JP6148665B2 - 有機化合物のアルキル化法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機化合物のアルキル化法、またアルキル化反応におけるBEA骨格構造を有するゼオライト材料を含む触媒の使用であって、ここで、前記ゼオライト材料が構造規定剤として有機テンプレートを使用しない合成プロセスにより取ることができる前記使用に関する。
アルキル化法、とりわけ芳香族のアルキル化のためのプロセスは、工業規模の基礎化学品の製造に関し非常に重要である。従って、例えば、エチルベンゼンおよびクメンを製造するためのエチレンおよびプロピレンによるベンゼンのアルキル化は、石油化学工業において広く使用されている。これに関し、クメンは、フェノールおよびアセトンの製造に主に使用される重要な化学中間体であるのに対し、エチルベンゼンはスチレンの製造において使用される中間体である。これらに加え、長鎖のアルキルベンゼンは、潤滑剤の素材、および洗浄剤の製造における中間体として有用である。
そのような基礎化学品の製造のため、典型的には、ルイス酸およびブレンステッド酸が使用され、一般的に、様々なゼオライトがアルキル化触媒として採用される。従って、特定の結晶性ゼオライト触媒を採用する芳香族炭化水素化合物のアルキル化は、当該技術分野において周知である。これについて、ゼオライト触媒の存在下でのエチレンおよびプロピレンによるベンゼンのアルキル化は、エチルベンゼンおよびクメンを製造するための好ましい商業技術を代表するものである。
しかしながら、所望のモノアルキル化生成物と共に、典型的なアルキル化法は、オリゴマーおよびその他の副生成物に加えて、ジアルキル化およびトリアルキル化生成物を生じる。この結果、後続の生成物の製造において供給原料として使用するために十分な純度を有するアルキル化生成物を得るため、通常は時間や費用のかかる分離プロセスを採用しなければならない。
従って、公知の工業プロセスの有効性を高めるために、モノアルキル化生成物に対するより高い選択性を与えるプロセスおよび触媒の開発に相当の努力がなされてきた。
これについて、例えば、特許文献1は、芳香族のアルキル化に関し、とりわけ、エチルベンゼンおよびクメンをそれぞれ生成するエチレンおよびプロピレンによるベンゼンのアルキル化に関する。さらに、前記文献は、長鎖のアルキル化剤を用いて、対応する長鎖のアルキルベンゼンを生成する芳香族のアルキル化に関する。アルキル化反応において、ゼオライト材料、とりわけMWW骨格構造を有するゼオライト材料が使用されている。とりわけ、リンを含むゼオライト材料を修正することによって、モノアルキル化生成物に対するアルキル化反応の選択性を向上する手段に関する。
特許文献2は、具体的には、特にクメンおよびs−ブチルベンゼン等の後続の化学品の生成に使用される原料の製造のための、プロピレンおよびブテンによるベンゼンのアルキル化に関する。とりわけ、前記文献は、モノアルキル化種に対する芳香族アルキル化の選択性を向上する方法を提供することを目的としている。この効果のため、プロピレンおよび1種以上の直鎖状ブテンのモルブレンドの使用がこの文献の中で教示されている。しかしながら、前記方法の明らかな欠点は、モノアルキル化生成物の混合物のみが得られるという事実に加え、アルキル化可能な有機化合物と、そこで使用され得るアルキル化剤の両方が非常に制限されているという事実である。
非特許文献1において、前者によって触媒されるベンゼンのアルキル化におけるゼオライトベータを含む様々なゼオライトの活性および選択性、とりわけ、ベンゼンとエチレンおよびプロピレンとの各反応に関して考察されている。これに関し、Bellussiらは、使用されるゼオライトベータのSi/Alモル比が減少するにつれて、前記アルキル化反応におけるゼオライトベータの転換率および選択性の両方が増加すると報告している。しかしながら、前記文献において開示される結果からわかるように、ゼオライトベータ材料のSi/Alモル比の減少に伴うモノアルキル化種に対する選択性の穏やかな増加が、ジアルキル化およびトリアルキル化生成物における比較的大きな増加に付随している。対応する観察が非特許文献2においてなされており、芳香族のアルキル化におけるゼオライトベータの活性および選択性に対するゼオライトベータの脱アルミニウムの効果について考察されている。とりわけ、イソプロパールとベンゼンとの反応におけるジアルキル化生成物に対するゼオライトベータの選択性に関し、前記文献に開示される結果は、その反応で使用されるゼオライトベータ材料の脱アルミニウムが増加すると、前記選択性が低下することを示している。
最後に、ゼオライトベータによって触媒されるさらなるアルキル化反応に関し、例えば、非特許文献3は、ゼオライトベータ触媒上でのイソブテンの三量体化に関する。一方、非特許文献4は、H−ゼオライトベータを含むゼオライト材料上でのフェノールのtert−ブチル化に関する。
しかしながら、とりわけ、大規模な工業的生産プロセスにおいて採用される幅広い基礎化学品の高純度の原料を提供するための時間およびコスト効率の高い方法を考慮した、アルキル化反応の選択性の向上が必要とされている。
米国特許第7,569,739B2号 米国特許第7,348,465B2号 国際公開第2010/146156A号
Bellussi et al.,Journal of Catalysis 1995,157,pp.227−234 Halgeri et al.,Applied Catalysis A:General 1999,181,pp.347−354 Yoon et al.,Journal of Catalysis 2006,245,pp.253−256 "From Zeolites to Porous MOF Materials - the 40th Anniversary of International Zeolite Conference", Studies in Surface Science and Catalysis 2007,pp.1454−1459におけるTang et al. Xiao et al.,Chem.Mater.2008,20,pp.4533−4535 Majano et al.,Chem.Mater.2009,21,pp.4184−4191 Ullmann’s Enzyklopadie der Technischen Chemie,4th Edition,Vol.2,page 295 et seq.,1972
従って、改良された有機化合物のアルキル化法を提供することは本発明の課題であった。斯して、意外にも、BEA骨格構造を有するゼオライト材料、とりわけゼオライトベータを含む触媒を使用するそのようなプロセスは、構造規定剤として有機テンプレートを採用しない合成プロセスによって取得することができるゼオライト材料を使用することにより大幅に改善され得ることが見出された。とりわけ、そのようなゼオライト材料を使用することにより、アルキル化法の選択性、特にモノアルキル化生成物に関して大幅に改善され得ることは全く思いがけず見出された。より具体的には、全く予想外にも、特に芳香族のアルキル化に関与する反応において、ポリアルキル化生成物、とりわけジアルキル化およびトリアルキル化生成物の量が大幅に低減され得ることが見出された。さらに、全く思いがけず、そのようなアルキル化反応の位置選択性に関しても、有機テンプレート不要の合成プロセスによって取得可能なゼオライト材料の使用は、有機テンプレートを使用する合成方法論によって得られる従来のゼオライト材料の使用によっては達成され得ない結果を与えることが見出された。
これらの予想外の結果に加え、アルキル化反応においてそのようなゼオライト材料を含む触媒を使用することによって、意外にも、非常に改善された速度制御が可能となり、その結果、例えば、アルキル化反応において極めて高い位置選択性が達成され得ることが見出された。従って、予想外にも、例えば、オルト位、メタ位、および/またはパラ位が好ましくはアルキル化され得る、芳香族のアルキル化とりわけ置換されたベンゼンのアルキル化のためのアルキル化触媒中にそのようなゼオライト材料を使用することによって、はるかに高い位置選択性が達成され得ることが見出された。この、非常に予想外の性質は、構造規定剤として有機テンプレートを採用しない合成プロセスによって取得可能なBEA骨格構造を有するゼオライト材料を含む、そのような触媒を使用するアルキル化法が、有機テンプレートを使用して得られるBEA骨格構造を有する市販のゼオライト材料と比較して、大きく低減されたトランスアルキル化活性を呈する、さらに予想外の知見につながる可能性が非常に高いと考えられる。
従って、本発明は、有機化合物のアルキル化法であって、前記プロセスは、
(a)BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を含む触媒を供給する工程、
ここで、前記BEA骨格構造はYO、および任意にXを含み、
式中、Yは四価元素であり、Xは三価元素である前記工程、
(b)1種以上のアルキル化有機化合物を得るために、1基以上の反応器において、1種以上のアルキル化剤の存在下で、触媒と、1種以上のアルキル化可能な有機化合物とを接触させる工程を含み、
前記1種以上のゼオライト材料が、構造規定剤として有機テンプレートを採用しない合成プロセスにより得ることができる、前記プロセスに関する。
本発明によれば、本発明のプロセスの工程(a)において触媒として供給されるゼオライト材料の数および/またはタイプについては、それらがBEA骨格構造および少なくともYOを有し、本発明の各実施態様および/または好ましい実施態様において定義されるように有機化合物のアルキル化を触媒するために好適である限り、特に限定されない。従って、例えば、1種以上のゼオライト材料は、ゼオライトベータ、[B−Si−O]−BEA、[Ga−Si−O]−BEA、[Ti−Si−O]−BEA、Al−リッチベータ、CIT−6、ツァーニック沸石、および純シリカベータからなる群より選択される1種以上のゼオライトを含んでもよく、好ましくは1種以上のゼオライト材料は、ゼオライトベータを含む。さらに、前記1種以上のゼオライト材料に好ましく含まれるゼオライトについては、有機テンプレートを採用しない合成プロセスによって得ることができる限り、使用され得る具体的なタイプは特に限定されない。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料は、ゼオライトベータを含む。
原則的には、本発明のプロセスにおいて採用されるBEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料は、構造規定剤として有機テンプレートを採用しないプロセスによって同様に取得され得る限り、考えられる任意の合成プロセスによって得ることができる。好ましくは、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料は、構造規定剤として有機テンプレートを採用しない合成プロセスにより得られる。非特許文献5および補足情報において、例えば、ゼオライトベータ種晶を使用してアルミのシリカゲルの結晶化が行われるゼオライトベータの合成プロセスが記載されている。これに関して、特許文献3についても言及され、これはBEA骨格構造を有するゼオライト材料の有機テンプレート不要の合成に関し、とりわけ、ゼオライトベータの有機テンプレート不要の合成に関する。一方、非特許文献6において、3.9という低いSi/Al比を有するAl-リッチゼオライトベータ材料であって、有機テンプレート不在におけるシーディングを採用した反応により取得され得るAl-リッチゼオライトベータ材料が考察されている。
本発明によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の合成において典型的に使用される有機構造規定剤、とりわけ、特定のテトラアルキルアンモニウム塩および/または関連する有機テンプレート(例えば、テトラエチルアンモニウムおよび/またはジベンジルメチルアンモニウム塩、ならびにジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)の不純物より多くを含有しないことが好ましい。そのような不純物は、例えば、好ましい合成プロセスにおいて使用される種晶中に依然存在する有機構造規定剤によって生じる可能性がある。
さらに、本発明によれば、1種以上のゼオライト材料は、か焼されていないことが好ましく、それらがか焼工程に供されていないことを意味する。本発明の意味の範囲内において、か焼工程は、一般に500℃を超える温度で1種以上のゼオライト材料を加熱することを含むプロセスを指す。しかしながら、より好ましくは、本発明によるか焼されていないゼオライト材料は、450℃、より好ましくは350℃、より好ましくは300℃、より好ましくは250℃、より好ましくは200℃を超える温度に供されていない材料を指し、さらに好ましくは150℃を超えない温度に供されていない材料を指す。一般に、か焼工程は、本発明のプロセスにおいて使用される1種以上のゼオライト材料の合成において採用され得る任意の工程を指してもよい。しかしながら、本発明によれば、か焼工程は、好ましくは、採用され得る任意の種晶以外の、BEA骨格構造を有していない1種以上の前駆体化合物からのBEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料の結晶化の完了の後に行われる工程のみを指す。本発明のさらなる好ましい実施態様によれば、か焼工程は、骨格構造から有機テンプレートを除去するために1種以上のゼオライト材料の結晶化の完了の後に通常または好適に行われる工程のみを指す。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、本発明のプロセスの工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料は、か焼されていない。
本発明の意味の範囲内において、1種以上のゼオライト材料のBEA骨格構造中に含まれるYOおよび任意にXは、骨格構造によって形成される細孔および空洞に存在し得る非構造元素とは対照的に、一般にゼオライト材料に典型的である、構造構築元素としてそこに含まれる。
本発明によれば、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料に含まれるYは、考えられる任意の四価元素を表し、ここで、Yは1個以上の四価元素である。本発明による好ましい四価元素としては、Si、Sn、Ti、Zr、およびGe、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。より好ましくは、Yは、Si、TiもしくはZrまたは前記三価元素の組み合わせ、さらに好ましくはSiおよび/またはSnを表す。本発明によれば、特に好ましくはYはSiを表す。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料に含まれるYは、Si、Sn、Ti、Zr、Geおよびそれらの2以上の組み合わせからなる群より選択され、好ましくはYはSiである。
本発明の好ましい実施態様において、BEA構造を有する1種以上のゼオライト材料の骨格は、さらにXを含み、ここで、Xは考えられる任意の三価元素を表し、Xは1個以上の三価元素である。本発明による好ましい三価元素は、Al、B、InおよびGa、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。より好ましくはYは、Al、B、もしくはIn、または前記三価元素の任意の組み合わせ、より好ましくはAlおよび/またはBを表す。本発明によれば、特に好ましくはXはAlを表す。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料に任意に含まれるXは、Al、B、In、Ga、およびそれらの2以上の組み合わせからなる群より選択され、好ましくはXはAlである。
本発明の好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給されるBEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料は、YOに加えてXを含む。原則的には、前記好ましい実施態様に関し、考えられ得る、実現可能な任意のY:Xのモル比を有するゼオライト材料を原則的に使用できるように、1種以上のゼオライト材料によって呈されるY:Xのモル比については特に限定されない。従って、例えば、1種以上のゼオライト材料は、1〜50の範囲のいずれかのY:Xのモル比を呈してもよく、好ましくはY:Xのモル比は2〜35、より好ましくは2.5〜25、より好ましくは3〜15、より好ましくは3.5〜10、さらに好ましくは4〜8の範囲に含まれる。特に好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料のY:Xのモル比は、4〜6の範囲に含まれる。
従って、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料にXが含まれる本発明の好ましい実施態様によれば、そのY:Xのモル比は、1〜50、好ましくは2〜35、より好ましくは2.5〜25、より好ましくは3〜15、より好ましくは3.5〜10、より好ましくは4〜8の範囲であり、さらに好ましくは4〜6の範囲である。
本発明によれば、1種以上のゼオライト材料は、1種以上のアルカリ金属Mを含むことがさらに好ましく、前記1種以上のアルカリ金属は、好ましくはLi、Na、およびKからなる群より選択され、より好ましくは1種以上のアルカリ金属はナトリウムおよび/またはカリウムであり、さらに好ましくはナトリウムである。従って、本発明によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料に好ましく含まれる1種以上のアルカリ金属Mは、Li、Na、およびKからなる群より選択されることがさらに好ましく、より好ましくは1種以上のアルカリ金属MはNaおよび/またはK、より好ましくはNaを含み、さらに好ましくはMはNaである。
工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料が1種以上のアルカリ金属Mを含む本発明の好ましい実施態様によれば、それに含まれる1種以上のアルカリ金属の量について一般的な限定はない。従って、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料が追加のXを含む、本発明のプロセスの実施態様において、1個以上の3価元素Xに対する1種以上のアルカリ金属のモル比M:Xは、例えば、0.01から20のいずれの範囲でもよく、好ましくはM:X比が0.05〜10、より好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5、より好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5、より好ましくは0.9〜1.3、さらに好ましくは1〜1.2の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施態様によれば、工程(a)において使用される1種以上のゼオライト材料によって呈されるモル比M:Xは、1〜1.1の範囲に含まれる。
従って、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料がXおよび1種以上のアルカリ金属Mを含む本発明の好ましい実施態様によれば、モル比M:Xは0.01〜20、より好ましくは0.05〜10、より好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5、より好ましくは0.9〜1.3、より好ましくは1〜1.2、さらに好ましくは1〜1.1の範囲である。
一般に、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料中に好ましく含まれる1種以上のアルカリ金属Mの少なくとも一部は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の合成において具体的に使用される有機テンプレート、とりわけ、特定のテトラアルキルアンモニウム塩および/または関連する有機テンプレート(例えば、テトラエチルアンモニウム塩および/またはジベンジルメチルアンモニウム塩および/またはジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)を除く、ゼオライト材料におけるイオン交換に好適な1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素によって置換され得る。しかしながら、有機テンプレートは別として、本発明によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上の置換されたゼオライト材料が有機化合物のアルキル化の触媒に好適である限り、1種以上のアルカリ金属Mの少なくとも一部を置換し得る1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素について一般的な限定はない。特に好ましい実施態様によれば、1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素は、H、NH 、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、遷移金属、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、より好ましくは1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素は、H、NH 、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ランタン、セリウム、ニッケル、プラチナ、パラジウム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、より好ましくは前記の特に好ましい実施態様において1種以上のアルカリ金属原子Mの少なくとも一部が、Hおよび/またはNH 、さらに好ましくはHによって交換されている。
入手可能な好ましい1種以上のゼオライト材料、および好ましくは構造規定剤として有機テンプレートを採用しない合成プロセスにより得られる1種以上のゼオライト材料における1種以上のアルカリ金属Mの置換に関し、置換を達成する方法は特に限定されず、本発明によれば、置換はイオン交換によって達成されることが好ましい。本発明によれば、用語「イオン交換」は、一般的には、非構造イオン元素および/または1種以上のゼオライト材料に含有される分子を指す。一般に、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の合成において具体的に使用される有機構造規定剤、とりわけ、特定のテトラアルキルアンモニウム塩および/または関連する有機テンプレート(例えば、テトラエチルアンモニウム塩および/またはジベンジルメチルアンモニウム塩および/またはジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)を除き、全ての可能性のあるイオン元素および/または分子を用いる、考えられる任意のイオン交換の手法をゼオライト材料に対して行うことができる。
従って、本発明の特に好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料に好ましく含有される1種以上のアルカリ金属原子Mの少なくとも一部が、1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素によって置換され、好ましくは1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素がH、NH 、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、遷移金属およびそれらの組み合わせからなる群、より好ましくはH、NH 、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ランタン、セリウム、ニッケル、プラチナ、パラジウム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素を含み、さらに好ましくはアルカリ金属原子Mの少なくとも一部が、Hおよび/またはNH 、好ましくはHで交換されており、この置換された触媒は好ましくはイオン交換により取得することができる。
本発明によれば、本発明のプロセスの工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料の結晶構造は、これらがBEA骨格構造を呈する限り、とりわけ1種以上のゼオライト材料がBEA骨格構造に典型的な反射を含むX線回折パターンを呈する限り、特に限定されない。本発明の意味の範囲内において、BEA骨格構造に典型的なX線パターンは、主に、X線ディフラクトグラムに含まれる反射パターンを指し、ここで、2θ回折角はBEA骨格構造に典型的であり、好ましくは個々の反射の相対強度もまたBEA骨格構造に典型的である。本発明の特に好ましい実施態様によれば、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料は、少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを呈する:
Figure 0006148665
ここで、100%は、粉末X線回折パターンにおける最大ピークの強度に関する。
より好ましくは、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料は、少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを呈する:
Figure 0006148665
ここで、100%は、粉末X線回折パターンにおける最大ピークの強度に関する。
特に好ましい実施態様によれば、本発明のプロセスの工程(a)において触媒として供給されるBEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料は、少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを呈する:
ここで、より好ましくは、X線回折パターンは少なくとも以下の反応を含む:
Figure 0006148665
ここで、より好ましくは、X線回折パターンは、少なくとも以下の反射を含む:
Figure 0006148665
ここで、100%は、粉末X線回折パターンにおける最大ピークの強度に関する。
従って、本発明の特に好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料は、少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを有する:
Figure 0006148665
ここで、100%は、粉末X線回折パターンにおける最大ピークの強度に関し、さらに好ましくは、X線回折パターンは、さらに以下の反射を含む:
Figure 0006148665
本発明によれば、1種以上のゼオライト材料が有機化合物のアルキル化の触媒として好適である限り、本発明のプロセスの工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料の表面積は特に限定されない。従って、例えば、DIN66135に従って測定される1種以上のゼオライト材料のBET表面積に関し、これらは200〜550m2/gであってもよく、好ましくはBET表面積は230〜500m2/g、より好ましくは250〜450m2/g、より好ましくは270〜400m2/g、さらに好ましくは280〜340m2/gの範囲に含まれる。特に好ましい実施態様によれば、DIN66135に従って測定されるBET表面積は、290から320m2/gの範囲である。
本発明の特に好ましい実施態様によれば、工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の合成のための有機テンプレート不要の合成プロセスに従って取得可能であり、好ましくは取得され、前記合成プロセスは、
(1)種晶および1種以上のYO供給源を含む混合物を調製する工程;ならびに
(2)前記混合物を結晶化する工程
を含み、BEA骨格構造が好ましくはXを含むとき、工程(1)に記載の混合物は1種以上のX供給源をさらに含む。
工程(a)において1種以上のゼオライト材料を供給するための前記好ましい合成によれば、工程(1)において供給され、工程(2)において結晶化される混合物は、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料の合成において具体的に使用される有機構造規定剤、とりわけ、特定のテトラアルキルアンモニウム塩および/または関連する有機テンプレート(例えば、テトラエチルアンモニウム塩および/またはジベンジルメチルアンモニウム塩ならびにジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等)の不純物より多くを、いずれの時点においても含まない。そのような不純物は、例えば、好ましい合成において使用される種晶中に依然存在する有機構造規定剤が原因となり得る。しかしながら、種晶材料に含まれている有機テンプレートは種晶骨格内に捕捉されており、従って本発明の意味の範囲内の構造規定剤として作用しない可能性があることから、その有機テンプレートは、結晶化プロセスに関与しない可能性がある。
本発明によれば、BEA骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましい合成方法の工程(2)において結晶化される。この目的のため、YOを含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化され得る限り、YOは、考えられる任意の形態で工程(1)において提供され得る。好ましくは、YOは、それ自体として、および/または化学部分としてYOを含む化合物として、および/または本発明のプロセス中にYOに化学的に(部分的または全体的に)変換される化合物として供給される。YがSi、または1種以上のさらなる四価元素とSiとの組み合わせを表す本発明の好ましい実施形態において、工程(1)において供給されるSiO供給源は、考えられる任意の供給源とすることができる。従って、例えば、すべてのタイプのシリカおよびケイ酸塩、好ましくは、ヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性アモルファス固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、三二ケイ酸塩もしくは二ケイ酸塩、コロイドケイ酸、焼成シリカ、ケイ酸エステル、またはテトラアルコキシシラン、又はこれらの化合物のうちの少なくとも2種の混合物を使用することができる。
工程(1)に記載の混合物が1種以上のSiO2供給源を含む好ましい合成方法の好ましい実施態様によれば、前記供給源は、好ましくは、シリカおよびケイ酸塩、好ましくは、ケイ酸塩、より好ましくは、アルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される1種以上の化合物を含む。好ましいアルカリ金属ケイ酸塩のうち、1種以上の供給源は、好ましくは水ガラス、より好ましくはケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウム、より好ましくはケイ酸ナトリウムを含む。本発明の特に好ましい実施形態において、SiO2供給源は、ケイ酸ナトリウムである。さらに、シリカを含む実施形態では、ヒュームドシリカが好ましい。
BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料がX23を含む本発明の好ましい実施形態によれば、1種以上のX23供給源が、好ましい合成方法の工程(1)において供給される。X23を含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化され得る限り、通常、X23は、考えられる任意の形態で供給され得る。好ましくは、X23は、それ自体として、および/または化学部分としてX23を含む化合物として、および/または本発明のプロセス中にX23に化学的に(部分的または全体的に)変換される化合物として、供給される。
XがAl、または1種もしくはそれ以上のさらなる三価元素とAlとの組み合わせを表す好ましい合成方法の好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給されるAl供給源は、考えられる任意の供給源とすることができる。例えば、任意のタイプのアルミナおよびアルミン酸塩、アルミニウム塩(例えば、アルカリ金属のアルミン酸塩)、アルミニウムアルコラート(例えばトリイソプロピル酸アルミニウム)もしくは、アルミナ水和物(例えばアルミナ三水和物等)、またはそれらの混合物を使用することができる。好ましくは、Al供給源は、アルミナおよびアルミン酸塩からなる群、好ましくはアルミン酸塩、より好ましくはアルカリ金属のアルミン酸塩から選択される1種以上の化合物を含む。好ましいアルカリ金属のアルミン酸塩のうち、1種以上の供給源は、好ましくはアルミン酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸カリウム、より好ましくはアルミン酸ナトリウムを含む。好ましい合成方法の特に好ましい実施形態において、Al供給源は、アルミン酸ナトリウムである。
工程(1)の混合物が、1種以上のホウ素化合物を包含する1種以上のX23供給源をさらに含む場合、例えば、遊離ホウ酸および/またはホウ酸塩および/またはホウ酸エステル(例えば、ホウ酸トリエチルまたはホウ酸トリメチル等)を出発材料として使用することができる。
好ましい合成方法の特に好ましい実施態様によれば、工程(1)に記載の混合物は、YOに対する供給源として1種以上のケイ酸塩およびXに対する供給源として1種以上のアルミン酸塩、より好ましくは1種以上のアルカリ金属ケイ酸塩および/または1種以上のアルカリ金属のアルミン酸塩、さらに好ましくは1種以上の水ガラス化合物および/または1種以上のアルカリ金属アルミン塩を含み、ここで、前記好ましい実施形態のアルカリ金属は、好ましくはナトリウムおよび/またはカリウム、より好ましくはナトリウムを含み、さらに好ましくはアルカリ金属は、ナトリウムである。
工程(1)に記載の混合物が1種以上のX供給源を含む好ましい合成方法の好ましい実施形態において、YOとXの両方を含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化される限り、その混合物のYO:Xのモル比は、考えられる任意の値を有することができる。通常、そのモル比は、1〜100、好ましくは5〜85、より好ましくは10〜60、より好ましくは20〜55、より好ましくは25〜50、より好ましくは35〜45、特に好ましくは38〜42の範囲である。
さらに好ましい合成方法の実施態様において、得られるおよび/もしくは入手可能なゼオライト材料ならびに/または好ましい合成方法によるものとしての本発明の材料は、1種以上のアルカリ金属M、好ましくはナトリウムおよび/またはカリウム、より好ましくはナトリウムを含むことがさらに好ましい。アルカリ金属は、好ましい合成方法の考えられる任意の段階において添加することができ、好ましくは、工程(1)においても添加される。より好ましくは、BEA骨格構造を有するゼオライト材料に含まれるアルカリ金属の全量が、好ましい合成方法の工程(1)において添加される。好ましい合成方法の特に好ましい実施形態において、アルカリ金属は、工程(1)において供給されるYO供給源および/またはX供給源の1種以上に部分的または全て含有され、好ましくは、アルカリ金属は、さらなる供給源によって部分的に供給される。1種以上のアルカリ金属Mが部分的に1種以上のさらなる供給源によって供給される特に好ましい前記実施態様によれば、それ自身としておよび/またはそこに含まれる1種以上のアルカリ金属Mを少なくとも部分的に置換する工程に供された後に得られるBEA骨格構造を有するゼオライト材料が、有機化合物のアルキル化を触媒するために好適である限り、使用され得る供給源のタイプは特に限定されない。好ましくは、1種以上のアルカリ金属の1種以上を供給するための1種以上のさらなる供給源は、1種以上のハロゲン化アルカリ金属、および1種以上のアルカリ金属水酸化物を含み、ここで、ハロゲン化物は、好ましくはフッ化物、塩化物、および臭化物からなる群より選択される。好ましい合成方法の特に好ましい実施態様によれば、1種以上のさらなる供給源は、1種以上のアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウム、さらに好ましくは水酸化ナトリウムを含む。
BEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化される限り、通常、好ましい合成方法の工程(1)に記載の混合物中に考えられる任意の量でアルカリ金属Mを含有させることができる。好ましくは、工程(1)に記載の混合物中のM:YOのモル比は、0.1〜2、より好ましくは0.2〜1.5、より好ましくは0.3〜1.2、より好ましくは0.4〜1、より好ましくは0.5〜0.9、より好ましくは0.55〜0.8、より好ましくは0.6〜0.75の範囲である。好ましい合成方法の特に好ましい実施態様によれば、工程(1)に記載の混合物中のM:YOのモル比は、0.65〜7の範囲である。
好ましい合成方法の好ましい実施形態によれば、工程(1)に記載の混合物は、1種以上のX供給源および1種以上のアルカリ金属Mを含む。BEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化される限り、通常、考えられる任意の量のこれらの成分を混合物中に含有させることができる。好ましくは、工程(1)に記載の混合物中のYO:X:Mのモル比は、(1〜100):1:(2〜90)、より好ましくは(5〜85):1:(5〜70)、より好ましくは(10〜60):1:(8〜50)、より好ましくは(20〜55):1:(13〜35)、より好ましくは(25〜50):1:(15〜30)、より好ましくは(35〜45):1:(20〜29)、さらに好ましくは(38〜42):1:(25〜28)の範囲である。
BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を得るための好ましい合成方法の好ましい実施態様によれば、工程(1)において供給される混合物は、水酸化物陰イオンOHに対する1種以上の供給源を含有することができる。通常、考えられる任意のOH供給源を使用することができ、その1種以上の供給源は、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウム、さらに好ましくは水酸化ナトリウムを含む。
BEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化される限り、通常、好ましい合成方法の工程(1)に記載の混合物のOH:YOモル比は、考えられる任意の値を有することができる。好ましくは、前記モル比は、0.1〜1、より好ましくは0.4〜0.65、より好ましくは0.43〜0.62、より好ましくは0.57〜0.6、さらに好ましくは0.55〜0.61の範囲に含まれる。
好ましい合成方法のさらに好ましい実施態様によれば、工程(1)において種晶が供給され、ここで、前記種晶は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を含む。BEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化される限り、通常、前記種晶は、BEA骨格構造を有する任意のゼオライト材料を含むことができる。好ましくは、種晶に含まれるBEA骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましい合成方法により取得可能、および好ましくは取得されるゼオライト材料である。より好ましくは、種晶に含まれるBEA骨格構造を有するゼオライト材料は、その後の工程(2)において結晶化されるBEA骨格構造を有するゼオライト材料と同じものである。ゼオライトベータ、より好ましくは、好ましい合成方法により取得可能または取得されたゼオライトベータを含む種晶が、特に好ましい。特に好ましい実施形態において、種晶は、ゼオライトベータ結晶、好ましくは、好ましい合成方法により取得可能または好ましくは取得されたゼオライトベータ結晶である。
好ましい合成方法によれば、BEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化される限り、任意の適当な量の種晶を、工程(1)に記載の混合物中に供給することができる。通常、工程(1)に記載の混合物中に含有される種晶の量は、1種以上のYO供給源におけるYO 100重量%に基づいて、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは1〜35重量%、より好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%、さらに好ましくは8〜12重量%の範囲である。
好ましい合成方法の工程(1)において、考えられる任意の手段によって前記混合物を調製することができ、ここで、かき混ぜによる混合、好ましくは撹拌を用いた混合が好ましい。
好ましい合成方法の好ましい実施形態において、好ましい合成方法の工程(1)に記載の混合物は、さらに溶媒を含む。BEA骨格構造を有するゼオライト材料が好ましい合成方法の工程(2)において結晶化され得る限り、考えられる任意の溶媒を考えられる任意の量で使用することができる。好ましくは、前記溶媒は水を含み、ここで、混合物のHO:YOのモル比は、1〜100、好ましくは2〜60、より好ましくは5〜50、より好ましくは7〜45、より好ましくは10〜30、特に好ましくは15〜25の範囲である。好ましい合成方法によれば、混合物のHO:YOのモル比が15〜45、より好ましくは20〜40、さらに好ましくは25〜35の範囲であることがさらに好ましい。特に好ましい実施形態において、工程(1)において供給される溶媒は、蒸留水である。
BEA骨格構造を有するゼオライト材料が好ましい合成方法の工程(2)において混合物から結晶化される限り、通常、好ましい合成方法の工程(1)の混合物を提供するための個々の成分は、任意の順序で加えることができる。これは、例えば、任意の溶媒、ならびに任意に1種以上のX供給源および/または1種以上のOH供給源が添加された後に1種以上のYO供給源が添加されることを含むことがあり、ここで、種晶だけが後で混合物に加えられる。あるいは、任意の溶媒、ならびに任意に1種以上のX供給源および/または1種以上のOH供給源がまず添加され、その後に種晶が添加されてもよく、ここで、その後に、少なくとも1種のYO供給源だけが添加される。
BEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(1)に記載の混合物から結晶化される限り、通常、好ましい合成方法に記載の工程(2)は、考えられる任意の様式で行うことができる。前記混合物を任意のタイプの容器内で結晶化することができ、ここで、かき混ぜの手段が任意に採用され、前記かき混ぜは、容器の回転および/または撹拌、より好ましくは、混合物の撹拌によって達成される。
好ましい合成方法によれば、前記混合物は、好ましくは、工程(2)における結晶化プロセスの少なくとも一部において加熱される。BEA骨格構造を有するゼオライト材料が前記混合物から結晶化される限り、通常、前記混合物を考えられる任意の結晶化温度に加熱することができる。好ましくは、前記混合物は、80〜200℃、より好ましくは90〜180℃、より好ましくは95〜170℃、より好ましくは100〜160℃、より好ましくは110〜150℃、さらに好ましくは115〜145℃の範囲の結晶化温度に加熱される。
好ましい合成方法の工程(2)における好ましい加熱は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の結晶化に適した考えられる任意の様式で行うことができる。通常、加熱は、1つの結晶化温度で行われてもよく、異なる温度間で変動してもよい。好ましくは、結晶化温度に達するために加熱勾配が用いられ、例えば、その加熱速度は、10〜100℃/h、より好ましくは20〜70℃/h、より好ましくは25〜60℃/h、より好ましくは30〜50℃/h、さらに好ましくは35〜45℃/hの範囲であってもよい。
好ましい合成方法の好ましい実施形態において、工程(1)に記載の混合物は、工程(2)において常圧よりも高い圧力に供される。本発明の文脈において使用される用語「常圧」は、理想状態における101,325Paの圧力に関する。しかしながら、この圧力は、当業者に公知の境界内で変動してもよい。例えば、前記圧力を、95,000〜106,000、または96,000〜105,000、または97,000〜104,000、または98,000〜103,000、または99,000〜102,000Paの範囲内とすることができる。
工程(1)に記載の混合物中に溶媒が存在する好ましい合成方法の好ましい実施形態において、工程(2)における加熱が、ソルボサーマル条件下で行われることがさらに好ましく、それは、その混合物が、例えば、オートクレーブ内またはソルボサーマル条件をもたらすのにふさわしい他の結晶化容器内で加熱を行うことによって、使用される溶媒の自己圧力下で結晶化されることを意味する。溶媒が水(好ましくは蒸留水)を含むかまたはそれからなる特に好ましい実施形態において、工程(2)における加熱は、好ましくは、水熱条件下においてしかるべく行われる。
とりわけ特定の結晶化条件を必要とする好ましい実施態様に関し、結晶化プロセスについての所望のパラメータを実現することができる限り、結晶化のために好ましい合成方法において使用することができる装置は、特に制限されない。ソルボサーマル条件下で行われる好ましい実施形態において、任意のタイプのオートクレーブまたは温浸容器を使用することができ、テフロン(登録商標)加工された装置が好ましい。
通常、好ましい合成方法のプロセスの工程(2)における結晶化プロセスの継続時間は、特に限定されない。工程(1)に記載の混合物の加熱を含む好ましい実施態様において、前記結晶化プロセスは、10〜200時間、より好ましくは30〜150時間、より好ましくは100〜140時間、さらに好ましくは110〜130時間の範囲の時間に亘って行われる。好ましい合成方法によれば、結晶化は5〜100時間、10〜80時間、より好ましくは20〜70時間、より好ましくは30〜60時間、より好ましくは40〜55時間、さらに好ましくは45〜50時間の範囲の時間に亘って行われることがさらに好ましい。
混合物が工程(2)において加熱される好ましい合成方法の好ましい実施態様によれば、BEA骨格構造を有するゼオライト材料が結晶化される限り、前記加熱は、結晶化プロセスの全体またはその一部分のみもしくはそれ以上の部分において、行われてもよい。好ましくは、加熱は、結晶化の継続時間全体に亘って行われる。
通常、好ましい合成方法のプロセスは、工程(1)において提供される混合物から工程(2)において結晶化されるBEA骨格構造を有するゼオライト材料のワークアップならびに/またはさらなる物理的変化および/もしくは化学的変化のためのさらなる工程を任意に含むことができる。その結晶化された材料を、例えば、任意の順序の単離処理および/または洗浄処理に供することができ、ここで、工程(2)における結晶化により得られたゼオライト材料は、好ましくは1以上の単離処理および1以上の洗浄処理に供される。
結晶化された生成物の単離は、考えられる任意の手段によって達成することができる。好ましくは、結晶化された生成物の単離は、濾過、限外濾過、ダイアフィルトレーション、遠心分離および/またはデカンテーション法を用いて達成することができ、ここで、濾過方法は、吸引濾過工程および/または加圧濾過工程を含むことができる。
1以上の任意の洗浄処理に関して、考えられる任意の溶媒を使用することができる。使用され得る洗浄剤は、例えば、水、アルコール(メタノール、エタノールまたはプロパノール等)またはそれらの2以上の混合物である。混合物の例として、2以上のアルコールの混合物(例えば、メタノールおよびエタノール、またはメタノールおよびプロパノール、またはエタノールおよびプロパノール、またはメタノールおよびエタノールおよびプロパノール等)、または水と1種以上のアルコールとの混合物(水およびメタノール、または水およびエタノール、または水およびプロパノール、または水およびメタノールおよびエタノール、または水およびメタノールおよびプロパノール、または水およびエタノールおよびプロパノール、または水およびメタノールおよびエタノールおよびプロパノール等)が挙げられる。水または水と1種以上のアルコール、好ましくは、水とエタノールとの混合物が好ましく、蒸留水が唯一の洗浄剤として特に非常に好ましい。
好ましくは、分離されたゼオライト材料は、洗浄剤、好ましくは洗浄水のpH(標準的なガラス電極によって測定される)が、6〜8、好ましくは6.5〜7.5の範囲内になるまで洗浄される。
さらに、好ましい合成方法は、1以上の乾燥工程を任意に含むことができる。通常、考えられる任意の乾燥手段を使用することができる。乾燥処理は、好ましくは、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を加熱すること、および/またはBEA骨格構造を有するゼオライト材料に真空を適用することを包含する。好ましい合成方法に想定される実施形態において、1以上の乾燥工程は、ゼオライト材料の噴霧乾燥、好ましくは、噴霧造粒を含んでもよい。
少なくとも1つの乾燥工程を含む実施形態において、乾燥温度は、好ましくは25℃〜150℃、より好ましくは60〜140℃、より好ましくは70〜130℃の範囲内、さらに好ましくは75〜125℃の範囲内である。乾燥の継続時間は、好ましくは2〜60時間の範囲内、より好ましくは6〜48時間の範囲内、さらに好ましくは12〜24時間の範囲内である。
好ましい合成方法によれば、工程(2)において結晶化されるゼオライト材料を、任意に、1以上のイオン交換処理に供することができる。通常、すべての可能なイオン元素および/または分子による考えられる任意のイオン交換処理を、ゼオライト材料に対して行うことができる。好ましくは、イオン元素として、H、NH 、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、遷移金属、およびこれらの組み合わせからなる群、より好ましくはH、NH 、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ランタン、セリウム、ニッケル、プラチナ、パラジウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの陽イオンおよび/または陽イオン元素を好ましく含む陽イオンおよび/または陽イオン元素が採用され、さらに好ましくは少なくとも1つの陽イオンおよび/または陽イオン元素がHおよび/またはNH 、好ましくはHを含む。
通常、本発明のプロセスに含まれる任意の洗浄および/または単離および/またはイオン交換の手順は、考えられる任意の順序で行うことができ、所望の回数に亘って繰り返すことができる。
従って、さらに好ましい実施態様によれば、好ましい合成方法は、任意に以下の1以上の工程、
(3)BEA骨格構造を有するゼオライト材料を、好ましくは、濾過によって単離する工程、および/または
(4)BEA骨格構造を有するゼオライト材料を洗浄する工程、および/または
(5)BEA骨格構造を有するゼオライト材料を乾燥する工程、および/または
(6)BEA骨格構造を有するゼオライト材料をイオン交換処理に供する工程
を含み、ここで、工程(3)および/または(4)および/または(5)および/または(6)は、任意の順序で行うことができ、前記工程の1以上は、好ましくは、少なくとも1回繰り返される。
好ましくは、好ましい合成方法は、工程(2)に従って結晶化されたゼオライト材料を、より好ましくはその濾過によって単離する1以上の工程を含む。好ましい合成方法によれば、1以上の単離工程の後、ゼオライト材料が1以上の乾燥工程に供されることがさらに好ましく、より好ましくは、ゼオライト材料は1以上の乾燥工程の前に1以上の洗浄工程に供される。特に好ましい実施形態において、工程(2)に従って結晶化されたゼオライト材料は、1以上の単離工程に供された後、1以上の洗浄工程、それに続いて1以上の乾燥工程に供される。
好ましい合成方法のさらなる実施形態によれば、工程(2)において結晶化されたゼオライト材料は、予めそのゼオライト材料の単離、洗浄または乾燥を行うことなく、1以上の乾燥工程、好ましくは、噴霧乾燥およびまたは噴霧造粒に直接供される。好ましい合成方法の工程(2)により得られた混合物を噴霧乾燥または噴霧造粒の段階に直接供することは、単離および乾燥が単一の段階で行われるという利点を有する。
好ましい合成方法のさらなる実施態様によれば、工程(2)における結晶化により得られたゼオライト材料は、1以上のイオン交換処理の前に1以上の単離工程に供され、好ましくは1以上の単離工程の後の1以上の洗浄工程、より好ましくは、少なくとも1つの単離工程の後の1以上の洗浄工程、それに続く1以上の乾燥工程に供される。
好ましい合成方法は、好ましくは、工程(2)に従って結晶化されたゼオライト材料を、通常、500℃を超える温度で加熱することを含むか焼工程を含まない。より好ましくは、か焼工程を含まないBEA骨格構造を有するゼオライト材料を生成するための本発明の合成方法とは、工程(2)に従って結晶化されたゼオライト材料が、450℃、より好ましくは350℃、より好ましくは300℃、より好ましくは250℃、より好ましくは200℃、さらに好ましくは150℃を上回る温度に供されない合成方法を指す。好ましい合成方法によれば、好ましい合成方法の工程(2)が完了した後に(ここで、結晶化されたゼオライト材料は外界温度である)続いて前記材料が、いかなる加熱プロセスにも供されないことが特に好ましい。
従って、本発明によれば、本発明のプロセスの工程(a)において触媒として供給される1種以上のゼオライト材料は、上述の少なくとも1つの好ましい、および特に好ましい合成方法に従って好ましくは取得可能であり、さらに好ましくは取得される。
本発明のプロセスの工程(b)において触媒と接触する1種以上のアルキル化可能な有機化合物に関して、前記工程において採用される1種以上のアルキル化剤によってアルキル化され得る限り、1種以上のアルキル化有機化合物として使用され得る有機化合物のタイプは特に限定されない。これに関し、本発明の意味の範囲内において、工程(b)において得られる1種以上のアルキル化有機化合物は、1種以上のアルキル化可能な有機化合物と1種以上のアルキル化剤とのアルキル化反応のアルキル化生成物である1種以上のアルキル化有機化合物を含む。従って、原則的に、アルキル化可能な有機化合物は、アルキル化可能な有機化合物の原子と、1種以上のアルキル化剤の1以上の炭素原子との間に少なくとも1つの共有結合が形成される一連の反応の間、工程(b)において使用される1種以上のアルキル化剤の少なくとも1種と反応することが可能な任意の有機化合物であってもよい。アルキル化可能な有機化合物およびアルキル化剤の間に形成される共有結合のタイプは、特に限定されない。このように、1種以上のアルキル化剤の炭素原子と共有結合を形成するアルキル化可能な有機化合物の1以上の原子の原子価の機能において、1以上の一重結合、二重結合、および/または三重結合が形成されてもよく、好ましくは1以上の一重結合および/または二重結合が形成される。しかしながら、本発明のプロセスによれば、アルキル化可能な有機化合物の1以上の原子と、1種以上のアルキル化剤の1以上の炭素原子との間に、1以上の一重結合が形成されることがさらに好ましい。
本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な有機化合物は、1種以上の芳香族化合物を含む。原則的に、工程(b)において採用される1種以上のアルキル化剤によって芳香族化合物がアルキル化され得る限り、本発明のプロセスに従ってアルキル化可能な有機化合物として好ましく採用される芳香族化合物は特に限定されない。従って、例えば、工程(b)において好ましく使用される芳香族化合物は、単環式芳香環部分および/または多環式縮合芳香環部分を含有してもよく、好ましくは芳香族化合物は、1以上の単環式芳香環部分、さらに好ましくは1つの芳香環部分を含む。本発明の特に好ましい実施態様によれば、芳香族化合物の芳香族性は、環に含有される1以上の単環式芳香環、さらに好ましくは、環に含有される単一の単環式芳香環の存在に由来する。好ましい芳香族化合物に含有される1以上の芳香環部分に関し、環に含有される環員のタイプおよび数は通常限定されない。従って、例えば、芳香族化合物に含まれる1以上の芳香環は、3〜8の環員のいずれを含有してもよく、好ましくは、芳香環は4〜7環員、より好ましくは5〜7環員を含有する。本発明によれば、芳香族化合物に含有される1以上の芳香環は、5環員および/または6環員、好ましくは6環員を含有する。特に好ましい実施態様によれば、好ましい芳香族化合物は、1以上の縮合および/または非縮合、好ましくは非縮合の6員芳香環、さらに好ましくは1つの6員芳香環を含む。
本発明によれば、芳香族化合物が工程(b)において採用される1種以上のアルキル化剤の1種以上によってアルキル化されるために好適である限り、好ましい芳香族化合物の環員として含有される原子のタイプは特に限定されない。従って、例えば、環員は、炭素、窒素、酸素、硫黄、およびこれらの2以上の組み合わせからなる群、好ましくは炭素、窒素、酸素およびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択されてもよい。特に好ましい実施態様によれば、好ましい芳香族の環員は、炭素および/または窒素であり、好ましくは炭素である。好ましい芳香族化合物として使用され得る1種以上の化合物について、例えば、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ピロール、インドール、イソインドール、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、プリン、ピラゾール、インダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピラジン、キノキサリン、アクリジン、ピリミジン、キナゾリン、ピリダジン、シンノリン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、ナフタセン、ペリレン、コロネン、フェナントレン、および(さらに)それらのヘテロ芳香族誘導体からなる群より選択されてもよい。本発明の好ましい実施態様によれば、芳香族化合物は、ベンゼン、ナフタレン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群、好ましくはベンゼンおよびそのヘテロ芳香族誘導体からなる群より選択される1種以上の化合物を含み、さらに好ましくはベンゼンを含む1種以上のアルキル化可能な芳香族化合物を含む。
本発明によれば、1種以上のアルキル化可能な有機化合物に好ましく含まれる芳香族化合物は、1以上の官能基によって置換されていてもよい。原則的に、本発明によれば、芳香族化合物が、工程(b)において供給される1種以上のアルキル化剤によってアルキル化されるために好適である限り、好ましい芳香族化合物中に存在し得る官能基の数またはタイプは特に限定されない。従って、例えば、官能基は、OH、ハロゲン、OR、NH、NHR、NRR’、置換および非置換の環状、直鎖状、または分岐鎖状アルキル、置換および非置換のアシル、置換または非置換のエステル、ならびにこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される1以上の官能基を含んでもよく、ここで、RおよびR’は、独立して、それぞれ環状、直鎖状または分岐鎖状であってもよい置換または非置換のアルキルを表す。好ましい実施態様によれば、1以上の官能基は、OH、F、Cl、OR、NH、NHR、NRR’、置換および非置換のアルキル、置換および非置換のアシル、置換または非置換のエステル、ならびにこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される1以上の官能基、より好ましくはOH、F、Cl、OR、NHR、NRR’、置換および非置換のアルキル、置換および非置換のアシル、ならびにこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される1以上の官能基、より好ましくはOH、F、Cl、OR、NHR、NRR’、置換および非置換のアルキル、置換および非置換のアシル、ならびにこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される1以上の官能基、より好ましくはOH、F、Cl、OR、NHR、NRR’ 置換および非置換のアルキル、置換および非置換のアシル、ならびにこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される1以上の官能基、より好ましくはOH、OR、置換および非置換のアルキル、置換および非置換のアシル、ならびにこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される1以上の官能基を含み、さらに好ましくは1以上の官能基は、置換および/または非置換のアルキル、好ましくは非置換のアルキルを含み、ここで、アルキル、R、および/またはR’は、互いに独立して、好ましくは(C〜C)アルキル、より好ましくは(C〜C)アルキル、より好ましくは(C〜C)アルキル、より好ましくは(CまたはC)アルキルを表し、さらに好ましくは、1以上の官能基はCアルキルを含み、ここで、置換および/または非置換のメチル、および特に非置換のメチルが特に好ましい。
好ましい芳香族化合物を置換し得る官能基の量について、例えば、それらの数は1〜10の範囲のいずれでもよく、好ましくは、好ましい芳香族化合物は1〜5の官能基によって置換され、より好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、より好ましくは1または2、さらに好ましくは1つの官能基によって置換される。
従って、例えば、1以上の置換された芳香族化合物が1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1種以上として採用される本発明のプロセスの特に好ましい実施態様に関し、1種以上の化合物は、トルエン、キシレン、ノルマルプロピルベンゼン、アルファ−メチルナフタレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、ジュレン、p−シメン、ブチルベンゼン、プソイドクメン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、イソアミルベンゼン、イソヘキシルベンゼン、ペンタエチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4−トリエチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、m−ブチルトルエン、p−ブチルトルエン、3,5−ジエチルトルエン、o−エチルトルエン、p−エチルトルエン、m−プロピルトルエン、4−エチル−m−キシレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、2,3−ジメチルアントラセン、9−エチルアントラセン、2−メチルアントラセン、o−メチルアントラセン、9,10−ジメチルフェナントレン、および3−メチル−フェナントレンからなる群より選択され、好適に使用され得る。好ましいアルキル化可能な有機化合物として1種以上のアルキル置換芳香族化合物を採用する本発明のプロセスの特に好ましい実施態様によれば、前記化合物は、好ましくは、トルエン、キシレン、ノルマルプロピルベンゼン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、ジュレン、p−シメン、ブチルベンゼン、プソイドクメン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、イソアミルベンゼン、イソヘキシルベンゼン、ペンタエチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4−トリエチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、m−ブチルトルエン、p−ブチルトルエン、3,5−ジエチルトルエン、o−エチルトルエン、p−エチルトルエン、m−プロピルトルエン、および4−エチル−m−キシレンからなる群、
より好ましくはトルエン、ノルマルプロピルベンゼン、エチルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、イソアミルベンゼンおよびイソヘキシルベンゼンからなる群、より好ましくはトルエン、ノルマルプロピルベンゼン、エチルベンゼンおよびクメンからなる群より選択される1種以上の化合物を包含し、さらに好ましくは、1種以上のアルキル化可能な有機化合物は、トルエンおよび/またはエチルベンゼン、特に好ましくはトルエンを含む。
従って、特に好ましい本発明のさらなる実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な化合物の1種以上は、(C〜C)アルキル、より好ましくは(CまたはC)アルキル、より好ましくはCアルキルで置換されたベンゼンからなる群より選択され、ここで、本発明の特に好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な芳香族化合物がトルエンを含むような場合、置換および/または非置換のメチル、特に非置換のメチルが特に好ましい。
従って、本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、アルキル化可能な有機化合物は、1種以上のアルキル化可能な芳香族化合物、好ましくは単環式芳香族化合物および多環式芳香族化合物、ならびにヘテロ芳香族化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を含み、ここで、1種以上のアルキル化可能な芳香族化合物の1種以上は、1以上の官能基によって任意に置換されている。
特に好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な芳香族化合物は、置換または非置換のベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペリレン、コロネン、フェナントレン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群、好ましくは置換または非置換のベンゼン、ナフタレン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群、より好ましくは置換または非置換のベンゼンおよびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群より選択される1種以上の芳香族化合物を含み、より好ましくは、1種以上のアルキル化可能な芳香族化合物は、置換および/または非置換のベンゼン、さらに好ましくはベンゼンを含む。
さらに、1種以上のアルキル化可能な芳香族化合物が1以上の官能基によって任意に置換されているさらに好ましい実施態様によれば、1以上の官能基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル、アリール、アルカリル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ハロゲン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくは直鎖状または分岐鎖状のアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ハロゲン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくは直鎖状または分岐鎖状のアルキル、アルコキシ、ハロゲン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくは直鎖状または分岐鎖状のアルキル、ハロゲン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1以上の官能性を含み、さらに好ましくは、1以上の官能基は、1以上の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、および/またはそれらの誘導体、好ましくは1以上の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、さらに好ましくは1以上の直鎖状のアルキル基を含み、ここで、アルキル基は、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはメチルまたはエチルであり、さらに好ましくは、官能基はメチルである。
本発明のプロセスの工程(b)におけるアルキル化可能な化合物の実際のアルキル化に関し、1種以上のアルキル化可能な有機化合物と、1種以上のアルキル化剤の1以上の炭素原子との間で1以上の共有結合が形成される限り、1種以上のアルキル化可能な有機化合物がアルキル化される(単数または複数の)位置は特に限定されない。1種以上のアルキル化可能な有機化合物が1種以上の芳香族化合物を含む本発明の好ましい実施態様によれば、原則的に、芳香族化合物に含有される1以上の縮合および/または非縮合芳香環がアルキル化され得る、および/または1種以上の芳香族化合物に含有される1以上の官能基の1以上が工程(b)において同様にまたは代替的にアルキル化され得るように、芳香族化合物の任意の位置がアルキル化され得る。1以上の芳香環がアルキル化される場合、通常、アルキル化に供される芳香環の1以上の環員は、任意には官能化されず、とりわけ、工程(b)において1種以上のアルキル化剤によってそれぞれ置換される1以上の水素原子を含有する環員であることが好ましい。
特に好ましい実施態様によれば、1以上の縮合および/または非縮合芳香環の1以上は、本発明のプロセスの工程(b)においてアルキル化され、原則的に、1以上の芳香環の1以上の環員は、好適にアルキル化され得る。1以上の芳香環の1以上の環員が好適にアルキル化される場合、1以上の芳香環の1以上の炭素原子環員および/または窒素原子環員が好適にアルキル化されることが一層好ましく、1以上の炭素原子環員が好適にアルキル化されることがさらに好ましい。
本発明のプロセスにおいて使用される1以上のアルキル化剤について、原則的には、1以上のアルキル化可能な有機化合物の1以上をアルキル化するために好適に使用され得る限り、このような趣旨で使用され得る化合物のタイプは限定されない。従って、原則的には、任意の置換または非置換の環状、直鎖状、または分岐鎖状のアルキル部分がそこに含まれ得るように、アルキル化剤中に含有されるアルキル部分のタイプについても同様であり、ここで、1種以上のアルキル化剤のアルキル部分を置換し得る好ましい、および特に好ましい官能基は、好ましいアルキル化可能な芳香族化合物に関して上記に定義されたものの中から選択される1以上の官能基を含むことが好ましい。本発明のプロセスの特に好ましい実施態様によれば、アルキル部分は非置換であり、好ましくは直鎖状且つ非置換のアルキル部分である。
本発明の意味の範囲内において、用語「アルキル部分」は、好ましくは、本発明のプロセスのアルキル化反応の間に1種以上のアルキル化可能な有機化合の1以上に結合されるアルキル化剤中に含有される部分を指す。本発明のプロセスによれば、1種以上のアルキル化剤に含有されるアルキル部分のサイズに関しても、原則的には、任意の好適なアルキル部分が1種以上のアルキル化剤中に含有されるように、前記アルキル部分が本発明のプロセスの工程(b)におけるアルキル化反応の間に1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1以上に共有結合的に結合され得る限り、これに関しては特に限定されない。従って、例えば、置換または非置換の環状、直鎖状、または分岐鎖状のアルキル部分のサイズは、C〜C22の範囲に含まれてもよく、好ましくはC〜C20、より好ましくはC〜C18、より好ましくはC〜C16、より好ましくはC〜C14、より好ましくはC〜C10、より好ましくはC〜C、より好ましくはC〜C、より好ましくはC〜C、より好ましくはC〜C、より好ましくはC〜Cの範囲に含まれ、さらに好ましくは、アルキル部分はCまたはCアルキル部分であり、特に好ましくはCアルキル部分である。
例えば、本発明のプロセスの工程(b)において使用される1種以上のアルキル化剤に関し、エチレン、プロピレンのみならず、直鎖状および分岐鎖状ブテン、ならびにペンテン等のオレフィン;メタノール、エタノールのみならず、直鎖状および分岐鎖状のプロパノール、ブタノール、およびペンタノール等のアルコール(モノアルコール、ジアルコールよびトリアルコールを包含する);ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、およびn−バレルアルデヒド等のアルデヒド;ならびにメチルクロリド、エチルクロリドのみならず、直鎖状および分岐鎖状のプロピルクロリド、ブチルクロリド、およびペンチルクロリド等のハロゲン化アルキルからなる群より選択される1種以上の化合物が、そこに含まれてもよい。
従って、本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化剤は、オレフィン、アルコール、アルデヒド、ハロゲン化アルキル、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上の化合物、好ましくはオレフィン、アルコール、ハロゲン化アルキル、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上の化合物、より好ましくはオレフィン、アルコール、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上の化合物を含み、さらに好ましくは、1種以上のアルキル化剤は、オレフィン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上の化合物を含む。
1種以上のアルキル化剤が1種以上のオレフィンを含む本発明の好ましい実施態様に関し、本発明のプロセスの工程(b)において1種以上のアルキル化可能な有機化合物がアルキル化され得る限り、使用され得るオレフィンは特に限定されない。従って、原則的に、考えられる任意の数の二重結合がそこに存在してもよく、好ましくは1〜4二重結合、より好ましくは1〜3二重結合がそこに含有され、さらに好ましくは1〜2二重結合がそこに含有される。特に好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化剤は、単一の二重結合を含有する1種以上のオレフィンを含む。さらに、本発明のプロセスの工程(b)において1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1以上のアルキル化に好適である限り、1種以上のアルキル化剤中に好ましく含まれるオレフィンのサイズに関しても、特に限定されない。従って、例えば、オレフィンは2〜22炭素原子のいずれを有していてもよく、好ましくは2〜20炭素原子、より好ましくは2〜18炭素原子、より好ましくは2〜16炭素原子、好ましくは2〜14炭素原子、好ましくは2〜10炭素原子、好ましくは2〜8炭素原子、好ましくは2〜6炭素原子、好ましくは2〜5炭素原子、好ましくは2〜4炭素原子を有し、さらに好ましくは、1種以上のアルキル化剤に含まれるオレフィンは、2および/または3炭素原子を有する。さらに、1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1以上のアルキル化に好適である限り、1種以上のアルキル化剤中に好ましく含まれるオレフィンの構造に関しても、特に限定されない。従って、オレフィンは、直鎖状または分岐鎖状であってもよく、そのような分岐鎖状オレフィンおよび直鎖状オレフィン自体の一部が環状であってもよい。特に好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化剤は、1以上の直鎖状の非分岐鎖状のオレフィンを含み、前記オレフィンは好ましくは非環状である。
さらに、1種以上のアルキル化剤に好ましく含まれる1種以上のオレフィンは、1以上の官能基によって任意に置換されていてもよい。原則的に、本発明のプロセスにおいて使用され得るオレフィンは、本発明のプロセスの工程(b)において1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1種以上が前記オレフィンを使用してアルキル化され得る限り、それらが有し得る官能基のタイプまたは数は特に限定されない。好ましくは、オレフィンを任意に置換する1以上の官能基は、好ましいアルキル化可能な芳香族化合物に関して上記に定義されたものの中から選択される1以上の官能基を好ましく含む。しかしながら、本発明のプロセスの特に好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化剤は、好ましくは1種以上の非置換のオレフィンを含む。
従って、本発明のプロセスの特に好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化剤は1種以上のアルケンを含み、より好ましくは1種以上のアルケンは、エテン、プロペン、ブテン、好ましくは直鎖状ブテン、ペンテン、好ましくは直鎖状ペンテン、およびそれらの誘導体からなる群、好ましくは直鎖状ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、ブテン、好ましくは直鎖状ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、2−ブテン、好ましくはtrans−2ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上のアルケンを含み、さらに好ましくは、1種以上のアルキル化剤は、エテンおよび/またはその誘導体、好ましくはエテンを含む。
本発明の特定の実施態様によれば、アルキル化剤は軽質オレフィンの混合物を含む。前記実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1種以上が好適にアルキル化され得る限り、そのような混合物のタイプおよび組成は特に限定されず、例えば、エチレン、プロペン、(直鎖状および/または分岐鎖状)ブテン、および/または(直鎖状および/または分岐鎖状)ペンテンの混合物が挙げられる。そのような混合物を、考えられる任意の供給源から提供することができ、例えば、そのような混合物は、例えば燃料ガス、エチレンおよび/またはプロペンを含有する排ガス等のガス工場の排ガス、および例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、イソブテン、n−ブテン、(直鎖状および/または分岐鎖状)ブテン、および/または(直鎖状および/または分岐鎖状)ペンタンを含む混合物等の軽質オレフィンを含有する排ガス等のナフサクラッカー排ガス、ならびにプロパンおよびプロピレンを含む精製FFC流等のリファイナリーストリームから得ることができる。
アルキル化反応のために本発明のプロセスの工程(b)において接触される化合物について、そこに使用される1種以上のアルキル化剤の1種以上が、1種以上のゼオライト材料を含む触媒の存在下で1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1種以上をアルキル化することが可能である限り、そこで使用される1種以上のアルキル化剤を考慮した1種以上のアルキル化可能な有機化合物の選択肢、または、それとは反対に、そこで使用される1種以上のアルキル化可能な有機化合物を考慮した1種以上のアルキル化剤の選択肢のいずれについても、本発明によれば特に限定はされない。本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な有機化合物は、置換または非置換のベンゼン、トルエン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群より選択される1種以上の有機化合物を含み、1種以上のアルキル化剤は、エテン、プロペン、ブテン、好ましくは直鎖状ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、2−ブテン、好ましくはtrans−2−ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上のオレフィンを含み、さらに好ましくは1種以上のオレフィンは、エテンおよび/またはその誘導体、好ましくはエテンを含む。さらに好ましい本発明の実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な有機化合物は、ベンゼン、トルエン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群より選択される1種以上の有機化合物を含み、1種以上のアルキル化剤は、エテン、プロペン、ブテン、好ましくは直鎖状ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、2−ブテン、好ましくはtrans−2−ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上のオレフィンを含み、さらに好ましくは、1種以上のオレフィンは、エテンおよび/またはその誘導体、好ましくはエテンを含む。本発明のプロセスのさらなる好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な有機化合物は、ベンゼンおよび/またはトルエンからなる群より選択される1種以上の有機化合物を含み、さらに好ましくは、1種以上のアルキル化可能な有機化合物はベンゼンを含み、且つ、1種以上のアルキル化剤が、エテン、プロペン、ブテン、好ましくは直鎖状ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、2−ブテン、好ましくはtrans−2ブテン、およびそれらの誘導体、より好ましくはエテン、プロペン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上のオレフィンを含み、さらに好ましくは1種以上のオレフィンは、エテンおよび/またはその誘導体、好ましくはエテンを含む。
従って、本発明の特に好ましい実施態様によれば、1種以上のアルキル化可能な有機化合物は、置換または非置換のベンゼン、トルエン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群、好ましくはベンゼン、トルエン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群より選択される1種以上の有機化合物を含み、より好ましくは、1種以上のアルキル化可能な有機化合物は、ベンゼンおよび/またはトルエン、好ましくはベンゼンを含み、ここで、1種以上のアルキル化剤は、エテン、プロペン、ブテン、好ましくは直鎖状ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、2−ブテン、好ましくはtrans−2−ブテン、およびそれらの誘導体からなる群、より好ましくはエテン、プロペン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上のオレフィンを含み、さらに好ましくは、1種以上のオレフィンは、エテンおよび/またはその誘導体、好ましくはエテンを含む。
本発明のプロセスの工程(b)において行われるアルキル化反応に関し、1種以上のゼオライト材料を含む触媒の存在下における、1種以上のアルキル化可能な有機化合物の1種以上と、1種以上のアルキル化剤の1種以上との反応を可能とするのに好適である限り、そこで使用され得る1種以上のアルキル化可能な有機化合物および1種以上のアルキル化剤の各々の量および割合、反応条件およびパラメータのいずれについても、本発明によれば特に限定はされない。従って、工程(b)において1種以上の反応器の1基以上に採用される温度に関し、これらは、例えば、0〜500℃の範囲のいずれであってもよい。工程(b)において2以上の反応器が採用される場合、個々の反応器において採用される温度は、同一でもよく、または互いに異なっていてもよい。好ましい実施態様によれば、1以上の反応器の1以上に採用される温度は、100〜350℃、より好ましくは130〜300℃、より好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは160〜190℃の範囲である。特に好ましい実施態様によれば、1以上の反応器の1以上において使用される温度は、165〜175℃の範囲である。
従って、本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、工程(b)は、100〜350℃、好ましくは100〜350℃、より好ましくは130〜300℃、より好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜190℃、さらに好ましくは165〜175℃の範囲の温度で行われる。
さらに、本発明のプロセスの工程(b)においてアルキル化反応が行われる圧力について、1以上の反応器に採用される圧力がアルキル化の実施に好適である限り、これに関しても特に限定はされない。温度について、2以上の反応器が採用される場合、反応器に使用される圧力は同一でもよく、または異なっていてもよい。従って、例えば、1以上の反応器の1以上における圧力は、0.2〜250barの範囲のいずれに含まれてもよく、好ましくは1以上の反応器の圧力は0.5〜200bar、より好ましくは1〜150bar、より好ましくは3〜120bar、より好ましくは5〜100bar、より好ましくは10〜80bar、より好ましくは15〜70bar、より好ましくは25〜60barの範囲に含まれ、さらに好ましくは、1以上の反応器の圧力は30〜55barの範囲に含まれる。
従って、本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、工程(b)は、0.2〜250bar、好ましくは0.5〜200bar、より好ましくは1〜150bar、より好ましくは3〜120bar、より好ましくは5〜100bar、より好ましくは10〜80bar、より好ましくは15〜70bar、より好ましくは25〜60bar、さらに好ましくは30〜55barの範囲に含まれる圧力で行われる。
本発明のプロセスによれば、アルキル化反応は、通常、有機反応物(即ち、1以上のアルキル化可能な有機化合物および1以上のアルキル化剤)が、1以上の各反応器の1以上において好適な反応域でアルキル化触媒と接触するように行われる。これについて、1以上のアルキル化化合物を得るために好適である限り、反応様式は何ら限定されない。従って、本発明のプロセスは、原則的には、バッチ反応、もしくは連続プロセス、またはバッチ反応と連続プロセスの組み合わせとして行われてもよい。
本発明のプロセスがバッチ反応として行われる本発明の好ましい実施態様によれば、上述および後述する好ましい、および特に好ましい任意の反応パラメータに加え、工程(b)において1以上のアルキル化有機化合物が取得され得る限り、採用される反応時間は特に限定されない。従って、例えば、バッチ反応の継続時間は、0.5〜100時間の範囲に含まれてもよく、好ましくは、バッチ反応は、1〜80時間、より好ましくは5〜60時間、より好ましくは10〜40時間、より好ましくは15〜35時間、より好ましくは20〜28時間、さらに好ましくは22〜26時間の範囲の継続時間に亘って行われる。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、また、好ましくは本発明のプロセスがバッチ反応として行われるさらに好ましい実施態様によれば、工程(b)は、0.5〜100時間、好ましくは1〜80時間、より好ましくは5〜60時間、より好ましくは10〜40時間、より好ましくは15〜35時間、より好ましくは20〜28時間、さらに好ましくは22〜26時間の継続時間に亘って行われる。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、本発明のプロセスは連続方式で行われる。前記さらに好ましい実施態様によれば、1種以上のゼオライト材料を含む触媒の状態は特に限定されず、例えば、固定床および流動床技術の組み合わせに加えて、固定床または流動床技術を採用することができ、固定床および流動床技術の両方が採用される場合、好ましくは2以上の反応器が工程(b)において採用され、ここで、好ましくは、固定床および流動床技術は、反応器を分離するためにそれぞれ制限される。しかしながら、連続方式を採用する特に好ましい実施態様によれば、1以上の反応器の1以上において、本発明のプロセスの触媒は固定床として維持されることが好ましい。
さらに、本発明のプロセスが連続反応として行われる本発明のさらに好ましい実施態様によれば、上述および後述する、好ましい、および特に好ましい任意のパラメータに加え、工程(b)において1以上のアルキル化有機化合物が取得され得る限り、連続プロセスにおいて使用される1以上の反応器の1以上において採用される重量毎時空間速度(WHSV)は特に限定されない。従って、例えば、1以上の反応器の1以上において採用されるWHSVは、0.1〜500h−1の範囲のいずれに含まれてもよく、好ましくはWHSVは、0.5〜100h−1、より好ましくは0.1〜20h−1、さらに好ましくは1〜6h−1の範囲に含まれる。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、本発明のプロセスの工程(b)は、連続プロセスとして実行される。
さらに、本発明のさらなる好ましい実施態様によれば、工程(b)において採用される1以上の反応器は、固定床および/または流動床の形態で触媒を含有し、好ましくは1以上の反応器の1以上が固定床の形態で触媒を含有する。
従って、本発明のプロセスにおいて様々なタイプの反応器が使用され得る。例えば、前記プロセスは、触媒およびアルキル化可能な有機化合物の原料を撹拌したオートクレーブに添加し、好適な反応温度まで加熱した後、アルキル化剤原料を添加することによるバッチ方式で行われてもよい。反応熱を除去し、一定の温度を維持するために、オートクレーブのジャケットを通して伝熱流体を循環させてもよく、またはコンデンサーを備えていてもよい。また、前記プロセスは、接触蒸留方式で実施されてもよい。
さらに、例えば、大規模な工業プロセス用に、上昇流方式または下降流方式で操作する固定床反応器、または並流もしくは向流の触媒および炭化水素流を用いて操作する移動床反応器が採用され得る。これらの反応器は、単一の触媒床または複数の触媒床を含有してもよく、1種以上のアルキル化剤の中間添加のみならず、中間冷却用に装備されていてもよい。1以上のアルキル化剤および/または等温操作の中間添加は、生成物の質を高め、触媒寿命を延長するために使用され得る。さらに、触媒の再生および、新たな触媒または再生された触媒による置き換えのために使用された触媒を連続的に除去することを可能とするため、移動床反応器を使用してもよい。
本発明によれば、工程(b)において1種以上のアルキル化有機化合物が得られる限り、1種以上のアルキル化可能な有機化合物および1以上のアルキル化剤を使用する割合は特に限定されない。本発明のプロセスの特に好ましい実施態様によれば、少なくとも等モル量の1以上のアルキル化可能な有機化合物が採用され、好ましくは1以上のアルキル化剤に対して過剰モルの1種以上のアルキル化可能な有機化合物が使用される。従って、例えば、本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、1以上のアルキル化剤に対する1種以上のアルキル化可能な有機化合物のモル比は、0.1:1〜50:1、好ましくは0.5:1〜10:1の範囲に含まれる。特に好ましい実施態様によれば、モル比は、1:1〜30:1、より好ましくは1:1〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1、さらに好ましくは1:1〜2:1の範囲に含まれる。
従って、本発明の好ましい実施態様によれば、工程(b)において採用される1以上のアルキル化剤に対する1以上のアルキル化可能な有機化合物のモル比は、0.1:1〜50:1、好ましくは0.5:1〜10:1、より好ましくは1:1〜30:1、より好ましくは1:1〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1、さらに好ましくは1:1〜2:1の範囲である。
本発明によれば、工程(a)において供給される触媒は、原則的には、アルキル化反応を触媒することができる限り、任意の好適な形態で使用され得る。従って、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を含む工程(a)において供給されるアルキル化触媒は、それ自身として、例えば、粉末、噴霧粉末、または噴霧顆粒の形態等で採用され得る。
しかしながら、本発明のプロセスが工業規模で採用される場合、粉末または噴霧材料としてゼオライトを含むアルキル化触媒を採用するのではなく、むしろ成形体の形態で含むアルキル化触媒を採用することが好ましい。
従って、本発明のプロセスの好ましい実施態様によれば、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を含む触媒は、成形体の形態で供給される。
通常、錠剤、円筒および/または球の形態等の所望の形状の成形体を得るため、例えば、好適な圧縮等によってその他の化合物を伴わずに成形体を形成するため、粉末材料または噴霧材料を整形することができる。しかしながら、得られる成形体が工程(b)においてアルキル化反応を触媒することができることが確実である限り、成形体は、触媒に含まれる1以上のゼオライト材料に加えて、考えられる全てのさらなる化合物を含んでもよい。前記好ましい実施態様によれば、少なくとも1種の好適なバインダー材料が成形体の生産において使用されることがさらに好ましい。この好ましい実施態様との関連で、より好ましくは、1種以上のゼオライト材料および1種以上のバインダーを含む触媒の混合物が調製される。通常、好適なバインダーは、とりわけ、バインダーを用いずに存在し得る物理吸着を超えて結合される1以上のゼオライト材料間の接着および/または結合を与える全ての化合物である。そのようなバインダーの例として、SiO、Al、TiO、ZrOもしくはMgO等の金属酸化物、もしくは粘土、またはこれらの化合物の2以上の混合物が挙げられる。Alバインダーとしては、粘土鉱物、および天然または合成アルミナ、例えば、アルファ−アルミナ、ベータ−アルミナ、ガンマ−アルミナ、デルタ−アルミナ、エータ−アルミナ、カッパ−アルミナ、カイ−アルミナまたはシータ−アルミナ、およびそれらの無機前駆体化合物または有機金属前駆体化合物(ギブサイト、バイライト、ベーマイト、擬ベーマイトまたはトリアルコキシルミネート等)、アルミニウムトリイソプロピレート等がとりわけ好ましい。さらに、好ましいバインダーは極性部分および非極性部分、ならびにグラファイトを有する両親媒性化合物である。さらなるバインダーは、例えば、モンモリロナイト、カオリン、ベントナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライトまたはアナキサイト(anaxites)等の粘土である。
本発明によれば、成形体の生産のためにバインダー自体を使用することができる。しかしながら、本発明に関連して、成形体の生産における少なくとも1つのさらなる工程においてバインダーが形成される化合物を使用することも可能である。そのようなバインダー前駆体の例として、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシチタネート、テトラアルコキシジクロネート、または2以上の異なるテトラアルコキシシランの混合物、または2以上の異なるテトラアルコキシチタネートの混合物、または2以上の異なるテトラアルコキシジクロネートの混合物、少なくとも1種のテトラアルコキシシランおよび少なくとも1種のテトラアルコキシチタネートの混合物、または少なくとも1種のテトラアルコキシシランおよび少なくとも1種のテトラアルコキシジクロネートの混合物、または少なくとも1種のテトラアルコキシチタネートおよび少なくとも1種のテトラアルコキシジクロネートの混合物、または少なくとも1種のテトラアルコキシシランおよび少なくとも1種のテトラアルコキシチタネートおよび少なくとも1種のテトラアルコキシジクロネートの混合物が挙げられる。本発明に関して、全部または一部のいずれかがSiOからなるバインダー、またはSiOの前駆体であって成形体の生産における少なくとも1つのさらなる工程においてSiOが形成されるバインダーについて述べる。これに関して、コロイドシリカおよび「湿式」シリカの両方のみならず「乾式」シリカを使用することができる。これらは、非常に好ましくはアモルファスシリカであり、シリカ粒子のサイズは、例えば、5〜100nmの範囲であり、シリカ粒子の表面積は50〜500m/gの範囲である。コロイドシリカは、好ましくはアルカリ溶液および/またはアンモニア性溶液の形態であり、より好ましくはアンモニア性溶液の形態であり、例えば、とりわけLudox(登録商標)、Syton(登録商標)、Nalco(登録商標)またはSnowtex(登録商標)として市販で入手可能である。「湿式」シリカは、例えば、とりわけHi-Sil(登録商標)、Ultrasil(登録商標)、Vulcasil(登録商標)、Santocel(登録商標)、Valron−Estersil(登録商標)、Tokusil(登録商標)またはNipsil(登録商標)として市販で入手可能である。「乾式」シリカは、例えば、とりわけAerosil(登録商標)、Reolosil(登録商標)、Cab−O−Sil(登録商標)、Fransil(登録商標)またはArcSilica(登録商標)として市販で入手可能である。バインダーは、好ましくは、バインダー含有量が80重量%までの最終的に得られる成形体をもたらす量で使用され、各々最終的に得られる成形体の総重量に基づいて、より好ましくは5〜80重量%の範囲、より好ましくは10〜70重量%の範囲、より好ましくは10〜60重量%の範囲、より好ましくは15〜50重量%の範囲、より好ましくは15〜45重量%の範囲であり、特に好ましくは15〜40重量%である。
原則的には、本発明のプロセスの工程(b)において成形体がアルキル化を触媒する限り、本発明のアルキル化触媒を含む成形体は、任意の好適な手順によって得られてもよい。本発明の好ましい実施態様によれば、成形体は、以下の工程を含む成形体の生産プロセスに従って取得可能であり、好ましくは取得される:
(I)1以上のゼオライト材料、および任意に少なくとも1種のバインダーを含むアルキル化触媒を含有する混合物を調製する工程;
(II)任意に、前記混合物を混練する工程;
(III)混練された混合物を成形して少なくとも1つの成形体を与える工程;
(IV)任意に、少なくとも1つの成形体を乾燥する工程;および/または
(V)任意に、少なくとも1つの乾燥された成形体をか焼する工程。
本発明の文脈において使用される用語「最終的に得られた成形体」は、任意の乾燥工程および/またはか焼工程、(IV)および/または(V)から取得可能な、好ましくは取得される、特に好ましくは工程(IV)から取得可能な、好ましくは取得される成形体に関する。
従って、さらなる処理および塑性材料の形成のため、バインダーまたはバインダーの前駆体、および1種以上のゼオライト材料を含む触媒の混合物を、少なくとも1種のさらなる化合物と混合することができる。ここで、とりわけ、好ましくは細孔形成剤について言及される。本発明のプロセスにおいて、出来上がった成形体に関して、特定の細孔サイズおよび/または特定の細孔サイズ分布および/または特定の細孔容量を提供する全ての化合物を細孔形成剤として使用することができる。好ましくは、本発明のプロセスにおいて使用される細孔形成剤は、水または水性溶媒混合物中に分散可能、懸濁可能、または乳化可能であるポリマーである。ここで、好ましいポリマーは、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステル等のポリアルキレンオキサイド等の高分子ビニル化合物、セルロースまたはセルロース誘導体、例えばメチルセルロース等の炭水化物、または糖もしくは天然繊維である。さらに好適な細孔形成剤は、例えば、パルプまたはグラファイトである。細孔形成剤が(I)に記載の混合物の調製において使用される場合、細孔形成剤の含有量、好ましくは(I)に記載の混合物のポリマー含有量は、各々(I)に記載の混合物中の1以上のゼオライト材料の量に基づき、好ましくは5〜90重量%の範囲、好ましくは15〜75重量%の範囲、特に好ましくは25〜55重量%の範囲である。所望の細孔サイズ分布が達成される場合、2以上の細孔形成剤の混合物を使用することもできる。本発明のプロセスの好ましい実施態様において、細孔形成剤は、多孔質成形体を生じるか焼によって工程(V)において除去される。しかしながら、本発明によれば、工程(III)において得られる成形体は、後に、か焼工程に供されないことが特に好ましい。本発明のプロセスにおいて好ましく使用される成形体のか焼に関し、用語「か焼」は1以上のゼオライト材料に関して上記に定義されるか焼工程を指す。従って、工程(III)において得られる成形体が後にか焼工程に供されない本発明の特に好ましい実施態様によれば、前記実施態様により、細孔形成剤を採用しないか、または、代替的に、本発明の意味の範囲内においてか焼工程ではない加熱工程によって好適に除去され得るか、および/または1以上の細孔形成剤を含有する好ましい成形体の好適な加熱による以外の他の手段によって除去され得る、1以上の細孔形成剤を適宜に使用することが好ましい。
本発明の同様に好ましい実施態様に関し、(I)記載の混合物の調製において少なくとも1種の貼付剤が添加される。使用され得る貼付剤は、この目的に好適な全ての化合物である。好ましくは、これらは、有機ポリマー、とりわけ疎水性ポリマー、例えば、セルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、ジャガイモ澱粉等の澱粉、壁紙糊、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリイソブテンまたはポリテトラハイドロフランが挙げられる。従って、細孔形成剤としても作用する特定の化合物を貼付剤として使用することができる。下記の本発明のプロセスの特に好ましい実施態様において、これらの貼付剤は、多孔質成形体を生じるか焼によって工程(V)において除去される。しかしながら、本発明によれば、工程(III)において得られる成形体を後にか焼工程に供しないことが特に好ましい。従って、工程(III)において得られる成形体を後にか焼工程に供さない本発明の特に好ましい実施態様によれば、前記実施態様により、貼付剤を採用しないか、または、代替的に本発明の意味の範囲内においてか焼工程ではない加熱工程によって好適に除去され得るか、および/または1以上の貼付剤を含有する好ましい成形体の好適な加熱による以外の他の手段によって除去され得る、1以上の貼付剤を適宜に使用することが好ましい。
本発明のさらなる実施態様によれば、(I)に記載の混合物の調製の間、1以上の酸性添加剤が添加されてもよい。これに関し、任意のか焼工程(V)において除去され得る有機酸性化合物が好ましい。カルボン酸、例えばギ酸、シュウ酸および/またはクエン酸が特に好ましい。また、これらの酸性化合物の2以上を使用することも可能である。しかしながら、上述の細孔形成剤および貼付剤と同様、本発明の意味の範囲内においてか焼工程ではない加熱工程によって除去され得るか、および/または1以上の酸性添加剤、好ましくは1以上の有機酸性添加剤を含有する好ましい成形体の好適な加熱による以外のその他の手段によって除去され得る、1以上の酸性添剤および好ましくは1以上の有機酸性化合物を使用することが好ましい。
BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を含むアルキル化触媒を含有する(I)に記載の混合物の成分の添加単位は、重要ではない。特に、最初に少なくとも1種のバインダーを添加し、その後少なくとも1種の細孔形成剤および少なくとも1種の酸性化合物を添加し、最後に少なくとも1種の貼付剤を添加することができ、また、少なくとも1種のバインダー、少なくとも1種の細孔形成剤、少なくとも1種の酸性化合物、および少なくとも1種の貼付剤についての順番を入れ替えることもできる。
適切な場合、上記少なくとも1種の化合物が既に添加されたゼオライト材料を含むアルキル化触媒に対するバインダーの添加の後、(I)に記載の混合物は、通常10〜180分間に亘って均質化される。均質化のため、とりわけ、混練機、エッジミルまたは押出機が特に好ましく使用される。好ましくは混合物を混練する。工業規模において、好ましくは、均質化のためにエッジミルにおける処理が採用される。均質化は、一般に、約10℃から貼付剤の沸点までの範囲の温度にて、標準圧力またはわずかに加圧されて行われる。その後、適切な場合は、上記の少なくとも1種の化合物が添加され得る。そのようにして得られた混合物を、押出可能な塑性材料が形成されるまで均質化し、好ましくは混練する。
成形体を生産するための本発明の好ましいプロセスによれば、均質化された混合物は、その後成形される。本発明に関し、例えば、好ましくは1〜10mm、特に好ましくは2〜5mmの直径を有する押出成形品を与える従来の押出機における押出によって成形が行われる、それらのプロセスが成形プロセスとして好ましい。そのような押出装置は、例えば、非特許文献7において記載されている。スクリュー型押出機に加え、プランジャー型押出機も成形のために好ましく使用される。しかしながら、原則的には、全ての公知のおよび/または好適な押出装置および成形装置ならびにプロセスが、成形のために使用されてもよい。これらの例として、とりわけ、ブリケッティング(即ち、追加のバインダー材料の添加を伴う、または伴わない、機械的圧縮);ペレッティング(即ち、環状動作および/または回転動作による圧縮);焼結(即ち、成形される材料を熱処理に供する)が挙げられる。本発明によって産生される成形体の形状は要求に応じて選択され得る。とりわけ、特に、球、楕円形状、円筒または錠剤が可能である。
本発明に関し、好ましくは工程(III)の後に少なくとも1つの乾燥工程が続く。原則的には、乾燥した成形体が提供される限り、任意の好適な乾燥工程が使用される。しかしながら、本発明によれば、乾燥工程は、本発明の意味における、か焼工程において使用される温度を含まないことが好ましい。
本発明に関し、任意の乾燥工程(IV)の後に、任意に少なくとも1つのか焼工程(V)が続く。特定の実施態様によれば、か焼工程(V)は成型工程(III)の後に直接行われる。しかしながら、本発明によれば、BEA骨格構造を有する1以上のゼオライト材料を含むアルキル化触媒を含有する好ましい成形体は、任意の乾燥工程(IV)の後に、か焼工程(V)に供されないことが好ましく、か焼工程(V)を含まない前記特に好ましい実施態様により、成型工程(III)の後に1以上の乾燥工程(IV)を含む生産プロセスが好ましい。
1以上のか焼工程(V)を含む成形体の生産のための上述の好ましい方法により好ましい成形体を取得可能である、および好ましくは取得する実施態様によれば、か焼は、通常、本発明の意味の範囲内において定義される任意の温度にて実施され、好ましくは300〜700℃、より好ましくは400〜600℃の範囲の温度で実施される。前記実施態様によれば、任意の好適なガス雰囲気下でか焼を行うことができ、空気および/または希薄空気であることが好ましい。さらに、か焼は、好ましくはマッフル炉、回転炉および/またはベルトか焼オーブンにおいて行われる。か焼工程の間温度を一定に維持するか、または連続的にまたは非連続的に変化させることが可能である。か焼が2回またはそれ以上に亘って行われる場合、か焼温度は、個々の工程において異なっていてもよく、または同一であってもよい。
任意の乾燥工程(IV)の前および/または後、および/または任意のか焼工程(V)の前および/または後において、適切な場合、濃縮されたもしくは希釈されたブレンステッド酸、または2以上のブレンステッド酸の混合物で少なくとも1つの成形体を処理することができる。好適な酸は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸またはカルボン酸、ジカルボン酸、またはニトリロ三酢酸{さんさくさん}、スルホサリチル酸、またはエチレンジアミン四酢酸{しさくさん}等のオリゴカルボン酸もしくはポリカルボン酸である。適切な場合、この少なくとも1種のブレンステッド酸による少なくとも1つの処理の後に、少なくとも1つの乾燥工程(IV)および/または少なくとも1つのか焼工程(V)が続く。
本発明のプロセスのさらなる実施態様によれば、好ましくは工程(a)において供給され、工程(b)において使用される成形体を、より良好な硬化のために水蒸気処理に供することができ、その後、好ましくは少なくとももう一度の乾燥が行われ、および/またはもう一度のか焼が行われる。例えば、少なくとも1度の乾燥工程、および少なくとも1度の後のか焼工程の後、か焼成形体は水蒸気処理に供され、その後、少なくとももう一度乾燥され、および/または少なくとももう一度か焼される。
さらに、本発明は、アルキル化反応における本発明の実施態様および好ましい実施態様による本発明のプロセスの工程(a)において採用されるような1種以上のゼオライト材料を含む触媒の使用にさらに関する。とりわけ、本発明の使用は、アルキル化反応における、BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を有する触媒の使用に関し、ここで、1種以上のゼオライト材料は構造規定剤として有機テンプレートを採用しない合成プロセスにより得ることができる。本発明の使用の好ましい実施態様によれば、アルキル化反応において使用される触媒は、本発明の実施態様および好ましい実施態様による本発明のプロセスの工程(a)において供給される触媒に対応する。
原則的には、本発明によれば、本発明のBEA骨格構造を有する1以上のゼオライト材料を含む触媒の使用は、1種以上のアルキル化可能な化合物と、1種以上のアルキル化剤との反応が触媒によって好適に触媒される限り、アルキル化反応のタイプは特に限定されない。従って、触媒の使用が1種以上のアルキル化化合物の生成を可能とする限り、そのような反応において採用されるアルキル化可能な化合物は特に限定されず、また、そこで使用されるアルキル化剤も特に限定されない。本発明の使用の好ましい実施態様によれば、1以上のアルキル化可能な化合物と、1種以上のアルキル化剤は、有機化合物のアルキル化のための本発明のプロセスにおいて使用される、好ましいおよび特に好ましいアルキル化可能な有機化合物および/または、好ましくは、好ましいおよび特に好ましいアルキル化剤にそれぞれ対応する。さらに、さらなる好ましい実施態様によれば、本発明の使用の1種以上のゼオライト材料を含む触媒は、好ましくは、有機化合物のアルキル化のための本発明のプロセスにおいて使用される好ましい、および特に好ましい触媒に対応する触媒である。
従って、本発明は、また、1種以上のアルキル化可能な有機化合および試薬としての1種以上のアルキル化剤を包含するアルキル化反応において、BEA骨格構造を有する1以上のゼオライト材料を含む触媒の使用にも関し、ここで、1種以上のゼオライト材料は、構造規定剤として有機テンプレートを採用しない合成プロセスにより得ることができる。
実施例1による有機テンプレート不要の合成により得られたゼオライト材料のX線回折(XRD)パターン(Cu Kアルファ−1照射を使用して計測)を示している。図中、単位を°とする回折角2シータが横座標に示され、強度が縦座標に示されている。さらに、図1は、テンプレートを使用する合成から取得されたゼオライトベータ、ゼオライトP、および比較用モルデナイトの各線パターンを包含する。 実施例1による窒素吸着等温線を示している。図中、相対圧力p/pが横座標に示され、77KにおけるDIN66134に従って測定された単位をcm/gSTP(標準圧力および温度))とする孔容積が縦座標に示されている。吸着の値は記号(◆)によって示され、脱着の値は記号(▲)によって示されている。 実施例2による有機テンプレート不要の合成により得られたゼオライト材料のX線回折(XRD)パターン(Cu Kアルファ−1照射を使用して計測)を示している。図中、単位を°とする回折角2シータが横座標に示され、強度が縦座標に示されている。さらに、図2は、テンプレートを使用する合成から取得されたゼオライトベータ、および比較用モルデナイトの各線パターンを包含する。
NaAlO 2.31gおよびNaOH 1.09gをHO 79.2gに溶解した後、Al−ベータゼオライト種晶(Zeolyst Internationalから入手したCP814Cゼオライトベータ)0.9gを添加した。ナトリウム−水ガラス溶液(Fa.Woellnerから入手したSiO 26重量%およびNaO 8重量%)112.6gを、その後、ゆっくりとこの混合物に添加した(ここで、ナトリウム−水ガラス溶液を10〜20g添加した後に透明ガラスが生成され、その後、これは前記溶液がさらに添加された後に溶解される)。
その後、この混合物をオートクレーブに移し、120℃で120時間結晶化した。その反応混合物を室温まで冷却した後、濾過し、固形残渣を蒸留水で繰り返し洗浄し、120℃で16時間乾燥することにより、白色の結晶性生成物6.5gを得た。その生成物は、合成において使用したAl−ベータゼオライトと比較して74%の結晶化度グレードを呈した。
実施例1の結晶性生成物の元素分析により、Na:Si:Alのモル比、1.1:4.3:1を得た。
図1aにおいて、濾過および乾燥後の実施例1の有機テンプレート不要の合成により得られた結晶性生成物のXRDが示される。とりわけ、XRDパターンは、BEA骨格構造に典型的である。
図1bにおいて、実施例1の結晶性生成物を使用して得られた窒素等温線が示される。とりわけ、微小孔性の固体に典型的なI型の階段状の吸着等温線が明白である(cf.DIN66135)ことから、合成されたままのゼオライト材料が開口した微小孔を有することが示唆されている。このデータの評価により、Langmuir法によるところの等価表面積397.49m/g、およびBET表面積303.71m2/gが得られた。
NaAlO 1.34gおよびNaOH 6.54gをHO 142.2gに溶解した後、1.69gのAL−ベータゼオライト種晶(Zeolyst Internationalから入手したCP814Cゼオライトベータ)および16.9gのヒュームドシリカ(Aerosil(登録商標)200)を、撹拌しながら加えた。その後、この混合物をオートクレーブに移し、140℃で48時間結晶化した。その反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、固形残渣を蒸留水で繰り返し洗浄した後、120℃で16時間乾燥することにより、白色の結晶性生成物5.3gを得た。この生成物は、合成に使用されたAl−ベータゼオライトと比較して、68%の結晶化度グレードを呈した。
実施例1の結晶性生成物の元素分析により、Na:Si:Alのモル比、1.05:5.2:1を得た。
図2において、濾過および乾燥後の実施例2の有機テンプレート不要の合成により得られた結晶性生成物のXRDが示される。とりわけ、XRDパターンは、BEA骨格構造に典型的である。
エテンによるベンゼンのアルキル化
室温で0.5時間に亘ってエテン(5bar)で予め飽和した後、実施例2により得られたゼオライトベータ125mgを反応容器に置いた。撹拌(1350rpm)しながら、容器を170℃で24時間加熱した後、ベンゼン20mlを反応容器に添加した。
その後、Si/Alのモル比10.8を呈する市販のゼオライトベータ(PQ Corp.から入手したCP811−BL25)を用いてこの手順を繰り返した。そのようにして得られた各反応混合物の解析結果を表1に示す。
Figure 0006148665
このように、表1に示される結果より、テンプレートを使用する合成により得られた市販のゼオライトベータと比較して、有機テンプレート不要の合成手法により得られたゼオライトベータは、同じ転化率において、モノアルキル化生成物の生産に対してより高い選択性を有している。しかしながら、より重要なことは、トリエチレンベンゼンを包含するその他の副生成物に加えて、ジアルキル生成物に対する選択性が顕著に低いことである。従って、より低量のジアルキル化およびトリアルキル化生成物に加えて、有機テンプレート不要の合成により得られたゼオライトベータを使用することにより、モノアルキル化生成物であるエチルベンゼンに対するより明確で高い選択性が可能であり、これによって極めて効果的なエチルベンゼンの生成プロセスが得られる。
エテンによるトルエンのアルキル化
ベンゼンに代えてトルエンを用い、実施例3の手順を繰り返した。さらに、実施例1のゼオライトを用いて追加でこの手順を行った。そのようにして得られた各反応混合物の解析結果を表2に示す。
Figure 0006148665
このように、表2に示される結果より、実施例1において示されるベンゼンのエチル化に関する利点が、同じ反応条件下でのトルエンのエチル化についても観察された。とりわけ、わずかに低い転化率にもかかわらず、有機テンプレート不要の合成により得られたゼオライトベータを用いたプロセスにより、ジアルキル化およびトリアルキル化種に対するより低い選択性に加えて、モノアルキル化種の生成に対してより高い選択性が得られた。現在知られているように、触媒として市販のゼオライトベータを使用した場合と比べて、オリゴマーの生成に対する選択性はいくぶん増加している。しかしながら、とりわけ、オリゴマー副生成物の除去よりも、反応混合物からのポリアルキル化生成物を分離する方が、はるかに時間およびコストがかかることから、市販のゼオライトベータを用いた場合に観察されるポリアルキル化生成物に対するより高い選択性に比べれば、これは全く不利なことではない。
その後、前記手順を繰り返し、4.25時間後に反応を中断した。そのようにして得られた各反応混合物の解析結果を表3に示す。
Figure 0006148665
表3の結果よりわかるように、市販品のゼオライトに比べて、有機テンプレート不要の合成により得られたゼオライトベータは、反応時間が短い場合にはより低い転化率を与えている。さらに、オリゴマーおよびトリアルキル化種等のその他の副生成物の量に対する選択性が増加している。しかしながら、表2に示される結果と同様、ここでもテンプレートを使用する合成により得られた市販のゼオライトを用いた場合に観察される値と比べて、ジアルキル化生成物に対する選択性が著しく低減されていることが明らかである。つまり、より長い反応時間に関する表2に示される結果と比較すると、実際、市販のゼオライトベータ触媒を使用するプロセスに対するこのような利点が高められる。
従って、本発明のプロセスは、反応時間がより短い場合に、オリゴマーおよびその他の副生成物に対するより高い選択性に加えて、モノアルキル化生成物に対してはやや低い選択性を示したものの、モノアルキル化生成物に対するより低い選択性に関する利点は、テンプレートを使用する合成により得られた市販のゼオライトベータを用いるプロセスと比較するとさらに向上している。従って、より短い反応時間について、有機テンプレート不要の合成により得られたゼオライトベータの使用は、とりわけジアルキル化種の生成に対する低減された選択性に関して極めて有利である。

Claims (19)

  1. (a)BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を含む触媒を供給する工程、
    を含み、ここで前記BEA骨格構造がYO、および任意にXを含み、式中、Yは四価元素であり、Xは三価元素であり、更に、
    (b)1基以上の反応器において、1種以上のアルキル化剤の存在下で、前記触媒と、1種以上のアルキル化可能な有機化合物とを接触させて1種以上のアルキル化有機化合物を得る工程
    を含む有機化合物のアルキル化法であって、
    前記1種以上のアルキル化可能な有機化合物が、置換または非置換のベンゼン、トルエン、およびそれらのヘテロ芳香族誘導体からなる群より選択される1以上の有機化合物を含み、
    前記1種以上のアルキル化剤が、エテン、プロペン、ブテン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される1種以上のオレフィンを含み、
    工程(a)で触媒に使用される前記1種以上のゼオライト材料が、構造規定剤として有機テンプレートを用いない合成法により得られ、及び該合成方法は、
    (1)種晶および1種以上のYO 供給源を含む混合物を調製する工程、及び
    (2)前記混合物を結晶化する工程、
    を含み、BEA骨格構造がX を含むとき、工程(1)に記載の混合物は1種以上のX 供給源をさらに含むことを特徴とするアルキル化法。
  2. 1種以上のゼオライト材料がか焼されていない、請求項1に記載のアルキル化法。
  3. Yが、Si、Sn、Ti、Zr、Geおよびそれらの2種以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項1または2に記載のアルキル化法。
  4. Xが、Al、B、In、Gaおよびそれらの2種以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  5. 前記1種以上のゼオライト材料の1種以上のY:Xのモル比が1〜50の範囲である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  6. 前記1種以上のゼオライト材料の1種以上が、1種以上のアルカリ金属Mを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  7. M:Xのモル比が0.01〜20の範囲である、請求項6に記載のルキル化法。
  8. 前記アルカリ金属原子Mの少なくとも一部が1種以上の陽イオンおよび/または陽イオン元素によって置換されている、請求項6または7に記載のアルキル化法。
  9. 前記1種以上のゼオライト材料の1種以上が、少なくとも以下の反射を含むX線回折パターンを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアルキル化法であって:
    Figure 0006148665
    ここで、100%は、粉末X線回折パターンにおける最大ピークの強度に相当する、アルキル化法。
  10. 前記X線回折パターンが以下の反射:
    Figure 0006148665
    を含む、請求項9に記載のアルキル化法。
  11. 前記1種以上のゼオライト材料の1種以上のDIN66135に従って測定されたBET表面積が、150〜650m2/gの範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  12. 前記1種以上のゼオライト材料がゼオライトベータを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  13. 前記1種以上のアルキル化剤に対する、前記1種以上のアルキル化可能な有機化合物のモル比が、0.1:1〜50:1の範囲である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  14. 工程(b)が、100〜350℃の範囲の温度で行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  15. 工程(b)が、0.2〜250barの範囲に含まれる圧力で行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  16. 工程(b)が、0.5〜100時間の継続時間に亘って行われる、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  17. 前記アルキル化法が連続アルキル化法である、請求項1〜16のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  18. 前記1基以上の反応器が、固定床および/または流動床の形態で前記触媒を含有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のアルキル化法。
  19. BEA骨格構造を有する1種以上のゼオライト材料を含む前記触媒が、成形品の形態で供給される、請求項1〜18のいずれか一項に記載のアルキル化法。
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