JP6158030B2 - 分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は細胞、免疫、抗体、タンパク、核酸、糖等の生体関連物質の分析装置に関する。
一般に生体関連物質を分析する各種分析手法及び分析装置は、試薬分注・精製・抽出・酵素反応・蛍光標識・温度調整・撹拌・遠心・検出などと言った数多くの手順を踏む。これらの手順が実施されることにより、複雑に制御されている生物を理解することや解析や診断が実施される。
例えば分析項目の一つとして核酸配列決定方法が挙げられる。一般に核酸配列決定は核酸増幅技術を用いてDNAシーケンサ(Nature 361(1993)565-566)によって核酸配列決定がなされる。これまでのDNAシーケンサはガラスキャピラリ管内を蛍光修飾した核酸を電気泳動し、光照射によって得られる蛍光を読み取られてきた。近年、平面基板上に核酸を担持させたビーズもしくは核酸を添加し、CCDカメラ等の画像素子によって蛍光を読み込むことによって効率的に核酸配列を得られるようになってきた。
これらのDNAシーケンサは蛍光を読み取ることによって核酸配列決定を行うが水素イオンを検出するDNAシーケンサも登場してきた。このDNAシーケンサは、シーケンシング反応用の半導体(CMOS)チップに無数のウェルが並べられ、ビーズ上で増幅した1本鎖DNAの鋳型とDNAポリメラーゼを各ウェルに入れた後、A、C、G、Tの各塩基を順番に入れることにより、シーケンシング反応を行う。1回の反応が終わると、次の塩基が入ることにより、DNA合成は逐次的に実行されていく。DNAポリメラーゼ反応で生成した水素イオンは、ウェルの底にあるイオン感受性レイヤーに電荷を与え、その直下にある半導体センサであるイオンセンサがその電荷を電圧に変える。電圧変化はCMOSチップ内での計算により信号へと変換され、出力される(参考文献:特表2010-513869)。
以前に比べ、効率的に核酸配列を得られるようになってきたが、依然として数多くの手順を踏むため、前工程で正しく作業がなされる必要がある。またビーズを用いる代わりに、半導体チップ上をプライマーペアのセットで被覆し、半導体チップ上で増幅することによる工程の簡素化が提案されてきている。
本明細書における上記文面で取り上げた半導体センサであるイオンセンサは近年、化学および生物学における分野において、種々の化学的および生物学的反応の検出および測定、種々の化合物の同定、検出および測定のためのセンサとして開発されてきている。1つのそのようなエレクトロニクスデバイスは、しばしば、ISFET(またはpHFET)としてイオン−感受性の電界効果トランジスタと言われる。ISFETは、慣用的には、(通常は「pH」として示される)溶液の水素イオン濃度の測定を容易とするために、主として、アカデミックおよび研究団体で開発されてきた。半導体センサの用途としては、イオンセンサとして用途以外に、温度センサなども含まれる。
特表2010-513869号公報
Nature 361(1993)565-566
上記従来技術は多くの工程が含まれるにもかかわらず、その工程が正しく実施されていたかを確認する点について配慮がされておらず、次工程以降で後戻りが発生し貴重なサンプルを失ったり、試薬を無駄にする問題があった。
例えば、半導体チップを用いて水素イオンを検知して核酸配列決定を行う従来技術はDNAシーケンサにサンプルを添加する前に、事前に多くの手順が必要とされる。一般に組織や細胞、血液などから核酸を抽出する工程、抽出した核酸を断片化する工程、断片化した核酸の末端処理とビーズに付加されている核酸と相補的配列を持つ核酸を断片化した核酸につなげる工程、ビーズに断片化した核酸を張り付け増幅する工程、ビーズを半導体チップ上に張り付ける工程、半導体チップ上でA、C、G、Tの各塩基を流し込み配列を読み取る工程でなされる。手間暇が多くかかり、それと共にコストも各工程に費やされる。特に酵素試薬や反応後の精製工程で時間とコストが増幅工程で掛り、本来目的とする増幅がなされていない場合は、次の工程以降の工程が無駄になってしまう問題がある。同様にビーズを半導体チップ上に張り付ける工程においても、目的とするビーズ数が半導体チップ上に張り付いていないまま、次の工程に進むと時間と試薬コストのかかる配列読取の工程が無駄になってしまうという問題があった。また、再検査が必要となり再度患者から検体を採取することは疾患で弱った体にとって大きな負担をもたらすといった問題もある。
さらに核酸配列決定を用いて臨床診断に用いる場合に、上記に示す工程管理が配慮されていないことは大きな問題である。一般に臨床診断が迅速に行われることは、患者の病状に対し的確な処置を施すことを意味し、患者の体力が損なわれずに早急な回復を実現する。また診断そのものが安く行われることは、多くの人類に医療を届けることを意味し、医療費の抑制にも多く貢献する。
本発明は分析工程における工程管理することを目的としており、さらに分析手法と分析装置を提供することを目的とする。
この課題は、半導体チップを用いた核酸配列決定技術に限定されるものではない。一つ以上の工程を必要とする分析法にある共通の課題である。例えば、解析対象が細胞、免疫、抗体、タンパク、糖等の生体関連物質であり、半導体チップを用いて分析する分析手法及び分析装置や、標的核酸に対して蛍光標識を行い、核酸配列決定する技術においても課題でもある。
上記課題を達成するため、本発明では、解析対象である生体関連物質を分析デバイスに付加させ分析反応もしくは、分析前の事前反応を実施する際に分析デバイスのセンサを用いて検出するものである。
上記課題を達成するため、第一の発明として例えば半導体チップを用いた核酸配列読取技術において事前工程を実施した、核酸もしくは核酸を担持させたビーズを半導体チップ上に付加させ増幅及び分析反応を行い核酸配列決定が行われる。この増幅反応時に分析反応の時に用いる半導体センサを事前反応である増幅時に用いて検出する分析法及び装置である。
より詳しくは、分析対象を半導体チップに付加させる工程において、半導体チップを分析核酸とのプライマーペアのセットで被覆し、分析核酸とプライマーペアを補うアダプターと共に半導体チップに固定化してもよい(固定化物質は、半導体チップに事前添加させパッケージ化するか、核酸テンプレートを添加する直前の工程として行ってもよい)。もしくは、核酸テンプレートと相補的な配列を持つプライマーペアをゾルゲルに含ませ、半導体チップに固定化してもよい。分析対象の半導体チップへの付加は、核酸を担持したビーズを添加し半導体チップ上に酵素もしくは化学反応を用いて固定化する。または、半導体チップには、センサ上に配置される多くのウェルを含んでもよい。分析対象である生体関連物質を、様々な処理物質を実施する半導体チップのウェルへの流入させることによりビーズを固定化させ検出する。上記に示すこれらの手法を用いて固定化後に、解析対象である核酸を増幅する。増幅法としては、Phi29ポリメラーゼを用いたローリングサイクル反応や、PCR反応、恒温増幅反応(LAMP法、NASBA法、ICAN法、TMA法など)を示す。この増幅反応時に、半導体チップ上に敷き詰められる半導体センサを用いて、二次元的に増幅反応副生成物である水素イオンを検知することである。いくつかの態様において無機ピロリン酸(PPi)は直接測定される。いくつかの態様において、PPiは、PPi受容体の非存在下で測定される。いくつかの態様において、増幅反応副生成物は、無機リン酸(Pi)である。他の態様において、本明細書に示されるように、半導体センサは、副生成物のあらゆる組み合わせの変化、任意に他のパラメータを伴う組み合わせの変化を検出する。二次元的に検知することとは、半導体チップ表面上にアレイ状に敷き詰められているセンサ全てを用いて増幅時に検知する。増幅時にセンサ上で固定化された核酸、もしくは核酸を担持したビーズによる増幅反応が行われる時に生まれる、増幅反応副生成物を検知することによって、正しく事前処理のなされた分析対象が半導体チップ上に供給されたことが解る。増幅時反応時にセンサ上で増幅反応副生成物が検知されない場合は、正しく事前処理のなされた分析対象が供給されていないか、分析対象そのものが供給されていないことが解る。
一般に半導体チップ上には複数のセンサが用意される。用意した複数のセンサに対し、目的の解析を行う上で、ある一定数以上の分析対象が供給されない場合は次工程の時間と試薬(コスト)が無駄になる。ある一定数以上の分析対象が供給されない場合は、再度分析対象を供給する工程に戻ることも可能である。特に病理診断などを行う場合は、再度患者より検体を採取することが必要になる場合もあり、疾患の進行具合によっては患者にとっても大きな負担になることが避けられる。
上記に示す増幅時において、正しく事前処理のなされた分析対象が分析デバイスに十分に供給されたかどうかを検知するのに半導体センサを使うだけではなく、光学検知(増幅前後で核酸量の増加や核酸の形態が一本鎖から二本鎖などに変わることをSPR検出(屈折率)や蛍光検出することによっても検知することも可能である。
また、上記課題を達成するため、第二の発明として例えば半導体チップを用いた核酸配列読取技術において核酸増幅時に半導体チップ上に敷き詰められる半導体センサを用いて、二次元的に増幅反応副生成物である水素イオンを直接検出し続け、増幅完了時には水素イオンは放出されないため、水素イオンの増加と減退を検出することにより増幅反応が完了したことを検知する。ここで検知する増幅反応副生成物は、無機ピロリン酸(PPi)でも良い。または、PPiは、PPi受容体の非存在下で測定される。いくつかの態様において、増幅反応副生成物は、無機リン酸(Pi)でもよい。他の態様において、本明細書に示されるように、半導体センサは、副生成物のあらゆる組み合わせの変化、任意に他のパラメータを伴う組み合わせの変化を検出する。増幅反応の完了を検知することは、次工程において不十分な反応が実施されることを防ぐ。一般に増幅反応は例えば50℃、60℃、95℃の温度サイクルの中で定められたタイミングで検出を繰り返すか、ある一定の温度での恒温増幅において一定の時間間隔で検出することによってなされる。一定の時間を経ても増幅反応が完了しない場合は、温度サイクルを更に繰り返すか時間を延ばすことにより、増幅時間を延長することで増幅反応を完了してもよい。一般に増幅反応は、増幅対象の核酸配列や反応溶液中に混入する阻害物(例えば前工程での残物など)により、多くの増幅時間を必要とする場合がある。
二次元的に検出することは、半導体チップ表面をプライマーペアのセットで被覆された状態もしくは、分析対象である核酸と相補的な配列を持つプライマーペアをゾルゲルに含ませ、半導体チップに固定化された状態で、核酸の増幅反応を実施する場合、添加した核酸が二次元的に四方八方に増幅反応が広がっていくことを検知する為である。増幅初期では、添加された核酸近辺の半導体センサが検知するが、増幅後期では増幅初期に増幅反応副生成物を検知していなかった、離れた位置に存在した半導体センサが検知する。
この二次元的に核酸増幅の広がりを検出することは増幅反応の完了を検出するだけではなく、検出する核酸断片の数をカウントする定量性をも向上する。例えば、二次元的に核酸増幅反応を実施し、半導体チップ上に付加した隣り合う核酸断片が同じ配列を有していた場合、核酸増幅の広がりを検出せずに、増幅工程の次の工程における核酸配列の検出の工程で検出すると一つの核酸断片から広がった増幅群として検出してしまう。しかし、二次元的に敷き詰められた半導体チップ上の各センサを、各サイクルごともしくはある一定の時間ごとに増幅反応副生成物を検出することにより、付加した核酸の増幅による広がりを検出が可能で例え同じ配列を持つ核酸断片が隣り合ったとしても、増幅前の添加された核酸断片を分けてカウントし、定量することが可能になる。これは定量性を必要とする核酸分析(例えば発現解析など)において大きな意味を持つ。
上記に示す増幅時において、正しく事前処理のなされた分析対象が分析デバイスに十分に供給されたかどうかを検知するのに半導体センサを使うだけではなく、光学検知(増幅前後で核酸量の増加や核酸の形態が一本鎖から二本鎖などに変わることによる屈折率等などによる検知や蛍光検出でもよい)することによっても検知することが可能である。
また上記課題を達成するため、第三の発明として例えば半導体チップを用いた核酸配列読取技術において、核酸配列読取時に半導体チップ上に敷き詰められる半導体センサを用いて、一つの半導体センサを用いて塩基読取時に得られるシグナルがある一定のシグナルが得られない場合、そのセンサ上には分析サンプルが供給されていない、供給された核酸の増幅反応が不十分な状態を示すためそのセンサから得られる信号を無効とする。もしくは、半導体チップ表面をプライマーペアのセットで被覆された状態もしくは、分析対象である核酸と相補的な配列を持つプライマーペアをゾルゲルに含ませ、半導体チップに固定化された状態で、核酸の増幅反応を二次元に実施した場合においても大きな効果が得られる。核酸の増幅反応を二次元に実施した場合、半導体チップに敷き詰められた半導体センサの並びとは無関係に二次元的に広がる為、結果的に一つのセンサ上に一つ以上の分析核酸の増幅物がまたぐ場合がある。異なる分析核酸由来の増幅物がセンサを跨いだ場合、A、C、G、Tの各塩基を順番に入れることにより、シーケンシング反応を行ったとき、一つの分析核酸の増幅物のみでセンサを覆う場合に比べシグナルが弱くなる。跨いでいる増幅物の読み取る塩基が同調し同じ塩基である場合は、一見十分なシグナルが得られるが次以降の塩基を入れ、同調しない場合に得られるシグナルが弱くなる。その為、一つのセンサ上で十分なシグナルノイズ比が得られる値を設け、その値以上のシグナルの時のみ塩基を読み取ることにより誤った読み取りを防ぐことが本発明の特徴である。さらに、増幅時に行った付加した核酸の増幅による広がりを検出結果と組み合わせることにより、より精度高く重複したシグナルかどうかを検出することも可能である。
本発明によれば、前処理工程の一つの増幅工程およびその前の工程が正しく実施されているか確認出来る為、それ以降の工程作業を無駄なく実施することが出来るという効果がある。
本発明に係わる分析装置の全体像 各種工程の管理から判定までのロジックのフローチャート 二次元的に増幅反応副生成物を検知する様態の模式図 二次元的に増幅反応副生成物を検知する反応初期の様態の模式図 二次元的に増幅反応副生成物を検知する反応中期の様態の模式図 二次元的に増幅反応副生成物を検知する反応末期の様態の模式図 増幅反応完了後の半導体チップの様態の模式図 核酸配列決定時のシグナル 2種の鋳型からなる核酸増幅物2種から得られる核酸配列決定時のシグナル
以下、本発明の実施例を図を用いて詳細に説明する。
本発明を実施するために、本発明に係わる分析装置は、図1に示される。分析装置上で各種分析反応を行う為の試薬送液部101から検出部102にへ送液される。検出部102から出力される検出データおよびシグナルを記憶し、測定するパラメータのデータを複数レベルで記憶・更新し、項目名,測定条件,検体量,試薬量,分析方法などの測定結果を記憶できるハードディスクなどの記憶部103と、測定結果であるシグナルを時間別、二次元に算出する演算部104と、計算されたデータを記憶・更新していく記憶部103を備え、分析管理、分析状況のリアルタイムの表示する表示部105,判定値(測定された値が異常かどうかを判断するための境界値)や分析条件や各種設定するためのキーボードや液晶画面などから構成される操作部106と、試料の測定後、計算された数値と判定値とを比較し判断するため、ロジックは複数の分枝点を持ち、判定値と比較して異常の有無とその要因を判定できることを特徴とする。この判定部107から出た判定結果は表示部105に表示し、アラームを出す。
本分析法および分析装置の検出部102は、半導体センサによって電流変化を検出するか光源によって発せられる蛍光や散乱光や屈折率を検出する。本分析法に用いられる試料は生体試料が解析対象となる。
図2に、各種工程の管理から判定までのロジックをフローチャートにして示す。 以下、図2のフローチャートに従い実施の形態を説明する。
ステップ201において本発明を利用して試験されるサンプルは、全血、血漿、血清、涙、粘液、唾液、尿、脊髄液、胃液、汗、精液、抗原、抗体、自己抗体、ペプチド、プロテイン、核酸、核酸増幅物、酵素または、上記サンプルとの反応物や微小球体(ビーズ)との反応物なども含む。および通常もしくは悪性の疑わしい組織の生検試料のような組織の抽出物も含む。抽出物としてシークエンシングする核酸は、限定することなく以下が含まれる。DNA、例えば、限定されずに、ゲノムDNA、ウイルスゲノムRNA、ミトコンドリアDNA、cDNAなど、およびRNA、例えば、限定されずに、mRNA、miRNAなど。核酸は、天然給源または合成給源を含む、任意の給源からのものであってよい。核酸は、核酸増幅反応産物(Phi29ポリメラーゼを用いたローリングサイクル反応や、PCR反応、恒温増幅反応としてLAMP法、NASBA法、ICAN法、TMA法などが挙げられる)、コスミド、プラスミド、バッククローン、天然または合成のライブラリなどであってよい。本発明はこの点において限定されることを意図しない。本明細書で提供される方法は、任意の長さの核酸のシークエンシングに用いることができる。
分析する核酸は、該当する分野で周知の技術を用いて調整する。例えば〔B. Vogelstein and D. Gillespie, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 76(2), 615-619(1979)〕に報告されるカオトロピック剤の存在下で核酸がシリカに結合する性質に基づいた方法、あるいは、〔特開2001−95572号公報〕,〔特開2002−360245号公報〕に報告される有機溶媒の存在下で核酸がシリカに結合する性質に基づいた方法が一般的である。調整法はこれらに限定されず、調整技術は由来とする生体試料によって任意の手法を用いて実施される。ステップ202において調整した分析対象である核酸は、細孔等を通液することによって物理的にせん断、音波処理、噴霧化、分解酵素による消化(例えばDnaseI)、およびトランスポゾンを用い任意に挿入した配列を用いた不特定領域の増幅による核酸断片の修得または核酸断片を、好ましくは所望の長さのものを、製造することが知られている任意の他の技法を含む。断片化する核酸は、数十、数百、数千、または数万程度のヌクレオチド長であってよい。いくつかの態様において、断片化する核酸は200〜1000、1000〜10000塩基対の大きさ、または300〜800塩基対の大きさであるが、これに限定されない。断片化の後、ステップ203においてサイズ選択法を用いて、特定の長さまたはサイズの断片を付加するか、または単離することができる。これらのサイズ選択法も当分野で周知の任意の方法を用いて、ゲル電気泳動またはゲルろ過を一般に用いるが、これに限定されない。
断片化した核酸のサイズを選択した後、ステップ204において核酸の5’末端と3’末端両方にアダプター配列を連結する。これらアダプター配列は、標的核酸の増幅に用いるための増幅プライマー配列を含む。1つのアダプター配列はまた、シーケンシングプライマーに相補的な配列も含む。反対のアダプター配列は、調整した核酸が、例えばビーズなど(ただしこれに限定されない)の固体支持体への結合を促す構造を含んでもよい。固体支持体への結合の例として、ビオチン分子であり、調整した核酸はしたがって、アビジンまたはストレプトアビジン基を有する固体支持体に結合可能である。より効果的の手法として、スペーサーを用いることにより、アダプターを連結させた核酸(および特にその中に含まれる標的核酸配列)とビーズとの間に距離を取ってもよい。これは、ビーズに最も近い標的の端部のシークエンシングを促進する。好適なリンカーの例は当分野で既知であり、例えばiSp18などの炭素−炭素リンカーを含むが、これに限定されない。
アダプター配列が連結した核酸が結合する担持する担体は、本明細書においてビーズと呼ぶ。これらのビーズは限定することなく以下を含む。ガラス、シリカゲル、ポリビニルピロリジン(PVP)、セルロース、セルロース誘導体、ゼラチン、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリスチレン、ゴム、ケイ素、プラスチック、金属。またビーズは、完全に球の形状に限定されず多くの細孔を持ってもよい。
本実施で記載するように核酸配列決定の反応は、半導体チップ上の半導体センサ上で実施される。半導体センサ上は、ビーズを半導体チップ上に補足する目的や半導体センサ上の核酸を補足する面積を増やすことを目的にウェルを用いてもよい。アダプター配列が連結した核酸を担持したビーズ上で核酸増幅を事前に行ってもよい。核酸の増幅およびビーズなどの固体支持体への結合は、多くの方法において実現され、主にエマルジョンPCR(Margulies et al. Nature 2005 437(15):376-380)が用いられるがこれに限定されない。
ステップ205において半導体チップ上にアダプター配列を連結させた核酸を添加する前にビーズを、核酸の3’末端に位置する相補的配列(すなわち、増幅プライマー配列中か、または標的核酸の3’末端に連結する他のアダプター配列中)に結合する核酸配列読取プライマーおよびポリメラーゼを用いて、プライマーとその相補配列とのハイブリダイゼーションおよび酵素(DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼなど)の核酸への結合を促進する条件下で、インキュベートする。ハイブリダイゼーション条件は、プライマーが、テンプレートの3’末端で正しい相補物とのみハイブリダイズするような条件を用いるのが望ましい。
アダプター配列を連結させた核酸、もしくはアダプター配列を連結させた核酸を担持させたビーズを半導体チップ上に添加する。アダプター配列を連結させた核酸のみを半導体チップに付加させる場合において、事前に半導体チップ表面をプライマーペアのセットで被覆し、核酸テンプレートを、プライマーペアを補うアダプターと共に半導体チップに提供してもよい(固定化物質は、半導体チップに事前添加させパッケージ化するか、核酸テンプレートを添加する直前の工程として行ってもより)。もしくは、核酸テンプレートと相補的な配列を持つプライマーペアをゾルゲルに含ませ、半導体チップに固定化させてもよい。
分析対象の半導体チップへの付加は、核酸を担持したビーズを添加し半導体チップ上に生物もしくは化学反応を用いて固定化する。例えば前述のハイブリダイゼーションを用いる手法であるがこれに限定されるものではない。または、半導体チップには、半導体センサ上に配置される多くのウェルを含んでもよく、ビーズをウェルへ流入させることによりビーズを半導体センサ上に固定化させ検出する。ステップ206において上記に示すこれらの手法を用いて固定化後に、解析対象である核酸を増幅する。増幅法としては、Phi29ポリメラーゼを用いたローリングサイクル反応や、PCR反応、恒温増幅反応(LAMP法、NASBA法、ICAN法、TMA法など)を示す。この増幅反応時に、半導体チップ上に敷き詰められる半導体センサを用いて、二次元的に増幅反応副生成物である水素イオンを検知することである。いくつかの態様において無機ピロリン酸(PPi)は直接測定される。いくつかの態様において、PPiは、PPi受容体の非存在下で測定される。いくつかの態様において、増幅反応副生成物は、無機リン酸(Pi)である。他の態様において、本明細書に示されるように、半導体センサは、副生成物のあらゆる組み合わせの変化、任意に他のパラメータを伴う組み合わせの変化を検出する。
二次元的に増幅反応副生成物を検知する様態の模式図を図3に示す。図3は、半導体チップ301上に半導体センサが二次元的に敷き詰められおり、分析サンプルであるアダプター配列を連結させた核酸、もしくはアダプター配列を連結させた核酸を担持させたビーズを添加した状態を示す。図3の状態から増幅酵素や基質(アデニン、グアニン、シトシン、チミンなど)などの各種増幅法に必要な試薬を添加し、核酸増幅反応を行う。ステップ207において半導体センサ上に、アダプター配列を連結させた核酸、もしくはアダプター配列を連結させた核酸を担持させたビーズが添加された箇所は、核酸増幅反応時に、副生成物が生まれ、半導体センサが増幅反応を検知する。アダプター配列を連結させた核酸、もしくはアダプター配列を連結させた核酸を担持させたビーズ303が供給されなかった半導体センサ302は、核酸増幅反応が行われても反応が行われず増幅反応も検知しない為、分析サンプルが供給され無いことを、検知しないことによって認識できる。または、アダプター配列が正しく連結されていないか、ビーズに核酸が担持されていないといった事前工程での処理が十分になされていないことを示す。ステップ208においてこれらの増幅反応時に得られる情報から、サンプルの添加量が事前に設定する基準値を満たすか否かによって、添加量不足として分析を完了するか、かまわず次工程に進むべきか、再度分析サンプルの添加もしくはより前の工程への戻りを判断する。これらの判断は分析目的に依存し、事前に設定してもよい。または、その都度結果を表示し判断してもよい。
ステップ209においてさらに増幅反応時に、例えば50℃、60℃、95℃の温度サイクルを繰り返しか、ある一定の温度を一定の時間間隔で、全ての半導体センサを用いて検知し続けることによって増幅反応副生成物の増減を監視する。半導体チップ表面をプライマーペアのセットで被覆された状態もしくは、分析対象である核酸と相補的な配列を持つプライマーペアをゾルゲルに含ませ、半導体チップに固定化された状態で、核酸の増幅反応を実施する場合、添加した核酸が二次元的に四方八方に増幅反応が広がっていくことを検知することができる。増幅初期では、添加された核酸近辺の半導体センサが検知するが、増幅後期では増幅初期に増幅反応副生成物を検知していない半導体センサが検知する。二次元的に増幅反応副生成物が広がる様態の模式図を図4に示す。図4aは、サンプル403aが添加された状態を示す。増幅反応を開始することにより、サンプル403aを鋳型として核酸が増幅され、増幅された核酸集団403bを形成する。核酸集団403bは増幅時に増幅副生成物を生み、半導体センサ402でシグナルを検知する。核酸集団403bが広がるにつれ、増幅初期に検知した半導体センサ402に対し隣り合う半導体センサが核酸集団403bを検知する様態を、時系列にデータを記憶する記憶部103と演算部104により核酸集団403bが二次元的に広がる挙動を監視する。この演算処理は、核酸集団同士が隣り合い、増幅および拡張が停止するまで実施される。ここで得られた半導体チップ上の核酸集団の広がりの情報と各センサから得られる核酸配列決定反応時の情報を照らし合わせ、より正確な半導体チップ上の核酸集団の広がりの情報を得ることも可能である。
具体的には、増幅初期の段階で得られる増幅反応副生成物等からの信号を元に半導体チップ401上に供給された核酸断片の数を半導体センサ402が認識する。その後、増幅反応が進むにつれ、供給された核酸断片から増幅された核酸が広がる様態を半導体センサ402が認識する。ここで、半導体センサ402は、複数ある半導体センサ402の内どの半導体センサ402上に供給された核酸断片を元に生成された核酸配列決定用の鋳型であるか認識する。その後、核酸配列決定時に各半導体センサ402から得られる核酸配列情報と、供給された核酸断片の数と供給された核酸断片から増幅された核酸の広がりの情報を紐づけることにより、供給された核酸断片に対応する核酸配列情報が得られる。これは、例えば隣り合う半導体センサ402に供給された核酸断片が同じ核酸配列を持つ時、核酸配列の情報のみから供給された核酸の数をカウントする時に誤って一つと認識することを防ぐ。
ステップ210において増幅時に例えば50℃、60℃、95℃の温度サイクルを繰り返しか、ある一定の温度を一定の時間間隔で、全ての半導体センサを用いて検知し続けることによって増幅反応副生成物の増減を監視する。ステップ209で示された核酸集団の広がりや増幅反応副生成物のシグナルが減少することによって、そのセンサ上での核酸の増幅が完了したことを検知する。
ステップ211において、センサ上で得られるシグナルの検出のピーク領域が狭い場合、半導体チップ表面上に付加したプライマーペアの量が少ないことや反応阻害が起きているなどを示し、核酸増幅物の量が少なく核酸配列決定反応時に得られるシグナルが弱くなることが予測される。規定した時間内にシグナルの減少が見られず、増幅中であるならば反応時間を延長してもよい。また、当初よりシグナルの減少を持って増幅反応を完了としてもよい。事前に設定するシグナルの基準値を満たすか否かによって、プライマーペアの量が不足しているとして分析を完了するか、かまわず次工程に進むべきか、判断してもよい。これらの判断は分析目的に依存し、事前に設定してもよい。または、その都度結果を表示し判断してもよい。
ステップ212において、試薬送液部101より半導体チップ上でA、C、G、Tの各塩基を流し込み、核酸配列伸長時に得られる増幅反応副生成物からのシグナルから配列を読み取る。半導体センサ501において、各塩基を順次に流し込んだ時のシグナル検出例を図5bに示す。得られるシグナルはノイズ等と区別するため閾値を設けて検出してもよい。鋳型が異なる核酸増幅物2種に覆われた半導体センサ502において、各塩基を順次に流し込んだ時のシグナル検出例を図5cに示す。図5cに示す様に、一塩基目の読取時に閾値を満たすシグナルが得られておらずAとCの弱いシグナルがあることから、2種の鋳型による異なる核酸増幅物2種に覆われていることなどを推定できる。したがって閾値を設けることにより、半導体センサ上で混在するサンプルによるデータを取り除き、単一鋳型由来の核酸増幅物の核酸配列読取を行うことが可能となる。
101 試薬送液部
102 検出部
103 記憶部
104 演算部
105 表示部
106 操作部
107 判定部
301,401 半導体チップ
302,402 半導体センサ
303 アダプター配列を連結させた核酸、もしくはアダプター配列を連結させた核酸を担持させたビーズ
403a サンプル
403b 増幅反応中の核酸増幅物
501 単一核酸増幅物に覆わられた半導体センサ
502 二種の核酸増幅物に覆わられた半導体センサ

Claims (4)

  1. 生体関連物質分析装置において、
    半導体チップと、
    該半導体チップ上に二次元的に敷き詰められた半導体センサと、を備えており、
    これらの半導体センサで核酸断片の核酸増幅反応時に生成される副産物の増減を二次元的に監視し続けることにより、増幅した核酸断片がどの半導体センサに供給されたものであるかを認識することを特徴とする生体関連物質分析装置。
  2. 請求項1に記載の生体関連物質分析装置において、
    前記半導体チップ上に各塩基を流し込む試薬送液部を備え、
    核酸配列伸長時に得られる増幅反応副生成物のシグナルから塩基配列を読み取ることを特徴とする生体関連物質分析装置。
  3. 請求項1に記載の生体関連物質分析装置において、
    前記半導体センサからの検知情報を基に、核酸断片の添加量が基準値を満たすかどうかを判定することを特徴とする生体関連物質分析装置。
  4. 請求項1に記載の生体関連物質分析装置において、
    前記半導体センサからの検知情報を基に、核酸増幅反応が基準値を満たすかどうかを判定することを特徴とする生体関連物質分析装置。
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