次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
前記前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の上部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。そして、ランプ装置18およびスピーカ19は、後述する先読み予告演出やリーチ演出等の各種の演出を実行する演出実行手段(先読み予告実行手段)として機能する。
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16を遊技者が操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン38が設けられており、該操作ボタン38を所定のタイミングで押下することで、モードを切替えたり、音量調節を行い得るよう構成される。この操作ボタン38は、該ボタン38を押下したときに押下信号を統括制御CPU65aに出力するよう構成される。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、外表面に複数の飾図を表示した回転体を回転させて図柄変動演出を行うよう構成されたドラム式の図柄表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置や、ドットマトリックス式の図柄表示装置等の複数の飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
前記パチンコ機10の裏側には、球払出装置76を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)75、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板57は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図8参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60から入力される制御信号に基づいて、払出制御基板75が球払出装置76を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、普通入賞装置45、ゲート部材48等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(始動入賞手段)31,32を有する始動入賞装置30および特別入賞口(特別入賞手段,入賞口)41を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31,32が上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)32を挟む左右両側には、該第2始動入賞口32を開閉可能に構成された開閉部材34,34が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド33(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材34,34が第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31は、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口32は、始動入賞ソレノイド33を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。このように、実施例の始動入賞装置30において、上側に位置する第1始動入賞口31がパチンコ球の入賞態様を可変不能な固定始動口として機能し、下側に位置する第2始動入賞口32がパチンコ球の入賞態様を可変可能な開閉手段を備えた可変始動口として機能するよう構成されている。ここで、前記開閉部材34,34が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が第1始動入賞口31へ入賞する確率よりも第2始動入賞口32へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記開閉部材34が開放位置に変位した状態では、開閉部材34で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口32に案内されることで、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が第1始動入賞口31へ入賞する確率よりも第2始動入賞口32へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材34が閉鎖位置に変位した状態において前記第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口32を開放させるようにしてもよい。
前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31,32に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ35,36(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ35,36は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ35,36によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ35,36によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが各種入賞情報(後述する各種乱数情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ35,36が始動入賞口31,32毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ35と指称し、第2始動入賞口32に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ36と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ35または第2始動入賞検出センサ36からの検出信号を受信すると、前記払出制御基板75に制御信号を出力して、前記球払出装置76に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、メイン制御基板60は、前記払出制御基板75に制御信号を出力して、前記球払出装置76に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞装置45について)
前記普通入賞装置45には、該入賞装置45に設けた普通入賞口に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出センサ47が設けられている。この普通入賞検出センサ47は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該普通入賞検出センサ47からメイン制御基板60への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。この普通入賞検出センサ47によるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞装置45に設けた普通入賞口へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出される。
(ゲート部材48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材48が設けられている。前記ゲート部材48にはゲートセンサ49(図8参照)が配設されており、該ゲート部材48を通過するパチンコ球をゲートセンサ49で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過))に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド33が駆動制御されて開閉部材34,34が開閉動作するようになっている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57および状態表示部58が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32への入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサ35による検出)を契機として変動表示(以下特図変動表示という場合がある)を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口32への入賞(第2始動入賞検出センサ36による検出)を契機として特図変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する特図変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る特図当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得る特図はずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されており、特図当り判定の判定結果に応じて決定された1つの特図が特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄やはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では3種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様,左側LEDだけが点灯する発光態様および左右のLEDが点灯する発光態様により3種類の普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Aとし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、左右のLEDが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当り判定の結果がはずれの場合に普図表示部55に普図Aが表示され、当りの場合に普図表示部55に普図Bまたは普図Cが表示されるよう構成されている。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当り表示となり、はずれを認識できる普図が普図はずれ表示となる。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部材48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(ラウンド表示部57について)
前記ラウンド表示部57は、大当り判定に当選した場合に、当選した当り遊技(大当り遊技)のラウンド回数を特定可能に表示する表示部である。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述するように複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定されると共に、この大当り遊技には規定のラウンド回数(規定ラウンド数)が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部57で表示するようになっている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では8個)から発光表示部が構成される。実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「4回」および「16回」の2種類が設定されており、規定ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じて当選した大当り遊技に対応した規定ラウンド数が報知されるようになっている。
(状態表示部58について)
前記状態表示部58は、パチンコ機10において遊技が行われる複数種類の遊技状態が設定されている場合に、当該遊技状態を特定可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では3個)のLEDにより構成されている。ここで、実施例ではパチンコ機10に対しては、遊技が行われる遊技状態として後述のように確変状態および変短状態が設定されていることから、状態表示部58のLEDが異なった点灯パターンで点灯することで遊技状態としての確変状態および変短状態を特定するようになっている。ここで、実施例の状態表示部58は、前記ラウンド表示部57の上方に隣接する1個のLEDと、普図表示部55の上端側に直線的に隣接する2個のLEDとから構成されており、ラウンド表示部57に隣接するLEDにより確変状態であることを報知すると共に、普図表示部55に隣接するLEDにより変短状態であることを報知するよう構成されている。ここで、パチンコ機10は、当選した大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の終了後の遊技状態が定まるよう設定され、大当りの当選を契機に遊技状態を変更可能になっている。また、前記状態表示部58は、特図表示部50A,50Bが大当り図柄を表す点灯パターンで点灯したと同時またはその後の大当り遊技が行われる時に、当選した大当り図柄に対応した大当り遊技の終了後の遊技状態を表示するパターンで点灯するよう設定される。また、状態表示部58は、特図表示部50A,50Bにおいて次の特図変動表示が行われるまで、点灯パターンを維持するよう設定されている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図を変動開始させるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が3箇所ずつ定められており、9個の飾図を同時に停止表示可能な状態で図柄変動演出が行われるようになっている。そして、実施例の図柄表示装置17には、5つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当りであるか、あるいははずれであるかを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、変動表示されている飾図が予め定められた停止順序で各図柄列26a,26b,26cに確定停止するようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で確定停止する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。また「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止した状態で表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサ35の検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として1000ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサ36の検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として1000msが設定されている。また、実施例の図柄表示装置17では、特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない「仮停止」の状態で前記各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図を停止表示し得るよう構成されており、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて、飾図を仮停止表示させて、変動表示を再度開始する表示態様を行い得るようになっている。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cにおいて変動表示される飾図が複数種類設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図は、任意の数字や文字、絵柄等により遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態で表示される。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、大当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、何れかの停止図柄有効ライン28に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせが設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせから、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせとなる(「1↓1」、「4↓4」等)。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、509/65536)から高確率(実施例では、510/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態(通常状態)というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行うことができる。また、実施例では、確変状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、32回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。言い換えると、入賞率向上状態は、前記ゲートセンサ49の検出に伴って行われる普図当り判定において単位時間に普図当りと判定される割合が向上した状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する開閉部材34の開放時間を増やすこと等により第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する開閉部材34の開放時間を増やすに際しては、開閉部材34の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材34の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例の変短状態では、大当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、14563/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口32への入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材34,34を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開閉部材34,34の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄Aおよび図柄a)である場合に、所定回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた別の図柄(実施例において後述する図柄Bおよび図柄b)である場合に、異なった回数(実施例では16回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。ここで、変短状態の付与条件は、大当り遊技(大当り図柄)の種類毎に定められているが、これに関しては後で詳述する。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置40の開閉扉43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では4回、16回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)は、パチンコ球を所定間隔(実施例では0.6秒間隔)で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されるものである。なお、実施例では、開閉扉43が最大で25秒間開放する長時間開放動作のみを行うよう設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄Bの2つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄bの2つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに50種類、図柄Bに50種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに50種類、図柄bに50種類が夫々振り分けられている。
(大当り図柄と大当り遊技との関係について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、2種類の大当り図柄(図柄A、図柄B)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、50%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、50%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。同様に、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、2種類の大当り図柄(図柄a、図柄b)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、50%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、50%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aおよび図柄aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第1の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態と変短状態とが同じ変動回数分だけ付与されるようになっている。
第1の大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記第1の大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、第1の大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。具体的に、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bおよび図柄bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では16回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第2の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態が付与される変動回数よりも少ない変動回数分だけ変短状態が付与されるようになっている。
第2の大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記第2の大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、第2の大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。具体的に、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第2の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第2の大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。このように、第2の大当り遊技は、第1の大当り遊技と比べて、1回の大当り遊技において遊技者に付与される特典の少ない大当り遊技として設定される。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,72,73に出力されるようになっている。
実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ35,36、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ47、ゲートセンサ49等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、状態表示部58)が接続されて、各検出センサ35,36,44,49の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,57,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口32を開閉する開閉部材34,34に連繋する始動入賞ソレノイド33および特別入賞口41を開閉する開閉扉43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド33,42を駆動させることで、対応する開閉部材34,34や開閉扉43が開閉するようになっている。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ35または第2始動入賞検出センサ36がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ35,36の検出を契機として取得する乱数としては、当り判定用乱数(特図当り判定用乱数)、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ35,36の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1始動入賞検出センサ35の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2始動入賞検出センサ36の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域は、第1領域〜第4領域の4つの記憶領域から構成されており、始動入賞検出センサ35,36の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。なお、以下の説明において、第1始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶される第1始動保留情報を第1入賞時始動保留情報と指称し、第2始動入賞検出センサ36の検出を契機として入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶される第2始動保留情報を第2入賞時始動保留情報と指称して区別する場合がある。また、図柄変動演出(特図変動表示)を実行する際にメイン制御RAM60cから読み出される第1始動保留情報を第1変動開始時始動保留情報と指称し、図柄変動演出(特図変動表示)を実行する際にメイン制御RAM60cから読み出される第2始動保留情報を第2変動開始時始動保留情報と指称して区別する場合がある。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ36の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否か定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、前記第1または第2入賞時始動保留情報に基づく先読み予告演出(後述)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、一次振分用乱数として、「0」〜「253」の全254通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ35または第2始動入賞検出センサ36がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31,32への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では510個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では509個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
ここで、確変状態の場合に設定される大当り判定値は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値と共通の共通大当り判定値(共通当り判定値)と、該共通大当り判定値とは異なる特定大当り判定値(特定当り判定値)とが設定されている(図9参照)。また、実施例では、非確変状態の場合に設定される大当り判定値は、共通大当り判定値のみから設定してある。すなわち、確変状態の場合に設定される大当り判定値としては、確変状態および非確変状態の何れの場合にも大当り判定において肯定判定される共通大当り判定値と、確変状態でのみ大当り判定において肯定判定される特定大当り判定値とが設定される。また、非確変状態の場合に設定される大当り判定値としては、確変状態および非確変状態の何れの場合にも大当り判定において肯定判定される共通大当り判定値のみが設定される。実施例では、共通大当り判定値が509個で、特定大当り判定値が1個に設定される。なお、特図当り判定用乱数の取り得る全65536通りの整数の中における前記共通大当り判定値および特定大当り判定値と一致する乱数以外の乱数と一致する判定値が、確変状態および非確変状態(通常状態)の何れの場合も大当り判定において否定判定されるはずれ判定値となる。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した101種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点の遊技状態(確変状態や変短状態か否か)に応じて判定値の設定数が異なっている。すなわち、第1始動保留情報および第2始動保留情報に基づいて行われる演出実行判定の場合では、変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、演出実行判定値は、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するよう設定されている。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するよう設定されている。実施例のパチンコ機10では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数を合算した合算数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するよう設定されている。
具体的に、非確変状態かつ非変短状態(低確非変短状態)または確変状態かつ非変短状態(高確非変短状態)において、特図始動保留情報の合算数が「0」の場合に32個の演出実行判定値が設定され、合算数が「1」の場合に25個の演出実行判定値が設定され、合算数が「2」の場合に22個の演出実行判定値が設定され、合算数が「3」〜「7」の場合に20個の演出実行判定値が設定されている。同様に、確変状態かつ変短状態(高確変短状態)において、特図始動保留情報の合算数が「0」の場合に40個の演出実行判定値が設定され、合算数が「1」の場合に30個の演出実行判定値が設定され、合算数が「2」の場合に25個の演出実行判定値が設定され、合算数が「3」〜「7」の場合に20個の演出実行判定値が設定されている。すなわち、変短状態の場合には、非変短状態の場合に比べてリーチ演出が発生し易くなるよう構成されており、変短状態で行われる図柄変動演出において大当りが発生する期待感を高めるようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン振分用判定値が記憶されている。特図変動パターン振分用判定値は、前記特図変動パターン振分用乱数を用いて複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定数の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン振分用乱数に対応する判定値が割り当てられた特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより選択されるようになっている。
(特図変動パターンについて)
メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから飾図が確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の大当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、大当り用の特図変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチなしはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
また、メイン制御ROM60bには、大当り判定の結果が肯定の場合に特図変動パターンの抽選に用いられる大当り用特図変動パターン振分テーブルT1と、大当り判定の結果が否定の場合に特図変動パターンの抽選に用いられるはずれ用特図変動パターン振分テーブルT2とが設定されている。大当り用特図変動パターン振分テーブルT1には、所要の図柄変動演出を行った結果として大当り表示を表示する複数種類の特図変動パターンP11〜P14が設定されると共に、はずれ用特図変動パターン振分テーブルT2には、所要の図柄変動演出を行った結果としてはずれ表示を表示する複数種類の特図変動パターンP21〜P24が設定されている。特図変動パターンP11とP21、特図変動パターンP12とP22、特図変動パターンP13とP23、特図変動パターンP14とP24の夫々は、飾図を最終的に確定停止するまでの図柄変動演出の基本的な内容を同一とする対をなすものであり、対をなす特図変動パターンの何れが実行されているのかは、飾図が最終的に確定停止するまでは識別し得ないようになっている。なお、実施例では各振分テーブルT1,T2に設定される特図変動パターンを4種類としたが、この数は一例であって任意の数を設定可能である。
前記大当り用特図変動パターン振分テーブルT1およびはずれ用特図変動パターン振分テーブルT2では、図10(a),(b)に示す如く、前記特図変動パターン振分用判定値が、特図変動パターン振分用乱数の取り得る「0」〜「253」の全254通りの整数が特図変動パターンP11〜P14,P11〜P24毎に割当てられている。すなわち、大当り判定の結果が肯定の場合には、大当り用特図変動パターン振分テーブルT1に設定された特図可動パターンP11〜P14において、特図変動パターン振分用乱数の値と一致する特図変動パターン振分用判定値が割り当てられた特図変動パターンP11〜P14をメイン制御CPU60aが決定するようになっている。また、大当り判定の結果が否定の場合には、はずれ用特図変動パターン振分テーブルT2に設定された特図可動パターンP21〜P24において、特図変動パターン振分用乱数の値と一致する特図変動パターン振分用判定値が割り当てられた特図変動パターンP21〜P24をメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、前記大当り用特図変動パターン振分テーブルT1およびはずれ用特図変動パターン振分テーブルT2では、図10(a),(b)に示す如く、各特図変動パターンP11〜P14,P21〜P24に割り当てられる特図変動パターン振分用判定値の割当数が、大当り用演出パターン振分テーブルT1においては特図変動パターンP11、特図変動パターンP12、特図変動パターンP13、特図変動パターンP14の順で判定値の割当て数が多くなるのに対し、はずれ用演出パターン振分テーブルT2においては特図変動パターンP24、特図変動パターンP23、特図変動パターンP22、特図変動パターンP21の順で判定値の割当て数が多くなるよう設定される。すなわち、大当り判定の結果が肯定の場合には、特図変動パターンP11より特図変動パターンP14の方が選択され易く、大当り判定の結果が否定の場合には、特図変動パターンP24より特図変動パターンP21の方が選択され易くなっている。言い替えれば、特図演出パターンP14,P24で特定される演出内容で図柄変動演出が実行された場合は、その結果として大当り(当り)表示が表示される当り期待度は高く、特図演出パターンP11,P21で特定される演出内容で図柄変動演出が実行された場合は、その結果として大当り(当り)表示が表示される当り期待度は低いといえる。また、実施例のパチンコ機10では、大当り判定においてメイン制御CPU60aが肯定判定する確率との関係で、大当り判定においてメイン制御CPU60aが肯定判定した場合に、当り期待度の高い種類の演出内容を該メイン制御CPU60aが決定する確率が高く設定されている。また実施例では、大当り判定の結果に応じて各特図変動パターンP11〜P14,P21〜P24の選択され易さが異なると共に、各特図変動パターンP11〜P14,P21〜P24で特定された演出内容で図柄変動変出が実行された場合の当り期待度も異なるように設定されている。なお、実施例では、大当り用演出パターン振分テーブルT1において特図変動パターンP11には、特図変動パターン振分用判定値は割り当てられておらず(0)、大当り判定の結果が肯定の場合には特図変動パターンP11は選択されないようになっている。
ここで、前記特図変動パターンで特定される演出内容の具体例を挙げて特図変動パターンの選択され易さを説明する。特図変動パターンP11,P21、特図変動パターンP12,P22、特図変動パターンP13,P23、特図変動パターンP14,P24で特定される演出内容として「通常変動演出」、「ノーマルリーチ演出」、「スーパーリーチA演出」、「スーパーリーチB演出」が対応して設定されているものとする。なお、特図変動パターンP12,21、特図変動パターンP12,P22、特図変動パターンP13,P23、特図変動パターンP14,P24で特定される変動時間は、特図変動パターンP11,P21<特図変動パターンP12,P22<特図変動パターンP13,P23<特図変動パターンP14,P24に設定される。このように各特図変動パターンが設定されている構成では、大当り判定の結果が肯定の場合は、変動時間が最も長い「スーパーリーチB演出」の演出内容が選択され易く、大当り判定の結果が否定の場合は、変動時間が最も短い「通常変動演出」の演出内容が選択され易くなっている。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。各演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記図柄表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から1つの演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、前記特図変動パターンP1が決定された場合は、該特図変動パターンP1に対応する系統の演出内容を特定する複数種類の演出パターンの中から1つの演出パターンが決定され、特図変動パターンP2が決定された場合は、該特図変動パターンP2に対応する系統の演出内容を特定する複数種類の演出パターンの中から1つの演出パターンが決定され、特図変動パターンP3が決定された場合は、該特図変動パターンP3に対応する系統の演出内容を特定する複数種類の演出パターンの中から1つの演出パターンが決定され、特図変動パターンP4が決定された場合は、該特図変動パターンP4に対応する系統の演出内容を特定する複数種類の演出パターンの中から1つの演出パターンが決定される。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
前記統括制御ROM65bには、図柄表示装置17、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、可変入賞口としての第2始動入賞口32を含む始動入賞口31,32への入賞を契機として各種乱数を含む入賞情報を取得する入賞情報取得手段(乱数取得手段)、入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて当り遊技を生起するか否かを判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて、図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の演出内容および変動時間を特定する変動パターンを記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常(通常状態)よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する第1遊技状態決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する第1遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを決定する第2遊技状態決定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する第2遊技状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態の付与期間として決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態の付与期間として複数種類の期間を、決定された当り遊技の種類に応じて決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口31,32への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、図柄表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および図柄表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ36の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。また、前記図柄表示手段を制御する統括制御CPU65aは、入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて、前記図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有している。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31に対応する第1始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口32に対応する第2始動入賞検出センサ36がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、前記第1または第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞した時点で既に前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1または第2特図始動保留情報に基づいて実行される図柄変動演出中に先読み予告を行わせるか否かを判定する先読み予告処理を実行し(ステップA19)、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aが先読み予告処理を実行して(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、メイン制御CPU60aが先読み予告処理を実行して(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り判定)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、509/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合には、確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、更に特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口32への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。なお、特図始動保留情報に基づく図柄変動演出を実行するに際しては、メイン制御RAM60cに特図始動保留情報が記憶された順で該特図始動保留情報に基づく図柄変動演出を実行するようにしてもよい。すなわち、パチンコ球が入賞した始動入賞口の種類(第1始動入賞口31および第2始動入賞口32)に関係なく、始動入賞口31,32への入賞を契機として取得される特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶された順で、該特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行されるものであってもよい。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、509/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技状態を示す確変フラグおよび変短フラグを大当り遊技後に設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。すなわち、統括制御CPU65aは、決定された変動パターンに基づいた図柄変動演出を実行させる演出実行制御手段として機能する。また統括制御CPU65aは、後述する先読み判定の判定結果が肯定の場合には、先読み予告演出を先読み予告実行手段において実行させる先読み予告実行制御手段としての機能を備えている。
ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、前述したように特図変動パターン毎に分類されており、特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変フラグおよび変短フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを図柄表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、リーチはずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、統括制御基板62からコマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17を制御し、図柄変動演出を終了させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有している。
(先読み予告演出について)
実施例のパチンコ機10は、1つの始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(特図変動表示)の変動開始から変動停止までを1回の単位変動演出として、複数回の図柄変動演出に亘って単位変動演出を実行させる連続予告演出等の先読み予告としての先読み予告演出を、図柄表示装置17において当り表示が表示される可能性を示唆する予告演出として実行可能に構成されている。具体的に、実施例のパチンコ機10は、始動入賞検出センサ35,36の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいて演出内容を特定(先読み)して、当該入賞情報を取得した時点で既にメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報に基づいて実行される図柄変動演出に跨がって先読み予告演出を行わせるか否かを決定するよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサ35,36の検出を契機として取得された入賞情報(乱数値)を変動開始時始動保留情報として図柄変動演出(先読み予告演出の本変動演出)が行われた際に当り表示が表示される可能性(大当りが発生する可能性)を前もって示唆し得るよう構成されている。
(先読み予告処理について)
ここで、前述した先読み予告演出を実行するための先読み予告処理について説明する。なお、先読み予告処理は、図4に一例を示すように、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞した際(特図入力処理が実行される際)に行われる。すなわち、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞してから次の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が開始されるよりも前に(特図開始処理が行われるよりも前に)、先読み予告処理が実行される。言い換えると、先読み予告処理は、図柄変動演出の前に実行するよう構成されている。ここで、先読み予告処理は、始動入賞検出センサ35,36の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に、取得された入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいて統括制御CPU65aに伝達する特定情報(先読みコマンド)をメイン制御CPU60aが設定する処理である。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、前記始動入賞口31,32への入賞を契機として入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報に基づいて特定情報(先読みコマンド)を特定する特定情報設定手段として機能している。なお、実施例では、取得された入賞情報に対応する入賞時始動保留情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄変動演出で行われる演出内容に関する情報が先読みコマンドに含まれており、取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する演出内容先読み手段としてもメイン制御CPU60aが機能している。
図11に先読み予告処理を示す。メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)の結果として大当り遊技が発生するか否かを事前判定する。具体的には、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された第1入賞時始動保留情報または第2入賞時始動保留情報における大当り判定用乱数の値が事前大当り判定値と一致するか否かをメイン制御CPU60aが事前判定(事前大当り判定)する(ステップC11)。ここで、事前大当り判定値は、前述した特図開始処理の大当り判定(大当り抽選)で使用される大当り判定値と同一の値に設定されている。すなわち、第1または第2入賞時始動保留情報に基づく事前大当り判定が肯定であった場合は、遊技状態(より具体的には確変状態か非確変状態か)が変化しない限り、当該肯定判定された始動保留情報を変動開始時始動保留情報として本変動演出(図柄変動演出)が行われた際に、大当りが発生することになる。
ここで、実施例では、前述のように、大当り遊技が発生しない図柄変動演出では、リーチ演出が行われた後にはずれとなる場合と、リーチ演出が行われることなくはずれとなる場合とがある。そこで、実施例のメイン制御CPU60aは、前記事前大当り判定の判定結果が否定の場合には、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)において特定演出としてのリーチ演出が実行されるか否かを事前判定(事前演出実行判定)する(ステップC12)。具体的に、実施例では、メイン制御CPU60aは、処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、事前演出実行判定値と一致するか否かにより判定を行う。ここで、事前演出実行判定値は、前述した特図開始処理における演出実行判定で使用される演出実行判定値と同一の値に設定されている。すなわち、事前演出実行判定において肯定であった場合には、当該肯定判定された特図始動保留情報に基づいた図柄変動演出が行われる際に実行される特図開始処理の演出実行判定においても肯定判定される。
また、メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)で行われる演出内容を事前判定するよう構成されている。具体的には、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された第1入賞時始動保留情報または第2入賞時始動保留情報における特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが事前判定(特図変動パターンの事前判定)する(ステップC13)。すなわち、前記事前大当り判定の判定結果が肯定の場合には、当該肯定判定となった入賞時始動保留情報の特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが特定する。また、前記事前演出実行判定の判定結果が肯定の場合には、当該肯定判定となった入賞時始動保留情報の特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが特定する。このように、メイン制御CPU60aは、始動入賞検出センサ35,36の検出を契機として入賞情報を取得する毎に、当該取得した入賞情報に対応した変動開始時始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出の演出内容や変動時間を定めた特図変動パターンを事前判定(事前特図変動パターン判定)するよう構成されており、該メイン制御CPU60aが演出内容事前判定手段としての機能を備えている。
(先読みコマンドの設定について)
また、メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて事前判定を行うと、当該事前判定の判定結果を示す情報を統括制御CPU65aに伝達するよう構成されている。実施例では、メイン制御CPU60aは、入賞時始動保留情報に基づく事前判定の判定結果に応じた先読みコマンド(特定情報)をメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定すると共に、次に特図開始処理が行われる前にメイン制御CPU60aが当該先読みコマンドを統括制御基板65に出力することで、事前判定の判定結果が統括制御CPU65aに伝達されるよう構成されている。
ここで、先読みコマンドは、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32に入賞した時点で取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定の判定結果を示す事前大当り情報や、当該入賞時始動保留情報に基づく事前演出実行判定の判定結果を示す事前演出実行情報や当該入賞時始動保留情報に基づく事前特図変動パターン判定の判定結果を示す事前特図変動パターン情報を含んだコマンドである。従って、先読みコマンドを参照することで、統括制御CPU65aは、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32に入賞したときに取得された入賞情報を変動開始時始動保留情報として行われる図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)において大当りが発生するか否かを事前大当り情報に基づいて識別し得ると共に、当該図柄変動演出においてリーチ演出が行われるか否かを事前演出実行情報に基づいて統括制御CPU65aが識別できる。また、事前特図変動パターン情報に基づいて図柄変動演出の演出内容や変動時間を統括制御CPU65aが識別し得るようになっている。
(先読みコマンド設定処理について)
ここで、入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定による先読みコマンド設定処理について、図12を参照して説明する。すなわち、メイン制御CPU60aは、先読み予告処理における事前大当り判定が肯定か否かを判定する(ステップD11)。そして、ステップD11の判定結果が否定の場合には、メイン制御CPU60aは、事前大当り情報としてはずれ情報を設定(ステップD14)し、先読みコマンド設定処理を終了する。一方、ステップD11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図当り判定用乱数が共通大当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップD12)。ステップD12が肯定であれば、メイン制御CPU60aは、事前大当り情報として大当り情報を設定(ステップD13)し、先読みコマンド設定処理を終了する。また、ステップD12の判定結果が否定の場合には、メイン制御CPU60aは、事前大当り情報としてはずれ情報を設定(ステップD14)し、先読みコマンド設定処理を終了する。すなわち、実施例では、入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定において、確変状態および非確変状態の何れの場合も肯定判定される(大当りとなる)共通大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数で肯定判定した場合は、事前大当り情報として大当り情報を設定して、該大当り情報を含む先読みコマンドを統括制御CPU65aに出力する。これに対し、入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定において、確変状態でのみ肯定判定される(大当りとなる)特定大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数で肯定判定した場合、および確変状態と非確変状態との何れの場合も否定判定される(はずれとなる)はずれ判定値と一致する特図当り判定用乱数で否定判定された場合は、事前大当り情報としてはずれ情報を設定して、該はずれ情報を含む先読みコマンドを統括制御CPU65aに出力するよう設定されている。
先読みコマンドには、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32に入賞した時点において、前記メイン制御RAM60cが記憶する対応の第1または第2特図始動保留情報の記憶数を示す保留数情報や、第1始動入賞口31および第2始動入賞口32の何れへのパチンコ球の入賞に基づく先読みコマンドであるかを示す特図種別情報が含まれている。なお、先読みコマンドで特定される保留数情報は、特図種別情報で特定される第1または第2始動入賞口31,32に対応する特図始動保留情報の記憶数情報である。従って、特図種別情報で第1始動入賞口31への入賞を契機とした先読みコマンドであることが特定される場合には、保留数情報は第1特図始動保留情報の記憶数を示しており、特図種別情報で第2始動入賞口32への入賞を契機とした先読みコマンドであることが特定される場合には、保留数情報は第2特図始動保留情報の記憶数を示している。
そして、先読みコマンドの設定が完了すると、メイン制御CPU60aは、先読み予告処理を終了する。そして、先読み予告処理において設定された先読みコマンドは、次の図柄変動演出(特図変動表示)が行われるよりも前(すなわち特図開始処理が行われる前)に統括制御CPU65aに出力されるよう設定されている。すなわち、前記始動入賞口31,32への入賞毎に取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する特定情報(先読みコマンド)を第1の制御手段としてのメイン制御CPU60aが生成して、生成した特定情報を第2の制御手段としての統括制御CPU65aに伝達するよう構成されている。これにより、統括制御CPU65aがメイン制御CPU60aによる先読み予告処理の結果に基づいて先読み予告演出を実行するか否かを判定可能になっている。すなわち、実施例の統括制御CPU65aは、先読み予告(先読み予告演出)を行わせるか否かを決定する先読み予告決定手段としての機能を有している。
(統括制御CPU65aによる先読み予告判定処理)
次に、統括制御基板65で実行される先読み予告判定処理について説明する。メイン制御CPU60aから先読みコマンドが統括制御基板65に入力されると、図13に示すように、当該先読みコマンドに基づいて先読み予告演出を実行するか否かを統括制御CPU65aが決定(実行可否判定)するよう構成されている(ステップE11)。すなわち、統括制御CPU65aは、先読みコマンドが入力された際に取得した乱数、および「実行する」、「実行しない」に所定割合で振り分けられている判定値に基づいて先読み予告演出を実行するか否かを判定するよう構成される。そして、ステップE12が否定の場合は、先読み予告演出を実行しないことを決定して、先読み予告判定処理を終了する。一方、ステップE12が肯定の場合は、統括制御CPU65aは、実行する先読み予告演出の種類を決定し(ステップE13)、先読み予告判定処理を終了する。本実施例では、先読み予判定処理に用いる先読み予告判定乱数として、「0」〜「49」の全50通りの整数値が設定されており、統括制御CPU65aは、先読み予告判定乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。そして、先読みコマンドが入力された際に取得した先読み予告判定乱数の値が一致する判定値が割り当てられている「実行する」、「実行しない」の何れかを統括制御CPU65aが決定するようになっている。
(先読み予告演出について)
図13に示すように、先読み予告演出の実行を決定した場合には、実行する先読み予告演出を統括制御CPU65aが決定するよう構成されている(ステップE13)。すなわち、実施例のパチンコ機10では、複数種類の先読み予告演出が統括制御ROM65bに記憶されており、先読み予告演出の実行を決定した場合に、当該実行決定に基づいて実行させる先読み予告演出を統括制御CPU65aが決定するようになっている。なお、実施例のパチンコ機10では4種類の先読み予告演出を実行可能に構成されており、これらを第1の先読み予告演出、第2の先読み予告演出、第3の先読み予告演出および第4の先読み予告演出として区別する場合がある。
ここで、実施例の先読み予告演出は、入賞時始動保留情報で特定される事前大当り情報に応じて実行可能な先読み予告演出が定められており、統括制御基板65に入力される先読みコマンドに基づいて統括制御CPU65aが実行する先読み予告演出の種類を決定するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10には、入賞時始動保留情報で特定される事前大当り情報が大当り情報である場合に限り実行を決定可能な先読み予告演出と、入賞時始動保留情報で特定される事前大当り情報が大当り情報およびはずれ情報の何れの場合にも実行を決定可能な先読み予告演出とが設定されている。具体的に、入賞時始動保留情報で特定される事前大当り情報が大当り情報およびはずれ情報の何れの場合でも実行を決定可能な先読み予告演出として第1の先読み予告演出H1、第2の先読み予告演出H2および第3の先読み予告演出が設定されると共に、入賞時始動保留情報で特定される事前大当り情報が大当り情報である場合に限り実行を決定可能な先読み予告演出として第4の先読み予告演出が設定されている。すなわち、始動入賞口31,32への入賞に伴って取得された入賞情報を変動開始時始動保留情報として行われる図柄変動演出の結果として大当り表示が表示される(大当り遊技が付与される)場合に限り、当該入賞情報を入賞時始動保留情報として先読み予告演出を決定する際に統括制御CPU65aが第4の先読み予告演出の実行を決定し得るようになっている。このように、図柄変動演出の結果として大当り表示が表示される(大当り遊技が付与される)場合に限り実行可能な第4の先読み予告演出は、当り遊技が付与されることを報知する先読み当り予告である。
(先読み予告演出の決定について)
前記統括制御ROM65bには、先読みコマンドで特定される事前大当り情報が大当り情報である場合に先読み予告演出の抽選に用いられる第1先読み予告演出用振分テーブルK1と、事前大当り情報がはずれ情報である場合に先読み予告演出の抽選に用いられる第2先読み予告演出用振分テーブルK2とが設定されている。各振分テーブルK1,K2には、前記4種類の先読み予告演出H1〜H4が設定されている。そして、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aからの先読みコマンドで特定される事前大当り情報および特図変動パターン情報に応じて、前記4種類の先読み予告演出から1つの先読み予告演出を決定するよう構成される。具体的には、統括制御CPU65aは、入力された事前大当り情報および特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンに応じて統括制御ROM65bに記憶されている先読み予告演出種類決定乱数および先読み予告演出判定値を用いて、4種類の先読み予告演出の中から1つの先読み予告演出を決定するよう構成される。本実施例では、先読み予告演出種類決定乱数として、「0」〜「49」の全50通りの整数値が設定されており、統括制御CPU65aは、先読み予告演出種類決定乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。このように、統括制御CPU65aは、先読み予告(先読み予告演出)を実行することを決定した入賞情報(入賞時始動保留情報)に基づいて演出内容が異なる複数種類の先読み予告(先読み予告演出)の中から1つの先読み予告(先読み予告演出)を決定する先読み予告種類決定手段としての機能を備えている。
ここで、事前大当り情報が当り情報である場合に先読み予告演出の抽選に用いられる第1先読み予告演出用振分テーブルK1は、事前大当り判定において、先読みの対象となった入賞情報(入賞時始動保留情報)の大当り判定用乱数が共通大当り判定値と一致して事前大当り情報として大当り情報が設定された場合において先読み予告演出の抽選に用いられる振分テーブルである。これに対し、事前大当り情報がはずれ情報である場合に先読み予告演出の抽選に用いられる第2先読み予告演出用振分テーブルK2は、事前大当り判定において、先読みの対象となった入賞情報(入賞時始動保留情報)の大当り判定用乱数がはずれ判定値(大当り判定以外の判定値)と一致して事前大当り情報としてはずれ情報が設定された場合と、事前大当り判定において、先読みの対象となった入賞情報(入賞時始動保留情報)の大当り判定用乱数が特定大当り判定値と一致して事前大当り情報としてはずれ情報が設定された場合において先読み予告演出の抽選に用いられる振分テーブルである。すなわち、先読みの対象となった入賞情報(入賞時始動保留情報)の大当り判定用乱数が共通大当り判定値と一致する場合に、統括制御CPU65aは、第1先読み予告演出用振分テーブルK1を用いて、4種類の先読み予告演出の中から1つの先読み予告演出を決定すると共に、先読みした入賞情報(入賞時始動保留情報)の大当り判定用乱数の値が特定大当り判定値およびはずれ判定値と一致する場合に、統括制御CPU65aは、第2先読み予告演出用振分テーブルK2を用いて、4種類の先読み予告演出の中から1つの先読み予告演出を決定するよう構成されている。
また、前記第1先読み予告演出用振分テーブルK1および第2先読み予告演出用振分テーブルK2は、非確変状態および確変状態の何れの場合の先読み予告演出の抽選にも用いられる振分テーブルである。すなわち、非確変状態では、先読みした入賞情報の大当り判定用乱数の値が特定当り判定値以外の大当り判定値(実施例では共通大当り判定値)と一致する場合は、第1先読み予告演出用振分テーブルK1を用いて先読み予告演出(先読み予告)を決定すると共に、先読みした入賞情報の大当り判定用乱数の値がはずれ判定値と一致する場合は、第2先読み予告演出用振分テーブルK2を用いて先読み予告演出(先読み予告)を決定する。これに対し、確変状態では、先読みした入賞情報の大当り判定用乱数の値が共通大当り判定値と一致する場合は、第1先読み予告演出用振分テーブルK1を用いて先読み予告演出(先読み予告)を決定すると共に、先読みした入賞情報の大当り判定用乱数の値が特定大当り判定値およびはずれ判定値と一致する場合は、第2先読み予告演出用振分テーブルK2を用いて先読み予告演出(先読み予告)を決定するようになっている。
前記第1先読み予告演出用振分テーブルK1および第2先読み予告演出用振分テーブルK2では、図14(a),(b)に示す如く、前記先読み予告演出判定値が、先読み予告演出種類乱数の取り得る「0」〜「49」の全50通りの整数が先読み予告演出H1〜H4毎に割当てられている。すなわち、事前大当り情報が大当り情報の場合には、第1先読み予告演出用振分テーブルK1に設定された先読み予告演出H1〜H4において、先読み予告演出種類乱数の値と一致する先読み予告演出判定値が割り当てられた先読み予告演出H1〜H4を統括制御CPU65aが決定するようになっている。また、事前大当り情報がはずれ情報の場合には、第2先読み予告演出用振分テーブルK2に設定された先読み予告演出H1〜H4において、先読み予告演出種類乱数の値と一致する先読み予告演出判定値が割り当てられた先読み予告演出H1〜H4を統括制御CPU65aが決定するようになっている。但し、第2先読み予告演出用振分テーブルK2において第4の先読み予告演出H4には、先読み予告演出判定値は割り当てられておらず(0)、事前大当り情報がはずれ情報の場合には、当り遊技が付与されることを報知する先読み当り予告である第4の先読み予告演出H4は選択されないように構成してある。
また、前記第1先読み予告演出用振分テーブルK1では、図14(a)に示す如く、先読み予告演出H1〜H4に割り当てられる先読み予告演出判定値の割当数が、先読みコマンドの事前特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンP11〜P14に応じて異なるように設定されている。すなわち、第1先読み予告演出用振分テーブルK1において、事前特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンが特図変動パターンP14の場合は、第1の先読み予告演出H1、第2の先読み予告演出H2、第3の先読み予告演出H3の順で判定値の割当て数が多くなるのに対し、事前特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンが特図変動パターンP11の場合は、第3の先読み予告演出H3、第2の先読み予告演出H2、第1の先読み予告演出H1の順で判定値の割当て数が多くなるよう設定される。従って、特図変動パターンP14で特定される演出内容で図柄変動演出が行われる場合は、特図変動パターンP11で特定される演出内容で図柄変動演出が行われる場合より第3の先読み予告演出H3が選ばれ易くなっている。
また、第2先読み予告演出用振分テーブルK2では、図14(b)に示す如く、先読み予告演出H1〜H4に割り当てられる先読み予告演出判定値の割当数が、先読みコマンドの事前特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンP11〜P14,P21〜P24に応じて異なるように設定されている。すなわち、第2先読み予告演出用振分テーブルK2において事前特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンが特図変動パターンP14,P24の場合は、第1の先読み予告演出H1、第2の先読み予告演出H2、第3の先読み予告演出H3の順で判定値の割当て数が多くなるのに対し、事前特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンが特図変動パターンP11,P21の場合は、第3の先読み予告演出H3、第2の先読み予告演出H2、第1の先読み予告演出H1の順で判定値の割当て数が多くなるよう設定される。従って、特図変動パターンP14,P24で特定される演出内容で図柄変動演出が行われる場合は、特図変動パターンP11,P21で特定される演出内容で図柄変動演出が行われる場合より第3の先読み予告演出H3が選ばれ易くなっている。
ここで、実施例では、前記先読み予告演出H1〜H3を実行した場合に、該先読み予告演出H1〜H3の実行を決定した入賞時始動保留情報を変動開始時始動保留情報として図柄変動演出(先読み予告演出の本変動演出)が行われた際に当り表示が表示される可能性(大当り遊技が付与される可能性)の期待度が異なるよう設定されており、実施例では第1の先読み予告演出H1、第2の先読み予告演出H2、第3の先読み予告演出H3の順で当り遊技が付与される期待度が高くなるようにしてある。なお、当り遊技が付与される期待度は、先読み予告演出H1〜H3に割り当てられる先読み予告演出判定値の割当数を、大当りの場合とはずれの場合とで異ならせること等によって任意に設定可能である。
すなわち、前述したように、特図変動パターンP14,P24で特定される演出内容で図柄変動演出が実行された場合と、特図演出パターン11,P21で特定される演出内容で図柄変動演出が実行された場合とを比較すると、図柄変動演出の結果として大当り(当り)表示が表示される当り期待度は、特図変動パターンP14,P24で特定される演出内容で図柄変動演出が実行された場合の方が高いといえる。そして、第2先読み予告演出用振分テーブルK2において、事前特図変動パターン情報で特定される特図変動パターンが特図変動パターンP14,P24の場合と、特図変動パターンP11,P21の場合で比較すると、特図変動パターンP14,P24の場合の方が当り遊技が付与される期待度が高い第3の先読み予告演出H3が選ばれ易いようになっている。すなわち、図柄変動演出の演出内容として、図柄変動演出の結果が大当り(当り)表示となる当り期待度が高いものほど、先読み予告演出としても当り遊技が付与される期待度が高いものが選ばれ易くなっている。
(保留表示装置90について)
前記パチンコ機10では、前記第1および第2特図保留表示部52,53で特図始動保留情報の記憶数(始動保留球数)を表示する他に、当該始動保留球数を、前記枠状装飾体25に設けた保留表示装置90に表示して、遊技者に保留情報の記憶数を報知し得るよう構成される(図2参照)。保留表示装置90は、パチンコ機10のモチーフとなる意匠が施された発光部の裏側にLEDを備えた保留ランプ90aを8個備え、始動保留球数と同数の保留ランプ90aが点灯するように保留表示装置90がランプ制御基板72によって制御される。実施例では、LEDとしてフルカラーLEDが用いられており、白色を含めた多彩な発色で発光体を明輝させ得るよう構成される。
前記保留表示装置90は、始動保留球数を報知するのみならず、保留ランプ90aの発光色を変化させることにより、前記先読み予告演出を実行し得るようになっている。すなわち、実施例では、保留表示装置90が、先読みした入賞情報に基づく図柄変動演出の開始前に先読み予告演出を実行する先読み予告実行手段としての機能を有する。
前記統括制御ROM65bには、大当り遊技が付与される可能性を示唆する保留ランプ90aの表示態様の種類として、複数種類(実施例では4種類)が記憶されている。本実施例では、表示態様としてLEDの発光色が設定されており、統括制御ROM65bには、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の5色の表示態様が記憶されている。そして、統括制御CPU65aは、メイン制御RAM60cに記憶されている入賞時始動保留情報に基づいて保留ランプ90aの発光色(表示態様)を変化させることで、大当り遊技が付与される可能性を示唆し得るようになっている。すなわち、統括制御CPU65aは、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞時にメイン制御RAM60cに記憶した入賞時始動保留情報に基づいて設定された前記先読みコマンドに基づいて保留ランプ90aの発光色(表示態様)を変化させることで、大当り遊技が付与される可能性を示唆し得るようになっている。
本実施例では、保留ランプ90aの発光色によって、大当り遊技が付与される期待度が異なるよう設定されている。具体的には、「白色」は、基本色として、始動保留球が発生した場合に決定される表示態様であり、「白色」から「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」と段階的に色が変化するにつれて期待度が高くなるよう設定されている。すなわち、実施例では、保留ランプ90aを「金色」で発光する演出が第4の先読み予告演出H4として設定され、保留ランプ90aを「赤色」で発光する演出が第3の先読み予告演出H3として設定され、保留ランプ90aを「緑色」で発光する演出が第2の先読み予告演出H2として設定され、保留ランプ90aを「青色」で発光する演出が第1の先読み予告演出H1として設定されている。なお、各先読み予告演出H1〜H4に夫々対応付けられる前記色は一例であって、これに限られるものではない。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aが先読み予告処理に際して事前大当り判定に基づく事前大当り情報を設定する際に、入賞情報(入賞時始動入賞情報)により特定される特図当り判定用乱数が共通大当り判定値と一致する場合にのみ、事前大当り情報として大当り情報を設定している。すなわち、入賞情報(入賞時始動入賞情報)により特定される特図当り判定用乱数が、確変状態でのみ大当りとなる特定大当り判定値と一致する場合であっても、メイン制御CPU60aは、事前大当り情報としてはずれ情報を設定するよう構成されている。そして、統括制御CPU65aでは、メイン制御CPU60aから出力された先読みコマンドが入力された際に、該先読みコマンドで特定される事前大当り情報に応じて、先読み予告演出の種類を決定する振分テーブルを選択する。すなわち、事前大当り情報が大当り情報であった場合は、統括制御CPU65aは、図14(a)に示す第1先読み予告演出用振分テーブルK1を用いて先読み予告演出を決定すると共に、事前大当り情報がはずれ情報であった場合は、統括制御CPU65aは、図14(b)に示す第2先読み予告演出用振分テーブルK2を用いて先読み予告演出を決定する。
前記第2先読み予告演出用振分テーブルK2では、当り遊技が付与されることを報知する先読み当り予告である第4の先読み予告演出H4には先読み予告演出判定値は割り当てられておらず、該振分テーブルK2を用いる場合は第4の先読み予告演出H4は選択されない。すなわち、統括制御CPU65aが先読み予告演出の種類を決定する契機となった入賞情報(入賞時始動保留情報)を変動開始時始動保留情報とした本変動演出が行われる前に、遊技状態が変化しても、先読み予告演出と、当該本変動演出の結果との間に齟齬が生ずることはない。具体的には、確変状態では、特図当り判定用乱数が特定大当り判定値と一致する場合は大当り判定の結果は肯定(大当り)となり、当該特図当り判定用乱数を含む入賞情報(入賞時始動保留情報)を変動開始時始動保留情報とした本変動演出が行われた結果、大当り遊技が付与されるのに対し、非確変状態では、特図当り判定用乱数が特定大当り判定値と一致しても大当り判定の結果は否定(はずれ)となり、当該特図当り判定用乱数を含む入賞情報(入賞時始動保留情報)を変動開始時始動保留情報とした本変動演出が行われた結果、大当り遊技が付与されないこととなる。しかし、本実施例では、入賞情報(入賞時始動入賞情報)により特定される特図当り判定用乱数が、確変状態でのみ大当りとなる特定大当り判定値と一致する場合の事前大当り情報をはずれ情報として設定して統括制御CPU65aに出力しているので、先読みした入賞情報(入賞時始動保留情報)を変動開始時始動保留情報とした本変動演出が行われる前に遊技状態が確変状態から非確変状態に変わってしまった場合においても、先読み予告演出として大当り遊技が付与されることを報知する先読み当り予告演出である第4の先読み予告演出H4が実行(選択)されることはない。従って、第4の先読み予告演出H4が実行(保留ランプ90aが「金色」で点灯)されたにも関わらず、本変動演出の結果としてはずれ表示が表示されてしまい、遊技者に不信感を与えるのを防ぐことができる。また、遊技状態が確変状態から非確変状態(通常状態)に切り替わる付近においても、遊技者に不信感を与えることなく先読み予告演出を行うことができるので、先読み予告演出の機会を増やして遊技の興趣を向上することができる。
また、先読み予告処理において、メイン制御CPU60aは、事前大当り判定で肯定判定となった場合は、メイン制御ROM60bに記憶されている大当り用特図変動パターン振分テーブルT1(図10(a))を用いて特図変動パターンを特定するようにしている。この大当り用特図変動パターン振分テーブルT1では、特図変動パターンで特定される図柄変動演出の演出内容として当り期待度の高い演出内容を決定する確率が高く設定されている。実施例では、確変状態でのみ当りとなる特定大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数を入賞時に取得することで、事前大当り情報としてははずれ情報が設定されるとしても、事前特図変動パターン判定においては事前大当り判定が肯定判定であるとして特図変動パターンを特定するようにしているので、確変状態でのみ大当りとなる特定大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数を入賞時に取得した場合であっても、当り期待度の高い演出内容の特図変動パターンを特定することが可能となる。すなわち、メイン制御CPU60aから統括制御CPU65aに出力される先読みコマンドで特定される特図変動パターン情報として、入賞時に取得した特図当り判定用乱数の値が確変状態でのみ当りとなる特定大当り判定値と一致する乱数であったとしても、当り期待度の高い演出内容の特図変動パターン情報が設定され易くなる。
そして、前記統括制御CPU65aは、入力された先読みコマンドで特定される特図変動パターン情報に応じて、先読み予告演出の種類を決定するようにしているので、特図変動パターン情報に基づく特図変動パターンで特定される演出内容が当り期待度の高いものほど、先読み予告演出としても大当り遊技が付与される期待度が高い種類が決定され易くなっている。すなわち、確変状態でのみ当りとなる特定大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数を入賞時に取得した入賞情報(入賞時始動保留情報)を変動開始時始動保留情報とした本変動演出の開始時にも確変状態が継続する場合では、当該図柄変動演出の実行前に行われる先読み予告演出として大当り遊技が付与される期待度が高い演出内容(保留ランプ90aが「赤色」で点灯)のものが選ばれ易く、当該先読み予告演出によって遊技者の当り発生への期待感を高めることが可能となる。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、確変状態でのみ当りとなる特定大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数を入賞時に取得した場合に、該入賞情報(入賞時始動保留情報)に基づく先読み予告処理において事前大当り情報としてはずれ情報を設定する一方で、事前特図変動パターン判定に際しては事前大当り判定が肯定判定であるとして特図変動パターンを特定するよう構成した。これにより、先読み予告演出の内容と本変動演出の結果との間に齟齬を来たすことなく遊技状態が確変状態から非確変状態に変化する付近での先読み予告演出の実行機会を増やすことができると共に、本変動演出の実行前に実行される先読み予告演出として、本変動演出の結果に応じた効果的な演出を行うことが可能となる。また、非確変状態(通常状態)で当りとなる判定値を共通大当り判定値のみから構成したので、先読み予告演出の種類を決定する際の制御負荷を軽減し得る。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞を契機とした何れの先読みコマンドの場合にも先読み予告(先読み予告演出)を実行可能に構成したが、先読み予告処理において第2始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機とした先読みコマンドか否かを判定し、第2始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機とした先読みコマンドの場合には、先読み予告(先読み予告演出)を行わないことを決定するようにしてもよい。すなわち、第1始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機として先読み予告(先読み予告演出)を行う一方、第2始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機としては先読み予告(先読み予告演出)が行われないよう構成してもよい。
(2) 実施例では、先読み予告実行手段として、始動保留球数を報知する保留表示装置を挙げたが、先読み予告実行手段としては、図柄表示装置、ランプ装置、スピーカを用いることができる。また、遊技機に設けられて所要の動作を行う可動演出装置を先読み予告実行手段とすることもできる。そして、先読み予告演出としては、先読み予告実行手段としての各装置を単独で用いた演出や複数の装置を組み合わせて用いた演出として設定可能である。
(3) 実施例では、非確変状態において当り判定用乱数と比較して肯定判定する判定値を共通大当り判定値のみから構成したが、該共通大当り判定値とは異なる大当り判定値(特定大当り判定値とは異なる大当り判定値)を含むものであってもよい。
(4) 実施例では、確変状態でのみ当り判定が肯定となる特定大当り判定値が1個の場合で説明したが、該特定当り判定値の数は任意であって1個に限られるものでないことはもちろんである。
(5) 実施例では、第1始動入賞口または第2始動入賞口へパチンコ球が入賞した際(特図入力処理が実行される際)に行われる先読み予告処理において、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞を契機として取得された入賞時始動保留情報に基づいて各種の事前判定(事前大当り判定や、事前演出実行判定、事前特図変動パターン判定等)をメイン制御CPUが行うよう構成したが、これに限られるものではなく、入賞時始動保留情報に基づいてメイン制御CPUが事前判定しないようにすることもできる。例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞を契機として取得された入賞時始動保留情報を特定する特定情報(先読みコマンド)をメイン制御CPUが生成して、当該メイン制御CPUからの先読みコマンドに基づいて、各種の事前判定(事前大当り判定や、事前演出実行判定、事前特図変動パターン判定等)を統括制御CPUが行うようにしてもよい。すなわち、入賞時始動保留情報には、当該入賞時始動保留情報を変動開始時始動保留情報とした場合に、大当り遊技が発生するか否かを示す大当り情報や、リーチ演出が行われるか否かを示す事前演出実行情報や、図柄変動演出の演出内容や変動時間(すなわち特図変動パターン)を示す事前特図変動パターン情報が含まれており、メイン制御CPUが入賞時始動保留情報を特定する先読みコマンドを生成することで、入力された先読みコマンドに含まれるこれらの情報を統括制御CPUが事前判定することができる。このように、前記始動入賞口への入賞を契機として入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する演出内容事前判定手段として統括制御CPUが機能するように構成することができる。なお、メイン制御ROMに設定されている各種判定値の設定情報を統括制御ROMに設定しておくことで、実施例に示すと同様に統括制御CPUが事前判定するようにしてもよい。
そして、統括制御CPUを演出内容事前判定手段として機能させる場合は、事前判定に際し、入賞情報(入賞時始動入賞情報)により特定される特図当り判定用乱数が共通大当り判定値と一致する場合に、統括制御CPUが事前大当り情報として大当り情報を設定し、入賞情報(入賞時始動入賞情報)により特定される特図当り判定用乱数が、確変状態でのみ大当りとなる特定大当り判定値およびはずれ判定値と一致する場合に、統括制御CPUが事前大当り情報としてはずれ情報を設定するよう構成すればよい。
(6) また、先読みコマンドに含まれる情報としては、前述した実施例および前記(5)に示す全ての情報が含まれている必要はなく、先読みコマンドに含まれる情報を適宜に設定することができる。
(7) 実施例では、統括制御CPUが先読み予告(先読み予告演出)の実行を決定する先読み予告決定手段として機能するよう構成したが、メイン制御CPUが先読み予告決定手段として機能するようにしてもよい。
(8) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2始動入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(9) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(10) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(11) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記保留記憶手段(60c)に記憶されている入賞情報を前記当り判定手段(60a)が図柄変動演出の開始時に判定した判定結果に基づいて、前記図柄表示手段(17)で実行される図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段(60a,65a)と、
入賞情報を先読みした前記先読み予告決定手段(65a)が先読み予告を実行することを決定した場合に、該入賞情報に基づき図柄表示手段(17)で実行される図柄変動演出の演出内容の種類を事前に判定する演出内容事前判定手段(60a)とを備え、
前記演出内容決定手段(60a,65a)が決定可能な図柄変動演出の演出内容は、図柄変動演出の結果として当り表示が表示される当り期待度が異なる複数種類あり、前記当り判定手段(60a)が肯定判定する場合に、当り期待度の高い種類の演出内容を演出内容決定手段(60a,65a)が決定する確率が高く設定され、
前記先読み予告は、当り遊技が付与される期待度が異なる複数種類設けられ、
前記先読み予告種類決定手段(65a)における先読み予告の種類の決定割合は、前記演出内容事前判定手段(60a)が判定した演出内容の種類が当り期待度の高いものほど、先読み予告として当り遊技が付与される期待度が高い種類の先読み予告が決定され易くなるよう設定されることを要旨とする。
これによれば、演出内容決定手段は、図柄変動演出の開始時における当り判定手段の判定結果が肯定判定の場合には当り期待度の高い演出内容を決定する確率が高く設定されているので、確変状態でのみ当りとなる当り判定用乱数を入賞時に取得した場合において、図柄変動演出の開始時に確変状態が継続していれば、当該図柄変動演出の演出内容として当り期待度の高い種類の演出内容が決定され易くなる。また、先読み予告種類決定手段における先読み予告の種類の決定割合は、演出内容事前判定手段が判定した演出内容の当り期待度が高いものほど、先読み予告として当り遊技が付与される期待度が高い種類が決定され易くなるよう設定してあるので、確変状態でのみ当りとなる当り判定用乱数を入賞時に取得し、図柄変動演出の開始時にも確変状態が継続する場合では、当該図柄変動演出の実行前に行われる先読み予告によって遊技者の当り発生への期待感を高めることが可能となる。