガイド溝32d内まで進入した状態に配置されて、ロックスライダ32が所定位置まで移動すると、ストッパ36の先端部がガイド溝32dの内壁に当接してロックスライダ32の移動を抑制するように配置されている。
図5に示すように、進退機構部9は、保持部30を備えた支持ケース体31をT方向(T軸方向)に進退させて、マイクロツール4及び位置決めゲージ5の位置をT方向に退避させたり、元の位置決めした位置等に前進させて戻したりする装置である。進退機構部9は、支持ケース体31を小さくT方向に進退させることが可能な第1進退機構9Aと、第1進退機構9Aよりも支持ケース体31を大きくT方向に進退させることが可能な第2進退機構9Bと、進退機構部9の移動を抑止するストッパ機構90(図6参照)と、を備えて構成されている。
シリンダチューブ95は、油圧が供給されることによって、ピストンを移動させて保持部30を進退させる進退機構駆動部である。
チューブ96は、不図示の油圧シリンダから進退機構操作装置の制御バルブを介して供給された油圧をシリンダチューブ95供給する油圧供給管である。
復帰ばね部材93は、進退スライダ92を引っ張って元に位置に戻す引張コイルばねから成り、一端が進退スライダ92の後側側面に固定され、他端が進退機構本体91の開口部91aの後側内壁に固定されている。
ガイド溝90bは、進退機構本体91に沿って真っすぐに延設された断面視して凹形状の溝から成る。
ロックレバー90dは、位置決めゲージ5及びマイクロツール4を軸方向であるT軸方向に移動可能にしたり、移動できないようにロックしたりするための回動操作レバーである。ロックレバー90dは、上側に向けて立てた状態で下側に押し込むことによって、連結部材90gを介してストッパガイド爪90fを下降させて止溝90a内に移動させて、位置決めゲージ5及びマイクロツール4の軸方向であるT軸方向の移動を抑止してロック状態にする。また、ロックレバーを押し下げてT軸方向(基端側方向及び先端側方向)に向けることによって、連結部材90gを介してストッパガイド爪90fの先端を係止溝90aから離脱させてガイド溝90bに移動させ、第1進退機構9A及び第2進退機構9Bの進退を可能にすると共に、位置決めゲージ5及びマイクロツール4をT軸方向に移動可能にする。
連結部材90gは、ストッパ摺動支持体90cの背面(進退機構本体91の対向面)に上下動自在に配置されて、ロックレバー90dの操作に連動して上下方向に移動する。
図5に示すように、回動機構部8は、回動機構本体81と、回動機構本体81の円弧状溝部81aに回転自在に配置された複数のローラ82と、回動機構本体81の上下後端部に形成された支持突起81c(図3参照)に支持された角度調整ねじ部材83と、角度調整ねじ部材83の一端に取り付けられたノブ84と、角度調整ねじ部材83の雄ねじ部に螺合されたナット部材85と、ナット部材85の上面のベアリング収納溝85bに係合されたベアリング86と、を備えて構成されている。
図5に示すように、取付軸81dは、回動機構本体81をマイクロマニピュレータ2に連結するための軸棒である。
ベアリング86は、進退機構本体91の下面にベアリング取付ねじ86cによって固定された内輪86aと、前記ベアリング収納溝85bの係合された外輪86bと、外輪86bと内輪86aとの間に介在された鋼球と、を備えて構成されている。
Y軸微動機構24は、移動機構3をY方向(左右方向)に移動させる進退駆動装置であり、例えば、不図示の油圧シリンダからY方向微動操作装置の制御バルブを介してチューブ24aから供給される油圧によって、移動機構3をY方向に進退させる。
Z軸微動機構25は、移動機構3をZ方向(上下方向)に移動させる進退駆動装置であり、例えば、不図示の油圧シリンダからZ方向微動操作装置の制御バルブを介してチューブ25aから供給される油圧によって、移動機構3をZ方向に進退させる。
次に、図8を主に、図1〜図7を参照しながら本発明の実施形態に係るマイクロツールの位置決め方法及びマイクロマニピュレータ装置の作用を作業工程順に説明する。
図3に示すように、マイクロツール4を所定の状態にマイクロマニピュレータ装置1に取り付ける場合は、まず、始めに位置決めゲージ5を移動機構3の保持部30に取り付けて位置合わせする位置合わせ工程S1を行う。
これにより、位置決めゲージ5は、X,Y,Z,T方向の位置を所定の針先位置に合わすことができると共に、傾斜角度θ1も所定の角度に合わせることができる。
次に、ゲージ孔5bの小孔5eに顕微鏡6のフォーカスを合わせる位置決めゲージ5のフォーカス調整工程S2を行う。
続いて、ロックレバー90dを立てた状態にして押し下げて進退機構部9のロック状態を解放させる。そして、図5に示す復帰ばね部材93のばね力に抗して第2進退機構9Bの進退スライダ92、保持部30、及び位置決めゲージ5をT方向に移動させて退避させる。このため、位置決めゲージ5は、X,Y,Z方向に位置が変動せず、T方向にのみ変動する。この状態で、ロックレバー90dを操作して、進退機構部9を退避状態にロックさせる。
このため、本発明は、マイクロツール4をX,Y,Z方向に移動させて位置合わせする必要がないので、熟練の無い者であっても、マイクロツール4を正確に位置合わせする位置決め作業を、容易にかつ迅速に繰り返し行えるようにすることができると共に、位置決め作業の作業効率及び作業性を向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図9(a)〜(c)は、それぞれ本発明の実施形態に係るマイクロマニピュレータ装置のマイクロツールの第1変形例を示す概略側面図である。
また、図9(a)に示すように、基部4Aaの長さL3、基部4Aaから真っすぐに延びる繊細部4Adの傾斜部分の長さL4、及び、繊細部4Adの水平部分の長さL5は、適宜変更しても構わない。
図10に示すように、位置決めゲージ5Aは、マイクロツール4Aのツール被取付部42Abに合ったゲージ被取付部5Acと、マイクロツール4Aの曲がった繊細部4Adに合ったゲージ面5Adと、マイクロツール4Aの先端部4Abに合った位置にあるゲージ孔5Abと、を備えて、マイクロツール4Aの曲がった針先の形状に合わせて先端部を曲げたものを使用してもよい。
このように、位置決めゲージ5Aは、マイクロツール4Aの形状に合った針先形状と、ゲージ被取付部5Acとを有したものを使用すれば、位置合わせした位置決めゲージ5Aに換えてマイクロツール4Aを保持部30に装着することにより、マイクロツール4AのX,Y,Z,T方向の位置及び傾斜角度θ1を正確に合わせることが可能である。
図11は、本発明の実施形態に係るマイクロマニピュレータ装置の位置決めゲージの第2変形例を示す要部拡大概略断面図である。
図11に示すように、位置決めゲージ5Dは、先端部5Dhを、ねじ手段5Di等によってケージ本体5Daに着脱自在にしてもよい。また、位置決めゲージ5Dの先端部5Dhの下面には、ゲージ孔5Dbに合致する第2ゲージ孔51bと、ゲージ面51dと、を有する交換式のプレート51を、ねじ部材52等によって着脱自在に設けてもよい。
このように構成すれば、位置決めゲージ5D及びプレート51は、長さや形状が相違するものに適宜交換して、所望の長さや形状ものにすることが可能となる。
また、位置決めゲージ5Dは、先端部5Dhやゲージ面51dが損傷した場合に、位置決めゲージ5Dの先端部5Dhやプレート51のみを交換すればよい。
また、図9(a)に示す繊細部4Adの水平部分の長さL5が0.5〜2mm程度のものは、図10示す位置決めゲージ5Aでもカバーすることができるが、長さK5がそれ以上長いものは、図10でも対応できない。このような場合、図11に示す位置決めゲージ5Dや、プレート51等に交換することにより、繊細部4Adの水平部分の長さL5を調整することができる。また、交換式のプレート51は、十字線や、他形状の目印等を入れてもよい。
図12は、本発明の実施形態に係るマイクロマニピュレータ装置の第3変形例を示す概略斜視図である。
図12に示すように、ツールホルダ本体42の先端にツール本体41を取り付けたマイクロツール4は、ツール本体41の先端からツール被取付部42bまでの距離L1を所定の長さに揃える場合、定規状の目盛43aを有する長さ調整ゲージ43を使用してもよい。
長さ調整ゲージ43は、マイクロツール4を支持する支持溝43b,43c,43dと、例えば、mm単位で付記された目盛43aと、を有するケース体から成る。目盛43aは、ツール本体41が支持される拡開した支持溝43bの縁の長さ調整ゲージ43の上面に設けられる。支持溝43cは、ツールホルダ本体42が支持される部位である。支持溝43dは、ツール被取付部42bが支持される部位である。
図13は、本発明の実施形態に係るマイクロマニピュレータ装置の第4変形例を示すマイクロツールの概略斜視図である。図14は、本発明の第4変形例の長さ調整ゲージを示す拡大概略斜視図であり、(a)はマイクロツールにセット時の長さ調整ゲージの状態を示す、(b)はマイクロツールに収納時の長さ調整ゲージの状態を示す。
この場合、長さ調整ゲージ44は、円筒管42aの先端位置に外嵌される筒状部材45と、筒状部材45の左右の支持溝45aの中央部位に形成された軸支穴45bに基端部が前後方向に回動自在に軸支された長さ合わせ部材46と、を備えて構成されている。
筒状部材45は、円筒管42aの先端のクランプねじ42cに当接する位置に外嵌される。長さ合わせ部材46は、全体が平面視して略U字状(略凹部形状)に折曲形成された針金部材によって形成されている。長さ合わせ部材46には、基端部に形成された左右一対の軸部46aと、軸部46aから前側に向けてT軸に沿って平行に形成された規定寸法部46bと、規定寸法部46bの先端部から下方向に向けて折曲された折曲部46cと、折曲部46cから下方向に向けて凹形状に形成された凹状部46dと、が形成されている。
図15は、本発明の実施形態に係るマイクロマニピュレータ装置の第5変形例を示す長さ調整治具の拡大概略斜視図であり、(a)はセット時の長さ調整ゲージの状態を示す、(b)は収納時の長さ調整ゲージの状態を示す。
この場合、長さ合わせ部材49は、第4変形例の長さ合わせ部材46と略同一形状に形成されている。つまり、長さ合わせ部材49は、筒状部材48にT方向に向けて形成された貫通孔48aの開口縁に長さ合わせ部材49の後端に設けた係止部49a、及び前端の凹状部49d(折曲部49c)が当接するにより、進退できる長さが規制されるようになっている。長さ調整ゲージ47は、図15(a)に示すように、長さ合わせ部材49を先端側へ引き出せば、マイクロツール4の先端からツール被取付部42bまでの長さが距離L1になるようになっている。そして、マイクロツール4を使用しない場合は、図15(b)に示すように、長さ合わせ部材49を基端側方向(矢印m方向)に押し込んで収納状態にする。
また、前記実施形態では、位置決めゲージ5にゲージ孔5bを形成してその中心を光軸62aに合わせて配置する場合を説明したが、ゲージ孔5bは、位置合わせするときの目印になるものであればよく、例えば、ポイントや、目盛等の目印であっても構わない。
また、ゲージ孔5bは、位置合わせの際に、位置決めポイントとなる孔であればよく、ゲージ孔5b内の形状は適宜変更しても構わない。ゲージ孔5bは、例えば、ストレート形状の孔や、上側にテーパ形状の上側拡開孔5fを有し、その下側がストレート形状の孔や、ゲージ孔5b内が段差形状になっている孔であってもよい。
2 マイクロマニピュレータ
3 移動機構
3a 保持部
4,4A,4B,4C マイクロツール
5,5A,5B,5C,5D 位置決めゲージ
5b,5Ab,5Bb,5Db ゲージ孔(目印)
5c,5Ac ゲージ被取付部
5d,5Ad,51d ゲージ面
6 顕微鏡
7 ディッシュ
7a 内底面
8 回動機構部
9 進退機構部
9A 第1進退機構(進退機構部)
9B 第2進退機構(進退機構部)
30 保持部
42b ツール被取付部
61 テーブル
61a 開口部
62 対物レンズ
62a 光軸
L1,L2 所定距離
S 被検体
S1 位置決めゲージの位置合わせ工程
S2 位置決めゲージのフォーカス調整工程
S3 マイクロツールの取付工程
Claims (8)
- マイクロツールの位置決め方法であって、
位置決めゲージを保持部に固定した状態で、針先位置に前記位置決めゲージのゲージ面を置いて、前記位置決めゲージに形成された目印を対物レンズの光軸に合わせる位置決めゲージの位置合わせ工程と、
前記位置決めゲージを前記保持部から外して、前記保持部に前記マイクロツールを固定するマイクロツールの取付工程と、
を含むことを特徴とするマイクロツールの位置決め方法。 - 前記位置決めゲージの位置合わせ工程で前記位置決めゲージを位置合わせした状態で、前記目印にフォーカスを合わせる位置決めゲージのフォーカス調整工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロツールの位置決め方法。
- 前記位置決めゲージは、先端部に形成された前記目印から基端側へ予め設定した所定距離だけ離間した位置に設けられたゲージ被取付部を有し、
前記マイクロツールは、前記所定距離と同一の距離だけ、当該マイクロツールの先端から基端側に離間した位置に設けられたツール被取付部を有していることを特徴とする請求項1に記載のマイクロツールの位置決め方法。 - 前記位置決めゲージは、顕微鏡のテーブルの所定位置に載置されたディッシュの内底面に対して上方向に斜めの状態で前記保持部に保持され、
前記ゲージ面は、前記位置決めゲージの先端部に平らに形成されて、位置合わせの際に、前記ディッシュの前記内底面に載置され、
前記目印は、前記ゲージ面に直交して形成されると共に、位置合わせの際に、前記光軸上に配置されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロツールの位置決め方法。 - 前記保持部は、当該保持部に着脱可能に取り付けられた前記位置決めゲージを移動させる移動機構に設けられ、
前記移動機構は、前記位置決めゲージの先端部に形成された前記目印を中心として前記位置決めゲージを保持した前記保持部を回動させる回動機構部と、
前記保持部を前記位置決めゲージの軸方向に進退させる進退機構部と、を備えて、前記位置決めゲージを位置合わせし、
前記位置合わせした位置決めゲージを保持した前記保持部は、前記位置決めゲージを位置合わせした状態で前記位置決めゲージの軸方向に後退させた後、前記位置決めゲージを離脱させてから前記マイクロツールを取り付けて、前記位置決めゲージの軸方向に前進させて元の位置合わせした位置に復帰させることを特徴とする請求項1に記載のマイクロツールの位置決め方法。 - 前記進退機構部は、前記位置決めゲージの位置合わせ工程で位置合わせした前記位置決めゲージを保持した前記保持部を退避させた後、前記保持部を前進させて前記位置決めゲージを位置合わせした位置に復帰させることを特徴とする請求項5に記載のマイクロツールの位置決め方法。
- 予め設定した所定距離だけ先端から基端側に離間した位置に設けられたツール被取付部を有するマイクロツールと、
顕微鏡の視野内で、被検体に対して前記マイクロツールを用いて微細操作を行うマイクロマニピュレータと、を備えたマイクロマニピュレータ装置において、
先端部に形成された目印から基端側へ予め前記所定距離だけ離間した位置に設けられたゲージ被取付部を有する位置決めゲージ、及び、前記マイクロツールを着脱可能に保持する保持部と、
位置合わせした状態の前記位置決めゲージを保持した前記保持部を前記位置決めゲージの軸方向に進退させる移動機構と、
を備えていることを特徴とするマイクロマニピュレータ装置。 - 前記移動機構は、前記位置決めゲージの先端部に形成された前記目印を中心として前記位置決めゲージを保持した前記保持部を回動させる回動機構部と、
前記保持部を前記位置決めゲージの軸方向に進退させる進退機構部と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載のマイクロマニピュレータ装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2014/076331 WO2016051563A1 (ja) | 2014-10-01 | 2014-10-01 | マイクロツールの位置決め方法及びマイクロマニピュレータ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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