以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る通知情報表示装置の表面外観を示す図である。図1(a)に示すように、第1実施形態に係る通知情報表示装置10Aは、タッチパネル(画面)11が設けられた略長方形状の面(表面)を有し、この面と垂直(紙面奥行)方向に厚みをもった略直方体状の携帯端末装置として構成されている。通知情報表示装置10Aは、このような形状とされているため、例えば、ユーザは、裏面、並びに表面及び裏面と垂直な面である側面を指と掌とで支持して通知情報表示装置10Aを保持し、指で表面のタッチパネル11を操作することができる。このような携帯端末装置としては、例えば、スマートフォン及びタブレット等が挙げられる。
従来、図12に示すように、例えばユーザが動画を視聴している最中にメールを着信すると、「メール受信」と記載された通知情報Pが、動画視聴中にも関わらず、画面中央部の動画表示領域の上にポップアップ表示される場合があった。この場合、通知情報Pによってユーザの動画視聴が妨げられるという問題がある。さらに、図12の例において、動画表示領域の中央部に動画の再生及び停止を切り替える操作ボタンが表示されている場合には、ユーザが動画の再生及び停止を切り替えるために上記操作ボタンをタッチしようとした際に、偶々ポップアップ表示された通知情報Pをタッチしてしまい、ユーザの意図に反してメールアプリケーション等が起動されてしまうといった誤操作が生じるおそれがある。
通知情報表示装置10Aは、このような不具合を解消すべく、画面表示状況及びユーザの利便性等を考慮した、より適切な位置に通知情報を表示する装置である。以下、通知情報表示装置10Aが、上記を実現するために備える機能について詳細に説明する。
図2は、通知情報表示装置10Aの機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、通知情報表示装置10Aは、タッチパネル11と、表示情報取得部12と、通知領域決定部13Aと、表示要求入力部14と、通知情報表示部15と、端末アプリケーション(端末アプリ)21,22と、アンテナ23とを備える。
図3は、通知情報表示装置10Aのハードウェア構成を示す。図3に示すように、通知情報表示装置10Aは、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random AccessMemory)102、ROM(Read Only Memory)103、移動体通信モジュール104及びアンテナ23等のハードウェアにより構成されている。また、通知情報表示装置10Aは、上述したようにハードウェアとしてタッチパネル11を備えている。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、図2に示す通知情報表示装置10Aの各機能が実現される。
図2に戻り、通知情報表示装置10Aの各機能要素について詳細に説明する。
タッチパネル11は、画面を有し、当該画面上に情報を表示する画面表示手段である。タッチパネル11を介して、ユーザは、画面上に表示された情報を閲覧することができる。また、タッチパネル11は、ユーザによる接触操作等の入力操作を受け付ける入力手段でもある。例えば、タッチパネル11の画面上において操作用のアイコン等が表示された領域をユーザが指等で接触操作(タップ等)すると、図示しない制御部が、タッチパネル11上の接触位置を検知し、検知した接触位置に応じた機能(例えば、接触位置に表示されているアイコンに対応するアプリケーション等)を実行する。
表示情報取得部12は、タッチパネル11の画面上に表示される表示オブジェクト毎に、当該表示オブジェクトの種別を示す種別情報と、画面上において当該表示オブジェクトが表示されている表示領域を示す表示領域情報とを取得する表示情報取得手段である。ここで、「表示領域情報」とは、例えば画面上において表示オブジェクトが表示されているドット位置の座標等、画面上において表示オブジェクトが表示されている領域を特定可能な情報である。
「表示オブジェクト」とは、例えば通知情報表示装置10AのROM103等に予め記憶された端末アプリケーション21等の画面表示上において、それぞれ独立した表示領域を有する個々の表示単位(表示部品)を示す。例えば、上述したアイコンの他、ボタン表示や、テキスト、画像、及び動画等の、表示される情報が、表示オブジェクトに相当する。表示オブジェクトに関する情報(表示オブジェクト情報)は、当該表示オブジェクトを表示部品として有する端末アプリケーション21によって保持されている。
表示オブジェクト情報には、例えば、表示内容、表示分類情報、表示位置情報、表示サイズ情報、及び、関連付け機能情報等が含まれている。「表示内容」とは、画面上に表示される表示オブジェクトの内容であり、例えばテキスト、画像(アイコン、ボタン表示等)、及び動画等である。「表示分類情報」とは、画面上に表示される表示オブジェクトの表示分類を示す情報である。例えば、動画(動画コンテンツ)を表示する表示オブジェクトについては、表示オブジェクトが動画を表示することを示す情報が表示分類情報であり、例えば、写真(写真コンテンツ)を表示する表示オブジェクトについては、表示オブジェクトが写真を表示することを示す情報が表示分類情報である。「表示位置情報」とは、画面上において表示オブジェクトが配置される位置を特定するための情報であり、例えば、画面上における位置座標等である。「表示サイズ情報」とは、表示オブジェクトを画面上に表示させる大きさを示す情報であり、例えば、横方向(X方向)及び縦方向(Y方向)のドット数等である。「関連付け機能情報」とは、表示オブジェクトがユーザによる接触操作がされることにより実行される機能(関連付け機能)を示す情報である。なお、関連付け機能がない場合(即ち、ユーザによる接触操作がされることにより実行される機能がない場合)には、表示オブジェクト情報に関連付け機能情報は含まれない。
続いて、表示オブジェクトの種別について説明する。表示オブジェクトの種別としては、例えば、ユーザによる接触操作がされると上述した制御部(不図示)により所定の機能が実行される表示オブジェクトを示す「操作オブジェクト」がある。ここで「所定の機能」とは、端末アプリケーション21等により実行される機能であって、例えば、画面表示を変更したり、動作中の端末アプリケーション21の状態を変更したりする機能である。より具体的には、ウェブブラウザ等の端末アプリケーション21に実装されている、予めリンクされた別ページ(別画面)に移動(ジャンプ)して当該別ページを画面上に表示させるリンクジャンプ機能や、動画再生機能を有する端末アプリケーション21に実装されている、再生中の動画を一時停止する機能等である。
また、画面上の操作オブジェクトではない部分のうち、各端末アプリケーション21のメインコンテンツ(例えば、動画コンテンツ、写真コンテンツ等)が表示される表示オブジェクトを示す「描画オブジェクト」がある。どの表示内容がメインコンテンツをなすものか、即ちどの表示内容が描画オブジェクトであるかを示す情報は、本実施形態では、図示しない定義情報データベースに記憶されているものとする。定義情報データベースには、描画オブジェクトに該当する表示オブジェクトの表示分類情報の一覧を示す情報(一以上の表示分類情報のリスト)が、端末アプリケーション21毎の定義情報として記憶されている。定義情報データベースに記憶される定義情報は、例えば、通知情報表示装置10Aの製造時において記憶されてもよいし、ユーザにより設定可能とされてもよいし、インターネット等を介してダウンロード可能とされてもよい。
本実施形態では、上記定義情報データベースにおいて、動画再生機能を有する端末アプリケーション21の定義情報には、動画コンテンツであることを示す表示分類情報が記憶されており、写真表示機能を有する端末アプリケーション21の定義情報には、写真コンテンツであることを示す表示分類情報が記憶されているものとする。即ち、本実施形態では、動画再生機能を有する端末アプリケーション21では、動画コンテンツが表示される表示オブジェクトが描画オブジェクトであり、写真表示機能を有する端末アプリケーション21では、写真コンテンツが表示される表示オブジェクトが描画オブジェクトであるものとされているものとする。
端末アプリケーション21によって保持されている操作オブジェクト及び描画オブジェクトの表示オブジェクト情報は、例えば、アプリケーションの動作及び画面表示等を規定するプログラム及び設定ファイル等により規定されている。即ち、端末アプリケーション21は、自身の動作及び画面表示を規定するプログラム及び設定ファイル等を保持することにより、表示オブジェクト毎の表示オブジェクト情報を保持している。
例えば、スマートフォンやタブレット等の携帯端末向けOS(Operating System)の一つでは、アプリケーション開発者向けに、当該OS上で動画再生機能等を簡易に実装できるクラス(VideoView)が用意されている。VideoViewクラスを用いた動画再生機能を有する端末アプリケーション21では、当該アプリケーションの動作及び画面表示等を規定するプログラム及び設定ファイル等において、ユーザによる接触操作がされて以下のような動画再生に関する機能(メソッド)が実行されるボタン表示及びシークバー等の表示部品、即ち操作オブジェクト毎の表示オブジェクト情報が記述されている。ここで、以下に示す各機能(メソッド)を示す情報が、個々の操作オブジェクトの表示オブジェクト情報に含まれる関連付け機能情報に相当する。
・VideoView#startメソッド:再生開始
・VideoView#stopPlayBackメソッド:再生停止
・VideoView#pauseメソッド:一時停止
・VideoView#seekToメソッド:シーク
同様に、VideoViewクラスを用いた動画再生機能を有する端末アプリケーション21では、上述の設定ファイルにおける以下のようなタグ記載により、表示オブジェクトの画面上における配置(表示位置情報、表示サイズ情報)が規定されている。以下のタグ記載は、ある1つの表示オブジェクトの配置を規定する記載部分である。例えば、以下のタグ記載の1行目では、当該タグ記載により規定される表示オブジェクトの表示分類情報が動画コンテンツに係るもの(VideoView)であることが示されている。表示情報取得部12は、例えば、上述の定義情報データベースを参照し、この表示分類情報が、動画再生機能を有する端末アプリケーション21の定義情報として記憶されているか否かを判定することにより、当該表示オブジェクトが描画オブジェクトであると特定することができる。
<VideoView android:id="@+id/videoview_id"
android:layout_width="wrap_content"
android:layout_height="wrap_content"
/>
続いて、表示情報取得部12が表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報を取得する方法について説明する。
本実施形態では、上述した動画再生機能を有する端末アプリケーション21が、タッチパネル11を介したユーザ操作等により起動される。この際、端末アプリケーション21は、端末アプリケーション21専用の画面表示をタッチパネル11の画面上に表示させるために、図示しない画面表示部に対し、端末アプリケーション21専用の画面表示を構成する描画オブジェクト(動画コンテンツの表示部分)及び操作オブジェクト(一時停止ボタン、シークバー等の表示部分)のそれぞれについての表示オブジェクト情報を出力する。そして、画面表示部(不図示)は、表示オブジェクト毎の表示オブジェクト情報を入力して、各表示オブジェクトをタッチパネル11の画面上に表示させる。
図4に、このようにして表示された画面例を示す。図4において、点線で囲まれた操作アイコン及び操作バー等の表示部分が操作オブジェクトR2であり、画面中央部の猫が映った動画コンテンツの表示部分のうち操作オブジェクトR2を除いた部分が描画オブジェクトR1である。なお、本実施形態では、画面上において描画オブジェクト及び操作オブジェクトのいずれにも該当しない部分を「空オブジェクト」として定義する。
表示情報取得部12は、例えば画面表示部を介して端末アプリケーション21が起動時に出力した表示オブジェクト情報を表示オブジェクト毎に取得する。そして、表示情報取得部12は、表示オブジェクト情報に含まれる表示位置情報及び表示サイズ情報に基づいて、表示オブジェクトの表示領域情報を取得する。
また、表示情報取得部12は、例えば、表示オブジェクト情報に関連付け機能情報が含まれているか否かを判定し、関連付け機能情報が含まれていると判定した場合に、当該表示オブジェクトが操作オブジェクトであると判定する。即ち、表示情報取得部12は、当該表示オブジェクトの種別情報として「操作オブジェクト」を取得する。
一方、表示情報取得部12は、例えば、表示オブジェクト情報に関連付け機能情報が含まれていないと判定した場合には、表示オブジェクト情報に含まれる表示分類情報と、上述した定義情報データベース(不図示)に記憶された定義情報を照合する。そして、表示情報取得部12は、当該表示分類情報が定義情報として記憶されている場合に、当該表示オブジェクトが描画オブジェクトであると判定する。即ち、表示情報取得部12は、当該表示オブジェクトの種別情報として「描画オブジェクト」を取得する。
また、表示情報取得部12は、表示オブジェクトが操作オブジェクトであるとも描画オブジェクトであるとも判定しなかった場合には、当該表示オブジェクトはいずれのオブジェクトでもないと判定し、当該表示オブジェクトの種別情報として「空オブジェクト」を取得する。
以上のようにして、表示情報取得部12は、表示オブジェクト毎の表示領域情報及び種別情報を取得する。即ち、表示情報取得部12は、図4に示すような描画オブジェクトR1及び操作オブジェクトR2毎の表示領域を把握する。
なお、表示情報取得部12が上述の画面表示部(不図示)の機能を兼ね備えていてもよい。この場合には、表示情報取得部12は端末アプリケーション21から直接表示オブジェクト情報を取得することになる。
また、端末アプリケーション21が起動した後にユーザ操作等によって表示オブジェクトの配置が変更される場合等には、例えば、端末アプリケーション21は、画面上の表示を変更するために、起動時と同様に画面表示部に対して表示オブジェクト毎の表示オブジェクト情報を出力するものとする。表示情報取得部12は、端末アプリケーション21が起動した後においても、例えば、このように端末アプリケーション21から出力される表示オブジェクト毎の表示オブジェクト情報を随時取得することにより、表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報を随時取得することができる。
また、例えば複数の表示オブジェクト同士が重畳して表示される場合には、例えば、端末アプリケーション21が、表示オブジェクト間での表示優先順位を示す情報を表示オブジェクト情報に含めて出力するようにしてもよい。これにより、表示情報取得部12は、端末アプリケーション21から出力された表示オブジェクト毎の表示オブジェクト情報に基づいて、実際に画面上に表示される最上位レイヤの表示オブジェクトの種別情報及び表示領域情報を取得することができる。
ただし、表示情報取得部12が表示情報を取得する方法は、上記方法に限定されない。例えばRAM102にタッチパネル11の画面上に表示されている表示オブジェクト毎の表示オブジェクト情報が随時記憶される場合には、表示情報取得部12は、RAM102に記憶された表示オブジェクト情報を参照することにより、タッチパネル11の画面上に表示されている表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報を取得してもよい。
通知領域決定部13Aは、表示情報取得部12により取得された表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報に基づいて、後述する表示要求入力部14により入力される表示要求で示される通知情報を表示させるためのタッチパネル11の画面上の領域を示す通知領域を決定する通知領域決定手段である。より具体的には、通知領域決定部13Aは、描画オブジェクトの表示領域と、操作オブジェクトとの距離とに基づいて、通知領域を決定する。
本実施形態では、通知領域決定部13Aは、タッチパネル11の画面上の領域を予め定めた縦幅及び横幅で複数のグリッドに区切り、描画オブジェクトの表示領域と、操作オブジェクトとの距離とに基づいて、描画オブジェクトと重ならず、且つ、操作オブジェクトから所定距離以上離れた領域(操作オブジェクトが疎な領域)のうちグリッドを最も多く含む矩形状の連続領域を通知領域として決定する。
以下、上述した通知領域決定部13Aによる処理について詳細に説明する。まず、通知領域決定部13Aは、表示情報取得部12により取得された表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報に基づいて、各グリッドに対して表示オブジェクトの種別を対応付ける処理を実行する。
例えば、通知領域決定部13Aは、各グリッドについて、グリッドに含まれる表示オブジェクトの種別毎の面積(例えばドット数)を算出し、面積が最大となる表示オブジェクトの種別を当該グリッドに対応付ければよい。ただし、グリッドに対して表示オブジェクトの種別を対応付ける方法は、上記に限定されない。例えば、通知領域決定部13Aは、グリッドに少しでも描画オブジェクト(又は操作オブジェクト)が含まれる場合には、当該グリッドに描画オブジェクト(又は操作オブジェクト)を対応付けてもよいし、グリッドに描画オブジェクト及び操作オブジェクトの両方が含まれる場合には、当該グリッドにいずれか一方の種別を対応付けるようにしてもよい。
通知領域決定部13Aは、上記処理により、全グリッドについて、グリッドと表示オブジェクトの種別との対応付けを示す情報(以下「対応情報」と表記)を取得する。図5は、図4で示した画面におけるグリッド毎の表示オブジェクトの種別の対応付けを示した図である。即ち、図5は、対応情報を視覚的に表したものである。
続いて、通知領域決定部13Aは、対応情報に基づいて通知領域を決定する処理を行う。当該処理について説明するために、図6を用いて、通知領域決定部13Aが、特定のグリッドからなる領域(特定領域)と重ならない矩形状のグリッド領域(選択領域)を取得する手順の一例について説明する。図6(a)〜(f)において、領域r1,r2は、特定領域を示している。特定領域とは、例えば、描画オブジェクトが対応付けられたグリッドからなる領域、操作オブジェクトが対応付けられたグリッドからなる領域、及び後述するように操作オブジェクトが対応付けられたグリッドからなる領域を拡大した領域等、任意に定められる領域である。
まず、通知領域決定部13Aは、図6(a)に示すように、空グリッドの一つを始点グリッドとして選択する。ここで、当該始点グリッドのみを含む領域を選択領域G1と表す。
続いて、通知領域決定部13Aは、選択領域G1の1つ右側に隣接するグリッドが特定領域であるか否かを判定する。通知領域決定部13Aは、当該判定において、特定領域でないと判定した場合に限り、図6(b)に示すように、始点グリッドからX方向に選択領域を延伸させて選択領域G2を形成する。
続いて、通知領域決定部13Aは、選択領域G1の1つ下側に隣接するグリッドが特定領域であるか否かを判定する。通知領域決定部13Aは、当該判定において、特定領域でないと判定した場合に限り、図6(c)に示すように、始点グリッドからY方向に選択領域を延伸させて選択領域G3を形成する。
続いて、通知領域決定部13Aは、図6(d)に示すように、始点グリッドG1を基準グリッド(最も左上に位置するグリッド)として、選択領域G3のX方向の延伸幅「2」及びY方向の延伸幅「2」をそれぞれX方向及びY方向の長さ(グリッド数)とする矩形状の選択領域G4を形成する。
続いて、通知領域決定部13Aは、上記と同様の処理を行うことにより、図6(e)に示すような矩形状の選択領域G5を形成する。
続いて、通知領域決定部13Aは、選択領域G5の1つ右側に隣接するグリッドが空グリッドであると判定し、始点グリッドからX方向に選択領域を延伸させる。一方、選択領域G5の1つ下側に隣接するグリッドは特定領域r1に属するグリッドであるため、通知領域決定部13Aは、選択領域G5の1つ下側に隣接するグリッドが特定領域であると判定し、Y方向への延伸を停止する。
その後、通知領域決定部13Aは、X方向への延伸のみを継続する。そして、上述の判定処理を行うことにより、1つ右側に隣接するグリッドが特定領域r2であると判定するまで、即ち特定領域r2に隣接するグリッドに到達するまで選択領域をX方向に延伸する。これにより、通知領域決定部13Aは、図6(f)に示すような選択領域G6を取得する。具体的には、通知領域決定部13Aは、始点グリッドG1の位置を特定する情報(XY座標等)と、X方向及びY方向それぞれの延伸幅(グリッド数)を示す情報とを、選択領域G6を特定する情報として取得する。
ここで、通知領域決定部13Aは、以下のような処理を行うことにより通知領域を決定してもよい。即ち、通知領域決定部13Aは、予め操作オブジェクトに対応付けられたグリッドからなる領域を外側に所定距離(例えば上下左右グリッド2個分等)だけ拡大する。そして、通知領域決定部13Aは、描画オブジェクト又は拡大後の操作オブジェクトが対応付けられている領域を特定領域として、図6に示した選択領域の取得手順を行う。このようにした場合には、上述の手順によって取得される選択領域G6は、描画オブジェクトと重ならず且つ操作オブジェクトから所定距離以上離れた(操作オブジェクトが疎な)矩形状の領域として得られたものとなる。そして、通知領域決定部13Aは、全ての空グリッドについて、各空グリッドを始点グリッドとして上述の処理を行うことにより、始点グリッド毎に選択領域を取得する。その後、通知領域決定部13Aは、取得した選択領域のうちから、面積(グリッド数)が最大となる選択領域(連続領域)を、通知領域として決定する。
ただし、通知領域決定部13Aが通知領域を決定する方法は、上記方法に限定されない。例えば、通知領域決定部13Aは、以下のように処理を何段階かに分けて実行してもよい。即ち、例えば、通知領域決定部13Aは、描画オブジェクトに対応付けられている領域のみを特定領域として、図6に示した選択領域の取得手順を行い、一以上の選択領域(第1の選択領域)を取得する。続いて、通知領域決定部13Aは、操作オブジェクトに対応付けられている領域のみを特定領域として、図6に示した選択領域の取得手順を行い、一以上の選択領域(第2の選択領域)を取得する。続いて、通知領域決定部13Aは、第2の選択領域において特定領域と隣接する辺から所定距離(グリッド2個分)の範囲にあるグリッドを、第2の選択領域から除外する。続いて、通知領域決定部13Aは、第1の選択領域及び上記の除外が行われた第2の選択領域のそれぞれから一つずつ抽出した選択領域同士の全ての組み合わせについて、互いに重なるグリッド領域を算出する。その後、通知領域決定部13Aは、このようにして算出されたグリッド領域のうちから、面積(グリッド数)が最大となる選択領域(連続領域)を、通知領域として決定することができる。
表示要求入力部14は、ユーザに対するポップアップ等の通知情報の表示要求を入力する表示要求入力手段である。「通知情報の表示要求」には、例えば、通知内容(例えば、表示するテキスト及び画像等)及び通知情報のデフォルト表示サイズ(通知情報のポップアップ領域のX方向及びY方向の大きさ)を示す情報が含まれている。また、通知情報は、ユーザの接触操作により選択された際に所定の端末アプリケーションの機能が実行されるようにされていてもよい。この場合には、通知情報の表示要求には、実行される端末アプリケーションの機能を示す情報が含まれていてもよい。このような場合の例としては、例えばメール受信を通知する通知情報がユーザの接触操作により選択された際に、メールアプリケーションを起動し、受信メールの内容を示す画面を表示させるような場合がある。
通知情報の表示要求は、例えば以下のような場合に、表示要求入力部14に対して出力される。例えばメール受信機能を有する端末アプリケーション22が、新着メールを受信した際に、新着メールを受信したことを示す通知情報の表示要求を表示要求入力部14に対して出力する。また、例えばアラーム機能を有する端末アプリケーション22が、予め定められたタイマ時刻(例えば「7:00」)が経過した際に起動(タイマ起動)し、例えば「7:00になりました。」等のメッセージが表示されたポップアップ等の通知情報の表示要求を表示要求入力部14に対して出力する。また、例えばインターネット等を介して通知情報表示装置10Aと通信可能とされた外部サーバ(不図示)が、通知情報表示装置10Aにインストールされている端末アプリケーションのアップデート情報や地震速報等を示す通知情報の表示要求を表示要求入力部14に対して出力する。
通知情報表示部15は、表示要求入力部14により入力された表示要求で示される通知情報を、通知領域決定部13Aにより決定された通知領域に表示させる通知情報表示手段である。通知情報表示部15は、通知領域の大きさに基づいて通知情報の表示サイズを拡大又は縮小した上で、通知情報を通知領域に表示させる。
例えば、通知情報表示部15は、表示要求に含まれている通知情報のデフォルト表示サイズを取得するとともに、通知領域のX方向及びY方向のサイズ(通知領域サイズ)を取得する。続いて、通知情報表示部15は、X方向及びY方向のそれぞれについて、デフォルト表示サイズと通知領域サイズとを比較し、X方向及びY方向のいずれかにおいて通知領域サイズがデフォルト表示サイズよりも小さい場合には、それぞれについてのサイズ比を算出する。そして、通知情報表示部15は、当該サイズ比に基づいて、縦横比を維持したまま通知情報を縮小し、X方向及びY方向のいずれにおいても通知情報が通知領域サイズに収まるような最大の倍率を算出する。通知情報表示部15は、例えば、このようにして算出された倍率で通知情報を縮小した上で、通知領域の中心位置(X方向及びY方向の中点位置)と通知情報の中心位置とを一致させて当該通知情報を表示させる。このようにすれば、通知情報を通知領域に収めつつ、できるだけ大きな表示サイズで表示させることができる。
図7は、上述した通知情報表示装置10Aにより表示される通知情報を示す図である。図7の例では、通知領域決定部13Aにより、描画オブジェクトR1と重ならず、且つ操作オブジェクトR2が疎な領域である通知領域R3が決定されている。そして、通知情報表示部15により、当該通知領域R3の中心位置と通知情報Pの中心位置とが一致するようにデフォルト表示サイズよりも縮小された通知情報Pが表示されている。
続いて、図8に示すフロー図を用いて、通知情報表示装置10Aにより実行される処理フロー(本発明の一実施形態に係る通知情報表示方法を含む)について説明する。
まず、通知情報表示装置10AのROM103等に予め記憶された端末アプリケーション21が、上述したようなタッチパネル11を介したユーザ操作により起動される(ステップS11)。
続いて、表示情報取得部12が例えば端末アプリケーション21により出力された表示オブジェクト情報を取得することにより、タッチパネル11の画面上に表示される表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報が取得される(ステップS12、表示情報取得ステップ)。
続いて、通知領域決定部13Aにより、表示情報取得ステップ(ステップS12)において取得された表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報に基づいて、通知情報を表示させるための通知領域が決定される(ステップS13、通知領域決定ステップ)。
ステップS11〜S13の処理は、異なる端末アプリケーション21が起動される等によりタッチパネル11の画面上に表示される表示オブジェクトの配置が変更される毎に、繰り返し実行される。
続いて、表示要求入力部14により、タイマ起動した端末アプリケーション22及びインターネットを介して通知情報表示装置10Aと通信可能とされた外部サーバ(不図示)等からのユーザに対する通知情報の表示要求が入力される(ステップS14、表示要求入力ステップ)。
続いて、通知情報表示部15により、通知領域決定ステップ(ステップS13)において決定された通知領域に通知情報が表示される(ステップS15、通知情報表示ステップ)。
以上説明した本実施形態に係る通知情報表示装置10Aによれば、タッチパネル11の画面上に表示されている表示オブジェクトの種別毎の表示領域に基づいて、画面表示状況及びユーザの利便性を考慮した、より適切な位置に通知情報を表示することができる。より具体的には、通知情報表示装置10Aによれば、例えば、描画オブジェクトR1と重ならない領域を通知領域R3とすることにより、例えばユーザによる静止画及び動画等の特定の表示コンテンツの視聴を阻害してしまうことを防止できる。さらに、例えば、操作オブジェクトR2との距離に基づいて操作オブジェクトR2の疎な領域を通知領域R3とすることにより、ユーザの誤操作を防止することもできる。
また、通知情報表示装置10Aでは、描画オブジェクトR1と重ならず且つ操作オブジェクトR2が最も疎である矩形状の連続領域を通知領域R3として、グリッドに基づく計算処理によって簡易に算出することができる。
また、通知情報表示装置10Aでは、通知領域決定部13Aにより決定された通知領域R3の大きさに合わせて通知情報Pを適切に表示させることができる。本実施形態で示したように、通知領域R3の大きさが通知情報Pのデフォルト表示サイズよりも小さい場合には、通知情報Pの表示サイズを縮小することにより、通知領域R3に収まるように通知情報Pを表示させることができる。また、例えば、通知領域R3の大きさが通知情報Pのデフォルト表示サイズよりも大きい場合には、通知情報Pの表示サイズを拡大することにより、通知情報Pを目立たせるようにすることも可能である。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る通知情報表示装置10Bについて説明する。図1(b)に示すように、通知情報表示装置10Bは、通知情報表示装置10Aと同様に、タッチパネル(画面)11が設けられた略長方形状の面(表面)を有し、紙面奥行方向に厚みをもった略直方体状の携帯端末装置として構成されている。さらに、通知情報表示装置10Bでは、側面全体にユーザの保持位置を検出するタッチセンサ16を有する。タッチセンサ16は、例えば圧力がかかった位置や圧力の大きさ等を検出する圧力センサ等である。
図9は、通知情報表示装置10Bの機能構成を示す図である。図9に示すように、通知情報表示装置10Bは、通知情報表示装置10Bに対するユーザの保持位置を検出する保持位置検出手段であるタッチセンサ16を備える点、及び、タッチセンサ16により検出された通知情報表示装置10Bに対するユーザの保持位置に基づいて通知領域決定部13Bが通知領域を決定する点において、通知情報表示装置10Aと相違する。それ以外の構成については、通知情報表示装置10Bは、通知情報表示装置10Aと同様である。したがって、以下では、通知情報表示装置10Bの通知情報表示装置10Aと相違する点について主に説明する。
通知情報表示装置10Bでは、上述のとおり、タッチセンサ16が、通知情報表示装置10Bに対するユーザの保持位置を検出(感知)する。例えばタッチセンサ16が圧力センサとして構成される場合には、タッチセンサ16は、ユーザが通知情報表示装置10Bを保持する際の握りの強さ(圧力)を検出し、例えば最大圧力を検出した位置をユーザの保持位置として検出してもよい。また、タッチセンサ16は、従来の手法を用いることにより、ユーザが左手及び右手のどちらの手で通知情報表示装置10Bを保持しているかについて検出してもよい。通知領域決定部13Bは、通知領域を決定するにあたって、まず、タッチセンサ16により検出されたユーザの保持位置に基づいて、ユーザが簡易に操作可能と想定される領域(簡易操作想定領域)を取得する。
図10を用いて、通知領域決定部13Bにより決定される簡易操作想定領域及び通知領域について詳細に説明する。図10(a)は、通知情報表示装置10Bが、タッチパネル11の左上側の位置でユーザにより保持される場合を示している。また、図10(b)は、通知情報表示装置10Bが、タッチパネル11の右下側の位置でユーザにより保持される場合を示している。なお、ここでの上下左右の方向は、図10(a),(b)に示した通知情報表示装置10Bの状態を基準としている。
簡易操作想定領域とは、例えば、ユーザが通知情報表示装置10Bに対する握りを変えることなくタッチパネル11に対するタッチ操作をすることが可能と推定される画面上の領域のことである。例えば、タッチパネル11の画面上の領域であってユーザの保持位置から近いところにある領域は、ユーザが通知情報表示装置10Bに対する握りを変えることなくタッチすることが可能な領域であると想定される。
したがって、通知領域決定部13Bは、例えば図10(a)及び(b)に示すように、タッチパネル11の画面内の領域において、タッチセンサ16により検出されたユーザの保持位置から所定半径距離(例えば10cm)以内の範囲に含まれる領域を簡易操作想定領域R4として取得する。例えば、通知領域決定部13Bは、予め、上述のような簡易操作想定領域を示す情報を、タッチセンサ16の検出位置毎に関連付けて記憶しておけばよい。このようにすれば、通知領域決定部13Bは、当該情報を参照することにより、タッチセンサ16が検出した検出位置(ユーザの保持位置)に対応する簡易操作想定領域を示す情報を取得することができる。
通知領域決定部13Bは、簡易操作想定領域R4を取得した後、簡易操作想定領域R4の範囲内において、上述した通知領域決定部13Aと同様の処理を実行する。これにより、通知領域決定部13Bは、図10(a)及び(b)に示すように、簡易操作想定領域R4内に収まるような通知領域R3を取得し、通知情報表示部15が、このようにして取得された通知領域R3に通知情報Pを表示させる。
続いて、図11に示すフロー図を用いて、通知情報表示装置10Bにより実行される処理フロー(本発明の一実施形態に係る通知情報表示方法を含む)について説明する。
まず、通知情報表示装置10BのROM103等に予め記憶された端末アプリケーション21が、上述したようなタッチパネル11を介したユーザ操作により起動される(ステップS21)。
続いて、表示情報取得部12が例えば端末アプリケーション21により出力された表示オブジェクト情報を取得することにより、タッチパネル11の画面上に表示される表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報が取得される(ステップS22、表示情報取得ステップ)。
続いて、通知領域決定部13Bにより、タッチセンサ16により検出されたユーザの保持位置に基づいて、ユーザが簡易に操作可能と想定される簡易操作想定領域R4が取得される(ステップS23)。その後、通知領域決定部13Bにより、簡易操作想定領域R4の範囲内において、表示情報取得ステップ(ステップS22)において取得された表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報に基づいて、通知情報を表示させるための通知領域が決定される(ステップS24)。
ステップS21〜S24の処理は、異なる端末アプリケーション21が起動される等によりタッチパネル11の画面上に表示される表示オブジェクトの配置が変更される毎に、繰り返し実行される。
続いて、表示要求入力部14により、タイマ起動した端末アプリケーション22及びインターネットを介して通知情報表示装置10Aと通信可能とされた外部サーバ(不図示)等からのユーザに対する通知情報の表示要求が入力される(ステップS25、表示要求入力ステップ)。
続いて、通知情報表示部15により、通知領域決定ステップ(ステップS23,S24)において決定された通知領域に通知情報が表示される(ステップS26、通知情報表示ステップ)。
以上説明した本実施形態に係る通知情報表示装置10Bによっても、上述した通知情報表示装置10Aと同様の効果を奏する。さらに、通知情報表示装置10Bによれば、通知情報表示装置10Bの側面部に設けられたタッチセンサ16によって検出された通知情報表示装置10Bに対するユーザの保持位置に基づいて、ユーザが通知情報表示装置10Bに対する握りを変えることなくタッチパネル11の操作をすることが可能と推定される簡易操作想定領域を取得することができる。そして、このようにして取得した簡易操作想定領域のうちから通知領域を決定することにより、ユーザによる通知情報選択操作を容易にし、ユーザの利便性を向上させることができる。
例えば、メール受信の通知情報がされた際には、ユーザが後で新着メールを確認しようと考える場合もあれば、すぐに新着メールを確認したいと考える場合もある。簡易操作想定領域の範囲内において決定された通知領域に通知情報を表示されることにより、後者の場合に、ユーザは、新着メールの通知情報が表示されたらすぐに当該通知情報を選択して新着メールを画面上に表示させる操作を行うことができる。
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3実施形態に係る通知情報表示装置10Cについて説明する。本実施形態に係る通知情報表示装置10Cは、図2に示す通知情報表示装置10Aにおける通知情報表示部15の代わりに通知情報表示部15Cを備える点で通知情報表示装置10Aと相違しており、それ以外の構成(タッチパネル11、表示情報取得部12、通知領域決定部13A、表示要求入力部14、端末アプリケーション21,22、アンテナ23)は、通知情報表示装置10Aと同様である。
通知情報表示部15Cは、通知領域の大きさがユーザの接触操作により可変となるように、通知領域決定部13Aにより決定された通知領域に通知情報を表示させる。図13は、タッチパネル11に表示された画面の一例を示す図である。図13(a)に示すように、通知情報表示部15Cは、表示要求入力部14に通知情報の表示要求が入力されると、通知情報P31自体を拡大又は縮小することなく、通知領域R31に表示可能な範囲で、通知情報P31の一部(例えば通知情報P31に含まれる文字列の先頭数文字)を表示する。この状態において、通知情報表示部15Cは、タッチパネル11上の通知領域R31が表示されている部分に対するユーザによる接触操作をタッチパネル11を介して検知すると、当該接触操作に応じて通知領域R31を拡大又は縮小する。具体的には、通知情報表示部15Cは、例えばタッチパネル11上の通知領域R31が表示されている部分を指等でタッチしてスライドさせる接触操作を検知すると、スライド方向に通知領域R31を拡大又は縮小する(図13(b)参照)。このような通知領域R31の拡大によって、通知情報P31のうちユーザが参照可能な範囲が増え、ユーザは、通知情報P31の詳細な内容を把握することが可能となる。
以上説明した通知情報表示装置10Cによれば、ユーザは、簡易な接触操作(例えば上述したスライド操作)により通知領域R31を拡大又は縮小することで、参照したい範囲で通知情報P31を参照することができる。
[第4実施形態]
続いて、本発明の第4実施形態に係る通知情報表示装置10Dについて説明する。本実施形態に係る通知情報表示装置10Dは、表示要求入力部14の代わりに表示要求入力部14Dを備え、通知領域決定部13Aの代わりに通知領域決定部13Dを備える点で通知情報表示装置10Aと相違しており、それ以外の構成(タッチパネル11、表示情報取得部12、通知情報表示部15、端末アプリケーション21,22、アンテナ23)は、通知情報表示装置10Aと同様である。
表示要求入力部14Dは、複数の通知情報の表示要求を入力する。例えば、表示要求入力部14Dは、複数のアプリケーション等からの通知情報の表示要求を連続して入力することができる。
通知領域決定部13Dは、表示情報取得部12により取得された表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報に基づいて、タッチパネル11の画面上の領域であって通知情報を表示可能な複数の候補領域を決定する。通知領域決定部13Dは、例えば以下のようにして複数の候補領域を決定することができる。
まず、通知領域決定部13Dは、上述した通知領域決定部13Aと同様に、タッチパネル11の画面上の領域を予め定めた縦幅及び横幅で複数のグリッドに区切り、始点グリッド毎に選択領域を取得する(図6参照)。
続いて、通知領域決定部13Aは、始点グリッド毎に取得した選択領域について、面積(グリッド数)が大きい順に順位付けする。通知領域決定部13Dは、順位付けされた選択領域のうち、例えば上位N個の領域、あるいは所定の閾値以上の面積を有する領域等を、候補領域として決定することができる。ここで、上記Nの値及び所定の閾値はいずれも、例えば管理者又はユーザによる設定により予め定められる。なお、通知領域決定部13Dは、上述のように決定した候補領域の情報を以後の処理に利用するために一定期間保持してもよいし、候補領域の情報が必要となった際にその都度上述の計算処理を実行することで候補領域を決定してもよい。
通知領域決定部13Dは、表示要求入力部14Dによって複数の通知情報の表示要求が入力された場合に、複数の候補領域それぞれの大きさに基づいて複数の候補領域のうち一の候補領域を分割するか否かを判定する。通知領域決定部13Dは、一の候補領域を分割すると判定した場合には、一の候補領域を分割して得られる各領域を、複数の通知情報を表示させるための通知領域として決定する。
図14を用いて、表示要求入力部14Dが2つの通知情報P1,P2の表示要求をこの順に連続して入力した場合における通知領域決定部13Dの処理の一例について説明する。ここで、通知情報P1,P2は、例えば異なるアプリケーションからの通知情報である。例えば、通知情報P1は、メールアプリケーションからのメール着信を示す通知であり、通知情報P2は、インスタントメッセンジャーからのメッセージ着信を示す通知である。ここで、上述のように決定された複数の候補領域のうち最大の面積を持つ領域を候補領域C1とし、2番目に大きい面積を持つ領域を候補領域C2(図示は省略)とする。
まず、通知情報P1の表示要求が表示要求入力部14Dによって入力されると、通知領域決定部13Dは、通知領域決定部13Aと同様に、最大の面積を持つ候補領域C1を、通知情報P1を表示させるための通知領域として決定する。これにより、通知情報表示部15によって、通知情報P1が通知領域として決定された候補領域C1に表示される(図14(a)参照)。
続いて、通知情報P2の表示要求が表示要求入力部14Dによって入力されると、通知領域決定部13Dは、例えば候補領域C1の面積の半分が候補領域C2の面積よりも大きいか否かを判定する。
候補領域C1の面積の半分が候補領域C2の面積より大きい場合には、通知領域決定部13Dは、候補領域C1を、例えば短辺方向(この場合、縦方向)に沿って長辺方向(この場合、横方向)を二分割(例えば等分割)することで、領域C11,C12を生成する。ただし、候補領域C1の分割方法は、上記に限定されない。続いて、通知領域決定部13Dは、領域C11を通知情報P1を表示させるための通知領域として決定すると共に、領域C12を通知情報P2を表示させるための通知領域として決定する。これにより、通知情報表示部15によって、領域C11,C12に通知情報P1,P2が表示される(図14(b)参照)。このようにして、新しい通知情報P2は、先にタッチパネル11の画面上に表示されている通知情報P1と並列に、タッチパネル11の画面上に表示される。ここで、通知情報P1は、新しい通知情報P2が通知されるまでに非表示にされていない通知情報である。通知情報P1は、例えばユーザによる接触操作等により選択された後に非表示とされる(画面上から削除される)。なお、通知領域決定部13Dは、領域C11を通知情報P2を表示させるための通知領域として決定すると共に、領域C12を通知情報P1を表示させるための通知領域として決定してもよい。
一方、候補領域C1の面積の半分が候補領域C2の面積以下である場合には、通知領域決定部13Dは、候補領域C1を引き続き通知情報P1を表示させるための通知領域とした上で、候補領域C1の次に面積が大きい候補領域C2を、通知情報P2を表示させるための通知領域として決定する。その後、通知情報表示部15によって、候補領域C1,C2に通知情報P1,P2が表示される。ここで、通知領域決定部13Dは、新しい通知情報P2を古い通知情報P1よりも大きい領域に目立たせて表示させるべく、候補領域C1を通知情報P2を表示させるための通知領域として決定すると共に、候補領域C2を通知情報P1を表示させるための通知領域として決定してもよい。
続いて、候補領域C1を分割して得られた領域C11,C12が通知情報P1,P2の通知領域として決定された後に、表示要求入力部14Dによって3つ目の通知情報P3の表示要求が入力された場合について考える。この場合には、通知領域決定部13Dは、例えば候補領域C1の面積の3分の1が候補領域C2の面積よりも大きいか否かを判定することで、候補領域C1を分割(三等分)するか否かを決定することができる。
具体的には、候補領域C1の面積の3分の1が候補領域C2の面積より大きい場合には、通知領域決定部13Dは、候補領域C1を三等分して得られた各領域を、通知情報P1,P2,P3を表示させるための新たな通知領域として決定する。一方、候補領域C1の面積の3分の1が候補領域C2の面積以下である場合には、通知領域決定部13Dは、例えば、領域C11,C12を引き続き通知情報P1,P2を表示させるための通知領域とした上で、候補領域C1の次に面積が大きい候補領域C2を、通知情報P3を表示させるための通知領域として決定する。
なお、表示要求入力部14Dによって複数の通知情報の表示要求が入力された場合のうち上述した場合以外であっても、通知領域決定部13Dは、上述の判定処理と同様の考え方による判定処理を実行することで、候補領域を分割するか否かを決定することができる。即ち、通知領域決定部13Dは、候補領域を分割して新たに得られる領域を通知領域として用いた方が、候補領域を分割しない場合よりも、複数の通知領域間で大きさが均等化される(面積が最大の通知領域と面積が最小の通知領域との間の面積差が小さくなる)と判定した場合に、候補領域を分割することができる。このように、通知領域決定部13Dは、一の候補領域を分割して得られる各領域の大きさが、通知情報が表示されていない他の候補領域よりも大きい場合に、一の候補領域を分割して得られる各領域を通知領域としてもよい。
以上説明した通知情報表示装置10Cによれば、複数の通知情報P1,P2を画面上に表示する必要がある場合において、各候補領域の大きさに基づいて、より適切な位置に通知情報を表示することが可能となる。例えば、一の候補領域C1の大きさが他の候補領域の大きさよりも十分に大きい場合には、一の候補領域C1を分割して得られた各領域C11,C12を通知領域として通知情報P1,P2を表示することで、ユーザに対して通知情報P1,P2を見易く表示することが可能となる。より具体的には、複数の通知領域間で通知領域の大きさを均等化することができ、一部の通知情報が見難くなってしまうという状況を回避することができる。
[第5実施形態]
続いて、本発明の第5実施形態に係る通知情報表示装置10Eについて説明する。本実施形態に係る通知情報表示装置10Eは、通知情報表示部15の代わりに通知情報表示部15Eを備える点で通知情報表示装置10Aと相違しており、それ以外の構成(タッチパネル11、表示情報取得部12、通知領域決定部13、表示要求入力部14、端末アプリケーション21,22、アンテナ23)は、通知情報表示装置10Aと同様である。
図15(a)に示すように通知領域R51に通知情報P51が表示されている状態において、画面表示の縦横表示切替によって画面構成が縦表示から横表示に変更される場合を考える。このような縦横表示切替は、例えばタッチパネル11の画面表示を制御する表示制御部(不図示)により実行される。表示制御部は、例えば通知情報表示装置10Eの筐体内部に備えられた加速度センサのセンサ値に基づいて通知情報表示装置10Eの向き(姿勢)を判定し、通知情報表示装置10Eの向きに応じた画面表示(横表示又は縦表示)を行う。
通知情報表示装置10Eでは、通知情報表示部15Eは、画面構成の変更を検知すると、例えば通知領域決定部13に通知領域の再計算を実行させることで、画面構成が変更された後の通知領域R52を決定させる。そして、通知情報表示部15Eは、画面構成が変更される前の通知領域R51に表示していた通知情報P51を、画面構成が変更された後の通知領域R52に表示させる。
なお、画面構成が変更されるトリガは、上述した縦横表示切替に限定されない。例えばアプリケーションの起動及び終了等によってアクティブなアプリケーション(画面最前面に表示されるアプリケーション)が変更されることも、画面構成の変更のトリガとなり得る。例えば、動画を再生するアプリケーションが終了した場合等には、画面上の表示オブジェクトの配置が大きく変化することが考えられる。従って、通知情報表示部15Eは、アクティブなアプリケーションの変更を検知可能な構成とされると共に、アクティブなアプリケーションの変更を検知した場合に通知領域決定部13に通知領域の再計算を実行させる構成とされてもよい。
以上説明した通知情報表示装置10Eによれば、画面構成の変更に応じて適切な位置及び大きさの通知領域R52を決定することができ、画面構成が変更される前の通知領域R51に表示されていた通知情報P52を新たに決定された通知領域R52に引き続き表示させることができる。
[第6実施形態]
続いて、本発明の第6実施形態に係る通知情報表示装置10Fについて説明する。本実施形態に係る通知情報表示装置10Fは、通知領域決定部13の代わりに通知領域決定部13Fを備える点で通知情報表示装置10Aと相違しており、それ以外の構成(タッチパネル11、表示情報取得部12、表示要求入力部14、通知情報表示部15、端末アプリケーション21,22、アンテナ23)は、通知情報表示装置10Aと同様である。
通知領域決定部13Fは、表示情報取得部12により取得された表示オブジェクト毎の種別情報及び表示領域情報に基づいて、タッチパネル11の画面上において通知情報を表示可能な領域を決定する。通知領域決定部13Fは、例えば以下のようにして通知情報を表示可能な領域を決定することができる。通知領域決定部13Fは、上述した通知領域決定部13Aと同様に、タッチパネル11の画面上の領域を予め定めた縦幅及び横幅で複数のグリッドに区切り、始点グリッド毎に選択領域を取得する(図6参照)。通知領域決定部13Fは、このようにして取得した選択領域を、通知情報を表示可能な領域(空き領域)として決定することができる。
図16(a)は、タッチパネル11の画面の一例を示す図である。この例において、通知領域決定部13Fは、上述のように決定された空き領域の大きさに基づいてオブジェクト表示領域R61を縮小するか否かを判定する。ここで、オブジェクト表示領域R61とは、タッチパネル11の画面上において表示オブジェクトが表示される領域である。より具体的には、オブジェクト表示領域R61は、例えば個別のアプリケーションの機能によって、動画及び画像等の描画オブジェクトや操作ボタン等の操作オブジェクトが表示される領域である。通知領域決定部13Fは、例えば、空き領域のうち最大の面積(グリッド数)を持つ領域の面積(最大空き面積)と所定の閾値とを比較することにより上記判定を実行する。ここで、所定の閾値は、例えば管理者等又はユーザによる設定等により予め定められる。最大空き面積が所定の閾値以上であれば、通知領域決定部13Fは、通知領域決定部13Aと同様に、最大の面積を持つ空き領域を通知領域に決定する。一方、最大空き面積が所定の閾値未満であれば、通知領域決定部13Fは、オブジェクト表示領域R61を縮小すると判定する。
図16(b)に示すように、通知領域決定部13Fは、オブジェクト表示領域R61を縮小すると判定した場合には、オブジェクト表示領域R61内に表示された表示オブジェクトの表示サイズを各表示オブジェクトの配置関係を維持したまま縮小する。これにより、オブジェクト表示領域R61は、全体的に縮小される。ここで、オブジェクト表示領域R61の縮小率は、任意であり、例えば管理者又はユーザによる設定等により例えば75%等に予め定められる。また、オブジェクト表示領域R61の縦方向の縮小率は、横方向の縮小率と同一であってもよいし、異なっていても良い。縦方向の縮小率と横方向の縮小率とを同一にした場合には、オブジェクト表示領域R61を、縦横比を維持したまま縮小することができる。
通知領域決定部13Fは、上述のようにオブジェクト表示領域R61を縮小することで、オブジェクト非表示領域R62を形成する。ここで、オブジェクト非表示領域R62とは、タッチパネル11の画面上において表示オブジェクトが表示されない領域である。より具体的には、オブジェクト非表示領域R62は、縮小前のオブジェクト表示領域R61から縮小後のオブジェクト表示領域R61を除外した後に残った領域であり、個別のアプリケーションの機能等によって、動画及び画像等の描画オブジェクトや操作ボタン等の操作オブジェクトが表示されない領域である。通知領域決定部13Fは、オブジェクト非表示領域R62に含まれる領域を通知領域R63として決定する。
ここで、オブジェクト表示領域R61を縮小する方向、即ちオブジェクト表示領域R61に対してオブジェクト非表示領域R62が形成される相対位置は、管理者又はユーザによる設定等により予め定められてもよいが、以下のようにして決定することもできる。例えばスマートフォンやタブレット等は、ユーザによってタッチパネル11の画面端近くに親指がかかるように保持されて利用されることが主に想定される。従って、元々画面端近くに配置されていた操作オブジェクトR64が画面端から離れてしまうと、操作オブジェクトR64を操作し難くなり、ユーザビリティが低下してしまうおそれがある。そこで、例えば、通知領域決定部13Fは、オブジェクト非表示領域R62内に表示された操作オブジェクトR64が、画面端からなるべく離れないように、オブジェクト表示領域R61を縮小することができる。また、この場合、オブジェクト表示領域R61のうち操作オブジェクトR64が多く分布している領域から離れた領域にオブジェクト非表示領域R62が形成される。従って、操作オブジェクトR64を操作しようとした際に、オブジェクト非表示領域R62内に形成される通知領域R63に表示された通知情報を誤って選択してしまうといったユーザの誤操作を抑制することもできる。
具体的には、まず、通知領域決定部13Fは、矩形状のオブジェクト表示領域R61の各辺(左辺L1、上辺L2、右辺L3、下辺L4)から予め定められた距離(例えば所定画素数)以内の領域(例えば矩形領域)である辺近傍領域LR1〜LR4のそれぞれに含まれる操作オブジェクトR64の数を算出する。ここで、上記距離は、例えば管理者又はユーザによる設定等により予め定められる。図16(b)に示した例では、左辺L1の辺近傍領域LR1に含まれる操作オブジェクトR64の数は3つであり、上辺L2の辺近傍領域LR2に含まれる操作オブジェクトR64の数は1つであり、右辺L3の辺近傍領域LR3に含まれる操作オブジェクトR64の数は2つであり、下辺L4の辺近傍領域LR4に含まれる操作オブジェクトR64の数は6つである。
通知領域決定部13Fは、辺近傍領域LR1〜LR4に含まれる操作オブジェクトR64の数に基づいてオブジェクト表示領域R61を縮小する方向を決定する。例えば、通知領域決定部13Fは、左右方向に対向する辺近傍領域LR1,LR3のうち領域内に含まれる操作オブジェクトR64の数が少ない辺近傍領域LR3に対応する右辺L3を抽出する。ここで、各辺近傍領域LR1,LR3に含まれる操作オブジェクトR64の数が等しい場合には、通知領域決定部13Fは、左辺L1及び右辺L3のうち任意の辺(例えば予め定められた方の辺)を抽出してもよい。また、通知領域決定部13Fは、上下方向に対向する辺近傍領域LR2,LR4のうち領域内に含まれる操作オブジェクトR64の数が少ない辺近傍領域LR2に対応する上辺L2を抽出する。ここで、各辺近傍領域LR2,LR4に含まれる操作オブジェクトR64の数が等しい場合には、通知領域決定部13Fは、上辺L2及び下辺L4のうち任意の辺(例えば予め定められた方の辺)を抽出してもよい。
続いて、通知領域決定部13Fは、このようにして抽出された2辺(右辺L3及び上辺L2)にオブジェクト非表示領域R62が接するように、オブジェクト表示領域R61を縮小する。即ち、通知領域決定部13Fは、左辺L1及び下辺L4の位置を固定したままで、上辺L2を下方に移動させると共に右辺L3を左方に移動させることで、オブジェクト表示領域R61を全体的に左下方向に縮小する。これにより、元々オブジェクト表示領域R61が表示されていた逆L字状の領域(縮小後のオブジェクト表示領域R61の上辺L2及び右辺L3に接する領域)が、オブジェクト非表示領域R62となる。
通知領域決定部13Fは、上述のようにして形成したオブジェクト非表示領域R62に含まれる一以上の領域を通知領域R63として決定する。ここで、オブジェクト非表示領域R62に含まれる領域のうちどの部分の領域を通知領域63とするかは任意に定めてよい。通知領域決定部13Fは、例えば図16(b)に示すように、画面端(左下端)から上下方向に所定幅毎に区切って形成される各領域(ここでは一例として3つ)を通知領域R63として決定してもよい。上記以外にも、通知領域決定部13Fは、例えば通知領域の位置が操作オブジェクトR64からなるべく離れるようにすべく、オブジェクト非表示領域R62の右上部分の領域を通知領域としてもよい。
以上説明した通知情報表示装置10Fによれば、タッチパネル11の画面上において通知情報を表示可能な領域の大きさが十分でない場合に、オブジェクト表示領域R61を縮小することでオブジェクト非表示領域R62を形成し、オブジェクト非表示領域R62内の通知領域R63に通知情報を表示することができる。また、オブジェクト表示領域R61の各辺近傍に位置する操作オブジェクトの数に基づいて、ユーザの利便性等の観点から好ましい位置にオブジェクト非表示領域R62を形成することができる。具体的には、オブジェクト表示領域R61の上下及び左右の各辺のうち辺近傍領域に操作オブジェクトR64が少ない辺に接するようにオブジェクト非表示領域62を形成することにより、操作オブジェクトR64の操作に関するユーザビリティの低下を抑制することができる。より具体的には、元々画面端近くに配置されていた操作オブジェクトR64が画面端から離れてしまって操作オブジェクトR64が操作し難いものとなることを抑制することができる。また、オブジェクト表示領域R61のうち操作オブジェクトR64が多く分布している辺近傍領域から離れた領域にオブジェクト非表示領域R62が形成されることで、ユーザの誤操作を抑制することができる。より具体的には、操作オブジェクトR64を操作しようとした際に、オブジェクト非表示領域R62内に形成される通知領域R63に表示された通知情報を誤って選択してしまうといったユーザの誤操作を抑制することができる。
なお、表示要求入力部14によって通知情報の表示要求が入力されるまでは、通知領域を決定する必要はないため、通知領域決定部13Fは、表示要求入力部14によって通知情報の表示要求が入力されるまでは、オブジェクト表示領域R61を縮小する必要はない。即ち、通知領域決定部13は、表示要求入力部14によって通知情報の表示要求が入力された後に、オブジェクト表示領域R61を縮小するようにしてもよい。
また、通知領域決定部13Fは、空き領域の大きさに関わらず、表示要求入力部14によって通知情報の表示要求が入力されたことをトリガとして、タッチパネル11の画面を分割(オブジェクト表示領域R61を縮小してオブジェクト非表示領域R62を形成)してもよい。また、通知領域決定部13Fは、予め管理者又はユーザの設定等によりオブジェクト表示領域R61を縮小することが禁止されたアプリケーションが起動している場合には、空き領域の大きさに関わらず、オブジェクト表示領域R61の縮小を行わないようにしてもよい。
また、通知領域決定部13Fは、辺近傍領域LR1〜LR4において操作オブジェクトR64が占める面積(大きさ)に基づいてオブジェクト表示領域R61を縮小する方向を決定してもよい。例えば、通知領域決定部13Fは、上述のように操作オブジェクトR64の数が少ない辺近傍領域に対応する辺を抽出する代わりに、辺近傍領域において操作オブジェクトR64が占める面積が小さい方の辺近傍領域に対応する辺を抽出するようにしてもよい。また、通知領域決定部13Fは、辺近傍領域LR1〜LR4に含まれる操作オブジェクトR64の数及び面積の両方に基づいてオブジェクト表示領域R61を縮小する方向を決定してもよい。
また、通知情報表示装置10Fは、第2実施形態に係る通知情報表示装置10Bと同様にタッチセンサ16を備え、通知領域決定部13Fは、タッチセンサ16が検出した検出位置(ユーザの保持位置)に基づいて簡易操作想定領域を取得してもよい。そして、通知領域決定部13Fは、このように取得した簡易操作想定領域がオブジェクト非表示領域R62に含まれるように、オブジェクト表示領域R61を縮小し、簡易操作想定領域内に収まる領域を通知領域として決定してもよい。これにより、通知情報表示装置10Bと同様に、ユーザの保持位置から近い領域に通知情報を表示することが可能になるため、ユーザによる通知情報選択操作を容易にし、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
[第7実施形態]
続いて、本発明の第7実施形態に係る通知情報表示装置10Gについて説明する。本実施形態に係る通知情報表示装置10Gは、通知情報表示装置10Aにおける通知情報表示部15の代わりに通知情報表示部15Gを備える点で通知情報表示装置10Aと相違しており、それ以外の構成(タッチパネル11、表示情報取得部12、通知領域決定部13A、表示要求入力部14、端末アプリケーション21,22、アンテナ23)は、通知情報表示装置10Aと同様である。
図17(a)に示すように、通知情報表示部15Gは、表示要求入力部14によって複数の表示要求が入力された場合に、各表示要求によって示される複数の通知情報を1つの通知領域R71に関連付け、通知領域R71には、通知情報が存在することを示す通知アイコンQを表示する。ここで、通知情報表示部15Gは、最新の通知情報P71を通知アイコンQとして表示してもよい。
図17(b)に示すように、通知情報表示部15Gは、タッチパネル11上の通知アイコンQが表示されている部分に対する接触操作(タップ等)を検知すると、通知領域R71に関連付けられている複数の通知情報P71〜P74を一覧表示する。ここでは一例として、通知情報表示部15Gは、通知領域R71から下方に蛇腹が開くように、複数の通知情報P71〜P74を短冊状に上下に並べて表示させる。
以上説明した通知情報表示装置10Gによれば、ユーザは、通知アイコンQをタップするという簡易な接触操作により、複数の通知情報P71〜P74を容易に参照することができる。また、通知情報毎に個別の通知領域を用意する必要がないため、例えばスマートフォン等の画面が小さく、十分な大きさの通知領域を複数確保できない場合においても利用することができる。
なお、通知情報表示装置10Gでは、通知情報表示部15Gは、例えば通知元(アプリケーション等)毎に異なる通知領域を表示してもよい。具体的には、例えば図14(b)に示した領域C11,C12のように、通知元毎の通知領域を並列に表示してもよい。この場合において、通知情報表示部15Gは、通知領域に表示された通知アイコンに対する接触操作を検知すると、当該通知領域に関連付けられた通知元からの通知情報を一覧表示するようにしてもよい。
例えば同一の通知元(アプリケーション等)からの通知情報が複数連続して通知される場合がある。特にインスタントメッセンジャー等のアプリケーションでは新着メッセージを短時間で連続して複数受信する場合がある。このような場合に新着メッセージ毎の通知情報を別々の通知領域に表示してしまうと、画面表示が煩雑となり、ユーザの利便性が損なわれるおそれがある。そこで、上述のように、通知元毎に通知領域を1つに束ねることにより、必要な通知領域の数を減らすことができる。また、ユーザは、通知元毎の通知情報の一覧を容易に参照することができる。
具体的には、例えば以下のようにすることで、通知元毎に通知領域を1つに束ねることが可能となる。通知情報表示部15Gは、例えば、一の通知情報を一の通知領域に表示させた場合において、当該通知情報の通知元と当該通知領域とを関連付けた関連付け情報を生成及び保持する。例えば、通知情報表示部15Gは、表示要求入力部14に入力された表示要求に含まれる通知元を示す情報を参照することで、通知情報の通知元を特定し、関連付け情報を生成することができる。通知情報表示部15Gは、新たな通知情報を表示する際に、保持している関連付け情報を参照することで、同一の通知元からの通知領域が既に存在するか否かを判定することができる。そして、同一の通知元からの通知領域が既に存在すると判定された場合には、通知情報表示部15Gは、当該通知領域に新たな通知情報を表示させることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。また、上述の第1〜第7実施形態において説明した各構成は、適宜組み合わせられてもよい。
例えば、本実施形態では、通知情報表示装置10(10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G)が携帯端末装置であるものとして説明したが、本発明に係る通知情報表示装置は、例えば画面を表示するディスプレイを備える据置型のパーソナルコンピュータにも適用可能である。また、この場合には、例えば、表示要求入力部が表示要求を入力した際の状況(例えば、画面上に表示されたマウスカーソルの位置)に基づいて、当該マウスカーソルの位置から所定半径距離以内の領域を簡易操作想定領域としてもよい。
また、本実施形態では、表示要求入力部14が通知情報の表示要求を入力する前に、通知領域決定部13が通知領域を決定するものとして説明したが、本発明に係る通知情報表示装置又は通知情報表示方法は、この処理順序に限定されるものではない。例えば、本発明に係る通知情報表示装置又は通知情報表示方法では、表示要求入力部14が通知情報の表示要求を入力した後に、通知領域決定部13が通知領域を決定するような処理順序としてもよい。