JP6160266B2 - 走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム、制御方法及び制御装置 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム、制御方法及び制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム、制御方法及び制御装置に関する。
走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscopy;SPM)は、原子オーダの測定試料表面の凹凸や物性値(例えば電流特性値や圧電応答特性値)を測定可能であり、理工学、医学、薬学、農学分野等で広く活用されている。
この走査型プローブ顕微鏡としては、探針−試料間の空間制御方法等によって、種々のものが存在する。代表的なものとして、走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy;STM)や原子間力顕微鏡(AtomicForceMicroscopy;AFM)がある。ここで、走査型トンネル顕微鏡は、探針−試料間のトンネル電流が一定となるようにフィードバック制御しながら探針で測定試料表面を走査し、凹凸や物性値を測定可能である。一方、原子間力顕微鏡は、探針−試料間の原子間力が一定となるようにフィードバック制御しながら探針で測定試料表面を走査し、凹凸や物性値を測定可能である。
特開2007−101288号公報
ところで、測定試料の表面には、例えばクレータ、粒界、加工起因の溝等の凹凸が存在する。このような凹凸が存在する測定試料表面を走査型プローブ顕微鏡によって測定すると、測定される物性値が凹凸の影響を受けてしまう。
この場合、例えば、測定される物性値が凹凸の影響を受けないように走査速度を遅くすることが考えられる。
しかしながら、凹凸が存在する測定試料の表面全体を、遅い走査速度で走査して、凹凸や物性値の測定を行なうと、測定に長時間を要することになる。そして、測定に長時間を要すると、測定試料の位置がずれたり、測定試料の表面に電荷がたまって探針がホッピングしたりする場合があり、この結果、凹凸や物性値を正確に測定するのが難しくなる。
また、例えば、凹凸が存在する測定試料の表面全体を、事前に走査速度を変えて複数回測定し、これらの測定結果に基づいて測定可能な最大走査速度を設定し、この最大走査速度に基づいて測定試料の表面全体の測定を行なうことが考えられる。
しかしながら、測定可能な最大走査速度は、凹凸部分を測定可能かどうかで決まるため、凹凸部分以外の部分を測定する際の走査速度としては遅いものとなる。このため、測定可能な最大走査速度に基づいて凹凸が存在する測定試料の表面全体の測定を行なうと、測定に長時間を要することになる。そして、測定に長時間を要すると、測定試料の位置がずれたり、測定試料の表面に電荷がたまって探針がホッピングしたりする場合があり、この結果、凹凸や物性値を正確に測定するのが難しくなる。
そこで、凹凸が存在する測定試料表面を走査型プローブ顕微鏡によって測定する際に、測定される物性値が凹凸の影響を受けないようにしながら、短時間で正確に凹凸や物性値を測定できるようにしたい。
本走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムは、コンピュータに、測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、基準走査速度を設定し、第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、一のラインの凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定し、設定された一のラインの走査速度に基づいて一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させることを要件とする。
また、本走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムは、コンピュータに、測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて一のラインの凹部又は凸部における走査速度を凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、設定された一のラインの走査速度に基づいて一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させ、走査速度を設定する処理において、一のラインの凹部の深さ又は凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、一のラインの凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理をコンピュータに実行させ、さらに、第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報と、第2制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、第1設定値を小さい値に変更して、第1制御信号を出力する処理、走査速度を設定する処理及び第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを要件とする。
本走査型プローブ顕微鏡の制御方法は、コンピュータが、測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、基準走査速度を設定し、第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、一のラインの凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定し、設定された一のラインの走査速度に基づいて一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行することを要件とする。
本走査型プローブ顕微鏡の制御装置は、測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力する第1制御信号出力部と、基準走査速度を設定し、第1制御信号出力部から出力された第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、一のラインの凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定する走査速度設定部と、走査速度設定部によって設定された一のラインの走査速度に基づいて一のラインを走査するための第2制御信号を出力する第2制御信号出力部とを備えることを要件とする。
したがって、本走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム、制御方法及び制御装置によれば、凹凸が存在する測定試料表面を走査型プローブ顕微鏡によって測定する際に、測定される物性値が凹凸の影響を受けないようにしながら、短時間で正確に凹凸や物性値を測定できるという利点がある。
本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置のハードウェア構成を示す図である。 本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置における処理(走査型プローブ顕微鏡の制御方法)を説明するためのフローチャートである。 本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置における処理(走査型プローブ顕微鏡の制御方法)を説明するためのフローチャートである。 本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置における処理(走査型プローブ顕微鏡の制御方法)を説明するためのフローチャートである。 本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置における走査速度の制定について説明するための図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置による効果を説明するための図である。 (A)〜(F)は、本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置による効果を説明するための図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム、制御方法及び制御装置について、図1〜図9を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置は、例えば走査型トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡の制御装置である。なお、走査型プローブ顕微鏡を、観察装置又は表面観測装置ともいう。
以下、本実施形態では、原子間力顕微鏡の制御装置を例に挙げて説明する。
まず、原子間力顕微鏡について説明する。
原子間力顕微鏡は、原子オーダの測定試料表面の凹凸や物性値(例えば電流特性値や圧電応答特性値など)を測定可能である。この原子間力顕微鏡は、探針−試料間の原子間力が一定となるようにフィードバック制御されながら探針で測定試料表面を走査し、凹凸や物性値を測定可能である。なお、走査型トンネル顕微鏡は、基本的に導電体試料のみ測定可能であるのに対し、原子間力顕微鏡は、導電体試料のみならず絶縁体試料も測定可能である。このため、例えば半導体デバイスを含む電子デバイスの解析には原子間力顕微鏡が用いられることが多い。
例えば、図2に示すように、原子間力顕微鏡1は、プローブ2と、測定試料3を載せるステージ4(試料台)と、スキャナ5と、XY駆動回路6と、Z位置検出系7と、Zフィードバック回路8と、物性値検出系9と、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータ10とを備える。
ここでは、プローブ2は、カンチレバー2Aと、その先端に設けられた探針2Bとによって構成される。
スキャナ5は、例えば圧電体(圧電素子)を備えるものとして構成され、ステージ4に取り付けられている。ここでは、スキャナ5は、ステージ4をX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれに移動させるためのX方向用圧電体、Y方向用圧電体及びZ方向用圧電体を備える。
XY駆動回路6は、スキャナ5及びコンピュータ10に接続されており、コンピュータ10からの制御信号(走査信号)に基づいて、ステージ4(即ち、ステージ4上の測定試料3)がX方向及びY方向へ移動するように、スキャナ5を駆動する駆動回路である。ここでは、XY駆動回路6は、コンピュータ10からの走査信号に基づいてスキャナ5に備えられるX方向用圧電体及びY方向用圧電体に電圧を印加してこれらを駆動し、ステージ4をX方向及びY方向へ移動させるようになっている。これにより、カンチレバー2Aの先端に設けられた探針2Bが、ステージ4上の測定試料3の表面上を走査(ここではラスタースキャン)する。
Z位置検出系7は、測定試料3の表面上を走査しているときに測定試料表面の凹凸に応じて変化するプローブ2のZ方向位置(Z方向変位)を検出するものである。ここでは、Z位置検出系7は、測定試料表面の凹凸に応じて変化する、プローブ2を構成するカンチレバー2Aの先端のZ方向位置(Z方向変位;たわみ量)を検出するものであって、例えば光てこ方式のZ位置検出系である。
例えば、光てこ方式のZ位置検出系7は、光源としての半導体レーザ11と、光検出器としての4分割フォトダイオード(又は2分割フォトダイオード)12と、ミラー13と、差動アンプ14とを備えるものとすれば良い。そして、半導体レーザ11からの光(光ビーム;レーザ光)を、ミラー13を介して、カンチレバー2Aの先端上面に設けられた反射鏡に向けて入射し、その反射光を4分割フォトダイオード12で検出し、差動アンプ14で増幅し、Zフィードバック回路8へ出力するようにすれば良い。
このような光てこ方式のZ位置検出系7を用いることで、カンチレバー2Aの先端のZ方向位置を高い検出感度で検出することができる。つまり、測定試料3の表面をカンチレバー2Aの先端に取り付けられた探針2Bで走査した場合、測定試料表面の凹凸に応じて、カンチレバー2Aの先端が上下動する。このカンチレバー2Aの先端の上下動は、原子レベルの大きさで極めて微小である。しかし、上述の光てこ方式のZ位置検出系7では、カンチレバー2Aの先端が上下動すると、これにしたがって、カンチレバー2Aの先端上面に設けられた反射鏡が傾斜し、反射角が変化する。この結果、反射鏡によって反射され、4分割フォトダイオード12に入射する反射光の位置が変わるため、カンチレバー2Aの先端の上下動、即ち、カンチレバー2Aの先端のZ方向位置を検出することができる。例えば、カンチレバー2Aの先端が基準Z方向位置(目標Z方向位置)にあるときに、4分割フォトダイオード12の中心位置に反射光が入射するようになっている場合、カンチレバー2Aの先端が上下動すると、4分割フォトダイオード12に入射する反射光の位置が中心位置からずれる。この結果、上下のフォトダイオードに流れる電流の差が変化する。このため、上下のフォトダイオードに流れる電流の差に基づいて、カンチレバー2Aの先端の上下動、即ち、カンチレバー2Aの先端のZ方向位置を検出することができる。また、4分割フォトダイオード12に入射する反射光の位置は、カンチレバー2Aの先端上面に設けられた反射鏡の傾斜の変化、即ち、カンチレバー2Aの先端の上下動に応じて敏感に変化するため、カンチレバー2Aの先端の上下動、即ち、カンチレバー2Aの先端のZ方向位置を高い検出感度で検出することができる。
Zフィードバック回路8は、スキャナ5及びZ位置検出系7に接続されており、Z位置検出系7によって検出された位置情報(Z方向位置)に基づいて、ステージ4のZ方向位置(即ち、ステージ4上の測定試料3のZ方向位置)をフィードバック制御するものである。
ここでは、Zフィードバック回路8は、Z位置検出系7によって検出されたカンチレバー2Aの先端のZ方向位置が一定になるように、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加する電圧をフィードバック制御するようになっている。
例えば、カンチレバー2Aの先端が基準Z方向位置(目標Z方向位置)にあるときに、4分割フォトダイオード12の中心位置に反射光が入射するようになっている場合、Zフィードバック回路8は、4分割フォトダイオード12の中心位置に反射光が入射するように(即ち、4分割フォトダイオード12の上下のフォトダイオードに流れる電流の差がゼロになるように)、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加する電圧をフィードバック制御するようになっている。なお、これに限られるものではなく、4分割フォトダイオード12の上下のフォトダイオードに流れる電流の差と目標値が一致するように(即ち、これらの差がゼロになるように)フィードバック制御を行なっても良い。つまり、Z位置検出系7によって検出されたカンチレバー2Aの先端のZ方向位置(たわみ量)と目標Z方向位置(目標たわみ量)が一致するように(即ち、これらの差がゼロになるように)フィードバック制御を行なっても良い。これらの場合、目標値や目標Z方向位置(目標たわみ量)はコンピュータ10を介して事前に設定しておけば良い。なお、目標値や目標Z方向位置(目標たわみ量)をセットポイントともいう。また、Zフィードバック回路8を、フィードバック制御回路又はフィードバックコントローラともいう。例えば、Zフィードバック回路8は、例えばPID制御を行なうDSPコントローラによって構成すれば良い。これをPIDフィードバック回路ともいう。
このZフィードバック回路8は、ステージ4が上下方向(Z方向)へ移動するように、スキャナ5を駆動する駆動回路である。つまり、Zフィードバック回路8は、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に電圧を印加してこれを駆動し、ステージ4をZ方向へ移動させるようになっている。
このように、Zフィードバック回路8は、測定試料表面の凹凸に応じてカンチレバー2Aの先端が上下動した場合に、Z位置検出系7によって検出されたカンチレバー2Aの先端のZ方向位置が一定になるように、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に電圧を印加してこれを駆動し、ステージ4のZ方向位置をフィードバック制御するようになっている。
また、Zフィードバック回路8は、コンピュータ10にも接続されており、フィードバック制御量(ここではスキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値)がコンピュータ10へ送られるようになっている。
ここで、Zフィードバック回路8では、測定試料3の表面上を走査しているときに測定試料表面の凹凸に応じてカンチレバー2Aの先端が上下動した場合に、これに応じて、スキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加する電圧をフィードバック制御するようになっている。つまり、ステージ4をX方向及びY方向に移動させながら、測定試料表面の凹凸に応じたカンチレバー2Aの先端のZ方向位置に応じて、Z方向にフィードバック制御するようになっている。このため、ステージ4は、測定試料表面の凹凸に依存した軌跡を描くことになる。
そして、コンピュータ10は、Zフィードバック回路8から送られてきたフィードバック制御量(ここではスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値)に基づいて、測定試料表面の凹凸情報を取得することができる。つまり、コンピュータ10は、Zフィードバック回路8から送られてきたフィードバック制御量(ここではスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値)をプロットすることで、フィードバック制御量の変化、即ち、測定試料表面の凹凸像を取得することができる。ここでは、コンピュータ10は、このようにして得られた凹凸像を画面上に表示させるようになっている。
物性値検出系9は、例えば電流特性値や圧電応答特性値などの物性値を検出するものである。この物性値検出系9を備えることで、上述の凹凸像と物性像の同時取得が可能となる。
例えば、特性値として電流特性値を検出する場合、導電性カンチレバー2Aを用い、物性値検出系9として、導電性カンチレバー2A及びコンピュータ10に接続されたアンプなどを設け、導電性カンチレバー2Aと測定試料3との間に電圧を印加し、導電性カンチレバー2Aに流れる電流量を電流特性値として検出し、これをコンピュータ10へ送るようにすれば良い。これにより、コンピュータ10で例えばI/Vカーブや例えば導電性マッピングなどの電流特性像を取得することが可能となる。
また、例えば、特性値として圧電応答特性値を検出する場合、導電性カンチレバー2Aを用い、物性値検出系9として、交流電圧源、ロックインアンプなどを設け、交流電圧源によって導電性カンチレバー2Aと測定試料3との間に交流電圧を印加し、ロックインアンプで交流電圧に対応した歪成分を圧電応答特性値として検出し、これをコンピュータ10へ送るようにすれば良い。これにより、コンピュータ10で圧電応答像を取得することが可能となる。
また、例えば、物性値として極性分布特性値を検出する場合、導電性カンチレバー2Aを用い、物性値検出系9として、交流電圧源、ロックインアンプ、高周波共振器などを設け、交流電圧源によって導電性カンチレバー2Aと測定試料3との間に交流電圧を印加し、高周波共振器やロックインアンプで探針直下の非線形な誘電率の変化を極性分布特性値として検出し、これをコンピュータ10へ送るようにすれば良い。これにより、コンピュータ10で例えばPN極性像(SNDM像)などの極性分布特性像を取得することが可能となる。
なお、物性値検出系9の構成は、ここで例示したものに限られるものではなく、測定試料3の物性値を検出できるものであれば良い。
ところで、測定試料3の表面には、例えばクレータ、粒界、加工起因の溝等の凹凸が存在する。このような凹凸が存在する測定試料表面を走査型プローブ顕微鏡1によって測定すると、測定される物性値が凹凸の影響を受けてしまう。
この場合、例えば、測定される物性値が凹凸の影響を受けないように走査速度を遅くすることが考えられる。
しかしながら、凹凸が存在する測定試料3の表面全体を、遅い走査速度で走査して、凹凸や物性値の測定を行なうと、測定に長時間を要することになる。そして、測定に長時間を要すると、測定試料3の位置がずれたり、測定試料3の表面に電荷がたまって探針2Bがホッピングしたりする場合があり、この結果、凹凸や物性値を正確に測定するのが難しくなる。
例えば、急壁や鋭い穴形状を持つ測定試料3を測定する場合、壁や穴の部分で探針2Bが急上昇したり急降下したりするため、探針2Bを安定して走査させ、フィードバック制御するのが難しい。このため、例えば計測系の時定数等パラメータを調整しても、測定された物性値は凹凸の影響を受けてしまい、これを排除するのは困難である。
この場合、例えば、凹凸起因の影響は無視してそのまま測定し、影響を受けている部分はマスクしてソフトウェア的に無視し、凹凸の影響を受けていない部分のみで解析を行なうことが考えられるが、全体像を把握不可能となるため、正確性に欠ける。
また、例えば、探針2Bを一定高さで走査し、凹凸と物性値を同時取得することも考えられるが、一定高さで走査するには超高真空中で原子ステップが出ている等、極めて正常な測定面に限られるため、測定試料や測定環境への制約が大きい。特にデバイスの解析にはふさわしくない。
また、例えば、1点毎に、探針2Bを静止させた後、近づけていき、フォースカーブ(原子間力のZ方向距離依存性)を測定し、凹凸を把握し、次に、物性値のZ方向距離依存性を取得し、衝突防止のため、フォースカーブから算出した測定点で探針の動きを止めて物性値を取得し、これを例えば256×256点あるいは512点×512点等繰り返して、画像化することも考えられる。しかしながら、測定に数時間掛かるため、測定試料3の位置がずれるドリフトが発生するおそれがある。
また、例えば、走査速度を遅くして測定分解能を上げることも考えられるが、測定に長時間かかるため、測定試料3の位置がずれるドリフトが発生するおそれがある。また、特に絶縁物が測定試料3の場合、測定中に測定試料表面に電荷がたまりチャージアップのような現象が発生し、探針がラスタースキャン中にホッピングして測定結果として得られた画像に横縞が混入してしまうなど正常な測定結果が得られない場合がある。
そこで、上述のように構成される原子間力顕微鏡1によって凹凸が存在する測定試料表面を測定する際に、測定される物性値が凹凸の影響を受けないようにしながら、短時間で正確に凹凸や物性値を測定できるようにしたい。特に、短時間で急峻な凹凸を正確にトレースし、同時測定する物性値にも影響を与えないようにしたい。
このため、本実施形態では、後述の原子間力顕微鏡の制御装置を、上述の原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10に実装している。
まず、本実施形態にかかる原子間力顕微鏡の制御装置が実装される、上述の原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10のハードウェア構成について、図3を参照しながら説明する。
本原子間力顕微鏡の制御装置が実装される、上述の原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10のハードウェア構成は、例えば図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)102、メモリ101、通信制御部109、入力装置106、表示制御部103、表示装置104、記憶装置105、可搬型記録媒体108のドライブ装置107を備え、これらがバス110によって相互に接続された構成になっている。なお、ハードウェア構成はこれに限られるものではない。
ここで、CPU102は、コンピュータ全体を制御するものであり、プログラムをメモリ101に読み出して実行し、本原子間力顕微鏡の制御装置に必要な処理を含む様々な処理を行なうようになっている。
メモリ101は、例えばRAMなどの主記憶装置であり、プログラムの実行、データの書き換え等を行なう際に、プログラム又はデータを一時的に格納するものである。
通信制御部109(通信インターフェース)は、例えばLANやインターネットなどのネットワークを介して、他の装置と通信するために用いられるものである。この通信制御部109は、コンピュータに元から組み込まれていても良いし、後からコンピュータに取り付けられたNIC(Network Interface Card)でも良い。
入力装置106は、例えば、タッチパネル、マウスなどのポインティングデバイス、キーボードなどである。
表示装置104は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置である。
表示制御部103は、例えば凹凸像や物性像などを表示装置104に表示させるための制御を行なうものである。
記憶装置105は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やSSDなどの補助記憶装置であり、各種のプログラム及び各種のデータが格納されている。本実施形態では、記憶装置105には、後述の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム(ここでは原子間力顕微鏡の制御プログラム)が格納されている。なお、メモリ101として、例えばROM(Read Only Memory)を備えるものとし、これに各種のプログラムや各種のデータを格納しておいても良い。
ドライブ装置107は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク等の可搬型記録媒体108の記憶内容にアクセスするためのものである。
このようなハードウェア構成を備えるコンピュータにおいて、CPU102が、例えば記憶装置105に格納されている原子間力顕微鏡の制御プログラムをメモリ101に読み出して実行することで、後述の本原子間力顕微鏡の制御装置の各機能が実現される。
つまり、図1に示すように、本原子間力顕微鏡の制御装置(走査型プローブ顕微鏡の制御装置)20は、制御信号出力部21と、凹凸情報取得部22と、走査速度設定部23とを備える。
ここで、制御信号出力部21は、XY駆動回路6に対し、測定試料3の表面上の一のラインを走査するための制御信号を出力する。ここでは、制御信号出力部21は、測定試料3の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号をXY駆動回路6へ出力する第1制御信号出力部21Aと、走査速度設定部23によって設定された一のラインの走査速度に基づいて一のラインを走査するための第2制御信号をXY駆動回路6へ出力する第2制御信号出力部21Bとを備える。
本実施形態では、第1制御信号出力部21Aは、測定試料3の表面上の一のラインの往路を走査するための第1制御信号をXY駆動回路6へ出力する。具体的には、第1制御信号として、一のラインの往路を一定の走査速度(通常走査速度;基準走査速度)で走査するための制御信号を出力する。また、第2制御信号出力部21Bは、走査速度設定部23によって設定された一のラインの復路の走査速度に基づいて一のラインの復路を走査するための第2制御信号をXY駆動回路6へ出力する。具体的には、第2制御信号として、一のラインの凹部又は凸部における走査速度がそれ以外の部分における走査速度よりも遅く設定された走査速度で一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する。ここでは、凹部又は凸部以外の部分(平坦部分)における走査速度は、一のラインの往路を走査するのに用いた走査速度(通常走査速度;基準走査速度)と同じ走査速度である。
凹凸情報取得部22は、第1制御信号出力部21Aから出力された制御信号に応じた一のラインの走査の際にZフィードバック回路8が出力したフィードバック制御量(ここではスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値)を取得し、これに基づいて、測定試料表面の凹凸情報を取得する。ここで、測定試料表面の凹凸情報は、凹部又は凸部のX方向位置(X方向座標)、凹部の深さ(マイナス側のZ方向位置の変位量)、凸部の高さ(プラス側のZ方向位置の変位量)、凹部の側面か底面か(Z方向位置の変化率が大きいか小さいか)、凸部の側面か頂面か(Z方向位置の変化率が大きいか小さいか)を含む。なお、測定試料表面の凹凸情報の具体的な説明については後述する。
ここでは、凹凸情報取得部22は、第1制御信号出力部21Aから出力された第1制御信号に応じた一のラインの往路の走査の際にZフィードバック回路8が出力したフィードバック制御量を取得し、これに基づいて、測定試料表面の凹凸情報を取得する。
走査速度設定部23は、第1制御信号出力部21Aから出力された第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報、即ち、凹凸情報取得部22によって取得された測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する。
ここでは、走査速度設定部23は、第1制御信号出力部21Aから出力された第1制御信号に応じた一のラインの往路の走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの復路の凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する。
好ましくは、走査速度設定部23は、第1制御信号出力部21Aから出力された第1制御信号に応じた一のラインの走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のラインの凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を一のラインの凹部の底面又は凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する。なお、走査速度設定部23における走査速度の具体的な設定については後述する。
このほか、上述の原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10は、Zフィードバック回路8から送られてきたフィードバック制御量(ここではスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値)をプロットすることで、フィードバック制御量の変化、即ち、測定試料表面の凹凸像を取得し、これを画面上に表示させる機能も有する。また、物性値検出系9から送られてきた物性値(例えば電流特性値や圧電応答特性値など)を、例えば物性像(例えば電流像や圧電応答像など)とし、これを画面上に表示させる機能も有する。
次に、本実施形態の原子間力顕微鏡の制御装置20が実装され、上述の原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10において、CPU102がメモリ101に読み込まれた原子間力顕微鏡の制御プログラム(走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム)に従って実行する処理(原子間力顕微鏡の制御方法;走査型プローブ顕微鏡の制御方法)について、図4〜図7を参照しながら説明する。
まず、図4に示すように、本原子間力顕微鏡の制御装置20は、制御信号出力部21(第1制御信号出力部21A)によって、測定試料3の表面上の一のライン(ここでは一のラインの往路)を走査するための制御信号(第1制御信号)をXY駆動回路6へ出力する(ステップS10)。具体的には、第1制御信号として、一のラインの往路を一定の走査速度(通常走査速度;基準走査速度)で走査するための制御信号を出力する。
次に、本原子間力顕微鏡の制御装置20は、凹凸情報取得部22によって、制御信号出力部21(第1制御信号出力部21A)から出力された第1制御信号に応じた一のライン(ここでは一のラインの往路)の走査の際にZフィードバック回路8が出力したフィードバック制御量(ここではスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値)を取得し、これに基づいて、測定試料表面の凹凸情報を取得する(ステップS20)。ここで、測定試料表面の凹凸情報として、凹部又は凸部のX方向位置(X方向座標)、凹部の深さ(マイナス側のZ方向位置の変位量)、凸部の高さ(プラス側のZ方向位置の変位量)、凹部の側面か底面か(Z方向位置の変化率が大きいか小さいか)、凸部の側面か頂面か(Z方向位置の変化率が大きいか小さいか)を取得する。なお、測定試料表面の凹凸情報の具体的な説明については後述する。
次に、本原子間力顕微鏡の制御装置20は、走査速度設定部23によって、制御信号出力部21(第1制御信号出力部21A)から出力された第1制御信号に応じた一のライン(ここでは一のラインの往路)の走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報、即ち、凹凸情報取得部22によって取得された測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する(ステップS30)。
具体的には、図5に示すように、本原子間力顕微鏡の制御装置20は、走査速度設定部23によって、制御信号出力部21(第1制御信号出力部21A)から出力された第1制御信号に応じた一のライン(ここでは一のラインの往路)の走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値(第1設定値)を超えているか否かを判定する(ステップA10)。この機能を判定部という。そして、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えている場合に、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部又は凸部における走査速度を基準走査速度(通常走査速度)よりも遅く設定する(ステップA20)。ここでは、一のラインの復路を走査する際の走査速度は、一のラインの往路を走査する際に用いた走査速度と同じ走査速度に設定されている。つまり、一のラインの往路及び復路を走査する際の走査速度は、予め、基準走査速度に設定されている。このため、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えていない場合、走査速度は変更されず、基準走査速度のままとなる。つまり、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えていない場合は、凹部又は凸部ではないものとみなし、凹部又は凸部以外の部分に含まれるものとして、基準走査速度のままとなる。このようにして、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えている場合に、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する。この機能を設定部という。
好ましくは、本原子間力顕微鏡の制御装置20は、走査速度設定部23によって、制御信号出力部21(第1制御信号出力部21A)から出力された第1制御信号に応じた一のライン(ここでは一のラインの往路)の走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部の底面又は凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する。
ここでは、図6に示すように、本原子間力顕微鏡の制御装置20は、走査速度設定部23によって、まず、制御信号出力部21(第1制御信号出力部21A)から出力された第1制御信号に応じた一のライン(ここでは一のラインの往路)の走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えているか否かを判定する(ステップB10)。次に、一のラインに含まれる凹部の側面又は凸部の側面であるか否かを判定する(ステップB20)。これらの機能を判定部という。そして、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えており、かつ、一のラインに含まれる凹部の側面又は凸部の側面でない場合(即ち、一のラインに含まれる凹部の底面又は凸部の頂面である場合)に、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部の底面又は凸部の頂面における走査速度を基準走査速度(通常走査速度)よりも遅い第1走査速度に設定する(ステップB30)。一方、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えており、かつ、一のラインに含まれる凹部の側面又は凸部の側面である場合(即ち、一のラインに含まれる凹部の底面又は凸部の頂面でない場合)に、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定する(ステップB40)。ここでは、一のラインの復路を走査する際の走査速度は、一のラインの往路を走査する際に用いた走査速度と同じ走査速度に設定されている。つまり、一のラインの往路及び復路を走査する際の走査速度は、予め、基準走査速度に設定されている。このため、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えていない場合、走査速度は変更されず、基準走査速度のままとなる。つまり、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えていない場合は、凹部又は凸部ではないものとみなし、凹部又は凸部以外の部分であるとして、基準走査速度のままとなる。このようにして、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部の側面又は凸部の側面における走査速度を一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部の底面又は凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する。また、一のラインに含まれる凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えている場合に、一のライン(ここでは一のラインの復路)の凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する。この機能を設定部という。
より具体的には、上述の凹凸情報取得部22による処理及び走査速度設定部23による処理は、例えば以下のようにして行なうことができる。
つまり、一のラインの往路の走査(X方向走査)の際にZフィードバック回路8がスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値を取得し、これをX方向の複数点に対応づけ、各点のZ方向位置(Z方向座標)を算出する。ここで、X方向の複数点は、複数のX方向位置(X方向座標)における測定点(例えば128点、256点、512点など)である。なお、測定試料3の表面がX方向に沿って傾いている場合もあるため、Zフィードバック回路8がスキャナ5に備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値に対し、あるいは、各点のZ方向位置を算出する際に、X方向の傾きを一次関数で補正(傾き一次補正)するのが好ましい。
次に、これらの各点のZ方向位置の平均値を算出し、各点のZ方向位置の平均値からのずれ量を算出する。ここで、Z方向位置が平均値からずれている場合、その部分は凹部又は凸部であり、平均値に対して、一方の側(プラス側)にずれている場合が凸部であり、他方の側(マイナス側)にずれている場合が凹部である。また、平均値からのずれ量は、凹部の深さ又は凸部の高さに相当する。このようにして、凹部又は凸部のX方向位置、凹部の深さ、凸部の高さという測定試料表面の凹凸情報を取得することができる。
また、各点のZ方向位置の変化率、即ち、ある点のZ方向位置とその隣の点のZ方向位置との差を、ある点のX方向位置とその隣の点のX方向位置との差で割った値(微分係数;dz/dx)を算出する。ここで、Z方向位置の変化率が大きい場合、その部分は凹部の側面又は凸部の側面であり、Z方向位置の変化率が小さい場合、その部分は凹部の底面又は凸部の頂面あるいは平坦部である。このようにして、凹部の側面か底面か、凸部の側面か頂面かという測定試料表面の凹凸情報を取得することができる。なお、ある点とその隣のZ方向位置の変化率は、ある点とその隣の点を結ぶ直線の傾きの大きさに相当し、変化率が大きい場合、傾きが大きいことになる。
次に、各点のZ方向位置の平均値からのずれ量が所定ずれ量を超えているか否かを判定する。これにより、凹部の深さ又は凸部の高さが設定値を超えているか否か、即ち、凹部の深さ又は凸部の高さが走査速度を遅くする必要があるほど大きいか否かを判定することができる。なお、ずれ量が所定ずれ量を超えている場合は、ずれ量が正でその絶対値が所定ずれ量を超えている場合、及び、ずれ量が負でその絶対値が所定ずれ量を超えている場合である。ここで、所定ずれ量は、例えば、平均値の±10%のずれ量、平均値の±15%のずれ量又は平均値の±20%のずれ量のように、測定試料3に応じて設定すれば良い。例えば、測定が困難な試料ほど小さな値に設定するのが好ましい。また、最初は大きな値に設定し、良好な測定結果が得られなかったら(例えば再測定の指示があったら)、小さな値に設定しなおして再測定を行なうようにしても良い。
この判定の結果、所定ずれ量を超えている場合、さらに、Z方向位置の変化率が所定変化率を超えているか否かを判定する。これにより、凹部の側面又は凸部の側面であるか否か、即ち、凹部の底面又は凸部の頂面であるか否かを判定することができる。なお、変化率が所定変化率を超えている場合としては、変化率が正でその絶対値が所定変化率を超えている場合、及び、変化率が負でその絶対値が所定変化率を超えている場合である。ここで、所定変化率は、上述の所定ずれ量と同様に、測定試料3に応じて設定すれば良い。
そして、所定ずれ量を超えており、かつ、所定変化率を超えていない場合、凹部30の底面30A又は凸部31の頂面31A(図7参照)であるとして、その部分30A,31A(領域)の走査速度を基準走査速度(通常走査速度)よりも遅い第1走査速度に設定する。ここで、第1走査速度は、例えば基準走査速度を約50%(即ち、45%〜55%又は30%〜60%)減速させた走査速度とすれば良い。
一方、所定ずれ量を超えており、かつ、所定変化率を超えている場合、凹部30の側面30B,30C又は凸部31の側面31B,31Cであるとして(図7参照)、その部分30B,30C,31B,31C(領域)の走査速度を第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定する。ここで、第2走査速度は、例えば基準走査速度を約80%(即ち、75%〜85%又は70%〜90%)減速させた走査速度とすれば良い。
また、所定ずれ量を超えていない場合、凹部又は凸部ではないものとみなし、凹部又は凸部以外の部分(平坦部分)32であるとして(図7参照)、基準走査速度のままとする。
このように、一のラインの往路を走査した際に得られた凹凸情報に基づいて、一のラインの復路を走査する際に、凹部(凹領域)の側面(変化率大領域;傾き大領域)又は凸部(凸領域)の側面で走査速度を基準走査速度から大きく減速させた第2走査速度とし、凹部の底面(変化率小領域;傾き小領域)又は凸部の頂面で走査速度を基準走査速度からやや減速させた第1走査速度とし、その他の部分(通常領域)では走査速度を基準走査速度とする。
そして、本原子間力顕微鏡の制御装置20は、制御信号出力部21(第2制御信号出力部21B)によって、走査速度設定部23によって設定された一のライン(ここでは一のラインの復路)の走査速度に基づいて一のライン(ここでは一のラインの復路)を走査するための制御信号(第2制御信号)をXY駆動回路6へ出力する(ステップS40)。具体的には、第2制御信号として、一のラインの凹部又は凸部における走査速度がそれ以外の部分における走査速度よりも遅く設定された走査速度で一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する。
このように、測定試料3の表面上の一のライン(ここでは一のラインの復路)を走査する際に走査速度を変えながら凹凸像や物性値を取得する。つまり、測定試料3の表面上の一のライン(ここでは一のラインの復路)を、走査速度を変えながら走査する際に、原子間力顕微鏡1を構成するコンピュータ10は、Zフィードバック回路8から送られてきたフィードバック制御量(ここではスキャナに備えられるZ方向用圧電体に印加した電圧値)をプロットすることで、測定試料表面の凹凸像を取得し、これを画面上に表示させる。また、物性値検出系9から送られてきた物性値(例えば電流特性値や圧電応答特性値など)を、例えば物性像(例えば電流像や圧電応答像など)とし、これを画面上に表示させる。
したがって、本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法によれば、凹凸が存在する測定試料表面を走査型プローブ顕微鏡1によって測定する際に、測定される物性値が凹凸の影響を受けないようにしながら、短時間で正確に凹凸や物性値を測定できるという利点がある。
例えば、本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法を用いることで、製造中又は製造後における半導体デバイスの表面状態を測定し、この測定結果に基づいてプロセス装置の動作条件を変更することで、安定的に高精度な半導体デバイスを製造することが可能となる。
特に、急峻な凹凸が存在する測定試料表面を走査型プローブ顕微鏡1によって測定する際に、凹凸が急峻な箇所(Z方向への変位が急な箇所)で探針の飛びが発生したり、物性値の符号反転が生じたりしまうのを抑制することが可能である。
本実施形態にかかる走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法によれば、例えば、85〜90度前後の障壁で高さや深さが500ナノメートルを超えるような凹凸が存在する測定試料(例えばトレンチ型DRAMキャパシタやFeRAMキャパシタなど)の凹凸像と物性値(例えば電流像、圧電応答像等)の同時取得が可能となる。また、例えば、90度前後の単原子ステップを有するSi(111)ステップ基板における凹凸像と物性値(例えばSNDM1ω(Acosθ)像)の同時取得が可能となる。これらの測定においては、従来、凹凸の変化が急峻な箇所において、探針が測定試料表面からの逸脱することが稀にあったがこれを防ぐことができ、また、この箇所での物性値の符号反転や急速な立ち上がり(値が急上昇する)などの発生も防ぐことができる。また、計測時間の増加も従来のものと比較して3倍以内程度に収まるため、特に絶縁体測定試料におけるチャージアップに起因する探針のホッピングなどの発生も防止することが可能である。
実際に、SrTiO3(100)ステップ基板の測定において効果が得られた。
まず、SrTiO3(100)ステップ基板の表面には単原子ステップが存在し、探針の走査方向に対して90度の障壁となる。そこで、探針のトレースをより正確に行なうために、探針の走査速度を通常走査速度である1Hzから8割減速して0.2Hzにして測定を行なった。測定範囲は800ナノメートル×800ナノメートルである。また、セットポイントは−1.0nNである。また、探針は、Si製で、表面には電気測定用のAu膜が100nmコートしてあり、バネ定数は20nN/mである。また、測定はコンタクトモードで行なった。
この結果、SrTiO3(100)は絶縁物であるため、測定が進むにつれて表面にチャージがたまっていき、測定が7割程度済んだところで探針が表面を正確にとらえることができなくなり、像も形状を反映しなくなった。このため、図8(A)に示すように、画像取得時最終局面でのチャージの蓄積による像の乱れなどが発生していた。
これに対し、上述の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法を用いて、SrTiO3(100)ステップ基板の測定を行なったところ、図8(B)に示すように、画像取得時最終局面でのチャージの蓄積による像の乱れなどの発生を抑制することができ、正常な測定結果が得られた。
つまり、まず、一のラインの往路は、通常走査速度(基準走査速度)である1Hzで走査して凹凸情報を取得し、これに基づいて、一のラインの復路を走査する際の走査速度を、凹部の側面又は凸部の側面(傾き変化率大)で通常走査速度である1Hzから大きく減速させた0.2Hzとし、凹部の底面又は凸部の頂面(傾き変化率小)で通常走査速度である1Hzからやや減速させた0.5Hzとし、その他の部分で通常走査速度である1Hzとして、SrTiO3(100)ステップ基板の測定を行なった。この結果、図8(B)に示すように、画像取得時最終局面でのチャージの蓄積による像の乱れなどの発生を抑制することができ、正常な測定結果が得られた。
また、実際に、FeRAM用強誘電体キャパシタの測定において効果が得られた。
ここで、測定試料であるFeRAM用強誘電体キャパシタは、上部電極/強誘電体/下部電極の3層構造になっている。そして、下部電極上に膜厚100ナノメートルの強誘電体が帯状凸部として設けられており、さらに、強誘電体上に膜厚300ナノメートルの上部電極が四角形状凸部として設けられている。なお、強誘電体が設けられない領域では下部電極が表面に露出しており、上部電極が設けられていない領域では、強誘電体が表面に露出している。
なお、強誘電体はピエゾ電気特性を有するため、強誘電体薄膜に交流電圧を印加すると同じ周波数の振動が表面に発生する。これを上部電極表面に接触させたカンチレバーを用いて検知する。カンチレバーの変位信号をロックイン検出すれば、その位相(Phase)情報から強誘電体薄膜の分極方向を知ることができる。一方、振幅(Amplitude)は圧電定数や誘電率を反映した量であるため、分極の大きさの絶対量を知ることができる。
ここでは、走査速度を通常走査速度である1Hzから5割減速して0.5Hzにして測定を行なった。測定範囲は6ミクロン×6ミクロンである。また、セットポイントは−1.0nNである。また、カンチレバーはNanosensor社製の商品名EFM(カンチレバー長225μm、バネ定数1.2−5.5μm、共振周波数60−100kHz、PtIr5コート)を用いた。印加した交流電圧は0.8Vpp、10kHzである。
この結果、走査速度を減速させたこともあって、図9(A),(B),(C)に示すように、凹凸像は比較的問題なくとれているが、キャパシタ部分の物性値が乱れているのがわかる。特に、走査速度を減速させたことの影響と思われる横筋が2本程入っていて、その部分で正常な物性値が取得できていないのがわかる。なお、図9(A)は凹凸像であり、図9(B)は圧電応答振幅像であり、図9(C)は圧電応答位相像である。
これに対し、上述の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法を用いて、FeRAM用強誘電体キャパシタの測定を行なったところ、図9(E),(F)に示すように、図9(B),(C)の圧電応答振幅像、位相像で見られたような横筋の混入やキャパシタ上下位置での像の乱れが見られることなく、正常な測定結果が得られた。なお、測定範囲は3ミクロン×3ミクロンとした。また、図9(D)は凹凸像であり、図9(E)は圧電応答振幅像であり、図9(F)は圧電応答位相像である。
つまり、まず、一のラインの往路は、通常走査速度(基準走査速度)である1Hzで走査して凹凸情報を取得し、これに基づいて、一のラインの復路を走査する際の走査速度を、凹部の側面又は凸部の側面(傾き変化率大)で通常走査速度である1Hzから大きく減速させた0.2Hzとし、凹部の底面又は凸部の頂面(傾き変化率小)で通常走査速度である1Hzからやや減速させた0.5Hzとし、その他の部分で通常走査速度である1Hzとして、FeRAM用強誘電体キャパシタの測定を行なった。この結果、図9(E),(F)に示すように、図9(B),(C)の圧電応答振幅像、位相像で見られたような横筋の混入やキャパシタ上下位置での像の乱れが見られることなく、正常な測定結果が得られた。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、一のラインの往路を走査した際に得られた凹凸情報に基づいて、一のラインの復路を走査する際に、凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定するようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、一のラインの往路及び復路を走査した際に得られた凹凸情報に基づいて、一のラインの往路及び復路を走査する際に、凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定するようにしても良い。この場合、一のラインの往路及び復路を走査するための第1制御信号を出力し、第1制御信号に応じた一のラインの往路及び復路の走査によって得られた測定試料表面の凹凸情報に基づいて一のラインの往路及び復路の凹部又は凸部における走査速度を凹部又は凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、設定された一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて一のラインの往路及び復路を走査するための第2制御信号を出力するようにすれば良い。
また、上述の実施形態では、一のラインの往路を走査して得られた凹凸情報を用いて一のラインの復路を走査して測定を行なうようになっているが、これに限られるものではない。
例えば、上述の実施形態のものにおいて、一のラインの往路を走査して得られた凹凸情報を用いて一のラインの復路を走査して測定を行なった後、一のラインに凹部又は凸部が存在し、かつ、一のラインの往路を走査して得られた凹凸情報と一のラインの復路を走査して得られた凹凸情報との差が設定値(第2設定値)を超えていると判定した場合に、凹凸の判定に用いる閾値を小さい値に変更して、すぐにそのラインのみ再測定を行なうようにしても良い。ここでは、一のラインの往路を走査して得られた凹凸情報と一のラインの復路を走査して得られた凹凸情報との差とは、一のラインの往路と復路における凹部の深さの差又は凸部の高さの差、あるいは、一のラインの往路と復路における各点のZ方向位置の平均値からのずれ量の差、あるいは、一のラインの往路と復路におけるZ方向位置の変化率の差である。そして、これらの差がある範囲内(例えば往路の値に対して復路の値が8%〜10%ずれている範囲内)に収まっていない、即ち、往路と復路の凹凸情報の差が第2設定値を超えていると判定した場合に、上述の実施形態の第1設定値、所定ずれ量又は所定変化率を小さい値に変更して、すぐにそのラインのみ再測定(上述の実施形態の第1制御信号を出力する処理、走査速度を設定する処理及び第2制御信号を出力する処理)を行なうようにしても良い。この機能を再測定部という。この場合、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)の制御装置は、図1に示すように、再測定部24を含むものとなる。この場合、上述の実施形態の第1設定値、所定ずれ量又は所定変化率は、最初は大きい値に設定しておき、再測定を行なう際に小さい値に変更すれば良い。また、ある範囲内におさまるまで、徐々に小さい値に変更しながら、再測定を繰り返すようにしても良い。例えば、測定試料の表面がX方向に沿って傾いており、一のラインの往路で上り(又は下り)になり、復路で下り(又は上り)になる場合、往路で測定される物性値と復路で測定される物性値とが乖離しやすい。このような場合、上述のようにして再測定を行なうのが好ましい。
また、上述の実施形態では、走査型プローブ顕微鏡の制御装置を、コンピュータに走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムをインストールしたものとして構成しているが、上述の実施形態における処理をコンピュータに実行させる走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム(上述のような機能をコンピュータに実現させるための走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム)は、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納した状態で提供される場合もある。
ここで、記録媒体には、例えば半導体メモリなどのメモリ,磁気ディスク,光ディスク[例えばCD(Compact Disc)−ROM,DVD(Digital Versatile Disk),ブルーレイディスク等],光磁気ディスク(MO:Magneto optical Disc)等のプログラムを記録することができるものが含まれる。なお、磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等を可搬型記録媒体ともいう。
この場合、ドライブ装置を介して、可搬型記録媒体から走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムを読み出し、読み出された走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムを記憶装置にインストールすることになる。これにより、上述の実施形態で説明した走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法が実現され、上述の実施形態の場合と同様に、記憶装置にインストールされた走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムを、CPUがメインメモリ上に読み出して実行することで、上述の実施形態の各処理が行なわれることになる。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、上述の実施形態における処理をコンピュータに実行させる走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムは、例えば伝送媒体としてのネットワーク(例えばインターネット,公衆回線や専用回線等の通信回線等)を介して提供される場合もある。
例えば、プログラム提供者が例えばサーバなどの他のコンピュータ上で提供している走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムを、例えばインターネットやLAN等のネットワーク及び通信インタフェースを介して、記憶装置にインストールしても良い。これにより、上述の実施形態で説明した走査型プローブ顕微鏡の制御装置及び制御方法が実現され、上述の実施形態の場合と同様に、記憶装置にインストールされた走査型プローブ顕微鏡の制御プログラムを、CPUがメインメモリ上に読み出して実行することで、上述の実施形態の各処理が行なわれることになる。なお、コンピュータは、例えばサーバなどの他のコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、ここでは、CPU102、メモリ101、通信制御部109、入力装置106、表示制御部103、表示装置104、記憶装置105、可搬型記録媒体108のドライブ装置107などのハードウェア構成を備える単体の装置として本走査型プローブ顕微鏡の制御装置を実現する場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、上述の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の制御装置の各機能及び走査型プローブ顕微鏡の制御方法の各処理が実現されるのであれば、単体の装置でなくても良く、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであっても良い。例えば、クラウドサーバなどのサーバが上述の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の制御装置の各機能及び走査型プローブ顕微鏡の制御方法の各処理を実現するものとして構成され、インターネットやイントラネットのようなコンピュータネットワークを介して利用可能になっていても良い。
また、上述の実施形態では、コンピュータにおいてCPUがメモリ上に読み出したプログラムを実行することによって、上述の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の制御装置の各機能及び走査型プローブ顕微鏡の制御方法の各処理が実現される場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSや他のプログラムなどが実際の処理の一部又は全部を行なって、上述の実施形態の走査型プローブ顕微鏡の制御装置の各機能及び走査型プローブ顕微鏡の制御方法の各処理が実現されるようになっていても良い。
以下、上述の実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
コンピュータに、
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
(付記2)
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
(付記3)
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
(付記4)
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記一のラインの前記凹部の底面又は前記凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
(付記5)
前記走査速度を設定する処理において、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記1、2、4のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
(付記6)
コンピュータが、
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
(付記7)
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行し、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行し、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
(付記8)
前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行し、
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行し、
前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
(付記9)
前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記一のラインの前記凹部の底面又は前記凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6〜8のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
(付記10)
前記走査速度を設定する処理において、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータが実行し、
さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6、7、9のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
(付記11)
測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力する第1制御信号出力部と、
前記第1制御信号出力部から出力された前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する走査速度設定部と、
前記走査速度設定部によって設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する第2制御信号出力部とを備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
(付記12)
前記第1制御信号出力部は、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力し、
前記走査速度設定部は、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
前記第2制御信号出力部は、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力することを特徴とする、付記11に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
(付記13)
前記第1制御信号出力部は、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力し、
前記走査速度設定部は、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路の凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
前記第2制御信号出力部は、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力することを特徴とする、付記11に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
(付記14)
前記走査速度設定部は、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記一のラインの前記凹部の底面又は前記凸部の頂面における走査速度よりも遅く設定することを特徴とする、付記11〜13のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
(付記15)
前記走査速度設定部は、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を行なう再測定部を備えることを特徴とする、付記11、12、14のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
1 原子間力顕微鏡
2 プローブ
2A カンチレバー
2B 探針
3 測定試料
4 ステージ
5 スキャナ
6 XY駆動回路
7 Z位置検出系
8 Zフィードバック回路
9 物性値検出系
10 コンピュータ
11 半導体レーザ
12 4分割フォトダイオード
13 ミラー
14 差動アンプ
20 原子間力顕微鏡の制御装置(走査型プローブ顕微鏡の制御装置)
21 制御信号出力部
21A 第1制御信号出力部
21B 第2制御信号出力部
22 凹凸情報取得部
23 走査速度設定部
24 再測定部
30 凹部
30A 凹部の底面
30B,30C 凹部の側面
31 凸部
31A 凸部の頂面
31B,31C 凸部の側面
32 凹部又は凸部以外の部分(平坦部分)
101 メモリ
102 CPU
103 表示制御部
104 表示装置
105 記憶装置
106 入力装置
107 ドライブ装置
108 可搬型記録媒体
109 通信制御部
110 バス

Claims (6)

  1. コンピュータに、
    測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
    基準走査速度を設定し、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を前記基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、前記凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定し、
    設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
  2. 前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
    前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの復路における走査速度を設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
    前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの復路の走査速度に基づいて前記一のラインの復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
  3. 前記第1制御信号を出力する処理において、前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
    前記走査速度を設定する処理において、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの往路及び復路の走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの往路及び復路における走査速度を設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
    前記第2制御信号を出力する処理において、設定された前記一のラインの往路及び復路の走査速度に基づいて前記一のラインの往路及び復路を走査するための制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
  4. コンピュータに、
    測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
    前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定し、
    設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行させ、
    前記走査速度を設定する処理において、前記一のラインの前記凹部の深さ又は前記凸部の高さが第1設定値を超えている場合に、前記一のラインの凹部又は凸部における走査速度を前記凹部又は前記凸部以外の部分における走査速度よりも遅く設定する処理を前記コンピュータに実行させ、
    さらに、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報と、前記第2制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報との差が第2設定値を超えている場合に、前記第1設定値を小さい値に変更して、前記第1制御信号を出力する処理、前記走査速度を設定する処理及び前記第2制御信号を出力する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御プログラム。
  5. コンピュータが、
    測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力し、
    基準走査速度を設定し、前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を前記基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、前記凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定し、
    設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する、処理を実行することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御方法。
  6. 測定試料の表面上の一のラインを走査するための第1制御信号を出力する第1制御信号出力部と、
    基準走査速度を設定し、前記第1制御信号出力部から出力された前記第1制御信号に応じた前記一のラインの走査によって得られた前記測定試料表面の凹凸情報に基づいて、前記一のラインの底面及び側面からなる凹部の底面又は頂面及び側面からなる凸部の頂面における走査速度を前記基準走査速度よりも遅い第1走査速度に設定し、前記一のラインの前記凹部の側面又は前記凸部の側面における走査速度を前記第1走査速度よりも遅い第2走査速度に設定し、前記凹部又は凸部以外の部分における走査速度は基準走査速度のままとなるように、走査速度を設定する走査速度設定部と、
    前記走査速度設定部によって設定された前記一のラインの走査速度に基づいて前記一のラインを走査するための第2制御信号を出力する第2制御信号出力部とを備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の制御装置。
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