JP6147704B2 - 疼痛治療 - Google Patents

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Description

本出願は、2008年12月22日出願の米国仮出願第61/139,687号及び2009年3月30日出願の米国仮出願第61/164,491号の利益を主張し、そこに記載されたその全内容を援用するものである。
本発明は、概して疼痛の治療及び予防法に関するものである。本発明によると、疼痛治療において、GM−CSFのアンタゴニストが効果的であることが提案されている。GM−CSFのアンタゴニストは、GM−CSF又はGM−CSF受容体に特異的な抗体を含むものであるが、これに限定されるものではない。本発明はさらに、特定の疾患モデルにおけるアンタゴニストの検査に有用なGM−CSFノックアウトマウスなどの遺伝子組み換え動物を提供する。
[疼痛]
様々な種類の疼痛が、米国の医師への相談において最も高頻度の理由であり、毎年全アメリカ人の半数が医療的ケアを求めている。それは、内科的疾患において、人間の生活の質及び一般的な機能を著しく妨げる主要な症状である。診断は、持続時間、強度、種類(鈍い、焼けるような又は刺すような)、原因又は体の位置により、色々な方法で疼痛を特徴的付けることに基づいている。一般に疼痛は治療をせずに治まり、又は休息や鎮痛剤服用などの簡単な対策に反応するものであり、それは急性疼痛と言われる。しかし、疼痛がもはや症状ではなく、疼痛そのものが病気である慢性疼痛と呼ばれる難治性の進行性の状態になる場合もある。
疼痛は、多くのスキームや状況によって分類される。疼痛には二つの基本タイプ:急性と慢性がある。急性疼痛は短い期間生じ、一時的な疾患に関連する。しかし、これは通常どこか悪いところがあるとの警告である。慢性疼痛は、継続的で再発性のものである。これは慢性的な病気に関連しており、それらの症状の一つである。疼痛の強さは、それを生じさせた刺激の種類だけでなく、疼痛の主観的な知覚によっても左右される。主観的な知覚は幅広いが、以下に基づいて疼痛の種類をいくつかに分類する:
・疼痛を生じさせた刺激
・疼痛の持続時間
・疼痛の特徴(強さ、場所、等)
もう一つの分類システムは、以下の通りである。
・絶え間ない疼痛。一定の強さが連続する。通常運動することによって悪化する。
・ズキズキする疼痛。片頭痛の典型である。脳の血管の拡張と収縮が原因である。
・突き刺すような疼痛。強く激しい疼痛である。機械的刺激が原因である。
・焼けるような疼痛。例えば胸焼けのような、絶えず焼けるような感覚である。
・圧迫されるような疼痛。血管又は筋肉の収縮が原因である。
特殊な種類の疼痛もある。
・筋肉の疼痛。筋肉痛として知られており、筋肉に作用し過度の運動の後や炎症時に生じる。
・疝痛。月経期間の子宮のように特定の器官の筋肉収縮が原因である。
・関連痛。体から受けた情報を脳がどのように解釈するかにより、実際に生じた場所ではない場所で痛みが生じる。
・外科的手術後又は手術後の疼痛。外科的手術後に生じ、外科的措置の損傷によるものである。
・骨肉腫の疼痛。前立腺、乳房、又は他の軟部組織の腫瘍といった特定の種類の癌は、転移性骨疾患として知られる骨の痛みを伴う疾患に進行する場合がある。
[疼痛治療の標準療法]
疼痛治療には、多くの方法がある。疼痛の原因によって治療が変わる。主な治療は以下の通りである。
・アセトアミノフェノン:タイレノール(アセトアミノフェン)は、疼痛を治療するのに用いられている。他のいくつかの疼痛用の薬物とは違い、タイレノールは抗炎症作用がない。しかし、慢性疼痛であって疼痛の部位に炎症がない場合は、しばしばタイレノールは適切な治療の選択となりうる。タイレノールは、適切に使用すれば安全であるが、過度に使用すると危険な場合がある。さらに、タイレノールは、他の特定の薬物と共に使用すると、望ましくない効果をもたらすことがある。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDs(イブプロフェン、モトリン、アリーブ等のような)は、急性疼痛又は慢性疼痛の患者が再発した場合に最も有益である。NSAIDsはまた、腱炎、滑液包炎、及び関節炎などの炎症性疾患の治療にも優れている。胃の疾患の進行を懸念して、一般に、NSAIDは慢性疼痛を患う患者に使用を限定している。セレブレックスなどCOX−2阻害剤と呼ばれる新商品が、この合併症を回避する目的で作られたが、これらの薬を長期間にわたり使用する際には、依然として注意が必要である。
・コルチコステロイド:NSAIDsと同様に、コルチコステロイドは、強力な抗炎症薬であり、急性疼痛又は慢性炎症疾患の再発の使用に最適である。コルチコステロイドは、経口投与(メドロール、プレドニゾン等)か、軟部組織又は関節へ注入(コルチゾン注射)が可能である。
・麻薬:麻薬を使用しないと疼痛が制御できない場合に麻薬の使用を考慮すべきである。多くの麻薬は、危険であり中毒になる。麻薬の投与は、急性疼痛に有用であるが、重大な副作用も有している。これらの薬の短時間作用型は、乱用と耐性を生じさせることがある。長時間作用型の選択は副作用が少なく、慢性疼痛を制御するのにより優れている。麻薬は、投与量を徐々に減らさずに長期間使用したり、疼痛以外の理由で薬を摂取した場合に中毒になる場合がある。
・抗けいれん誘発剤:抗けいれん誘発剤は、神経痛を緩和するカテゴリーの薬剤である。これらの薬は、神経や脳に送られる信号の機能を変化させる。神経痛の抗けいれん誘発剤で最も一般的に処方されているのは、Neurontin(ガバペンチン)と呼ばれるものである。線維筋痛治療専用で近年浮上している別の選択は、リリカ(プレガバリン)と呼ばれるものである。
・局所麻酔薬:局所麻酔薬はある部位の一時的な疼痛を軽減する。慢性疼痛に使用するときに、局所麻酔薬はしばしば局所パッチとして疼痛部位に貼付される。リドダームは、皮膚に貼付し、この部位の感度を低下させるパッチとして販売されている。
上記の治療選択肢はいずれも、欠点、副作用があり、又は特定の疼痛の種類に使用が制限されている。従って、依然として疼痛治療に対する医療の高い要望がある。
[GM−CSF]
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)は、白血球成長因子として機能するサイトカインである。GM−CSFは、幹細胞を刺激して顆粒球(好中球、好酸球、及び好塩基球)と単球を生成する。単球は、血液循環を出て、組織に移動するとすぐに成熟してマクロファージになる。これは、少数のマクロファージを活性化し、その数を急速に増加させる自然免疫/炎症カスケードの一部であり、感染症と戦う不可欠な過程である。活性化型GM−CSFは、細胞外でホモ二量体として存在する。特に、GM−CSFは、炎症性サイトカイン、ケモカイン、及びプロテアーゼを増産させ、それにより最終的に関節破壊をもたらす、リウマチ(RA)のような自己免疫疾患の炎症性メディエータとして同定される。
GM−CSFは、ヒトや動物の体内の様々なプロセスに関与するサイトカインである。近年、炎症性疾患などの特定の疾患や病状がGM−CSFに関連しており、GM−CSFが発明の潜在的なポイントとして示唆されてきた。本発明は初めてGM−CSFが疼痛治療の有効なターゲットになることを開示した。
本発明は、GM−CSFが疼痛治療の有効なターゲットであることを初めて示したものである。この発見は新規なものであり、従来の技術は、疼痛治療に関与するそのような介入についていかなる論理的根拠も教示、示唆、又は提供するものではない。本発明は、例えば対象の疼痛治療の方法を提供し、この方法はその対象に効果的な量のGM−CSFアンタゴニストを投与するステップから成る。
別の態様において本発明は、対象の疼痛予防の方法を企図しており、この方法は、その対象に効果的な量のGM−CSFアンタゴニストを投与するステップを含む。
別の態様において本発明は、疼痛を患う又は疼痛を患う疑いのある対象の細胞の成長及び/又は生存を活性化、増殖、誘導するGM−CSFの能力に拮抗するGM−CSFアンタゴニストを含む組成物に関するもので、この組成物は、一又はそれ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤をさらに含むものである。
別の態様において本発明は、疼痛治療に有用なGM−CSFアンタゴニストを含む組成物に関するもので、この組成物は、一又はそれ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤をさらに含むものである。
本発明の具体的な態様では、GM−CSFアンタゴニストはGM−CSFに特異的な抗体である。
本発明の代替の態様では、GM−CSFアンタゴニストはGM−CSF受容体に特異的な抗体である。
他の態様において本発明は、疼痛治療における医薬の調製におけるGM−CSFアンタゴニストの使用に関するものである。
他の態様において本発明は、疼痛治療用のGM−CSFアンタゴニストを提供するものである。
本発明の特定の態様において、疼痛は外科的手術後の疼痛である。本発明の代替の態様においては、疼痛は骨肉腫の疼痛である。さらに本発明の代替の態様では、GM−CSFアンタゴニストは鎮痛効果を有する。
本発明の特定の態様において、疼痛は炎症性疼痛である。
本発明の別の態様において、GM−CSF−/−遺伝子型を有する遺伝子組み換えされた哺乳類を提供する。
本明細書全体を通して、文脈上別の解釈が必要とされない限り、用語「具える」、「有する」、並びに「含む」、及び「具えている」、「有している」、「含んでいる」などのそれら変形は、記載された要素、完全体、要素群、又は複数の完全対を含むものであり、いかなる他の要素、完全対、要素群、又は複数の完全体を排除するものではないと解される。
図1は、変形性関節症のマウスモデルにおけるGM−CSF抗体を用いた療法的治療の膝関節組織学的スコアを示したものである。Lat.は外側を表し、Med.は中央を表している。結果は、平均値±標準誤差として表す。中央大腿骨を除く全ての部位で、抗GM−CSF抗体を投与したマウスは、コントロールのマウスと比較してより低い疾患が観察された。 図2は、インキャパシタンスメータにおける後ろ足の体重配分評価の実験結果を示す。グラフに示すように、変形性関節症を誘発してから27日以降のデータは顕著(対応のないt−検定)である。 図3は、炎症疾患(mBSA/IL1で誘発された単関節関節炎)の治療におけるGM−CSFアンタゴニストの有効性を証明した実験結果を示す。治療後7日での膝関節の臨床スコアが描かれている。黒塗りの棒は、C57BL/6マウスの記録結果、白抜きの棒は、GM−CSFノックアウトマウスの結果を示す。左はインドメタシンで治療したマウスである。右はインドメタシンの治療を受けていないマウスである。 図4は、炎症性疼痛(mBSA/IL1で誘発された単関節関節炎)の治療におけるGM−CSFアンタゴニストの有効性を証明する実験結果を示す。mBSA/IL−1で誘発された単関節関節炎を患うマウスの疼痛測定として、インキャパシタンスメータで測定した体重配分を示す。結果は、注入された後ろ足/コントロール後ろ足100として表現した。 図5は、炎症性疼痛の治療におけるGM−CSFアンタゴニストの有効性を証明する実験結果を示す。左(L)の足蹠にCFAを注入した後の足の厚さの変化を測定した炎症のレベルを示す。右(R)の足蹠は標準である。「+インドメタシン」グループは、それぞれ読み取りの1時間前に、腹腔内をインドメタシン(1mg/kg)で治療したものである。Nは12マウス/グループを示す。 図6は、炎症性疼痛の治療におけるGM−CSFアンタゴニストの有効性を証明する実験結果を示す。左の足蹠にCFAを注入した後の疼痛の測定としてインキャパシタンスメータで測定した体重配分を示す。「+インドメタシン」グループは、それぞれ読み取りの1時間前に、腹腔内をインドメタシン(1mg/kg)で治療したものである。結果は注入された後足/コントロール後足×100で表す。Nは12マウス/グループを示す。
本発明は、GM−CSFは、疼痛治療の有効なターゲットであることを示している。この点について本発明は、一態様において疼痛分野で予防的又は治療的利益をもたらすGM−CSFアンタゴニストを用いた方法を提供する。
本発明は、このような治療を必要とする対象に、治療に効果的な量のGM−CSFアンタゴニストを投与する治療方法を提供する。ここで使用される「治療に効果的な量」又は「効果的な量」は、所望の生物学的反応を導き出すのに必要なGM−CSFアンタゴニストの量をいう。本発明で治療に効果的な量とは、疼痛の治療及び/又は予防に必要なGM−CSFアンタゴニストの量をいう。
特定の態様で本発明は、外科的手術後の疼痛の治療方法を提供する。他の態様で本発明は、骨肉腫の疼痛の治療方法を提供する。さらに別の態様で本発明は、鎮痛効果を有するGM−CSFアンタゴニストを提供する。さらに別の態様で本発明は、関節リウマチ痛の治療方法を提供する。GM−CSFアンタゴニストは、関節リウマチに関連する疼痛を阻害又は阻止することができる。別の態様で本発明は、関節リウマチ痛の発生率を減少させる、関節リウマチ痛を改善する、関節リウマチ痛を鎮静させる、関節リウマチ痛を緩和する、及び/又は対象の関節リウマチの発症、進行、又は発展を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象にGM−CSFアンタゴニストを効果的な量投与することを具えている。別の態様で本発明は、個体にGM−CSFアンタゴニストを効果的な量投与することにより、個体の変形性関節症を予防又は治療する方法を提供する。別の態様で本発明は、GM−CSFアンタゴニストを効果的な量投与することを含む、個体の関節リウマチに関連する炎症性悪液質(体重減少)の治療方法を提供する。別の態様で本発明は、個体で、変形性関節症痛の発生率を減少させる、変形性関節症痛を改善する、変形性関節症痛を鎮静させる、変形性関節症痛を緩和する、及び/又は変形性関節症痛の発症、進行、発展を遅らせる方法を提供し、この方法は、個体に対してGM−CSFアンタゴニストを効果的な量投与することを含む。
疼痛又は一若しくはそれ以上の疼痛(関節リウマチ痛又は変形性関節症痛など)の症状を「緩和」とは、本発明ではGM−CSFアンタゴニストで治療した個体又は個体の集団における手術後の疼痛の一又はそれ以上の所望の臨床症状の程度を緩和することを意味する。
特定の態様で本発明は、GM−CSFアンタゴニストを投与した24時間以内に疼痛が軽減される。別の態様においては、本発明は、GM−CSFアンタゴニスト投与の4日後以内に疼痛が軽減される。
ここで使用される「GM−CSFアンタゴニスト」は、最も広い意味でのGM−CSFアンタゴニストを含み、GM−CSFの活性又は機能を阻害する、又は任意の他の方法によってGM−CSFに治療的な効果を発揮する任意の分子を含む。GM−CSFアンタゴニストの用語は、GM−CSFに特異的に結合する抗体、GM−CSFに特異的な阻害核酸、又はGM−CSFに特異的な有機小分子を含むものであるが、これに限定されるものではない。GM−CSF受容体に特異的に結合する抗体、GM−CSF受容体に特異的な阻害核酸、又はGM−CSF受容体に特異的な有機小分子は、用語GM−CSFアンタゴニストの意味の範囲内にある。
阻害核酸は、アンチセンスDNA、三重鎖形成性オリゴヌクレオチド、外部ガイド配列、低分子干渉RNA、及びマイクロRNAを含むがこれに限定されるものではない。有用な阻害核酸は、GM−CSFをコードするRNAの発現を、コントロールと比較して少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、又は95パーセント減少させるものを含む。阻害核酸及びそれらの生成方法は、従来よりよく知られている。低分子干渉RNA設計ソフトウエアは市販されている。
GM−CSF又はGM−CSF受容体に特異的な有機小分子(SMOL)は、天然物スクリーニング又は化学ライブラリのスクリーニングにより同定される。一般にSMOLの分子量は500ダルトン以下であり、より具体的には160ダルトンから480ダルトンである。SMOLの他の一般的な特性は、以下の1つ又はそれ以上を有する。
・分子係数logPが、−0.4から+5.6の範囲である。
・モル屈折率が、40から130である。
・原子数が20から70である。
概説として、Ghoseら、「J Combin Chem:1」、55−68頁、1999年とLipinskiら、「Adv Drug Rev:23」、3−25頁、1997年を参照されたい。
好ましくは、本発明で使用されるGM−CSFアンタゴニストは、GM−CSF又はGM−CSF受容体に特異的な抗体である。そのような抗体は、マウス、ラット、キメラ、ヒト化、又はヒト抗体などの、任意の種類の抗体であってもよい。ここでは「ヒト」抗体又は機能性ヒト抗体断片を、キメラではなく(例えば「ヒト化」ではない)、かつ非ヒト種由来(全体あるいは一部に拘わらず)ではないものと定義する。ヒト抗体又は機能性抗体断片は、ヒト由来又は合成ヒト抗体でもよい。ここでは「合成ヒト抗体」を、既知のヒト抗体配列の分析に基づきシリコン内で合成された合成配列由来の配列を全体又は一部に有する抗体と定義する。シリコン内でのヒト抗体配列又はその抗体の設計は、例えばヒト抗体又は抗体断片の配列のデータベースを分析し、そこから得られたデータを利用してポリペプチド配列を構築することにより得られる。ヒト抗体又は機能性抗体断片の別の例は、ヒト由来の抗体配列ライブラリ(例えばヒトなど天然ソース由来の抗体に基づくライブラリ)から単離された核酸でコードされたものである。
ここでは「ヒト化抗体」又は機能性ヒト化抗体断片を、(I)非ヒトソース(例えば異種免疫系を担う遺伝子組み換えマウス)由来のヒト生殖系配列の基づく抗体、(II)可変領域は非ヒト由来であり、定常領域はヒト由来であるキメラ、又は(III)可変領域のCDRsが非ヒト由来であり、可変領域の一又はそれ以上のフレームワークがヒト由来であり、定常領域(もしあれば)がヒト由来である移植CDRと定義する。
ここでは用語「キメラ抗体」又は機能性キメラ抗体断片を、一つの種に見られる配列に由来又は対応する定常抗体領域を有する抗体分子及びもう一つの種に由来する可変抗体領域を有する抗体分子と定義する。定常抗体領域は、例えばヒト生殖系又は体細胞のようなヒトに見られる配列に由来又は対応し、可変抗体領域(例えばVH、VL、CDR又はFR領域)は、例えばマウス、ラット、又はハムスターのような非ヒト動物に見られる配列に由来するものが好ましい。
ここで使用される、抗体が抗原に「特異的に結合する」とは、このような抗体が、このような抗原と一又はそれ以上の関連する抗原を区別しうる場合に、特異的な結合は絶対的なものではなく相対的な特性であるため、抗原(ここでは、GM−CSF又は代替としてGM−CSF受容体)「に/に対して特異的」又は抗原を「特異的に認識する」ことである。標準抗原は、1又はそれ以上の例えばIL3、IL5、IL−4、IL13、又はM−CSFなどの標準点として使用される、近い関係の抗原である。最も一般的な形式(及び何も言及されていないときは)は、「特異的な結合」は、例えば下記の方法にしたがって、抗体の対象の抗原と無関係の抗原を識別する能力をいう。このような方法には、ウエスタンブロット、ELISA−、RIA−、ECL−、IRMA−検定を含むがこれに限定されるものではない。例えば、標準ELISA分析が行われる。スコアは、標準発色により行われる(例えば西洋ワサビペルオキシターゼ及び過酸化水素が添加されたテトラメチルベンジンを有した二次抗体)。特定のウェル中での反応は、例えば450nmで光学密度により計測される。一般的なバックグラウンド(=陰性反応)は0.1ODであり、典型的な陽性反応は1ODである。これは陰性/陽性の違いは10倍以上であることを示している。一般に特異的な結合を判定するときは、単一の標準抗原を使用せず、粉ミルク、BSA、トランスフェリン、又は同様なものなどの約3から5の無関係の抗原を使用する。さらに、「特異的な結合」は、例えばGM−CSF、GM−CSF受容体、又は1又はそれ以上のアミノ酸残基の鍵又はGM−CSF又はGM−CSF受容体のアミノ酸残基の伸長の異なるドメイン又は領域などターゲット抗原の異なる部分を識別する抗体の能力に関連する。
また、本書において「免疫グロブリン」(Ig)を、IgG、IgM、IgE、IgA、又はIgDのクラス(又は任意のそのサブクラス)に属し、従来より知られた抗体及びその機能性断片を全て含むタンパク質と定義する。ここでは抗体/免疫グロブリンの「機能性断片」を、抗原結合領域を保持する抗体/免疫グロブリン(例えばIgGの可変領域)断片と定義する。抗体の「抗原結合領域」は、通常抗体の一又はそれ以上の超可変領域、即ちCDR−1、−2、及び/又は−3領域に見られるが、可変「フレームワーク」領域はまた、CDRsの足場を提供するという抗原結合で重要な役割を果たすことができる。「抗原結合領域」は、少なくとも可変軽(VL)鎖の4から103アミノ酸残基及び可変重(VH)鎖の5から109アミノ酸残基を含むのが好ましく、VLの3から107アミノ酸残基及びVHの4から111アミノ酸残基を含むのがさらに好ましく、特に好ましいのは完全なVL及びVH鎖(VLのアミノ酸位置1から109及びVHのアミノ酸位置1から113;番号はWO97/08320に従う)である。本発明で使用する免疫グロブリンの好ましいクラスはIgGである。本発明の「機能性断片」はF(ab’)断片、Fab断片、scFv、又は例えば単一の重鎖可変ドメイン又は単一の軽鎖可変ドメインといった単一の免疫グロブリン可変ドメイン又は単一のドメイン抗体ポリペプチドを含む構築物を含んでいる。F(ab’)又はFabは、CH1とCドメイン間に生じる分子間ジスルフィド相互作用を最小化する又は完全に除去するよう設計されている。
本発明の抗体は、シリコン内で設計されたアミノ酸配列に基づいて合成的に作られた核酸でコードされた組み換え体抗体ライブラリ由来のものであってもよい。シリコン内での抗体の設計は、例えばヒト抗体のデータベースを分析し、そこから得られたデータを利用してポリペプチド配列を構築することにより得ることができる。例えば、Knappikら、「J.Mol.Biol 296」、57頁、2000年、Krebsら、「J.Immunol.Methods.254」、67頁、2001年、Rotheら、「J.Mol.Biol.376」、1182頁、2008年、及び参照によりその全体が組み込まれる2000年にKnappikらに発行された米国特許第6,300,064号にシリコン内で作製された配列の設計及び取得方法が開示されている。
GM−CSFに特異的な任意の抗体を本発明で使用することができる。例示的な抗体は、その全内容を援用するUS11/914,599に開示されている。他の例示的な抗体は、配列番号1に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列又は配列番号2に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む抗体を含む。さらに他の例示的な抗体は、配列番号1に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列又は配列番号2に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む抗体由来の抗体を含む。さらに例示的な抗体は、配列番号1に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列又は配列番号2に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む抗体と同じ特異性を有する及び/又は同じエピトープに結合する抗体を含む。さらに他の例示的な抗体は、配列番号1に示す配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%相同である重鎖可変領域を含む抗体を含む。さらに他の例示的な抗体は、配列番号2に示す配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の相同性を有する軽鎖可変領域を含む抗体を含む。
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本発明で用いることができる代替の例示的な抗体は、配列番号3に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列又は配列番号4に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む抗体である。別の例示的な抗体は、配列番号3に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列又は配列番号4に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む抗体由来の抗体を含む。さらに例示的な抗体は、配列番号3に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列又は配列番号4に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む抗体として同じ特異性を有する及び/又は同じエピトープに結合する抗体を含む。さらに例示的な抗体は、配列番号3に示す配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の相同性を有する重鎖可変領域を含む抗体を含む。さらに例示的な抗体は、配列番号4に示される配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の相同性を有する重鎖可変領域を含む抗体を含む。
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本発明で用いることができる代替の例示的な抗体は、以下から選択されたH−CDR3配列を含む抗体である。
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配列番号5−16のいずれか一つから選択されたH−CDR3配列を含む抗体が、さらに以下のH−CDR1配列を含むのが好ましい。
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本発明で用いることができる代替の例示的な抗体は、以下のL−CDR1配列を含む。
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前記抗体が、配列番号22−27のCRDsの全てを含むのが好ましい。
GM−CSF受容体は、エリスロポエチン受容体スーパーファミリーの要素である。それは、アルファ及びベータサブユットから成るヘテロ二量体性である。ベータサブユニットがIL3とIL5を含むサイトカイン受容体と共有されるのに対し、アルファサブユニットはGM−CSFに高い特異性を有する。これは、ベータ受容体サブユニットのより広範な組織分布で反映される。アルファサブユットであるGM−CSFRαは、好中球、マクロファージ、好酸球、樹枝状細胞、内皮細胞、及び呼吸上皮細胞といった骨髄性細胞及び非造血細胞に最初に発現する。GM−CSFRαの全長は、I型サイトカイン受容体ファミリーに属する400アミノ酸のI型膜糖タンパク質であり、22アミノ酸のシグナルペプチド(位置1−22)、298アミノ酸の細胞外領域(位置23−320)、位置321−345の膜貫通領域、及び短い55アミノ酸の細胞内領域から成る。シグナルペプチドは、378アミノ酸のタンパク質としてGM−CSFαの成熟形を提供するために切断される。ヒト及びネズミのGM−CSFRαのcDNAクローンは市販されており、タンパク質レベルで受容体サブユニットは36%の同一性を有する。GM−CSFは、単独で相対的に低い親和性のαサブユニット(Kd1−5nM)に結合することができるが、βサブユニットには単独で結合することはない。しかし、α及びβサブユット両方が存在すると、高い親和性のリガンド受容体複合体(Kd>>100pM)になる。GM−CSFシグナル伝達は、GM−CSFRα鎖への初期結合によって生じ、次いでJAK−STAT経路をリン酸化して共通のβ鎖に高い親和性相互作用を生じさせ、より大きなサブユニットとの架橋結合によって生じる。
GM−CSF受容体に特異的な任意の抗体を、本発明で使用してもよい。例示的な抗体は、配列番号28−46のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を含む抗体を含む。別の例示的な抗体は、配列番号28−46のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を含む抗体由来の抗体を含む。さらに別の例示的な抗体は、配列番号28−46のいずれかに示すH−CDR3のアミノ酸配列を含む抗体として同じ特異性を有する及び/又は同じエピトープに結合する抗体を含む。さらに例示的な抗体は、配列番号28−46のいずれかに示すH−CDR3配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の相同性を有するH−CDR3配列を含む抗体を含む。
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ある特定の態様において、本発明は対象の疼痛の治療方法を提供し、この方法は、対象にGM−CSFアンタゴニストを投与するステップを含む。この文脈で使用される「対象」とは、カニクイザル(Macaca fascicularis)、赤毛猿(Macaca mulatta)又はヒト(Homo sapiens)といった霊長類や、マウス又はラットといったげっ歯動物を含む任意の哺乳類をいう。対象は、霊長類が好ましく、最も好ましいのはヒトである。
ある特定の態様において本発明は、疼痛を患う又は疼痛を患う疑いのある対象の細胞の成長及び/又は生存を活性化、増殖、誘導するGM−CSFの能力に拮抗するGM−CSFアンタゴニストを含む組成物に関するもので、この組成物は、一又はそれ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤をさらに含むものである。本発明の抗GM−CSF抗体は、疼痛におけるGM−CSFの役割のいずれかに拮抗することができる。
他の態様において本発明は、対象の疼痛の予防方法を提供し、この方法は、対象にGM−CSFアンタゴニストを投与することを含むものである。この文脈で使用される「予防」とは、疾患の発症を防止したり、疾患の発症を遅らせたりすることを目的とする方法をいう。
他の態様において本発明は、疼痛治療に有用なGM−CSFアンタゴニストを含む組成物に関するもので、この組成物は、一又はそれ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤をさらに含むものである。
別の態様において本発明は、疼痛治療のための医薬の調製におけるGM−CSFアンタゴニストの使用に関するものである。
別の態様において本発明は、疼痛治療用のGM−CSFアンタゴニストを提供するものである。
本発明の疼痛治療用の組成物は、GM−CSFアンタゴニスト及び薬学的に許容される担体、希釈剤、又は添加剤を含む薬学的な組成物であるのが好ましい。この担体、希釈剤、及び添加剤は、その技術分野で知られおり、当業者は、本発明のGM−CSFアンタゴニストを用いて対象を治療するにあたり最も適した処方や投与の手段を見つけられるだろう。
他の態様において本発明は、GM−CSF−/−遺伝子型を有する遺伝子組み換えされた哺乳類を提供する。特別な態様において、その哺乳類はマウスである。用語「ノックアウト」マウス(又は哺乳類)、ある遺伝子が「破壊された」マウス(又は哺乳類)、及び「−/−遺伝子型」を有するマウス(又は哺乳類)は、本発明では同じ意味で使用され、当該分野で認識されている。動物はそれぞれ、染色体の両対立遺伝子上でそれぞれ遺伝子、ここではGM−CSFを欠損している。
[GM−CSF−/−マウスの生成]
GM−CSF−/−マウスの生成は、Stanleyら、(1994)、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91」5592頁に記載されている。簡単にいうと、分裂したGM−CSF遺伝子を有する129/OLA由来のES細胞(H−2b)をC57BL/6(H−2b)宿主胚盤胞にマイクロインジェクションして、キメラマウスを生成する。変異GM−CSF対立遺伝子の生殖細胞系伝達物質は、11世代にわたりC57BL/6マウスと交配され、実験用のGM−CSF−/−、GM−CSF+/−、及びGM−CSF+/+を生み出すために異種交配されたGM−CSF+/−マウスを与える。GM−CSF遺伝子型の状態は、テールDNAをPCR分析することにより決定する。動物は、標準的なげっ歯動物用の飼料と水が適宜与えられ、おがくずが並べられたケージの中で同性の同腹子と収容された。オス、メス共に生後8−15週のマウスが実験の対象とされた。
[GM−CSFアンタゴニストは外科的手術後の疼痛の治療において有効である]
疼痛モデルは、外科的手術後に生じる疼痛のGM−CSFアンタゴニストを用いた治療の有効性を評価するために用いられる。
[動物]
体重220−240グラムのオスのSprague Dawleyラットを外科的手術前1週間、動物施設に順応させる。
[外科的手術]
外科的手術は、Brennanら、「Pain64」、493−501頁、1996年、に記載された手順に従った。動物を、ノーズコーンを通じて外科的手術の間維持した空気混合中の2%のイソフルレンで麻酔した。右後ろ足の足底表面をポビドンヨードパッドを用いて調整し、皮膚と筋膜を貫通するように1cm中心長さの切開をし、踵の端0.5cmからつま先に向かって広げた。測定は屈曲位に保った足に定規を用いて行った。足底の筋肉を湾曲した鉗子を用いて持ち上げて縦方向に切開した。基点から差し込み部分の間、その深さを貫通するように筋肉を切開した。外科的手術の間、ガーゼパッドを通して圧迫することにより出血をコントロールした。創傷は、2本の縫合糸(5−0エチロンブラックモノフィラメント糸)で閉じた。これらの縫合糸は5−6回結び、最初の結び目は緩く結んだ。創傷部位をバシトラシン溶液で消毒した。行動実験を開始する前に2時間又はそれ以上動物を清潔なケージ内で休ませ、回復させた。
[安静時の疼痛評価]
累積的な疼痛スコアを、体重負荷に関連する疼痛を評価するために使用した。土台を高くした(h:18”)清潔なプラスチックのケージのプラスチックメッシュ(格子:8mm)上に動物を置き、足の底裏面を検診した。20分の順応時間の後、体重負荷を0から2のスケールで評価した。0スコアは、足が白くなったか、メッシュに押し付けられたときに与え、これは、完全な体重負荷を示している。1スコアは、メッシュに触れているだけの皮膚で足がかばわれており、足が白くなってないか皮膚の圧痕がないときに与えた。2スコアは、足がメッシュから完全に離れて保たれている場合に与えた。ラットがまだ休んでいる場合には躊躇無く足を2とみなした。各動物を数分間にわたり5分おきに1分間観察した。1/2時間に得られた6つのスコアの和(0−12)を使用して、切開した足の疼痛を評価した。2スコアの頻度も計算し、動物による激痛の発生率又は足の全体的な防御を評価するのに使用した。各動物を外科的手術の24時間前(ベースライン)、並びに手術2時間、24時間、48時間、及び72時間後に検査した。GM−CSFアンタゴニストで治療された動物は、コントロールの動物と比較して累積の安静時の疼痛が著しく減少したことをこの実験の結果は示している。体重負荷は、動物がどれくらい足を使用する意思があるかにかなり相関するので、疼痛緩和の効果的な測定である。GM−CSFアンタゴニストは、GM−CSF受容体に特異的であるGM−CSFに特異的な抗体であるのが好ましい。これらの抗体を、切開15時間前に様々の濃度の抗体を(例えば、動物の体重キログラムあたり0.004、0.01、0.02、0.1、0.6、及び1mg)腹腔注入した。陰性対照グループには、抗体を投与せず生理食塩水を腹腔に注入した。外科的手術の24時間後の検査開始30分前に0.01mg/kgのフェンタニルを、陽性対照として腹腔に注入した。各実験は、各条件について8匹の動物(グループあたりn=8)を含め、コントロールグループは56匹とした。外科的手術を行い、累積疼痛スコアの測定を上記の通り行った。安静時の疼痛を外科的手術の24時間後に評価した。
外科的手術後にGM−CSFアンタゴニストを0.02mg/kgから1mg/kg用量投与すると、安静時の疼痛が著しく軽減する。
別の実験では、外科的手術後に投与して外科的手術後の疼痛を減らすことにおけるGM−CSFの有効性を検査した。GM−CSF又はGM−CSF受容体に特異的な抗体を、外科的手術の2時間後に静脈注射する。コントロールグループは、抗体を投与されず生理食塩水が腹腔注入される。外科的手術を行って現れる安静時の疼痛を累積的な疼痛スコアとして、外科的手術の24時間後に評価した。切開の2時間後に抗体を投与すると、GM−CSFアンタゴニストが切開の24時間後の安静時の疼痛を著しく減少させる。これらの結果は、GM−CSFを外科的手術後に投与した場合、外科的手術後の疼痛を効率よく緩和したことを示している。
[温熱性知覚過敏の評価]
温熱性知覚過敏を、下記のHargreavesらにより変更された方法(1988)である、ラットの足底表面検査(Ugo Basile、イタリア)により評価する。ラットは、ガラス製のテーブルの上にある4つの個々のプレキシガラスの箱から成る装置で順応させられる。モバイル放射熱源は、テーブルの下に配置されており、後ろ足に焦点を当てる。動物が寝てないが動いていないときに、コントロール箱上のボタンを押すと、放射熱源が作動し、動物が熱源から足を引っ込めるに要する時間を自動的に記録する。この足撤退待ち時間(POOL)は、放射源の反射率の変化によりラットの足の動きを感知する放射熱源に内臓された光検出器によって検出される。足撤退待ち時間(PWL)は、数秒で記録される。組織の損傷を防止するため、22.5秒の自動カットオフポイントを設けている。各動物の両後ろ足のPWLを3−4回計り、その平均を右及び左後ろ足のベースラインとする。結果は右足(外科的手術の部位)と左足において測定されたスコアの比として表示する。約6秒の正常のPWLを与えるために、装置は1度(調査開始時点)調整され、40の強度に設定される。各動物を外科的手術の24時間前(ベースライン)、並びに手術の3時間、24時間、48時間、及び72時間後に検査した。温熱性知覚過敏の測定は、接触性アロディニアの測定後に行われる。
[GM−CSFアンタゴニストは骨肉腫疼痛の治療において有効である]
GM−CSFに特異的な抗体、又はGM−CSF受容体に特異的な抗体などのGM−SCFアンタゴニストは、骨転移に関連する骨肉腫疼痛の治療に有効である。
GM−CSFアンタゴニストによる治療の有効性を評価するためネズミの骨肉腫疼痛モデルを使用する。このネズミモデルは、溶骨性肉腫細胞をマウスの大腿骨に随内注入し、次いで腫瘍を骨に閉じ込めるために針の穴を歯科用アマルガムで充填することにより行われる(Schweiら「J:Neuroscience 19」、10886−10897頁、1999年及びLugerら、「Pain 99」、397−406頁、2002年を参照されたい)。実験は、成体オスC3H/HeJで行われる。0日目に、ペントバルビタームナトリウム(腹腔内(i.p.)に50mg/kg)による全身麻酔誘導後に関節切開が行われる。肉腫細胞のための経路を作るために、針が延髄管に挿入される。次いで、押圧が空気圧式歯科用高速ハンドピースを用いて行われる。未治験の動物(n=5)に加え、シャム(sham)動物(n=5)は、最小必須培地(20μl、Sigma、St.Louis、MO)を大腿骨の随内スペース(シャム用)に注入することにより生成され、一方で肉腫動物(n=5、各条件で検査された)に、105 2472溶骨肉腫細胞(肉腫細胞又はsarc用)を含む媒体(20μl、ATCC、Rockville、MD)が注入される。すべての動物は、注入部位を細胞又は注入した媒体を髄液管内に閉じ込めるために歯科用アマルガムプラグで密閉し、その後滅菌水(低張液)で洗浄した。最後に創傷クリップにより切開を閉鎖する。クリップは行動実験を妨害しないよう5日目に取り外される。肉腫注入動物の第2グループは、6日目と13日目にGM−CSF特異抗体又はGM−CSF受容体特異抗体(例えば10mg/kg、i.p.)で治療される。
[行動分析]
動物の腫瘍移植10日及び14日後の疼痛関連行動を検査する。以下の検査を用いて動物の行動検査を行う。継続的な疼痛(自発的防御及び収縮)、歩行時の疼痛(足の使用や回転)、及び運動により誘発された疼痛(触診により誘発された防御及び触診により誘発された収縮)。動物は、ワイヤメッシュの床を有する透明なプラスチックの観察箱に配置され、30分間順応させられる。順応後、オープンフィールドでの通常の歩行時に自発的に防御、自発的な収縮、足の使用、及び歩行を強制された時の防御を評価する。触診により誘発された防御及び収縮は、肉腫及びシャム注入動物の大腿遠位の正常な非有害触診の2分後に測定される。
侵害受容を表す、防御に費やす自発的収縮の回数と時間は、観察期間2分の間で同時に記録される。歩行時の収縮が動物が足を上方に上げる回数を指すのに対し、防御とは、後ろ足を上方に上げる時間を指すものである。正常な足の使用は自発的な歩行時は、5から0のスケールでスコアされる。(5)は正常な足の使用で(0)は、完全に足の使用を欠いている場合である。
歩行を強制されたときの防御は、ロータロッド(Clolumbus Instrumens、Columbus、オハイオ州)を用いて判定される。回転機械は、回転ロッドを有しており、速度、加速度、及び感度が制御されている。動物は、速度×4、加速度8.0、及び感度2.5のロッドに配置される。歩行を強制されたときの防御は、5から0のスケールで評価される。(5)は正常な使用で、(0)が使用を完全に欠いている場合である。2分間にわたり1秒ごとに動物の大腿遠位を正常に非有害の触診をした後に、動物を観察箱に配置し、触診により誘発される防御及び触診により誘発される収縮をさらに2分間測定する。
[GM−CSFアンタゴニストによる治療]
6日目と13日目に、肉腫注入動物に、抗GM−CSF又は抗GM−CSF受容体抗体(n=5)のようなGM−CSFアンタゴニストを腹腔内(i.p.)に注入し、又は肉腫及びシャム注入動物に、腹腔内(i.p.)に生理的食塩水を注入した(n=5、各条件で)。10日目と14日目に全ての動物の行動面における分析を行う。
[継続的な疼痛行動の評価]
肉腫注入動物(生理的食塩水と共に投与)は、シャム注入動物(生理的食塩水と共に投与)と比較して自発的防御及び自発的により評価すると統計的に著しい持続性疼痛行動を示す。
肉腫移植の10日と14日後に肉腫注入マウスにGM−CSFアンタゴニストを投与すると、生理的食塩水を投与された肉腫注入マウスと比較して、自発的防御と自発的収縮が著しく減少する。これらの結果はGM−CSFアンタゴニストが、肉腫注入マウスの持続性疼痛を減少させることを示している。
[歩行時の疼痛行動の評価]
肉腫注入動物(生理的食塩水と共に投与)は、シャム注入動物(生理的食塩水と共に投与)と比較して、足の使用及び歩行を強制されたときの防御(ロータロッド)により評価すると、歩行時に疼痛行動を示す。肉腫移植の10日と14日後に肉腫注入マウスにGM−CSFアンタゴニストを投与すると、生理的食塩水を投与された肉腫注入マウスと比較して、足の使用スコアと歩行を強制されたときの防御のスコアが著しく増加する。これらの結果は、GM−CSFアンタゴニストが肉腫注入マウスの歩行時の疼痛を減少させることを示している。
[接触により誘発される疼痛行動の評価]
肉腫注入動物(生理的食塩水と共に投与)は、シャム注入動物(生理的食塩水と共に投与)と比較して、触診により誘発される防御及び触診により誘発される収縮により評価すると、接触により誘発された疼痛行動を示す。肉腫移植の10日と14日後に肉腫注入マウスにGM−CSFアンタゴニストを投与すると、生理的食塩水を投与された肉腫注入マウスと比較して、触診により誘発される防御及び触診により誘発される収縮が著しく減少する。これらの結果は、GM−CSFアンタゴニストが肉腫注入マウスの接触により誘発される疼痛を減少させることを示している。
[GM−CSFアンタゴニストの鎮痛効果]
完全フロインドアジュバント(CFA)により誘発されるラットの慢性関節炎のGM−CSFアンタゴニストの鎮痛効果を基準物質として使用したインドメタシンと比較して、発声検査を用いて研究する。
実験期間の開始時に体重150gから220gの50匹のオスのLewisラット(LEWIS LEW/Crl Ico)をこの研究に含める。全ての動物を実験の前少なくとも5日間飼育し、研究の間中は濾過した水道水と標準的なペレット状の研究室用の食餌を無制限に摂取できるようにし、一定の温度(19.5−24.5℃)、相対湿度(45〜65%)で、12時間の明/暗のサイクルに制御した室内で飼育した。動物を尾で個々に識別した。
0日目(D0)に、鉱油(10mg/ml)中のウシ型結核死菌の懸濁液0.05mlを、尾に皮内注射することによりラットにおいて関節炎を誘発した。14日目(D14)に、関節炎のラットを、後足の軽い屈曲の際に声を発する彼らの能力にしたがって、及びそれぞれ後足についての炎症スコアを使用して評価したそれらの関節炎指数にしたがって本研究に含めた(Kuzunaら、Chem.Pharm.Bull.(Tokyo)23:1184−1191頁、1975年、Pearsonら、Arthritis Rheum.2、440−459頁、1959年、を参照されたい)。
動物を以下の、スコア0:正常な挙動、スコア1:紅斑、スコア2:わずかな浮腫を伴う紅斑、スコア3:硬直は伴わない強い炎症、スコア4:硬直、の基準に基づきスコア付けした。軽い屈曲の際に声を発することができ、2または3のスコアを示した動物のみを、研究に含めた。
10匹のラットの4つのグループを本研究に含めた。グループ1(媒体)は、14日目(D14)に選択後、媒体(生理食塩水)をラットに静脈内投与した。18日目(D18)に侵害刺激反応の強さを後足の軽い屈曲によって評価し、発声のレベルの強さを個々の動物について記録した。グループ2(4日)は、14日目(D14)に選択後、ラットにGM−CSF特異抗体を静脈内投与した。18日目(D18)に、侵害刺激反応の強さを後足の軽い屈曲によって評価し、発声のレベルの強さを個々の動物について記録した。グループ3(24時間)については、CFAの注入後17日目に、ラットにGM−CSF特異抗体又はGM−CSF受容体特異抗体を静脈内投与した。24時間後に、侵害刺激反応の強さを後足の軽い屈曲によって評価し、発声のレベルの強さを個々の動物について記録した。グループ4(インドメタシン)については、18日目(D18)に、インドメタシンの経口投与(10mg/kg)の1時間後に、侵害刺激反応の強さを後足の軽い屈曲によって評価した。発声のレベルの強さもまた個々の動物について記録した。検査物質は5ml/kgの容量で静脈内経路によってブラインドかつランダム形式で投与したが、インドメタシンは10ml/kgの容量を経口経路により投与した。
GM−CSFアンタゴニストは、顕著な鎮痛効果を示す。治療を受けたグループと媒体グループ間の統計的有意性を、一元配置分散分析後に残差分散を用いることにより決定する。GM−CSF特異抗体又はGM−CSF受容体特異抗体は、抗体の単回投与の24時間後又は4日後に、関節リウマチのラットモデルの疼痛を著しく減少させる。
[GM−CSFアンタゴニストは、変形性関節症の治療に有効である]
この実験では、GM−CSFアンタゴニストが変形性関節症の治療に効果があることを明らかにすべく、GM−CSFに特異的なモノクローナル抗体を使用した。
[コラーゲンにより誘発される変形性関節症のマウスモデル]
C57BL/6マウスに関節不安定性を誘発させるため、0日目と2日目に右膝にコラゲナーゼVII型を1ユニット関節内投与した(Blomら、Osteoarthritis Cartilage.12、627−35頁、2004年を参照されたい)。
[抗GM−CSF抗体治療]
20匹のマウスを不規則に2つのグループに分けた(10匹/グループ)。
グループ1(n=10):抗GM−CSF抗体(22E9)
グループ2(n=10):IgG2aコントロール抗体
マウスを、抗GM−CSF抗体(22E9)又はIgG2aコントロール抗体、250μg/匹/処置の条件で6週にわたり1週間に3回腹腔内で処置した。処置は変形性関節症が誘発される4日前に開始され(予防)、すなわちマウスは(最初にコラゲナーゼが注入される日の)4日前、2日前、0日に、次いで(実験が終わるまでの6週間)1週間に3回、処置される。2週、4週、及び6週において、マウスは出血した。コントロール抗体と抗GM−CSF抗体はともに、10エンドトキシンUnits/mlを含有するように精製した。
例示的な抗GM−CSF抗体として抗体22E9を使用した。IgG2aアイソタイプである22E9は、ラット抗マウスGM−CSF特異抗体である。22E9は、AbD Serotec(Martinsrised、Germany、Cat.No.1023501)から購入した。代替として、例えばeBioscience(SanDiego、CA、USA、Cat.No.14−7331)が供給者として存在している。
[組織構造]
最終注入の6週後に組織構造はマウスの膝関節に形成された。膝関節を回収、固定、脱石灰化し、パラフィン内に包埋し、ミクロトームで7μmにカットした。スライドをサフラン−O/ファストグリーン、ヘマトキシン、及びエオシンで染色し、関節病変を明らかにした。研究された病変は、軟骨損傷、滑膜炎、骨棘変形、及び関節変形を伴っていた。
以下のスコアシステムを軟骨病変に用いる。
グレード
0 正常
1 無傷だがムラがある
1.5 粗い表面でムラがある
2 表面細動
2.5 軟骨内の細胞減少を伴う表面細動
3 垂直な亀裂
3.5 分岐した及び/又は水平な亀裂、タイドマーク、裂け目
4 タイドマークに達していない軟骨欠損
4.5 タイドマークに達した軟骨欠損
5 骨に達してないが、タイドマークを超えた軟骨欠損
5.5 骨に達した軟骨欠損
6 骨の欠損/再形成/変形
ステージ
1 <10%の領域が損傷
2 10−25%の領域が損傷
3 25−50%の領域が損傷
4 50−75%の領域が損傷
グレード×ステージでスコアが算出される。
このスコアシステムは、臨床及び実験的変形性関節症において、変形性関節症を組織学的に評価するのに広く認められている方法に基づいている。Pritzkerら、「Osteoarthritis Cartilage 14」13−29頁、2006年を参照されたい。グレードは、軟骨への変形性関節症の深度進行により定義される。ステージは、軟骨病変の水平的な広がり、すなわち軟骨の罹患程度により定義される。変形性関節症の重傷度と範囲の併用評価を示すために、グレードにステージをかけて、スコア、全体のスコアを算出する。マウス1匹につき最大6セクションまでスコアされる。
グレード×ステージでスコアが算出される。
以下のスコアシステムを滑膜炎に用いる(滑膜層スコアシステム)。
0 正常な関節と比較して変化なし
1 滑膜表面の肥厚及び炎症細胞の一部流入
2 滑膜表面の肥厚及び炎症細胞の中間流入
3 滑膜表面の重度肥厚及び炎症細胞の最大流入
[疼痛測定]
変形性関節症モデルの疼痛指標は、インキャパシタンスメータ(Incapacitance Meter)を用いて測定される体重分配の差異である。この器具は、手術された後ろ足と、反対側のすなわち手術されていない後ろ足の間の体重分配の変化を計測する。マウスは、実験前に3回、装置に順応させられる。各後ろ足が体重をかけた場所を5秒にわたって測定した。マウス1匹につき各時点で3回別個に測定し、次いで平均をとる。測定は、実験の間、1週間に2回行われた。結果は、コラゲナーゼを注入した足/コントロールの足×100として表示する。
[結果]
組織構造において分析されたすべての領域(中央大腿骨を除く)、すなわち外側大腿骨、外側脛骨、及び中央脛骨では、抗GM−CSF抗体で治療されたマウスの疾患が少ない明確な傾向がある。結果は図1に示されている。
関節炎に関連する疼痛の測定としての体重分配の評価は、mAbで治療されたコントロールグループと比較して、mAbで治療された抗GM−CSFグループは、27日以降関節炎の膝からの体重移動を顕著に示した。結果は、図2に示されている。
GM−CSFアンタゴニストで治療したマウスは、コントロール抗体で治療されたマウスと比較すると、疾患が少ないことは明らかである。GM−CSFアンタゴニストで治療したマウスは、コントロール抗体で治療されたマウスと比較すると、疾患の最終局面で疼痛が顕著に少ないことも明らかである。アイソタイプのコントロール抗体で治療したマウスは、GM−CSF特異抗体を投与されたマウスと比較すると、変形性関節症の兆候が顕著に多いことを示している。これは、GM−CSFアンタゴニストが変形性関節症の治療に有効であることを示す。
[GM−CSFアンタゴニストは炎症性疼痛/mBSAモデルの治療に有効である]
以下の実験は、GM−CSFアンタゴニストが炎症性疼痛の治療にも有効であることを示す。GM−CSFノックアウトマウス及びコントロールのマウスにmBSA/IL−1単関節関節炎が誘発された。疼痛は、インドメタシン、疼痛緩和物質の投与にかかわらず、インキャパシタンス検査装置を用いて様々な時点で評価された。
[マウス]
24匹のオスのC57BL/6マウス及び24匹のオスのGM−CSF−/−マウス(実施例1を参照されたい)が4つの治療グループで用いられる。
グループ1:GM−CSF KO(n=12):メチル化BSA/IL−1
グループ2:GM−CSF KO(n=12):メチル化mBSA/IL−1+インドメタシン
グループ3:C57BL/6野生型(n=12):メチル化BSA/IL−1
グループ4:C57BL/6野生型(n=12):メチル化BSA/IL−1+インドメタシン
[単関節痛関節炎の誘発]
単関節痛関節炎は、生理食塩水中のmBSA(20mg/ml)を10μl膝関節に、生理食塩水10μlを対側の膝関節に関節内注射することにより誘発される。IL−1β20μl(250ng)を、3日間毎日皮下投与された。一般に、mBSA注入の4日及び7日後に反応が現れ、28日後に消散する。2、3、4、5、及び7日目にインキャパシタンスの検査をした。
インドメタシン(Sigma)は、非ステロイド系抗炎症性薬物であり、一般に熱、疼痛、こり、及び腫れを軽減させるために用いられる。これは、プラスタグランジンの生成を阻害することことによって作用する。1mg/kgのインドメタシンを、インキャパシタンスを用いて評価する1時間前にグループ2とグループ4に腹腔内に投与した。
[疼痛の読み取り]
インキャパシタンステスター(Dual Weight Averager)は、2本の後ろ足における体重分配を測定することで、鎮痛効果を自動的に再現性よく評価するのに使用した。使用者が選択した期間にわたり、各足によってもたらされる力(グラム単位で測定)の平均をとり、動物の片方の足からもう片方の足に体重移動する傾向を提示し、インキャパシタンスの定量的測定を提供する。
各後ろ足にかけられた体重は、5秒にわたって測定される。マウス1匹につき各時点で3回別個に測定し、次いで平均をとる。結果は、注入された後足/コントロール後足×100で表す。100の値は、右足と左足にかけられた体重が等しいことを意味する。100以下の値は、コントロールの足(右)と比較すると、注入された足(左)に体重がかけられていないことを意味する。
[結果]
このモデルは、mBSAを注入されることにより、膝関節に滑膜炎が誘発される。7日目に膝関節は、視覚的に検査され、0(正常)から3(重度の炎症)のスコアが与えられる(図3を参照)。mBSAが注入された左の膝は、右の膝(生理食塩水が注入された)と比較して、著しい炎症を起こした(p>0.001 C57マウス及びp=0.02 GM−CSF−/−マウス)(図3参照)。実際、生理食塩水が注入された任意の右膝は、スコア0だった。インドメタシンで治療したマウスとそれらで治療しない間には、損傷に顕著な違いはみられなかった。
mBSA/IL−1単関節痛関節炎が誘発されたとき、C57BL/6マウスは、GM−CSF−/−マウスと比較して、著しい疼痛(mBSAを注入した膝からの体重を移動を計測することにより)を示した(図4参照)。これは4日目以降から顕著になる。
インドメタシンで治療されたC57BL/6マウスは、インドメタシンで治療されないマウスと比較して、mBSA/IL−1単関節痛関節炎が誘発された後の疼痛が著しく軽いことを示し(図4参照)、この表示は、GM−CSF−/−マウスと類似する。GM−CSF−/−は、疼痛を示さないので、インドメタシン治療は効果を有さない。
有意水準は以下の通りである。

C57BL/6マウス:インドメタシンで治療されたグループ vs.治療されないグループ(グループ4 vs.グループ3):
4日 p<0.0001、5日 p<0.001、7日 p=0.007

GM−CSF−/−マウス vs.C57BL/6マウス(グループ1 vs.グループ3):
4日 p<0.0001、5日 p<0.0001、7日 p=0.022
これらの結果は、mBSA/IL−1単関節痛関節炎モデルにおいて、GM−CSF−/−マウスは、全く疼痛の兆候を示さないのに対し、C57BL/6マウスは4日目以降に著しい疼痛を示した。したがって、GM−CSFのアンタゴニストは、炎症性疼痛の治療に顕著な効果を有することは明らかである。
[GM−CSFアンタゴニストは炎症性疼痛/CFAモデルの治療に有効である]
以下の実験は、炎症性疼痛の治療において、GM−CSFアンタゴニストの有効性を明らかにする追加の実験である。ここで炎症性疼痛は、完全フロインドアジュバントで誘発されるものである。実施例5のように、疼痛をインドメタシン、疼痛緩和物質の投与にかかわらず、インキャパシタンス検査装置を用いて様々な時点で評価した。
[マウス]
12匹のオスのC57BL/6マウス及び12匹のオスのGM−CSF−/−マウス(実施例1を参照されたい)がそれぞれ3つの治療グループで使用された。
グループ1:C57BL/6野生型(n=12):CFA
グループ2:C57BL/6野生型(n=12):CFA+インドメタシン
グループ3:GM−CSF KO(n=12):CFA
[炎症性疼痛の誘発]
完全フロインドアジュバント(CFA)は、1mg/mlの濃度の鉱油中に、熱滅菌したヒト型結核菌株、H37Raを含む。熱滅菌したバクテリアが完全に懸濁液に組み込まれるように、ボルテックスしてCFAを完全に混合した(Kamala T Hock immunization:a humane alternative to mouse footpad injections.J Immunol Methods 328:204−214、2007)。ボルテックス後すぐに、アジュバントは、19ゲージ針を用いるガラスシリンジに吸い込まれた。気泡をシリンジから丁寧に取り除いてから、針を除去した。各マウスは、CFAエマルション20μlを左後ろ足(足蹠)に皮下注射された。疼痛評価1時間前にグループ2のマウスの腹腔内に、1mg/kgのインドメタシン(実施例5参照されたい)を投与した。
[疼痛の読み取り]
実施例5にあるように、インキャパシタンステスター(Dual Weight Averager)を、2本の後ろ足の体重分配を計測することで自動的で再現性のある鎮痛効果の評価をするために使用した。各後ろ足が体重をかけた場所を5秒にわたって測定した。マウス1匹につき各時点で3回別個に測定し、次いで平均をとった。結果は、注入した足/コントロールの足×100として表示する。100の値は、右足と左足にかけられた体重が等しいことを意味する。100以下の値は、コントロールの足(右)と比較すると、注入された足(左)に体重がかけられていないことを意味する。CFA注入の24、48、72時間後にインキャパシタンスによる検査をした。
[結果]
左の足蹠にCFAを皮下注射した後、C57BL/6(グループ1)とGM−CSF−/−(グループ3)マウスと同様な大きさの腫れが、左の足蹠に示された。インドメタシンで治療されたC57BL/6マウス(グループ2)も、腫れの程度に違いはなかった(図5を参照されたい)。いずれのグループも対側(右)の足に腫れは見られなかった。
疼痛の測定としての体重分配評価は、C57BL/6マウスは、徐々に疼痛を示し、CFA注入の48時間(p=0.03)及び72時間(p=0.0009)後にGM−CSF−/−マウスより顕著になる(図6参照)。GM−CSF−/−マウスは、全く疼痛を示さなかった。インドメタシンで治療されたC57BL/6マウスは、疼痛が緩和され、GM−CSF−/−マウスと違いがなかった(図6参照)。CFA注入の72時間後に、インドメタシンで治療されたC57BL/6マウスは、インドメタシンで治療されないC57BL/6マウスより著しく疼痛が少なかった(p=0.05)。
有意水準の概要:
48時間:
グループ3vs.グループ1−p=0.03
グループ2vs.グループ1−p=0.09
72時間:
グループ3vs.グループ1−p=0.0009
グループ2vs.グループ1−p=0.05
CFA注入後に起こる足蹠の腫れの程度は、GM−CSF−/−マウスとC57BL/6マウスでは、違いがなかった。さらに、インドメタシンで治療されたC57BL/6マウスに腫れへの影響はなく、これはおそらくインキャパシタンス読み取りの1時間前にみ与えられたからである。腫れの大部分が、最初のインドメタシン注入の24時間前に既に形成されていた。
一方、CFA注入後、C57BL/6マウスは、インドメタシンにより軽減された疼痛が、顕著に示された。その一方で、GM−CSF−/−マウスは、疼痛の兆候を全く示さなかった。従って、これらの実験結果は、CFA注入の後の全てのマウスの足蹠に炎症が見られたのに、GM−CSF−/−マウスには、疼痛の兆候が全く見られなかった。
[配列番号1又は2を含むGM−CSF特異抗体の治療の有効性]
GM−CSFアンタゴニストとして、配列番号1に示される重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む又は配列番号2に示される軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含むGM−CSF特異抗体を用いて実施例2−7と同様の実験を行う。マウスとは別の種が用いられてもよく、特にこの実験で用いられる抗体は交差反応性である。この実験で特に好ましい動物種は、ラットである。
コントロール抗体で治療された動物は、配列番号1に示される重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む又は配列番号2に示される軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含むGM−CSF特異抗体を投与された動物と比較して著しい疼痛の兆候を示した。これは、疼痛の治療の抗体の有効性を明らかにした。
[配列番号3又は4を含むGM−CSF特異抗体の治療の有効性]
実施例2−7を繰り返す。GM−CSFアンタゴニストとして、配列番号3に示される重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む又は配列番号4に示される軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含むGM−CSF特異抗体が用いられる。マウスとは別の種が用いられてもよく、特にこの実験で用いられる抗体は交差反応性である。この実験で特に好ましい動物種はラットである。
コントロール抗体で治療された動物、例えばラットは配列番号3に示される重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む又は配列番号4に示される軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含むGM−CSF特異抗体を投与された動物と比較して著しい疼痛の兆候を示した。これは、疼痛の治療の抗体の有効性を明らかにした。
[配列番号5−20を含むGM−CSF特異抗体の治療の有効性]
実施例2−7を繰り返す。GM−CSFアンタゴニストとして、配列番号5−16のいずれかから選択されるH−CDR3配列を含むGM−CSF特異抗体が使用される。前記抗体はさらに配列番号16のH−CDR1配列、及び/又は配列番号18の配列H−CDR2、及び/又は配列番号19のL−CDR1配列、及び/又は配列番号20のL−CDR2配列、及び/又は配列番号21のL−CDR3配列を含むのが好ましい。マウスとは別の種が用いられてもよく、特にこの実験で用いられる抗体は、交差反応性である。この実験で特に好ましい動物種は、ラットである。
本実施例によるとコントロール抗体で治療された動物、例えばラットはGM−CSF特異抗体を投与された動物と比較して著しい疼痛の兆候を示した。これは、疼痛の治療の抗体の有効性を明らかにした。
[配列番号21−26を含むGM−CSF特異抗体の治療の有効性]
実施例2−7を繰り返す。GM−CSFアンタゴニストとして、配列番号22のL−CDR1配列、及び/又は配列番号23のL−CDR2配列、及び/又は配列番号24のL−CDR3配列、及び/又は配列番号25のH−CDR1配列、及び/又は配列番号26のH−CDR2配列、及び/又は配列番号27のH−CDR3配列を含むGM−CSF特異抗体である。抗体は、配列番号22−28のCRDsを全て含むのが好ましい。マウスとは別の種が用いられてもよく、特にこの実験で用いられる抗体は交差反応性である。この実験で特に好ましい動物種はラットである。
本実施例によるとコントロール抗体で治療された動物、例えばラットはGM−CSF特異抗体を投与された動物と比較して著しい疼痛の兆候を示した。これは、疼痛の治療の抗体の有効性を明らかにした。
[GM−CSF受容体に特異的な抗体の治療の有効性]
実施例2−7を繰り返す。GM−CSFアンタゴニストとして、配列番号28−46のいずれかに示されるH−CDR3配列のアミノ酸配列を含むGM−CSF受容体特異抗体が使用される。マウスとは別の種が用いられてもよく、特にこの実験で用いられる抗体は、交差反応性である。この実験で特に好ましい動物種は、ラットである。
動物、例えばラットは、本実施例によるとコントロール抗体で治療された動物は、GM−CSF受容体特異抗体を投与された動物と比較して著しい疼痛の兆候を示した。これは、疼痛の治療の抗体の有効性を明らかにした。
当業者は、具体的にここに記載された発明を変形及び変更できることを理解すべきである。本発明は、このような変形及び変更を含む含むものと解釈すべきである。本発明は、個々又は集団で、明細書のステップ、特徴、組成物、並びに化合物、及び前記特徴又は特徴の任意の2又はそれ以上のいかなる組み合わせも含めるものとする。
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Claims (7)

  1. GM−CSFアンタゴニストを含む、対象における疼痛の治療剤であって、該アンタゴニストがGM−CSF受容体に特異的な抗体である、上記治療剤。
  2. 前記対象がヒトである、請求項1に記載の疼痛の治療剤。
  3. 前記疼痛が、外科的手術後の疼痛である、請求項1又は2に記載の疼痛の治療剤。
  4. 前記疼痛が、骨肉腫の疼痛である、請求項1又は2に記載の疼痛の治療剤。
  5. 前記疼痛が、関節リウマチ痛である、請求項1又は2に記載の疼痛の治療剤。
  6. 前記疼痛が、変形性関節症痛である、請求項1又は2に記載の疼痛の治療剤。
  7. 前記疼痛が、炎症性疼痛である、請求項1又は2に記載の疼痛の治療剤。
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