以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1,2,3を参照して本発明の実施形態に係る衛生維持装置付小便器を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る小便器USの正面視を示す概略構成図である。図2は、図1のA―A断面を示す断面図であり、図3は、図1のB―B断面を示す断面図である。小便器USは、小便器本体10と、衛生維持装置20と、トラップユニット30と、を備える。
小便器本体10は、その背面をトイレ室の壁WLに当接させて設置される。小便器本体10は、陶器や樹脂材料といった任意の形に形成可能な材料及び形成方法で形成されている。小便器本体10は、ノズルカバー101と、人体検知センサー102と、ボウル部103とを有する。
ノズルカバー101は、後述するノズルユニット202及びボウル乾燥ファン203を覆うためのカバーである。ノズルユニット202及びボウル乾燥ファン203は、小便器本体10の上方に配置されているので、ノズルカバー101も小便器本体10の上方に配置される。
人体検知センサー102は、小便器USを使用する使用者を検知するためのセンサーである。人体検知センサー102は、ボウル部103の中央近傍の裏側に設けられている。人体検知センサー102は、マイクロ波を用いたセンサーである。人体検知センサー102は、立壁部104を透過させてマイクロ波を照射しており、使用者の体で反射して戻ってくる反射波によって、使用者が使用中であることや、使用を終えて小便器USを離れたことを検知することができる。
ボウル部103は、立壁部104及び底面部105を有する。底面部105には、底面開口部106が形成されている。ボウル部103は、使用者が立位姿勢で排出した尿を受ける部分である。立壁部104は、用便中の使用者と対面してその尿を直接受ける部分であり、上下左右に延びる壁状部分である。底面部105は、立壁部で104受けて下方に流れた尿を、排水口である底面開口部106に案内する部分であり、前後左右に延びる床状部分である。底面部105によって底面開口部106に案内された尿は、底面開口部106からボウル部103外に排出される。
衛生維持装置20は、コントロールユニット201と、ノズルユニット202と、ボウル乾燥ファン203と、を有する。衛生維持装置20は、小便器本体10の背面側に設けられている。コントロールユニット201は、ノズルユニット202及びボウル乾燥ファン203を駆動する制御信号を出力する。衛生維持装置20の制御的な構成については後述する。
ノズルユニット202は、ボウル部103の立壁部104上方に設けられ、コントロールユニット201から供給される液剤をボウル部103内に向けて吐出する。ノズルユニット202の前面には、薄板状のノズルカバー101が設けられ、使用者から見えないようノズルユニット202を覆って、意匠性を向上させている。
ボウル乾燥ファン203は、ボウル部103の立壁部104上方に設けられ、ノズルカバー101によって覆われている。ボウル乾燥ファン203の駆動により、ボウル部103内に送風してボウル部103を乾燥させることができる。
トラップユニット30は、排水口である底面開口部105の下方に設けられる。トラップユニット30は、底面開口部105から排出された尿をその内部に流入させるとともに、流れ込んだ尿を貯留して封水とするように構成されている。トラップユニット30の下流側である壁WLには、排水管WTが設けられている。このように尿を封水とすることで、下流側に接続されている排水管WTからの臭気の逆流を防止している。トラップユニット30は、底面開口部105に対し着脱することで交換可能に構成されている。
続いて、図4を参照しながら、小便器USの制御的な構成について説明する。図4は、小便器US及び衛生維持装置20の制御的な構成を示すブロック構成図である。
図4に示すように、小便器USの衛生維持装置20は、コントロールユニット201と、ノズルユニット202(液剤吐出手段)と、ボウル乾燥ファン203と、電源コネクタ219とを備えている。
コントロールユニット201は、CPU211(制御手段)と、液剤タンク212と、電解ユニット213と、電動ポンプ214と、流路切替バルブ215と、水位センサー216と、温度センサー217と、操作スイッチ218と、警告ランプ220と、を有する。
液剤タンク212は、液剤を貯留するものであり、本実施形態では水道水(塩化物イオンを含む水)を貯留している。液剤タンク212の容量は500mlとである。本実施形態では、小便器装置1への給水のための配管工事が不要とするため、水を貯留するタンク方式としている。液剤タンク212には蓋221が設けられており、蓋221を外して水を補給することができる。尚、トイレ室に配設される給水管によって水道水が供給される方式としてもよい。尚、本実施形態では塩化物イオンを含む水道水を電気分解し、次亜塩素酸を含む殺菌水として供給しているが、液剤としては次亜塩素酸を含む水に限られるものではない。例えば、バチルス菌を用いた液剤や、殺菌剤を液剤として用いることができ、尿石菌の殺菌に効果があるものが適宜採用されうる。
液剤タンク212には、水位センサー216が設けられている。水位センサー216は、液剤タンク212内の水位を検知し、その検知結果を示す測定信号をCPU211に出力する。
液剤タンク212に貯留された水は、電動ポンプ214が駆動されることによって、電解ユニット213に供給される。
電解ユニット213は、電動ポンプ214の下流側に設けられている。電解ユニット213の内部には、一対の電極(図4には明示しない)が設けられている。電動ポンプ214によって液剤タンク212から供給される水は、電解ユニット213内の一対の電極に電圧を印加することで、その水に含まれる塩化物イオンによって次亜塩素酸が生成される。次亜塩素酸は殺菌及び漂泊作用を有する物質であり、尿中の雑菌を死滅させるのに好適である。電解ユニット213において生成された次亜塩素酸を含む水は、流路切替バルブ215に供給される。
流路切替バルブ215は、電解ユニット213の下流側に設けられている。流路切替バルブ215は、電解ユニット213から供給される次亜塩素酸を含んだ水を、ノズルユニット202に供給する。より具体的には、流路切替バルブ215は、ボウル用ミストノズル202a、ボウル用ミストノズル202b、ボウル用ミストノズル202c、及びトラップ用液ノズル202dの1つまたは複数から水を吐出させるように流路を切り替える。
ノズルユニット202は、ボウル用ミストノズル202a、ボウル用ミストノズル202b、ボウル用ミストノズル202c、及びトラップ用液ノズル202dを有する。ボウル用ミストノズル202a,202b,202cは、ボウル部103に液剤を供給するためのものである。トラップ用液ノズル202dは、トラップユニット30に液剤を供給するためのものである。トラップ用液ノズル202dは、ボウル部用ミストノズル202a,202b,202cよりもボウル部103の立壁部104から離れた位置に設けられている。
CPU211は、人体検知センサー102、水位センサー216、温度センサー217、操作スイッチ218から検知信号や操作信号を受信し、電動ポンプ214、電解ユニット213、流路切替バルブ215、警告ランプ220、ボウル乾燥ファン203に制御信号を出力する。制御手段としてのCPU211の制御フローについては後述する。
操作スイッチ218は、清掃作業者等が、強制的に電解ユニット213を駆動させてノズルユニット202から次亜塩素酸を含む水をボウルに向けて吐出し、ボウル部の殺菌を行うために投入するスイッチである。操作スイッチ218は、このように清掃時に投入されることを想定して設けられるものである。
人体検知センサー102は、上述したように、小便器本体10の前方の使用者の存在を検知するためのセンサーである。人体検知センサー102は、使用者の存在を検知すると、CPU211に検知信号を発信する。
温度センサー217は、小便器USが設置されるトイレ室等の温度を検知するためのセンサーである。後述するように、温度によって変化する小便器USの状況に応じて、効率良く液剤を使用して行うために、その温度の取得手段として設けられるものである。なお、本実施形態では、温度によって変化をみるものとしたが、たとえば、使用している時期を夏季/冬季で分けるスイッチなどを設けて、季節によって変わる温度に合わせて、大まかな制御を実行するようにしてもかまわない。
ボウル乾燥ファン203は、上述したように、ボウル部103の表面を乾燥するためのファンである。ボウル乾燥ファン203は、CPU211から出力される指示信号に基づいて駆動される。
警告ランプ220は、CPU211から出力される制御信号に基づいて、点灯するランプであ。警告ランプ220は、点滅や点灯のタイミングや間隔、点灯色等によって、所定の内容のメッセージを清掃作業者等に発する。
電源コネクタ219は、建築躯体側のコンセントに差し込まれることで、衛生維持装置20に電力を供給するものである。
続いて、図5,6,7,8,9,10,11,12,13を参照しながら、ノズルユニット202からの液剤の吐出態様、ボウル乾燥ファン203の動作について説明する。図5〜13は、ノズルユニット202からの液剤の吐出態様、ボウル乾燥ファン203の動作を説明するための模式図である。
図5に示すように、電解ユニット213には電極213aと電極213bとが設けられている。制御手段であるCPU211からの制御信号により、電極213aと電極213bとの間に電圧が印加され、次亜塩素酸を含む水がノズルユニット202に供給される。ノズルユニット202から吐出された水は、ボウル部103に噴霧され、排出口である底面開口部106からトラップユニット30に排出される。
トラップユニット30は、尿及びノズルユニット202から吐出される水を一時的に貯留し、排水管UT(図3参照)に排出する。トラップユニット30は、容器301と、カバー302と、薬剤304とを有している。トラップユニット30の詳細な構造については後述する。
本実施形態では、ボウル部103の立壁部104を6つのゾーンに区切り、それぞれの汚れの傾向に合わせて次亜塩素酸を含む水の吐出態様を定めている。立壁部104を上段及び下段に区切り、更に、上段をゾーンI、ゾーンII、ゾーンIIIに区切り、下段をゾーンIV、ゾーンV、ゾーンVIに区切っている。上段では、ゾーンIIを中央に配置し、立壁部104に向かって左側にゾーンIを配置し、右側にゾーンIIIを配置している。下段では、ゾーンVを中央に配置し、立壁部104に向かって左側にゾーンIVを配置し、右側にゾーンVIを配置している。
ボウル用ミストノズル202aから吐出される液剤は、左下部のゾーンIV及び右下部のゾーンVIを指向するように吐出される。ボウル用ミストノズル202bから吐出される液剤は、左上部のゾーンI、中央上部のゾーンII、及び右上部のゾーンIIIを指向するように吐出される。ボウル用ミストノズルから202c吐出される液剤は、中央下部のゾーンVを指向するように吐出される。トラップ用液ノズル202dから吐出される液剤は、底面開口部106を指向するように吐出される。
ボウル用ミストノズル202a,202b,202cから吐出される液剤は、いずれもゾーンI〜VIのいずれかに広がりを持って供給されるものであるため、ボウル用ミストノズル202a,202b,202cからは霧状に液剤が吐出される。一方、トラップ用液ノズル202dから吐出される液剤は、底面開口部106に確実に供給されるものであるため、トラップ用液ノズル202dからは液状に液剤が吐出される。
より具体的には、ボウル用ミストノズル202aから吐出される液剤は、ミストの粒径が比較的大きく、流量も多い。ボウル用ミストノズル202aから吐出される液剤の流速は中程度である。
ボウル用ミストノズル202b,202cから吐出される液剤は、ミストの粒径が比較的小さく、流量も少ない。ボウル用ミストノズル202b,202cから吐出される液剤の流速は、ボウル用ミストノズル202aから吐出される液剤の流速よりも遅い。
トラップ用液ノズル202dから吐出される液剤は、間欠又は連続の液状吐水として吐出される。トラップ用液ノズル202dから吐出される液剤の流量は可変である。トラップ用液ノズル202dから吐出される液剤の流速は、ボウル用ミストノズル202aから吐出される液剤の流速と同程度である。
続いて、図5を参照しながら、ボウル部103の立壁部104の各部位における、臭気や尿石の発生の特性について説明する。人の尿は、排尿後すぐに強い臭気や尿石を発生させるものではなく、時間経過とともにその傾向を強める。つまり、人の尿は無数の雑菌を含んでおり、その尿中の雑菌が時間経過とともに更に増殖し、尿中の尿素を分解してアンモニアを生成する。このアンモニアの生成により、アンモニア臭や尿石(尿の含有成分に由来するリン酸カルシウムやリン酸マグネシウム等の固形物)が発生する。したがって、小便器本体10に使用者の尿が長時間残留すると、その尿における雑菌の増殖により、臭気や尿石が発生する。
小便器本体10の使用者は、立壁部104の前方で、概ねその幅方向の中央部に立って排尿する。このため、使用者が排出する尿は、立壁部104の幅方向中央部である中央上部のゾーンII、中央下部のゾーンVに直接当たり易い。特に、中央下部のゾーンVは使用者の身長によらず直接当たり易い。したがって、ある使用者の使用(排尿)後、この立壁部104の中央上部のゾーンII、中央下部のゾーンVに尿が残留しても、その尿は、次の使用者が排出して同じ部位に当たる尿によって流され易い。このように、中央上部のゾーンII、中央下部のゾーンVは、尿が残留しても新たな尿と置換され易い部位であるから、そこにおける雑菌が著しく増殖と、それによる臭気や尿石の発生は比較的軽度なものとなる。
一方、ボウル部103の立壁部104の幅方向両側部である左上部のゾーンI、右上部のゾーンIII、左下部のゾーンIV、右下部のゾーンVIは、幅方向中央部である中央上部のゾーンII、中央下部のゾーンVほど使用者の尿が直接当たる頻度が高くなく、幅方向中央部に当たって拡散・飛散した尿が付着し易い部位である。したがって、これら立壁部104の幅方向両側部では、同じ尿が置換されることなく長時間残留し易く、そこでの雑菌の増殖は比較的重度なものとなる。
さらに、ボウル部103の立壁部104の幅方向両側部の中でも、左下部のゾーンIV及び右下部のゾーンVIは、特に雑菌の増殖が重度となりやすい。左上部のゾーンI及び右上部のゾーンIIに残留する尿が、その自重によって次第に下方の左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIに流れ、比較的多量の尿が残留するためである。
雑菌の増殖に上述のような傾向がある立壁部104に対して、本実施形態では、「ボウル部殺菌モード1」「ボウル部殺菌モード2」「ボウル部殺菌モード3」の3つのモードで殺菌動作を行なっている。なお、図5に示す状態は、小便器USが使用中又は使用待機中の状態であり、電解ユニット213や電動ポンプ214(図4参照)を駆動させず、ノズルユニット202からの液剤の吐出を行わない「待機モード」である。
図6に「ボウル部殺菌モード1」の液剤吐出状況を模式的に示す。図4及び図6を参照しながら「ボウル部殺菌モード1」について説明する。「ボウル部殺菌モード1」では、ボウル部103の立壁部104の部位の中でも、特に雑菌の増殖が重度となる、幅方向両側部の下部(ゾーンIV及びゾーンVI)に液剤を供給し、そこからの臭気と尿石の発生を抑制するためのモードである。
具体的には、電解ユニット213において一対の電極213a,213bに電圧を印加することで、電動ポンプ214から供給されてくる液剤(塩化物イオンを含んだ水)を電気分解し、次亜塩素酸を生成する。より詳細には、陽極側電極213bで塩素を発生させ、この塩素と水の反応によって次亜塩素酸を生成する。そして、殺菌性能を有するこの次亜塩素酸を薬剤として含んだ液剤(水)を、ノズルユニット202のボウル用ミストノズル202aから吐出させる。
ボウル用ミストノズル202aから吐出された液剤は、左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIに直接指向するよう吐出される。液剤が立壁部104の左上部のゾーンI、右上部のゾーンIIIに供給されたあとに、そこを伝って下方の左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIに供給されるのではなく、吐出時からその方向が左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIに向けられるよう、ボウル用ミストノズル202aのノズル孔の向きが設定されている。これにより、ボウル部103の立壁部104において雑菌の増殖が重度となる部位に優先的に薬剤(次亜塩素酸)を供給し、そこに残留する尿中の雑菌を死滅させてアンモニアの生成を抑制し、臭気と尿石の発生を抑制するものである。
図7に「ボウル部殺菌モード2」の液剤吐出状況を模式的に示す。図4及び図7を参照しながら「ボウル部殺菌モード2」について説明する。「ボウル部殺菌モード2」では、ボウル部103の立壁部104の幅方向両側部の下部に加え、立壁部104の上部にも液剤を供給し、そこからの臭気と尿石の発生を抑制するためのモードである。
電解ユニット214において次亜塩素酸を生成する点は「ボウル部殺菌モード1」と同様である。ノズルからの吐出態様は「ボウル部殺菌モード1」とは異なり、ボウル用ミストノズル202aからの左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIへの液剤(次亜塩素酸を含んだ水)の吐出に加え、ボウル用ミストノズル202bからボウル部103の上部である左上部のゾーンI、中央上部のゾーンII、右上部のゾーンIIIにも液剤を吐出する。
図8に「ボウル部殺菌モード3」の液剤吐出状況を模式的に示す。図4及び図8を参照しながら「ボウル部殺菌モード3」について説明する。「ボウル部殺菌モード3」は、小便器1の前回使用時からの経過時間が長くなり、ボウル部103の立壁部104における雑菌の増殖が著しいと推測される状況で、その立壁部104全体に液剤を供給し、臭気と尿石の発生を抑制するためのモードである。
電解ユニット214において次亜塩素酸を生成する点は「ボウル部殺菌モード1」と同様である。ノズルからの吐出態様は「ボウル部殺菌モード1」とは異なり、ボウル用ミストノズル202aからの左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIへの液剤(次亜塩素酸を含んだ水)の吐出に加え、ボウル用ミストノズル202bからボウル部103の上部である左上部のゾーンI、中央上部のゾーンII、右上部のゾーンIIIにも液剤を吐出すると共に、ボウル用ミストノズル202cから中央下部のゾーンVにも吐出する。
上述した「ボウル部殺菌モード1」「ボウル部殺菌モード2」「ボウル部殺菌モード3」のように、ボウル部103の立壁部104の部位ごとに液剤の吐出の仕方を異ならせることで、各部位で異なるものとなっている雑菌の増殖に応じて必要最小限の液剤によって臭気や尿石の発生を抑制することができる。
続いて、図9,10,11,12に、図4を併せて参照しながら、トラップユニット30に液剤を吐出し、臭気と尿石の発生を抑制する吐出形態について説明する。
図9は、「トラップ封鎖モード」の吐出態様を示す模式図である。図9に示す「トラップ封鎖モード」は、例えば週末等、小便器USが長時間使用されないことで、使用者の尿がトラップユニットに新たに流入せず、トラップユニット30内に貯留されていた尿が揮発し、封水が不足しているか、又は不足するおそれがある場合に、そのトラップユニット30内の水位を回復させるためのモードである。
具体的には、電解ユニット213を駆動させることなく、電動ポンプ214から供給されてくるごく少量の液剤(塩化物イオンを含んだ水)をそのままノズルユニット202側に供給する。そして、その液剤をノズルユニット202のトラップ用液ノズル202dから吐出させる。トラップ用液ノズル202dは、トラップユニット30に指向して水を吐出するので、ボウル部103の立壁部104にほとんど付着させることなく、トラップユニット30に液剤としての水が供給される。これにより、トラップユニット30内に液剤が流入し内部の水位が回復して、封水機能が回復する。またこの時、流入する液剤によって、トラップユニット30内に配置されている薬剤304の溶解が若干ではあるが促進され、薬剤304の機能によってトラップユニット304の臭気と尿石が抑制される。
図10は、「徐溶モード」の吐出態様を示す模式図である。図10に示す「徐溶モード」は、小便器USがさらに長時間使用されないことで、トラップユニット30内に貯留されている尿における雑菌の増殖が重度となっている場合に、その対応として、薬剤304の溶解を促進させるためのモードである。
具体的には、電解ユニット213を駆動させることなく、電動ポンプ214の駆動によって供給されてくるやや多めの液剤(塩化物イオンを含んだ水)をそのままノズルユニット202側に供給する。そして、そのやや多めの液剤をノズルユニット202のトラップ用液ノズル202dから吐出させる。トラップ用液ノズル202dは、トラップユニット30に指向して水を吐出するので、ボウル部103の立壁部104にほとんど付着させることなく、トラップユニット30に液剤としての水が供給される。
これにより、トラップユニット30内にやや多めの液剤が流入し、それまでに溶解した薬剤によって飽和状態にあったトラップユニット30内の尿が希釈されることで、薬剤の溶解が促進される。薬剤304の溶解促進により、トラップユニット30内の雑菌が死滅し、臭気と尿石の発生がより抑制された状態になる。
図11は、「トラップ置換モード」の吐出態様を示す模式図である。図11に示す「トラップ置換モード」は、長期の連休中など、小便器USが極端に長時間使用されない場合に、その対応として、トラップユニット30内に貯留されている液剤を尿と置換させてトラップユニット30内から排出するためのモードである。
具体的には、電解ユニット213を駆動させることなく、電動ポンプ214の駆動によって供給されてくる多めの液剤(塩化物イオンを含んだ水)をそのままノズルユニット202側に供給する。そして、その多めの液剤をノズルユニット202のトラップ用液ノズル202dから吐出させる。トラップ用液ノズル202dは、トラップユニット30に指向して水を吐出するので、ボウル部103の立壁部104にほとんど付着させることなく、トラップユニット30に液剤としての水が供給される。
これにより、トラップユニット30内に多めの液剤が流入し、その液剤によって、それまで貯留されていた尿を排水管WTに排出し、トラップユニット30における尿の割合を低減させる。小便器1が極端に長時間使用されない状況では、トラップユニット30内の尿における臭気等を抑制するためには、少量の薬剤や液剤を何度も供給するよりも、トラップユニット30内の尿を液剤で一気に置換させることが効率的である。このように一気に置換した方が、その後の臭気等が抑制された状態を維持するために必要となる液剤や薬剤の量も少量で済むという考えに立脚したモードである。
図12は、「排水管殺菌モード」の吐出態様を示す模式図である。図12に示す「排水管殺菌モード」は、定期的(例えば一月に1回)に、排水管WTを尿石や臭気の発生から保護するために、大量の液剤と薬剤を供給するためのモードである。このモードは、清掃作業者等が操作スイッチ218を投入することで実行される。
具体的には、電解ユニット213を駆動させることなく、電動ポンプ214の駆動によって供給されてくる液剤(塩化物イオンを含んだ水)をそのままノズルユニット202側に供給する。そして、所定の時間間隔を置きながら、ノズルユニット202のトラップ用液ノズル202dから液剤を断続的に吐出させる。ここで吐出される液剤は、液剤タンク212内に貯留されている液剤すべてである。これにより、トラップユニット30内に供給された液剤によって溶解した薬剤304が、断続的に排水管WTに、大量に供給される。したがって、トラップユニット30と異なり交換が困難な排水管WTを、尿石発生による詰まりから確実に保護することができる。
続いて、図13を参照しながら、ボウル部103への送風により臭気と尿石の発生を抑制する「ボウル部乾燥モード」について説明する。図13は、「ボウル部乾燥モード」の吐出態様を示す模式図である。
図13に示す「ボウル乾燥モード」は、「ボウル部殺菌モード1」「ボウル部殺菌モード2」「ボウル部殺菌モード3」を実行した後に、さらに確実にボウル部103における雑菌を死滅させるために実行されるモードである。具体的には、電解ユニット213や電動ポンプ214を駆動させず、ノズルユニット202からの液剤の吐出を行わない。一方、ボウル乾燥ファン203を駆動させることで、ボウル部103全体に送風する。ボウル部103全体が乾燥した状態となり、ボウル部103を雑菌が増殖し難い状態に維持することができる。
続いて、図14,15,16を参照しながら、ノズルユニット202の特性について説明する。図14は、ボウル用ミストノズル202aから吐出される液剤の状態を示す模式図である。図15は、ボウル用ミストノズル202b,202cから吐出される液剤の状態を示す模式図である。図16は、トラップ用液ノズル202dから吐出される液剤の状態を示す模式図である。
図14に示すボウル用ミストノズル202aは、ボウル部103の立壁部104の部位のうち、左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIに液剤を供給するためのノズルである。ボウル用ミストノズル202aは、その下面に比較的大径の複数(本実施形態の場合は3つ)のノズル孔202aaを有しており、各ノズル孔202aaから液剤をミスト(霧)状にして吐出する。この際に吐出される液剤の粒径や流量及び流速はいずれも、後述するボウル用ミストノズル202b,202cよりも大きく設定されている。これは、ボウル用ミストノズル202aは、ノズルユニット202が取り付けられるボウル部103の上方から遠い位置である立壁部104の左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIに吐出するものであるため、確実にミストが到達するようにするためである。
図15に示すボウル用ミストノズル202bは、ボウル部103の立壁部104の部位のうち、左上部のゾーンIと中央上部のゾーンIIと右上部のゾーンIIIに液剤を供給するためのノズルである。ボウル用ミストノズル202cは、ボウル部103の立壁部104の部位のうち、中央下部のゾーンIVに液剤を供給するためのノズルである。ボウル用ミストノズル202b,202cは、その下面に比較的小径の複数(本実施形態の場合は5つ)のノズル孔202ba,202caを有しており、各ノズル孔から液剤をミスト(霧)状にして吐出する。
ここで、次亜塩素酸を含んだ水をミスト状にして吐出すると、空気中を漂う間に次亜塩素酸の濃度減衰が生じ、吐出位置から遠く離れた位置では、その殺菌効果を殆ど期待できなくなる。また、この次亜塩素酸の濃度減衰は、吐出した水の粒径が小さくなるほど顕著になる。
上記知見に基づき、ボウル用ミストノズル202aからミスト状にして吐出される液剤の粒径と流量は、ボウル用ミストノズル202b,202cで吐出される水と比較していずれも大きくなるよう構成されている。詳細には、ボウル用ミストノズル202aに設けられているノズル孔202aaの径を、ボウル用ミストノズル202b,202cのノズル孔202ba,202caの径に比べて大きくする一方、孔の数は少なくしている。
これにより、ノズルユニット202から比較的遠い位置である立壁部104における左下部のゾーンIVと右下部のゾーンVIに次亜塩素酸を含んだ水を吐出する際は、その水の粒径を大きくすることができる。したがって、次亜塩素酸の濃度減衰を抑制し、確実に当該部位における雑菌を死滅させることができる。一方、ノズルユニット202から比較的近い位置である立壁部104における左上部のゾーンIと中央上部のゾーンIIと右上部のゾーンIIIに吐出する際は、水の粒径を小さくすることができる。したがって、当該部位において水が付着しやすくし、水に含まれている次亜塩素酸を十分に機能させて、雑菌を死滅させることができる。
図16に示すトラップ用液ノズル202dは、トラップユニット30に対し直接液剤を供給するためのノズルである。具体的には、液剤をボウル部103の壁面に向かって吐出し、立壁部104を伝って流れ落ちることによってトラップユニット30に液剤を供給するのではなく、トラップ用液ノズル202dから空中を落下してほぼ直接トラップユニット30に液剤を供給する。このとき吐出される液剤は、ミスト状ではなく液状である。
このように、ボウル部103とトラップユニット30に液剤を吐出するノズルを別個のものとし、ボウル用ミストノズル202a,202b,202cはトラップユニット30よりもボウル部103の立壁部104寄りに指向するよう液剤を吐出し、トラップ用液ノズル202dはボウル部103の立壁部104よりもトラップユニット30寄りに指向するよう液剤を吐出する。
これにより、ボウル部103の立壁部104に残留する尿には、ボウル用ミストノズル202a,202b,202cによって確実に液剤を供給することができる。一方、トラップユニット40に貯留される尿には、トラップ用液ノズル202dによって液剤を吐出することにより、吐出した液剤がボウル部103に干渉することを抑制してトラップユニット39の尿に確実に供給するとともに、ボウル部103の立壁部104に付着している雑菌が液剤によって流されてトラップユニット40に流入することを軽減することができる。
続いて、図17を参照しながら、トラップユニット30の構成について説明する。図17は、トラップユニット30の構成を示す概略断面図であって、図17(A)は、薬剤304が溶け出す前の初期状態を示し、図17(B)は、薬剤304が溶けきった状態を示す。
図17(A)に示すように、トラップユニット30は、容器301とカバー302とを備えている。容器301は、側部301aと、底部301bとを有する。底部301bは、円形板状の部分である。側部301aは、底部301bの外周から一方向に立ち上がるように形成された筒状の部分である。したがって、底部301bと側部301aとにより、容器301は有底円筒形状をなし、内部に液体を貯留可能な貯留室301dを構成する。側部301aの上部には、その周方向に間隔をあけて複数の出口部301cが形成され、この出口部301cによって容器301の内外を連通している。
容器301の上方には、カバー302が設けられている。カバー302は、傾斜壁302aと、入口部302bと、筒状隔壁302cとを有する。傾斜壁302aは、下部に開けられた入口部302bに向かうよう傾斜する。筒状隔壁302cは、入口部302bの外縁から傾斜壁302aとは反対側に延びている。
筒状隔壁302cには、その下方からソケット309が挿入されている。ソケット309は、底部309dと、円筒部309eとを有する。底部309dは、筒状隔壁302cの下端を塞ぐように形成されている。円筒部309eは、底部309dの外縁から一方に延びるように形成され、筒状隔壁302cの内側に沿って配置されている。底部309dの略中央を貫通するように、小径流路309bが設けられている。
小径流路309bの円筒部309e側には、円筒部309eと同じ方向に沿うように互いに離隔配置された複数の突起309aが設けられている。円筒部309eが囲う空間は、大径流路309cとして構成されており、小径流路309bを通って貯留室301dと繋がっている。ソケット309と筒状隔壁302cとの間には、パッキン308が介在している。
筒状隔壁302cの内部には、ソケット309の他に入口封鎖弁303、薬剤304、台座305、バネ306、及び連通口封鎖弁307が配置されている。
台座305は、大径流路309cを上方から覆うようにしてソケット309の上端に載置されている。台座305は、その周方向に間隔をあけて複数の連通路305aが形成されている。台座305の上方には、入口封鎖弁303が配置されている。台座305と入口封鎖弁303との間には、バネ306が配置されている。このバネ306が伸縮することにより、入口封鎖弁303は台座305に対し上下方向に摺動可能である。バネ306は圧縮された状態で配置されていることから、外力が作用していない状態では、入口封鎖弁303を入口部302b近傍の下面に当接するまで押し上げ、入口部302bを遮蔽している。
連通口封鎖弁307と薬剤304は、台座305の下方でソケット309の大径流路309cの内部に設けられている。具体的には、ソケット309の複数の突起309a上に固形の薬剤304が載置され、さらに、その薬剤304の上に連通口封鎖弁307が載置されている。連通口封鎖弁307には、その周方向に間隔をあけて複数の連通路307aが形成されている。
固形の薬剤304は、使用開始時前に外表面に位置する第1薬剤304aと、第1薬剤304aに被覆されるよう内部に位置する第2薬剤304bからなる。第1薬剤304aと第2薬剤304bとは、いずれも尿に溶解することで尿中の雑菌を死滅させる機能を有することでは共通しているが、尿に対する溶解速度が、第1薬剤304aよりも第2薬剤304bの方が大きい。
引き続き図17を参照して、トラップユニット30内の動作について説明する。小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30に至り、上面の傾斜壁302aの傾斜によって入口部302bに集められる。そして、集められた尿は、入口封鎖弁303上に貯留する。
入口封鎖弁303上に貯留する尿が所定量となると、その重みにより、入口封鎖弁303はバネ306の付勢力に抗して押し下げられる。これにより、入口部302bが解放され、貯留されていた尿が筒状隔壁302c内に流入する。筒状隔壁302c内に流入した尿は、台座305の連通路305aを通過し、連通口封鎖弁307の連通路307cを通過する。
連通路307aを通過した尿は、その下方に配置されている薬剤304の側方に至る。薬剤304は尿との接触によって溶解する。尿はさらに、薬剤304の下方において、ソケット309の複数の突起309aの隙間を流れて、小径流路309bに至る。尿は、小径流路309bを流れてソケット309から排出され、貯留室301d内に貯留される。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口封鎖弁303から新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304は、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少により、薬剤304に載置されていた連通口封鎖弁307は、大径流路309c内を降下していく。薬剤304が消失すると、図17(B)に示すように、連通口封鎖弁307の下面に設けられる突起307bが小径流路309b内に嵌入する。これにより、小径流路309bが封鎖され、入口部302bから新たな尿が貯留室301d内に進入できなくなり、トラップユニット30から排水管WTへの尿の送出が規制される。
このように尿がトラップユニット30の内部に流入できなくなることで、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304が溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
続いて、図17に加え図18を参照しながら、連通口封鎖弁307の降下について説明する。図18は、連通口封鎖弁307の降下量を示すグラフである。
図18に示すグラフでは、横軸にトラップユニット30を通過した尿量Qを示している。すなわち、横軸の右側ほど、小便器USが長期間使用され、トラップユニット30を通過した尿量が多くなっていることを示す。一方、縦軸は、連通口封鎖弁307の降下量Lを示す。すなわち、図17(A)に示すように、薬剤304の使用開始前で、薬剤304に載置されている連通口封鎖弁307が最も上方に位置している状態を基準位置Oとし、使用に伴って薬剤304の体積が減少し、基準位置から連通口封鎖弁307が降下した量を降下量Lとして示す。
図18に示すグラフの変化をみると、区間P0〜P1における傾きに対し、区間P1〜P2における傾きは、極端に大きくなっている。これは、薬剤304を構成する第1薬剤304aと第2薬剤304bのうち、区間P0〜P1では、使用開始時から表面に存在する第1薬剤304aが優先的に溶解するのに対し、区間P1〜P2では、それまで第1薬剤304aに被覆されていた第2薬剤304bが優先的に溶解するためである。
薬剤304の使用初期は、尿に対する溶解速度が比較的小さい第1薬剤304aが優先的に溶解するため、トラップユニット30を通過した尿量Qに対する薬剤304の体積減少は比較的穏やかである。これに対し、薬剤304の使用後期は、第1薬剤304aの溶解によってそれまで被覆されていた第2薬剤304bが表面に露出するため、尿に対する溶解速度が比較的大きい第2薬剤304bの溶解が始まる。このことにより、トラップユニット30を通過する尿量Qに対する薬剤304bの体積減少が加速することで、連通口封鎖弁307の降下も加速する。
図18に示すトラップユニット30において、薬剤304の消失速度が一定だとすると、使用に伴う連通口封鎖弁307の降下も一定の速度になる。そうすると、大径流路309c内の尿の搬送流路の流路断面積が次第に減少し、尿の搬送性が徐々に悪化する。このように徐々に搬送性が悪化していくものとすると、その変化を見た使用者等に、薬剤304がまだ残存しているにもかかわらず、薬剤304が消失したと誤認させてしまうおそれがある。このような薬剤消失の誤認は、薬剤補充のためにトラップユニット30や薬剤304を不必要に交換させてしまうことに繋がる。
そこで、本実施形態の薬剤304では、第1薬剤304aと第2薬剤304bで構成するという簡単な構成としながらも、使用後期は使用前期よりも、急速に溶解して搬送流路の流路断面積が急速に減少する構成とすることで、薬剤304が消失する直前まで尿の搬送性を高く維持し、上記のような使用者らの誤認を防止することが可能となる。
続いて、図19を参照しながら、本実施形態の小便器USにおける制御動作について説明する。図19は、小便器USのボウル部殺菌における制御動作を示すフローチャートである。本実施形態の小便器USは、上述した「待機モード」「ボウル部殺菌モード1」「ボウル部殺菌モード2」「ボウル部殺菌モード3」「トラップ封鎖モード」「徐溶モード」「トラップ置換モード」「排水管殺菌モード」「ボウル部乾燥モード」を、使用状況や菌の繁殖状況を勘案して適宜組み合わせ実行するものである。
ステップS01では、CPU211は、小便器USが使用中であるか否かを判断する。CPU211は、人体検知センサー102から人体検知信号が出力されていれば小便器USが使用中であると判断し、人体検知センサー102から人体検知信号が出力されていなければ小便器USは使用中でないと判断する。小便器USが使用中であると判断すれば、ステップS10の処理に進み、小便器USが使用中でないと判断すれば、ステップS02の処理に進む。
ステップS10では、CPU211は、「待機モード」を強制的に実行する。小便器USが使用中であれば、ノズルユニット202からの吐水は使用者にかかってしまうので、そのような事態を回避するため、洗浄殺菌動作を行わない「待機モード」を実行する。
ステップS02では、CPU211は、直近2時間の平均室温が25℃以上であるか否かを判断する。平均室温が25℃以上であれば、菌の繁殖が促進されるので、殺菌頻度を高める処理をするためである。尚、本実施形態では平均室温で判断しているが、例えば夏季であるか否かを判断基準にすることも好ましい。平均室温が25℃以上であれば、ステップS03の処理に進み、平均室温が25℃以上でなければ、ステップS11の処理に進む。
ステップS03では、CPU211は、前回のボウル殺菌後から2時間経過しているか否かを判断する。平均室温が25℃以上でなく、前回のボウル殺菌後から2時間経過していなければ、菌の繁殖はさほどのものではない一方で、平均室温が25℃以上であれば、前回のボウル殺菌後から2時間を超えると菌の繁殖が進んでしまうため、前回のボウル殺菌ごから2時間経過したか否かを判断している。
ここで、従来の水洗小便器のように、毎回洗浄することは必ずしも必要ではなく、しかもその頻度がある時間間隔で行えばよいことを、図22,23,24,25,26を参照しながら説明する。
図22は、pHと臭気強度との相関関係を説明するための図である。図22では、横軸にトラップ内のpHを、縦軸に臭気強度をとっている。臭気強度は、1を超えると臭いが認識できるレベルとなる。図22に示すように、pH8以下であれば、不揮発性のNH4 +が支配的になり、pH8を超えると、揮発性のNH3が支配的になるので、トラップ内のpHを8以下に抑制することが臭気抑制のために必要であることがわかる。
図23は、pHと菌数との相関関係を説明するための図である。図23では、横軸に放置時間を、縦軸に菌数をとっており、pHごとに菌数の遷移を示している。図23に示すように、pH4以下に抑制すれば時間が経過しても菌数は増えないことがわかる。
図24は、pHと尿石量との相関関係を説明するための図である。図24では、横軸にpHを、縦軸にNH4の生成速度をとっている。図24に示すように、pH4.5以下であればウレアーゼが不活性となり、アンモニアの生成が抑制され、尿石の生成も抑制されることがわかる。
図25は、小便器表面での菌及びアンモニア付着量の経時変化を説明するための図である。図25では、横軸に使用時間を、縦軸にNH4の付着量及び菌数をとっている。図25に示すように、小便器表面に小便が付着しても2時間以下であればNH4の付着量も菌数も臭気強度を2以上にするほどには増加しないことがわかる。
図26は、尿に菌を加えた場合のpHの経時変化を説明するための図である。図26では、横軸に経過時間を、縦軸にpHの遷移をとっている。図26に示すように、経過時間が2時間以下であればpH8以上にはならず、図22を参照しながら説明したように、臭気強度の有意な上昇はみられないことがわかる。
図22〜26を参照しながら説明したように、尿による封水をpH4以下に抑制し、その抑制タイミングは概ね2時間ごとであることが好ましいことがわかる。
図19に戻って、ステップS03の説明を続ける。平均室温が25℃以上であり、前回のボウル殺菌後から2時間経過していなければ、殺菌動作のタイミングではないので「待機モード」に移行してリターンする。平均室温が25℃以上であり、前回のボウル殺菌後から2時間経過していれば、ステップS04の処理に進む。
一方、平均室温が25℃以上でない場合の処理であるステップS11では、CPU211は、前回のボウル殺菌後から3時間経過しているか否かを判断する。平均室温が25℃以上でなく、前回のボウル殺菌後から3時間経過していなければ、菌の繁殖はさほどのものではないためである。平均室温が25℃以上でなく、前回のボウル殺菌後から3時間経過していなければ、殺菌動作のタイミングではないので「待機モード」に移行してリターンする。平均室温が25℃以上でなく、前回のボウル殺菌後から3時間経過していれば、ステップS04の処理に進む。
ステップS04では、CPU211は、電解ユニット213に通電し、次亜塩素酸の生成を開始する。ステップS04に続くステップS05では、CPU211は、使用者が10人以上であるか否かを判断する。使用者が一定数を超えると、トラップユニット30内の封水は新しい尿で置換されて、菌の繁殖はあまり進んでいないと考えられる。一方、ボウル部103の特に立壁部104の側部では、尿が飛散し付着して菌の繁殖の温床となりうるものと想定される。そこで、使用者が10人以上であればステップS12の処理に進み、使用者が10人以上でなければステップS06の処理に進む。
ステップS12では、CPU211は、「ボウル部殺菌モード3」を実行する。ステップS12に続くステップS13では、「ボウル部殺菌モード3」の実行後10分インターバルをおき、「ボウル部乾燥モード」を10分実行する。「ボウル部乾燥モード」実行中は、警告ランプ220を点灯させる。
ステップS06では、CPU211は、使用者が0人であるか否かを判断する。使用者が0人であれば、汚れが進行している可能性が高いためである。使用者が0人であればステップS07の処理に進み、使用者が0人でなければステップS14の処理に進む。
ステップS07では、CPU211は、最後のボウル部殺菌から8時間が経過しているか否かを判断する。使用者が0人で最後のボウル部殺菌から8時間が経過していれば、夜間などの低頻度使用時間帯であり、菌の繁殖が進行する可能性があるためである。最後のボウル部殺菌から8時間が経過していなければリターンし、最後のボウル部殺菌から8時間が経過していればステップS08の処理に進む。
ステップS08では、CPU211は、「ボウル部殺菌モード3」を実行する。尚、その後は、使用されるまでボウル部殺菌は行わない。
ステップS08に続くステップS09では、「ボウル部殺菌モード3」の実行後10分インターバルをおき、「ボウル部乾燥モード」を30分実行する。「ボウル部乾燥モード」実行中は、警告ランプ220を点灯させる。
ステップS14では、CPU211は、使用者が3人以下であるか否かを判断する。使用者が3人以下であればステップS15の処理に進み、使用者が3人以下でなければステップS18の処理に進む。
ステップS15では、CPU211は、前回のボウル部殺菌が「ボウル部殺菌モード1」の実行であったか否かを判断する。ボウル部103の中央に液剤を供給しない「ボウル部殺菌モード1」を続けると、ボウル部103の中央部や上方部に菌が大量に増殖するおそれがあるためである。前回のボウル部殺菌が「ボウル部殺菌モード1」の実行であればステップS18の処理に進み、前回のボウル部殺菌が「ボウル部殺菌モード1」の実行でなければステップS16の処理に進む。
ステップS16では、CPU211は、「ボウル部殺菌モード1」を実行する。ステップS16に続くステップS17では、「ボウル部殺菌モード1」の実行後10分インターバルをおき、「ボウル部乾燥モード」を10分実行する。「ボウル部乾燥モード」実行中は、警告ランプ220を点灯させる。
ステップS18では、CPU211は、「ボウル部殺菌モード2」を実行する。ステップS18に続くステップS19では、「ボウル部殺菌モード2」の実行後10分インターバルをおき、「ボウル部乾燥モード」を10分実行する。「ボウル部乾燥モード」実行中は、警告ランプ220を点灯させる。
続いて、図20を参照しながら、本実施形態の小便器USにおける制御動作について説明する。図20は、小便器USのトラップ殺菌における制御動作を示すフローチャートである。本実施形態の小便器USは、上述した「待機モード」「ボウル部殺菌モード1」「ボウル部殺菌モード2」「ボウル部殺菌モード3」「トラップ封鎖モード」「徐溶モード」「トラップ置換モード」「排水管殺菌モード」「ボウル部乾燥モード」を、使用状況や菌の繁殖状況を勘案して適宜組み合わせ実行するものである。
ステップS31では、CPU211は、小便器USが使用中であるか否かを判断する。CPU211は、人体検知センサー102から人体検知信号が出力されていれば小便器USが使用中であると判断し、人体検知センサー102から人体検知信号が出力されていなければ小便器USは使用中でないと判断する。小便器USが使用中であると判断すれば、ステップS36の処理に進み、小便器USが使用中でないと判断すれば、ステップS32の処理に進む。
ステップS36では、CPU211は、「待機モード」を強制的に実行する。小便器USが使用中であれば、ノズルユニット202からの吐水は使用者にかかってしまうので、そのような事態を回避するため、洗浄殺菌動作を行わない「待機モード」を実行する。
ステップS32では、CPU211は、直近2時間の平均室温が25℃以上であるか否かを判断する。平均室温が25℃以上であれば、菌の繁殖が促進されるので、殺菌頻度を高める処理をするためである。尚、本実施形態では平均室温で判断しているが、例えば夏季であるか否かを判断基準にすることも好ましい。平均室温が25℃以上であれば、ステップS33の処理に進み、平均室温が25℃以上でなければ、ステップS37の処理に進む。
ステップS33では、CPU211は、不使用時間が2日となっているか否かを判断する。トラップユニット30の殺菌は、尿の飛散を考慮する必要がないことから、不使用時間のみを考慮すれば足りるからである。不使用時間が2日となっていればステップS40の処理に進み、不使用時間が2日となっていなければステップS34の処理に進む。
ステップS37では、CPU211は、不使用時間が3日となっているか否かを判断する。不使用時間が3日となっていればステップS40の処理に進み、不使用時間が3日となっていなければステップS38の処理に進む。
ステップS40では、CPU211は、「トラップ封鎖モード」を実行する。この場合の吐出水量は、50ccである。
ステップS34では、CPU211は、不使用時間が4日となっているか否かを判断する。不使用時間が4日となっていればステップS42の処理に進み、不使用時間が4日となっていなければステップS35の処理に進む。
ステップS38では、CPU211は、不使用時間が5日となっているか否かを判断する。不使用時間が5日となっていればステップS42の処理に進み、不使用時間が5日となっていなければステップS39の処理に進む。
ステップS40では、CPU211は、「徐溶モード」を実行する。この場合の吐出水量は、100ccである。
ステップS35では、CPU211は、不使用時間が6日となっているか否かを判断する。不使用時間が6日となっていればステップS44の処理に進み、不使用時間が4日となっていなければリターンする。
ステップS39では、CPU211は、不使用時間が7日となっているか否かを判断する。不使用時間が7日となっていればステップS44の処理に進み、不使用時間が7日となっていなければリターンする。
ステップS40では、CPU211は、「トラップ置換モード」を実行する。この場合の吐出水量は、250ccである。
続いて、図21を参照しながら、本実施形態の小便器USにおける制御動作について説明する。図21は、小便器USの排水管殺菌における制御動作を示すフローチャートである。本実施形態の小便器USは、上述した「待機モード」「ボウル部殺菌モード1」「ボウル部殺菌モード2」「ボウル部殺菌モード3」「トラップ封鎖モード」「徐溶モード」「トラップ置換モード」「排水管殺菌モード」「ボウル部乾燥モード」を、使用状況や菌の繁殖状況を勘案して適宜組み合わせ実行するものである。
ステップS61では、CPU211は、前回の排水管洗浄から1ヶ月が経過しているか否かを判断する。排水管WTの殺菌は、尿の飛散を考慮する必要がないことから、洗浄インターバルのみを考慮すれば足りるからである。排水管洗浄から1ヶ月が経過していればステップS62の処理に進み、排水管洗浄から1ヶ月が経過していなければリターンする。
ステップS62では、CPU211は、液剤タンク212が満水状態であるか否かを判断する。液剤タンク212が満水状態であればステップS63の処理に進み、液剤タンク212が満水状態でなければステップS67の処理に進む。
ステップS63では、CPU211は、警告ランプ220を点灯させ、排水管洗浄を行うことを告知する。ステップS67では、CPU211は、警告ランプ220を点灯させ、液剤タンク212への注水を促すと共に、排水管洗浄を行うことを告知する。
ステップS64では、CPU211は、操作スイッチ218が操作されているか否かを判断する。操作スイッチ218が操作されていなければリターンし、操作スイッチ218が操作されていればステップS65の処理に進む。
ステップS65では、CPU211は電解ユニット213に通電し、次亜塩素酸の生成を開始する。
ステップS65に続くステップS66では、CPU211は、「排水管殺菌モード」を実行する。CPU211は、電解ユニット213に通電し、次亜塩素酸を含む水を生成する。徐溶コントロールのため、15秒間吐水し、30秒インターバルで総計500cc(50ccを10回)放出する。
続いて、本実施形態におけるトラップユニットの第1変形例について図27を参照しながら説明する。図27は、変形例であるトラップユニット30Aの構成を示す概略断面図であって、図27(A)は、薬剤304Aが溶け出す前の初期状態を示し、図27(B)は、薬剤304Aが溶けきった状態を示す。
図27(A)に示すように、トラップユニット30Aは、容器301とカバー302Aとを備えている。容器301は、側部301aと、底部301bとを有する。底部301bは、円形板状の部分である。側部301aは、底部301bの外周から一方向に立ち上がるように形成された筒状の部分である。したがって、底部301bと側部301aとにより、容器301は有底円筒形状をなし、内部に液体を貯留可能な貯留室301dを構成する。側部301aの上部には、その周方向に間隔をあけて複数の出口部301cが形成され、この出口部301cによって容器301の内外を連通している。
容器301の上方には、カバー302Aが設けられている。カバー302Aは、傾斜壁302aAと、入口部302bAと、筒状隔壁302cAと、下方傾斜壁302dAと、を有する。傾斜壁302aAは、下部に開けられた入口部302bAに向かうよう傾斜する。筒状隔壁302cAは、入口部302bAの外縁から傾斜壁302aAとは反対側に延びている。入口部302bAから下方には、入口部302bAから下方に広がるように設けられた下方傾斜壁302dAが設けられている。
容器301の底部301bからカバー302Aに向かうように、薬剤ホルダー311Aが延びている。薬剤ホルダー311Aは、筒状隔壁302cAの内側に突出するように形成されている。
薬剤ホルダー311Aは、フロートホールド部313Aと、薬剤ホールド部312Aとを有する。薬剤ホールド部312Aは、円筒状の薬剤304Aを保持するように形成されている。薬剤ホールド部312Aの下方には、フロートホールド部313Aが設けられている。フロートホールド部313Aは、フロート310Aを保持する部分である。フロートホールド部313Aの上端側には、液体流入口314Aが形成されている。
小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30Aに至り、上面の傾斜壁302aAの傾斜によって入口部302bAに集められる。そして、集められた尿は、入口部302bAから筒状隔壁302cA内部へと流れ込む。
筒状隔壁302cA内部へと流れ込んだ尿は、その下方に配置されている薬剤304Aに直接当たり、薬剤304Aは尿との接触によって溶解する。尿はさらに、貯留室301d内に貯留される。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口部302bAから新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304Aは、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少が進行し、薬剤304Aが消失すると、フロート310Aが浮き上がり、入口部302bAを塞ぐ(図27(B)参照)。このように入口部302bAが塞がれると、尿がトラップユニット30Aの内部に流入できなくなり、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304Aが溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
続いて、本実施形態におけるトラップユニットの第2変形例について図28を参照しながら説明する。図28は、変形例であるトラップユニット30Bの構成を示す概略断面図であって、図28(A)は、薬剤304Bが溶け出す前の初期状態を示し、図28(B)は、薬剤304Bが溶けきった状態を示す。
図28(A)に示すように、トラップユニット30Bは、容器301とカバー302Aとを備えている。容器301は、側部301aと、底部301bとを有する。底部301bは、円形板状の部分である。側部301aは、底部301bの外周から一方向に立ち上がるように形成された筒状の部分である。したがって、底部301bと側部301aとにより、容器301は有底円筒形状をなし、内部に液体を貯留可能な貯留室301dを構成する。側部301aの上部には、その周方向に間隔をあけて複数の出口部301cが形成され、この出口部301cによって容器301の内外を連通している。
容器301の上方には、カバー302Bが設けられている。カバー302Bは、傾斜壁302aBと、入口部302bBと、筒状隔壁302cBと、下方突起302dBと、を有する。傾斜壁302aBは、下部に開けられた入口部302bBに向かうよう傾斜する。筒状隔壁302cBは、入口部302bBの外縁よりも外側から傾斜壁302aBとは反対側に延びている。入口部302bBから下方には、入口部302bBから垂直下方に延びるように設けられた下方突起302dBが設けられている。下方突起302dBは、入口部302bBを囲むように複数本設けられており、隣接する下方突起302dBの間には隙間302eBが設けられている。
容器301の底部301bからカバー302Bに向かうように、薬剤ホルダー311Bが延びている。薬剤ホルダー311Bは、筒状隔壁302cBの内側に向かうように形成されている。
薬剤ホルダー311Bは、フロートホールド部313Bと、薬剤ホールド部312Bとを有する。薬剤ホールド部312Bは、円筒状の薬剤304Bを保持するように形成されている。薬剤ホールド部312Bの下方には、フロートホールド部313Bが設けられている。フロートホールド部313Bは、フロート310Bを保持する部分である。
薬剤304Bの中央近傍には、貫通穴304aBが設けられている。フロート310Bは、蓋部316Bと連結するための連結棒315Bを有する。連結棒315Bは、薬剤304Bの貫通穴304aB内を通るように配置されている。蓋部316Bは、下方突起302dBに囲まれるように配置されている。
小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30Bに至り、上面の傾斜壁302aBの傾斜によって入口部302bBに集められる。そして、集められた尿は、入口部302bBから下方突起302dBに囲まれる空間へと流れ込み、隙間302eBから筒状隔壁302cB内へと流れ込む。
筒状隔壁302cB内部へと流れ込んだ尿は、その下方に配置されている薬剤304Bに直接当たり、薬剤304Bは尿との接触によって溶解する。尿はさらに、貯留室301d内に貯留される。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口部302bBから新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304Bは、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少が進行し、薬剤304Bが消失すると、フロート310Bが浮き上がり、蓋部316Bによって入口部302bBが塞がれる(図28(B)参照)。このように入口部302bBが塞がれると、尿がトラップユニット30Bの内部に流入できなくなり、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304Bが溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
続いて、本実施形態におけるトラップユニットの第3変形例について図29を参照しながら説明する。図29は、変形例であるトラップユニット30Cの構成を示す概略断面図であって、図29(A)は、薬剤304Cが溶け出す前の初期状態を示し、図29(B)は、薬剤304Cが溶けきった状態を示す。
図29(A)に示すように、トラップユニット30Cは、容器301とカバー302Cとを備えている。容器301は、側部301aと、底部301bとを有する。底部301bは、円形板状の部分である。側部301aは、底部301bの外周から一方向に立ち上がるように形成された筒状の部分である。したがって、底部301bと側部301aとにより、容器301は有底円筒形状をなし、内部に液体を貯留可能な貯留室301dを構成する。側部301aの上部には、その周方向に間隔をあけて複数の出口部301cが形成され、この出口部301cによって容器301の内外を連通している。
容器301の上方には、カバー302Cが設けられている。カバー302Cは、傾斜壁302aCと、入口部302bCと、筒状隔壁302cCと、下方水平壁302dCと、を有する。傾斜壁302aCは、下部に開けられた入口部302bCに向かうよう傾斜する。筒状隔壁302cCは、入口部302bCの外縁よりも外側から傾斜壁302aCとは反対側に延びている。入口部302bCから筒状隔壁302cCに向かって、略水平に下方水平壁302dCが設けられている。
容器301の底部301bからカバー302Cに向かうように、薬剤ホルダー312Cが延びている。薬剤ホルダー312Cは、筒状隔壁302cCの内側に突出するように形成されている。
入口部302bCを通って、蓋部316Cと薬剤載置部314Cとを連結するための連結棒315Cが設けられている。蓋部316Cは、入口部302bCよりも上方に位置するように配置されている。薬剤載置部314Cには、液体流入口313Cが形成されている。
小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30Cに至り、上面の傾斜壁302aCの傾斜によって入口部302bCに集められる。そして、集められた尿は、入口部302bCから筒状隔壁302cC内部へと流れ込む。
筒状隔壁302cC内部へと流れ込んだ尿は、貯留室301d内に貯留される。貯留室301d内に貯留された尿は、液体流入口313Cから薬剤304C側に流れ込む。薬剤304Cは尿との接触によって溶解する。尿はさらに、貯留室301d内に貯留される。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口部302bCから新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304Cは、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少が進行し、薬剤304Cが消失すると、蓋部316Cと薬剤載置部314Cと連結棒315Cとが一体的に下降し、蓋部316Cによって入口部302bCが塞がれる(図29(B)参照)。このように入口部302bCが塞がれると、尿がトラップユニット30Cの内部に流入できなくなり、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304Cが溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
続いて、本実施形態におけるトラップユニットの第4変形例について図30を参照しながら説明する。図30は、変形例であるトラップユニット30Dの構成を示す概略断面図であって、図30(A)は、使用前の初期状態を示し、図30(B)は、排尿時の状態を示す。
トラップユニット30Dは、図29を参照しながら説明したトラップユニット30Cに流入規制フロート320Dを付加したものである。従って、トラップユニット30Cと共通する部分については、その説明を省略する。
流入規制フロート320Dは、未使用状態において、図30(A)に示すように、入口部302bCを塞ぐように、下方水平壁302dCに当接している。
小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30Dに至り、上面の傾斜壁302aCの傾斜によって入口部302bCに集められる。そして、集められた尿は、その自重によって流入規制フロート320Dを押し下げ、入口部302bCから筒状隔壁302cC内部へと流れ込む(図30(B)参照)。
筒状隔壁302cC内部へと流れ込んだ尿は、貯留室301d内に貯留される。貯留室301d内に貯留された尿は、液体流入口313Cから薬剤304C側に流れ込む。薬剤304Cは尿との接触によって溶解する。尿はさらに、貯留室301d内に貯留される。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口部302bCから新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304Cは、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少が進行し、薬剤304Cが消失すると、蓋部316Cと薬剤載置部314Cと連結棒315Cとが一体的に下降し、蓋部316Cによって入口部302bCが塞がれる。このように入口部302bCが塞がれると、尿がトラップユニット30Dの内部に流入できなくなり、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304Cが溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
続いて、本実施形態におけるトラップユニットの第5変形例について図31を参照しながら説明する。図31は、変形例であるトラップユニット30Eの構成を示す概略断面図である。
図31に示すように、トラップユニット30Eは、容器301とカバー302Eとを備えている。容器301は、側部301aと、底部301bとを有する。底部301bは、円形板状の部分である。側部301aは、底部301bの外周から一方向に立ち上がるように形成された筒状の部分である。したがって、底部301bと側部301aとにより、容器301は有底円筒形状をなし、内部に液体を貯留可能な貯留室301dを構成する。側部301aの上部には、その周方向に間隔をあけて複数の出口部301cが形成され、この出口部301cによって容器301の内外を連通している。
容器301の上方には、カバー302Eが設けられている。カバー302Eは、傾斜壁302aEと、入口部302bEと、筒状隔壁302cEとを有する。傾斜壁302aEは、下部に開けられた入口部302bEに向かうよう傾斜する。筒状隔壁302cEは、入口部302bEの外縁から傾斜壁302aEとは反対側に延びている。
筒状隔壁302cEには、その下方からソケット309Eが挿入されている。ソケット309Eは、底部309dEと、円筒部309eEとを有する。底部309dEは、筒状隔壁302cEの下端を塞ぐように形成されている。円筒部309eEは、底部309dEの外縁から一方に延びるように形成され、筒状隔壁302cEの内側に沿って配置されている。底部309dEの略中央を貫通するように、小径流路309bEが設けられている。
円筒部309eEが囲う空間は、大径流路309cEとして構成されており、小径流路309bEを通って貯留室301dと繋がっている。ソケット309Eと筒状隔壁302cEとの間には、パッキン308Eが介在している。
筒状隔壁302cEの内部には、ソケット309Eの他に入口封鎖弁303E、薬剤304E、台座305E、及びバネ306Eが配置されている。
台座305Eは、大径流路309cEを上方から覆うようにしてソケット309Eの上端に載置されている。台座305Eは、中央近傍に上方突起305bEが設けられている。上方突起305bEは、入口部302bEに向かう円筒状の突起である。上方突起305bEには、入口封鎖弁303Eの薬剤保持棒303bEが貫通している。上方突起305bEと薬剤保持棒303bEとの間には隙間が形成され、連通路305aEが形成されている。
台座305Eの上方には、入口封鎖弁303Eが配置されている。入口封鎖弁303Eは、弁部303aEと、薬剤保持棒303bEとを有する。台座305と弁部303aEとの間には、バネ306Eが配置されている。このバネ306Eが伸縮することにより、弁部303aEは台座305Eに対し上下方向に摺動可能である。バネ306は、外力が作用していない状態では、弁部303aEを入口部302bE近傍の下面に当接させ、入口部302bEを遮蔽している。
薬剤304Eは、薬剤保持棒303bEに取り付けられ、台座305Eの下方でソケット309Eの大径流路309cEの内部に配置されている。
小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30Eに至り、上面の傾斜壁302aEの傾斜によって入口部302bEに集められる。そして、集められた尿は、入口封鎖弁303E上に貯留する。
入口封鎖弁303E上に貯留する尿が所定量となると、その重みにより、入口封鎖弁303Eはバネ306Eの付勢力に抗して押し下げられる。これにより、入口部302bEが解放され、貯留されていた尿が筒状隔壁302cE内に流入する。筒状隔壁302cE内に流入した尿は、台座305Eの連通路305aEを通過し、その下方に配置されている薬剤304Eに至る。薬剤304Eは尿との接触によって溶解する。尿はさらに、薬剤304Eの下方において、小径流路309bEに至る。尿は、小径流路309bEを流れてソケット309Eから排出され、貯留室301d内に貯留される。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口封鎖弁303Eから新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304Eは、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少により、薬剤304Eが消失すると、入口封鎖弁303E上に尿が溜まっても、バネ306Eの付勢力が勝り、入口封鎖弁303Eは下降しなくなる。これにより、入口部302bEから新たな尿が貯留室301d内に進入できなくなり、トラップユニット30Eから排水管WTへの尿の送出が規制される。
このように尿がトラップユニット30Eの内部に流入できなくなることで、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304Eが溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
続いて、本実施形態におけるトラップユニットの第6変形例について図32を参照しながら説明する。図32は、変形例であるトラップユニット30Fの構成を示す概略断面図である。
図32に示すように、トラップユニット30Fは、容器301Fとカバー302Fとを備えている。容器301Fは、側部301aと、底部301bとを有する。底部301bは、円形板状の部分である。側部301aは、底部301bの外周から一方向に立ち上がるように形成された筒状の部分である。したがって、底部301bと側部301aとにより、容器301Fは有底円筒形状をなし、内部に液体を貯留可能な貯留室301dを構成する。側部301aの上部には、その周方向に間隔をあけて複数の出口部301cが形成され、この出口部301cによって容器301Fの内外を連通している。出口部301cの下方内側には、側部301aの内壁に当接するように円盤部材320Fが配置されている。円盤部材320Fには、連通穴320aFが形成されている。
容器301Fの上方には、カバー302Fが設けられている。カバー302Fは、傾斜壁302aFと、入口部302bFと、筒状隔壁302cFと、下方傾斜壁302dFと、を有する。傾斜壁302aFは、下部に開けられた入口部302bFに向かうよう傾斜する。筒状隔壁302cFは、入口部302bFの外縁から傾斜壁302aFとは反対側に延びている。入口部302bFから下方には、入口部302bFから下方に広がるように設けられた下方傾斜壁302dFが設けられている。
連通穴320aFの下方には、薬剤304Fが配置されている。薬剤304Fの下端に設けられた凹部304aF内には、フロート310Fが配置されている。
小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30Fに至り、上面の傾斜壁302aFの傾斜によって入口部302bFに集められる。そして、集められた尿は、入口部302bFから筒状隔壁302cF内部へと流れ込む。
筒状隔壁302cF内部へと流れ込んだ尿は、貯留室301d内に貯留される。貯留室301d内に貯留された尿は、貯留室301d内に配置されている薬剤304Fに接触し、薬剤304Fは尿との接触によって溶解する。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口部302bFから新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304Fは、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少が進行し、薬剤304Fが消失すると、フロート310Aが浮き上がり、連通穴320aFを塞ぐ。このように連通穴320aFが塞がれると、尿がトラップユニット30Fの内部に流入できなくなり、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304Fが溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
続いて、本実施形態におけるトラップユニットの第7変形例について図33を参照しながら説明する。図33は、変形例であるトラップユニット30Gの構成を示す概略断面図である。
図33に示すように、トラップユニット30Gは、容器301Fとカバー302Fとを備えている。容器301Fは、側部301aと、底部301bとを有する。底部301bは、円形板状の部分である。側部301aは、底部301bの外周から一方向に立ち上がるように形成された筒状の部分である。したがって、底部301bと側部301aとにより、容器301Fは有底円筒形状をなし、内部に液体を貯留可能な貯留室301dを構成する。側部301aの上部には、その周方向に間隔をあけて複数の出口部301cが形成され、この出口部301cによって容器301Fの内外を連通している。出口部301cの下方内側には、側部301aの内壁に当接するように円盤部材320Fが配置されている。円盤部材320Fには、連通穴320aFが形成されている。
容器301Fの上方には、カバー302Fが設けられている。カバー302Fは、傾斜壁302aFと、入口部302bFと、筒状隔壁302cFと、下方傾斜壁302dFと、を有する。傾斜壁302aFは、下部に開けられた入口部302bFに向かうよう傾斜する。筒状隔壁302cFは、入口部302bFの外縁から傾斜壁302aFとは反対側に延びている。入口部302bFから下方には、入口部302bFから下方に広がるように設けられた下方傾斜壁302dFが設けられている。
連通穴320aFの下方には、薬剤304Gが配置されている。連通穴320aFを通って、蓋部316Gと薬剤載置部314Gとを連結するための連結棒315Gが設けられている。蓋部316Gは、連通穴320aFよりも上方に位置するように配置されている。薬剤載置部314Gは、薬剤304Gに載置されている。
小便器USの底面開口部106から排出された尿は、トラップユニット30Fに至り、上面の傾斜壁302aFの傾斜によって入口部302bFに集められる。そして、集められた尿は、入口部302bFから筒状隔壁302cF内部へと流れ込む。
筒状隔壁302cF内部へと流れ込んだ尿は、貯留室301d内に貯留される。貯留室301d内に貯留された尿は、貯留室301d内に配置されている薬剤304Gに接触し、薬剤304Gは尿との接触によって溶解する。
貯留室301d内が尿で満たされると、入口部302bFから新たな尿が流入してくることにより、それまで貯留室301d内に貯留されていた尿は、押し出されるようにして側部301aの出口部301cから排出される。出口部301cから排出された尿は、容器301の外方を流れて排水管WTに至る。
固形の薬剤304Gは、その使用に伴って体積が減少するよう構成されている。この体積減少が進行し、薬剤304Gが消失すると、蓋部316Gと薬剤載置部314Gと連結棒315Gとが一体的に下降し、蓋部316Gが連通穴320aFを塞ぐ。このように連通穴320aFが塞がれると、尿がトラップユニット30Gの内部に流入できなくなり、小便器本体10のボウル部103に尿が滞留する。このため、このボウル部103の尿の滞留を見た使用者は、小便器USが尿を流せない状態となっていることを認知することができるため、小便器USの使用を控えさせて更なる衛生性の悪化を回避することができる。また、清掃作業者等にも、薬剤補充のためにその交換が必要なタイミングにあることを認識させ、排水管WTに薬剤304Gが溶解していない尿が流れることを防止し、排水管WTの保護を図ることが可能となる。
上述した本実施形態では、トラップユニット30等が交換できる方式のものを説明したけれども、トラップが交換できない場合でも本発明の思想を適用したものが好適に用いられる。例えば、既存の目皿の下方に、薬剤と流路閉塞用のフロートとを一体的に配置するものが考えられる。使用により薬剤が消失すれば、フロートが上昇し、目皿の流入口を閉塞する。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。