JP6151502B2 - 神経芽腫モデルマウス - Google Patents

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Description

本発明は、例えば神経芽腫モデルマウス及び当該モデルマウスを使用した神経芽腫治療剤のスクリーニング方法に関する。
従来において、MYCN(「n-myc」とも称される)遺伝子が神経芽腫の原因遺伝子であることが知られている。MYCN遺伝子の増幅を有する神経芽腫は、進行期を示し、高度な転移能を有する。神経芽腫におけるMYCNタンパク質の過剰発現は、ナチュラルキラー(NK)T細胞の集積を阻害することで、癌の免疫回避に寄与する。
一方、従来において、癌等の疾患の研究においては、疾患のモデルマウスを用いた実験等が行われている。しかしながら、遠隔転移や抗癌剤耐性といったヒト神経芽腫の特徴を有する神経芽腫のモデルマウスは、これまで知られていなかった。上述のMYCN遺伝子を導入したトランスジェニックマウスが神経芽腫モデルマウスとして知られていたが、当該トランスジェニックマウスにおいて発生する神経芽腫は遠隔転移や抗癌剤耐性といったヒト神経芽腫の特徴を示さない。
本発明は、上述した実情に鑑み、ヒト神経芽腫の特徴を示す神経芽腫モデルマウスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、MYCN遺伝子と共に、MYCN遺伝子のアンチセンス遺伝子であるNCYM遺伝子を導入した二重トランスジェニックマウスがヒト神経芽腫の特徴である遠隔転移能及び/又は抗癌剤耐性を有する神経芽腫を発症することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下を包含する。
(1)MYCN遺伝子とNCYM遺伝子とが導入された神経芽腫モデルマウス。
(2)MYCN遺伝子が以下の(a)〜(g)のいずれか1つの遺伝子である、(1)記載のモデルマウス。
(a) 配列番号1記載の塩基配列から成る遺伝子
(b) 配列番号1記載の塩基配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(c) 配列番号1記載の塩基配列に対して80%以上の配列同一性を有する塩基配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(d) 配列番号1記載の塩基配列と相補的な塩基配列から成るDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(e) 配列番号2記載のアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子
(f) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(g) 配列番号2記載のアミノ酸配列に対して80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(3)NCYM遺伝子が以下の(h)〜(n)のいずれか1つの遺伝子である、(1)又は(2)記載のモデルマウス。
(h) 配列番号3記載の塩基配列から成る遺伝子
(i) 配列番号3記載の塩基配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(j) 配列番号3記載の塩基配列に対して80%以上の配列同一性を有する塩基配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(k) 配列番号3記載の塩基配列と相補的な塩基配列から成るDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(l) 配列番号4記載のアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子
(m) 配列番号4記載のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(n) 配列番号4記載のアミノ酸配列に対して80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
(4)(1)〜(3)のいずれか1記載のモデルマウスを用いて神経芽腫治療剤をスクリーニングする方法。
(5)(1)〜(3)のいずれか1記載のモデルマウスから単離した神経芽腫を用いて神経芽腫治療剤をスクリーニングする方法。
(6)(1)〜(3)のいずれか1記載のモデルマウス由来の神経芽腫が移植されたマウスを用いて神経芽腫治療剤をスクリーニングする方法。
本発明によれば、ヒト神経芽腫の特徴を示す神経芽腫を発症するモデルマウスが提供される。また、本発明に係るモデルマウスを用いて、ヒト神経芽腫に有効な治療剤をスクリーニングすることができる。
実施例1において使用したNCYM遺伝子発現ベクター(pcDNA3-FLAG-NCYMベクター)のベクターマップである。 実施例1において使用したpGEM7z(f+)ベクターのベクターマップである。 MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスにおける神経芽腫の遠隔転移能を示す図である。 MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスにおける薬剤投与実験の結果を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るトランスジェニックマウスは、MYCN遺伝子とNCYM遺伝子とが導入された二重トランスジェニックマウスである。本発明に係るトランスジェニックマウスは、導入されたMYCN遺伝子とNCYM遺伝子とが発現されることで神経芽腫を自然発症する。換言すれば、本発明に係るトランスジェニックマウスは、神経芽腫モデルマウスである。本発明に係るトランスジェニックマウスにおいて発症した神経芽腫は、ヒト神経芽腫の特徴である遠隔転移能及び/又は既存の抗癌剤に対する耐性を有する。
NCYM遺伝子は、進化的にヒト及びチンパンジーのみが有する遺伝子である。NCYM遺伝子からタンパク質が発現されることは、今まで知られていなかった。しかしながら、本願発明者は、NCYM遺伝子からタンパク質が発現されることを見出し、また神経芽腫の原因遺伝子であるMYCN遺伝子と共にNCYM遺伝子をマウスで発現させることで、作出したトランスジェニックマウスにおいてヒト神経芽腫に近い神経芽腫を自然発症することを見出した。
ここで、MYCN遺伝子としては、例えばヒトMYCN遺伝子(塩基配列:配列番号1)、ヒトMYCNタンパク質(アミノ酸配列:配列番号2)をコードする遺伝子等が挙げられる。また、ヒトMYCN遺伝子の機能的に等価な遺伝子又は相同遺伝子を、本発明において導入遺伝子とすることができる。例えば、上記のヒトMYCN遺伝子の機能的に等価な遺伝子又は相同遺伝子としては、例えば以下の(i)〜(v)の遺伝子が挙げられる。
(i) ヒトMYCN遺伝子の塩基配列(配列番号1)において、1又は数個(例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個)の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(ii) ヒトMYCN遺伝子の塩基配列(配列番号1)に対して、例えば80%以上、85%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有する塩基配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。塩基配列の同一性(%)は、例えば当業者に周知のプログラム(例えば、BLAST)を用いたアラインメントにより決定することができる。
(iii) ヒトMYCN遺伝子の塩基配列(配列番号1)と相補的な塩基配列から成るDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。ここで、ストリンジェントな条件は、例えば、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。換言すれば、ストリンジェントな条件とは、例えば80%以上、85%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有する塩基配列にハイブリダイズする条件ということができる。ハイブリダイゼーションは、J. Sambrook et al. Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory(1989)に記載されている方法等、従来公知の方法で行うことができる。
(iv) ヒトMYCNタンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)において、1又は数個(例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(v) ヒトMYCNタンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)に対して、例えば80%以上、85%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。アミノ酸配列の同一性(%)は、例えば当業者に周知のプログラム(例えば、BLAST)を用いたアラインメントにより決定することができる。
ヒトMYCN遺伝子の機能的に等価な遺伝子又は相同遺伝子によりコードされるタンパク質がMYCNタンパク質として機能するか否かは、例えばDNA結合能(DNA結合活性)をElectrophoresis Mobility Shift Assay (EMSA)によって評価することにより決定することができる。当該DNA結合能の評価において、MYCNタンパク質が結合する対象配列としては、例えばMYCNタンパク質が結合することが知られているE-Box配列が挙げられる。
一方、NCYM遺伝子としては、例えばヒトNCYM遺伝子(塩基配列:配列番号3)、ヒトNCYMタンパク質(アミノ酸配列:配列番号4)をコードする遺伝子等が挙げられる。また、ヒトNCYM遺伝子の機能的に等価な遺伝子又は相同遺伝子を、本発明において導入遺伝子とすることができる。例えば、上記のヒトNCYM遺伝子の機能的に等価な遺伝子又は相同遺伝子としては、例えば以下の(vi)〜(x)の遺伝子が挙げられる。
(vi) ヒトNCYM遺伝子の塩基配列(配列番号3)において、1又は数個(例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個)の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(vii) ヒトNCYM遺伝子の塩基配列(配列番号3)に対して、例えば80%以上、85%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有する塩基配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。塩基配列の同一性(%)は、例えば当業者に周知のプログラム(例えば、BLAST)を用いたアラインメントにより決定することができる。
(viii) ヒトNCYM遺伝子の塩基配列(配列番号3)と相補的な塩基配列から成るDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。ここで、ストリンジェントな条件は、例えば、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。換言すれば、ストリンジェントな条件とは、例えば80%以上、85%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有する塩基配列にハイブリダイズする条件ということができる。ハイブリダイゼーションは、J. Sambrook et al. Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory(1989)に記載されている方法等、従来公知の方法で行うことができる。
(ix) ヒトNCYMタンパク質のアミノ酸配列(配列番号4)において、1又は数個(例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(x) ヒトNCYMタンパク質のアミノ酸配列(配列番号4)に対して、例えば80%以上、85%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子。アミノ酸配列の同一性(%)は、例えば当業者に周知のプログラム(例えば、BLAST)を用いたアラインメントにより決定することができる。
ヒトNCYM遺伝子の機能的に等価な遺伝子又は相同遺伝子によりコードされるタンパク質がNCYMタンパク質として機能するか否かは、例えばMYCNタンパク質及び/又はGSK3βタンパク質への結合能(結合活性)をGST pull-down assayによって評価することにより決定することができる。NCYMタンパク質は、MYCNタンパク質とMYCNタンパク質の安定性を調節するキナーゼGSK3βとに結合(相互作用)し、MYCNタンパク質のGSK3β介在性リン酸化及び分解を阻害することで、MYCNタンパク質を安定化する。当該NCYMタンパク質によるMYCNタンパク質の安定化により、神経芽腫の進行が促進されることとなる。
マウスに導入する該MYCN遺伝子及びNCYM遺伝子は、融合遺伝子として、又は別々に動物細胞中で発現可能なプロモーターと連結する。発現可能なプロモーターとしては、例えばラット由来のチロシン水酸化酵素(TH)プロモーターが挙げられる。また、遺伝子の発現を増強するエンハンサーを組込んでもよい。このようにプロモーター等と連結したMYCN遺伝子及び/又はNCYM遺伝子を含むDNA断片を直接トランスジェニックマウスの作出に使用することができる。
あるいは、MYCN遺伝子及びNCYM遺伝子を、融合遺伝子として、又は別々にプロモーターと作動可能に連結し、ベクターに導入することができる。ベクターとしては、導入遺伝子をマウスの生体内で発現誘導させることができるものであればよく、予めプロモーターが組込まれたベクターを用いてもよい。例えばpGEM7zベクター等を挙げることができる。
トランスジェニックマウスは、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:7380-7384(1980)に記載の方法により作出することができる。用いるマウスは、限定されないが、例えばC57BL/6Jマウス、129+Ter/SvJマウス、129X1/SvJマウス、CBAマウス等が用いられる。129+Ter/SvJを遺伝的背景として有し、且つMYCN遺伝子が導入されたトランスジェニックマウスは、神経芽腫の自然発症率が高いといった特徴を有する。
上記のプロモーター等と連結したMYCN遺伝子及び/又はNCYM遺伝子を含むDNA断片、あるいはMYCN遺伝子及び/又はNCYM遺伝子を導入したベクターを、マウスの全能性細胞に導入し、この細胞を個体へと発生させる。全能性細胞としては、例えば受精卵、初期胚の他、ES細胞(胚性幹細胞)等の多能性細胞が挙げられる。初期胚を用いる場合、8細胞期以前の胚が好ましい。DNA断片又はベクターの細胞への導入の方法は、限定されないが、例えばリン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法等により行うことができる。
次いで、MYCN遺伝子及び/又はNCYM遺伝子を導入した細胞を、レシピエントマウスの卵管に移植する。
発生した個体から、体細胞及び生殖細胞中に導入遺伝子が組み込まれた個体を選別することによって、目的とするMYCN遺伝子及び/又はNCYM遺伝子がノックインされたトランスジェニックマウスを得ることができる。トランスジェニックマウスにMYCN遺伝子及び/又はNCYM遺伝子が導入されていることを確認し、該マウスを正常マウスと交配し、F1マウスを得る。ヘテロ接合体は、選択された生殖系列キメラを同種の野生型と交雑することによって得られる、いわゆるF1動物から選択できる。ヘテロ接合体の選択は、例えば、F1動物の尾部より分離抽出した染色体DNAをサザンハイブリダイゼーション又はPCR法によりスクリーニングすることにより検定できる。ホモ接合体は、このヘテロ接合体同士を交配させることによって得ることができる。
MYCN遺伝子とNCYM遺伝子とを別々のマウスに導入し、MYCN遺伝子が導入されたトランスジェニックマウスとNCYM遺伝子が導入されたトランスジェニックマウスとを作出する場合には、MYCN遺伝子が導入されたトランスジェニックマウスとNCYM遺伝子が導入されたトランスジェニックマウスとを交配させることで、MYCN遺伝子とNCYM遺伝子とが導入された二重トランスジェニックマウスを作出することができる。
以上に説明するように作出した本発明に係るトランスジェニックマウスは、ヒト神経芽腫の特徴を有する神経芽腫を自然発症する。詳細には、本発明に係るトランスジェニックマウス(モデルマウス)は、以下の特徴を有する:
(a) 既存のモデルマウス(例えば、MYCN遺伝子が導入されたトランスジェニックマウス)では、神経芽腫を自然発症するが、明確な神経芽腫の遠隔転移がなく、且つ原発部位が腹部交感神経節のみであるのに対して、本発明に係るトランスジェニックマウスでは、神経芽腫を自然発症し、有意な神経芽腫の遠隔転移の増加を示し、且つ原発部位が腹部及び胸部交感神経節である;
(b) ヒト神経芽腫の転移部位である頭蓋内及び卵巣に転移が見られる;
(c) 神経芽腫の発症後、既存の抗癌剤(例えばNVP-BEZ235)を投与すると、既存のモデルマウス(例えば、MYCN遺伝子が導入されたトランスジェニックマウス)では生存率の改善が見られるのに対して、本発明に係るトランスジェニックマウスでは、有意な生存率の改善は見られず、発症した神経芽腫は抗癌剤耐性を示す。ここで、NVP-BEZ235は、PI3K/mTOR dual inhibitorである。
ヒト神経芽腫は、遠隔転移を示し、且つ原発部位が副腎髄質、腹部及び胸部交感神経節である。従って、本発明に係るトランスジェニックマウスは、ヒト神経芽腫に類似する神経芽腫を発症することとなる。
以上に説明した本発明に係るトランスジェニックマウスは、ヒト神経芽腫に類似する神経芽腫を発症することから、ヒト神経芽腫の病態モデルマウスとして利用することができる。例えば、ヒト神経芽腫の発症メカニズム又は病態の解明、ヒト神経芽腫の治療剤(抗癌剤)のスクリーニングに用いることができる。また、本発明に係るトランスジェニックマウスは、MYCN遺伝子及びNCYM遺伝子と協調して神経芽腫を発症させる遺伝子の分子生物学的解明に用いることができ、さらに、MYCN遺伝子及びNCYM遺伝子を標的とする標的分子薬のスクリーニングや開発に用いることができる。
例えば、スクリーニングは、本発明に係るトランスジェニックマウスに治療剤候補化合物である被験物質を経口等の適当な投与経路により投与し、当該トランスジェニックマウスにおいて神経芽腫の大きさ、遠隔転移の数、マウスの死等を観察することにより被験物質の効果を判定することができる。
また、本発明に係るトランスジェニックマウスから単離した神経芽腫を神経芽腫治療剤のスクリーニングに使用することができる。具体的には、本発明に係るトランスジェニックマウスにおいて発症した神経芽腫を当該マウスから単離し、in vitroで培養する。培養した神経芽腫に治療剤候補化合物である被験物質を接触させ、神経芽腫の大きさ等を観察することにより被験物質の効果を判定することができる。あるいは、同様に、本発明に係るトランスジェニックマウスにおいて発症した神経芽腫を単離し、別のマウス(例えば免疫不全マウス)に移植する。当該移植されたマウスに治療剤候補化合物である被験物質を経口等の適当な投与経路により投与し、in vivoで神経芽腫治療剤をスクリーニングすることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスの作出
ヒトNCYM遺伝子(塩基配列:配列番号3(633位の塩基はcである)、アミノ酸配列:配列番号4(70位のアミノ酸はLeuである))を有するNCYM遺伝子発現ベクター(pcDNA3-FLAG-NCYMベクター:図1)を鋳型として、Forward primerにT7 primer:TAATACGACTCACTATAGGG(配列番号5)及びReverse primerにNCYM Rv(SpeI):GACTAGTCCTCGTAGCTCGCACTTATT(配列番号6)を用いて、ヒトNCYM遺伝子を有するDNA断片をPCR法により増幅した。
増幅したDNA断片をpGEM Teasy vector(Promega)にTA cloningし、次いでHind III及びSpeIで酵素処理をして切断後、Gel extraction kit(QIAGEN)によりDNA断片を精製した。
この精製したDNA断片を、Hind III及びSpeIで切断したpGEM7z(f+)ベクター(図2)とライゲーションし、大腸菌DH5αにトランスフォーメーションした。
形質転換した大腸菌DH5αよりプラスミドDNAを精製し、シークエンシングによりインサートDNAの配列を確認し、ヒトNCYM遺伝子を有するpGEM7z(f+)-FLAG-NCYMベクターを得た。このpGEM7z(f+)-FLAG-NCYMベクターをEcoT22Iで切断し、ヒトNCYM遺伝子を有するDNA断片(TH-FLAG-NCYM)を得た。ここで、THは、ラット由来のチロシン水酸化酵素(TH)プロモーターであり、FLAGは、FLAGタグをコードする遺伝子である。
このDNA断片(TH-FLAG-NCYM)をマイクロインジェクション法により、C57BL/6Jマウス及び129+Ter/SvJマウスの受精卵に遺伝子導入し、8系統のFounderマウスを作出した。当該8系統のうち副腎におけるFLAG-NCYM mRNA発現量の高い4系統を129+Ter/SvJマウスと10回以上戻し交配することにより、129+Ter/SvJを遺伝的背景にもつTH-NCYMトランスジェニックマウス(ヒトNCYM遺伝子導入トランスジェニックマウス)を作出した。
作出したTH-NCYMトランスジェニックマウスを、ヒトMYCN遺伝子(塩基配列:配列番号1、アミノ酸配列:配列番号2)を有するTH-MYCNトランスジェニックマウス(ヒトMYCN遺伝子導入トランスジェニックマウス)と交配させ、MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウス(ヒトMYCN遺伝子/ヒトNCYM遺伝子導入トランスジェニックマウス)を作出した。なお、TH-MYCNトランスジェニックマウスは、129X1/SvJ系統のマウス(Weiss WA, Aldape K, Mohapatra G, Feuerstein BG, Bishop JM (1997) Targeted expression of MYCN causes neuroblastoma in transgenic mice. EMBO J 16: 2985-2995.)を入手し、当該129X1/SvJ系統のマウスを129+Ter/SvJマウス(CLEA)に戻し交配して得られたマウスを用いた(Haraguchi S, Nakagawara A (2009) A simple PCR method for rapid genotype analysis of the TH-MYCN transgenic mouse. PLoS One 4: e6902.)。
〔実施例2〕MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスにおける神経芽腫の遠隔転移能の評価
実施例1で作出したMYCN/NCYM二重トランスジェニックマウス、及びMYCNトランスジェニックマウス(ヒトMYCN遺伝子導入トランスジェニックマウス)から自然発生する腫瘍について、遠隔転移の有無について検討した。
エンドポイントは腫瘍が体重の1/10に達したとき又はマウスの体重が著しく減少する等明らかな体調不良を示したときとした。
結果を図3に示す。図3(A)は、MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウス及びMYCNトランスジェニックマウスにおける転移腫瘍の有無を示す表である。当該表における各略語は以下の通りである;「MYCN+/−」:MYCNトランスジェニックマウス(ヘミ接合体)、「MYCN+/− NCYM+/−」:MYCNのヘミ接合体であり且つNCYMのヘミ接合体であるMYCN/NCYM二重トランスジェニックマウス、「MYCN+/− NCYM+/+」:MYCNのヘミ接合体であり且つNCYMのホモ接合体であるMYCN/NCYM二重トランスジェニックマウス。
図3(B)は、MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスにおける腫瘍の遠隔転移を示す写真である。図3(B)における「NB1」は腹部交感神経節における神経芽腫であり、「NB2」は胸部交感神経節における神経芽腫である。
図3に示すように、MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスにおける腫瘍は有意に遠隔転移が増加した。
〔実施例3〕MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスにおける薬剤投与実験
腫瘍の検出は5週齢より毎日行い、腫瘍を検出した翌日よりNVP-BEZ235(35mg/kg)又は等量のポリエチレングリコール(PEG)300(対照)を、実施例1で作出したMYCN/NCYM二重トランスジェニックマウス及びMYCNトランスジェニックマウス(ヒトMYCN遺伝子導入トランスジェニックマウス)に毎日、経口投与した。
マウスが生存している場合は最大で30日間、NVP-BEZ235又はPEG300を投与し、30日後に安楽死させた。
治療(投与)開始日からの生存期間をKaplan-Meier cumulative survival curveにより解析し、Log-rank法により統計学的有意差の検定を行った。
結果を図4に示す。図4(A)はMYCNトランスジェニックマウスの結果であり、図4(B)はMYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスの結果である。
図4に示すように、MYCNトランスジェニックマウスでは有意にNVP-BEZ235による治療効果が認められたが(p<0.01)、MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウスではNVP-BEZ235による治療効果が認められなかった。このことは、MYCN/NCYM二重トランスジェニックマウス由来の腫瘍が治療抵抗性であることを示している。

Claims (4)

  1. MYCN遺伝子とNCYM遺伝子とが導入された神経芽腫モデルマウスであって、前記MYCN遺伝子が以下の(a)〜(d)のいずれか1つの遺伝子であり、且つ、前記NCYM遺伝子が以下の(e)〜(h)のいずれか1つの遺伝子である、前記神経芽腫モデルマウス。
    (a) 配列番号1記載の塩基配列から成る遺伝子
    (b) 配列番号1記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
    (c) 配列番号2記載のアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子
    (d) 配列番号2記載のアミノ酸配列に対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つDNA結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
    (e) 配列番号3記載の塩基配列から成る遺伝子
    (f) 配列番号3記載の塩基配列に対して90%以上の配列同一性を有する塩基配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
    (g) 配列番号4記載のアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子
    (h) 配列番号4記載のアミノ酸配列に対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つMYCNタンパク質又はGSK3βタンパク質への結合能を有するタンパク質をコードする遺伝子
  2. 請求項1記載のモデルマウスを用いて神経芽腫治療剤をスクリーニングする方法。
  3. 請求項1記載のモデルマウスから単離した神経芽腫を用いて神経芽腫治療剤をスクリーニングする方法。
  4. 請求項1記載のモデルマウス由来の神経芽腫が移植されたマウスを用いて神経芽腫治療剤をスクリーニングする方法。
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