JP6160266B2 - 走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム、制御方法及び制御装置 - Google Patents
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Description
この走査型プローブ顕微鏡としては、探針−試料間の空間制御方法等によって、種々のものが存在する。代表的なものとして、走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy;STM)や原子間力顕微鏡(AtomicForceMicroscopy;AFM)がある。ここで、走査型トンネル顕微鏡は、探針−試料間のトンネル電流が一定となるようにフィードバック制御しながら探針で測定試料表面を走査し、凹凸や物性値を測定可能である。一方、原子間力顕微鏡は、探針−試料間の原子間力が一定となるようにフィードバック制御しながら探針で測定試料表面を走査し、凹凸や物性値を測定可能である。
この場合、例えば、測定される物性値が凹凸の影響を受けないように走査速度を遅くすることが考えられる。
また、例えば、凹凸が存在する測定試料の表面全体を、事前に走査速度を変えて複数回測定し、これらの測定結果に基づいて測定可能な最大走査速度を設定し、この最大走査速度に基づいて測定試料の表面全体の測定を行なうことが考えられる。
また、本走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムは、コンピュータに、測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて一のラインの凹部又は凸部における走査速度を凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、設定された一のラインの走査速度に基づいて一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させ、走査速度を設定する処理において、一のラインの凹部の深さ又は凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、一のラインの凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理をコンピュータに実行させ、さらに、第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報と、第2制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、第1設定値を小さい値に変更して、第1制御信号を出力する処理、走査速度を設定する処理及び第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを要件とする。
本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置は、例えば走査型トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡の制御装置である。なお、走査型プローブ顕微鏡を、観察装置又は表面観測装置ともいう。
まず、原子間力顕微鏡について説明する。
原子間力顕微鏡は、原子オーダの測定試料表面の凹凸や物性値(例えば電流特性値や圧電応答特性値など)を測定可能である。この原子間力顕微鏡は、探針−試料間の原子間力が一定となるようにフィードバック制御されながら探針で測定試料表面を走査し、凹凸や物性値を測定可能である。なお、走査型トンネル顕微鏡は、基本的に導電体試料のみ測定可能であるのに対し、原子間力顕微鏡は、導電体試料のみならず絶縁体試料も測定可能である。このため、例えば半導体デバイスを含む電子デバイスの解析には原子間力顕微鏡が用いられることが多い。
ここでは、プローブ2は、カンチレバー2Aと、その先端に設けられた探針2Bとによって構成される。
XY駆動回路6は、スキャナ5及びコンピュータ10に接続されており、コンピュータ10からの制御信号(走査信号)に基づいて、ステージ4(即ち、ステージ4上の測定試料3)がX方向及びY方向へ移動するように、スキャナ5を駆動する駆動回路である。ここでは、XY駆動回路6は、コンピュータ10からの走査信号に基づいてスキャナ5に備えられるX方向用圧電体及びY方向用圧電体に電圧を印加してこれらを駆動し、ステージ4をX方向及びY方向へ移動させるようになっている。これにより、カンチレバー2Aの先端に設けられた探針2Bが、ステージ4上の測定試料3の表面上を走査(ここではラスタースキャン)する。
ここでは、Zフィードバック回路8は、Z位置検出系7によって検出されたカンチレバー2Aの先端のZ方向位置が一定になるように、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加する電圧をフィードバック制御するようになっている。
このように、Zフィードバック回路8は、測定試料表面の凹凸に応じてカンチレバー2Aの先端が上下動した場合に、Z位置検出系7によって検出されたカンチレバー2Aの先端のZ方向位置が一定になるように、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に電圧を印加してこれを駆動し、ステージ4のZ方向位置をフィードバック制御するようになっている。
ここで、Zフィードバック回路8では、測定試料3の表面上を走査しているときに測定試料表面の凹凸に応じてカンチレバー2Aの先端が上下動した場合に、これに応じて、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加する電圧をフィードバック制御するようになっている。つまり、ステージ4をX方向及びY方向に移動させながら、測定試料表面の凹凸に応じたカンチレバー2Aの先端のZ方向位置に応じて、Z方向にフィードバック制御するようになっている。このため、ステージ4は、測定試料表面の凹凸に依存した軌跡を描くことになる。
例えば、特性値として電流特性値を検出する場合、導電性カンチレバー2Aを用い、物性値検出系9として、導電性カンチレバー2A及びコンピュータ10に接続されたアンプなどを設け、導電性カンチレバー2Aと測定試料3との間に電圧を印加し、導電性カンチレバー2Aに流れる電流量を電流特性値として検出し、これをコンピュータ10へ送るようにすれば良い。これにより、コンピュータ10で例えばI/Vカーブや例えば導電性マッピングなどの電流特性像を取得することが可能となる。
ところで、測定試料3の表面には、例えばクレータ、粒界、加工起因の溝等の凹凸が存在する。このような凹凸が存在する測定試料表面を走査型プローブ顕微鏡1によって測定すると、測定される物性値が凹凸の影響を受けてしまう。
しかしながら、凹凸が存在する測定試料3の表面全体を、遅い走査速度で走査して、凹凸や物性値の測定を行なうと、測定に長時間を要することになる。そして、測定に長時間を要すると、測定試料3の位置がずれたり、測定試料3の表面に電荷がたまって探針2Bがホッピングしたりする場合があり、この結果、凹凸や物性値を正確に測定するのが難しくなる。
この場合、例えば、凹凸起因の影響は無視してそのまま測定し、影響を受けている部分はマスクしてソフトウェア的に無視し、凹凸の影響を受けていない部分のみで解析を行なうことが考えられるが、全体像を把握不可能となるため、正確性に欠ける。
また、例えば、1点毎に、探針2Bを静止させた後、近づけていき、フォースカーブ(原子間力のZ方向距離依存性)を測定し、凹凸を把握し、次に、物性値のZ方向距離依存性を取得し、衝突防止のため、フォースカーブから算出した測定点で探針の動きを止めて物性値を取得し、これを例えば256×256点あるいは512点×512点等繰り返して、画像化することも考えられる。しかしながら、測定に数時間掛かるため、測定試料3の位置がずれるドリフトが発生するおそれがある。
このため、本実施形態では、後述の原子間力顕微鏡の制御装置を、上述の原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10に実装している。
本原子間力顕微鏡の制御装置が実装される、上述の原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10のハードウェア構成は、例えば図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)102、メモリ101、通信制御部109、入力装置106、表示制御部103、表示装置104、記憶装置105、可搬型記録媒体108のドライブ装置107を備え、これらがバス110によって相互に接続された構成になっている。なお、ハードウェア構成はこれに限られるものではない。
メモリ101は、例えばRAMなどの主記憶装置であり、プログラムの実行、データの書き換え等を行なう際に、プログラム又はデータを一時的に格納するものである。
入力装置106は、例えば、タッチパネル、マウスなどのポインティングデバイス、キーボードなどである。
表示制御部103は、例えば凹凸像や物性像などを表示装置104に表示させるための制御を行なうものである。
記憶装置105は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やSSDなどの補助記憶装置であり、各種のプログラム及び各種のデータが格納されている。本実施形態では、記憶装置105には、後述の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム(ここでは原子間力顕微鏡の制御プログラム)が格納されている。なお、メモリ101として、例えばROM(Read Only Memory)を備えるものとし、これに各種のプログラムや各種のデータを格納しておいても良い。
このようなハードウェア構成を備えるコンピュータにおいて、CPU102が、例えば記憶装置105に格納されている原子間力顕微鏡の制御プログラムをメモリ101に読み出して実行することで、後述の本原子間力顕微鏡の制御装置の各機能が実現される。
ここで、制御信号出力部21は、XY駆動回路6に対し、測定試料3の表面上の一のラインを走査するための制御信号を出力する。ここでは、制御信号出力部21は、測定試料3の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号をXY駆動回路6へ出力する第1制御信号出力部21Aと、走査速度設定部23によって設定された一のラインの走査速度に基づいて一のラインを走査するための第2制御信号をXY駆動回路6へ出力する第2制御信号出力部21Bとを備える。
走査速度設定部23は、第1制御信号出力部21Aから出力された第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報、即ち、凹凸情報取得部22によって取得された測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する。
好ましくは、走査速度設定部23は、第1制御信号出力部21Aから出力された第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を一のラインの凹部の底面又は凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する。なお、走査速度設定部23における走査速度の具体的な設定については後述する。
つまり、一のラインの往路の走査(X方向走査)の際にZフィードバック回路8がスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値を取得し、これをX方向の複数点に対応づけ、各点のZ方向位置(Z方向座標)を算出する。ここで、X方向の複数点は、複数のX方向位置(X方向座標)における測定点(例えば128点、256点、512点など)である。なお、測定試料3の表面がX方向に沿って傾いている場合もあるため、Zフィードバック回路8がスキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値に対し、あるいは、各点のZ方向位置を算出する際に、X方向の傾きを一次関数で補正(傾き一次補正)するのが好ましい。
このように、一のラインの往路を走査した際に得られた凹凸情報に基づいて、一のラインの復路を走査する際に、凹部(凹領域)の側面(変化率大領域;傾き大領域)又は凸部(凸領域)の側面で走査速度を基準走査速度から大きく減速させた第2走査速度とし、凹部の底面(変化率小領域;傾き小領域)又は凸部の頂面で走査速度を基準走査速度からやや減速させた第1走査速度とし、その他の部分(通常領域)では走査速度を基準走査速度とする。
例えば、本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法を用いることで、製造中又は製造後における半導体デバイスの表面状態を測定し、この測定結果に基づいてプロセス装置の動作条件を変更することで、安定的に高精度な半導体デバイスを製造することが可能となる。
本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法によれば、例えば、85〜90度前後の障壁で高さや深さが500ナノメートルを超えるような凹凸が存在する測定試料(例えばトレンチ型DRAMキャパシタやFeRAMキャパシタなど)の凹凸像と物性値(例えば電流像、圧電応答像等)の同時取得が可能となる。また、例えば、90度前後の単原子ステップを有するSi(111)ステップ基板における凹凸像と物性値(例えばSNDM1ω(Acosθ)像)の同時取得が可能となる。これらの測定においては、従来、凹凸の変化が急峻な箇所において、探針が測定試料表面からの逸脱することが稀にあったがこれを防ぐことができ、また、この箇所での物性値の符号反転や急速な立ち上がり(値が急上昇する)などの発生も防ぐことができる。また、計測時間の増加も従来のものと比較して3倍以内程度に収まるため、特に絶縁体測定試料におけるチャージアップに起因する探針のホッピングなどの発生も防止することが可能である。
まず、SrTiO3(100)ステップ基板の表面には単原子ステップが存在し、探針の走査方向に対して90度の障壁となる。そこで、探針のトレースをより正確に行なうために、探針の走査速度を通常走査速度である1Hzから8割減速して0.2Hzにして測定を行なった。測定範囲は800ナノメートル×800ナノメートルである。また、セットポイントは−1.0nNである。また、探針は、Si製で、表面には電気測定用のAu膜が100nmコートしてあり、バネ定数は20nN/mである。また、測定はコンタクトモードで行なった。
これに対し、上述の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法を用いて、SrTiO3(100)ステップ基板の測定を行なったところ、図8(B)に示すように、画像取得時最終局面でのチャージの蓄積による像の乱れなどの発生を抑制することができ、正常な測定結果が得られた。
ここで、測定試料であるFeRAM用強誘電体キャパシタは、上部電極/強誘電体/下部電極の3層構造になっている。そして、下部電極上に膜厚100ナノメートルの強誘電体が帯状凸部として設けられており、さらに、強誘電体上に膜厚300ナノメートルの上部電極が四角形状凸部として設けられている。なお、強誘電体が設けられない領域では下部電極が表面に露出しており、上部電極が設けられていない領域では、強誘電体が表面に露出している。
例えば、上述の実施形態では、一のラインの往路を走査した際に得られた凹凸情報に基づいて、一のラインの復路を走査する際に、凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定するようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、上述の実施形態のものにおいて、一のラインの往路を走査して得られた凹凸情報を用いて一のラインの復路を走査して測定を行なった後、一のラインに凹部又は凸部が存在し、かつ、一のラインの往路を走査して得られた凹凸情報と一のラインの復路を走査して得られた凹凸情報との差が設定値(第2設定値)を超えていると判定した場合に、凹凸の判定に用いる閾値を小さい値に変更して、すぐにそのラインのみ再測定を行なうようにしても良い。ここでは、一のラインの往路を走査して得られた凹凸情報と一のラインの復路を走査して得られた凹凸情報との差とは、一のラインの往路と復路における凹部の深さの差又は凸部の高さの差、あるいは、一のラインの往路と復路における各点のZ方向位置の平均値からのずれ量の差、あるいは、一のラインの往路と復路におけるZ方向位置の変化率の差である。そして、これらの差がある範囲内(例えば往路の値に対して復路の値が8%〜10%ずれている範囲内)に収まっていない、即ち、往路と復路の凹凸情報の差が第2設定値を超えていると判定した場合に、上述の実施形態の第1設定値、所定ずれ量又は所定変化率を小さい値に変更して、すぐにそのラインのみ再測定(上述の実施形態の第1制御信号を出力する処理、走査速度を設定する処理及び第2制御信号を出力する処理)を行なうようにしても良い。この機能を再測定部という。この場合、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)の制御装置は、図1に示すように、再測定部24を含むものとなる。この場合、上述の実施形態の第1設定値、所定ずれ量又は所定変化率は、最初は大きい値に設定しておき、再測定を行なう際に小さい値に変更すれば良い。また、ある範囲内におさまるまで、徐々に小さい値に変更しながら、再測定を繰り返すようにしても良い。例えば、測定試料の表面がX方向に沿って傾いており、一のラインの往路で上り(又は下り)になり、復路で下り(又は上り)になる場合、往路で測定される物性値と復路で測定される物性値とが乖離しやすい。このような場合、上述のようにして再測定を行なうのが好ましい。
例えば、プログラム提供者が例えばサーバなどの他のコンピュータ上で提供している走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムを、例えばインターネットやLAN等のネットワーク及び通信インタフェースを介して、記憶装置にインストールしても良い。これにより、上述の実施形態で説明した走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法が実現され、上述の実施形態の場合と同様に、記憶装置にインストールされた走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムを、CPUがメインメモリ上に読み出して実行することで、上述の実施形態の各処理が行なわれることになる。なお、コンピュータは、例えばサーバなどの他のコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
(付記1)
コンピュータに、
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記一のラインの前記凹部の底面又は前記凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
前記走査速度を設定する処理において、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1、2、4のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
コンピュータが、
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行し、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行し、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行し、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行し、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記一のラインの前記凹部の底面又は前記凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6〜8のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
前記走査速度を設定する処理において、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行し、
さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6、7、9のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力する第1制御信号出力部と、
前記第1制御信号出力部から出力された前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する走査速度設定部と、
前記走査速度設定部によって設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する第2制御信号出力部とを備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
前記第1制御信号出力部は、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力し、
前記走査速度設定部は、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
前記第2制御信号出力部は、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力することを特徴とする、付記11に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
前記第1制御信号出力部は、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力し、
前記走査速度設定部は、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
前記第2制御信号出力部は、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力することを特徴とする、付記11に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
前記走査速度設定部は、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記一のラインの前記凹部の底面又は前記凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定することを特徴とする、付記11〜13のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
前記走査速度設定部は、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を行なう再測定部を備えることを特徴とする、付記11、12、14のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
2 プローブ
2A カンチレバー
2B 探針
3 測定試料
4 ステージ
5 スキャナ
6 XY駆動回路
7 Z位置検出系
8 Zフィードバック回路
9 物性値検出系
10 コンピュータ
11 半導体レーザ
12 4分割フォトダイオード
13 ミラー
14 差動アンプ
20 原子間力顕微鏡の制御装置(走査型プローブ顕微鏡の制御装置)
21 制御信号出力部
21A 第1制御信号出力部
21B 第2制御信号出力部
22 凹凸情報取得部
23 走査速度設定部
24 再測定部
30 凹部
30A 凹部の底面
30B,30C 凹部の側面
31 凸部
31A 凸部の頂面
31B,31C 凸部の側面
32 凹部又は凸部以外の部分(平坦部分)
101 メモリ
102 CPU
103 表示制御部
104 表示装置
105 記憶装置
106 入力装置
107 ドライブ装置
108 可搬型記録媒体
109 通信制御部
110 バス
Claims (6)
- コンピュータに、
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
基準走査速度を設定し、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を前記基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、前記凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定し、
設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。 - 前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路における走査速度を設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。 - 前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路における走査速度を設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。 - コンピュータに、
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させ、
前記走査速度を設定する処理において、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。 - コンピュータが、
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
基準走査速度を設定し、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を前記基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、前記凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定し、
設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御方法。 - 測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力する第1制御信号出力部と、
基準走査速度を設定し、前記第1制御信号出力部から出力された前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を前記基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、前記凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定する走査速度設定部と、
前記走査速度設定部によって設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する第2制御信号出力部とを備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
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