JP6151715B2 - 動物用トイレ砂として有用な組成物 - Google Patents

Description

関連出願の相互参照

[0001]本出願は、２０１２年１月１６日に出願された米国仮出願第６１／５８６８９６号の優先権を主張し、その開示をこの参照によって本明細書に組み込むものとする。
［発明の背景］
［発明の分野］

[0002]本発明は、一般的には、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物に関し、詳細には、使用後の官能特性が向上した動物用トイレ砂に関する。

関連技術の説明

[0003]植物及び植物材料から製造されている天然系の動物用トイレ砂は当技術分野において公知である。例えば、米国特許第６６３５３４４号は、微粉含有率が１重量％未満で湿分含有率が１０％未満の、トウモロコシ穂軸を主原料とするトイレ砂を開示している。米国特許第６０５３１２５号は、高密度のトウモロコシ穂軸グリット並びにトウモロコシ穂軸のチャフ及び髄から製造され、鉱油及びグアーガムの被覆を施したネコ用トイレ砂を開示している。米国特許第４２９６７０９号は、トウモロコシ穂軸グリットを主原料とする動物用トイレ砂を開示している。同様に、米国特許第４６１９８６２号は、動物用トイレ砂として有用な紙製品を開示している。米国特許第５３５２７８０号は、粉砕したセルロースから製造された動物用トイレ砂を開示している。米国特許第３９８００５０号は、低密度の樹皮と、当該樹皮に付着して担持されたセルロース繊維材とから製造された家禽用トイレ砂を開示している。米国特許第３９４１０９０号は、シダー粒子、アルファルファ結合剤及び水を使用して製造された、シダーを主原料とするトイレ砂を開示した。米国特許第５９２７０４９号は、動物の排泄物を制御するのに有用な黄色のマツ材の動物用トイレ砂を開示している。米国特許第５５４２３７４号は、粘土及びベイスギを使用して製造された動物用トイレ砂を開示している。米国特許第５０４４３２４号は、シダーから製造され、動物用トイレ砂として使用される木材繊維粉砕物を開示している。さらに、米国特許第５８８４５８４号は、マツ材、アルファルファ及びポプラ材、特にアスペンから製造された動物用トイレ砂を開示している。米国特許第６８３７１８１号は、木材粒子及び木材削り屑並びに重曹から製造されたトイレ砂を開示しており、木材粒子及び木材削り屑はマツ及びアスペン由来のものであり、このトイレ砂は、家で飼う小型ペット、例えばウサギ、モルモット及びサル、並びに大型動物に有用である。米国特許第６６２２６５８号及びそのファミリーは、穀類から製造された動物用トイレ砂を開示している。米国特許第６２２０２０６号は、穀物製粉副産物、例えばトウモロコシ及びコムギの加工副産物から製造された、密度の制御されたネコ用トイレ砂を開示している。

[0004]従来の粘土を主原料とするトイレ砂とは対照的に、天然系のトイレ砂は生分解性で軽量であり、使用の際に出る塵が比較的少ない。しかし、天然系のトイレ砂は、通常、凝集力が不十分で臭気制御がほとんどない。木材を主原料とするトイレ砂は、使用後に望ましい官能特性を有するが、尿又はその他の動物排泄物によって濡らされたときの凝集力が不十分であることが多い。穀物を主原料とするトイレ砂は、強固な凝集塊を形成することが多いが、使用後に望ましい官能特性がなく、例えば、望ましい外観及び香気に欠ける。

[0005]一般に、これらのすべてのトイレ砂は、その所期の目的、例えば動物の尿及び糞の管理のために機能する。さらに、トイレ砂は、場合により、他の目的、例えば、環境汚染物の吸収又は廃水処理に使用されることがある。しかし、前述のように、これらのトイレ砂には、使用後に望ましい官能特性、例えば魅力的な香気及び視覚的外観がない場合が多い。したがって、組成物が使用された後の官能特性が向上した、動物用トイレ砂として有用な新規な組成物が求められている。

[0006]そこで、本発明の目的は、使用後の官能特性が向上した、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物を提供することである。

[0007]本発明の別の目的は、凝集特性が向上した、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物を提供することである。

[0008]本発明の別の目的は、使用後の外観がより望ましい、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物を提供することである。

[0009]本発明のさらなる目的は、使用後の香気がより望ましい、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物を提供することである。

[0010]これら及び他の目的は、密度が液体の密度より低い第１の構成成分と、密度が前記第１の構成成分より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高い第２の構成成分とを含む、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物を使用して達成される。液体が前記組成物に添加されると、前記２つの構成成分が分離する。密度の低い方の第１の構成成分は液体の表面の上部に浮き、密度の高い方の第２の構成成分は第１の構成成分より高速に液体を吸収し、第２の構成成分の下方の液体の表面下に残存する。これにより、第１の構成成分によるより望ましい外観及び香気、並びに第２の構成成分による硬くて強固な凝集塊を伴う組成物が得られる。第１の構成成分は、その密度並びにその望ましい外観及び香気に基づいて選択され、第２の構成成分は、その密度並びにその吸収特性及び凝集特性に基づいて選択される。

[0011]本発明の追加のさらなる目的、特徴及び利点は、当業者には容易に明らかになるであろう。

発明の詳細な説明

［定義］
[0012]「液体」という用語は、水、又は、液体の５重量％未満を占める固体若しくは化合物を溶解した水を意味する。固体若しくは化合物を溶解した液体の例は、尿、及び下水処理水からの廃水などの廃水である。一般に、液体の密度は、約１ｇ／ｃｍ^３（６２．５ｌｂ／ｆｔ^３）〜約１．０３５ｇ／ｃｍ^３（６４．６ｌｂ／ｆｔ^３）の範囲である。この液体より密度が低く、且つ液体を迅速に吸収しない材料はいずれも、液体の上に浮く。

発明

[0013]１つの態様において、本発明は、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物を提供する。当該組成物は、密度が液体の密度より低い第１の構成成分と、密度が第１の構成成分の密度より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（ｍｇ／ｃｍ^３）高い第２の構成成分とを含む。本発明は、尿などの液体を、密度（そのうちの１つが液体の密度より低い）に顕著な差のある２つ（又はそれ以上）の構成成分を有する組成物に添加すると、密度の低い方の構成成分は液体の上部に浮く一方、密度の高い方の構成成分は、密度の低い方の構成成分の下に分離するという発見に基づくものである。密度の低い方の構成成分が、１つ又は複数の望ましい特性（例えば心地よい香気又は心地よい外観）を有する材料から選ばれた場合に、液体が組成物に添加されると、例えば動物が組成物に排尿すると、かかる構成成分は組成物の上部に分離する。密度の高い方の構成成分、好ましくは密度の低い方の構成成分より高速に多量に液体を吸収するものは、液体の大部分を吸収して組成物の底部に分離する。その結果、液体の全部又はほとんどが、密度の低い方の構成成分によって部分的に被覆される。このことは、不快な官能特性を備える液体が密度の高い方の構成成分中に凝縮され、密度の低い方の構成成分、すなわち心地よい官能特性を備える構成成分に被覆されることを意味する。例えば、シダー材を密度の低い方の構成成分として、トウモロコシ穂軸を密度の高い方の構成成分として有するトイレ砂を考えてみる。尿がこの組成物に添加されると、シダーは組成物の上部に浮き、トウモロコシ穂軸は尿の大部分を吸収してシダーの下方の組成物の底部に分離する。トイレ砂を扱う人は、尿の悪臭及び外観のほとんどを回避すると同時にシダーの心地よい外観及び香気を体験する。

[0014]第１の構成成分は、密度が組成物に添加される液体の密度より低い、任意の好適な材料である。いくつかの実施形態では、第１の構成成分は、シダー、マツ、オーク、カエデ、ユーカリ、アスペン、ユッカなどの木材又はこれらの組合せである。好ましい実施形態では、第１の構成成分は、シダー又はマツであり、より好ましくはシダーである。種々の実施形態では、マツはニュージーランドパイン（Ｎｅｗ Ｚｅａｌａｎｄ Ｐｉｎｅ）又はサザンイエローパイン（Ｓｏｕｔｈｅｒｎ Ｙｅｌｌｏｗ Ｐｉｎｅ）であり、シダーはベイスギである。好ましい実施形態では、木材、例えばシダー及びマツは、使用すると抗菌特性を発揮する油及び／又は樹脂を含有する。

[0015]他の実施形態では、第１の構成成分は、穀物、例えば、アルファルファ、トウモロコシ茎、トウモロコシ粉、オートムギ外皮、オートムギ茎、オートムギ粉、オオムギ外皮、オオムギ粗びき粉、オオムギ茎、オオムギ粉、コムギ外皮、コムギわら、コムギ粉、ダイズ外皮、ダイズ粗びき粉、ダイズ粉、ライムギ外皮、ライムギ粗びき粉、ライムギわら、ライムギ粉、イネわら、籾殻、ソルガムわら、ソルガム外皮、又はこれらの組合せである。他の実施形態では、第１の構成成分は、植物、例えば、タケ、レモングラス、スイッチグラス、イヌハッカ、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、タイム、セイヨウカノコソウ根、アリッサム、キク、スイカズラ、ホップ、ラベンダー、リンゴ、液果、オレンジの皮、オレンジの果肉、ヒマワリ外皮、コーヒー、茶、又はこれらの組合せである。他の実施形態では、第１の構成成分は、おがくず、紙、セルロース、又はこれらの組合せである。一般に、第１の構成成分は、組成物を使用する動物と触れあう位置に第１の構成成分を有するのを望ましいことにするような特性を有する。例えば、第１の構成成分は、見た目に心地よいものであっても、心地よい香気を有するものであってもよい。好ましい実施形態では、第１の構成成分は、１種又は複数種の液体と接触したとき、心地よい視覚的外観を有する及び／又は天然系の香気を放出する。

[0016]本発明の組成物は、第１の構成成分を、組成物をその所期の目的のために有用なものにするのに必要な任意の量で含む。一般に、第１の構成成分は、組成物の約２．５〜約４０％、好ましくは約５〜約３０％、より好ましくは約７．５〜約２０％を占める。

[0017]第２の構成成分は、密度が第１の構成成分より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高い材料を１種又は複数種含む。好ましい実施形態では、第２の構成成分の密度は、第１の構成成分より少なくとも１０ｌｂ／ｆｔ^３（１６０ｍｇ／ｃｍ^３）高い。他の実施形態では、第２の構成成分の密度は、第１の構成成分より少なくとも１５ｌｂ／ｆｔ^３（２４０ｍｇ／ｃｍ^３）又はそれ以上高い。

[0018]好ましい実施形態では、第２の構成成分は、組成物に添加された液体の全部又は大部分を吸収する。より好ましい実施形態では、第２の構成成分は、第１の構成成分より多く液体を吸収する。他の実施形態では、第２の構成成分は、第１の構成成分より高速に液体を吸収する。好ましい実施形態では、第２の構成成分は、第１の構成成分より多く液体を吸収し、且つ第１の構成成分より高速に液体を吸収する。第２の構成成分は、液体が組成物に添加されると、第２の構成成分及び液体（並びに場合により第１の構成成分の一部）を含む凝集塊を形成するのが好ましい。

[0019]密度が第１の構成成分より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高い任意の好適な材料を、第２の構成成分として使用することができる。いくつかの実施形態では、第２の構成成分は、穀物又は穀物由来の材料、例えば、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ穀粒、ジスチラーズドライドグレイン（ＤＤＧ）、トウモロコシペレット、オートムギペレット、オオムギペレット、コムギミドリング粉、ダイズペレット、ライムギペレット、米粒、米ペレット、ソルガム穀粒、ソルガムペレット、又はこれらの組合せである。好ましい一実施形態では、第２の構成成分はトウモロコシ穂軸である。別の実施形態では、第２の構成成分はＤＤＧ又はコムギミドリング粉である。いくつかの実施形態では、他の材料、例えば、ヒマワリ種子、アーモンド、ピスタチオ、クルミ、ペカン、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ドングリ、卵殻、シリカゲル、粘土、ナトリウムベントナイト、又はこれらの組合せを第２の構成成分として使用することができる。

[0020]本発明の組成物は、第２の構成成分を、組成物をその所期の目的のために有用なものにするのに必要な任意の量で含む。一般に、第２の構成成分は、組成物の約６０〜約９７．５％、好ましくは約７０〜約９５％、より好ましくは約８０〜約９２．５％を占める。

[0021]第１の構成成分及び第２の構成成分の粒径は、組成物をその所期の用途に基づいたものにするのに有用な任意の粒子である。好ましい実施形態では、第１の構成成分及び第２の構成成分の粒径は、約０．７５〜約３ｍｍ、好ましくは約１〜約２ｍｍ、より好ましくは約１．２５〜約１．７５ｍｍである。好ましい実施形態では、粒子の少なくとも８０％、好ましくは８５％、より好ましくは９０％が約０．６〜約２ｍｍの範囲内である。

[0022]特定の実施形態では、第１の構成成分が、１種又は複数種の木材、好ましくはシダー、又はシダーとマツとの混合物であり、第２の構成成分が、穀物又は穀物由来のもの、好ましくはトウモロコシ穂軸である。木材は、魅力的な外観を有し、液体が添加されると自然に香気を放出する。穀物は、優れた液体吸収特性を有し、添加された液体の大部分を吸収する。一般に、液体が添加されると、密度の低い方の木材は混合物の上部に分離し、穀物は液体の大部分を吸収して木材下に分離する凝集塊を形成する。混合物の上部の木材は、より望ましい外観を提示し、木材に由来の油及び樹脂によって望ましい香気を放出する。また、木材は、凝集塊及び尿を被覆して、ユーザーが尿及びその悪臭と触れあうことを少なくする。

[0023]好ましい実施形態では、組成物は、動物用トイレ砂として使用する。第１の構成成分はシダーであり、第２の構成成分はトウモロコシ穂軸である。動物がトイレ砂に排尿すると、シダーは密度が低い方であるため、組成物の上部に分離し、尿の上に浮く傾向がある。同様に、トウモロコシ穂軸は密度が高い方であるため、さらには、トウモロコシ穂軸がシダーと比較すると相対的に尿の多くの部分を吸収するため、組成物の底部に分離する。シダーはユーザーと対面し、魅力的な外観及び香気を有するため、大抵のトイレ砂よりユーザーにより魅力的なトイレ砂にする。尿の大部分を吸収したトウモロコシ穂軸は、少なくとも部分的にシダーに被覆されるため、少なくとも部分的にユーザーから隠される。この構成により、ユーザーにとっての、尿の悪臭又は悪臭の知覚が低減される。好ましい実施形態では、組成物は、凝集塊の形成を促進する結合剤を含み、トウモロコシ穂軸及び木材粒子が、トイレ砂から容易に除去することができる凝集塊を形成する。一実施形態では、結合剤はグアーガムである。

[0024]一般に、液体は、第１の構成成分と第２の構成成分との分離を妨げない任意の量で組成物に添加される。好ましい実施形態では、液体は、組成物の約１〜約３０重量％の量で組成物に添加される。

[0025]一実施形態では、構成成分が液体で濡らされた後、第２の構成成分は、第１の構成成分の密度より５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高い密度を有する。濡らし過程の間に、第１の構成成分及び第２の構成成分は上下に分離し、すなわち、密度の低い方の構成成分が密度の高い方の構成成分の上に分離することになる。

[0026]別の実施形態では、構成成分が乾燥しているとき、第２の構成成分は、第１の構成成分の密度より１０ｌｂ／ｆｔ^３（１６０ｍｇ／ｃｍ^３）高い密度を有する。その後、液体が組成物に添加される濡らし過程の間及び後に、構成成分は上下に分離することになる。

[0027]他の実施形態では、本発明の組成物は、凝集塊の形成、特に第２の構成成分による凝集塊の形成を促進する結合剤を１種又は複数種さらに含む。凝集塊の形成を促進するいずれの結合剤を使用することができる。本発明において有用な結合剤には、ガム、デンプン、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギナート、カラギーナン又はタンパク質が含まれる。具体的な例には、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、カシアガム、ゼラチン、コムギグルテン、血漿、ダイズタンパク質、カルボキシメチルセルロース（ＣＭＣ）、又は乳タンパク質が含まれる。好ましい一実施形態では、結合剤はグアーガムである。結合剤は、添加される場合、組成物の約０．５〜約１０％、好ましくは約１〜約６％を占める。

[0028]いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の機能及び特性を向上させる材料をさらに含む。このような作用剤の例には、抗菌剤、悪臭低減材料、香料、健康指標材料、色変更剤、塵低減剤、超吸収性材料、シクロデキストリン、ゼオライト、活性炭、重曹、ｐＨ変更剤、塩形成材料、リシノレアート、又はこれらの組合せが含まれる。作用剤は、添加される場合、任意の有用な量で添加される。一般に、作用剤は、作用剤及びその用途に依存して、組成物の約０．０１〜約２％、好ましくは約０．０５〜約１％を占める。

[0029]本発明の組成物は、種々の目的のために有用である。例えば、本発明の組成物は、水、廃水、漏液などの処理に使用することができる。本発明の組成物は、動物用トイレ砂として使用するのが好ましい。

[0030]別の態様において、本発明は、排泄物、特に尿などの動物の排泄物を管理する方法を提供する。この方法は、動物の排泄物を、密度が液体の密度より低い第１の構成成分、及び密度が上記第１の構成成分より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高い第２の構成成分を含む組成物に接触させるステップを含む。一般に、当該組成物、すなわちトイレ砂は、トイレ砂箱又は他の好適な容器に入れ、排泄物が組成物に接触するように動物にその排泄物（尿又は糞、好ましくは尿）を堆積させる。組成物は、所望の場合、排泄物が例えば芝生の上に堆積した後に、排泄物と接触させるように放置することができる。

[0031]別の態様において、本発明は、動物用トイレ砂を収容するのに好適であり、且つ動物が、動物の排泄物を排泄する際に使用するのに好適な器具、及び１種又は複数種の本発明の組成物を含む動物用トイレ砂箱を提供する。当該器具は、動物が使用するのに好適であり、且つ本発明の動物用トイレ砂に適合する任意の器具である。このような多くの器具が当技術分野において公知であり、市販されている。例えば、米国特許出願公開第２００９０２５００１４号、米国特許出願公開第２００９０２７２３２７号、米国特許出願公開第２００９００００５６０号、米国特許出願公開第２００７０２７７７４０号、米国特許第７６２８１１８号に開示されているトイレ砂箱などがある。

[0032]さらなる態様において、本発明は、動物の排泄物の管理に有用な組成物を収容するのに好適なキットを提供する。当該キットは、キットの構成要素に応じて適宜、単一パッケージ中の別個の容器の中に、又は仮想パッケージ中の別個の容器の中に、本発明の組成物と、（１）組成物を収容するのに好適であり、且つ動物が、動物の排泄物を排泄する際に使用するのに好適な器具、例えばトイレ砂箱、（２）堆積された動物の排泄物を上記組成物で処理するのに好適な器具、例えば動物の糞をトイレ砂から除去するためのスコップ（例えば米国特許第７５２３９７３号）又はトイレ砂箱若しくは他の容器中の動物用トイレ砂を整えるのに好適な熊手、（３）別の動物用トイレ砂、例えば、本発明のトイレ砂と当該別の動物用トイレ砂との混合物を製造するのに好適な別の動物用トイレ砂、（４）動物の排泄物を管理するためのトイレ砂の使用方法の指示、及び（５）組成物の処分方法、例えば、特に使用後の、環境にやさしいトイレ砂の処分方法の指示、のうち１つ又は複数とを含む。

[0033]キットが仮想パッケージを含む場合、キットは、１つ又は複数の物理的なキットの構成要素と組み合わせる仮想環境における指示に限定される。このキットは、キットの構成要素を、種々の組合せ及び／又は混合物のいずれかで含有することができる。一実施形態では、キットは、本発明の組成物と、動物の排泄物を上記組成物から除去するのに好適なスコップとを含むパッケージを含有する。

[0034]別の態様において、本発明は、本発明の組成物を収容するのに好適な材料と、パッケージの内容物が本発明の組成物を含有すること（例えば、組成物の向上した凝集特性、より望ましい外観、及び効果的な悪臭制御又は他の物理的特性、機能的特性若しくは関連する特性についての情報）を示す、１個若しくは複数個の単語、絵、デザイン、頭字語、標語、熟語、若しくは他の図案、又はこれらの組合せを含有するパッケージに付したラベルと、を含むパッケージを提供する。通常、かかる図案は、パッケージに印刷された、「すべて天然系のトイレ砂」若しくは「天然成分」若しくは「環境にやさしいトイレ砂」若しくは「凝集特性が向上した動物用トイレ砂」若しくは「強固な凝集」若しくは「効果的な臭気制御を有する動物用トイレ砂」若しくは「効果的な臭気制御」若しくは「心地よい香気を有する動物用トイレ砂」という言葉又は同等の表現を含む。動物用トイレ砂を収容するのに好適な任意のパッケージ又はパッケージング材料、例えば、紙、プラスチック、ホイル、金属などから製造された袋、箱、びん、缶、パウチなどが、本発明に有用である。一実施形態では、パッケージは本発明の組成物をさらに含む。

[0035]別の態様において、本発明は、（１）排泄物、例えば動物の尿及び糞などの動物の排泄物の管理、（２）特に使用後のトイレ砂の官能特性の向上、及び（３）使用した組成物の処分、のうち１つ又は複数についての、本発明の組成物の使用に関する情報又は指示を、伝達する手段を提供する。この手段は、前記情報又は指示を含有する、文書、デジタル記録媒体、光学的記録媒体、音声提示又は視覚的表示を含む。特定の実施形態では、伝達手段は、ウェブサイト表示、視覚的表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、ビラ、公示、録音テープ、ビデオテープ、ＤＶＤ、ＣＤ−ＲＯＭ、コンピュータ可読チップ、コンピュータ可読カード、コンピュータ可読ディスク、ＵＳＢデバイス、ファイヤーワイヤーデバイス、コンピュータメモリ、及びこれらの任意の組合せである。有用な情報には、（１）トイレ砂を使用するように動物をしつける又は適応させる方法及び技法、（２）本発明の動物用トイレ砂の機能的特性又は他の特性、特に向上した凝集特性及び効果的な悪臭制御に関連する特性、並びに（３）トイレ砂及びその使用に関して質問がある場合に消費者又は他の人が使用するための連絡先情報、のうち１つ又は複数が含まれる。有用な指示には、トイレ砂を掃除及び処分する方法が含まれる。伝達手段は、本発明を使用する利点について教示し、動物に本発明を使用するための承認済みの方法を伝達するのに有用である。

[0036]別の態様において、本発明は、動物の排泄物の官能特性を向上させる方法を提供する。この方法は、動物の排泄物を、密度が液体の密度より低い第１の構成成分、及び密度が上記第１の構成成分より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高い第２の構成成分を含む組成物と接触させるステップを含む。一般に、トイレ砂は、トイレ砂箱又は他の好適な容器に入れ、排泄物がトイレ砂に接触するように動物に排泄物を堆積させる。接触すると、本明細書に記載された、感覚に心地よい特性を有する第１の構成成分は、トイレ砂の上部に分離する。動物の排泄物は第２の構成成分に吸収され、トイレ砂の底部に分離する。その結果、動物の排泄物の不快な官能特性は抑制され、動物の排泄物の全般的な官能特性は向上又は改善される。一実施形態では、動物の排泄物は尿である。向上又は改善された官能特性には、見た目、臭い及び手触り、好ましくは見た目及び臭い、より好ましくは臭いが含まれる。好ましい実施形態では、トイレ砂はシダー及びトウモロコシ穂軸を含む。尿がトイレ砂に接触すると、シダーはトイレ砂の上部に分離し、トウモロコシ穂軸は尿の大部分を吸収してトイレ砂の底部に分離する。シダーは心地よい官能特性、例えば、心地よい外観及び香気を有する。トイレ砂のユーザー、例えば動物の世話人は、より心地よい第１の構成成分と触れあう方が多く、不快な第２の構成成分と触れあう方が少ない。

[0037]本発明は、次の実施例によってさらに例示することができるが、これらの実施例は単に例示の目的で含まれており、別段の断りのない限り、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例１

[0038]表１（配合物１）に示す組成物を含むトイレ砂バッチ１を、次のとおり作製した。シダー材１０部及びトウモロコシ穂軸８５．５部をパンアグロメレーター（ＤＰ−１４ Ａｇｇｌｏ−ｍｉｓｅｒ、Ｍａｒｓ Ｍｉｎｅｒａｌ製、ペンシルバニア）に注入した。混合物を速度約６０ｒｐｍでブレンドしながら、水１部を霧状にして混合物に噴霧し、次いでグアーガム３．５部を添加し、５分間混合を継続して均質なブレンドを確保した。

実施例２

[0039]表１（配合物２）に示す組成物のトイレ砂バッチ２を、実施例１に記載したとおりに作製した。
実施例３

[0040]表１（配合物３）に示す組成物のトイレ砂バッチ３を、実施例１に記載したとおりに作製した。
実施例４

[0041]次いで、実施例１、２及び３の各バッチのトイレ砂の密度を測定した。漏斗型ホッパーを５００ｃｍ^３シリンダーの上方６インチの高さに固定した。次いで、ホッパーの吐出口を閉じた状態で、ホッパーに実施例１のトイレ砂を充填した。ホッパーの吐出口を開き、シリンダーにトイレ砂をあふれ出るまで流し込んだ。縁の平らな定規を使用して、シリンダーの縁の上の過剰なトイレ砂を除去した。トイレ砂の重量を、シリンダーにトイレ砂を加えた重量とシリンダーの重量との差としてグラム（ｇ）で得た。この重量を５００（シリンダーの体積）で除算し、密度をｇ／ｃｍ^３で表した。密度の測定を、実施例２及び３のトイレ砂について繰り返し行った。３つのトイレ砂についての結果を表２に示す。シダー材の割合が増加するにつれて密度が低減したことがわかる。

実施例５

[0042]トイレ砂が濡らされたときに形成された凝集塊の強度を次の手順で測定した。この実験では、室温である２％食塩水を使用して、物理的特性及び化学的特性における一貫性を確保した。トイレ砂を、大きさ１２×１８インチの長方形のトイレ砂皿に注入した。トイレ砂を揺すって平らにした後、種々のサイズの顆粒を無作為に皿に散布する。凝集塊が容器の底に接触することが確実にないように、トイレ砂の深さを少なくとも３インチにした。液体の添加方法の影響を調べるために、（Ａ）ネコが排尿してトイレ砂粒子をかき乱すのを模擬するためトイレ砂を液体流で濡らすことと、（Ｂ）粒子がかき乱されるのを回避するため液体の液滴を単独で噴霧することを行った。
Ａ．軽い（木材）粒子と重い（トウモロコシ穂軸）粒子との自然な分離を組み入れる凝集塊を得るため、支持台につけた１０ｍｌのセルフレベリングビュレットを、動物用トイレ砂の表面の上方５ｃｍの高さに固定した。液体（２％食塩水）をトイレ砂材料に注いだ。さらに５つの凝集塊を同様にして作製した。これを、実施例１、２及び３の各々のトイレ砂に実施した。
Ｂ．軽い（木材）粒子と重い（トウモロコシ穂軸）粒子との自然な分離をしない凝集塊を調製するため、トイレ砂の表面の上方５ｃｍから１０ｍｌの液体を漸次噴霧して、類似のサイズ及び形状の凝集塊を生成した。水の貯留は観察されなかった。これにより、木材の顆粒及びトウモロコシ穂軸の顆粒がその密度差によって分離しなかったことが確かめられた。

[0043]２４時間後、凝集塊をテクスチャーアナライザー（モデルＸＴ−Ｐｌｕｓ、Ｔｅｘｔｕｒｅ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ製、ニューヨーク）で試験した。凝集塊の平坦な表面を、間に５０ｍｍの隙間がある２本の水平なバー（ＴＡ−９２Ａ：自立型３点曲げ／スナップ固定具）に載せた。第３のバーを１ｍｍ／ｓで上から下へと移動させ、凝集塊を曲げ、ポキッと折った。荷重／距離のデータをコンピュータで記録した。理解しやすいように、破断前最大荷重のみを使用して、各凝集塊の強度を表した。５つの凝集塊の平均値を配合物間で比較する。各配合物の最大破断荷重値を平均し、まとめて表３に示した。

[0044]表３の結果から、重い（トウモロコシ穂軸）粒子と軽い（木材）粒子とを分離させた凝集塊の方が、より破断抵抗力があることがわかる。
実施例６

[0045]凝集塊の外観の実験手順：視覚的外観（木材粒子の優位性による魅力）については、６つの凝集塊を、凝集塊の強度試験（実施例５）と同様の方法で調製した。６つの凝集塊を各配合物について作製した。食塩水（２％）を凝集塊の外観評価に使用した。同様に、分離を伴わない凝集塊には液体を噴霧した。凝集塊を調製した１時間後及び２４時間後に官能検査を実施した。６人のパネリストに依頼して、凝集塊の外観をスコア１〜５（１が最高）で評価し、結果を表４に示した。上部に浮いて来る木材粒子が集中することにより得られる外観の方が、１時間後及び２４時間後のスコアが高かったのは明らかである。

実施例７

[0046]香気の評価については、ネコの尿を使用した。ネコの尿をネコ飼育所で採取し、凍結し、次いで実験前に室温まで解凍した。トイレ砂を直径８ｃｍ及び高さ１０ｃｍ〜高さ約７ｃｍの円筒形の容器に充填した。実施例５における液体の場合と同様に、ネコの尿をトイレ砂の表面の上方５ｃｍから注いで１つの凝集塊を作製した。自然な分離を伴わない凝集塊については、実施例５における液体の場合と同様に、ネコの尿をトイレ砂の表面に噴霧した。凝集塊を調製した１時間後及び２４時間後に官能検査を実施した。６人のパネリストに依頼して、凝集塊の香気をスコア１〜５（１が最高）で評価し、結果を表５に示した。木材粒子が上部に浮いて来た場合の方が、１時間後及び２４時間後の香気のスコアが高かったのは明らかである。

[0047]本明細書において、本発明の典型的な好ましい実施形態を開示してきた。具体的な用語を使用しているが、一般的及び説明的な意味でのみ使用しており、限定する目的ではない。上記の教示に照らして本発明の多くの変更形態及び変形形態が可能であることは明らかである。したがって、本発明は具体的に記載したとおりでなくても実施することができると理解すべきである。

[0048]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形の「ａ」、「ａｎ」及び「ｔｈｅ」は、文脈上、明らかにそうでないことが示されていない限り、複数の意味を含む。「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅ）」、「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅｓ）」及び「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」という用語は、排他的ではなく包括的な意味に解釈されるべきである。

[0049]別段の定義がない限り、本明細書で使用するすべての技術及び科学用語、並びにいずれの頭字語は、本発明の技術分野の当業者に通常理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似又は同等の、いずれの組成物、方法、及び情報を伝達する手段を使用しても本発明を実施することができるが、好ましい組成物、方法、及び情報を伝達する手段が本明細書に記載されている。

[0050]上記に引用したすべての参考文献は、法律が許可する範囲内で、参照により本明細書に組み込むものとする。これらの参考文献についての議論は、それらの著者による主張を要約することのみを意図するものである。いかなる参考文献（又はいかなる参考文献の一部）が関連する先行技術であると容認されるものではない。本件出願人らは、引用したいかなる参考文献の正確性及び妥当性に異議を申し立てる権利を留保する。

Claims (24)

1. 密度が液体の密度より低い第１の構成成分と、密度が前記第１の構成成分の密度より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高い第２の構成成分とを含み、
   液体が組成物に添加されると、前記第１の構成成分が、前記組成物の上部に向かって移動することによって、前記第２の構成成分から分離し、
   前記第２の構成成分が、前記第１の構成成分より多く液体を吸収する、動物用トイレ砂として使用するのに好適な組成物。
2. 前記第１の構成成分が木材である、請求項１に記載の組成物。
3. 前記木材が、シダー、マツ、又はこれらの組合せである、請求項２に記載の組成物。
4. 前記第１の構成成分が、前記組成物の２．５〜４０％を占める、請求項１に記載の組成物。
5. 前記第２の構成成分の密度が、前記第１の構成成分より少なくとも１０ｌｂ／ｆｔ^３（１６０ｍｇ／ｃｍ^３）高い、請求項１に記載の組成物。
6. 前記第２の構成成分が穀物である、請求項１に記載の組成物。
7. 前記穀物が、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ穀粒、ジスチラーズドライドグレイン、トウモロコシペレット、オートムギペレット、オオムギペレット、コムギミドリング粉、ダイズペレット、ライムギペレット、米粒、米ペレット、ソルガム穀粒、ソルガムペレット、又はこれらの組合せである、請求項６に記載の組成物。
8. 前記第２の構成成分がトウモロコシ穂軸である、請求項１に記載の組成物。
9. 液体が前記組成物に添加されると、前記第２の構成成分が凝集する、請求項１に記載の組成物。
10. 前記第２の構成成分が、前記組成物の６０〜９７．５％を占める、請求項１に記載の組成物。
11. 前記第１の構成成分が木材であり、前記第２の構成成分が穀物である、請求項１に記載の組成物。
12. 前記木材がシダーであり、前記穀物がトウモロコシ穂軸である、請求項１１に記載の組成物。
13. 前記第１の構成成分及び前記第２の構成成分の粒径が、０．７５〜３ｍｍである、請求項１に記載の組成物。
14. 前記第１の構成成分及び前記第２の構成成分の少なくとも８０％の粒径が０．６〜２ｍｍである、請求項１に記載の組成物。
15. １種又は複数種の結合剤をさらに含む、請求項１に記載の組成物。
16. 前記結合剤が、ガム、デンプン、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギナート、カラギーナン、タンパク質、又はこれらの組合せである、請求項１５に記載の組成物。
17. 前記結合剤が、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、カシアガム、ゼラチン、コムギグルテン、血漿、ダイズタンパク質、カルボキシメチルセルロース、乳タンパク質、又はこれらの組合せである、請求項１５に記載の組成物。
18. 前記結合剤がグアーガムである、請求項１５に記載の組成物。
19. 前記第１の構成成分がシダーであり、前記第２の構成成分がトウモロコシ穂軸であり、前記結合剤がグアーガムである、請求項１５に記載の組成物。
20. 排泄物を請求項１に記載の組成物に接触させるステップを含む、排泄物を管理する方法。
21. 前記排泄物が動物の排泄物である、請求項２０に記載の方法。
22. 前記排泄物が尿である、請求項２０に記載の方法。
23. （１）動物用トイレ砂を収容するのに好適であり、且つ動物が、動物の排泄物を排泄する際に使用するのに好適な器具と、（２）請求項１に記載の組成物の１種又は複数種とを含む、動物用トイレ砂箱。
24. 密度が液体の密度より低いシダー材構成成分と、密度が前記シダー材構成成分の密度より少なくとも５ｌｂ／ｆｔ^３（８０ｍｇ／ｃｍ^３）高いトウモロコシ穂軸構成成分とを含み、
    液体が組成物に添加されると、前記シダー材構成成分が、前記組成物の上部に向かって移動することによって、前記トウモロコシ穂軸構成成分から分離し、
    前記トウモロコシ穂軸構成成分が、前記シダー材構成成分より多く液体を吸収する、動物用トイレ砂組成物。