JP6152830B2 - 溶鋼の利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼の連続鋳造に用いられるタンディッシュ内に残存する溶鋼を製鉄所の鉄源として利用する技術に関する。
鋼の連続鋳造では、一般に、溶鋼を取鍋からタンディッシュに注入し、該タンディッシュ内を流れる溶鋼に生じる溶鋼滓を浮上分離させつつ、タンディッシュの底部に設けた浸漬ノズルを介して、冷却されている鋳型に溶鋼を注入し、該鋳型から、冷却によって凝固シェルが形成された溶鋼を引き抜いて鋳片を形成する。取鍋に収容している溶鋼がなくなった時点で、鋼の連続鋳造は終了となる。
鋼の連続鋳造が終了した後には、通常、タンディッシュ内に溶鋼及び溶鋼滓が残存することとなる。特許文献1には、タンディッシュを冷却して、該タンディッシュ内に残存する溶鋼及び溶鋼滓を凝固させて取出すことが記載されている。また、特許文献1には、タンディッシュ内に残存する溶鋼及び溶鋼滓を溶解させて、タンディッシュの排出口から排出することも記載されている。
特開平7−284891号公報
特許文献1では、タンディッシュ内に残存する溶鋼及び溶鋼滓を、タンディッシュから排出することは記載されているものの、排出された溶鋼及び溶鋼滓の用途は記載されていない。従来、溶鋼滓を含む溶鋼は滓畑で冷却し鉄スクラップとした後に、該鉄スクラップをスラグ処理場へ運搬し、該スラグ処理場で鉄スクラップを破砕し、破砕した鉄スクラップをふるいと磁選によって鉄成分とスラグ成分とに分離し、製鋼工場の転炉へ鉄成分を装入することで、残存していた溶鋼を冷鉄源として再利用していた。この再利用方法では、溶鋼滓を含む溶鋼からの鉄成分の回収割合が低い上に、溶鋼及び溶鋼滓を一旦冷却して鉄スクラップとするので、溶鋼滓を含む溶鋼の顕熱を無駄にしてしまうという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、タンディッシュ内に残存する溶鋼の顕熱を有効に使用しつつ、溶鋼を鉄源として利用することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(1)鋼の連続鋳造に用いられるタンディッシュ内に残存する溶鋼を溶融鉄容器に排出し、前記溶融鉄容器に収容されている鋼を400℃以上の状態として製鉄所の鉄源に利用することを特徴とする溶鋼の利用方法。
(2)前記溶融鉄容器に収容されている鋼を固体の状態で転炉に装入することを特徴とする上記(1)に記載の溶鋼の利用方法。
(3)前記溶融鉄容器に収容されている鋼を溶融した状態で転炉に装入することを特徴とする上記(1)に記載の溶鋼の利用方法。
(4)前記タンディッシュ内に残存する前記溶鋼を溶融鉄容器に排出した後で、前記溶鋼を転炉に装入する前に、鋼を収容している溶融鉄容器に高炉から溶銑を受銑し、該溶銑とともに前記鋼を溶融した状態で転炉に装入することを特徴とする上記(3)に記載の溶鋼の利用方法。
(5)前記タンディッシュ内に残存する前記溶鋼を溶融鉄容器に排出する前に、該溶融鉄容器に高炉から溶銑を受銑し、該溶銑とともに前記鋼を溶融した状態で転炉に装入することを特徴とする上記(3)に記載の溶鋼の利用方法。
本発明では、タンディッシュ内に残存していた、溶鋼滓を含む溶鋼を溶融鉄容器に排出し、該溶融鉄容器で400℃以上の状態で収容している鋼を、鉄源として再利用する。温度を維持した状態で溶融鉄容器からの溶鋼あるいは該溶鋼からなる固体状態の鋼を転炉に装入すれば、タンディッシュ内に残存していた溶鋼の鉄成分を無駄なく再利用することができる上に、前記顕熱分、転炉に加える昇温材の使用量を抑えることができる。また、温度を維持した状態で溶融鉄容器に高炉から溶銑を受銑すれば、溶銑の温度低下を抑えることができ、ひいては、受銑後に行う脱硫精錬のために用いられる昇熱材の使用量を削減し得る。
更には、従来、タンディッシュから回収した溶鋼を冷却して、鉄スクラップとしスラグ処理場で処理していたので、スラグ処理場と該タンディッシュとの間で溶鋼あるいは鉄スクラップを運搬するコストや、鉄スクラップを鉄成分とスラグ成分とに分離するコストが掛かっていたが、本発明によって、これらのコストが不要となる。
タンディッシュから残存する溶鋼から得られる鋼を、中間ポットを介して取鍋で受ける状態を示す説明図である。 タンディッシュから残存する溶鋼から得られる鋼を、中間ポットを介して溶銑鍋で受ける状態を示す説明図である。 図2に示す溶銑鍋に高炉から溶銑を受銑する状態を示す説明図である。
製鉄所においては、高炉で、鉱石などの鉄源を還元して溶銑を生成する。該溶銑に対して脱硫精錬や脱燐精錬などの溶銑予備処理を施し、次いで、脱炭精錬を施して溶鋼を生成する。溶鋼を連続鋳造設備に供給して、鋼の鋳片を製造する。溶銑とは、高炉から得られ、炭素濃度が比較的高い溶融鉄のことである。また、溶鋼とは、脱炭精錬によって、炭素濃度が溶銑よりも低くなった(例えば2.0mass%以下)溶融鉄のことである。溶融鉄容器は、取鍋、溶銑鍋、後述する中間ポットや、トーピードカーなどの、高温の溶銑及び溶鋼を収容可能な容器のことである。
脱炭精錬は転炉で行われ、該転炉と連続鋳造設備とは、高炉から離れた製鋼工場に設置されている。製鉄所に複数敷設されているレールで高炉と製鋼工場とが繋がっており、溶融鉄容器には、必要に応じて、レール上を移動可能とする台車が設けられる構成となり、高炉と製鋼工場との間を往来する。なお、溶銑予備処理は、必要に応じて転炉で行ってもよいし、高炉と製鋼工場との間あるいは製鋼工場に、溶銑予備処理を行う設備を設け、該設備で溶銑予備処理を行ってもよい。
鋼の連続鋳造設備は、溶鋼を収容するタンディッシュと、該タンディッシュの下部に接続されている浸漬ノズルと、該浸漬ノズルの下方に配置されている鋳型と、を有する。鋳型には、冷却水が通過する給水流路及び排水流路が形成されており、鋳型を冷却可能としてある。鋼の連続鋳造では、冷却している鋳型に浸漬ノズルから溶鋼を注入して、鋳型の内壁で凝固シェルを形成し、鋳型から未凝固の溶鋼を有する凝固シェルを引き抜いて、鋼の鋳片を製造する。
溶銑を収容している溶融鉄容器はレールを走行して高炉から転炉に移動し、該転炉に溶銑を装入して脱炭精錬を行う。次いで、脱炭精錬された溶鋼を転炉から取鍋に排出する。溶鋼を収容する取鍋は、鋼の連続鋳造設備のタンディッシュの上方に取外可能なように設置され、取鍋からタンディッシュに溶鋼が注入される。タンディッシュで溶鋼を収容するとともに、浸漬ノズルへ向かう溶鋼流れを、該浸漬ノズルに取り付けられるスライディングバルブなどで調整する。基本的には、取鍋から溶鋼が排出し終えたら、鋼の連続鋳造は終了となる。
鋼の連続鋳造の終了時には、タンディッシュには、溶鋼滓が溶鋼湯面に形成された溶鋼が残存する。鋼の連続鋳造中、通常、タンディッシュに収容されている溶鋼湯面に、籾殻などの保温材を投入し、該溶鋼を保温する。また、溶鋼中の成分の一部が酸化し、溶鋼中を酸化物が浮上してくる場合がある。保温材や酸化物が、溶鋼中を浮上して溶鋼湯面上で溶鋼滓となる。溶鋼滓が、鋼の連続鋳造の終了時に鋳型に注入されてしまうことを防ぐため、タンディッシュに溶鋼をある程度残存させることになる。
本発明は、タンディッシュに残存する上記溶鋼を利用する方法であり、タンディッシュから、溶鋼滓を含む溶鋼を溶融鉄容器に排出し、溶融鉄容器に収容されることになる、溶鋼から得られる固体状態または溶融状態の鋼を400℃以上で製鉄所の鉄源に利用する方法である。
以上の説明を踏まえた上で、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を以下に説明する。図1は、タンディッシュから残存する溶鋼から得られる鋼を、中間ポットを介して取鍋で受ける状態を示す説明図である。図1では、鋼の連続鋳造設備のうちタンディッシュ1のみを示しており、製鋼工場に敷設されたレール21と、該レール21上を移動可能な構成を有する取鍋30と、タンディッシュ1の下方であり取鍋30の上方に設置される中間ポット29と、を示してある。図1では、溶融鉄容器として、中間ポット29と取鍋30とを用いている。
タンディッシュ1は、タンディッシュ本体1aと、該タンディッシュ本体1aを支持するタンディッシュ土台1bを有しており、タンディッシュ土台1bは、図示は省略してあるが、タンディッシュ本体1aを傾転可能に支持する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。加えて、中間ポット29は、タンディッシュ1の下方で、鉛直方向に延在するように設置されているリフト29aに、上下方向に移動可能でかつ回転可能に取り付けられている。
図1(a)は、タンディッシュ1に残存する溶鋼2を中間ポット29に排出している状態を示している。取鍋30をタンディッシュ1の下方に配置させておき、鋼の連続鋳造が終了すると、タンディッシュ本体1aを傾転させて、タンディッシュ本体1aに残存する溶鋼2を中間ポット29に排出する。傾転させた状態のタンディッシュ本体1aの下部には、図示しない排出口が形成されており、該排出口を通じて、溶鋼2がタンディッシュ本体1aから中間ポット29に流下し、該中間ポット29から、溶鋼2からなる鋼が取鍋30に加えられる。
本実施形態では、中間ポット29や取鍋30に収容されることとなる鋼を、固体状態または溶融状態の400℃以上で製鉄所の鉄源として利用する。鋼は、400℃以上であれば、顕熱をある程度確保できており、鋼を、例えば転炉や電気炉に鉄源の一部として装入して、昇熱材などの熱源の使用量を抑え得るし、溶鋼2の鉄成分を無駄なく再利用できる。図示は省略してあるが、連続鋳造設備の近くには、転炉や電気炉が配置され、このレール21を転炉や電気炉に繋げれば、溶鋼2の鉄成分を容易に転炉や電気炉に運搬できる。
図1(b)は、溶鋼2が中間ポット29で固体となった鋼2aを取鍋30に排出している状態を示している。タンディッシュ1から溶鋼2を排出した段階では、溶鋼2は、溶融状態であるが、中間ポット29で受けてから時間が経過したりすると、固体状態となる。溶鋼2が固体となってから、中間ポット29を上下に反転させて、鋼2aを取鍋30に排出し、鋼2aを転炉に投入する。また、可能であれば、取鍋30に排出せずに、中間ポット29から鋼2aを転炉に投入してもよい。いずれにせよ、鋼2aは、400℃以上であれば、固体であっても顕熱をある程度確保できている。
図1(c)は、中間ポット29から、溶融状態の鋼2bを取鍋30に排出している状態を示している。タンディッシュ1から溶鋼2を排出した段階では、溶鋼2は、溶融状態であり、溶融状態に維持された鋼2bを転炉に投入する。鋼2bは、溶融しているので、少なくとも1400℃以上であり、顕熱を有している。
なお、図1において、タンディッシュ1と取鍋30との間に中間ポット29を配置してある。通常、タンディッシュ排出口と取鍋底部との距離は15m程度あり、この中間ポット29は、タンディッシュ1からの溶鋼2が流下(落下)したときの衝撃によって、取鍋30で飛び散ることを防止することを目的としている面がある。但し、溶鋼2を溶融した状態でそのまま鉄源として利用する場合であり、溶鋼2の落下の衝撃を考慮しない場合には、所定位置に配置された取鍋30に直接排出可能であれば、中間ポット29を介さずに、取鍋30に直接排出してもよい。
また、タンディッシュ1内に残存する溶鋼2を溶融鉄容器に排出してから、鋼2aまたは鋼2bを収容している溶融鉄容器に高炉から溶銑を受銑し、該溶銑とともに、溶融した状態の鋼を転炉に装入することが好ましい。図2は、タンディッシュから残存する溶鋼から得られる鋼を、中間ポットを介して溶銑鍋で受ける状態を示す説明図であり、タンディッシュ1と中間ポット29とを示し、更に、高炉11と、該高炉11とタンディッシュ1とを繋ぐレール21と、該レール21上を移動可能な構成を有する溶銑鍋31と、を示してある。図2では、溶融鉄容器として溶銑鍋31を用いており、図1における取鍋30を溶銑鍋31に置き換え、レール21が高炉11に繋がっている形態を示してある。
図1(b)の場合と同様にして、タンディッシュ本体1aに残存する溶鋼2を中間ポット29を受けて、固体状態の鋼2aを溶銑鍋31に排出する。溶銑鍋31に排出する段階で溶鋼2は既に固体状態となっているが、排出する際には、溶融状態の溶鋼2を溶銑鍋31に収容するようにしてもよい。
高炉11の側壁には出銑口が設けられており、該出銑口から高炉11で生成される溶銑12が出銑される。出銑口の下流には、図示しない溶銑樋が設置されており、溶銑12が溶銑樋を流れる。溶銑12が流れる方向における溶銑樋の先端部下方には、溶銑鍋31に溶銑12を送るための傾注樋13が設置されている。傾注樋13の下方までレール21が敷かれていて、該傾注樋13の下方が、傾注樋13からの溶銑12の受銑位置となり、該受銑位置に、溶銑鍋31は配置され得る(図2参照)。
図3は、図2に示す高炉11から溶銑12を溶銑鍋31に受銑する状態を示している。溶鋼2をタンディッシュ1から排出した後、溶銑鍋31を受銑位置に移動させ、高炉11からの出銑時まで待ち、鋼2aを400℃以上の状態で収容する溶銑鍋31に、傾注樋13を通じて高炉11から溶銑12を受銑する。溶銑12を受銑する際には、鋼2aは顕熱を有するので、溶銑鍋31の温度は高い状態となっており、受銑する溶銑12の温度低下を抑えることができる。
転炉に装入する前に、溶銑12に対して溶銑予備処理を行うことが一般的であり、鋼2aを400℃以上の状態で収容する溶銑鍋31に溶銑12を受銑する場合、脱硫精錬を行ってから脱燐精錬を行うことが好ましい。脱硫精錬では、還元によって吸熱反応が生じ、温度が高い方が溶銑12の脱硫が促進される一方で、脱燐精錬では、酸化によって発熱反応が生じ、温度が低い方が溶銑12の脱燐が促進される。よって、鋼2aを収容する溶銑鍋31で溶銑12を受銑する場合には、鋼2aの顕熱を効果的に利用して、溶銑12の温度低下を抑えて、脱燐精錬より先に脱硫精錬を行い、溶銑12の脱硫を促進することが可能となる。なお、鋼2aの顕熱分で足らなければ、必要に応じて、溶銑鍋31の移動中及び出銑時までに、溶銑鍋31に昇熱材や保温材を加えてもよい。昇熱材としては、無煙炭などの石炭や、木炭などが用いられる。なお、溶融した状態の鋼2bを溶銑鍋31に収容しておけば、更に、溶鋼2の顕熱を、そのまま効果的に利用できることになり、より溶銑12の脱硫を促進することが可能となる。
なお、高炉11から溶銑12を溶銑鍋31で受銑してから、図2に示すように、鋼2aを溶銑鍋31に排出してもよいし、あるいは、鋼2bを溶銑鍋31に排出してもよい。すなわち、溶鋼2を排出する前に、溶銑鍋31に高炉11から溶銑12を受銑することになる。この場合でも、鋼2a,2bは顕熱を有するので、溶銑12の温度低下を抑え得て、ひいては、転炉での、昇熱材などの熱源の使用量を抑え得る。
転炉での脱炭精錬が終了したら、溶鋼を転炉から取鍋に排出し、該取鍋を、タンディッシュ1の上方に移動させて、鋼の連続鋳造を行う。このようにして鋼の連続鋳造を行えば、以前の鋼の連続鋳造で用いたタンディッシュ1に残存していた溶鋼2の鉄成分が全て、新たに行う鋼の連続鋳造の対象となる溶鋼に含まれることになるので、溶鋼2の鉄成分を無駄なく再利用することができる。
本発明によって、鋼の連続鋳造に用いられるタンディッシュ内に残存していた溶鋼からなる鋼を400℃以上の状態で溶融鉄容器に収容するので、該溶融鉄容器で鋼の温度を維持できている。該温度を維持した鋼を転炉に投入すれば、転炉で用いる昇温材の使用量を鋼の顕熱分抑えることができる。また、溶融鉄容器に高炉から溶銑を受銑すると、溶銑の温度低下を抑えることができ、ひいては、受銑後の脱硫精錬のために用いられる昇熱材の量を削減し得る。
更には、従来、タンディッシュから回収した溶鋼を冷却して、鉄スクラップとしスラグ処理場で処理していたので、スラグ処理場と該タンディッシュとの間を、溶鋼あるいは鉄スクラップを運搬するコストや、鉄スクラップを鉄成分とスラグ成分とに分離するコストが掛かっていた。しかしながら、本発明によって、これらのコストが不要となる。
製鉄所において、高炉から溶銑を受銑し、溶銑に対して脱硫精錬と脱燐精錬とをこの順で施し、転炉にて脱炭精錬してから、溶鋼に対して鋼の連続鋳造を行う操業を1月間行った。図1に示すように、既に行った鋼の連続鋳造で用いたタンディッシュ1に残存した溶鋼2を取鍋30に排出し、該取鍋30に収容されている鋼2aを400℃で、図示しない転炉に装入した。転炉には、高炉11から受銑した溶銑12に対して脱硫精錬と脱燐精錬を施した後に、溶銑12をも装入した。転炉に、昇熱材として無煙炭を投じて、鋼2aを含む溶銑12を1450℃で脱炭精錬した。脱炭精錬を施して溶鋼を生成し、鋼の連続鋳造を行った(本発明例1)。
本発明例1と比較するために、鋼2aを400℃で転炉に装入する代わりに、溶鋼2を冷却して鉄スクラップとし、該鉄スクラップを破砕し、ふるいと磁選によって、破砕した鉄スクラップを鉄成分とスラグ成分とに分離し、製鋼工場の転炉へ鉄成分を装入した以外は本発明例1と同じ条件で、鋼の連続鋳造を行った(比較例1)。
溶銑使用量に対する転炉の出鋼量の割合である溶銑歩留まり[%]は、比較例1に対して、本発明例1では0.080%増加した。タンディッシュ1に残存した溶鋼2の鉄成分を無駄なく再利用できたことがわかる。また、無煙炭の使用量は、比較例1に対して、本発明例1では0.0448無煙炭kg/溶銑t減少した。転炉において、残存した溶鋼2の顕熱を有効に利用できたことがわかる。
製鉄所において、高炉から溶銑を受銑し、溶銑に対して脱硫精錬と脱燐精錬とをこの順で施し、転炉にて脱炭精錬してから、溶鋼に対して鋼の連続鋳造を行う操業を1月間行った。この操業では、図1(a)及び(c)に示すように、既に行った鋼の連続鋳造で用いたタンディッシュ1に残存した溶鋼2から得られる鋼2bを溶銑鍋31に1500℃の溶融した状態で排出し、鋼2bを収容している溶銑鍋31に、高炉11から溶銑12を受銑し、受銑した溶銑12に対して脱硫精錬と脱燐精錬を施し、更に、図示しない転炉にて脱炭精錬を施して溶鋼を生成し、鋼の連続鋳造を行った(本発明例2)。
操業では、高炉11から出銑直後の溶銑12は1500℃程度であるが、受銑すると、一般的に、溶銑12の温度は下がってしまう。しかしながら、本発明例2では、鋼2bを1500℃の溶融した状態で収容してあったので、固体の状態の鋼2aで収容した場合と比較しても溶銑12の温度低下量は小さい。但し、高炉11から受銑した後で、脱硫精錬処理を行う位置へ運搬する間に、溶銑12の温度は下がってしまう。そこで、昇温材として無煙炭を用い、高炉11から受銑した後で脱硫精錬を行う前に、溶銑鍋31に無煙炭を加えることで、脱硫精錬の効率を高めるべく脱硫精錬時における溶銑12の1500℃に昇温させた。
本発明例2と比較するために、鋼を収容した溶銑鍋31に溶銑12を受銑する代わりに、溶鋼2を冷却して鉄スクラップとし、該鉄スクラップを破砕し、ふるいと磁選によって、破砕した鉄スクラップを鉄成分とスラグ成分とに分離し、製鋼工場の転炉へ鉄成分を装入した以外は本発明例2と同じ条件で、鋼の連続鋳造を行った(比較例2)。比較例2でも、本発明例2と同様に、溶銑鍋31に無煙炭を加えることで、脱硫精錬の効率を高めるべく脱硫精錬時における溶銑12の1500℃に昇温させた。
溶銑歩留まり[%]は、比較例2に対して、本発明例2では0.084%増加した。タンディッシュ1に残存した溶鋼2の鉄成分を無駄なく再利用できたことがわかる。また、無煙炭の使用量は、比較例2に対して、本発明例2では0.1680無煙炭kg/溶銑t減少した。脱硫精錬において、残存した溶鋼2の顕熱を有効に利用できたことがわかる。
上記実施例1及び2から、鋼の連続鋳造で用いたタンディッシュに残存していた溶鋼の鉄成分が全て、新たに行う鋼の連続鋳造の対象となる溶鋼に含まれることになるので、溶鋼の鉄成分を無駄なく再利用することができたことがわかる。また、鋼の連続鋳造に用いられるタンディッシュ内に残存していた溶鋼から得られる鋼を400℃以上の状態で溶融鉄容器に収容して再利用して、溶鋼の顕熱を有効に利用できたことがわかる。
1 タンディッシュ
1a タンディッシュ本体
1b タンディッシュ土台
2 溶鋼
2a 鋼(固体状態)
2b 鋼(溶融状態)
11 高炉
12 溶銑
13 傾注樋
21 レール
29 中間ポット
29a リフト
30 取鍋
31 溶銑鍋

Claims (3)

  1. 鋼の連続鋳造に用いられるタンディッシュ内に残存する溶鋼滓を含む溶鋼を溶融鉄容器に排出し、
    前記溶融鉄容器に収容されている溶鋼滓を含む溶鋼を400℃以上の溶融した状態で転炉に装入して製鉄所の鉄源に利用することを特徴とする溶鋼の利用方法。
  2. 前記タンディッシュ内に残存する前記溶鋼滓を含む溶鋼を溶融鉄容器に排出した後で、前記溶鋼を転炉に装入する前に、溶鋼滓を含む溶鋼を収容している溶融鉄容器に高炉から溶銑を受銑し、
    該溶銑とともに前記溶鋼滓を含む溶鋼を溶融した状態で転炉に装入することを特徴とする請求項に記載の溶鋼の利用方法。
  3. 前記タンディッシュ内に残存する前記溶鋼滓を含む溶鋼を前記溶融鉄容器に排出する前に、該溶融鉄容器に高炉から溶銑を受銑し、
    該溶銑とともに前記溶鋼滓を含む溶鋼を溶融した状態で転炉に装入することを特徴とする請求項に記載の溶鋼の利用方法。
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