JP6158764B2 - 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質膜を第1電極及び第2電極で挟んだ、所謂、段差MEAと、前記段差MEAの外周を周回して設けられる樹脂枠部材とを備える燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体に関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。燃料電池は、固体高分子電解質膜の一方側にアノード電極が、前記固体高分子電解質膜の他方側にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。アノード電極及びカソード電極は、それぞれ触媒層(電極触媒層)とガス拡散層(多孔質カーボン)とを有している。
電解質膜・電極構造体は、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持されることにより、燃料電池が構成されている。この燃料電池は、所定の数だけ積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
電解質膜・電極構造体では、一方のガス拡散層が固体高分子電解質膜よりも小さな平面寸法に設定されるとともに、他方のガス拡散層が前記固体高分子電解質膜と同一の平面寸法に設定される、所謂、段差MEAを構成する場合がある。その際、比較的高価な固体高分子電解質膜の使用量を削減させるとともに、薄膜状で強度が低い前記固体高分子電解質膜を保護するために、樹脂枠部材を組み込んだ樹脂枠付きMEAが採用されている。
そこで、段差MEAと樹脂枠部材とを強固且つ容易に接合することを目的として、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池用電解質膜・電極構造体及びその製造方法が知られている。この特許文献1では、樹脂枠部材と電極の外周縁部とを一体に接合させる含浸部を有している。このため、樹脂枠部材と電極との接合強度は、接着に比べて良好に向上し、剥がれ等の発生を可及的に抑制することができる、としている。
国際公開第2012/137609号パンフレット
本発明は、この種の技術に関連してなされたものであり、簡単な構成で、樹脂含浸を良好且つ確実に行うことができ、電解質膜・電極構造体と樹脂枠部材とを強固に接合することが可能な燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体では、段差状の電解質膜・電極構造体と、固体高分子電解質膜の外周を周回して設けられる樹脂枠部材とを備えている。電解質膜・電極構造体は、固体高分子電解質膜の一方の面には、第1電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、第2電極が設けられている。第1電極の平面寸法は、第2電極の平面寸法よりも大きな寸法に設定されている。
そして、樹脂枠部材は、内周基端部から第2電極側に膨出する薄肉状の内側膨出部を有している。樹脂枠部材は、該樹脂枠部材の厚さ方向に突出し、第1電極の外周を周回するとともに、該第1電極に含浸されて該樹脂枠部材と該第1電極とを一体に接合させる枠形状の樹脂含浸用突起部を有している。
樹脂含浸用突起部は、第1電極側に設けられ、厚さ方向に対して外側に傾斜する内周傾斜面と、前記第1電極とは反対側に設けられ、前記厚さ方向に対して内側に傾斜する外周傾斜面と、を設けている。そして、内周傾斜面の傾斜角度は、外周傾斜面の傾斜角度よりも小さな角度に設定されている。
また、この燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体では、樹脂含浸用突起部の先端には、平坦面が形成されることが好ましい。その際、平坦面と内周傾斜面との境界部位に設けられる第1R部は、前記平坦面と外周傾斜面との境界部位に設けられる第2R部よりも小さな半径に設定される。
さらに、この燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体では、樹脂含浸用突起部の底部と高さとのアスペクト比は、1.5〜2.5の範囲内に設定される。
さらにまた、この燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体では、樹脂枠部材には、樹脂含浸用突起部の外周傾斜面の根本部分に凹部が形成されることが好ましい。
本発明によれば、樹脂枠部材の樹脂含浸用突起部は、前記樹脂枠部材の厚さ方向に突出しており、第1電極の外周縁部に含浸されて前記樹脂枠部材と前記第1電極とを一体に接合している。その際、樹脂含浸用突起部は、内周傾斜面の傾斜角度が、外周傾斜面の傾斜角度よりも小さな角度に設定されている。このため、樹脂含浸用突起部は、両側非対称形状となり、溶融する樹脂体積を調整することができる。
特に、内周傾斜面の傾斜角度が、外周傾斜面の傾斜角度よりも小さな角度であり、第1電極の外周縁部に対し、必要量の樹脂を十分且つ確実に含浸させることが可能になる。これにより、簡単な構成で、樹脂含浸を良好且つ確実に行うことができ、電解質膜・電極構造体と樹脂枠部材とを強固に接合することが可能になる。
本発明の実施形態に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体が組み込まれる固体高分子型燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の、図1中、II−II線断面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体の要部断面説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を構成する樹脂枠部材の一部断面斜視説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の説明図である。 前記樹脂枠付き電解質膜・電極構造体を製造する方法の説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、横長(又は縦長)の長方形状の固体高分子型燃料電池12に組み込まれる。複数の燃料電池12は、例えば、矢印A方向(水平方向)又は矢印C方向(重力方向)に積層されて燃料電池スタックが構成される。燃料電池スタックは、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池電気自動車(図示せず)に搭載される。
燃料電池12は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を第1セパレータ14及び第2セパレータ16で挟持する。第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、横長(又は縦長)の長方形状を有する。第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成される。
長方形状の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、図1〜図3に示すように、段差MEAである電解質膜・電極構造体10aを備える。電解質膜・電極構造体10aは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)18と、前記固体高分子電解質膜18を挟持するアノード電極(第1電極)20及びカソード電極(第2電極)22とを有する。固体高分子電解質膜18は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用してもよい。
カソード電極22は、固体高分子電解質膜18及びアノード電極20よりも小さな平面寸法を有する。なお、上記の構成に代えて、アノード電極20は、固体高分子電解質膜18及びカソード電極22よりも小さな平面寸法を有するように構成してもよい。その際、アノード電極20は、第2電極となり、カソード電極22は、第1電極となる。
アノード電極20は、固体高分子電解質膜18の一方の面18aに接合される第1電極触媒層20aと、前記第1電極触媒層20aに積層される第1ガス拡散層20bとを設ける。第1電極触媒層20a及び第1ガス拡散層20bは、同一の外形寸法を有するとともに、固体高分子電解質膜18と同一(又は同一未満)の外形寸法に設定される。
カソード電極22は、固体高分子電解質膜18の面18bに接合される第2電極触媒層22aと、前記第2電極触媒層22aに積層される第2ガス拡散層22bとを設ける。第2電極触媒層22aと第2ガス拡散層22bとは、同一の外形寸法を有しているが、異なる外形寸法に設定されてもよい。
第1電極触媒層20aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が第1ガス拡散層20bの表面に一様に塗布されて形成される。第2電極触媒層22aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が第2ガス拡散層22bの表面に一様に塗布されて形成される。
第1ガス拡散層20b及び第2ガス拡散層22bは、カーボンペーパ、カーボンクロス等からなるとともに、前記第2ガス拡散層22bの平面寸法は、前記第1ガス拡散層20bの平面寸法よりも小さく設定される。第1電極触媒層20a及び第2電極触媒層22aは、例えば、固体高分子電解質膜18の両面に形成される。
樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、固体高分子電解質膜18の外周を周回するとともに、アノード電極20及びカソード電極22に接合される樹脂枠部材24を備える。樹脂枠部材24は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)又は変性PP(ポリプロピレン)等で構成される。
図1及び図4に示すように、樹脂枠部材24は、枠形状を有する。樹脂枠部材24は、図2〜図4に示すように、内周基端部24sからカソード電極22側に膨出する薄肉状に形成された内側膨出部24aを有する。内側膨出部24aは、内周基端部24sから内方に所定の長さを有して延在し、固体高分子電解質膜18の外周縁部18beを覆って配置される(図2及び図3参照)。
内側膨出部24aには、内周基端部24sの近傍に位置し、カソード電極22の先端部から面方向外方に露出する固体高分子電解質膜18の外周縁部18beに当接する凸状部26aが設けられる。凸状部26aの内方端部には、前記凸状部26aより薄肉状に形成される平坦面部26bが設けられ、前記平坦面部26bは、該凸状部26aから内側膨出部24aの内周端部まで延在する。平坦面部26bと、少なくとも固体高分子電解質膜18との間には、後述する接着剤層28が形成される。
樹脂枠部材24には、内周基端部24sに隣接して樹脂突起部(樹脂含浸用突起部)24tが一体に設けられる。樹脂突起部24tと凸状部26aとの間には、凹部26cが形成される。凸状部26aの外周端部は、第1ガス拡散層20bの外周端部20beと同一位置に設定される。樹脂突起部24tは、後述するように、溶融してアノード電極20を構成する第1ガス拡散層20bの外周縁部に含浸されて樹脂含浸部24taを形成する。含浸処理後には、樹脂枠部材24の中にも、凸状部26aの溶融部分が充填されている。
図3に示すように、樹脂突起部24tは、アノード電極20側に設けられ、厚さ方向(矢印A方向)に対して外側に傾斜する内周傾斜面27aを設ける。樹脂突起部24tは、アノード電極20とは反対側に設けられ、厚さ方向に対して内側に傾斜する外周傾斜面27bを設ける。内周傾斜面27aの傾斜角度(樹脂枠部材24の平面に垂直な矢印A方向からの傾斜角度)θ1゜は、外周傾斜面27bの傾斜角度θ2゜よりも小さな角度に設定される(θ1゜<θ2゜)。
樹脂突起部24tの先端には、平坦面27cが形成される。平坦面27cと内周傾斜面27aとの境界部位に設けられる第1円弧部(第1R部)R1は、前記平坦面27cと外周傾斜面27bとの境界部位に設けられる第2円弧部(第2R部)R2よりも小さな半径に設定される(R1<R2)。
樹脂突起部24tの底部寸法t1と高さ寸法t2とのアスペクト比(t2/t1)は、1.5〜2.5の範囲内に設定される。樹脂枠部材24には、樹脂突起部24tの外周傾斜面27bの根本部分に凹部24rが形成され、前記凹部24rには、前記樹脂突起部24tの余剰部分が導入されて樹脂含浸部24tbを形成する。凹部24rの内側端部及び外側端部には、それぞれR(湾曲形状部)が設けられる。
接着剤層28には、接着剤として、例えば、液状シールやホットメルト剤が設けられる。なお、接着剤としては、液体や固体、熱可塑性や熱硬化性等に制限されない。接着剤層28は、固体高分子電解質膜18の外周縁部18beの全周に亘って額縁状に形成される。樹脂枠部材24の内周端部24aeと第2ガス拡散層22bの外周端部22beとの間には、接着剤層28が形成される。
図1に示すように、燃料電池12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔30aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する一方、冷却媒体入口連通孔32aは、冷却媒体を供給する。燃料ガス出口連通孔34bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bは、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給する燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体を排出する冷却媒体出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス出口連通孔30bが設けられる。燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bは、矢印C方向に配列して設けられる。
第2セパレータ16の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に向かう面16aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路36が設けられる。
第1セパレータ14の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に向かう面14aには、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通する燃料ガス流路38が形成される。互いに隣接する第1セパレータ14の面14bと第2セパレータ16の面16bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通する冷却媒体流路40が形成される。
図1及び図2に示すように、第1セパレータ14の面14a、14bには、この第1セパレータ14の外周端部を周回して、第1シール部材42が一体化される。第2セパレータ16の面16a、16bには、この第2セパレータ16の外周端部を周回して、第2シール部材44が一体化される。
図2に示すように、第1シール部材42は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を構成する樹脂枠部材24に当接する第1凸状シール42aと、第2セパレータ16の第2シール部材44に当接する第2凸状シール42bとを有する。第2シール部材44は、第2凸状シール42bに当接する面がセパレータ面に沿って平面状に延在する平面シールを構成する。なお、第2凸状シール42bに代えて、第2シール部材44に凸状シール(図示せず)を設けてもよい。
第1シール部材42及び第2シール部材44には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
次いで、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10を製造する方法について、以下に説明する。
先ず、段差MEAである電解質膜・電極構造体10aが作製される一方、樹脂枠部材24は、金型(図示せず)を用いて射出成形される。図4に示すように、樹脂枠部材24は、肉薄形状の内側膨出部24aを有する。内側膨出部24aには、内周基端部24sから凹部26cを介して凸状部26aが設けられるとともに、前記凸状部26aの内方端部には、前記凸状部26aより薄肉状に形成される平坦面部26bが設けられている。
樹脂枠部材24には、内周基端部24sに隣接して樹脂突起部24tが一体成形される。樹脂枠部材24には、樹脂突起部24tの外周傾斜面27bの根本部分に凹部24rが形成される。
次に、図5に示すように、電解質膜・電極構造体10aには、固体高分子電解質膜18の外周縁部18beに沿って接着剤シート28sが設けられる。接着剤シート28sは、ホットメルトシートを用いているが、例えば、接着剤を図示しないディスペンサーを介して塗布してもよい。
樹脂枠部材24の内周基端部24sと電解質膜・電極構造体10aを構成する第1ガス拡散層20bの外周端部20beとが位置合わせされる。具体的には、第1ガス拡散層20bの外周端部20beは、内側膨出部24aの凸状部26aに重ねられる。そして、図6に示すように、樹脂枠部材24の内側膨出部24aと電解質膜・電極構造体10aの固体高分子電解質膜18とが互いに位置決めされた状態で、接着剤シート28sが加熱溶融されるとともに、厚さ方向に荷重(プレス等)が付与される。
これにより、樹脂枠部材24の内側膨出部24aと固体高分子電解質膜18の外周縁部18beとは、接着剤層28を介して接着される。さらに、樹脂枠部材24の内周端部24aeの内周面と第2ガス拡散層22bの外周端部22beの先端面とは、接着剤層28を介して接着される。
次いで、図7に示すように、樹脂枠部材24の樹脂突起部24tが加熱及び加圧される。具体的には、加熱板46が樹脂突起部24tに押圧されることにより、前記樹脂突起部24tが加熱及び加圧される。なお、加熱方式としては、レーザ溶着、赤外線溶着やインパルス溶着、超音波溶着等を採用してもよい。
このため、樹脂突起部24tは、加熱溶融され、前記樹脂突起部24tは、アノード電極20を構成する第1ガス拡散層20bに含浸されて樹脂含浸部24taが設けられる。同時に、加熱溶融された樹脂突起部24tは、余剰部分が凹部24rにも流れ込み、樹脂含浸部24tbが設けられる。従って、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10が製造される。
樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10は、図2に示すように、第1セパレータ14及び第2セパレータ16により挟持される。第2セパレータ16は、樹脂枠部材24の内側膨出部24aに当接し、第1セパレータ14とともに樹脂枠付き電解質膜・電極構造体10に荷重を付与する。さらに、燃料電池12は、所定数だけ積層されて燃料電池スタックが構成されるとともに、図示しないエンドプレート間に締め付け荷重が付与される。
このように構成される燃料電池12の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第2セパレータ16の酸化剤ガス流路36に導入され、矢印B方向に移動して電解質膜・電極構造体10aのカソード電極22に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔34aから第1セパレータ14の燃料ガス流路38に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路38に沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体10aのアノード電極20に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体10aでは、カソード電極22に供給される酸化剤ガスと、アノード電極20に供給される燃料ガスとが、第2電極触媒層22a及び第1電極触媒層20a内で電気化学反応により消費されて、発電が行われる。
次いで、カソード電極22に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極20に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ14と第2セパレータ16との間の冷却媒体流路40に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体10aを冷却した後、冷却媒体出口連通孔32bから排出される。
この場合、本実施形態では、図3及び図6に示すように、樹脂枠部材24の樹脂突起部24tは、前記樹脂枠部材24の厚さ方向に突出している。そして、樹脂突起部24tが加熱溶融されることにより、第1ガス拡散層20bの外周縁部に含浸されて樹脂枠部材24とアノード電極20とが一体に接合されている。
その際、図3に示すように、樹脂突起部24tは、内周傾斜面27aの傾斜角度θ1゜が、外周傾斜面27bの傾斜角度θ2゜よりも小さな角度に設定されている。従って、樹脂突起部24tは、両側非対称形状となり、溶融する樹脂体積を調整することができる。
特に、内周傾斜面27aの傾斜角度θ1゜が、外周傾斜面27bの傾斜角度θ2゜よりも小さな角度であり、アノード電極20(第1ガス拡散層20b)の外周縁部に対し、必要量の樹脂を十分且つ確実に含浸させることが可能になる。これにより、簡単な構成で、樹脂含浸を良好且つ確実に行うことができ、電解質膜・電極構造体10aと樹脂枠部材24とを強固に接合することが可能になるという効果が得られる。
しかも、本実施形態では、樹脂枠部材24には、樹脂突起部24tの外周傾斜面27bの根本部分に凹部24rが形成されている。このため、加熱板46により樹脂突起部24tが加熱及び加圧される際、余剰部分が凹部24rに流入されて樹脂含浸部24tbが設けられている。従って、樹脂枠部材24の表面に樹脂突起部24tが残存し、前記樹脂枠部材24の高さ(厚さ)、すなわち、製品寸法が大きく変動することを、確実に抑制することができる。
さらに、樹脂突起部24tの先端には、平坦面27cが形成されている。これにより、加熱板46で樹脂突起部24tを押圧する際、応力を分散させることが可能になる。このため、樹脂枠部材24への負荷が良好に低減され、安定性が向上して歩留まりの向上が容易に図られる。
その際、平坦面27cと内周傾斜面27aとの境界部位に設けられる第1円弧部R1は、前記平坦面27cと外周傾斜面27bとの境界部位に設けられる第2円弧部R2よりも小さな半径に設定されている。従って、樹脂突起部24tは、凹部26cと凹部24rとにそれぞれ流入する溶融量が調整され、所望の樹脂含浸部24ta、24tbを確実に形成することが可能になる。
さらにまた、樹脂突起部24tの底部寸法t1と高さ寸法t2とのアスペクト比(t2/t1)は、1.5〜2.5の範囲内に設定されている。従って、リブ溶融の際にMEA上部樹脂が流動し易く、含浸を促進させることができるという効果が得られる。
なお、本実施形態では、樹脂枠部材24の内周基端部24sに隣接して、樹脂突起部24tが一体に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、樹脂枠部材24の内周端部24aeに隣接して、樹脂突起部(樹脂含浸用突起部)24itを一体に設けてもよい。樹脂突起部24itは、カソード電極22の第2ガス拡散層22bに含浸する。
10…樹脂枠付き電解質膜・電極構造体 10a…電解質膜・電極構造体
12…燃料電池 14、16…セパレータ
18…固体高分子電解質膜 20…アノード電極
20a、22a…電極触媒層 20b、22b…ガス拡散層
20be、22be…外周端部 22…カソード電極
24…樹脂枠部材 24a…内側膨出部
24r…凹部 24s…内周基端部
24t…樹脂突起部 24ta、24tb…樹脂含浸部
26a…凸状部 26b…平坦面部
26c…凹部 27a…内周傾斜面
27b…外周傾斜面 27c…平坦面
28…接着剤層 30a…酸化剤ガス入口連通孔
30b…酸化剤ガス出口連通孔 32a…冷却媒体入口連通孔
32b…冷却媒体出口連通孔 34a…燃料ガス入口連通孔
34b…燃料ガス出口連通孔 36…酸化剤ガス流路
38…燃料ガス流路 40…冷却媒体流路
42、44…シール部材 46…加熱板

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質膜の一方の面には、第1電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、第2電極が設けられるとともに、前記第1電極の平面寸法は、前記第2電極の平面寸法よりも大きな寸法に設定される段差状の電解質膜・電極構造体と、
    前記固体高分子電解質膜の外周を周回して設けられる樹脂枠部材と、
    を備える燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、
    前記樹脂枠部材は、内周基端部から前記第2電極側に膨出する薄肉状の内側膨出部と、
    該樹脂枠部材の厚さ方向に突出し、前記第1電極の外周を周回するとともに、該第1電極に含浸されて該樹脂枠部材と該第1電極とを一体に接合させる枠形状の樹脂含浸用突起部と、
    を有し、
    前記樹脂含浸用突起部は、前記第1電極側に設けられ、前記厚さ方向に対して外側に傾斜する内周傾斜面と、
    該第1電極とは反対側に設けられ、前記厚さ方向に対して内側に傾斜する外周傾斜面と、
    を設けるとともに、
    前記内周傾斜面の傾斜角度は、前記外周傾斜面の傾斜角度よりも小さな角度に設定され
    前記樹脂含浸用突起部の先端には、平坦面が形成されるとともに、
    前記平坦面と前記内周傾斜面との境界部位に設けられる第1R部は、前記平坦面と前記外周傾斜面との境界部位に設けられる第2R部よりも小さな半径に設定されることを特徴とする燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  2. 固体高分子電解質膜の一方の面には、第1電極が設けられ、前記固体高分子電解質膜の他方の面には、第2電極が設けられるとともに、前記第1電極の平面寸法は、前記第2電極の平面寸法よりも大きな寸法に設定される段差状の電解質膜・電極構造体と、
    前記固体高分子電解質膜の外周を周回して設けられる樹脂枠部材と、
    を備える燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体であって、
    前記樹脂枠部材は、内周基端部から前記第2電極側に膨出する薄肉状の内側膨出部と、
    該樹脂枠部材の厚さ方向に突出し、前記第1電極の外周を周回するとともに、該第1電極に含浸されて該樹脂枠部材と該第1電極とを一体に接合させる枠形状の樹脂含浸用突起部と、
    を有し、
    前記樹脂含浸用突起部は、前記第1電極側に設けられ、前記厚さ方向に対して外側に傾斜する内周傾斜面と、
    該第1電極とは反対側に設けられ、前記厚さ方向に対して内側に傾斜する外周傾斜面と、
    を設けるとともに、
    前記内周傾斜面の傾斜角度は、前記外周傾斜面の傾斜角度よりも小さな角度に設定され
    前記樹脂含浸用突起部の底部と高さとのアスペクト比は、1.5〜2.5の範囲内に設定されることを特徴とする燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体において、前記樹脂枠部材には、前記樹脂含浸用突起部の前記外周傾斜面の根本部分に凹部が形成されることを特徴とする燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体。
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