JP6149763B2 - シールド導電路 - Google Patents
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Description
このような構成によれば、複数本の電線のうち特定の電線は仕切部によって他の電線挿通路と分けられた範囲内においてシールド部から外部に導出されるから、電線の分岐部において電線が電磁ノイズの影響を受けることを防ぐことができる。また、特定の電線は、仕切壁で仕切られたシールドパイプの途中位置から外部に引き出されるので、電線の分岐部において電線が電磁ノイズの影響を受けることを防ぐことができる。
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1〜図5を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例におけるシールド導電路Wは、筒状をなすシールド部10に複数本(本実施例では3本)の電線20が包囲されてシールドされたものである。シールド導電路Wは、ハイブリッド車等の車両において、図1に示すように、車体Bの後部に搭載された機器類M1,M3と、車体Bの前部に搭載された機器類M2,M4とをそれぞれ接続するべく、車体Bの床下に配索されるものである。そして、本実施例では、図2に示すように、3本の電線20のうち2本の電線20は、車両の後部に備えられた高圧バッテリ等の機器M1と車両の前部に備えられたインバータ等の機器M2とを接続する電線(以下、第1電線20Fと称する)とされ、1本の電線20は、車両の後部に備えられた低圧バッテリ等の機器M3と車両の前部に備えられたヒューズボックス等の機器M4とを接続する電線(以下、第2電線20Sと称する)とされている。なお、各機器M1,M2は、導電性のシールドケース内に収容されている。
第1電線20Fは、高圧回路を構成する高圧電線であり、高電圧・大電流に対応可能とされている。第1電線20Fの両端部には、図示しない端子金具が接続され、それぞれ各機器M1,M2に電気的に接続される。
仕切壁15のうち第1挿通路14Fと第2挿通路14Sとを仕切る仕切壁15(以下、第2仕切壁15Sと称する)は、第2挿通路14Sの形状に沿った円弧形状とされている。また、第2仕切壁15Sのうちシールドパイプ11の周壁16に連なる側の部分は、他の部分に比して厚さが増した形態とされている。なお、第2仕切壁15Sの中心に第1仕切壁15Fが連結されている。
シールドパイプ11の両端部には、仕切筒部(仕切部)17が一体に組み付けられている。仕切筒部17は、金属製(鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等)であってシールド機能を有するものとされている。仕切筒部17は、第2挿通路(特定の電線挿通路)14Sの端部に圧入されている。仕切筒部17は、第2電線20Sのうちシールドパイプ11から導出された部分を包囲する円筒状をなしている。仕切筒部17の外形形状は、第2挿通路14Sの端部の形状に整合する真円形状とされている。仕切筒部17の軸線は直線状をなしている。
本実施例のシールド導電路Wは、筒状をなすシールドパイプ11および可撓性シールド部材12からなるシールド部10に、3本の電線20が包囲されてシールドされたものであり、シールドパイプ11には、その内部を第1挿通路14Fおよび第2挿通路14Sに分ける仕切壁15が設けられ、また、シールドパイプ11から導出された第2電線20Sは、シールドパイプ11の端面から可撓性シールド部材12の外側に至るまで突出する仕切筒部17に包囲され、その仕切筒部17のうち可撓性シールド部材12の外側に配された端部の導出口19から外部に導出されている。
この構成によれば、第2電線20Sは、仕切筒部17内を通って可撓性シールド部材12から外部に導出されるから、電線20F,20Sの分岐部において電線20Sが電磁ノイズの影響を受けることを防ぐことができる。
次に、本発明を具体化した実施例2に係るシールド導電路30を図6および図7によって説明する。
本実施例のシールド導電路30は、第2電線20Sの導出口31を、シールドパイプ11の周壁16のうち第2挿通路14Sを構成する部分の途中位置に設けた点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、本発明を、複数本の電線20が高圧電線および低圧電線からなる場合について説明したが、本発明は、複数本の電線が、近接して配線すると電磁ノイズの影響が懸念される場合に好適に適用可能なものであり、例えば、複数本の電線が電源線および信号線等からなるものであってもよい。
(2)上記実施例では、シールドパイプ11は金属製とされているが、これに限らず、シールドパイプはシールド機能を有するものであればどのような材質のものであってもよく、例えば、シールドパイプは樹脂製のパイプ内に金属箔を同心で埋め込んだ構造のものであってもよい。
(3)上記実施例では、可撓性シールド部材12は、導電性の金属細線(例えば、銅)をメッシュ状に編み込んで筒状に形成してなる編組部材とされているが、これに限らず、例えば可撓性シールド部材は、金属箔を全周かつ全長に亘ってインサートしたコルゲートチューブであってもよい。
(4)上記実施例では、シールドパイプ11の内部は3つの電線挿通路14にわけられているが、これに限らず、シールドパイプ内に設ける電線挿通路の数は、分離して配線することが望ましい電線の種類に応じて適宜変更することができる。
(5)上記実施例では、2種の電線20F,20Sのうち1種の電線20Sがシールド部10から外部に導出されるものとしているが、これに限らず、例えば3種以上の電線をシールド部によって包囲するものとし、そのうち2種以上の電線が、それぞれに対応して設けられた導出口からシールド部の外部に引き出されるものとしてもよい。
(6)上記実施例では、シールドパイプの断面の外形形状は略真円形とされているが、これに限らず、例えば楕円形状であってもよい。
(7)上記実施例1では、仕切筒部17は第2挿通路14Sの端部に圧入されるものとしているが、これに限らず、仕切筒部は、例えば押出成形によってシールドパイプと一体に形成されたものであってもよく、また溶接によってシールドパイプに継ぎ合わせてもよい。
(8)上記実施例1では、仕切筒部17は第2挿通路14Sを延長するものとしているが、これに限らず、仕切筒部は第1挿通路を延長するものであってもよく、その仕切筒部の端部に可撓性シールド部材を接続するものとしてもよい。
(9)上記実施例1では、仕切筒部17および第2挿通路14Sの端部の形状が真円形状とされているが、これに限らず、仕切筒部を第2挿通路の端部に固定可能であればどのような形状であってもよい。
(10)上記実施例1では、仕切筒部17の軸線は直線状をなしているが、これに限らず、仕切筒部は屈曲した形状であってもよい。
(11)上記実施例1では、仕切筒部17の端面の開口が導出口19とされているが、これに限らず、仕切筒部のうち可撓性シールド部材の外側に配される部分の周壁に導出口を開口して設けてもよい。
(12)上記実施例2では、シールドパイプ11の端部に可撓性シールド部材12が接続されているが、これに限らず、例えば、シールドパイプの端部が機器のシールドケース等に直接固定されるものであってもよい。
(13)上記実施例2では、導出口31は、シールドパイプ11の端部に切欠かれたスリット部32の端部とされているが、これに限らず、例えば導出口は、シールドパイプの周壁に貫通形成された、全周の閉じた穴であってもよい。
10…シールド部
11…シールドパイプ
12…可撓性シールド部材
14…電線挿通路
14S…第2挿通路(特定の電線挿通路)
15…仕切壁(仕切部)
16…シールドパイプの周壁
16S…第2周壁部(シールドパイプの周壁のうち特定の電線挿通路を構成する部分)
17…仕切筒部(仕切部)
19(31)…導出口
20…電線
20S…第2電線(特定の電線)
Claims (3)
- 筒状をなすシールド部に複数本の電線が包囲されてシールドされたシールド導電路であり、
前記シールド部には、その内部空間を複数の電線挿通路に分ける仕切部が設けられ、
前記複数の電線挿通路のうち特定の電線挿通路に挿通された特定の電線は前記シールド部に設けられた導出口から前記シールド部の外部に導出されるものとされ、
前記導出口は、前記シールド部のうち前記仕切部が設けられた範囲内に形成されており、
前記シールド部が、前記複数本の電線が一括して内側に挿通されるシールドパイプと、前記シールドパイプの端部に接続されて前記電線のうち前記シールドパイプから導出された部分を包囲可能な筒状をなす可撓性シールド部材と、を有し、
前記仕切部が、前記シールドパイプの内部を前記複数の電線挿通路に分ける仕切壁と、前記特定の電線を包囲する筒状をなして前記シールドパイプの端面から前記可撓性シールド部材の外側に突出する仕切筒部とを有し、
前記導出口が、前記仕切筒部のうち前記可撓性シールド部材の外側に配された端部に形成されているシールド導電路。 - 前記仕切筒部および前記特定の電線挿通路の端部の形状が真円形状とされ、前記仕切筒部は前記特定の電線挿通路の端部に圧入されている請求項1に記載のシールド導電路。
- 筒状をなすシールド部に複数本の電線が包囲されてシールドされたシールド導電路であり、
前記シールド部には、その内部空間を複数の電線挿通路に分ける仕切部が設けられ、
前記複数の電線挿通路のうち特定の電線挿通路に挿通された特定の電線は前記シールド部に設けられた導出口から前記シールド部の外部に導出されるものとされ、
前記導出口は、前記シールド部のうち前記仕切部が設けられた範囲内に形成されており、
前記シールド部が、前記複数の電線が一括して内側に挿通されるシールドパイプを有し、
前記仕切部が、前記シールドパイプの内部を前記複数の電線挿通路に分ける仕切壁であり、
前記導出口が、前記シールドパイプの周壁のうち前記特定の前記電線挿通路を構成する部分の途中位置に設けられているシールド導電路。
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