JP6152433B2 - 抗tnf−抗il−17二重特異性抗体 - Google Patents

抗tnf−抗il−17二重特異性抗体 Download PDF

Info

Publication number
JP6152433B2
JP6152433B2 JP2015561514A JP2015561514A JP6152433B2 JP 6152433 B2 JP6152433 B2 JP 6152433B2 JP 2015561514 A JP2015561514 A JP 2015561514A JP 2015561514 A JP2015561514 A JP 2015561514A JP 6152433 B2 JP6152433 B2 JP 6152433B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bispecific antibody
polypeptide
human
cells
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015561514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016510743A (ja
Inventor
アラン,バレット
ローレンス グレイスブルック,アンドリュー
ローレンス グレイスブルック,アンドリュー
ドーエン ムン レオン,ドンミエンヌ
ドーエン ムン レオン,ドンミエンヌ
ル,ジロン
タン,イン
チャールズ ヴェンデル,アンドリュー
チャールズ ヴェンデル,アンドリュー
リアン ウィッチャー,デリック
リアン ウィッチャー,デリック
ポウリーナ ヤチ,ピア
ポウリーナ ヤチ,ピア
Original Assignee
イーライ リリー アンド カンパニー
イーライ リリー アンド カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イーライ リリー アンド カンパニー, イーライ リリー アンド カンパニー filed Critical イーライ リリー アンド カンパニー
Publication of JP2016510743A publication Critical patent/JP2016510743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152433B2 publication Critical patent/JP6152433B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/24Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against cytokines, lymphokines or interferons
    • C07K16/244Interleukins [IL]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/06Antipsoriatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/24Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against cytokines, lymphokines or interferons
    • C07K16/241Tumor Necrosis Factors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/31Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency multispecific
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/60Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments
    • C07K2317/62Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments comprising only variable region components
    • C07K2317/622Single chain antibody (scFv)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/76Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding

Description

本発明は、医薬の分野、特に腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)およびインターロイキン−17(IL−17A)に対する二重特異性抗体の新規分野である。本発明の二重特異性抗体は、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、および強直性脊椎炎(AS)の治療に有用であると考えられる。
RAは、全身性、慢性、炎症性疾患である。炎症は主に、TNFαおよびIL−17を含む、複数のサイトカインによって引き起こされる。現在、FDAにより承認されている生物学的製剤(例えば、TNFαに結合し、中和するHUMIRA(登録商標))は、患者の小集団においてRAの兆候および症状を減少させ、RAの進行を遅延させる効果を実証している。IL−17抗体はまた、関節リウマチなどの種々の自己免疫疾患についての臨床試験(セクキヌマブ、イクセキズマブ、およびブロダルマブ)において研究されている。しかしながら、炎症は複数のサイトカインによって引き起こされるため、単一抗体において2つのサイトカインを標的とすることが有益である。したがって、RA患者において炎症を緩和し、免疫反応を最小限まで減少させるためにTNFαおよびIL−17の両方を同時に標的とすることが有益である。
現在、TNFα抗体およびIL−17抗体の同時投与は、2つの別個の製品の注射または2つの異なる抗体の複合製剤の単回注射を必要とする。2つの注射は用量およびタイミングの柔軟性を許容するが、コンプライアンスおよび痛みの両方のために患者に不都合である。複合製剤はまた、用量のいくらかの柔軟性を提供できるが、2つの異なる抗体の異なる分子特性に起因して両方の抗体の化学的および物理的安定性を許容する製剤条件を見つけることはかなり困難または不可能である。さらに、同時投与または複合製剤は、患者および/または支払者の費用を増加させ得る、2つの異なる薬物療法の追加の費用に関係するのに対して、単一の二重特異性抗体は、送達される有益性に最適化される価格を可能にする。
特許文献1は、TNFαおよびIL−17に結合する二重可変ドメイン免疫グロブリン(「DVD−Ig」)を開示している。DVD−Igは、同一の特異性および同一のCDR配列を有する2つの同一の抗原結合アームを有する多特異的免疫グロブリンであり、それが結合する各抗原について二価である。各々の抗原結合アームは、可変ドメイン間に介在する定常領域を有さないタンデムに連結される2つの異なる可変ドメインを有し、各々の可変ドメインは異なる抗原に対する特異性を有する。特許文献2は、異なる特異性を有する完全な抗体に融合した一本鎖抗体を産生することによって組換えDNA技術を使用して二重特異性、四価抗体を産生する方法を開示している。この遺伝子融合は二重特異性を有する四価抗体を生じるトランスフェクションによって発現される。特許文献3は、hTNFαに結合し、中和するヒト抗体を開示している。特許文献4は、ヒトIL−17に結合し、中和する抗IL−17抗体を開示している。
上記の開示にもかかわらず、本発明の二重特性抗体を構築する場合、化学および物理的安定性に関連する重要な問題に遭遇した。多くの変更が、一本鎖断片可変領域のVH/VLインターフェースを安定化すること、熱安定性を増加させること、凝集を減少させること、および全て両方の抗原に対する結合親和性を維持しながら、二重特異性抗体の結合面における静電気分布を再平衡化することを含む、多数の問題を十分に克服するために、開始二重特異性抗体に必要とされた。
国際公開第2010/102251号 国際公開第1995/09917号 米国特許第6,090,382号 国際公開第2007/070750号
したがって、ヒトTNFαおよびヒトIL−17の両方を中和する単一の二重特異性抗体についての必要性が依然として存在する。低い凝集を示し、ヒトTNFαおよびヒトIL−17を中和する、熱的に安定、物理的に安定である二重特異性抗体を提供することが望まれる。また、ヒトTNFαおよびヒトIL−17の両方を中和する単一の二重特異性抗体を含む医薬組成物を提供し、それにより、2つの異なる別個の抗体の異なる分子特性を満たさなければならない製剤条件を見つけることの困難性を回避することが望まれる。したがって、本発明は上述の問題の1つ以上に対処することを目的とする。
本発明は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む二重特異性抗体であって、第1のポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有し、第2のポリペプチドは配列番号2のアミノ酸を有する、二重特異性抗体を提供する。
本発明は、2つの第1のポリペプチドおよび2つの第2のポリペプチドを含む二重特異性抗体であって、第1のポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有し、第2のポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列を有する、二重特異性抗体を提供する。
本発明はまた、第1のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を提供する。
本発明はさらに、第2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を提供する。
本発明は、第1および第2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を提供する。
本発明はまた、DNA分子で形質転換された哺乳動物細胞であって、細胞は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む二重特異性抗体を発現できる、哺乳動物細胞を提供する。
本発明は、2つの第1のポリペプチドおよび2つの第2のポリペプチドを含む二重特異性抗体を産生する方法であって、二重特異性抗体が発現される条件下で哺乳動物細胞を培養する工程を含む、方法を提供する。
本発明はさらに、前記方法によって産生される二重特異性抗体を提供する。
本発明はまた、治療有効量の本開示に係る二重特異性抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、関節リウマチ、乾癬性関節炎、または強直性脊椎炎を治療する方法を提供する。
本発明は、療法に使用するための本開示に係る二重特異性抗体を提供する。
本発明はさらに、関節リウマチ、乾癬性関節炎、または強直性脊椎炎の治療に使用するための医薬を製造するための本開示に係る二重特異性抗体の使用を提供する。
本発明はさらに、関節リウマチ、乾癬性関節炎、または強直性脊椎炎の治療に使用するための本開示に係る二重特異性抗体を提供する。
本発明はまた、本発明の二重特異性抗体および1種以上の医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本明細書で使用される場合、「ヒトIL−17」という用語は、2つの15kDヒトIL−17Aタンパク質(「ヒトIL−17A」としても知られている)を含むホモ二量体タンパク質、ならびに15kDヒトIL−17Aタンパク質および15kDヒトIL−17Fタンパク質(「ヒトIL−17A/F」としても知られている)を含むヘテロ二量体タンパク質を含むと理解される。
本明細書で使用される場合、「二重特異性抗体」という用語は、本明細書に記載される2つの第1のポリペプチドおよび2つの第2のポリペプチドを含むと理解される。二重特異性抗体は、各抗原に対する特異性を有する2つの異なる抗原に結合する。二重特異性抗体は、単独で各抗原または同時に各抗原に結合できる。この用語は、限定されないが、グリコシル化プロファイルを含む、二重特異性抗体に対する任意の細胞の翻訳後修飾を含むことがさらに理解される。
本発明の二重特異性抗体は2つの第1のポリペプチドおよび2つの第2のポリペプチドを含む。第1のポリペプチドの一方は第2のポリペプチドの一方と鎖間ジスルフィド結合を形成する。2つの第1のポリペプチドの各々は互いに2つの鎖間ジスルフィド結合を形成し、第1のポリペプチドの各々は少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を形成する。ポリペプチドおよびジスルフィド結合の関係は例示目的のみのための以下の略図に示される:
Figure 0006152433
第1のポリペプチドのアミノ酸配列は以下である:
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSAITWNSGHIDYADSVEGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKVSYLSTASSLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYKFTDYHIHWVRQAPGQCLEWMGVINPTYGTTDYNQRFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYDYFTGTGVYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSRSLVHSRGETYLHWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFIGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHLPFTFGCGTKLEIK(配列番号1)。
配列番号3のDNA配列を含有する発現ベクターは配列番号1のアミノ酸配列を有する第1のポリペプチドをコードする。
第2のポリペプチドのアミノ酸配列は以下である:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCQRYNRAPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号2)。
配列番号4のDNA配列を含有する発現ベクターは配列番号2のアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドをコードする。
第1のポリペプチドの1つおよび第2のポリペプチドの1つの鎖間ジスルフィド結合は、配列番号1のシステイン残基135と配列番号2のシステイン残基214との間に形成する。一方の第1のポリペプチドは他方の第1のポリペプチドと2つの鎖間ジスルフィド結合を形成する。第1の鎖間ジスルフィド結合は、配列番号1の第1のポリペプチドのシステイン残基227と、配列番号1の他方の第1のポリペプチドのシステイン残基227との間に形成する。第2の鎖間ジスルフィド結合は、配列番号1の第1のポリペプチドのシステイン残基230と、配列番号1の他方の第1のポリペプチドのシステイン残基230との間に形成する。
少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合は、第1のポリペプチドの各々において配列番号1のシステイン残基505と、配列番号1のシステイン残基705との間に形成される。
第1のポリペプチドは、第1の重鎖可変領域(HCVR1)、重鎖定常領域(CH)、第2の重鎖可変領域(HCVR2)および第2の軽鎖可変領域(LCVR2)を含む。第2のポリペプチドは、第1の軽鎖可変領域(LCVR1)および軽鎖定常領域(CL)を含む。HCVRおよびLCVR領域は、フレームワーク領域(FR)が散在している、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変領域にさらに細分されてもよい。HCVRおよびLCVRの各々は、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシル末端まで配列される、3つのCDRおよび4つのFRから構成される。
HCVR1の3つのCDRは、本明細書において、CDRH1−1、CDRH1−2、およびCDRH1−3と称される。HCVR2の3つのCDRは、CDRH2−1、CDRH2−2、およびCDRH2−3と称される。同様に、LCVR1の3つのCDRは、CDRL1−1、CDRL1−2、およびCDRL1−3と称され、LCVR2の3つのCDRは、CDRL2−1、CDRL2−2、およびCDRL2−3と称される。
CHはアミノ酸リンカー(L1)によってHCVR2に融合する。HCVR2はアミノ酸リンカー(L2)によってLCVR2に融合する。
本発明はまた、ダイアボディを含む。ダイアボディは、HCVR2およびLCVR2領域が、単一ポリペプチド鎖で発現されるが、同じ鎖の相補性ドメインと対になる可変ドメインの代わりに、可変ドメインが他の鎖の相補性ドメインと対になる、二重特異性抗体である。例えば、二重特異性抗体が、2つの第1のポリペプチド(簡便性のために、1Aおよび1B)および2つの第2のポリペプチド(簡便性のために、2Aおよび2B)を含む場合、1AポリペプチドのHCVR2は、1AポリペプチドのLCVR2と対になる代わりに、1BポリペプチドのLCVR2の相補性ドメインと対になり、その逆も同様である。本明細書に記載される二重特異性ダイアボディは、ヒトTNFαおよびヒトIL−17の両方に対する結合親和性および中和能力を維持する。
あるいは、上記の二重特異性抗体からダイアボディを精製することは有益であり得る。ダイアボディ含有量は、細胞増殖後、最大で17%になり得、精製後、1%未満まで減少し得る。
様々な領域およびリンカーの関係は以下の通りであり、Kabat番号付け法に従って、アミノ末端からカルボキシ末端まで並べられる:
Figure 0006152433
二重特異性抗体操作
本発明の二重特異性抗体を構築しているときに、化学および物理的安定性に関連する重大な問題に出くわした。例えば、高い濃度で親IL−17抗体は物理的安定性の欠点(例えば相分離)を示した。さらに、親IL−17抗体から構築した二重特異性抗体は、濃度依存性自己凝集を示した。したがって、化学および物理的安定性を改善し、濃度依存性凝集を減少させるために二重特異性抗体のCDRL2−1およびCDRH2−2部分において化学修飾を行った。LC/MSとの組み合わせにおける広範なタンパク質安定性および溶解度研究により、CDRL2−1およびCDRH2−2において化学的に不安定な残基が確認された。これらの不安定な残基をコドン欠失によって構築された標的ライブラリーを使用して電荷中性アミノ酸と置き換えた。これらの不安定な残基を置き換えることにより、改善された化学安定性が導かれた。さらに、二重特異性抗体の静電面を算出し、荷電したパッチを確認した。これらの荷電したパッチの破壊により、タンパク質自己凝集の減少が導かれた。したがって、表面静電分布を再平衡し、熱安定性を改善し、凝集を減少させ、化学安定性を改善した(特定の脱アミドおよび酸化部位を取り除く)、二重特異性抗体のCDRH2−1およびCDRL−2部分において変異が確認された。上記の修飾のどれも、親単一抗体の最初の特徴で確認されなかった。これらの変化は二重特異性抗体を構築する状況においてのみ出くわし、単一抗体の変異領域周囲の局所環境が二重特異性抗体の状況において異なることが示唆される。
二重特異性抗体凝集を減少させるためにさらなる化学修飾を行った。特に、二重特異性抗体のIL−17部分におけるVH/VLインターフェースを安定化するために化学修飾を行った。二重特異性抗体凝集の働きをする因子を決定するために行った研究により、観察されたタンパク質自己会合が、個々のVHまたはVLドメインの立体配座不安定性によって誘導されず、むしろ、VH−VLインターフェースの開口または「呼吸」によって、分子間タンパク質相互作用を導くことが示された。したがって、種々の鎖内ジスルフィド結合を二重特異性抗体のIL−17部分のVH−VLインターフェース内に導入した。1つのこのような鎖内ジスルフィド結合は配列番号1のシステイン残基505と配列番号1のシステイン残基705との間の第1のポリペプチドの各々において生じる。このジスルフィド結合は二重特異性抗体のIL−17部分においてVHおよびVLインターフェースに共有結合しており、VH−VLインターフェースを安定化し、物理的不安定性および好ましくない製剤の欠点を導き得る分子間タンパク質相互作用を減少させる。試験した9つの異なるジスルフィド結合のうち、8つが機能的タンパク質を発現し、親和性消失の大きさは約2〜約35倍の範囲であった。配列番号1のシステイン残基505と配列番号1のシステイン残基705との間の第1のポリペプチドの各々における鎖内ジスルフィド結合は、IL−17に対する最適な結合親和性を維持しながら、VH/VLインターフェースを最も安定化した。
さらに、研究により、L1についてのリンカーの長さは、二重特異性抗体の機能的活性、特に結合キネティクスに影響を与えることが示された。(表面プラズミン共鳴による)キネティクス解析により、10アミノ酸リンカーが、15アミノ酸および20アミノ酸リンカーと比較してKon速度を2倍遅延させたことが示された。したがって、15の最小リンカー長さを本発明の二重特異性抗体に導入した。
本発明の二重特異性抗体をまた、Fcγ受容体との相互作用により免疫系の活性を減少または排除するように操作した。免疫活性化は本発明の二重特異性抗体の作用の意図する機構の部分ではない。そのために、本発明の二重特異性抗体を、Fcγ受容体または補体系の成分に対する低い結合親和性を有することが知られている、IgG4アイソタイプとして構築した。さらに、2つのアラニン変異を、この結合能をさらに減少させるために下方のヒンジ領域に作製した。
二重特異性抗体結合
本発明の二重特異性抗体はヒトTNFαおよびヒトIL−17の両方に結合する。本発明の二重特異性抗体はインビトロまたはインビボで少なくとも1つのヒトTNFα生物活性および少なくとも1つのヒトIL−17生物活性を中和する。本発明の二重特異性抗体は、インビトロでIL−17、ならびにインビトロで可溶性および膜結合TNFαの両方の有効な阻害剤である。
本発明の二重特異性抗体は、約30pM〜約1pMの範囲のヒトTNFαに対する結合親和性(K)および約40pM〜約1pMの範囲のヒトIL−17Aに対する結合親和性(K)を有する。さらに、本発明の二重特異性抗体は、約50pM〜約1pMの範囲のヒトIL−17A/Fヘテロ二量体に対するKを有する。一態様において、本発明の二重特異性抗体は約21pM〜約3pMの範囲のヒトTNFαに対するKを有する。別の態様において、本発明の二重特異性抗体は約8pM〜約10pMの範囲のヒトIL−17Aに対するKを有する。
二重特異性抗体発現
作動可能に連結される遺伝子の発現を誘導できる発現ベクターは当該分野において周知である。発現ベクターは宿主細胞からポリペプチドの分泌を促進するシグナルペプチドをコードできる。シグナルペプチドは免疫グロブリンシグナルペプチドまたは異種シグナルペプチドであってもよい。第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、1つのベクターにおいて作動可能に連結される異なるプロモーターから独立して発現され得るか、または代替的に、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、2つのベクター(一方は第1のポリペプチドを発現し、他方は第2のポリペプチドを発現する)において作動可能に連結される異なるプロモーターから独立して発現され得る。
宿主細胞は、本発明の第1のポリペプチド、第2のポリペプチドまたは第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドの両方を発現する1つ以上の発現ベクターで安定または一過性にトランスフェクトされ、形質転換され、形質導入され、または感染される細胞を含む。本発明の二重特異性抗体を産生する宿主細胞株の作製および単離は当該分野において公知の標準的技術を使用して達成され得る。哺乳動物細胞は二重特異性抗体の発現に好ましい宿主細胞である。特定の哺乳動物細胞はHEK293、NS0、DG−44およびCHOである。好ましくは、二重特異性抗体は、宿主細胞が培養される培地内に分泌され、そこから本発明の二重特異性抗体が回収または精製され得る。
抗体の哺乳動物発現はグリコシル化をもたらすことは当該分野において周知である。典型的に、グリコシル化は高度に保存されたN−グリコシル化部位で抗体のFc領域において生じる。N−グリカンは、典型的に、アスパラギンに結合する。第1のポリペプチドの各々は配列番号1のアスパラギン残基300でグリコシル化される。
配列番号1のアミノ酸配列を有する第1のポリペプチドをコードする特定のDNAポリヌクレオチド配列は以下である:
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGACTATGCCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTGTCAGCTATTACTTGGAATAGTGGTCACATAGACTACGCAGACTCCGTGGAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTATATTACTGTGCGAAAGTGAGCTACCTGAGTACTGCCTCCAGCCTGGACTACTGGGGCCAAGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGAGGCGGAGGATCCGGGGGAGGGGGTTCCGGAGGAGGGGGCTCGCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGTCCTCAGTGAAGGTTTCCTGCAAGGCATCTGGTTACAAGTTCACTGACTACCATATTCATTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAATGCCTTGAGTGGATGGGAGTAATTAATCCTACTTATGGTACTACTGACTACAATCAGCGGTTCAAAGGCCGTGTCACCATTACCGCGGACGAATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATATGATTACTTTACTGGGACGGGTGTGTACTGGGGCCAAGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGTGGCGGAGGATCTGGTGGAGGTGGCTCAGGAGGTGGCGGAAGCGGCGGAGGTGGAAGTGATATTGTGATGACTCAGACTCCACTCTCCCTGTCCGTCACCCCTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAGATCTAGTAGGAGCCTTGTACACAGTCGTGGAGAAACCTATTTACATTGGTATCTGCAGAAGCCAGGCCAATCTCCACAGCTCCTAATTTATAAAGTTTCCAACCGGTTTATTGGGGTCCCAGACAGATTCAGCGGCAGTGGGTCAGGCACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGGGTGGAGGCCGAAGATGTTGGGGTTTATTACTGCTCTCAAAGTACACATCTTCCATTCACGTTTGGCTGCGGGACCAAGCTGGAGATCAAA
(配列番号3)
配列番号2のアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドをコードする特定のDNAポリヌクレオチド配列は以下である:
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCGAGTCAGGGCATTCGCAATTATTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCTCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCACTTTGCAATCAGGGGTCCCATCTCGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATGTTGCAACTTATTACTGTCAACGCTATAACCGTGCCCCTTACACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGGACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC(配列番号4)
二重特異性抗体が分泌される培地は従来の技術によって精製され得る。例えば、培地は従来の方法を使用してプロテインAまたはGカラムに適用されてもよく、プロテインAまたはGカラムから溶出されてもよい。可溶性の凝集体および多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効果的に除去され得る。生成物は、例えば−70℃にて即座に凍結されてもよく、または凍結乾燥されてもよい。
培地中に存在するダイアボディのレベルを減少させる必要があり得る。例えば、ダイアボディを含有する培地は、強カチオン交換樹脂に適用されてもよく、強カチオン交換樹脂から溶出されてもよい。例えば、SP−セファロースHP強カチオン交換樹脂は、ダイアボディから正しく折り畳まれた二重特異性抗体を精製するために使用される。ダイアボディを含有する培地のpHは、20mM Bicineを使用してpH8.1に調整される。培地を、2カラム体積の20mM Bicine(pH8.1)で洗浄した、SP−セファロースHPカラムに負荷し、20カラム体積(10〜90mM NaCl)以上の20mM Bicineおよび100mM NaCl(pH8.1)で溶出した。回収したプールは主要ピークに対して高分子量について評価できる。典型的な結果は約68%の回収率で約17%のダイアボディから1%未満のダイアボディまでの改善である。
任意に、ダイアボディは以下の非限定的な手順に従って精製できる:二重特異性抗体およびダイアボディが分泌されている無菌培地を、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)などの相溶性のある緩衝液で平衡にされているプロテインA親和性カラムに適用できる。カラムを洗浄して、非特異的結合成分を除去できる。結合した二重特異性抗体およびダイアボディは、例えばpH勾配(0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液 pH6.8〜0.1Mクエン酸ナトリウム pH2.5など)によって溶出され得る。二重特異性抗体画分は、Fc領域とScFv/ダイアボディ領域との間を切断するための制限されたリシルエンドペプチダーゼ(LysC)消化によって検出でき、続いて逆相HPLC定量分析が行われる。簡潔に述べると、15μgの試料を、50μLの全体積で20mM Tris pH8.0+0.1mg/mLヨードアセトアミド中の0.2μgのLysC(Wako、P/N 125−05061)を用いて37℃にて約20時間、消化できる。試料は、PLRP−S 50×2.1mm逆相カラム(Varian P/N PL1912−1802)に20μL(6μg)を注入することによって分析できる。流速は0.6mL/分であってもよく、カラム温度は80℃であってもよく、検出は214nmであってもよく、緩衝液Aは水中に0.05%TFAであってもよく、緩衝液Bはアセトニトリル中に0.04%TFAであってもよい。ScFvおよびダイアボディピーク(LC−MSによって以前に確認された)は適切なピークを積分することによって求めることができる。二重特異性ダイアボディを含有するカチオン交換(CEX)クロマトグラフィーからの材料は、プールでき、PBS、pH7.0中でジフィルタ(di−filtered)できる。高分子量の凝集体を除去するために、CEXプールを、PBS、pH7中で7mL/分で流すSuperdex200 50/60SECカラム上に置くことができる。二重特異性抗体プールは、SDS−PAGEおよび分析的SEC分析によって測定できる。次いでSECプールは以下の緩衝系:3.3mM MES、3.3mM Hepes、3.3mM Tris、3.3mM Bis−Trisプロパン、3.3mM CHES、3.3mM CAPS、pH5.8中で5倍に希釈できる。次いで希釈したタンパク質プールを、15mL/分にて分取ProPAC WCX−10 BioLCカチオン交換カラム(22×250mm prepスケール)に負荷できる。以前に記載した緩衝系を使用して、二重特異性ダイアボディは、45分にわたって15mL/分にてpH8.4〜pH11の線形pH勾配を使用した溶出によって二重特異性抗体から分離でき、7.5mLの画分を回収した。作製したProPac CEXプールは、分析的SEC(TSK3000)、分析的CEX(ProPac WCX−10)、ゲル分析(MES緩衝系を用いたNuPAGE)、および各画分中のダイアボディ含有量を測定するためのLysC消化に基づき得る。最終的なProPac CEXプールはPBS、pH7中で透析できる。
この精製プロセスは、ダイアボディ含有量を最大12%のダイアボディから5%未満のダイアボディまで除去し、減少させることができる。
医薬組成物および治療的使用
本発明の二重特異性抗体は、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎を治療することが予想される。「患者」とは、TNFおよび/もしくはIL−17の減少したレベルまたはTNFおよび/もしくはIL−17の減少した生物活性から利益を受ける、疾患、障害、または病態を有する哺乳動物、好ましくはヒトを指す。
「治療」および/または「治療する」は、全ての障害の症状の全体の排除を必ずしも示す必要はないが、本明細書に記載される障害の進行を遅延、遮断、停止、抑制または中断できる全てのプロセスを指すことを意図する。治療は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患または病態を治療するための本発明の二重特異性抗体の投与を含み、(a)疾患のさらなる進行を阻害すること、すなわちその発生を停止すること;および(b)疾患を軽減すること、すなわち疾患もしくは障害の退行を生じること、または症状もしくはその合併症を緩和することを含む。
本発明の二重特異性抗体は被験体への投与に適した医薬組成物に組み込まれてもよい。典型的に、医薬組成物は、本発明の二重特異性抗体および医薬的に許容可能な担体を含む。本明細書で使用する場合、「医薬的に許容可能な担体」は、生理学的に適合性のある、任意および全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。医薬的に許容可能な担体は二重特異性抗体の保存可能期間または有効性を高める少量の補助物質をさらに含んでもよい。
本発明の組成物は種々の形態であってもよい。好ましい形態は、意図する投与様式および治療用途に依存する。典型的な好ましい組成物は、他の抗体でのヒトの受動免疫に使用されるものと類似した組成物などの注射可能または注入可能溶液の形態である。好ましい投与様式は非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。一実施形態において、二重特異性抗体は皮下注射により投与される。しかしながら、当業者に理解されるように、投与経路および/または投与様式は所望の結果に応じて変化する。
本発明の医薬組成物は、「治療的に有効な量」の本発明の二重特異性抗体を含んでもよい。「治療的に有効な量」とは、所望の治療結果を達成するのに必要な投薬量および期間で有効な量を指す。二重特異性抗体の治療的に有効な量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の反応を誘発する二重特異性抗体の能力などの要因に応じて変化し得る。治療的に有効な量はまた、治療的に有益な効果が、二重特異性抗体のあらゆる毒性または有害な作用を上回るものである。
投薬レジメンは最適な所望の反応(例えば、治療反応)を提供するように調節され得る。例えば、単回ボーラスが投与されてもよく、複数回の分割用量が経時的に投与されてもよく、または用量は、治療状況の危急によって示されるように比例的に減少もしくは増加されてもよい。
用量の値は軽減される病態の種類および重症度により変化してもよい。任意の特定の被験体について、特定の用量レジメンが、個体の必要性および組成物の投与を管理または監督している専門家の判断に応じて経時的に調節されるべきであることがさらに理解される。
別の実施形態において、本発明は、自己免疫疾患、特に炎症に関連する自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎を治療する方法を提供する。典型的に、二重特異性抗体が全身的に投与されるが、特定の障害について、炎症部位における二重特異性抗体の局所投与が有益であり得る。
本発明は以下の非限定的な実施例によってさらに示される。
二重特異性抗体の発現および精製
二重特異性抗体は実質的に以下のように発現および精製され得る。配列番号3(配列番号1のアミノ酸配列を有する第1のポリペプチドをコードする)および配列番号4(配列番号2の軽鎖アミノ酸配列をコードする)のDNAを含有するグルタミン合成酵素(GS)発現ベクターは、エレクトロポレーションによってチャイニーズハムスター細胞株、CHOK1SV(Lonza Biologics PLC、Slough、United Kingdom)をトランスフェクトするために使用される。発現ベクターは、SV早期(シミアンウイルス40E)プロモーターおよびGSについての遺伝子をコードする。GSの発現は、CHOK1SV細胞によって必要とされるアミノ酸であるグルタミンの生化学的合成を可能にする。トランスフェクション後、細胞は50μMのL−メチオニンスルホキシミン(MSX)によるバルク選択を受ける。MSXによるGSの阻害は選択のストリンジェンシーを増加させるために利用される。発現ベクターcDNAを宿主細胞ゲノムの転写活性領域内に組み込んだ細胞は、GSの内因性レベルを発現する、CHOK1SV野生型細胞に対して選択される。トランスフェクトされたプールは、安定発現細胞のクローンに近い(close−to−clonal産物を可能にする低密度で播種される。マスターウェルは二重特異性抗体発現についてスクリーニングされ、次いで精製に使用するために無血清懸濁培地中でスケールアップされる。二重特異性抗体が分泌される無菌培地が、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)などの適合緩衝液で平衡化されるプロテインAアフィニティーカラムに適用される。カラムは非特異的結合成分を除去するために洗浄される。結合した二重特異性抗体は、例えば、pH勾配(0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液 pH6.8から0.1Mのクエン酸ナトリウム緩衝液 pH2.5など)によって溶出される。二重特異性抗体画分は、SDS−PAGEまたは分析的サイズ排除などによって検出され、次いでプールされる。可溶性凝集体および多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効果的に除去され得る。二重特異性抗体は、一般的な技術を使用して濃縮および/または濾過滅菌され得る。これらのクロマトグラフィー工程後の二重特異性抗体の純度は98%超である。二重特異性抗体は−70℃にて即座に凍結または数ヶ月間、4℃にて保存され得る。
TNFαおよびIL−17に対する結合親和性
TNFα
ヒトTNFαに対する二重特異性抗体の結合親和性は、ランニング緩衝液および試料希釈のためのPBS(Pierce)中のBlocker Caseinを使用して37℃にてSapidyne KinExA3000機器で溶解平衡結合アッセイを使用して測定する。ヒトTNFαは標準的なアミンカップリング化学によりNHSセファロースに固定される。試料は、20pMの一定濃度で二重特異性抗体を、200、100、50、25、12.5、6.25、3.13、1.56、0.78、0.39および0(ブランク)pMの濃度のヒトTNFαと混合することによって調製する。試料は37℃にて18時間インキュベートして、分析前に平衡に到達させる。各分析サイクルは、(1)1mL/分にて367μLのビーズを注入することによってヒトTNFαビーズのカラムを充填すること、(2)0.5mL/分にてカラムに対して10mL(20分)の二重特異性抗体/ヒトTNFα複合体を注入すること、(3)0.25mL/分にて0.5mL(2分)の緩衝液を注入して、未結合の試料を洗い流すこと、(4)1mL(30秒)の500ng/mL DyLight−649ウサギ抗ヒトIgG検出抗体(Jackson ImmunoResearch)を注入すること、(5)1.5mL/分にて2.25mL(90秒)の緩衝液を注入して、未結合の検出抗体を洗い流すこと、および(6)1N NaOHの1mL(60秒)の注入、続いてバックフラッシュによりシステムを洗浄することからなる。データは、KinExA Proソフトウェア、バージョン2.0.1.14を使用した2つの反復実験のN曲線分析を使用して適合する。平衡解離定数(K)は遊離二重特異性抗体のパーセントから算出する。本発明の二重特異性抗体は、4.4pM(0.6から16.3pMの95%信頼区間)のヒトTNFαに対するKを示した。
IL−17
ヒトIL−17に対する二重特異性抗体の結合親和性は、HBS−EP+(GE Healthcare、10mM Hepes pH7.4+150mM NaCl+3mM EDTA+0.05%界面活性剤P20)ランニング緩衝液で準備したBiacore T200機器で表面プラズモン共鳴アッセイおよび37℃に設定した分析温度を使用して測定する。全ての4つのフローセル(Fc)上で固定したプロテインA(標準的なNHS−EDCアミンカップリングを使用して生成した)を含有するCM4チップを、捕捉法を利用するために使用する。抗体試料はランニング緩衝液中での希釈によって4μg/mLにて調製する。ヒトIL−17は、ランニング緩衝液中での希釈によって80.0、40.0、20.0、10.0、5.0、2.5、1.25および0(ブランク)nMの最終濃度にて調製する。各分析サイクルは、(1)別のフローセル(Fc2、Fc3、およびFc4)上で抗体試料を捕捉すること、(2)100μL/分にて全てのフローセルに対して200μL(120秒)のヒトIL−17を注入すること、(3)解離相をモニタするために20分間、緩衝液の流れを戻すこと、(4)グリシン、pH2.0の10μL(20秒)の注入によりチップ面を再生することからなる。標準的な二重参照を使用してデータを処理し、Biacore T200評価ソフトウェア、バージョン1.0を使用して1:1結合モデルに適合して、会合速度(kon)および解離速度(koff)を求める。平衡解離定数(K)は関係K=koff/konから算出する。
Figure 0006152433
これらの結果により、本発明の二重特異性抗体がヒトTNFαおよびヒトIL−17に別々に結合できることが実証される。
ヒトTNFαおよびヒトIL−17に対する同時結合
Biacore T200機器を使用して、ヒトTNFαおよびヒトIL17が、二重特異性抗体に同時に結合できるかどうかを求める。全てのBiacore試薬および材料は、他に示さない限り、Biacoreから購入する。全ての測定は25℃で実施する。HBS−EP+緩衝液(150mM塩化ナトリウム、3mM EDTA、0.05%(w/v)界面活性剤P−20、および10mM Hepes、pH7.4)を、ランニング緩衝液および試料緩衝液として使用する。プロテインAを、アミンカップリングキットを使用してCM4センサチップのフローセル1および2上に固定する。3μg/mLに希釈した二重特異性抗体を、30μL/分にて35秒の注入によりフローセル2上で最初に捕捉して、165共鳴単位(RU)の捕捉した抗体を得る。この捕捉に続いて、緩衝液の35秒の注入を行う。次いで流量を100μL/分に増加させ、流れをフローセル1(Fc1)およびフローセル2(Fc2)に対して誘導する。TNFα結合を飽和させるために、50nMのヒトTNFαを2分間注入する。参照から差し引いたデータをFc2−Fc1として収集する。45RUの結合信号を観察する。ヒトTNFαの注入後、80nMのヒトIL−17をさらに2分間注入して、IL−17結合を飽和させる。再び、参照から差し引いたデータをFc2−Fc1として収集する。37RUのさらなる結合信号を観察する。次いで10mMグリシン、pH1.5を使用してチップ面を再生する。これらの結果により、本発明の二重特異性が、二重特異性抗体に結合する2つのリガンドからの共鳴単位の増加(最初にTNFαから45RU、次いでヒトIL−17からさらに37RU)によって示されるように、ヒトTNFαおよびヒトIL17に同時に結合できることが実証される。
HT−29細胞からのインビトロでのIL−17により誘導されるCXCL1産生の阻害
HT−29細胞はIL−17受容体を天然に発現するヒト結腸直腸腺癌上皮細胞である。ヒトIL−17とのHT−29細胞のインキュベーションは、市販のELISAを使用して測定され得る、CXCL1の産生を生じる。
20pM〜10nMの二重特異性抗体の用量範囲が評価される(二重特異性抗体のMWは200kDaである)。各試験濃度の二重特異性抗体が、50μLの2nM(最終濃度)の組換えIL−17を含有するウェルに加えられる(50μL)。試験を処理ごとに二連のウェルで実施する。アッセイ培地が「培地単独」および「IL−17単独」対照のために使用される。IL−17中和抗体(米国特許第7,838,638号)がアッセイにおける陽性対照として使用される。対照抗体を二重特異性抗体と同じモル範囲で試験する。IL−17および抗体混合物を含有するプレートを、組織培養処理した96ウェルプレート中で、60〜90分間(37℃、95%相対湿度、5%COにて)、インキュベートする。
HT−29細胞を、アッセイ培地(10%FBS、ペニシリンG(0.2U/mL)およびストレプトマイシン(0.2μg/mL)を含有するMcCoy’s 5A)中で通常のように培養する。細胞をアッセイの日の前日に収集する。細胞を1×PBSでリンスし、細胞解離緩衝液、酵素を含まないPBSを用いて培養フラスコから分離する。完全なアッセイ培地を分離した細胞に加える。次いで細胞を、室温にて5分間、310×gにて遠心分離する。細胞ペレットをアッセイ培地中で再懸濁する。細胞密度を、Invitrogen Countessを用いて測定し、20,000HT−29細胞(100μL中)を96ウェルプレートの各々に加える。96ウェルプレートを組織培養インキュベータ(37℃、95%相対湿度、5%CO)に一晩入れる。抗体/IL−17混合物(100μL)をHT−29細胞に加え、24〜48時間インキュベート(37℃、95%相対湿度、5%CO)する。
アッセイの終わりに、プレートを遠心分離し(室温にて5分間、500×g)、細胞培養培地をポリプロピレン96ウェルプレートに移し、それを密封し、−80℃にて凍結する。ELISAによりCXCL1を測定する日に、プレートを室温にて解凍する。培地中のCXCL1レベルは、製造業者の指示書に従って、CXCL1サンドイッチELISA(R&D Systems DuoSet#DY275)を用いて測定する。ELISA反応の終わりに、プレートをマイクロプレートリーダー(Molecular Devices VersaMax Tunable)で450nmにて読み取る。結果は、IL−17により誘導される反応の50%が二重特性抗体または陽性対照のいずれかにより阻害される濃度(IC50)を、データの4パラメータシグモイド適合(GraphPad Prism)を使用して算出したものとして表す。
この結果により、本発明の二重特異性抗体が、濃度依存的にHT−29細胞によってCXCL1のIL−17により誘導される分泌を阻害したことが実証される。この阻害は、陽性対照抗体[陽性対照抗体についての0.614±0.099nMに対して、0.628±0.072nMの二重特異性抗体についてのIC50(平均3回の独立した実験±SEM)]で観察されたものに匹敵するのに対して、陰性対照抗体はCXCL1産生を阻害しなかった。本発明の二重特異性抗体はIL−17を効果的に中和した。
HT−29細胞からのインビトロでのTNFにより誘導されるCXCL1産生の阻害
HT−29細胞はTNF受容体を天然に発現するヒト結腸直腸腺癌上皮細胞である。ヒトTNFαとのHT−29細胞のインキュベーションにより、市販のELISAを使用して測定され得る、CXCL1の産生が生じる。
0.5pM〜10nMの二重特異性抗体の用量範囲を評価する(二重特異性抗体のMWは200kDaである)。次いで各試験濃度の二重特異性抗体を、50μLの30pM(最終濃度)の組換えTNFαを含有するウェルに加える(50μL)。試験を処理ごとに二連のウェルで実施する。アッセイ培地は、「培地単独」および「TNF単独」対照のために使用する。TNF中和抗体(アダリムマブ)をアッセイにおいて陽性対照として使用する。対照抗体は二重特異性抗体と同じモル範囲で試験する。TNFαおよび抗体混合物を含有するプレートを、組織培養処理した96ウェルプレート中で、60〜90分間(37℃、95%相対湿度、5%COにて)、インキュベートする。
HT−29細胞を、アッセイ培地(10%FBS、ペニシリンG(0.2U/mL)およびストレプトマイシン(0.2mcg/mL)を含有するMcCoy’s 5A)中で通常のように培養する。細胞をアッセイの日の前日に収集する。細胞を1×PBSでリンスし、細胞解離緩衝液、酵素を含まないPBSを用いて培養フラスコから分離する。完全なアッセイ培地を分離した細胞に加える。次いで細胞を、室温にて5分間、310×gにて遠心分離する。細胞ペレットをアッセイ培地中で再懸濁する。細胞密度を、Invitrogen Countessを用いて測定し、20,000HT−29細胞(100μL中)を96ウェルプレートの各々に加える。96ウェルプレートを組織培養インキュベータ(37℃、95%相対湿度、5%CO)に一晩入れる。抗体/TNFα混合物をHT−29細胞に加え、24時間インキュベート(37℃、95%相対湿度、5%CO)する。
アッセイの終わりに、プレートを遠心分離し(室温にて5分間、500×g)、細胞培養培地を、ポリプロピレン96ウェルプレートに移し、それを密封し、−80℃にて凍結する。ELISAによりCXCL1を測定する日に、プレートを室温にて解凍する。培地中のCXCL1レベルを、製造業者の指示書に従ってCXCL1サンドイッチELISA(R&D Systems DuoSet#DY275)を用いて測定する。ELISA反応の終わりに、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices VersaMax Tunable)上でプレートを450nmにて読み取る。結果は、TNFにより誘導される反応の50%が二重特性抗体または陽性対照のいずれかにより阻害される濃度(IC50)を、データの4パラメータシグモイド適合(GraphPad Prism)を使用して算出したものとして表す。
この結果により、本発明の二重特異性抗体が、濃度依存的にHT29細胞によってCXCL1のTNFにより誘導される分泌を阻害することが実証される。この阻害は、陽性対照抗体[陽性対照抗体についての14.0±2pMに対して、18.8±1pMの二重特異性抗体についてのIC50(平均3回の独立した実験±SEM)]で観察されたものに匹敵するのに対して、陰性対照抗体はCXCL1産生を阻害しなかった。本発明の二重特異性抗体はTNFαを効果的に中和した。
IL−17およびTNFの組み合わせによって誘導されるHT−29細胞からのCXCL1産生の阻害
上記のように、HT−29細胞はIL−17およびTNF受容体を天然に発現するヒト結腸直腸腺癌細胞である。ヒトTNFαおよびヒトIL−17とのHT−29細胞のインキュベーションにより、市販のELISAを使用して測定され得る、CXCL1の産生が生じる。
抗体を一定用量の4nMにて試験する(二重特異性抗体のMWは200kDaである)。次いで二重特異性抗体を、50μLの3pM組換えTNFαおよび50μLの200pM組換えIL−17を含有するウェルに加える(50μL)。試験は処理ごとに5つの反復ウェルにおいて実施する。アッセイ培地は、「培地単独」および「IL−17+TNF単独」のために使用する。抗IL−17抗体(米国特許第7,838,638号);抗TNFα抗体(アダリムマブ);および抗IL−17抗体/抗TNF抗体の組み合わせをアッセイにおける対照として使用する。対照抗体を二重特異性抗体と同じモル範囲で試験する。TNF+IL−17および抗体混合物を含有するプレートを、組織培養処理した96ウェルプレート中で60〜90分間(37℃、95%相対湿度、および5%COにて)、インキュベートする。
HT−29細胞を、アッセイ培地[10%FBS、ペニシリンG(0.2U/mL)およびストレプトマイシン(0.2mcg/mL)を含有するMcCoy’s 5A]中で通常のように培養する。細胞をアッセイの日の前日に収集する。細胞を1×PBSでリンスし、細胞解離緩衝液、酵素を含まないPBSを用いて培養フラスコから分離する。完全なアッセイ培地を分離した細胞に加える。次いでHT−29細胞を、室温にて5分間、310×gにて遠心分離する。細胞ペレットをアッセイ培地中で再懸濁する。細胞密度を、Invitrogen Countessを用いて測定し、20,000HT−29細胞(100μL中)を96ウェルプレートの各々に加える。96ウェルプレートを組織培養インキュベータ(37℃、95%相対湿度、5%CO)に一晩入れる。二重特異性抗体/IL−17/TNF混合物をHT−29細胞に加え、24〜48時間インキュベート(37℃、95%相対湿度、5%CO)する。
アッセイの終わりに、プレートを遠心分離し(室温にて5分間、500×g)、細胞培養培地をポリプロピレン96ウェルプレートに移し、それを密封し、−80℃にて凍結する。ELISAによりCXCL1を測定する日に、プレートを室温にて解凍する。培地中のCXCL1レベルを、製造業者の指示書に従ってCXCL1サンドイッチELISA(R&D Systems DuoSet#DY275)で測定する。ELISA反応の終わりに、プレートをマイクロプレートリーダー(Molecular Devices VersaMax Tunable)で450nmにて読み取る。その結果は、種々の抗体:二重特異性抗体0.85+/−0.12%;抗TNFα8.97+/−2.65%;抗IL−17 27+/−2.07%;抗TNFα+抗IL−17 0.59+/−1.23%とのインキュベーション後に残ったヒトCXCL1のパーセント(TNF+IL−17単独で100%である)として表す。この結果により、本発明の二重特異性抗体が、単一薬剤単独よりも良好にHT−29細胞によって同時に起こるCXCL1のTNFαおよびIL−17により誘導される分泌を阻害したことが実証される。
インビトロでのL929細胞における可溶性TNFαにより誘導される細胞毒性の阻害
L929細胞はTNF受容体を天然に発現するマウス線維肉腫細胞である。ヒトTNFαとのL929細胞のインキュベーションは反応性酸素中間体の過剰形成に起因する迅速な細胞死を生じる。細胞死は、生存細胞におけるミトコンドリアコハク酸デヒドロゲナーゼがテトラゾリウム塩をホルマザン産物に還元し、蛍光プレートリーダーで検出できる、MTT細胞毒性アッセイを使用して測定され得る。
20nM〜10pMの二重特異性抗体の用量範囲を評価する(二重特異性抗体のMWは200kDaである)。各試験濃度の二重特異性抗体(100μL)、200pg/mLの組換えヒトTNFα(100μL)、および6.25μg/mLのアクチノマイシン−D(100μL)を、L929細胞を含有するウェルに加える。試験を処理ごとに二連のウェルで実施する。TNFα中和抗体(IgG4アイソタイプでのアダリムマブ)を、アッセイにおける陽性対照として使用する。抗体混合物を含有するプレートを、室温にて60分間、インキュベートする。
L929細胞をアッセイ培地(1×DMEM Cellgro、10%FBS、1%Pen−Strep、1%MEM必須アミノ酸、1%L−グルタミン、1%ピルビン酸ナトリウム)中で通常のように培養する。アッセイの日に、細胞を1×PBS(Ca++もMg++も含まない)でリンスし、0.25%トリプシン+EDTAを含む培養フラスコから分離する。アッセイ培地によりトリプシンを不活性化する。L929細胞を、室温にて5分間、215×gにて遠心分離する。細胞ペレットをアッセイ培地中で再懸濁する。血球計を用いて細胞密度を測定し、10,000個のL929細胞(100μL中)を96ウェルプレートに加え、一晩、組織培養インキュベータ(37℃、95%相対湿度、5%CO)に入れる。抗体/TNFα/アクチノマイシン−D混合物をL929付着細胞と共に96ウェルプレートに移し、37℃、95%相対湿度、5%COにて18時間インキュベートする。アッセイ培地を取り除き、MTT基質混合物をウェル(120μL)に加える。プレートを37℃、95%相対湿度、5%COにて3時間置く。細胞死をマイクロプレートリーダー(Molecular Devices SpectraMax 190)で490nmにてプレートを読み取ることによって測定する。結果は、TNFαにより誘導される反応の50%が、データの4パラメータシグモイド適合(GraphPad Prism)を使用して、二重特異性抗体または陽性対照抗体のいずれかによって阻害される濃度(IC50)(4回の独立した実験の平均+/−SEM)として表す。
この結果により、本発明の二重特異性抗体が、226+/−52pMのIC50で用量依存的にL929細胞のTNFαにより誘導される殺傷を阻害したことが実証される。この阻害は、陽性対照抗体で観察されたもの(IC50=243+/−49pM)に匹敵したのに対して、陰性対照抗体はヒトTNFαを阻害しなかった。本発明の二重特異性抗体はヒトTNFαを効果的に中和した。
L929細胞においてインビトロで膜結合ヒトTNFαにより誘導される細胞毒性の阻害
膜結合TNFαを阻害する二重特異性抗体の能力を研究するために、TNFαの既知の切断部位を、TNF切断の非存在下で、細胞表面上で生物活性TNFαの発現を可能にすることを以前に実証した変異のセット(Muellerら、1999)を使用して不活性化する。切断されていないTNFα構築物はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に安定にトランスフェクトする。これらの細胞はフローサイトメトリーによって示されるように膜結合TNFαを発現する。ヒト非切断膜結合TNFαを発現するCHO細胞とのL929細胞のインキュベーションにより、急速なL929細胞死が生じる。
膜結合ヒトTNFαを発現するCHO細胞を、選択培地(AM2001培地、MSXを含まないCHO内部増殖培地、8mMグルタミン、GS補足物、500μg/mLのG418を有するHT補足物)中で通常のように維持する。アッセイの日に、細胞を計数し、1×PBS(Ca++もMg++も含まない)でリンスし、215×gにて5分間、遠心分離し、アクチノマイシン−D(6.25μg/mL)と一緒にL929アッセイ培地中の50,000個の細胞/mLにて再懸濁する。500個の細胞(10μL中)の細胞懸濁液を、37℃、95%相対湿度、5%COにて60分間インキュベートした各濃度の抗体混合物に加える。二重特異性抗体、ヒト非切断膜結合TNFα CHO細胞、およびアクチノマイシン−Dを含有する混合物を、L929付着細胞と共に96ウェルプレートに移し、37℃、95%相対湿度、5%COにて18時間インキュベートする。可溶性TNFαL929アッセイについての上記のようにMTT細胞毒性アッセイを使用して細胞死を測定する。結果は、TNFαにより誘導される反応の50%が、二重特異性抗体または陽性対照抗体のいずれかによって阻害される濃度(IC50)(3回の独立した実験の平均+/−SEM)として表す。
この結果により、本発明の二重特異性抗体が、646+/−89.5pMのIC50で用量依存的にヒト非切断膜結合TNFαCHO細胞によりL929細胞の殺傷を阻害したことが実証される。この阻害は、陽性対照抗体(IgG4アイソタイプでのアダリムマブ)(IC50=669+/−134pM)で観察されたものに匹敵したのに対して、陰性対照抗体はヒトTNFαを阻害しなかった。本発明の二重特異性抗体は膜結合ヒトTNFαを効果的に中和した。
インビボでのCXCL1のヒトIL−17またはTNFαにより誘導される産生物の阻害
ヒトIL−17またはTNFαの注射は、循環しているマウスCXCL1の急速および一時的な増加を導く。通常のC57BI/6Jマウス(n=7/群)を、以下を用いて皮下注射する(16.7nmol/kg):(a)二重特異性抗体、(b)陽性対照抗IL−17抗体(BAFF/IL−17二重特異性抗体)、(c)陽性対照抗TNFα抗体(IgG4アイソタイプでのアダリムマブ);または(d)陰性対照抗体(ヒトIgG4)。2日後、マウスにヒトIL−17(3μg/マウス)またはヒトTNFα(1μg/マウス)の単回の腹腔内注射を与える。サイトカインチャレンジの2時間後、マウスを屠殺し、市販のELISAを使用してCXCL1について血漿を分析する。
Figure 0006152433
この結果により、本発明の二重特異性抗体は、陰性対照抗体を与えた動物と比べて、ヒトIL−17およびTNFαにより誘導されるCXCL1産生物を有意に阻害したことが実証される(p<0.001、ANOVA、続いてTukey’s Multiple Comparison検定によって算出した)。二重特異性抗体によるCXCL1産生物の減少は陽性対照抗体で観察されたものに匹敵した。したがって、本発明の二重特異性抗体は、マウスにおいてヒトIL−17およびTNFαによって誘導される生物学的作用を効果的に中和した。
結合アッセイ
CD16a、CD32a、およびC1q
96ウェルマイクロプレートを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中1μg/mLにて、100μL/ウェルの、C末端10−Hisタグ(R&D Systems)を有するCD32aまたはC末端6−Hisタグ(R&D Systems)を有する組換えヒトCD16aでコーティングする。96ウェルマイクロプレートを、PBS中2μg/mLにて100μL/ウェルのヒトC1q(MP Biologicals)でコーティングする。プレートを密封し、4℃にて一晩インキュベートする。コーティング試薬を各ウェルから取り除き、200μL/ウェルのカゼイン遮断試薬(Thermo)を加える。プレートを密封し、室温(RT)にて1時間インキュベートする。各ウェルを洗浄緩衝液(20mM Tris,0.15M NaCl、0.1% Tween−20、pH7.5)で2回洗浄する。全てカゼイン遮断試薬中で希釈した、本発明の二重特異性抗体、ヒトIgG1陽性対照、またはヒトIgG4陰性対照の連続希釈物を各ウェル(100μL/ウェル)に加え、RTにて2時間インキュベートする(抗体は2倍連続希釈で6.25〜200μg/mLの濃度範囲で試験する)。試験は二連のウェルで実施する。次いでプレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、その後、カゼイン遮断試薬中の100μL/ウェルの1:12,500希釈のHRPコンジュゲートヤギ抗ヒトIgG、F(ab’)2(Jackson ImmunoResearchカタログ109−036−097)を加え、RTにて1時間インキュベートする。このポリクローナル抗体はヒトIgG1およびIgG4の両方を認識する(データは示さず)。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、TMB基質(Pierce、100μL/ウェル)を加える。インキュベーション時間は、CD16aについて4.5分、CD32aについて9分、およびC1qについて30分、全て暗所およびRTである。最後に、100μLの1.0NのHClを各ウェルに加える。450nmに設定した比色分析マイクロプレートリーダーを使用して吸光度を即座に測定する。
CD64
96ウェルマイクロプレートを、PBS中1μg/mLにて100μL/ウェルの、C末端6−Hisタグ(R&D Systems)を有するCD64でコーティングする。プレートを密封し、4℃にて一晩インキュベートする。コーティング試薬を各ウェルから取り除き、200μL/ウェルのカゼイン遮断試薬を加える。プレートを密封し、RTにて1時間インキュベートする。各ウェルを洗浄緩衝液で2回洗浄する。全てカゼイン遮断試薬中で希釈した、本発明の二重特異性抗体、ヒトIgG1陽性対照、またはヒトIgG4陰性対照の連続希釈物を各ウェル(100μL/ウェル)に加え、RTにて1時間インキュベートする(抗体は4倍連続希釈で0.001〜300μg/mLの濃度で試験する)。試験は二連のウェルで実施する。次いでプレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、その後、カゼイン遮断試薬中の100μL/ウェルの1:12,500希釈のHRPコンジュゲートヤギ抗ヒトIgG、F(ab’)2を加え、RTにて1時間インキュベートする。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、100μL/ウェルのTMB基質を加え、暗所中でRTにて4.5分間、インキュベートし、そのときに100μLの1.0NのHClを各ウェルに加える。450nmに設定した比色分析マイクロプレートリーダーを使用して吸光度を即座に測定する。
インビトロ結合実験の結果により、CD16a、CD32a、CD64、またはC1qのいずれかに結合する本発明の二重特異性抗体は、ヒトIgG4陰性対照抗体で観察されるものと同等であることが示される。ヒトIgG1陽性対照抗体は試験した4つ全ての分子に結合し、アッセイの有効性を実証している。
インビトロでのCD4T細胞および関節リウマチ滑膜細胞での共培養により誘導されるMMP−1、MMP−3、IL−8およびG−CSF産生の阻害
関節リウマチ(RA−FLS)を有する患者由来のヒト線維芽細胞様滑膜細胞との活性化ヒトCD4T細胞のインキュベーションにより、MMP−1、MMP−3、IL−8およびG−CSFなどの炎症性メディエータが産生され、軟骨および骨が破壊される。本発明の二重特異性抗体(二重特異性)(30nM(MWまたは200kDaに基づく))または対照抗体(Ab)を、50μLのCD4 T細胞(1:1のビーズ/細胞比のCD3/CD28 Dynabeadsで活性化した50,000個のT細胞)を含有するウェルに50μLで加える。Abを有するまたは有さない100μLの活性化したCD4 T細胞を次いで、前の晩に100μL中に播種したRA−FLS上に加える。試験を処理ごとに8〜9回の反復ウェルにおいて実施する。ヒトIgG4アイソタイプを陰性対照として使用する。IL−17中和AbおよびTNF中和Abをアッセイにおける陽性対照として使用する。対照Abを二重特異性抗体と同じモル濃度で試験した。
San Diego Blood Bankから得た軟膜[Leuko Reduction System(LRS)チャンバ]からFicoll−Paque法を使用してヒトPBMCを単離する。7mLのLRS産物をPBSで140mLにする。35mLの軟膜/PBSを15mLのFicoll/Histopaque Plus(GE Healthcare)上に置いた。管を平衡化し、中断せずに室温(RT)にて900×gで30分間、回転させる。間期細胞を血清用ピペットで採取し、PBSで2回洗浄する。単離したPBMCを、10%FBS、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100U/mL)、L−グルタミン(100単位/mL)および5×10−5Mの2−ベータメルカプトエタノールを含有するIscoves改変ダルベッコ培地中で一晩、4℃で保存する。CD4 T細胞を製造業者の指示書に従って陰性選択(Miltenyi Biotec単離キット)によって単離する。
Cell Applications,Inc.からのRA−FLS細胞を、Cell Applications,Incからの完全滑膜細胞成長培地中で通常のように培養する。RA−FLSをアッセイの日の前日に収集する。細胞を1×PBSでリンスし、トリプシン−EDTAで培養フラスコから分離する。完全なアッセイ培地を分離した細胞に加える。RA−FLSをRTにて5分間、310×gにて遠心分離する。細胞ペレットを、アッセイ培地[10%FBS、ペニシリンG(100U/mL)およびストレプトマイシン(100U/mL)を含有するアッセイ培地ダルベッコ改変イーグル培地]中で再懸濁する。細胞密度をInvitrogen Countessで測定し、10,000個のRA−FLS細胞(100μL中)を96ウェルプレートの各ウェルに加える。96ウェル平底プレートを組織培養インキュベータ(37℃、5%)中に入れる。
T細胞活性化を抗CD3および抗CD28(Gibco,Life Technologies)でコーティングしたDynabeadsで達成する。使用前に、Dynabeadsを等量の洗浄緩衝液(0.1%ウシ血清アルブミンおよび2mM EDTAを含むPBS、pH7.4)で洗浄する。ビーズをDynamagnet上に置き、1分後、上清を除去する。ビーズをDynamagnetから除去し、PBMC培地[10%FBS、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100U/mL)、L−グルタミン(100単位/mL)および5×10−5M2−ベータメルカプトエタノールを含有するIscoves改変ダルベッコ培地]中に再懸濁して、4×10ビーズ/mLの最初のビーズ濃度を得た。1.25μL中の50,000個の洗浄ビーズを50,000個のT細胞に加える。本発明の二重特異性抗体または対照抗体(Ab)を、CD3/CD28 Dynabeadsと共にCD4 T細胞上に加える。抗体を有するまたは有さないdynabead活性化CD4 T細胞を、RA−FLSを含有する96ウェルプレート上に加える。プレートを、6日間、組織培養インキュベータ(37℃、5%CO)中に入れる。
アッセイの終わりに、プレートを遠心分離し(RTにて5分間500×g)、細胞培養培地をポリプロピレン96ウェルプレートに移し、−80℃にて凍結する。ELISAによってMMP−1、MMP−3、IL−8およびG−CSFを測定する日に、プレートをRTにて解凍する。培地中のMMP−1、MMP−3、IL−8およびG−CSFレベルを製造業者の指示書に従ってサンドイッチELISA(R&D Systems DuoSet No.DY901、DY513、DY208、DY214のそれぞれ)によって測定した。ELISA反応の終わりに、プレートをマイクロプレートリーダー(Molecular Devices VersaMax Tunable)で450nmにて読み取る。結果をサイトカイン産生(ng/mL)として表す。活性化CD4 T細胞:RA−FLS共培養での本発明の二重特異性抗体によるサイトカイン阻害は、Ab処理の不在での活性化CD4 T細胞:RA−FLS共培養と比較して残ったサイトカインの平均%として示す。
Figure 0006152433
本発明の二重特性抗体は、対照Abと比較して活性化ヒトCD4 T細胞:RA−FLS共培養により誘導されたMMP−1、MMP−3、IL−8およびG−CSFの産生を阻害した。アッセイは3回実施し、同様の結果であった。
ヒト化関節炎マウスモデルにおけるインビボでの試験
ヒトTNFのトランスジェニック発現により、マウスにおいて自然発生の進行性炎症性関節炎が引き起こされる(Hayward M.D.ら、BMC Physiology.Dec 10;7:13(2007))。これらのマウスにおけるアデノ随伴ウイルス(AAV)によるヒトIL−17のさらなる発現は、自然発生の進行性多発性関節炎をさらに悪化させる。オスのヒトTNF−トランスジェニックマウス((B6.Cg(SJL)−Tg(TNF)N21、Taconic Farms、Georgetown、NY、モデル1006)は、全ての組織においてヒトTNFαの低い構成的発現を生じるプロモーターおよび安定化3’UTRを含む全ヒトTNFα遺伝子を保有する。動物を食物および水に自由にアクセスさせた状態で1ケージにつき2匹収容する。標準化したスコア付けシステムを使用して、前足および後足においてそれらの関節炎疾患をスコア付けする(前足:0=変形または腫れの証拠なし、1=足関節の軽度の腫れ、2=中度の腫れまたは軽度の変形、3=重度の腫れまたは重度の変形、4=重度の腫れおよび重度の変形。後足:0=変形または腫れの証拠なし、1=軽度の変形/足指を真っ直ぐ伸ばすことができない、2=中度の変形/足指を伸ばすことができない、3=重度中間の変形/軽度の腫れ、4=顕著な腫れを有する重度中間の変形)。8週齢のマウスに、ヒトIL−17(n=32)についての遺伝子または無関係の遺伝子(lacz、n=8)を保有するアデノ随伴ウイルス(AAV)の1×1010ゲノムコピーを静脈注射する(尾静脈を介して100uL/マウス)。ヒトIL−17のウイルス発現を、製造業者の指示書に従って市販のELISAキット(Meso Scale Discovery、Rockville、MD)を使用して尾の断片から得たマウス血漿中で検出する。平均血漿レベルは約500pg/mlのヒトIL−17である。12週齢にて、マウスを、それらの臨床関節炎スコア、ヒトIL−17血漿レベル、および体重に基づいて研究群にランダム化する。異なる抗体による処置をグループ分けの日に開始する。動物に、9週間にわたって毎週、本発明の二重特異性抗体(二重特異性)またはTNF中和抗体(TNF Ab)またはアイソタイプ対照抗体(Neg Ctrl Ab)(20nmol/kg)の2つの異なる用量(20および3.3nmol/kg)を皮下投与する。臨床関節炎スコアは通常のように盲目様式で決定する。終了時に血漿を心穿刺によって得、後肢を10%ホルマリンに固定する。後肢をEDTA中で脱塩し、トリムし、通常のように処理し、パラフィンに包埋し、切片化し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色する。関節炎スコア付けを以下の分類について行う:0〜5のスケールで炎症、骨吸収、軟骨損傷、およびパンヌス形成:20の潜在的合計について0=正常、1=最小、2=軽度、3=中度、4=顕著、5=重度。
全ての抗体を適切な濃度にてPBS中で製剤化して、200uL/マウスの皮下投与量を得る。
Figure 0006152433
このデータにより、本発明の二重特異性抗体がヒトサイトカインにより誘導される疾患の疾患モデルにおいて有効であることが実証される。
ヒト化乾癬マウスモデルのインビボ試験
乾癬のヒト化マウスモデルは、免疫不全マウスの背中の皮膚に対する乾癬患者由来のヒト非病変皮膚生検の移植に関与するモデルである。ヒト皮膚を移植した後(3〜4週後)、同じドナー由来のT細胞活性化ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を移植片内に皮内注射して、乾癬様表皮肥厚を誘導する(Wrone−SmithおよびNickoloff J.、Clin Invest.15;98(8):1878−87(1996))。
マウス(10〜27匹/群)を、PBMC注射の前日に開始して本発明の二重特異性抗体(二重特異性)(66.6、3.3または0.67nmol/kg)、TNF中和抗体(TNF Ab)(66.6または3.3nmol/kg)、PBSまたはベタメタゾン(1日2回、局所)で1週間に1回処置する。3週後、マウスを安楽死させ、移植した皮膚を単離し、表皮の厚さを測定する。
本発明の二重特異性抗体(66.6nmol/kg)はPBS対照と比較してヒト皮膚移植片の表皮厚さを有意に減少させた(p=0.047)。本発明の二重特異性抗体(66.6nmol/kg)は、TNF Ab(66.6nmol/kg)より良くヒト皮膚移植片の表皮厚さを減少させることができる(p=0.0057)。これらの結果により、乾癬のヒト化マウスモデルにおける本発明の二重特異性抗体の有効性が実証される。
Figure 0006152433
安定解析
二重特異性抗体を10mMクエン酸塩+150mM NaCl、pH6中で製剤化する。Amicon Ultra−4 30,000MWCO濃縮器(Millipore)を使用して100mg/mLにて二重特異性抗体を濃縮する。Tween−80を0.02%(v/v)の最終濃度まで加える。濃縮した試料を4週間にわたって25℃にて保存する。1週間後、および4週間後、ゼロ時点にてサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて高分子量のパーセント(%HMW)について試料を解析する。TSK G3000SW−XL(Tosoh Bioscience)カラムを使用したAgilent1100システムでSECを実施する。50mMリン酸ナトリウム+0.35M NaCl、pH7.0を、35分間、0.5mL/分で流す移動相として使用する。1uLの体積の濃縮した二重特異性抗体をカラムに注入し、280nmにてモニタする。ChemStationを使用してクロマトグラムを解析し、モノマーピークの前に溶出したピークのAUC対全AUCの比を使用して%HMWを算出する。異なる時点にて25℃に保存した試料を%HMWについて解析する。ゼロ時点にて、%HMWは1.52であり;1週間にて、%HMWは2.01であり;4週間にて、%HMWは2.37であった。
この結果により、4週間後、可溶性凝集体の有意な変化が存在しなかったので、本発明の二重特異性抗体は安定であることが実証される。
配列
HC−ScFv:配列番号1
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSAITWNSGHIDYADSVEGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKVSYLSTASSLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYKFTDYHIHWVRQAPGQCLEWMGVINPTYGTTDYNQRFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYDYFTGTGVYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSRSLVHSRGETYLHWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFIGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHLPFTFGCGTKLEIK
LC:配列番号2
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCQRYNRAPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
HC−ScFv:配列番号3
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGACTATGCCATGCACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTGTCAGCTATTACTTGGAATAGTGGTCACATAGACTACGCAGACTCCGTGGAGGGCCGGTTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCCGTATATTACTGTGCGAAAGTGAGCTACCTGAGTACTGCCTCCAGCCTGGACTACTGGGGCCAAGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGAGGCGGAGGATCCGGGGGAGGGGGTTCCGGAGGAGGGGGCTCGCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGTCCTCAGTGAAGGTTTCCTGCAAGGCATCTGGTTACAAGTTCACTGACTACCATATTCATTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAATGCCTTGAGTGGATGGGAGTAATTAATCCTACTTATGGTACTACTGACTACAATCAGCGGTTCAAAGGCCGTGTCACCATTACCGCGGACGAATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATATGATTACTTTACTGGGACGGGTGTGTACTGGGGCCAAGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGTGGCGGAGGATCTGGTGGAGGTGGCTCAGGAGGTGGCGGAAGCGGCGGAGGTGGAAGTGATATTGTGATGACTCAGACTCCACTCTCCCTGTCCGTCACCCCTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAGATCTAGTAGGAGCCTTGTACACAGTCGTGGAGAAACCTATTTACATTGGTATCTGCAGAAGCCAGGCCAATCTCCACAGCTCCTAATTTATAAAGTTTCCAACCGGTTTATTGGGGTCCCAGACAGATTCAGCGGCAGTGGGTCAGGCACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGGGTGGAGGCCGAAGATGTTGGGGTTTATTACTGCTCTCAAAGTACACATCTTCCATTCACGTTTGGCTGCGGGACCAAGCTGGAGATCAAA
LC:配列番号4
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCGAGTCAGGGCATTCGCAATTATTTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCTCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGCATCCACTTTGCAATCAGGGGTCCCATCTCGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATGTTGCAACTTATTACTGTCAACGCTATAACCGTGCCCCTTACACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGGACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
本発明は以下を提供する。
[1]
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む二重特異性抗体であって、前記第1のポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有し、前記第2のポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列を有する、二重特異性抗体。
[2]
2つの第1のポリペプチドおよび2つの第2のポリペプチドを含む、請求項1に記載の二重特異性抗体。
[3]
配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、DNA分子。
[4]
配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、DNA分子。
[5]
配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、DNA分子。
[6]
請求項3に記載のDNA分子および請求項4に記載のDNA分子を含む、哺乳動物細胞であって、前記細胞は、配列番号1のアミノ酸配列を有する第1のポリペプチドおよび配列番号2のアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドを含む二重特異性抗体を発現できる、哺乳動物細胞。
[7]
前記二重特異性抗体が発現するような条件下で請求項6に記載の哺乳動物細胞を培養する工程、および発現した二重特異性抗体を回収する工程を含む、二重特異性抗体を産生する方法。
[8]
請求項7に記載の方法によって産生された二重特異性抗体。
[9]
治療有効量の請求項2または8に記載の二重特異性抗体を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、関節リウマチ、乾癬性関節炎、または強直性脊椎炎を治療する方法。
[10]
療法に使用するための請求項2または8に記載の二重特異性抗体。
[11]
関節リウマチ、乾癬性関節炎、または強直性脊椎炎の治療に使用するための請求項2または8に記載の二重特異性抗体。
[12]
請求項2または8に記載の二重特異性抗体と、1種以上の医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。

Claims (9)

  1. 第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む抗TNF抗IL−17二重特異性抗体であって、前記第1のポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有し、前記第2のポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列を有する、二重特異性抗体。
  2. 2つの第1のポリペプチドおよび2つの第2のポリペプチドを含む、請求項1に記載の二重特異性抗体。
  3. 配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含み、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、DNA分子。
  4. 配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子および配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むDNA分子を含む、哺乳動物細胞であって、前記細胞は、配列番号1のアミノ酸配列を有する第1のポリペプチドおよび配列番号2のアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドを含む抗TNF抗IL−17二重特異性抗体を発現できる、哺乳動物細胞。
  5. 前記二重特異性抗体が発現するような条件下で請求項に記載の哺乳動物細胞を培養する工程、および発現した二重特異性抗体を回収する工程を含む、二重特異性抗体を産生する方法。
  6. 療法に使用するための請求項1又は2に記載の二重特異性抗体。
  7. 関節リウマチ、乾癬性関節炎、または強直性脊椎炎の治療に使用するための請求項1又は2に記載の二重特異性抗体。
  8. 請求項1又は2に記載の二重特異性抗体と、1種以上の医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  9. 関節リウマチ、乾癬性関節炎、または強直性脊椎炎の治療に使用するための、請求項8に記載の医薬組成物。
JP2015561514A 2013-03-08 2014-03-04 抗tnf−抗il−17二重特異性抗体 Expired - Fee Related JP6152433B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361774909P 2013-03-08 2013-03-08
US61/774,909 2013-03-08
PCT/US2014/020062 WO2014137961A1 (en) 2013-03-08 2014-03-04 Anti-tnf-anti-il-17 bispecific antibodies

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016510743A JP2016510743A (ja) 2016-04-11
JP6152433B2 true JP6152433B2 (ja) 2017-06-28

Family

ID=50343854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015561514A Expired - Fee Related JP6152433B2 (ja) 2013-03-08 2014-03-04 抗tnf−抗il−17二重特異性抗体

Country Status (16)

Country Link
US (1) US9416182B2 (ja)
EP (1) EP2964674B1 (ja)
JP (1) JP6152433B2 (ja)
KR (1) KR20150113199A (ja)
CN (1) CN105283467B (ja)
AP (1) AP2015008709A0 (ja)
AR (1) AR094872A1 (ja)
AU (1) AU2014226093A1 (ja)
BR (1) BR112015018203A2 (ja)
CA (1) CA2896888C (ja)
EA (1) EA201591478A1 (ja)
ES (1) ES2654681T3 (ja)
MX (1) MX2015011957A (ja)
TW (1) TW201444867A (ja)
WO (1) WO2014137961A1 (ja)
ZA (1) ZA201506568B (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104628846B (zh) * 2013-11-06 2019-12-06 三生国健药业(上海)股份有限公司 重组蛋白质的纯化方法
US11548940B2 (en) 2014-05-15 2023-01-10 Rani Therapeutics, Llc Anti-interleukin antibody preparations for delivery into a lumen of the intestinal tract using a swallowable drug delivery device
US10220076B2 (en) 2014-05-15 2019-03-05 Incube Labs, Llc Pharmaceutical compositions and methods for fabrication of solid masses comprising glucose regulating proteins
WO2015191783A2 (en) 2014-06-10 2015-12-17 Abbvie Inc. Biomarkers for inflammatory disease and methods of using same
AR102417A1 (es) 2014-11-05 2017-03-01 Lilly Co Eli Anticuerpos biespecíficos anti-tnf- / anti-il-23
TW201639596A (zh) * 2015-01-24 2016-11-16 艾伯維有限公司 用於治療牛皮癬性關節炎之組合物及方法
AR103477A1 (es) * 2015-01-28 2017-05-10 Lilly Co Eli Compuestos de vegfa / ang2
CR20180365A (es) 2015-12-16 2018-09-28 Amgen Inc PROTEÍNAS DE UNIÓN AL ANTÍGENO BISPECÍFICO DE ANTI-TL1A/ANTI-TNF-a Y SUS USOS
GB201522391D0 (en) * 2015-12-18 2016-02-03 Ucb Biopharma Sprl Antibody molecules
CN106661117B (zh) * 2015-12-30 2020-11-17 深圳先进技术研究院 IgG杂合型抗TNFα和IL-17A双特异性抗体
EP3408293A4 (en) * 2016-01-28 2019-09-11 Janssen Biotech, Inc. BISPECIFIC ANTI-TNF-ALPHA / IL-17A ANTIBODY ANTIBODIES AND ANTI-TNF-ALPHA ANTIBODIES AND METHODS OF USE
RU2680011C2 (ru) * 2016-04-29 2019-02-14 Закрытое Акционерное Общество "Биокад" Триспецифические антитела против il-17a, il-17f и другой провоспалительной молекулы
WO2018008750A1 (ja) * 2016-07-08 2018-01-11 TAK-Circulator株式会社 インターロイキン6、インターロイキン13、tnf、g-csf、cxcl1、cxcl2、又はcxcl5に起因する疾病の予防又は治療剤をスクリーニングする方法、及びインターロイキン6、インターロイキン13、tnf、g-csf、cxcl1、cxcl2、又はcxcl5に起因する疾病の予防又は治療剤
CN107857818A (zh) * 2017-08-07 2018-03-30 上海科新生物技术股份有限公司 一种针对IL‑17和TNF‑α的双特异性融合蛋白
EP3483180A1 (en) * 2017-11-14 2019-05-15 Affilogic Multi specific molecules
TWI825214B (zh) * 2018-11-05 2023-12-11 中國大陸商北京韓美藥品有限公司 抗TNFα/抗IL-17A天然抗體結構樣異源二聚體形式雙特異抗體及其製備
WO2020157305A1 (en) 2019-01-31 2020-08-06 Numab Therapeutics AG Multispecific antibodies having specificity for tnfa and il-17a, antibodies targeting il-17a, and methods of use thereof
KR102323342B1 (ko) * 2019-04-26 2021-11-08 주식회사 와이바이오로직스 IL-17A 및 TNF-α에 특이적으로 결합하는 이중표적 항체
WO2022072291A1 (en) * 2020-09-30 2022-04-07 Amgen Inc. Cation exchange chromatography process
CN117529506A (zh) * 2021-06-11 2024-02-06 海南先声药业有限公司 抗人il-17抗体和taci的双功能融合蛋白分子
CN114380917B (zh) * 2022-03-25 2022-06-14 南京融捷康生物科技有限公司 针对IL-17A和TNFα的双特异性单域抗体及其用途

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995009917A1 (en) * 1993-10-07 1995-04-13 The Regents Of The University Of California Genetically engineered bispecific tetravalent antibodies
US6090382A (en) 1996-02-09 2000-07-18 Basf Aktiengesellschaft Human antibodies that bind human TNFα
US8367805B2 (en) 2004-11-12 2013-02-05 Xencor, Inc. Fc variants with altered binding to FcRn
US8802820B2 (en) * 2004-11-12 2014-08-12 Xencor, Inc. Fc variants with altered binding to FcRn
KR101158959B1 (ko) 2005-12-13 2012-07-09 일라이 릴리 앤드 캄파니 항-il-17 항체
SI2808343T1 (sl) * 2007-12-26 2019-10-30 Xencor Inc Fc-variante s spremenjeno vezavo na FcRn
EP2810652A3 (en) 2009-03-05 2015-03-11 AbbVie Inc. IL-17 binding proteins
AR090626A1 (es) * 2012-04-20 2014-11-26 Lilly Co Eli Anticuerpos anti-baff-anti-il-17 biespecificos

Also Published As

Publication number Publication date
CA2896888C (en) 2017-11-21
US20140255406A1 (en) 2014-09-11
BR112015018203A2 (pt) 2017-08-22
KR20150113199A (ko) 2015-10-07
WO2014137961A1 (en) 2014-09-12
EP2964674B1 (en) 2017-11-08
EP2964674A1 (en) 2016-01-13
EA201591478A1 (ru) 2016-03-31
AR094872A1 (es) 2015-09-02
CA2896888A1 (en) 2014-09-12
AP2015008709A0 (en) 2015-09-30
US9416182B2 (en) 2016-08-16
CN105283467B (zh) 2019-04-02
JP2016510743A (ja) 2016-04-11
CN105283467A (zh) 2016-01-27
ES2654681T3 (es) 2018-02-14
AU2014226093A1 (en) 2015-07-23
TW201444867A (zh) 2014-12-01
MX2015011957A (es) 2016-04-07
ZA201506568B (en) 2017-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6152433B2 (ja) 抗tnf−抗il−17二重特異性抗体
JP6216772B2 (ja) 抗baff−抗il−17二重特異性抗体
CA2959551C (en) Anti-tnf-/anti-il-23 bispecific antibodies
KR102602539B1 (ko) Fc-융합 고친화성 IgE 수용체 알파 사슬
US20200277366A1 (en) MULTI-SPECIFIC ANTIBODY MOLECULES HAVING SPECIFICITY FOR TNF-ALPHA, IL-17A and IL-17F
BR112020025030A2 (pt) anticorpos que compreendem um polipeptídeo inserido na região de framework 3
US11667704B2 (en) Anti-IL-17 antibody/TNFR ECD fusion protein and use thereof
CN104231086B (zh) 双功能融合蛋白及其制备方法和用途
WO2015113494A1 (zh) 双功能融合蛋白及其制备方法和用途
KR20190067771A (ko) 인터루킨-6의 인간 수용체에 결합가능한 항체 또는 항원 결합성 단편
WO2020093990A1 (zh) 抗TNFα/抗IL‐17A天然抗体结构样异源二聚体形式双特异抗体及其制备
WO2016070769A1 (zh) 同时阻断b7/cd28和il6/il6r/gp130信号通路的重组融合蛋白
JP6592600B2 (ja) 抗cgrp/抗il−23二重特異性抗体及びその使用
RU2796254C2 (ru) Антитела, содержащие полипептид, встроенный в участок каркасной области 3
JP6529602B2 (ja) 抗cd20/抗baff二重特異性抗体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160802

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6152433

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees