JP6158826B2 - 硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化促進剤を製造する方法、特に硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤を製造する方法に関する。さらに本発明は、こうして製造された硬化促進剤、並びに硬化促進剤の使用に関する。本発明の更なる対象は、硬化促進剤を含むバインダー組成物、及び硬化されたバインダー組成物を含有する成形体である。
硫酸カルシウム系バインダーを処理する際には、硬化促進添加剤又は硬化促進剤がしばしば使用される。これにより、バインダーの硬化時間を大幅に短縮することができる。このことは、例えばプラスターボードの大量生産において決定的に有利である。
硫酸カルシウム系バインダーにとって特に効果的な硬化促進剤は、微粉砕された石膏又は硫酸カルシウム二水和物(CaSO4・2H2O)である。石膏はここでは具体的には種結晶として作用する。種結晶は、バインダー中に存在する硫酸カルシウム半水和物及び/又は硬石膏の水和を促進する。
このような硬化促進剤の製造中に、添加剤、例えば澱粉、糖、又はデキストリンを石膏に製造中に添加することがある。これらの添加剤は、具体的には、石膏の粉砕プロセスを促進するか、又は粉砕後の石膏の特性に影響を与えるために役立つ。詳細に述べるならば、添加剤は、粉砕ミル内の石膏の破砕を容易にし、そして結果として生じた微粒子の凝集を防止する。他の添加剤はその代わりに硬化促進作用、又は粉砕後の石膏の安定性を高める。
これと関連して、特許文献1には、石膏の粉砕中に最大20wt%の界面活性剤を添加剤として使用することが記載されている。詳細に述べられているのは、例えばナトリウムアルキレートスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、又はエトキシル化ノニルフェノールである。これらの添加剤を使用することによって、具体的には貯蔵安定性が改善され、そして硬化促進作用が高められる。
しかしながら、石膏系の硬化促進剤のための周知の添加剤及び製造方法の多くは、完全に納得できるものというわけではない。すなわち、これらは粉砕プロセス又は石膏特性、特に硬化促進作用のいずれかだけしか改善しない場合がある。したがって、粉砕プロセス分野の改善は、硬化促進作用に不利に働く。またその逆も同じことが言える。他の方法及び添加剤は、経済上の欠点を有するか、又は技術的な実施が高価である。
したがって、上記欠点を有さない新たな別の解決手段が依然として必要である。
米国特許第4,298,394号明細書
したがって、本発明の課題は、硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤を製造可能にする方法を提供することである。具体的にはこの方法は、可能な限り効率的かつ/又は経済的であるべきであり、また可能な限り最も効果的な硬化促進剤の製造を可能にするべきである。さらに、可能な限り効率的かつ/又は経済的に製造することができる硬化促進剤であって、周知の硬化促進剤と比較して同等の又は改善された作用を有する硬化促進剤を形成するべきである。さらに、硬化促進剤は、具体的には硫酸カルシウム系バインダーの加工性に大きな影響を及ぼすべきではない。
驚くべきことに、本発明の課題は、下記態様1に記載の方法に照らして解決されることが判った。
本発明の方法は、特に硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤を製造するために、ポリカルボキシレートと共に石膏を乾式粉砕することを特徴とする。
上記問題点は、下記態様10に記載の特徴に基づく硬化促進剤に関して解決される。
粉砕試験において示されたように、添加剤なしのブランク試料と比較して、石膏の乾式粉砕中にポリカルボキシレートを使用すると、粉砕体に対するケーキング又は粘着が有意に少なくなる。したがって、ミルの生産能力又は単位時間当たりの石膏粉砕量を、同一ミル性能に対して有意に高めることができる。結果として、ミルの清浄化費用を軽減することができ、このことはまたミル又は粉砕体の摩耗及び断裂を低減する。さらに、ポリカルボキシレートを使用すると、粉砕生成物の微粉度をより高くすることが可能である。しかもこの方法において添加剤として使用されるポリカルボキシレートは、世界中で低コストで入手することができ、現存の組成物中に僅かな量でも既に効果的である。このように、全体的に見て、硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤を製造する新規の、効率的かつ経済的な方法がもたらされる。
こうして生成された硬化促進剤は具体的には、硫酸カルシウム系バインダー中の極めて良好な促進作用によって特徴づけられる。換言すれば、硬化開始までの時間、及び硬化終了までの時間の両方を、本発明による硬化促進剤を用いて有意に短縮することができる。
本発明による硬化促進剤は、硫酸カルシウム系バインダーの流動能力に対する悪影響をほとんど又は全く及ぼさない。これは、硬化促進剤なしのブランク試料と比較して流動能力又は拡散度(degree of spreading)がわずかしか減少しないという事実によって示される。この減少は硬化促進作用の二次的な現象である。したがってバインダーの加工性は同じままである。
本発明の別の更なる態様は、更なる独立請求項の対象である。本発明の特に好ましい実施態様は、従属請求項の対象である。
すなわち、本発明の態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
少なくとも1種のポリカルボキシレートと共に、石膏を乾式粉砕することを特徴とする、硬化促進剤を製造する方法、特に硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤を製造する方法。
《態様2》
前記石膏を、≦100μmの範囲、特に≦70μm未満の範囲、好ましくは≦40μm未満の範囲の粒径d 50 値まで粉砕することを特徴とする、態様1に記載の方法。
《態様3》
前記ポリカルボキシレートを、0.05〜10wt%の分率、特に0.05〜2wt%の分率、具体的には0.2〜1wt%の分率で使用することを特徴とする、態様1又は2に記載の方法。
《態様4》
前記ポリカルボキシレートを、凝集した固体状態で、特に粉末状ポリカルボキシレートの状態で、使用することを特徴とする、態様1〜3のいずれか一項に記載の方法。
《態様5》
前記ポリカルボキシレートは、ポリカルボキシレート主鎖とポリエーテル側鎖とを有する櫛形ポリマーであり、前記ポリエーテル側鎖は、エステル基、エーテル基及び/又はアミド基によって、前記ポリカルボキシレート主鎖に結合されていることを特徴とする、態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
《態様6》
前記ポリカルボキシレート又は櫛形ポリマーは、下記構造単位を含むか又はこれらからなることを特徴とする、態様1〜5のいずれか一項に記載の方法:
a) aモル部の以下の式(I)の構造単位S1:
Figure 0006158826
b) bモル部の以下の式(II)の構造単位S2:
Figure 0006158826
c) cモル部の以下の式(III)の構造単位S3:
Figure 0006158826
d) dモル部の以下の式(IV)の構造単位S4:
Figure 0006158826
(上記式中、
Mは互いに独立してH 、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、二価又は三価の金属イオン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウム基を表し、
それぞれのR は、互いに独立して、水素又はメチル基を表し、
それぞれのR は、互いに独立して、水素又はCOOMを表し、
m=0,1又は2であり、
p=0又は1であり、
及びR は、互いに独立して、C 〜C 20 アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、又は[AO] −R を表し、
A=C 〜C アルキレンであり、R は、H、C 〜C 20 アルキル基、シクロヘキシル基、又はアルキルアリール基を表し、
そしてn=2〜250であり、
は、互いに独立して、NH 、−NR 、−OR NR を表し、
及びR は、互いに独立して、C 〜C 20 アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、若しくはアリール基を表し、又は
ヒドロキシアルキル基、アセトキシエチル(CH −CO−O−CH −CH −)、ヒドロキシ−イソプロピル(HO−CH(CH )−CH −)、若しくはアセトキシイソプロピル基(CH −CO−O−CH(CH )−CH −)を表し、
あるいは、
及びR は、窒素をその一部として共に環を形成することにより、モルホリン又はイミダゾリン環を形成し;
は、C 〜C アルキレン基であり、
及びR は、互いに独立して、C 〜C 20 アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、又はヒドロキシアルキル基を表し、
そして、a,b,c及びdは、それぞれの構造単位S1,S2,S3及びS4のモル分率を表し、
a/b/c/d=(0.1〜0.9)/(0.1〜0.9)/(0〜0.8)/(0〜0.8)であり、
特にa/b/c/d=(0.3〜0.9)/(0.1〜0.7)/(0〜0.6)/(0〜0.4)であり、
好ましくはa/b/c/d=(0.5〜0.9)/(0.1〜0.3)/(0.001〜0.005)/0であり、そしてa+b+c+d=1であることを条件とする)。
《態様7》
前記ポリカルボキシレート中、
a) 残基R 及びR は、水素を表し、
b) m=0であり、
c) p=1であり、
d) R 及びR は、互いに独立して−[AO] −R を表し、n=20〜70であり、かつ/又は
e) R は、メチル基を表す
ことを特徴とする、態様6に記載の方法。
《態様8》
少なくとも1種の付加的な粉砕助剤を使用し、前記粉砕助剤が具体的には糖、澱粉、ケイ砂及び/又はドロマイトを含むことを特徴とする、態様1〜7のいずれか一項に記載の方法。
《態様9》
前記乾式粉砕が、粉砕媒体ミル内、特にボールミル内で行われることを特徴とする、態様1〜8のいずれか一項に記載の方法。
《態様10》
態様1〜9のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる、硬化促進剤、特に硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤。
《態様11》
硫酸カルシウム系バインダー、特にスタッコの硬化を促進するための、態様10に記載の硬化促進剤の使用。
《態様12》
プラスターボードの製造に際しての態様11に記載の使用。
《態様13》
硫酸カルシウム系バインダー、並びに態様10に記載の硬化促進剤を含有するバインダー組成物。
《態様14》
前記硬化促進剤は、前記バインダーを基準として、0.0005〜5wt%の分率、特に0.01〜1wt%の分率で存在することを特徴とする、態様13に記載のバインダー組成物。
《態様15》
態様13又は14に記載の硬化されたバインダー組成物を含有する成形体、特にプラスターボード。
本発明の第1の態様は、硬化促進剤を製造する方法、特に硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤を製造する方法であって、少なくとも1種のポリカルボキシレートと共に石膏を乾式粉砕する、硬化促進剤を製造する方法に関する。
「硬化(setting)」とは、水で調製されたバインダーの固化(solidification)に続くものを意味する。固化は、バインダーの剛化(stiffening)(流体から堅固な状態への遷移)、及びこれに続く硬質化(hardening)プロセス(バインダーを含有するマトリックスの機械強度をさらに高める)を伴う。
本明細書中の「硬化促進剤(setting accelerator)」という用語は、バインダーに添加されると、バインダーの硬化開始までの時間、又は硬化終了までの時間を短縮する物質を表す。これは、硬化促進剤が添加されない対応バインダーと比較しての表現である。
「バインダー(binder)」という用語は、具体的には無機バインダーであって、水の存在において水和反応の形で反応することによって、固形の水和物又は水和物相を形成する、無機バインダーを表す。
「硫酸カルシウム系バインダー(binder based on calcium sulfate)」とは、具体的には硫酸カルシウム半水和物及び/又は硬石膏を含むバインダーを意味する。硫酸カルシウム半水和物又はCaSO・0.5HOは、α−半水和物又はβ−半水和物として存在することができる。同様に、硬石膏は、硬石膏II又は硬石膏IIIとして存在することができる。具体的にはバインダー中に含まれる全成分のうち、硫酸カルシウム半水和物及び/又は硬石膏が最大の重量分率を有する。硫酸カルシウム系バインダーは、少なくとも25wt%、特に少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも75wt%、さらに好ましくは少なくとも90wt%の硫酸カルシウム半水和物及び/又は硬石膏からなることが好ましい。具体的には、硫酸カルシウム系バインダーは、不可避の不純物を除いて専ら硫酸カルシウム半水和物及び/又は硬石膏からなる。硫酸カルシウム系バインダーは、β−半水和物と僅かな分率の硬石膏IIIとの混合物である。このようなバインダーは「スタッコ(stucco)」という用語によっても知られている。
「石膏(gypsum)」とは本明細書中では、硫酸カルシウム二水和物又はCaSO・2HOを意味する。
「ポリカルボキシレート」は本明細書中では、それぞれが少なくとも1つのカルボキシル基を有する少なくとも2つのモノマー単位を含むか、又はこれらのモノマー単位からなるポリマーを意味する。カルボキシル基は純粋なカルボキシル基として、又はカルボキシレートとして存在することができる。さらに、それぞれのカルボキシル基及び/又はそれぞれのカルボキシレートは互いに独立して、アルコール及び/又はチオールでエステル化することができ、かつ/又は酸アミドとして存在することができる。ポリカルボキシレートは、少なくとも3つ、特に少なくとも5つ、特に好ましくは20〜70個のモノマー単位を含み、又はこれらのモノマー単位からなることが好ましい。基本的には、いくつかの異なるポリカルボキシレートの混合物を使用することもできる。
「粉砕(grinding)」又は「粉砕プロセス(grinding process)」という用語は具体的には、固形物又は異なる固形物の混合物の平均粒径が低減されるプロセスを意味する。典型的には、固形物又は異なる固形物の混合物、特にバインダーは、粉砕中、少なくとも500cm/g、特に少なくとも1000cm/g、好ましくは少なくとも2000cm/g、より好ましくは少なくとも4000cm/gのブレーン(Blaine)値まで粉砕される。粉砕される固形物は「粉砕生成物(grinding product)」とも呼ばれる。
「乾式粉砕」とは、粉砕前又は粉砕中、粉砕生成物又は石膏に液体添加剤が添加されない、特に含水添加剤が添加されない粉砕プロセスを意味する。すなわち、粉砕前又は粉砕中、粉砕生成物に固形物だけ、例えば粉末形態の固形物だけが添加される。したがって、乾式粉砕プロセスは、本質的に液体物質又は液体添加剤の不在において行われる。凝集「液体」状態及び凝集「固体」状態とは、具体的には標準状態、特に温度0℃及び圧力1.01325barにおける状態を意味する。温度25℃、特に40℃、好ましくは45℃、及び圧力1.01325barにおいて凝集固体状態を成す物質又は材料を乾式粉砕中に使用する。
乾式粉砕中に使用される物質のうちの液体分率、特に水分率は具体的には1wt%未満、好ましくは0.05wt%未満、さらに好ましくは0.001wt%未満であり、これらはその都度、使用される個々の物質の量を意味する。液体分率はここでは遊離液体(free liquids)を意味する。具体的に言うと、石膏中に存在する結晶水は液体としてはカウントされない。
1つの有利な実施態様によれば、石膏は、少なくとも2500g/cm、特に少なくとも5000g/cm、好ましくは少なくとも6000g/cm又は6000g/cmの比表面積(ブレーンによる)まで粉砕される。
粉砕生成物を判定するために、比表面積に加えて、50質量%が通過するときの粒径、いわゆるメディアン値d50が使用される。d50値は、例えば粉末試料の粒子上の光散乱によって割り出すことができる。対応する測定法は当業者によく知られており、例えば標準ISO 13320:2009により詳しく記載されている。
石膏は乾式粉砕中に極めて微細に粉砕して、具体的にはd50値が≦100μmの範囲、特に≦70μm未満、好ましくは≦40μm未満になるようにすることが有利である。
ポリカルボキシレートを、0.05〜10wt%、特に0.05〜2wt%、具体的には0.2〜1wt%の分率で使用することが好ましい。一方では、本発明の効果はこうして最適になる。他方では、このような例は経済的に有利である。
ポリカルボキシレートは、具体的には凝集した固体状態のポリカルボキシレートである。これは例えばシート、ディスク、フロック、スケール、ペレット、顆粒、及び/又は粉末の形態で存在することができる。ポリカルボキシレートは粉末状であることが好ましい。このことは、乾式粉砕中、粉砕生成物又は石膏との特に効果的なブレンドを達成する。ポリカルボキシレート中の液体分率、特に水分率は≦5wt%、特に≦1wt%、好ましくは≦0.1wt%であることが好ましい。
具体的には、ポリカルボキシレートは、ポリカルボキシレート主鎖とポリエーテル側鎖とを有する櫛形ポリマーである。ポリエーテル側鎖は具体的にはエステル、エーテル及び/又はアミド基によって、ポリカルボキシレート主鎖に結合されている。
特に好ましいのは、ポリカルボキシレート又は櫛形ポリマーであって、下記構造単位を含むか又はこれらからなる、ポリカルボキシレート又は櫛形ポリマーである:
a) aモル部の式(I)構造単位S1
Figure 0006158826
b) bモル部の式(II)構造単位S2
Figure 0006158826
c) cモル部の式(III)構造単位S3
Figure 0006158826
d) dモル部の式(IV)構造単位S4
Figure 0006158826
(上記式中、
Mは、互いに独立してH、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、二価又は三価金属イオン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウム基を表し、
それぞれのRは互いに独立して、水素又はメチル基を表し、
それぞれのRは互いに独立して、水素又はCOOMを表し、
m=0,1又は2であり、
p=0又は1であり、
及びRは、互いに独立して、C〜C20アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、又は[AO]−Rを表し、
A=C〜Cアルキレンであり、RはH、C〜C20アルキル基、シクロヘキシル基、又はアルキルアリール基を表し、
そしてn=2〜250であり、
は互いに独立して、NH、−NR、−ORNRを表し、
及びRは互いに独立して、C〜C20アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、又はアリール基を表し、又は
ヒドロキシアルキル基又はアセトキシエチル(CH−CO−O−CH−CH−)又はヒドロキシ−イソプロピル(HO−CH(CH)−CH−)又はアセトキシイソプロピル基(CH−CO−O−CH(CH)−CH−)を表し、あるいは、
及びRは、窒素をその一部として共に環を形成することにより、モルホリン又はイミダゾリン環を形成し;
はC〜Cアルキレン基であり、
及びRは互いに独立して、C〜C20アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、又はヒドロキシアルキル基を表し、
そしてa,b,c及びdは、それぞれの構造単位S1,S2,S3及びS4のモル分率を表し、
a/b/c/d=(0.1〜0.9)/(0.1〜0.9)/(0〜0.8)/(0〜0.8)であり、
特にa/b/c/d=(0.3〜0.9)/(0.1〜0.7)/(0〜0.6)/(0〜0.4)であり、
好ましくはa/b/c/d=(0.5〜0.9)/(0.1〜0.3)/(0.001〜0.005)/0であり、そしてa+b+c+d=1であることを条件とする)。
好ましくは、構造単位S1,S2,S3及びS4は一緒の状態で、総櫛形ポリマー重量の少なくとも50wt%、特に少なくとも90wt%、最も好ましくは少なくとも95wt%の重量分率を有する。また好ましくは、構造単位S1,S2,S3及びS4中に存在する総原子数は一緒にした状態で、櫛形ポリマー中に存在する全ての原子の少なくとも50%、特に少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%である。
Aは好ましくはCアルキレン及び/又はCアルキレン、特に好ましくはCアルキレンを表す。
具体的には、n=20〜70である。
及びRは互いに独立して[AO]−Rを表すことが有利であり、ここでA,R及びnは上記の通りである。
特に好ましいポリカルボキシレート又は櫛形ポリマーの場合、Rは[AO]−Rを表し、n=20〜70である。最も好ましくは、Rはここではメチル基を表す。
ポリカルボキシレートが櫛形ポリマーの場合、R及び/又はRは互いに独立して[AO]−Rを表すことが好ましい。特に好適なポリカルボキシレート又は櫛形ポリマーは下記特徴のうちの1つ又は2つ以上を有する:
a) 残基R及びRは水素を表し、かつ/又は
b) m=0であり、かつ/又は
c) p=1であり、かつ/又は
d) R及びRは互いに独立して−[AO]−Rを表し、n=20〜70であり、かつ/又は
e) Rはメチル基を表す。
好ましい実施態様によれば、全ての特徴a)〜e)がポリカルボキシレートにおいて実現される。
ポリカルボキシレート又は櫛形ポリマーの平均分子量(M)は具体的には5000〜150,000g/mol、特に10,000〜100,000g/molである。
ポリカルボキシレートの融点又は溶融範囲の下限は有利には少なくとも25℃、特に40℃、より好ましくは45℃である。
上述のポリカルボキシレート又は櫛形ポリマーの製造はそれ自体は当業者に知られており、例えば以下の式(I),(II),(III)及び(IV)の対応するモノマーをラジカル重合することによって行うことができる。その結果、構造単位S1,S2,S3及びS4を有する櫛形ポリマーがもたらされる。残基R,R,R,R,R,M,m及びpは上述の通りである。
Figure 0006158826
以下の式(V)のポリカルボン酸のポリマー類似変換によって櫛形ポリマーKPを製造することもできる:
Figure 0006158826
ポリマー類似変換の際には、式(V)のカルボン酸を対応するアルコール又はアミン(例えばHO−R、HN−R、H−R)でエステル化又はアミド化し、次いで(残基Mの性質に応じて、例えば金属水酸化物又はアンモニアで)中和又は部分中和する。ポリマー類似変換に関する詳細は、欧州特許第1 138 697号明細書第7頁第20行〜第8頁第50行及びその例、又は欧州特許第1 061 089号明細書第4頁第54行〜第5頁第38行及びその例に開示されている。この変換の変更形の場合、欧州特許第1 348 729号明細書第3頁〜第5頁及びその例(例えば段落0032及び0037)に記載されているように、櫛形ポリマーを凝集固体状態で製造することができる。引用されたこれらの特許明細書の開示内容は具体的に参照することにより、本明細書中に組み入れられる。
このような櫛形ポリマーはまたSika Schweiz AGによってViscoCrete(登録商標)という一連のブランドで商業的に供給されている。
1つの有利な実施態様によれば、少なくとも1種の付加的な粉砕助剤を使用することができる。付加的な粉砕助剤は糖、澱粉、ケイ砂及び/又はドロマイトを含むことが好ましい。このようにすると、所定の環境下でポリカルボキシレートの作用を改善することができ、或いは、ポリカルボキシレートの分率を低減することができる。後者は経済的理由から特に有益である。
乾式粉砕は粉砕媒体ミル内、特にボールミル内で行われることが好ましい。粉砕媒体ミル内では、1つ又は2つ以上の粉砕媒体及び粉砕生成物が容器内に拘束されない状態で配置され、互いに相対運動させられる。この相対運動は例えば容器の振動によって達成することができる。このことは、粉砕媒体と粉砕生成物との衝突を引き起こすので、粉砕生成物は機械的に破砕される。粉砕生成物の破砕は具体的には衝撃応力(impact and shock stress)によって発生する。粉砕生成物の破砕に加えて、粉砕生成物の粒子の物質変化及び結晶格子の崩壊も生じる。例えば、新しい表面形成、非晶質化、相変態、及び転位が生じ得る。これはこの事例では望ましい。それというのも、このような改質石膏粒子は硬化促進剤として概ねより効果的だからである。
別の態様において、本発明は、上記の方法によって得ることができる硬化促進剤、特に硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤に関する。換言すれば、硬化促進剤は、少なくとも1種のポリカルボキシレートと共に石膏に乾式粉砕を施すことによって得ることができる。好ましい実施態様では、方法と関連して上述した任意の特徴が実現される。
試験において示されたように、乾式粉砕によって製造されたこのような硬化促進剤は、湿式粉砕によって製造された対応硬化促進剤とはその構造及び特性において区別される。これはおそらく、ナノメートル範囲の極めて微細な粒子が湿式粉砕中に存在する液体によって好ましくは溶解され、硬化促進剤中にはより少量で存在するか又は全く存在しないという事実に起因する。このことは乾式粉砕による硬化促進剤製造には当てはまらない。乾式粉砕の場合、液体が存在しないのでこの問題は生じない。さらに正確に述べるならばナノメートル範囲の極めて小さな粒子は、硫酸カルシウム系バインダー中の極めて効果的な結晶化種子である。これらの結晶化種子がなければ、又はその濃度が低減されると、硬化促進作用は結果として低下する。
硬化促進剤は、純粋な形態で、又は少なくとも1種の他の添加剤と一緒に使用することができる。例えば、硬化促進剤と前記少なくとも1種の他の添加剤とを混合し、これを添加組成物として使用することができる。このためには、前記少なくとも1種の他の添加剤は、例えば硬化促進剤製造後、又は乾式粉砕プロセス後に混合することができる。
使用される添加剤は例えば流動剤、具体的にはポリカルボキシレート、特にポリカルボキシレートエーテルであり得る。ポリカルボキシレートは特に上記の通りであり、これは硫酸カルシウム系バインダーの流動特性を改善することができる。添加剤として使用されるポリカルボキシレートは、乾式粉砕プロセスに使用されるポリカルボキシレートとは異なっていても同じであってもよい。
別の態様において、本発明は、硫酸カルシウム系バインダーの硬化を促進するための、上記硬化促進剤の使用に関する。
この使用はプラスターボードの製造に際して特に有利である。硬化促進作用が強いので、製造速度をプラスターボードの工業生産時に大幅に高めることができる。
さらに本発明は、硫酸カルシウム系バインダー、特にスタッコ、並びに上記硬化促進剤を含有するバインダー組成物に関連する。
硬化促進剤は具体的には、バインダーを基準として、0.0005〜5wt%、特に0.01〜1wt%の分率で存在する。
具体的には、バインダー組成物は加えて水を含有するが、バインダーに対する水の重量比は、0.2〜1、特に0.4〜0.8、好ましくは0.5〜0.7である。このようなバインダー組成物は例えばプラスターボードの製造のために使用することができる。
別の態様では、本発明は、硬化された上記バインダー組成物を含有する成形体に関する。このような成形体は、水を添加した後、上記バインダー組成物を硬質化させることによって得ることができる。成形体は、事実上任意の所望の形状を有することができ、例えばプラスターボードの形態で存在する。
1. ポリカルボキシレートの製造
1.1 櫛形ポリマーKP1
機械的攪拌器、温度モニタリング装置、マッシュルーム・ヒーター及び真空ポンプを備えた1500mlの反応容器内に、平均分子量4000〜6000の水性ポリアクリル酸290g(約2モルのCOOH)を入れる。これに、600gのメチルポリエチレングリコール(Ineos社のMPEG 3000)、並びに100gのメチルポリエチレングリコール(Ineos社のMPEG 1000)を添加する。さらに0.3gの消泡剤及び0.3gのRhenofit DDAを攪拌しながら添加する。反応混合物を175℃まで加熱したら、水を蒸留して取り除く。この温度で30分間にわたって攪拌した後、反応混合物に5gのJeffamin M2070と4gの50%水酸化ナトリウムとからなる混合物を注意深く添加する。反応混合物が175℃に再び達したら直ぐに、80mbarの部分真空下で所期変換率まで反応を実施する。これは約2時間かかる。次いで、MPEG及びポリマーの含量をUPLC(超高速液体クロマトグラフィ:Ultra Performance Liquid Chromatography)によってよく知られた形式で測定する。約95%のポリマー分率及び約5%の残留MPEG分率であることが可能であった。次いで溶融物を反応器から金属シート上に注ぎ出す。ここで鮮やかな色の塊が固化した。固化塊を次いで白い粉末になるまで粉砕する。こうして得られた粉末状櫛形ポリマーをKP1と呼ぶ。溶融範囲:50〜55℃。a/b/c/d=0.856/0.142/0.002/0。分子量(M)=29,000g/mol。
純粋櫛形ポリマーKP1は以後、添加剤A1とも呼ぶ。
1.2 櫛形ポリマーKP2
別の櫛形ポリマーKP2を櫛形ポリマーKP1と事実上同様に製造する。しかしポリマー溶融物は粉末には加工せず、その代わりに水と混合する(ポリマー分率40wt%)。
こうして製造された水溶液を以後、添加剤A3と呼ぶ。
2. 使用する粉砕媒体
試料の実施態様のために、下記の粉砕媒体又は添加剤A1〜A4を使用した(表1):
Figure 0006158826
3. 硬化促進剤の製造
本発明による、石膏系の硬化促進剤を製造するために、添加剤A1を、石膏の粉砕中に粉砕助剤として使用した。この事例では200gの石膏(KnaufのREA石膏)を添加剤A1と一緒に、ラボ用ボールミルにおいてその都度同一の条件下で粉砕した。粉砕継続時間及びミル速度を全ての粉砕試験において一定に保った。添加剤A1の添加率を表に示しており、石膏使用量を、基準とする純粋な添加剤の量にそれぞれ関連させている。このようにして得られた硬化促進剤をB1〜B7と呼ぶ。さらに、添加剤なしで粉砕された純粋な石膏を参照例として、B0を製造した。
粉砕プロセス後、ブレーン微粉度及び32μmを上回る粒子の篩過残留率(全ての粒子に対するwt%)を、32μmスクリーンを用いて標準EN196−6(2010年5月)に従って割り出した。
さらに、パラメータd50及び粒径分布を、レーザー粒度分析によって、よく知られた様式で割り出した。
粉砕生成物収量を計量によって割り出した。計量された元の量から、ラボ用ボールミルのボールにケーキングされた、又はこれに粘着した石膏量を割り出した。
表2は、実施された粉砕試験及び対応する結果の要約を示す。
Figure 0006158826
比較を目的としてさらに、石膏系の硬化促進剤を、接着剤A2〜A4を使用して同様に調製した。
表3は、こうして製造された硬化促進剤BV1〜BV4の対応する要約を示している。硬化促進剤BV3の製造方法は、粉砕助剤を水溶液の形態(添加剤A)で使用するため、湿式粉砕に相当する。
Figure 0006158826
添加剤A1又は櫛形ポリマーKP1の量が増大するのに伴ってミル内の付着が減少することが表2から特に明らかである。このことは基本的に、砂(添加剤A2)を用いた比較試験BV1及びBV2に関しても当てはまる(表3参照)。しかしながら、対応する添加率で添加剤A2(砂)を使用すると、付着性は添加剤A1を用いた場合よりも明らかに高くなる。さらに、より硬質の材料、例えば砂を粉砕すると、粉砕媒体の摩耗が増大する。
粉砕プロセス全体を考えると、添加剤A1の添加率は0.050〜5wt%であること(加速剤B1〜B4)、そして具体的には添加剤A1の添加率は0.250〜1wt%であること(加速剤B1〜B3)が有利である。
粉末状櫛形ポリマーKP1(添加剤A1、促進剤B2)の代わりに、同じ櫛形ポリマーを同じ濃度で、しかし水中に溶解させた状態で添加すると(添加剤A3、促進剤BV3)、付着性が有意に増大する(表3)。このことは、乾式粉砕と湿式粉砕との差異を明示している。
3. 石膏試験
スタッコ中の硬化促進剤B0〜B6及びBV1〜BV4の効果を同様に調査した。これを目的として、その都度200gのスタッコ(Knauf)を140gの水、及び0.4gのそれぞれの硬化促進剤で調製した。バインダーに対する水の比は不変に0.7であった。
調製直後に、ガラス板上の中空シリンダ(直径50mm、高さ50mm)によって流動拡散(flow spread)を割り出した。次いで剛化開始及び剛化終了を通常の試験法(ナイフ・カッティング及び親指押圧法)によって確認した。
表4は促進剤B0〜B6を用いた試験G0〜G6の要約を示している。試験Rは促進剤なしで実施し、そして参照として用いた。
Figure 0006158826
表5は、促進剤BV1〜BV4で行われた試験GV1〜GV4の対応する要約を示している。
Figure 0006158826
表4から判るように、全ての促進剤B0〜B6は、促進剤なしの参照Rと比較して硬化促進作用を示す。特に有利なのは促進剤B1〜B4(試験G1〜G4)である。これらの促進剤は添加率0.050〜1.000wt%の添加剤A1で形成された。これらの促進剤は、参照B0(添加剤なしで粉砕された石膏)と比較して明らかに良好な促進剤作用を示す。
それとは逆に、湿式粉砕された硬化促進剤BV3を用いた比較試験GV3では、硬化促進作用の悪化が観察される。このことは、促進剤BV1,BV2及びBV4を用いた試験GV1,GV2及びGV4にも事実上当てはまる。
なお上記実施態様は例示のために採用したに過ぎず、本発明の範囲内で所望の通りに改変することができる。

Claims (14)

  1. 少なくとも1種のポリカルボキシレートと共に、石膏を乾式粉砕すること
    前記ポリカルボキシレートが前記乾式粉砕の際に粉砕体に対する粘着を少なくするポリマーであること、
    前記ポリカルボキシレートは、ポリカルボキシレート主鎖とポリエーテル側鎖とを有する櫛形ポリマーであり、前記ポリエーテル側鎖は、エステル基、エーテル基及び/又はアミド基によって、前記ポリカルボキシレート主鎖に結合されていること、及び
    前記ポリカルボキシレートを、0.05〜10wt%の分率で使用すること、
    を特徴とする、硫酸カルシウム系バインダー用の硬化促進剤を製造する方法。
  2. 前記石膏を、≦100μmの範囲の粒径d50値まで粉砕することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリカルボキシレートを、0.05〜wt%の分率で使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ポリカルボキシレートを、凝集した固体状態で使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ポリカルボキシレートを、粉末状ポリカルボキシレートの固体状態で使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ポリカルボキシレートは、下記構造単位を含むか又はこれらからなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法:
    a) aモル部の以下の式(I)の構造単位S1:
    Figure 0006158826
    b) bモル部の以下の式(II)の構造単位S2:
    Figure 0006158826
    c) cモル部の以下の式(III)の構造単位S3:
    Figure 0006158826
    d) dモル部の以下の式(IV)の構造単位S4:
    Figure 0006158826
    (上記式中、
    Mは互いに独立してH、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、二価又は三価の金属イオン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウム基を表し、
    それぞれのRは、互いに独立して、水素又はメチル基を表し、
    それぞれのRは、互いに独立して、水素又はCOOMを表し、
    m=0,1又は2であり、
    p=0又は1であり、
    及びRは、互いに独立して、C〜C20アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、又は[AO]−Rを表し、
    A=C〜Cアルキレンであり、Rは、H、C〜C20アルキル基、シクロヘキシル基、又はアルキルアリール基を表し、
    そしてn=2〜250であり、
    は、互いに独立して、NH、−NR、−ORNRを表し、
    及びRは、互いに独立して、C〜C20アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、若しくはアリール基を表し、又は
    ヒドロキシアルキル基、アセトキシエチル(CH−CO−O−CH−CH−)、ヒドロキシ−イソプロピル(HO−CH(CH)−CH−)、若しくはアセトキシイソプロピル基(CH−CO−O−CH(CH)−CH−)を表し、
    あるいは、
    及びRは、窒素をその一部として共に環を形成することにより、モルホリン又はイミダゾリン環を形成し;
    は、C〜Cアルキレン基であり、
    及びRは、互いに独立して、C〜C20アルキル基、シクロアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、又はヒドロキシアルキル基を表し、
    そして、a,b,c及びdは、それぞれの構造単位S1,S2,S3及びS4のモル分率を表し、
    a/b/c/d=(0.1〜0.9)/(0.1〜0.9)/(0〜0.8)/(0〜0.8)であり、そしてa+b+c+d=1であることを条件とする)。
  7. 前記ポリカルボキシレート中、
    a) 残基R及びRは、水素を表し、
    b) m=0であり、
    c) p=1であり、
    d) R及びRは、互いに独立して−[AO]−Rを表し、n=20〜70であり、かつ/又は
    e) Rは、メチル基を表す
    ことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 少なくとも1種の付加的な粉砕助剤を使用し、前記粉砕助剤が、糖、澱粉、ケイ砂及び/又はドロマイトを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記乾式粉砕が、粉砕媒体ミル内で行われることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 硫酸カルシウム系バインダーの硬化を促進するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載方法によって得られた硬化促進剤の使用。
  11. プラスターボードの製造に際しての請求項10に記載の使用。
  12. 硫酸カルシウム系バインダー、及び請求項1〜9のいずれか一項に記載方法によって得られた硬化促進剤を含有するバインダー組成物の製造方法
  13. 前記硬化促進剤は、前記バインダーを基準として、0.0005〜5wt%の分率で存在することを特徴とする、請求項12に記載のバインダー組成物の製造方法
  14. 請求項12又は13に記載の硬化されたバインダー組成物を含有する成形体の製造方法
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