JP6159274B2 - サンプル採取用放電加工装置および放電加工方法 - Google Patents

サンプル採取用放電加工装置および放電加工方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、原子炉内の構造物からサンプルを採取するのに用いられる放電加工装置および放電加工方法に関する。
原子力発電プラントでは、原子炉内の構造物、例えば、炉心シュラウドからサンプルを採取することが従来から行われている。採取したサンプルは、主として経年変化による構造物の健全性の評価に用いられている。
最近では、高経年化により運転期間を終了する原子力発電プラントの廃止措置が現実の検討課題とされている。廃棄体埋設施設や被爆低減を考慮した原子炉の解体工法の検討あるいは計画には、原子炉内構造物の様々な部位からサンプルを取得して、放射化放射能濃度分析値を取得する必要がある。
従来、原子炉内の炉心シュラウドなどの構造物の加工技術には、被爆を低減するために、水中遠隔操作による放電加工が採用されている。
原子炉内構造物からサンプルを採取する場合にも、従来から放電加工が利用されており、例えば、特許文献1では、放電加工電極を回転させて構造物の表層から放電加工によりサンプルを切り取るサンプル採取装置が開示されている。
このような従来のサンプル採取方法では、原子炉内構造物の内側面又は外側面の一方からしかサンプルを切り取ることができないので、放射化放射能濃度の分析に必要とされる原子炉内構造物の内外面両方のサンプルは、都合2回の加工で採取しなければならない。
特開平10−76427号公報
しかしながら、原子炉内構造物の内面および外面からサンプルを採取するためには、それぞれ内面側、外面側から加工部位へ放電加工装置をアクセスさせる必要がある。
一般に、原子炉内には、様々な構造物、機器が配置されている。例えば、炉心シュラウドの内外面からサンプルを採取する場合、炉心シュラウド内面へのアクセスルートの途上には、上部格子板や炉心支持板が存在する。他方、炉心シュラウド外面へのアクセスルートの途上には、炉心スプレイ配管やジェットポンプが存在する。これらは、放電加工装置を炉心シュラウドの内面と外面の各加工部位へアクセスさせるときには障害となり、放電加工装置を加工部位にセットするまでに時間がかかり、全体としてサンプル採取に必要な施工時間が長くかかる。
他方、炉心シュラウドの内面と外面とでは、放電加工装置を保持させるための構造が異なり、内面を施工する放電加工装置と外面を施工する放電加工装置とを使い分けたり、あるいは、内面と外面との両方に対応させるためには、内面に対する保持機構と外面に対する保持機構の両方を併設しなければならないという課題があった。
本発明は、前記従来技術に係る課題に鑑みなされたものであって、炉心シュラウドのような炉内構造物からサンプルを採取する場合に、一回の放電加工によって、内外面両方からサンプルを一度に採取することができるようにしたサンプル採取用放電加工装置および放電加工方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、
構造物から放電加工によって一部を切り出してサンプルを採取するのに用いられる放電加工装置において、
放電加工用の電極を有する加工ヘッドと、
前記加工ヘッドを前記電極の軸方向に移動させる電極駆動部を有する放電加工施工装置と、を備え、
前記放電加工用の電極は、放電加工の進行により一方向から前記構造物を貫通して円柱状のサンプルを採取可能な、先端部に放電加工の進行とともに消耗していく厚肉部が形成されている円筒形の円筒電極からなり、
前記円筒電極の前記先端部の前記厚肉部よりも薄肉の部分の内部には、採取した前記サンプルを収納可能な収納空間が形成され、前記収納空間を形成する前記円筒電極の内周面には絶縁材が設けられていることを特徴とするものである。
また、前記の目的を達成するために、本発明は、
構造物から放電加工によって一部を切り出してサンプルを採取する放電加工方法において、
放電加工用の電極として、先端部に放電加工の進行とともに消耗していく厚肉部が形成されている円筒形の円筒電極を用い、
前記構造物に対して前記円筒電極をその軸方向に移動させながら前記構造物を貫通するまで放電加工を行い、前記構造物から円柱状のサンプルを採取し、この円柱状のサンプルを前記円筒電極の先端部の前記厚肉部より薄肉の部分の内部に形成され、内周面に絶縁材が設けられている収納空間に収納することを特徴とするものである。
本発明によれば、例えば、炉心シュラウドのような炉内構造物からサンプルを採取する場合に、一回の放電加工によって、内外面両方からサンプルを一度に採取することができる。
本発明による放電加工装置を適用してサンプルが採取される沸騰水型原子炉の炉心シュラウドを示す断面図である。 図1の炉心シュラウドを上部格子板の上からみた平面図である。 図1の炉心シュラウドを炉心支持板の上からみた平面図である。 本発明の一実施形態による放電加工装置の概略構成説明図である。 本発明の第1実施形態による放電加工装置の備える加工ヘッドおよび円筒電極を示す断面図である。 図5の円筒電極の詳細を示す縦断面図である。 図7(a)から(c)は各々図5の放電加工装置を用いて実施する放電加工方法の工程を示す説明図である。 図8(a)から(c)は各々本発明の第2実施形態による放電加工方法の工程を示す説明図である。 図9(a)から(c)は各々本発明の第3実施形態による放電加工方法の工程を示す説明図である。 図10(a)および(b)は本発明の第4実施形態による放電加工方法の工程を示す説明図である。 図11(a)から(b)は本発明の第4実施形態による放電加工方法においてサンプルの表裏識別の方法を伴った加工方法の説明図である。 本発明の第4実施形態による放電加工方法によって採取されたサンプルを示す斜視図である。 本発明の第5実施形態による放電加工方法で用いられる円筒電極を示す縦断面図である。 図14(a)から(c)は各々本発明の第5実施形態による放電加工方法の工程を示す説明図である。
以下、本発明によるサンプル採取用放電加工装置および放電加工方法の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の放電加工装置を適用してサンプルを採取する原子炉内構造物の代表例である沸騰水型原子炉における炉心シュラウドの構造を示す。図1において、符号1は、原子炉圧力容器を示している。
原子炉圧力容器1の内部には、炉心を収容する炉心シュラウド2が設けられている。この炉心シュラウド2は、直径の異なった複数の円筒状の構造物を積み重ねて構成されている。炉心シュラウド2の下部には、炉心支持板3が配設され、炉心シュラウド2の上部には、格子状の上部格子板4が配設されている。これらの炉心支持板3と上部格子板4の間には、多数の図示しない燃料集合体が配置される。
次に、図2は、炉心シュラウド2を上部格子板4の上から見た図である。炉心シュラウド2の上部には、非常時に冷却材を炉心シュラウド2内に注入するための炉心スプレイ配管5が炉心シュラウド2と原子炉圧力容器1の間の空間に円周方向に配管されている。炉心シュラウド2の上部においてその外面から内面にかけてサンプルを採取する場合には、炉心スプレイ配管5が干渉しないようにして放電加工装置を加工部位にアクセスさせる。
図3は、炉心シュラウド2を炉心支持板3の上から見た図である。
炉心シュラウド2の中間部においては、炉心シュラウド2の外壁面と原子炉圧力容器1の内壁面との間にダウンカマ部と呼ばれる空間がある。このダウンカマ部には、ジェットポンプ6が複数台設置されており、これらのジェットポンプ6によって炉心シュラウド2内の炉心に冷却水を供給している。炉心シュラウド2の中間部において、その外面から内面にかけてサンプルを採取する場合には、ジェットポンプ6が干渉しないように放電加工装置を加工部位にアクセスさせる。
次に、図4乃至図7を参照しながら、炉心シュラウド2などの構造物からサンプルを採取する放電加工装置の構成について説明する。
図4は、原子炉圧力容器1と炉心シュラウド2の間に配置した本実施形態による放電加工装置10を示している。
この放電加工装置10は、原子炉内構造物に対して、サンプル採取のための放電加工を水中遠隔操作によって施工する施工装置本体12と、この施工装置本体12を所定の施工位置に設置するためのベース14と、を備えている。原子炉圧力容器1の上部には作業フロアが設けられ、この作業フロアに電源盤や遠隔操作のための制御装置などが設置される。電源盤および制御装置と施工装置本体12とはケーブルで接続されている。
施工装置本体12は、後述する円筒電極を有する加工ヘッド16を備えている。そして、施工装置本体12は、円筒電極を軸方向に進退させる送り機構と、円筒電極を回転させる回転駆動機構と、を有する図示しない電極駆動部を備えている。
ベース14は、施工装置本体12を位置決めする機能や施工装置本体12の回転防止のために固定する機能を有している。例えば、施工装置本体12の下面には、複数のピン17が設けられ、ベース14には、これらのピン17が嵌まるピン穴18が形成されており、施工装置本体12の位置決めと回転防止をすることができる。
なお、この図4に示したベース14は、円筒電極を炉心シュラウド2の外面から内面に水平に貫通させてサンプルを採取する放電加工を施工できるように、原子炉圧力容器1と炉心シュラウド2に架け渡すように設置するベースである。
この実施形態の放電加工装置10には、施工装置本体12とベース14とに分割する構成が採用されており、サンプルを採取する対象の原子炉内構造物が異なれば、施工装置本体12の設置状況は異なってくるため、設置位置に適合する複数種類のベース14があらかじめ用意されている。
次に、図5は、放電加工装置10の加工ヘッド16の構成を示す。放電加工装置10の加工ヘッド16では、特に、円筒形状をもった円筒電極20が用いられる。この円筒電極20の先端部には、厚肉部20aが形成されており、この厚肉部20aは放電加工の進行とともに消耗していく部分である。このような円筒電極20の厚肉部20aの肉厚および長さは、サンプルを採取する構造物の板厚と放電加工中の減肉量を考慮して決定される。
円筒電極20の薄肉の部分で囲まれた空間は、採取したサンプルを収納するサンプル収納部21である。円筒電極20の後端部には、電極取り付けのためのフランジ部22が形成されている。円筒電極20の内径寸法は、採取するサンプルの径を考慮して決定される。
なお、図6に示されるように、円筒電極20のサンプル収納部21を形成する内周面全体には、例えば、MCナイロン(日本ポリペンコ社の登録商標名)のような絶縁材23が貼り付けられており、サンプル採取時に円筒電極20内部に取り込んだサンプルが電極内周面と接触して短絡してしまうのを未然に防止している。
図5に示されるように、放電加工装置10の加工ヘッド16では、回転軸24がベアリング25を介して回転自在に支持されている。円筒電極20は、この回転軸24の先端に電極ホルダ26を介して同軸に取り付けられている。
回転軸24の後端部には、歯車28が取着されており、図示しないモータおよび伝動機構を有する回転駆動機構から歯車28に回転トルクが伝動され、これによって円筒電極20は回転できるように構成されている。また、加工ヘッド16全体は、図示しない送り機構によって軸方向に進退可能に構成されている。
次に、以上のように構成される放電加工装置10を用いて実施するサンプル採取のための放電加工方法について、炉心シュラウド2からサンプルを採取する場合を例に、図7を参照しながら説明する。
この実施形態では、加工ヘッド16を炉心シュラウド2の外面2aに対して垂直な水平姿勢に保って、円筒電極20の軸方向が炉心シュラウド2の厚さ方向と平行になるように設定する。この状態で、円筒電極20を炉心シュラウド2の外面2aから厚さ方向に炉心シュラウド2を貫通させてサンプル50を採取する。
図7(a)において、円筒電極20を回転させながら加工ヘッド16を軸方向に送りつつ、炉心シュラウド2の外面2a側から放電加工を行う。放電加工の電極として、円筒電極20を用いているので、その先端面に接近した環状範囲にある母材は溶融し、円筒電極20の送りとともに円柱状のサンプル50が形成されていく。この実施形態では、円筒電極20を回転させながら送っているので、放電加工の過程で生成するスラッジを排出し易くなり、加工効率を向上させることが可能となる。
そして、図7(b)に示されように、円筒電極20の先端が内面2b側に突き抜け、炉心シュラウド2を貫通させると、円柱状に加工されたサンプル50を、円筒電極20内部のサンプル収納部21に取り込むことができる。
次いで、図7(c)に示されるように、加工ヘッド16全体を後退させ、円筒電極20の内部にサンプル50を収納したまま炉心シュラウド2から引き抜くことで、サンプル採取を行うことができる。
本実施形態では、円筒電極20をその軸方向に送りながら、この円筒電極20を炉心シュラウド2の厚さ方向に貫通させる放電加工を行っているので、炉心シュラウド2の外面2aと内面2bを含むサンプルを一度の加工で一挙に採取することができる。その後、施工装置本体12ごと引き上げて、採取したサンプル50を回収することになる。このようにして、施工装置本体12をサンプル採取位置に1回据え付けるだけで済むので、サンプル採取の工程を半減することが可能になる。
また、採取したサンプル50は、円筒電極20内部のサンプル収納部21に収納して回収することができるので、施工装置本体12に特別な収納スペースが必要なくなり、放電加工装置10の小型化が可能になる。
なお、以上は、炉心シュラウド2の側に円筒電極20を貫通させる場合であるが、内面2b側から外面2a側へ円筒電極20を貫通させる場合も同様にサンプルを採取することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による放電加工装置について、図8を参照して説明する。
上述した第1実施形態では、放電加工によって採取したサンプル50を円筒電極20内部のサンプル収納部21に収納して回収するが、サンプル採取後、施工装置本体12が移動する間に、サンプル50が落下する可能性が想定される。
そこで、この第2実施形態では、円筒電極20の先端部の厚肉部20aに段差部30を形成した段付き構造としている。この場合、段差部30があることによって、円筒電極20の先端部では、より小さな内径をもつ肉厚な部分が削り出しまたは溶接等により先端開口から段差部30までの間に形成されるようになっている。なお、円筒電極20の厚肉部20aは放電加工の進行とともに消耗していく部分であるので、段差部30の位置は消耗しない範囲に設けられる。また、円筒電極20の先端内径部を段付き構造とすることによって、内径が小さくなるため、サンプル50の外径サイズに合わせて内径を決定する。
次に、以上のように構成される円筒電極20を用いて実施するサンプル採取のための放電加工方法について図8を参照して説明する。
この第2実施形態も第1実施形態と同様に、加工ヘッド16を炉心シュラウド2の外面2aに対して垂直な水平姿勢に保って、円筒電極20の軸方向が炉心シュラウド2の厚さ方向と平行になるように設定する。この状態で、円筒電極20を炉心シュラウド2の外面2aから厚さ方向に炉心シュラウド2を貫通させてサンプル50を採取する。
図8(a)において、円筒電極20を回転させながら、加工ヘッド16を軸方向に送り、炉心シュラウド2の外面2aに放電加工を行う。円筒電極20の送りとともに円柱状のサンプル50が形成されていく。放電加工が進むにつれてサンプル50は円筒電極内20に入っていく。
そして、図8(b)に示されるように、円筒電極20の先端が内面2b側に突き抜け、炉心シュラウド2を貫通させると、円柱状に加工されたサンプル50を、円筒電極20内部の段差部30より奥行き側のサンプル収納部21に取り込むことができる。
次いで、図8(c)に示されるように、加工ヘッド16全体を後退させると、円筒電極20の内部にサンプル50を収納したまま円筒電極20を炉心シュラウド2から引き抜く。移動の際に加工ヘッド16が傾いても、サンプル50は段差部30に当たって落ちないようになっているので、サンプル脱落を防止することができる。
以上のような第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、炉心シュラウド2のような構造物の外面と内面のサンプルを一度の加工で一挙に採取することができる上に、採取したサンプルを落下させることなく、確実に回収することができるので、作業性が向上する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による放電加工方法について、図9を参照して説明する。
上述の第2実施形態では、採取したサンプル50の落下防止のために、段付き構造の内径部をもつ円筒電極20を用いたが、この第3実施形態では、同じく採取したサンプルの落下防止のために、炉心シュラウド2のように鉛直に立ち上がっている炉内構造物の厚さ方向に対して、第1実施形態と同様の円筒電極20を斜め上方の方向に送りながら放電加工を行うようにしている。
この場合、図4に示した放電加工装置10は、加工ヘッド16は水平な姿勢で支持されている例であるが、この第3実施形態で利用する放電加工装置では、加工ヘッド16の姿勢の傾きを調整できる機能を有している。
まず、図9(a)において、円筒電極20の先端の方が高くなるように、加工ヘッド16を水平面に対して斜めの姿勢に保たれるように、加工ヘッド16の姿勢が設定される。
そこで、円筒電極20を回転させながら、加工ヘッド16を軸方向に送り、炉心シュラウド2の外面2a側から放電加工を行う。円筒電極20の送りとともに縦断面が平行四辺形になっている円柱状のサンプル50が形成され、放電加工の進行とともにサンプル50は円筒電極内20に入っていく。
そして、図9(b)に示されるように、円筒電極20の先端が炉心シュラウド2の内面2b側に突き抜け、炉心シュラウド2を貫通させると、円柱状に加工されたサンプル50は、円筒電極20内部のサンプル収納部21に取り込まれる。
次いで、図9(c)に示されるように、加工ヘッド16全体を後退させると、円筒電極20の内部にサンプル50を収納したまま炉心シュラウド2から引き抜くことができる。加工ヘッド16は傾いているため、サンプル収納部21からのサンプル50の落下を防止することができる。
以上のような第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、炉心シュラウド2のような構造物の外面と内面を含むサンプルを一度の加工で一挙に採取することができる上に、第2実施形態のように円筒電極20の内径部を段付き構造にしなくても、採取したサンプル50を落下させることなく、確実に回収することができる。
(第4実施形態)
次に、図10は、本発明の第4実施形態による放電加工方法を示す。
上述した第2実施形態並びに第3実施形態は、円筒電極20を水平な姿勢で放電加工を行う場合にサンプルの落下防止対策を伴った実施形態である。
これに対して、第4実施形態では、円筒電極20の先端を鉛直下方に向けて放電加工を行う。原子炉内構造物によっては、例えば、図1に示した炉心支持板4のように、下向きの加工によりサンプルを採取しなければならない場合がある。
この下向きの放電加工では、円筒電極20が炉内構造物を厚さ方向に貫通すると同時にサンプル50が落下する可能性がある。
そこで、この第4実施形態では、加工ヘッド16を鉛直姿勢に設定してサンプル採取を行う場合には、円筒電極20の直下位置にサンプル回収のためのバスケット34などの回収容器を配置している。
図10(a)において、円筒電極20を回転させながら、加工ヘッド16とともに円筒電極20を軸方向に送り、原子炉内構造物60に放電加工を行う。円筒電極20の送りとともに円柱状のサンプル50が形成され、放電加工が進むにつれてサンプル50は円筒電極内20に入っていく。
そして、図10(b)に示されるように、円筒電極20の先端が突き抜けるまで放電加工を行い、円筒電極20を原子炉内構造物60に板厚方向に貫通させると、円柱状に加工されたサンプル50は、直下に配置されているバスケット34に落下し、このバスケット34に取り込むことができる。
以上のような円筒電極20による下向きの放電加工では、原子炉内構造物60の外側面60a(表面)と内側面60b(裏面)のサンプルを一度の加工で一挙に採取することができる。もっとも、回収した円柱状のサンプル50が円筒電極20から取り出した姿勢をバスケット34内で保っている場合は、端面がそれぞれ構造物の内側面60bあるいは外側面60aなのかどうかを識別することができる。しかし、サンプル50が転倒してしまったような場合は、サンプル50のそれぞれ端面のうちどちらが構造物の内側面60bあるいは外側面60aなのかどうか裏表を識別することができない場合がある。
そこで、原子炉内構造物60の内側面60aと外側面60bを識別できるように、図11に示すように放電加工を行うことが好ましい。
図11(a)において、円筒電極20の端面を原子炉内構造物60の外側面60aに突き当て、ごく浅く放電加工による初期加工を行う。
次いで、図11(b)に示されるように、加工ヘッド16を原子炉内構造物60の外側面60aと平行な方向に僅かな距離δだけずらす。しかる後、円筒電極20を回転させながら、加工ヘッド16とともに円筒電極20を軸方向に送り、斜線で示す部分をサンプル50とすべく原子炉内構造物60に放電加工を行う。
さらに、図11(c)に示されるように、円筒電極20の先端が突き抜けるまで円筒電極20を原子炉内構造物60に板厚方向に貫通させると、サンプル50は円柱状に加工され、直下に配置されているバスケット34に落下する。
ここで、図12は、サンプル50の形状を示す。サンプル50の片方の端面には、初期加工の痕が残って、内外面識別のための浅い三日月形の溝51が形成されている。したがって、この溝51がある方が、原子炉内構造物の外側面60aであり、溝51のない方が内側面60bであると確実に識別することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態による放電加工方法について、図13並びに図14を参照して説明する。
この第5実施形態は、円筒電極20の先端を鉛直下方に向けて放電加工を行う点は、第4実施形態と同様であるが、この第5実施形態は、第4実施形態と円筒電極20をずらすことなく、内外面識別のための形状をサンプル50に付加できるようにした実施の形態である。
ここで、図13は、第5実施形態で用いられる円筒電極20を示している。この円筒電極20では、肉厚部20aの先端に内径をより小さくする段部40を形成している。この場合、段部40の幅wは、円筒電極20が原子炉内構造物を肉厚方向に貫通する過程で早期に消耗する範囲内に設定されている。
まず、図14(a)において、円筒電極20の先端を原子炉内構造物60の外側面60aに突き当て、放電加工を行う。この初期段階の放電加工では、先端の段部40の内径形状に倣った小さい外径R1をもつごく短い円柱に加工される。
次いで、図14(b)に示されるように、さらに、円筒電極20を回転させながら加工ヘッド16とともに円筒電極20を軸方向に送り、放電加工を続ける。先端の段部40が消耗した後は、外径R1より拡がった外径R2をもつ円柱状のサンプル50が加工されていく。
さらに、図14(c)に示されるように、円筒電極20の先端が突き抜けるまで円筒電極20を原子炉内構造物60に板厚方向に貫通させると、段付きのサンプル50が加工され、直下に配置されているバスケット34に落下する。
こうして採取されたサンプル50では、第4実施形態のように円筒電極20の位置をずらすことなく、内外面識別のための形状をサンプル50に付加することができ、外径の小さい方が原子炉内構造物60の外側面60aであると確実に識別することができる。
以上、本発明に係る放電加工装置および放電加工方法について、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
1…原子炉圧力容器、2…炉心シュラウド、3…炉心支持板、4…上部格子板、5…炉心スプレイ配管、6…ジェットポンプ、10…放電加工装置、12…施工装置本体、14…ベース、16…加工ヘッド、17…ピン、18…ピン穴、20…円筒電極、20a…肉厚部、21…サンプル収納部、23…絶縁材、24…回転軸、25…ベアリング、26…電極ホルダ、28…歯車、30…段差部、34…バスケット、40…段部

Claims (9)

  1. 構造物から放電加工によって一部を切り出してサンプルを採取するのに用いられる放電加工装置において、
    放電加工用の電極を有する加工ヘッドと、
    前記加工ヘッドを前記電極の軸方向に移動させる電極駆動部を有する放電加工施工装置と、を備え、
    前記放電加工用の電極は、放電加工の進行により一方向から前記構造物を貫通して円柱状のサンプルを採取可能な、先端部に放電加工の進行とともに消耗していく厚肉部が形成されている円筒形の円筒電極からなり、
    前記円筒電極の前記先端部の前記厚肉部よりも薄肉の部分の内部には、採取した前記サンプルを収納可能な収納空間が形成され、前記収納空間を形成する前記円筒電極の内周面には絶縁材が設けられている
    ことを特徴とする放電加工装置。
  2. 前記円筒電極の内径部には、収納したサンプルの脱落を防止する段差部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の放電加工装置。
  3. 前記円筒電極の先端には、放電加工開始から初期に消耗する内径の小さな段部を設けたことを特徴とする請求項に記載の放電加工装置。
  4. 前記放電加工施工装置は、前記電極駆動部を有する施工装置本体と、前記施工装置本体が着脱可能に設置され放電加工施工位置に位置決めするためのベースと、に分割構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の放電加工装置。
  5. 前記放電加工施工装置の電極駆動部は、前記円筒電極を軸方向に移動させながら前記円筒電極を回転可能であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の放電加工装置。
  6. 構造物から放電加工によって一部を切り出してサンプルを採取する放電加工方法において、
    放電加工用の電極として、先端部に放電加工の進行とともに消耗していく厚肉部が形成されている円筒形の円筒電極を用い、
    前記構造物に対して前記円筒電極をその軸方向に移動させながら前記構造物を貫通するまで放電加工を行い、前記構造物から円柱状のサンプルを採取し、この円柱状のサンプルを前記円筒電極の先端部の前記厚肉部より薄肉の部分の内部に形成され、内周面に絶縁材が設けられている収納空間に収納することを特徴とする放電加工方法。
  7. 前記構造物の水平な厚さ方向に対して前記円筒電極をその軸方向が平行な状態に保持し、前記円筒電極を軸方向に移動させながら前記構造物を厚さ方向に貫通するまで放電加工を行い、円柱状のサンプルを前記円筒電極内に収納することを特徴とする請求項に記載の放電加工方法。
  8. 前記構造物の水平な厚さ方向に対して前記円筒電極をその軸方向が先端に向かって上り勾配の斜めの状態に保持し、前記円筒電極を軸方向に移動させながら前記構造物を厚さ方向に貫通するまで放電加工を行い、円柱状のサンプルを前記円筒電極内に収納することを特徴とする請求項に記載の放電加工方法。
  9. 前記円筒電極を軸方向に移動させながら前記円筒電極を回転させながら放電加工を行うことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の放電加工方法。
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