JP6152345B2 - 添加剤を含む安定ヒドロゲル組成物 - Google Patents

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Description

(相互参照)
本特許出願は、2010年1月13日出願の米国特許出願第12/687,048号の一部継続出願である、2010年2月26日出願の米国特許出願第12/714,377号の一部継続出願である、2010年11月30日出願の米国特許出願第12/956,542号の一部継続出願である、2011年1月13日出願の米国特許出願第13/005,860号の一部継続出願であり、これら3つの出願のそれぞれの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
皮膚の老化は進行性の現象であり、長期間にわたって起こり、生活要因、例えば、アルコール消費、タバコ、および日光への曝露により影響を受け得る。顔面皮膚の老化は、萎縮、緩み、および肥満により特徴付けることができる。萎縮は、皮膚組織の厚みの大幅な低減に相当する。皮下組織の緩みは、過剰な皮膚そして下垂につながり、頬および眼瞼が垂れ下がった外観を生じる。肥満とは、顔面および首の底部の膨張による超過体重の増大を指す。これらの変化は、典型的には、乾燥、弾性の喪失、および肌理の粗さを伴う。
ヒアルロン酸(HA)としても知られているヒアルロナンは、結合組織、上皮組織、および神経組織中でヒトの身体全体に広範に分布する非硫酸化グリコサミノグリカンである。ヒアルロナンは、皮膚の異なる層中に豊富に存在し、例えば、良好な水和を保証すること、細胞外マトリックスの組織化を助けること、充填物質として作用すること、および組織修復機序に関与すること等の多重機能を有する。しかしながら、年齢に伴って、皮膚中に存在するヒアルロナン、コラーゲン、エラスチン、および他のマトリックスポリマーの量が減少する。例えば、日光からの紫外線への反復曝露により、皮膚細胞はヒアルロナンの産生を減少し、その分解速度が増大することの両方が起こる。このヒアルロナン損失は、種々の皮膚状態、例えば、不完全、欠損、疾患、および/または障害等を生じる。例えば、皮膚中の含水量と皮膚組織中のヒアルロナンレベルとの間には強力な相関関係がある。皮膚が老化すると、皮膚中のヒアルロナンの量および質が低減する。これらの変化により、皮膚が乾燥し、皺が生じる。
皮膚充填剤は、これらの皮膚状態を治療するために、失われた内因性マトリックスポリマーに取って代わり得るため、あるいは存在するマトリックスポリマーの機能を増強/助長するため、軟部組織状態の治療および他の皮膚療法において有用である。従来、このような組成物は、皺、皮膚線、襞、瘢痕を充填するため、そして皮膚組織を増強するために、例えば薄唇をふっくらとさせる、またはくぼんだ眼もしくは浅い頬に充填するために、美容用途に用いられてきた。皮膚充填剤組成物中に用いられるある一般的なマトリックスポリマーが、ヒアルロナンである。ヒアルロナンは、ヒト身体に対して自然であるため、一般的に良好な耐容性を示し、広範な種々の皮膚状態のためのかなり危険性の低い治療である。
元来、ヒアルロナンを含む組成物は、天然ポリマーから作製され、非架橋状態で存在する。天然ヒアルロナンは優れた生体的合成および水分子に対する親和性を示すが、皮膚充填剤としては不十分な生体力学的特性を示す。Tezel and Fredrickson,The Science of Hyaluronic Acid Dermal Fillers,J.Cosmet.Laser Ther.10(1):35−42(2008)、Kablik,et al.,Comparative Physical Properties of Hyaluronic Acid Dermal Fillers,Dermatol.Surg.35 Suppl 1:302−312(2009)、Beasley,et al.,Hyaluronic Acid Fillers:A Comprehensive Review,Facial Plast.Surg.25(2):86−94(2009)、これらのそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。主な1つの理由は、このポリマーが非架橋であるため、高度に溶解性であり、したがって、皮膚領域に投与される場合に、迅速に掃去される、ということである。Tezel、上記参照、2008、Kablik、上記参照、2009、Beasley、上記参照、2009。このインビボクリアランスは、主に、ポリマーの迅速分解、主にヒアルロニダーゼによる酵素的分解、ならびにフリーラジカルによる化学的分解により達成される。したがって、非架橋ヒアルロナンポリマーを含む組成物は依然として商業的に用いられるが、投与後2〜3日以内に分解する傾向があり、したがって、皮膚改善作用を保持するためにかなり頻繁な再注射を必要とする。
これらのインビボ分解経路の作用を最小限にするために、マトリックスポリマーは互いに架橋されて、安定化ヒドロゲルを形成する。架橋マトリックスポリマーを含むヒドロゲルは、より堅い物質であるため、このようなヒドロゲルを含む皮膚充填剤は、注入部位にそのまま長く残存する。Tezel、上記参照、2008、Kablik、上記参照、2009、Beasley、上記参照、2009。さらに、これらのヒドロゲルは、そのより堅い性質が充填剤の機械的特性を改善し、充填剤が皮膚領域をより良好に持ち上げ、充填させることを可能にするため、皮膚充填剤としてより適している。Tezel、上記参照、2008、Kablik、上記参照、2009、Beasley、上記参照、2009。ヒアルロナンポリマーは、典型的には、架橋剤で架橋されて、ヒアルロナンポリマー間に共有結合を形成する。このような架橋ポリマーは、非架橋ヒアルロナン組成物よりも分解に対して耐性で、したがって、頻繁な再注射をあまり必要としない低水溶性ヒドロゲルネットワークを形成する。
現在の皮膚充填剤は、種々の副作用を伴い得る。例えば、個人への皮膚充填剤の投与は、典型的には、注射器または針を用いて実施される。このような投与は、1つ以上の望ましくない副作用、例えば個人に対する疼痛および不快感、投与部位の中および下の出血、ならびに皮膚充填剤の投与中および投与後の投与部位の周辺の掻痒、炎症、および刺激を生じ得る。本明細書中に開示される皮膚充填剤は、これらの副作用のうちの1つ以上を低減、停止、または防止する作用物質を含むヒドロゲル組成物を提供することにより、これらのおよび他の望ましくない副作用に対処する。
さらに、皮膚充填製剤は、製品が販売され得る前に厳しい要件である滅菌に耐えることができなければならない(製品は、滅菌性でなければならない)。滅菌は、蒸気滅菌、濾過、精密濾過、ガンマ線照射、ETO光により、またはこれらの方法の組み合わせにより実行され得る。皮膚充填剤は、物理的特性の実質的分解を伴わずに蒸気滅菌(オートクレーブ処理)され得ることが知られているが、皮膚充填製剤がさらなる不安定成分(例えば、酸化防止剤、抗掻痒剤、抗セルライト剤、抗瘢痕形成剤、抗炎症剤、麻酔剤、抗刺激剤、血管収縮剤、血管拡張剤、止血剤もしくは抗線維素溶解剤等の抗出血剤、剥離剤、張り付与剤、抗座瘡剤、色素沈着剤、抗色素沈着剤または保湿剤)を含有するとき、全皮膚充填製剤または少なくともさらなる(熱不安定性)作用物質は、伝統的に、例えば濾過滅菌法等による非熱処理により滅菌される。したがって、既知の皮膚充填剤製品(REVITACARE(登録商標)Bio−Revitalisation、REVITACARE(登録商標)Laboratory,Saint−Ouen−I’Aumoene,France)は、2つの別個のバイアルまたは容器中で販売されており、その一方のバイアルはHA(オートクレーブ滅菌される))を含有し、第2のバイアルは任意のさらなる成分を含有する(第2のバイアル内容物は濾過により滅菌される)。別の既知の皮膚充填剤製品NCTF(登録商標)135HA(Laboratoires Filorga,Paris,France)は、ヒアルロナンおよび任意のさらなる成分の両方を保持する単一容器中で販売されており、全て、精密濾過により滅菌されている。本明細書中に開示される皮膚充填剤は、熱処理により完全に滅菌される皮膚充填剤を開発することにより、この問題に対処し、即ち、本発明のいくつかの実施形態では、単に非熱処理、例えば濾過を用いて滅菌される構成成分はない。
本明細書は、組成物を滅菌するために用いられる熱処理後に依然として安定である皮膚状態を治療するのに有用な新規の皮膚充填剤を提供する。開示される皮膚充填剤の一態様、ならびに既知の皮膚充填剤を上回る有意な特質は、本明細書中に開示される皮膚充填剤が、1)グリコサミノグリカンポリマーおよび本明細書中に開示されるさらなる作用物質(単数または複数)を混合すること、(2)少なくとも100℃まで皮膚充填剤組成物を熱処理すること(いかなる成分の濾過滅菌もなし)によって調製され、(3)このような処理が、ヒドロゲル組成物の所望の特性を保持するというものである。開示されるヒドロゲル組成物は、オートクレーブ処理試験前および後によって示されるように、いかなる有意な分解も示さない。開示されるヒドロゲル組成物は、滅菌後の以下の特徴のうちの1つ以上の保持によって判定されるように実質的に熱安定性である:透明度(透明性および半透明性)、均質性、押出力、凝集力、ヒアルロナン濃度、作用物質(単数または複数)濃
度、浸透性、pH、または熱処理前にヒドロゲルに望まれる他の流動学的特徴。
本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物はまた、さらなる構成成分を含まないヒドロゲル組成物より大きい安定性を示し得る。理論によって束縛されることを望まないが、我々の製剤金属イオン封鎖剤に用いられる架橋グリコサミノグリカンポリマーのヒドロゲルマトリックスは、非反応性にさせ、それによりさらなる成分(以下の実施例に記載)が分解するのを防止して、蒸気滅菌中に皮膚充填製剤の分解を引き起こす。さらに、さらなる成分は、親水性であり得、蒸気滅菌中および/または患者への皮膚充填製剤の投与後にグリコサミノグリカンポリマーが分解するのを防止する。理論によって束縛されることを望まないが、皮膚充填製剤中のさらなる成分の組み込みは、注射/埋め込み部位でのフリーラジカル捕捉が抑制され得、それにより、患者投与後の皮膚充填剤持続期間が延長され得る。蒸気滅菌後、さらなる成分は、(例えば皮下注射による)投与時に、美容的または治療的作用のために皮膚充填製剤から放出され得る。
したがって、本明細書の態様は、グリコサミノグリカンポリマー、ならびに酸化防止剤、抗掻痒剤、抗セルライト剤、抗瘢痕形成剤、抗炎症剤、麻酔剤、抗刺激剤、血管収縮剤、血管拡張剤、止血剤もしくは抗線維素溶解剤等の抗出血剤、剥離剤、張り付与剤、抗座瘡剤、色素沈着剤、抗色素沈着剤、または保湿剤から選択される少なくとも1つの作用物質を含むヒドロゲル組成物を提供する。このような組成物を作製するために有用なグリコサミノグリカンポリマーとしては、コンドロイチン硫酸塩ポリマー、デルマタン硫酸塩ポリマー、ケラタン硫酸塩ポリマー、およびヒアルロナンポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書の他の態様は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を調製する方法を提供し、本方法は、a)グリコサミノグリカンポリマーおよび少なくとも1つの作用物質を混合することと、b)混合物を熱処理することと、を含み、この熱処理は、本明細書中に開示される所望のヒドロゲル特性を保持する。
本明細書のさらに他の態様は、皮膚状態の治療を必要とする個人に、皮膚状態の治療方法を提供し、本方法は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を個人の皮膚領域に投与するステップを含み、この投与は、皮膚状態を改善する。開示される組成物によって治療される皮膚状態としては、身体の部分、領域、または区域の増大、再構築、疾患、障害、欠損、または不完全が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、開示される組成物によって治療される皮膚状態としては、顔面増大、顔面再建、顔面疾患、顔面障害、顔面欠損、または顔面不完全が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、開示される組成物によって治療される皮膚状態としては、脱水症、皮膚弾性の欠如、皮膚の肌理の粗さ、皮膚の張りの欠如、皮膚のストレッチラインもしくはマーク、皮膚蒼白、皮膚のくぼみ、こけた頬、薄唇、後眼窩欠損(retro−orbital defect)、顔面の襞、または皺が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の他の態様では、ヒアルロン酸系ポリマー、ならびに抗出血剤および血管収縮剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる作用物質を含むヒドロゲル組成物が提供され、ヒドロゲル組成物は、熱処理および/または圧力処理により、例えばオートクレーブ処理により滅菌され、少なくとも100℃の熱処理を含むプロセスで滅菌される。有利にも、熱滅菌組成物は、室温で少なくとも約3ヶ月間、例えば、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約24ヶ月間、または少なくとも約36ヶ月間、実質的に安定である。
いくつかの実施形態では、抗出血剤は、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、およびセルピンの群から選択される抗線維素溶解剤である。いくつかの実施形態では、抗線維素溶解剤は、全組成物の約0.1%(w/w)〜約1.0%(w/w)の量で存在するトラネキサム酸である。
いくつかの実施形態では、血管収縮剤は、ナファゾリン、エピネフリン、メトキサミン、メチルノルエピネフリン、ノルエピネフリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、シュードエフェドリン、シネフリン、シラゾリン、キシロメタゾリン、その類似体もしくは誘導体、またはその任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、フェニレフリンは、約0.001%(w/w)〜約0.1%(w/w)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、フェニレフリンは、約100ppm〜約500ppm、例えば、約300ppm〜約400ppmの量で存在する。いくつかの実施形態では、フェニレフリンは、約400ppmの量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、全組成物の約0.1%(w/w)〜約1.0%(w/w)の量で存在する麻酔剤、例えば、リドカインまたは類似の作用物質をさらに含む。いくつかの実施形態では、リドカインは、約0.3%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、全組成物の約0.01%(w/w)〜約5%(w/w)の量で存在する抗酸化剤、例えば、マンニトールをさらに含む。
一実施形態では、架橋ヒアルロン酸系ポリマーおよび約300ppm〜約400ppmの濃度で存在するフェニレフリンを含む、注射用皮膚充填組成物が、提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、滅菌される、例えば、少なくとも100℃の熱処理を含むプロセスで、加熱滅菌されており、室温で少なくとも6ヶ月間以上、例えば、少なくとも12ヶ月間、実質的に安定である。組成物は、架橋ヒアルロン酸系ポリマーおよびフェニレフリンと混合されたリドカインをさらに含み得る。リドカインは、約0.1%(w/w)〜約1.0%(w/w)の量で存在し得る。例えば、リドカインは、約0.3%(w/w)の量で存在し得る。
いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸系ポリマーは、約5mg/g〜約40mg/gの濃度で存在し、300,000Daより大きく、約800,000Da未満の平均分子量、例えば、2,000,000Daより大きく、約5,000,000Da未満の平均分子量を有する低分子量ヒアルロナンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸系ポリマーは、高分子量ヒアルロナンおよび低分子量ヒアルロナンの両方を含み、高分子量ヒアルロナンは、2,000,000Daより大きい分子量を有し、低分子量ヒアルロナンは、1,000,000Da未満の分子量を有する。
AA2G(商標)(Hayashibara International,Okayama,Japan)としても知られている、アスコルビル−2−グルコシドの化学構造を示す。 対照、HA系ヒドロゲル+0.3%(w/w)のリドカインおよびリン酸塩緩衝液中の0.6%(w/w)のアスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))、ならびにHA系ヒドロゲル+0.6%(w/w)のアスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))および0.3%(w/w)のリドカインについての、プロコラーゲンの合成(対照に対する%)を示すグラフである。 組成物:対照、HA系ヒドロゲル+アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))およびリドカイン、ならびにHA系ヒドロゲル+アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))、リドカイン、およびTPGS中の経時的(25℃で3年間に相当)な押出し力を示すグラフである。 組成物:対照、HA系ヒドロゲル+アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))およびリドカイン、ならびにHA系ヒドロゲル+アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))、リドカイン、およびTPGS中の経時的(25℃で3年間に相当)なpHを示すグラフである。 組成物:対照、HA系ヒドロゲル+アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))、HA系ヒドロゲル+アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))およびリドカイン、ならびにHA系ヒドロゲル+アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))、リドカイン、およびTPGS中の経時的(25℃で3年間に相当)なtanδ1Hzのグラフである。 オートクレーブ処理(25℃で3年間に相当)後のアスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))、リドカイン、およびIPA(共溶離液)のHPLC分析(C18カラム、溶離液:リン酸ナトリウム緩衝液(pH=2.2)/2−プロパノール 10%、0.7mL/分;260nmで検出)である。 組成物:対照対JUVEDERM(登録商標)Ultra+リドカイン、アスコルビル−2−グルコシド(AA2G(商標))、ならびにJUVEDERM(登録商標)Ultra+リドカインにおける抗酸化剤の特性を比較するグラフである。
発明の詳細な説明
本明細書の態様は、一部は、グリコサミノグリカンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、2つ以上の異なるグリコサミノグリカンポリマーをさらに含むことができる。本明細書で使用される「グリコサミノグリカン」という用語は、「GAG」および「ムコ多糖」と同義であり、反復二糖単位からなる長い非分枝鎖多糖を指す。この反復単位は、ヘキソサミン(窒素を含有する六炭糖)と連結されるヘキソース(六炭糖)またはヘキスロン酸、およびその薬学的に許容される塩からなる。GAGファミリーのメンバーは、それらが含有するヘキソサミン、ヘキソース、またはヘキスロン酸単位の型、例えば、グルクロン酸、イズロン酸、ガラクトース、ガラクトサミン、グルコサミン)によって変化し、グリコシド結合の形状においても変化し得る。任意のグリコサミノグリカンポリマーは、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物において有用であるが、但し、このグリコサミノグリカンポリマーが、皮膚の状態を改善することを条件とする。グリコサミノグリカンの非限定例としては、コンドロイチン硫酸塩、デルマタン硫酸塩、ケラタン硫酸塩、ヒアルロナンが挙げられる。グリコサミノグリカンの許容される塩の非限定例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、およびそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物および方法に有用なグリコサミノグリカンおよびそれらの結果的に生じるポリマーは、例えば、Piron and Tholin、Polysaccharide Crosslinking,Hydrogel Preparation,Resulting Polysaccharides(s) and Hydrogel(s),uses Thereof、米国特許公開第2003/0148995号;Lebreton、Cross−Linking of Low and High Molecular Weight Polysaccharides Preparation of Injectable Monophase Hydrogels;Lebreton、Viscoelastic Solutions Containing Sodium Hyaluronate and Hydroxypropyl Methyl Cellulose,Preparation and Uses、米国特許公開第2008/0089918号;Lebreton、Hyaluronic Acid−Based Gels Including Lidocaine、米国特許公開第2010/0028438号;およびPolysaccharides and Hydrogels thus Obtained、米国特許公開第2006/0194758号;ならびにDi Napoli、Composition and Method for Intradermal Soft Tissue Augmentation、国際特許公開第WO2004/073759号に記載されており、これらのそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物および方法に有用なGAGは、市販されており、例えば、ヒアルロナン系皮膚充填剤であるJUVEDERM(登録商標)、JUVEDERM(登録商標)30、JUVEDERM(登録商標)Ultra、JUVEDERM(登録商標)Ultra Plus、JUVEDERM(登録商標)Ultra XC、およびJUVEDERM(登録商標)Ultra Plus XC(Allergan Inc,Irvine,California)等である。表1は、代表的なGAGを列挙する。
本明細書の態様は、一部は、コンドロイチン硫酸塩ポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「コンドロイチン硫酸塩ポリマー」という用語は、D−グルクロン酸(GlcA)およびN−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)の2つの単糖が交互する二糖類ならびにその薬学的に許容される塩を含む、可変長の非分枝鎖硫酸化ポリマーを指す。コンドロイチン硫酸塩ポリマーはまた、L−イズロン酸(IdoA)にエピ化されるD−グルクロン酸残基も含み得るが、この場合、その結果生じる二糖類は、デルマタン硫酸塩と称される。コンドロイチン硫酸塩ポリマーは、100を上回る個々の糖の鎖を有し得、これらのそれぞれは、可変の位置および量で硫酸化され得る。コンドロイチン硫酸塩ポリマーは、軟骨の重要な一つの構造的な構成成分であり、圧迫に対するその抵抗力の多くを提供する。任意のコンドロイチン硫酸塩ポリマーは、本明細書中に開示される組成物において有用であるが、但し、このコンドロイチン硫酸塩ポリマーが、皮膚の状態を改善することを条件とする。コンドロイチン硫酸塩の薬学的に許容される塩の非限定例としては、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸カリウム、コンドロイチン硫酸マグネシウム、コンドロイチン硫酸カルシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書の態様は、一部は、ケラタン硫酸塩ポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「ケラタン硫酸塩ポリマー」という用語は、それ自体がβ−D−ガラクトースおよびN−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)、ならびにその薬学的に許容される塩を含む二糖類単位を含む可変長のポリマーを指す。ケラタン硫酸塩の反復領域内の二糖類は、フコシル化され得、N−アセチルノイラミン酸は、鎖の末端にキャップを形成する。任意のケラタン硫酸塩ポリマーは、本明細書中に開示される組成物において有用であるが、但し、このケラタン硫酸塩ポリマーが、皮膚の状態を改善することを条件とする。ケラタン硫酸塩の薬学的に許容される塩の非限定例としては、ケラタン硫酸ナトリウム、ケラタン硫酸カリウム、ケラタン硫酸マグネシウム、ケラタン硫酸カルシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書の態様は、一部は、ヒアルロナンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「ヒアルロン酸ポリマー」という用語は、「HAポリマー」、「ヒアルロン酸ポリマー」と同義であり、および「ヒアルロン酸塩ポリマー」は、それ自体が、交互のβ−1,4およびβ−1,3グリコシド結合を介して一緒に連結されるD−グルクロン酸およびD−N−アセチルグルコサミンモノマーならびにその薬学的に許容される塩を含む、二糖類を含む陰イオン性非硫酸化グリコサミノグリカンポリマーを指す。ヒアルロナンポリマーは、動物および非動物源から精製され得る。ヒアルロナンのポリマーは、約5,000Da〜約20,000,000Daのサイズの範囲であり得る。任意のヒアルロナンポリマーは、本明細書中に開示される組成物において有用であるが、但し、このヒアルロナンが、皮膚の状態を改善することを条件とする。ヒアルロナンの薬学的に許容される塩の非限定例としては、ヒアルロナンナトリウム、ヒアルロナンカリウム、ヒアルロナンマグネシウム、ヒアルロナンカルシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書の態様は、一部は、架橋グリコサミノグリカンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「架橋」という用語は、個々のポリマー分子またはモノマー鎖をゲルのようなより安定な構造、例えば、ゲルに連結する分子間結合を指す。したがって、架橋グリコサミノグリカンポリマーは、少なくとも1つの個々のポリマー分子を別の分子に連結する少なくとも1つの分子間結合を有する。グリコサミノグリカンポリマーの架橋は、典型的には、ヒドロゲルの形成をもたらす。このようなヒドロゲルは、高い粘性を有し、微細針を通して押し出すのにかなりの力を要する。本明細書中に開示されるグリコサミノグリカンポリマーは、多官能性PEG系架橋剤、ジビニルスルホン、ジグリシジルエーテル、およびビス−エポキシド、ビスカルボジイミドが挙げられるが、これらに限定されない、ジアルデヒドおよびジスルフィド架橋剤を用いて架橋され得る。ヒアルロナン架橋剤の非限定例としては、多官能性PEG系架橋剤、例えば、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、ジビニルスルホン(DVS)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、1,2−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1,2,7,8−ジエポキシオクタン(DEO)、(フェニレンビス−(エチル)−カルボジイミドおよび1,6ヘキサメチレンビス(エチルカルボジイミド)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベラート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1−(2,3−エポキシプロピル)−2,3−エポキシシクロヘキサン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。他の有用な架橋剤は、Stroumpoulis and Tezel,Tunably Crosslinked Polysaccharide Compositions、2010年10月22日出願の米国特許出願第12/910,466号に開示されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。グリコサミノグリカンポリマーを架橋する方法の非限定例は、例えば、本明細書中に開示される組成物および方法に有用なグリコサミノグリカンポリマーに記載されており、例えば、Piron and Tholin、Polysaccharide Crosslinking,Hydrogel Preparation,Resulting Polysaccharides(s) and Hydrogel(s),uses Thereof、米国特許公開第2003/0148995号;Lebreton、Cross−Linking of Low and High Molecular Weight Polysaccharides Preparation of Injectable Monophase Hydrogels;Lebreton、Viscoelastic Solutions Containing Sodium Hyaluronate and Hydroxypropyl Methyl Cellulose,Preparation and Uses、米国特許公開第2008/0089918号;Lebreton、Hyaluronic Acid−Based Gels Including Lidocaine、米国特許公開第2010/0028438号;およびPolysaccharides and Hydrogels thus Obtained、米国特許公開第2006/0194758号;ならびにDi Napoli、Composition and Method for Intradermal Soft Tissue Augmentation、国際特許公開第WO2004/073759号に記載されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に従って、製剤中の「%」は、重量単位の重量(即ち、w/w)パーセンテージと定義される。一例として、1%(w/w)は、10mg/gの濃度を意味する。
一実施形態では、ヒドロゲル組成物は、架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、この架橋グリコサミノグリカンポリマーが、本明細書中に開示される皮膚状態を改善するのに十分な量で存在する。本実施形態の態様では、組成物は、架橋コンドロイチン硫酸塩ポリマー、架橋デルマタン硫酸塩ポリマー、架橋ケラタン硫酸塩ポリマー、架橋ヘパランポリマー、架橋ヘパラン硫酸塩ポリマー、または架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態の他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンを含み、この架橋グリコサミノグリカンは、組成物中に存在する全グリコサミノグリカンの、例えば、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、または約9重量%、または約10重量%に相当する。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンを含み、この架橋グリコサミノグリカンは、組成物中に存在する全グリコサミノグリカンの、例えば、最大で1重量%、最大で2重量%、最大で3重量%、最大で4重量%、最大で5重量%、最大で6重量%、最大で7重量%、最大で8重量%、最大で9重量%、または最大で10重量%に相当する。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンを含み、この架橋グリコサミノグリカンは、組成物中に存在する全グリコサミノグリカンの、例えば、約0重量%〜約20重量%、約1重量%〜約17重量%、約3重量%〜約15重量%、または約5重量%〜約10重量%、例えば、約11重量%、約15重量%、または約17重量%に相当する。
本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、架橋グリコサミノグリカンを含み、この架橋グリコサミノグリカンは、例えば、約2mg/g、約3mg/g、約4mg/g、約5mg/g、約6mg/g、約7mg/g、約8mg/g、約9mg/g、約10mg/g、約11mg/g、約12mg/g、約13mg/g、約13.5mg/g、約14mg/g、約15mg/g、約16mg/g、約17mg/g、約18mg/g、約19mg/g、または約20mg/gの濃度で存在する。本実施形態の他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンを含み、この架橋グリコサミノグリカンは、例えば、少なくとも1mg/g、少なくとも2mg/g、少なくとも3mg/g、少なくとも4mg/g、少なくとも5mg/g、少なくとも10mg/g、少なくとも15mg/g、少なくとも20mg/g、少なくとも25mg/g、または約40mg/gの濃度で存在する。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンを含み、この架橋グリコサミノグリカンは、例えば、最大で1mg/g、最大で2mg/g、最大で3mg/g、最大で4mg/g、最大で5mg/g、最大で10mg/g、最大で15mg/g、最大で20mg/g、最大で25mg/g、または最大で40mg/gの濃度で存在する。本実施形態の他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンを含み、この架橋グリコサミノグリカンは、例えば、約7.5mg/g〜約19.5mg/g、約8.5mg/g〜約18.5mg/g、約9.5mg/g〜約17.5mg/g、約10.5mg/g〜約16.5mg/g、約11.5mg/g〜約15.5mg/g、または約12.5mg/g〜約14.5mg/g、最大で約40mg/gの濃度で存在する。
本明細書の態様は、一部は、低分子量のヒアルロナンポリマー、高分子量のヒアルロナンポリマー、または低分子量および高分子量の両方のヒアルロナンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「高分子量」という用語は、「ヒアルロナン」に言及する場合、1,000,000Daまたはそれより大きい平均分子量を有するヒアルロナンポリマーを指す。高分子量ヒアルロナンポリマーの非限定例には、約1,500,000Da、約2,000,000Da、約2,500,000Da、約3,000,000Da、約3,500,000Da、約4,000,000Da、約4,500,000Da、および約5,000,000Daのヒアルロナンポリマーが含まれる。本明細書で使用される「低分子量」という用語は、「ヒアルロナン」に言及する場合、1,000,000Da未満の平均分子量を有するヒアルロナンポリマーを指す。低分子量ヒアルロナンポリマーの非限定例には、約200,000Da、約300,000Da、約400,000Da、約500,000Da、約600,000Da、約700,000Da、約800,000Da、および約900,000Daのヒアルロナンポリマーが含まれる。
一実施形態では、組成物は、低分子量の架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態の態様では、組成物は、例えば、約100,000Da、約200,000Da、約300,000Da、約400,000Da、約500,000Da、約600,000Da、約700,000Da、約800,000Da、または約900,000Daの平均分子量を有する架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、例えば、最大で100,000Da、最大で200,000Da、最大で300,000Da、最大で400,000Da、最大で500,000Da、最大で600,000Da、最大で700,000Da、最大で800,000Da、最大で900,000Da、または最大で950,000の平均分子量を有する架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、例えば、約100,000Da〜約500,000Da、約200,000Da〜約500,000Da、約300,000Da〜約500,000Da、約400,000Da〜約500,000Da、約500,000Da〜約950,000Da、約600,000Da〜約950,000Da、約700,000Da〜約950,000Da、約800,000Da〜約950,000Da、約300,000Da〜約600,000Da、約300,000Da〜約700,000Da、約300,000Da〜約800,000Da、または約400,000Da〜約700,000Daの平均分子量を有する架橋ヒアルロナンポリマーを含む。
別の実施形態では、組成物は、高分子量の架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態の態様では、組成物は、例えば、約1,000,000Da、約1,500,000Da、約2,000,000Da、約2,500,000Da、約3,000,000Da、約3,500,000Da、約4,000,000Da、約4,500,000Da、または約5,000,000Daの平均分子量を有する架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、例えば、少なくとも1,000,000Da、少なくとも1,500,000Da、少なくとも2,000,000Da、少なくとも2,500,000Da、少なくとも3,000,000Da、少なくとも3,500,000Da、少なくとも4,000,000Da、少なくとも4,500,000Da、または少なくとも5,000,000Daの平均分子量を有する架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、例えば、約1,000,000Da〜約5,000,000Da、約1,500,000Da〜約5,000,000Da、約2,000,000Da〜約5,000,000Da、約2,500,000Da〜約5,000,000Da、約2,000,000Da〜約3,000,000Da、約2,500,000Da〜約3,500,000Da、または約2,000,000Da〜約4,000,000Daの平均分子量を有する架橋ヒアルロナンポリマーを含む。
また別の実施形態では、組成物は、架橋ヒアルロナンポリマーを含み、この架橋ヒアルロナンポリマーは、高分子量ヒアルロナンポリマーおよび低分子量ヒアルロナンポリマーの両方の種々の割合での組み合わせを含む。本実施形態の態様では、組成物は、架橋ヒアルロナンポリマーを含み、この架橋ヒアルロナンポリマーは、高分子量ヒアルロナンポリマーおよび低分子量ヒアルロナンポリマーの両方の約20:1、約15:1、約10:1、約5:1、約1:1、約1:5 約1:10、約1:15、または約1:20の割合での組み合わせを含む。
本明細書の態様は、一部は、ある程度の架橋を有する架橋グリコサミノグリカンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「架橋の程度」という用語は、グリコサミノグリカンポリマー単量体単位、例えば、架橋剤と結合されるヒアルロナンの二糖類単量体単位のパーセンテージを指す。架橋の程度は、架橋剤のグリコサミノグリカンに対する重量パーセント比として表される。
本明細書の態様は、一部は、非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「非架橋」という用語は、個々のグリコサミノグリカンポリマー分子またはモノマー鎖を連結する分子間結合の欠如を指す。したがって、非架橋グリコサミノグリカンポリマーは、分子間結合によりいかなる他のグリコサミノグリカンポリマーにも連結されない。本実施形態の態様では、組成物は、非架橋コンドロイチン硫酸塩ポリマー、非架橋デルマタン硫酸塩ポリマー、非架橋ケラタン硫酸塩ポリマー、非架橋ヘパランポリマー、非架橋ヘパラン硫酸塩ポリマー、または非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。非架橋グリコサミノグリカンポリマーは、水溶性であり、一般的に、自然では流体のままである。したがって、非架橋グリコサミノグリカンポリマーは、しばしば、滑剤としてグリコサミノグリカンポリマー系ヒドロゲル組成物と混合されて、微細針を通した組成物の押出しプロセスを助長する。
一実施形態では、組成物は、非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、この非架橋グリコサミノグリカンポリマーは、本明細書中に開示される皮膚状態を改善するのに十分な量で存在する。本実施形態の態様では、組成物は、非架橋グリコサミノグリカンを含み、この非架橋グリコサミノグリカンは、例えば、約2mg/g、約3mg/g、約4mg/g、約5mg/g、約6mg/g、約7mg/g、約8mg/g、約9mg/g、約10mg/g、約11mg/g、約12mg/g、約13mg/g、約13.5mg/g、約14mg/g、約15mg/g、約16mg/g、約17mg/g、約18mg/g、約19mg/g、約20mg/g、約40mg/g、または約60mg/gの濃度で存在する。本実施形態の他の態様では、組成物は、非架橋グリコサミノグリカンを含み、この非架橋グリコサミノグリカンは、少なくとも1mg/g、少なくとも2mg/g、少なくとも3mg/g、少なくとも4mg/g、少なくとも5mg/g、少なくとも10mg/g、少なくとも15mg/g、少なくとも20mg/g、少なくとも25mg/g、少なくとも35mg/g、または少なくとも40mg/gの濃度で存在する。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、非架橋グリコサミノグリカンを含み、この非架橋グリコサミノグリカンは、例えば、最大で1mg/g、最大で2mg/g、最大で3mg/g、最大で4mg/g、最大で5mg/g、最大で10mg/g、最大で15mg/g、最大で20mg/g、または最大で25mg/gの濃度で存在する。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、非架橋グリコサミノグリカンを含み、この非架橋グリコサミノグリカンは、例えば、約1mg/g〜約60mg/g、約10mg/g〜約40mg/g、約7.5mg/g〜約19.5mg/g、約8.5mg/g〜約18.5mg/g、約9.5mg/g〜約17.5mg/g、約10.5mg/g〜約16.5mg/g、約11.5mg/g〜約15.5mg/g、または約12.5mg/g〜約14.5mg/gの濃度で存在する。
一実施形態では、組成物は、低分子量の非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態の態様では、組成物は、例えば、約100,000Da、約200,000Da、約300,000Da、約400,000Da、約500,000Da、約600,000Da、約700,000Da、約800,000Da、または約900,000Daの平均分子量を有する非架橋ヒアルロナンを含む。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、例えば、最大で100,000Da、最大で200,000Da、最大で300,000Da、最大で400,000Da、最大で500,000Da、最大で600,000Da、最大で700,000Da、最大で800,000Da、最大で900,000Da、または最大で950,000の平均分子量を有する非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、例えば、約100,000Da〜約500,000Da、約200,000Da〜約500,000Da、約300,000Da〜約500,000Da、約400,000Da〜約500,000Da、約500,000Da〜約950,000Da、約600,000Da〜約950,000Da、約700,000Da〜約950,000Da、約800,000Da〜約950,000Da、約300,000Da〜約600,000Da、約300,000Da〜約700,000Da、約300,000Da〜約800,000Da、または約400,000Da〜約700,000Daの平均分子量を有する非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。
別の実施形態では、組成物は、高分子量の非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態の態様では、組成物は、例えば、約1,000,000Da、約1,500,000Da、約2,000,000Da、約2,500,000Da、約3,000,000Da、約3,500,000Da、約4,000,000Da、約4,500,000Da、または約5,000,000Daの平均分子量を有する非架橋ヒアルロナンを含む。本実施形態の他の態様では、組成物は、例えば、少なくとも1,000,000Da、少なくとも1,500,000Da、少なくとも2,000,000Da、少なくとも2,500,000Da、少なくとも3,000,000Da、少なくとも3,500,000Da、少なくとも4,000,000Da、少なくとも4,500,000Da、または少なくとも5,000,000Daの平均分子量を有する非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、例えば、約1,000,000Da〜約5,000,000Da、約1,500,000Da〜約5,000,000Da、約2,000,000Da〜約5,000,000Da、約2,500,000Da〜約5,000,000Da、約2,000,000Da〜約3,000,000Da、約2,500,000Da〜約3,500,000Da、または約2,000,000Da〜約4,000,000Daの平均分子量を有する非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。さらに他の態様では、組成物は、例えば、2,000,000Daより大きく約3,000,000Da未満、2,000,000Daより大きく約3,500,000Da未満、2,000,000Daより大きく約4,000,000Da未満、2,000,000Daより大きく約4,500,000Da未満、2,000,000Daより大きく約5,000,000Da未満の平均分子量を有する非架橋ヒアルロナンを含む。
別の実施形態では、組成物は、非架橋ヒアルロナンポリマーを含み、この非架橋ヒアルロナンは、高分子量ヒアルロナンポリマーおよび低分子量ヒアルロナンポリマーの両方の種々の割合での組み合わせを含む。本実施形態の態様では、組成物は、非架橋ヒアルロナンポリマーを含み、この非架橋ヒアルロナンポリマーは、高分子量ヒアルロナンポリマーおよび低分子量ヒアルロナンポリマーの両方の約20:1、約15:1、約10:1、約5:1、約1:1、約1:5 約1:10、約1:15、または約1:20の割合での組み合わせを含む。
本明細書の態様は、一部は、実質的非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「実質的非架橋」という用語は、組成物の少なくとも90重量%のレベルでの本明細書中に開示される組成物中の非架橋グリコサミノグリカンポリマーの存在を指し、組成物の多くても10重量%の残りのものは、架橋グリコサミノグリカンポリマーを含む他の構成成分からなる。本実施形態の態様では、組成物は、実質的非架橋コンドロイチン硫酸塩ポリマー、実質的非架橋デルマタン硫酸塩ポリマー、実質的非架橋ケラタン硫酸塩ポリマー、実質的非架橋ヘパランポリマー、実質的非架橋ヘパラン硫酸塩ポリマー、または実質的非架橋ヒアルロナンポリマーを含む。本実施形態の他の態様では、組成物は、非架橋グリコサミノグリカンを含み、この非架橋グリコサミノグリカンは、組成物中に存在する全グリコサミノグリカンの、例えば、約90重量%以上、約91重量%以上、約92重量%以上、約93重量%以上、約94重量%以上、約95重量%以上、約96重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、約99%重量%以上、または約100重量%に相当する。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、非架橋グリコサミノグリカンを含み、この非架橋グリコサミノグリカンは、組成物中に存在する全グリコサミノグリカンの、例えば、約90重量%〜約100重量%、約93重量%〜約100重量%、約95重量%〜約100重量%、または約97重量%〜約100重量%に相当する。
本明細書の態様は、一部は、架橋グリコサミノグリカンポリマーを本質的に含有しないヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「本質的に含有しない(または「本質的に〜からなる」)」という用語は、微量の架橋マトリックスポリマーのみが検出され得る組成物を指す。本実施形態の一態様では、組成物は、架橋コンドロイチン硫酸塩ポリマーを本質的に含有しないコンドロイチン硫酸塩、架橋デルマタン硫酸塩ポリマーを本質的に含有しないデルマタン硫酸塩、架橋ケラタン硫酸塩ポリマーを本質的に含有しないケラタン硫酸塩、架橋ヘパランポリマーを本質的に含有しないヘパラン、架橋ヘパラン硫酸塩ポリマーを本質的に含有しないヘパラン硫酸塩、または架橋ヒアルロナンポリマーを本質的に含有しないヒアルロナン硫酸塩を含む。
本明細書の態様は、一部は、架橋グリコサミノグリカンポリマーを全く含有しないヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「全く含有しない」という用語は、用いられている機器またはプロセスの検出範囲内で架橋グリコサミノグリカンポリマーが検出され得ないか、またはその存在が確認され得ない組成物を指す。本実施形態の一態様では、組成物は、架橋コンドロイチン硫酸塩ポリマーを全く含有しないコンドロイチン硫酸塩、架橋デルマタン硫酸塩ポリマーを全く含有しないデルマタン硫酸塩、架橋ケラタン硫酸塩ポリマーを全く含有しないケラタン硫酸塩、架橋ヘパランポリマーを全く含有しないヘパラン、架橋ヘパラン硫酸塩ポリマーを全く含有しないヘパラン硫酸塩、または架橋ヒアルロナンポリマーを全く含有しないヒアルロナン硫酸塩を含む。
本明細書の態様は、一部は、ある比率の架橋グリコサミノグリカンポリマーおよび非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含むヒドロゲル組成物を提供する。架橋および非架橋グリコサミノグリカンポリマーのこの比率はまた、ゲル:流体比としても知られている。任意のゲル:流体比は、本明細書中に開示される組成物を作製する際に有用であるが、但し、このような比率は、本明細書中に開示される皮膚状態を改善する本明細書中に開示される組成物を生成することを条件とする。ゲル:流体比の非限定例には、100:0、98:2、90:10、75:25、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、25:75、10:90、2:98、および0:100が含まれる。
本実施形態の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンポリマーおよび非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、このゲル:流体比は、例えば、約0:100、約1:99、約2:98、約3:97、約4:96、約5:95、約6:94、約7:93、約8:92、約9:91、または約10:90である。本実施形態の他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンポリマーおよび非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、このゲル:流体比は、例えば、最大で1:99、最大で2:98、最大で3:97、最大で4:96、最大で5:95、最大で6:94、最大で7:93、最大で8:92、最大で9:91、または最大で10:90である。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンポリマーおよび非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、このゲル:流体比は、例えば、約0:100〜約3:97、約0:100〜約5:95、または約0:100〜約10:90である。
本実施形態の他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンポリマーおよび非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、このゲル:流体比は、例えば、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、約50:50、約55:45、約60:40、約65:35、約70:30、約75:25、約80:20、約85:15、約90:10、約95:5、約98:2、または約100:0である。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンポリマーおよび非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、このゲル:流体比は、例えば、最大で15:85、最大で20:80、最大で25:75、最大で30:70、最大で35:65、最大で40:60、最大で45:55、最大で50:50、最大で55:45、最大で60:40、最大で65:35、最大で70:30、最大で75:25、最大で80:20、最大で85:15、最大で90:10、最大で95:5、最大で98:2、または最大で100:0である。本実施形態のさらに他の態様では、組成物は、架橋グリコサミノグリカンポリマーおよび非架橋グリコサミノグリカンポリマーを含み、このゲル:流体比は、例えば、約10:90〜約70:30、約15:85〜約70:30、約10:90〜約55:45、約80:20〜約95:5、約90:10〜約100:0、約75:25〜約100:0、または約60:40〜約100:0である。
本明細書の態様は、一部は、組成物が個人に投与される場合に有益な作用を与える別の作用物質または作用物質の組み合わせをさらにまたは任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。このような有益な作用物質としては、酸化防止剤、抗掻痒剤、抗セルライト剤、抗瘢痕形成剤、抗炎症剤、麻酔剤、抗刺激剤、血管収縮剤、血管拡張剤、止血剤もしくは抗線維素溶解剤等の抗出血剤、剥離剤、張り付与剤、抗座瘡剤、色素沈着剤、抗色素沈着剤、または保湿剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書の態様は、一部は、麻酔剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。麻酔剤は、好ましくは、局所麻酔剤、即ち、可逆的局所知覚麻痺および痛覚の喪失を引き起こす麻酔剤、例えば、アミノアミド局所麻酔剤およびアミノエステル局所麻酔剤等である。本明細書中に開示される組成物中に含まれる麻酔剤の量は、組成物の投与時に個人が経験する疼痛を緩和するのに有効な量である。したがって、本明細書中に開示される組成物中に含まれる麻酔剤の量は、全組成物の約0.1重量%〜約5重量%である。麻酔剤の非限定例としては、リドカイン、アンブカイン、アモラノン、アミロカイン、ベノキシネート、ベンゾカイン、ベトキシカイン、ビフェンアミン、ブピバカイン、ブタカイン、ブタンベン、ブタニリカイン、ブテタミン、ブトキシカイン、カルチカイン、クロロプロカイン、コカエチレン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン、ジメチソキン、ジメトカイン、ジペロドン、ジサイクロミン、エクゴニジン、エクゴニン、塩化エチル、エチドカイン、ベータ−オイカイン、オイプロシン、フェナルコミン、フォルモカイン、ヘキシルカイン、ヒドロキシテトラカイン、イソブチルp−アミノベンゾエート、ロイシノカインメシラート、レボキサドロール、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、塩化メチル、ミルテカイン、ナエパイン、オクタカイン、オルトカイン、オキセタザイン、パレトキシカイン、フェナカイン、フェノール、ピペロカイン、ピリドカイン、ポリドカノール、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、プロパノカイン、プロパラカイン、プロピポカイン、プロポキシカイン、シュードコカイン、ピロカイン、ロピバカイン、サリチルアルコール、テトラカイン、トリカイン、トリメカイン、ゾラミン、それらの組み合わせ、およびその塩が挙げられる。アミノエステル局所麻酔剤の非限定例としては、プロカイン、クロロプロカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン(ラロカイン)、プロポキシカイン、プロカイン(ノボカイン)、プロパラカイン、テトラカイン(アメトカイン)が挙げられる。アミノアミド局所麻酔剤の非限定例としては、アルチカイン、ブピバカイン、シンコカイン(ジブカイン)、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン(リグノカイン)、メピバカイン、ピペロカイン、プリロカイン、ロピバカイン、およびトリメカインが挙げられる。本明細書中に開示される組成物は、単一の麻酔剤または複数の麻酔剤を含み得る。組み合わせ局所麻酔剤の非限定例は、リドカイン/プリロカイン(EMLA)である。
したがって、一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、麻酔剤およびその塩を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、アミノアミド局所麻酔剤およびその塩、またはアミノエステル局所麻酔剤およびその塩を含む。本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、プロカイン、クロロプロカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン、プロポキシカイン、プロカイン、プロパラカイン、テトラカイン、またはその塩、またはそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、アルチカイン、ブピバカイン、シンコカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、ピペロカイン、プリロカイン、ロピバカイン、トリメカイン、またはその塩、またはそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、リドカイン/プリロカインの組み合わせを含む。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、または約10重量%の量で麻酔剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量% 少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%、または少なくとも10重量%の量で麻酔剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で0.1重量%、最大で0.2重量%、最大で0.3重量%、最大で0.4重量%、最大で0.5重量%、最大で0.6重量%、最大で0.7重量%、最大で0.8重量% 最大で0.9重量%、最大で1.0重量%、最大で2.0重量%、最大で3.0重量%、最大で4.0重量%、最大で5.0重量%、最大で6.0重量%、最大で7.0重量%、最大で8.0重量%、最大で9.0重量%、または最大で10重量%の量で麻酔剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で麻酔剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、麻酔剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、酸化防止剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示される組成物中に含まれる酸化防止剤の量は、本明細書中に開示される組成物の分解、例えば、組成物の酵素的分解および/または化学分解を低減または防止するのに有効な量である。したがって、本明細書中に開示される組成物中に含まれる酸化防止剤の量は、全組成物の約0.1重量%〜約10重量%である。酸化防止剤の非限定例としては、ポリオール、フラボノイド、ファイトアレキシン、アスコルビン酸剤、トコフェロール、トコトリエノール、リポ酸、メラトニン、カロテノイド、その類似体または誘導体、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書中に開示される組成物は、単一の酸化防止剤または複数の酸化防止剤、レチノール、補酵素、イデベノン、アロプリノール、グルタチオン、亜セレン酸ナトリウムを含む。
本明細書の態様は、一部は、ポリオールを任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「ポリオール」という用語は、「糖アルコール」、「多価アルコール」および「ポリアルコール」と同義であり、水素化された形態の炭水化物を指し、そのカルボニル基(アルデヒドまたはケトン、還元糖)が第一または第二ヒドロキシル基(それゆえアルコール)に還元されており、例えば、マンノースからマンニトールに、キシロースからキシリトールに、そしてラクツロースからラクチトールに還元されている。ポリオールは、一般式H(HCHO)+1Hを有する。単糖類および二糖類の両方は、ポリオールを形成し得る;しかしながら、二糖類由来のポリオールは、1つのアルデヒド基のみが還元に利用可能であるため、完全に水素化されない。ポリオールの非限定例としては、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、エリトリトール、リビトール、キシリトール、ガラクチトール(またはズルシトール)、グルクチオール(またはソルビトール)、イディトール、イノシトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、およびポリグリシトールが挙げられる。ポリオールの他の非限定例は、例えば、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(Howard C.Ansel et al.,eds.,Lippincott Williams & Wilkins Publishers,7th ed.1999)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Alfonso R.Gennaro ed.,Lippincott,Williams & Wilkins,20th ed.2000)、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(Joel G.Hardman et al.,eds.,McGraw−Hill Professional,10th ed.2001)、およびHandbook of Pharmaceutical Excipients(Raymond C.Rowe et al.,APhA Publications,4th edition 2003)に見出され得、これらのそれぞれは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書の態様は、一部は、フラボノイドを任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する(表2)。フラボノイド(またはバイオフラボノイド)は、多様な有益な生化学的作用および酸化防止剤作用を有することが周知である植物中に見出されるポリフェノール系ケトン含有および非ケトン含有二次代謝産物のクラスを指す。フラボノイドの非限定例としては、C−メチル化フラボノイド、O−メチル化フラボノイド、イソフラボノイド、ネオフラボノイド、フラボノリグナン、フラノフラボノイド、ピラノフラボノイド、メチレンジオキシフラボノイド、プレニル化フラボノイド、オーロン、フラボン、フラボノール、フラボノン、フラバノノール、フラバン−3−オール、フラバン−4−オール、ロイコアントシアニジン(フラバン−3,4−ジオール)、アントシアニジン、およびタンニンが挙げられる。製薬業界で既知のこれらのおよび他の物質は、本明細書中に開示される組成物中に含まれ得ると理解される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences Mac Publishing Company,Easton,PA 16th Edition 1980を参照のこと。
オーロンは、2−ベンジリデン−1−ベンゾフラン−3−オン由来の化合物である。オーロンの非限定例としては、4,5,6−トリヒドロキシ−オーロン、オーロイシジン、ヒスピドール、レプトシジン、マリチメチン、およびスルフレチンが挙げられる。
ケトン含有フラボノイドの3つの主なクラスは、2−フェニルクロメン−4−オン(2−フェニル−1,4−ベンゾピロン)由来の化合物であるフラボン;3−フェニルクロメン−4−オン(3−フェニル−1,4−ベンゾピロン)由来の化合物であるイソフラボン;および4−フェニルクマリン(4−フェニル−1,2−ベンゾピロン)由来の化合物であるネオフラボンである(表2)。フラボンは、それ自体、3−ヒドロキシ2,3−ジヒドロ官能基の存在または不在に基づいて4つの群に分けられる:両方の官能基を欠いている2−フェニルクロメン−4−オン由来の化合物であるフラボン;3−ヒドロキシル基を有するが、2,3−ジヒドロ基を欠いている3−ヒドロキシ−2−フェニルクロメン−4−オン由来の化合物であるフラボノール(3−ヒドロキシフラボン);2,3−ジヒドロ基を有するが、3−ヒドロキシル基を欠いている2,3−ジヒドロ−2−フェニルクロメン−4−オン由来の化合物であるフラバノン;および両方の官能基を有する3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−フェニルクロメン−4−オン由来の化合物であるフラバノノール(3−ヒドロキシフラバノンまたは2,3−ジヒドロフラボノール)である。
フラボンの非限定例としては、アカセチン、アピイン、アピゲニン、アピゲトリン、アルトインドネシアニンP、バイカレイン、バイカリン、クリシン、シナロシド、ジオスメチン、ジオスミン、オイパチリン、フラボキサート、6−ヒドロキシフラボン、ゲンクワニン、ヒドロスミン、ルテオリン、ネペチン、ネピトリン(ネペチン7−グルコシド)、ノビレチン、オリエンチン(イソオリエンチン)、オロキシンジン、オロキシリンA、ロイフォリン、スクテラレイン、スクテラリン、タンゲリチン、テクトクリシン、テツイン、トリシン、ベロニカストロシド、ビテキシン(イソビテキシン)、およびウォゴニンが挙げられる。フラボノールの非限定例としては、3−ヒドロキシフラボン、アザレアチン、フィセチン、ガランギン、ゴシペチン、ケンフェリド、ケンフェロール、イソラムネチン、モリン、ミリセチン、ナツダイダイン、パチポドール、クエルセチン、ラムナジン、ラムネチン、およびソフォリンが挙げられる。フラバノンの非限定例としては、ブチン、エリオジクチオール、ヘスペレチン、ヘスペリジン、ホモエリオジクチオール、イソサクラネチン、ナリンゲニン、ナリンギン、ピノセムブリン、ポンシリン、サクラネチン、サクラニン、およびステルビンが挙げられる。フラバノノールの非限定例としては、タキシフォリン(ジヒドロクエルセチン)およびアロマデドリン(ジヒドロケンフェロール)が挙げられる。
イソフラボノイドとしては、イソフラボンおよびイソフラバンが挙げられる(表2)。イソフラボノイドの非限定例としては、アルピヌミソフラボン、アナギロイジソフラボンAおよびB、カリコシン、ダイドゼイン、ダイジン、デルルボン、ジ−O−メチルアルピヌミソフラボン、フォルモノネチン、ゲニステイン、ゲニスチン、グリシテイン、イプリフラボン、イリゲニン、イリジン、イリロン、4’−メチル−アルピヌミソフラボン、5−O−メチルゲニステイン、ルテオン、オノニン、オロボール、プラテンセイン、プルネチン、シュードバプチゲニン、プサイ−テクトリゲニン、プエラリン、レツシン、テクトリジン、テクトリゲニン、およびウィテオンが挙げられる。
ネオフラボノイドとしては、4−アリールクマリン(ネオフラボン)、4−アリールクロマン、ダルベルギオン、およびダルベルギキノールが挙げられる(表2)。ネオフラボンは、4−フェニルクマリン(または4−アリール−クマリン)由来の化合物であり、ネオフラベンは、4−フェニルクロメン由来の化合物である。ネオフラボノイドの非限定例としては、カロフィロリド、クタレアゲニン、ダルベルギクロメン、ダルベルギン、およびニベチンが挙げられる。
非ケトン含有フラボノイドとしては、フラバン−3−オールおよびカテキンが挙げられる。フラバン−3−オール(フラバノール)は、2−フェニル3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−3−オール骨格由来の一種のフラボノイドである。カテキンは、2つのベンゼン環(AおよびB環と呼ばれる)ならびにジヒドロピラン複素環(C環)を、炭素3上のヒドロキシル基とともに保有する。A環はレゾルシノール部分と似ているが、一方、B環はカテコール部分に似ている。炭素2および3上の分子上には、2つのキラル中心が存在する。したがって、それは、4つのジアステレオ異性体を有する。異性体のうちの2つは、トランス立体配置で存在し、カテキンと呼ばれ、他の2つは、シス立体配置で存在して、エピカテキンと呼ばれる。非ケトン含有フラボノイドの非限定例としては、アフゼレキン、アルトロメリンA、アルトロメリンB、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピアフゼレキン、フィセチニドール、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、グイブルチニドール、メシアダノール(3−O−メチルカテキン)、メスキトール、プロピルガレート、ロビネチニドール、およびテアルビギンが挙げられる。
フラバン−4−オール(3−デオキシフラボノイド)は、2−フェニルクロマン−4−オール由来のフラボン誘導アルコールである。フラバン−4−オールの非限定例としては、アピフォロールおよびルテオフォロールが挙げられる。
ロイコアントシアニジン(フラバン−3,4−ジオール)は、2−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−3,4−ジオール由来の化合物である。フラバン−3,4−ジオールの非限定例としては、ロイコシアニジン、ロイコデルフィニジン、ロイコマルビジン、ロイコペラルゴニジン、ロイコペオニジン、ロイコロビネチニジン、およびメラカシジンが挙げられる。
アントシアニジンは、2−フェニルクロメニリウム由来の化合物である。アントシアニジンの非限定例としては、アンチリニン、アピゲニニジン、アウランチニジン、カペンシニジン、クリサンテニン、コルムニジン、コメリニン、シアニジン、6−ヒドロキシシアニジン、シアニジン−3−(ジ−p−クマリルグルコシド)−5−グルコシド、シアノサルビアニン、デルフィニジン、ジオスメチニジン、エウロピニジン、フィセチニジン、ゲスネリジン、グイブルチニジン、ヒルスチジン、ルテオリニジン、マルビジン、5−デソキシ−マルビジン、マルビジン、ミルチリン、オエニン、ペオニジン、5−デソキシ−ペオニジン、ペラルゴニジン、ペツニジン、プリムリン、プロトシアニン、プロトデルフィン、プルケリジン、プルケリジン 3−グルコシド、プルケリジン 3−ラムノシド、ロビネチニジン、ロシニジン、トリセチニジン、ツリパニン、およびビオルデルフィンが挙げられる。
タンニンは、2−フェニルクロメニリウム由来の化合物である。タンニンには以下の3つの主なクラスが存在する:加水分解型タンニン、非加水分解型タンニン(縮合タンニン、プロアントシアニジン)、およびシュードタンニン。
加水分解型タンニンは、それ自体、以下の4つの群に分けられる:アグリコンタンニンおよびグリコシドタンニンを含むオリゴマータンニン、エラジタンニン、ガロタンニン、ならびに非分類型タンニン。アグリコンタンニンの非限定例としては、エラグ酸、ガラギン酸、および没食子酸が挙げられる。グリコシドタンニンの非限定例としては、グルコース、キニン酸、およびシキミ酸が挙げられる。エラジタンニンの非限定例としては、カスタラギン(ベスカラギン)、カスタリン、カスアリクチン、カスアリイン、カスアリニン、コルヌシインE、グランジニン、ペドゥンクラジン、プニカコルテインC、プニグルコニン、プニカラギン、プニカラギンアルファ、プニカリン、2−O−ガロイル−プニカリン、スタキウリン、ストリクチニン、およびテリマグランジンIIが挙げられる。ガロタンニンの非限定例としては、コリラギン、ガロイルグルコース、ジガロイルグルコース、トリガロイルグルコース、テトラガロイルグルコース、ペンタガロイルグルコース、ヘキサガロイルグルコース、ヘプタガロイルグルコース、オクタガロイルグルコース、およびタンニン酸が挙げられる。非分類型タンニンの非限定例としては、アクチシミンA、アクチシミンB、ケブラギン酸、ケブリン酸、シンナムタンニンB1、コムブレグルチニン、ゲラニイン、グラナチンB、ロブリンA、ロブリンB、ロブリンC、ロブリンD、ロブリンE、スタキウリン、テルカチン、テルフラビンA、テルフラビンB、テルガラギン、ベスカリン、1,3,4−トリ−O−ガロイルキニン酸、3,5−ジ−O−ガロイル−シキミ酸、および3,4,5−トリ−O−ガロイルシキミ酸が挙げられる。
縮合タンニン(プロアントシアニジン)は、本質的に、カテキン等のフラボノイドのポリマー鎖である。縮合タンニンの非限定例としては、プロアントシアニジン、プロデルフィニジン、プロフィセチニジン、プログイブルチニジン、およびプロロビネチジンが挙げられる。

本明細書の態様は、一部は、ファイトアレキシンを任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。ファイトアレキシンとは、不適合病原体感染に応答する植物によって新たに合成される酸化防止剤作用を有する抗菌性分子のクラスを指す。ファイトアレキシンの非限定例としては、レスベラトロール(3,5,4’−トリヒドロキシ−トランス−スチルベン)、アリキシン(3−ヒドロキシ−5−メトキシ−6−メチル−2−ペンチル−4H−ピラン−4−オン)、グリセオリン、ファセオリン、およびメジカルピンが挙げられる。
本明細書の態様は、一部は、アスコルビン酸剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。アスコルビン(ビタミンC)、(5R)−[(1S)−1,2−ジヒドロキシエチル]−3,4−ジヒドロキシフラン−2(5H)−オンは、過酸化水素等の活性酸素種を還元し、それにより中和する、動物および植物の両方に見出される単糖酸化還元(レドックス)触媒である。アスコルビン酸はまた、プロトン移動により2つの不安定なケトン互変異性体に相互変換もするが、それはエノール型で最も安定である。エノールのヒドロキシルのプロトンは除去される。次いで、その結果生じた酸化物陰イオンからの一対の電子が押し下げて、2または3位にケトンを形成し、二重結合からの電子が3または2位にそれぞれ移動して、カルボアニオンを形成し、これがプロトンを拾い集めて、2つの考え得る形態、即ち、1−カルボキシル−2−ケトンおよび1−カルボキシル−3−ケトンを生じる。アスコルビン酸剤の非限定例としては、アスコルビン酸ならびにアスコルビン酸のナトリウム、カリウム、およびカルシウム塩、長鎖脂肪酸を伴うアスコルビン酸の脂溶性エステル(アスコルビルパルミテートまたはアスコルビルステアレート)、マグネシウムアスコルビルホスフェート(MAP)、ナトリウムアスコルビルホスフェート(SAP)、およびアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))、二ナトリウムアスコルビルスルフェート、ビタゲンが挙げられる。
本明細書の態様は、一部は、トコフェロールおよび/またはトコトリエノールを任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。トコフェロールおよびトコトリエノールは、ビタミンEと集合的に呼ばれる酸化防止剤の一群を含む。全てがクロマノール環を特徴とし、水素原子を付与してフリーラジカルを低減し得るヒドロキシル基、ならびに生物学的膜中への透過を可能にする疎水性側鎖を伴う。トコフェロールおよびトコトリエノールはともに、アルファ、ベータ、ガンマ、およびデルタ型で生じ、クロマノール環上のメチル基の数および位置により決定される。トコトリエノールは、環で同一のメチル構造を有するが、疎水性側鎖中の3つの二重結合の存在により類似のトコフェノールと異なる。尾部の不飽和は、トコトリエノールに単一立体異性体炭素のみ(したがって、構造式当たり2つの考え得る異性体で、このうち1つは天然に生じる)を提供するが、一方、トコフェロールは3つの中心(構造式当たり8つの考え得る立体異性体で、その1つは天然に生じる)を有する。概して、トコトリエノールの非天然I−異性体は、ほぼ全てのビタミン活性を欠き、トコフェロールの考え得る8つの異性体のうちの半数(環−尾部接合部に2Sキラリティを有するもの)も、ビタミン活性を欠く。活性を保持する立体異性体のうち、メチル化増大、特にアルファ型への完全メチル化は、ビタミン活性を増大する。ビタミンEの非限定例としては、トコフェロール(例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、およびδ−トコフェロール)、トコフェロール類似体および誘導体(例えば、トコフェリルアセテート、ナトリウムトコフェリルホスフェート(STP)、ポリオキシエタニル−α−トコフェリルセバケート、およびトコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS))、トコトリエノール(例えば、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、およびδ−トコトリエノール)、トコトリエノール類似体および誘導体が挙げられる。
本明細書の態様は、一部は、リポ酸(LA)を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。リポ酸、(R)−5−(1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタン酸は、ジスルフィド結合を介して結合される(C6およびC8の)2つの隣接イオウ原子を含有し、したがって酸化されていると見なされる(しかしどちらか一方の硫黄原子がより高い酸化状態で存在し得る)オクタン酸由来の有機硫黄化合物である。C6の炭素原子はキラルであり、分子は2つのエナンチオマーのR−(+)−リポ酸(RLA)およびS−(−)−リポ酸(SLA)として、ならびにラセミ混合物のR/S−リポ酸(R/S−LA)として存在し得る。R−(+)−エナンチオマーのみが自然で存在し、4つのミトコンドリア酵素複合体の必須補因子である。
本明細書の態様は、一部は、メラトニンを任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。メラトニン、N−アセチル−5−メトキシトリプタミンは、動物、植物、および微生物中に見出される広播性の強力な酸化防止剤である。
本明細書の態様は、一部は、カロテノイドを任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。カロテノイドは、植物、ならびにいくつかの他の光合成生物体、例えば藻類、いくつかの種類の真菌、いくつかの細菌および少なくとも1つの種のアブラムシの葉緑体および有色体中に天然に存在するテトラテルペノイドの有機色素である。構造的に、テトラテルペンは、炭化水素環により終結され得る40炭素骨格を生じる8つのイソプレン単位から生化学的に合成される。600を超える既知のカロテノイドが存在する;それらは、キサントフィル(酸素を含有する)およびカロテン(純粋に炭化水素であり、酸素を含有しない)の2つのクラスに分けられる。
化学的には、リコペンを含むカロチンは、分子当たり40個の炭素原子、可変数の水素原子を含有し、他の元素を含有しない多価不飽和炭化水素である。いくつかのカロチンは、分子の一端または両端で、炭化水素環により終結される。カロチンの非限定例としては、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、ε−カロチン、ζ−カロチン、リコペンが挙げられる。
分子当たり40個の炭素原子を含有するキサントフィル炭化水素は、ヒドロキシル基および/または酸素原子により置換される水素原子の対のいずれかを含有する。この理由のため、それらは純炭化水素カロチンより極性がある。いくつかのキサントフィルは、分子の一端または両端で、炭化水素環により終結される。キサントフィルの非限定例としては、ルテイン、ゼアキサチン、ネオキサンチン、ビオラキサンチン、α−クリプトキサンチン、およびβ−クリプトキサンチンが挙げられる。
本明細書の態様は、一部は、ビタミンAを任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。ビタミンAとしては、レチノール、レチナール、およびレチノイン酸、ならびにポリエン鎖中に見出される5つの二重結合のうちの4つのトランスまたはシス立体配置のいずれかに起因するレチノール[(2E,4E,6E,8E)−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメチルシクロヘキセ−1−エニル)ノナ−2,4,6,8−テトラエン−1−オール]、レチナール、およびレチノイン酸の異なる幾何異性体が挙げられる。ビタミンAの非限定例としては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチノールの異性体、レチナールの異性体、レチノイン酸の異性体、トレチノイン、イソトレチノイン、およびレチニルパルミテートが挙げられる。
一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、グリコサミノグリカンポリマーの分解を低減するかまたは防止するのに十分な量で酸化防止剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、ポリオール、フラボノイド、ファイトアレキシン、アスコルビン酸剤、トコフェロール、トコトリエノール、リポ酸、メラトニン、カロテノイド、その類似体もしくは誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.01重量% 約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、または約10重量%の量で酸化防止剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量% 少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%、または少なくとも10重量%の量で酸化防止剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で0.1重量%、最大で0.2重量%、最大で0.3重量%、最大で0.4重量%、最大で0.5重量%、最大で0.6重量%、最大で0.7重量%、最大で0.8重量% 最大で0.9重量%、最大で1.0重量%、最大で2.0重量%、最大で3.0重量%、最大で4.0重量%、最大で5.0重量%、最大で6.0重量%、最大で7.0重量%、最大で8.0重量%、最大で9.0重量%、または最大で10重量%の量で酸化防止剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で酸化防止剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、酸化防止剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、血管収縮剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示される組成物中に含まれる血管収縮剤の量は、組成物の投与時または投与後に個人が経験する出血を低減、停止、および/または防止するために有効な量である。血管収縮剤の非限定例としては、α1受容体アゴニスト、例えば2−(1−ナフチルメチル)−2−イミダゾリン(ナファゾリン)、(R)−4−(1−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)エチル)ベンゼン−1,2−ジオール(エピネフリン)、2−アミノ−1−(2,5−ジメトキシフェニル)プロパン−1−オール(メトキサミン)、4−[(1R,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシプロピル]ベンゼン−1,2−ジオール(メチルノルエピネフリン)、4−[(1R)−2−アミノ−1−ヒドロキシエチル]ベンゼン−1,2−ジオール(ノルエピネフリン)、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール(オキシメタゾリン)、(R)−3−[−1−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)エチル]フェノール(フェニレフリンまたはネオ−シネフリン)、(R,R)−2−メチルアミノ−1−フェニルプロパン−1−オール(シュードエフェドリン)、4−[1−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)エチル]フェノール(シネフリンまたはオキセドリン)、2−[(2−シクロプロピルフェノキシ)メチル]−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(シラゾリン)、2−[(4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(キシロメタゾリン)、その類似体または誘導体、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書中に開示される組成物は、単一の血管収縮剤または複数の血管収縮剤を含み得る。
したがって、一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、血管収縮剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、α1受容体アゴニストを含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、ナファゾリン、エピネフリン、メトキサミン、メチルノルエピネフリン、ノルエピネフリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、シュードエフェドリン、シネフリン、シラゾリン、キシロメタゾリン、その類似体もしくは誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%の量で血管収縮剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.02重量%、少なくとも約0.03重量%、少なくとも約0.04重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.7重量%、少なくとも約0.8重量% 少なくとも約0.9重量%、少なくとも約1.0重量%、少なくとも約2.0重量%、少なくとも約3.0重量%、少なくとも約4.0重量%、または少なくとも約5.0重量%の量で血管収縮剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で約0.1重量%、最大で約0.2重量%、最大で約0.3重量%、最大で約0.4重量%、最大で約0.5重量%、最大で約0.6重量%、最大で約0.7重量%、最大で約0.8重量% 最大で約0.9重量%、最大で約1.0重量%、最大で約2.0重量%、最大で約3.0重量%、最大で約4.0重量%、または最大で約5.0重量%の量で血管収縮剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.01重量%〜約0.1重量%、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で血管収縮剤を含む。
一実施形態では、架橋ヒアルロン酸系ポリマーおよび約300ppm〜約400ppmの濃度で存在するフェニレフリンを含む、注射用皮膚充填組成物が、提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、滅菌されている、例えば、少なくとも100℃の熱処理を含むプロセスで加熱滅菌されており、室温で少なくとも12ヶ月間、実質的に安定である。組成物は、架橋ヒアルロン酸系ポリマーおよびフェニレフリンと混合されたリドカインをさらに含み得る。リドカインは、約0.1%(w/w)〜約1.0%(w/w)の量で存在し得る。例えば、リドカインは、約0.3%(w/w)の量で存在し得る。
別の実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、血管収縮剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、抗出血剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。抗出血剤としては、止血剤および抗線維素溶解剤が挙げられる。止血剤は、血管破裂の場合、出血を低減、停止、および/または防止するように作用する分子である。ある種の止血剤は、ビタミンKおよびその類似体または誘導体である。ビタミンKおよびその2−メチル−1,4−ナフトキノン誘導体は、ある種のタンパク質の翻訳後修飾に必要とされ、主に血液凝固のために必要とされるが、骨および他の組織における代謝経路にも関与する親油性、疎水性ビタミンの一群である。細胞におけるビタミンKの機能は、タンパク質中のグルタミン酸塩をガンマ−カルボキシグルタミン酸塩(gla)に転化することである。抗線維素溶解剤は、血栓形成を促進するように作用する分子である。抗線維素溶解剤としては、アミノカプロン酸(ε−アミノカプロン酸)およびトラネキサム酸が挙げられる。これらのリシン様薬物は、プラスミノーゲン活性剤(主に、t−PAおよびu−PA)によりその前駆体プラスミノーゲンからの線維素溶解酵素プラスミンの形成を妨げる。これらの薬物は、酵素またはプラスミノーゲンのリシン結合部位を可逆的に遮断し、したがって、プラスミン形成を停止し、それにより線維素溶解および血栓の分解を防止する。本明細書中に開示される組成物中に含まれる抗出血剤の量は、組成物の投与時または投与後に個人が経験する出血を低減、停止、および/または防止するために有効な量である。エタンシラート(ジシネン/ジシノン)は、別の止血剤である。抗出血剤の非限定例としては、止血剤、例えばキトサン、エタンシラート、デスモプレッシン、ビタミンKまたはビタミンK類似体、例えばビタミンK(フィロキノン、フィトメナジオン、もしくはフィトナジオン)、ビタミンK(メナキノンもしくはメナテトレノン)、ビタミンK(メナジオン)、ビタミンK(メナジオール)、ビタミンK(4−アミノ−2−メフィル−1−ナフトール塩酸塩)、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、およびビタミンK10、抗線維素溶解剤、例えばアミノカプロン酸(ε−アミノカプロン酸)、トラネキサム酸、セルピン、例えばアプロチニン、α1−アンチトリプシン、C1−阻害剤、カモスタット、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書中に開示される組成物は、単一の抗出血剤または複数の抗出血剤を含み得る。
したがって、一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗出血剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、止血剤または抗線維素溶解剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、ビタミンKまたはビタミンK類似体、例えばビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、およびビタミンK10、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、セルピン、例えばアプロチニン、α1−アンチトリプシン、C1−阻害剤、カモスタット、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、または約10重量%の量で抗出血剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量% 少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%、または少なくとも10重量%の量で抗出血剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で0.1重量%、最大で0.2重量%、最大で0.3重量%、最大で0.4重量%、最大で0.5重量%、最大で0.6重量%、最大で0.7重量%、最大で0.8重量% 最大で0.9重量%、最大で1.0重量%、最大で2.0重量%、最大で3.0重量%、最大で4.0重量%、最大で5.0重量%、最大で6.0重量%、最大で7.0重量%、最大で8.0重量%、最大で9.0重量%、または最大で10重量%の量で抗出血剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で抗出血剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗出血剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、抗掻痒剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示される組成物中に含まれる抗掻痒剤の量は、組成物の投与時に個人が経験する掻痒応答を緩和するのに有効な量である。抗掻痒剤の非限定例としては、メチルスルホニルメタン、重炭酸ナトリウム、カラミン、アラントイン、カオリン、ペパーミント、ティーツリー油、樟脳、メントール、ヒドロコルチゾン、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書中に開示される組成物は、単一の抗掻痒剤または複数の抗掻痒剤を含み得る。
したがって、一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗掻痒剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、メチルスルホニルメタン、重炭酸ナトリウム、カラミン、アラントイン、カオリン、ペパーミント、ティーツリー油、樟脳、メントール、ヒドロコルチゾン、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、または約10重量%の量で抗掻痒剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量% 少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%、または少なくとも10重量%の量で抗掻痒剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で0.1重量%、最大で0.2重量%、最大で0.3重量%、最大で0.4重量%、最大で0.5重量%、最大で0.6重量%、最大で0.7重量%、最大で0.8重量% 最大で0.9重量%、最大で1.0重量%、最大で2.0重量%、最大で3.0重量%、最大で4.0重量%、最大で5.0重量%、最大で6.0重量%、最大で7.0重量%、最大で8.0重量%、最大で9.0重量%、または最大で10重量%の量で抗掻痒剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で抗掻痒剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗掻痒剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、抗セルライト剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示される組成物中に含まれる抗セルライト剤の量は、組成物の投与時に個人が経験する脂肪沈着を緩和するのに有効な量である。抗セルライト剤の非限定例としては、フォルスコリン、キサンチン化合物(例えば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、およびアミノフィリン等であるが、これらに限定されない)、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書中に開示される組成物は、単一の抗セルライト剤または複数の抗セルライト剤を含み得る。
したがって、一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗セルライト剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、フォルスコリン、キサンチン化合物、その類似体または誘導体、あるいはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、または約10重量%の量で抗セルライト剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量% 少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%、または少なくとも10重量%の量で抗セルライト剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で0.1重量%、最大で0.2重量%、最大で0.3重量%、最大で0.4重量%、最大で0.5重量%、最大で0.6重量%、最大で0.7重量%、最大で0.8重量% 最大で0.9重量%、最大で1.0重量%、最大で2.0重量%、最大で3.0重量%、最大で4.0重量%、最大で5.0重量%、最大で6.0重量%、最大で7.0重量%、最大で8.0重量%、最大で9.0重量%、または最大で10重量%の量で抗セルライト剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で抗セルライト剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗セルライト剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、抗瘢痕形成剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示される組成物中に含まれる抗瘢痕形成剤の量は、組成物の投与時に個人が経験する瘢痕形成応答を緩和するのに有効な量である。抗瘢痕形成剤の非限定例としては、IFN−γ、フルオロウラシル、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、メチル化ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書中に開示される組成物は、単一の抗瘢痕形成剤または複数の抗瘢痕形成剤を含み得る。
したがって、一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗瘢痕形成剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、IFN−γ、フルオロウラシル、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、メチル化ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、または約10重量%の量で抗瘢痕形成剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量% 少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%、または少なくとも10重量%の量で抗瘢痕形成剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で0.1重量%、最大で0.2重量%、最大で0.3重量%、最大で0.4重量%、最大で0.5重量%、最大で0.6重量%、最大で0.7重量%、最大で0.8重量% 最大で0.9重量%、最大で1.0重量%、最大で2.0重量%、最大で3.0重量%、最大で4.0重量%、最大で5.0重量%、最大で6.0重量%、最大で7.0重量%、最大で8.0重量%、最大で9.0重量%、または最大で10重量%の量で抗瘢痕形成剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で抗瘢痕形成剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に開示されるものは、抗瘢痕形成剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、抗炎症剤を任意に含み得る本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示される組成物中に含まれる抗炎症剤の量は、組成物の投与時に個人が経験する炎症および/または刺激掻痒応答を緩和するのに有効な量である。抗炎症剤の非限定例としては、デキサメタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、メサラミン、セチリジン、ジフェンヒドラミン、アンチピリン、メチルサリチレート、ロラタジン、チモール(2−イソプロピル−5−メチルフェノール)、カルバクロール(5−イソプロピル−2−メチルフェノール)、ビサボロール(6−メチル−2−(4−メチルシクロヘキセ−3−エニル)ヘプト−5−エン−2−オール)、アラントイン、オイカリプトール、フェナゾン(アンチピリン)、プロピフェナゾンが挙げられ、そして非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)としては、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、およびオキサプロジン等のプロピオン酸誘導体;インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ケトロラク、ジクロフェナク、およびナブメトン等の酢酸誘導体;ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム等のエノール酸(オキシカム)誘導体;メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、およびトルフェナム酸等のフェナム酸誘導体;ならびにセレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、およびフィロコキシブ等の選択的COX−2阻害剤(コキシブ)、その類似体または誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に開示される組成物は、単一の抗炎症剤または複数の抗炎症剤を含み得る。
したがって、一実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、抗炎症剤を含む。本実施形態の態様では、本明細書中に開示される組成物は、デキサメタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、メサラミン、セチリジン、ジフェンヒドラミン、アンチピリン、メチルサリチレート、ロラタジン、チモール(2−イソプロピル−5−メチルフェノール)、カルバクロール(5−イソプロピル−2−メチルフェノール)、ビサボロール(6−メチル−2−(4−メチルシクロヘキセ−3−エニル)ヘプト−5−エン−2−オール)、アラントイン、オイカリプトール、フェナゾン(アンチピリン)、プロピフェナゾン、NSAID、その類似体または誘導体、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む。
本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも約0.001重量%、少なくとも約0.01重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量% 約0.9重量%、約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、または約10重量%の量で抗炎症剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量% 少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%、または少なくとも10重量%の量で抗炎症剤を含む。さらに他の態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、最大で0.1重量%、最大で0.2重量%、最大で0.3重量%、最大で0.4重量%、最大で0.5重量%、最大で0.6重量%、最大で0.7重量%、最大で0.8重量% 最大で0.9重量%、最大で1.0重量%、最大で2.0重量%、最大で3.0重量%、最大で4.0重量%、最大で5.0重量%、最大で6.0重量%、最大で7.0重量%、最大で8.0重量%、最大で9.0重量%、または最大で10重量%の量で抗炎症剤を含む。さらなる態様では、本明細書中に開示される組成物は、全組成物の、例えば、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約1.0重量%、約0.1重量%〜約2.0重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.1重量%〜約4.0重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、約0.2重量%〜約0.9重量%、約0.2重量%〜約1.0重量%、約0.2重量%〜約2.0重量%、約0.5重量%〜約1.0重量%、または約0.5重量%〜約2.0重量%の量で抗炎症剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に開示される組成物は、麻酔剤を含まない。
本明細書の態様は、一部は、複素弾性率、弾性率、粘性率、および/またはタンジェントデルタ(tanδ)を示す本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書中に開示される組成物は、力が適用される(応力、変形)場合、弾性構成成分(固体様、例えば架橋グリコサミノグリカンポリマー)および粘性構成成分(液体様、例えば非架橋グリコサミノグリカンポリマーまたは担体相)を有するという点で粘弾性である。この特性を説明する流動学的属性は複素弾性率(G)であり、これは、変形に対する組成物の全抵抗を定義する。複素弾性率は、実数および虚数部分を有する複素数である:G=G’+iG”。Gの絶対値は、Abs(G)=Sqrt(G’+G”)である。複素弾性率は、弾性率(G’)および粘性率(G”)の和であると定義され得る。Falcone,et al.,Temporary Polysaccharide Dermal Fillers:A Model for Persistence Based on Physical Properties,Dermatol Surg.35(8):1238−1243(2009)、Tezel、上記参照、2008、Kablik、上記参照、2009、Beasley、上記参照、2009;これらのそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
弾性率または弾性係数は、変形に抵抗するヒドロゲル材料の能力、あるいは逆に、力がそれに適用される場合に非恒久的に変形される対象物の傾向を指す。弾性率は、組成物の堅さを特性付け、そしてそれが組成物の動きからのエネルギーの貯蔵を説明するため、貯蔵弾性率としても知られている。弾性率は、弾性および強度間の相互作用を説明し(G’=応力/歪み)、したがって、組成物の硬度または柔軟度の定量的測定値を提供する。対象物の弾性率は、弾性変形領域におけるその応力−歪み曲線の勾配と定義される:λ=応力/歪み(λは弾性率(パスカルの単位)であり;応力は、変形を引き起こす力を力が適用される面積で割った値であり;そして歪みは、応力により引き起こされる変化対対象物の元の状態に対する比である)。力が適用される速度によって異なるが、堅い組成物ほどより高い弾性率を有し、例えば注入のように、材料を所定の距離に変形するためにはより大きな力を要する。方向を含む、応力が測定されるべき方法を具体的に記述することにより、多数の型の弾性率を定義することができる。3つの主な弾性率は、引張弾性率、せん断弾性率、および体積弾性率である。
粘性率は、粘性消散として失われるエネルギーを説明するため、損失弾性率としても知られている。tanδは、粘性率と弾性率の比である、tanδ=G”/G’。Falcone、上記参照、2009。本明細書中に開示されるtanδ値に関しては、tanδは、1Hzの周波数での動的弾性率から得られる。tanδが低いほど、組成物はより堅く、より硬く、またはより弾性である。
別の実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、ある弾性率を示す。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約25Pa、約50Pa、約75Pa、約100Pa、約125Pa、約150Pa、約175Pa、約200Pa、約250Pa、約300Pa、約350Pa、約400Pa、約450Pa、約500Pa、約550Pa、約600Pa、約650Pa、約700Pa、約750Pa、約800Pa、約850Pa、約900Pa、約950Pa、約1,000Pa、約1,200Pa、約1,300Pa、約1,400Pa、約1,500Pa、約1,600Pa、約1700Pa、約1800Pa、約1900Pa、約2,000Pa、約2,100Pa、約2,200Pa、約2,300Pa、約2,400Pa、または約2,500Paの弾性率を示す。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、少なくとも25Pa、少なくとも50Pa、少なくとも75Pa、少なくとも100Pa、少なくとも125Pa、少なくとも150Pa、少なくとも175Pa、少なくとも200Pa、少なくとも250Pa、少なくとも300Pa、少なくとも350Pa、少なくとも400Pa、少なくとも450Pa、少なくとも500Pa、少なくとも550Pa、少なくとも600Pa、少なくとも650Pa、少なくとも700Pa、少なくとも750Pa、少なくとも800Pa、少なくとも850Pa、少なくとも900Pa、少なくとも950Pa、少なくとも1,000Pa、少なくとも1,200Pa、少なくとも1,300Pa、少なくとも1,400Pa、少なくとも1,500Pa、少なくとも1,600Pa、少なくとも1700Pa、少なくとも1800Pa、少なくとも1900Pa、少なくとも2,000Pa、少なくとも2,100Pa、少なくとも2,200Pa、少なくとも2,300Pa、少なくとも2,400Pa、または少なくとも2,500Paの弾性率を示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、最大で25Pa、最大で50Pa、最大で75Pa、最大で100Pa、最大で125Pa、最大で150Pa、最大で175Pa、最大で200Pa、最大で250Pa、最大で300Pa、最大で350Pa、最大で400Pa、最大で450Pa、最大で500Pa、最大で550Pa、最大で600Pa、最大で650Pa、最大で700Pa、最大で750Pa、最大で800Pa、最大で850Pa、最大で900Pa、最大で950Pa、最大で1,000Pa、最大で1,200Pa、最大で1,300Pa、最大で1,400Pa、最大で1,500Pa、または最大で1,600Paの弾性率を示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約25Pa〜約150Pa、約25Pa〜約300Pa、約25Pa〜約500Pa、約25Pa〜約800Pa、約125Pa〜約300Pa、約125Pa〜約500Pa、約125Pa〜約800Pa、約500Pa〜約1,600Pa、約600Pa〜約1,600Pa、約700Pa〜約1,600Pa、約800Pa〜約1,600Pa、約900Pa〜約1,600Pa、約1,000Pa〜約1,600Pa、約1,100Pa〜約1,600Pa、約1,200Pa〜約1,600Pa、約500Pa〜約2,500Pa、約1,000Pa〜約2,500Pa、約1,500Pa〜約2,500Pa、約2,000Pa〜約2,500Pa、約1,300Pa〜約1,600Pa、約1,400Pa〜約1,700Pa、約1,500Pa〜約1,800Pa、約1,600Pa〜約1,900Pa、約1,700Pa〜約2,000Pa、約1,800Pa〜約2,100Pa、約1,900Pa〜約2,200Pa、約2,000Pa〜約2,300Pa、約2,100Pa〜約2,400Pa、または約2,200Pa〜約2,500Paの弾性率を示す。
別の実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、ある粘性率を示す。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約10Pa、約20Pa、約30Pa、約40Pa、約50Pa、約60Pa、約70Pa、約80Pa、約90Pa、約100Pa、約150Pa、約200Pa、約250Pa、約300Pa、約350Pa、約400Pa、約450Pa、約500Pa、約550Pa、約600Pa、約650Pa、または約700Paの粘性率を示す。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、最大で10Pa、最大で20Pa、最大で30Pa、最大で40Pa、最大で50Pa、最大で60Pa、最大で70Pa、最大で80Pa、最大で90Pa、最大で100Pa、最大で150Pa、最大で200Pa、最大で250Pa、最大で300Pa、最大で350Pa、最大で400Pa、最大で450Pa、最大で500Pa、最大で550Pa、最大で600Pa、最大で650Pa、または最大で700Paの粘性率を示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約10Pa〜約30Pa、約10Pa〜約50Pa、約10Pa〜約100Pa、約10Pa〜約150Pa、約70Pa〜約100Pa、約50Pa〜約350Pa、約150Pa〜約450Pa、約250Pa〜約550Pa、約350Pa〜約700Pa、約50Pa〜約150Pa、約100Pa〜約200Pa、約150Pa〜約250Pa、約200Pa〜約300Pa、約250Pa〜約350Pa、約300Pa〜約400Pa、約350Pa〜約450Pa、約400Pa〜約500Pa、約450Pa〜約550Pa、約500Pa〜約600Pa、約550Pa〜約650Pa、または約600Pa〜約700Paの粘性率を示す。
別の実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、tanδを示す。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、または約2.5のtanδを示す。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、最大で0.1、最大で0.2、最大で0.3、最大で0.4、最大で0.5、最大で0.6、最大で0.7、最大で0.8、最大で0.9、最大で1.0、最大で1.1、最大で1.2、最大で1.3、最大で1.4、最大で1.5、最大で1.6、最大で1.7、最大で1.8、最大で1.9、最大で2.0、最大で2.1、最大で2.2、最大で2.3、最大で2.4、または最大で2.5のtanδを示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約0.1〜約0.3、約0.3〜約0.5、約0.5〜約0.8、約1.1〜約1.4、約1.4〜約1.7、約0.3〜約0.6、約0.1〜約0.5、約0.5〜約0.9、約0.1〜約0.6、約0.1〜約1.0、約0.5〜約1.5、約1.0〜約2.0、または約1.5〜約2.5のtanδを示す。
本明細書の態様は、一部は、透明性および/または半透明性を有する本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。透明性(明瞭性または透明度とも呼ばれる)は、光が物質を通過することを可能にする物理的特性であるが、一方、半透明性(半透明または半透明の(translucidity)とも呼ばれる)は、光が散乱的に通過することのみを可能にする。逆の特性は、不透明性である。透明物質は透き通っているが、一方、半透明物質はそれを通してはっきりと透けて見えない。本明細書中に開示される絹フィブロインヒドロゲルは、透明性および半透明性等の光学的特性を示すことも、示さないこともあり得る。ある場合には、例えば、表面の皮膚線の充填の場合、不透明ヒドロゲルを有することが有益であろう。他の場合、例えば眼を充填するためのレンズまたは「体液」の開発の場合、半透明ヒドロゲルを有することが有益であろう。これらの特性は、ヒドロゲル材料の構造的分布に影響を及ぼすことにより改質され得る。ヒドロゲルの光学的特性を制御するために用いられる因子としては、ポリマー濃度、ゲル結晶性、およびヒドロゲル均質性が挙げられるが、これらに限定されない。
光が物質にぶつかると、光は、いくつかの異なる方法で物質と相互作用し得る。これらの相互作用は、光の性質(その波長、周波数、エネルギー等)および物質の性質によって決まる。光波は、反射および透過と屈折を伴う透過との何らかの組み合わせにより、対象物と相互作用する。したがって、光学的に透明な物質は、それに当たる光の多くを透過させ、光はほとんど反射されない。光を透過させない物質は、光学的に不透明または単に不透明と呼ばれる。
一実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、光学的に透明である。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約75%の光、約80%の光、約85%の光、約90%の光、約95%の光、または約100%の光を透過する。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、少なくとも75%の光、少なくとも80%の光、少なくとも85%の光、少なくとも90%の光、または少なくとも95%の光を透過する。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約75%〜約100%の光、約80%〜約100%の光、約85%〜約100%の光、約90%〜約100%の光、または約95%〜約100%の光を透過する。
別の実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、光学的に不透明である。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約5%の光、約10%の光、約15%の光、約20%の光、約25%の光、約30%の光、約35%の光、約40%の光、約45%の光、約50%の光、約55%の光、約60%の光、約65%の光、または約70%の光を透過する。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、最大で5%の光、最大で10%の光、最大で15%の光、最大で20%の光、最大で25%の光、最大で30%の光、最大で35%の光、最大で40%の光、最大で45%の光、最大で50%の光、最大で55%の光、最大で60%の光、最大で65%の光、最大で70%の光、または最大で75%の光を透過する。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約5%〜約15%、約5%〜約20%、約5%〜約25%、約5%〜約30%、約5%〜約35%、約5%〜約40%、約5%〜約45%、約5%〜約50%、約5%〜約55%、約5%〜約60%、約5%〜約65%、約5%〜約70%、約5%〜約75%、約15%〜約20%、約15%〜約25%、約15%〜約30%、約15%〜約35%、約15%〜約40%、約15%〜約45%、約15%〜約50%、約15%〜約55%、約15%〜約60%、約15%〜約65%、約15%〜約70%、約15%〜約75%、約25%〜約35%、約25%〜約40%、約25%〜約45%、約25%〜約50%、約25%〜約55%、約25%〜約60%、約25%〜約65%、約25%〜約70%、または約25%〜約75%の光を透過する。
一実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、光学的に半透明である。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約75%の光、約80%の光、約85%の光、約90%の光、約95%の光、または約100%の光を散乱的に透過する。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、少なくとも75%の光、少なくとも80%の光、少なくとも85%の光、少なくとも90%の光、または少なくとも95%の光を散乱的に透過する。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約75%〜約100%の光、約80%〜約100%の光、約85%〜約100%の光、約90%〜約100%の光、または約95%〜約100%の光を散乱的に透過する。
本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、ヒドロゲルを粒子に粉砕し、任意に、担体相、例えば水または生理食塩溶液と混合して、注射可能なまたは局所的物質、例えば溶液、油、ローション、ゲル、軟膏、クリーム、スラリー、軟膏剤、またはペーストを生成することにより、さらに加工処理され得る。したがって、開示されるヒドロゲル組成物は、単相または多相組成物であり得る。ヒドロゲルは、直径約10μm〜約1000μm、例えば、約15μm〜約30μm、約50μm〜約75μm、約100μm〜約150μm、約200μm〜約300μm、約450μm〜約550μm、約600μm〜約700μm、約750μm〜約850μm、または約900μm〜約1,000μmの粒径に粉砕され得る。
本明細書の態様は、一部は、注射可能である本明細書中に開示される組成物を提供する。本明細書で使用される「注射可能な」という用語は、微細な針を有する注射器具を用いて個人の皮膚領域に組成物を投与するために必要な特性を有する物質を指す。本明細で使用される「微細な針」という用語は、27ゲージまたはそれより小さい針を指す。本明細書中に開示される組成物の注射可能性は、上記のようなヒドロゲル粒子をある大きさに作製することにより成し遂げられ得る。
本実施形態の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、微細な針を通して注射可能である。本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、例えば、約27ゲージ、約30ゲージ、または約32ゲージの針を通して注射可能である。本実施形態のさらに他の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、例えば、22ゲージ以下、27ゲージ以下、30ゲージ以下、または32ゲージ以下の針を通して注射可能である。本実施形態のさらに他の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、例えば、約22ゲージ〜約35ゲージ、22ゲージ〜約34ゲージ、22ゲージ〜約33ゲージ、22ゲージ〜約32ゲージ、約22ゲージ〜約27ゲージ、または約27ゲージ〜約32ゲージの針を通して注射可能である。
本実施形態の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、100mm/分の速度で、約60N、約55N、約50N、約45N、約40N、約35N、約30N、約25N、約20N、または約15Nの押出力で、注射され得る。本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、約60N以下、約55N以下、約50N以下、約45N以下、約40N以下、約35N以下、約30N以下、約25N以下、約20N以下、約15N以下、約10N以下、または約5N以下の押出力で、27ゲージ針を通して注射され得る。本実施形態のさらに他の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、約60N以下、約55N以下、約50N以下、約45N以下、約40N以下、約35N以下、約30N以下、約25N以下、約20N以下、約15N以下、約10N以下、または約5N以下の押出力で、30ゲージ針を通して注射され得る。本実施形態のさらに他の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、約60N以下、約55N以下、約50N以下、約45N以下、約40N以下、約35N以下、約30N以下、約25N以下、約20N以下、約15N以下、約10N以下、または約5N以下の押出力で、32ゲージ針を通して注射され得る。
本明細書の態様は、一部は、凝集性(cohesivity)を示す本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。凝集度、凝集吸引力、凝集力、または圧縮力とも呼ばれる凝集性は、分子を結びつけるように作用する物質内の分子様物間の分子間吸引力により引き起こされる物質の物理学的特性である。凝集性は、グラム力(gmf)で表される。凝集性は、他の因子の中でも特に、遊離グリコサミノグリカンポリマーの最初の分子量比、グリコサミノグリカンポリマーの架橋の程度、架橋後の残留遊離グリコサミノグリカンポリマーの量、ならびにヒドロゲル組成物のpHによる影響を受ける。組成物は、投与の部位に局在化されたままであるのに十分に凝集性であるべきである。さらに、ある特定の用途においては、機械的負荷循環の事象では、組成物が、その形状を、ひいてはその機能を保持するための十分な凝集性が重要である。したがって、一実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、水と同等の凝集性を示す。さらに別の実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、投与部位に局在化されたままであるのに十分な凝集性を示す。さらに別の実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、その形状を保持するのに十分な凝集性を示す。さらなる実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、その形状および機能性を保持するのに十分な凝集性を示す。
本明細書の態様は、一部は、生理学的に許容される浸透圧を示す本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「浸透圧」という用語は、溶液中の浸透活性溶質の濃度を指す。本明細書で使用される「生理学的に許容される浸透圧」という用語は、生きている生物体の正常機能と一致するかまたはその特徴を示す浸透圧を指す。したがって、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の投与は、哺乳動物に投与される場合、長期または恒久的有害作用を実質的に有さない浸透圧を示す。浸透圧は、溶媒1リットル当たりの浸透活性溶質のオスモル(オスモル/LまたはOsm/L)で表される。浸透圧は、溶質のモル数ではなく浸透活性溶質粒子のモル数を測定するため、モル濃度とは異なる。溶液中で解離し得る化合物がある一方で、解離し得ない化合物もあり得るため、相違が生じる。溶液の浸透圧は、以下の式から計算することができる:オスモル/L=Σφη(式中、φは浸透係数であり、これは溶液の非理想性の程度を説明する;ηは、分子が解離する粒子(例えばイオン)の数である;ならびにCは、溶質のモル濃度である;そしてiは、特定の溶質がどれであるかを表す指数である)。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の浸透圧は、溶液を測定する従来の方法を用いて測定することができる。
一実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、生理学的に許容される浸透圧を示す。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約100mOsm/L、約150mOsm/L、約200mOsm/L、約250mOsm/L、約300mOsm/L、約350mOsm/L、約400mOsm/L、約450mOsm/L、または約500mOsm/Lの浸透圧を示す。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、少なくとも100mOsm/L、少なくとも150mOsm/L、少なくとも200mOsm/L、少なくとも250mOsm/L、少なくとも300mOsm/L、少なくとも350mOsm/L、少なくとも400mOsm/L、少なくとも450mOsm/L、または少なくとも500mOsm/Lの浸透圧を示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、最大で100mOsm/L、最大で150mOsm/L、最大で200mOsm/L、最大で250mOsm/L、最大で300mOsm/L、最大で350mOsm/L、最大で400mOsm/L、最大で450mOsm/L、または最大で500mOsm/Lの浸透圧を示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約100mOsm/L〜約500mOsm/L、約200mOsm/L〜約500mOsm/L、約200mOsm/L〜約400mOsm/L、約300mOsm/L〜約400mOsm/L、約270mOsm/L〜約390mOsm/L、約225mOsm/L〜約350mOsm/L、約250mOsm/L〜約325mOsm/L、約275mOsm/L〜約300mOsm/L、または約285mOsm/L〜約290mOsm/Lの浸透圧を示す。
本明細書の態様は、一部は、生理学的に許容される浸透圧を示す本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「浸透圧」という用語は、身体中の溶媒の1キロ当たりの浸透活性溶質の濃度を指す。本明細書で使用される「生理学的に許容される浸透圧」という用語は、生きている生物体の正常機能と一致するかまたはその特徴を示す浸透圧を指す。したがって、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の投与は、哺乳動物に投与される場合、長期または恒久的有害作用を実質的に有さない浸透圧を示す。浸透圧は、溶媒1キログラム当たりの浸透活性溶質のオスモル(オスモル/kgまたはOsm/kg)で表され、その溶液中に存在する全溶質のモル数の和と等しい。溶液の浸透圧は、浸透圧計を用いて測定することができる。現代の研究室で最も一般に用いられる計器は、氷点降下型浸透圧計である。この計器は、浸透圧増大に伴って溶液中で起こる氷点の変化(氷点降下型浸透圧計)、または浸透圧増大に伴って溶液中で起こる蒸気圧の変化(蒸気圧降下型浸透圧計)を測定する。
一実施形態では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、生理学的に許容される浸透圧を示す。本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約100mOsm/kg、約150mOsm/kg、約200mOsm/kg、約250mOsm/kg、約300mOsm/kg、約350mOsm/kg、約400mOsm/kg、約450mOsm/kg、または約500mOsm/kgの浸透圧を示す。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、少なくとも100mOsm/kg、少なくとも150mOsm/kg、少なくとも200mOsm/kg、少なくとも250mOsm/kg、少なくとも300mOsm/kg、少なくとも350mOsm/kg、少なくとも400mOsm/kg、少なくとも450mOsm/kg、または少なくとも500mOsm/kgの浸透圧を示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、最大で100mOsm/kg、最大で150mOsm/kg、最大で200mOsm/kg、最大で250mOsm/kg、最大で300mOsm/kg、最大で350mOsm/kg、最大で400mOsm/kg、最大で450mOsm/kg、または最大で500mOsm/kgの浸透圧を示す。本実施形態のさらに他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約100mOsm/kg〜約500mOsm/kg、約200mOsm/kg〜約500mOsm/kg、約200mOsm/kg〜約400mOsm/kg、約300mOsm/kg〜約400mOsm/kg、約270mOsm/kg〜約390mOsm/kg、約225mOsm/kg〜約350mOsm/kg、約250mOsm/kg〜約325mOsm/kg、約275mOsm/kg〜約300mOsm/kg、または約285mOsm/kg〜約290mOsm/kgの浸透圧を示す。
本明細書の態様は、一部は、実質的安定性を示す本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「安定性」または「安定な」という用語は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物に言及する場合、個人への投与前に保存される間、任意の実質的または有意程度に劣化し、分解し、または破壊する傾向がない組成物を指す。本明細書で使用される「実質的熱安定性」、「実質的に熱安定性の」、「オートクレーブ安定性の」、または「蒸気滅菌安定性の」という用語は、本明細書中に開示されるような熱処理に付された場合に実質的に安定である本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を指す。
本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の安定性は、ヒドロゲル組成物を、正常圧での、または圧力下(例えばオートクレーブ処理)で、熱処理、例えば蒸気滅菌に付すことにより確定され得る。好ましくは、熱処理は、約1分〜約10分間、少なくとも約100℃の温度で実行される。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の実質的安定性は、1)滅菌後の本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の押出力(ΔF)の変化を確定することにより(この場合、(特定添加物を有するヒドロゲル組成物の押出力)−(付加添加物を有さないヒドロゲル組成物の押出力)により測定して、2Nより低い押出力の変化が、実質的に安定なヒドロゲル組成物を示す);および/または2)滅菌後の本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の流動学的特性の変化を確定することにより(この場合、(添加剤を有するゲル製剤のtanδ1Hz)−(添加剤を有さないゲル製剤のtanδ1Hz)により測定して、0.1未満のtanδ1Hzの変化が、実質的に安定なヒドロゲル組成物を示す)、評価され得る。したがって、本明細書中に開示される実質的安定ヒドロゲル組成物は、滅菌後の以下の特徴のうちの1つ以上を保持する:均質性、押出力、凝集性、ヒアルロナン濃度、作用物質(単数または複数)濃度、浸透圧、pH、または熱処理前にヒドロゲルにより望まれる他の流動学的特徴。
一実施形態では、グリコサミノグリカンポリマーおよび本明細書中に開示される少なくとも1つの作用物質を含むヒドロゲル組成物は、本明細書中に開示される所望のヒドロゲル特性を維持する熱処理を用いて加工処理される。本実施形態の態様では、グリコサミノグリカンポリマーおよび本明細書中に開示される少なくとも1つの作用物質を含むヒドロゲル組成物は、例えば、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、または約130℃の熱処理を用いて加工処理される。本実施形態の他の態様では、グリコサミノグリカンポリマーおよび本明細書中に開示される少なくとも1つの作用物質を含むヒドロゲル組成物は、例えば、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、少なくとも125℃、または少なくとも130℃の熱処理を用いて加工処理される。本実施形態のさらに他の態様では、グリコサミノグリカンポリマーおよび本明細書中に開示される少なくとも1つの作用物質を含むヒドロゲル組成物は、例えば、約100℃〜約120℃、約100℃〜約125℃、約100℃〜約130℃、約100℃〜約135℃、約110℃〜約120℃、約110℃〜約125℃、約110℃〜約130℃、約110℃〜約135℃、約120℃〜約125℃、約120℃〜約130℃、約120℃〜約135℃、約125℃〜約130℃、または約125℃〜約135℃の熱処理を用いて加工処理される。
本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の長期安定性は、ヒドロゲル組成物を、熱処理、例えば、約45℃の環境で約60日間貯蔵に付すことにより確定され得る。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の長期安定性は、1)45℃の熱処理後のヒドロゲル組成物の透明度および色を査定することにより(透明および無色ヒドロゲル組成物が実質的に安定なヒドロゲル組成物を示す)、2)45℃の熱処理後の本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の押出力(ΔF)の変化を確定することにより(この場合、(45℃の熱処理前の特定の添加剤を有するヒドロゲル組成物の押出力)−(45℃の熱処理後の特定の添加剤を有するヒドロゲル組成物の押出力)により測定して、2Nより低い押出力の変化が実質的に安定なヒドロゲル組成物を示す)、ならびに/または3)滅菌後の本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の流動学的特性の変化を確定することにより(この場合、(45℃の熱処理前の特定の添加剤を有するtanδ1Hzのゲル製剤)−(45℃の熱処理後の特定の添加剤を有するtanδ1Hzのゲル製剤)により測定して、0.1未満のtanδ1Hzの変化が、実質的に安定なヒドロゲル組成物を示す)、評価することができる。したがって、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の長期安定性は、45℃の熱処理後の以下の特徴のうちの1つ以上の保持により評価される:透明度(透明性および半透明性)、均質性、および凝集性。
本実施形態の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約3ヶ月間、約6ヶ月間、約9ヶ月間、約12ヶ月間、約15ヶ月間、約18ヶ月間、約21ヶ月間、約24ヶ月間、約27ヶ月間、約30ヶ月間、約33ヶ月間、または約36ヶ月間、室温で実質的に安定である。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも15ヶ月間、少なくとも18ヶ月間、少なくとも21ヶ月間、少なくとも24ヶ月間、少なくとも27ヶ月間、少なくとも30ヶ月間、少なくとも33ヶ月間、または少なくとも36ヶ月間、室温で実質的に安定である。本実施形態の他の態様では、ヒドロゲル組成物は、例えば、約3ヶ月間〜約12ヶ月間、約3ヶ月間〜約18ヶ月間、約3ヶ月間〜約24ヶ月間、約3ヶ月間〜約30ヶ月間、約3ヶ月間〜約36ヶ月間、約6ヶ月間〜約12ヶ月間、約6ヶ月間〜約18ヶ月間、約6ヶ月間〜約24ヶ月間、約6ヶ月間〜約30ヶ月間、約6ヶ月間〜約36ヶ月間、約9ヶ月間〜約12ヶ月間、約9ヶ月間〜約18ヶ月間、約9ヶ月間〜約24ヶ月間、約9ヶ月間〜約30ヶ月間、約9ヶ月間〜約36ヶ月間、約12ヶ月間〜約18ヶ月間、約12ヶ月間〜約24ヶ月間、約12ヶ月間〜約30ヶ月間、約12ヶ月間〜約36ヶ月間、約18ヶ月間〜約24ヶ月間、約18ヶ月間〜約30ヶ月間、または約18ヶ月間〜約36ヶ月間、室温で実質的に安定である。
本明細書の態様は、一部は、薬学的に許容される組成物である本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、個人に投与された場合に有害な、アレルギー性の、またはその他の厄介なもしくは望ましくない反応を生じない任意の分子実体または組成物を意味する。薬学的に許容されるヒドロゲル組成物は、医学的および獣医学的用途のために有用である。薬学的に許容されるヒドロゲル組成物は、単独で、または他の補足的活性成分、作用物質、薬物、もしくはホルモンと組み合わせて、個人に投与され得る。
本明細書の態様は、一部は、薬理学的に許容される賦形剤を含む本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を提供する。本明細書で使用される「薬理学的に許容される賦形剤」という用語は、「薬理学的賦形剤」または「賦形剤」と同義であり、哺乳動物に投与される場合に長期または恒久的有害作用を実質的に有さない任意の賦形剤を指し、例えば、安定化剤、増量剤、凍結保護剤、溶解保護剤、添加剤、ビヒクル、担体、希釈剤、または補助剤のような化合物を包含する。賦形剤は、一般的に、活性成分と混合されるか、あるいは活性成分を希釈または封入させ、そして固体、半固体、または液体物質であり得る。本明細書中に開示される薬学的組成物は、薬学的に許容される組成物中への活性成分の加工処理を促す1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含み得ることも想定される。任意の薬理学的に許容される賦形剤が活性成分と不適合性でない限り、薬学的に許容される組成物中でのその使用が企図される。薬理学的に許容される賦形剤の非限定例は、例えば、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(Howard C.Ansel et al.,eds.,Lippincott Williams & Wilkins Publishers,7th ed.1999)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Alfonso R.Gennaro ed.,Lippincott,Williams & Wilkins,20th ed.2000)、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(Joel G.Hardman et al.,eds.,McGraw−Hill Professional,10th ed.2001)、およびHandbook of Pharmaceutical Excipients(Raymond C.Rowe et al.,APhA Publications,4th edition 2003)で見出すことができ、これらのそれぞれは、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、任意に、例えば、緩衝液、防腐剤、等張化剤、塩、酸化防止剤、浸透圧調節剤、乳化剤、湿潤剤、甘味剤、または風味剤等が挙げられるが、これらに限定されない、他の薬学的に許容される構成成分を含み得るが、これらに限定されないということもさらに想定される。
薬学的に許容される緩衝液は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を調製するために用いることができる緩衝液であるが、但し、その結果生じる調製物は、薬学的に許容されることを条件とする。薬学的に許容される緩衝液の非限定例としては、酢酸塩緩衝液、ホウ酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、中性緩衝化生理食塩水、リン酸塩緩衝液、およびリン酸塩緩衝化生理食塩水が挙げられる。任意の濃度の薬学的に許容される緩衝液が本明細書中に開示される薬学的組成物を処方するのに有用であり得るが、但し、治療的有効量の活性成分がこの有効濃度の緩衝液を用いて回収されることを条件とする。生理学的に許容される緩衝液の濃度の非限定例は、約0.lmM〜約900mMの範囲内で起こる。薬学的に許容される緩衝液のpHは調整され得るが、但し、その結果生じる調製物は薬学的に許容されることを条件とする。酸または塩基は、必要な場合、薬学的組成物のpHを調整するために用いられ得ることが理解される。任意の緩衝化pHレベルが薬学的組成物を処方するのに有用であり得るが、但し、この有効pHレベルを用いて、治療的有効量のマトリックスポリマー活性成分が回収されることを条件とする。生理学的に許容されるpHの非限定例は、約pH5.0〜約pH8.5の範囲内で起こる。例えば、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物のpHは、約5.0〜約8.0、または約6.5〜約7.5、約7.0〜約7.4、または約7.1〜約7.3であり得る。
薬学的に許容される防腐剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびブチル化ヒドロキシトルエンが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、例えばPURITE(登録商標)(Allergan,Inc.Irvine,CA)等の安定化オキシクロロ組成物、ならびに例えばDTPAまたはDTPA−ビスアミド、カルシウムDTPA、およびCaNaDTPA−ビスアミドのようなキレート化剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物に有用な薬学的に許容される等張化剤としては、例えば塩化ナトリウムおよび塩化カリウムのような塩;ならびにグリセリンが挙げられるが、これらに限定されない。組成物は塩として提供され得、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等が挙げられるが、これらに限定されない、多数の酸を用いて形成され得る。塩は、対応する遊離塩基形態であるより、水性または他のプロトン性溶媒中により可溶性である傾向を有する。製薬業界で既知のこれらのおよび他の物質が、本明細書中に開示される薬学的組成物中に含まれ得ることが理解される。薬理学的に許容される構成成分の他の非限定例は、例えば、Ansel、上記参照、(1999)、Gennaro、上記参照、(2000)、Hardman、上記参照、(2001)、およびRowe、上記参照、(2003)に見出され得、これらのそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書の態様は、一部は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与することにより個人の軟部組織状態を治療する方法を提供する。本明細書で使用される「治療する」という用語は、軟部組織の不完全、欠損、疾患、および/または障害により特徴付けられる軟部組織状態の美容的または臨床的症状を個人において低減するかまたは排除すること、あるいは軟部組織の不完全、欠損、疾患、および/または障害により特徴付けられる状態の美容的または臨床的症状の開始を、個人において遅延するかまたは防止することを指す。例えば、「治療すること」という用語は、軟部組織の欠損、疾患、および/または障害により特徴付けられる状態の症状を、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%低減することを意味し得る。軟部組織の欠損、疾患、および/または障害により特徴付けられる状態を治療することにおける本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の有効性は、1つ以上の美容的、臨床的症状、および/またはその状態と関連した生理学的指標を観察することにより決定され得る。軟部組織の欠損、疾患、および/または障害の改善はまた、併用療法の必要性の低減によっても示され得る。当業者は、特定の軟部組織の欠損、疾患、および/または障害と関連した適切な症状または指標を知るであろうし、そして個人が本明細書中に開示される化合物または組成物による治療のための候補者であるかどうかを確定する方法が分かるであろう。
ヒドロゲル組成物は、個人に投与される。個人は、典型的には、任意の年齢、性別、または人種のヒトである。典型的には、軟部組織状態を治療するための従来の処置のための候補者である任意の個人は、本明細書中に開示される方法のための候補者である。老化皮膚の兆候を経験している対象は成人であるが、早発性老化または治療に適している他の皮膚状態(例えば瘢痕)を経験している対象もまた、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物で治療され得る。さらに、現在開示されているヒドロゲル組成物および方法は、現行の軟部組織移植技術では技術的に可能でないかまたは審美的に許容されない可能性がある身体の一部または領域の小/中程度の拡大、形状変化、または輪郭変更を求めている個人に適用し得る。術前評価は、典型的には、当該処置の全ての関連する危険性および利益を開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。
本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物および方法は、軟部組織状態を治療するのに有用である。軟部組織状態としては、軟部組織の不完全、欠損、疾患、および/または障害が挙げられるが、これらに限定されない。軟部組織状態の非限定例としては、乳房の不完全、欠損、疾患、および/または障害、例えば乳房増大、乳房再建、乳房固定、小乳房症、胸郭形成不全、ポーランド症候群、被膜収縮および/もしくは破裂のような移植片合併症のための欠損;顔面不完全、欠損、疾患、および/または障害、例えば顔面増大、顔面再建、メソセラピー、パリーロンベルグ症候群、深在性紅斑性狼瘡、皮膚のくぼみ、瘢痕、こけた頬、薄唇、鼻の不完全もしくは欠損、眼窩後不完全もしくは欠損、眉間線、鼻唇線、口周囲線および/もしくはマリオネット線のような顔面の襞、線、および/または皺、ならびに/または顔面の他の輪郭変形部または不完全部;首の不完全、欠損、疾患、および/または障害;皮膚の不完全、欠損、疾患、および/または障害;他の軟部組織の不完全、欠損、疾患、および/または障害、例えば上腕、前腕、手、肩、背中、胴体(腹部等)、臀部、大腿部、下肢(ふくらはぎ等)、足部(足底脂肪パッド等)、眼、生殖器、あるいは他の身体の部分、領域、もしくは区域、あるいはこれらの身体の部分、領域、もしくは区域に影響を及ぼす疾患または障害;尿失禁、糞便失禁、他の型の失禁;ならびに逆流性食道炎(GERD)が挙げられる。本明細書で使用される「メソセラピー」という用語は、皮膚の非外科的美容的治療技法、例えば表皮、真皮−表皮接合部、および/または真皮中に小多重液滴として投与される作用物質の表皮内、真皮内、および/または皮下注射を指す。
本明細書中に開示される方法のいずれかとともに用いられるヒドロゲル組成物の量は、典型的には、個人および/または医師により所望される変更および/または改善、所望される軟部組織状態の症状の低減および/または排除、所望される臨床的および/または美容的効果、ならびに治療されている身体の部分または領域に基づいて決定される。組成物投与の有効性は、以下の臨床的および/または美容的尺度のうちの1つ以上により明示され得る:軟部組織形状の変更および/または改善、軟部組織サイズの変更および/または改善、軟部組織輪郭の変更および/または改善、組織機能の変更および/または改善、組織内部成長の支援および/または新規コラーゲン沈着、組成物の持続する移植性、患者の満足度および/または生活の質の改善、ならびに移植可能な外来物質の使用減少。
例えば、乳房増大手術に関しては、組成物および方法の有効性は、以下の臨床的および/または美容的尺度のうちの1つ以上により明示され得る:乳房サイズ増大、乳房形状変更、乳房輪郭変更、持続する移植性、被膜収縮の危険の低減、脂肪壊死嚢胞形成率の減少、患者の満足および/または生活の質の改善、ならびに乳房移植の使用減少。
別の例として、顔面軟部組織を治療することにおける組成物および方法の有効性は、以下の臨床的および/または美容的尺度のうちの1つ以上により明示され得る:口唇、頬、または眼領域のサイズ、形状、および/または輪郭の増大のような顔面特徴のサイズ、形状、および/または輪郭の増大;口唇、頬または眼領域形状のサイズ、形状、および/または輪郭の変更のような顔面特徴のサイズ、形状、および/または輪郭の変更;皮膚の皺、襞、または線の低減または排除;皮膚の皺、襞、または線に対する抵抗性;皮膚の再水分補給;皮膚に対する弾性増大;皮膚の粗さの低減または排除;皮膚の張りの増大および/または改善;ストレッチラインまたはマークの低減または排除;皮膚の色調、つや、光沢、および/または輝きの増大および/または改善;肌色の増大および/または改善、皮膚の血色の悪さの低減または排除;組成物の持続する移植性;副作用の減少;患者の満足および/または生活の質の改善。
さらに別の例として、尿失禁手術に関しては、括約筋支持のための組成物および方法の有効性は、以下の臨床的尺度のうちの1つ以上により明示され得る:失禁頻度の減少、持続する移植性、患者の満足および/または生活の質の改善、ならびに移植可能な外来充填剤の使用減少。
本実施形態の態様では、投与されるヒドロゲル組成物の量は、例えば、約0.01g、約0.05g、約0.1g、約0.5g、約1g、約5g、約10g、約20g、約30g、約40g、約50g、約60g、約70g、約80g、約90g、約100g、約150g、または約200gである。本実施形態の他の態様では、投与されるヒドロゲル組成物の量は、例えば、約0.01g〜約0.1g、約0.1g〜約1g、約1g〜約10g、約10g〜約100g、または約50g〜約200gである。本実施形態のさらに他の態様では、投与されるヒドロゲル組成物の量は、例えば、約0.01mL、約0.05mL、約0.1mL、約0.5mL、約1mL、約5mL、約10mL、約20mL、約30mL、約40mL、約50mL、約60mL、約70g、約80mL、約90mL、約100mL、約150mL、または約200mLである。本実施形態の他の態様では、投与されるヒドロゲル組成物の量は、例えば、約0.01mL〜約0.1mL、約0.1mL〜約1mL、約1mL〜約10mL、約10mL〜約100mL、または約50mL〜約200mLである。
治療の持続期間は、典型的には、個人および/または医師により所望される美容的および/または臨床的効果、ならびに治療されている身体の部分または領域に基づいて決定される。本実施形態の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の投与は、例えば、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約12ヶ月間、約13ヶ月間、約14ヶ月間、約15ヶ月間、約18ヶ月間、または約24ヶ月間、軟部組織状態を治療することができる。本実施形態の他の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の投与は、例えば、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも13ヶ月間、少なくとも14ヶ月間、少なくとも15ヶ月間、少なくとも18ヶ月間、または少なくとも24ヶ月間、軟部組織状態を治療することができる。本実施形態のさらなる態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の投与は、例えば、約6ヶ月間〜約12ヶ月間、約6ヶ月間〜約15ヶ月間、約6ヶ月間〜約18ヶ月間、約6ヶ月間〜約21ヶ月間、約6ヶ月間〜約24ヶ月間、約9ヶ月間〜約12ヶ月間、約9ヶ月間〜約15ヶ月間、約9ヶ月間〜約18ヶ月間、約9ヶ月間〜約21ヶ月間、約6ヶ月間〜約24ヶ月間、約12ヶ月間〜約15ヶ月間、約12ヶ月間〜約18ヶ月間、約12ヶ月間〜約21ヶ月間、約12ヶ月間〜約24ヶ月間、約15ヶ月間〜約18ヶ月間、約15ヶ月間〜約21ヶ月間、約15ヶ月間〜約24ヶ月間、約18ヶ月間〜約21ヶ月間、約18ヶ月間〜約24ヶ月間、または約21ヶ月間〜約24ヶ月間、軟部組織状態を治療することができる。
本明細書の態様は、一部は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与することを提供する。本明細書で使用される「投与すること」という用語は、臨床的、療法的、または実験的に有益な結果を生じる可能性がある、本明細書中に開示される組成物を個人に提供する任意の送達機序を意味する。組成物を個人に投与するために用いられる実際の送達機序は、例えば皮膚状態の型、皮膚状態の位置、皮膚状態の原因、皮膚状態の重症度、所望の軽減の程度、所望の軽減の持続期間、用いられる特定組成物、用いられる特定組成物の排出速度、用いられる特定組成物の薬動力学、用いられる特定組成物中に含まれる他の化合物の性質、特定投与経路、個人の特定の特徴、病歴、および危険因子、例えば年齢、体重、全身健康状態等、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、因子を考慮にすることによって、当業者により決定され得る。本実施形態の一態様では、本明細書中に開示される組成物は、注射により個人の皮膚領域に投与される。
個人患者へのヒドロゲル組成物の投与経路は、典型的には、個人および/または医師により所望される美容的および/または臨床的効果、ならびに治療されている身体の部分または領域に基づいて決定される。本明細書中に開示される組成物は、針付き注射器、ピストル(例えば、ハイドロニューマチック圧縮ピストル)、カテーテル、局所的に、または直接外科的埋込みによる等が挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の任意の手段により投与され得る。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、皮膚領域、例えば真皮領域または皮下組織領域に投与され得る。例えば、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、直径約0.26mm〜約0.4mm、長さ約4mm〜約14mmの針を用いて注射され得る。代替的には、この針は、21〜32Gであり、長さ約4mm〜約70mmを有し得る。好ましくは、この針は使い捨て針である。この針は、注射器、カテーテル、および/またはピストルと組み合わせられ得る。
さらに、本明細書中に開示される組成物は、1回、または複数回にわたって投与され得る。結局、用いられるタイミングは、品質管理標準に従う。例えば、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、1回、または数日もしくは数週間の間隔を置いた期間で数回にわたって投与され得る。例えば、個人は、1、2、3、4、5、6、もしくは7日毎に、または1、2、3、もしく4週間毎に、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与され得る。個人への本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物の投与は、月に1回または隔月ベースであり得るし、または3、6、9、もしくは12ヶ月間毎に投与され得る。
乳房軟部組織置換手術に関しては、投与経路としては、腋窩、乳輪周囲、および/または乳房下部経路が挙げられる。代替的には、またはさらに、組成物は、経腋窩的内視鏡胸筋下アプローチを通して送達され得る。顔面軟部組織置換手術に関しては、投与経路は、前頭、側頭、頬骨、眼周囲、下顎骨、口腔周囲、または顎経路であり得る。尿失禁手術では、投与経路は、経尿道または尿道周囲経路を含み得る。代替的にはまたはさらに、投与は、順行性経路を介して送達され得る。本明細書中に開示される経路は、所望の臨床的効果を達成するための多重経路の使用を除外しない。
本明細書の態様は、一部は、真皮領域を提供する。本明細書で使用される「真皮領域」という用語は、表皮−真皮接合部と、表在性真皮(真皮乳頭領域)および深部真皮(網様領域)を含む真皮と、を含む皮膚の領域を指す。皮膚は、3つの主要層:表皮(防水を提供し、感染に対するバリアとして役立つ)、真皮(皮膚の付属物のための場所として役立つ)、ならびに皮下組織(皮下脂肪層)で構成される。表皮は、血管を含有せず、真皮からの拡散により栄養が提供される。表皮を構成する主な種類の細胞は、ケラチノサイト、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、およびメルケル細胞である。
真皮は、結合組織からなり、応力および歪みから身体を守る表皮の下の皮膚の層である。真皮は、基底膜により表皮にしっかりと結合される。それはまた、触覚および温覚を提供する多数の機械的受容器/神経終末も保有する。それは、毛包、汗腺、皮脂腺、アポクリン腺、リンパ管、および血管を含有する。真皮中の血管は栄養を提供し、それ自体の細胞から、ならびに表皮の基底層からの老廃物除去を提供する。真皮は、構造的に以下の2つの区域に分けられる:表皮に隣接する表在性区域(乳頭領域と呼ばれる)、および網様領域として知られている深部のより厚い区域。
乳頭領域は、疎性輪紋状結合組織からなる。それは、表皮の方向に伸びる乳頭と呼ばれるその指様突起にちなんで命名されている。乳頭は、表皮と嵌合して、皮膚の2つの層の間の結合を強くする「でこぼこの」表面を真皮に提供する。網様領域は、乳頭状領域の深部に存在し、通常は乳頭領域よりもさらに厚い。それは、密な不規則結合組織からなり、その全体を作り上げる密な濃度のコラーゲン繊維、弾性繊維、および網様繊維からその名を得ている。これらのタンパク質繊維は、強さ、伸展性、および弾性というその特性を真皮に与える。毛根、皮脂腺、汗腺、受容器、爪、および血管も、網様領域内に存在する。入れ墨のインクは真皮に保持される。また、妊娠線も真皮に位置する。
皮下組織は、真皮の下に存在する。その目的は、皮膚の真皮領域をその下にある骨および筋肉に付着し、ならびにそれに血管および神経を供給することである。それは、疎性結合組織およびエラスチンからなる。主な細胞型は、繊維芽細胞、マクロファージ、および脂肪細胞である(皮下組織は、体脂肪の50%を含有する)。脂肪は、身体のための詰め物および絶縁体として役立つ。
本実施形態の一態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、真皮領域または皮下組織領域への注射により、個人の皮膚領域に投与される。本実施形態の態様では、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物は、例えば表皮−真皮接合部領域、乳頭領域、網様領域、またはそれらの任意の組み合わせへの注射により、個人の真皮領域に投与される。
本明細書の態様は、一部は、個人の軟部組織状態を治療する方法を開示し、本方法は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を個人の軟部組織状態の部位に投与するステップを含み、組成物の投与は、軟部組織状態を改善し、それにより、軟部組織状態を治療する。本実施形態の態様では、軟部組織状態は、乳房組織状態、顔面組織状態、首状態、皮膚状態、上腕状態、前腕状態、手状態、肩状態、背中状態、胴体(腹部状態等)、臀部状態、大腿状態、下肢状態(ふくらはぎ状態等)、足状態(足底脂肪パッド状態等)、眼状態、生殖器状態、または別の身体の部分、領域、もしくは区域に作用する状態である。
本明細書の他の態様は、一部は、皮膚状態を治療する方法を開示し、本方法は、本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を皮膚状態に罹患している個人に投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚状態を改善し、それにより、皮膚状態を治療する。本実施形態の一態様では、皮膚状態は、皮膚脱水症であり、それを治療する方法であり、皮膚脱水症に罹患している個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚に水分補給し、それにより、皮膚脱水症を治療する。本実施形態の別の態様では、皮膚弾性の欠如の治療方法は、皮膚弾性の欠如に苦しんでいる個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚の弾性を増大し、それにより、皮膚弾性の欠如を治療する。本実施形態のさらに別の態様では、皮膚の肌理の粗さの治療方法は、皮膚の肌理の粗さに苦しんでいる個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚の肌理の粗さを低減し、それにより、皮膚の肌理の粗さを治療する。本実施形態のさらに別の態様では、皮膚の張りの欠如の治療方法は、皮膚の張りの欠如に苦しんでいる個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚に張りを持たせ、それにより、皮膚の張りの欠如を治療する。
本実施形態のさらなる態様では、皮膚のストレッチラインまたはマークの治療方法は、皮膚のストレッチラインまたはマークに苦しんでいる個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚のストレッチラインまたはマークを低減するかまたは排除し、それにより、皮膚のストレッチラインまたはマークを治療する。本実施形態の別の態様では、皮膚蒼白の治療方法は、皮膚蒼白に苦しんでいる個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚の色調または輝きを増大し、それにより、皮膚蒼白を治療する。本実施形態の別の態様では、皮膚の皺の治療方法は、皮膚の皺に苦しんでいる個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚の皺を低減するかまたは排除し、それにより、皮膚の皺を治療する。本実施形態のさらに別の態様では、皮膚の皺の治療方法は、個人に本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物を投与するステップを含み、組成物の投与は、皮膚の皺に耐性を示す皮膚を形成し、それにより、皮膚の皺を治療する。
実施例
以下の実施例は、現在、企図されている代表的な実施形態を説明するが、開示されるヒドロゲル組成物、およびこのようなヒドロゲル組成物を用いて軟部組織増大の方法を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
ゲル凝集性を確定するための方法
本実施例は、HA系ゲル組成物の凝集性を立証または定量化するために実施され得る。
第1に、試験されるべき0.2gまたは0.4gのゲル組成物をガラス製注射器に入れる。次に、0.2g以上のリン酸塩緩衝液を注射器に入れ、混合物を約1時間、十分に混合して、均質混合物を得る。次いで、均質化混合物を、2000tr/分で5分間遠心分離して、気泡を除去し、任意の粒子のデカンテーションを行う。次いで、注射器を垂直位置に保持して、注射器と18G針を用いて一滴のエオシン着色剤をゲルの表面に沈着させる。10分後、染料はゲル全体に徐々に拡散した。
ゲルの希釈、均質化、およびデカンテーション後、相対的に低い凝集性のゲルは、相分離を示す(粒子を有さない上部希釈低粘性相と、裸眼または顕微鏡下で見えるデカント化粒子からなる下部相)。同一条件下で、高凝集性ゲルは実質的に相分離を示さず、染料は凝集性製剤中に分散するのを防止される。一方、相対的低凝集性ゲルは、明瞭な相分離を示す。
実施例2
HA系ゲル製剤の押出性における水溶性分子の作用
活性成分をHA系ゲルマトリックス中に組み込んで、約130℃〜約135℃の温度で、約1分間〜約10分間、蒸気滅菌によりオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後および室温で3年に相当する期間後に、ヒドロゲル特性、外観(即ち、色/透明度/均質性)、および押出力を分析した。製剤は全て、透明、均質、無色であって、オートクレーブ処理後および3年に相当する時点で、許容される押出力特性を有した(表3)。これらの結果は、試験ゲルが分解を示さず、ゲルが安定で、当該成分の取り込みがヒドロゲル特性および構造に影響を及ぼさなかったことを示している。
実施例3
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンC誘導体の作用
アスコルビン酸を、1%(w/w)の濃度で、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルのpHを約7に調整して、約130℃〜約135℃の温度で、約1分間〜約10分間、蒸気滅菌によりオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前は、透明で無色あったが、オートクレーブ処理後は、ゲルは、透明であるが黄色になり、試験ゲルが分解されたことを示している。
実施例4
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンC誘導体の作用
マグネシウムアスコルビルホスフェート(MAP)を、0.6%(w/w)、1%(w/w)、または2%(w/w)の濃度で、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルのpHを約7に調整して、実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前および処理後の両方で、ゲルは透明で無色であった。押出力および分解の両方を用いて、ゲルの流動学的特性を査定した。以下の方法に従って、制御応力流量計を用いて、時間の一関数として分解を測定した:0.8%(w/w)制御歪みでの0.05Hz〜10Hzの周波数掃引。
ΔTanδ1Hz=(Tanδ1Hz試験ゲル)−(Tanδ1Hz対照ゲル)(式中、Tanδ1Hzは、粘性率対弾性率の比である)。0.1未満のΔTanδ1Hzは、検出可能な分解が存在しないことを実証しており、ゲルが安定であったことを示している。流動学的分析は、試験ゲルが許容される押出力特性を有するが、試験ゲルはオートクレーブ処理後に分解を示し、ゲルが不安定であったことを示している(表4)。
実施例5
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンC誘導体の作用
ナトリウムアスコビルホスフェート(SAP)を、0.6%(w/w)、1%(w/w)、または2%(w/w)の濃度で、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルのpHを約7に調整して、実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前および処理後の両方で、ゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表5)。
実施例6
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンC誘導体の作用
アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))を、0.6%(w/w)、1%(w/w)、または2%(w/w)の濃度で、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルのpHを約7に調整して、実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前および処理後の両方で、ゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表6)。試験ゲルの分解は、アスコルビン酸2−グルコシドの濃度が増大すると、減少し、アスコルビン酸2−グルコシドの濃度が高いほどゲル安定性が増大したことを示している。
実施例7
HA系ゲル製剤の長期間安定性へのビタミンC誘導体の作用
実施例6において調製された製剤は、45℃で32日間の保存期間について試験し、いかなる添加剤をも有さないHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明で無色であった。驚くべきことに、流動学的分析は、アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))を有する試験ゲルは全て、試験期間中、分解を示さないだけでなく、これらのゲルは、経時的安定性の増大を示す、ということを示した(表4からのΔTanδ1Hz値を、表7からのΔTanδ1Hz値と比較)。
実施例8
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンE誘導体の作用
酢酸トコフェロールを、0.5%(w/w)または1.2%(w/w)の濃度で、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、ゲルは不透明で白色であった。
実施例9
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンE誘導体の作用
ナトリウムトコフェリルホスフェート(STP)を、0.4%(w/w)または1.2%(w/w)の濃度で、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、ゲルは不透明で白色であった。
実施例10
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンE誘導体の作用
ポリオキシエタニル−α−トコフェロールセバシン酸塩0.7%(w/w)を、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、ゲルは透明であったが、不均質であった。
実施例11
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンE誘導体の作用
トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)を、1%(w/w)、3.5%(w/w)、または7%(w/w)の濃度で、HA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前および処理後の両方で、ゲルは透明で無色あった。流動学的分析は、試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表8)。
実施例12
HA系ゲル製剤の押出性および安定性へのビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体、および麻酔剤の作用
リドカインを、0.3%(w/w)の濃度で、0.6%(w/w)アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))または0.6%(w/w)アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))および1.5%(w/w)TPGSのいずれかを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前および処理後の両方で、ゲルは透明で無色あった。流動学的分析は、試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表9)。
実施例13
HA系ゲル製剤の長期間安定性へのビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体、および麻酔剤の作用
実施例12において調製された製剤は、45℃で48日間の保存期間について試験し、いかなる添加剤をも有さないHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明で無色であった。驚くべきことに、流動学的分析は、0.3%(w/w)のリドカイン、ならびに0.6%(w/w)のアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))または0.6%(w/w)のアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))および1.5%(w/w)のTPGSのいずれかを含む試験ゲルが、試験期間中に分解を示さないだけでない、ということを示した(表10)。
押出力、pH、および分解の安定性を、それぞれ図3、4、および5に経時的に示す。HPLC分析(C18カラム、溶離液:リン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)、2−プロパノール10%、0.7mL/分、260nmで検出)は、オートクレーブ処理後および3年の保存期間後の成分を確証し、図6に示す。
実施例14
ビタミンC誘導体はコラーゲン合成を促進する
ヒト皮膚線維芽細胞を、12ウェルプレート中で培養した。集密時に、100μLのそれぞれの化合物HA系ゲルマトリックス+0.3%(w/w)リドカイン;HA系ゲルマトリックス+0.3%(w/w)リドカインおよび0.6%(w/w)アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標));ならびにリン酸塩緩衝液+0.6%(w/w)アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))を培養挿入物(0.4μmの多孔性)中に沈着させて、これをそれ自体、線維芽細胞単層上に載せた。同時に、処理を伴わない対照を実施した。培養を72時間インキュベートして、各実験条件を三重で実行した。インキュベーションの終了時に、顕微鏡観察およびMTT還元検定により、細胞の生存を立証した。ELISAキットを用いて、プロコラーゲンI分泌を測定した。0.3%(w/w)リドカインを含有するヒアルロン酸ゲル中の0.6%(w/w)のアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))の存在は、第3因子によるプロコラーゲン合成を増大し(+292%)、一方、0.3%(w/w)のリドカインを有するゲルは、プロコラーゲン分泌の40%の増大を示した(図2を参照)。
実施例15
ビタミンC誘導体は、HA系ゲル製剤を酸化的分解から保護する
HA系ゲルマトリックスの酸化的分解におけるアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))の作用を試験した。フリーラジカルに対するHA系ゲルマトリックス耐性の試験を可能にするため、酸化試験を用いた。以下の方法に従って制御応力流量計で測定される拡散ゲルの表面の1/7比のH2O2 30%の付加により、フリーラジカルによる分解を、流動計(Haake Rheostress 600)でシミュレートした:35℃で3600s中の、0.8%制御歪みで1Hzの周波数。時間値は5Pa/sで得る。
さらに、HA系ゲルマトリックス+0.3%(w/w)のリドカインおよび0.06%(w/w)のアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))(15 800s)対HA系ゲルマトリックス+0.3%(w/w)のリドカイン(4 942s)に関する酸化防止特性の比較は、アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))およびリドカインを含有するゲルが、フリーラジカル活性に関して、より安定である、ということを示した(図7)。アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))は、第3因子による酸化的分解に対して保護した。
実施例16
埋込み試験
0.6%(w/w)のアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))を含有するゲルを、ラットの深部真皮および皮下組織中に埋め込んだ。1週間目の組織学的評価は、全ての埋込み部位(試験および対照)における埋込み物周囲のいくつかの単核細胞(リンパ球および形質細胞)を示した。それらはまた、マクロファージも伴っていた。アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G(商標))を含有するゲルは、低炎症性であるようであった。試験試料(AA2G(商標)を有するナトリウムHA)における刺激指数は、9.9であり、これに比して、対照(ナトリウムHAのみ)では12.3であった。表11は、1週間目、1ヶ月目、および3ヶ月目の組織学的結果を示す。それぞれの埋込み時間に関する試験ゲルの刺激スコアは、対照より低い。
実施例17
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への保湿剤の作用
デクスパンテノールを、1%(w/w)の濃度で、0.3%(w/w)のリドカインを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前および処理後の両方で、ゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、試験ゲルが安定であったことを示している(表12)。
実施例18
HA系ゲル製剤の長期間安定性への保湿剤の作用
実施例17において調製された製剤は、45℃で30日間の保存期間について試験し、いかなる添加剤をも有さないHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明で無色であった。驚くべきことに、流動学的分析は、デクスパンテノールを有する試験ゲルは、試験期間中、分解を示さないだけでなく、これらのゲルは、経時的安定性の増大を示す、ということを示した(表12からのΔTanδ1Hz値を、表13からのΔTanδ1Hz値と比較)。
実施例19
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への血管収縮剤の作用
酒石酸水素エピネフリンを、10ppm(1ppmは約0.1mg/g)の濃度で、HA系ゲルマトリックス)中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前および処理後の両方で得られたゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、10ppmの酒石酸水素エピネフリンを含む試験ゲルが許容される押出力特性を有したが、試験ゲルはオートクレーブ処理後に分解を示し、ゲルが不安定であったことを示している(表14)。
実施例20
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
酒石酸水素エピネフリンを、10ppmの濃度で、0.3%(w/w)のリドカインを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。オートクレーブ処理前に得られたゲルは透明で無色であったが、オートクレーブ処理後に得られたゲルは透明であるが有色であった。流動学的分析は、試験ゲルが許容される押出力特性を有することを示した(表15)。
実施例21
HA系ゲル製剤の長期間安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
実施例20において調製された製剤は、45℃で60日間の保存期間について試験し、いかなる添加剤をも有さないHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明でわずかに有色であった。流動学的分析は、0.3%(w/w)のリドカインおよび10ppmの酒石酸水素エピネフリンを有するゲルが、試験期間中、試験ゲルの分解を示し、ゲルが経時的に不安定であったことを示している(表13からのΔTanδ1Hz値を、表16からのΔTanδ1Hz値と比較)。
実施例22
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への血管収縮剤および酸化防止剤の作用
エピネフリンを、10ppmの濃度で、0.9(w/w)または4.5%(w/w)のマンニトールを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。4.5%(w/w)のマンニトールを有するゲルは、オートクレーブ処理前および処理後に透明で無色であったが、一方、0.9%(w/w)のマンニトールを有するゲルはわずかに有色であった。流動学的分析は、0.3%(w/w)のリドカイン、10ppmの酒石酸水素エピネフリン、ならびに0.9(w/w)または4.5%(w/w)のマンニトールを有する試験ゲルが、許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表17)。
実施例23
HA系ゲル製剤の長期間安定性への血管収縮剤および酸化防止剤の作用
実施例22において調製された製剤は、45℃で60日間の保存期間について試験し、いかなる添加剤をも有さないHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明でわずかに有色であった。流動学的分析は、0.3%(w/w)のリドカイン、10ppmの酒石酸水素エピネフリン、ならびに0.9(w/w)または4.5%(w/w)のマンニトールを有するゲルは、試験期間中、分解を示さないことを示し、試験ゲルが経時的に安定であったことを示している(表18)。4.5%(w/w)のマンニトールを有するゲルは、経時的により安定であった(表17からのΔTanδ1Hz値を表18からのΔTanδ1Hz値と比較)。
実施例24
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への血管収縮剤、酸化防止剤、および麻酔剤の作用
酒石酸水素エピネフリンを、20ppmの濃度で、0.3%(w/w)のリドカインおよび4.5%(w/w)のマンニトールを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。ゲルはオートクレーブ処理前には透明で無色であったが、オートクレーブ処理後にわずかに有色であった。流動学的分析は、20ppmの酒石酸水素エピネフリン、0.3%(w/w)のリドカイン、および4.5%(w/w)のマンニトールを有する試験ゲルは、許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表19)。
実施例25
HA系ゲル製剤の長期間安定性への血管収縮剤、酸化防止剤、および麻酔剤の作用
実施例24において調製された製剤は、45℃で60日間の保存期間について試験し、いかなる添加剤をも有さないHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明でわずかに有色であった。流動学的分析は、20ppmの酒石酸水素エピネフリン、0.3%(w/w)のリドカイン、および4.5%(w/w)のマンニトールを有する試験ゲルが、試験期間中、分解を示さないことを示した。
実施例26
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
シネフリンを、100ppmの濃度で、0.3%(w/w)のリドカインを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。ゲルは、オートクレーブ処理前および処理後の両方で透明で無色であった。流動学的分析は、100ppmのシネフリンおよび0.3%(w/w)のリドカインを有する試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表21)。
実施例27
HA系ゲル製剤の長期間安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
実施例26において調製された製剤は、45℃で60日間の保存期間について試験し、0.3%(w/w)のリドカインを有するHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、100ppmのシネフリンおよび0.3%(w/w)のリドカインを有する試験ゲルが、試験期間中、分析を示さないことを示した。
実施例28
オートクレーブ処理におけるHA系ゲル製剤の押出性および安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
フェニレフリンを、100ppmまたは400ppmの濃度で、0.3%(w/w)のリドカインを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。ゲルは、オートクレーブ処理前および処理後の両方で透明で無色であった。流動学的分析は、100ppmまたは400ppmのフェニレフリンおよび0.3%(w/w)のリドカインを有する試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表23)。
実施例28A
フェニレフリンを有する製剤の生体適合性
実施例28において調製された製剤は、埋め込み型医療機器の生体適合性を試験するために、ISO10993規格によって必要とされる4つの基礎試験を行った。それは、細胞傷害性試験(細胞アッセイ)、刺激試験(動物における皮膚観察)、感作性試験(アレルギー反応のための動物試験)、および急性/全身毒性試験(動物への腹腔内注射)を含む。両製剤は、フェニレフリンを有さない類似の製剤と比較した場合、有意な差異もなく、4つ全ての試験に合格した。
実施例29
HA系ゲル製剤の長期間安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
実施例28において調製された製剤は、45℃で60日間の保存期間について試験し、0.3%(w/w)のリドカインを有するHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、100ppmまたは400ppmのフェニレフリンおよび0.3%(w/w)のリドカインを有する試験ゲルは、試験期間中、分解を示さないことを示している。
実施例30
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
ナファゾリンを、100ppmの濃度で、0.3%(w/w)のリドカインを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。ゲルは、オートクレーブ処理前および処理後の両方で透明で無色であった。流動学的分析は、100ppmのナファゾリンおよび0.3%(w/w)のリドカインを有する試験ゲルが許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表25)。
実施例31
HA系ゲル製剤の長期間安定性への血管収縮剤および麻酔剤の作用
実施例30において調製された製剤は、45℃で60日間の保存期間について試験し、0.3%(w/w)のリドカインを有するHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、100ppmのナファゾリンおよび0.3%(w/w)のリドカインを有する試験ゲルが、試験期間中、分解を示さないことを示した。
実施例32
HA系ゲル製剤の押出性および安定性への抗出血剤および麻酔剤の作用
トラネキサム酸を、0.4%(w/w)の濃度で、0.3%(w/w)のリドカインを含むHA系ゲルマトリックス中に組み込み、ゲルを実施例3と同様にオートクレーブ処理した。ゲルは、オートクレーブ処理前および処理後の両方で透明で無色であった。流動学的分析は、0.4%(w/w)のトラネキサム酸および0.3%(w/w)のリドカインを有する試験ゲルが、許容される押出力特性を有し、かつ試験ゲルが対照に比して分解を示さないことを示し、ゲルが安定であったことを示している(表27)。
実施例33
HA系ゲル製剤の長期間安定性への抗出血剤および麻酔剤の作用
実施例32において調製された製剤は、45℃で60日間の保存期間について試験し、0.3%(w/w)のリドカインを有するHA系ゲルマトリックスと比較した。試験期間後、ゲルは透明で無色であった。流動学的分析は、ゲルが、試験期間中、安定であることを示した。
実施例34
皺の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、皺を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
37歳女性は、眼の周囲の微細な線ならびに口の側面に深い皺を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、14、26、28、30、および32の組成物のうちの1つを、患部領域の皮下および表在筋系下に、週1回、3週間;約1.0mL〜約2.0mLの組成物を患部頬領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、顔面領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、彼女がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例35
皺の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、皺を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
59歳男性は、その眉毛の間ならびに鼻唇襞に皺を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物のうちの1つを、患部領域の皮下および表在筋系下に、3ヶ月毎に1回;約1.5mL〜約3.0mLの組成物をそれぞれの患部領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、顔面領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該男性およびその医師はともに、彼がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、男性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例36
皺の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、皺を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
35歳女性は、額を横断する微細な線を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、患部領域の皮下および表在筋系下に、週1回、2週間;約1.0mL〜約2.0mLの組成物を患部頬領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、顔面領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、彼女がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例37
皺の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、皺を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
44歳女性は、老化によるコラーゲンの損失に起因する右頬上に凸凹のある肌理を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、患部領域の皮下および表在筋系下に、週1回、3週間;約3.0mL〜約4.0mLの組成物を患部頬領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、顔面領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、彼女がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例38
皺の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、皺を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
62歳女性は、額を横断する、眼の両側面、そして鼻唇襞の皺を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、患部領域の皮下および表在筋系下に;約1.5mL〜約2.5mLの組成物をそれぞれの患部領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、顔面領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、彼女がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例39
瘢痕の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、瘢痕を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
35歳男性は、顎を横断する深い瘢痕を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、患部領域の皮下および表在筋系下に;約1.0mL〜約2.0mLの組成物を患部領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、顔面領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該男性およびその医師はともに、彼がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、男性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例40
頬の顔面欠損の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、頬の顔面欠損を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
28歳女性は、痩せた顔面を呈する。彼女は、頬の輪郭があまりふくよかでないため、顔が老けて、悲しげで、不機嫌に見えると感じた。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、頬領域の皮下および表在筋系下に;約15mLの組成物を左および右頬に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、頬組織を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、彼女がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例41
眼瞼の顔面不完全の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、眼瞼の顔面不完全を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
37歳女性は、眼の落ちくぼみを呈し、この外観は、彼女を老けさせ、険しい顔つきにした。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、上眼瞼領域の皮下および表在筋系下に;約2.5mLの組成物を左および右眼瞼領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、眼瞼領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、彼女がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例42
皺の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、皺を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
55歳女性は、眼および頬領域周囲の皺を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、上眼瞼および頬領域の皮下および表在筋系下に;約1.5mLの組成物を左および右眼瞼および頬領域に投与する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、顔面領域を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、彼女がより若く見えるようになったため、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例43
乳房欠損の治療のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、乳房欠損を治療するための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
32歳女性は、乳房移植の内側部が可視であり、これが胸骨の「やせた(bony)」外観を目立たせたという不満を呈する。さらに、彼女は、乳房が離れすぎていると感じた。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、外側胸骨および内側乳房全体を覆うように両側に、右に15mL、左に10mL皮下投与する。組成物を涙様方式で投与して、表面積対容積比を増大する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、乳房を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
実施例44
乳房増大のための皮膚充填剤組成物の使用
この実施例は、乳房増大のための本明細書中に開示される組成物および方法の使用を説明する。
28歳女性は、小乳房症または乳房発育不全を呈する。当該人物の術前評価には、当該手術に関連する危険および利益の全てを開示する十分なインフォームドコンセントに加えて、日常の病歴および身体検査を包含する。個人を評価する医師は、彼女が本明細書中に開示される組成物および方法を用いて軟部組織治療のための候補者であることを決定する。本明細書中に開示されるヒドロゲル組成物、例えば、実施例11、12、17、22、24、26、28、30、および32の組成物を、腋窩、乳輪周囲、および乳房下経路を用いて両側に、右に90mL、左に145mL皮下投与する。組成物を涙様方式で投与して、表面積対容積比を増大する。次いで、個人を約7日間モニタリングする。医師は、乳房を評価し、治療が成功したことを決定する。当該女性およびその医師はともに、手術の結果に満足している。手術から約1ヶ月後に、女性は、生活の質が改善したことを示す。
結びに際して、本明細書の態様を、種々の実施形態に関して記載してきたが、当業者は、開示された具体例が本明細書中に開示される主題の原理を単に説明するものであることを容易に理解されよう。したがって、開示された主題は、本明細書中に開示される、特定の方法、プロトコル、および/または試薬等に決して限定されないことを理解されるべきである。したがって、当業者は、本明細書中の教示に従って、本明細書の精神を逸脱することなく、多数のおよび種々の修正または変更をなし得るか、または開示された主題の代替形状を作製することができる。添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神を逸脱することなく、詳細な変更がなされ得る。最後に、本明細書に用いられる用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、上の説明に含入されるか、または添付の図面に示される全ての内容は、例証として解釈されるに過ぎず、限定されるものではない。したがって、本発明は、明確に、示され、記載されるようなものに限定されない。
本発明のある特定の実施形態は、本発明を実行するために本発明人等に知られている最良の方式を含めて、本明細書に記載される。当然、これらの記載された実施形態に関する変形例は、前述の説明を読めば、当業者には明らかであろう。本発明人は、当業者が適切な場合はこのような変形例を用いることを予期するし、本発明人は、本発明が本明細書中に具体的に記載されたものとは別の方法で実行されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な規則により許される場合、これに添付される特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正物および等価物を包含する。さらに、本明細書中に別記しない限り、あるいはそうでない場合は、文脈により明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形例における上記の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
本明細書中に開示される本発明の代替的要素または実施形態の群分けは、限定的であると解釈されるべきでない。それぞれの群の成員は、個別に、あるいはその群の他の成員または本明細書中に見出される他の要素との任意の組み合わせで、言及され、特許請求され得る。便宜上および/または特許性という理由のために、ある群の1つ以上の成員が、ある群に含まれるか、または削除され得ることが予測される。任意のこのような含入または削除が生じる場合、本明細書は、修正されたものとして群を含み、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されている全てのマルクーシュ群の記載要件が満たされる。
別途指示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いられる成分、特性、例えば、分子量、反応条件等の量を表す数値は全て、「約」という用語により全ての場合に修飾されていると理解されるべきである。本明細書で使用される「約」という用語は、そのように限定される項目、パラメータ、または用語が、記述された項目、パラメータ、または用語の値をプラスまたはマイナス10%上回るかまたは下回る範囲を包含することを意味する。したがって、その反対に指示されていない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲で説明される数値パラメータは、本発明によって得られるよう求められる所望の特性により異なり得る、近似値である。最低限でも、および特許請求の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、それぞれの数値パラメータは、報告される有効数字の数を考慮しておよび通常の丸め技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。本発明の広範囲を示す数値の範囲および数値パラメータは、近似値であることにもかかわらず、特定の実施例で示される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、これらのそれぞれの試験測定で見出される標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を本来的に含有する。
本発明を記載する文脈で(特に、以下の特許請求の範囲の文脈で)用いられる「a」、「an」、「the」という用語、ならびに類似の指示用語は、本明細書中で別途指示されていない限り、または文脈により明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、単に、その範囲内にあるそれぞれの別個の値に個別に言及することの略記法として役立つよう意図される。本明細書中で別途指示されていない限り、それぞれの個々の値は、それが本明細書中で個別に列挙されるかのように、本明細書中に組入れられる。本明細書中で記載される方法は全て、本明細書中で別途指示されていない限り、または文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書に提供される任意のおよび全ての例、または例示的言語(例えば「等」)の使用は、別途特許請求されない限り、単に、本発明をより明らかにすることを意図し、特許請求される本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、非特許請求要素を本発明の実践に不可欠であるとして示すものとは解釈されるべきでない。
本明細書中に開示される特定の実施形態は、〜からなる、または本質的に〜からなるという言語を用いて、特許請求の範囲でさらに限定され得る。特許請求の範囲で用いられる場合、出願された場合でも、補正により付加された場合でも、「〜からなる」という移行用語は、特許請求の範囲に明記されない任意の要素、ステップ、または成分を除外する。「本質的に〜からなる」という移行用語は、特許請求の範囲を特定物質またはステップに、そして基本的および新規の特質(単数または複数)に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。そのように特許請求される本発明の実施形態は、本明細書中に本質的にまたは明白に記載され、可能にされる。
本明細書中で言及され、特定される特許、特許公開、およびその他の出版物は全て、例えば、本発明と結びつけて用いられ得るこのような出版物中に記載される組成物および方法を記載し、開示する目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に個別におよび明示的に組み込まれる。これらの出版物は、本出願の出願日前に、それらの開示のために専ら提供される。この点で、従来の発明に基づいて、あるいは任意の他の理由のために、このような開示に先行する資格を本発明人等が与えられないという認められた事実と解釈されるべきものは何もない。日付に関する陳述、またはこれらの文献の内容に関する表現は全て、出願人等に利用可能な情報に基づいており、これらの文献の日付または内容の正確さに関していかなる容認も与えない。

Claims (8)

  1. 架橋ヒアルロン酸系ポリマー300ppm〜400ppmの濃度で存在するフェニレフリン、および0.3%(w/w)の量で存在するリドカインを含む、注射用皮膚充填組成物。
  2. 少なくとも100℃の熱処理を含むプロセスで滅菌されている、請求項1に記載の組成物。
  3. 室温で少なくとも12ヶ月間、実質的に安定である、請求項2に記載の組成物。
  4. フェニレフリンが400ppmの濃度で存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. ェニレフリンを含まない対応する組成物よりも、皮膚に注射されるとき、皮下出血が少ない、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 軟部組織の形状、サイズ、輪郭を変更および/または改善するための、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  7. 軟部組織が顔面または乳房の軟部組織である、請求項に記載の組成物。
  8. 皮膚の皺、襞、線または瘢痕を処置するための、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
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