以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
〔第1の実施形態〕
まず、第1の実施形態のプラント監視技術が適用されるプラント内の装置構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態のプラント監視システムのうち遠隔地監視装置の構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本実施形態のプラント監視システムのうちプラント内に設けられた装置構成を模式的に示すブロック図である。なお、各図において、電力線を一点鎖線Eで示し、通信線を二点鎖線Cで示している。また、各図において、情報の流れを矢印で示している。
本実施形態のプラント監視システム1が適用されるプラントには、例えば、原子炉で発生した熱エネルギーを利用して発電する、いわゆる原子力発電プラントがある。このようなプラント内には、温度センサ等のセンサ類、放射線量計測機等の計測機器、バルブやポンプ等の各種の機器等、いわゆる現場機器10が複数設けられている。
図2に示すように、現場機器10は、プラント内の各所、いわゆる現場に設けられており、電力の供給を受けて作動する装置である。本実施形態において、現場機器10は、当該機器が計測等した各種の情報を出力する機能(以下、計器出力部と記す)12を有している。計測機器が、例えば、放射線量計測機である場合、現場機器10は、計器出力部12から、放射線量を示す情報(例えば、アナログ信号)を現場機器制御盤20に出力する。なお、計器出力部12から出力される情報は、アナログ信号には限定されず、デジタル信号であっても良い。各現場機器10は、当該現場機器10からの各種の情報を受ける制御盤、いわゆる現場機器制御盤20に接続されている。
現場機器制御盤20は、プラント内に複数設けられており、それぞれ対応する現場機器10から各種の情報を受けている。本実施形態において、現場機器制御盤20は、複数の現場機器10の計器出力部12から各種の信号を受けている。各現場機器制御盤20は、現場機器10から受けたアナログ信号を、デジタル信号に変換してプロセスデータを生成する機能(以下、プロセスデータ生成部と記す)22を有している。プロセスデータ生成部22は、例えば現場機器10が放射線計測器である場合、放射線量を示すアナログ信号を、当該放射線量を示すデジタル信号に変換して放射線量を示すプロセスデータを生成する。各現場機器制御盤20は、プロセスデータ生成部22において生成したプロセスデータを、プロセス計算機30に送信する。
プロセス計算機30は、プラント内に複数設けられており、それぞれ対応する現場機器制御盤20からプロセスデータを受信する。各プロセス計算機30は、受信したプロセスデータ(例えば、放射線量を示すデータ)を演算処理するプロセスデータ処理部33を有している。プロセスデータ処理部33は、受信したプロセスデータを演算処理して、後述する表示装置40及び遠隔地監視装置60において表示できるよう当該データを処理する。また、プロセスデータ処理部33は、プロセスデータについて各種の演算処理を行い、新たなデータを生成する。
本実施形態において、各プロセス計算機30は、一般的なコンピュータにより構成することができる。加えて、プロセス計算機30は、ほぼ同一の機能を有するものが、バックアップとして設けられている。各プロセス計算機30は、内部に補助記憶装置(図示せず)を有しており、当該補助記憶装置がプロセスデータの時間変化(時間履歴)等を記憶する。プロセス計算機30は、プロセスデータ処理部33において処理されたプロセスデータや、補助記憶装置に保存されていたプロセスデータ、例えば、プロセスデータの時間履歴を、プラント内の表示装置40及び遠隔地監視装置60に送信する。
表示装置40は、プラント内に複数設けられており、それぞれ対応するプロセス計算機30からプロセスデータ受信部41がプロセスデータを受信する。表示装置40において、プロセスデータ受信部41が受信したプロセスデータは、プロセスデータ表示部44に表示される。プラント内にいる運転員等は、表示装置40のプロセスデータ表示部44を見ることにより、プロセスデータを知ることができる。
本実施形態において、各表示装置40は、一般的なコンピュータ・ディスプレイにより構成することができる。表示装置40は、運転員等が情報を共有することができるよう、ほぼ同一の機能を有するものが、プラント内の各所に設けられている。
上述した、現場機器10、現場機器制御盤20、プロセス計算機30、表示装置40は、それぞれプラント内に複数設けられており、これら装置は、プラント内に設けられた共通の電源、いわゆる系統電源50から電力の供給を受ける。系統電源50と各装置は、電力線で接続されている。
具体的には、各現場機器10には、当該現場機器10を作動させるために、電力の供給を受ける受電部15が設けられている。当該受電部15は、電力線(図に一点鎖線Eで示す)を介して系統電源50に接続されている。各現場機器10は、その受電部15が系統電源50からの電力の供給を受けることにより、作動することができる。
また、各現場機器制御盤20にも、当該現場機器制御盤20を作動させるために、電力の供給を受ける受電部25が設けられている。当該受電部25は、電力線を介して系統電源50に接続されている。現場機器制御盤20は、その受電部25が系統電源50からの電力の供給を受けることにより、作動することができる。
また、各プロセス計算機30にも、当該プロセス計算機30を作動させるために、電力の供給を受ける受電部35が設けられている。当該受電部35は、電力線を介して系統電源50に接続されている。プロセス計算機30は、その受電部35が系統電源50からの電力の供給を受けることにより、作動することができる。
また、各表示装置40にも、当該表示装置40を作動させるために、電力の供給を受ける受電部45が設けられている。当該受電部45は、電力線を介して系統電源50に接続されている。表示装置40は、その受電部45が系統電源50からの電力を受けることにより、作動することができる。
次に、本実施形態のプラント監視システムを構成する遠隔地監視装置について、図1及び図2を用いて説明する。
図1に示す遠隔地監視装置60は、プラント内の現場から遠く離れた場所、いわゆる遠隔地に設けられている。なお、遠隔地監視装置60は、現場機器10が設置された現場から遠く離れた場所に設置されている。遠隔地監視装置60は、例えば、プラントから遠く離れた電力会社の本店や、原子炉建屋外の監視室、プラント敷地内に設けられた免震重要棟の中央制御室等に設置される。すなわち、遠隔地監視装置60の設置場所は、プラント内の現場から離れていれば良く、プラントの内外は問わない。
図1及び図2に示すように、遠隔地監視装置60は、プロセス計算機30のプロセスデータ処理部33において処理されたプロセスデータを受信するプロセスデータ受信部62と、当該プロセスデータ受信部62が受信したプロセスデータを表示するプロセスデータ表示部64とを有している。プロセスデータ受信部62が受信したプロセスデータは、プロセスデータ表示部64に表示される。
現場から離れた場所、例えば、プラント外にいる運転員等は、遠隔地監視装置60のプロセスデータ表示部64を見ることにより、プラント内の現場の運転員等とプロセスデータを共有することができる。プラント内において災害等の過酷な事象が生じた場合であっても、運転員等は、現場から離れた中央制御室等に設置された遠隔地監視装置60により、プラント内にある現場機器10を監視することができる。
また、遠隔地監視装置60は、電力の供給を受ける受電部66を有している。当該受電部66は、電力線を介して外部電源(図示せず)に接続されている。受電部66が受けた電力は、遠隔地監視装置60を作動させると共に、プラント内の各種装置に向けて供給される。
遠隔地監視装置60は、外部電源から供給され、受電部66が受けた電力を、通信線(図に二点鎖線Cで示す)を介してプラント内の各種装置に電力を供給する機能(以下、通信線給電部と記す)70を備えている。加えて、通信線給電部70は、各現場機器10の受電部15、各現場機器制御盤20の受電部25、各プロセス計算機30の受電部35、各表示装置40の受電部45に、それぞれ通信線を介して接続されている。通信線給電部70は、遠隔地監視装置60の受電部66と電力線を介して外部電源に接続されている。
なお、以下の説明において、通信線給電部70から通信線を介して、現場機器10を含む、プラント内の各種装置に電力を供給することを「通信線給電」と記す。これに対して、系統電源50から電力線を介してプラント内の各種装置に電力を供給することを「電力線給電」と記す。
また、遠隔地監視装置60は、通信線を介して、現場機器10、現場機器制御盤20、プロセス計算機30、及び表示装置40との間において、各種の情報を示すデータを伝送可能に構成されている。遠隔地監視装置60からプラント内の現場機器10に向けて伝送される各種の情報については、後述する。
通信線給電部70は、外部電源から受けた電力を通信線用の電力に変換する。通信線給電部70は、通信線用に変換された電力を、当該通信線を介して、上述した受電部15,25,35,45に供給可能に構成されている。通信線給電部70は、後述する制御部により制御される。
なお、本実施形態において、通信線には、例えば、イーサネット(登録商標)規格のケーブルが用いることができる。本実施形態においては、プラント内にある各種の装置、すなわち現場機器10、現場機器制御盤20、プロセス計算機30、及び表示装置40に対して、PoE(Power Over Ethernet(登録商標))技術を利用した電力供給(給電)が行われる。
また、本実施形態のプラント監視システムにおいて、遠隔地監視装置60には、通信線給電部70からプラント内の各種装置への給電を制御する給電制御部100が設けられている。
本実施形態の給電制御部100は、系統電源50の作動状態に関する情報を取得する系統電源情報取得部111と、プラントに関する災害情報を取得する災害情報取得部114とを有している。加えて、給電制御部100は、系統電源50の作動状態に関する情報と、プラントに関する災害情報に基づいて、通信線給電を行うか否かを判定する通信線給電判定部112と、通信線給電判定部112が通信線給電を行うか否かを判定するための判定条件が予め記憶されている補助記憶装置(以下、給電判定条件記憶部と記す)113とを有している。
系統電源情報取得部111は、例えば、系統電源50から供給されている電力、電圧及び電流等の情報を取得する。加えて、系統電源情報取得部111は、系統電源50が正常に作動しているか否かを示す情報、例えば、系統電源50を構成する電気回路を開閉する開閉器に異常があるか否かの情報等を取得する。系統電源情報取得部111は、系統電源50の異常の有無を含む作動状態に関する情報を、通信線給電判定部112に送出する。
災害情報取得部114は、上述したプラントに関する地震や津波など自然災害に関する情報を取得する。災害情報取得部114は、これら自然災害に関する情報を、ラジオ等の公共の電波で配信されている災害情報、またはプラントに設けられた地震計や潮位計等から取得することが可能に構成されている。災害情報取得部114は、取得した災害に関する情報を、通信線給電判定部112に送出する。
通信線給電判定部112は、系統電源50の作動状態に関する情報、例えば、系統電源50に異常があるか否かの情報と、プラントに関する災害情報があるか否かに応じて、通信線給電部70に通信線給電を行わせるか否かを判定する。通信線給電を行わせるか否かを判定する条件(以下、通信線給電判定条件と記す)は、給電判定条件記憶部113に記憶されている。通信線給電判定部112は、給電判定条件記憶部113に記憶された通信線給電判定条件を参照して、通信線給電が必要であるか否かを判定する。給電判定条件記憶部113には、例えば、表1に示す通信線給電判定条件が予め記憶されている。
表1に示す通信線給電判定条件においては、系統電源50に異常があり(条件1)且つプラントに関する災害情報がある(条件2)場合、通信線給電判定部112は、通信線給電が必要であると判定する。また、プラントに関する災害情報が無い(条件2)場合であっても、系統電源50に異常がある(条件1)場合には、通信線給電判定部112は、通信線給電が必要であると判定する。このように、通信線給電判定部112は、系統電源50に異常がある場合には、プラントに関する災害情報の有無に拘わらず、通信線給電が必要であると判定する。
なお、系統電源50に異常があるか否かは、系統電源50の作動状態に基づいて判定される。例えば、系統電源50の電圧が、所定の閾値以下に低下した場合には、系統電源50に異常があると判定される。また、系統電源50を構成する電気回路を開閉する開閉器の異常を示す情報を取得した場合にも、系統電源50に異常があると判定される。
また、通信線給電判定部112は、系統電源50に異常がない(条件1)場合、すなわち系統電源50が正常に機能している場合であっても、プラントに関する災害情報がある場合には、系統電源50に異常が生じる虞があるものと判定して、通信線給電が必要であると判定する。一方、通信線給電判定部112は、系統電源50に異常がなく(条件1)且つプラントに関する災害情報もない(条件2)場合には、系統電源50に異常が生じる虞がないものと判定して、通信線給電が必要ではないと判定する。
以上のように、通信線給電判定部112は、系統電源50に異常があると判定した場合には、通信線給電が必要であると判定する。また、通信線給電判定部112は、系統電源50に異常がない場合であっても、プラントに関する災害情報があり、系統電源50に異常が生じる虞があると判定した場合には、通信線給電が必要であると判定する。このように通信線給電判定部112により通信線給電が必要であると判定された場合、給電制御部100は、プラント内の各種装置、すなわち現場機器10、現場機器制御盤20、プロセス計算機30、及び表示装置40に対して、通信線を介して電力が供給されるよう通信線給電部70を制御する。
これにより、系統電源50に異常が生じて、プラント内にある現場機器10に正常に電力が供給されない場合、当該現場機器10に通信線給電により電力を供給して、当該現場機器等を正常に作動させることができる。また、系統電源50が正常に機能している場合であっても、プラントに関する災害情報を取得した場合には、通信線給電を行うことにより、通信線給電と電力線給電との2つのラインにてプラント内の各種装置に電力を供給することができる。後に、系統電源50からの電力線給電が完全に停止した場合、いわゆる全電源喪失が生じた場合においても、遠隔地から通信線給電により現場機器10に電力を供給することができ、現場機器10の作動を停止させることなくプラントの監視を継続することができる。
以上に説明したように、本実施形態においては、プラント内に設けられ、電力の供給を受けて作動する現場機器10と、プラント内に設けられ、現場機器10に電力線を介して電力を供給する電源である系統電源50と、外部電源から受けた電力を、通信線を介して現場機器10に電力を供給する通信線給電部70と、通信線給電部70からの通信線を介しての電力の供給である通信線給電を制御する給電制御部100とを備えている。給電制御部100は、系統電源50に異常が生じる虞がある否か、又は系統電源50に異常があるか否かに応じて、通信線給電を行うか否かを判定する通信線給電判定部112を含んでいる。給電制御部100は、プラントに関する災害情報が取得されて系統電源50に異常が生じる虞があると通信線給電判定部112により通信線給電を行うと判定された場合には、通信線給電部70が通信線給電を行うよう制御するものとした。
通信線給電判定部112は、系統電源50の作動状態に基づいて系統電源50に異常があると判定した場合や、プラントに関する災害情報が取得されて系統電源50に異常が生じる虞があると判定した場合に、通信線給電を行うと判定する。給電制御部100は、通信線給電判定部112により通信線給電を行うと判定された場合に、通信線給電部70に通信線給電を行わせる。このプラント監視システム1によれば、実際に系統電源50に異常が生じた場合や、自然災害等により系統電源50に異常が生じる虞がある場合においても、通信線給電によりプラント内の現場機器10に電力が供給されるので、当該現場機器10の作動が停止することなく、運転員等は、プラントの監視を継続することができる。
また、本実施形態において、通信線給電判定部112は、表1に示すように系統電源50に異常が無い場合であっても、系統電源50に異常が生じる虞があるか否かを判定しており、給電制御部100は、通信線給電判定部112により系統電源50に異常が生じる虞があると判定された場合に、通信線給電部70が通信線給電を行うよう制御するものとした。系統電源50が正常に作動している場合であっても、プラントに関する災害情報、例えば、自然災害に関する情報が取得された場合等、系統電源50に異常が生じる虞がある場合には、通信線給電によりプラント内の現場機器10に電力が供給される。このため、後に、系統電源50に異常が生じて、電力線給電が行われなくなっても、通信線給電により現場機器10に電力が供給されるため、現場機器10の作動が停止することがない。
また、本実施形態において、給電制御部100は、プラントに関する災害情報を取得可能な災害情報取得部114をさらに備え、通信線給電判定部112は、表1に示すように、系統電源に異常が無い場合であっても、災害情報取得部114によりプラントに関する災害情報が取得された場合には、系統電源50に異常が生じる虞があると判定するものとした。地震や津波等の災害情報が取得されて、プラントが被災することにより系統電源50に異常が生じる虞がある場合に、通信線給電が行われることで、仮に、この後において系統電源50からの電力線給電が行われなくなっても、プラント内の現場機器10に電力を供給することができ、現場機器10を継続的に作動させることができる。
なお、通信線給電判定部112が、系統電源50に異常が生じる虞があると判定する条件は、災害情報取得部114によりプラントに関する災害情報が取得された場合に限定されるものではない。例えば、系統電源情報取得部111が取得した系統電源50の作動状態が、所定の条件を満たした場合、例えば、系統電源50の電圧が所定の閾値以下となった場合に、通信線給電判定部112が、系統電源50に異常が生じる虞があると判定して、給電制御部100が通信線給電部70に通信線給電を行わせることも好適である。
また、本実施形態において、通信線給電判定部112は、表1に示すように、系統電源50に異常があるか否かを判定しており、給電制御部100は、通信線給電判定部112により系統電源50に異常があると判定された場合に、通信線給電部70が通信線給電を行うよう制御するものとした。系統電源50の電圧が低下した場合や、系統電源50を構成する電気回路を開閉する開閉器に不具合が生じた場合など、系統電源50に異常が生じて、プラント内の現場機器10に電力線給電により電力が供給されなくなっても、すぐに通信線給電部70から通信線を介して現場機器10に電力が供給されるので、系統電源50の異常により現場機器10が停止してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態において、給電制御部100は、系統電源50の作動状態として、当該系統電源50の異常を示す情報を取得する系統電源情報取得部111を含み、通信線給電判定部112は、系統電源情報取得部111により系統電源の異常を示す情報が取得された場合に、当該系統電源50に異常があると判定するものとした。例えば、系統電源50を構成する電気回路の開閉器(図示せず)に異常を示す情報が、系統電源情報取得部111により取得された場合、通信線給電判定部112が、系統電源50に異常があるものと判定して、給電制御部100は、通信線給電部70が通信線給電を行うよう制御する。系統電源50に突然異常が生じた場合であっても、現場機器10への電力供給が停止することを極力抑制することができる。
また、本実施形態において、系統電源情報取得部111は、系統電源50の作動状態として、系統電源50の電圧を取得しており、通信線給電判定部112は、系統電源50の電圧が、所定の閾値以下である場合に、系統電源50に異常があると判定するものとした。系統電源50から現場機器10に所定の電圧で電力が供給されないような場合であっても、通信線給電により所定の電圧の電力を供給することにより、現場機器10を正常に作動させ続けることができる。
なお、本実施形態において、系統電源50に異常があると判定する条件は、系統電源50の電圧低下であるものとしたが、異常を判定する条件は、これに限定されるものではない。電流や電力など、系統電源50の作動状態を示す他のパラメータを用いて、系統電源50に異常があるか否かを判定するものとしても良い。
また、本実施形態において、通信線給電判定部112は、系統電源50に異常がある場合、及び、系統電源50に異常が無い場合であってもプラントに関する災害情報がある場合には、通信線給電が必要であると判定するものとしたが、本発明に係る通信線給電判定部が、通信線給電が必要であると判定する条件は、この条件に限定されるものではない。系統電源から電力線を介してプラント内の現場機器10に電力が正常に供給されなくなったときに、通信線給電により現場機器10が継続的に作動することが可能となれば、運転員等は、どのような条件でも設定することが可能である。
また、本実施形態において、災害情報取得部114が取得する災害情報は、地震や津波等の自然災害に関するものとしたが、災害情報は、自然災害に限定されるものではない。災害情報取得部114が取得する災害情報は、火災等の災害を示す情報を含んでいるものとしても良く、当該火災情報に基づいて通信線給電判定部112が、通信線給電を制御するものとしても良い。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態のプラント監視システムについて、図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施形態のプラント監視システムのうち遠隔地監視装置の構成を模式的に示すブロック図である。図4は、本実施形態のプラント監視システムのうちプラント内に設けられた装置構成を模式的に示すブロック図である。
本実施形態においては、給電制御部は、通信線給電により電力を供給する対象(以下、給電対象と記す)を変更する点で、第1の実施形態と異なっており、以下に詳細を説明する。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図3及び図4に示すように、本実施形態のプラントにおいては、現場機器10ごとに、通信線を介して供給される電力を遮断可能な受電切替部17が設けられている。受電切替部17は、通信線を介して通信線給電部70と接続されており、且つ電力線を介して現場機器10の受電部15と接続されている。受電切替部17は、通信線給電部70から通信線を介して供給された電力を、そのまま受電部15に供給することが可能となっている。また、受電切替部17は、通信線給電部70と受電部15との間において電力を遮断する遮断器として構成されており、当該電力の遮断は、後述する給電制御部120により制御される。
なお、本実施形態において、受電切替部17は、電力線を介して系統電源50と接続されている。受電切替部17は、系統電源50から電力線を介して供給された電力を、そのまま受電部15に供給することが可能となっている。受電切替部17は、通信線給電部70からの通信線給電と、系統電源50からの電力線給電とを切替えて、少なくとも一方から受けた電力を受電部15に供給することが可能に構成されている。
また、現場機器制御盤20ごとに、通信線を介して供給される電力を遮断可能な受電切替部27が設けられている。受電切替部27は、上述した受電切替部17と同様に構成されている。受電切替部27は、通信線を介して通信線給電部70と接続されており、且つ電力線を介して受電部25と接続されている。受電切替部27は、通信線給電部70と受電部25との間において電力を遮断する遮断器として構成されており、当該電力の遮断は、後述する給電制御部120により制御される。受電切替部27は、電力線を介して系統電源50と接続されており、通信線給電部70からの通信線給電と、系統電源50からの電力線給電とを切替えることが可能に構成されている。
また、プロセス計算機30ごとに、通信線を介して供給される電力を遮断可能な受電切替部37が設けられている。受電切替部37は、上述した受電切替部17と同様に構成されている。受電切替部37は、通信線を介して通信線給電部70と接続されており、且つ電力線を介して受電部35と接続されている。受電切替部37は、通信線給電部70と受電部35との間において電力を遮断する遮断器として構成されており、当該電力の遮断は、後述する給電制御部120により制御される。受電切替部37は、電力線を介して系統電源50と接続されており、通信線給電部70からの通信線給電と、系統電源50からの電力線給電とを切替えることが可能に構成されている。
また、表示装置40ごとに、通信線を介して供給される電力を遮断可能な受電切替部47が設けられている。受電切替部47は、上述した受電切替部17と同様に構成されている。受電切替部47は、通信線を介して通信線給電部70と接続されており、且つ電力線を介して受電部45と接続されている。受電切替部47は、通信線給電部70と受電部45との間において電力を遮断する遮断器として構成されており、当該電力の遮断は、後述する給電制御部120により制御される。受電切替部47は、電力線を介して系統電源50と接続されており、通信線給電部70からの通信線給電と、系統電源50からの電力線給電とを切替えることが可能に構成されている。
上述した受電切替部17,27,37,47は、それぞれ遠隔地監視装置60Bの給電制御部120により制御される。給電制御部120は、通信線給電部70から通信線給電により供給可能な電力量に応じて、当該通信線給電により電力供給する装置を判定する給電構成判定部122を有している。給電構成判定部122は、プラント通常運転時において系統電源50から電力線給電により供給される所定の電力量(以下、通常時供給電力量と記す)に対する、通信線給電部70から通信線給電により供給可能な電力量(以下、通信線供給電力量と記す)に応じて、当該通信線給電により電力を供給する装置を変更する。本実施形態において、給電構成判定部122は、通常時供給電力量に対する通信線供給電力量に応じて、複数の現場機器10、複数の現場機器制御盤20、複数のプロセス計算機30及び複数の表示装置40のうち、通信線給電により電力を供給する対象(以下、単に「給電対象」と記す)を決定する。
給電制御部120は、給電対象を決定するための条件(以下、給電構成判定条件と記す)が記憶されている補助記憶装置(以下、構成判定条件記憶部と記す)123を有している。構成判定条件記憶部123には、通常時供給電力量に対する通信線供給電力量の割合に対して、給電対象が予め対応付けられたテーブルが記憶されている。給電構成判定部122は、構成判定条件記憶部123に記憶された当該テーブルを参照して、通信線供給電力量に応じて給電対象を決定する。
給電構成判定条件の一例について、表2を用いて説明する。なお、表2に示す給電構成判定条件は、現場機器10、現場機器制御盤20、プロセス計算機30及び表示装置40の作動に必要な電力を、通信線給電により供給する場合の一例である。なお、給電構成判定条件は、プラント内の装置構成に応じて、運転員等により適宜変更が可能なものである。
通信線供給電力量が、通常時供給電力量の例えば85%以下である場合、給電制御部120は、複数の表示装置40及び複数のプロセス計算機30のうち、同一の機能を有しており、冗長化されて設けられている装置が停止するよう制御する。例えば、給電制御部120は、複数のプロセス計算機30のうち、バックアップ用のプロセス計算機30の作動を停止させる。また、複数の表示装置40のうち、他の表示装置40と同一のプロセスデータを表示している表示装置40の作動を停止させる。このようにして、給電制御部120は、表示装置40及びプロセス計算機30のうち、冗長化されて設けられているものを、いわゆる片系運転にする。
また、通信線供給電力量が、通常時供給電力量の例えば70%以下である場合には、給電制御部120は、全構成機器、すなわち複数の表示装置40、複数のプロセス計算機30、複数の現場機器制御盤20および複数の現場機器10のうち、同一の機能を有しており、冗長化されて設けられている装置の作動を停止させる。この場合には、表示装置40やプロセス計算機30だけでなく、現場機器制御盤20や現場機器10についても、冗長化されて設けられている装置・機器については、その作動を停止させて、いわゆる片系運転にする。
さらに、通信線供給電力量が、通常時供給電力量の例えば50%以下である場合、給電制御部120は、系統電源50からの電力線給電が完全に停止した場合、いわゆる全電源喪失時において監視する必要がないと予め定められた所定の装置・機器について、その作動を停止させる。例えば、給電制御部120は、複数の現場機器10のみを作動させて、それ以外の装置・機器については、その作動を停止させることも可能である。
このような給電構成判定条件に基づいて、給電構成判定部122は、通信線給電による給電対象を判定する。給電制御部120は、給電対象に対して通信線給電がなされるよう、対応する受電切替部17,27,37,47に対して、通信線給電による受電を要求する信号(以下、受電要求信号と記す)を送信する。受電切替部17,27,37,47は、受電要求信号を受けた場合に、通信線給電部70から電力を受けて、それぞれ対応する受電部15,25,35,45に供給する。
このように、系統電源50からの電力線給電が完全に停止した場合には、遠隔地監視装置60の通信線給電部70から給電可能な電力量と、受電する装置・機器の重要度に応じて、通信線給電による電力の供給先である給電対象を変更する。これにより、仮に、通信線給電による供給電力量が、比較的小さくなった場合であっても、プラントの監視に必要な最低限の装置・機器を作動させて、当該監視を継続することができる。
以上に説明したように本実施形態のプラント監視システム1Bにおいては、給電制御部120は、通信線給電部70から供給可能な電力量に応じて、現場機器10、現場機器制御盤20、プロセス計算機30及び表示装置40のうち通信線給電部70から電力を供給する給電対象を判定する給電構成判定部122を有するものとした。系統電源50からの電力供給が停止した場合に、通信線給電部70から供給可能な電力量に応じて、プラントを監視するために重要な所定の装置・機器に対して通信線給電部70から電力を供給し続けることができる。通信線給電部70から供給可能な電力量が比較的小さい場合であっても、プラントの監視に最低限必要な装置・機器を作動させることができる。
また、本実施形態のプラント監視システム1Bにおいて、複数の現場機器10、複数の現場機器制御盤20、複数のプロセス計算機30及び複数の表示装置40には、通信線給電部70からの電力の供給を遮断可能な受電切替部17,27,37,47が、それぞれ設けられている。給電制御部120は、複数の現場機器10、複数の現場機器制御盤20、複数のプロセス計算機30及び複数の表示装置40のうち、給電構成判定部122により判定された給電対象以外のものについては、通信線給電部70からの電力供給が遮断されるよう当該受電切替部17,27,37,47を制御するものとした。プラントを監視するために特に重要でない(すなわち給電対象でない)装置・機器には、通信線給電部70から電力が供給されないという構成を、容易に実現することができる。通信線給電部70から供給可能な電力量が比較的小さい場合において、この構成は特に有用である。
また、本実施形態において、給電構成判定部122は、系統電源50から供給される電力量である通常時供給電力量に対する、通信線給電部70から供給可能な電力量である通信線供給電力量の割合が、所定の第1閾値(85%)以下である場合には、複数の表示装置40及び複数のプロセス計算機30のうち、同一の機能を有しており、冗長化されて設けられている装置の作動が停止するよう、給電対象を判定するものとした。他の表示装置と同一のプロセスデータを表示する表示装置40や、バックアップ用のプロセス計算機30など、作動を停止しても監視にさほど影響しない装置については、通信線給電部70から電力の供給を行わないことにより、通信線給電部70から供給される電力量を抑制することができる。
また、給電構成判定部122は、通常時供給電力量に対する通信線供給電力量の割合が、第1閾値(85%)に比べて低い値に設定された所定の第2閾値(70%)以下である場合には、プラント内において系統電源50から電力の供給を受けている全構成機器、すなわち複数の表示装置40、複数のプロセス計算機30、複数の現場機器制御盤20および複数の現場機器10のうち、同一の機能を有しており、冗長化されて設けられている装置の作動が停止するよう、給電対象を判定するものとした。冗長化されており、作動を停止しても監視にさほど影響しない装置には、通信線給電部70から電力を供給しないことで、通信線給電部70から供給される電力量を抑制することができる。
また、給電構成判定部122は、通常時供給電力量に対する通信線供給電力量の割合が、第2閾値(70%)に比べて低い値に設定された所定の第3閾値(50%)以下である場合には、系統電源50からの電力線給電が完全に停止した場合、いわゆる全電源喪失時において監視する必要がないと予め定められた所定の装置・機器について、その作動が停止するよう、給電対象を判定するものとした。通信線給電部70から供給可能な電力量が比較的小さい場合であっても、プラントの監視に最低限必要な所定の装置・機器に対して通信線給電部70から電力を供給し続けることができる。
なお、本実施形態において、給電構成判定条件は、所定の通常時供給電力量に対する通信線供給電力量の割合に応じて、通信線給電による給電対象を変更するものとしたが、給電構成判定条件は、この態様に限定されるものではない。系統電源50が供給可能な電力量の最大値である最大供給電力量に対する通信線供給電力量の割合に応じて、給電対象を変更するものとしても良い。また、通信線給電部70から供給可能な電力である通信線給電可能電力に応じて、通信線給電による給電対象を変更するものとしても良い。
また、本実施形態において、給電制御部120は、受電切替部17,27,37,47に受電要求信号を送信し、受電切替部17,27,37,47は、当該受電要求信号を受けた場合に、通信線給電部70から電力を受けて、それぞれ対応する受電部に供給するものとしたが、受電切替部が受ける信号の態様は、これに限定されるものではない。例えば、給電制御部120は、受電切替部17,27,37,47に対して、通信線給電による受電の遮断を命令する信号、受電遮断信号を送信し、当該信号を受けた受電切替部17,27,37,47は、それぞれ対応する受電部15,25,35,45と、通信線給電部70との間における電力供給を遮断するものとすることも好適である。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態のプラント監視システムについて、図5及び図6を用いて説明する。図5は、本実施形態のプラント監視システムのうち遠隔地監視装置の構成を模式的に示すブロック図である。図6は、本実施形態のプラント監視システムのうちプラント内に設けられた装置構成を模式的に示すブロック図である。
本実施形態においては、現場機器である計測機器の指示値を撮像し、撮像された画像に基づいて、当該計測機器の指示値を推定し、別途取得された計測機器のプロセスデータが信頼性の高いものであるか否か、すなわちプロセスデータの健全性を判定する点で、第2の実施形態と異なっており、以下に詳細を説明する。なお、第2の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態において、プラント内にある現場機器10には、所定の種類の物理量、及びその変化を計測する計測機器10aが含まれている。計測機器10aには、例えば、放射線量を計測する放射線量計測機や、温度を測定する熱電対等がある。計測機器10aが計測した値(計測値)は、当該計測機器10aにおいて指示値として表示されると共に、当該計測値を示す情報が、上述した計器出力部12から現場機器制御盤20のプロセスデータ生成部22にアナログ信号として送出される。
なお、計測機器10aが正常に作動している場合、計測機器10aの計測値と、計測機器10aの指示値は、同一の値を示すこととなる。
現場機器制御盤20のプロセスデータ生成部22は、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータを生成し、生成したプロセスデータを、プロセス計算機30のプロセスデータ処理部33に送信する。プロセスデータ処理部33は、表示用に演算処理されたプロセスデータを、プラント内の表示装置40のプロセスデータ受信部41に送信すると共に、当該プロセスデータを、後述する遠隔地監視装置60Cに送信する。
また、計測機器10aの近傍には、当該計測機器10aの指示値を撮像する装置(以下、計器指示値撮像部と記す)13が設けられている。計器指示値撮像部13は、撮像した画像を他の装置に送信する機能を有するカメラとして構成されている。計器指示値撮像部13は、撮像した計測機器10aの指示値の画像を示すデータを、通信線を介して他の装置に送信可能に構成されている。
一方、本実施形態の遠隔地監視装置60Cは、プロセス計算機30から送信されたプロセスデータをプロセスデータ受信部62が受信する。受信されたプロセスデータには、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータが含まれている。
また、遠隔地監視装置60Cには、上述した計器指示値撮像部13により撮像された画像のデータを解析処理する計器指示値処理部131が設けられている。計器指示値処理部131は、計測機器10aの指示値が撮像された画像を解析することにより、計測機器10aの指示値を推定する。
なお、以下の説明において、計器指示値撮像部13により撮像された画像に基づいて、計器指示値処理部131により推定された計測機器10aの指示値を「推定計器指示値」と記す。
遠隔地監視装置60Cには、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータの信頼性が高いものであるか否か、すなわち当該プロセスデータの健全性を判定するプロセスデータ健全性判定部132を有している。プロセスデータ健全性判定部132は、プロセスデータ受信部62により受信されたプロセスデータを、上述した推定計器指示値と比較する。プロセスデータ健全性判定部132は、推定計器指示値と比較することにより、受信されたプロセスデータが信頼性の高いものであるか否か、すなわちプロセスデータの健全性を認めるか否かを判定する。
遠隔地監視装置60Cは、プロセスデータが信頼性の高いものであるか否かを判定するための条件(以下、健全性判定条件と記す)が記憶されている補助記憶装置(以下、健全性判定条件記憶部と記す)133を有している。健全性判定条件記憶部133には、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータと、推定計器指示値との差に応じて、当該プロセスデータをそのまま使用するか、プロセスデータに代えて推定計器指示値を使用するかを判定するための条件が予め記憶されている。プロセスデータ健全性判定部132は、健全性判定条件記憶部133に記憶されている健全性判定条件を参照して、当該プロセスデータをそのまま使用するか、当該プロセスデータに代えて推定計器指示値を使用するかを決定する。
健全性判定条件の一例について、表3を用いて説明する。なお、表3に示す健全性判定条件は、計測機器10aが計測する物理量の種類等に応じて、運転員等により適宜変更が可能なものである。
計測機器10aの計測値を示すプロセスデータと推定計器指示値との差が、当該プロセスデータの例えば10%以下である場合、プロセスデータ健全性判定部132は、当該プロセスデータは信頼性が高いものと判定して、当該プロセスデータをそのまま使用することを決定する。遠隔地監視装置60Cは、当該プロセスデータをそのまま、プロセスデータ表示部64に表示させる。
一方、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータと推定計器指示値との差が、当該プロセスデータの例えば10%を超える場合、プロセスデータ健全性判定部132は、当該プロセスデータは信頼性が低いものであると判定して、当該プロセスデータに代えて推定計器指示値を使用することを決定する。遠隔地監視装置60Cは、推定計器指示値を、プロセスデータに上書きするデータ補完処理を行って、プロセスデータ表示部64に表示させる。
また、プラント内においてプロセス計算機30又は現場機器制御盤20が正常に作動しておらず、遠隔地監視装置60Cのプロセスデータ受信部62が、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータを受信できなかった場合には、当該プロセスデータに代えて推定計器指示値を使用することを決定する。遠隔地監視装置60Cは、推定計器指示値を、プロセスデータに上書きするデータ補完処理を行って、プロセスデータ表示部64に表示させる。
このような健全性判定条件に基づいてプロセスデータ健全性判定部132がプロセスデータ表示部64に表示するデータを決定する。これにより、例えば、自然災害等により、計測機器10aからプロセス計算機30までのプロセスデータが伝送される通信線に断線が生じた場合や、現場機器制御盤20やプロセス計算機30が損傷して、これら装置において正常にデータを処理することができなくなった場合等においても、信頼性が比較的高いデータを、遠隔地監視装置60Cのプロセスデータ表示部64に表示することができる。プロセスデータの信頼性が低い場合には、計器指示値撮像部13により撮像された画像に基づいて計器指示値処理部131により推定された推定計器指示値により、受信されたプロセスデータに欠損が生じていても、これを補完することが可能である。
以上に説明したように本実施形態のプラント監視システム1Cにおいて、現場機器10は、所定の物理量を計測する計測機器10aであり、当該計測機器10aの近傍には、計測機器10aの指示値を撮像する計器指示値撮像部13が設けられている。プラント内にある現場機器制御盤20は、計測機器10aが計測した計測値を示すプロセスデータを生成する。プロセス計算機30は、現場機器制御盤20において生成された計測機器10aの計測値を示すプロセスデータを、計測機器10aから離れた場所にあってプラント内の計測機器10a等を監視可能な遠隔地監視装置60Cに送信する。
遠隔地監視装置60Cは、プロセス計算機30からのプロセスデータを受信するプロセスデータ受信部62と、計器指示値撮像部13により撮像された画像データに基づいて計測機器10aの指示値を推定する計器指示値処理部131とを有する。さらに、遠隔地監視装置60Cは、計器指示値処理部131により推定された計測機器10aの指示値である推定計器指示値と、プロセス計算機30から送信された計測機器10aの計測値を示すプロセスデータとを比較することにより、当該プロセスデータが信頼性の高いものであるか否かを判定するプロセスデータ健全性判定部132とを有するものとした。
自然災害等により、現場機器制御盤20やプロセス計算機30が正常に作動しているか否かわからないような状況となった場合でも、計器指示値撮像部13により撮像された画像データに基づいて計測機器10aの指示値の推定値である推定計器指示値を算出し、当該推定計器指示値と、プロセス計算機30から得られた計測機器10aの計測値を示すプロセスデータとを比較することにより、当該プロセスデータが信頼性の高いものであるか否か、いわゆる健全性を判定することができる。
また、遠隔地監視装置60Cは、プロセス計算機30からの送信されたプロセスデータを受信するプロセスデータ受信部62と、当該プロセスデータ受信部62により受信されたプロセスデータを表示可能なプロセスデータ表示部64とを有している。遠隔地監視装置60Cは、プロセスデータ健全性判定部132によりプロセスデータの信頼性が低いものであると判定された場合には、当該プロセスデータに代えて、計測機器10aの指示値の推定値である推定計器指示値を、プロセスデータ表示部64に表示させる。これにより、プロセスデータの信頼性が低いと判定された場合や、プロセスデータが受信されない場合には、プロセスデータに比べて信頼性が高いと考えられる計測機器10aの指示値(画像データを解析処理した推定値)を、プロセスデータ表示部64に表示させることができる。
また、本実施形態において、プロセスデータ健全性判定部132は、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータと、計測機器10aの指示値の画像データを解析処理した推定値(推定計器指示値)との差が大きいか否かを以って、プロセスデータの信頼性(健全性)を判定している。この差が小さい場合には、プロセスデータの信頼性が高いものであると判定し、差が大きい場合には、プロセスデータの信頼性が低いものであると判定している。このように判定することで、遠隔地監視装置60Cは、プロセス計算機30から得られたプロセスデータのうち信頼性の高いと判定したものと、プロセスデータに比べて信頼性が高いと考えられる計器指示値とを、プロセスデータ表示部64に表示させることができる。
なお、上述の実施形態において、計測機器10aの計測値を示すプロセスデータと、推定計器指示値との差が大きい場合には、プロセスデータの信頼性が低いと判定し、当該プロセスデータに代えて、推定計器指示値を、プロセスデータ表示部64の表示に使用するものとしたが、プロセスデータの信頼性が低いと判定した場合に、プロセスデータ表示部64に表示させるデータの態様は、これに限定されるものではない。プロセスデータの信頼性が低い場合に、当該プロセスデータの一部を、推定計器指示値により修正し、当該修正されたプロセスデータを表示装置に表示させるものとしても良い。
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態のプラント監視システムについて、図7及び図8を用いて説明する。図7は、本実施形態のプラント監視システムのうち遠隔地監視装置の構成を模式的に示すブロック図である。図8は、本実施形態のプラント監視システムのうちプラント内に設けられた装置構成を模式的に示すブロック図である。
本実施形態においては、現場機器から離れた場所に設けられた遠隔地監視装置から、現場機器等を制御する点で、第3の実施形態と異なっており、以下に詳細を説明する。なお、第3の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7及び図8に示すように、現場機器10には、当該現場機器10が設置されている現場の状況(以下、単に「現場状況」と記す)に関する情報を取得する現場状況取得部14が設けられている。本実施形態において、現場状況取得部14は、カメラを有しており、現場及びその周辺を撮像可能に構成されている。また、現場状況取得部14は、放射線計、温度計及び湿度計を有しており、現場の放射線量、現場の温度及び湿度を計測可能に構成されている。加えて、現場状況取得部14は、撮像した画像のデータや、計測した放射線量、温度及び湿度等を示すデータを、遠隔地監視装置60Dに送信可能に構成されている。
このように構成された現場状況取得部14は、現場機器10が設置されているプラント内の各所の環境データ、すなわち放射線量、温度、湿度等を示すデータを取得可能となっている。また、現場状況取得部14は、現場及びその周辺を撮像することにより、静止画像データや動画データを取得可能となっている。現場状況取得部14が現場状況に関する情報を取得して、当該情報を遠隔地監視装置60Dに送信することにより、遠隔地監視装置60Dから、作業員による現場作業が可能であるか否かを確認することが可能となる。
なお、現場状況取得部14により取得された各種の情報を示すデータ、例えば、現場及びその周辺を撮像した静止画像データ、動画データ、現場において計測された放射線量を示すデータ、温度を示すデータ及び湿度を示すデータ等を、以下の説明において「現場状況データ」と記す。
また、現場機器10には、後述する遠隔操作指示部144からの操作指示に従って、当該現場機器10を操作する操作実行部18が設けられている。操作実行部18は、現場機器10について各種の操作を行うことが可能に構成されている。なお、操作実行部18は、例えば、アクチュエータやロボット等により構成され、実際に現場機器10を操作することもできる。
本実施形態の遠隔地監視装置60Dは、図7に示すように、現場状況取得部14からの現場状況データを受信する現場状況データ受信部145と、受信された現場状況データを基に各種の演算処理を行う現場状況データ処理部146と、表示用に演算処理された現場状況データを表示装置40及び遠隔地監視装置60Dの各プロセスデータ表示部44,64に送信する現場状況データ送信部147とを有している。
現場状況データ受信部145は、現場状況取得部14から送信された現場状況データを受信する。なお、現場状況取得部14から現場状況データ受信部145へのデータの伝送は、通信線を介して行うものであっても、無線により行うものであっても良い。現場状況データ受信部145は、受信した現場状況データを現場状況データ処理部146に伝送する。
現場状況データ処理部146は、現場状況データ受信部145により受信された現場状況データを、各プロセスデータ表示部44,64において表示するために各種の演算処理を行う。現場状況データ処理部146は、表示用に加工された現場状況データを、現場状況データ送信部147に伝送する。
現場状況データ送信部147は、表示用の現場状況データを、遠隔地監視装置60Dのプロセスデータ表示部64に伝送すると共に、プラント内にある表示装置40のプロセスデータ表示部44にも伝送する。なお、現場状況データ送信部147から表示装置40への現場状況データの伝送は、通信線を介して行うものであっても、無線により行うものであっても良い。これにより、遠隔地監視装置60Dにおいても、プラント内の表示装置40においても、それぞれのプロセスデータ表示部44,64に、同一の現場状況データを表示することができる。
ところで、プラント内において災害等の過酷な事象が生じた場合には、プラント内にある現場機器10や現場機器制御盤20の近傍に運転員等を行かせたくない場合がある。そこで、本実施形態のプラント監視システム1Dにおいては、現場機器10や現場機器制御盤20等がある現場から遠く離れた場所に設けられた遠隔地監視装置60Dから、現場機器10を操作することを可能にしており、以下に詳細を説明する。
図7に示すように、遠隔地監視装置60Dには、プラント内の現場機器10を遠隔操作する装置(以下、遠隔操作部と記す)140が設けられている。遠隔操作部140は、遠隔地監視装置60Dからの現場機器10の遠隔操作を許可するための入力装置(以下、遠隔操作許可部と記す)141と、当該遠隔操作を行うため運転員等から各種情報の入力を受け付ける入力装置(以下、遠隔操作入力部と記す)142と、受け付けた各種情報を示すデータを演算処理する処理装置(以下、遠隔操作処理部と記す)143と、演算処理されたデータを現場機器10に送信することにより、現場機器10に対して各種の操作を指示する装置(以下、遠隔操作指示部と記す)144とを有している。
遠隔操作許可部141は、運転員等のうち所定の責任者からの操作を受け付けるよう構成されている。遠隔操作許可部141は、所定の責任者の操作を受けて、遠隔操作入力部142において運転員等からの操作入力を受け付けるか否かを切り替える。換言すれば、遠隔操作許可部141は、遠隔操作入力部142が有する「運転員等からの操作を受け付ける機能」の有効と無効とを切替えるよう構成されている。遠隔操作許可部141において、所定の責任者が、遠隔操作の許可を与える操作を行った場合、当該遠隔操作許可部141は、遠隔操作を許可する信号を遠隔操作入力部142に送出する。
遠隔操作入力部142は、遠隔操作許可部141からの遠隔操作を許可する信号を受けた場合に、「運転員等からの各種情報の入力を受け付ける機能」が有効となるよう構成されている。遠隔操作入力部142は、その機能が有効である場合に、運転員等から各種情報の入力を受け付け、当該情報を遠隔操作処理部143に送出する。なお、以下の説明において、現場機器10を遠隔操作するために、運転員等により入力される情報を「遠隔操作情報」と記す。
なお、本実施形態においては、プラント内にあるプロセス計算機30Dにも、遠隔地監視装置60Dと同様に、プロセス計算機30Dからの現場機器10の遠隔操作を許可するための入力装置である遠隔操作許可部31と、遠隔操作を行うため運転員等から各種の遠隔操作情報の入力を受け付ける入力装置である遠隔操作入力部32とを有している。遠隔操作入力部32は、遠隔操作許可部31により機能が有効にされた場合に、運転員等から入力された各種の遠隔操作情報を、遠隔地監視装置60Dの遠隔操作処理部143に送出する。
遠隔操作処理部143は、遠隔地監視装置60Dの遠隔操作入力部142又はプロセス計算機30Dの遠隔操作入力部32から、運転員等により入力された遠隔操作情報を示すデータを受信する。遠隔操作処理部143は、遠隔操作指示部144が現場機器10に対して各種の操作を指示できるよう、受信した遠隔操作情報を示すデータを処理する。遠隔操作処理部143は、各種の遠隔操作情報を、操作実行部18への操作指示に変換して、当該操作指示を示すデータを遠隔操作指示部144に送出する。
遠隔操作指示部144は、プラント内の操作実行部18が行う操作指示を示すデータを、当該操作実行部18に送信する。操作実行部18は、遠隔操作指示部144から受けた操作指示に従って、現場機器10を実際に操作する。
以上に説明したように本実施形態のプラント監視システム1Dにおいて、現場機器10には、当該現場機器10が設置されている現場状況に関する情報を取得する現場状況取得部14が設けられている。加えて、遠隔地監視装置60Dは、当該現場状況取得部14から現場状況を示すデータである現場状況データを受けて、現場状況に関する情報を、前記プロセスデータ表示部64に表示させるものとした。現場機器10が設置されている現場から離れた場所にある遠隔地監視装置60Dにおいて、当該現場の状況に関する情報、例えば、放射線量、温度及び湿度を確認することができる。現場機器10が設置されている現場の状況を確認するために、当該現場に行くことを抑制することができる。
また、本実施形態のプラント監視システム1Dにおいて、現場機器10には、当該現場機器10を操作する操作実行部18が設けられている。加えて、遠隔地監視装置60Dは、操作実行部18に現場機器10の操作を遠隔操作指示部144が指示することにより、当該現場機器を遠隔操作する遠隔操作部140を有するものとした。自然災害等により運転員等が現場に入ることができない場合であっても、遠隔地監視装置60Dの遠隔操作部140が、操作実行部18を介して現場機器10を遠隔操作することができ、運転員等の負担を軽減することができる。
〔第5の実施形態〕
第5の実施形態のプラント監視システムについて、図9及び図10を用いて説明する。図9は、本実施形態のプラント監視システムのうち遠隔地監視装置の構成を模式的に示すブロック図である。図10は、本実施形態のプラント監視システムのうちプラント内に設けられた装置構成を模式的に示すブロック図である。
本実施形態においては、現場機器から離れた場所に設けられた遠隔地監視装置から、プロセス計算機30において記録するデータの種類を設定し、当該記憶されたデータを、遠隔地監視装置に読み込む点で、第4の実施形態と異なっており、以下に詳細を説明する。なお、第4の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、遠隔地監視装置60Eには、プロセスデータのうちバックアップするデータであるバックアップデータを設定する装置(以下、バックアップデータ設定部と記す)151が設けられている。バックアップデータ設定部151は、運転員等により操作され、プロセスデータのうち運転員等によりバックアップする必要があると判断されたデータを、バックアップデータとして設定する。バックアップデータ設定部151においては、バックアップするデータの種類や、バックアップする時間等が設定される。なお、バックアップデータは、喪失又は破壊されたプロセスデータの復元、プラント内の各種装置の作動の維持、及びプラント内で起きた事象の解析のために用いられる。
一方、図10に示すように、プラント内にあるプロセス計算機30Eには、バックアップデータ設定部151により設定されたバックアップデータを収集する装置(以下、バックアップデータ処理部と記す)39が設けられている。本実施形態において、バックアップデータ処理部39は、プロセス計算機30Eにおいてバックアップデータを検索し、当該プロセス計算機30Eからバックアップデータを収集する。バックアップデータ処理部39は、収集したバックアップデータを、遠隔地監視装置60Eに送信する。
図9に示すように、遠隔地監視装置60Eには、バックアップデータ処理部39により収集されたバックアップデータを記憶する補助記憶装置(以下、バックアップデータ記憶部と記す)152が設けられている。バックアップデータ記憶部152は、バックアップデータ処理部39からのバックアップデータを読み込み、当該バックアップデータを記憶・保持する。なお、バックアップデータ記憶部152は、バックアップデータ処理部39から、常時、バックアップデータを読み込むものとしても良いし、バックアップデータ設定部151において運転員等により設定されたタイミングで、所定のバックアップデータを一括して読み込むものとしても良い。
なお、バックアップデータ設定部151及びバックアップデータ記憶部152と、バックアップデータ処理部39との間におけるバックアップデータの伝送は、遠隔地監視装置60Eとプロセス計算機30Eとの間においてプロセスデータを伝送する伝送路を介して行われる。
このように構成されたプラント監視システム1Eにおいては、プロセス計算機30E内にあるデータを、運転員等の要求に応じて遠隔地監視装置60Eからバックアップすることが可能となる。
以上に説明したように本実施形態のプラント監視システム1Eにおいて、遠隔地監視装置60Eには、プロセスデータのうちバックアップするデータであるバックアップデータを設定するバックアップデータ設定部151が設けられている。一方、プラント内には、バックアップデータ設定部151により設定されたバックアップデータを、プロセス計算機30Eから収集するバックアップデータ処理部39が設けられている。加えて、遠隔地監視装置60Eには、当該バックアップデータ処理部39により収集されたバックアップデータを記憶するバックアップデータ記憶部152が設けられているものとした。
これにより、プラント内において過酷な事象が生じ、当該プラント内においてバックアップデータを回収することが困難な場合であっても、遠隔地監視装置60Eから、所望のデータをバックアップデータに設定して、当該バックアップデータをプラント内から収集して、遠隔地監視装置60E内に保存することができる。
なお、本実施形態において、バックアップデータ処理部39は、プロセス計算機30Eに設けられているものとしたが、バックアップデータ処理部が設けられる態様は、これに限定されるものではない。プロセスデータのうち所定のバックアップデータを収集できれば良く、プラント内であれば、どこにでも設けることができる。
また、本実施形態において、バックアップデータ処理部39は、プロセス計算機30Eからバックアップデータを収集するものとしたが、バックアップデータを収集する態様は、これに限定されるものではない。プロセスデータを生成している現場機器制御盤20からもバックアップデータを収集することが可能である。
〔他の実施形態〕
なお、上述した実施形態において、通信線には、イーサネット(登録商標)ケーブルが用いられるものとしたが、本発明に係る通信線の態様は、これに限定されるものではない。本発明に係る通信線は、接続された装置間において通信が可能であり、且つ一方から他方に電力を供給することが可能なものであれば良く、例えば、通信線として光ケーブルを用いることもできる。この場合、電力供給は、光ケーブルと同軸又は並行に配線した電力供給ケーブルにより行うことができる。
また、上述した実施形態において、表示装置40は、コンピュータ・ディスプレイであるものとしたが、本発明に係る表示装置の態様は、これに限定されるものではない。本発明に係る表示装置の態様は、これに限定されるものではない。本発明に係る表示装置は、各種のプロセスデータを表示可能なものであれば良い。本発明に係る表示装置は、例えば、中央制御室に設けられたアナンシエータ(annunciator)であるものとしても良い。
また、上述した実施形態において、プロセス計算機30は、コンピュータであるものとしたが、本発明に係るプロセス計算機の態様は、これに限定されるものではない。本発明に係るプロセス計算機は、現場機器制御盤から受けたプロセスデータを処理して、各種の表示装置にプロセスデータを表示させることができれば良い。プロセス計算機は、例えば、中央制御室に設けられたアナンシエータの表示を制御する制御装置であるものとしても良い。
また、上述した実施形態において、現場機器制御盤20のプロセスデータ生成部22は、現場機器10から受けたアナログ信号を、デジタル信号に変換してプロセスデータを生成するものとしたが、現場機器制御盤20のプロセスデータ生成部22がプロセスデータを生成する態様は、これに限定されるものではない。現場機器制御盤のプロセスデータ生成部は、現場機器が出力した情報を受けて、デジタル信号であるプロセスデータを生成できれば良く、例えば、現場機器が出力したデジタル信号を受けて、これを演算処理してプロセスデータを生成するものとしても良い。
また、上述した実施形態において、現場機器10は、計測機器であり、当該計測機器が計測した各種の情報を出力する計器出力部12を有するものとしたが、現場機器が出力する情報の態様は、これに限定されるものではない。本発明に係る現場機器は、プラント内に設けられ、所定の情報を出力する機能を有していれば良い。例えば、現場機器は、制御弁を制御するものであり、当該制御弁の開度を示す情報を出力するものとしても良い。
また、上述した実施形態の処理装置は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上述した実施形態の処理装置の構成の一部を他の構成に置き換えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
また、上述した遠隔地監視装置やプロセス計算機の各構成、機能、例えば、給電制御部や遠隔操作部等は、それらの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより、ソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク等の記憶装置、または、SDカードやDVD等の記録媒体におくことができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。