JP6156102B2 - 空調管理システム及び空調管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空調管理システム及び空調管理方法に関する。
近年、高度情報化社会の到来にともなって計算機(コンピュータ装置)で多量のデータが取り扱われるようになり、多数の計算機を同一室内に設置して一括管理することが多くなっている。例えばデータセンターでは、計算機室内に多数のラック(サーバーラック)を設置し、それぞれのラックに複数の計算機を収納している。そして、それらの計算機にジョブを有機的に配分し、大量のジョブを効率的に処理している。
ジョブの処理にともなって、計算機から多量の熱が発生する。このため、熱による計算機の故障、誤動作及び処理能力の低下を回避するために、計算機を冷却する手段が必要となる。
一般的なデータセンターの室内は、ラックを設置する機器設置エリアと、機器設置エリアの床下に設けられて電力ケーブルや通信ケーブル等が配置されるフリーアクセスフロア(床下空間)とに分離されている。フリーアクセスフロアには空調機から低温のエアー(以下、「冷気」ともいう)が供給され、この低温のエアーは機器設置エリアの床に設けられたグリル(通風口)を介して機器設置エリアに送られる。
機器設置エリアには、多数のラックが列毎に並んで配置される。一般的なラックでは、ラックの前面から低温のエアーを導入して計算機を冷却し、それにより温度が上昇したエアーを背面から排出するようになっている。以下、ラックの前面(吸気側の面)を吸気面と呼び、ラックの背面(排気側の面)を排気面と呼ぶ。
ところで、省エネルギー及び地球温暖化防止の観点から、データセンターで消費する電力の削減が要望されている。データセンターでは、計算機を冷却するために多大な電力を消費しており、空調機自体の省電力化とともに、ラックの配置を工夫して効率的な冷却が行われるようにしている。例えば、一般的なデータセンターでは多数のラックを列毎に並べ、且つ隣り合う列のラックを吸気面と吸気面又は排気面と排気面とが向き合うように配置し、吸気面側の床にグリルを配置している。
このように、グリルを介して低温のエアーが供給されるエリアと、ラックから高温のエアーが排出されるエリアとを空間的に分離することにより、冷却効率の向上を図っている。低温のエアーが供給されるラック吸気面側のエリアはコールドアイルと呼ばれており、高温のエアーが排出されるラック排気面側のエリアは、ホットアイルと呼ばれている。
WO2010/125712 特開2010−160081号公報 特開2010−211269号公報 特開平06−195323号公報
ラックの数よりも少ない送風機でラック内の電子機器を効率よく冷却できる空調管理システム及び空調管理方法を提供することを目的とする。
開示の技術の一観点によれば、電子機器が収納されたラックが設置された室内の所定の評価エリアの温度分布を測定する温度分布測定装置と、前記室内に温度が調整されたエアーを供給する空調機と、前記空調機から供給されるエアーを前記ラックの吸気面側に搬送する送風機と、前記温度分布測定装置により測定した前記温度分布に基づき前記送風機の運転状態を制御する制御部と、前記温度分布とその温度分布における前記送風機の最適運転状態とを対応付けした記録ファイルを記録するデータベースとを有し、前記制御部は、前記温度分布測定装置で測定した前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布が記録されている記録ファイルを前記データベースから抽出して、当該記録ファイルに記録されている最適運転状態で前記送風機を運転する空調管理システムが提供される。
開示の技術の他の一観点によれば、空調機から出力されるエアーを、制御部により運転状態が制御される送風機を介して、電子機器を収納したラックの吸気面側に供給する空調管理システムの空調管理方法において、温度分布測定装置により所定の評価エリアの温度分布を測定する工程と、前記制御部により、前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布をデータベースから抽出し、前記過去の温度分布に対応付けされている最適運転状態で前記送風機を運転する工程とを有する空調管理方法が提供される。
上記一観点に係る空調管理システム及び空調管理方法によれば、ラックの数よりも少ない送風機でラック内の電子機器を効率よく冷却できる。
図1は、実施形態に係る空調管理システムを適用するデータセンターの室内を表した模式断面図である。 図2は、同じくその室内のレイアウトを模式的に表わした図である。 図3は、ファンを「オフ」にしたとき、及び「強」で運転したときの室内の温度分布の測定結果の一例を、室内レイアウトに重ね合わせて示す図である。 図4は、ファンを「オフ」にしたとき、及び「強」で運転したときの各ラックの吸気面の最高温度を表わした図である。 図5は、NO.1〜NO.10のラックの発熱量の変化を表した図である。 図6は、NO.7及びNO10のラックの吸気面の最高温度の変化を表した図である。 図7は、実施形態に係る空調管理システムを示すブロック図である。 図8(a),(b)は、それぞれ異なる時刻におけるデータセンター内の温度分布測定結果を示す図である。 図9は、実施形態に係る空調管理システムの動作を示すフローチャートである。 図10は、NO1〜NO.10のラックの発熱量の変化を表した図である。 図11は、実施形態の空調管理システムによりファンを運転制御したときのNO.7及びNO.10のラックの吸気面の最高温度の変化を表した図である。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
前述したように、一般的なデータセンターでは、グリルを介してフリーアクセスフロアから機器設置エリアに低温のエアーを供給し、この低温のエアーをラック内に取り込んで計算機を冷却している。しかし、ホットアイルからコールドアイルに高温のエアーが回り込んだり、計算機の稼働状態に応じて計算機の発熱量が変化するため、全ての計算機を許容上限温度以下に維持することは簡単ではない。
全ての計算機を許容上限温度以下に維持するために、例えば最も高温の計算機の温度が許容上限温度以下となるように、空調機の設定温度を低くしたり、空調機の吹き出し風量を多くしたりすることが考えられる。しかし、その場合は他の計算機が過剰に冷却されることになり、電力が無駄に消費されてしまう。
空調機から供給される冷気を効率よく利用するために、グリルの下に床下ファンと呼ばれる送風機(以下、単に「ファン」という)を配置したデータセンターもある。このようなデータセンターでは、例えばラックの吸気面又は排気面の温度に応じてファンの稼働状態を制御して、各計算機の温度が許容上限温度を超えないようにしている。
このようなデータセンターにおいて、各ラックの吸気面側のグリルの下にそれぞれファンを配置すれば、各ラックの吸気面又は排気面の温度に応じてエアーの供給量を細かく調整することができる。しかし、その場合はラックの数と同じ数のファンが必要となり、設備コストが高くなる。また、ファンの数が多くなると、それにともなって消費電力も多くなる。そこで、ラックの数よりも少ない数のファンでラック内の計算機又はその他の電子機器を効率的に冷却する空調管理システムが要望される。
以下の実施形態では、ラックの数よりも少ないファンでラック内の電子機器を効率よく冷却できる空調管理システム及び空調管理方法について説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る空調管理システムを適用するデータセンターの室内を表した模式断面図である。また、図2は、同じくその室内のレイアウトを模式的に表わした図である。
機器設置エリア10aには複数のラック11が設置されている。それらのラック11は列毎に並んでおり、隣り合う列のラック11は吸気面と吸気面又は排気面と排気面とが向き合うように配置されている。また、各ラック11には、それぞれ計算機又は記憶装置等の電子機器12が収納されている。
機器設置エリア10aの下にはフリーアクセスフロア10bが設けられている。このフリーアクセスフロア10bには、電源ケーブルや通信ケーブルが配置されている。また、空調機13の送風口からフリーアクセスフロア10bに、低温のエアーが供給される。
空調機13の送風口からフリーアクセスフロア10bに供給された低温のエアーは、機器設置エリア10aの床に設けられたグリル(通風口)14を介して機器設置エリア10a内に移動する。そして、ラック11の吸気面からラック11内に入り、ラック11内の電子機器12を冷却する。電子機器12を冷却することにより温度が上昇したエアーは、ラック11の排気面から排出される。
機器設置エリア10aの上方には排気流路15が設けられている。ラック11から排出されたエアーは、排気流路15を通って空調機13の吸気口に移動する。そして、吸気口から空調機13内に入ったエアーは、空調機13により冷却された後、再度送風口からフリーアクセスフロア10bに供給される。
図2に示す例では、室内に1台の空調機13が設置され、10台のラック11が2列に並んで配置されている。ここでは、説明の便宜上、一方の列のラック11を左側から順にNO.1〜NO.5のラックと呼び、他方の列のラック11を左側から順にNO.6〜NO.10のラックと呼ぶ。NO.1〜NO.5のラック11とNO.6〜NO.10のラック11とは、吸気面を対向させて配列されている。
各ラック11の吸気面側の床にはグリル14が設けられている。そして、NO.6のラック11の前のグリル14には、ファン17が配置されている。ファン17は、制御部(図示せず)からの信号により、運転状態が「オフ(運転停止)」、「弱」、「中」、「強」の4段階に変化する。
また、図1,図2に示す例では、ラック11の上方(床上2.3mの位置)、並びに各ラック11の吸気面及び排気面に光ファイバ(図示せず)を敷設している。この光ファイバを温度分布測定装置(Distributed Temperature Sensor:DTS)に接続して、ラック11の上方、並びに各ラック11の吸気面及び排気面の温度分布を測定する。
なお、本願発明者らは、光ファイバにより検出した温度分布に対し伝達関数を用いた補正計算を行う温度測定方法を提案している(特許文献1,2参照)。この方法によれば、光ファイバの長さ方向に沿って10cm〜数10cmの間隔で設定された測定ポイントの温度を精度よく検出することができる。
図3(a)はファン17を「オフ」にしたときの室内の温度分布の測定結果の一例を、室内レイアウトに重ね合わせて示す図である。また、図3(b)はファン17を「強」で運転したときの室内の温度分布の測定結果の一例を、室内レイアウトに重ね合わせて示す図である。図3(a),(b)中の点線は、ラック11の上方に敷設した光ファイバの敷設経路を示している。
光ファイバを温度センサとして温度分布測定装置で測定した温度分布を画像処理すると、温度を色で表したサーモグラフィのような画像が得られる。但し、図3(a),(b)では、便宜上、温度分布を等温線で表わしている。
図4は、ファン17を「オフ」にしたとき、及び「強」で運転したときの各ラック11の吸気面の最高温度を表わした図である。ここでは、空調機13の設定温度を21℃に設定している。
図4からわかるように、ファン17が「オフ」のときにはNO.1のラック11及びNO.7のラック11の吸気面の最高温度が30℃を超えている。これは、グリル14からNO.1及びNO.7のラック11への冷気の供給が不足しており、ホットアイルからコールドアイルに高温のエアーが回り込んでいることを意味している。
ファン17を「強」で運転すると、グリル14からNO.1及びNO.7のラック11への冷気の供給量が増加し、各ラック11の吸気面の最高温度はいずれも28℃以下になる。
例えばファン17が「オフ」のまま空調機13の設定温度を下げて各ラック11の吸気面の最高温度を28℃以下にしようとすると、空調機13の設定温度を17℃にする必要がある。その場合は、空調機13の設定温度が21℃の場合に比べて、3kW程度余分に電力を消費する。
一方、ファン17の消費電力は0.4kW程度であるので、空調機13の設定温度を21℃としてファン17を使用すると、空調機13の設定温度を17℃としてファン17を使用しない場合に比べて、電力消費量を2.6kW程度削減できる。
ところで、図3(a),(b)及び図4からわかるように、ファン17を稼働させると、ファン17の近傍のラック11の吸気面の最高温度は低下するものの、ファン17から離れたラック11の吸気面の最高温度は上昇する。これは、空調機13から供給される冷気の総量が一定であるので、ファン17によりあるエリアの冷気の供給量を増加させると、別のエリアでは冷気の供給量が減少するというトレードオフの関係があるためである。
このトレードオフの関係は、ファン17の運転状態(「オフ」、「弱」、「中」、「強」)により変化する。また、データセンターでは、ラック11内に収納された電子機器12の稼働状態に応じて発熱量が変動し、それに応じて室内の温度分布も変化する。
そのため、全てのラック11の吸気面の最高温度の差を小さくするためには、室内の温度分布の変化に応じてファン17の運転状態を適宜変更することが要求される。なお、NO.1〜NO.10のラック11の総発熱量が大きく変化した場合は空調機13の設定温度を変更する必要があるが、ここではその説明を省略する。
データセンター内のエアーの流れは複雑であり、トレードオフの関係を事前に且つ詳細に把握することは困難である。そこで、ファン17の最適な運転状態を決定するために、ファン17の運転状態を順番に変化させて温度分布を測定することが考えられる。
図5は、NO.1〜NO.10のラック11の発熱量の変化を表した図である。また、図6は、横軸に時刻をとり、縦軸に温度をとって、NO.7及びNO10のラック11の吸気面の最高温度の変化を表した図である。
この例では、図6からわかるように、8時43分頃に図5中にAで示す状態からBに示す状態に各ラック11の発熱量が変化している。各ラック11の吸気面の最高温度の差が許容値を超えたときに、新たな定常状態に移行すると判断して、ファン17の最適運転状態の探索を開始する。
ファン17の最適運転状態の探索は、ファン17の運転状態を例えば「オフ」、「弱」、「中」、「強」の順番で変化させて、各ラック11の吸気面側の最高温度の差が小さくなるか否かを調べることで行う。図6では、NO.7及びNO10のラック11の吸気面の最高温度を測定した結果を示している。
図6に示す例では、8時43分よりも前にはNO.7及びNO10のラック11の吸気面の最高温度がほぼ同じであり、温度変化が殆どない。すなわち、定常状態である。このときのファン17の運転状態は、「強」である。
8時43分頃にラック11内の電子機器の発熱状態が変化すると、NO.7のラック11の吸気面の最高温度とNO10のラック11の吸気面の最高温度との差が大きくなる。
各ラック11の最高温度の差が許容値を超えると、ファン17の運転状態を変更する必要がある。この例では、ファン17の運転状態を、「オフ」、「弱」、「中」、「強」の順番で変化させて、各ラック11の吸気面の最高温度の差が小さくなる運転状態を探索している。
図6に示す例で例では、ファン17の運転状態を「弱」にしたときにはNO.7及びNO10のラック11の吸気面の最高温度の差が小さくなる方向に変化し、それ以外の場合は最高温度の差が大きくなる方向に変化している。従って、ファン17の最適運転状態は「弱」であると判定できる。そこで、9時14分頃からファン17を「弱」で運転している。
図6に示す例では、最適運転状態の探索を開始してから各ラック11の吸気面の温度が安定状態になるまで約30分かかっている。しかし、この間に各ラック11内の計算機の稼働状態が変化してしまい、ラック11内の計算機を適切に冷却できなくなるおそれがある。
図7は、本実施形態に係る空調管理システムを示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態に係る空調管理システムは、光ファイバ21と、温度分布測定装置22と、制御部23と、制御部23からの信号によりファン17を駆動するファン駆動部24と、記録ファイルを記憶するデータベース25を有する。
光ファイバ21は、前述したように、ラック11の上方(床上2.3mの位置)、並びに各ラック11の吸気面及び排気面に敷設される。温度分布測定装置22は、光ファイバ21内をレーザ光が通る際に発生するラマン散乱光により、光ファイバ21の長さ方向の温度分布を測定する。
制御部23は、温度分布測定装置22で測定した室内の温度分布のうち予め設定された所定のエリア(以下、「評価エリア」という)の温度分布を監視する。評価エリアの温度分布とは、例えばラック11の吸気面の温度分布や、ラック11の吸気面の上方の空間の温度分布などである。
そして、評価エリアの温度分布に変化があると、制御部23はデータベース25を参照して、過去に類似の温度分布があったか否かを調べる。過去に類似の温度分布がない場合は、図6に示すようにファン17の運転状態を順番に変更して、最新の温度分布に対する最適運転状態を探索する。その後、制御部23は、探索した最適運転状態でファン17を運転するとともに、そのときの評価エリアの温度分布とファン17の最適運転状態とのデータを記録した記録ファイルを作成し、データベース25に記録する。
一方、過去に類似の温度分布があった場合は、その温度分布のデータと同一の記録ファイルに書き込まれている最適運転状態をデータを抽出して、その最適運転状態でファン17を運転する。
2つの温度分布が類似か否かの判断には、例えは相関係数を使用する。相関係数は、2組の数値からなるデータ列[(xi,yi)](但し、i=1,2,…,n)が与えられたときに、下記(1)式で求めることができる。
Figure 0006156102
そして、相関係数の値がしきい値以上の場合は類似と判定し、しきい値よりも小さい場合は類似でないと判定する。本実施形態では、相関係数のしきい値を0.9とする。
図8(a),(b)は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置(基準点からの距離)をとり、縦軸に温度をとって、それぞれ異なる時刻におけるデータセンター内の温度分布測定結果を示す図である。
図8(a)に示す例では、時刻A1の温度分布と時刻B1の温度分布との相関係数を計算すると、0.03となった。この値はしきい値(0.9)よりも小さいので、時刻A1の温度分布と時刻B1の温度分布とは類似でないと判定することができる。
一方、図8(b)に示す例では、時刻A2の温度分布と時刻B2の温度分布との相関係数を計算すると、0.993となった。この値はしきい値(0.9)以上であるので、時刻A2の温度分布と時刻B2の温度分布とは類似であると判定することができる。
以下、図9のフローチャートを参照して、本実施形態に係る空調管理システムの動作をより詳細に説明する。
まず、ステップS11において、制御部23は、温度分布測定装置22から室内の温度分布を取得する。
次に、ステップS12において、制御部23は、ステップS11で取得した温度分布から評価エリアの温度分布を抽出し、前回測定時の評価エリアの温度分布と比較して、定常状態か否かを判定する。定常状態か否かの判定は、前回測定時の評価エリアの温度分布と今回測定時の評価エリアの温度分布との類似度を相関係数を用いて計算することで行う。類似度の値がしきい値以上であれば、定常状態と判定する。
ステップS12において定常状態であると判定した場合(YESの場合)は、ステップS11に戻る。そして、制御部23は、温度分布測定装置22から再度温度分布を取得する。但し、温度分布を取得する間隔が短いと、温度分布の変化を検出しにくくなる。そのため、本実施形態では、前回の温度分布の取得から一定の時間(例えば30秒間)経過した後に、制御部23は温度分布測定装置22から次の温度分布を取得する。
ステップS12において定常状態でないと判定した場合(NOの場合)は、定常状態になるまでステップS13,S14のループを実行する。
すなわち、制御部23は、ステップS13において、前回の温度分布取得時から一定の時間経過した後に、温度分布測定装置22から次の温度分布を取得する。そして、ステップS14において、制御部23は、前回測定時の評価エリアの温度分布と今回測定時の評価エリアの温度分布とから相関係数を用いて類似度を計算し、類似度がしきい値以上か否かにより定常状態か否かを判定する。そして、ステップS14で定常状態でないと制御部23が判定した場合(NOの場合)は、ステップS13に戻る。
ステップS14で定常状態であると制御部23が判定した場合(YESの場合)は、ステップS15に移行する。ステップS15において、制御部23は、そのときの温度分布(評価エリアの温度分布)を記録した一時記録ファイルを作成する。
その後、ステップS16に移行し、制御部23は、一時記録ファイルに記録した温度分布と類似の温度分布がデータベース25に記録されているか否かを調べる。
すなわち、制御部23は、一時記録ファイルに記録した温度分布とデータベース25に記録されている過去の温度分布との類似度を相関係数を用いて計算する。そして、類似の温度分布があると判定した場合(YESの場合)は、ステップS17に移行し、データベース25から類似の温度分布が記録されている記録ファイルを抽出する。
その後、制御部23は抽出した記録ファイル(過去ファイル)に記録されているファン17の最適運転状態を読み出し、その読み出した最適運転状態に応じてファン17を運転する。また、制御部17は、抽出した記録ファイルの出現頻度を更新してデータベース25に記録する。その後、ステップS11に戻って処理を継続する。
一方、ステップS16で類似の温度分布がないと判定した場合(NOの場合)は、ステップS18に移行する。ステップS18において、制御部23は、現在の温度分布におけるファン17の最適運転状態を探索する。
すなわち、制御部23はファン駆動装置24を制御して、ファン17の運転状態を、例えば「オフ」、「弱」、「中」、「強」の順番で変更する。そして、制御部23は、各運転状態における各ラック11の吸気面の温度分布を温度分布測定装置22から取得し、各ラック11の吸気面の最高温度の差が小さくなる運転状態を抽出して、最適運転状態とする。
最適運転状態が探索されると、制御部23は、ステップS15で作成した一時記録ファイルに最適運転状態のデータを書き込み、新規ファイルとしてデータベース25に登録する。
このようにして新規ファイルをデータベース25に登録した後、ステップS19に移行して、制御部23は、探索した最適運転状態でファン17を運転する。その後、ステップS11に戻り、処理を継続する。
上述したように、本実施形態では、データベース25に過去の評価エリアの温度分布とファン17の最適運転状態とのデータを記録しておき、定常状態が変化するたびにデータベース25を参照して類似の温度分布が記録されているか否かを調べる。そして、過去に類似の温度分布が記録されているときには、そのときに探索した最適運転状態でファン17を運転する。
これにより、本実施形態に係る空調管理システムでは、ラック11の数よりも少ないファン17で各ラック11内の電子機器12を効率的に冷却することができる。また、本実施形態に係る空調管理システムでは、各ラック11内の電子機器12の発熱量の変化に迅速に対応でき、各ラック11内の電子機器12を適切に冷却できるとともに、空調設備で消費する電力を削減できるという効果を奏する。
なお、データベース25に記録する記録ファイルの数が多くなると、類似の温度分布を探索するのに要する時間が長くなる。そのため、参照頻度が少なく、且つ一定の期間参照されていないファイルは、データベース25から削除するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では光ファイバ21を温度センサとして室内の温度分布を測定しているが、温度センサとして熱電対又はその他の温度センサを用いてもよい。
図10は、NO1〜NO.10のラック11の発熱量の変化を表した図である。また、図11は、横軸に時刻をとり、縦軸に温度をとって、本実施形態によりファン17を運転制御したときのNO.7及びNO.10のラック11の吸気面の最高温度の変化を表した図である。
この例では、17時16分頃に各ラック11の発熱量が図10のAの状態からBの状態に変化し、17時56分頃に各ラック11の発熱量が図10のBの状態からCの状態に変化している。また、18時32分頃に各ラック11の発熱量が図10のCの状態からAの状態に変化し、19時03分頃に各ラック11の発熱量が図10のAの状態からBの状態に変化している。
図11から、本実施形態では温度分布の変化を検知してから10分程度で安定状態になっていることがわかる。これは、図6に示す方法に比べて約1/3の時間である。
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)電子機器が収納されたラックが設置された室内の所定の評価エリアの温度分布を測定する温度分布測定装置と、
前記室内に温度が調整されたエアーを供給する空調機と、
前記空調機から供給されるエアーを前記ラックの吸気面側に搬送する送風機と、
前記温度分布測定装置により測定した前記温度分布に基づき前記送風機の運転状態を制御する制御部と、
前記温度分布とその温度分布における前記送風機の最適運転状態とを対応付けした記録ファイルを記録するデータベースとを有し、
前記制御部は、前記温度分布測定装置で測定した前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布が記録されている記録ファイルを前記データベースから抽出して、当該記録ファイルに記録されている最適運転状態で前記送風機を運転することを特徴とする空調管理システム。
(付記2)前記制御部は、前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布が記録されている記録ファイルを前記データベースから抽出できないときに、前記送風機の運転状態を順次変更して前記複数のラックの吸気面における最高温度の差が最も小さくなる運転状態を探索して最適運転状態とし、前記最新の温度分布と探索した最適運転状態とを対応付けした記録ファイルを前記データベースに記録することを特徴とする付記1に記載の空調管理システム。
(付記3)前記制御部は、前記最新の温度分布と前記過去の温度分布とが類似か否かの判定を、相関係数を用いて行うことを特徴とする付記1又は2に記載の空調管理システム。
(付記4)前記室内は、前記ラックが設置された機器設置エリアと、機器設置エリアの床下に設けられた床下空間とに分離され、
前記送風機は、前記機器設置エリアの床に設けられて前記床下空間と前記機器設置エリアとを連絡する通風口に配置され、
前記空調機は、前記温度が調整されたエアーを前記床下空間に供給することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の空調管理システム。
(付記5)前記評価エリアは、前記ラックの吸気面又は吸気面の上方のエリアであることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の空調管理システム。
(付記6)前記ラックの数よりも前記送風機の数が少ないことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の空調管理システム。
(付記7)前記温度分布測定装置は、光ファイバをセンサとするものであることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の空調管理システム。
(付記8)空調機から出力されるエアーを、制御部により運転状態が制御される送風機を介して、電子機器を収納したラックの吸気面側に供給する空調管理システムの空調管理方法において、
温度分布測定装置により所定の評価エリアの温度分布を測定する工程と、
前記制御部により、前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布をデータベースから抽出し、前記過去の温度分布に対応付けされている最適運転状態で前記送風機を運転する工程と
を有することを特徴とする空調管理方法。
10a…機器設置エリア、10b…フリーアクセスフロア、11…ラック、12…電子機器、13…空調機、14…グリル、15…排気流路、17…ファン、21…光ファイバ、22…温度分布測定装置、23…制御部、24…ファン駆動部、25…データベース。

Claims (6)

  1. 電子機器が収納されたラックが設置された室内の所定の評価エリアの温度分布を測定する温度分布測定装置と、
    前記室内に温度が調整されたエアーを供給する空調機と、
    前記空調機から供給されるエアーを前記ラックの吸気面側に搬送する送風機と、
    前記温度分布測定装置により測定した前記温度分布に基づき前記送風機の運転状態を制御する制御部と、
    前記温度分布とその温度分布における前記送風機の最適運転状態とを対応付けした記録ファイルを記録するデータベースとを有し、
    前記制御部は、前記温度分布測定装置で測定した前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布が記録されている記録ファイルを前記データベースから抽出して、当該記録ファイルに記録されている最適運転状態で前記送風機を運転することを特徴とする空調管理システム。
  2. 前記制御部は、前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布が記録されている記録ファイルを前記データベースから抽出できないときに、前記送風機の運転状態を順次変更して前記複数のラックの吸気面における最高温度の差が最も小さくなる運転状態を探索して最適運転状態とし、前記最新の温度分布と探索した最適運転状態とを対応付けした記録ファイルを前記データベースに記録することを特徴とする請求項1に記載の空調管理システム。
  3. 前記制御部は、前記最新の温度分布と前記過去の温度分布とが類似か否かの判定を、相関係数を用いて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の空調管理システム。
  4. 前記ラックの数よりも前記送風機の数が少ないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空調管理システム。
  5. 前記温度分布測定装置は、光ファイバをセンサとするものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空調管理システム。
  6. 空調機から出力されるエアーを、制御部により運転状態が制御される送風機を介して、電子機器を収納したラックの吸気面側に供給する空調管理システムの空調管理方法において、
    温度分布測定装置により所定の評価エリアの温度分布を測定する工程と、
    前記制御部により、前記評価エリアの最新の温度分布に類似した過去の温度分布をデータベースから抽出し、前記過去の温度分布に対応付けされている最適運転状態で前記送風機を運転する工程と
    を有することを特徴とする空調管理方法。
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